(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】光集積回路、光電子システム及び方法
(51)【国際特許分類】
G02B 6/12 20060101AFI20241202BHJP
G02B 6/125 20060101ALI20241202BHJP
G02B 6/126 20060101ALI20241202BHJP
G02B 6/42 20060101ALI20241202BHJP
【FI】
G02B6/12 351
G02B6/12 301
G02B6/125 301
G02B6/126
G02B6/42
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023031533
(22)【出願日】2023-03-02
【審査請求日】2023-03-02
(32)【優先日】2022-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520052259
【氏名又は名称】エフェクト フォトニクス ベーハー
【氏名又は名称原語表記】EFFECT Photonics B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100137903
【氏名又は名称】菅野 亨
(72)【発明者】
【氏名】リー シアン チョン ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】コーエン ティム
(72)【発明者】
【氏名】ホークストラ ツェーリック ハンス
(72)【発明者】
【氏名】ケリー ニアル パトリック
(72)【発明者】
【氏名】クライン エミル
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03930222(EP,A1)
【文献】特開2020-030356(JP,A)
【文献】特開2018-040946(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02905913(EP,A2)
【文献】Weihua Guo, Pietro R. A. Binetti, Chad Althouse, Milan L. Massanovic, Huub P. M. M. Ambrosius, Leif A. Johansson, and Larry A. Coldren,Two-Dimensional Optical Beam Steering With InP-Based Photonic Integrated Circuits,IEEE JOURNAL OF SELECTED TOPICS IN QUANTUM ELECTRONICS,2013年07月,Vol. 19, No. 4
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/12
G02B 6/125
G02B 6/126
G02B 6/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光学的に相互接続可能な機能的フォトニックブロック(2a~2d)と、
再構成可能な光接続配置と、
を含む光集積回路(PIC)(1)であって、
前記再構成可能な光接続配置は、
複数の半導体ベースの光導波路(3a~3ah)と、
複数の制御可能な光スイッチ(4a~4c)
と、
を含み、
前記制御可能な光スイッチの内の少なくとも1つは、制御信号に応答して、
光伝送を可能にする第1の状態、又は
光伝送を阻止する第2の状態
にあるように構成され
、
前記再構成可能な光接続配置は、前記複数の制御可能な光スイッチ(4a~4c)の内の前記少なくとも1つの制御可能な光スイッチの
それぞれの前
記第1の状態又は
前記第2の状態に応じて
、前記複数の半導体ベースの光導波路(3a~3ah)の内の半導体ベースの光導波路の少なくとも第1のセットが、
前記複数の機能的フォトニックブロック(2a~2d)の内の少なくとも2つの機能的フォトニックブロック間の少なくとも1つの光接続(5a、5b)、及び/又は
前記複数の機能的フォトニックブロック(2a~2d)の内の少なくとも1つの機能的フォトニックブロックへの第1の光アクセス経路
を
選択的に提供することを可能にするように構成され
、
前記複数の機能的フォトニックブロック(2a~2d)の内の第1の機能的フォトニックブロック(2a)は、光送信器又はコヒーレント光送信器の少なくとも一部を提供するように構成及び配置され、前記複数の機能的フォトニックブロック(2a~2d)の内の第2の機能的フォトニックブロック(2b)は、光受信器又はコヒーレント光受信器の少なくとも一部を提供するように構成及び配置され、
前記複数の機能的フォトニックブロック(2a~2d)の内の前記第2の機能的フォトニックブロック(2b)は90度光ハイブリッドを含み、前記複数の機能的フォトニックブロック(2a~2d)の内の第3の機能的フォトニックブロック(2c)はレーザユニットを含み、
前記光集積回路(PIC)(1)は、少なくとも3つの光スプリッタコンバイナユニット(6h、6i、6j)の第1のセットと、前記複数の半導体ベースの光導波路(3aa~3ah)の内の半導体ベースの光導波路の第3のセットとを含む前記再構成可能な光接続配置を介して、前記第2の機能的フォトニックブロック(2b)の前記90度光ハイブリッド及び前記第3の機能的フォトニックブロック(2c)の前記レーザユニットと光学的に接続されたファイバ対チップ結合位置(9)を含み、
前記第1のセットの内の第1の光スプリッタコンバイナユニット(6h)は、少なくとも第1の光インターフェース(14a)を備えた第1の端部(11a)と、少なくとも第2の光インターフェース(14b)及び第3の光インターフェース(14c)を備えた第2の端部(11b)とを有し、
前記第1のセットの内の第2の光スプリッタコンバイナユニット(6i)は、少なくとも第4の光インターフェース(15a)を備えた第3の端部(12a)と、少なくとも第5の光インターフェース(15b)及び第6の光インターフェース(15c)を備えた第4の端部(12b)とを有し、
前記第1のセットの内の第3の光スプリッタコンバイナユニット(6j)は、少なくとも第7の光インターフェース(16a)を備えた第5の端部(13a)と、少なくとも第8の光インターフェース(16b)及び第9の光インターフェース(16c)を備えた第6の端部(13b)とを有し、
前記第1の光スプリッタコンバイナユニット(6h)の前記第1の光インターフェース(14a)は、前記第3のセットの内の第1の半導体ベースの光導波路(3aa)を介して前記第2の機能的フォトニックブロック(2b)の前記90度光ハイブリッドと光学的に相互接続され、
前記第1の光スプリッタコンバイナユニット(6h)の前記第2の光インターフェース(14b)は、前記第3のセットの内の第2の半導体ベースの光導波路(13ab)を介して前記第2の光スプリッタコンバイナユニット(6i)の前記第5の光インターフェース(15b)と光学的に相互接続され、
前記第1の光スプリッタコンバイナユニット(6h)の前記第3の光インターフェース(14c)は、前記第3のセットの内の第3の半導体ベースの光導波路(3ac)を介して前記第3の光スプリッタコンバイナユニット(6j)の前記第8の光インターフェース(16b)と光学的に相互接続され、
前記第2の光スプリッタコンバイナユニット(6i)の前記第4の光インターフェース(15a)は、前記第3のセットの内の第4の半導体ベースの光導波路(3ad)を介して前記ファイバ対チップ結合位置(9)と光学的に相互接続され、
前記第2の光スプリッタコンバイナユニット(6i)の前記第6の光インターフェース(15c)は、前記第3のセットの内の第5の半導体ベースの光導波路(3ae)を介して前記第3の光スプリッタコンバイナユニット(6j)の前記第9の光インターフェース(16c)と光学的に相互接続され、
前記第3の光スプリッタコンバイナユニット(6j)の前記第7の光インターフェース(16a)は、前記第3のセットの内の第6の半導体ベースの光導波路(3af)を介して前記第3の機能的フォトニックブロック(2c)の前記レーザユニットと光学的に相互接続される、光集積回路
(PIC
)(1)。
【請求項2】
前記再構成可能な光接続配置は、前記複数の制御可能な光スイッチ(4a~4c)の内の前記少なくとも1つの制御可能な光スイッチの
それぞれの前
記第1の状態又は
前記第2の状態に応じて
、前記複数の半導体ベースの光導波路(3a~3ah)の内の半導体ベースの光導波路の第2のセットが、
前記複数の機能的フォトニックブロック(2a~2d)の内の機能的フォトニックブロックの少なくとも第1のセット
の間の光接続であって、
機能的フォトニックブロックの前記第1のセットが、少なくとも2つの機能的フォトニックブロック
であって且つ前記複数の機能的フォトニックブロックよりも少ない機能的フォトニックブロッ
クを含む
、前記光接続、及び/又は
機能的フォトニックブロック(2a~2d)の前記第1のセットの
内の少なくとも1つの機能的フォトニックブロックへの第2の光アクセス経路
を
選択的に提供することを可能にするように構成される、請求項1に記載の
光集積回路(PIC
)(1)。
【請求項3】
前記再構成可能な光接続配置は、前記複数の半導体ベースの光導波路(3a~3ah)の内の少なくとも1つの半導体ベースの光導波路と光学的に接続して配置された少なくとも1つの光スプリッタコンバイナユニット(6a~6g)を含み、前記少なくとも1つの光スプリッタコンバイナユニット(6a~6g)は、マルチモード干渉ベース
(MMIベース
)の光スプリッタコンバイナユニットである、請求項1に記載の
光集積回路(PIC
)(1)。
【請求項4】
前記再構成可能な光接続配置は、前記複数の半導体ベースの光導波路(3a~3ah)の内の少なくとも1つの半導体ベースの光導波路と光学的に接続して配置された少なくとも1つの光スプリッタコンバイナユニット(6a~6g)を含み、前記少なくとも1つの光スプリッタコンバイナユニット(6a~6g)は、マルチモード干渉ベース
(MMIベース
)の光スプリッタコンバイナユニットである、請求項2に記載の
光集積回路(PIC
)(1)。
【請求項5】
前記再構成可能な光接続配置は、
前記複数の半導体ベースの光導波路(3a~3ah)の内の少なくとも1つの半導体ベースの光導波路及び前記複数の機能的フォトニックブロック(2a~2d)の内の少なくとも1つの機能的フォトニックブロックと光学的に接続して配置された光検出器(7)
を含む、請求項1に記載の
光集積回路(PIC
)(1)。
【請求項6】
前記複数の制御可能な光スイッチ(4a~4c)の内の少なくとも1つの制御可能な光スイッチは、リン化インジウムベース
(InPベース
)の半導体光増幅器
(SOA
)を含む、請求項1に記載の
光集積回路(PIC
)(1)。
【請求項7】
前記再構成可能な光接続配置は、
第1の端面(17a)及び第2の端面(17b)を有する
、前記複数の制御可能な光スイッチ(4a~4c)の内の第1の制御可能な光スイッチ(4a)、及び/又は
