(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】電池セルおよびこれを含む電池モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/581 20210101AFI20241202BHJP
H01M 50/533 20210101ALI20241202BHJP
H01M 50/557 20210101ALI20241202BHJP
H01M 50/178 20210101ALI20241202BHJP
H01M 50/534 20210101ALI20241202BHJP
H01M 50/562 20210101ALI20241202BHJP
H01M 50/184 20210101ALN20241202BHJP
H01M 50/105 20210101ALN20241202BHJP
【FI】
H01M50/581
H01M50/533
H01M50/557
H01M50/178
H01M50/534
H01M50/562
H01M50/184 C
H01M50/105
(21)【出願番号】P 2022567184
(86)(22)【出願日】2022-01-03
(86)【国際出願番号】 KR2022000007
(87)【国際公開番号】W WO2022169112
(87)【国際公開日】2022-08-11
【審査請求日】2022-11-02
(31)【優先権主張番号】10-2021-0015510
(32)【優先日】2021-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ウォン・キョン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ジュンヨブ・ソン
(72)【発明者】
【氏名】スビン・パク
【審査官】前田 寛之
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2014-0087773(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M50/50-50/598
H01M50/178
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体が内部に装着され、外周辺が熱融着によって密封された構造のシーリング部を含む電池ケースと、
前記電極組立体に含まれている電極タブと電気的に連結され、前記シーリング部を経由して前記電池ケースの外側に突出している電極リードと、
前記電極リードと前記シーリング部との間に位置するリードフィルムと、
前記電極リードの外面の少なくとも一部と接する保護部材と
、
を含
む電池セルにおいて、
前記保護部材は、前記電極リードの幅方向に沿って延びており、前記電極リードの外面を囲み、
前記保護部材は、第1温度で前記電極リードの前記幅方向および前記電極リードの厚さ方向のうち少なくとも一方向に沿って縮小されて、前記電極リードが切れ、
前記第1温度は、前記電池セルに異常が発生する温度である、電池セル。
【請求項2】
前記保護部材は、形状記憶合金(SMA)からなる、請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記第1温度は、摂氏60度以上である、請求項2に記載の電池セル。
【請求項4】
前記保護部材は、前記リードフィルムに隣接した位置に形成されている、請求項1~3の何れか一項に記載の電池セル。
【請求項5】
前記保護部材は、本体部と、前記本体部の中心に形成されている開口部とを含み、
前記電極リードが前記開口部に挿入されており、前記本体部が前記電極リードの外面を囲む、請求項1~4の何れか一項に記載の電池セル。
【請求項6】
前記開口部の厚さは、前記電極リードの厚さ以上である、請求項5に記載の電池セル。
【請求項7】
前記開口部の少なくとも一面に接着層が形成されている、請求項6に記載の電池セル。
【請求項8】
請求項1~7の何れか一項に記載の電池セルを含む電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願との相互参照)
本出願は、2021年2月3日付の韓国特許出願第10-2021-0015510号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、電池セルおよびこれを含む電池モジュールに関し、より具体的には、安全性が向上した電池セルおよびこれを含む電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に対する技術開発と需要の増加に伴い、エネルギー源として二次電池の需要が急激に増加している。特に、二次電池は、携帯電話、デジタルカメラ、ノートパソコン、ウェアラブルデバイスなどのモバイル機器だけでなく、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの動力装置に対するエネルギー源としても多くの関心を集めている。
【0004】
このような二次電池は、電池ケースの形状により、電極組立体が円筒形または角形の金属缶に内蔵されている円筒形電池および角形電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチ型ケースに内蔵されているパウチ型電池とに分類される。ここで、電池ケースに内蔵される電極組立体は、正極、負極、および前記正極と前記負極との間に介在した分離膜構造からなって充放電可能な発電素子であって、活物質が塗布された長いシート状の正極と負極との間に分離膜を介在して巻取ったゼリーロール型と、多数の正極と負極とを分離膜に介在した状態で順次に積層したスタック型とに分類される。
【0005】
なかでも、特にスタック型またはスタック/フォールディング型電極組立体をアルミニウムラミネートシートのパウチ型電池ケースに内蔵した構造のパウチ型電池が、低い製造費用、小さい重量、容易な変形形態などを理由に使用量が次第に増加している。
