(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】電池パックおよびこれを含むデバイス
(51)【国際特許分類】
H01M 50/204 20210101AFI20241202BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20241202BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20241202BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20241202BHJP
H01M 10/6567 20140101ALI20241202BHJP
H01M 50/211 20210101ALI20241202BHJP
【FI】
H01M50/204 401H
H01M10/613
H01M10/647
H01M10/6556
H01M10/6567
H01M50/211
(21)【出願番号】P 2023521397
(86)(22)【出願日】2022-03-15
(86)【国際出願番号】 KR2022003579
(87)【国際公開番号】W WO2022234943
(87)【国際公開日】2022-11-10
【審査請求日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0059156
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ビュン・ド・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョンスク・イ
(72)【発明者】
【氏名】ヨンホ・チュン
【審査官】神田 和輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-157756(JP,A)
【文献】特開2020-095912(JP,A)
【文献】特開2020-061291(JP,A)
【文献】特開2017-062985(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0104922(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが積層された電池セル積層体、前記電池セル積層体を収納するモジュールフレーム、および前記モジュールフレームの下に位置したヒートシンクを含む電池モジュール、
冷媒が流れるパック冷媒管
前記ヒートシンクに形成された貫通口と連結される冷却ポート、および
前記パック冷媒管と前記冷却ポートを連結する冷却コネクタ、
を含み、
前記冷却ポートは、前記冷却ポートの外周面に形成された傾斜部を含み、
前記傾斜部の水平方向の幅は前記冷却コネクタが位置した方向に行くほど狭くなり、
前記傾斜部と前記冷却コネクタとの間に環形態のシーリング部材が位置する電池パック。
【請求項2】
前記傾斜部は、円錐台形態の傾斜面を有する、請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記冷却コネクタは、前記冷却ポートおよび前記シーリング部材が挿入される開口部を含む、請求項1又は2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記開口部の内面と前記傾斜部の外周面との間に前記シーリング部材が位置する、請求項3に記載の電池パック。
【請求項5】
前記開口部は、前記シーリング部材が接触される傾斜通路部を含む、請求項4に記載の電池パック。
【請求項6】
前記傾斜通路部は、前記傾斜部と対応するように、下部方向に行くほど内径が小さくなる、請求項5に記載の電池パック。
【請求項7】
前記傾斜通路部の内面と前記傾斜部の外周面との間に前記シーリング部材が位置する、請求項5に記載の電池パック。
【請求項8】
前記貫通口は流入口および排出口を含み、
前記冷却ポートは複数で構成されて、前記流入口および前記排出口とそれぞれ連結される、請求項1~7のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項9】
前記パック冷媒管はパック冷媒供給管およびパック冷媒排出管を含む、請求項8に記載の電池パック。
【請求項10】
前記冷却コネクタは複数で構成されて、前記冷却ポートとそれぞれ連結され、
前記パック冷媒供給管に沿って流れた前記冷媒は、前記冷却コネクタのうちの一つ、前記冷却ポートのうちの一つ、および前記流入口を通過して前記ヒートシンク内部に流入する、請求項9に記載の電池パック。
【請求項11】
前記冷媒は、前記排出口、前記冷却ポートのうちの他の一つ、および前記冷却コネクタのうちの他の一つを通過して前記パック冷
媒排出管に排出される、請求項10に記載の電池パック。
【請求項12】
前記ヒートシンクは、前記モジュールフレームの底部と接合される下部プレートおよび前記下部プレートから下側に陥没した陥没部を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項13】
前記貫通口は前記陥没部に形成された、請求項12に記載の電池パック。
【請求項14】
前記底部と前記陥没部との間で前記冷媒が流れる、請求項12に記載の電池パック。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項による電池パックを含むデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互引用
本出願は2021年5月7日付韓国特許出願第10-2021-0059156号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は電池パックおよびこれを含むデバイスに関するものであって、より具体的には、冷却構造の組立性が改善された電池パックおよびこれを含むデバイスに関するものである。
【背景技術】
【0003】
現代社会では携帯電話機、ノートパソコン、キャムコーダー、デジタルカメラなどの携帯型機器の使用が日常化するにつれて、前記のようなモバイル機器関連分野の技術に対する開発が活発になっている。また、充放電の可能な二次電池は化石燃料を使用する既存のガソリン車両などの大気汚染などを解決するための方案であって、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(P-HEV)などの動力源として用いられているところ、二次電池に対する開発の必要性が高まっている。
