(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】電気電子機器用取付構造、取付板、電気電子機器収納用箱
(51)【国際特許分類】
H05K 5/02 20060101AFI20241202BHJP
H02B 1/42 20060101ALI20241202BHJP
H01H 73/06 20060101ALI20241202BHJP
【FI】
H05K5/02 E
H02B1/42
H01H73/06 A
(21)【出願番号】P 2021078979
(22)【出願日】2021-05-07
【審査請求日】2024-03-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 聖也
(72)【発明者】
【氏名】谷 昇悟
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 樹
(72)【発明者】
【氏名】木根 京介
(72)【発明者】
【氏名】山田 康資
【審査官】山田 拓実
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-040738(JP,A)
【文献】特開平08-139460(JP,A)
【文献】特開2020-129820(JP,A)
【文献】特開2002-033038(JP,A)
【文献】特開2005-174734(JP,A)
【文献】特開平09-064564(JP,A)
【文献】米国特許第04255637(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/00-5/06
H02B 1/42
H01H 73/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気電子機器の底面コーナー部周辺に設けた第1被係合部に係合可能な第1係合部と、
電気電子機器の底面に設けた第2被係合部に係合可能な第2係合部と、
を備えた電気電子機器用取付構造において、
第1係合部を第1被係合部に係合させ、かつ、第2係合部を第2被係合部に係合させることで、電気電子機器に設けた第3被係合部に係合可能な第3係合部を備え、
第1係合部を第1被係合部に係合させるとともに第2係合部を第2被係合部に係合させて、電気電子機器の左右方向及び前方向への移動を規制する状態にすることで、
少なくとも電気電子機器の下方向への移動を規制するように、第3係合部と第3被係合部を係合させることが可能
であり、
第3係合部が、第1係合部と第2係合部の間に位置することを特徴とする電気電子機器用取付構造。
【請求項2】
第1係合部は、第1被係合部と係合させることで、少なくとも電気電子機器の左右方向への移動を規制し、
第2係合部は、第2被係合部と係合させることで、少なくとも電気電子機器の前方向への移動を規制し、
第3係合部は、第3被係合部と係合させることで、少なくとも電気電子機器の下方向への移動を規制する請求項1に記載の電気電子機器用取付構造。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の電気電子機器用取付構造を備えた取付板であって、
第1係合部と第2係合部と第3係合部が同一面上に位置する取付板。
【請求項4】
電気電子機器の底面コーナー部周辺に設けた第1被係合部に係合可能な第1係合部と、
電気電子機器の底面に設けた第2被係合部に係合可能な第2係合部と、
第1係合部を第1被係合部に係合させ、かつ、第2係合部を第2被係合部に係合させることで、電気電子機器に設けた第3被係合部に係合可能な第3係合部と、
を備え、
第1係合部を第1被係合部に係合させるとともに第2係合部を第2被係合部に係合させて、電気電子機器の左右方向及び前方向への移動を規制する状態にすることで、
少なくとも電気電子機器の下方向への移動を規制するように、第3係合部と第3被係合部を係合させることが可能な電気電子機器用取付構造を備えた電気電子機器収納用箱であって、
第1係合部と第2係合部と第3係合部が、電気電子機器収納用箱のケースと一体的に形成された電気電子機器収納用箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気電子機器用取付構造、及び、当該取付構造を備えた取付板や電気電子機器収納用箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