【0006】
これとともに、二次電池の需要が増えるに伴い、二次電池の容量あるいはエネルギーの一部の密度を高めるための需要が持続的に増加しており、これに伴う電池セルの安全性に対する要求もますます高まる傾向にある。
【0007】
しかし、パウチ電池の場合、一部の電池セルで過電流あるいはその他の原因で過度に発熱することがあり、後に熱暴走状態に到達して発火が発生する問題がある。これにより、電池セルが異常に発熱する場合、電池セルの電流の流れを物理的に遮断して、使用者の安全性を確保できる電池セルを開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は、電池セルの電流の流れを遮断できる保護部材が電極リード上に位置して、安全性が向上した電池セルおよびこれを含む電池モジュールを提供することである。
【0009】
本発明が解決しようとする課題が上述した課題に制限されるわけではなく、言及されていない課題は本明細書および添付した図面から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施例による電池セルは、電極組立体が内部に装着され、外周辺が熱融着によって密封された構造のシーリング部を含む電池ケースと、前記電極組立体に含まれている電極タブと電気的に連結され、前記シーリング部を経由して前記電池ケースの外側に突出している電極リードと、前記電極リードと前記シーリング部との間に位置するリードフィルムと、前記電極リードの外面の少なくとも一部と接する保護部材とを含み、前記保護部材の大きさは、前記電極リードの温度に応じて変わる。
【0011】
前記保護部材は、前記電極リードの幅方向に沿って延びており、前記電極リードの外面を囲むことができる。
【0012】
前記保護部材は、第1温度で前記電極リードの幅方向および前記電極リードの厚さ方向のうち少なくとも一方向に沿って縮小される。
【0013】
前記保護部材は、形状記憶合金(SMA)からなってもよい。
【0014】
前記第1温度は、摂氏60度以上であってもよい。
【0015】
前記保護部材は、リードフィルムに隣接した位置に形成されている。
【0016】
前記保護部材は、本体部と、前記本体部の中心に形成されている開口部とを含み、前記電極リードが前記開口部に挿入されており、前記本体部が前記電極リードの外面を囲むことができる。
【0017】
前記開口部の厚さは、前記電極リードの厚さ以上であってもよい。
【0018】
前記開口部の少なくとも一面に接着層が形成されている。
【0019】
本発明の他の実施例による電池モジュールは、上記で説明した電池セルを含む。
【発明の効果】
【0020】
実施例によれば、本発明は、電池セルの電流の流れを遮断できる保護部材が電極リード上に位置して、安全性が向上できる。
【0021】
本発明の効果が上述した効果に制限されるわけではなく、言及されていない効果は本明細書および添付した図面から本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本実施例による電池セルを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付した図面を参照して、本発明の様々な実施例について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は種々の変わる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0024】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付す。
【0025】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図示のものに限定されない。図面において様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして、図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0026】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0027】
さらに、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるとする時、これは、他の部分の「直上に」にある場合のみならず、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「直上に」あるとする時には、中間に他の部分がないことを意味する。なお、基準となる部分の「上に」あるというのは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力の反対方向に向かって「上に」位置することを意味するものではない。
【0028】
また、明細書全体において、「平面上」とする時、これは対象部分を上から見た時を意味し、「断面上」とする時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0029】
以下、本発明の実施例による電池セル100について説明する。ただし、ここで電池セル100の前後面のうち前面を基準として説明されるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、後面の場合にも、同一または類似の内容で説明される。
【0030】
図1は、本実施例による電池セルを示す正面図である。
【0031】
図1を参照すれば、本発明の一実施例による電池セル100は、正極、負極、および前記正極と負極との間に介在する分離膜を含む電極組立体(図示せず)と、前記電極組立体が装着される電池ケース130とを含む。ここで、電池セル100は、電池ケース130の内部に電極組立体(図示せず)と共に電解液を含むことができる。