【0004】
現在商用化された二次電池としてはニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウム二次電池などがあり、このうちのリチウム二次電池はニッケル系列の二次電池に比べてメモリ効果がほとんど起こらなくて充放電が自由であり、自己放電率が非常に低くエネルギー密度が高いという長所で脚光を浴びている。
【0005】
このようなリチウム二次電池は主にリチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として使用する。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレータを挟んで配置された電極組立体、および電極組立体を電解液と共に密封収納する電池ケースを備える。
【0006】
一般に、リチウム二次電池は、外装材の形状によって、電極組立体が金属缶に内装されている缶型二次電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチに内装されているパウチ型二次電池に分類することができる。
【0007】
小型機器に用いられる二次電池の場合、二つ~三つの電池セルが配置されるが、自動車などのような中大型デバイスに用いられる二次電池の場合は、複数の電池セルを電気的に連結した電池モジュール(Battery module)が用いられる。このような電池モジュールは複数の電池セルが互いに直列または並列に連結されて電池セル積層体を形成することによって容量および出力が向上する。また、一つ以上の電池モジュールは、BMS(Battery Management System)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に装着されて電池パックを形成することができる。
【0008】
二次電池は、適正温度より高まる場合、二次電池の性能が低下することがあり、激しい場合、爆発や発火の危険もある。特に、複数の二次電池、即ち、電池セルを備えた電池モジュールや電池パックは、狭い空間で複数の電池セルから出る熱が合算されて温度がさらに速くてひどく上がることがある。言い換えれば、複数の電池セルを含む電池モジュールとこのような電池モジュールが装着された電池パックの場合、高い出力を得ることができるが、充電および放電時、電池セルから発生する熱を除去することが容易でない。電池セルの放熱が適切に行われない場合、電池セルの劣化が速くなりながら寿命が短くなり、爆発や発火の可能性が大きくなる。
【0009】
さらに、車両用電池パックに含まれる電池モジュールの場合、直射光線に頻繁に露出され、夏季や砂漠地域のような高温条件に置かれることがある。
【0010】
したがって、電池モジュールや電池パックを構成する場合、安定的且つ効果的な冷却性能を確保することは非常に重要であると言える。し電池セルの温度偏差を減らすことは非常に重要であると言える。特に、最近では電池モジュールや電池パックの容量が増えることにより発熱量が増加し、増加した発熱量を制御するために空冷式よりは水冷式の冷却構造が要求される。水冷式の冷却構造の場合、冷却性能に優れるが、冷却水が電池パック内部の電装品に流出しないようにする密閉構造が必須的に要求される。
【0011】
電池パックの容量増大と放熱性能改善に対する要求が続くにつれて、安定した密閉構造の冷却システムを備えた電池パックを開発することが実質的に必要であると言える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決しようとする課題は、水冷式の冷却構造において、冷媒の漏出防止のための密閉性と冷却構造実現過程での組立性が改善された電池パックおよびこれを含むデバイスを提供することである。
【0013】
しかし、本発明の実施形態が解決しようとする課題は上述の課題に限定されず、本発明に含まれている技術的な思想の範囲で多様に拡張できる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一実施形態による電池パックは、複数の電池セルが積層された電池セル積層体、前記電池セル積層体を収納するモジュールフレーム、および前記モジュールフレームの下に位置したヒートシンクを含む電池モジュール;冷媒が流れるパック冷媒管;前記ヒートシンクに形成された貫通口と連結される冷却ポート;および前記パック冷媒管と前記冷却ポートを連結する冷却コネクタを含む。前記冷却ポートは、前記冷却ポートの外周面に形成された傾斜部を含む。前記傾斜部の水平方向の幅は前記冷却コネクタが位置した方向に行くほど狭くなる。前記傾斜部と前記冷却コネクタとの間に環形態のシーリング部材が位置する。
【0015】
前記傾斜部は、円錐台形態の傾斜面を有することができる。
【0016】
前記冷却コネクタは、前記冷却ポートおよび前記シーリング部材が挿入される開口部を含むことができる。
【0017】
前記開口部の内面と前記傾斜部の外周面との間に前記シーリング部材を配置することができる。
【0018】
前記開口部は、前記シーリング部材が接触される傾斜通路部を含むことができる。
【0019】
前記傾斜通路部は、前記傾斜部と対応するように、下部方向に行くほど内径が小さくなってもよい。
【0020】
前記傾斜通路部の内面と前記傾斜部の外周面との間に前記シーリング部材を配置することができる。
【0021】
前記貫通口は流入口および排出口を含むことができ、前記冷却ポートは複数で構成されて、前記流入口および前記排出口とそれぞれ連結することができる。
【0022】
前記パック冷媒管は、パック冷媒供給管およびパック冷媒排出管を含むことができる。
【0023】
前記冷却コネクタは複数で構成されて、前記冷却ポートとそれぞれ連結することができ、前記パック冷媒供給管に沿って流れた前記冷媒は、前記冷却コネクタのうちの一つ、前記冷却ポートのうちの一つ、および前記流入口を通過して前記ヒートシンク内部に流入することになる。
【0024】
前記冷媒は、前記排出口、前記冷却ポートのうちの他の一つ、および前記冷却コネクタのうちの他の一つを通過して前記パック冷媒管排出管に排出される。
