(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法
(51)【国際特許分類】
C07D 307/46 20060101AFI20241202BHJP
C07B 61/00 20060101ALI20241202BHJP
【FI】
C07D307/46
C07B61/00 C
C07B61/00 300
(21)【出願番号】P 2024145580
(22)【出願日】2024-08-27
【審査請求日】2024-08-27
(31)【優先権主張番号】202311420375.9
(32)【優先日】2023-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524320840
【氏名又は名称】合肥利夫生物科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100230086
【氏名又は名称】譚 粟元
(72)【発明者】
【氏名】徐 海
(72)【発明者】
【氏名】徐 強
(72)【発明者】
【氏名】余 三喜
(72)【発明者】
【氏名】李 興龍
【審査官】一宮 里枝
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第112625012(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106540677(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108325515(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第114805255(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 307/46-307/50
C07B 61/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フミンを乾燥させて粉末に粉砕し、水に懸濁させ、迅速に撹拌しながら四塩化スズ水溶液を添加して撹拌し続けた後、一晩放置して熟成させ、濃縮して乾燥させ、粉末に粉砕した後、空気中で焼成してスズ担持フミン系触媒を得るステップS1と、
計量ポンプを用いて、糖類含有原料と有機溶媒をそれぞれスズ担持フミン系触媒が充填された反応装置に注入して反応させた後、分離・精製して5-ヒドロキシメチルフルフラールを得るステップS2と、を含む、ことを特徴とする5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
【請求項2】
前記糖類含有原料は、果糖液糖、ブドウ糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、廃糖蜜、わら糖液糖のうちの少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項1に記載の5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
【請求項3】
前記果糖液糖、ブドウ糖液糖、果糖ブドウ糖液糖の濃度は、1%~75%であり、廃糖蜜、わら糖液糖の濃度は、1%~50%である、ことを特徴とする請求項2に記載の5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
【請求項4】
前記有機溶媒は、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、アセトン、トルエン、メチルイソブチルケトン、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、2-メチルテトラヒドロフラン、炭酸ジメチル、1,4-ジオキサン、メタノール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、メチルtert-ブチルエーテル、クロロホルム、ブタノン、酢酸ブチル、バレロラクトン及びブチロラクトンのうちの少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項1に記載の5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
【請求項5】
前記有機溶媒と糖類含有原料との体積比の範囲は、0.5:1~10:1である、ことを特徴とする請求項1に記載の5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
【請求項6】
ステップS2では、反応時に窒素ガスを充填して反応圧力を0.1~6MPaとし、反応流速を1~100mL/minとし、反応時間を0.1~10minとし、反応温度を50~200℃とする、ことを特徴とする請求項1に記載の5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
