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特許7596063排出物測定装置又はシステムの汚染レベルを決定するためのシステム及び方法
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  • 特許-排出物測定装置又はシステムの汚染レベルを決定するためのシステム及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】排出物測定装置又はシステムの汚染レベルを決定するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 15/02 20060101AFI20241202BHJP
   G01N 1/22 20060101ALI20241202BHJP
   G01M 15/10 20060101ALI20241202BHJP
【FI】
G01M15/02
G01N1/22 G
G01M15/10
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019115334
(22)【出願日】2019-06-21
(65)【公開番号】P2020076731
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2022-03-10
(31)【優先権主張番号】62/688,692
(32)【優先日】2018-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/443,060
(32)【優先日】2019-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517240780
【氏名又は名称】エーブイエル・テスト・システムズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェームス・パトリック・ウィリアムソン
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン・シー・シェイド
【審査官】佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-122448(JP,A)
【文献】特表2002-516981(JP,A)
【文献】特開平05-296029(JP,A)
【文献】特開2013-245967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 15/00- 15/14
G01M 17/00- 17/10
G01N 1/00- 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排出物検査システム(100)であって、
少なくとも1つの前記排出物検査システムの構成要素;
エンジンからの排気ガスのサンプル中の排出物の濃度を決定するように構成された排出物分析器(114、115);
前記排出物検査システムの構成要素に関連する第1重み付け係数及び第1指数のうちの少なくとも1つによって重み付けされた前記排気ガスサンプルの流量
前記排出物検査システムの構成要素に関連する第2重み付け係数及び第2指数のうちの少なくとも1つによって重み付けされた前記排気ガスサンプル中の前記排出物の濃度
前記排出物検査システムの構成要素に関連付けられた第3重み付け係数及び第3指数のうちの少なくとも1つによって重み付けされた前記排出物検査システム(100)の動作時間
前記排出物検査システムの構成要素に関連する第4重み付け係数及び第4指数のうちの少なくとも1つによって重み付けされた前記排気ガスの圧力;又は
前記排出物検査システムの構成要素に関連する第5重み付け係数及び第5指数のうちの少なくとも1つによって重み付けされた前記排気ガスの温度;
のうちの少なくとも2つに基づいて、前記排出物検査システムの構成要素の少なくとも1つの汚染指数を決定するように構成された汚染指数モジュール(240);並びに
前記汚染指数に基づいて、前記排出物検査システムの構成要素の少なくとも1つの汚染可能性を特定するように構成された診断モジュール(242)を含む該システム。
【請求項2】
前記エンジン(116)からの前記排気ガス及び希釈ガス源からの希釈ガスを受け取るように構成された希釈トンネル(102);及び
前記希釈トンネル(102)から希釈された排気ガスのサンプルを受け取るように構成されたサンプル採取器(144)をさらに含み、前記排出物分析器(114)は、前記希釈された排気ガスサンプル中の排出物の濃度を決定するように構成されている請求項1に記載の排出物検査システム(100)。
【請求項3】
前記排気ガスサンプルは、希釈されていない請求項1に記載の排出物検査システム(100)。
【請求項4】
前記汚染指数モジュール(240)は、前記重み付けされた流量及び前記重み付けされた排出物濃度に基づいて前記汚染指数を決定するように構成されている請求項1に記載の排出物検査システム(100)。
【請求項5】
前記汚染指数モジュール(240)は、前記重み付けされた流量、前記重み付けされた排出物濃度、前記重み付けされたシステム動作時間、前記重み付けされた排気圧力及び前記重み付けされた排気温度のうちの少なくとも3つに基づいて前記汚染指数を決定するように構成されている請求項1に記載の排出物検査システム(100)。
【請求項6】
前記汚染指数モジュール(240)は、前記重み付けされた流量、前記重み付けされた排出物濃度、前記重み付けされたシステム動作時間、前記重み付けされた排気圧力及び前記重み付けされた排気温度に基づいて前記汚染指数を決定するように構成されている請求項1に記載の排出物検査システム(100)。
【請求項7】
前記汚染指数モジュール(240)は、
前記重み付け係数の第1の1つと、前記流量、前記排出物濃度、前記システム動作時間、前記排気圧力及び前記排気温度のうちの対応する1つとの第1積、並びに
前記重み付け係数の第2の1つと、前記サンプル流量、前記排出物濃度、前記システム動作時間、前記排気圧力及び前記排気温度のうちの対応する1つとの第2積に基づいて前記汚染指数を決定するように構成され、前記対応する前記重み付け係数の第2の1つは前記重み付け係数の前記第1の1つとは異なる値を有する請求項1に記載の排出物検査システム(100)。
【請求項8】
前記汚染指数モジュール(240)は、
前記サンプル流量、前記排出物濃度、前記システム動作時間、前記排気圧力、及び前記排気温度の第1の1つを対応する前記指数の第1の1つで乗じた第1結果;及び
前記サンプル流量、前記排出物濃度、前記システム動作時間、前記排気圧力、及び前記排気温度の第2の1つを対応する前記指数の第2の1つで乗じた第2結果
に基づいて前記汚染指数を決定するように構成され、前記対応する前記指数の第2の1つは、前記対応する前記指数の第1の1つとは異なる値を有する請求項1に記載の排出物検査システム(100)
【請求項9】
前記汚染指数モジュール(240)は、
複数の汚染指数値を得るために一定の間隔で汚染指数を決定し;かつ
汚染指数値の合計が前記排出物検査システムの構成要素に関連付けられた所定の値よりも大きい場合に、前記排出物検査システムの構成要素の汚染可能性を特定するように構成される請求項1に記載の排出物検査システム(100)。
【請求項10】
前記汚染指数モジュール(240)は、
前記汚染指数値の合計が所定の値よりも大きい場合、ユーザが前記排出物検査システム(100)の構成要素のメンテナンスを実行することを推奨し;かつ
前記ユーザが前記メンテナンスを実行したことを示す場合に、前記汚染指数値の合計をゼロに設定するように構成される請求項に記載の排出物検査システム(100)。
【請求項11】
排出物検査システムの構成要素に関連する第1重み付け係数及び第1指数のうち少なくとも1つによって重み付けされた排気ガスサンプルの流量
排出物検査システムの構成要素に関連する第2重み付け係数及び第2指数のうち少なくとも1つによって重み付けされた前記排気ガスサンプル中の排出物の濃度
排出物検査システムの構成要素に関連付けられた第3重み付け係数及び第3指数のうち少なくとも1つによって重み付けされた前記排出物検査システムの動作時間
前記排出物検査システムの構成要素に関連する第4重み付け係数及び第4指数のうち少なくとも1つによって重み付けされた前記排気ガスの圧力;又は
前記排出物検査システムの構成要素に関連する第5重み付け係数及び第5指数のうち少なくとも1つによって重み付けされた前記排気ガスの温度
の少なくとも2つに基づいて、前記排出物検査システム(100)の構成要素の汚染指数を決定すること;並びに
前記汚染指数に基づいて前記排出物検査システム(100)の構成要素のうち少なくとも1つの汚染可能性を特定することを含む方法。
【請求項12】
前記排気ガスサンプルは希釈ガスで希釈される請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記排気ガスサンプルは希釈されていない請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記重み付けされた流量及び前記重み付けされた排出物濃度に基づいて前記汚染指数を決定することをさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記重み付けされた流量、前記重み付けされた排出物濃度、前記重み付けされたシステム動作時間、前記重み付けされた排気圧力、及び前記重み付けされた排気温度のうち少なくとも3つに基づいて前記汚染指数を決定することをさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記重み付けされた流量、前記重み付けされた排出物濃度、前記重み付けされたシステム動作時間、前記重み付けされた排気圧力、及び前記重み付けされた排気温度に基づいて前記汚染指数を決定することをさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項17】
重み付け係数の1つと、前記流量、前記排出物の濃度、前記システムの動作時間、前記排気圧力、及び前記排気温度のうちの対応する1つとの第1積;並びに
重み付け係数の第2の1つと、前記サンプル流量、前記排出物の濃度、前記システムの動作時間、前記排気圧力、及び前記排気温度のうちの対応する1つとの第2積
