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特許7596126画像読取装置及びこれを備える画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】画像読取装置及びこれを備える画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20241202BHJP
   H04N 1/04 20060101ALI20241202BHJP
   H04N 1/10 20060101ALI20241202BHJP
   G03B 27/62 20060101ALI20241202BHJP
   B65H 7/08 20060101ALI20241202BHJP
【FI】
H04N1/00 567M
H04N1/04 106A
H04N1/10
G03B27/62
B65H7/08
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020193822
(22)【出願日】2020-11-20
(65)【公開番号】P2022082328
(43)【公開日】2022-06-01
【審査請求日】2023-11-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】仲吉 朝弘
(72)【発明者】
【氏名】松村 宏一
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-029816(JP,A)
【文献】特開2020-147409(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04N 1/04
H04N 1/10
G03B 27/62
B65H 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートが積載されるシート積載部と、
前記シート積載部に積載されたシートを1枚ずつ分離して搬送方向に搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送されるシートの画像を読み取る読取手段と、
前記搬送手段によって搬送されるシートを検知する第1センサと、
前記搬送方向において前記第1センサと同一の位置であり、且つ前記搬送方向に直交する方向おいて前記第1センサとは異なる位置において、前記搬送手段によって搬送されるシートを検知する第2センサと、
前記第1センサ及び前記第2センサの一方がシートを検知してから第1所定時間が経過するまでに他方がシートを検知しない場合に、前記搬送手段によるシートの搬送を停止する停止処理を実行する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第1センサがシートを検知しないことが、所定の回数連続して発生した場合に、前記第1センサ及び前記第2センサに基づく前記停止処理を無効化することを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記第1センサ及び前記第2センサは、前記搬送方向に直交する方向おける搬送路の中央から同じ距離離れた位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記搬送手段によって搬送されるシートを検知する第3センサと、
前記搬送方向において前記第3センサと同一の位置であり、且つ前記搬送方向に直交する方向おいて前記第3センサとは異なる位置において、前記搬送手段によって搬送されるシートを検知する第4センサと、
を有し、
前記制御手段は、前記第3センサ及び前記第4センサの一方がシートを検知してから第2所定時間が経過するまでに他方がシートを検知しない場合に、前記搬送手段によるシートの搬送を停止することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記第1センサ及び前記第2センサは、前記搬送方向に直交する方向において、前記第3センサと前記第4センサとの間に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記搬送手段が前記シート積載部からシートを搬送する毎に、前記第1センサ及び前記第2センサがシートを検知するか否かを判断することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記第1センサ及び前記第2センサの前記一方がシートを検知してから前記第1所定時間が経過するまでに前記他方がシートを検知せずに、前記搬送手段によるシートの搬送が前記制御手段により停止された場合に、搬送異常が発生したことをユーザに通知する通知手段を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記第1センサ及び前記第2センサに基づく前記停止処理を無効化した後、前記第1センサ及び前記第2センサが前記搬送手段により搬送されているシートを検知した場合に、前記第1センサ及び前記第2センサのシートの検知に基づく前記停止処理を有効化することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記第1センサが前記搬送手段により搬送されているシートを検知しないことが発生した回数をカウントし、前記第1センサが前記搬送手段により搬送されているシートを検知した場合にカウントを初期値に戻す第1カウンタと、
前記第2センサが前記搬送手段により搬送されているシートを検知しないことが発生した回数をカウントし、前記第2センサが前記搬送手段により搬送されているシートを検知した場合にカウントを初期値に戻す第2カウンタと、
を有し、
前記制御手段は、前記第1カウンタ又は前記第2カウンタのカウントが前記所定の回数以上である場合に、前記第1センサ及び前記第2センサのシートの検知に基づく前記搬送手段によるシートの搬送の停止を行わないことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の画像読取装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか1項に記載の画像読取装置と、
記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
シートが積載されるシート積載部と、
前記シート積載部に積載されたシートを1枚ずつ分離して搬送方向に搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送されるシートの画像を読み取る読取手段と、
前記搬送手段によって搬送されるシートを検知する第1センサと、
前記搬送方向において前記第1センサと同一の位置であり、且つ前記搬送方向に直交する方向おいて前記第1センサとは異なる位置において、前記搬送手段によって搬送されるシートを検知する第2センサと、