第3の端面(18a)及び第4の端面(18b)を有する
、前記複数の制御可能な光スイッチ(4a~4c)の内の第2の制御可能な光スイッチ(4b)
を含み、
前記第1の制御可能な光スイッチ(4a)の前記第1の端面(17a)は、前記第3のセットの
内の第7の半導体ベースの光導波路(3ag)を介して前記
光集積回路(PIC
)(1)の前記ファイバ対チップ結合位置(9)と光通信するように配置され、前記第1の制御可能な光スイッチ(4a)の前記第2の
端面(17b)は、前記第3のセットの
内の前記第4の半導体ベースの光導波路(3ad)を介して前記第2の光スプリッタコンバイナユニット(6i)の前記第4の光インターフェース(15a)と光通信するように配置され、及び/又は
前記第2の制御可能な光スイッチ(4b)の前記第3の端面(18a)は、前記第3のセットの
内の第8の半導体ベースの光導波路(3ah)を介して前記第3の機能的フォトニックブロック(2c)の前記レーザユニットと光通信するように配置され、前記第2の制御可能な光スイッチ(4b)の前記第4の
端面(18b)は、前記第3のセットの
内の前記第6の半導体ベースの光導波路(3af)を介して前記第3の光スプリッタコンバイナユニット(6j)の前記第7の光インターフェース(16a)と光通信するように配置される、請求項
1に記載の
光集積回路(PIC
)(1)。
【請求項8】
前記複数の制御可能な光スイッチ(4a~4c)は、少なくとも3つの制御可能な光スイッチを含む、請求項1に記載の
光集積回路(PIC
)(1)。
【請求項9】
前記
光集積回路(PIC
)は、ハイブリッド
光集積回路(PIC
)又はInPベースのモノリシック
光集積回路(PIC
)である、請求項1に記載の
光集積回路(PIC
)(1)。
【請求項10】
請求項1に記載の
光集積回路(PIC
)(1)を含む光電子システム(100)。
【請求項11】
前記
光集積回路(PIC
)(1)の前記再構成可能な光接続配置の前記複数の制御可能な光スイッチ(4a~4c)の内の少なくとも1つの前記制御可能な光スイッチと動作可能に接続された制御ユニット(101)
を含み、前記制御ユニット(101)は、オペレータによって提供された制御入力及び/又は事前定義の制御スキームに従って制御信号を生成するように構成され、
前記制御信号は、前記複数の制御可能な光スイッチ(4a~4c)の内の少なくとも1つの制御可能な光スイッチが前記第1の状態又は前記第2の状態に構成されることを可能にするように構成され、
前記再構成可能な光接続配置は、前記複数の制御可能な光スイッチ(4a~4c)の内の少なくとも1つの制御可能な光スイッチの
それぞれの前
記第1の状態又は
前記第2の状態に応じ
て、前記複数の半導体ベースの光導波路(3a~3ah)の内の半導体ベースの光導波路の少なくとも前記第1のセットが、
前記複数の機能的フォトニックブロック(2a~2d)の内の少なくとも2つの機能的フォトニックブロック間の少なくとも1つの光接続、及び/又は
前記複数の機能的フォトニックブロック(2a~2d)の内の少なくとも1つの機能的フォトニックブロックへの前記第1の光アクセス経路
を
選択的に提供することを可能にするように構成される
、請求項
10に記載の光電
子システム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、限定的ではないが、電気通信用途、光検出及び測距(LIDAR)又はセンサ用途に使用され得る光集積回路(PIC)に関する。本発明は更に、該PICを含む光電子システムに関する。本発明は更に、該PICの全体的な性能の改善された判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、限定的ではないが、光電気通信用途、LIDAR、又はセンサ用途の分野で適用され得るPICは、多様で特殊な機能的フォトニックブロックの高度な集積レベルにより、益々複雑になっている。例えば、電気通信用途の場合、当業者は、前述の益々複雑化するPICの周囲に一般的に配置されるモジュールが、これらのモジュールが通信リンクにコミットされ得る前にいわゆる光組み込みセルフテスト(BIST)による詳細なヘルスチェックを必要とすることを理解するであろう。前述の益々複雑化するPICの全体的な性能は、複数の機能的フォトニックブロックのコンボリューションであるため、当業者は、それらの全体的な性能をデコンボリューションすることが益々困難になることが、そうしたPICに共通の問題であることを理解するであろう。それ故、設計の観点と運用の観点との両方から、益々複雑化するPICの全体的な性能を理解し、チェックし、最適化することの少なくとも1つのために、複数の機能的フォトニックブロックの個々の性能を判定する必要性が高まっている。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、例えば、限定的ではないが、当技術分野で知られている複数の機能的フォトニックブロックを含む複雑なPICに関連する前述の及び/又はその他の欠点を先取りし、又は少なくとも低減する、電気通信用途、LIDAR、又はセンサ用途に使用され得るPICを提供することである。
【0004】
また、例えば、限定的ではないが、発明に従ったPICを含む電気通信用途、LIDAR、又はセンサ用途に使用され得る光電子システムを提供することも本発明の目的である。
【0005】
本発明の別の目的は、発明に従ったPICの全体的な性能の改善された判定方法を提供することである。
【0006】
本発明の態様は、添付の独立請求項及び従属請求項に記載されている。従属請求項の機構は、特許請求項の範囲に明示的に記載されているだけでなく、必要に応じて独立請求項の機構と組み合わされ得る。更に、全ての機構は、技術的に同等の他の機構と置き換えられ得る。
【0007】
上述の目的の内の少なくとも1つは、
複数の光学的に相互接続可能な機能的フォトニックブロックと、
複数の半導体ベースの光導波路と、
複数の制御可能な光スイッチであって、制御可能な光スイッチの内の少なくとも1つは、制御信号に応答して
光伝送を可能にする第1の状態、又は
光伝送を阻止する第2の状態
にあるように構成される、複数の制御可能な光スイッチと
を含む再構成可能な光接続配置であって、
複数の制御可能な光スイッチの内の少なくとも1つの制御可能な光スイッチの個別の第1の状態又は第2の状態に応じて、再構成可能な光接続配置は、複数の半導体ベースの光導波路の内の半導体ベースの光導波路の少なくとも第1のセットが、
複数の機能的フォトニックブロックの内の少なくとも2つの機能的フォトニックブロック間の少なくとも1つの光接続、及び/又は
複数の機能的フォトニックブロックの内の少なくとも1つの機能的フォトニックブロックへの第1の光アクセス経路
を提供することを可能にするように構成される、再構成可能な光接続配置と
を含む光集積回路(PIC)によって達成される。
【0008】
本発明の文脈において、複数のフォトニックブロックのフォトニックブロックは、PICに所望の機能、例えば、光送信器、光受信器、レーザユニット、又は光検出器の機能を提供し得るフォトニックコンポーネント又はフォトニックコンポーネントのグループと解釈されるべきである。更に、複数の機能的フォトニックブロックは、PICを収容するダイの物理的境界内に収容され得る任意の適切な数の機能的フォトニックブロックを含み得る。
【0009】
複数の機能的フォトニックブロックは、個別の第1の状態又は第2の状態に応じて、再構成可能な光接続配置の半導体ベースの光導波路を介して幾つかの異なる方法で光学的に相互接続され得、再構成可能な光接続配置の少なくとも1つの制御可能な光スイッチは、それにあるように構成される。このように、再構成可能な光接続配置は、複数の機能的フォトニックブロックの内の一部又は全ての機能的フォトニックブロックが光学的に相互接続される方法の再構成を可能にする。複数の機能的フォトニックブロックから特定の機能的フォトニックブロック又は機能的フォトニックブロックのセットを除外することも可能である。上記に基づいて、再構成可能な光接続配置は、構成可能なPICの異なる構成及び/又は機能を可能にする。
【0010】
構成可能なPICの例示的な実施形態に従えば、半導体ベースの光導波路の第1のセットが複数の半導体ベースの光導波路の内の1つの半導体ベースの光導波路、幾つかの半導体ベースの光導波路、又は全ての半導体ベースの光導波路を含むように、再構成可能な光接続配置を構成することが可能である。このようにして、複数の機能的フォトニックブロックの内の少なくとも2つの機能的フォトニックブロックの幾つかの適切な構成が達成され得る。
【0011】
PICの別の例示的な実施形態に従えば、半導体ベースの光導波路の第1のセット及び半導体ベースの光導波路の第2のセットの両方が提供されるように、再構成可能な接続構成を構成することが可能であり、半導体ベースの光導波路の第1のセット及び半導体ベースの光導波路の第2のセットは、PICの機能的フォトニックブロックの異なるセットを光学的に相互接続し得る。機能的フォトニックブロックの異なるセットは、半導体ベースの光導波路の第1のセット又は半導体ベースの光導波路の第2のセットの一部であり得る半導体ベースの光導波路を介して、又は半導体ベースの光導波路の第1のセット及び半導体ベースの光導波路の第2のセットの何れにも属さない半導体ベースの光導波路を介して光学的に相互接続され得る。
【0012】
更に、再構成可能な光接続配置は、複数の機能的フォトニックブロックの内の少なくとも1つの機能的フォトニックブロックへの第1の光アクセス経路を可能にするように構成し得る。第1の光アクセス経路は、例えば、PICの第1の光ファイバ対チップ結合位置と、複数の機能的フォトニックブロックの内の少なくとも1つの機能的フォトニックブロックとの間に配置され得る。このように、再構成可能な光接続配置は、オンチップ及びオフチップの両方で、個々の機能的フォトニックブロック、複数の機能的フォトニックブロックよりも少ない機能のフォトニックブロックを含む機能的フォトニックブロックのセット、及び複数の機能的フォトニックブロック全体の内の少なくとも1つの性能の判定を可能にし得る。結果として、PICの全体的な性能は、個々の機能的フォトニックブロック及び/又は複数の機能的フォトニックブロックよりも少ない機能的フォトニックブロックを含む機能的フォトニックブロックのセットのレベルまでデコンボリューションされ得る。また、PICの全体的な性能の理解を深め、及び/又はPICの全体的な性能を最適化することが可能である。
【0013】
第1の光アクセス経路は、複数の機能的フォトニックブロックの内の少なくとも1つの機能的フォトニックブロックへの光入力経路を提供する半導体ベースの光導波路及び/又は光出力経路を提供する半導体ベースの光導波路を含み得る。例えば、機能的フォトニックブロックがその性能が判定されるレーザユニットであり得るPICの例示的な実施形態に従えば、光アクセス経路は、レーザユニットによって放出された光放射が例えば、光検出器であるPICの更なる機能的フォトニックブロックに、及び/又は光ファイバを介してPICと光学的に接続された外部光検出器にガイドされ得る光出力経路を提供する半導体ベースの光導波路であれば十分である。