に基づいて前記汚染指数を決定することをさらに含み、前記第2重み付け係数は、前記第1重み付け係数とは異なる値を有する請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記サンプル流量、前記排出物濃度、前記システム動作時間、前記排気圧力、及び排気温度の第1の1つを対応する前記指数の第1の1つで乗算した第1結果;並びに
前記サンプル流量、前記排出物濃度、前記システム動作時間、前記排気圧力、及び排気温度の第2の1つを対応する前記指数の第2の1つで乗算した第2結果
に基づいて前記汚染指数を決定することをさらに含み、前記対応する前記指数の第2の1つは前記対応する前記指数の第1の1つとは異なる値を有する請求項11に記載の方法。
【請求項19】
複数の汚染指数値を得るために一定の間隔で汚染指数を決定すること;及び
汚染指数値の合計が前記排出物検査システムの構成要素に関連する所定の値よりも大きい場合に、前記排出物検査システムの構成要素の汚染可能性を特定することをさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記汚染指数値の合計が所定の値よりも大きい場合、ユーザが前記排出物検査システムの構成要素のメンテナンスを実行することを推奨し;かつ
前記ユーザが前記メンテナンスを実行したことを示す場合に、前記汚染指数値の合計をゼロに設定することをさらに含む請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2018年6月22日に出願された米国仮出願第62/688,692号の利益を主張する。上記で参照された出願の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
本開示は、排出物検査システムに関し、より具体的には、排出物測定装置又はシステムの汚染レベルを決定するためのシステム及び方法に関する。
【0003】
背景
ここで提供される背景の説明は、一般に本開示の文脈を提示する目的のためのものである。この背景部分に記載されている限り、現在の発明者の研究、及び出願時に先行技術して適格ではない可能性のある説明の態様は、本開示に対する先行技術として明示的又は暗示的に認められていない。
【0004】
排出物検査システムは、エンジンによって生成された排気ガスを収集し、排気ガス中の排出物の濃度を測定する。ある期間中に測定された排出物の濃度に、その期間中の排気ガスの質量流量を掛けて、排出物の質量流量を得る。次に、排出物の質量流量に、期間の長さを掛けて、期間中にエンジンによって生成された排気ガス中の排出物の総質量を得る。
【0005】
定容量採取法(CVS)システムは、排気ガスの流量を測定せずに排気ガス中の排出物の質量を決定できる排出物検査システムの一種であり、排出物の質量測定を簡素化する。通常、CVSシステムは、排気ガス及び希釈ガスが混合される希釈トンネル、希釈された排気ガスのサンプルを希釈トンネルからサンプル採取器に向けるサンプルプローブ、及び希釈トンネルの下流側に配置される送風機を含む。送風機は、希釈トンネルを通して一定容積の希釈された排気ガスを引き込む。従って、排気ガス流量は、希釈された排気ガスの流量から希釈ガスの流量を引くことによって決定され得る。
【0006】
概要
本開示に係る排出物検査システムは、排出物分析器、汚染指標モジュール、及び診断モジュールを含む。排出物分析器は、エンジンからの排気ガスのサンプル中の排出物の濃度を決定するように構成されている。汚染指標モジュールは、排気ガスサンプルの流量、排気ガスサンプル中の排出物の濃度、排出物検査システムの動作時間、排気ガスの圧力、及び排気ガスの温度のうち少なくとも2つに基づいて汚染指標を決定するように構成されている。診断モジュールは、汚染指標に基づいて排出物検査システム及び排出物検査システムの構成要素のうち少なくとも1つの汚染可能性を特定するように構成されている。
【0007】
1つの例において、排出物検査システムはさらに、希釈トンネル及びサンプル採取器を含む。希釈トンネルは、エンジンからの排気ガス及び希釈ガス源からの希釈ガスを受け取るように構成されている。サンプル採取器は、希釈トンネルから希釈された排気ガスのサンプルを受け取るように構成されている。排出物分析器は、希釈された排気ガスサンプル中の排出物の濃度を決定するように構成されている。
【0008】
1つの例において、排気ガスサンプルは希釈されていない。
【0009】
1つの例において、汚染指標モジュールは、サンプル流量及び排出物濃度に基づいて汚染指標を決定するように構成されている。
【0010】
1つの例において、汚染指標モジュールは、サンプル流量、排出物濃度、システム動作時間、排気圧力、及び排気温度のうち少なくとも3つに基づいて汚染指標を決定するように構成されている。
【0011】
1つの例において、汚染指標モジュールは、サンプル流量、排出物濃度、システム動作時間、排気圧力、及び排気温度に基づいて汚染指標を決定するように構成されている。
【0012】
1つの例において、汚染指標モジュールは、(i)第1重み付け係数と、サンプル流量、排出物濃度、システム動作時間、排気圧力、及び排気温度の第1の1つとの第1積;並びに(ii)第2重み付け係数と、サンプル流量、排出物濃度、システム動作時間、排気圧力、及び排気温度の第2の1つとの第2積に基づいて汚染指標を決定するように構成され、第2重み付け係数は、第1重み付け係数とは異なる値を有する。
【0013】
1つの例において、汚染指標モジュールは、(i)サンプル流量、排出物濃度、システム動作時間、排気圧力、及び排気温度の第1の1つの第1指数乗の第1結果、並びに(ii)サンプル流量、排出物濃度、システム動作時間、排気圧力、及び排気温度の第2の1つの第2指数乗の第2結果に基づいて汚染指標を決定するように構成され、第2指数は、第1指数とは異なる値を有する。
【0014】
1つの例において、汚染指標モジュールは、複数の汚染指標値を得るために一定の間隔で汚染指標を決定し、汚染指標値の合計が所定の値よりも大きい場合に、排出物検査システム及び排出物検査システムの構成要素のうち少なくとも1つの汚染可能性を特定するように構成されている。
【0015】
1つの例において、汚染指標モジュールは、汚染指標値の合計が所定の値よりも大きい場合に、ユーザが排出物検査システムのメンテナンスを実行することを推奨し、かつユーザがメンテナンスを実行したことを示す場合に、汚染指標値の合計をゼロに設定するように構成されている。
【0016】
本開示に係る方法は、排出物検査システムを通過する排気ガスサンプルの流量、排気ガスサンプル中の排出物の濃度、排出物検査システムの動作時間、排気ガスの圧力、及び排気ガスの温度のうち少なくとも2つに基づいて汚染指標を決定すること、並びに汚染指標に基づいて排出物検査システム及び排出物検査システムの構成要素のうち少なくとも1つの汚染可能性を特定することを含む。
【0017】
1つの例において、排気ガスサンプルは希釈ガスで希釈される。
【0018】
1つの例において、排気ガスサンプルは希釈されていない。
【0019】
1つの例において、方法はさらに、サンプル流量及び排出物濃度に基づいて汚染指標を決定することを含む。
【0020】
1つの例において、方法はさらに、サンプル流量、排出物濃度、システム動作時間、排気圧力、及び排気温度のうち少なくとも3つに基づいて汚染指標を決定することを含む。
【0021】
1つの例において、方法はさらに、サンプル流量、排出物濃度、システム動作時間、排気圧力、及び排気温度に基づいて汚染指標を決定することを含む。
【0022】
1つの例において、方法はさらに、(i)第1重み付け係数と、サンプル流量、排出物濃度、システム動作時間、排気圧力、及び排気温度の第1の1つとの第1積;並びに(ii)第2重み付け係数と、サンプル流量、排出物濃度、システム動作時間、排気圧力、及び排気温度の第2の1つとの第2積に基づいて汚染指標を決定することを含み、第2重み付け係数は、第1重み付け係数とは異なる値を有する。
【0023】
1つの例において、方法はさらに、(i)サンプル流量、排出物濃度、システム動作時間、排気圧力、及び排気温度の第1の1つの第1指数乗の第1結果、並びに(ii)サンプル流量、排出物濃度、システム動作時間、排気圧力、及び排気温度の第2の1つの第2指数乗の第2結果に基づいて汚染指標を決定することを含み、第2指数は、第1指数とは異なる値を有する。
【0024】
1つの例において、方法はさらに、複数の汚染指標値を得るために一定の間隔で汚染指標を決定こと、及び汚染指標値の合計が所定の値よりも大きい場合に、排出物検査システム及び排出物検査システムの構成要素のうち少なくとも1つの汚染可能性を特定することを含む。
【0025】
1つの例において、方法はさらに、汚染指標値の合計が所定の値よりも大きい場合に、ユーザが排出物検査システムのメンテナンスを実行することを推奨すること、及びユーザがメンテナンスを実行したことを示す場合に、汚染指標値の合計をゼロに設定することを含む。
【0026】
本開示の適用性の更なる領域は、詳細な説明、特許請求の範囲及び図面から明らかになるだろう。詳細な説明及び具体例は、例示のみを目的とするものであり、本開示の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本開示は、詳細な説明及び添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【0028】
図1図1は、本開示に係る例示的な排出物検査システムの機能ブロック図である。
図2図2は、本開示に係る例示的な検査システム制御モジュールの機能ブロック図である。
図3図3は、排出物検査システム及び/又はその構成要素の汚染レベルを決定するための例示的な方法を示すフローチャートである。
図4図4は、本開示に係る、汚染レベルが時間に対して増加する可能性がある方法を示すグラフである。
【0029】
図面では、類似及び/又は同一の要素を特定するために参照番号が再使用され得る。
【0030】
詳細な説明
排出物検査システムは、検査中の排気ガス中の粒子によって経時的に汚染される傾向がある様々な構成要素を含む。そのような構成要素は、ガス状排出物分析器、粒子/微粒子/煙検出器、流量計、センサ、ポンプ、バルブ、及びフィルタを含む。これら構成要素のいずれかが汚染されると、排出物検査システムを使用して実施した排出物検査の結果が不正確になったり、及び/又は排出物検査システムが動作不能になったりする可能性がある。
【0031】
