(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】炭化燃料を含む燃料の燃焼方法および混合物製造方法
(51)【国際特許分類】
C10L 10/04 20060101AFI20241202BHJP
F23C 99/00 20060101ALI20241202BHJP
E01C 7/22 20060101ALI20241202BHJP
【FI】
C10L10/04
F23C99/00 307
E01C7/22
(21)【出願番号】P 2020170313
(22)【出願日】2020-10-08
【審査請求日】2023-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000226482
【氏名又は名称】日工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 正也
(72)【発明者】
【氏名】高田 康寛
(72)【発明者】
【氏名】亀井 裕次
(72)【発明者】
【氏名】下村 育生
(72)【発明者】
【氏名】小澤 奎太
(72)【発明者】
【氏名】今田 雄司
【審査官】松原 宜史
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-138890(JP,A)
【文献】特開2008-138889(JP,A)
【文献】特開2013-011377(JP,A)
【文献】特開昭58-069774(JP,A)
【文献】特開2004-002054(JP,A)
【文献】特開2019-027647(JP,A)
【文献】特開昭51-060216(JP,A)
【文献】特開2004-331928(JP,A)
【文献】国際公開第2007/089046(WO,A1)
【文献】特開2008-239903(JP,A)
【文献】特開2003-246995(JP,A)
【文献】特開2003-119479(JP,A)
【文献】特開2014-044042(JP,A)
【文献】米国特許第05443805(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物を加熱するために炭化燃料を含む燃料をバーナによって燃焼させる、炭化燃料を含む燃料の燃焼方法であって、
前記バーナへ炭化燃料を含む燃料とともに前記燃料の添加物として炭酸カルシウム,水酸化カルシウム,酸化カルシウム,カルシウム,炭酸水素カルシウム,炭化カルシウム,リン酸カルシウムおよび有機酸カルシウムのうちの少なくとも1つを供給し、前記バーナで前記燃料を燃焼して前記被加熱物を加熱する、
炭化燃料を含む燃料の燃焼方法において、
前記炭化燃料に含まれる少なくともCa,Al,Si,Sの元素濃度を分析し、
前記分析したCa,Al,Si,Sの濃度に基づいて所定の基準質量の前記炭化燃料に含まれるCa,Al,Si,Sの物質量を算出し、
前記バーナで前記基準質量の前記炭化燃料のみを燃焼させることを想定した場合に、前記算出したCa,Al,Si,Sの物質量に基づいて、前記基準質量の前記炭化燃料中の全てのAl成分、全てのSi成分、および全てのS成分がCaと反応するために必要なCaの物質量に対して、前記基準質量の前記炭化燃料に含まれるCaの物質量の不足量を算出し、
前記基準質量の前記炭化燃料に含まれるCaの物質量の不足量に基づいて、前記炭化燃料の供給質量に対する前記添加物の供給質量の割合を決定し、この割合に応じて前記添加物を前記バーナへ供給する、
炭化燃料を含む燃料の燃焼方法。
【請求項2】
前記炭化燃料の供給質量に対する前記添加物の供給質量の割合は、前記基準質量の前記炭化燃料に含まれるCaの物質量の不足量を前記添加物に含まれるCaによって補うように決定される、
請求項
1に記載の炭化燃料を含む燃料の燃焼方法。
【請求項3】
混合物を製造する際に、混合物の原料の一部となる被加熱物をバーナによって加熱した後、他の原料と混合する、混合物製造方法であって、
前記バーナへ炭化燃料を含む燃料とともに前記燃料の添加物として炭酸カルシウム,水酸化カルシウム,酸化カルシウム,カルシウム,炭酸水素カルシウム,炭化カルシウム,リン酸カルシウムおよび有機酸カルシウムのうちの少なくとも1つを供給し、前記バーナで前記燃料を燃焼して前記被加熱物を加熱し、
前記燃料の燃焼時に前記燃料中のCa以外の成分と前記炭化燃料および前記添加物中のCa成分とが反応して生成される固体の生成物が、前記加熱された被加熱物と一緒に前記混合物の原料に用いられる、
混合物製造方法において、
前記炭化燃料に含まれる少なくともCa,Al,Si,Sの元素濃度を分析し、
