(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】包皮食品を電子レンジで加熱調理するための方法及びキット
(51)【国際特許分類】
A23L 35/00 20160101AFI20241202BHJP
A23L 3/365 20060101ALI20241202BHJP
A23L 5/10 20160101ALI20241202BHJP
【FI】
A23L35/00
A23L3/365 A
A23L5/10 C
(21)【出願番号】P 2020058681
(22)【出願日】2020-03-27
【審査請求日】2023-01-05
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516147981
【氏名又は名称】伊藤ハム米久ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100172557
【氏名又は名称】鈴木 啓靖
(72)【発明者】
【氏名】山梨 記代美
【審査官】楠 祐一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-125385(JP,A)
【文献】国際公開第2007/029565(WO,A1)
【文献】特開平02-100645(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0012380(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0002179(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2003-0069121(KR,A)
【文献】国際公開第2018/038203(WO,A1)
【文献】特開2000-309384(JP,A)
【文献】特開2002-262840(JP,A)
【文献】特開2005-065533(JP,A)
【文献】特開2016-208946(JP,A)
【文献】特開2001-258518(JP,A)
【文献】特開平02-005846(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍小籠包を電子レンジで加熱調理するための方法であって、
以下の工程:
(a)冷凍小籠包を準備する工程;
(b)
ナトリウムイオン供給源及び塩化物イオン供給源として塩化ナトリウムのみを含む水溶液を準備する工程;
(c)工程(a)で準備された冷凍小籠包の表面に、工程(b)で準備された水溶液を添加する工程;並びに
(d)工程(c)に供された冷凍小籠包を電子レンジで
、小籠包の中心温度が20℃以上100℃以下となるように加熱調理する工程
を含み、
工程(b)で準備された水溶液に含まれるナトリウムイオン及び塩化物イオンの塩化ナトリウム換算量が、工程(b)で準備された水溶液の質量を基準として、0.4質量%以上3.0質量%以下であり、
工程(c)において冷凍小籠包の表面に添加される水溶液の量が、工程(a)で準備された冷凍小籠包の質量を基準として、10質量%以上40質量%以下である、方法。
【請求項2】
工程(a)において、2個以上の冷凍小籠包を準備し、
工程(a)で準備された2個以上の冷凍小籠包のそれぞれに対して工程(c)を実施し、
工程(d)において、工程(c)に供された2個以上の冷凍小籠包を一度に電子レンジで加熱調理する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1容器と、第1容器に収容された冷凍小籠包と、第2容器と、第2容器に収容された収容物とを備える、冷凍小籠包を電子レンジで加熱調理するためのキットであって、
第2容器に収容された収容物が、
ナトリウムイオン供給源及び塩化物イオン供給源として塩化ナトリウムのみを含む水溶液又はその凝固物であり、
水溶液に含まれるナトリウムイオン及び塩化物イオンの塩化ナトリウム換算量が、水溶液の質量を基準として、0.4質量%以上3.0質量%以下であり、
第2容器に収容された収容物の量が、第1容器に収容された冷凍小籠包の質量を基準として、10質量%以上40質量%であり、
キットが、以下の工程:
(e)第1容器に収容された冷凍小籠包の表面に、第2容器に収容された水溶液又は第2容器に収容された凝固物の解凍により得られる水溶液を添加する工程;及び
(f)工程(e)に供された冷凍小籠包を電子レンジで
、小籠包の中心温度が20℃以上100℃以下となるように加熱調理する工程
を含む方法を実施するために使用され、
工程(e)において冷凍小籠包の表面に添加される水溶液の量が、第1容器に収容された冷凍小籠包の質量を基準として、10質量%以上40質量%以下である、キット。
【請求項4】
2個以上の冷凍小籠包が第1容器に収容されており、
第1容器に収容された2個以上の冷凍小籠包のそれぞれに対して工程(e)が実施され、
工程(f)において、工程(e)に供された2個以上の冷凍小籠包が一度に電子レンジで加熱調理される、請求項
3に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包皮食品を電子レンジで加熱調理するための方法及びキットに関する。
【背景技術】
【0002】
包皮食品は、具材と、具材を包む外皮とを有する食品であり、包皮食品としては、例えば、小籠包、肉まん、餃子、シュウマイ、春巻き、ワンタン、ラビオリ等が知られている。包皮食品は、喫食前に、電子レンジで加熱調理される場合がある。包皮食品が冷凍食品である場合、通常、喫食前に、電子レンジで加熱調理される。
【0003】
包皮食品を電子レンジで加熱調理する方法として、例えば、シュウマイを電子レンジで加熱調理する方法(特許文献1)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
包皮食品を電子レンジで加熱調理する際、包皮食品の外皮の破れが生じる場合がある。包皮食品の外皮は加熱されると、しなやかな状態となり、破れが生じにくくなるが、包皮食品を電子レンジで加熱調理する場合、外皮よりも具材の方が早く加熱されるため、具材から発生した水蒸気が、しなやかな状態となる前の外皮を通過し、これにより、外皮の破れが生じると考えられる。このような外皮の破れは、包皮食品のうち特に小龍包で発生しやすい。小龍包では、具材からスープが生じるため、外皮よりも具材の方が早く温まりやすく、外皮の破れを生じさせる水蒸気が発生しやすいからである。
【0006】
そこで、本発明は、包皮食品を電子レンジで加熱調理するための方法及びキットであって、包皮食品の外皮の破れを防止することができる方法及びキットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、以下の方法及びキットを提供する。
[1]包皮食品を電子レンジで加熱調理するための方法であって、以下の工程:
(a)包皮食品を準備する工程;
(b)ナトリウムイオン及び塩化物イオンを含む水溶液を準備する工程;