排出物検査システムの一部のコントローラは、排出物検査システムの動作時間をモニターし、システム動作の所定の間隔でメンテナンスを推奨する。例えば、そのようなコントローラは、検査対象の排気ガス中の排出物の濃度又は排気ガスの流量などの排出物検査システムの動作条件に関係なく、1000時間のシステム動作毎にメンテナンスを推奨し得る。しかしながら、「汚れた」環境(例えば、より高い排出物濃度)における排出物検査システムの構成要素の使用は、「クリーン」な環境(例えば、より低い排出物濃度)における構成要素の使用よりも早期及び/又はより多くのメンテナンスが必要になるだろう。従って、システム動作の所定の間隔で排出物検査システムのメンテナンスを実行すると、システム構成要素の汚染又は必要以上のメンテナンスを実行するリスクがある。
【0032】
排出物検査システムの一部のコントローラは、システムの他の構成要素又は領域の動作条件を考慮せずに、その構成要素の性能に基づいて排出物検査システムの構成要素のメンテナンスを推奨する。例えば、一部のコントローラは、ポンプが指示された圧力を達成できない場合、フィルタ全体の圧力差が所定の圧力よりも大きい場合、又はセンサ又は分析器による信号出力が飽和状態になる場合(例えば、排出物濃度センサによる信号出力は、検査中の排気ガス中に排出物が無い(0ppm)場合、百万当たり10粒子(ppm)を示す)に、発報する。そのようなコントローラは、構成要素が汚染される前にメンテナンスを推奨する予防的アプローチではなく、構成要素が汚染された後にメンテナンスを推奨する後手のアプローチを取る。メンテナンスを推奨するための後手のアプローチを取ることは、排出物検査結果に不正確さを生じさせ、及び/又は排出物検査システムの構成要素に損傷を与え得る。
【0033】
本開示に係るシステム及び方法は、排出物検査システムの動作条件に基づいて汚染指標を決定し、汚染指標に基づいて汚染可能性を特定する。1つの例において、システム及び方法は、複数の汚染指標値を得るために一定の間隔(例えば、毎秒)で汚染指標を決定し、システム及び方法は、汚染指標値の合計が所定の限界よりも大きい場合に汚染可能性を特定する。汚染可能性が特定される場合に、システム及び方法は、排出物検査システムのメンテナンスを実行すること推奨し得る。加えて、システム及び方法は、ユーザがメンテナンスを実行したことを示す場合に、汚染指標値の合計をゼロに設定し得る。
【0034】
システム動作条件を考慮することによって、システム及び方法は、必要以上のメンテナンスを実行することを推奨することなく、システム構成要素の汚染を防止する。加えて、汚染指標についての所定の限界は、システム構成要素が汚染される前に汚染可能性が特定されることを保証する値に設定される。従って、システム及び方法は、構成要素が汚染された後にメンテナンスを推奨する後手のアプローチではなく、構成要素が汚染される前にメンテナンスを推奨することによる予防的アプローチを取る。その結果、システム及び方法は、排出物検査結果の不正確さ及びシステム構成要素の損傷を防止する。
【0035】
ここで図1を参照すると、排出物検査システム100は、希釈トンネル102、上流側送風機104、下流側送風機106、希釈剤回路108、希釈された排気回路110、未希釈排気回路112、第1排出物分析器114、及び第2排出物分析器115を含む。希釈トンネル102は、排気ガス供給ライン118を通して、エンジン116によって生成された排気ガスを受け取る。排気ガス供給ライン118は、エンジン116からの排気ガスを希釈トンネル102に供給する。
【0036】
希釈トンネル102はまた、希釈ガス供給ライン120を通して希釈ガスを受け取る。上流側送風機104は、希釈トンネル102の上流側に配置され、上流側送風機104は、希釈ガス供給ライン120を通して希釈ガスを希釈トンネル102に送る。希釈ガスは周囲空気であってもよく、この場合、上流側送風機104は周囲の環境から希釈ガスを引いてもよい。上流側送風機104は可変速度送風機であってもよく、上流側送風機104の速度は、希釈ガスが希釈トンネル102を流れる速度を調整するために調整されてもよい。追加として又は代替として、バルブ122は、希釈ガス供給ライン120に配置されてもよく、バルブ122の位置は、希釈トンネル102を通る希釈ガスの流量を調整するために調整されてもよい。
【0037】
未希釈排気回路112は、未希釈排気供給ライン124、未希釈排気抽出バルブ126、及び/又は未希釈排気抽出ポンプ128を含む。排出物分析器115はまた、未希釈排気回路112の一部とみなされてもよい。未希釈排気供給ライン124は、排気ガス供給ライン118からの排気ガスのサンプルを排出物分析器115に供給する。排出物分析器115は、未希釈排気ガスサンプルを分析して、そこに含まれる排出物の濃度を決定する。排出物分析器115は、粒子サンプラ、マイクロ煤センサ、及び/又はスモークメータを含み得る。
【0038】
未希釈排気抽出バルブ126は、未希釈排気供給ライン124に配置されてもよく、未希釈排気抽出バルブ126の位置は、未希釈排気ガスサンプルが未希釈排気供給ライン124を通して抽出される速度を調整するために調整されてもよい。追加として又は代替として、未希釈排気抽出ポンプ128は、未希釈排気供給ライン124に配置されてもよく、未希釈排気抽出ポンプ128の速度は、希釈された排気ガスサンプルが未希釈排気供給ライン124を通して抽出される速度を調整するために調整されてもよい。1つの例において、未希釈排気抽出ポンプ128は、一定速度で動作され、未希釈排気抽出バルブ126の位置は、未希釈排気供給ライン124を通る希釈された排気ガスの抽出速度を調整するために調整される。
【0039】
エンジン116からの排気ガスは、希釈トンネル102内において希釈ガスで希釈される。希釈された排気サンプルプローブ130は、希釈された排気ガスのサンプルを抽出し、希釈された排気供給ライン132は、希釈された排気サンプルプローブ130から希釈された排気回路110に、希釈された排気ガスサンプルを供給する。希釈された排気抽出バルブ134は、希釈された排気供給ライン132に配置されてもよく、希釈された排気抽出バルブ134の位置は、希釈された排気ガスサンプルが希釈された排気サンプルプローブ130を通して抽出される速度を調整するために調整されてもよい。追加として又は代替として、希釈された排気抽出ポンプ136は、希釈された排気供給ライン132に配置されてもよく、希釈された排気抽出ポンプ136の速度は、希釈された排気ガスサンプルが希釈された排気サンプルプローブ130を通して抽出される速度を調整するために調整されてもよい。1つの例において、希釈された排気抽出ポンプ136は、一定速度で動作され、希釈された排気抽出バルブ134の位置は、希釈された排気サンプルプローブ130を通る希釈された排気ガスの抽出速度を調整するために調整される。希釈された排気サンプルプローブ130、希釈された排気供給ライン132、希釈された排気抽出バルブ134、及び希釈された排気抽出ポンプ136は、希釈された排気回路110の一部とみなされ得る。
【0040】
希釈された排気サンプルプローブ130によって抽出されない、希釈された排気ガス部分は、希釈トンネル排気ライン140を通して希釈トンネル102から大気に排出される。バルブ142は、希釈トンネル排気ライン140に配置されてもよく、バルブ142の位置は、希釈された排気ガスが希釈トンネル102を流れる速度を調整するために調整されてもよい。追加として又は代替として、下流側送風機106は、希釈トンネル102の下流側に配置されてもよく、下流側送風機106の速度は、希釈された排気ガスが希釈トンネル102を流れる速度を調整するために調整されてもよい。
【0041】
様々な実装形態において、排出物検査システム100は、上流側及び下流側送風機104及び106の一方のみを含み得る。上流側送風機104及び/又は下流側送風機106は、希釈トンネル102を通して一定容積の希釈された排気ガスを強制するように制御され得る。これに関して、排出物検査システム100はCVSシステムであり得る。しかしながら、システム及び/又は装置の汚染レベルを決定するための本開示の方法はまた、バッグミニ希釈器などの部分流システムにも適用される。
【0042】
希釈された排気回路110は、希釈された排気サンプルプローブ130によって抽出された希釈された排気ガスサンプルを収集する希釈された排気サンプル採取器144を含む。希釈された排気サンプル採取器144は、サンプルバッグ又はサンプルフィルタであり得る。希釈された排気充填バルブ146は、希釈された排気供給ライン132に配置されてもよく、希釈された排気充填バルブ146は、希釈された排気サンプル採取器144への希釈された排気ガスサンプルの流れを許容又は防止するために開閉されてもよい。希釈された排気サンプル採取器144は1つしか示されていないが、システム100は、複数の希釈された排気サンプル採取器を含んでもよく、各希釈された排気サンプル採取器は、排出物検査スケジュールの1つの検査段階中に、希釈された排気ガスのサンプルを収集してもよい。
【0043】
排出物分析器114は、希釈された排気サンプル採取器144によって収集された希釈された排気ガスサンプルを分析して、そこに含まれる排出物の濃度を決定する。排出物分析器114は、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物、及び炭化水素などのガス状排出物の濃度を測定するガス状排出物分析器であり得る。希釈された排気ガスサンプルは、希釈された排気リードライン148を通して希釈された排気サンプル採取器144から排出物分析器114に送られる。希釈された排気リードバルブ150は、希釈された排気リードライン148に配置されてもよく、希釈された排気リードバルブ150は、第1クリーン希釈された排気サンプル採取器144から排出物分析器114への希釈された排気ガスサンプルの流れを許容又は防止するために開閉されてもよい。追加として又は代替として、希釈された排気リードポンプ152は、希釈された排気リードライン148に配置されてもよく、希釈された排気リードポンプ152の速度は、希釈された排気ガスサンプルが希釈された排気サンプル採取器144から排出物分析器114に流れる速度を調整するために調整されてもよい。
【0044】
希釈剤回路108は、希釈ガス供給ライン120を流れる希釈ガスのサンプルを収集する希釈剤サンプル採取器154を含む。希釈剤サンプル供給ライン156は、希釈ガスサンプルを希釈ガス供給ライン120から希釈剤サンプル採取器154に供給する。希釈剤抽出バルブ158は、希釈剤サンプル供給ライン156に配置されてもよく、希釈剤抽出バルブ158の位置は、希釈ガスサンプルが希釈ガス供給ライン120から抽出される速度を調整するために調整されてもよい。追加として又は代替として、希釈剤抽出ポンプ160は、希釈剤サンプル供給ライン156に配置されてもよく、希釈剤抽出ポンプ160の速度は、希釈ガスサンプルが希釈ガス供給ライン120から抽出される速度を調整するために調整されてもよい。1つの例において、希釈剤抽出ポンプ160は、一定速度で動作され、希釈剤抽出バルブ158の位置は、希釈ガスサンプルの抽出速度を調整するために調整される。希釈剤サンプル供給ライン156、希釈剤抽出バルブ158、及び希釈剤抽出ポンプ160は、希釈剤回路108の一部とみなされ得る。