回路遮断器の取付構造として、複数の爪部により、回路遮断器の移動を規制する構造が知られている。例えば特許文献1に記載されているように、回路遮断器の負荷側への移動を規制するために、回路遮断器にロックレバーを設け、ロックレバーを操作することで取付板と嵌合させる構造とすることが考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【0004】
ところで、このような構造の場合、回路遮断器を適切な位置に配置した後で、更に回路遮断器に備えられたロックレバーを手動で操作しなければ、回路遮断器の負荷方向への移動を規制することができない。そのため、ロックレバーの操作を忘れることによって、回路遮断器が脱落するおそれがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、所定箇所に配置した電気電子機器が落下するのを抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、電気電子機器の底面コーナー部周辺に設けた第1被係合部に係合可能な第1係合部と、電気電子機器の底面に設けた第2被係合部に係合可能な第2係合部と、を備えた電気電子機器用取付構造において、第1係合部を第1被係合部に係合させ、かつ、第2係合部を第2被係合部に係合させることで、電気電子機器に設けた第3被係合部に係合可能な第3係合部を備え、第1係合部を第1被係合部に係合させるとともに第2係合部を第2被係合部に係合させて、電気電子機器の左右方向及び前方向への移動を規制する状態にすることで、少なくとも電気電子機器の下方向への移動を規制するように、第3係合部と第3被係合部を係合させることが可能なことを特徴とする電気電子機器用取付構造とする。
【0007】
また、第1係合部は、第1被係合部と係合させることで、少なくとも電気電子機器の左右方向への移動を規制し、第2係合部は、第2被係合部と係合させることで、少なくとも電気電子機器の前方向への移動を規制し、第3係合部は、第3被係合部と係合させることで、少なくとも電気電子機器の下方向への移動を規制する構成とすることが好ましい。
【0008】
また、第3係合部が、第1係合部と第2係合部の間に位置する構成とすることが好ましい。
【0009】
また、前記電気電子機器用取付構造を備えた取付板であって、第1係合部と第2係合部と第3係合部が同一面上に位置する取付板とすることが好ましい。
【0010】
また、前記電気電子機器用取付構造を備えた電気電子機器収納用箱であって、第1係合部と第2係合部と第3係合部が、電気電子機器収納用箱のケースと一体的に形成された電気電子機器収納用箱とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、所定箇所に配置した電気電子機器が落下するのを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態における回路遮断器が収納された電気電子機器収納用箱を下方から見た斜視図である。
【
図2】
図1に示した電気電子機器収納用箱のカバーを取り外した状態を示した斜視図である。
【
図3】
図2に示したカバーを取り外した電気電子機器収納用箱の分解斜視図である。
【
図4】
図1に示す電気電子機器収納用箱のケースの斜視図である。
【
図5】
図3に示す回路遮断器を右上方向から見た図である。
【
図6】
図3に示す回路遮断器を底面側から見た斜視図である。
【
図7】
図4に示すケースと電気電子機器の底部の断面図である。ただし、電気電子機器をケースに取り付ける前の状態を表している。
【
図8】
図4に示すケースと電気電子機器の底部の断面図である。ただし、電気電子機器の第1被係合部を係合部に引っ掛けた状態を表している。
【
図9】
図4に示すケースに電気電子機器の底部を取り付けた状態を示す断面図である。
【
図10】取付板に電気電子機器用取付構造を設けた例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に発明を実施するための形態を示す。
図1乃至
図4に示されていることから理解されるように、本実施形態の電気電子機器用取付構造は、電気電子機器の底面コーナー部周辺に設けた第1被係合部51に係合可能な第1係合部11と、電気電子機器の底面に設けた第2被係合部52に係合可能な第2係合部12と、を備えている。この電気電子機器用取付構造は、第1係合部11を第1被係合部51に係合させ、かつ、第2係合部12を第2被係合部52に係合させることで、電気電子機器に設けた第3被係合部53に係合可能な第3係合部13を備えている。また、この電気電子機器用取付構造は、第1係合部11を第1被係合部51に係合させるとともに第2係合部12を第2被係合部52に係合させて、電気電子機器の左右方向及び前方向への移動を規制する状態にすることで、少なくとも電気電子機器の下方向への移動を規制するように、第3係合部13と第3被係合部53を係合させることが可能である。このため、所定箇所に配置した電気電子機器が落下するのを抑制することが可能となる。