(c)工程(a)で準備された包皮食品の表面に、工程(b)で準備された水溶液を添加する工程;並びに
(d)工程(c)に供された包皮食品を電子レンジで加熱調理する工程
を含む、方法。
[2]工程(b)で準備された水溶液に含まれるナトリウムイオン及び塩化物イオンの塩化ナトリウム換算量が、工程(b)で準備された水溶液の質量を基準として、0.4質量%以上であり、工程(c)において包皮食品の表面に添加される水溶液の量が、工程(a)で準備された包皮食品の質量を基準として、10質量%以上である、[1]に記載の方法。
[3]工程(c)において包皮食品の表面に添加される水溶液の量が、工程(a)で準備された包皮食品の質量を基準として、45質量%以下である、[2]に記載の方法。
[4]工程(a)において、2個以上の包皮食品を準備し、工程(a)で準備された2個以上の包皮食品のそれぞれに対して工程(c)を実施し、工程(d)において、工程(c)に供された2個以上の包皮食品を一度に電子レンジで加熱調理する、[1]~[3]のいずれかに記載の方法。
[5]工程(a)で準備される包皮食品が小籠包である、[1]~[4]のいずれかに記載の方法。
[6]工程(a)で準備される包皮食品が冷凍食品である、[1]~[5]のいずれかに記載の方法。
[7]第1容器と、第1容器に収容された包皮食品と、第2容器と、第2容器に収容された収容物とを備える、包皮食品を電子レンジで加熱調理するためのキットであって、第2容器に収容された収容物が、ナトリウムイオン及び塩化物イオンを含む水溶液又はその凝固物である、キット。
[8]水溶液に含まれるナトリウムイオン及び塩化物イオンの塩化ナトリウム換算量が、水溶液の質量を基準として、0.4質量%以上であり、第2容器に収容された収容物の量が、第1容器に収容された包皮食品の質量を基準として、10質量%以上である、[7]に記載のキット。
[9]第2容器に収容された収容物の量が、第1容器に収容された包皮食品の質量を基準として、45質量%以下である、[8]に記載のキット。
[10]2個以上の包皮食品が第1容器に収容されている、[7]~[9]のいずれかに記載のキット。
[11]第1容器に収容された包皮食品が小籠包である、[7]~[10]のいずれかに記載のキット。
[12]第1容器に収容された包皮食品が冷凍食品である、[7]~[11]のいずれかに記載のキット。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、包皮食品を電子レンジで加熱調理するための方法及びキットであって、包皮食品の外皮の破れを防止することができる方法及びキットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係るキットの平面図である。
【
図3】
図3は、本発明の第2実施形態に係るキットの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
≪包皮食品を電子レンジで加熱調理するための方法≫
本発明は、包皮食品を電子レンジで加熱調理するための方法に関する。以下、本発明の方法の実施形態について説明する。
【0011】
本発明の方法は、
以下の工程:
(a)包皮食品を準備する工程;
(b)ナトリウムイオン及び塩化物イオンを含む水溶液を準備する工程;
(c)工程(a)で準備された包皮食品の表面に、工程(b)で準備された水溶液を添加する工程;並びに
(d)工程(c)に供された包皮食品を電子レンジで加熱調理する工程
を含む。
【0012】
工程(a)及び工程(b)の実施順序は特に限定されない。工程(a)は、工程(b)の後に実施されてもよいし、工程(b)の前に実施されてもよいし、工程(b)と同時に実施されてもよい。工程(c)は、工程(a)及び工程(b)の後に実施され、工程(d)は、工程(c)の後に実施される。
【0013】
工程(c)において、包皮食品の表面に、ナトリウムイオン及び塩化物イオンを含む水溶液を添加することにより、包皮食品の外皮には、ナトリウムイオン、塩化物イオン及び水分が付与される。そして、工程(d)において、工程(c)に供された包皮食品を電子レンジで加熱調理することにより、包皮食品の外皮の破れを防止することができる。この作用効果には、包皮食品の外皮に付与されたナトリウムイオン、塩化物イオン及び水分が複合的に関与していると考えられる。すなわち、包皮食品の外皮に付与されたナトリウムイオン、塩化物イオン及び水分により、包皮食品を電子レンジで加熱調理する際、外皮が加熱されやすくなるとともに、外皮がしなやかな状態となりやすいと考えられる。したがって、外皮よりも具材の方が早く加熱されること、並びに、具材から発生した水蒸気が、しなやかな状態となる前の外皮を通過することを防止することができ、これにより、外皮の破れを防止することができると考えられる。
【0014】
以下、各工程について説明する。
【0015】
<工程(a)>
工程(a)は、包皮食品を準備する工程である。
【0016】
包皮食品は、具材と、具材を包む外皮とを有する食品である。包皮食品としては、例えば、小籠包、肉まん、餃子、シュウマイ、春巻き、ワンタン、ラビオリ等が挙げられる。
【0017】
本発明の方法は、電子レンジで加熱調理する際、外皮の破れが生じやすい小龍包に特に有用である。したがって、包皮食品は、好ましくは小龍包である。
【0018】
具材は、包皮食品の種類に応じて適宜選択することができる。具材は、通常、挽肉を含む。挽肉の原料は、食肉である限り特に限定されない。食肉としては、例えば、畜肉、魚肉等が挙げられるが、好ましくは畜肉である。畜肉としては、例えば、鶏、鴨等の鳥類(家禽類)の肉、牛、豚、馬、羊、兎等の哺乳類(家畜類)の肉等が挙げられるが、好ましくは、鶏肉、豚肉、牛肉等である。挽肉の原料として、1種の食肉を単独で使用してもよいし、2種以上の食肉を組み合わせて使用してもよい。挽肉は、常法に従って調製することができる。挽肉は、例えば、食肉をミートチョッパー、肉挽き機等で細断することにより調製することができる。
【0019】
具材は、挽肉以外の材料を含んでいてもよい。具材に含まれる挽肉以外の材料は、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。挽肉以外の材料としては、例えば、白菜、タマネギ等の野菜類、シイタケ等のキノコ類、エビ、貝柱、フカヒレ等の魚介類、肉の代用として使用される粒状若しくは繊維状の植物性蛋白等が挙げられる。包皮食品が小籠包である場合、具材には、スープをゼラチン等で固めたゼリーが混合されていてもよい。
【0020】