【0045】
希釈剤サンプル採取器154は、サンプルバッグ又はサンプルフィルタであり得る。希釈剤充填バルブ162は、希釈剤サンプル供給ライン156に配置されてもよく、希釈剤充填バルブ162は、希釈剤サンプル採取器154への希釈ガスサンプルの流れを許容又は防止するために開閉されてもよい。希釈剤サンプル採取器154は1つしか示されていないが、システム100は、複数の希釈剤サンプル採取器を含んでもよく、各希釈剤サンプル採取器は、排出物検査スケジュールの1つの検査段階中に希釈ガスのサンプルを収集してもよい。
【0046】
排出物分析器114は、希釈剤サンプル採取器154によって収集された希釈ガスサンプルを分析して、そこに含まれる排出物の濃度を決定する。排出物分析器114は、希釈された排気ガスサンプルに含まれる排出物の濃度を決定するときに、希釈ガスサンプルに含まれる排出物の濃度を考慮に入れ得る。例えば、希釈された排気ガスサンプル中の希釈ガスの質量が、希釈ガスサンプル中の希釈ガスの質量と等しい場合、排出物分析器114は、希釈された排気ガスサンプルに含まれる排気ガス中の排出物の濃度を得るために、希釈された排気ガスサンプル中の排出物の濃度から希釈ガスサンプル中の排出物の濃度を差し引き得る。
【0047】
希釈された排気ガスサンプルは、希釈剤リードライン164を通して希釈剤サンプル採取器154から排出物分析器114に送られる。希釈剤リードバルブ166は、希釈剤リードライン164に配置されてもよく、希釈剤リードバルブ166は、希釈剤サンプル採取器154から排出物分析器114への希釈ガスサンプルの流れを許容又は防止するために開閉されてもよい。追加として又は代替として、希釈剤リードポンプ168は、希釈剤リードライン164に配置されてもよく、希釈剤リードポンプ168の速度は、希釈ガスサンプルが希釈剤サンプル採取器154から排出物分析器114に流れる速度を調整するために調整されてもよい。
【0048】
排出物検査システム100はさらに、希釈剤サンプル採取器154及び希釈された排気サンプル採取器144からそれぞれガスサンプルを排出するための希釈剤ベントライン170及び希釈された排気ベントライン172を含む。示された例において、希釈剤ベントライン170及び希釈された排気ベントライン172は、希釈トンネル排気ライン140に延びる単一のベントライン174に合流し、ベントポンプ176は、ベントライン174に配置され、ベントライン174を通してガスサンプルを引き込む。様々な実装形態において、希釈剤ベントライン170及び希釈された排気ベントライン172は、単一のベントラインに合流しなくてもよく、及び/又はガスサンプルを大気に直接排出してもよい。加えて、ベントポンプ(図示せず)は、ベントポンプ176の代わりに、ベントライン170、172のそれぞれに配置され得る。
【0049】
希釈剤ベントバルブ178は、希釈剤ベントライン170に配置されてもよく、希釈剤ベントバルブ178は、希釈剤サンプル採取器154から希釈トンネル排気ライン140への希釈ガスサンプルの流れを許容又は防止するために開閉されてもよい。同様に、希釈された排気ベントバルブ180は、希釈された排気ベントライン172に配置されてもよく、希釈された排気ベントバルブ180は、希釈された排気サンプル採取器144から希釈トンネル排気ライン140への希釈された排気サンプルの流れを許容又は防止するために開閉されてもよい。
【0050】
排出物検査システム100はさらに、希釈剤サンプル採取器154及び希釈された排気サンプル採取器144にそれぞれパージガスを供給するための希釈剤パージライン182及び希釈された排気パージライン184を含む。パージガスは、排気ガスと混合されていない周囲空気などの、クリーンガスであり得る。パージガスは、パージガス源186によって提供され、これは単に大気であってもよく、あるいは周囲空気をろ過してパージガスを生成するフィルタであってもよい。示されている実装形態において、単一のパージライン188は、パージガス源186から延び、希釈剤パージライン182と希釈された排気パージライン184とに分かれ、パージポンプ190はパージライン188に配置され、パージライン188を通してパージガスを送る。様々な実装形態において、希釈剤パージライン182及び希釈された排気パージライン184は、互いに独立してパージガス源186から延びてもよく、パージポンプ(図示せず)は、パージライン182、184のそれぞれに配置されてもよい。
【0051】
希釈剤パージバルブ192は、希釈剤パージライン182に配置されてもよく、希釈剤パージバルブ192は、パージガス源186から希釈剤サンプル採取器154へのパージガスの流れを許容又は防止するために開閉されてもよい。同様に、希釈された排気パージバルブ194は、希釈された排気パージライン184に配置されてもよく、希釈された排気パージバルブ194は、パージガス源186から希釈された排気サンプル採取器144へのパージガスの流れを許容又は防止するために開閉されてもよい。
【0052】
排出物検査システム100はさらに、排出物検査システム100の様々なセンサから受信した信号に基づいて、排出物検査システム100の様々なアクチュエータを制御する検査システム制御モジュール200を含む。排出物検査システム100のアクチュエータは、送風機104、106、バルブ122、126、134、142、146、150、158、162、166、178、180、192、194、及びポンプ128、136、152、160、168、176、190を含む。排出物検査システム100のセンサは、排出物分析器114、115、排気温度センサ202、排気圧力センサ204、希釈ガス流量計206、希釈された排気流量計208、希釈剤サンプル流量計210、希釈されたサンプル流量計212、及び未希釈サンプル流量計214を含む。希釈剤サンプル流量計210、希釈されたサンプル流量計212、及び未希釈サンプル流量計214は、それぞれ希釈剤回路108、希釈された排気回路110、及び未希釈排気回路112の一部とみなされ得る。
【0053】
検査システム制御モジュール200は、排出物検査システム100のアクチュエータを制御するために様々な制御信号を出力する。検査システム制御モジュール200は、送風機制御信号(図2)を各送風機104、106に出力し、送風機制御信号は、各送風機の目標デューティサイクル又は目標速度を示す。検査システム制御モジュール200は、バルブ制御信号(図2)を各バルブ122、126、134、142、146、150、158、162、166、178、180、192、194に出力し、バルブ制御信号は、各バルブの目標位置を示す。検査システム制御モジュール200は、ポンプ制御信号(図2)を各ポンプ128、136、152、160、168、176、190に出力し、ポンプ制御信号は、各ポンプの目標デューティサイクル又は目標速度を示す。
【0054】
排気温度センサ202は、排気ガス供給ライン118を流れる排気ガスの温度を測定し、排気温度を示す排気温度信号(図2)を出力する。排気圧力センサ204は、排気ガス供給ライン118を流れる排気ガスの圧力を測定し、排気圧力を示す排気圧力信号(図2)を出力する。排気温度及び圧力センサ202及び204は、排気温度及び圧力信号を検査システム制御モジュール200に出力する。
【0055】
希釈ガス流量計206は、希釈ガス供給ライン120内の希釈ガスの流量を測定し、希釈ガス流量を示す希釈ガス流量信号(図2)を出力する。希釈された排気流量計208は、希釈トンネル排気ライン140内の希釈された排気ガスの流量を測定し、希釈された排気流量を示す希釈された排気流量信号(図2)を出力する。希釈剤サンプル流量計210は、希釈剤サンプル供給ライン156を流れる希釈ガスサンプルの流量を測定し、希釈剤サンプル流量を示す希釈剤サンプル流量信号(図2)を出力する。希釈されたサンプル流量計212は、希釈された排気供給ライン132を流れる希釈された排気ガスサンプルの流量を測定し、希釈されたサンプル流量を示す希釈されたサンプル流量信号(図2)を出力する。未希釈サンプル流量計214は、未希釈排気供給ライン124を流れる未希釈排気ガスサンプルの流量を測定し、未希釈サンプル流量を示す未希釈サンプル流量信号(図2)を出力する。希釈ガス流量計206、希釈された排気流量計208、希釈剤サンプル流量計210、希釈されたサンプル流量計212、及び未希釈サンプル流量計214は、それぞれの流量信号を検査システム制御モジュール200に出力する。
【0056】
検査システム制御モジュール200は、センサによって行われた測定に基づいて汚染指標を決定し、汚染指標に基づいて排出物検査システム100及び/又はその構成要素の汚染可能性を特定する。検査システム制御モジュール200は、一定の間隔で汚染指標を決定して複数の汚染指標値を生成し、汚染指標値の合計が所定の値よりも大きい場合に、汚染可能性を特定し得る。加えて、汚染可能性が特定されると、検査システム制御モジュール200は、汚染可能性をユーザに通知する、及び/又はシステム100でメンテナンスを実施することを推奨するために、ユーザインタフェース装置216を制御し得る。さらに、検査システム制御モジュール200は、ユーザインタフェース装置216を制御して、メンテナンスが実行されたことを示すようにユーザを促し、ユーザがそうすると汚染指標値の合計をゼロに設定し得る。
【0057】
ユーザインタフェース装置216は、テキスト及び/又は画像などの視覚メッセージを表示する、及び/又はユーザ入力(例えば、ユーザがタッチスクリーンに触れる)に応答して電子信号を生成するように動作可能な電子表示装置(例えば、タッチスクリーン)を含み得る。加えて、ユーザインタフェース装置216は、音又は可聴メッセージを生成するように動作可能なスピーカーを含んでもよく、ユーザインタフェース装置216は、ユーザからの口頭コマンドを受信するように動作可能なマイクを含んでもよい。検査システム制御モジュール200は、ユーザインタフェース装置(UID)制御信号(図2)をユーザインタフェース装置216に出力し、UID制御信号は、ユーザインタフェース装置216によって通信される視覚的及び/又は可聴メッセージを示す。検査システム制御モジュール200はまた、ユーザインタフェース装置216からUID入力信号(図2)を受信してもよく、UID入力信号は、推奨されたメンテナンスが実行されたことを示すメッセージなどのユーザからのメッセージを示してもよい。