前記第1センサ及び前記第2センサの一方がシートを検知してから所定時間が経過するまでに他方がシートを検知しない場合に、前記搬送手段によるシートの搬送を停止する停止処理を実行する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第1センサ及び前記第2センサに基づく前記停止処理が所定の回数連続して発生した場合に、前記第1センサ及び前記第2センサに基づく前記停止処理を無効化することを特徴とする画像読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートの画像を読み取る画像読取装置及びこれを備える画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、ファクシミリ装置等の画像形成装置は、原稿の画像を読み取る画像読取装置を備えるものが知られている。このような画像読取装置は、自動原稿搬送装置(Auto Document Feeder、以下ADFと呼ぶ)によって、原稿を1枚ずつに分離して搬送路に沿って搬送しながら画像を読み取るものがある。ADFは、ステイプルされた原稿や糊付けされた原稿等の、所謂「綴じ原稿」を分離して給送することができないため、搬送する原稿が綴じ原稿であると、原稿が破れてしまう虞がある。
【0003】
綴じ原稿がADFによって給送される際、ADFに設けられたピックアップローラによって綴じ原稿の最上位のシートのみが搬送路に送り出される。しかしながら、送り出される最上位のシートはステイプル等で綴じられているため、綴じ位置を中心に回転して斜行が発生する。そこで、原稿の斜行が検知された場合に原稿の搬送を停止する技術が知られている(特許文献1)。
【0004】
特許文献1に記載された画像読取装置は、搬送方向に対して直交する方向(主走査方向)に複数のセンサを配置し、各センサが搬送されているシートを検知したタイミングの時間差が所定の値より大きい場合にシートの斜行を検知して、シートの搬送が停止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-51585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、複数のセンサのシートを検知したタイミングの差に基づいてシートの搬送を停止する構成の画像読取装置において、センサに汚れが付着することやセンサ自体が故障することによって、センサが原稿を検知することができなくなってしまう場合がある。このような場合、ユーザが何度シートの給送をやり直しても、故障したセンサが原稿を検知できないことが原因でシートの搬送が停止されてしまう。このため、センサが故障して原稿を検知できなくなると、綴じ原稿ではない正常なシートを給送するときであっても、シートを搬送して画像を読み取ることができなくなってしまうという課題があった。
【0007】
そこで、本発明は、複数のセンサのシートの検知に基づいてシートの搬送を停止する構成の画像読取装置において、センサが故障した場合であっても、シートの搬送を可能にする画像読取装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、シートが積載されるシート積載部と、前記シート積載部に積載されたシートを1枚ずつ分離して搬送方向に搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送されるシートの画像を読み取る読取手段と、前記搬送手段によって搬送されるシートを検知する第1センサと、前記搬送方向において前記第1センサと同一の位置であり、且つ前記搬送方向に直交する方向おいて前記第1センサとは異なる位置において、前記搬送手段によって搬送されるシートを検知する第2センサと、前記第1センサ及び前記第2センサの一方がシートを検知してから第1所定時間が経過するまでに他方がシートを検知しない場合に、前記搬送手段によるシートの搬送を停止する停止処理を実行する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記第1センサがシートを検知しないことが、所定の回数連続して発生した場合に、前記第1センサ及び前記第2センサに基づく前記停止処理を無効化することを特徴とする画像読取装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数のセンサのシートの検知に基づいてシートの搬送を停止する構成の画像読取装置において、センサが故障した場合であっても、シートの搬送を可能にする画像読取装置を提供することを目的としている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】(a)は本実施形態に係る画像形成装置500の概略断面図。(b)は画像形成エンジンの模式図。
図2】本実施形態に係る画像読取装置の上部断面図。
図3】本実施形態に係る画像読取装置の制御構成を示すブロック図。
図4】本実施形態に係る流し読みジョブの制御の流れを示すフローチャート。
図5】第1搬送異常検知部による搬送異常検知の制御の流れを示すフローチャート。
図6】第2搬送異常検知部による搬送異常検知の制御の流れを示すフローチャート。
図7】第1搬送異常検知部の動作確認の制御の流れを示すフローチャート。
図8】第2搬送異常検知部の動作確認の制御の流れを示すフローチャート。
図9】(a)は角折れ原稿を示す図。(b)は破れ原稿を示す図。
図10】ユーザに搬送異常の発生を通知する画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
<画像形成装置500の構成>
本実施形態に係る画像読取装置400を備えた画像形成装置500の概略構成について図1を用いて説明する。図1(a)は画像形成装置500の概略断面図、図1(b)は画像形成エンジンの模式図を示す。図1(a)に示すように、画像形成装置500は、画像形成装置本体300と、画像形成装置本体300の上部に装着される画像読取装置400と、を備えている。なお、以下において、シートとは、普通紙の他にも、コート紙等の特殊紙、封筒やインデックス紙等の特殊形状からなる記録材、及びオーバーヘッドプロジェクタ用のプラスチックフィルムや布などを含むものとし、原稿もシートの一例である。また、画像形成装置500は、印刷用のシートを載置するための給紙装置やステイプルなどの後処理を行う後処理装置を有してもよい。
【0013】
画像形成装置本体300は、その内部に画像形成エンジン310を有している。画像形成エンジン310は、図1(b)に示すように、画像形成手段として電子写真方式の画像形成ユニットPUと、定着装置317と、を備えている。画像形成動作の開始が指令されると、感光体である感光ドラム311が回転し、ドラム表面が帯電装置312によって一様に帯電される。すると、露光装置313が、画像読取装置400又は外部のコンピュータから送信された画像データに基づいてレーザ光を変調して出力し、感光ドラム311の表面を走査して静電潜像を形成する。この静電潜像は、現像装置314から供給されるトナーによって可視化(現像)されてトナー像となる。
【0014】
このような画像形成動作に並行して、不図示の給紙装置に設けた給紙カセット又は手差しトレイに積載された記録媒体のシートを画像形成エンジン310へ向けて給紙する給紙動作が実行される。給紙されたシートは、画像形成ユニットPUによる画像形成動作の進行に合わせて搬送路318などを通して搬送される。そして、感光ドラム311に担持されたトナー像は、転写ローラ315によってシートに転写される。トナー像転写後に感光ドラム1上に残ったトナーは、クリーニング装置316によって回収される。未定着のトナー像が転写されたシートは、定着装置317へと受け渡されて、ローラ対に挟持されて加熱及び加圧される。トナーがシートに対して溶融及び固着して画像が定着したシートは、排出ローラ対等の排出手段によって、排出される。
