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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】カラオケシステム
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20241202BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021028968
(22)【出願日】2021-02-25
(65)【公開番号】P2022130028
(43)【公開日】2022-09-06
【審査請求日】2024-01-22
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139365
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 武雄
(72)【発明者】
【氏名】関森 英雄
【審査官】齊田 寛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-153866(JP,A)
【文献】特開2015-045823(JP,A)
【文献】特開2016-099539(JP,A)
【文献】特開2003-091291(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置と、前記サーバ装置と通信可能に接続されたカラオケ装置とを備えたカラオケシステムであって、
前記サーバ装置は、
複数の利用者が一の楽曲に合わせてそれぞれ行った歌唱の複数の歌唱音声データの中から所定の条件を満たす一の歌唱音声データを特定歌唱音声データとして決定し、前記特定歌唱音声データを、前記特定歌唱音声データに対応する利用者である特定利用者の利用者識別情報および前記一の楽曲の楽曲識別情報と関連付けて記憶装置に記憶する決定部と、
前記特定利用者の利用者識別情報を前記カラオケ装置から受信した場合に、前記特定利用者を撮影した動画データである特定利用者撮影データの生成を前記カラオケ装置に対して指示する指示部と、
前記特定利用者撮影データを前記カラオケ装置から受信し、受信した前記特定利用者撮影データを前記特定歌唱音声データ、前記特定利用者の利用者識別情報または前記一の楽曲の楽曲識別情報と関連付けて前記記憶装置に記憶する記憶制御部とを備え、
前記カラオケ装置は、
当該カラオケシステムにログインする利用者の利用者識別情報を前記サーバ装置に送信するログイン部と、
前記特定利用者撮影データの生成を前記サーバ装置から指示された場合に、前記特定利用者を撮影することにより前記特定利用者撮影データを生成する生成部と、
前記生成部により生成された特定利用者撮影データを前記サーバ装置に送信する第1の送信部とを備えていることを特徴とするカラオケシステム。
【請求項2】
前記カラオケ装置において、前記生成部は、前記特定利用者撮影データの生成を前記サーバ装置から指示された場合に、前記特定利用者に対して質問する動画である質問動画を再生し、前記質問動画に応じる前記特定利用者を撮影することにより前記特定利用者撮影データを生成することを特徴とする請求項1に記載のカラオケシステム。
【請求項3】
サーバ装置と、複数の利用者がそれぞれ使用しており、前記サーバ装置と通信可能に接続された複数の携帯端末と、前記サーバ装置と通信可能に接続されたカラオケ装置とを備えたカラオケシステムであって、
前記サーバ装置は、
前記複数の利用者が一の楽曲に合わせてそれぞれ行った歌唱の複数の歌唱音声データの中から所定の条件を満たす一の歌唱音声データを特定歌唱音声データとして決定し、前記特定歌唱音声データを、前記特定歌唱音声データに対応する利用者である特定利用者の利用者識別情報および前記一の楽曲の楽曲識別情報と関連付けて記憶装置に記憶する決定部と、
前記特定利用者を撮影した動画データである特定利用者撮影データの生成を、前記複数の携帯端末のうち前記特定利用者が使用している携帯端末に対して指示する指示部と、
前記特定利用者撮影データを前記特定利用者が使用している携帯端末から受信し、受信した前記特定利用者撮影データを前記特定歌唱音声データ、前記特定利用者の利用者識別情報または前記一の楽曲の楽曲識別情報と関連付けて前記記憶装置に記憶する記憶制御部とを備え、
前記各携帯端末は、
前記特定利用者撮影データの生成を前記サーバ装置から指示された場合に、前記特定利用者を撮影することにより前記特定利用者撮影データを生成する生成部と、
前記生成部により生成された特定利用者撮影データを前記サーバ装置に送信する第1の送信部とを備えていることを特徴とするカラオケシステム。
【請求項4】
前記各携帯端末において、前記生成部は、前記特定利用者撮影データの生成を前記サーバ装置から指示された場合に、前記特定利用者に対して質問する動画である質問動画を再生し、前記質問動画に応じる前記特定利用者を撮影することにより前記特定利用者撮影データを生成することを特徴とする請求項3に記載のカラオケシステム。
【請求項5】
前記サーバ装置は、
前記一の楽曲の楽曲識別情報を前記カラオケ装置から受信し、かつ前記一の楽曲に対応する前記特定利用者撮影データおよび前記特定歌唱音声データの送信を前記カラオケ装置から要求された場合に、前記一の楽曲の楽曲識別情報に関連付けられた前記特定利用者撮影データおよび前記特定歌唱音声データを前記カラオケ装置に送信する第2の送信部を備え、
前記カラオケ装置は、
前記一の楽曲の楽曲識別情報を前記サーバ装置に送信し、かつ前記一の楽曲に対応する前記特定利用者撮影データおよび前記特定歌唱音声データの送信を前記サーバ装置に要求する要求部と、
前記サーバ装置から受信した前記一の楽曲に対応する前記特定利用者撮影データおよび前記特定歌唱音声データに基づいて前記特定利用者を撮影した動画および前記特定利用者の歌唱音声を再生する再生部とを備えていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のカラオケシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手本となる歌唱の音声を利用者に提供することができる機能を備えたカラオケシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケシステムを利用するある利用者の優れた歌唱の音声を、他の利用者が歌唱を行う際の手本として使用することができるようにするサービスが普及している。このサービスにおいては、カラオケシステムの複数の利用者がカラオケの一の楽曲に合わせてそれぞれ行った歌唱の音声を記憶して収集し、収集した複数の利用者の歌唱音声の中から優れたものを選び出す。その選び出された歌唱音声を、他の利用者が当該一の楽曲を歌唱する際に当該楽曲に合わせて再生することができるようにする。他の利用者は、選び出された歌唱音声を聴き、または当該歌唱音声を聴きながら歌唱することにより、歌唱のコツ等を容易に把握することができる。下記の特許文献1にはこのようなサービスに関連した技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-91291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ある利用者の優れた歌唱音声を歌唱の手本として聴いた他の利用者は、その優れた歌唱を行った利用者について具体的に知りたいと思うことがある。また、手本となる優れた歌唱を行った利用者についての具体的な情報を他の利用者に伝えることにより、手本となる歌唱を行った利用者に対する他の利用者の信頼または親近感が形成され、当該他の利用者において、歌唱を練習する意欲または楽しさが高まることが考えられる。また、例えば、手本となる歌唱を行った利用者が考えている歌唱のコツや歌唱の際の注意点等を他の利用者に伝えることができれば、当該他の利用者は歌唱の練習に役立つ情報を得ることができる。
【0005】