具材は、油脂、調味料、つなぎ等の食品添加物を含んでいてもよい。具材に含まれる食品添加物は、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。油脂としては、例えば、サラダ油、トウモロコシ油、大豆油、ゴマ油、菜種油、コメ油、サフラワー油、綿実油、ヒマワリ油、エゴマ油、オリーブ油、ヤシ油、ピーナッツ油、アーモンド油、アボカド油、カカオバター、ピーナッツバター、パーム油等の植物性油脂;魚油、牛脂、豚脂、乳脂等の動物性油脂等が挙げられる。調味料としては、例えば、食塩、糖類(ブドウ糖、果糖、ショ糖、乳糖、デキストリン等)、野菜(ニンジン、タマネギ、セロリ、ハクサイ、キャベツ等)の粉末又はそれらのエキス、海藻(コンブ、ワカメ等)の粉末又はそれらのエキス、キノコ類(マツタケ、シイタケ、シメジ等)の粉末又はそれらのエキス、魚介類(カツオ、サバ、アジ、イワシ、エビ、ホタテ、カキ等)の粉末又はそれらのエキス、畜肉(牛肉、豚肉、鶏肉等)の粉末又はそれらのエキス、しょうゆ、みりん、酒、酵母エキス、うま味調味料(アミノ酸系調味料、核酸系調味料等)、甘味料、酸味料、香辛料等が挙げられる。つなぎとしては、挽肉加工食品において一般的に用いられるもの、例えば、卵、パン粉、植物性蛋白の粉末、澱粉、加工澱粉等が挙げられる。その他の一般的な食品添加物としては、例えば、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、サポニン、レシチン等)、製造用剤(リン酸塩、二酸化ケイ素等)、保存料(安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ε-ポリリシン等)、酸化防止剤(アスコルビン酸、エリソルビン酸、カテキン等)、防かび剤(チアベンタゾール、フルジオキソニル等)、着色料(アナトー色素、ウコン色素、クチナシ色素等)、香料(アセト酢酸エチル、アニスアルデヒド等の合成香料、イカ、エビ、カニ等の天然香料)等が挙げられる。
【0021】
外皮は、粉体原料を含む。粉体原料としては、例えば、穀粉、澱粉等が挙げられる。粉体原料は、穀粉及び澱粉の両方を含んでいてもよいし、一方を含んでいてもよい。
【0022】
穀粉は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。穀粉としては、例えば、小麦粉、大麦粉、米粉、もち米粉等が挙げられるが、好ましくは、小麦粉である。小麦粉としては、例えば、薄力粉、中力粉、強力粉、デユラム粉等が挙げられる。
【0023】
澱粉は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。澱粉としては、例えば、未加工澱粉、加工澱粉等が挙げられる。未加工澱粉としては、例えば、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉等が挙げられる。加工澱粉としては、例えば、未加工澱粉に、油脂加工、α化、エーテル化、エステル化、架橋、酸化等から選択された1種以上の処理が施された澱粉が挙げられる。
【0024】
澱粉は、小麦等の植物から単離された澱粉であり、小麦粉等の穀粉中に含まれる澱粉成分とは区別される。包皮食品が電子レンジで加熱調理される際、澱粉及び/又は穀粉中に含まれる澱粉成分のα化により、包皮食品の外皮がしなやかな状態となりやすい。
【0025】
包皮食品は常法に従って製造することができる。包皮食品は、例えば、小麦粉、澱粉、水、もち粉、米粉、油脂、増粘剤、蛋白、糖類等を含む原材料から生地を製造し、生地を所望の形状に切断して外皮を製造し、具材を外皮で包んだ後、調理することにより、製造することができる。
【0026】
生地の原材料に含まれる澱粉の量は、小麦粉100質量部に対して、通常0質量部以上100質量部以下、好ましくは30質量部以上60質量部以下である。生地の原材料に含まれる水の量は、小麦粉100質量部に対して、通常30質量部以上100質量部以下、好ましくは35質量部以上60質量部以下である。生地の原材料に含まれるもち粉の量は、小麦粉100質量部に対して、通常0質量部以上100質量部以下、好ましくは10質量部以上50質量部以下である。生地の原材料に含まれる米粉の量は、小麦粉100質量部に対して、通常0質量部以上100質量部以下、好ましくは10質量部以上50質量部以下である。生地の原材料に含まれる油脂の量は、小麦粉100質量部に対して、通常0質量部以上10質量部以下、好ましくは0質量部以上5質量部以下である。生地の原材料に含まれる増粘剤の量は、小麦粉100質量部に対して、通常0質量部以上3質量部以下、好ましくは0質量部以上2質量部以下である。生地の原材料に含まれる蛋白の量は、小麦粉100質量部に対して、通常0質量部以上3質量部以下、好ましくは0質量部以上2質量部以下である。生地の原材料に含まれる糖類の量は、小麦粉100質量部に対して、通常0質量部以上20質量部以下、好ましくは0.5質量部以上5質量部以下である。
【0027】
小龍包の場合、生地の原材料に含まれる澱粉の量は、小麦粉100質量部に対して、通常34質量部以上60質量部以下であり、生地の原材料に含まれる水の量は、小麦粉100質量部に対して、通常30質量部以上60質量部以下であり、生地の原材料に含まれるもち粉の量は、小麦粉100質量部に対して、通常0質量部以上30質量部以下であり、生地の原材料に含まれる米粉の量は、小麦粉100質量部に対して、通常0質量部以上30質量部以下であり、生地の原材料に含まれる油脂の量は、小麦粉100質量部に対して、通常0質量部以上10質量部以下であり、生地の原材料に含まれる増粘剤の量は、小麦粉100質量部に対して、通常0質量部以上2質量部以下であり、生地の原材料に含まれる蛋白の量は、小麦粉100質量部に対して、通常0質量部以上2質量部以下であり、生地の原材料に含まれる糖類の量は、小麦粉100質量部に対して、通常0質量部以上5質量部以下である。
【0028】
包皮食品1個あたりの質量は、通常10g以上200g以下、好ましくは15g以上50g以下であり、包皮食品1個あたりの具材の質量は、通常3g以上100g以下、好ましくは10g以上35g以下であり、包皮食品1個あたりの外皮の質量は、通常7g以上150g以下、好ましくは4g以上30g以下である。
【0029】
小龍包の場合、小龍包1個あたりの質量は、通常15g以上50g以下、小龍包1個あたりの具材の質量は、通常10g以上35g以下であり、包皮食品1個あたりの外皮の質量は、通常4g以上30g以下である。
【0030】
調理としては、例えば、蒸す、焼く、揚げる等が挙げられる。調理は、蒸し器、オーブン、コンベクションオーブン、スチームコンベクションオーブン、フライヤー等の調理器具を使用して行うことができる。調理において、加熱温度は、通常75℃以上180℃以下、好ましくは80℃以上100℃以下であり、加熱時間、通常1分以上90分以下、好ましくは3分以上20分以下である。調理前に発酵処理を行ってもよい。発酵処理は、例えば、外皮の調製時、具材を外皮で包んだ後であって調理する前等において、必要に応じて行うことができる。発酵処理において、温度は、通常5℃以上60℃以下、好ましくは30℃以上55℃以下であり、相対湿度は、通常20%以上100%以下、好ましくは40%以上80%以下であり、処理時間は、通常30分以上90分以下、好ましくは30分以上80分以下である。
【0031】