【請求項7】
前記スズ担持フミン系触媒のスズ担持量は、0.5%~9%である、ことを特徴とする請求項1に記載の5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
【請求項8】
前記スズ担持フミン系触媒は、管型反応器に固定され、触媒床の充填体積が反応器の50%~100%を占め、残量がフィラーである、ことを特徴とする請求項1に記載の5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
【請求項9】
反応装置は、天秤、送液計量ポンプ、管型反応器、凝縮器、循環オイルバス、気液分離タンク、サンプリング弁群、収集タンクを含み、2つの送液計量ポンプを用いて、糖類含有原料の水溶液と溶媒を管型反応器に注入して混合反応させる、ことを特徴とする請求項1に記載の5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、5-ヒドロキシメチルフルフラールの合成の技術分野に属し、具体的には、5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
5-ヒドロキシメチルフルフラール(5-HMF)は、プラットフォーム化合物として、付加価値が高く、適用性が広いなどの利点を有し、モノマーとしてバイオベース材料、バイオ燃料、医薬中間体、液体燃料及び様々な化学製品などを合成することができ、グリーン・低炭素、持続可能な開発において広範な応用の将来性を持つ。5-HMFから誘導された付加価値製品は、主に、2,5-フランジカルボン酸(FDCA)、2,5-フランジアルデヒド、2,5-フランジメタノール、5-ヒドロキシメチル-2-フランカルボン酸、レブリン酸、2,5-ジメチルフランなどがある。現在、5-HMFを製造する原料は、主にセルロース、果糖、ショ糖、ブドウ糖などがある。
【0003】
バイオマス糖の5-HMFへの効率的な変換を実現するために、触媒の設計及び開発は、非常に重要である。多くの学者は、性能の高い触媒の開発に取り組んでおり、早期に、有機酸(例えば、シュウ酸、ギ酸、クエン酸)、無機酸(例えば、塩酸、硫酸)、金属塩(金属塩化物)などを含む均一系触媒に焦点を当てて研究し、均一系触媒中の有機酸と無機酸は、触媒効率が高いが、装置を腐食し、環境を汚染するなどの問題がある。その後、研究者らは、強酸性陽イオン交換樹脂、モレキュラーシーブ、ヘテロポリ酸などを含む不均一系触媒を徐々に開発した。均一系触媒に比べて、不均一系触媒は、コストが高く、触媒効率が低く、製造プロセスが複雑であるなどの問題がある。溶媒の選択も5-HMFの合成に大きな影響を与え、溶媒は、主に水、有機溶媒、水-有機混合溶媒及びイオン液体に分けられる。水は、バイオマス糖類(ブドウ糖、果糖、セルロースなど)から5-HMFを製造するための理想的なグリーン溶媒であるが、5-HMFの選択性が低いという問題があり、酸触媒の作用下で、フミン、レブリン酸、ギ酸などの副生成物を生成しやすい。糖類資源の利用率が高くない主な原因の1つは、フミンの生成であり、フミンは、水に溶解しない低炭素高重合体であり、分子量が高く、安定性が高く、変換しにくいなどの特性を有する。
【0004】
公開番号がCN107556271Aの特許は、ブドウ糖から5-HMFを製造する方法を提供し、該方法は、ブドウ糖、塩化コリンを原料として深共晶溶媒を形成し、固体酸触媒の作用下で触媒して、5-HMFを得ることであり、収率が最高で36.23%に達する。該特許は、水相の代わりに深共晶溶媒を用いて、5-HMFが酸性溶液中で安定しないという欠点を回避し、そして、該固体酸触媒が製造されやすくて入手しやすいが、該方法に基づいて製造された5-HMFの収率は依然として低い。公開番号がCN106669655Aの特許は、ニオブ炭素固体酸触媒で触媒して糖類化合物から5-HMFを製造する方法を提供する。該方法は、炭素源とニオブ前駆体の種類及び両者の比率を調整することにより、異なる強度の触媒を合成することであり、触媒の特徴は、このような固体酸触媒が優れた循環安定性を示すことを示すが、該触媒を用いて製造された5-HMFの収率が最高でも56%のみである。公開番号がCN112625012Aの特許は、ブドウ糖をスズ変性モレキュラーシーブ触媒で触媒して5-HMFを製造する方法を提供し、該触媒は、安定性が高く、安価であり、製造プロセスが簡単であり、触媒してブドウ糖を5-HMFにワンステップで変換することを実現できるが、5-HMFの収率は、依然として低く、最高でも58.0%のみである。
【0005】