前記分析したCa,Al,Si,Sの濃度に基づいて所定の基準質量の前記炭化燃料に含まれるCa,Al,Si,Sの物質量を算出し、
前記バーナで前記基準質量の前記炭化燃料のみを燃焼させることを想定した場合に、前記算出したCa,Al,Si,Sの物質量に基づいて、前記基準質量の前記炭化燃料中の全てのAl成分、全てのSi成分、および全てのS成分がCaと反応するために必要なCaの物質量に対して、前記基準質量の前記炭化燃料に含まれるCaの物質量の不足量を算出し、
前記基準質量の前記炭化燃料に含まれるCaの物質量の不足量に基づいて、前記炭化燃料の供給質量に対する前記添加物の供給質量の割合を決定し、この割合に応じて前記添加物を前記バーナへ供給する、
混合物製造方法。
【請求項4】
前記炭化燃料の供給質量に対する前記添加物の供給質量の割合は、前記基準質量の前記炭化燃料に含まれるCaの物質量の不足量を前記添加物に含まれるCaによって補うように決定される、
請求項
3に記載の混合物製造方法。
【請求項5】
前記混合物は、アスファルト混合物であり、
前記アスファルト混合物の原料の一部として使用可能なCaを含む鉱物またはCaを含む生物由来の物を前記燃料の添加物として用いる、
請求項
3または4に記載の混合物製造方法。
【請求項6】
混合物を製造する際に、混合物の原料の一部となる被加熱物をバーナによって加熱した後、他の原料と混合する、混合物製造方法であって、
前記バーナへ炭化燃料を含む燃料とともに前記燃料の添加物として炭酸カルシウム,水酸化カルシウム,酸化カルシウム,カルシウム,炭酸水素カルシウム,炭化カルシウム,リン酸カルシウムおよび有機酸カルシウムのうちの少なくとも1つを供給し、前記バーナで前記燃料を燃焼して前記被加熱物を加熱し、
前記燃料の燃焼時に前記燃料中のCa以外の成分と前記炭化燃料および前記添加物中のCa成分とが反応して生成される固体の生成物が、前記加熱された被加熱物と一緒に前記混合物の原料に用いられる、
混合物製造方法において、
前記混合物は、アスファルト混合物であり、
前記アスファルト混合物の原料の一部として使用可能なCaを含む鉱物またはCaを含む生物由来の物を前記燃料の添加物として用いる、
混合物製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスファルト混合物やセメント等の混合物を製造する際の炭化燃料を含む燃料の燃焼方法およびその燃焼方法を用いた混合物製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アスファルトプラントでは、ドライヤにて骨材を乾燥処理し、この乾燥処理された骨材とフィラーとアスファルトとをそれぞれ所要量だけ計量してミキサで混合して道路舗装材であるアスファルト混合物を製造する。
【0003】
また、セメントプラントでは、粉体原料をロータリーキルンで焼成してクリンカを生成し、冷却したクリンカに石こう等を添加し微粉砕してセメントを製造する。
【0004】
上記ドライヤやロータリーキルンの加熱装置から排出される排ガスは、所定の排ガス処理設備でダスト等の除去処理がなされた後、大気中へ放出される。排ガス処理設備は、例えば、加熱装置に連結された煙道、煙道の下流側に設けられた集塵機、および煙道の末端に設けられた煙突等で構成される。
【0005】
上記ドライヤやロータリーキルンの加熱装置には、燃料に重油を用いる重油専焼のバーナが用いられていることが多い。しかしながら重油には、硫黄が含まれており、排ガス中に三酸化硫黄が生成され、煙道、集塵機等の排ガス処理設備の腐食の原因になる。
【0006】
特許文献1には、石炭燃焼排ガス中に水酸化カルシウムスラリーを添加して排ガス中の三酸化硫黄を吸収除去することが記載されている。また、特許文献2には、オリマルジョンの燃焼排ガスに炭酸カルシウム(CaCO3)粉末を接触させて排ガス中の三酸化硫黄(SO3)を除去することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開昭58-36623号公報
【文献】特許第3651075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記ドライヤやロータリーキルンの加熱装置のバーナの燃料として重油のみを用いる場合には、地球温暖化防止の観点からCO2の削減ができず、好ましくない。また、上記加熱装置から排出される排ガスに水酸化カルシウムや炭酸カルシウムを添加して三酸化硫黄を除去する場合には、排ガス処理設備内にCaSO4等の固体の生成物が増加し、煙道の閉塞が起こる可能性があり、また、灰処理費用が増加するという問題がある。なお、CO2削減の観点から、炭化燃料のようなバイオマス燃料を利用する場合には、排ガス中に三酸化硫黄、塩化水素が生成され、排ガス処理設備の腐食の原因になる。