【0058】
ここで図2を参照すると、検査システム制御モジュール200の例示的な実装形態は、排気流量モジュール220、エンジン状態モジュール222、サンプリング制御モジュール224、送風機制御モジュール226、バルブ制御モジュール228、及びポンプ制御モジュール230を含む。排気流量モジュール220は、排気ガス供給ライン118を流れる排気ガスの流量を決定し、それを示す信号232を出力する。1つの例において、排気流量モジュール220は、希釈された排気流量計208によって測定された希釈されたガス流量から希釈ガス流量計206によって測定された希釈ガス流量を差し引いて、排気ガス供給ライン118を流れる排気ガスの流量を得る。
【0059】
様々な実装形態において、排気ガス供給ライン118を流れる排気ガスの流量は、エンジン116を制御する及び/又は排気供給ライン118において直接に測定されるパワートレイン制御モジュール(図示せず)から得られてもよい。代替として、排気流量モジュール220は、(i)希釈された排気流量計208によって測定された希釈された排気流量と、(ii)希釈トンネル排気ライン140中の排出物の濃度に対する、排気ガス供給ライン118中の排出物(例えば、二酸化炭素)の濃度の比との積に等しい排気流量を設定し得る。この比を決定する前に、排気流量モジュール220は、希釈トンネル排気ライン140中の排出物の濃度から希釈ガス供給ライン120中の排出物の濃度を差し引き得る。排出物検査システム100は、希釈ガス供給ライン120及び/又は希釈トンネル排気ライン140中の排出物の濃度を測定する1つ又は複数のセンサ(図示せず)を含み得る。代替として、希釈ガス供給ライン120内の排出物の濃度は、所定の(例えば、固定された)値であり得る。
【0060】
エンジン状態モジュール222は、エンジン116がオン(例えば、動作中)であるかオフ(例えば、動作中でない)であるかを判定し、それを示す信号234を出力する。エンジン状態モジュール222は、パワートレイン制御モジュールからの入力に基づいてエンジン116がオンであるかオフであるかを判定し得る。追加として又は代替として、エンジン状態モジュール222は、排気圧力センサ204によって出力される排気圧力信号の脈動の大きさ及び/又は周波数に基づいて、エンジン116がオンであるかオフであるかを判定し得る。1つの例において、エンジン状態モジュール222は、排気圧力信号の脈動の大きさが第1の値よりも大きい場合、エンジン116がオンであると判定する。別の例において、エンジン状態モジュール222は、排気圧力信号の脈動の周波数が第1周波数よりも大きい場合、エンジン116がオンであると判定する。
【0061】
第1周波数は、エンジン116のシリンダーの数及びエンジン116のアイドル回転数に基づいて予め決定され得る。例えば、第1周波数は、エンジン116のシリンダーの数とエンジン116のアイドル回転数との積以下の値に設定され得る。第1の値はまた、予め決定され得る。例えば、第1の値は、エンジン116のシリンダー内の燃焼現象により、エンジン116によって生成される排気ガスの圧力の予想される変化に設定され得る。
【0062】
エンジン状態モジュール222は、排気圧力信号出力の脈動の大きさ及び周波数の両方に基づいてエンジン116がオンであるかオフであるかを判定し得る。例えば、エンジン状態モジュール222は、第1周波数以上の周波数を有する排気圧力信号出力の脈動(本明細書では高周波数の脈動と呼ばれる)を特定し、特定された脈動の大きさの平均値を決定してもよい。次いで、エンジン状態モジュール222は、より高い周波数の脈動の大きさの平均値が第1の値以上である場合、エンジン116がオンであると判定し得る。
【0063】
送風機制御モジュール226は、上流側送風機104を制御して、希釈された排気ガスを目標流量で希釈トンネル102に強制的に通す。追加として又は代替として、送風機制御モジュール226は、下流側送風機106を制御して、希釈トンネル102を通して希釈された排気ガスを目標流量で引き込む。送風機制御モジュール226は、送風機制御信号を出力することによって、上流側送風機104及び/又は下流側送風機106を制御する。上述のように、送風機制御信号は、各送風機の目標デューティサイクル又は目標速度を示す。送風機制御モジュール226は、希釈された排気流量計208によって測定される希釈された排気流量と目標流量との差を最小限にするために、上流側送風機104及び/又は下流側送風機106の目標デューティサイクル又は目標速度を調整し得る。
【0064】
送風機制御モジュール226は、検査スケジュールの全期間にわたって希釈された排気流量を目標流量に維持するために、上流側送風機104及び/又は下流側送風機106を制御し得る。従って、送風機制御モジュール226は、検査スケジュールの第1検査段階が開始すると、上流側送風機104及び/又は下流側送風機106を起動してもよく、検査スケジュールの最後の検査段階が終了すると、上流側送風機104及び/又は下流側送風機106を停止してもよい。送風機制御モジュール226は、検査スケジュールの各検査段階の開始時と終了時、及び検査段階の順序(例えば、第1、第2、第3、最後)を示す検査段階ステータス信号を受信し得、したがって検査スケジュールの開始時と終了時を示す。
【0065】
バルブ制御モジュール228は、希釈トンネル102を通して希釈ガスの流量を調整するためにバルブ122の位置を調整し得る。追加として又は代替として、バルブ制御モジュール228は、希釈された排気ガスが希釈トンネル102を流れる速度を調整するためにバルブ142の位置を調整し得る。バルブ制御モジュール228は、検査スケジュールの全期間にわたって希釈された排気流量を目標流量に維持するために、バルブ142の位置を調整し得る。例えば、バルブ制御モジュール228は、検査スケジュールの第1検査段階が開始すると、バルブ142を開いてもよく、検査スケジュールの最後の検査段階が終了すると、バルブ142を閉じてもよい。バルブ制御モジュール228はまた、検査スケジュールの各検査段階の開始時と終了時、及び各検査段階の順序を示す検査段階ステータス信号も受信し得る。
【0066】
検査段階ステータス信号は、ユーザインタフェース装置216を介して受信したユーザ入力(例えば、ユーザがボタンを押す、又はタッチスクリーンのアイコンに触れる)に応じて検査スケジュールを実行する検査スケジュール実行モジュール(図示せず)によって生成され得る。検査スケジュール実行モジュールは、検査システム制御モジュールに含まれていてもよく、又は検査システム制御モジュールと通信する別個のモジュールであってもよい。検査スケジュール実行モジュールは、複数の検査スケジュールを保存し、ユーザ入力に基づいて複数の検査スケジュールから実行する検査スケジュールを選択し得る。各検査スケジュールは、所定数の検査段階を含み得る。各検査段階は、所定の期間を有してもよく、及び/又は時間に対する目標車両速度を指定してもよい。
【0067】
検査段階ステータス信号は、各検査段階の開始時と終了時、及び各検査段階の順序を示すことに加えて、時間に対する目標車両速度を示し得る。検査スケジュールモジュールは、パワートレイン制御モジュールに検査段階ステータス信号を出力してもよく、これは検査スケジュールに従って車両(図示せず)を推進させるために、エンジン116及び/又は電動機(図示せず)を制御してもよい。検査スケジュールモジュールはまた、動力計制御モジュール(図示せず)に検査段階ステータス信号を出力してもよく、これはエンジン116及び/又は車両の車輪に加えられる負荷を調整するために、動力計(図示せず)を制御してもよい。例えば、検査段階ステータス信号はまた、時間に対する道路勾配の変化を示してもよく、動力計制御モジュールは、道路勾配のこれらの変化をシミュレートするために、エンジン116及び/又は車輪に加えられる負荷を調整してもよい。
【0068】
サンプリング制御モジュール224は、バルブ制御モジュール228及びポンプ制御モジュール230の動作を調整し、検査スケジュールの各検査段階中にサンプルガスをサンプル採取器144、154に向ける。加えて、サンプリング制御モジュール224は、バルブ制御モジュール228及びポンプ制御モジュール230の動作を調整し、各検査段階後にサンプル採取器144、146から排出物分析器114にガスサンプルを送る。さらに、サンプリング制御モジュール224は、バルブ制御モジュール228及びポンプ制御モジュール230の動作を調整し、ガスサンプルが排出物分析器114に送られた後にパージガスをサンプル採取器144、154に送る。さらに、サンプリング制御モジュール224は、バルブ制御モジュール228及びポンプ制御モジュール230の動作を調整し、サンプル採取器144、154からガスサンプルを排出する。サンプリング制御モジュール224は、検査段階ステータス信号を使用し、検査スケジュールの各検査段階がいつ開始及び終了するかを決定し得る。
【0069】
以下の議論において、サンプリング制御モジュール224は、バルブ126、134、146、150、158、162、166、178、180、192、194を開閉する。サンプリング制御モジュール224は、各バルブの所望の位置(例えば、開又は閉)を示す信号236をバルブ制御モジュール228に送ることによってこれを達成し得る。また、以下の議論において、サンプリング制御モジュール224は、ポンプ128、136、152、160、168、176、190を起動及び停止する。サンプリング制御モジュール224は、各ポンプの所望の状態(例えば、動作又は停止)を示す信号238をポンプ制御モジュール230に送ることによってこれを達成し得る。
【0070】
排出物検査スケジュールは、複数の検査段階を含み得る。例えば、アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)の連邦テスト法は、コールドスタート段階、低温安定化段階、及びホットスタート段階を含む。各検査段階中に、サンプリング制御モジュール224は、希釈された排気抽出バルブ134を開き、希釈された排気抽出ポンプ136を起動して希釈トンネル102から希釈された排気ガスのサンプルを抽出する。加えて、サンプリング制御モジュール224は、希釈された排気充填バルブ146を開き、希釈された排気ガスサンプルを希釈された排気サンプル採取器144に送る。排出物検査システム100は、上述のように複数の希釈された排気サンプル採取器を含んでもよく、サンプリング制御モジュール224は、各検査段階中にサンプル採取器の1つに希釈された排気サンプルを向けてもよい。