【0014】
上述の更なる機能的フォトニックブロック、すなわち光検出器の性能が判定される場合、光アクセス経路は、例えば、上述の機能的フォトニックブロックのレーザユニット、又は光ファイバを介してPICと光学的に接続された外部レーザユニットによって放出された放射が光検出器、すなわち更なる機能的フォトニックブロックにガイドされ得る光入力経路を提供する半導体ベースの光導波路であれば十分である。
【0015】
PICの更に別の例示的な実施形態に従えば、再構成可能な光接続配置は、複数の機能的フォトニックブロックよりも少ない機能的フォトニックブロックを含む機能的フォトニックブロックのセットを光学的に相互接続し、機能的フォトニックブロックのセットの少なくとも1つの機能的フォトニックブロックへの光入力経路を提供する半導体ベースの光導波路と、光出力経路を提供する別の半導体ベースの光導波路とを含む光アクセス経路を機能的フォトニックブロックのセットに提供するように構成され得る。
【0016】
PICの更なる例示的な実施形態に従えば、例えば、コヒーレント光送信器であるように構成された複数の機能的フォトニックブロックの内の1つ以上の機能的フォトニックブロックと、例えば、コヒーレント光受信器であるように構成された複数の機能的フォトニックブロックの内の1つ以上の他の機能的フォトニックブロックとの全体的な性能は、再構成可能な光接続配置の少なくとも1つの半導体ベースの光導波路によって、コヒーレント光送信器を形成する1つ以上の機能的フォトニックブロックとコヒーレント光受信器を形成する1つ以上の他の機能的フォトニックブロックとの間に光ループバックを提供することによって判定され得る。コヒーレント光送信器とコヒーレント光受信器との組み合わせの性能がPICの機能的フォトニックブロックのみを使用して判定される場合、再構成可能な光接続配置は、上述の機能的フォトニックブロックのレーザユニットがループバックテストに含まれ得、オンチップの局部発振器として使用され得るように構成され得る。当業者は、オンチップレーザユニットを使用する代わりに、光ファイバを介してPICと光学的に接続された外部レーザユニットを使用できるように再構成可能な光接続配置を構成することもできることを理解するであろう。コヒーレント光送信器及びコヒーレント光受信器のループバックテストにおいて、オンチップレーザユニットと外部レーザユニットとの両方を使用できるように再構成可能な光接続配置を構成することも可能である。
【0017】
発明に従ったPICの一実施形態では、複数の制御可能な光スイッチの内の少なくとも1つの制御可能な光スイッチの個別の第1の状態又は第2の状態に応じて、再構成可能な光接続配置は、複数の半導体ベースの光導波路の内の半導体ベースの光導波路の第2のセットが、
複数の機能的フォトニックブロックの内の機能的フォトニックブロックの少なくとも第1のセットであって、少なくとも2つの機能的フォトニックブロックと、複数の機能的フォトニックブロックよりも少ない機能的フォトニックブロックとを含む機能的フォトニックブロックの第1のセットとの間の光接続、及び/又は
機能的フォトニックブロックの第1のセットの少なくとも1つの機能的フォトニックブロックへの第2の光アクセス経路
を提供することを可能にするように構成される。
【0018】
半導体ベースの光導波路の第2のセットによって提供される光接続を介して光学的に相互接続可能な機能的フォトニックブロックの第1のセットは、複数の機能的フォトニックブロックを構成する機能的フォトニックブロックの総数よりも少ない数の機能的フォトニックブロックを含むため、再構成可能な光接続配置によって提供される第2の光アクセス経路は、機能的フォトニックブロックの第1のセットの個々の機能的フォトニックブロック又は機能的フォトニックブロックの第1のセットの性能を判定することを可能にするが、複数の機能的フォトニックブロック全体の性能を判定することを可能にしない。上述のように、機能的フォトニックブロックの第1のセットの個々の機能的フォトニックブロックの性能及び/又は機能的フォトニックブロックの第1のセットの性能の判定を可能にすることによって、PICの全体的な性能がデコンボリューションされ得る。その結果、PICの全体的な性能の理解を深めること、及び/又はPICの全体的な性能を最適化することが可能になる。
【0019】
発明に従ったPICの一実施形態では、再構成可能な光接続配置は、複数の半導体ベースの光導波路の内の少なくとも1つの半導体ベースの光導波路と光学的に接続して配置された少なくとも1つの光スプリッタコンバイナユニットを含み、少なくとも1つの光スプリッタコンバイナユニットは、マルチモード干渉ベース、MMIベースの光スプリッタコンバイナユニットである。PICの例示的な実施形態に従えば、少なくとも1つの光スプリッタコンバイナユニットは、再構成可能な光接続配置の少なくとも2つの半導体ベースの光導波路と光学的に接続された光入力インターフェースと、構成可能な光接続配置の1つの半導体ベースの光導波路と光学的に接続された光出力インターフェースとを含み得ることは理解されるであろう。光スプリッタコンバイナユニットのこの構成に従えば、少なくとも2つの半導体ベースの光導波路によってガイドされた光放射は、光入力インターフェースに入射すると、結合され得、半導体ベースの光出力導波路に供給され得る。光スプリッタコンバイナユニットを逆の動作で使用することによって、光放射の分割を達成できることは明らかであろう。更に、スプリッタコンバイナユニットの任意の適切な構成が想定され得ることが理解されるであろう。
【0020】
少なくとも1つの光スプリッタコンバイナユニットがMMIベースの光スプリッタコンバイナユニットである場合、MMIベースの光スプリッタコンバイナユニットの光入力インターフェースと光出力インターフェースとの両方は、夫々任意の適切な数の光入力ポートと光出力ポートを有し得ることは理解されるであろう。それ故、MMIベースの光スプリッタコンバイナユニットは、任意の適切なn×m MMIとして実装され得、n及びmは、夫々光入力ポート及び光出力ポートの数を表す自然数である。例えば、1×2 MMI又は2×2 MMIである。
【0021】
発明に従ったPICの一実施形態では、再構成可能な光接続配置は、複数の半導体ベースの光導波路の内の少なくとも1つの半導体ベースの光導波路及び複数の機能的フォトニックブロックの内の少なくとも1つの機能的フォトニックブロックと光学的に接続して配置された光検出器を含む。光検出器は、リン化インジウムベース(InPベース)のフォトダイオード(PD)又はInPベースの半導体光増幅器(SOA)であり得る。当業者は、PDが入射光放射を検出するために電気的に逆バイアスされるべきであるのに対し、SOAは電気的に逆バイアスされる必要がないことを理解するであろう。しかしながら、SOAは必要に応じて電気的に逆バイアスされ得る。
【0022】
発明に従ったPICの一実施形態では、複数の制御可能な光スイッチの内の少なくとも1つの制御可能な光スイッチはInPベースのSOAを含む。当業者は、InPベースの半導体材料が、光電気通信用途に適用され得るSOAを製造するための最適な半導体材料であることを理解するであろう。InPベースのSOAは、InPベースのSOAが電気的に順方向バイアスされることを可能にする制御信号に応答して、第1の状態にあるように構成され得る。InPベースのSOAが第1の状態にある場合、光伝送が可能になる。InPベースのSOAは、InPベースのSOAが電気的に逆バイアスされることを可能にする制御信号に応答して、第2の状態にあるように構成され得る。InPベースのSOAが第2の状態にある場合、光伝送が阻止される。
【0023】
発明に従ったPICの一実施形態では、複数の機能的フォトニックブロックの内の第1の機能的フォトニックブロックは、光送信器又はコヒーレント光送信器の少なくとも一部を提供するように構成及び配置され、複数の機能的フォトニックブロックの内の第2の機能的フォトニックブロックは、光受信器又はコヒーレント光受信器の少なくとも一部を提供するように構成及び配置される。PICの再構成可能な光接続配置に起因して、PICを光送信器、コヒーレント光送信器、光受信器、コヒーレント光受信器、光送受信器、コヒーレント光送受信器の内の少なくとも1つにすることを可能にするために、複数の機能的フォトニックブロックの内の少なくとも第1の機能的フォトニックブロックと第2の機能的フォトニックブロックとを光学的に相互接続することが可能である。更に、再構成可能な光接続配置は、光送信器、コヒーレント光送信器、光受信器、コヒーレント光受信器、光送受信器、及びコヒーレント光送受信器の内の少なくとも1つの性能を判定することを可能にするための適切な光アクセス経路を提供するように構成され得る。前述のように、光局部発振器が必要な場合、それは、別の機能的フォトニックブロックのオンチップレーザユニット、又は光ファイバを介してPICと光学的に接続されたオフチップ又は外部レーザユニットによって提供され得る。
【0024】
発明に従ったPICの一実施形態では、複数の機能的フォトニックブロックの内の第2の機能的フォトニックブロックは90度光ハイブリッドを含み、複数の機能的フォトニックブロックの内の第3の機能的フォトニックブロックはレーザユニットを含む。90度光ハイブリッドは、受信したコヒーレント光信号の位相を、そうした場合に光局部発振器であるように構成されたレーザユニットの一定の位相と比較するために使用され得る。
【0025】
発明に従ったPICの一実施形態では、PICは、少なくとも3つの光スプリッタコンバイナユニットの第1のセットと、複数の半導体ベースの光導波路の内の半導体ベースの光導波路の第3のセットとを含む再構成可能な光接続配置を介して第2の機能的フォトニックブロックの90度光ハイブリッド及び第3の機能的フォトニックブロックのレーザユニットと光学的に接続されたファイバ対チップ結合位置を含み、
該第1のセットの第1の光スプリッタコンバイナユニットは、少なくとも第1の光インターフェースを備えた第1の端部と、少なくとも第2の光インターフェース及び第3の光インターフェースを備えた第2の端部とを有し、
該第1のセットの第2の光スプリッタコンバイナユニットは、少なくとも第4の光インターフェースを備えた第3の端部と、少なくとも第5の光インターフェース及び第6の光インターフェースを備えた第4の端部とを有し、
該第1のセットの第3の光スプリッタコンバイナユニットは、少なくとも第7の光インターフェースを備えた第5の端部と、少なくとも第8の光インターフェース及び第9の光インターフェースを備えた第6の端部とを有し、
第1の光スプリッタコンバイナユニットの第1の光インターフェースは、該第3のセットの第1の半導体ベースの光導波路を介して第2の機能的フォトニックブロックの90度光ハイブリッドと光学的に相互接続され、
第1の光スプリッタコンバイナユニットの第2の光インターフェースは、該第3のセットの第2の半導体ベースの光導波路を介して第2の光スプリッタコンバイナユニットの第5の光インターフェースと光学的に相互接続され、