【0009】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、アスファルト混合物やセメント等の混合物を製造する際に、排ガス処理設備の腐食を抑制し、CO2を削減することができる炭化燃料を含む燃料の燃焼方法および混合物製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のある態様に係る炭化燃料を含む燃料の燃焼方法は、被加熱物を加熱するために炭化燃料を含む燃料をバーナによって燃焼させる、炭化燃料を含む燃料の燃焼方法であって、前記バーナへ炭化燃料を含む燃料とともに前記燃料の添加物として炭酸カルシウム,水酸化カルシウム,酸化カルシウム,カルシウム,炭酸水素カルシウム,炭化カルシウム,リン酸カルシウムおよび有機酸カルシウムのうちの少なくとも1つを供給し、前記バーナで前記燃料を燃焼して前記被加熱物を加熱するようにしている。
【0011】
この方法によれば、バーナの燃料として炭化燃料を含む燃料を使用することにより、化石燃料である重油の使用量を削減し、地球温暖化の一因となるCO2を削減することができる。また、燃料の燃焼時に、炭化燃料に含まれるカルシウムおよび燃料の添加物に含まれるカルシウムが、燃料に含まれる硫黄(S)等と反応して固体の生成物(CaSO4等)が生成されるので、排ガス中の三酸化硫黄(SO3)等の腐食性ガスの発生を低減し、煙道等の排ガス処理設備の腐食を抑制することができる。また、炭化燃料に含まれるナトリウムおよびカリウムのうち硫黄と反応していないものが、燃料に含まれる塩素と反応するので、排ガス中の塩化水素(HCl)等の腐食性ガスの発生を低減し、煙道等の排ガス処理設備の腐食を抑制することができる。
【0012】
また、前記炭化燃料に含まれる少なくともCa,Al,Si,Sの元素濃度を分析し、前記分析したCa,Al,Si,Sの濃度に基づいて所定の基準質量の前記炭化燃料に含まれるCa,Al,Si,Sの物質量を算出し、前記バーナで前記基準質量の前記炭化燃料のみを燃焼させることを想定した場合に、前記算出したCa,Al,Si,Sの物質量に基づいて、前記基準質量の前記炭化燃料中の全てのAl成分、全てのSi成分、および全てのS成分がCaと反応するために必要なCaの物質量に対して、前記基準質量の前記炭化燃料に含まれるCaの物質量の不足量を算出し、前記基準質量の前記炭化燃料に含まれるCaの物質量の不足量に基づいて、前記炭化燃料の供給質量に対する前記添加物の供給質量の割合を決定し、この割合に応じて前記添加物を前記バーナへ供給するようにしてもよい。
【0013】
また、前記炭化燃料の供給質量に対する前記添加物の供給質量の割合は、前記基準質量の前記炭化燃料に含まれるCaの物質量の不足量を前記添加物に含まれるCaによって補うように決定されるようにしてもよい。
【0014】
本発明のある態様に係る混合物製造方法は、混合物を製造する際に、混合物の原料の一部となる被加熱物をバーナによって加熱した後、他の原料と混合する、混合物製造方法であって、前記バーナへ炭化燃料を含む燃料とともに前記燃料の添加物として炭酸カルシウム,水酸化カルシウム,酸化カルシウム,カルシウム,炭酸水素カルシウム,炭化カルシウム,リン酸カルシウムおよび有機酸カルシウムのうちの少なくとも1つを供給し、前記バーナで前記燃料を燃焼して前記被加熱物を加熱し、前記燃料の燃焼時に前記燃料中のCa以外の成分と前記炭化燃料および前記添加物中のCa成分とが反応して生成される固体の生成物が、前記加熱された被加熱物と一緒に前記混合物の原料に用いられるようにしている。
【0015】
この方法によれば、バーナの燃料として炭化燃料を含む燃料を使用することにより、化石燃料である重油の使用量を削減し、地球温暖化の一因となるCO2を削減することができる。また、燃料の燃焼時に、炭化燃料に含まれるカルシウムおよび燃料の添加物に含まれるカルシウムが、燃料に含まれる硫黄(S)等と反応して固体の生成物(CaSO4等)が生成されるので、排ガス中の三酸化硫黄(SO3)等の腐食性ガスの発生を低減し、煙道等の排ガス処理設備の腐食を抑制することができる。また、燃料の燃焼時に、燃料中のCa以外の成分と炭化燃料および添加物中のCa成分とが反応して生成される固体の生成物が、加熱された被加熱物と一緒に混合物の原料に用いられるので、上記固体の生成物を有効に利用できるとともに、排ガス処理設備内での灰の増加を抑制できる。
【0016】