エネルギー危機、環境汚染の問題が日増しに顕在化することに伴い、産業廃棄物を利用することは、既に学者らの研究の焦点となっており、例えば、バイオマスの加水分解プロセスに生成されたフルフラール残渣に大量のセルロースが含まれ、フルフラール残渣の付加価値を十分に利用することは、フルフラールを生成する産業にとって重要な意義を有する。フミンは、産業廃棄物として、一般的に直接燃焼されて加熱に用いられるが、潜在的な炭素材料として、付加価値の高い化学品又は材料に製造することができる。したがって、付加価値の低いフミンを合理的に利用することは、糖類の加水分解プロセスにおける炭素利用率の向上に重要な意義を有する。本発明は、スズ担持フミン系触媒を設計して合成し、バイオマス糖(果糖液糖、ブドウ糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、廃糖蜜、わら糖など)を触媒して5-HMFを製造するために適用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】CN107556271A
【文献】CN106669655A
【文献】CN112625012A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、5-HMFを製造する原料の利用率が低く、生成物の純度が低いという問題を解決するために、5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、以下の技術手段により達成され得る。
【0009】
5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法は、
フミンを乾燥させて粉末に粉砕し、水に懸濁させ、迅速に撹拌しながら四塩化スズ水溶液を添加して撹拌し続けた後、一晩放置して熟成させ、濃縮して乾燥させ、粉末に粉砕した後、空気中で焼成してスズ担持フミン系触媒を得るステップS1と、
計量ポンプを用いて、糖類含有原料と有機溶媒をそれぞれスズ担持フミン系触媒が充填された反応装置に注入して反応させた後、分離・精製して5-ヒドロキシメチルフルフラールを得るステップS2と、を含む。
【0010】
本発明のさらなる技術手段として、前記糖類含有原料は、果糖液糖、ブドウ糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、廃糖蜜、わら糖液糖のうちの少なくとも1種である。
【0011】
本発明のさらなる技術手段として、前記果糖液糖、ブドウ糖液糖、果糖ブドウ糖液糖の濃度は、1%~75%であり、廃糖蜜、わら糖液糖の濃度は、1%~50%である。
【0012】
本発明のさらなる技術手段として、前記有機溶媒は、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、アセトン、トルエン、メチルイソブチルケトン、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、2-メチルテトラヒドロフラン、炭酸ジメチル、1,4-ジオキサン、メタノール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、メチルtert-ブチルエーテル、クロロホルム、ブタノン、酢酸ブチル、バレロラクトン及びブチロラクトンのうちの少なくとも1種である。
【0013】
本発明のさらなる技術手段として、前記有機溶媒と糖類含有原料との体積比の範囲は、0.5:1~10:1である。
【0014】
本発明のさらなる技術手段として、ステップS2では、反応時に窒素ガスを充填して反応圧力を0.1~6MPaとし、反応流速を1~100mL/minとし、反応時間を0.1~10minとし、反応温度を50~200℃とする。
【0015】
本発明のさらなる技術手段として、前記スズ担持フミン系触媒のスズ担持量は、0.5%~9%である。
【0016】
本発明のさらなる技術手段として、前記スズ担持フミン系触媒は、管型反応器R01に固定され、触媒床の充填体積が反応器の50%~100%を占め、残量がフィラーである。
【0017】
本発明のさらなる技術手段として、前記反応装置は、天秤、送液計量ポンプP01、送液計量ポンプP02、管型反応器R01、凝縮器E01、循環オイルバスF01、気液分離タンクV01、サンプリング弁群及び収集タンクを含む。
【0018】
本発明のさらなる技術手段として、糖類含有原料と有機溶媒をそれぞれ2つの供給ボトルに入れ、予熱した後、計量ポンプP01及び計量ポンプP02により管型反応器R01に送って加熱反応を行った後に得られた生成物を凝縮器E01で冷却し、気液分離タンクV01で分離し、収集タンクV02で収集して反応液を得て、排出弁から排出した後、分離・精製して前記製品5-HMFを得る。
【0019】
本発明のさらなる技術手段として、前記管型反応器R01は、循環オイルバスF01により加熱し、水冷機F02は、凝縮器E01に定流量の冷却水を供給する。
【0020】
本発明のさらなる技術手段として、反応系が管型反応器R01内で反応した後、水蒸気と生成物蒸気が窒素ガスにより持ち出され、凝縮器を通って気液分離タンク内で気相と液相に分離し、反応により生成されたガスが弁から安全に排出される。
【0021】
本発明のさらなる技術手段として、サンプリング弁群は、気液分離タンクV01に接続され、前記サンプリング弁群は、反応液のオンラインサンプリングを実現することにより、5-HMFの製造状況をタイムリーに監視することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の有益な効果は、以下のとおりである。