【0015】
また、画像形成装置500は、ユーザが画像形成装置500に対して印刷開始指示や読取開始指示等の各種操作を行うための操作表示部904を有している。
【0016】
<画像読取部200の構成>
次に、画像読取部200について、図1(a)を参照しながら説明する。画像読取装置400は、画像読取部200と、ADF100とにより構成されている。さらに、画像読取装置400は、後述する各コントローラ部が接続されている。
【0017】
画像読取部200は、光学スキャナユニット202を図1(a)の矢印Tに示す副走査方向に一定速度で移動させて、原稿載置ガラス209上に載置された原稿を走査することにより、原稿の画像情報を1ラインずつに読み取る(固定読み)。また、画像読取部200は、ADF100により搬送されている原稿の画像を読み取る(流し読み)。流し読みのとき、光学スキャナユニット202は、ADF100の流し読みガラス201の下方に移動して、ADF100により搬送される原稿を光学的に読み取る。
【0018】
<ADF100の構成>
次に、ADF100の構成について、図1(a)を参照しながら説明する。図1(a)に示すADF100は、原稿束Sを積載するシート積載部である原稿トレイ30と、原稿を給送する給送ローラ1と、原稿を1枚ずつに分離する分離上ローラ2及び分離下ローラ3とを有する。原稿トレイ30には、原稿トレイ30上の原稿の有無を検知するための原稿有無検知センサ11が設けられている。なお、本実施形態において、原稿トレイ30に積載された状態の原稿における、上側の面を表面、下側の面を裏面として説明する。
【0019】
給送ローラ1は、原稿トレイ30に積載された原稿束Sの原稿面に当接して回転する。これにより、原稿トレイ30上の原稿が給送される。給送ローラ1によって給送された原稿は、分離上ローラ2と分離下ローラ3によって最上位の1枚が分離される。分離下ローラ3への駆動伝達経路にはトルクリミッタが配置されており、分離下ローラ3は、給送された原稿が1枚の時には分離上ローラ2に連れ回り、給送された原稿が2枚以上の時には回転しない。これにより、分離上ローラ2及び分離下ローラ3は原稿を1枚ずつに分離することができる。なお、分離下ローラ3にシート給送方向とは反対方向の駆動を入力してもよい。また、分離下ローラ3の代わりに、分離パッドを用いて原稿を分離する構成であってもよい。
【0020】
分離上ローラ2と分離下ローラ3によって分離された原稿は、第1搬送ローラ4及び第2搬送ローラ5により搬送される。第2搬送ローラ5により搬送された原稿は、第3搬送ローラ6及び第4搬送ローラ7によって表面の画像読取位置に搬送される。原稿が流し読みガラス201と表面ガラス対向部材211との間を通過する際、原稿の表面は表面LED203a、203bで光を照射される。原稿の表面で反射した反射光は、ミラー204a、204b、204cにより屈曲されながら、読取手段としての表面読取センサ205に導かれる。このようにして、表面読取センサ205によって原稿の表面画像が1ラインずつ読み取られる。
【0021】
表面画像を読み取られた後、原稿は第5搬送ローラ8及び第6搬送ローラ9によって裏面の画像読取位置に搬送される。原稿は裏面ガラス対向部材101上を通過する際に、光学スキャナユニット102により裏面画像を読み取られる。原稿が裏面ガラス対向部材101を通過する際、原稿の裏面は裏面LED103a、103bで光を照射される。原稿の裏面で反射した反射光は、ミラー104a、104b、104cにより屈曲されながら、読取手段としての裏面読取センサ105に導かれる。このようにして、裏面読取センサ105によって原稿の裏面画像が1ラインずつ読み取られる。画像を読み取られた原稿は、排紙ローラ10により排紙トレイ32に排紙される。上述した各ローラは搬送手段の一例であり、画像読取装置400は搬送手段として搬送ベルトを有していてもよい。なお、原稿の表面を読み取るための光学スキャナユニット202と、原稿の裏面を読み取るための光学スキャナユニット102の構成は同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、画像読取装置400は、表面の画像を読み取った原稿を反転パスを介して表裏を反転させ、光学スキャナユニット202により裏面の画像を読み取る構成であってもよい。
【0022】
また、ADF100には開閉カバー33が開閉可能に取り付けられており、開閉カバー33が開いた状態において搬送路が装置外部に露出する。原稿の搬送中にジャムが発生した場合、ユーザは開閉カバー33を開くことで、装置内部に滞留した原稿を取り除くことができる。
【0023】
<ADF100の上部断面図の説明>
ADF100の上部断面図について、図2を参照しながら説明する。図2において、点線部で示した原稿を原稿トレイ30上に載置したとき、原稿ガイド板31a及び原稿ガイド板31bにより、原稿の主走査方向(搬送方向に直交する方向)の位置が規制される。ここで、原稿は原稿トレイ30の主走査方向の中央に位置するように規制される例を示しているが、これに限定するものではなく、一方に原稿を寄せるような構成であってもよい。また、本実施形態において、原稿の主走査方向における長さを原稿の幅として説明する。
【0024】
原稿トレイ30には、原稿トレイ30上における原稿の有無を検知するための原稿有無検知センサ11が配置されている。また、原稿トレイ30には、原稿トレイ30上に載置された原稿の副走査方向(搬送方向)の略サイズを検知するための原稿長検知センサ18、19が配置されている。なお、原稿長検知センサ18、19や原稿有無検知センサ11の配置位置や数は、図2に示す構成に限定するものではなく、ADF100が対応する原稿のサイズ等に応じて変更してよい。
【0025】
分離上ローラ2の搬送方向下流側には、分離上ローラ2を通過した原稿を検知する分離センサ12が配置されており、第1搬送ローラ4の搬送方向下流側には、第1搬送ローラ4を通過した原稿を検知する引抜センサ13が配置されている。分離センサ12及び引抜センサ13は、主走査方向において搬送路の中央に位置している。給送ローラ1によって給送された原稿は、分離上ローラ2、分離センサ12、第1搬送ローラ4、引抜センサ13、第2搬送ローラ5の順に通過する。
【0026】
搬送方向における分離ローラ2と第1搬送ローラ4との間には、原稿の搬送異常を検知するための第1搬送異常検知部14が設けられている。第1搬送異常検知部14は原稿を検知するための原稿検知センサ14a(第1センサ)及び原稿検知センサ14b(第2センサ)により構成される。原稿検知センサ14a及び原稿検知センサ14bは、搬送方向においては同一の位置であり、主走査方向においては互いに異なる位置に配置されている。ここで、搬送方向における同一の位置とは、主走査方向(搬送方向に直交する方向)から見て、原稿検知センサ14aと原稿検知センサ14bが少なくとも一部が重なるように配置された位置である。また、原稿検知センサ14aと原稿検知センサ14bは、主走査方向における搬送路の中央から同じ距離離れた位置に配置されている。後述するCPU801は、原稿検知センサ14aが原稿を検知したタイミングと、原稿検知センサ14bが原稿を検知したタイミングとの差に基づいて、原稿の搬送異常を検知することができる。具体的には、CPU801は原稿検知センサ14a、14bの一方が原稿を検知してから第1所定時間(本実施形態においては32[ms])が経過するまでに他方が原稿を検知しない場合に、原稿の搬送を停止する。