【0025】
前記ヒートシンクは、前記モジュールフレームの底部と接合される下部プレートおよび前記下部プレートから下側に陥没した陥没部を含むことができる。
【0026】
前記貫通口は前記陥没部に形成することができる。
【0027】
前記底部と前記陥没部との間で前記冷媒が流れることになる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の実施形態によれば、電池モジュールとパック冷媒管との間の冷媒循環構造において、傾斜した面を有する冷却ポートを適用して、密閉性および組立性を向上させることができる。
【0029】
本発明の効果は以上で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は請求範囲の記載から当業者に明確に理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の一実施形態による電池パックを示した分解斜視図である。
【
図2】
図1の電池パックに含まれている電池モジュールに対する分解斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態による電池セルを示した斜視図である。
【
図4】
図2の電池モジュールに含まれているヒートシンクを示した斜視図である。
【
図5】
図4の切断線B-B’に沿って切断した断面を示した断面図である。
【
図6】
図1の“A”部分を拡大して示した部分斜視図である。
【
図7】
図6に示された冷却ポートおよびシーリング部材を示した斜視図である。
【
図8】
図6の切断線C-C’に沿って切断した断面を示した断面図である。
【
図9】
図6の切断線C-C’に沿って切断した断面を示した断面図である。
【
図10】本発明の比較例によって垂直型シーリング構造の冷却ポートを有する電池モジュールに対する斜視図である。
【
図11】(a)と(b)は本発明の比較例によって垂直型シーリング構造を有する冷却ポートと冷却コネクタ間の連結形態を示した斜視図および断面図である。
【
図12】本発明の比較例によって水平型シーリング構造のヒートシンクを有する電池モジュールに対する斜視図である。
【
図13】
図12の切断線E-E’に沿って切断した断面を示した断面図である。
【
図14】本発明の一実施形態による冷却ポートが冷却コネクタに挿入される様子を概略的に示した断面図である。
【
図15】
図1の電池パックをxz平面上で-y軸方向に沿って見た様子を示した平面図である。
【
図16】
図15の切断線D-D’に沿って切断した断面の一部を示した部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付した図面を参照して本発明の様々な実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳しく説明する。本発明は様々の異なる形態に実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0032】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一な参照符号を付けるようにする。
【0033】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図示されたところに限定されない。図面において様々の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面において、説明の便宜のために、一部層および領域の厚さを誇張して示した。
【0034】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分“の上に”または“上に”あるという時、これは他の部分“の直上に”ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分“の直上に”あるという時には中間に他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分“の上に”または“上に”あるというのは基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力反対方向に向かって“の上に”または“上に”位置することを意味するのではない。
【0035】
また、明細書全体で、ある部分がある構成要素を“含む”という時、これは特に反対になる記載がない限り他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含むことができるのを意味する。
【0036】
また、明細書全体で、“平面上”という時、これは対象部分を上から見た時を意味し、“断面上”という時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0037】
図1は、本発明の一実施形態による電池パックを示した分解斜視図である。
図2は、
図1の電池パックに含まれている電池モジュールに対する分解斜視図である。
図3は、本発明の一実施形態による電池セルを示した斜視図である。
【0038】
図1~
図3を参照すれば、本発明の一実施形態による電池パック1000は、電池モジュール100およびパック冷媒管600を含む。電池モジュール100は複数で構成することができる。一例として、
図1には4つの電池モジュール100が配置された様子が示されている。また、具体的に図示していないが、本実施形態による電池パックは、電池モジュール100とパック冷媒管600が収納されるパックフレームを含むことができる。
【0039】
まず、本実施形態による電池モジュール100は、複数の電池セル110が積層された電池セル積層体120、電池セル積層体120を収納するモジュールフレーム200、およびモジュールフレームの下に位置したヒートシンク300を含む。
【0040】
本実施形態による電池セル110はパウチ型電池セルであってもよい。このようなパウチ型電池セルは、樹脂層および金属層を含むラミネートシートのパウチケースに電極組立体を収納した後、前記パウチケースの外周部を熱融着して形成することができる。このような電池セル110は長方形シート構造に形成することができる。
【0041】