【0023】
本発明において、スズ担持フミン系触媒を合成し、バイオマス糖(果糖液糖、ブドウ糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、廃糖蜜、わら糖など)を触媒して5-HMFを製造するために適用する。本発明において使用されるバイオマス糖液糖は、入手しやすく、例えば、果糖ブドウ糖液糖は、大量の果糖を含み、コーンスターチを加水分解して得られるものであり、5-HMFを製造するための理想的な原料である。また、本発明は、産業廃棄物であるフミンを合理的に利用して触媒を製造し、糖類の加水分解による付加価値の高い化学品の製造に対して重要な促進作用を有する。スズ系触媒が糖類の脱水反応において高い活性を有することを考慮すると、フミン系触媒にスズを導入すると、糖類の異性化及び脱水反応に有利となる。該触媒は、製造されやすく、反応条件が温和であり、コストが低いなどの利点を有し、糖類からの5-HMFの合成に対して高い触媒効果を有する。
【0024】
本発明において、バイオマス糖を原料とし、自作のスズ担持フミンを触媒とし、一定時間反応させて、5-HMF含有反応液を得て、分離・精製して5-HMFを得る。本発明は、産業廃棄物であるフミンを合理的に利用してスズ担持フミン系触媒を製造し、糖類の加水分解による付加価値の高い化学品の製造に対して重要な促進作用を有し、該触媒は、製造方法が簡単であり、反応条件が温和であるなどの利点を有する。
【0025】
本発明は、オンライン監視装置と組み合わせて、5-HMFの生産状況をリアルタイムに監視することができ、用いられる管型反応器により逆混合を減少させ、反応時間を大幅に短縮するとともに、フミンなどの副生成物の生成を減少させることができ、工業的規模の生産の実現にアイデアを提供する。以上より、本発明は、プロセスが簡単であり、反応条件が温和であり、エネルギー消費が低く、収率が高く、コストが低減されるなどの利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
以下、図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【
図1】本発明における反応装置のフローチャートである。
【
図2】本発明におけるスズ担持フミン系触媒のXRDパターンである。
【
図3】本発明におけるスズ担持フミン系触媒のフーリエ変換赤外分光法(FTIR)による分析図である。
【
図4】本発明におけるスズ担持フミン系触媒のラマン分光スペクトルである。
【
図5】本発明におけるスズ担持フミン系触媒のXPSパターンである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施例を組み合わせて、本発明の実施例における技術手段を明確かつ完全に説明するが、明らかに、説明される実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的労働をしない前提で得られる全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0028】
(実施例1)
5-HMFの合成方法は、以下のステップS1~S2を含む。
【0029】
S1、スズ担持フミン系触媒の製造:分離して得られたフミンを高温で乾燥させて乾燥粉末に粉砕し、水に懸濁させるとともに、SnCl4・5H2Oを水に溶解して10%SnCl4・5H2O溶液を調製し、フミン懸濁液を迅速に撹拌しながら10%SnCl4・5H2O溶液を添加して2h撹拌し続けた後、一晩放置して熟成させ、濃縮して乾燥させ、真空乾燥させて水を除去し、粉末に粉砕した後に窒素ガス中で焼成した。焼成工程:窒素ガスの雰囲気下で、1h以内に200℃まで昇温し、6h滞留してから、2h以内に550℃まで昇温し、6h滞留した。室温まで冷却して、スズ担持フミン系触媒を得た。
【0030】
S2、5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造:糖原料の水溶液と有機溶媒をそれぞれ2つの供給ボトルに入れ、スズ担持フミン系触媒を管型反応器に固定し、触媒床を100mL充填した。窒素ガスの雰囲気下で管型反応器内で反応させ、反応圧力を0.1~6MPaとし、反応流速を1~100mL/minとし、50~200℃で0.1~10min反応させた。連続反応させて5-HMF含有反応液を得て、精製して純物質の5-HMFを得た。
【0031】
本実施例の5-HMF合成用の装置は、
図1に示すとおりであり、上記反応装置は、天秤、送液計量ポンプP01、計量ポンプP02、管型反応器R01、凝縮器E01、循環オイルバスF01、気液分離タンクV01、サンプリング弁群、収集タンクなどのアセンブリを含む。管型反応器R01は、循環オイルバスF01により加熱し、水冷機F02は、凝縮器E01に定流量の冷却水を供給する。
【0032】