【0014】
取付構造は、分電盤や配電盤などの電気電子機器収納用箱81内に収納、設置される機器取付板83などに備えられてもよいし、電気電子機器収納用箱81の一部分としてケース81aの外形の成形工程の中で成形されるものであってもよい。取付構造が電気電子機器収納用箱81のケース81aと一体的に形成される場合、当該取付構造として機能させる部分を電気電子機器収納用箱81の底面から突出するように形成するのが好ましい(
図4参照)。
【0015】
電気電子機器は、ブレーカ、回路遮断器50、開閉器、端子台、リレー、通信装置、センサ機器など、電気機器若しくは電子機器に属するものであるなら如何なるものであってもよい。
【0016】
図1乃至
図4に示す取付構造に取り付けられる電気電子機器は、分電盤や配電盤などの電気電子機器収納用箱81内に取付、固定されるために、底面及び底面コーナー部周辺に、複数の被係合部を有する。なお、電気電子機器の底面は、主として電気電子機器を取り付ける取付面に対して対向する面である。つまり、
図1乃至
図6などに示す例では、電気電子機器の底面は後側に位置する面である。
【0017】
例えば、電気電子機器の底面コーナー部周辺には、第1被係合部51を有する。第1被係合部51は、取付構造に形成される第1係合部11と係合することで、少なくとも電気電子機器の左右方向への移動を規制できる構造であればいかなるものであってもよい。
【0018】
なお、第1被係合部51は、底面及び上面若しくは、底面及び下面により形成されるコーナー部に第1被係合部51を形成される場合に限らず、コーナー部周辺の底面若しくは上面、下面の何れかに形成されるものであっても構わない。
【0019】
また、電気電子機器の底面には、第2被係合部52を有する。第2被係合部52は、取付構造に形成される第2係合部12と係合することで、少なくとも電気電子機器の前方向への移動を規制できる構造であればいかなるものであってもよい。
【0020】
また、電気電子機器は、第1被係合部51及び第2被係合部52とは異なる位置に、第3被係合部53を有する。第3被係合部53は、第3係合部13と係合することで、少なくとも電気電子機器の下方向への移動を規制できる構造であればいかなるものであってもよい。
【0021】
実施形態の取付構造は、電気電子機器の被係合部と係合する係合部を、同一面上に複数有している。各係合部は、取付構造に電気電子機器が設置された際に、電気電子機器の各被係合部が位置する箇所に形成される。実施形態では、第1係合部11は、電気電子機器のコーナー部周辺に形成された第1被係合部51と係合し、第2係合部12は、電気電子機器の底面に形成された第2係合部12と係合し、第3係合部13は、電気電子機器に形成された第3係合部13と係合する。
【0022】
なお、取付構造は、複数の係合部以外に、電気電子機器をネジで固定するために用いるネジ固定部15をさらに備えるのが好ましい。このようにすると、取付構造に電気電子機器をより強固に固定することができる。
【0023】
次に、
図1に示す電気電子機器収納用箱81に取付構造を備えた例について説明する。この例では、電気電子機器として回路遮断器50を用いている。また、この電気電子機器収納用箱81のケース81aは、電気電子機器用取付構造付きのケース81aとして、射出成形されている。なお、この例では、回路遮断器50のハンドル50aを含む前面の一部を露出させるように回路遮断器50を1つだけ収納する電気機器収納用箱である。
【0024】
この例の電気電子機器収納用箱81は、前後方向に分離可能なケース81aとカバー81bとを備えており、ケース81aとカバー81bを鎖錠する鎖錠部81cを有している。また、電気電子機器収納用箱81のケース81a内に設けられた取付構造を利用して回路遮断器50をケース81aに取り付けることができる。
【0025】
なお、この例の電気電子機器収納用箱81は、壁などに固定する際に用いるために、ケース81aの背面に取付部として取付孔16を備えている。また、ケース81aの側周面やコーナーには、カバー81bを取付ける際にカバー81bを誘い込み、カバー81bとケース81aのズレを防止するリブ17が形成されている。