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、手本となる歌唱を行った利用者に関する具体的な情報または当該利用者の発言等を他の利用者に容易に伝えることができるようにしたカラオケシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1のカラオケシステムは、サーバ装置と、前記サーバ装置と通信可能に接続されたカラオケ装置とを備えたカラオケシステムであって、前記サーバ装置は、複数の利用者が一の楽曲に合わせてそれぞれ行った歌唱の複数の歌唱音声データの中から所定の条件を満たす一の歌唱音声データを特定歌唱音声データとして決定し、前記特定歌唱音声データを、前記特定歌唱音声データに対応する利用者である特定利用者の利用者識別情報および前記一の楽曲の楽曲識別情報と関連付けて記憶装置に記憶する決定部と、前記特定利用者の利用者識別情報を前記カラオケ装置から受信した場合に、前記特定利用者を撮影した動画データである特定利用者撮影データの生成を前記カラオケ装置に対して指示する指示部と、前記特定利用者撮影データを前記カラオケ装置から受信し、受信した前記特定利用者撮影データを前記特定歌唱音声データ、前記特定利用者の利用者識別情報または前記一の楽曲の楽曲識別情報と関連付けて前記記憶装置に記憶する記憶制御部とを備え、前記カラオケ装置は、当該カラオケシステムにログインする利用者の利用者識別情報を前記サーバ装置に送信するログイン部と、前記特定利用者撮影データの生成を前記サーバ装置から指示された場合に、前記特定利用者を撮影することにより前記特定利用者撮影データを生成する生成部と、前記生成部により生成された特定利用者撮影データを前記サーバ装置に送信する第1の送信部とを備えていることを特徴とする。
【0007】
本発明の第1のカラオケシステムにおいて、サーバ装置の決定部は、複数の利用者が一の楽曲に合わせてそれぞれ行った歌唱の複数の歌唱音声データの中から所定の条件を満たす一の歌唱音声データを特定歌唱音声データとして決定する。所定の条件とは、例えば、歌唱が優れているか否かを判断するための基準であり、その場合、複数の歌唱音声データの中から、最も優れた歌唱に対応する歌唱音声データが特定歌唱音声データとして決定されることとなる。さらに、サーバ装置の決定部は、特定歌唱音声データを、特定歌唱音声データに対応する利用者である特定利用者の利用者識別情報および上記一の楽曲の楽曲識別情報と関連付けて記憶装置に記憶する。その後、カラオケ装置のログイン部は、当該カラオケシステムにログインする利用者の利用者識別情報をサーバ装置に送信する。特定利用者が、例えば当該カラオケシステムにログインするためにカラオケ装置を操作した場合には、特定利用者の利用者識別情報がカラオケ装置からサーバ装置に送信されることとなる。サーバ装置の指示部は、特定利用者の利用者識別情報をカラオケ装置から受信した場合に、特定利用者を撮影した動画データである特定利用者撮影データの生成をカラオケ装置に対して指示する。カラオケ装置の生成部は、特定利用者撮影データの生成をサーバ装置から指示された場合に、特定利用者を撮影することにより特定利用者撮影データを生成する。生成部により、例えば、特定利用者の容姿が撮影され、また、例えば特定利用者が自己の名前を述べれば、それが記録され、例えば、特定利用者が歌唱のコツまたは歌唱する際の注意点を述べれば、それが記録される。このようにして生成される特定利用者撮影データには、特定利用者に関する具体的な情報または特定利用者の発言等が含まれることとなる。さらに、カラオケ装置の第1の送信部は、生成部により生成された特定利用者撮影データをサーバ装置に送信する。サーバ装置の記憶制御部は、特定利用者撮影データをカラオケ装置から受信し、受信した特定利用者撮影データを特定歌唱音声データ、特定利用者の利用者識別情報または上記一の楽曲の楽曲識別情報と関連付けて記憶装置に記憶する。本発明の第1のカラオケシステムによれば、特定利用者撮影データを用いて、特定利用者、すなわち、手本となる優れた歌唱を行った利用者に関する具体的な情報または当該利用者の発言等を他の利用者に容易に伝えることができる。例えば、カラオケ装置等からの要求に応じて、サーバ装置が特定利用者撮影データをカラオケ装置等へ送信し、カラオケ装置等が、受信した特定利用者撮影データに基づいて特定利用者を撮影した動画を再生することにより、当該カラオケ装置等を利用している利用者に、手本となる優れた歌唱を行った利用者に関する具体的な情報または当該利用者の発言等を容易に伝えることができる。
【0008】
また、本発明の第1のカラオケシステムにおいて、前記カラオケ装置の前記生成部は、前記特定利用者撮影データの生成を前記サーバ装置から指示された場合に、前記特定利用者に対して質問する動画である質問動画を再生し、前記質問動画に応じる前記特定利用者を撮影することにより前記特定利用者撮影データを生成することとしてもよい。質問動画を用いることにより、例えば特定利用者の名前、歌唱のコツ、または歌唱の際の注意点等、他の多くの利用者が知りたいと思う事項、または歌唱の練習に広く役立つ事項等について特定利用者に質問し、特定利用者からその回答を得ることができる。したがって、多くの利用者の要望に合致した内容の特定利用者撮影データを生成することができる。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第2のカラオケシステムは、サーバ装置と、複数の利用者がそれぞれ使用しており、前記サーバ装置と通信可能に接続された複数の携帯端末と、前記サーバ装置と通信可能に接続されたカラオケ装置とを備えたカラオケシステムであって、前記サーバ装置は、前記複数の利用者が一の楽曲に合わせてそれぞれ行った歌唱の複数の歌唱音声データの中から所定の条件を満たす一の歌唱音声データを特定歌唱音声データとして決定し、前記特定歌唱音声データを、前記特定歌唱音声データに対応する利用者である特定利用者の利用者識別情報および前記一の楽曲の楽曲識別情報と関連付けて記憶装置に記憶する決定部と、前記特定利用者を撮影した動画データである特定利用者撮影データの生成を、前記複数の携帯端末のうち前記特定利用者が使用している携帯端末に対して指示する指示部と、前記特定利用者撮影データを前記特定利用者が使用している携帯端末から受信し、受信した前記特定利用者撮影データを前記特定歌唱音声データ、前記特定利用者の利用者識別情報または前記一の楽曲の楽曲識別情報と関連付けて前記記憶装置に記憶する記憶制御部とを備え、前記各携帯端末は、前記特定利用者撮影データの生成を前記サーバ装置から指示された場合に、前記特定利用者を撮影することにより前記特定利用者撮影データを生成する生成部と、前記生成部により生成された特定利用者撮影データを前記サーバ装置に送信する第1の送信部とを備えていることを特徴とする。
【0010】
本発明の第2のカラオケシステムにおいて、サーバ装置の決定部は、複数の利用者が一の楽曲に合わせてそれぞれ行った歌唱の複数の歌唱音声データの中から所定の条件を満たす一の歌唱音声データを特定歌唱音声データとして決定する。さらに、サーバ装置の決定部は、特定歌唱音声データを、特定歌唱音声データに対応する利用者である特定利用者の利用者識別情報および上記一の楽曲の楽曲識別情報と関連付けて記憶装置に記憶する。さらに、サーバ装置の指示部は、特定利用者を撮影した動画データである特定利用者撮影データの生成を、複数の携帯端末のうち特定利用者が使用している携帯端末に対して指示する。特定利用者撮影データの生成をサーバ装置から指示された携帯端末の生成部は、特定利用者を撮影することにより特定利用者撮影データを生成する。そして、当該携帯端末の第1の送信部は、生成部により生成された特定利用者撮影データをサーバ装置に送信する。サーバ装置の記憶制御部は、特定利用者撮影データを特定利用者が使用している携帯端末から受信し、受信した特定利用者撮影データを特定歌唱音声データ、特定利用者の利用者識別情報または上記一の楽曲の楽曲識別情報と関連付けて記憶装置に記憶する。本発明の第2のカラオケシステムは、本発明の第1のカラオケシステムと同様の作用効果を奏する。また、本発明の第2のカラオケシステムによれば、特定利用者が使用している携帯端末を介して特定利用者撮影データの生成を行うことができるので、特定利用者撮影データの生成のために撮影に応じる特定利用者の負担を軽減することができる。
【0011】
また、本発明の第2のカラオケシステムにおいて、前記各携帯端末の前記生成部は、前記特定利用者撮影データの生成を前記サーバ装置から指示された場合に、前記特定利用者に対して質問する動画である質問動画を再生し、前記質問動画に応じる前記特定利用者を撮影することにより前記特定利用者撮影データを生成することとしてもよい。
【0012】