使用時に、糖類含有原料の水溶液と溶媒をそれぞれ2つの供給ボトルに入れ、予熱した後、計量ポンプP01及び計量ポンプP02により管型反応器R01に送って加熱反応を行った後に得られた生成物を凝縮器E01で冷却し、気液分離タンクV01で分離し、収集タンクV02で収集して反応液を得て、排出弁から排出した後、分離・精製して上記製品5-HMFを得る。
【0033】
また、計量ポンプP01及び計量ポンプP02を調整することにより、糖類原料の水溶液と溶媒の流速を制御し、反応系が管型反応器内で反応した後、水蒸気と生成物蒸気が窒素ガスにより持ち出され、凝縮器を通って気液分離タンク内で気相と液相に分離し、反応により生成されたガスが弁から安全に排出される。また、サンプリング弁群は、気液分離タンクV01に接続され、サンプリング弁群は、反応液のオンラインサンプリングを実現することにより、5-HMFの製造状況をタイムリーに監視することができる。
【0034】
(実施例2)
5-HMFの合成方法は、以下のステップS1~S2を含む。
【0035】
S1、スズ担持フミン系触媒の製造:分離して得られたフミンを高温で乾燥させて52.5gの乾燥粉末に粉砕し、525gの水に懸濁させるとともに、7.7gのSnCl4・5H2Oを69.3gの水に溶解して10%SnCl4・5H2O溶液を調製し、フミン懸濁液を迅速に撹拌しながら10%SnCl4・5H2O溶液を添加して2h撹拌し続けた後、一晩放置して熟成させ、濃縮して乾燥させ、120℃で真空乾燥させて水を除去し、粉末に粉砕した後に窒素ガス中で焼成した。焼成工程:窒素ガスの雰囲気下で、1h以内に200℃まで昇温し、6h滞留してから、2h以内に550℃まで昇温し、6h滞留した。室温まで冷却して、28.9gのスズ担持フミン系触媒を得て、ICPにより、スズの含有量が9%であると検出した。
【0036】
S2、5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造:1Lの75%果糖液糖と9Lのアセトニトリルをそれぞれ2つの供給ボトルに入れ、スズ担持フミン系触媒を管型反応器に固定し、触媒床を100mL充填した。窒素ガスの雰囲気下で管型反応器内で反応させ、反応圧力を1MPaとし、反応流速を20mL/minとし(果糖液糖とアセトニトリルの流速をそれぞれ2mL/minと18mL/minとする)、180℃で5min反応させた。サンプリング弁を開き、サンプリングして検出し、検出条件は、以下のとおりである:Hitachi L2000 HPLC System、Alltech C18 columnを用い、移動相をCH3OH:H2O=20:80とし、流速を1.0mL/minとし、カラム温度を30℃とし、検出器としてDADを用い、検出波長を284nmとした。HPLCにより生成物が5-ヒドロキシメチルフルフラール(5-HMF)であることを確定し、最終的に連続反応させて5-HMF含有反応液を得て、精製して、5-HMFの収率が93%であり、純度が97%であると測定した。
【0037】
本実施例の5-HMF合成用の装置は、実施例1と同じである。
【0038】
(実施例3)
5-HMFの合成方法は、以下のステップを含む。
【0039】
実施例2に比べて、ステップS1でのスズ担持フミン系触媒のスズ担持量のみが変更され、2.2gのSnCl4・5H2Oを19.8gの水に溶解して10%SnCl4・5H2O溶液を調製し、残りの成分及びステップが完全に一致し、最終的に25.3gのスズ担持フミン系触媒を得て、ICPによりスズの含有量が3%であると検出し、ステップS2での成分及びステップが完全に一致し、反応が完了した後に、5-HMFの収率が86%であり、純度が98%であると測定した。
【0040】
本実施例の5-HMF合成用の装置は、実施例1と同じである。
【0041】
(実施例4)
5-HMFの合成方法は、以下のステップを含む。
【0042】
実施例2に比べて、ステップS1でのスズ担持フミン系触媒のスズ担持量のみが変更され、4.7gのSnCl4・5H2Oを42.3gの水に溶解して10%SnCl4・5H2O溶液を調製し、残りの成分及びステップが完全に一致し、最終的に26.3gのスズ担持フミン系触媒を得て、ICPによりスズの含有量が6%であると検出し、ステップS2での成分及びステップが完全に一致し、反応が完了した後に、5-HMFの収率が90%であり、純度が98%であると測定した。
【0043】
本実施例の5-HMF合成用の装置は、実施例1と同じである。
【0044】
(実施例5)
5-HMFの合成方法は、以下のステップを含む。
【0045】
実施例2に比べて、ステップS2での反応温度が160℃に置き換えられ、残りの成分及びステップが完全に一致し、反応が完了した後に、5-HMFの収率が80%であり、純度が98%であると測定した。
【0046】
本実施例の5-HMF合成用の装置は、実施例1と同じである。
【0047】
(実施例6)
5-HMFの合成方法は、以下のステップを含む。
【0048】
実施例2に比べて、ステップS2での反応温度が170℃に置き換えられ、残りの成分及びステップが完全に一致し、反応が完了した後に、5-HMFの収率が84%であり、純度が97%であると測定した。