具体的に、
図3を参照すれば、本実施形態による電池セル110は二つの電極リード111、112が互いに対向して電池本体113の一端部114aおよび他の一端部114bからそれぞれ突出している構造を有する。電池セル110は、電池ケース114に電極組立体(図示せず)を収納した状態で電池ケース114の両端部114a、114bとこれらを連結する一側部114cを接着することによって製造することができる。言い換えれば、本発明の一実施形態による電池セル110は総3ケ所のシーリング部114sa、114sb、114scを有し、シーリング部114sa、114sb、114scは熱融着などの方法でシーリングされる構造であり、他の一側部は連結部115からなってもよい。電池ケース114の両端部114a、114bの間を電池セル110の長さ方向と定義し、電池ケース114の両端部114a、114bを連結する一側部114cと連結部115の間を電池セル110の幅方向と定義することができる。
【0042】
連結部115は電池セル110の一つの縁に沿って長く伸びている領域であり、連結部115の端部にはバットイヤー(bat-ear、110p)を形成することができる。バットイヤー110pは連結部115の両端部のうちの少なくとも一つに形成することができ、連結部115が伸びる方向に垂直な方向に突出してもよい。バットイヤー110pは電池ケース114の両端部114a、114bのシーリング部114sa、114sbのうちの一つと連結部115との間に配置することができる。
【0043】
但し、前述の電池セル110は例示的構造であり、2つの電極リードが同一な方向に突出した形態の電池セルも可能であるのはもちろんである。
【0044】
電池セル110は複数個で構成することができ、複数の電池セル110は相互電気的に連結できるように積層されて電池セル積層体120を形成する。例えば、
図2に示されているように、x軸と平行な方向に沿って複数の電池セル110を積層することができる。電池ケース114は一般に樹脂層/金属薄膜層/樹脂層のラミネート構造からなる。例えば、電池ケース表面がO(oriented)-ナイロン層からなる場合には、中大型電池モジュールを形成するために複数の電池セル110を積層する時、外部衝撃によって滑りやすい傾向がある。したがって、これを防止し電池セルの安定した積層構造を維持するために、電池ケースの表面に両面テープなどの粘着式接着剤または接着時化学反応によって結合される化学接着剤などの接着部材を付着して電池セル積層体120を形成することができる。
【0045】
図2を参照すれば、電池セル積層体120を収納するモジュールフレーム200は、上部カバー220およびU字型フレーム210を含むことができる。
【0046】
U字型フレーム210は、底部210a、および底部210aの両端部で上向延長された2つの側面部210bを含むことができる。底部210aは電池セル積層体120の下面をカバーすることができ、側面部210bは電池セル積層体120の両側面をカバーすることができる。
【0047】
上部カバー220はU字型フレーム210によって囲まれる電池セル積層体120の前記下面および前記両側面を除いた残り上面(z軸方向)を囲む一つの板状型構造に形成することができる。上部カバー220とU字型フレーム210は互いに対応する角部位が接触した状態で、溶接などによって結合することによって、電池セル積層体120を上下左右にカバーする構造を形成することができる。上部カバー220およびU字型フレーム210を通じて電池セル積層体120を物理的に保護することができる。このために上部カバー220およびU字型フレーム210は所定の強度を有する金属材質を含むことができる。
【0048】
一方、具体的に図示していないが、本発明の変形例によるモジュールフレームは上面、下面および両側面が一体化された金属板材形態のモノフレームであってもよい。即ち、U字型フレーム210および上部カバー220が相互結合される構造でなく、押出成形で製造されて上面、下面および両側面が一体化された構造であってもよい。
【0049】
本実施形態による電池モジュール100は、エンドプレート400をさらに含むことができる。エンドプレート400は、モジュールフレーム200の開放された両側(y軸方向と-y軸方向)に位置して電池セル積層体120をカバーするように形成することができる。即ち、2つのエンドプレート400がモジュールフレーム200の開放された両側に位置して、モジュールフレーム200と溶接などの方法で接合できる。このようなエンドプレート400は、外部の衝撃から電池セル積層体120およびその他の電装品を物理的に保護することができる。
【0050】
以下では、
図2、
図4および
図5を参照して、本発明の一実施形態によるヒートシンクについて詳しく説明する。
【0051】
図4は、
図2の電池モジュールに含まれているヒートシンクを示した斜視図である。
図5は、
図4の切断線B-B’に沿って切断した断面を示した断面図である。
【0052】
図2、
図4および
図5を共に参照すれば、本実施形態によるヒートシンク300はモジュールフレーム200の下に位置する。より具体的に、ヒートシンク300は、モジュールフレーム200の底部210aの下に配置することができる。モジュールフレーム200の底部210aはヒートシンク300の上部プレートを構成し、モジュールフレーム200の底部210aとヒートシンク300とが冷媒の流路を形成することができる。
【0053】
具体的に、ヒートシンク300は、ヒートシンク300の骨格を形成しモジュールフレーム200の底部210aと溶接などで直接接合される下部プレート310、および下部プレート310から下側に陥没した陥没部320を含むことができる。このような陥没部320は冷媒が流動する経路となる。
【0054】
ヒートシンク300の陥没部320は、下部プレート310が下側に陥没形成された部分に該当する。陥没部320は冷媒流路が伸びる方向を基準にして垂直にxz平面やyz平面に切断した断面がU字型である管であってもよく、前記U字型である管の開放された上側に底部210aが位置することになる。即ち、
図5に示されているように陥没部320の上部は開放された形態であってもよい。底部210aと陥没部320との間で冷媒が流れる。即ち、ヒートシンク300の下部プレート310が底部210aと接しながら、陥没部320と底部210aとの間の空間が冷媒が流動する領域、冷媒の流路となる。これにより、モジュールフレーム200の底部210aが前記冷媒と直接接触することになる。