第1の光スプリッタコンバイナユニットの第3の光インターフェースは、該第3のセットの第3の半導体ベースの光導波路を介して第3の光スプリッタコンバイナユニットの第8の光インターフェースと光学的に相互接続され、
第2の光スプリッタコンバイナユニットの第4の光インターフェースは、該第3のセットの第4の半導体ベースの光導波路を介してファイバ対チップ結合位置と光学的に相互接続され、
第2の光スプリッタコンバイナユニットの第6の光インターフェースは、該第3のセットの第5の半導体ベースの光導波路を介して第3の光スプリッタコンバイナユニットの第9の光インターフェースと光学的に相互接続され、
第3の光スプリッタコンバイナユニットの第7の光インターフェースは、該第3のセットの第6の半導体ベースの光導波路を介して第3の機能的フォトニックブロックのレーザユニットと光学的に相互接続される。
【0026】
本発明に従ったPICの上で定義した集積されたコヒーレント光受信器の利点は、PICのファイバ対チップ結合位置と光学的に接続されたオフチップ又は外部測定機器を使用して、オンチップ又は内部レーザユニットの光学的監視を可能にすることである。オンチップ又は内部レーザユニットの性能を光学的に監視する可能性の結果として、オンチップレーザユニットの較正及びインライン制御を改善し得る。
【0027】
上で定義した集積されたコヒーレント光受信器によって提供される別の利点は、オンチップレーザユニットが故障した場合に、PICのファイバ対チップ結合位置と光学的に接続されたオフチップレーザユニットと交換できることである。オンチップレーザユニットをオフチップレーザユニットと交換できるため、高価なPIC全体を廃棄する必要がない。
【0028】
上述のように、該第1セットの光スプリッタコンバイナユニットの内の少なくとも1つは、任意の適切なn×m MMI、例えば1×2 MMI又は2×2 MMIとして実装され得るMMIベースの光スプリッタコンバイナユニットであり得る。
【0029】
発明に従ったPICの例示的な実施形態では、複数の半導体ベースの光導波路の内の半導体ベースの光導波路はテーパ部分を含む。当業者は、半導体ベースの光導波路とPICのファイバ対チップ結合位置にある光ファイバとの間の光インターフェースにおける結合損失を低減させるために、テーパ部分は光放射のスポットサイズ変換を可能にするように構成及び配置され得ることを理解するであろう。
【0030】
発明に従ったPICの一実施形態では、再構成可能な光接続配置は、
第1の端面及び第2の端面を有する複数の制御可能な光スイッチの内の第1の制御可能な光スイッチ、及び/又は
第3の端面及び第4の端面を有する複数の制御可能な光スイッチの内の第2の制御可能な光スイッチ
を含み、
第1の制御可能な光スイッチの第1の端面は、該第3のセットの第7の半導体ベースの光導波路を介してPICのファイバ対チップ結合位置と光通信するように配置され、第1の制御可能な光スイッチの第2の面は、該第3のセットの第4の半導体ベースの光導波路を介して第2の光スプリッタコンバイナユニットの第4の光インターフェースと光通信するように配置され、及び/又は
第2の制御可能な光スイッチの第3の端面は、該第3のセットの第8の半導体ベースの光導波路を介して第3の機能的フォトニックブロックのレーザユニットと光通信するように配置され、第2の制御可能な光スイッチの第4の面は、該第3のセットの第6の半導体ベースの光導波路を介して第3の光スプリッタコンバイナユニットの第7の光インターフェースと光通信するように配置される。
【0031】
オフチップ又は外部測定機器によるオンチップ又は内部レーザユニットのアクティブな光学的監視が必要ない場合、第2の光スプリッタコンバイナユニットとファイバ対チップ結合位置との間に含まれる第1の制御可能な光スイッチは、ファイバ対チップ結合位置でオンチップ又は内部レーザユニットから放出される光放射の反射を最小限にし、最終的に防止するために逆バイアスされ得る。
【0032】
外部又はオフチップレーザユニットがファイバ対チップ結合位置と光学的に接続される場合、第1の制御可能な光スイッチは、PICのコヒーレント光受信器用の外部局部発振器として使用され得るオフチップレーザユニットから放出された光放射を増強するために順方向バイアスされ得る。この場合、オンチップレーザユニットと第3の光スプリッタコンバイナユニットとの間に含まれ得る第2の制御可能な光スイッチは、不要な共振を防ぐために、オフチップレーザユニットによって放射された光放射が非アクティブなオンチップレーザユニットのレーザキャビティに入るのを防ぐために逆バイアスされ得る。
【0033】
第2の制御可能な光スイッチは、オンチップレーザユニットによって放出された光放射を増強する必要がある場合に順方向バイアスされ得る。
【0034】
上述のように、該第1のセットの光スプリッタコンバイナユニットの内の少なくとも1つは、任意の適切なn×m MMIとして実装され得るMMIベースの光スプリッタコンバイナユニットであり得る。例えば、第3の光スプリッタコンバイナユニットは、PICのコヒーレント光受信器に2つ以上のオンチップレーザユニットを含めることを可能にするように構成され得る。例えば、2つのハーフバンド波長可変レーザユニットを含めることの利点は、個々のレーザユニットに対する要件を低くし得る、すなわち、より緩和できるため、コヒーレント光受信器の歩留まり、ひいてはPIC全体の歩留まりを改善できることである。
【0035】
再構成可能な光接続配置の複数の制御可能な光スイッチの内の第1の制御可能な光スイッチ及び第2の制御可能な光スイッチはInPベースのSOAであり得る。
【0036】
発明に従ったPICの一実施形態では、複数の制御可能な光スイッチは、少なくとも3つの制御可能な光スイッチを含む。少なくとも3つの制御可能な光スイッチの内の第1の制御可能な光スイッチは、PICの少なくとも1つの機能的フォトニックブロックへの光入力経路を提供する再構成可能な光接続配置の半導体ベースの光導波路を介した光伝送を可能にする又は阻止するために使用され得る。少なくとも3つの制御可能な光スイッチの内の第2の制御可能な光スイッチは、PICの少なくとも1つの機能的フォトニックブロックからの光出力経路を提供する再構成可能な光接続配置の半導体ベースの光導波路を介した光伝送を可能にする又は阻止するために使用され得る。少なくとも3つの制御可能な光スイッチの内の第3の制御可能な光スイッチは、PICの機能的フォトニックブロック間の光接続を提供する再構成可能な光接続配置の半導体ベースの光導波路を介した光伝送を可能にする又は阻止するために使用され得る。
【0037】
発明に従ったPICの一実施形態では、PICは、ハイブリッドPIC又はInPベースのモノリシックPICである。ハイブリッドPICにより、本発明の利点を、シリコンフォトニクスの領域とIII-V族フォトニクスの領域との両方に適用できることが理解されるであろう。ハイブリッドPICの利点は、III-V族半導体材料、例えば、InPベースの半導体材料を含む機能的フォトニックブロックが、IV族半導体材料、例えば、Siベースの半導体材料を含む機能性フォトニックブロックと単一のダイ上で一緒に使用できることである。発明に従ったPICのハイブリッド集積を可能にする別の利点は、例えば、機能的フォトニックブロックの誤動作又は故障の場合に、機能的フォトニックブロックを交換できることである。
【0038】
例えば、限定的ではないが、光電気通信用途、LIDAR、又はセンサ用途の分野で適用されるPICは、少なくとも、好ましくは可能な限り小さいフットプリントを有する単一のダイ上に集積される機能的フォトニックブロックの数が増加しているため、益々複雑になっている。当業者は、そうしたPICのための、特に上述の用途分野で使用するための最も用途の広い技術プラットフォームが、InPベースの半導体材料を含むウェーハを使用することを理解するであろう。
【0039】
InPベースのモノリシックPICの利点は、例えば、光生成及び/又は光吸収光デバイス等の能動コンポーネントと、例えば、光ガイド及び/又は光スイッチング光デバイス等の受動コンポーネントとの両方が、単一のダイの同じ半導体基板上に集積されることである。その結果、InPベースのモノリシックPICの製造は、典型的には異なる基板上に各々製造される能動及び受動光電子デバイスのハイブリッド相互接続のためのアセンブリステップを必要とするハイブリッドPICのアセンブリよりも煩雑でないことがあり、それ故、コストも低くなり得る。また、InPベースのモノリシックPICでは、ハイブリッドPICの総フットプリントよりもPICの総フットプリントを小さくできる可能性がある。
【0040】
本発明の別の態様に従えば、発明に従ったPICを含む光電子システムが提供される。光電子システムは、例えば、限定的ではないが、電気通信用途、LIDAR、又はセンサ用途に使用され得る。
【0041】
発明に従った光電子システムの一実施形態では、光電子システムは、PICの再構成可能な光接続配置の複数の制御可能な光スイッチの内の少なくとも1つの制御可能な光スイッチと動作可能に接続された制御ユニットであって、制御ユニットは、オペレータによって提供された制御入力及び/又は事前定義の制御スキームに従って制御信号を生成するように構成され、制御信号は、複数の制御可能な光スイッチの内の少なくとも1つの制御可能な光スイッチが該第1の状態又は該第2の状態に構成されることを可能にするように構成され、複数の制御可能な光スイッチの内の少なくとも1つの制御可能な光スイッチの個別の第1の状態又は第2の状態に応じて再構成可能な光接続配置は、複数の半導体ベースの光導波路の内の半導体ベースの光導波路の少なくとも第1のセットが、
複数の機能的フォトニックブロックの内の少なくとも2つの機能的フォトニックブロック間の少なくとも1つの光接続、及び/又は
複数の機能的フォトニックブロックの内の少なくとも1つの機能的フォトニックブロックへの第1の光アクセス経路
を提供することを可能にするように構成される、制御ユニットを含む。
【0042】
事前定義の制御スキームに従って再構成可能な光接続配置の制御可能な光スイッチを制御するための制御信号を生成できるように制御ユニットを構成することによって、再構成可能な光接続配置は、PICの個々の機能的フォトニックブロック、個々の機能ブロックのセット、及び複数の機能的フォトニックブロックの全ての機能的フォトニックブロックの内の少なくとも1つの性能を判定するために、自動化されたテストシーケンスが実行されることを可能にするように構成され得る。
【0043】
制御ユニットは、オペレータの制御入力に従って制御信号を生成することも可能である。このようにして、再構成可能な光接続配置の制御可能な光スイッチの手動制御を可能にし得る。当業者は、構成可能な光接続配置の制御可能な光スイッチを制御するための事前定義の制御スキームに従って提供されたであろう制御入力を調整又はキャンセルするために手動制御を使用することもできることを理解するであろう。
【0044】
更に、制御ユニットは、任意の適切な方法で構成及び配置され得、すなわち、それはPICと同じダイ上に集積され得、又はPICと有線及び/又は無線で動作可能に接続された外部制御ユニットであり得ることに留意すべきである。