また、前記炭化燃料に含まれる少なくともCa,Al,Si,Sの元素濃度を分析し、前記分析したCa,Al,Si,Sの濃度に基づいて所定の基準質量の前記炭化燃料に含まれるCa,Al,Si,Sの物質量を算出し、前記バーナで前記基準質量の前記炭化燃料のみを燃焼させることを想定した場合に、前記算出したCa,Al,Si,Sの物質量に基づいて、前記基準質量の前記炭化燃料中の全てのAl成分、全てのSi成分、および全てのS成分がCaと反応するために必要なCaの物質量に対して、前記基準質量の前記炭化燃料に含まれるCaの物質量の不足量を算出し、前記基準質量の前記炭化燃料に含まれるCaの物質量の不足量に基づいて、前記炭化燃料の供給質量に対する前記添加物の供給質量の割合を決定し、この割合に応じて前記添加物を前記バーナへ供給するようにしてもよい。
【0017】
また、前記炭化燃料の供給質量に対する前記添加物の供給質量の割合は、前記基準質量の前記炭化燃料に含まれるCaの物質量の不足量を前記添加物に含まれるCaによって補うように決定されるようにしてもよい。
【0018】
また、前記混合物は、アスファルト混合物であり、前記アスファルト混合物の原料の一部として使用可能なCaを含む鉱物またはCaを含む生物由来の物を前記燃料の添加物として用いるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、以上に説明した構成を有し、アスファルト混合物やセメント等の混合物を製造する際に、排ガス処理設備の腐食を抑制し、CO2を削減することができる炭化燃料を含む燃料の燃焼方法および混合物製造方法を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本実施形態の炭化燃料を含む燃料の燃焼方法およびその燃焼方法を含む混合物製造方法が適用されるアスファルトプラントの一例を示す概略図である。
【
図2】
図2(A)、(B)は、炭化燃料を燃焼した場合の炭化燃料中の元素の反応について説明するための図である。
【
図3】
図3は、燃焼試験の試験結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0022】
(実施形態)
図1は、本実施形態の炭化燃料を含む燃料の燃焼方法およびその燃焼方法を含む混合物製造方法が適用されるアスファルトプラントの一例を示す概略図である。
【0023】
図1に示すアスファルトプラントPは、アスファルト混合物を製造するためのプラントであって、骨材を加熱処理するドライヤ1と、ドライヤ1にて加熱処理した骨材を持ち上げる垂直搬送装置10と、垂直搬送装置10から送り出された骨材を篩い分けて貯蔵・計量し、溶融アスファルトおよび石粉(フィラー)を添加して混合するプラント本体14と、排ガス処理設備30等を備えている。
【0024】
ドライヤ1は、回転ドラム2と熱風供給用のバーナ5とを有している。回転ドラム2は、内周部に多数の掻き上げ羽根(図示せず)を周設した円筒状のドラム2aを回転自在に傾斜支持し、駆動装置(図示せず)により所定の速度で回転させるようにしている。また、ドラム2aの一端部のホットホッパ4には、加熱処理した骨材を排出する骨材排出口8を備えるとともに上記バーナ5を備えている。また、ドラム2aの他端部のコールドホッパ6には、骨材をドラム2a内に供給する骨材投入コンベヤ7を備えるとともに、ドラム2a内から排ガスを導出する排気ダクトからなる煙道31が連結されている。
【0025】
そして、骨材投入コンベヤ7には、粒径別に骨材を貯蔵する骨材ホッパ群(図示せず)から骨材が所定量ずつ払い出される。この払い出された骨材は、骨材投入コンベヤ7を介してドラム2a内に投入され、掻き上げ羽根にて掻き上げながらドラム2a内を転動流下させる間にバーナ5からの熱風に接触して、所望温度まで昇温させられてホットホッパ4の下端部の骨材排出口8より排出される。この骨材排出口8より排出された骨材は、バケットエレベータ等の垂直搬送装置10にてプラント本体14上部まで持ち上げられ、排出シュート10aを滑り落ちてプラント本体14の最上部に備えた振動篩16に投入される。
【0026】
振動篩16の内部には網目サイズの異なる篩網が複数段配設されており、垂直搬送装置10より投入された骨材は各篩網にて粒径別に篩い分けられ、下位の骨材貯蔵ビン17の各区画室に貯蔵される。
【0027】
骨材貯蔵ビン17の各区画室の下端部にはそれぞれ骨材排出用の排出ゲート(図示せず)を開閉自在に備え、その下位には重量検出器にて支持する骨材計量槽18を備えている。また、骨材計量槽18と並べて、石粉貯蔵ビン19からスクリューフィーダ20にて供給される石粉を計量する石粉計量槽21、溶融アスファルトを計量するアスファルト計量槽22を備えている。さらに、計量槽18,21,22の下位にはミキサ23を備えており、各計量槽18,21,22にて所定量ずつ計量した骨材、石粉、溶融アスファルト等の材料をミキサ23内に投入して混合調整して所望のアスファルト混合物を製造するようにしている。