包皮食品は、好ましくは冷凍食品である。冷凍食品は、具材を外皮で包み、調理した後、低温で急速に凍結することにより製造することができる。冷凍食品は、通常、製造から販売まで、通常-15℃以下、好ましくは-18℃以下で保存されている。したがって、冷凍食品は、電子レンジで加熱調理された後、喫食される。
【0032】
冷凍食品には、一般的に、無加熱摂取冷凍食品、加熱後摂取冷凍食品(凍結直前加熱)、加熱後摂取冷凍食品(凍結直前未加熱)、そうざい製品、そうざい半製品等が包含される。食品衛生法で定められた規格基準によれば、無加熱摂取冷凍食品は、冷凍食品のうち製造し、又は加工した食品を凍結させたものであって、飲食に供する際に加熱を要しないとされているものをいい、加熱後摂取冷凍食品(凍結直前加熱)は、加熱した後に摂取する冷凍食品(冷凍食品のうち製造し、又は加工した食品を凍結させたものであって、無加熱摂取冷凍食品以外のものをいう。)であって凍結させる直前に加熱されたものをいい、加熱後摂取冷凍食品(凍結直前未加熱)は、加熱した後に摂取する冷凍食品(冷凍食品のうち製造し、又は加工した食品を凍結させたものであって、無加熱摂取冷凍食品以外のものをいう。)であって凍結させる直前に加熱されたもの以外のものをいう。そうざい半製品は、そうざい製品として仕上げるための最終の加熱工程を経る前の製品であり、喫食前に、焼いたり揚げたりする等の比較的簡単な加熱調理がなされることを前提として製造される加工食品である。そうざい製品は、そうざい製品として仕上げるための最終の加熱工程を経た後の製品であり、喫食前の加熱は、必要であってもよいし、不要であってもよい。
【0033】
冷凍食品としての包皮食品は、加熱後摂取冷凍食品(凍結直前加熱)に該当する。
【0034】
<工程(b)>
工程(b)は、ナトリウムイオン及び塩化物イオンを含む水溶液を準備する工程である。
【0035】
水溶液に含まれるナトリウムイオンの供給源は特に限定されない。水溶液に含まれるナトリウムイオンの供給源としては、例えば、塩化ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム等が挙げられるが、塩化ナトリウムが好ましい。水溶液に含まれるナトリウムイオンの供給源は1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
【0036】
水溶液に含まれる塩化物イオンの供給源は特に限定されない。水溶液に含まれる塩化物イオンの供給源としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等が挙げられるが、塩化ナトリウムが好ましい。水溶液に含まれる塩化物イオンの供給源は1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
【0037】
ナトリウムイオン及び塩化物イオンを含む水溶液は、ナトリウムイオンの供給源及び塩化物イオンの供給源を水に溶解することにより製造することができる。
【0038】
ナトリウムイオン及び塩化物イオンを含む水溶液は、ナトリウムイオン及び塩化物イオンに加えて、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分は、例えば、調味成分として一般的に使用されるものの中から適宜選択することができる。その他の成分としては、例えば、糖類(例えば、砂糖、ブドウ糖、デキストリン、トレハロース等)、たん白類(例えば、大豆たん白、乳たん白、卵たん白等)、加工澱粉、野菜エキス、動物エキス、香辛料、酒類、アミノ酸、ビタミン類、増粘多糖類、油脂(例えば、香味油、ラー油等)等が挙げられる。
【0039】
工程(d)において包皮食品の外皮の破れをより効果的に防止する観点から、水溶液に含まれるナトリウムイオン及び塩化物イオンの塩化ナトリウム換算量は、水溶液の質量を基準として、好ましくは0.4質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、さらに一層好ましくは0.6質量%以上、さらに一層好ましくは0.7質量%以上、さらに一層好ましくは0.8質量%以上、さらに一層好ましくは0.9質量%以上、さらに一層好ましくは1.0質量%以上、さらに一層好ましくは1.1質量%以上、さらに一層好ましくは1.2質量%以上、さらに一層好ましくは1.3質量%以上、さらに一層好ましくは1.4質量%以上、さらに一層好ましくは1.5質量%以上である。
【0040】
水溶液に含まれるナトリウムイオン及び塩化物イオンの塩化ナトリウム換算量は、水溶液に含まれるナトリウムイオン及び塩化物イオンから形成され得る塩化ナトリウムの最大量を意味する。水溶液に含まれるナトリウムイオン及び塩化物イオンの量をそれぞれM1(モル)及びM2(モル)をすると、M1>M2である場合に形成され得る塩化ナトリウムの最大量はM2(モル)であり、M1<M2である場合に形成され得る塩化ナトリウムの最大量はM1(モル)であり、M1=M2である場合に形成され得る塩化ナトリウムの最大量はM1(=M2)(モル)である。
【0041】
水溶液に含まれるナトリウムイオン及び塩化物イオンの塩化ナトリウム換算量は、水溶液に含まれるナトリウムイオン及び塩化物イオンの量から算出される。
【0042】
水溶液の組成が明らかである場合には、水溶液の組成に基づいて、水溶液に含まれるナトリウムイオン及び塩化物イオンの量が算出される。
【0043】
水溶液の組成が明らかでない場合には、食品分析において一般的に使用される方法を使用して、水溶液に含まれるナトリウムイオン及び塩化物イオンの量が測定される。測定の際、市販の測定器具を使用してもよい。ナトリウムイオンの測定方法としては、例えば、イオン電極法、原子吸光法、炎光光度法等が挙げられるが、これらのうち、原子吸光法が好ましい。塩化物イオンの測定方法としては、例えば、沈殿滴定法(モール法)、電位差滴定法、電量滴定法、イオン電極法、フォルハルト法等が挙げられるが、これらのうち、フォルハルト法が好ましい。
【0044】
水溶液に含まれるナトリウムイオン及び塩化物イオンの塩化ナトリウム換算量が、水溶液の質量を基準として、上記範囲であることは、水溶液に含まれるナトリウムイオン及び塩化物イオンの量が、水溶液の質量を基準として、下記表に示される範囲であることを意味する。例えば、水溶液に含まれるナトリウムイオン及び塩化物イオンの塩化ナトリウム換算量が、水溶液の質量を基準として、0.4質量%以上であることは、水溶液に含まれるナトリウムイオンの量が、水溶液の質量を基準として、0.16質量%以上であり、水溶液に含まれる塩化物イオンの量が、水溶液の質量を基準として、0.24質量%以上であることを意味する。
【0045】
【0046】
<工程(c)>
工程(c)は、工程(a)で準備された包皮食品の表面に、工程(b)で準備された水溶液を添加する工程である。
【0047】