【0027】
また、搬送方向における第1搬送ローラ4と第2搬送ローラ5との間には、原稿の搬送異常を検知するための第2搬送異常検知部15が設けられている。第2搬送異常検知部15は、原稿を検知するための原稿検知センサ15a(第3センサ)及び原稿検知センサ15b(第4センサ)により構成される。原稿検知センサ15a及び原稿検知センサ15bは、副走査方向については同一の位置であり、主走査方向については互いに異なる位置に配置されている。また、原稿検知センサ15aと原稿検知センサ15bは、主走査方向における搬送路の中央から同じ距離離れた位置に配置されている。後述するCPU801は、原稿検知センサ15aが原稿を検知したタイミングと、原稿検知センサ15bが原稿を検知したタイミングとの差に基づいて、原稿の搬送異常を検知することができる。原稿検知センサ14a及び原稿検知センサ14bは、主走査方向において原稿検知センサ15aと原稿検知センサ15bとの間に位置している。なお、本実施形態において、原稿検知センサ14a、14b、15a、15bは、一般的なフォトインタラプタを用いており、照射部と受光部をそれぞれ有し、原稿面で反射された光を受光したときに原稿を検知する。
【0028】
第1搬送異常検知部14はスモールサイズ原稿及びラージサイズ原稿について搬送異常の検知を行い、第2搬送異常検知部15はラージサイズ原稿についてのみ搬送異常の検知を行う。本実施形態において、スモールサイズ原稿とは、幅が247[mm]未満かつ172[mm]以上のサイズの用紙であり、ラージサイズ原稿とは、原稿幅が247[mm]以上のサイズの用紙である。また、本実施形態においては、後述するCPU801は原稿トレイ30に載置された原稿がスモールサイズ原稿であるかラージサイズ原稿であるかの判定を主走査方向の幅の大きさのみに基づいて行う。例えば、A3タテやA4ヨコは、主走査方向の幅はともに297[mm]であり、CPU801はこれらの原稿をラージサイズ原稿であると判定する。
【0029】
<画像読取装置400の制御構成の説明>
次に、画像読取装置400の制御構成について図3を用いて説明する。図3は、画像読取装置400の制御部の構成例を示すブロック図である。画像読取装置400の制御部は、画像処理コントローラ300と、原稿読取/ADF制御コントローラ310と、により構成される。原稿読取/ADF制御コントローラ310は、中央演算処理装置であるCPU801、リードオンリーメモリであるROM802、ランダムアクセスメモリであるRAM803を備えている。ROM802には、制御プログラムが格納されており、RAM803には、入力データや作業用データが格納される。制御手段としてのCPU801が制御プログラムを読み出して実行することにより、後述するフローチャートの処理を実現する。CPU801は、不揮発性メモリであるEEPROM811にデータを記録することもできる。
【0030】
CPU801には原稿搬送機能を実現するために、分離モータ805、引抜モータ806、リードモータ807に接続されている。分離モータ805は、給送ローラ1、分離上ローラ2を回転駆動させる。引抜モータ806は、第1搬送ローラ4、第2搬送ローラ5を回転駆動させる。リードモータ807は、第3搬送ローラ6、第4搬送ローラ7、第5搬送ローラ8、第6搬送ローラ9、排紙ローラ10を駆動させる。また、CPU801は、給送ローラ1を昇降させるための楕円形状のカム(不図示)を回転させるピックアップモータ808に接続されている。ピックアップモータ808の駆動力によって楕円形上のカムが回転することにより、給送ローラ1は原稿に当接する給送位置と、原稿から離間した離間位置と、に昇降することが可能である。さらに、CPU801は、光学スキャナユニット202を図1(a)の矢印Tの方向に移動させるための光学モータ804に接続されている。
【0031】
CPU801は、原稿有無検知センサ11、分離センサ12、引抜センサ13、第1搬送異常検知部14、第2搬送異常検知部15、リードセンサ16、排紙センサ17、カバー開閉検知センサ20に接続されている。原稿有無検知センサ11は、原稿トレイ30に積載された原稿を検知する。分離センサ15は、搬送路上の原稿の端部を検知する。カバー開閉検知センサは開閉カバー33が開いているか否かを検知する。
【0032】
上述したように、第1搬送異常部14は原稿検知センサ14a、14bにより構成され、第2搬送異常検知部15は原稿検知センサ15a、15bにより構成される。図9は搬送異常を発生させる原稿の例であり、図9(a)は角が折れた状態の原稿である角折れ原稿S1、図(b)は一部が破れた状態の原稿である破れ原稿S2を示している。図9に示す角折れ原稿S1や破れ原稿S2が搬送される場合には、ADF100が原稿を搬送路に対して平行に安定して搬送できないことがある。また、ステイプル原稿(非図示)が搬送される場合には、分離部において最上位の原稿が綴じ部を中心に回転し、大きく斜行した状態になる場合がある。CPU801は、第1搬送異常部14及び第2搬送異常検知部15により、これらの原稿が搬送されることによる搬送異常を検知する。
【0033】
原稿検知センサ14aと14bの原稿先端の検知タイミングの時間差が所定の値よりも大きい場合、または原稿検知センサ15aと15bの原稿先端の検知タイミングの時間差が所定の値よりも大きい場合に、CPU801は搬送異常が発生したと判断する。例えば、図9(a)において、原稿トレイ30に載置された角折れ原稿S1が搬送方向に搬送される場合、原稿検知センサ14aにより奥側の原稿エッジR1が検知され、原稿検知センサ14bにより手前側の原稿エッジF1が検知される。このとき、原稿検知センサ14a、14bが原稿を検知した時間差が大きいため、CPU801は搬送異常が発生したと判断する。図9(b)においても同様に、原稿トレイ30に載置された破れ原稿S2が搬送方向に搬送される場合、原稿検知センサ14aにより奥側の原稿エッジR2が検知され、原稿検知センサ14bにより手前側の原稿エッジF2が検知される。このとき、原稿検知センサ14a、14bが原稿を検知した時間差が大きいため、CPU801は搬送異常が発生したと判断する。
【0034】
また、CPU801は、原稿長検知センサ18、19に接続されており、CPU801は原稿長検知センサ18、19を用いて原稿トレイ30上の原稿の長さを判定することができる。本実施形態において、原稿が原稿トレイ30に載置された状態の原稿先端位置から原稿長検知センサ18までの距離は220[mm]であり、原稿先端位置から原稿長検知センサ19までの距離を330[mm]である。原稿長検知センサ18がOFFかつ原稿長検知センサ19がOFFのとき、CPU801は原稿の搬送方向の長さが220[mm]未満であると判断できる。原稿長検知センサ18がONかつ原稿長検知センサ19がOFFのとき、CPU801は原稿の搬送方向の長さが220[mm]以上330[mm]未満であると判断できる。原稿長検知センサ18がONかつ原稿長検知センサ19がONのとき、CPU801は原稿の搬送方向の長さが330[mm]以上であると判断できる。
【0035】