【0028】
また、排ガス処理設備30は、上記ドラム2aのコールドホッパ6に連結された煙道31と、煙道31の下流側に配置され、排ガス中のダストを捕集するバグフィルタ等の集塵機33と、さらにその下流側に配置された排ガス吸引用の排風機32と、さらに下流側の煙道31の末端に配置された煙突34とを備えている。この排ガス処理設備30では、排風機32にて排ガスを吸引して、ドラム2a内で発生するガス(排ガス)を煙道31より導出させ、集塵機33でダストが捕捉除去された排ガスを煙突34より大気中へ放出するようにしている。
【0029】
本実施形態では、骨材(被加熱物)を加熱する加熱装置であるドライヤ1のバーナ5が重油および炭化燃料を混焼可能に構成されている。そして、バーナ5へ燃料となる重油および炭化燃料とともに燃料の添加物として炭酸カルシウム,水酸化カルシウム,酸化カルシウム,カルシウム,炭酸水素カルシウム,炭化カルシウム,リン酸カルシウムおよび有機酸カルシウム(酢酸カルシウムなど)のうちの少なくとも1つを供給し、バーナ5で重油および炭化燃料を混焼して骨材を加熱するようにしている。
【0030】
ここで、重油および炭化燃料を混焼することにより、重油専焼の場合に比べてCO2を削減することができる。炭化燃料は、一般廃棄物を炭化処理して製造されたものであり、煙道31および集塵機33等の排ガス処理設備30の腐食の原因となる硫黄分および塩素分を重油と同等以上に含んでいる。そこで、炭化燃料を混焼することによる腐食の増加を抑制するために、Caを含む上記添加物(炭酸カルシウム,水酸化カルシウム,酸化カルシウム,カルシウム,炭酸水素カルシウム,炭化カルシウム,リン酸カルシウムおよび有機酸カルシウムのうちの少なくとも1つ)を添加して重油および炭化燃料を混焼するようにしている。
【0031】
図2(A)、(B)は、炭化燃料を燃焼した場合の炭化燃料中の元素の反応について説明するための図である。
図2(A)は、Caを含む上記添加物を添加していない場合を示し、
図2(B)は、Caを含む上記添加物を添加した場合を示す。
【0032】
図2(A)に示すように、炭化燃料には、Ca,Si,Al,Na,K,S,Clが含まれる。なお、重油には、Ca,Na,Kは含まれない。
【0033】
炭化燃料を燃焼すると、全Caのうち、(1)の部分のCaがSi,Alと反応し、Ca2Al2SiO7,CaSiO3,Ca3Si2O7等の化合物を生成する。また、(2)の部分のSとCaとが反応し、CaSO4を生成する。また、(4)の部分のSとNa,Kとが反応し、Na2SO4,K2SO4を生成する。また、(5)の部分のClとNa,Kとが反応し、NaCl,KClを生成する。ここで、Caは、SよりもSi,Alと反応しやすく、また、Caは、Na,KよりもSと反応しやすいという性質がある。
【0034】
この場合、(3)の部分のSは、SOxガスとして排ガス中に残留し、煙道等で硫酸を生成し、硫酸露点腐食の原因となる。また、(6)の部分のClは、HClガスとして排ガス中に残留し、煙道等で塩酸を生成し、塩酸露点腐食の原因となる。
【0035】
次に、
図2(B)に示すように、全てのSが、(1)の部分を除くCaと反応できるように、添加物を添加してCa成分を増加させた場合には、(2)の部分で示される全てのSがCaと反応し、CaSO
4を生成する。また、(5)の部分のClとNa,Kとが反応し、NaCl,KClを生成する。
【0036】
この場合、SO
xガスとして排ガス中に残留するS(
図2(A)の(3)の部分のS)が無くなり、HClガスとして排ガス中に残留する(6)の部分のClが
図2(A)の場合と比べて減少する。但し、実際は、ごく少量のSはNa,Kと反応し、ごく少量のSは残留する可能性があると考えられる。いずれにしても、添加物を添加することにより、SO
xガスとして排ガス中に残留するSと、HClガスとして排ガス中に残留するClとを減少させることができる。
【0037】
また、
図2(B)において、Ca(添加物)をさらに増加させると、(6)の部分のClとCaとが反応し、残留するClをより減少させることができる。
【0038】
なお、上記は、炭化燃料のみを燃焼させる場合の説明であるが、重油と炭化燃料を混焼する場合も同様に考えられる。よって、Caを含む上記添加物を添加して重油と炭化燃料を混焼することにより、炭化燃料による排ガス中で増加するSOxガス、HClガスの増加を抑制することができる。