工程(d)において包皮食品の外皮の破れをより効果的に防止する観点から、工程(c)において包皮食品の表面に添加される水溶液の量は、工程(a)で準備された包皮食品の質量を基準として、好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは11質量%以上、さらに一層好ましくは12質量%以上、さらに一層好ましくは13質量%以上、さらに一層好ましくは14質量%以上、さらに一層好ましくは15質量%以上、さらに一層好ましくは16質量%以上、さらに一層好ましくは17質量%以上、さらに一層好ましくは18質量%以上、さらに一層好ましくは19質量%以上、さらに一層好ましくは20質量%以上である。なお、「工程(c)において包皮食品の表面に添加される水溶液の量」は、包皮食品1個あたりに添加される水溶液の量であり、包皮食品1個の質量を基準として規定されている。
【0048】
工程(b)で準備された水溶液に含まれるナトリウムイオン及び塩化物イオンの塩化ナトリウム換算量、並びに、工程(c)において包皮食品の表面に添加される水溶液の量を調整することにより、工程(c)において包皮食品の表面に添加されるナトリウムイオン及び塩化物イオンの塩化ナトリウム換算量を調整することができ、これにより、工程(d)において包皮食品の外皮の破れを効果的に防止することができる。例えば、工程(b)で準備された水溶液に含まれるナトリウムイオン及び塩化物イオンの塩化ナトリウム換算量が、工程(b)で準備された水溶液の質量を基準として、0.4質量%以上であり、工程(c)において包皮食品の表面に添加される水溶液の量が、工程(a)で準備された包皮食品の質量を基準として、10質量%以上である場合、工程(c)において包皮食品の表面に添加されるナトリウムイオン及び塩化物イオンの塩化ナトリウム換算量は、工程(a)で準備された包皮食品の質量を基準として、0.04質量%以上である。
【0049】
工程(d)において包皮食品の外皮の破れをより効果的に防止する観点から、工程(c)において包皮食品の表面に添加されるナトリウムイオン及び塩化物イオンの塩化ナトリウム換算量は、工程(a)で準備された包皮食品の質量を基準として、好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.06質量%以上、さらに一層好ましくは0.07質量%以上、さらに一層好ましくは0.08質量%以上、さらに一層好ましくは0.09質量%以上、さらに一層好ましくは0.1質量%以上、さらに一層好ましくは0.11質量%以上、さらに一層好ましくは0.12質量%以上、さらに一層好ましくは0.13質量%以上、さらに一層好ましくは0.14質量%以上、さらに一層好ましくは0.15質量%以上、さらに一層好ましくは0.16質量%以上、さらに一層好ましくは0.17質量%以上、さらに一層好ましくは0.18質量%以上、さらに一層好ましくは0.19質量%以上、さらに一層好ましくは0.2質量%以上である。なお、「工程(c)において包皮食品の表面に添加されるナトリウムイオン及び塩化物イオンの塩化ナトリウム換算量」は、包皮食品1個あたりに添加されるナトリウムイオン及び塩化物イオンの塩化ナトリウム換算量であり、包皮食品1個の質量を基準として規定されている。
【0050】
工程(c)において包皮食品の表面に添加されるナトリウムイオン及び塩化物イオンの塩化ナトリウム換算量の上限は特に限定されない。製造コスト、包皮食品の味に与える影響等を考慮すると、工程(c)において包皮食品の表面に添加されるナトリウムイオン及び塩化物イオンの塩化ナトリウム換算量は、工程(a)で準備された包皮食品の質量を基準として、好ましくは1.4質量%以下、さらに好ましくは1.2質量%以下、さらに一層好ましくは1.0質量%以下、さらに一層好ましくは0.8質量%以下、さらに一層好ましくは0.6質量%以下、さらに一層好ましくは0.4質量%以下である。
【0051】
工程(c)において包皮食品の表面に添加される水溶液の量が大きくなるほど、工程(c)において包皮食品の表面に添加されるナトリウムイオン及び塩化物イオンの塩化ナトリウム換算量が大きくなり、工程(d)において包皮食品の外皮の破れをより効果的に防止することができるものの、工程(c)において包皮食品の表面に添加される水溶液の量が大きくなりすぎると、工程(c)において包皮食品の表面に添加される水分量が大きくなりすぎ、工程(d)において包皮食品の外皮の破れを防止することができなくなるおそれがある。したがって、工程(d)において包皮食品の外皮の破れをより効果的に防止する観点から、工程(c)において包皮食品の表面に添加される水溶液の量は、工程(a)で準備された包皮食品の質量を基準として、好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下、さらに一層好ましくは35質量%以下、さらに一層好ましくは30質量%以下、さらに一層好ましくは25質量%以下、さらに一層好ましくは20質量%以下である。
【0052】
<工程(d)>
工程(d)は、工程(c)に供された包皮食品を電子レンジで加熱調理する工程である。
【0053】
電子レンジでの加熱調理は、包皮食品の中心温度が、通常20℃以上100℃以下、好ましくは45℃以上90℃以下となるように行われる。電子レンジの出力は、通常500W以上1800W以下、好ましくは500W以上1000W以下である。電子レンジでの加熱調理時間は、電子レンジで一度に加熱調理される包皮食品の個数に応じて適宜調整することができる。例えば、電子レンジで一度に加熱調理する包皮食品の個数が1個である場合、電子レンジでの加熱調理時間は、通常10秒以上150秒以下、好ましくは30秒以上50秒以下であり、電子レンジで一度に加熱調理する包皮食品の個数が4個である場合、電子レンジでの加熱調理時間は、通常30秒以上420秒以下、好ましくは100秒以上110秒以下である。
【0054】
工程(a)で準備される包皮食品の個数は1個であってもよいし、2個以上(例えば、2個、3個、4個等)であってもよい。工程(a)で準備された包皮食品の個数が2個以上である場合、それぞれの包皮食品に対して工程(c)を実施する。工程(a)で準備された包皮食品の個数が2個以上である場合、工程(d)において、工程(c)に供された2個以上の包皮食品を一度に電子レンジで加熱調理してもよいし、工程(c)に供された2個以上の包皮食品を別々に電子レンジで加熱調理してもよい。電子レンジで一度に加熱調理される包皮食品の個数に関わらず、電子レンジでの加熱調理の際、包皮食品の外皮の破れを防止することができる。
【0055】
一般的に、電子レンジで一度に加熱調理される包皮食品の個数が2個以上である場合、包皮食品に温度ムラが生じやすく、包皮食品の外皮の破れが発生しやすい。この点、本発明の方法によれば、電子レンジで一度に加熱調理される包皮食品の個数が2個以上であっても、包皮食品の外皮の破れを効果的に防止することができる。したがって、本発明の方法は、2個以上(例えば、2個、3個、4個等)の包皮食品が電子レンジで一度に加熱調理される場合に特に有用である。
【0056】
≪包皮食品を電子レンジで加熱調理するためのキット≫
本発明は、包皮食品を電子レンジで加熱調理するためのキットに関する。以下、図面に基づいて、本発明のキットの実施形態について説明する。
【0057】
<第1実施形態>
以下、
図1及び