CPU801は、原稿幅検知センサ809に接続されている。原稿幅検知センサ809は、原稿トレイ30に設けられた原稿ガイド板31a及び原稿ガイド板31bに接続されている。原稿幅検知センサ809は、可変抵抗及びA/D変換器から構成され、可変抵抗により変化する電圧アナログ値をA/D変換器により10[bit]幅のデータに変換し、主走査方向の原稿幅を検出することができる。原稿長検知センサ18、19により検知した原稿の長さと、原稿幅検知センサ809によって検知した原稿の幅の情報を合わせることで、CPU801は原稿トレイ上の原稿サイズを判定する。
【0036】
光学モータ804、分離モータ805、引抜モータ806、リードモータ807はパルスモータであり、CPU801は駆動パルス数をカウントしながら制御する事で各モータの回転数を管理している。CPU801は、原稿搬送中に引抜センサ13がONしてからOFFするまでの引抜モータ806の駆動パルス数をカウントする。引抜モータ806を駆動したパルス数と、引抜モータ806の駆動を第1搬送ローラ4へ駆動を伝えるギアの1パルス当たりの進み量(ギア比)により、CPU801は原稿の搬送量を検知できる。よって、CPU801は引抜モータ806の駆動パルス数をカウントすることにより、搬送中の原稿の長さを検知することができる。さらに、CPU801は、原稿搬送中に引抜センサ13がOFFしてからONするまでの引抜モータ806の駆動パルス数をカウントすることで、搬送中の原稿間の長さ(紙間)を検知することができる。
【0037】
画像読取機能を実現するために、CPU801は、表面読取に用いられる光学スキャナユニット202に搭載される表面LED203a、203b及び表面読取センサ205に接続されている。また、CPU801は、裏面読取に用いられる光学スキャナユニット102に搭載される裏面LED103a、103b及び裏面読取センサ105に接続されている。
【0038】
CPU801は、裏面読取センサ105、表面読取センサ205によって搬送中の原稿の画像データを読み取る。読み取った画像データは画像処理部810にて、シェーディング処理や各種のフィルタ処理を実施されてから、画像通信部302を介して画像処理コントローラ部300へ送信される。画像処理部810には、原稿の傾き量を補正する公知の技術を搭載している。これにより、画像読取装置400は、原稿をレジストローラに突き当て、物理的な原稿の斜行を低減する公知のレジストレーション技術を用いずに、原稿の傾きを補正できる。さらに、CPU801は画像データの先端の基準となる垂直同期信号及び1ラインの画素先端の基準となる水平同期信号を原稿読取タイミングに合わせて、画像通信部302を介して画像処理コントローラ部300へ通知する。
【0039】
画像処理コントローラ部300は、CPU901、ROM902、RAM903を備えており、CPU801とのコマンド通信部301を介して画像読取制御に関するデータの授受を行う。画像処理部810で処理された画像データは画像通信部302を介して、画像処理コントローラ部300の画像処理部905へ転送されて、色の判断などの所定の画像処理を施された後に、画像メモリ906に格納される。また、CPU901は、操作表示部904に接続されており、ユーザとのインターフェース制御は操作表示部904を介してCPU901によって行われる。なお、CPU901は、ユーザによって操作表示部904に入力された情報を受け取り、流し読みジョブ開始指示等の入力情報を処理する。
【0040】
<流し読みジョブの制御の説明>
次に、流し読みジョブにおけるCPU801が行う処理の流れについて図4から図6を用いて説明する。図4は画像読取装置400の流し読みジョブにおいてCPU801が行う処理の流れを示すフローチャートである。図5は第1搬送異常検知部14による搬送異常検知の流れを示すフローチャートであり、図6は第2搬送異常検知部15による搬送異常検知の流れを示すフローチャートである。
【0041】
CPU801は、画像処理コントローラ300のCPU901から流し読みジョブ開始情報(指示)を受け取ると、原稿トレイ30に積載された原稿の給送を開始する(S401)。原稿の給送が開始されると、CPU801はピックアップモータ808を所定パルス分駆動することにより、給送ローラ1を原稿束Sに接するように下降させる。その後、CPU801は分離モータ805、引抜モータ806、リードモータ807を駆動する。これにより、給送ローラ1、分離上ローラ2、第1搬送ローラ4、第2搬送ローラ5、第3搬送ローラ6、第4搬送ローラ7、第5搬送ローラ8、第6搬送ローラ9、排紙ローラ10が回転する。
【0042】
次に、CPU801は、分離センサ12がONになるまで待機する(S402)。分離センサ12がONになると、CPU801は、第1搬送異常検知部14が有効な設定であるか否かを判定する(S403)。S403においてCPU801が行う第1搬送異常検知部14が有効であるか否かの判定は、EEPROM811に記憶される情報に基づいて行われる。
【0043】
第1搬送異常検知部14が有効である場合(S403のYes)、CPU801は、図5のフローチャートに示す第1搬送異常検知部14による搬送異常検知を実行する(S404)。なお、第1搬送異常検知部14が無効である場合(S403のNo)、CPU801は第1搬送異常検知部14(原稿検知センサ14a、14b)の動作確認を行う(S406)。第1搬送異常検知部14の動作確認については後述する。
【0044】
図5に示す第1搬送異常検知部14による搬送異常検知が開始されると、CPU801は、タイムアウト検知用タイマーの計時を開始する(S501)。これにより、原稿検知センサ14a、14bの一方が長時間原稿を検知しない場合であっても、CPU801は処理を進めることができる。タイムアウト時間は、S402における分離センサ12のONを基準タイミングとして、分離センサ12と原稿検知センサ14a、14bとの搬送方向における距離、給送速度、搬送効率及び斜行マージン時間に基づいて設定される。斜行マージン時間とは、想定される搬送時の原稿の傾き量に対応する時間であり、CPU801が正常な搬送を異常であると誤判定することを低減するための時間である。
【0045】
本実施形態において、分離センサ12と原稿検知センサ14a、14bとの搬送方向における距離が10[mm]、給送速度が350[mm/s]である。原稿が給送ローラ1により給送される際に、原稿の材質や表面状態により、給送が遅れることがある。搬送効率とは、この給送の遅れを考慮した搬送の効率である。本実施形態においては、搬送効率が0.75であるすると、搬送される原稿は分離センサ12に到達してから約38[ms](=10[mm]/(350[mm/s]×0.75))後に原稿検知センサ14a、14bに到達する。タイムアウト時間を設定するためには、原稿が斜行することを想定して、この時間(38[ms])に斜行マージン時間を加える必要がある。本実施形態における原稿検知センサ14a、14bの主走査方向の距離は162[mm]であり、原稿搬送時に想定される原稿の斜行量を3°とすると、斜行マージン時間は約32[ms](=162[mm]×tan(3°)/(350[mm/s])×0.75))となる。これより、タイムアウト時間は、70[ms](=38[ms]+32[ms])以上であればよい。本実施形態では、第1搬送異常検知部14による搬送異常検知のタイムアウト時間を100[ms]とする。
【0046】