【0049】
本実施例の5-HMF合成用の装置は、実施例1と同じである。
【0050】
(実施例7)
5-HMFの合成方法は、以下のステップを含む。
【0051】
実施例2に比べて、ステップS2での反応温度が200℃に置き換えられ、残りの成分及びステップが完全に一致し、反応が完了した後に、5-HMFの収率が82%であり、純度が97%であると測定した。
【0052】
本実施例の5-HMF合成用の装置は、実施例1と同じである。
【0053】
(実施例8)
5-HMFの合成方法は、以下のステップを含む。
【0054】
実施例2に比べて、ステップS2での反応流速が33mL/minに置き換えられ(果糖液糖とアセトニトリルの流速がそれぞれ3.3mL/minと29.7mL/minである)、残りの成分及びステップが完全に一致し、反応が完了した後、5-HMFの収率が80%であり、純度が98%であると測定した。
【0055】
本実施例の5-HMF合成用の装置は、実施例1と同じである。
【0056】
(実施例9)
5-HMFの合成方法は、以下のステップを含む。
【0057】
実施例2に比べて、ステップS2での反応流速が14mL/minに置き換えられ(果糖液糖とアセトニトリルの流速がそれぞれ1.4mL/minと12.6mL/minである)、残りの成分及びステップが完全に一致し、反応が完了した後に、5-HMFの収率が85%であり、純度が98%であると測定した。
【0058】
本実施例の5-HMF合成用の装置は、実施例1と同じである。
【0059】
(実施例10)
5-HMFの合成方法は、以下のステップを含む。
【0060】
実施例2に比べて、ステップS2での反応流速が10mL/minに置き換えられ(果糖液糖とアセトニトリルの流速がそれぞれ1mL/minと9mL/minである)、残りの成分及びステップが完全に一致し、反応が完了した後に、5-HMFの収率が83%であり、純度が97%であると測定した。
【0061】
本実施例の5-HMF合成用の装置は、実施例1と同じである。
【0062】
(実施例11)
5-HMFの合成方法は、以下のステップを含む。
【0063】
実施例2に比べて、ステップS2での反応圧力が0.5MPaに置き換えられ、残りの成分及びステップが完全に一致し、反応が完了した後に、5-HMFの収率が91%であり、純度が98%であると測定した。
【0064】
本実施例の5-HMF合成用の装置は、実施例1と同じである。
【0065】
(実施例12)
5-HMFの合成方法は、以下のステップを含む。
【0066】
実施例2に比べて、ステップS2での反応圧力が2MPaに置き換えられ、残りの成分及びステップが完全に一致し、反応が完了した後に、5-HMFの収率が94%であり、純度が98%であると測定した。
【0067】
本実施例の5-HMF合成用の装置は、実施例1と同じである。
【0068】
(実施例13)
5-HMFの合成方法は、以下のステップを含む。
【0069】
実施例2に比べて、ステップS2での反応溶媒がアセトンに置き換えられ、残りの成分及びステップを完全に一致させ、反応が完了した後に、5-HMFの収率が83%であり、純度が98%であると測定した。
【0070】
本実施例の5-HMF合成用の装置は、実施例1と同じである。
【0071】
(実施例14)
5-HMFの合成方法は、以下のステップを含む。
【0072】
実施例2に比べて、ステップS2での反応溶媒がテトラヒドロフランに置き換えられ、残りの成分及びステップが完全に一致し、反応が完了した後に、5-HMFの収率が88%であり、純度が98%であると測定した。
【0073】
本実施例の5-HMF合成用の装置は、実施例1と同じである。
【0074】
(実施例15)
5-HMFの合成方法は、以下のステップを含む。
【0075】
実施例2に比べて、ステップS2での反応溶媒が酢酸エチルに置き換えられ、残りの成分及びステップが完全に一致し、反応が完了した後に、5-HMFの収率が80%であり、純度が97%であると測定した。
【0076】
本実施例の5-HMF合成用の装置は、実施例1と同じである。
【0077】
(実施例16)
5-HMFの合成方法は、以下のステップを含む。
【0078】
実施例2に比べて、ステップS2での1Lの75%果糖液糖と9Lのアセトニトリルが3Lの75%果糖液糖と7Lのアセトニトリルに置き換えられ、果糖液糖とアセトニトリルの流速がそれぞれ6mL/minと14mL/minに置き換えられ、残りの成分及びステップが完全に一致し、反応が完了した後に、5-HMFの収率が86%であり、純度が98%であると測定した。
【0079】
本実施例の5-HMF合成用の装置は、実施例1と同じである。
【0080】
(実施例17)
5-HMFの合成方法は、以下のステップを含む。
【0081】