【0039】
〔燃焼試験〕
所定の試験装置を用いて、重油と炭化燃料を混焼し、燃焼ガスのSOx濃度を分析する燃焼試験を行った。なお、ここでの試験は、固体のみ燃焼可能な試験装置を用いたので、重油の代わりに、硫黄(S)を1.14wt%添加した石炭からなる重油模擬燃料を用いた。燃料の添加物は、消石灰(Ca(OH)2)として高反応性消石灰を用いた。
【0040】
発熱量のベースで炭化燃料混焼率(炭化燃料の割合)が40%、60%の場合について試験を行った。試験条件は、消石灰を所定量添加した投入燃料量が1g/min、燃焼温度1500℃、空燃比3.0、燃料投入から燃焼ガスのサンプリングまでの滞留時間3s、燃焼ガスのサンプリング温度915~920℃とし、サンプリングした燃焼ガスのSO2濃度の解析を行った。
【0041】
図3は、燃焼試験の試験結果を示すグラフである。この
図3において、破線L1は、燃料中のSが全てSO
2になると仮定した際のSO
2濃度を示し、実線L2は、上記の試験結果を示す。また、二点鎖線L3は、燃料に添加物(消石灰)を添加しないで、炭化燃料混焼率が60%の場合について、上記と同様の燃焼試験を行った場合の試験結果と、それに基づいて炭化燃料混焼率が40%の場合のSO
2濃度を想定して引いた仮想線である。
【0042】
炭化燃料混焼率が60%の場合について、L3をL1と比較すると、炭化燃料を混焼することにより、炭化燃料に含まれているCaがSと反応してCaSO4を生成し、燃焼ガス中に含まれるSが減少し、L1に比べてL3の場合のSO2濃度が低下していると言える。また、L2をL3と比較すると、消石灰を添加して炭化燃料を混焼することにより、Ca量が増大するのでCaSO4の生成量も増大し、燃焼ガス中に含まれるSがより減少し、消石灰を添加していないL3の場合よりも、消石灰を添加したL2の場合の方が、SO2濃度が低下したことを確認できた。
【0043】
なお、硫酸露点腐食の原因となるSO3濃度は、炭化燃料混焼率の変化に応じてSO2濃度とほぼ同様に変化し、SO2濃度に比べて1桁オーダーが小さいため、上記の燃焼試験では、解析容易なSO2濃度を求めるようにした。
【0044】
また、炭化燃料には、Clと反応しやすいNa,Kが含まれるので、排ガス中のHClガスを減少させ、塩酸露点腐食も抑制することができる。
【0045】
〔実施例〕
本実施形態における炭化燃料を含む燃料の燃焼方法およびその燃焼方法を含む混合物製造方法の一例について説明する。
【0046】
まず、炭化燃料はごみ由来のため組成のばらつきが大きいので、例えば蛍光X線分析装置を用いてバーナ5へ供給する炭化燃料中の各元素の濃度[wt%]を分析する。炭化燃料中の例えば、Ca,Si,Al,Na,K,S,Clの各濃度を分析する。ここで、少なくともCa,Si,Al,Sの各濃度を分析できればよい。
【0047】
次に、分析したCa,Al,Si,Sの濃度[wt%]に基づいて、所定の基準質量(所定質量)の炭化燃料に含まれるCa,Al,Si,Sの物質量[mol]を算出する。
【0048】
次に、バーナ5で基準質量の炭化燃料のみを燃焼させることを想定した場合に、上記算出したCa,Al,Si,Sの物質量[mol]に基づいて、基準質量の炭化燃料中の全てのAl成分、全てのSi成分、および全てのS成分がCaと反応するために必要なCaの物質量x[mol]に対して、基準質量の炭化燃料に含まれるCaの物質量の不足量z[mol]を算出する。ここで、上記必要なCaの物質量x[mol]は、化学熱力学に基づいて算出され、例えば、
図2(B)において、全てのSi,Alと反応する(1)の部分のCaと(2)の全てのSと反応するCaとの合計に相当する量である。また、上記Caの物質量の不足量z[mol]は、例えば、
図2(B)の「添加物によるCa増加分」に相当する量である。
【0049】
上記必要なCaの物質量x[mol]は、上記算出した基準質量の炭化燃料に含まれるAl,Si,Sの物質量[mol]と、これらがCaと反応して生成されると予め推定した固体の化合物の分子式(例えば、CaSO4、Ca2Al2SiO7,CaSiO3,Ca3Si2O7)とに基づいて、算出することができる。
【0050】
また、上記Caの物質量の不足量z[mol]は、上記必要なCaの物質量x[mol]から、基準質量の炭化燃料に含まれるCaの物質量y[mol]を減算することにより算出することができる。
【0051】
すなわち、z=x-yである。
一般的に、z>0と考えられるが、z≦0である場合、すなわち、上記炭化燃料に含まれるCaの物質量yが上記必要なCaの物質量x以上である場合には、後述の割合rを算出しないとともに、添加物を添加しないようにしてもよい。