【0071】
また、各検査段階中に、サンプリング制御モジュール224は、希釈剤抽出バルブ158を開き、希釈剤抽出ポンプ160を起動して希釈ガス供給ライン120から希釈ガスのサンプルを抽出する。加えて、サンプリング制御モジュール224は、希釈剤充填バルブ146を開き、希釈ガスサンプルを希釈剤サンプル採取器154に送る。排出物検査システム100は、上述のように複数の希釈剤サンプル採取器を含んでもよく、サンプリング制御モジュール224は、各検査段階中にサンプル採取器の1つに希釈ガスサンプルを向けてもよい。
【0072】
様々な実装形態において、検査段階中にエンジン116がオンである場合、サンプリング制御モジュール224は、希釈された排気ガス及び希釈ガスをそれぞれ希釈された排気サンプル採取器144及び希釈剤サンプル採取器154にのみ向け得る。しかしながら、サンプリング制御モジュール224は、サンプルのサイズが排出物分析器114に十分であることを保証するために、検査段階のある時点でエンジン116がオン又はオフに関わらず、希釈ガスをサンプル採取器144、154に向け得る。サンプル制御モジュール274は、収集されたガスの量及び検査段階に残っている時間の量に基づいて、この時点を決定し得る。
【0073】
サンプルが収集された後、サンプル採取器144、154、サンプリング制御モジュール224は、リードバルブ150、166を開き、リードポンプ152、168を起動してサンプルを排出物分析器114に向ける。次に、サンプリング制御モジュール224は、パージポンプ190を起動し、パージバルブ192、194を開いてパージガスをサンプル採取器144、154に送る。次いで、サンプリング制御モジュール224は、ベントポンプ176を起動し、ベントバルブ178、180を開いて、サンプル採取器144、154からパージガスを排出する。
【0074】
サンプリング制御モジュール224はまた、未希釈排気抽出バルブ126を開き、未希釈排気抽出ポンプ128を起動して排気ガス供給ライン118から未希釈排気ガスのサンプルを抽出し、排出物分析器115に未希釈排気ガスサンプルを送る。サンプリング制御モジュール224が希釈された排気ガスを希釈された排気サンプル採取器144に向ける場合に、サンプリング制御モジュール224は、未希釈排気ガスを排出物分析器115に向け得る。代替として、サンプリング制御モジュール224は、異なる時間に、それぞれ、未希釈排気ガス及び希釈された排気ガスを、排出物分析器115及び希釈された排気サンプル採取器144に向け得る。
【0075】
図2に示される検査システム制御モジュール200の例示的な実装形態はさらに、汚染指標モジュール240及び診断モジュール242を含む。汚染指標モジュール240は、下記パラメータ:流量計210、212、及び/又は214からのサンプル流量;排出物分析器114及び/又は115からの排出物濃度;排出物検査システム100の動作時間、排気温度センサ202からの排気温度;及び排気圧力センサ204からの排気圧力、の少なくとも1つ、2つ又は3つ(例えば、全て)に基づいて汚染指標を決定する。汚染指標モジュール240は、汚染指標の値を示す信号244を出力する。
【0076】
汚染指標モジュール240は、前述のパラメータの1つ、2つ、又は3つ以上を汚染指標に関連付ける関数(例えば、方程式)又はマッピング(例えば、ルックアップテーブル)を使用して汚染指標を決定し得る。汚染指標モジュール240は、排出物検査システム100全体について単一の汚染指標を決定し得る。代替として、汚染指標モジュール240は、汚染されている可能性がある排出物検査システム100の各構成要素についての汚染指標を決定し得る。汚染されている可能性がある排出物検査システム100の構成要素は、送風機104、106、バルブ122、126、134、142、146、150、158、162、166、178、180、192、194、ポンプ128、136、152、160、168、176、190、サンプル採取器144、154、排出物分析器114、115、センサ202、204、及び流量計208、210、212、214を含む。
【0077】
1つの例において、汚染指標モジュール240は、次のような関係を用いて汚染指標を決定し得る。
【0078】
【数1】

ここで、CIは汚染指標であり、
【0079】
【数2】

は希釈剤サンプル流量計210、希釈されたサンプル流量計212、又は未希釈サンプル流量計214からのサンプル流量であり、
【0080】
【数3】

は排出物分析器114又は115からの排出物濃度であり、tは排出物検査システム100の動作時間であり、Tは排気温度センサ202からの排気温度であり、及びPは排気圧力センサ204からの排気圧力である。
【0081】
はサンプル流量に適用される第1重み付け係数であり、Wは排出物濃度に適用される第2重み付け係数であり、Wはシステム動作時間に適用される第3重み付け係数であり、Wは排気温度に適用される第4重み付け係数であり、Wは排気圧力に適用される第5重み付け係数である。重み付け係数W、W、W、W、Wの値は互いに異なり得る。代替として、重み付け係数W、W、W、W、Wの2つ又は複数が同じ値を有し得る。
【0082】
はサンプル流量に適用される第1指数であり、eは排出物濃度に適用される第2指数であり、eはシステム動作時間に適用される第3指数であり、eは排気温度に適用される第4指数であり、eはシステム排気圧力に適用される第5指数である。
指数e、e、e、e、及びeの値は互いに異なり得る。代替として、指数e、e、e、e、eの2つ又は複数が同じ値を有し得る。どちらの場合でも、指数e、e、e、e、eは高次の指数であり得る(例えば、2以上であり得る)。
【0083】
重み付け係数W、W、W、W、W及び指数e、e、e、e、eは、対応するパラメータが汚染指標に与える影響を増減するために調整され得る。例えば、第1重み付け値W及び/又は第1指数eは、サンプル流量が汚染指標に与える影響を増加させるために増加し得、逆もまた同様である。加えて、重み付け係数W、W、W、W、W及び指数e、e、e、e、eは、対応するパラメータが排出物検査システム100又はその構成要素の汚染レベルに与える影響を反映するために互いに対して調整され得る。例えば、サンプル流量及び排出物濃度が、システム動作時間、排気圧力、及び排気温度よりも汚染レベルにより大きな影響を与える場合、第1重み付け値W及び第2重み付け値Wは、第3、第4、及び第5重み付け値W、W、及びWより大きい値に設定され得る。
【0084】
汚染指標モジュール240は、汚染されている可能性がある排出物検査システム100の各構成要素についての汚染指標を決定する場合、重み付け係数W、W、W、W、W及び指数e、e、e、e、eは、汚染指標が決定されている特定の構成要素に基づいて選択され得る。例えば、希釈された排気ガスサンプル212の流量は、バルブ142の汚染レベルよりも排出物分析器114の汚染レベルにより大きな影響を与える場合、第1重み付け係数W1及び第1指数e1は、排出物分析器114についての汚染指標を決定するときに、バルブ142についての汚染指標を決定するときよりもより大きな値に設定され得る。
【0085】
別の例において、汚染指標モジュール240は、次のような関係を用いて汚染指標を決定し得る。
【0086】
【数4】

ここで、x、x、及びxはそれぞれ下記パラメータ:流量計210、212、又は214からのサンプル流量;排出物分析器114又は115からの排出物濃度;排出物検査システム100の動作時間;排気温度センサ202からの排気温度;及び排気圧力センサ204からの排気圧力の、第1パラメータ、第2パラメータ、及び第3パラメータである。関係(1)及び(2)におけるサンプル流量は、瞬間的なサンプル流量又は時間に関して積分されたサンプル流量であり得る。関係(1)及び(2)における排出物濃度は、流量計210又は212からの信号によって示され、排出物濃度を表す電圧、電流、又は質量であり得る。
【0087】
サンプリング制御モジュール224は、システム動作時間を追跡するためのタイマーを含み得る。サンプリング制御モジュール224は、サンプリング制御モジュール224が希釈剤を希釈剤回路108に向ける場合、サンプリング制御モジュール224が希釈された排気ガスを希釈された排気回路110に向ける場合、及び/又はサンプリング制御モジュール224が未希釈排気ガスを未希釈排気回路114に向ける場合、タイマーを増やし得る。サンプリング制御モジュール224は、システム動作時間を示す信号246を出力し得る。
【0088】
診断モジュール242は、汚染指標に基づいて排出物検査システム100及び/又はその構成要素の汚染可能性を特定する。1つの例において、汚染指標モジュール240は、複数の汚染指標値を得るために一定の間隔(例えば、毎秒)で汚染指標を決定し、診断モジュール242は、汚染指標値の合計が所定の値よりも大きい場合に、汚染可能性を特定する。加えて、汚染可能性が特定される場合、診断モジュール242は、汚染可能性をユーザに通知する、及び/又は排出物検査システム100でメンテナンスを実施することを推奨するために、ユーザインタフェース装置216を制御し得る。さらに、診断モジュール242は、メンテナンスが実行されたことを示すようにユーザに促すためにユーザインタフェース装置216を制御してもよく、診断モジュール242は、ユーザがそうすると汚染指標値の合計をゼロに設定してもよい。
【0089】
所定の値は、例えば、試行錯誤及び/又は実験計画法を使用した実験を通じて決定され得る。例えば、汚染指標モジュール240は、関係(1)又は(2)を使用してシステム動作の一定の間隔で汚染指標を決定し、汚染指標値の合計を決定し得る。一方、排出物検査システム100は、視覚的に検査されてもよく、及び/又はシステム100の構成要素の性能は、一定の間隔で評価されてもよい。目視検査及び/又は性能評価が排出物検査システム100の構成要素が汚染されていることを示す場合、診断モジュール242は、その時点の汚染指標値の合計に等しい所定の値を設定し得る。
【0090】
診断モジュール242は、異なるエンジン動作条件(例えば、エンジン負荷、排気温度)、異なる検査段階、異なるエンジンタイプ、及び/又は後処理装置の上流側又は下流側で抽出された排気について、上記の方法で所定の値を決定し得る。診断モジュール242は、エンジン動作条件、検査段階、エンジンタイプ、及び/又は所定の値を決定する排気抽出ポイントを選択するために実験計画法を使用し得る。診断モジュール242は、決定された所定の値の全ての平均値に等しい所定の値を設定し得る。