また、本発明の第1または第2のカラオケシステムにおいて、前記サーバ装置は、前記一の楽曲の楽曲識別情報を前記カラオケ装置から受信し、かつ前記一の楽曲に対応する前記特定利用者撮影データおよび前記特定歌唱音声データの送信を前記カラオケ装置から要求された場合に、前記一の楽曲の楽曲識別情報に関連付けられた前記特定利用者撮影データおよび前記特定歌唱音声データを前記カラオケ装置に送信する第2の送信部を備え、前記カラオケ装置は、前記一の楽曲の楽曲識別情報を前記サーバ装置に送信し、かつ前記一の楽曲に対応する前記特定利用者撮影データおよび前記特定歌唱音声データの送信を前記サーバ装置に要求する要求部と、前記サーバ装置から受信した前記一の楽曲に対応する前記特定利用者撮影データおよび前記特定歌唱音声データに基づいて前記特定利用者を撮影した動画および前記特定利用者の歌唱音声を再生する再生部とを備えていてもよい。
【0013】
この態様のカラオケシステムにおいて、カラオケ装置の要求部は、上記一の楽曲の楽曲識別情報をサーバ装置に送信し、かつ上記一の楽曲に対応する特定利用者撮影データおよび特定歌唱音声データの送信をサーバ装置に要求する。サーバ装置の第2の送信部は、上記一の楽曲の楽曲識別情報をカラオケ装置から受信し、かつ上記一の楽曲に対応する特定利用者撮影データおよび特定歌唱音声データの送信をカラオケ装置から要求された場合に、上記一の楽曲の楽曲識別情報に関連付けられた特定利用者撮影データおよび特定歌唱音声データをカラオケ装置に送信する。カラオケ装置の再生部は、サーバ装置から受信した上記一の楽曲に対応する特定利用者撮影データおよび特定歌唱音声データに基づいて特定利用者を撮影した動画および特定利用者の歌唱音声を再生する。このように、特定利用者撮影データに基づいて特定利用者を撮影した動画をカラオケ装置で再生することにより、カラオケ装置を利用して歌唱を行う利用者に、特定利用者、すなわち手本となる優れた歌唱を行った利用者に関する具体的な情報または当該利用者の発言等を容易に伝えることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、手本となる歌唱を行った利用者に関する具体的な情報または当該利用者の発言等を他の利用者に容易に伝えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施形態のカラオケシステムを示すブロック図である。
図2】本発明の第1の実施形態のカラオケシステムにおけるガイドボーカル関連データ生成処理を示すフローチャートである。
図3】本発明の第1の実施形態のカラオケシステムにおけるガイドボーカルデータのデータ構造を示す説明図である。
図4】本発明の第1の実施形態のカラオケシステムにおけるガイドボーカルデータおよびインタビュー動画データのデータ構造を示す説明図である。
図5】本発明の第1の実施形態のカラオケシステムにおけるガイドボーカル関連データ再生処理を示すフローチャートである。
図6】本発明の第2の実施形態のカラオケシステムを示すブロック図である。
図7】本発明の第2の実施形態のカラオケシステムにおけるガイドボーカル関連データ生成処理を示すフローチャートである。
図8】本発明の第2の実施形態のカラオケシステムにおける端末関連付け情報を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1の実施形態]
(カラオケシステム)
図1は本発明の第1の実施形態のカラオケシステム1の構成を示している。図1に示すように、カラオケシステム1は、サーバ装置11およびカラオケ装置31を備えている。サーバ装置11とカラオケ装置31とは、例えばインターネット等のコンピュータネットワーク5を介して相互に通信可能に接続されている。なお、図示していないが、カラオケシステム1は複数のカラオケ装置31を備え、各カラオケ装置31はサーバ装置11と相互に通信可能に接続されている。
【0017】
サーバ装置11は、例えばサーバコンピュータであり、演算処理部12、記憶部13、操作部14および表示部15を備えている。演算処理部12はCPU(中央演算処理装置)を備えている。記憶部13は、情報を記憶することができる磁気式記憶装置または半導体記憶装置であり、例えばハードディスクドライブまたはソリッドステートドライブ等である。操作部14は、サーバ装置11の操作および情報入力を行う装置であり、例えばキーボード、マウス等である。表示部15は、情報を表示する装置であり、例えば液晶ディスプレイ等である。
【0018】
サーバ装置11の演算処理部12は、例えば記憶部13に記憶されたコンピュータプログラムを読み取って実行することにより、歌唱音声データ収集部21、決定部22、指示部23、記憶制御部24、ガイドボーカル関連データ送信制御部25、装置制御部26および通信制御部27として機能する。歌唱音声データ収集部21、決定部22、指示部23および記憶制御部24については、後述するガイドボーカル関連データ生成処理の説明と共に説明する。ガイドボーカル関連データ送信制御部25については、後述するガイドボーカル関連データ再生処理の説明と共に説明する。装置制御部26はサーバ装置11の基本的な制御を行い、通信制御部27はサーバ装置11とカラオケ装置31との基本的な通信制御を行う部分である。装置制御部26および通信制御部27は例えばオペレーティングシステムに相当する。
【0019】
カラオケ装置31は、演算処理部32、記憶部33、操作部34、表示部35、音源36、音響処理部37、表示処理部38および撮影部39を備えている。演算処理部32はCPUを備えている。記憶部33は、情報を記憶することができる磁気式記憶装置または半導体記憶装置であり、例えばハードディスクドライブまたはソリッドステートドライブ等である。操作部34は、カラオケ装置31の操作および情報入力を行うためにカラオケ装置31に設けられたボタン類、タッチパネル等である。表示部35は、情報を表示する装置であり、例えばカラオケ装置31に設けられた小型の液晶ディスプレイ等である。音源36は楽曲の演奏を行うためのシンセサイザである。音響処理部37は、音源36から出力された楽曲の音声、およびカラオケ装置31に接続されたマイクロフォン40を介して入力された利用者の歌唱音声等を混合し、カラオケ装置31に接続されたスピーカ41に出力する処理等を行う回路である。また、音響処理部37は、マイクロフォン40を介して入力された利用者の歌唱音声をアナログーデジタル変換し、利用者の歌唱の音声のデジタルデータを演算処理部32に出力することができる。表示処理部38は、カラオケ装置31に接続された外部ディスプレイ42(例えば大型の液晶ディスプレイ装置)に映像および歌詞等を表示する制御を行う回路である。撮影部39は例えばビデオカメラであり、カラオケ装置31の利用者、具体的には、楽曲の演奏に合わせて歌唱する利用者、またはインタビューに応える利用者等を撮影することができる。また、カラオケ装置31にはリモートコントローラ43が例えば近距離無線通信により接続されている。リモートコントローラ43は、タブレット端末に類似した装置であり、液晶ディスプレイ等の表示部およびタッチパネル等の操作部を備えている。利用者はリモートコントローラ43を用いてカラオケ装置31を遠隔操作することができる。
【0020】
カラオケ装置31の演算処理部32は、例えば記憶部33に記憶されたコンピュータプログラムを読み取って実行することにより、ログイン部51、歌唱採点部52、生成部53、撮影データ送信制御部54、要求部55、再生部56、装置制御部57および通信制御部58として機能する。ログイン部51、歌唱採点部52、生成部53、撮影データ送信制御部54については、後述するガイドボーカル関連データ生成処理の説明と共に説明する。要求部55および再生部56については、後述するガイドボーカル関連データ再生処理の説明と共に説明する。装置制御部57はカラオケ装置31の基本的な制御を行い、通信制御部58はカラオケ装置31とサーバ装置11との基本的な通信制御を行う部分である。
【0021】
(ガイドボーカル関連データ生成処理)