【0032】
一例として、前記電解液は、液体状態の電解質を意味し、正極と負極との間でイオンが移動可能であり、このような正極と負極との間のイオン交換により二次電池は充放電が行われる。本発明で使用される電解液としては、リチウム二次電池の製造時に使用可能な有機系液体電解質、無機系液体電解質、固体高分子電解質、ゲル状高分子電解質、固体無機電解質、溶融型無機電解質などが挙げられ、これらに限定されるものではない。
【0033】
また、電池ケース130は、電極組立体(図示せず)が装着され、外周辺が熱融着によって密封された構造のシーリング部135を含む。電池ケース130は、樹脂層と金属層とを含むラミネートシートであってもよい。より具体的には、電池ケース130は、ラミネートシートからなり、最外角をなす外側樹脂層と、物質の貫通を防止する遮断性金属層と、密封のための内側樹脂層とから構成される。ただし、本発明の実施例が上述した構造に限定されるものではなく、一般的な構造の二次電池の電池ケースに代替されてもよい。
【0034】
また、前記電極組立体(図示せず)は、ゼリーロール型(巻取型)、スタック型(積層型)、または複合型(スタック/フォールディング型)の構造からなってもよい。より具体的には、前記電極組立体(図示せず)は、正極、負極、これらの間に配置される分離膜からなる。
【0035】
さらに、本実施例において、電池ケース130は、電極組立体(図示せず)から延びている多数の電極タブ(図示せず)と電気的に連結されている電極リード141、145が外部に露出するように密封されている構造からなる。より具体的には、電極リード141、145は、シーリング部135を経由して電池ケース130の外側に突出している。また、本実施例において、電極リード141、145とシーリング部135との間にリードフィルム151、155が位置することができる。
【0036】
一例として、電極リード141、145は、前記電極組立体に含まれている正極タブと電気的に連結される正極リード141と、前記電極組立体に含まれている負極タブと電気的に連結される負極リード145とを含む。
【0037】
ここで、電池セル100は、正極リード141および負極リード145が電池ケース130の両側面にそれぞれ突出している双方向パウチ電池セルであってもよい。ただし、これに限定されず、電池セル100は、電池ケース130の同一の側面に正極リード141および負極リード145が共に配置されている単方向パウチ電池セルであってもよい。以下、双方向パウチ電池セルを基準として説明されるが、単方向パウチ電池セルの場合にも、同一または類似に説明される。
【0038】
以下、電極リード141、145上に位置する保護部材200について説明する。ここで、電池セル100の負極リード145が位置する一端部を中心に説明されるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、正極リード141が位置する他端部の場合にも、同一または類似の内容で説明される。
【0039】
図2は、
図1のA領域を拡大して示す図である。
図3は、
図2の保護部材を示す図である。
【0040】
図2を参照すれば、本実施例の電池セル100において、保護部材200は、負極リード145の外面の少なくとも一部と接することができる。つまり、保護部材200の内面は、負極リード145の外面の少なくとも一部と互いに接することができる。より具体的には、保護部材200は、負極リード145の幅方向に沿って延びており、負極リード145の外面を囲むことができる。
【0041】
これによって、本実施例において、保護部材200は、電極リード141、145で発生する熱が直接伝達され、保護部材200は、電池セル100が過熱時に迅速に電流の流れを遮断することができる。
【0042】
また、保護部材200は、リードフィルム155に隣接した位置に形成されている。より具体的には、保護部材200は、シーリング部135と離隔しており、リードフィルム155に隣接した位置に形成されている。これによって、保護部材200が電池セル100と隣り合う他の電池セル100に及ぼす影響が相対的に少ない。
【0043】
図3を参照すれば、保護部材200は、本体部210と、本体部210の中心に形成されている開口部250とを含む。一例として、本体部210は、額縁状またはチューブ状構造を有するフレームであり、開口部250は、開放されている本体部210の中心部であってもよい。
【0044】
図2および
図3を参照すれば、電極リード141、145は、開口部250に挿入されており、本体部210が前記電極リードの外面を囲むことができる。これは例示的なものであり、保護部材200は、電極リード141、145の幅方向に沿ってテーピング(taping)される方式で形成されてもよい。ただし、電極リード141、145に保護部材200を配置する方式は上述した内容に限定されず、電極リード141、145を損傷させない範囲で多様な方式が適用可能である。
【0045】
また、開口部250の厚さは、電極リード141、145の厚さ以上であってもよい。ただし、開口部250の厚さは、保護部材200が電極リード141、145に配置されながらも電極リード141、145を損傷させない範囲で調節可能である。
【0046】
さらに、保護部材200の内面が電極リード141、145の外面の少なくとも一部に付着していてもよい。ここで、保護部材200において、開口部250の少なくとも一面に接着層270が形成されている。つまり、保護部材200の内面と電極リード141、145の外面との間に接着層270が位置することができる。この時、接着層270は、電極リード141、145の幅方向に沿って延びている。ただし、これに限定されず、保護部材200は、保護部材200の内面と電極リード141、145の外面との間の摩擦力により固定されていてもよい。
【0047】