図2に基づいて、本発明の第1実施形態に係るキット1Aについて説明する。
図1は、キット1Aの平面図であり、
図2は、
図1のA-A線断面図である。
【0058】
図1及び
図2に示すように、キット1Aは、第1容器10Aと、第1容器10Aに収容された包皮食品20と、第2容器30と、第2容器30に収容された収容物40とを含む。キット1Aは、不図示の包装袋で包装されていてもよい。
【0059】
図1及び
図2に示すように、第1容器10Aは、底壁部11Aと、底壁部11Aの周縁から起立して凹部14Aを形成する周壁部12Aと、周壁部12Aの上端部から外方に延出するフランジ部13Aとを有する。フランジ部13Aは、凹部14Aの開口部を包囲するように連続して形成されている。底壁部11A、周壁部12A及びフランジ部13Aは一体成形されていることが好ましい。成形方法としては、例えば、射出成形、プレス成形、真空成形、圧空成形等が挙げられる。
【0060】
第1容器10Aの材料は、公知の食品用容器の材料の中から適宜選択することができる。第1容器の材料は、耐水性を有することが好ましい。包皮食品20が第1容器10Aに収容された状態で電子レンジ加熱調理に供される場合、第1容器10Aの材料は、マイクロ波透過性を有するとともに、マイクロ波加熱に耐え得る耐熱性を有することが好ましい。第1容器10Aの材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン等の合成樹脂が挙げられる。
【0061】
図1及び
図2に示すように、包皮食品20は、具材21と、具材21を包む外皮22とを有し、凹部14Aの底面に載置された状態で、第1容器10Aに収容されている。本実施形態では、4個の包皮食品20が、第1容器10Aに収容されているが、第1容器10Aに収容される包皮食品20の個数は適宜変更することができる。第1容器10Aに収容される包皮食品20の個数は、例えば、1個、2個、3個等であってもよい。また、凹部14Aのサイズは、第1容器10Aに収容される包皮食品20の個数、サイズ等に応じて適宜変更することができる。
【0062】
包皮食品20は、別の容器に収容された状態で、第1容器10Aに収容されていてもよい。例えば、4個の包皮食品20は、それぞれが別々の容器(例えば、紙製、シリコーン製、又は、片面若しくは両面にシリコーンコーティングが施された紙製のカップ)に収容された状態で、第1容器10Aに収容されていてもよい。
【0063】
包皮食品20は、本発明の方法の工程(a)で準備される包皮食品に相当する。したがって、包皮食品20には、本発明の方法の工程(a)に関する説明が適用される。
【0064】
第2容器30は、液体を密閉状態で収容可能であるとともに、収容された液体を取り出し可能である限り特に限定されない。第2容器30としては、例えば、包装袋(例えば、三方袋等)、キャップ付きチューブ、キャップ付きボトル等が挙げられる。
【0065】
図1及び
図2に示すように、第2容器30には収容物40が収容されている。収容物40は、ナトリウムイオン及び塩化物イオンを含む水溶液又はその凝固物である。水溶液の凝固物は、水溶液をその凝固点以下の温度に供し、水溶液を凝固させることにより形成される固化物である。包皮食品20が冷凍食品である場合、キット1Aは冷凍状態で保存されるため、収容物40は、通常、水溶液の凝固物である。
【0066】
収容物40(収容物40が水溶液の凝固物である場合、解凍により得られる水溶液)は、本発明の方法の工程(b)で準備される水溶液に相当する。したがって、収容物40には、別段規定される場合を除き、本発明の方法の工程(b)に関する説明が適用される。
【0067】
収容物40(収容物40が水溶液の凝固物である場合、解凍により得られる水溶液)は、本発明の方法の工程(c)で使用される。したがって、収容物40には、別段規定される場合を除き、本発明の方法の工程(c)に関する説明が適用される。適用の際、「工程(c)において包皮食品の表面に添加される水溶液の量」は、「第2容器30に収容された収容物40の量」に読み替えられ、「工程(a)で準備された包皮食品の質量を基準として」は、「第1容器10Aに収容された包皮食品20の質量を基準として」に読み替えられる。第1容器10Aに収容された包皮食品20の個数が1個である場合、「第1容器10Aに収容された包皮食品20の質量」は、当該1個の包皮食品20の質量を意味し、第1容器10Aに収容された包皮食品20の個数が2個以上である場合、「第1容器10Aに収容された包皮食品20の質量」は、当該2個の包皮食品20の合計質量を意味する。
【0068】
図1及び
図2に示すように、キット1Aは、凹部14Aの開口部を封止する蓋体50Aをさらに備える。蓋体50Aは、第1容器10Aに脱着可能に装着することができる。蓋体50Aは、第1容器10Aに装着された状態でキット1Aに含まれていてもよいし、第1容器10Aから脱着された状態でキット1Aに含まれていてもよい。蓋体50Aの材料は、マイクロ波透過性を有するとともに、マイクロ波加熱に耐え得る耐熱性を有することが好ましい。蓋体50Aの材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン等の合成樹脂が挙げられる。蓋体50Aは、第1容器10Aのフランジ部13Aに剥離可能に接合されたフィルムであってもよい。このようなフィルムとしては、例えば、包装用ラップ等の合成樹脂製フィルムが挙げられる。フィルムは、融着、接着剤等の公知の接合方法により、第1容器10Aのフランジ部13Aに剥離可能に接合させることができる。蓋体50Aは、必要に応じて設けられる部材であり、キット1Aは、蓋体50Aを含まなくてもよい。
【0069】
キット1Aは、本発明の方法を実施するために使用することができる。すなわち、第2容器30を開封し、第2容器30に収容された収容物40(収容物40が水溶液の凝固物である場合、解凍により得られる水溶液)を、第1容器10Aに収容された包皮食品20の表面に添加した後、包皮食品20を電子レンジで加熱調理することにより、本発明の方法を実施することができる。包皮食品20は、第1容器10Aに収容された状態で、電子レンジで加熱調理されてもよいし、別の容器に収容された状態で、電子レンジで加熱調理されてもよいが、加熱調理の簡便性の観点から、第1容器10Aに収容された状態で、電子レンジで加熱調理されることが好ましい。
【0070】
<第2実施形態>
以下、
図3及び
図4に基づいて、本発明の第2実施形態に係るキット1Bについて説明する。
図3は、キット1Bの平面図であり、
図4は、
図3のB-B線断面図である。
【0071】
図3及び
図4に示すように、キット1Bは、第1容器10Bと、第1容器10Bに収容された包皮食品20と、第2容器30と、第2容器30に収容された収容物40とを含む。キット1Bは、不図示の包装袋で包装されていてもよい。
【0072】
キット1Bにおいて、キット1Aと同一の部材(包皮食品20、第2容器30及び収容物40)には、キット1Aと同一の符号が付されており、別段規定される場合を除き、キット1Aに関する説明が適用される。