【0052】
次に、基準質量の炭化燃料に含まれるCaの物質量の不足量z[mol](z>0)に基づいて、炭化燃料の供給質量に対する添加物の供給質量の割合rを決定する。
【0053】
ここで、例えば、炭化燃料の供給質量に対する添加物の供給質量の割合rを、基準質量の炭化燃料に含まれるCaの物質量の不足量z[mol]を添加物に含まれるCaによって補うように決定してもよい。つまり、炭化燃料と添加物とに含まれるCaの総量が、炭化燃料のみを燃焼させることを想定した場合に炭化燃料中の全てのAl成分、全てのSi成分、および全てのS成分と反応するために必要な量に相当する量となるように決定してもよいし、上記必要な量に相当する量よりも所定割合多い量となるように決定してもよい。
【0054】
上記割合rの決定方法(算出方法)の一例について説明する。例えば、炭化燃料と添加物とに含まれるCaの総量が、上記必要な量に相当する量となるように決定する場合、前述のように所定質量である基準質量をWpとすると、
基準質量Wpの炭化燃料におけるCaの物質量の不足量は前述のようにz[mol]である。この不足量のz[mol]を質量に換算した値Wz(Ca不足分質量Wz)を算出する。
【0055】
そして、添加物において所定質量(Wp1)当たりに含まれるCaの質量をWa(所定値)とすると、
例えば基準質量Wpの炭化燃料を供給した場合に、その炭化燃料に含まれるCaの物質量の不足量を補うためには、
Wp1×(Wz/Wa)の質量の添加物を供給すればよい。
【0056】
よって、炭化燃料の供給質量に対する添加物の供給質量の割合rは、
r=Wp1×(Wz/Wa)÷Wp=(Wp1/Wp)×(Wz/Wa)
として算出できる。
【0057】
なお、Wp1=Wpの場合には、r=Wz/Waとして算出できる。
【0058】
上記のようにして割合rを算出すると、炭化燃料の供給質量が例えばWsであれば、それに対する添加物の供給質量は、Ws×rとして算出できる。
【0059】
なお、添加物が、例えば100%の水酸化カルシウム(Ca(OH)2)からなる場合、上記Waは、
Wa=Wp1×(カルシウムの原子量/水酸化カルシウムの分子量)
である。
【0060】
なお、上記割合rは、連続的に算出するようにしてもよいし、随時あるいは間欠的に算出するようにしてもよい。
【0061】
そして、重油とともに、所定の混焼率に基づく炭化燃料と上記割合rに基づく添加物とをバーナ5へ供給して燃焼させ、回転ドラム2に投入された骨材を加熱する。
【0062】
燃料の燃焼中に回転ドラム2内で反応した固体の生成物(CaとSi,Al,Sとの化合物や、NaCl,KCl等)は、骨材とともに骨材排出口8から排出され、垂直搬送装置10によってプラント本体14の振動篩16に投入され、アスファルト混合物の原料に使用される。そして、前述のように、所定量ずつ計量した骨材(上記生成物を含む)、石粉、溶融アスファルト等の材料をミキサ23内に投入して混合調整して所望のアスファルト混合物が製造される。
【0063】
なお、アスファルトプラントPには、図示しないが、バーナ5へ供給路を介して重油を供給する供給装置、バーナ5へ供給路を介して炭化燃料を供給する供給装置、バーナ5へ供給路を介して上記添加物を供給する供給装置、および同プラント内の各機器等を制御する制御器が設けられており、例えば、作業者が、蛍光X線分析装置を用いてバーナ5へ供給する炭化燃料中の各元素の濃度[wt%]を分析し、その分析された濃度[wt%]を上記制御器に入力すると、制御器が所定のプログラムに基づいて、基準質量の炭化燃料に含まれるCa,Al,Si,Sの物質量[mol]を算出し、基準質量の炭化燃料に含まれるCaの物質量の不足量z[mol]を算出し、さらに炭化燃料の供給質量に対する添加物の供給質量の割合rを決定し、この割合rに基づいて添加物をバーナ5へ供給するように添加物の供給装置を制御するように構成されていてもよい。また、炭化燃料供給ラインにおける所定場所での炭化燃料中の各元素の濃度[wt%]を自動で分析する蛍光X線分析装置を設置しておいて、その分析結果が制御器に自動的に入力されるように構成されていてもよい。
【0064】
また、バーナ5に対して、重油の供給路の他に、炭化燃料の供給路と、添加物の供給路とが別々に設けられていてもよい。また、炭化燃料と添加物とを混合して炭化燃料と添加物とを1つの供給路でバーナ5へ供給するようにしてもよい。この場合、炭化燃料と添加物との混合は、バッチ処理によって行われてもよいし、連続処理によって行われてもよい。
【0065】