次に、CPU801は、原稿検知センサ14aがONになったか否かを判定する(S502)。原稿検知センサ14aがONになった場合(S502のYes)、CPU801は原稿検知センサ14aがONになった時刻TaをRAM803に保存する(S503)。そして、CPU801は、原稿検知センサ14aのカウンタである第1センサ異常カウンタを0(初期値)に設定する(S504)。第1センサ異常カウンタは、原稿検知センサ14aについての異常を検知した回数をカウントし、そのカウントはEEPROM811に保持される。第1センサ異常カウンタは、原稿検知センサ14aがONにならずにタイムアウトをした場合にカウントアップする(後述するS514)。第1センサ異常カウンタによるカウントは、画像読取装置400の電源がOFFになってもEEPROM811に保持される。なお、S502において原稿検知センサ14aがONになっていない場合は(S502のNо)、CPU801はS503、S504の処理を行わずに、処理はS505に進む。
【0047】
次に、CPU801は、原稿検知センサ14bがONになったか否かを判定する(S505)。原稿検知センサ14bがONになった場合(S505のYes)、CPU801は原稿検知センサ14bがONになった時刻TbをRAM803に保存する(S506)。そして、CPU801は、原稿検知センサ14bのカウンタである第2センサ異常カウンタを0(初期値)に設定する(S507)。第2センサ異常カウンタは、原稿検知センサ14bについての異常を検知した回数をカウントし、そのカウントはEEPROM811に保持される。第2センサ異常カウンタは原稿検知センサ14bがONにならずにタイムアウトをした場合にカウントアップする(後述するS516)。第2センサ異常カウンタによるカウントは、画像読取装置400の電源がOFFになってもEEPROM811に保持される。なお、S505において原稿検知センサ14bがONになっていない場合は(S505のNо)、CPU801はS506、S507の処理を行わずに、処理はS508に進む。
【0048】
次に、CPU801は、原稿検知センサ14a、14bの両方がONになったか否かを判定する(S508)。原稿検知センサ14a、14bの両方がONになった場合(S508のYes)、CPU801はRAM803に保存された時刻Ta及び時刻Tbにより検知時間差Tabを計算する(S509)。ここで、検知時間差Tabは、原稿検知センサ14aが原稿を検知したタイミングと、原稿検知センサ14bが原稿を検知したタイミングの時間差である。そして、CPU801は、S508で算出した検知時間差Tabが第1所定時間である32[ms]以上であるか否かを判定する(S510)。ここで、32[ms]は第1所定時間の一例であり、第1所定時間は任意の値に設定されてよい。検知時間差Tabが32[ms]未満である場合(S510のNо)、CPU801は第1搬送異常検知部14による搬送異常検知を終了する。S510において、検知時間差Tabが32[ms]以上であるとCPU801が判定した場合(S510のYes)、CPU801は搬送異常が発生したことをRAM803に保存して(S511)、第1搬送異常検知部14による搬送異常検知を終了する。つまり、原稿検知センサ14a、14bの一方が原稿を検知してから第1所定時間である32[ms]が経過するまでに他方が原稿を検知しない場合に、CPU801は搬送異常が発生したと判断する。
【0049】
一方、S508において、原稿検知センサ14a、14bのうち少なくとも一方がONになっていない場合(S508のNo)、CPU801はタイムアウト時間(100[ms])が経過したか否か判定する(S512)。タイムアウト時間が経過していない場合(S512のNо)、処理はS502に戻り、CPU801はタイムアウト時間が経過するまでの間、原稿検知センサ14a、14bの監視を繰り返す。原稿検知センサ14a、14bの少なくとも一方がONにならないままタイムアウト時間が経過した場合(S512のYes)、処理はS513に進む。
【0050】
S513において、CPU801は原稿検知センサ14aがOFFのままであるか否かを判定する。原稿検知センサ14aがOFFのままであった場合(S513のYes)、CPU801は第1センサ異常カウンタを1カウントアップする(S514)。
【0051】
次にCPU801は、原稿検知センサ14bがOFFのままであるか否かを判定する(S515)。原稿検知センサ14bがOFFのままであった場合(S515のYes)、CPU801は第2センサ異常カウンタを1カウントアップする(S516)。また、S513において原稿検知センサ14aがONになったとCPU801が判定した場合(S513のNо)も、CPU801は第2センサ異常カウンタを1カウントアップする。これは、原稿検知センサ14aは正常(原稿を検知することが可能)であり、原稿検知センサ14bは異常(原稿を検知することができない状態)であるということが想定されるためである。
【0052】
次に、CPU801は第1センサ異常カウンタが所定の数(本実施形態においては3)以上であるか否かを判定する(S517)。第1センサ異常カウンタが所定の数以上である場合(S517のYes)、CPU801は第1搬送異常検知部14を無効化する(S519)。ここで、第1搬送異常検知部14の有効/無効の設定はEEPROM811に記憶される。
【0053】
第1センサ異常カウンタが所定の数未満である場合(S517のNо)、CPU801は第2センサ異常カウンタが所定の数(本実施形態においては3)以上であるか否かを判定する(S518)。第2センサ異常カウンタが所定の数以上である場合(S518Yes)、CPU801は第1搬送異常検知部14を無効化する(S519)。そして、第1搬送異常検知部14による搬送異常検知を終了する。
【0054】
一方で、S517及びS518において、第1センサ異常カウンタと第2センサ異常カウンタの両方のカウントが3未満である場合(S518のNо)、CPU801は、搬送異常が発生したという情報をRAM803に保存する(S511)。そして、CPU801は、第1搬送異常検知部14による搬送異常検知を終了する。
【0055】
第1搬送異常検知部14による搬送異常検知が終了すると処理は図4のS405に進み、CPU801はRAM803に保存された情報に基づいて、搬送異常が発生したか否かを判定する。CPU801が、搬送異常が発生したと判断した場合(S405のYes)、CPU801は搬送異常が発生したことを操作表示部904によりユーザに通知する(S414)。図10は、搬送異常が発生したことユーザに通知するための操作表示部904に表示される画面の一例である。そして、CPU801は搬送モータを停止する(S415)。ここで、搬送モータとは分離モータ805、引抜モータ806及びリードモータ807の3つのモータである。その後、CPU801は、流し読みジョブを終了する。
【0056】
S405において、CPU801が、搬送異常が発生していないと判定した場合(S405のNо)、CPU801は原稿トレイ30上において原稿幅検知センサ809により検知された原稿の幅が247[mm]以上か否かを判定する(S407)。原稿幅検知センサ809が検知した原稿の幅が247[mm]未満である場合(S407のNо)、CPU801は搬送中の原稿の画像読取を行う(S412)。原稿幅検知センサ809により検知された原稿の幅が247[mm]以上である場合(S407のYes)、CPU801は第2搬送異常検知部15が有効であるか否かを判定する(S408)。S408においてCPU801が行う第2搬送異常検知部15が有効であるか否かの判定は、EEPROM811に記憶される情報に基づいて行われる。