実施例2に比べて、ステップS2での1Lの75%果糖液糖と9Lのアセトニトリルが5Lの75%果糖液糖と5Lのアセトニトリルに置き換えられ、果糖液糖とアセトニトリルの流速がそれぞれ10mL/minと10mL/minに置き換えられ、残りの成分及びステップが完全に一致し、反応が完了した後に、5-HMFの収率が81%であり、純度が98%であると測定した。
【0082】
本実施例の5-HMF合成用の装置は、実施例1と同じである。
【0083】
(実施例18)
5-HMFの合成方法は、以下のステップを含む。
【0084】
実施例2に比べて、ステップS2での75%果糖液糖が50%果糖液糖に置き換えられ、残りの成分及びステップが完全に一致し、反応が完了した後に、5-HMFの収率が88%であり、純度が97%であると測定した。
【0085】
本実施例の5-HMF合成用の装置は、実施例1と同じである。
【0086】
(実施例19)
5-HMFの合成方法は、以下のステップを含む。
【0087】
実施例2に比べて、ステップS2での75%果糖液糖が25%果糖液糖に置き換えられ、残りの成分及びステップが完全に一致し、反応が完了した後に、5-HMFの収率が83%であり、純度が98%であると測定した。
【0088】
本実施例の5-HMF合成用の装置は、実施例1と同じである。
【0089】
(実施例20)
5-HMFの合成方法は、以下のステップを含む。
【0090】
実施例2に比べて、ステップS2での75%果糖液糖が75%ブドウ糖液糖に置き換えられ、残りの成分及びステップが完全に一致し、反応が完了した後に、5-HMFの収率が80%であり、純度が97%であると測定した。
【0091】
本実施例の5-HMF合成用の装置は、実施例1と同じである。
【0092】
(実施例21)
5-HMFの合成方法は、以下のステップを含む。
【0093】
実施例2に比べて、ステップS2での75%果糖液糖が75%果糖ブドウ糖液糖に置き換えられ、残りの成分及びステップが完全に一致し、反応が完了した後に、5-HMFの収率が90%であり、純度が96%であると測定した。
【0094】
本実施例の5-HMF合成用の装置は、実施例1と同じである。
【0095】
(実施例22)
5-HMFの合成方法は、以下のステップを含む。
【0096】
実施例2に比べて、ステップS2での75%果糖液糖が50%わら糖に置き換えられ、残りの成分及びステップが完全に一致し、反応が完了した後に、5-HMFの収率が70%であり、純度が98であると測定した。
【0097】
本実施例の5-HMF合成用の装置は、実施例1と同じである。
【0098】
(実施例23)
5-HMFの合成方法は、以下のステップを含む。
【0099】
実施例2に比べて、ステップS2での75%果糖液糖が50%廃糖蜜に置き換えられ、残りの成分及びステップが完全に一致し、反応が完了した後に、5-HMFの収率が70%であり、純度が98%であると測定した。
【0100】
本実施例の5-HMF合成用の装置は、実施例1と同じである。
【0101】
本実施例2において、製造されたスズ担持フミン系触媒を特徴づけ、ICPによりスズの含有量が9%であると検出し、BETの結果によると、触媒の比表面積は、158.3027m
2/gであり、大きい比表面積は、活性中心のSn種と基質との接触に有利であるため、基質の活性化及び反応に有利であり、スズ担持フミン系触媒のXRDパターンを
図2に示し、
図2から分かるように、触媒に明らかなSnO
2相の回折ピークが含まれ、スズ担持フミン系触媒のフーリエ変換赤外分光法(FTIR)による分析図を
図3に示し、図から表面官能基のタイプが分かることができ、炭素担体にカルボキシル基(C-Oの伸縮振動が1081cm
-1にあり、C=Oの伸縮振動が1632cm
-1にある)、アルコール官能基(-OHの平面曲げが1384cm
-1にあり、-OHの伸縮振動が3425cm
-1にある)及びフラン環(C-Oの伸縮振動が871cm
-1にある)があり、スズ担持フミン系触媒のラマン分光スペクトルを
図4に示し、図から関連する炭素材料の構造情報が分かることができ、図には、2つの特性ピークがそれぞれDバンド(1346cm
-1)とGバンド(1588cm
-1)に位置することが示される。Dバンド(sp
3炭素)は、五角形又は七角形によるグラフェンの欠陥に関連し、炭素担体の表面欠陥及び乱れの程度を示し、Gバンドは、sp
2炭素原子の平面での伸縮振動に対応し、炭素担体がC原子のオーダーでグラフェン構造を有することを示し、スズ担持フミン系触媒のXPSパターンを
図5に示し、図から分かるように、触媒は、Sn、O、C元素を包含する。以上の分析から明らかなように、フミンを担体として製造された触媒は、明らかに活性なSn物質を有するとともに、担体が大きい比表面積を有し、活性中心と基質との結合に有利であり、また、存在するグラフェン構造が電子の移動及び中心の再生に有利であり、共に触媒に高い触媒活性を与える。
【0102】