【0055】
ヒートシンク300の陥没部320の製造方法に特別な制限はないが、板状型のヒートシンクに対して陥没形成された構造を設けることによって、上側が開放されたU字型陥没部320を形成することができる。
【0056】
ヒートシンク300には貫通口330、340を形成することができる。より具体的に、ヒートシンク300の陥没部320に貫通口330、340を形成することができ、貫通口330、340のうちの一つは流入口330であってもよく、他の一つは排出口340であってもよい。貫通口330、340それぞれには冷却ポート500を連結することができる。冷却ポート500および流入口330を経てヒートシンク300に供給された冷媒は、陥没部320に沿って移動し、排出口340および冷却ポート500を経て排出される。
【0057】
一方、
図2に示されたように、モジュールフレーム200の底部210aと電池セル積層体120との間に熱伝導性樹脂(Thermal resin)を含む熱伝導性樹脂層800を配置することができる。熱伝導性樹脂層800は、熱伝導性樹脂(Thermal resin)を底部210aに塗布し、塗布された熱伝導性樹脂が硬化して形成できる。特に、電池セル積層体120中の電池セル110の電極リード111、112(
図3参照)と隣接した部分に発熱が激しく、熱伝導性樹脂層800が、発熱が激しい電池セル積層体120の両部分に対応するように形成できる。
【0058】
前記熱伝導性樹脂は熱伝導性接着物質を含むことができ、具体的にシリコン(Silicone)素材、ウレタン(Urethan)素材、およびアクリル(Acrylic)素材のうちの少なくとも一つを含むことができる。前記熱伝導性樹脂は、塗布時には液状であるが、塗布後に硬化して電池セル積層体120を構成する一つ以上の電池セル110を固定する役割を果たすことができる。また、熱伝導特性に優れて電池セル110から発生した熱を迅速に電池モジュールの下側に伝達することができる。
【0059】
本実施形態による電池モジュール100はモジュールフレーム200とヒートシンク300の冷却一体型構造を実現して、冷却性能をより向上させることができる。モジュールフレーム200の底部210aがヒートシンク300の上部プレートに対応する役割を果たすことによって冷却一体型構造を実現することができる。直接冷却によって冷却効率が上昇し、ヒートシンク300がモジュールフレーム200の底部210aと接合された構造を通じて電池モジュール100および電池モジュール100が装着された電池パック1000上の空間活用率をより向上させることができる。
【0060】
具体的に、電池セル110から発生した熱が電池セル積層体120と底部210aとの間に位置する熱伝導性樹脂層800、モジュールフレーム200の底部210a、冷媒を経て電池モジュール100の外部に伝達される。従来の不必要な冷却構造を除去することによって、熱伝達経路が単純化され、各層の間のエアーギャップを減らすことができるため冷却効率や性能が増大できる。特に、底部210aがヒートシンク300の上部プレートから構成されて、底部210aが直に冷媒と接するため冷媒を通じたより直接的な冷却が可能であるという長所がある。
【0061】
また、不必要な冷却構造の除去を通じて電池モジュール100の高さが減少して、原価節減が可能であり、空間活用度を高めることができる。さらに、電池モジュール100をコンパクトに配置することができるので、電池モジュール100を複数含む電池パック1000の容量や出力を増大させることができる。
【0062】
一方、モジュールフレーム200の底部210aは、ヒートシンク300中の陥没部320が形成されていない下部プレート310部分と溶接を通じて接合できる。本実施形態は、モジュールフレーム200の底部210aとヒートシンク300の冷却一体型構造を通じて、前述の冷却性能向上だけでなくモジュールフレーム200に収容された電池セル積層体120の荷重を支持し電池モジュール100の剛性を補強する効果を有することができる。それだけでなく、下部プレート310とモジュールフレーム200の底部210aとは溶接結合などを通じて密封されることによって、下部プレート310内側に形成された陥没部320で冷媒が漏洩なく流動することになる。
【0063】
効果的な冷却のために、モジュールフレーム200の底部210aに対応する全領域にわたって陥没部320が形成されることが好ましい。このために、陥没部320は少なくとも1回曲げられて一側から他側につながってもよい。特に、モジュールフレーム200の底部210aに対応する全領域にわたって陥没部320が形成されるために
図4に示されたように、陥没部320は数回曲げられることが好ましい。モジュールフレーム200の底部210aに対応する全領域にわたって形成された冷媒流路の開始点から終了点まで冷媒が移動することによって、電池セル積層体120の全領域に対する効率的な冷却が行われる。
【0064】
一方、前記冷媒は冷却のための媒介物であって、特別な制限はないが、冷却水であってもよい。即ち、本実施形態による電池パック1000は水冷式の冷却構造を有することができる。
【0065】
以下では、
図6~
図9などを参照して、本発明の一実施形態によるパック冷媒管、冷却ポートおよび冷却コネクタについて詳しく説明する。
【0066】
図6は、
図1の“A”部分を拡大して示した部分斜視図である。
図7は、
図6に示された冷却ポートおよびシーリング部材を示した斜視図である。
図8および
図9は
図6の切断線C-C’に沿って切断した断面を示した断面図である。特に、
図8は冷却ポート500、シーリング部材700、および冷却コネクタ610が組み立てられる以前の様子を示し、
図9は、冷却ポート500、シーリング部材700、および冷却コネクタ610が組み立てられた様子を示した。
【0067】
まず、
図1、
図4、
図6および
図7を参照すれば、本実施形態による電池パック1000は、冷媒が流れるパック冷媒管600、ヒートシンク300に形成された貫通口330、340と連結される冷却ポート500、およびパック冷媒管600と冷却ポート500を連結する冷却コネクタ610を含む。
【0068】