【0057】
第2搬送異常検知部15が有効である場合(S408Yes)、CPU801は図6のフローチャートに示す第2搬送異常検知部15による搬送異常検知を実行する(S409)。なお、S408において、第2搬送異常検知部15が無効である場合(S408のNo)、CPU801は第2搬送異常検知部15(原稿検知センサ15a、15b)の動作確認を行う(S411)。第2搬送異常検知部15の動作確認については後述する。
【0058】
図6に示す第2搬送異常検知部15による搬送異常検知が開始されると、CPU801は、タイムアウト検知用タイマーの計時を開始する(S601)。これにより、原稿検知センサ15a、15bの一方が長時間原稿を検知しない場合であっても、CPU801は処理を進めることができる。タイムアウト時間は、S402における分離センサ12のONを基準タイミングとして、分離センサ12と原稿検知センサ15a、15bとの搬送方向における距離、給送速度、搬送効率及び斜行マージン時間に基づいて設定される。
【0059】
本実施形態において、分離センサ12と原稿検知センサ15a、15bとの搬送方向における距離が20[mm]、給送速度が350[mm/s]である。本実施形態においては、搬送効率が0.75であるすると、搬送される原稿は分離センサ12に到達してから約76[ms](=20[mm]/(350[mm/s]×0.75))後に原稿検知センサ15a、15bに到達する。タイムアウト時間を設定するためには、原稿が斜行することを想定して、この時間(76[ms])に斜行マージン時間を加える必要がある。本実施形態における原稿検知センサ15a、15bの主走査方向の距離は223[mm]であり、原稿搬送時に想定される原稿の斜行量を3.5°とすると、斜行マージン時間は約52[ms](=223[mm]×tan(3.5°)/(350[mm/s])×0.75))となる。これより、タイムアウト時間は、128[ms](=76[ms]+52[ms])以上であればよい。本実施形態では、第2搬送異常検知部15による搬送異常検知のタイムアウト時間を200[ms]とする。
【0060】
次に、CPU801は、原稿検知センサ15aがONになったか否かを判定する(S602)。原稿検知センサ15aがONになった場合(S602のYes)、CPU801は原稿検知センサ15aがONになった時刻TcをRAM803に保存する(S603)。そして、CPU801は、原稿検知センサ15aのカウンタである第3センサ異常カウンタを0に設定する(S604)。第3センサ異常カウンタは、原稿検知センサ15aについての異常を検知した回数をカウントし、そのカウントはEEPROM811に保持される。第3センサ異常カウンタは、原稿検知センサ15aがONにならずにタイムアウトをした場合にカウントアップする(後述するS614)。第3センサ異常カウンタによるカウントは、画像読取装置400の電源がOFFになってもEEPROM811に保持される。なお、原稿検知センサ15aがONになっていない場合は(S602のNо)、CPU801はS603、S604の処理を行わずに、処理はS605に進む。
【0061】
次に、CPU801は、原稿検知センサ15bがONになったか否かを判定する(S605)。原稿検知センサ15bがONになった場合(S605のYes)、CPU801は原稿検知センサ15bがONになった時刻TdをRAM803に保存する(S606)。そして、CPU801は、原稿検知センサ15bのカウンタである第4センサ異常カウンタを0に設定する(S607)。第4センサ異常カウンタは、原稿検知センサ15bの異常を検知した回数をカウントし、そのカウントはEEPROM811に保持される。第4センサ異常カウンタは原稿検知センサ15bがONにならずにタイムアウトをした場合にカウントアップする(後述するS616)。第4センサ異常カウンタによるカウントは、画像読取装置400の電源がOFFになってもEEPROM811に保持される。なお、原稿検知センサ15bがONになっていない場合は(S605のNо)、CPU801はS606、S607の処理を行わずに、処理はS608に進む。
【0062】
次に、CPU801は、原稿検知センサ15a、15bの両方がONになったか否かを判定する(S608)。原稿検知センサ15a、15bの両方がONになった場合(S608のYes)、CPU801はRAM803に保存された時刻Tc及び時刻Tdにより検知時間差Tcdを計算する(S609)。ここで、検知時間差Tcdは、原稿検知センサ15aが原稿を検知したタイミングと、原稿検知センサ15bが原稿を検知したタイミングの時間差である。そして、CPU801は、S609で算出した検知時間差Tcdが第2所定時間である52[ms]以上であるか否かを判定する(S610)。ここで、52[ms]は第2所定時間の一例であり、第2所定時間は任意の値に設定されてよい。検知時間差Tcdが52[ms]未満である場合(S610のNо)、CPU801は、第2搬送異常検知部15による搬送異常検知を終了する。S610において、検知時間差Tcdが52[ms]以上であるとCPU801が判定した場合(S610のYes)、CPU801は搬送異常が発生したことをRAM803に保存して(S611)、第2搬送異常検知部15による搬送異常検知を終了する。つまり、原稿検知センサ15a、15bの一方が原稿を検知してから第2所定時間である52[ms]が経過するまでに他方が原稿を検知しない場合に、CPU801は搬送異常が発生したと判断する。
【0063】
一方、S608において、原稿検知センサ15a、15bのうち少なくとも一方がONになっていない場合(S608のNo)、CPU801はタイムアウト時間(200[ms])が経過したか否か判定する(S612)。タイムアウト時間が経過していない場合(S612のNо)、処理はS602に戻り、CPU801はタイムアウト時間が経過するまでの間、原稿検知センサ15a、15bの監視を繰り返す。原稿検知センサ15a、15bの少なくとも一方がONにならないままタイムアウト時間が経過した場合(S612のYes)、処理はS613に進む。
【0064】
S613において、CPU801は原稿検知センサ15aがOFFのままであるか否かを判定する。原稿検知センサ15aがOFFのままであった場合(S613のYes)、CPU801は第3センサ異常カウンタを1カウントアップする(S614)。
【0065】
次にCPU801は、原稿検知センサ15bがOFFのままであるか否かを判定する(S615)。原稿検知センサ15bがOFFのままであった場合(S615のYes)、CPU801は第4センサ異常カウンタを1カウントアップする(S616)。また、S613において原稿検知センサ15aがONになったとCPU801が判定した場合(S613のNо)も、CPU801は第4センサ異常カウンタを1カウントアップする。これは、原稿検知センサ15aは正常(原稿を検知することが可能)であり、原稿検知センサ15bは異常(原稿を検知することができない)であるということが想定されるためである。
【0066】
次に、CPU801は原稿検知センサ15aの第3センサ異常カウンタが所定の数(本実施形態においては3)以上であるか否かを判定する(S617)。第3センサ異常カウンタが所定の数以上である場合(S617のYes)、CPU801は第2搬送異常検知部15を無効化する(S619)。
【0067】