【0026】
また、この例の電気電子機器収納用箱81には、開口を作りたい場合に取り除くことができるノックアウト部18を備えている。押圧などをすることにより、このノックアウト部18を取り除くと、電気電子機器収納用箱81に開口を作ることができる。電気電子機器収納用箱81に取り付けられた回路遮断器50に対して配線された電線は、ケース81aやカバー81bに設けられたノックアウト部18を取り除くことで形成した開口を通して、入出線するようにすればよい。なお、電気電子機器収納用箱81内の配線が、ケース81a外部へ飛び出さないようにするために、ケース81a側面には配線用リブ19が形成されている。
【0027】
図4に示す例では、取付構造とは別に、ネジで固定する際に用いることができるネジ固定部15をケース81aに備えている。なお、
図4に示す例では、電気電子機器の被係合部と、係合部との前後方向の高さを調整するために、電気電子機器収納用箱81の底面の一部を盛り上げているが、その部分にネジ固定部15を設けている。
【0028】
また、
図5及び
図6に示す例では、回路遮断器50は、電源側端子の位置する側の底面コーナー部周辺であって、回路遮断器50の上面に第1被係合部51を備えている。
図5に示す例の第1被係合部51は、溝形状であり、回路遮断器50の極毎に対応するように形成されている。
【0029】
また、
図6に示す例では、回路遮断器50の底面には回路遮断器50をレール部材に取付けるための凹部54が形成され、凹部54の下側に第2被係合部52、凹部54の上側に第3被係合部53を備えている。なお、第2被係合部52には、回路遮断器50の底面に当接したレール部材を挟み込んで固定するために用いることができる係止部52aを備えている。
【0030】
より具体的には、実施形態の回路遮断器50は、レール部材を回路遮断器50の底面に設けられた凹部54の上側と、係止部52aと、で挟み込むことで、回路遮断器50とレール部材を固定し、レール部材に対して、回路遮断器50が離れる方向(前方向)に移動することを規制することができる。
【0031】
実施形態の係止部52aは、上下方向に摺動可能に電気電子機器の底面に取付けられた部材であり、バネを有し、バネの弾性力により、常に上方向に向けて力が加えられている。この係止部52aによる規制が解除されることで、レール部材から回路遮断器50を取り外すことができる。なお、実施形態の電気電子機器収納用箱81には、レール部材は取り付けられていない。
【0032】
実施形態の第1係合部11は、回路遮断器50の第1被係合部51に挿入されるように、端部が負荷側(下方)を向く断面略L字形状となっている。このため、第1係合部11を、回路遮断器50の各極に形成される第1被係合部51に係合することで、回路遮断器50の左右方向の移動を規制するとともに、回路遮断器50の前方向の移動を規制することができる。
【0033】
第2係合部12は、回路遮断器50の底面に取り付けられるレール部材と同様の形状を有しており、端部が負荷側(下方)を向く断面略L字形状となっている。この第2係合部12が、回路遮断器50の底面側の部分と第2被係合部52の係止部52aにより挟み込まれた状態となれば、回路遮断器50の前方向への移動を規制することができる。
【0034】
ところで、上記したような第1係合部11と第2係合部12しか備えていない場合、回路遮断器50が脱落してしまう虞がある。これは、第1係合部11と第2係合部12は、負荷側(下方)を向く断面略L字形状に形成されているため、電気機器収納用箱を負荷側が下方を向くように壁等に設置した場合、回路遮断器50の第1被係合部51と第2被係合部52は、第1係合部11や第2係合部12との係合が外れてしまう虞があるからである。
【0035】
そこで、本実施形態では、回路遮断器50の下方向への移動を規制するために、第3係合部13を形成している。実施形態の第3係合部13は、第1係合部11と第2係合部12の間に位置し、回路遮断器50の第3被係合部53が当接するように形成されている。特に、回路遮断器50の第1被係合部51及び第2被係合部52が、第1係合部11及び第2係合部12に適切に係合すると、自動的に回路遮断器50の第3被係合部53が第3係合部13上に当接するように形成されている。
【0036】
単純な構造でこのようなことを可能にするためにも、回路遮断器50の第2被係合部52と第3被係合部53の間の距離と、第2係合部12と第3係合部13の距離とは略同一であることが好ましい。