本実施形態による、パック冷媒管600は、パック冷媒供給管600aおよびパック冷媒排出管600bを含むことができる。具体的に示さなかったが、パック冷媒供給管600aとパック冷媒排出管600bそれぞれは、冷媒循環装置と連結されて、冷媒を電池モジュール100のヒートシンク300に供給するかヒートシンク300から排出する。
【0069】
流入口330に連結された冷却ポート500がパック冷媒供給管600aと連結され、排出口340に連結された冷却ポート500がパック冷媒排出管600bと連結される。パック冷媒供給管600aに沿って流れた冷媒は流入口330を経てヒートシンク300の陥没部320に移動する。陥没部320に沿って流れた冷媒は排出口340を経てパック冷媒排出管600bに排出される。このような方式で冷媒循環構造が形成される。冷媒循環構造については後で
図16と共に再び詳しく説明する。
【0070】
図6~
図9を参照すれば、本実施形態による冷却ポート500は、内部に冷媒が流れるように通路が形成された構成であって、冷却ポート500の外周面に形成された傾斜部510を含む。傾斜部510の水平方向の幅は冷却コネクタ610が位置した方向に行くほど狭くなる。ここで水平方向とは、地面と平行な方向であって、
図1や
図9でxy平面と平行な方向を意味する。即ち、
図9のような断面上様子を基準にして、傾斜部510の外面は、垂直の形態でなく斜めの傾斜を有する。即ち、本実施形態による傾斜部510は円錐台形態の傾斜面を有することができる。
【0071】
このような傾斜部510と冷却コネクタ610との間に環形態のシーリング部材700が位置する。シーリング部材700はO-ring形態の部材であって、冷却ポート500と冷却コネクタ610との間で冷媒の漏出が起こることを防止する。
【0072】
一方、本実施形態による冷却コネクタ610は、冷却ポート500およびシーリング部材700が挿入される開口部610Hを含むことができる。冷却コネクタ610は、パック冷媒管600と連結され、冷却ポート500およびシーリング部材700が挿入されるように一側が開口された形態の開口部610Hを含むことができる。冷媒が流れるパック冷媒管600内部の空間が開口部610Hによって冷却ポート500内部の通路と連結されてもよい。このような冷却ポート500内部の通路を、冷媒が通過できる。
【0073】
この時、
図9に示されたように、開口部610Hの内面と傾斜部510の外面との間にシーリング部材700を配置することができる。具体的に、開口部610Hは、シーリング部材700が接触される傾斜通路部613を含むことができる。このような傾斜通路部613は、冷却ポート500の傾斜部510と対応するように下部方向に行くほど内径が小さくなってもよい。ここで下部方向とは、冷却ポート500を基準にして冷却コネクタ610が位置した方向であってもよい。即ち、
図8および
図9で-z軸方向に該当し得る。
【0074】
また、本実施形態による冷却ポート500は、下端部520および上端部530をさらに含むことができる。下端部520と上端部530との間に先に説明した傾斜部510を配置することができる。傾斜部510を基準にして、冷却コネクタ610と近い側に下端部520を配置することができ、冷却コネクタ610と遠い側に上端部530を配置することができる。
【0075】
下端部520および上端部530は、傾斜部510と異なり、前記水平方向の幅が一定であってもよい。即ち、下端部520および上端部530は円錐台でない、円筒形状の外周面を有することができる。
【0076】
一方、本実施形態による冷却コネクタ610は、第1通路部611および第2通路部612をさらに含むことができる。第1通路部611と第2通路部612との間に先に説明した傾斜通路部613を形成することができる。傾斜通路部613を基準にして、冷却ポート500と近い側に第1通路部611を配置することができ、冷却ポート500と遠い側に第2通路部612を配置することができる。
【0077】
第1通路部611と第2通路部612とは、傾斜通路部613と異なり、下部方向に行っても内径が一定であってもよい。但し、傾斜通路部613の形態を考慮する時、第1通路部611の内径が第2通路部612の内径より大きくてもよい。
【0078】
図7、
図8および
図9に示されたように、冷却ポート500の下端部520の直径が冷却コネクタ610の第2通路部612の内径と一致するか多少小さく設計されて、下端部520が第2通路部612に挿入される。また、冷却ポート500の傾斜部510の外周面と傾斜通路部613の内面との間にシーリング部材700を配置することができる。このような方式で、冷却ポート500とシーリング部材700とが冷却コネクタ610の開口部610Hに挿入されて、冷却ポート500および冷却コネクタ610が連結されることになる。
【0079】
総合すれば、冷却ポート500および冷却コネクタ610が互いに連結されることにおいて、冷媒の漏出防止のためのシーリング部材700が冷却ポート500の傾斜部510と冷却コネクタ610の開口部610Hとの間、特に傾斜通路部613との間に装着および固定できる。言い換えれば、本実施形態では、円錐台形態の傾斜面を有する傾斜部510とそれと対応するように構成された傾斜通路部613をそれぞれ冷却ポート500および冷却コネクタ610に設けて、シーリング部材700が装着される空間を設けた。
【0080】
傾斜部510および傾斜通路部613は、高さに対比してシーリング部材700を支持する支持面が広くて、冷却ポート500が安定的に装着できる。特に、冷却ポート500の高さに対比してシーリング部材700と傾斜通路部613とが接触するシーリング面S1が広く設計でき、これにより外部振動や衝撃時、冷却ポート500が左右方向に離脱するのを防止することができる。即ち、外部衝撃による冷却ポート500の破損や冷却ポート500と冷却コネクタ610との間の結合解除が防止される。
【0081】
一方、
図4、
図8および
図9を共に参照すれば、冷却ポート500の上端部530は、ヒートシンク300の陥没部320に形成された貫通口330、340に挿入される。これにより、冷却ポート500とヒートシンク300の貫通口330、340が互いに連結される。
【0082】
以下では、本実施形態による冷却ポートおよび冷却コネクタが有する長所を本発明の比較例との比較を通じて詳しく説明する。
【0083】