ガイドボーカル関連データ生成処理の説明を行うに当たり、いくつかの用語を定義する。「利用者識別情報」とは、個々の利用者を識別するための情報である。「楽曲識別情報」とは、個々の楽曲を識別するための情報である。「歌唱音声データ」とは、利用者が楽曲に合わせて行った歌唱の音声データである。「ガイドボーカル」とは、利用者が楽曲に合わせて歌唱を行うに当たり手本となる歌唱を意味する。「ガイドボーカルデータ」とは、ガイドボーカルの音声データである。「ガイドボーカリスト」とは、ガイドボーカルを行った者、すなわち、利用者が楽曲に合わせて歌唱を行うに当たり手本となる歌唱を行った者を意味する。「インタビュー動画」とは、ガイドボーカリストがインタビューに応じる様子を撮影した動画である。「インタビュー動画データ」とは、インタビュー動画のデータである。「インタビュア動画」とは、インタビューを行う者(インタビュア)がガイドボーカリストに対してインタビューを行う動画である。なお、ガイドボーカルデータは特許請求の範囲における特定歌唱音声データの具体例である。また、ガイドボーカリストは特許請求の範囲における特定利用者の具体例である。また、インタビュー動画データは特許請求の範囲における特定利用者撮影データの具体例である。また、インタビュア動画は特許請求の範囲における質問動画の具体例である。
【0022】
図2は、カラオケシステム1において実行されるガイドボーカル関連データ生成処理を示している。ガイドボーカル関連データ生成処理とは、ガイドボーカルデータの決定およびインタビュー動画データの生成を行う処理である。ガイドボーカル関連データ生成処理は複数の楽曲について実行されるが、ここでは、ガイドボーカル関連データ生成処理が、複数の楽曲のうちの一の楽曲Mについて実行される場合を説明する。
【0023】
ガイドボーカル関連データ生成処理が行われる前に、サーバ装置11の記憶部13には、楽曲Mについて複数の歌唱音声データが記憶され、蓄積されている。楽曲Mについての各歌唱音声データには、楽曲Mの楽曲識別情報、楽曲Mの歌唱を行った利用者の利用者識別情報、および当該利用者の楽曲Mの歌唱の採点データが関連付けられている。楽曲Mについての複数の歌唱音声データの蓄積は次のような処理により行われたものである。すなわち、カラオケ装置31が演奏する楽曲Mに合わせて利用者が歌唱を行っている間に、マイクロフォン40を介してカラオケ装置31の音響処理部37に入力された当該利用者の歌唱の音声が音響処理部37によりアナログ-デジタル変換されてデジタルデータとして演算処理部32に出力される。また、カラオケ装置31の歌唱採点部52は、当該利用者の楽曲Mの歌唱の採点を行い、当該利用者による楽曲Mの歌唱が終わったとき、その歌唱の採点結果を示す採点データを生成する。採点データは、歌唱採点部52により付けられた歌唱の点数を示すデータである。優れた歌唱、例えば音程、リズム、抑揚等が良好な歌唱には、歌唱採点部52により高い点数が付けられる。当該利用者の楽曲Mの歌唱の採点データが生成された後、カラオケ装置31は、当該利用者による楽曲Mの歌唱のデジタルデータを歌唱音声データとして、楽曲Mの楽曲識別情報、当該利用者の利用者識別情報、および当該利用者の楽曲Mの歌唱の採点データと共にサーバ装置11に送信する。サーバ装置11の歌唱音声データ収集部21は、カラオケ装置31から受信した歌唱音声データ、楽曲識別情報、利用者識別情報および採点データをそれぞれ互いに関連付けて記憶部13に記憶する。以上の処理は、利用者が楽曲Mに合わせて歌唱を行うごとに実行される。複数の利用者が楽曲Mをそれぞれ歌唱することにより、サーバ装置11の記憶部13には、楽曲Mについて複数の歌唱音声データが記憶され、蓄積される。なお、このように歌唱音声データを蓄積する処理は他の楽曲についても実行される。
【0024】
図2に示すガイドボーカル関連データ生成処理において、まず、サーバ装置11の決定部22が、記憶部13に記憶されている楽曲Mについての複数の歌唱音声データの中から、所定の条件を満たす一の歌唱音声データを楽曲Mについてのガイドボーカルデータとして決定する(ステップS1)。所定の条件とは、本実施形態においては、楽曲Mについての複数の歌唱音声データの中で、採点データが示す点数が最も高いことである。ステップS1において、決定部22は、楽曲Mについての複数の歌唱音声データにそれぞれ関連付けられた採点データが示す点数を比較し、点数が最も高い一の歌唱音声データを楽曲Mについてのガイドボーカルデータとして選出する。これにより、楽曲Mについての最も優れた歌唱の歌唱音声データが楽曲Mについてのガイドボーカルデータとして選出されることとなる。また、その結果、楽曲Mについてのガイドボーカルデータに対応する利用者(楽曲Mについて最も優れた歌唱を行った利用者)が楽曲Mについてのガイドボーカリストとして選出されることになる。
【0025】
続いて、サーバ装置11の決定部22は、決定した楽曲Mについてのガイドボーカルデータを、楽曲Mの楽曲識別情報、および当該ガイドボーカルデータに対応する利用者の利用者識別情報、すなわち、楽曲Mについてのガイドボーカリストの利用者識別情報と関連付けて記憶部13に記憶する(ステップS2)。本実施形態では、楽曲Mについてのガイドボーカルデータとして決定された歌唱音声データと、楽曲Mの楽曲識別情報と、当該歌唱音声データに対応する利用者の利用者識別情報との関連付けが、上述した歌唱音声データを蓄積する処理によって既に形成されているので、ステップS2において、決定部22は、この既に形成された関連付けを利用して、楽曲Mについてのガイドボーカルデータと、楽曲Mの楽曲識別情報と、楽曲Mについてのガイドボーカリストの利用者識別情報との関連付けを形成する。
【0026】
図3はガイドボーカルデータのデータ構造の一例を示している。図3において、ガイドボーカルデータ61には利用者識別情報62および楽曲識別情報63がメタデータとして付加されている。このように利用者識別情報62および楽曲識別情報63がガイドボーカルデータ61に付加されることにより、ガイドボーカルデータ61と、利用者識別情報62と、楽曲識別情報63との関連付けが形成されている。ステップS2において、決定部22は、例えば、図3に示すように、楽曲Mについてのガイドボーカルデータに、楽曲Mについてのガイドボーカリストの利用者識別情報および楽曲Mの楽曲識別情報を付加することにより、楽曲Mについてのガイドボーカルデータと、楽曲Mについてのガイドボーカリストの利用者識別情報と、楽曲Mの楽曲識別情報との関連付けを形成する。
【0027】
その後、ある利用者が、カラオケシステム1にログインするために、例えば、カラオケ装置31に無線接続されたリモートコントローラ43を用いて、ログイン操作を行ったとする(図2中のステップS3:YES)。ログイン操作の中で、利用者は自己の利用者識別情報を入力する。このようなログイン操作が行われたとき、カラオケ装置31のログイン部51は、ログイン操作を行った利用者の利用者識別情報をサーバ装置11に送信する(ステップS4)。
【0028】
サーバ装置11の装置制御部26は、カラオケ装置31から送信された利用者識別情報を受信し、ログイン処理を行う(ステップS5)。ログイン処理において、装置制御部26は、受信した利用者識別情報に基づき、ログイン操作を行った利用者が既登録の利用者であるか否かを確認し、ログイン操作を行った利用者が既登録の利用者である場合には、当該利用者のカラオケシステム1へのログインを許可する。
【0029】
ログイン処理において、ログイン操作を行った利用者のログインが許可された後、サーバ装置11の指示部23が、ログインした利用者に対応する楽曲Mについてのガイドボーカルデータが存在するか否かを判断する(ステップS6)。指示部23は、カラオケ装置31から送信された利用者識別情報に基づいて記憶部13を検索し、当該利用者識別情報に関連付けられたガイドボーカルデータが見つかった場合には、ログインした利用者に対応する楽曲Mについてのガイドボーカルデータが存在すると判断する。ログインした利用者に対応する楽曲Mについてのガイドボーカルデータが存在する場合、そのログインした利用者は楽曲Mについてのガイドボーカリストであるということになる。
【0030】
ログインした利用者に対応する楽曲Mについてのガイドボーカルデータが存在しない場合(ステップS6:NO)、処理はステップS3に戻る。一方、ログインした利用者に対応する楽曲Mについてのガイドボーカルデータが存在する場合には(ステップS6:YES)、サーバ装置11の指示部23は、ログインした利用者、すなわち楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データを生成せよとの指示をカラオケ装置31に発する(ステップS7)。例えば、指示部23は、そのような指示を示すインタビュー動画生成指令信号をカラオケ装置31に送信する。
【0031】
カラオケ装置31の生成部53は、楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データを生成せよとの指示をサーバ装置11から受け取り(例えばインタビュー動画生成指令信号を受信し)、その指示に応じて、楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データを生成する処理を開始する。