一例として、接着層270は、それぞれテープからなるか、接着性バインダーがコーティングされて形成されてもよい。より好ましくは、接着層270は、接着性バインダーでコーティングされるか、両面テープからなって、保護部材200の内面と電極リード141、145の外面とが容易に固定できる。ただし、これに限定されるものではなく、保護部材200の内面と電極リード141、145の外面との間を互いに固定させることができる接着性能を有する物質であれば、制限なく適用可能である。
【0048】
これによって、保護部材200は、電極リード141、145に安定的に固定されている。
【0049】
図4および
図5は、高温で
図1のA領域を示す図である。
図4は、高温で
図2の保護部材200が縮小される前を示す図であり、
図5は、高温で
図2の保護部材200が縮小された後を示す図である。
【0050】
図4および
図5を参照すれば、保護部材200の大きさは、電極リード141、145の温度に応じて変わる。言い換えれば、保護部材200は、電極リード141、145で発生した熱が伝達され、電極リード141、145の温度が第1温度以上に発熱する場合、保護部材200の大きさが変わる。より具体的には、保護部材200は、第1温度に昇温される場合、電極リード141、145の幅方向および電極リード141、145の厚さ方向のうち少なくとも一方向に沿って縮小される。つまり、
図5のように、保護部材200と接する電極リード141、145に切断線145aが形成される。言い換えれば、電極リード141、145は、切断線145aを基準として切れている。
【0051】
一例として、保護部材200は、形状記憶合金(SMA、Shape memory alloy)からなってもよい。ここで、前記形状記憶合金は、特定の温度で予め定められたサイズに縮む性質を有する。つまり、保護部材200は、前記第1温度で予め定められたサイズに縮小される形状記憶合金(SMA)からなってもよい。
【0052】
ここで、形状記憶合金(SMA)によって縮小される保護部材200のサイズは、電極リード141、145の幅および/または厚さより小さい。言い換えれば、形状記憶合金(SMA)によって縮小される保護部材200のサイズは、保護部材200の内面が電極リード141、145が切れる程度の圧力が加えられる大きさであってもよい。
【0053】
より具体的には、保護部材200は、ニチノール(Nitinol)のような形状記憶合金からなる高弾性素材であってもよい。ただし、保護部材200はこれに制限されず、所定の弾性を有する形状記憶合金であれば適用可能である。
【0054】
これによって、形状記憶合金(SMA)によって設定された特定の温度で、保護部材200が所定の大きさに縮小されることによって、電極リード141、145に切断線145aが形成される。つまり、外部からの別途の制御過程なしに、内部で自動的に電流の流れを物理的に遮断して、品質偏差が最小化されながらも電池セル100の安定性がさらに向上できる。
【0055】
ここで、前記第1温度は、過電流が流れるなどの異常現象が発生した時の温度であってもよい。より具体的には、前記第1温度は、電池セル100が安全運用される温度範囲を超える温度であって、電池セル100が使用不可な温度である。一例として、前記第1温度は、摂氏60度以上であってもよい。つまり、保護部材200は、摂氏60度以上の熱が伝達されることによって、電極リード141、145の幅方向および電極リード141、145の厚さ方向のうち少なくとも一方向に沿って縮小される。
【0056】
これによって、電池セル100の過電流あるいはその他の原因により発熱する場合、保護部材200が所定の温度で縮小されることによって、電極リード141、145に切断線145aが形成される。つまり、電池セル100の内部状態を考慮して電流の流れを物理的に遮断可能で、電池セル100の安定性および使用者の安全性がさらに向上できる。
【0057】
ここで、電極リード141、145に摂氏60度未満の温度の熱が発生する場合、保護部材200は縮小されない。これは、電池セル100の単純に発熱した状態であって、正常作動が可能な範囲では電流の流れを遮断する必要がないからである。
【0058】
これとは異なり、摂氏60度未満の温度の熱が保護部材200に伝達される場合に保護部材200が縮小されると、電極リード141、145が切れてしまうことがあり、充放電過程での単純な発熱にもかかわらず電流が遮断されうる問題がある。
【0059】
本発明の他の実施例による電池モジュールは、上記で説明した電池セルを含む。これによって、電池モジュール内の一部の電池セル100の過電流あるいはその他の原因により発熱する場合、電池セル100は、電極リード141、145が保護部材200によって切れることによって、異常現象のない他の電池セル100との電子移動が制限できる。つまり、異常現象が発生しない電池セル100は、電極リード141、145が切れた電池セル100とは異なり正常に機能することが可能で、電池セル100を含むデバイスの突然の作動停止(shut-down)を防止することができる。
【0060】
一方、本実施例による電池モジュールは、1つまたはそれ以上がパックケース内にパッケージングされて電池パックを形成することもできる。上述した電池モジュールおよびこれを含む電池パックは、多様なデバイスに適用可能である。このようなデバイスには、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段に適用できるが、本発明はこれに制限されず、電池モジュールおよびこれを含む電池パックを使用できる多様なデバイスに適用可能であり、これも本発明の権利範囲に属する。
【0061】
以上、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0062】
100:電池セル
130:電池ケース
135 シーリング部
141、145:電極リード
145a 切断線
151、155:リードフィルム
200:保護部材
210:本体部
250:開口部
270:接着層
400 保護部材