【0091】
汚染指標が、構成要素に基づいて決定される場合、所定の値はまた構成要素に基づいて決定され得る。例えば、汚染指標モジュール240は、関係(1)又は(2)を使用してシステム動作の一定の間隔で排出物検査システム100の構成要素の汚染指標を決定し、汚染指標値の合計を決定し得る。一方、構成要素は、視覚的に検査されてもよく、及び/又は構成要素の性能は、一定の間隔で評価されてもよい。目視検査及び/又は性能評価が、構成要素が汚染されていることを示す場合、診断モジュール242は、その時点の汚染指標値の合計に等しい所定の値を設定し得る。
【0092】
所定の値が設定されると、汚染指標値の合計が所定の値に達する前に、構成要素が性能評価に失敗した場合、汚染指標モジュール240は、1つ又は複数の重み付け係数W、W、W、W、W、及び/又は1つ又は複数の指数e、e、e、e、eを調整し得る。例えば、汚染指標値の合計が所定の値に達する前に、排出物分析器114が性能評価に失敗した場合、サンプル流量及び排出物濃度についての重み付け係数及び/又は指数は、これらのパラメータが排出物分析器114の汚染レベルに大きな影響を与えるため、増加され得る。同様に、汚染指標モジュール240は、性能評価に失敗する前に排出物分析器114内の汚染可能性を特定し得、これは分析器114の分析結果が正確であることを保証する。
【0093】
診断モジュール242は、汚染可能性が特定される場合、排出物検査システム100の特定の構成要素のメンテナンスを実行することを推奨し得る。例えば、診断モジュール242は、フィルタの交換、センサの交換、及び/又はセンサの新しい校正の実行を推奨し得る。診断モジュール242は、構成要素について決定された汚染指標値の合計が所定の値より大きい場合、排出物検査システム100の特定の構成要素のメンテナンスを実行することを推奨し得る。
【0094】
加えて、診断モジュール242は、汚染可能性が特定されたときを示す信号248を出力してもよく、サンプリング制御モジュール224は、汚染可能性が特定されたときに検査スケジュールの実行を停止してもよい。例えば、汚染可能性が特定されると、サンプリング制御モジュール224は、希釈された排気ガスを希釈された排気サンプル採取器144に向けることを停止してもよく、希釈ガスを希釈剤サンプル採取器154に向けることを停止してもよく、及び/又は未希釈排気ガスを排出物分析器115に向けることを停止してもよい。加えて、信号248は、推奨されたメンテナンスがいつ実行されたかを示してもよく、サンプリング制御モジュール224は、メンテナンスが実行されたときに検査スケジュールの実行を再開してもよい。
【0095】
ここで図3を参照すると、排出物検査システム100及び/又はその構成要素の汚染レベルを決定するための方法は、302で開始する。図3の方法は、図2のモジュールとの関連で説明されている。しかしながら、図3の方法のステップを実行する特定のモジュールは、以下で説明されるものとは異なってもよく、及び/又は図3の方法は、図2のモジュールとは別に実装されてもよい。
【0096】
304において、排気温度センサ202は、排気ガス供給ライン118を流れる排気ガスの温度を測定する。306において、排気圧力センサ204は、排気ガス供給ライン118を流れる排気ガスの圧力を測定する。308において、希釈されたサンプル流量計212は、希釈された排気供給ライン132を流れる希釈された排気ガスサンプルの流量を測定する。追加として又は代替として、希釈剤サンプル流量計210は、希釈剤サンプル供給ライン156を流れる希釈ガスサンプルの流量を測定し得る。追加として又は代替として、未希釈サンプル流量計214は、未希釈排気供給ライン124を流れる未希釈排気ガスサンプルの流量を測定し得る。
【0097】
310において、排出物分析器114は、希釈された排気ガスサンプル中の1つ又は複数の排出物の濃度を決定する。追加として又は代替として、排出物分析器114は、希釈ガスサンプル中の1つ又は複数の排出物の濃度を決定し得る。追加として又は代替として、排出物分析器115は、未希釈排気ガスサンプル中の1つ又は複数の排出物の濃度を決定し得る。
【0098】
312において、汚染指標モジュール240は、システム動作の一定の間隔で汚染指標を決定して、複数の汚染指標値を得る。314において、汚染指標モジュール240は、汚染指標値の合計を決定する。316において、診断モジュール242は、汚染指標値の合計が所定の値よりも大きいかどうかを判定する。汚染指標値の合計が所定の値よりも大きい場合、方法は318に進み、診断モジュール242は、排出物検査システム100及び/又はその構成要素の汚染可能性を特定する。そうでない場合、方法は320に進み、診断モジュール242は、排出物検査システム100及び/又はその構成要素の汚染可能性を特定しない。
【0099】
318の後、方法は322に進み、診断モジュール242は、排出物検査システム100及び/又はその構成要素のメンテナンスを実施することを推奨する。324において、診断モジュール242は、メンテナンスが実施されたことをユーザが示したかどうかを判定する。ユーザが、メンテナンスが実施されたことを示した場合、方法は326に進み、汚染指標モジュール240は、汚染指標値の合計をゼロに設定する。そうでない場合、診断モジュール242は、メンテナンスの実施を推奨し続ける。326の後、方法は304に戻る(すなわち、方法が再開する)。
【0100】
ここで図4を参照すると、第1曲線402、第2曲線404、及び第3曲線406は、時間単位で時間を表すx軸408及び汚染指標を表すy軸410に関してプロットされている。第1、第2、及び第3曲線402、404、及び406は、汚染指標が時間に関して増加し得る異なる方法を表す。本明細書で図4を参照する際に使用される「汚染指標」は、汚染指標値の合計である。例えば、各反復中に、汚染指標モジュール240は、関係(1)又は(2)を使用して汚染指標の新しい値を決定し、新しい汚染指標と最後の反復からの汚染指標との合計に等しい汚染指標を設定し得る。
【0101】
第1、第2、及び第3曲線402、404、及び406のそれぞれによって示される汚染指標は、汚染指標が所定の値又は限界412に等しくなるまで増加する。その時点で、汚染指標モジュール240は、汚染指標をゼロに設定する。汚染指標は限界412に関して正規化されているため、限界412は100に等しい。言い換えれば、汚染指標は限界412の百分率として表される。
【0102】
第1曲線402によって示されるように、汚染指標は、時間に対して指数関数的に増加し得る。代替として、第2及び第3曲線404及び406によって示されるように、汚染指標は、時間に関して線形に増加し得る。加えて、第1、第2、及び第3曲線402、404、及び406によって示されるように、汚染指標は、異なる速度で増加し得る。この目的に向けて、第1曲線402によって示される汚染指標は、50時間にわたって0から100に増加し、第2曲線404によって示される汚染指標は、100時間にわたって0から100に増加し、そして第3曲線406によって示される汚染指標は、75時間にわたって0から100に増加する。上記のように、汚染指標が増加する速度は、サンプル流量、排出物濃度、排気温度、及び排気圧力などの要因に依存し得る。
【0103】
前述の説明は、本質的に単なる例示であり、開示、その適用、又は使用を限定することを決して意図していない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実施できる。従って、本開示は特定の例を含むが、図面、明細書、及び下記特許請求の範囲を検討すると、他の変更が明らかになるため、本開示の真の範囲はそのように限定されるべきではない。方法内の1つ又は複数のステップは、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(又は同時に)実行され得ることを理解されたい。さらに、各実施形態は特定の特徴を有するものとして上記で記載されているが、本開示の任意の実施形態に関して説明されるこれらの特徴の任意の1つ又は複数は、たとえその組み合わせが明示的に説明されていなくても、他の実施形態の任意の特徴に実装及び/又は組み合わせることができる。言い換えれば、記載された実施形態は、相互に排他的ではなく、1つ又は複数の実施形態の相互の置換は、本開示の範囲内に留まる。
【0104】
要素間(例えば、モジュール間、回路要素間、半導体層間など)の空間的及び機能的関係は、「接続」、「係合」、「連結」、「隣接」、「隣」、「上」、「上方」、「下」、及び「配置」などの様々な用語を使用して説明される。「直接」であると明示的に記載されていない限り、上記の開示で第1要素と第2要素の関係が説明されている場合、その関係は、第1要素と第2要素の間に他の介在要素が存在しない直接的な関係である場合があるが、1つ又は複数の介在要素が(空間的又は機能的に)第1要素と第2要素の間に存在する間接的な関係である場合もある。本明細書で使用される場合、A、B、及びCの少なくとも1つという表現は、非排他的論理ORを使用する論理(A OR B OR C)を意味すると解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、及びCの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。
【0105】
図面において、矢印で示される矢の方向は、一般に図に関係のある情報(データ又は指示など)の流れを示す。例えば、要素A及び要素Bが様々な情報を交換するが、要素Aから要素Bに送信される情報が図に関連している場合、矢は要素Aから要素Bを指し得る。この一方向の矢は、他の情報が要素Bから要素Aに送信されないことを意味するものではない。さらに、要素Aから要素Bに送られる情報の場合、要素Bは、その情報の要求又は受信確認を要素Aに送り得る。
【0106】
以下の定義を含む本出願において、「モジュール」という用語又は「コントローラ」という用語は、「回路」という用語に置き換えられ得る。「モジュール」という用語は、特定用途向け集積回路(ASIC);デジタル、アナログ、又はアナログ/デジタル混合ディスクリート回路;デジタル、アナログ、又はアナログ/デジタル混合集積回路;組み合わせ論理回路;フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA);コードを実行するプロセッサ回路(共有、専用、又はグループ);プロセッサ回路によって実行されるコードを保存するメモリ回路(共有、専用、又はグループ);説明した機能を提供する他の適切なハードウェアコンポーネント;又はシステムオンチップなど、上記の一部又は全ての組み合わせを指すか、その一部であるか、又は含み得る。