【0032】
インタビュー動画データを生成する処理において、カラオケ装置31の生成部53は、まず、インタビュア動画を再生する(ステップS8)。インタビュア動画は、楽曲を歌唱した利用者に対して所定のいくつかの質問を出す動画である。インタビュア動画のデータは、カラオケ装置31の記憶部33に事前に記憶されている。例えば、インタビュア動画には、質問の音声、および質問を行うインタビュアの映像が含まれている。例えば、インタビュア動画には、「自己紹介をお願いします」、「歌唱のコツや歌唱する際の注意点などございましたら、教えてください」、「高得点を取るためのポイントはございますか」といった質問の音声が含まれている。インタビュア動画の映像は、カラオケ装置31に接続された外部ディスプレイ42、またはカラオケ装置31に無線接続されたリモートコントローラ43の表示部に表示される。また、インタビュア動画の音声は、カラオケ装置31に接続されたスピーカ41から出力される。
【0033】
また、生成部53は、インタビュア動画の再生と同時に、楽曲Mについてのガイドボーカリストを撮影部39により撮影し、かつ当該ガイドボーカリストが話す声をマイクロフォン40を介して記録する。楽曲Mについてのガイドボーカリストは、インタビュア動画におけるインタビュアの質問に応じ、自己の名前、楽曲Mの歌唱のコツ、楽曲Mを歌唱する際の注意点、楽曲Mの歌唱につき高得点を獲得ためのポイント等をマイクロフォン40に向かって話す。楽曲Mについてのガイドボーカリストが話した内容はマイクロフォン40を介して記録され、質問に応じている楽曲Mについてのガイドボーカリストの姿は撮影部39により撮影される。
【0034】
インタビュー動画データを生成する処理において、生成部53は、次に、マイクロフォン40を介して記録された楽曲Mについてのガイドボーカリストが話す音声の音声データと、撮影部39により撮影された楽曲Mについてのガイドボーカリストの映像データとを合わせ、楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データを生成する(ステップS9)。
【0035】
楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データの生成が完了した後、カラオケ装置31の撮影データ送信制御部54が、生成された楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データをサーバ装置11に送信する(ステップS10)。
【0036】
サーバ装置11の記憶制御部24は、カラオケ装置31から送信された、楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データを受信し、受信したインタビュー動画データを楽曲Mについてのガイドボーカルデータと関連付けて記憶部13に記憶する(ステップS11)。なお、ステップS11において、カラオケ装置31から送信された楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データを、楽曲Mについてのガイドボーカリストの利用者識別情報、または楽曲Mの楽曲識別情報と関連付けてもよい。楽曲Mについてのガイドボーカルデータと、楽曲Mについてのガイドボーカリストの利用者識別情報と、楽曲Mの楽曲識別情報とは互いに関連付けられているので、カラオケ装置31から送信された楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データを、楽曲Mについてのガイドボーカルデータ、楽曲Mについてのガイドボーカリストの利用者識別情報および楽曲Mの楽曲識別情報のうちのいずれか1つと関連付ければ、当該インタビュー動画データは、楽曲Mについてのガイドボーカルデータ、楽曲Mについてのガイドボーカリストの利用者識別情報および楽曲Mの楽曲識別情報のうちの他の2つと関連付けられることとなる。
【0037】
図4は、ガイドボーカルデータおよびインタビュー動画データのデータ構造の一例を示している。図4において、ガイドボーカルデータ61には、利用者識別情報62、楽曲識別情報63およびリンク情報64がメタデータとして付加されている。リンク情報64は、ガイドボーカルデータ61とインタビュー動画データ65とをリンクするための情報であり、例えば、記憶部13においてインタビュー動画データ65が記憶されている場所(アドレス)を示す情報である。利用者識別情報62および楽曲識別情報63が付加されたガイドボーカルデータ61にリンク情報64が付加されることにより、インタビュー動画データ65が、ガイドボーカルデータ61、利用者識別情報62および楽曲識別情報62に関連付けられている。ステップS11において、決定部22は、例えば、図4に示すように、楽曲Mについてのガイドボーカリストの利用者識別情報および楽曲Mの楽曲識別情報が付加された楽曲Mについてのガイドボーカルデータに、記憶部13において楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データが記憶されている場所を示すリンク情報を付加することにより、楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データを、楽曲Mについてのガイドボーカルデータ、楽曲Mについてのガイドボーカリストの利用者識別情報および楽曲Mの楽曲識別情報とを関連付ける。
【0038】
(ガイドボーカル関連データ再生処理)
図5は、カラオケシステム1において実行されるガイドボーカル関連データ再生処理を示している。ガイドボーカル関連データ再生処理とは、インタビュー動画データおよびガイドボーカルデータに基づき、インタビュー動画およびガイドボーカルの再生を行う処理である。
【0039】
ガイドボーカル関連データ再生処理において、ある利用者が、例えばカラオケ装置31に無線接続されたリモートコントローラ43を操作して、楽曲Mの予約をしたとする(ステップS21:YES)。なお、ここでは、楽曲Mについてのガイドボーカリストではない利用者がカラオケシステム1にログインし、その後、楽曲Mの予約をした場合を想定している。
【0040】
楽曲Mの予約がされたとき、カラオケ装置31の要求部55が、楽曲Mの楽曲識別情報をサーバ装置11に送信すると共に、楽曲Mについてのガイドボーカルデータ、および楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データをカラオケ装置31へ送信せよとの要求をサーバ装置11に発する(ステップS22)。例えば、要求部55は、楽曲Mの予約がされたとき、楽曲Mについてのガイドボーカルデータおよび楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データの送信を要求するガイドボーカル関連データ要求信号を、楽曲Mの楽曲識別情報と共にサーバ装置11に送信する。
【0041】
サーバ装置11のガイドボーカル関連データ送信制御部25は、楽曲Mの楽曲識別情報を受信し、かつ楽曲Mについてのガイドボーカルデータおよび楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データをカラオケ装置31へ送信せよとの要求を受け取った場合(例えば楽曲Mの楽曲識別情報およびガイドボーカル関連データ要求信号を受信した場合)、受信した楽曲Mの楽曲識別情報に関連付けられている楽曲Mについてのガイドボーカルデータおよび楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データを特定する。そして、ガイドボーカル関連データ送信制御部25は、特定した、楽曲Mについてのガイドボーカルデータおよび楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データをカラオケ装置31に送信する(ステップS23)。
【0042】