本実施例2~4、8~10から分かるように、同じ条件下での反応流速(滞留時間)と触媒のスズ担持量は、製品の収率に総合的に影響を与え、反応流速が大きいほど、即ち、滞留時間が短いほど、触媒の担持量が高くなり、反応収率が高くなり、反応時間が5minである場合、スズ担持量が9%であり、5-HMFの収率が93%であり、最適になる。同じ条件下での反応滞留時間が5minを超えると、製品の収率が低下し始め、これは、主に生成物の分解及び重合に起因するため、反応の最適時間は、5minであり、本実施例2及び5~7から分かるように、同じ条件下で、180℃以下で、5-HMFの収率が反応温度の上昇に伴って高くなるが、180℃を超えると、収率が温度の上昇に伴ってわずかに低下し、これは、主に、副生成物の生成速度も増加し、生成物がさらに他の反応を行うためであり、本実施例2及び11~12から分かるように、窒素ガスの圧力による反応収率への影響が大きくなく、本実施例2及び13~15から分かるように、異なる溶媒(アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル)中で反応する場合、同じ条件下でアセトニトリルを溶媒とする場合の反応収率が最も高く、次がテトラヒドロフランであり、本実施例2及び16~19から分かるように、溶媒と果糖液糖の配合比率及び果糖液糖の質量分率を変更することにより、製品の収率を向上させることができ、本実施例2及び20~23から分かるように、異なる種類の糖(果糖液糖、ブドウ糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、わら糖、廃糖蜜)を反応原料とする場合、果糖液糖を用いる場合の反応収率が最も高く、次が果糖ブドウ糖液糖である。
【0103】
以上の実施例から分かるように、反応の流速、温度、圧力、糖の種類及び濃度、有機溶媒、触媒のスズ担持量などは、いずれも5-HMFの収率に影響を与える要素であり、実験条件をスクリーニングし最適化し、実験変数を制御することにより、反応の変換率を向上させることができ、これも、次に収率のより高い5-HMFを得るために新しいアイデア及び方向性を提供する。
【0104】
以上より、本発明は、バイオマス糖を原料とし、自作のスズ担持フミンを触媒とし、一定時間反応させて5-HMF含有反応液を得て、分離・精製して5-HMFを得る5-HMFの製造方法を提供する。本発明は、産業廃棄物であるフミンを合理的に利用して触媒活性の高いスズ担持フミン系触媒を製造し、製造方法が簡単であり、反応条件が温和であるなどの利点を有し、糖類の加水分解による付加価値の高い化学品の製造に対して重要な促進作用を有する。また、本発明は、オンライン監視装置と組み合わせて、5-HMFの生産状況をリアルタイムに監視することができ、用いられる管型反応器により逆混合を減少させ、反応時間を大幅に短縮するとともに、フミンの生成を減少させることができ、工業的規模の生産の実現にアイデアを提供する。したがって、本発明は、プロセスが簡単であり、反応条件が温和であり、エネルギー消費が低く、収率が高く、コストが低減されるなどの利点を有する。
【0105】
なお、本明細書において、第1及び第2などのような関係用語は、1つのエンティティ又は操作を別のエンティティ又は操作と区別するためのものに過ぎず、これらのエンティティ又は操作の間にこのような実際の関係又は順序が存在することを必ずしも要求するか又は暗示するものではない。また、用語「含む」、「包含」又はそれらの任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図するため、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置は、それらの要素を含むだけでなく、明確に列挙されていない他の要素も含み、或いは、このようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の要素をさらに含む。
【0106】
本発明の実施例を示して説明したが、当業者であれば、本発明の原理及び精神から逸脱することなく、これらの実施例に対して様々な変化、修正、置換及び変形を行うことができることを理解することができ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物により限定される。
【要約】 (修正有)
【課題】収率および純度が高い、5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法を提供する。
【解決手段】フミンを乾燥させて粉末に粉砕し、水に懸濁させ、迅速に撹拌しながら四塩化スズ水溶液を添加して撹拌し続けた後、一晩放置して熟成させ、濃縮して乾燥させ、粉末に粉砕した後、空気中で焼成してスズ担持フミン系触媒を得るステップS1と、計量ポンプを用いて、糖類含有原料と有機溶媒をそれぞれスズ担持フミン系触媒が充填された反応装置に注入して反応させた後、分離・精製して5-ヒドロキシメチルフルフラールを得るステップS2と、を含む5-ヒドロキシメチルフルフラールの製造方法であり、前記糖類含有原料は、果糖液糖、ブドウ糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、廃糖蜜、わら糖液糖のうちの少なくとも1種である、製造方法である。
【選択図】
図1