【0045】
本発明の更に別の態様に従えば、発明に従ったPICの全体的な性能の改善された判定方法が提供され、PICは、
複数の光学的に相互接続可能な機能的フォトニックブロックと、
複数の半導体ベースの光導波路と、
複数の制御可能な光スイッチであって、制御可能な光スイッチの内の少なくとも1つは制御信号に応答して、
光伝送を可能する第1の状態、又は
光伝送を阻止する第2の状態
にあるように構成可能である、複数の制御可能な光スイッチと
を含む、再構成可能な光接続配置と
を含み、
複数の制御可能な光スイッチの内の少なくとも1つの制御可能な光スイッチの個別の第1の状態又は第2の状態に応じて、再構成可能な光接続配置は、複数の半導体ベースの光導波路の内の半導体ベースの光導波路の少なくとも第1のセットが、
複数の機能的フォトニックブロックの内の少なくとも2つの機能的フォトニックブロック間の少なくとも1つの光接続、及び/又は
複数の機能的フォトニックブロックの内の少なくとも1つの機能的フォトニックブロックへの第1の光アクセス経路
を提供することを可能にし、
方法は、
複数の半導体ベースの光導波路の内の半導体ベースの光導波路の少なくとも第1のセットが、複数の機能的フォトニックブロックの内の少なくとも2つの機能的フォトニックブロック間の少なくとも1つの光接続及び/又は複数の機能的フォトニックブロックの内の少なくとも1つの機能的フォトニックブロックへの第1の光アクセス経路を提供することを可能にするように再構成可能な光接続配置を構成するために、オペレータによって提供された制御入力、及び/又は少なくとも1つの制御可能な光スイッチを光伝送を可能にする第1の状態若しくは光伝送を阻止する第2の状態にあるように構成するための事前定義の制御スキームに従って制御信号を生成することと、
オペレータ及び/又は事前定義のテストスキームに従ってテスト信号を生成することと、
生成されたテスト信号を、複数の機能的フォトニックブロックの内の少なくとも1つの機能的フォトニックブロックに提供することと、
複数の機能的フォトニックブロックの内の少なくとも1つの機能的フォトニックブロックの性能を判定すること
を含む。
【0046】
発明に従った方法は、個々の機能的フォトニックブロック、複数の機能的フォトニックブロックよりも少ない機能的フォトニックブロックを含む機能的フォトニックブロックのセット、及び複数の機能的フォトニックブロック全体の内の少なくとも1つの性能を判定することを可能にする。当業者は、機能的フォトニックブロックの前述の異なる構成の性能が、例えば、PICと動作可能に接続されたレーザユニット及び/又は光検出器等の外部に配置されたテスト機器を使用して判定され得ることを理解するであろう。しかしながら、例えば、性能が判定される機能的フォトニックブロックのセットに含まれないPICの機能的フォトニックブロックの一部であるレーザユニット及び/又は光検出器等のオンチップコンポーネントを使用して、機能的フォトニックブロックの前述の異なる構成の性能を判定することも可能である。その場合、発明に従った方法は、いわゆる光組み込みセルフテスト(BIST)を実施することを可能にする。
【0047】
少なくとも1つの制御可能な光スイッチを構成するための制御信号は、オペレータによって提供された制御入力に従って生成できるだけでなく、事前定義の制御スキームに従っても生成できるので、発明に従った方法は、個々の機能的フォトニックブロック、複数の機能的フォトニックブロックよりも少ない機能的フォトニックブロックを含む機能的フォトニックブロックのセット、及び複数の機能的フォトニックブロック全体の内の少なくとも1つの性能を判定するために再構成可能な光接続配置の構成又は再構成の自動化されたシーケンスを実施することを可能にする。上述のように、オペレータによって提供された手動制御入力は、事前定義の自動制御スキームに従って提供されたであろう制御入力を調整又はキャンセルするために使用され得る。
【0048】
機能的フォトニックブロックの前述の異なる構成の性能を判定するために、オペレータによって提供されたテスト入力及び/又は事前定義のテストスキームに従ってテスト信号が生成され得、PICの機能的フォトニックブロックの内の少なくとも1つに提供され得る。当業者は、手動テスト入力及び/又は自動化された事前定義のテストスキームが提供され得、自動化された事前定義のテストスキームの少なくとも1つの個々のテスト入力が、オペレータによって提供された手動テスト入力によって調整及び/又はキャンセルされ得ることを理解するであろう。自動化された事前定義のテストスキームは、データシーケンス、シングルトーン、及びマルチトーンの内の少なくとも1つを含むがこれらに限定されない一連のテストパターンを含み得る。好ましくはないが、前述の一連のテストパターンはまた、オペレータによって手動で提供され得る。
【0049】
当業者は、本発明に従った方法が、例えば、光BISTの形式で、個々の機能的フォトニックブロック、複数の機能的フォトニックブロックよりも少ない機能的フォトニックブロックを含む機能的フォトニックブロックのセット、及び複数の機能的フォトニックブロック全体の内の少なくとも1つの初期のテスト及びライフタイム中のテストに関連し得ることを理解するであろう。発明に従った方法が実施される場合、PICはいわゆる測定状態にあるが、方法の完了後、PICはいわゆる通常動作状態にある。
【0050】
発明に従った方法の結果として、PICの全体的な性能は、個々の機能的フォトニックブロック、及び/又は複数の機能的フォトニックブロックよりも少ない機能的フォトニックブロックを含む機能的フォトニックブロックのセットのレベルまでデコンボリューションされ得る。その結果、PICの全体的な性能についての理解を深めることができ、及び/又はPICの全体的な性能を改善し得る。
【0051】
発明に従った方法の一実施形態では、方法は、
少なくとも1つの機能的フォトニックブロックの判定された性能を、少なくとも1つの機能的フォトニックブロックの事前定義の性能と比較することと、
少なくとも1つの機能的フォトニックブロックの判定された性能と事前定義の性能との間のオフセットを判定することと、
判定されたオフセットを少なくとも低減させるために、判定されたオフセットに従って較正信号を生成することと、
較正信号を複数の機能的フォトニックブロックの内の少なくとも1つの機能的フォトニックブロックに提供すること
を更に含む。
【0052】
このようにして、発明の方法は、個々の機能的フォトニックブロック、複数の機能的フォトニックブロックよりも少ない機能的フォトニックブロックを含む機能的フォトニックブロックのセット、及び複数の機能的フォトニックブロック全体の内の少なくとも1つの較正を実施することによって、PICの全体的な性能を改善し得る。
【図面の簡単な説明】
【0053】
発明の更なる機構及び利点は、本発明に従ったPIC、そうしたPICを含む光電子システム、及び本発明に従ったPICの全体的な性能の改善された判定方法の例示的で非限定的な実施形態の説明から明らかになるであろう。
【0054】
当業者は、PIC、方法、及び光電子システムの説明する実施形態は本質的に単なる例示であり、いかなる形であれ保護の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことを理解するであろう。当業者は、本発明の保護範囲から逸脱することなく、PIC、方法、及び光電子システムの代替及び同等の実施形態を考え、実践に移すことができることを理解するであろう。
【0055】
添付の図面シートの図が参照されるであろう。図は本質的に概略的であり、それ故、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。更に、同一の参照番号は、同一又は類似の部品を示す。
【0056】
添付の図面シートにおいて、
【0057】
【
図1】構成可能な光接続配置を介して光学的に相互接続可能な3つの機能的フォトニックブロックを含む、本発明に従ったPICの第1の例示的で非限定的な実施形態の概略上面図を示す。
【
図2】
図1に示したPICの第1の例示的で非限定的な実施形態の第1の構成の概略上面図を示す。
【
図3】
図1に示したPICの第1の例示的で非限定的な実施形態の第2の構成の概略上面図を示す。
【
図4】
図1に示したPICの第1の例示的で非限定的な実施形態の第3の構成の概略上面図を示す。
【
図5】
図1に示したPICの第1の例示的で非限定的な実施形態の第4の構成の概略上面図を示す。
【
図6】
図1に示したPICの第1の例示的で非限定的な実施形態の第5の構成の概略上面図を示す。
【
図7】本発明に従ったPICの第2の例示的で非限定的な実施形態の第1の構成の概略上面図を示す。
【
図8】本発明に従ったPICの第3の例示的で非限定的な実施形態の第1の構成の概略上面図を示す。
【
図9】本発明に従ったPICの第3の例示的で非限定的な実施形態の第2の構成の概略上面図を示す。
【
図10】本発明に従ったPICの第3の例示的で非限定的な実施形態の第3の構成の概略上面図を示す。
【
図11】例えば、限定的ではないが、電気通信用途、LIDAR、又はセンサ用途に使用され得る光電子システムであって、本発明に従ったPICを含む光電子システムの第1の例示的で非限定的な実施形態の概略上面図を示す。
【
図12】発明に従った方法の第1の例示的で非限定的な実施形態のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図1は、3つの機能的フォトニックブロック2a、2b、2cを含む、本発明に従ったPIC1の第1の例示的で非限定的な実施形態の概略上面図を示す。わかりやすくするために、これらの機能的フォトニックブロックの内の1つを構成する個々のコンポーネントは、破線のボックスで囲まれている。当業者は、機能的フォトニックブロック2a、2b、2cの各々が、PIC1に任意の適切なタイプの機能、例えば、光送信器、光受信器、レーザユニット、又は光検出器の機能を提供し得ることを理解するであろう。
図1に示したPIC1の第1の例示的で非限定的な実施形態に従えば、第1の機能的フォトニックブロック2aはコヒーレント光送信器の機能を提供し、第2の機能的フォトニックブロック2bはコヒーレント光受信器の機能を提供し、第3の機能的フォトニックブロック2cは、オンチップ光源の機能を提供する。オンチップ光源は、集積された波長可変レーザユニットであり得る。
【0059】
PIC1の3つの機能的フォトニックブロック2a、2b、2cは、複数の半導体ベースの光導波路3a~3ahの内の半導体ベースの光導波路3a~3zと、3つの制御可能な光スイッチ4a、4b、4cとを含む再構成可能な光接続配置を介して光学的に相互接続可能である。
図11に概略的に示されている制御ユニット101によって提供され得る制御信号に応答して、3つの制御可能な光スイッチ4a、4b、4cの内の少なくとも1つは、光伝送を可能にする第1の状態に、又は光伝送を阻止する第2の状態にあるように構成可能である。
【0060】
限定的ではないが、特に
図2~