続いて、カラオケ装置31の再生部56が、サーバ装置11から送信された、楽曲Mについてのガイドボーカルデータ、および楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データを受信し、まず、楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データに基づいて、楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画を再生する(ステップS24)。このインタビュー動画の映像は、カラオケ装置31に接続された外部ディスプレイ42、またはカラオケ装置31に無線接続されたリモートコントローラ43の表示部に表示される。また、インタビュー動画の音声はスピーカ41から出力される。楽曲Mの予約をした利用者は、インタビュー動画の映像を見て、またインタビュー動画の音声を聴くことにより、楽曲Mについてのガイドボーカリストの容姿を見ることができ、楽曲Mについてのガイドボーカリストの名前を知ることができ、楽曲Mの歌唱のコツ、注意点および高得点獲得のポイント等を知ることができる。
【0043】
続いて、再生部56は、楽曲Mを演奏すると同時に、楽曲Mについてのガイドボーカルデータに基づいて、楽曲Mについてのガイドボーカルを再生する(ステップS25)。このとき、再生部56は、楽曲Mの演奏とガイドボーカルの再生とを同期させる。また、楽曲Mおよびガイドボーカルの音声はスピーカ41から出力される。これにより、ガイドボーカリストが楽曲Mの演奏に合わせて行った楽曲Mの歌唱が再現される。楽曲Mの予約をした利用者は、ガイドボーカリストの歌唱を聴くことができ、また、楽曲Mの演奏に合わせて自ら歌唱することにより、ガイドボーカリストの歌唱と自らの歌唱と比較することができる。
【0044】
なお、サーバ装置11のガイドボーカル関連データ送信制御部25が、楽曲Mについてのガイドボーカルデータおよび楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データをカラオケ装置31へ送信せよとの要求をカラオケ装置31から受け取った時点において、楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データが未だ生成されていない場合がある。この場合、ガイドボーカル関連データ送信制御部25は、ステップS23で、楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データをカラオケ装置31に送信しない。また、この場合、カラオケ装置31の再生部56は、楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画の再生を行わない(ステップS24をスキップ)。
【0045】
以上説明した通り、本発明の第1の実施形態のカラオケシステム1は、ガイドボーカリストのインタビュー動画データを生成する。カラオケシステム1によれば、インタビュー動画データを用いて、ガイドボーカリストに関する具体的な情報、またはガイドボーカリストの発言(本実施形態においては歌唱に関するアドバイス)等を利用者に容易に伝えることができる。ガイドボーカリストに関する具体的な情報を利用者に伝えることにより、ガイドボーカリストについて知りたいという利用者の思いに応じることができる。また、ガイドボーカリストに関する具体的な情報を利用者に伝えることにより、ガイドボーカリストに対する利用者の信頼または親近感が形成され、利用者において、歌唱を練習する意欲または楽しさを高めることができる。また、ガイドボーカリストの発言を利用者に伝えることにより、利用者は、歌唱のコツや歌唱の際の注意点等、歌唱の練習に役立つ情報を得ることができる。
【0046】
また、本実施形態のカラオケシステム1は、インタビュー動画データをサーバ装置11の記憶部13に記憶し、カラオケ装置31からの要求に応じて、インタビュー動画データをサーバ装置11からカラオケ装置31に送信し、カラオケ装置31によりインタビュー動画を再生する。これにより、ガイドボーカリストに関する具体的な情報、またはガイドボーカリストの発言等を、カラオケ装置31を用いて歌唱を行う利用者に容易に伝えることができる。利用者は、ガイドボーカリストから歌唱のコツや歌唱の際の注意点等を伝えられた直後に、カラオケ装置31で歌唱を行うことができるので、歌唱の練習を効果的に行うことができる。また、インタビュー動画データをサーバ装置11の記憶部13に記憶することで、インタビュー動画データを、サーバ装置11と通信が可能な複数のカラオケ装置31に送信することができる。したがって、ガイドボーカリストに関する具体的な情報、またはガイドボーカリストの発言等を多くの利用者に広く伝えることができる。
【0047】
また、本実施形態のカラオケシステム1は、利用者が楽曲の予約を行ったときに、利用者が予約した楽曲についてのガイドボーカリストのインタビュー動画データをサーバ装置11からカラオケ装置31へ送信する。これにより、利用者は、カラオケ装置31による楽曲の演奏に合わせて歌唱を行う際に、その楽曲についてのガイドボーカリストのインタビュー動画を視聴することができ、インタビュー動画を介してガイドボーカリストから伝えられた歌唱のコツまたは注意点に従って、楽曲の歌唱の練習を直ちに行うことができる。
【0048】
また、本実施形態のカラオケシステム1は、カラオケ装置31からの要求に応じて、一の楽曲についてのガイドボーカルデータと、当該楽曲についてのガイドボーカリストのインタビュー動画データとをサーバ装置11からカラオケ装置31へ送信する。これにより、利用者は、一の楽曲についてのガイドボーカリストのインタビュー動画を視聴した直後に、当該楽曲についてのガイドボーカリストの歌唱音声を聴くといったように、一の楽曲についてのガイドボーカリストのインタビュー動画を視聴することと、当該楽曲についてのガイドボーカリストの歌唱音声を聴くこととを同時期に行うことができる。したがって、利用者は楽曲の歌唱のコツ等を具体的に理解することができる。
【0049】
また、本実施形態のカラオケシステム1は、ガイドボーカリストがカラオケシステム1にログインしたときに、当該ガイドボーカリストのインタビュー動画データを生成する。これにより、ガイドボーカリストのインタビュー動画データを効率良くかつ確実に生成することができる。例えば、ガイドボーカリストのインタビュー動画データを生成するために、ガイドボーカリストと事前に連絡を取ってインタビュー動画データを生成するためのスケジュールを立てるといった手間を省くことができる。また、このようなスケジュールを立てることが困難なために、ガイドボーカリストのインタビュー動画データを生成し損ねることを防止することができる。
【0050】
また、本実施形態のカラオケシステム1は、カラオケ装置31によりガイドボーカリストのインタビュー動画データを生成する。これにより、ガイドボーカリストがカラオケを行う現場(カラオケルーム内等)で、ガイドボーカリストを撮影してインタビュー動画データを生成することができる。したがって、臨場感あふれるインタビュー動画を生成することができ、インタビュー動画の質を高めることができる。
【0051】
また、本実施形態のカラオケシステム1は、インタビュア動画を再生し、そのインタビュア動画に応じるガイドボーカリストを撮影することによりインタビュー動画データを生成する。インタビュア動画を用いることにより、例えばガイドボーカリストの名前、歌唱のコツ、または歌唱の際の注意点等、多くの利用者が知りたいと思う事項、または歌唱の練習に広く役立つ事項等についてガイドボーカリストに質問し、ガイドボーカリストからその回答を得ることができる。したがって、多くの利用者の要望に合致した内容のインタビュー動画データを生成することができる。
【0052】
[第2の実施形態]
図6は本発明の第2の実施形態のカラオケシステム2の構成を示している。図6に示す第2の実施形態のカラオケシステム2において、第1の実施形態のカラオケシステム1と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。第2の実施形態のカラオケシステム2では、携帯端末81がカラオケシステム2に含まれており、携帯端末81がガイドボーカリストのインタビュー動画データの生成を行う。
【0053】
図6に示すように、カラオケシステム2は、サーバ装置71、カラオケ装置75および携帯端末81を備えている。サーバ装置71とカラオケ装置75とは、例えばインターネット等のコンピュータネットワーク5を介して相互に通信可能に接続されている。また、サーバ装置71と携帯端末81とは、移動体通信ネットワーク(図示せず)、および例えばインターネット等のコンピュータネットワーク5を介して相互に通信可能に接続されている。なお、図示していないが、カラオケシステム2は複数のカラオケ装置75および複数の携帯端末81を備え、各カラオケ装置75はサーバ装置71と相互に通信可能に接続され、各携帯端末81はサーバ装置71と相互に通信可能に接続されている。また、複数の携帯端末81は、カラオケシステム2を利用する複数の利用者がそれぞれ使用しているものである。