【0037】
なお、第3係合部13を第1係合部11と第2係合部12の間に形成することによって、電気電子機器(回路遮断器50)の底面の範囲内に収めることができるため、取付構造のサイズを小さくすることができる。
【0038】
回路遮断器50の底面形状を含む外郭形状が規格等で統一されている場合には、該規格で統一されている各被係合部の位置(第1被係合部51の位置など)や、各被係合部間の距離(第2被係合部52と第3被係合部53の間の距離など)と、各係合部の位置(第1係合部11の位置など)や、各係合部間の距離(第2係合部12と第3係合部13の間の距離など)を、略同一とすることで、規格に準拠したさまざまな回路遮断器50の取付けに対応することができる。
【0039】
ここで、電気電子機器を取付構造を利用して電気電子機器収納用箱81のケース81aに取り付ける例を説明する。
図7に示すように電気電子機器がケース81aと分離している状態から、
図8に示すように第1係合部11と第1被係合部51を係合させる。更に、第2係合部12と第2被係合部52を係合させる(
図9参照)。この際、係止部52aを一端下方向に動かした後、上方向に動かし、第2係合部12が電気電子機器側に引っ掛かった状態とする。このような状態では、第3係合部13は第3被係合部53と係合可能となり、電気電子機器が下方に移動することを規制できるようになる。
【0040】
なお、第3係合部13は、第1係合部11と第2係合部12の間に位置している必要は無いし、複数個所に分散するように設けても良い。例えば、第3被係合部53及び第3係合部13を、第2被係合部52及び第2係合部12よりも負荷側(下側)に配置しても良い。
【0041】
例えば、回路遮断器50の下面を第3被係合部53とし、回路遮断器50の下面が第3係合部13に当接することで、回路遮断器50が下方へ移動することを規制するようにしても良い。回路遮断器50の下面を第3被係合部53にすれば、第3被係合部53と第3係合部13の当接を目視することができ、回路遮断器50が規制されていることを容易に確認することができる。なお、
図4などに示す例では、第3係合部13を第1係合部11と第2係合部12の間に設けているし、第2係合部12よりも負荷側(下側)にも第3係合部13を設けている。
【0042】
ここまでは、取付構造を備えたケース81aが射出成形された電気電子機器収納用箱81の例を説明してきたが、
図10に示す例から理解されるように、電気電子機器収納用箱81に収納される取付板83に取付構造が形成されていてもよい。この例では、取付板83は電子機器を取付けるためのものであり、使用時には電気電子機器収納用箱81に収納されるものである。この取付板83は、少なくとも1つの電気電子機器(回路遮断器50など)が取り付けられるものであればよいが、複数の電気電子機器を並列して取り付け可能なように取付構造が形成されるのが好ましい。
【0043】
今までの例では、回路遮断器50に設けた複数種類の被係合部をそれぞれ個別に形成し、それぞれ個別に形成した取付構造の係合部と係合する例を示したが、その一部を兼用のものとしてもよい。例えば、第3被係合部53とその他の被係合部若しくは、第3係合部13とその他の係合部を兼用のものとしてもよい。
【0044】
より詳しい例でいえば、回路遮断器50のコーナー部近傍の底面側に第1被係合部51として、溝を形成した場合、それに対応させるように第1係合部11を前方向に延びる略直線形状に形成すると、第1係合部11と第1被係合部51が係合することにより、回路遮断器50の左右方向の移動を規制するだけでなく、上下方向の移動を規制するため、該第1係合部11は第3係合部13を兼ねるし、第1被係合部51は第3被係合部53を兼ねるものとなる。
【0045】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。例えば、回路遮断器の各被係合部の形状や位置については、上記した例と同様である必要は無いし、取付構造の各係合部の形状や位置についても、上記した例と同様である必要は無い。また、取付構造は、電気機器収納用箱の射出成形時に形成されるものや電気機器収納用箱に収納され電気機器を取付ける取付板に形成されるものである必要は無い。取付構造は、電気機器を取付けるものであればいかなるものに形成されてもよい。
【符号の説明】
【0046】
11 第1係合部
12 第2係合部
13 第3係合部
51 第1被係合部
52 第2被係合部
53 第3被係合部
81 電気電子機器収納用箱
83 取付板