なお、添加物として、アスファルト混合物の原料の一部として使用可能なCaを含む鉱物を上記添加物として用いるようにしてもよい。これにより、上記添加物の調達が容易になる。上記Caを含む鉱物には、石粉、石灰石、消石灰、ドロマイト、生石灰、大理石、鍾乳石、白亜(チョーク)、りん灰石などがある。また、Caを含む生物由来の物を上記添加物として用いるようにしてもよい。このCaを含む生物由来の物には、貝殻、サンゴの骨格、鶏卵の殻、動物の骨や歯などがある。
【0066】
また、炭化施設での炭化燃料製造時においても、前述の割合rを算出し、その割合rに基づいて上記の添加物が添加された炭化燃料を製造するようにしてもよい。
【0067】
本実施形態では、重油とともに炭化燃料をドライヤ1のバーナ5の燃料として使用することにより、化石燃料である重油の使用量を削減し、地球温暖化の一因となるCO2を削減することができる。また、燃料の燃焼時に、炭化燃料に含まれるカルシウムおよび燃料の添加物に含まれるカルシウムが、重油および炭化燃料に含まれる硫黄(S)等と反応して固体の生成物(CaSO4等)が生成されるので、排ガス中の三酸化硫黄(SO3)等の腐食性ガスの発生を低減し、煙道31等の排ガス処理設備30の腐食を抑制することができる。また、炭化燃料に含まれるナトリウムおよびカリウムのうち硫黄と反応していないものが、燃料に含まれる塩素と反応するので、排ガス中の塩化水素(HCl)等の腐食性ガスの発生を低減し、煙道31等の排ガス処理設備30の腐食を抑制することができる。
【0068】
また、本実施形態では、燃料の燃焼時に生成された固体の生成物(CaSO4等)は骨材と一緒に回転ドラム2の骨材排出口8から排出されて混合物(アスファルト混合物)の原料に用いられるので、上記固体の生成物を有効に利用できるとともに、排ガス処理設備30内での灰の増加を抑制できる。
【0069】
よって、煙道31等の排ガス処理設備30において、排ガスに水酸化カルシウムや炭酸カルシウムを添加した場合に生じるCaSO4等の固体の生成物の増加を抑制し、煙道の閉塞や灰処理費用の増加も抑制できる。
【0070】
また、回転ドラム2内での燃料燃焼時の温度(例えば1100~1500℃程度)が、煙道31等の排ガス処理設備30内の排ガスの温度(例えば100~200℃程度)よりも高いので、水酸化カルシウムや炭酸カルシウムを排ガスに添加するよりも本実施形態のように燃料にCaを含む前述の添加物を添加した方が、カルシウムと硫黄との反応が促進され、排ガスから硫黄分をより多く除去できて、排ガス処理設備30の腐食をより抑制することができる。
【0071】
なお、本実施形態では、本発明による炭化燃料を含む燃料の燃焼方法および混合物製造法をアスファルトプラントに適用した例を説明したが、これに限らず、例えばセメントプラントに適用することもできる。セメントプラントでは、粉体原料をロータリーキルンで焼成してクリンカを生成し、冷却したクリンカに石こう等を添加し微粉砕してセメントを製造する。この場合、ロータリーキルンが、前述のアスファルトプラントPのドライヤ1に相当する加熱装置であり、一端から粉体原料(被加熱物)が供給され、他端から粉体原料が加熱されて生成されたクリンカ(被加熱物)が排出される回転ドラムと、回転ドラムの他端に設置され、重油と炭化燃料とを混焼可能に構成されたバーナと、を備えている。そして、バーナへ燃料となる重油および炭化燃料とともに燃料の添加物として炭酸カルシウム,水酸化カルシウム,酸化カルシウム,カルシウム,炭酸水素カルシウム,炭化カルシウム,リン酸カルシウムおよび有機酸カルシウムのうちの少なくとも1つを供給し、燃料の燃焼時に生成された固体の生成物(CaSO4等)はクリンカと一緒に回転ドラムの他端の排出口から排出されて、石こうとともにセメント(混合物)の原料に用いられる。
【0072】
なお、上記では、アスファルトプラントPのドライヤ1のバーナ5の燃料およびセメントプラントのロータリーキルンのバーナの燃料として、重油と炭化燃料を用いるようにしたが、少なくとも炭化燃料を含む燃料を用いるようにしてもよい。例えば、炭化燃料のみを燃料として用いるようにしてもよい。
【0073】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造および/または機能の詳細を実質的に変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、アスファルト混合物やセメント等の混合物を製造する際に、排ガス処理設備の腐食を抑制し、CO2を削減することができる炭化燃料を含む燃料の燃焼方法および混合物製造方法等として有用である。
【符号の説明】
【0075】
P アスファルトプラント
1 ドライヤ
2 回転ドラム
5 バーナ
8 骨材排出口
30 排ガス処理設備
31 煙道