【0054】
サーバ装置71は、演算処理部72の指示部73および記憶制御部74を除き、第1の実施形態におけるサーバ装置11と同様である。サーバ装置71における指示部73および記憶制御部74については、後述する第2の実施形態のガイドボーカル関連データ生成処理の説明と共に説明する。
【0055】
カラオケ装置75は、第1の実施形態におけるカラオケ装置31が有する生成部53および撮影データ送信制御部54を有していない点を除き、第1の実施形態におけるカラオケ装置31と同様である。
【0056】
携帯端末81は例えばスマートフォン、タブレットまたはノート型パーソナルコンピュータ等である。携帯端末81は、演算処理部82、記憶部83、操作部84、表示部85、マイクロフォン86、スピーカ87および撮影部88を備えている。演算処理部82はCPUを備えている。記憶部83は、情報を記憶することができる半導体記憶装置である。操作部84は、携帯端末81の操作および情報入力を行うために携帯端末81に設けられたボタン類、タッチパネル等である。表示部85は、情報を表示する装置であり、携帯端末81に設けられたディスプレイである。マイクロフォン86およびスピーカ87は携帯端末81に内蔵されている。撮影部88は、携帯端末81に内蔵され、または携帯端末81に接続されたカメラであり、動画撮影を行うことができる。
【0057】
携帯端末81の演算処理部82は、例えば携帯端末81の記憶部83に記憶されたコンピュータプログラム(例えばカラオケ事業者により提供されたアプリケーションソフトウェア)を読み取って実行することにより、生成部91、撮影データ送信制御部92、端末制御部93および通信制御部94として機能する。生成部91および撮影データ送信制御部92については、後述する第2の実施形態のガイドボーカル関連データ生成処理の説明と共に説明する。端末制御部93は携帯端末81の基本的な制御を行い、通信制御部94は携帯端末81とサーバ装置71との基本的な通信制御を行う部分である。
【0058】
図7は、カラオケシステム2において実行される第2の実施形態のガイドボーカル関連データ生成処理を示している。当該ガイドボーカル関連データ生成処理は、複数の楽曲について実行されるが、ここでは、当該ガイドボーカル関連データ生成処理が、複数の楽曲のうちの一の楽曲Mについて実行される場合を説明する。
【0059】
第1の実施形態のガイドボーカル関連データ生成処理の場合と同様に、第2の実施形態のガイドボーカル関連データ生成処理が行われる前に、サーバ装置71の記憶部13には、楽曲Mについて複数の歌唱音声データが記憶され、蓄積されている。
【0060】
図7に示す第2の実施形態のガイドボーカル関連データ生成処理において、まず、サーバ装置71の決定部22が、記憶部13に記憶されている楽曲Mについての複数の歌唱音声データの中から、所定の条件を満たす一の歌唱音声データを楽曲Mについてのガイドボーカルデータとして決定する(ステップS31)。所定の条件とは、第1の実施形態と同様に、楽曲Mについての複数の歌唱音声データの中で、採点データが示す点数が最も高いことである。また、ステップS31の処理の内容は、図2に示す第1の実施形態のガイドボーカル関連データ生成処理におけるステップS1の処理の内容と同じである。ステップS31の処理により、楽曲Mについての最も優れた歌唱の歌唱音声データが楽曲Mについてのガイドボーカルデータとして選出されることとなる。また、その結果、楽曲Mについてのガイドボーカルデータに対応する利用者が楽曲Mについてのガイドボーカリストとして選出されることとなる。
【0061】
続いて、サーバ装置71の決定部22は、決定した楽曲Mについてのガイドボーカルデータを、楽曲Mの楽曲識別情報、および楽曲Mについてのガイドボーカリストの利用者識別情報と関連付けて記憶部13に記憶する(ステップS32)。ステップS32の処理の内容は、図2に示す第1の実施形態のガイドボーカル関連データ生成処理におけるステップS2の処理の内容と同じである。
【0062】
続いて、サーバ装置71の指示部73が、楽曲Mについてのガイドボーカリストの利用者識別情報に基づいて、楽曲Mについてのガイドボーカリストが使用している携帯端末81の端末識別情報を特定する(ステップS33)。携帯端末81の端末識別情報とは、個々の携帯端末81を識別するための情報である。本実施形態においては、携帯端末81の端末識別情報を用いて、サーバ装置11が携帯端末81に対してプッシュ通知を行うので、携帯端末81の端末識別情報は、プッシュ通知に利用される端末識別情報(例えばデバイストークン)である。例えば、サーバ装置71の記憶部13には、図8に示すような端末関連付け情報が事前に記憶されている。端末関連付け情報には、登録されている各利用者の利用者識別情報(例えば「U*****」)と、登録されている各利用者が使用している携帯端末81の端末識別情報(例えば「T*****」)との関連付けが記述されている。指示部73は、図8に示すような端末関連付け情報を用いて、楽曲Mについてのガイドボーカリストが使用している携帯端末81の端末識別情報を特定する。
【0063】
続いて、サーバ装置71の指示部73は、ステップS33において特定した端末識別情報に基づいて、楽曲Mについてのガイドボーカリストが使用している携帯端末81(以下、これを単に「携帯端末81」という。)に向けて、インタビュー動画データを生成せよとの指示を発する(ステップS34)。具体的には、指示部73は、そのような指示を示すプッシュ通知を携帯端末81に送る。
【0064】
携帯端末81の端末制御部93は、サーバ装置71から送られたプッシュ通知を受け取ったことを、バナー表示または着信音等により、楽曲Mについてのガイドボーカリストに知らせる。そして、楽曲Mについてのガイドボーカリストが携帯端末81を操作して当該プッシュ通知に応答する操作をしたとき、携帯端末81の生成部91が、楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データを生成する処理を開始する。楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データを生成する処理の内容は、第1の実施形態のガイドボーカル関連データ生成処理における、楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データを生成する処理(図2中のステップS8およびS9)と同様であるので、ここでは簡単に説明する。
【0065】
楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データを生成する処理において、まず、携帯端末81の生成部91はインタビュア動画を再生する(ステップS35)。インタビュア動画は携帯端末81の表示部85に表示される。また、インタビュア動画のデータは携帯端末81の記憶部83に事前に記憶されている。また、生成部91は、インタビュア動画の再生と同時に、インタビュア動画におけるインタビュアの質問に応じる楽曲Mについてのガイドボーカリストを携帯端末81の撮影部88により撮影し、かつ当該ガイドボーカリストが話す声を携帯端末81のマイクロフォン86を介して記録する。次に、生成部91は、マイクロフォン86を介して記録された楽曲Mについてのガイドボーカリストが話す音声の音声データと、撮影部88により撮影された楽曲Mについてのガイドボーカリストの映像データとを合わせ、楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データを生成する(ステップS36)。
【0066】
楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データの生成が完了した後、携帯端末81の撮影データ送信制御部92が、生成された楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データをサーバ装置71に送信する(ステップS37)。
【0067】