図7に関して説明するように、個別の第1の状態又は第2の状態に応じて、3つの制御可能な光スイッチ4a、4b、4cがそれにあるように構成され、再構成可能な光接続配置は、複数の半導体ベースの光導波路の内の半導体ベースの光導波路の少なくとも第1のセットが、3つの機能的フォトニックブロック2a、2b、2cの内の少なくとも2つの機能的フォトニックブロック間の少なくとも1つの光接続5a、5b及び/又は3つの機能的フォトニックブロック2a、2b、2cの内の少なくとも1つの機能的フォトニックブロックへの第1の光アクセス経路を提供することを可能にするように構成され得る。このように、再構成可能な光接続配置は、機能的フォトニックブロック2a、2b、2cの一部又は全部が光学的に相互接続される方法の構成及び/又は再構成を可能にする。図示されるように、3つの機能的フォトニックブロック2a、2b、2cから特定の機能的フォトニックブロック又は機能的フォトニックブロックのセットを除外することも可能である。上記に基づいて、再構成可能な光接続配置は、再構成可能なPIC1の異なる構成及び/又は機能を可能にする。
【0061】
限定的ではないが、特に
図2~
図5に関して説明するように、PIC1の再構成可能な光接続配置は、機能的フォトニックブロックの内の少なくとも1つの性能を可能にするための適切な光アクセス経路を提供するように構成され得る。第3の機能的フォトニックブロック2cの光学的光源は、例えば、光局部発振器として使用され得る。当業者は、光ファイバを介してPIC1と光学的に接続された外部レーザユニットによって光局部発振器が提供され得ることを理解するであろう。このことは、特に
図8~
図10に関して説明されるであろう。
【0062】
図1に示したPIC1の第1の例示的で非限定的な実施形態に従えば、3つの制御可能な光スイッチ4a、4b、4cはInPベースのSOAを含むことに留意すべきである。上述のように、当業者は、InPベースの半導体材料が、光電気通信用途に適用され得るSOAを製造するための最適な半導体材料であることを理解するであろう。InPベースのSOAは、InPベースのSOAが電気的に順方向バイアスされることを可能にする制御信号に応答して第1の状態にあるように構成され得る。InPベースのSOAが第1の状態にある場合、光伝送を可能にする。InPベースのSOAは、InPベースのSOAが電気的に逆バイアスされることを可能にする制御信号に応答して第2の状態にあるように構成され得る。InPベースのSOAが第2の状態にある場合、光伝送を阻止する。
【0063】
PIC1は、ハイブリッドPIC又はInPベースのモノリシックPICであり得る。上述のように、ハイブリッドPICは、本発明の利点を、シリコンフォトニクスの領域とIII-V族フォトニクスの領域との両方に適用することを可能にする。ハイブリッドPICの利点は、第3の機能的フォトニックブロック2cのオンチップ光源が、IV族半導体材料、例えば、Siベースのフォトニックデバイスを含む機能的フォトニックブロックと単一のダイ上で集積され得るIII-V族、例えば、InPベースの波長可変レーザユニットであり得ることである。発明に従ったPIC1のハイブリッド集積を可能にする別の利点は、例えば、機能的フォトニックブロックの誤動作又は故障の場合に、機能的フォトニックブロックを交換できることである。
【0064】
モノリシックPICに関して、特に上述の用途分野で使用するための、そうしたPICの最も用途の広い技術プラットフォームは、InPベースの半導体材料を含むウェーハを使用することに留意すべきである。InPベースのモノリシックPICの利点は、例えば、光生成及び/又は光吸収光デバイス等の能動コンポーネントと、例えば、光ガイド及び/又は光スイッチング光デバイス等の受動コンポーネントとの両方が単一のダイの同じ半導体基板上に集積されることである。その結果、InPベースのモノリシックPICの製造は、典型的には異なる基板上に各々製造される能動及び受動光電子デバイスのハイブリッド相互接続のためのアセンブリステップを必要とするハイブリッドPICのアセンブリよりも煩雑でないことがあり、それ故、コストが低くなり得る。また、InPベースのモノリシックPICは、ハイブリッドPICの総フットプリントよりも小さい総フットプリントを有し得る。
【0065】
図1に示したPIC1の第1の例示的で非限定的な実施形態に従えば、再構成可能な光接続配置は、光スプリッタコンバイナユニット6a~6gを含み、それらの各々は、複数の半導体ベースの光導波路の内の少なくとも1つの半導体ベースの光導波路と光学的に接続して配置される。
図1に示すように、光スプリッタコンバイナユニット6b、6c、6dの各々は、2つの半導体ベースの光導波路と光学的に接続された光入力インターフェースと、1つの半導体ベースの光導波路と光学的に接続された光出力インターフェースとを含む。光スプリッタコンバイナユニットのこの構成に従えば、少なくとも2つの半導体ベースの光導波路によってガイドされた光放射は、光入力インターフェースに入射すると、結合され得、半導体ベースの光出力導波路に供給され得る。光スプリッタコンバイナユニット6a、6e、6f、6gの各々は、1つの半導体ベースの光導波路と光学的に接続された光入力インターフェースと、2つの半導体ベースの光導波路と光学的に接続された光出力インターフェースとを含む。このようにして、光入力インターフェースに入射した光放射は、2つの半導体ベースの光出力導波路に分割及び分配され得る。光スプリッタコンバイナユニット6a~6gは、例えば、
図1に示したような1×2 MMI等、任意の適切な数の光入力ポート及び光出力ポートを夫々有するMMIベースの光スプリッタコンバイナユニットであり得る。
【0066】
図2は、
図1に示したPIC1の第1の例示的で非限定的な実施形態の第1の構成の概略上面図を示し、第1の制御可能な光スイッチ4a及び第2の制御可能な光スイッチ4bは、光伝送を阻止する第2の状態にあるように構成され、第3の制御可能な光スイッチ4cは、光伝送を可能する第1の状態にあるように構成される。その結果、再構成可能な光接続配置は、PICにコヒーレント光受信器の機能を提供する第2の機能的フォトニックブロック2bへの複数の半導体ベースの光導波路の内の半導体ベースの光導波路3a、3b、3l、3t、3u、3x、3yの第1のセットを含む光アクセス経路を可能にするように構成される。このように、再構成可能な光接続配置は、コヒーレント光受信器の性能をスタンドアロン方式で、すなわちPIC1全体から分離して判定することを可能にする。第1の機能的フォトニックブロック2a、第3の機能的フォトニックブロック2c、第1の制御可能な光スイッチ4a、第2の制御可能な光スイッチ4b、及び複数の半導体ベースの光導波路の内の半導体ベースの光導波路3c~3k、3m~3s、3v、3w、3zは、性能が判定され得るPIC1の光学的にアクセス可能な部分を強調するために明確には示されていないことに留意すべきである。
【0067】
図3は、
図1に示したPIC1の第1の例示的で非限定的な実施形態の第2の構成の概略上面図を示し、第1の制御可能な光スイッチ4a及び第3の制御可能な光スイッチ4cは、光伝送を阻止する第
2の状態にあるように構成され、第2の制御可能な光スイッチ4bは、光伝送を可能にする第1の状態にあるように構成される。その結果、再構成可能な光接続配置は、PICにコヒーレント光送信器の機能を提供する第1の機能的フォトニックブロック2aへの複数の半導体ベースの光導波路の内の半導体ベースの光導波路3g、3m、3p、3q、3r、3sの第2のセットを含む光アクセス経路を可能にするように構成される。このように、再構成可能な光接続配置は、コヒーレント光送信器の性能をスタンドアロン方式で、すなわちPIC1全体から分離して判定することを可能にする。第2の機能的フォトニックブロック2b、第3の機能的フォトニックブロック2c、第1の制御可能な光スイッチ4a、第3の制御可能な光スイッチ4b、及び複数の半導体ベースの光導波路の内の半導体ベースの光導波路3a~3e、3h~3l、3n、3o、3t、3u、3x、3yは、性能が判定され得るPIC1の光学的にアクセス可能な部分を強調するために明確には示されていないことに留意すべきである。
【0068】
図4は、
図1に示したPIC1の第1の例示的で非限定的な実施形態の第3の構成の概略上面図を示し、第3の制御可能な光スイッチ4cは、光伝送を阻止する第2の状態にあるように構成され、第1の制御可能な光スイッチ4a及び第2の制御可能な光スイッチ4bは、光伝送を可能にする第1の状態にあるように構成される。その結果、再構成可能な光接続配置は、光ファイバ対チップ結合位置9a、9bと、PICに
コヒーレント光送信器の機能を提供する第1の機能的フォトニックブロック2a及びPICにコヒーレント光受信器の機能を提供する第2の機能的フォトニックブロック2bの両方との間の光アクセス経路を提供するための複数の半導体ベースの光導波路の内の半導体ベースの光導波路3a、3b、3f、3g、
3l、3mの別のセットを含むように構成される。再構成可能な光接続配置は、半導体ベースの光導波路3h、3i、3r、3sの更に別のセットが、第1の機能的フォトニックブロック2aと第2の機能的フォトニックブロック2bとの間の光接続を提供できるように構成される。このように、再構成可能な光接続配置は、コヒーレント光送信器の機能とコヒーレント光受信器の機能との両方の全体的な性能を、いわゆるループバックテストで判定できるようにする。
【0069】
図4は、
図1に示したPIC1の第1の例示的で非限定的な実施形態の第3の構成に従って、再構成可能な光接続配置が、レーザユニット(図示せず)等の少なくとも1つの外部又はオフチップ光源を、ファイバ対チップ結合位置9a、9bに配置された光ファイバ(図示せず)を介してPIC1の半導体ベースの光導波路
3l、3mと光学的に接続できるように構成されることを示す。このことは、
図8~
図10に関してより詳細に説明されるであろう。
【0070】
図5は、
図1に示したPIC1の第1の例示的で非限定的な実施形態の第4の構成の概略上面図を示し、再構成可能な光接続配置は、第1の機能的フォトニックブロック2aによって提供されるコヒーレント光送信器の機能と、第2の機能的フォトニックブロック2bによって提供されるコヒーレント光受信器の機能との両方の全体的な性能を判定するためのループバックテストを可能にするように再び構成されている。しかしながら、この場合、再構成可能な光接続配置は、ループバックテストで第3の機能的フォトニックブロック2cのオンチップ光源、例えば、集積されたレーザユニットを含むように構成され、PIC1の3つの機能的フォトニックブロック2a、2b、2cのみを使用してコヒーレント光送信器とコヒーレント光受信器との組み合わせの性能を判定するためのオンチップ光局部発振器としてオンチップ光源を使用するように構成される。
【0071】
図2~
図5に示したPIC1の第1の例示的で非限定的な実施形態の異なる構成に基づいて、当業者は、本発明に従ったPIC1が、個々の機能的フォトニックブロック(
図2及び
図3)及びPIC1の複数の機能的フォトニックブロックよりも少ない機能的フォトニックブロックを含む機能的フォトニックブロックのセット(
図4及び