【0073】
図3及び
図4に示すように、第1容器10Bは、複数の容器要素100Bを備える。本実施形態では、容器要素100Bの個数は4個であるが、容器要素100Bの個数は、第1容器10Bに収容される包皮食品20の個数等に応じて適宜変更可能である。
【0074】
図3及び
図4に示すように、複数の容器要素100Bは、それぞれ、底壁部101Bと、底壁部101Bの周縁から起立して凹部104Bを形成する周壁部102Bと、周壁部102Bの上端部から外方に延出するフランジ部103Bとを有する。フランジ部103Bは、凹部104Bの開口部を包囲するように連続して形成されている。底壁部101B、周壁部102B及びフランジ部103Bは一体成形されていることが好ましい。成形方法としては、例えば、射出成形、プレス成形、真空成形、圧空成形等が挙げられる。
【0075】
図3及び
図4に示すように、隣接する容器要素100Bのフランジ部103B同士は連結されている。隣接する容器要素100Bのフランジ部103B同士は切離可能に一体形成されていることが好ましい。
【0076】
第1容器10Bの材料は、公知の食品用容器の材料の中から適宜選択することができる。第1容器10Aの材料に関する説明は、第1容器10Bの材料にも適用される。
【0077】
図3及び
図4に示すように、包皮食品20は、凹部104Bの底面に載置された状態で、第1容器10Bに収容されている。本実施形態では、1個の包皮食品20が、1個の凹部104Bの底面に載置された状態で第1容器10Bに収容されているが、1個の凹部104Bに収容される包皮食品20の個数、及び、第1容器10Bに収容される包皮食品20の合計個数は適宜変更することができる。また、1個の凹部104Bの個数及びサイズは、1個の凹部104Bに収容される包皮食品20の個数及びサイズ、第1容器10Bに収容される包皮食品20の合計個数等に応じて適宜変更することができる。
【0078】
図3及び
図4に示すように、キット1Bは、凹部104Bの開口部を封止する蓋体50Bをさらに備える。蓋体50Bは、第1容器10Bに脱着可能に装着することができる。蓋体50Bは、第1容器10Bに装着された状態でキット1Bに含まれていてもよいし、第1容器10Bから脱着された状態でキット1Bに含まれていてもよい。蓋体50Bの材料は、マイクロ波透過性を有するとともに、マイクロ波加熱に耐え得る耐熱性を有することが好ましい。蓋体50Bの材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン等の合成樹脂が挙げられる。蓋体50Bは、第1容器10Bのフランジ部103Bに剥離可能に接合されたフィルムであってもよい。このようなフィルムとしては、例えば、包装用ラップ等の合成樹脂製フィルムが挙げられる。フィルムは、融着、接着剤等の公知の接合方法により、第1容器10Bのフランジ部103Bに剥離可能に接合させることができる。蓋体50Bは、必要に応じて設けられる部材であり、キット1Bは、蓋体50Bを含まなくてもよい。
【0079】
キット1Bは、本発明の方法を実施するために使用することができる。すなわち、第2容器30を開封し、第2容器30に収容された収容物40(収容物40が水溶液の凝固物である場合、解凍により得られる水溶液)を、第1容器10Bに収容された包皮食品20の表面に添加した後、包皮食品20を電子レンジで加熱調理することにより、本発明の方法を実施することができる。包皮食品20は、第1容器10Bに収容された状態で、電子レンジで加熱調理されてもよいし、別の容器に収容された状態で、電子レンジで加熱調理されてもよいが、加熱調理の簡便性の観点から、第1容器10Bに収容された状態で、電子レンジで加熱調理されることが好ましい。
【実施例】
【0080】
≪製造例≫
冷凍小龍包の原材料及び製造方法は、以下の通りである。
<小籠包の原料>
豚鶏合挽き肉 53質量%、鶏豚スープ 17質量%、玉葱 13質量%、ラード 5質量%、醤油 2.5質量%、砂糖 2.3質量%、生姜 2質量%、パン粉 2質量%、澱粉 1質量%、粉末大豆蛋白 0.3質量%、食塩 0.6質量%、調味料(アミノ酸等) 1.1質量%及びごま油 0.2質量%を混合し、具材とした。
小麦粉 50質量%、加工澱粉 15質量%、食用油脂 2質量%、トレハロース 1質量%、増粘剤 微量及び水 32質量%を混合し、外皮の生地とした。
【0081】
<小龍包の成型及び加熱>
準備した具材及び生地を、包餡機にて小龍包の形に成形した。使用した包餡機は、皮を筒状に圧延し、皮筒の中に具材が入った状態で、小龍包の形に成形する成形機である。容器(
図1及び
図2に示す第1容器10A)の凹部(第1容器10Aの凹部14A)の底面に、両面にシリコーンコーティングが施された紙製のカップを4個載置し、それぞれのカップに成型した小龍包を入れ、ボックススチーマーを使用して、100℃の蒸気にて10分間加熱を行った。
【0082】
<小龍包の冷凍>
放冷後、-18℃以下にて4時間以上、小籠包を凍結した。
【0083】
≪試験例1≫
(1)-18℃に一晩置いた複数個の冷凍小籠包(1個の冷凍小籠包の質量:25g)を準備した。
(2)塩化ナトリウムを水に溶解し、塩化ナトリウム水溶液を準備した。塩化ナトリウム水溶液に含まれる塩化ナトリウムの量は、塩化ナトリウム水溶液の質量を基準として、0.4質量%に調整した。塩化ナトリウム水溶液の温度は、インキュベーターを使用して10℃に調整した。
(3)1個の冷凍小籠包をトレイに載せ、1個の冷凍小籠包の表面に塩化ナトリウム水溶液をかけた。1個の冷凍小籠包にかけられる塩化ナトリウム水溶液の量は、5g(1個の冷凍小籠包の質量を基準として20質量%)に調整した。
(4)塩化ナトリウム水溶液をかけた1個の冷凍小籠包を電子レンジ加熱調理用容器に収容した後、電子レンジ(シャープ社製RE-S26F-B)を使用して600Wで40秒間加熱調理した。
(5)加熱調理後、中心温度計を使用して小籠包の中心温度を測定するとともに、目視により小籠包の外皮の破れの有無を評価した。
(6)上記(3)~(5)の操作を繰り返し、小籠包の中心温度の平均値及び外皮の破れが生じなかった小籠包の割合(良品率)を求めた。結果を表2及び表20に示す。
【0084】
【0085】
≪試験例2≫
塩化ナトリウム水溶液に含まれる塩化ナトリウムの量を、塩化ナトリウム水溶液の質量を基準として、0.5質量%に変更した点を除き、試験例1と同様の操作を行った。結果を表3及び表20に示す。
【0086】
【0087】
≪試験例3≫
塩化ナトリウム水溶液に含まれる塩化ナトリウムの量を、塩化ナトリウム水溶液の質量を基準として、0.7質量%に変更した点を除き、試験例1と同様の操作を行った。結果を表4及び表20に示す。
【0088】
【0089】
≪試験例4≫
塩化ナトリウム水溶液に含まれる塩化ナトリウムの量を、塩化ナトリウム水溶液の質量を基準として、2.0質量%に変更した点を除き、試験例1と同様の操作を行った。結果を表5及び表20に示す。
【0090】
【0091】
≪試験例5≫