図10は、本発明の比較例によって垂直型シーリング構造の冷却ポートを有する電池モジュールに対する斜視図である。
図11の(a)と(b)は、本発明の比較例によって垂直型シーリング構造を有する冷却ポートと冷却コネクタ間の連結形態を示した斜視図および断面図である。特に、
図11の(a)は冷却ポート50aに冷却コネクタ60aが挿入される様子を拡大して示した図であり、
図11の(b)は
図11の(a)の冷却ポート50aと冷却コネクタ60aの連結形態を概略的に示した断面図である。
【0084】
図10および
図11の(a)と(b)を参照すれば、本発明の比較例による電池モジュールは、電池セル11a、電池セル11aを収容するモジュールフレーム20a、およびモジュールフレーム20aの下に位置したヒートシンク30aを含む。この時、モジュールフレーム20aは一方向に突出した2つのモジュールフレーム延長部21aを含むことができ、モジュールフレーム延長部21a上に冷却ポート50aをそれぞれ配置することができる。このような冷却ポート50aは、ヒートシンク30a内部に冷媒を供給するかヒートシンク30aから冷媒を排出するための構成である。冷却ポート50aは、垂直方向に突出した形態を有する。冷却ポート50aを通じて冷媒を供給するか排出するために冷却ポート50aに冷却コネクタ60aが連結されてもよい。冷却コネクタ60aはパック冷媒管と連結されており、このような冷却コネクタ60aの内部に冷却ポート50aが挿入される方式で、冷却ポート50aと冷却コネクタ60aとが連結される。
【0085】
この時、冷却ポート50aの外周と冷却コネクタ60aの内周とにシーリング部材70aが装着できるようにそれぞれ突出部51a、61aを設けることができる。図示のところと異なり、冷却ポート50aの外周にのみ突出部が設けられてもよい。このような突出部51a、61aの間にO-ring形態のシーリング部材70aが固定されてもよい。
【0086】
この場合、シーリング部材70a自体の高さ確保およびシーリング部材70aの固定のための突出部51a、61aの高さ確保が必須であるため、冷却ポート50aが一定の高さ以上を有しなければならない。このような構造の冷却ポート50aは支持する部分に比べて高くそびえた形態であるため、外部振動や衝撃、特に左右方向への振動や衝撃にぜい弱である。即ち、左右方向の平面上移動による破損危険が大きい。シーリング面S2は冷却ポート50aの高さと関連し、前記のような冷却ポート50aの破損の危険のため、冷却ポート50aをひたすら高く設計できないので、シーリング面S2の拡大に制限がある。
【0087】
これと異なり、
図6~
図9に示された本実施形態による冷却ポート500と冷却コネクタ610は、傾斜部510と傾斜通路部613との間にシーリング部材700が配置される形態であるので、比較例による冷却ポート50aに比べて構造的安定性に優れる。具体的に、シーリング部材700と傾斜通路部613とが接触するシーリング面S1が広く形成され、それに反して冷却ポート500の高さは相対的に低く形成できる。支持する部分に比べて高くそびえるしかない冷却ポート50aに比べて構造的に安定している。特に、冷却ポート500が左右方向に多少柔軟に流動することになるので、比較例による冷却ポート50aと異なり、左右方向への力によって破損する可能性が少ない。また、冷却ポート50aに比べて高さが相対的に低く形成されるので、高さ方向への空間が少なく要求されて、空間活用性側面からも長所を有する。
【0088】
図12は、本発明の比較例によって水平型シーリング構造のヒートシンクを有する電池モジュールに対する斜視図である。
図13は、
図12の切断線E-E’に沿って切断した断面を示した断面図である。この時、
図13ではヒートシンク30bの下にパック冷媒管60bが配置されたことを仮定して示した。
【0089】
図12および
図13を参照すれば、本発明の他の比較例による電池モジュールは、電池セル11b、電池セル11bを収容するモジュールフレーム20b、およびモジュールフレーム20bの下に位置したヒートシンク30bを含む。
【0090】
ヒートシンク30bに貫通ホール30Hが形成され、ヒートシンク30bの下に位置したパック冷媒管60bにも貫通ホール60Hが形成される。ヒートシンク30bの貫通ホール30Hとパック冷媒管60bの貫通ホール60Hが互いに対抗するように配置されて連結され、O-ring形態のシーリング部材70bはヒートシンク30bとパック冷媒管60bの間で前記貫通ホール30H、60Hを囲むように配置される。ヒートシンク30bの貫通ホール30Hとパック冷媒管60bの貫通ホール60Hを通じて冷媒Rがヒートシンク30b内部に流入するか、ヒートシンク30bから排出できる。
【0091】
前記のような構造の場合、高さを低く形成することができて、空間活用性側面から長所を有するが、外部振動や衝撃、特に左右方向への振動や衝撃にぜい弱である。シーリング面S3が地面と平行なように構成されるため、シーリング面S3が左右方向への振動や衝撃に対して緩衝機能を果たさない。したがって、左右方向への振動や衝撃にぜい弱であり、シーリング部材70bが左右方向への離脱可能性が大きい。また、ヒートシンク30bの貫通ホール30Hとパック冷媒管60bの貫通ホール60Hとが互いにくい違う可能性が大きい。
【0092】
これと異なり、
図6~
図9に示された本実施形態による冷却ポート500と冷却コネクタ610とは、傾斜部510と傾斜通路部613との間にシーリング部材700が配置される形態であるので、シーリング部材700が傾斜を有するシーリング面S1に安着する。高さ方向への空間をある程度低くすることができると共に、同時に左右方向への振動や衝撃に緩衝作用を発揮することができて構造的に安定している。即ち、
図12および
図13に示されたヒートシンク30bとパック冷媒管60bの連結形態に比べて、空間活用性と構造的安定性を全て確保することができるという長所を有する。
【0093】
また、容量増大のために電池セルの個数が従来より多く含まれる高重量の大面積電池モジュールの場合、部品間の組み立て過程で組み立て面確認が容易ではない。特に、
図13のようなシーリング部材70bの配置構造の場合、組み立て面やシーリング部材70bが配置される位置が容易に確認されなくて、正確に組み立てられない場合がある。結局、シーリング部材70bが設計された位置を逸脱することがあり、密閉機能が十分に果たされないことがある。