図5)のレベルまでPICの全体的な性能をデコンボリューションすることを可能にすることを理解するであろう。また、PIC1の全体的な性能の理解を深め、及び/又はPIC1の全体的な性能を最適化することができる。
【0072】
図6は、
図1に示したPIC1の第1の例示的で非限定的な実施形態の第5の構成の概略上面図を示し、第1の制御可能な光スイッチ4aは、光伝送を阻止する第2の状態にあるように構成され、第2の制御可能な光スイッチ4b及び第3の制御可能な光スイッチ4cは、光伝送を可能にする第1の状態にあるように構成される。その結果、再構成可能な光接続配置は、PICにコヒーレント光送信器の機能を提供する第1の機能的フォトニックブロック2a及びPICにコヒーレント光受信器の機能を提供する第2の機能的フォトニックブロック2bへの複数の半導体ベースの光導波路の内の半導体ベースの光導波路3p~3u、3x、3yの更なるセットを含む光アクセス経路を可能にするように構成される。再構成可能な光接続配置はまた、半導体ベースの光導波路3a、3b、3e、3kの更に別のセットが、第3の機能的フォトニックブロック2cと第2の機能的フォトニックブロック2bとの間の光接続5aを提供することを可能にするように構成され、半導体ベースの光導波路3g、3jの更に別のセットが、第3の機能的フォトニックブロック2cと第1の機能的フォトニックブロック2aとの間の光接続5bを提供するように構成される。このように、再構成可能な光接続配置は、PIC1をいわゆる通常動作状態にあることを可能にする。
【0073】
図7は、本発明に従ったPIC1の第2の例示的で非限定的な実施形態の第1の構成の概略上面図を示し、3つの制御可能な光スイッチ4a~4cは、光伝送を阻止する第2の状態にあるように構成される。その結果、再構成可能な光接続配置は、第3の機能的フォトニックブロック2c、すなわち、集積された波長可変レーザユニットへの複数の半導体ベースの光導波路の内の半導体ベースの光導波路3n、3oのセットを含む光アクセス経路を可能にするように構成される。このように、再構成可能な光接続配置は、集積された波長可変レーザユニットの性能をスタンドアロン方式で、すなわち、PIC1全体から分離して判定することを可能にする。
【0074】
半導体ベースの光導波路3nはテーパ部分8を含む。当業者は、テーパ部分8が、半導体ベースの光導波路3nと、それが光学的に接続され得る光ファイバ(図示せず)との間の光インターフェースにおける結合損失を低減するために光放射のスポットサイズ変換を可能にするように構成及び配置されることを理解するであろう。光ファイバは、集積された波長可変レーザユニットの性能を判定するために、外部光検出器(図示せず)と光学的に接続され得る。外部光検出器の代わりに、集積された波長可変レーザユニットの性能を判定するために、PIC1の構成可能な接続配置の半導体ベースの光導波路3oを介して、集積されたレーザユニットと光学的に接続された集積された光検出器7を使用することもできる。光検出器7は、InPベースのPD又はInPベースのSOAであり得る。当業者は、PDが入射光放射を検出するために電気的に逆バイアスされるべきであるのに対し、SOAは電気的に逆バイアスされる必要がないことを理解するであろう。しかしながら、SOAは、必要に応じて電気的に逆バイアスされ得る。
【0075】
図8は、本発明に従ったPIC1の第3の例示的で非限定的な実施形態の第1の構成の概略上面図を示す。第2の機能的フォトニックブロック2bは、PIC1に、90度光ハイブリッドを含むコヒーレント光受信器の機能を提供する。90度光ハイブリッドは簡略化された形で表されており、簡単にするために90度光ハイブリッドへの信号経路を示すことを省略している。第3の機能的フォトニックブロック2cは、PIC1にオンチップ光源の機能を提供する。上述のように、オンチップ光源は、例えば、集積された波長可変レーザを含むレーザユニットであり得る。
【0076】
図8は、PIC1が、本発明に従った再構成可能な光接続配置を介して第2の機能的フォトニックブロック2bの90度光ハイブリッドと、第3の機能的フォトニックブロック2cのオンチップレーザユニットとに光学的に接続されたファイバ対チップ結合位置9iを含むことを示す。再構成可能な光接続配置は、3つの光スプリッタコンバイナユニット6h、6i、6jの第1のセットと、複数の半導体ベースの光導波路3a~3ahの内の半導体ベースの光導波路3aa~3ahの第3のセットの半導体ベースの光導波路3aa~3ahとを含む。該第1のセットの第1の光スプリッタコンバイナユニット6hは、第1の光インターフェース14aを備えた第1の端部11aと、第2の光インターフェース14b及び第3の光インターフェース14cを備えた第2の端部11bとを有する。該第1のセットの第2の光スプリッタコンバイナユニット6iは、第4の光インターフェース15aを備えた第3の端部12aと、第5の光インターフェース15b及び第6の光インターフェース15cを備えた第4の端部12bとを有する。該第1のセットの第3の光スプリッタコンバイナユニット6jは、第7の光インターフェース16aを備えた第5の端部13aと、第8の光インターフェース16b及び第9の光インターフェース16cを備えた第6の端部13bとを有する。
【0077】
第1の光スプリッタコンバイナユニット6hの第1の光インターフェース14aは、該第3のセットの第1の半導体ベースの光導波路3aaを介して、第2の機能的フォトニックブロック2bの90度光ハイブリッドと光学的に相互接続される。第1の光スプリッタコンバイナユニット6hの第2の光インターフェース14bは、該第3のセットの第2の半導体ベースの光導波路3abを介して、第2の光スプリッタコンバイナユニット6iの第5の光インターフェース15bと光学的に相互接続される。第1の光スプリッタコンバイナユニット6hの第3の光インターフェース14cは、該第3のセットの第3の半導体ベースの光導波路3acを介して、第3の光スプリッタコンバイナユニット6jの第8の光インターフェース16bと光学的に相互接続される。第2の光スプリッタコンバイナユニット6iの第4の光インターフェース15aは、該第3のセットの第4の半導体ベースの光導波路3adを介して、ファイバ対チップ結合位置9と光学的に相互接続される。第2の光スプリッタコンバイナユニット6iの第6の光インターフェース15cは、該第3のセットの第5の半導体ベースの光導波路3aeを介して、第3の光スプリッタコンバイナユニット6jの第9の光インターフェース16cと光学的に相互接続される。第3の光スプリッタコンバイナユニット6jの第7の光インターフェース16aは、該第3のセットの第6の半導体ベースの光導波路3afを介して、第3の機能的フォトニックブロック2cのレーザユニットと光学的に相互接続される。
【0078】
図8に示したPIC1の集積されたコヒーレント光受信器の実施形態の利点は、光ファイバ10を介してPIC1のファイバ対チップ結合位置9iと光学的に結合されたオフチップ又は外部測定機器を使用して、第2の機能的フォトニックブロック2bのオンチップ又は内部レーザユニットの光学的監視を可能にすることである。第2の機能的フォトニックブロック2bのオンチップ又は内部レーザユニットの性能を光学的に監視する可能性の結果として、オンチップレーザユニットの較正及びインライン制御が改善され得る。
【0079】
図8に示したPIC1の集積されたコヒーレント光受信器の実施形態の別の利点は、オンチップレーザユニットが故障した場合に、光ファイバ10を介してPIC1のファイバ対チップ結合位置9iと光学的に接続されたオフチップレーザユニットと交換できることである。オンチップレーザユニットをオフチップレーザユニットと交換する可能性の結果として、高価であるPIC1全体を廃棄する必要はない。
【0080】
PIC1の第3の例示的な非限定的実施形態の第1の構成に従えば、該第1のセットの光スプリッタコンバイナユニット6h、6i、6jは、1×2 MMIとして実装されたMMIベースの光スプリッタコンバイナユニットである。当業者は、PICの別の例示的な実施形態に従って、第3の光スプリッタコンバイナユニット6jが例えば2×2 MMIに交換された場合、第2のオンチップ光局部発振器として使用され得る別のレーザユニットが含まれ得ることを理解するであろう。例えば、2つのハーフバンド波長可変レーザユニットを含めることの利点は、個々のレーザユニットの要件を低くし得る、すなわち、より緩和できるため、PICの歩留まりを改善できることである。
【0081】
図9は、本発明に従ったPIC1の第3の例示的で非限定的な実施形態の第2の構成の概略上面図を示す。再構成可能な光接続配置は、第1の端面17a及び第2の端面17bを有する第1の制御可能な光スイッチ4aを含む。第1の制御可能な光スイッチ4aの第1の端面17aは、該第3のセットの第7の半導体ベースの光導波路3agを介してPIC1のファイバ対チップ結合位置9iと光通信するように配置され、第1の制御可能な光スイッチ4aの第2の面17bは、該第3のセットの第4の半導体ベースの光導波路3adを介して第2の光スプリッタコンバイナユニット6iの第4の光インターフェース15aと光通信するように配置される。
【0082】
第1の制御可能な光スイッチ4aを順方向バイアスすることによって、第3の機能的フォトニックブロック2cのオンチップレーザユニットによって放出された光放射は、第3のセットの第6の半導体ベースの光導波路3af、第3の光スプリッタコンバイナユニット6j、第3のセットの第5の半導体ベースの光導波路3ae、第2の光スプリッタコンバイナユニット6i、第3のセットの第4の半導体ベースの光導波路3ad、第1の制御可能な光スイッチ4a、及び第3のセットの第7の半導体ベースの光導波路3agを含む光路を介してファイバ対チップ結合位置9iでPIC1と接続する光ファイバ10に供給され得る、前述の光路は、白抜きのブロック矢印で
図9に示されている。光ファイバ10は、外部又はオフチップの光学測定機器(図示せず)と光学的に接続され得る。このようにして、オンチップレーザユニットの性能が判定され得る。
【0083】
上述のように、第3の機能的フォトニックブロック2cのオンチップレーザユニットは、第3のセットの第6の半導体ベースの光導波路3af、第3の光スプリッタコンバイナユニット6j、第3のセットの第3の半導体ベースの光導波路3ac、第1の光スプリッタコンバイナユニット6h、及び第3のセットの第1の半導体ベースの光導波路3aaを含む光路を介して第2の機能的フォトニックブロック2bの90度光ハイブリッドと光学的に接続された光局部発振器として使用され得る。後者の光路も、白抜きのブロック矢印で
図9に示されている。
【0084】
図10は、本発明に従ったPIC1の第3の例示的で非限定的な実施形態の第3の構成の概略上面図を示す。PIC1の第3の例示的実施形態の第3の構成は、
図10に示した再構成可能な光接続配置が、