【0107】
モジュールは、1つ又は複数のインターフェース回路を含み得る。いくつかの例において、インターフェース回路は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、又はそれらの組み合わせに接続される有線又は無線インターフェースを含み得る。本開示の任意の所与のモジュールの機能は、インターフェース回路を介して接続される複数のモジュールに分散され得る。例えば、複数のモジュールは、ロードバランシングを可能にし得る。さらなる例において、サーバー(リモート、又はクラウドとしても知られている)モジュールは、クライアントモジュールに代わって一部の機能を達成し得る。
【0108】
上記で使用されるコードという用語は、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又はマイクロコードを含んでもよく、プログラム、ルーチン、関数、クラス、データ構造、及び/又はオブジェクトを指してもよい。共有プロセッサ回路という用語は、複数のモジュールからの一部又は全てのコードを実行する単一のプロセッサ回路を含む。グループプロセッサ回路という用語は、追加のプロセッサ回路と組み合わせて、1つ又は複数のモジュールからの一部又は全てのコードを実行するプロセッサ回路を含む。複数のプロセッサ回路への言及は、個別のダイ上の複数のプロセッサ回路、単一のダイ上の複数のプロセッサ回路、単一のプロセッサ回路の複数のコア、単一のプロセッサ回路の複数のスレッド、又は上記の組み合わせを含む。共有メモリ回路という用語は、複数のモジュールからの一部又は全てのコードを格納する単一のメモリ回路を含む。グループメモリ回路という用語は、追加のメモリと組み合わせて、1つ又は複数のモジュールからの一部又は全てのコードを格納するメモリ回路を含む。
【0109】
メモリ回路という用語は、コンピュータ可読媒体という用語のサブセットである。本明細書で使用されるコンピュータ可読媒体という用語は、(搬送波などの)媒体を介して伝播する一時的な電気又は電磁気信号を含まず、従ってコンピュータ可読媒体という用語は、有形かつ非一時的とみなされ得る。非一時的で有形のコンピュータ可読媒体の非限定的な例は、不揮発性メモリ回路(フラッシュメモリ回路、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ回路、又はマスク読み取り専用メモリ回路)、揮発性メモリ回路(スタティックランダムアクセスメモリ回路又はダイナミックランダムアクセスメモリ回路など)、磁気記憶媒体(アナログ若しくは又はデジタル磁気テープ又はハードディスクドライブなど)、及び光記憶媒体(CD、DVD、又はブルーレイディスクなど)である。
【0110】
本出願に記載される装置及び方法は、コンピュータプログラムに組み込まれた1つ又は複数の特定の機能を実行するように汎用コンピュータを構成することによって作成された専用コンピュータによって部分的又は完全に実装され得る。上記の機能ブロック、フローチャートコンポーネント、及び他の要素は、ソフトウェア仕様として機能し、これは、熟練した技術者又はプログラマーの定常業務によってコンピュータプログラムに変換され得る。
【0111】
コンピュータプログラムは、少なくとも1つの非一時的な有形のコンピュータ可読媒体に保存されたプロセッサ実行可能命令を含む。コンピュータプログラムはまた、保存されたデータを含むか、それに依存し得る。コンピュータプログラムは、専用コンピュータのハードウェアと相互作用する基本入出力システム(BIOS)、専用コンピュータの特定の装置と相互作用するデバイスドライバ、1つ又は複数のオペレーティングシステム、ユーザアプリケーション、バックグラウンドサービス、バックグラウンドアプリケーションなどを含み得る。
【0112】
コンピュータプログラムは、(i)HTML(ハイパーテキストマークアップ言語)、XML(エクステンシブルマークアップ言語)、又はJSON(JavaScript Object Notation)などの、解析される説明テキスト、(ii)アセンブリコード、(iii)コンパイラによってソースコードから生成されたオブジェクトコード、(iv)インタープリターによる実行のためのソースコード、(v)ジャストインタイムコンパイラによるコンパイルと実行のためのソースコード、などを含み得る。単なる例として、ソースコードは、C、C++、C#、Objective-C、Swift、Haskell、Go、SQL、R、Lisp、Java(登録商標)、Fortran、Perl、Pascal、Curl、OCaml、Javascript(登録商標)、HTML5(ハイパーテキストマークアップ言語第5版)、Ada、ASP(アクティブサーバーページ)、PHP(PHP:ハイパーテキストプリプロセッサ)、Scala、Eiffel、Smalltalk、Erlang、Ruby、Flash(登録商標)、Visual Basic(登録商標)、Lua、MATLAB、SIMULINK、及びPython(登録商標)などの言語の構文を使用して記載し得る。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
排出物検査システム(100)であって、
エンジン(116)からの排気ガスのサンプル中の排出物の濃度を決定するように構成された排出物分析器(114、115);
前記排気ガスサンプルの流量、前記排気ガスサンプル中の前記排出物の濃度、前記排出物検査システム(100)の動作時間、前記排気ガスの圧力、及び前記排気ガスの温度のうち少なくとも2つに基づいて汚染指標を決定するように構成された汚染指標モジュール(240);並びに
前記汚染指標に基づいて前記排出物検査システム(100)及び前記排出物検査システム(100)の構成要素のうち少なくとも1つの汚染可能性を特定するように構成された診断モジュール(242)を含む該システム。
[2]
前記エンジン(116)からの前記排気ガス及び希釈ガス源からの希釈ガスを受け取るように構成された希釈トンネル(102);及び
前記希釈トンネル(102)から希釈された排気ガスのサンプルを受け取るように構成されたサンプル採取器(144)をさらに含み、前記排出物分析器(114)は、前記希釈された排気ガスサンプル中の排出物の濃度を決定するように構成されている[1]の排出物検査システム(100)。
[3]
前記排気ガスサンプルは希釈されていない[1]の排出物検査システム(100)。
[4]
前記汚染指標モジュール(240)は、前記サンプル流量、前記排出物濃度、前記システム動作時間、前記排気圧力、及び前記排気温度に基づいて前記汚染指標を決定するように構成されている[1]の排出物検査システム(100)。
[5]
前記汚染指標モジュール(240)は、
第1重み付け係数と、前記サンプル流量、前記排出物濃度、前記システム動作時間、前記排気圧力、及び前記排気温度の第1の1つとの第1積;並びに
第2重み付け係数と、前記サンプル流量、前記排出物濃度、前記システム動作時間、前記排気圧力、及び前記排気温度の第2の1つとの第2積に基づいて前記汚染指標を決定するように構成され、前記第2重み付け係数は、前記第1重み付け係数とは異なる値を有する[1]の排出物検査システム(100)。
[6]
前記汚染指標モジュール(240)は、
前記サンプル流量、前記排出物濃度、前記システム動作時間、前記排気圧力、及び前記排気温度の第1の1つの第1指数乗の第1結果;並びに
前記サンプル流量、前記排出物濃度、前記システム動作時間、前記排気圧力、及び前記排気温度の第2の1つの第2指数乗の第2結果に基づいて前記汚染指標を決定するように構成され、前記第2指数は、前記第1指数とは異なる値を有する[1]の排出物検査システム(100)。
[7]
前記汚染指標モジュールは、
複数の汚染指標値を得るために一定の間隔で前記汚染指標を決定し;かつ
前記汚染指標値の合計が所定の値よりも大きい場合に、前記排出物検査システム(100)及び前記排出物検査システムの構成要素のうち少なくとも1つの汚染可能性を特定するように構成されている[1]の排出物検査システム(100)。
[8]
前記汚染指標モジュールは、
前記汚染指標値の合計が前記所定の値よりも大きい場合に、ユーザが前記排出物検査システム(100)のメンテナンスを実行することを推奨し;かつ
前記ユーザが前記メンテナンスを実行したことを示す場合に、前記汚染指標値の合計をゼロに設定するように構成されている[7]の排出物検査システム(100)。
[9]
排出物検査システムを通過する排気ガスサンプルの流量、前記排気ガスサンプル中の排出物の濃度、前記排出物検査システムの動作時間、前記排気ガスの圧力、及び前記排気ガスの温度のうち少なくとも2つに基づいて汚染指標を決定すること;並びに
前記汚染指標に基づいて排出物検査システム(100)及び前記排出物検査システム(100)の構成要素のうち少なくとも1つの汚染可能性を特定することを含む方法。
[10]
前記排気ガスサンプルは希釈ガスで希釈される[9]の方法。
[11]
前記排気ガスサンプルは希釈されていない[9]の方法。
[12]
前記サンプル流量、前記排出物濃度、前記システム動作時間、前記排気圧力、及び前記排気温度に基づいて前記汚染指標を決定することをさらに含む[9]の方法。
[13]
第1重み付け係数と、前記サンプル流量、前記排出物濃度、前記システム動作時間、前記排気圧力、及び前記排気温度の第1の1つとの第1積;並びに
第2重み付け係数と、前記サンプル流量、前記排出物濃度、前記システム動作時間、前記排気圧力、及び前記排気温度の第2の1つとの第2積に基づいて前記汚染指標を決定することをさらに含み、前記第2重み付け係数は、前記第1重み付け係数とは異なる値を有する[9]の方法。
[14]
前記サンプル流量、前記排出物濃度、前記システム動作時間、前記排気圧力、及び前記排気温度の第1の1つの第1指数乗の第1結果;並びに
前記サンプル流量、前記排出物濃度、前記システム動作時間、前記排気圧力、及び前記排気温度の第2の1つの第2指数乗の第2結果に基づいて前記汚染指標を決定することをさらに含み、前記第2指数は、前記第1指数とは異なる値を有する[9]の方法。
[15]
複数の汚染指標値を得るために一定の間隔で前記汚染指標を決定すること;及び
前記汚染指標値の合計が所定の値よりも大きい場合に、前記排出物検査システム(100)及び前記排出物検査システムの構成要素のうち少なくとも1つの汚染可能性を特定することをさらに含む[9]の方法。
図1
図2
図3
図4