【0094】
反面、
図6~
図9に示された本実施形態による冷却ポート500および冷却コネクタ610は、以下の
図14で後述するが、傾斜部510と傾斜通路部613とが、冷却ポート500の組み立て過程で一種の組み立てガイドとして機能することが可能である。このように組立性が向上するため、ブラインド(blind)組み立てが行われても、冷却ポート500およびシーリング部材700が冷却コネクタ610に正確に組み立てられる。
【0095】
以下では、
図14を参照して、本実施形態による冷却ポート500の挿入過程について詳しく説明する。
【0096】
図14は、本発明の一実施形態による冷却ポートが冷却コネクタに挿入される様子を概略的に示した断面図である。
【0097】
図8、
図9および
図14を共に参照すれば、本実施形態による冷却ポート500の傾斜部510が円錐台形態の傾斜面を有し、冷却コネクタ610の傾斜通路部613が前記傾斜面と対応するように構成されるため、冷却ポート500を冷却コネクタ610の開口部610Hに挿入する過程で傾斜部510が一種の組み立てガイドとして機能することが可能である。
図14で具体的に示さなかったが、冷却ポート500の上端部530はヒートシンク300の貫通口330、340に挿入された状態である。
【0098】
特に、本実施形態による電池モジュール100は、容量確保および部品簡素化のために、電池セル110の個数が従来に対比して多く増える大面積電池モジュールであってもよい。個数に制限があるのではないが、一つの電池モジュール当り32個~48個の電池セルが含まれてもよい。一つの電池モジュール100の体積と重量とが増加し、
図1に示されたように、パック冷媒管600の上に電池モジュール100を位置させて、電池モジュール100とパック冷媒管600を互いに組み立てる。
【0099】
電池モジュール100の冷却ポート500とパック冷媒管600に連結された冷却コネクタ610とを互いに組み立てるために、冷却ポート500が冷却コネクタ610の開口部610Hに挿入される。しかし、増大された電池モジュール100の体積によって組み立て過程の確認が難しくて、ブラインド(blind)組み立てが行われる場合がある。
【0100】
この時、
図14に示されているように、冷却ポート500とシーリング部材700が冷却コネクタ610に少し外れたまま挿入されても、傾斜部510が一種の組み立てガイドとして機能して、冷却ポート500が冷却コネクタ610の開口部610Hに正確に挿入できる。最終的には、冷却ポート500の下端部520が冷却コネクタ610の第2通路部612に挿入されることによって、冷却ポート500が冷却コネクタ610と最終結合および固定される。
【0101】
以下では、
図15および
図16などを参照して、本実施形態による電池パック1000での冷媒循環構造について詳しく説明する。
【0102】
図15は、
図1の電池パックをxz平面上で-y軸方向に沿って見た様子を示した平面図である。
図16は、
図15の切断線D-D’に沿って切断した断面の一部を示した部分断面図である。
【0103】
図1、
図4、
図6、
図15および
図16を共に参照すれば、前述のとおり、本実施形態による電池パック1000は、冷媒が流れるパック冷媒管600を含み、パック冷媒管600はパック冷媒供給管600aおよびパック冷媒排出管600bを含むことができる。
【0104】
冷却ポート500は複数で構成されてヒートシンク300に形成された流入口330および排出口340とそれぞれ連結される。冷却コネクタ610も複数で構成されて冷却ポート500それぞれに連結される。
【0105】
具体的に、ヒートシンク300の流入口330にいずれか一つの冷却ポート500の上端部530が挿入されて連結され、このような冷却ポート500は、パック冷媒供給管600aと連結された冷却コネクタ610に挿入される。
【0106】
一方、ヒートシンク300の排出口340に他の一つの冷却ポート500の上端部530が挿入されて連結され、このような冷却ポート500は、パック冷媒排出管600bと連結された冷却コネクタ610に挿入される。
【0107】
図16に示されたように、パック冷媒供給管600aに沿って流れた冷媒Rは、冷却コネクタ610のうちの一つ、冷却ポート500のうちの一つ、および流入口330を順次に通過して、ヒートシンク300の内部、即ち、底部210aと陥没部320との間の空間に流入する。
【0108】
陥没部320(
図4参照)が形成する経路に沿って流れた冷媒は、排出口340、冷却ポート500のうちの他の一つ、および冷却コネクタ610のうちの他の一つを順次に通過してパック冷媒排出管600bに排出される。このような方式で電池パック1000内でパック冷媒管600と電池モジュール100のヒートシンク300との間の冷媒循環構造が形成される。
【0109】
本実施形態で前、後、左、右、上、下のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は説明の便宜のためのものに過ぎず、対象になる事物の位置や観測者の位置などによって変化可能である。
【0110】
前述の本実施形態による一つまたはそれ以上の電池モジュールは、BMS(Battery Management System)、BDU(Battery Disconnect Unit)、冷却システムなどの各種制御および保護システムと共に装着されて電池パックを形成することができる。
【0111】
前記電池モジュールや電池パックは多様なデバイスに適用することができる。具体的には、電気自転車、電気自動車、ハイブリッドなどの運送手段に適用することができるが、これに制限されず、二次電池を使用することができる多様なデバイスに適用可能である。
【0112】
以上で本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるのではなく、次の請求範囲で定義している本発明の基本概念を用いた当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属するのである。
【符号の説明】
【0113】
100:電池モジュール
300:ヒートシンク
500:冷却ポート
510:傾斜部
600:パック冷媒管
610:冷却コネクタ
613:傾斜通路部
1000:電池パック