図9に関して説明したような第1の制御可能な光スイッチ4aに加えて第2の制御可能な光スイッチ4bを含むという点で、PIC1の第3の例示的な実施形態の上に説明した第2の構成とは異なる。第2の制御可能な光スイッチ4bは、第3の端面18a及び第4の端面18bを有する。第3の端面18aは、該第3のセットの第8の半導体ベースの光導波路3ahを介して、第3の機能的フォトニックブロック2cのレーザユニットと光通信するように配置される。第4の面18bは、該第3のセットの第6の半導体ベースの光導波路3afを介して、第3の光スプリッタコンバイナユニット6jの第7の光インターフェース16aと光通信するように配置される。
【0085】
外部又はオフチップレーザユニット(図示せず)が、第2の機能的フォトニックブロック2bの90度光ハイブリッド用の光局部発信機として使用される場合、オフチップレーザユニットは、ファイバ対チップ結合位置9iでPIC1と接続された光ファイバ10と光学的に接続され得る。第1の制御可能な光スイッチ4aを順方向バイアスすると、オフチップレーザユニットによって放出された光放射は、第3のセットの第7の半導体ベースの光導波路3ag、第1の制御可能な光スイッチ4a、第3のセットの第4の半導体ベースの光導波路3ad、第2の光スプリッタコンバイナユニット6i、第3のセットの第2の半導体ベースの光導波路3ab、第1の光スプリッタコンバイナユニット6h、及び第3のセットの第1の半導体ベースの光導波路3aaを含む光路を介して、第2の機能的フォトニックブロック2bの90度光ハイブリッドに向かってガイドされ得る。後者の光路は、白抜きのブロック矢印で
図10に示されている。また、第1の制御可能な光スイッチ4aは、オフチップレーザユニットによって放出された光放射を増強し得る。
【0086】
当業者は、外部又はオフチップレーザユニットがPIC1と光学的に接続される場合、第2の制御可能な光スイッチ4bを逆バイアスすることが有利であることを理解するであろう。このようにして、オフチップレーザユニットによって放出された光放射が、非アクティブなオンチップレーザユニットのレーザキャビティに入り得ることが防止され得る。その結果、望ましくない共振が防止され得る。
【0087】
第3の機能的フォトニックブロック2cのオンチップレーザユニットが光局部発振器として使用される場合、第2の制御可能な光スイッチ4bは、オンチップレーザユニットによって放出された光放射を増強するために順方向バイアスされ得る。オンチップレーザユニットによって放出された放射のオフチップ監視が望まれる場合、第1の制御可能な光スイッチ4aも順方向バイアスされ得る。これが望ましくない場合、第1の制御可能な光スイッチ4aは、ファイバ対チップ結合位置9iでオンチップ又は内部レーザユニットによって放出された光放射の反射を低減し、最終的に排除するために逆バイアスされ得る。
【0088】
図11は、本発明に従ったPIC1を含む光電子システム100の第1の例示的で非限定的な実施形態の概略上面図を示す。光電子システム100は、例えば、限定的ではないが、通信用途、LIDAR、又はセンサ用途に使用され得る。光電子システム100が電気通信用途に使用される場合、それは、例えば、送信器、受信器、送受信器、コヒーレント送信器、コヒーレント受信器、及びコヒーレント送受信器の内の1つであり得る。
【0089】
図11に示した光電子システム100の第1の例示的で非限定的な実施形態に従えば、光電子システム100は、PIC1と動作可能に接続された制御ユニット101を更に含む。制御ユニット101は、複数の半導体ベースの光導波路の内の半導体ベースの光導波路の少なくとも第1のセットが、複数の機能的フォトニックブロック2a~2dの内の少なくとも2つの機能的フォトニックブロック間の少なくとも1つの光接続5a、5b、及び/又は複数の機能的フォトニックブロック2a~2dの内の少なくとも1つの機能的フォトニックブロックへの第1の光アクセス経路を提供することを可能にするために、再構成可能な光接続配置を構成するための制御信号を生成するように構成及び配置され得る。
【0090】
事前定義の制御スキームに従って再構成可能な光接続配置の制御可能な光スイッチを制御するための制御信号を生成できるように制御ユニットを構成することによって、再構成可能な光接続配置は、PIC1の個々の機能的フォトニックブロック、個々の機能ブロックのセット、及び複数の機能的フォトニックブロック2a~2dの全ての機能的フォトニックブロックの内の少なくとも1つの性能を判定するために自動テストシーケンスを実行できるように構成され得る。
【0091】
制御ユニット101がオペレータの制御入力に従って制御信号を生成することもできる。このようにして、再構成可能な光接続配置の制御可能な光スイッチ4a~4cの手動制御を可能にし得る。当業者は、構成可能な光接続配置の制御可能な光スイッチ4a~4cを制御するための事前定義の制御スキームに従って提供されたであろう制御入力を調整又はキャンセルするために手動制御を使用することもできることを理解するであろう。
【0092】
更に、制御ユニット101は、任意の適切な方法で構成及び配置され得、すなわち、
図11に示すようにPIC1と同じダイ上に集積され得、又はPICと有線及び/又は無線の方法で動作可能に接続された外部制御ユニットであり得ることに留意すべきである。
【0093】
図12は、発明に従ったPIC1の全体的な性能の改善された判定方法である、発明に従った方法200の第1の例示的で非限定的な実施形態のフローチャートを示す。当業者は、
図12に示したような方法200の第1の例示的で非限定的な実施形態のステップ201~208がPIC1に、更に言えば、本明細書に開示した機構の内の何れか1つ又は機構の組み合わせを有するPIC1を含む光電子システム100に関連し得ることを理解するであろう。したがって、
図1~
図8の開示、及びPIC1及び光電子システム100に関する以前の論考の態様は、方法200の第1の例示的で非限定的な実施形態の現在の論考にこれにより組み込まれる。
【0094】
図12は、方法200の第1の例示的で非限定的な実施形態が、構成可能な光接続配置を構成するために事前定義の制御スキームに従って制御信号を生成する第1のステップ201と、事前定義のテストスキームに従ってテスト信号を生成する第2のステップ202とを含むことを示している。事前定義のテストスキームは、データシーケンス、シングルトーン、及びマルチトーンの内の少なくとも1つを含むがこれらに限定されない一連のテストパターンを含み得る。
【0095】
方法200はまた、生成されたテスト信号を複数の機能的フォトニックブロック2a~2dの内の機能的フォトニックブロックに提供する第3のステップ203と、機能的フォトニックブロックの性能を判定する第4のステップ204とを含む。
【0096】
当業者は、方法200の第1の例示的で非限定的な実施形態の上述の4つのステップ201~204に従って、PIC1の複数の機能的フォトニックブロック2a~2dの内の少なくとも個々の機能的フォトニックブロックの性能を判定することが可能であることを理解するであろう。また、方法200は、例えば、性能が判定されない機能的フォトニックブロックの一部であるレーザユニット及び/又は光検出器等、PIC1のオンチップコンポーネントのみを使用して、少なくとも個々の機能的フォトニックブロックの性能を判定することを可能にすることに留意すべきである。その場合、発明に従った方法200は、いわゆる光組み込みセルフテスト(BIST)を実施することを可能にする。
【0097】
方法200の第1の例示的で非限定的な実施形態は、少なくとも1つの機能的フォトニックブロックの判定された性能を少なくとも1つの機能的フォトニックブロックの事前定義の性能と比較する第5のステップ205と、少なくとも1つの機能的フォトニックブロックの判定された性能と事前定義の性能との間のオフセットを判定する第6のステップ206と、判定されたオフセットを少なくとも低減するために、判定されたオフセットに従って較正信号を生成する第7のステップ207と、較正信号を複数の機能的フォトニックブロック2a~2dの内の少なくとも1つの機能的フォトニックブロックに提供する第8のステップ208とを更に含む。
【0098】
当業者は、方法200の第1の例示的で非限定的な実施形態の最後に述べた4つのステップ205~208に従って、PIC1の少なくとも個々の機能的フォトニックブロックの較正を実施することによってPIC1の全体的な性能を改善することが可能であることを理解するであろう。また、当業者は、方法200の第1の例示的で非限定的な実施形態が、例えば光BISTの形式で、PIC1の少なくとも1つの個々の機能的フォトニックブロックの初期のテスト及びライフタイム中のテストの両方に関連し得ることを理解するであろう。発明に従った方法200が実施される場合、PIC1はいわゆる測定状態にあるが、方法200の完了後、PIC1はいわゆる通常動作状態にある。
【0099】
上記に基づいて、発明に従った方法200が、PIC1の全体的な性能を少なくとも個々の機能的フォトニックブロックのレベルまでデコンボリューションできることは理解されるであろう。その結果、PIC1の全体的な性能についての理解を深めることができ、及び/又はPIC1の全体的な性能を改善し得る。
【0100】
本発明は、複数の光学的に相互接続可能な機能的フォトニックブロック2a、2b、2cと、複数の半導体ベースの光導波路と複数の制御可能な光スイッチ4a、4b、4cとを含む再構成可能な光接続配置とを含むPIC1に関連するものとして要約され得、少なくとも1つの制御可能な光スイッチは、光伝送を可能にする第1の状態又は光伝送を阻止する第2の状態にあるように構成可能である。少なくとも1つの制御可能な光スイッチの個別の第1又は第2の状態に応じて、該光接続配置は、半導体ベースの光導波路の少なくとも第1のセットが、少なくとも2つの機能的フォトニックブロック間の少なくとも1つの光接続、及び/又は少なくとも1つの機能的フォトニックブロックへの第1の光アクセス経路を提供できるように構成される。発明は、該PICを含む光電子システム100、及び該PICの全体的な性能の改善された判定方法200にも関する。
【0101】
当業者には、本発明の範囲が前述の例に限定されず、添付の特許請求の範囲により定義されるような本発明の範囲から逸脱することなくその幾つかの修正及び変更が可能であることは明らかであろう。特に、発明の様々な態様の特定の機構の組み合わせがなされ得る。発明の一態様は、発明の別の態様に関連して説明した機構を追加することによって、更に有利に強化され得る。本発明は、図及び説明において詳細に例証及び説明されてきたが、そうした例証及び説明は、例証又は例示のみを目的とし、限定的ではないとみなされるべきである。
【0102】
本発明は、開示した実施形態に限定されない。開示した実施形態に対する変形は、図面、説明、及び添付の特許請求の範囲を研究することにより、請求された発明を実践する当業者によって理解され得、実行され得る。特許請求の範囲において、“含む”という言葉は他のステップ又は要素を除外せず、不定冠詞“a”又は“an”は複数を除外しない。幾つかの手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。特許請求の範囲の参照番号は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。