サーバ装置71の記憶制御部74は、携帯端末81から送信された、楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データを受信し、受信したインタビュー動画データを、楽曲Mについてのガイドボーカルデータ、楽曲Mについてのガイドボーカリストの利用者識別情報、または楽曲Mの楽曲識別情報と関連付けて記憶部13に記憶する(ステップS38)。
【0068】
なお、第2の実施形態のカラオケシステム2におけるガイドボーカル関連データ再生処理は、第1の実施形態のカラオケシステム1におけるものと同じであるので、ここでは、その説明を省略する。
【0069】
本発明の第2の実施形態のカラオケシステム2によっても、本発明の第1の実施形態のカラオケシステム1と同様の作用効果が得られる。また、第2の実施形態のカラオケシステム2においては、サーバ装置71から携帯端末81へのプッシュ通知に基づき、携帯端末81がガイドボーカリストのインタビュー動画データを生成する。ガイドボーカリストは、任意のタイミングでプッシュ通知に応じることにより、インタビュー動画データを生成する処理を開始させることができる。したがって、ガイドボーカリストは、例えば空き時間等を利用してインタビュア動画のインタビューに応じることができる。これにより、インタビュー動画の生成に関わるガイドボーカリストの負担を軽減することができる。
【0070】
なお、上記各実施形態では、楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データを生成する処理において、カラオケ装置31の生成部53(または携帯端末81の生成部91)が、質問に応じて話す楽曲Mについてのガイドボーカリストの音声と、質問に応じる当該ガイドボーカリストの映像とが合わさったインタビュー動画を生成したが、このインタビュー動画に、楽曲Mを歌唱しているガイドボーカリストの映像を合成してもよい。この場合、ガイドボーカル関連データ生成処理において、サーバ装置11(71)がカラオケ装置31(75)から楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データを受信した後に(図2中のステップS10の後、または図7中のステップS37の後に)、サーバ装置11が、楽曲Mを歌唱している楽曲Mについてのガイドボーカリストの映像を、楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画に含まれる、質問に応じて話している当該ガイドボーカリストの映像に、例えばピクチャーインピクチャーの方法等を用いて合成する。また、この場合、楽曲Mを歌唱している楽曲Mについてのガイドボーカリストの映像データは、例えば次のような方法で取得する。すなわち、上述したように、カラオケシステム1(2)は、楽曲Mをそれぞれ歌唱する複数の利用者の歌唱音声データをサーバ装置11の記憶部13に蓄積する処理を行う。この処理において、楽曲Mをそれぞれ歌唱する複数の利用者の歌唱音声データと共に、楽曲Mをそれぞれ歌唱する複数の利用者の映像データをサーバ装置11の記憶部13に蓄積するようにする。そして、楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画に、楽曲Mを歌唱している楽曲Mについてのガイドボーカリストの映像を合成する際には、サーバ装置11の記憶部13に蓄積されている、楽曲Mをそれぞれ歌唱する複数の利用者の映像データの中から、楽曲Mを歌唱する楽曲Mについてのガイドボーカリストの映像データを取得する。楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画に、楽曲Mを歌唱しているガイドボーカリストの映像を合成することにより、インタビュー動画を介して利用者に伝わる情報の量および質を高めることができる。また、楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画に、楽曲Mを歌唱しているガイドボーカリストの映像を合成するに当たり、楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画に含まれる、質問に応じて話している当該ガイドボーカリストの映像を、楽曲Mを歌唱している楽曲Mについてのガイドボーカリストの映像に差し替えてもよい。
【0071】
また、上記各実施形態では、ガイドボーカリストのインタビュー動画データを生成する処理においてインタビュア動画を再生するが、これに代え、ガイドボーカリストに質問する事項等を表示した静止画像をカラオケ装置31に接続された外部ディスプレイ42等、または携帯端末81の表示部85に表示してもよい。また、ガイドボーカリストのインタビュー動画に代え、ガイドボーカリストのフリートークの動画を生成するようにしてもよい。
【0072】
また、上記第1の実施形態のカラオケシステム1においては、楽曲Mについてのガイドボーカリストがカラオケシステム1にログインしたときに、楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データを生成する(図2中のステップS3~S9を参照)。この処理において、楽曲Mについてのガイドボーカリストがカラオケシステム1にログインしたときに、楽曲Mについて、当該ガイドボーカリストのインタビュー動画データが既に生成されている場合には、楽曲Mについてのガイドボーカリストのインタビュー動画データを生成する処理を行わないようにしてもよい。これにより、同一楽曲について、同一のガイドボーカリストのインタビュー動画が重複して生成されることを防止することができる。
【0073】
また、上記各実施形態では、ガイドボーカル関連データ再生処理において、ガイドボーカリストのインタビュー動画の再生を行った後に、ガイドボーカルデータの再生を行う(図5中のステップS24およびS25)。しかしながら、ガイドボーカル関連データ再生処理において、ガイドボーカリストのインタビュー動画の再生およびガイドボーカルデータの再生の順序は限定されない。
【0074】
また、ガイドボーカル関連データ再生処理において、一の楽曲についてのガイドボーカリストのインタビュー動画の再生を、各利用者につき1回に制限してもよい。この処理は、例えば、各楽曲についてのガイドボーカリストのインタビュー動画の再生履歴を利用者ごとにサーバ装置11(71)の記憶部13等に記憶しておくことにより実現することができる。
【0075】
また、上記各実施形態では、カラオケシステム1(2)において生成したガイドボーカリストのインタビュー動画データを、カラオケ装置31(75)からの要求に応じてサーバ装置11(71)からカラオケ装置31(75)に送信し、カラオケ装置31(75)により再生することとしている。しかしながら、カラオケシステム1(2)において生成したガイドボーカリストのインタビュー動画データの利用方法はこれに限定されない。例えば、利用者が携帯端末等を用いてインターネットに接続し、ガイドボーカリストのインタビュー動画データをダウンロードし、またはストリーミング再生することができるようにしてもよい。
【0076】
また、ガイドボーカルデータと、利用者識別情報および楽曲識別情報とを関連付ける方法、またはガイドボーカルデータとインタビュー動画データとを関連付ける方法は実施形態で述べた方法に限定されない。
【0077】
また、上記各実施形態では、複数の歌唱音声データの中からガイドボーカルデータを決定する条件を、採点データが示す点数が最も高いこととしたが、複数の歌唱音声データの中からガイドボーカルデータを決定する条件はこれに限定されない。
【0078】
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うカラオケシステムもまた本発明の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0079】
1、2 カラオケシステム
11、71 サーバ装置
12、72 演算処理部
13 記憶部(記憶装置)
22 決定部
23、73 指示部
24、74 記憶制御部
25 ガイドボーカル関連データ送信制御部(第2の送信部)
31、75 カラオケ装置
32 演算処理部
39 撮影部
51 ログイン部
53 生成部
54 撮影データ送信制御部(第1の送信部)
55 要求部
56 再生部
81 携帯端末
82 演算処理部
88 撮影部
91 生成部
92 撮影データ送信制御部(第1の送信部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8