塩化ナトリウム水溶液に含まれる塩化ナトリウムの量をゼロに変更した点(すなわち、塩化ナトリウム水溶液に代えて水を使用した点)を除き、試験例1と同様の操作を行った。結果を表6及び表20に示す。
【0092】
【0093】
≪試験例6≫
上記(3)の操作を省略した点(すなわち、塩化ナトリウム水溶液をかけることなく冷凍小籠包をそのまま電子レンジで加熱調理した点)を除き、試験例1と同様の操作を行った。結果を表7及び表20に示す。
【0094】
【0095】
≪試験例7≫
塩化ナトリウム水溶液に含まれる塩化ナトリウムの量を、塩化ナトリウム水溶液の質量を基準として、0.5質量%に変更した点、及び、1個の冷凍小籠包の表面にかけられる塩化ナトリウム水溶液の量を3.75g(1個の冷凍小籠包の質量を基準として15質量%)に変更した点を除き、試験例1と同様の操作を行った。結果を表8及び表20に示す。
【0096】
【0097】
≪試験例8≫
1個の冷凍小籠包の表面にかけられる塩化ナトリウム水溶液の量を12.5g(1個の冷凍小籠包の質量を基準として50質量%)に変更した点、及び、電子レンジによる加熱調理を600Wで60秒間行った点を除き、試験例1と同様の操作を行った。結果を表9及び表20に示す。なお、1個の冷凍小籠包の表面にかけられる塩化ナトリウム水溶液の量を12.5g(1個の冷凍小籠包の質量を基準として50質量%)に変更した場合において、電子レンジによる加熱調理を600Wで40秒間行ったとき、小龍包の中心温度の平均値は26.6℃、電子レンジによる加熱調理を600Wで50秒間行ったとき、小龍包の中心温度の平均値は16.7℃であった。
【0098】
【0099】
≪試験例9≫
(1)-18℃に一晩置いた複数個の冷凍小籠包(1個の冷凍小籠包の質量:25g)を準備した。
(2)塩化ナトリウムを水に溶解し、塩化ナトリウム水溶液を準備した。塩化ナトリウム水溶液に含まれる塩化ナトリウムの量は、塩化ナトリウム水溶液の質量を基準として、0.5質量%に調整した。塩化ナトリウム水溶液の温度は、インキュベーターを使用して10℃に調整した。
(3)4個の冷凍小籠包をトレイに載せ、4個の冷凍小籠包のそれぞれの表面に塩化ナトリウム水溶液をかけた。1個の冷凍小籠包にかけられる塩化ナトリウム水溶液の量は、5g(1個の冷凍小籠包の質量を基準として20質量%)に調整した(4個の冷凍小籠包にかけられる塩化ナトリウム水溶液の合計量:20g)。
(4)塩化ナトリウム水溶液をかけた4個の冷凍小籠包を電子レンジ加熱調理用容器に収容した後、電子レンジ(シャープ社製RE-S26F-B)を使用して600Wで1分40秒間加熱調理した。
(5)加熱調理後、中心温度計を使用して小籠包の中心温度を測定するとともに、目視により小籠包の外皮の破れの有無を評価した。
(6)上記(3)~(5)の操作を繰り返し、小籠包の中心温度の平均値及び外皮の破れが生じなかった小籠包の割合(良品率)を求めた。結果を表10及び表20に示す。
【0100】
【0101】
≪試験例10≫
塩化ナトリウム水溶液に含まれる塩化ナトリウムの量を、塩化ナトリウム水溶液の質量を基準として、0.75質量%に変更した点を除き、試験例9と同様の操作を行った。結果を表11及び表20に示す。
【0102】
【0103】
≪試験例11≫
塩化ナトリウム水溶液に含まれる塩化ナトリウムの量を、塩化ナトリウム水溶液の質量を基準として、1.0質量%に変更した点を除き、試験例9と同様の操作を行った。結果を表12及び表20に示す。
【0104】
【0105】
≪試験例12≫
塩化ナトリウム水溶液に含まれる塩化ナトリウムの量を、塩化ナトリウム水溶液の質量を基準として、1.5質量%に変更した点を除き、試験例9と同様の操作を行った。結果を表13及び表20に示す。
【0106】
【0107】
≪試験例13≫
塩化ナトリウム水溶液に含まれる塩化ナトリウムの量を、塩化ナトリウム水溶液の質量を基準として、2.0質量%に変更した点を除き、試験例9と同様の操作を行った。結果を表14及び表20に示す。
【0108】
【0109】
≪試験例14≫
塩化ナトリウム水溶液に含まれる塩化ナトリウムの量を、塩化ナトリウム水溶液の質量を基準として、3.0質量%に変更した点を除き、試験例9と同様の操作を行った。結果を表15及び表20に示す。
【0110】
【0111】
≪試験例15≫
塩化ナトリウム水溶液に含まれる塩化ナトリウムの量をゼロに変更した点(すなわち、塩化ナトリウム水溶液に代えて水を使用した点)を除き、試験例9と同様の操作を行った。結果を表16及び表20に示す。
【0112】
【0113】
≪試験例16≫
塩化ナトリウム水溶液に含まれる塩化ナトリウムの量を、塩化ナトリウム水溶液の質量を基準として、1.0質量%に変更した点、及び、1個の冷凍小籠包の表面にかけられる塩化ナトリウム水溶液の量を2.5g(1個の冷凍小籠包の質量を基準として10質量%)に変更した(4個の冷凍小籠包にかけられる塩化ナトリウム水溶液の合計量:10g)点を除き、試験例9と同様の操作を行った。結果を表17及び表20に示す。
【0114】
【0115】
≪試験例17≫
塩化ナトリウム水溶液に含まれる塩化ナトリウムの量を、塩化ナトリウム水溶液の質量を基準として、1.0質量%に変更した点、及び、1個の冷凍小籠包の表面にかけられる塩化ナトリウム水溶液の量を3.75g(1個の冷凍小籠包の質量を基準として15質量%)に変更した(4個の冷凍小籠包にかけられる塩化ナトリウム水溶液の合計量:15g)点を除き、試験例9と同様の操作を行った。結果を表18及び表20に示す。
【0116】
【0117】
≪試験例18≫
塩化ナトリウム水溶液に含まれる塩化ナトリウムの量を、塩化ナトリウム水溶液の質量を基準として、1.0質量%に変更した点、及び、1個の冷凍小籠包の表面にかけられる塩化ナトリウム水溶液の量を10g(1個の冷凍小籠包の質量を基準として40質量%)に変更した(4個の冷凍小籠包にかけられる塩化ナトリウム水溶液の合計量:40g)点を除き、試験例9と同様の操作を行った。結果を表19及び表20に示す。
【0118】
【0119】
【0120】
表20に示されるように、包皮食品の表面に、ナトリウムイオン及び塩化物イオンを含む水溶液を添加した後、包皮食品を電子レンジで加熱調理することにより、包皮食品の外皮の破れを防止することができた。水溶液に含まれるナトリウムイオン及び塩化物イオンの塩化ナトリウム換算量が、水溶液の質量を基準として、0.4質量%以上であり、包皮食品の表面に添加される水溶液の量が、包皮食品の質量を基準として、10質量%以上であると、包皮食品の外皮の破れ防止効果が顕著であり、水溶液に含まれるナトリウムイオン及び塩化物イオンの塩化ナトリウム換算量が、水溶液の質量を基準として、0.5質量%以上であり、包皮食品の表面に添加される水溶液の量が、包皮食品の質量を基準として、15質量%以上であると、包皮食品の外皮の破れ防止効果がより顕著であった。
【符号の説明】
【0121】
1A,1B・・・キット
10A,10B・・・第1容器
20・・・包皮食品
30・・・第2容器
40・・・収容物(水溶液又はその凝固物)
50A,50B・・・蓋体