第3センサ異常カウンタが所定の数未満である場合(S617のNо)、CPU801は原稿検知センサ15bの第4センサ異常カウンタが所定の数(本実施形態においては3)以上であるか否かを判定する(S618)。第4センサ異常カウンタが所定の数以上である場合(S618Yes)、CPU801は第2搬送異常検知部15を無効化する(S619)。そして、第2搬送異常検知部15による搬送異常検知を終了する。
【0068】
一方で、S617及びS618において、第3センサ異常カウンタと第4センサ異常カウンタの両方のカウントが3未満である場合(S618のNо)、CPU801は、搬送異常が発生したという情報をRAM803に保存する(S611)。そして、CPU801は、第2搬送異常検知部15による搬送異常検知を終了する。
【0069】
第2搬送異常検知部15による搬送異常検知が終了すると処理は図4のS410に進み、CPU801はRAM803に保存された情報に基づいて、搬送異常が発生したか否かを判定する。CPU801が、搬送異常が発生していないと判定した場合(S410のNо)、CPU801は光学スキャナユニット102及び光学スキャナユニット202により原稿の画像読取を行う(S412)。なお、CPU801が、搬送異常が発生したと判断した場合(S410のYes)、CPU801は搬送異常が発生したことをユーザに通知して(S414)、搬送モータを停止させる(S415)。
【0070】
S412において原稿の画像読取を行った後、CPU801は、原稿有無検知センサ11からの信号に基づいて、原稿トレイ30に次の原稿があるか否かを判定する(S413)。原稿トレイ30に次の原稿がない場合(S413No)、CPU801は搬送モータを停止させ(S415)、流し読みジョブを終了する。原稿トレイ30に次の原稿がある場合(S413Yes)、処理はS401に戻り、CPU801は次の原稿の給送を開始する。以上の動作により、画像読取装置400は、原稿トレイ30に載置されたすべての原稿の画像を読み取る。
【0071】
本実施形態において、原稿検知センサ14a、14bの両方が原稿を検知して、検知時間差Tabが第1所定時間である32[ms]以上である場合に(S510のYes)、CPU801は原稿の搬送を停止する。しかし、CPU801は、原稿検知センサ14a、14bの一方が原稿を検知してから第1所定時間である32[ms]が経過したときに原稿検知センサ14a、14bの他方が原稿を検知していなければ、その時点で原稿の搬送を停止するように制御してもよい。また、CPU801は、原稿検知センサ15a、15bの一方が原稿を検知してから第2所定時間である52[ms]が経過したときに原稿検知センサ15a、15bの他方が原稿を検知していなければ、その時点で原稿の搬送を停止するように制御してもよい。
【0072】
<搬送異常検知部の動作確認における制御の説明>
次に、CPU801が図4のS406において実行する第1搬送異常検知部14の動作確認、及びS411において実行する第2搬送異常検知部15の動作確認について図7図8を用いて説明する。図7は第1搬送異常検知部14の動作確認の流れを示すフローチャートであり、図8は第2搬送異常検知部15の動作確認の流れを示すフローチャートである。
【0073】
図7のフローチャートに示す第1搬送異常検知部14の動作確認とは、原稿検知センサ14a、14bが正常に原稿を検知できるか否かをCPU801が確認し、原稿検知センサ14a、14bが正常である場合には第1搬送異常検知部14を有効化するための制御である。
【0074】
第1搬送異常検知部14の動作確認が開始されると、CPU801は、第1搬送異常検知部14の動作確認のタイムアウト検知用タイマーの計時を開始する(S701)。本実施形態において、第1搬送異常検知部14の動作確認のタイムアウト時間は100[ms]とする。
【0075】
次に、CPU801は、原稿検知センサ14aがONになったか否かを判定する(S702)。原稿検知センサ14aがONになった場合(S702Yes)、CPU801は原稿検知センサ14aの第1センサ異常カウンタを0に設定する(S703)。
【0076】
次に、CPU801は、原稿検知センサ14bがONになったか否かを判定する(S704)。原稿検知センサ14bがONになった場合(S704のYes)、CPU801は原稿検知センサ14bの第2センサ異常カウンタを0に設定する(S705)。
【0077】
次に、CPU801は、原稿検知センサ14a、14bの両方がONになったか否かを判定する(S706)。原稿検知センサ14a、14bの両方がONになったと判定された場合(S706のYes)、CPU801は第1搬送異常検知部14を有効化して(S707)、第1搬送異常検知部14の動作確認を終了する。
【0078】
原稿検知センサ14a、14bの少なくとも一方がONになっていない場合(S706のNo)、CPU801はタイムアウト時間(100[ms])が経過したか否かを判断する(S708)。
【0079】
タイムアウト時間が経過した場合(S708のYes)、CPU801は第1搬送異常検知部14の動作確認を完了する。タイムアウト時間が経過していない場合(S708のNо)、処理はS702に戻り、CPU801はタイムアウト時間が経過するまでの間、原稿検知センサ14a、14bの監視を繰り返す。第1搬送異常検知部14の動作確認が終了すると、処理は上述した図4のS408に進む。
【0080】
図8のフローチャートに示す第2搬送異常検知部15の動作確認は、上述した第1搬送異常検知部14の動作確認と同様の制御であり、CPU801が動作確認を行うセンサが原稿検知センサ14a、14bではなく原稿検知センサ15a、15bである。第2搬送異常検知部15の動作確認については、第1搬送異常検知部14の動作確認と同様であることから、説明を割愛する。
【0081】
第1搬送異常検知部14及び第2搬送異常検知部15が無効化されている場合に、CPU801は上述した動作確認を行うことで、第1搬送異常検知部14及び第2搬送異常検知部15が正常に動作している場合にはそれらを有効化することが可能である。
【0082】
以上で説明した制御により、CPU801は原稿検知センサ14aが原稿を検知しない場合に第1センサ異常カウンタを1カウントアップし、原稿検知センサ14aが原稿を検知した場合に第1センサ異常カウンタを0に戻す。これにより、原稿検知センサ14aが原稿を検知しないことが3回連続で発生した場合に、第1センサ異常カウンタは3となる。そして、CPU801は、第1センサ異常カウンタが3(所定の回数)以上のときに、第1搬送異常検知部14を無効化する。ここでCPU801が行う処理は、原稿検知センサ14bについても同様である。つまり、原稿搬送時に原稿検知センサ14a、14bの一方が原稿を検知しないことが所定の回数連続して発生した場合、CPU801は原稿検知センサ14a、14bに基づく搬送の停止を行わないようになる。これにより、原稿検知センサ14a、14bが故障した(原稿を検知することができない状態になった)場合においても、第1搬送異常検知部14が無効化されるので、画像読取装置400は原稿を搬送して画像を読み取ることが可能である。これは、第2搬送異常検知部15(原稿検知センサ15a、15b)についても同様である。
【0083】
本実施形態において、CPU801は原稿検知センサ14a、14bのそれぞれが原稿を検知しなかった回数をセンサ異常カウンタによりカウントし、センサ異常カウンタが3以上になった場合に搬送を停止する構成を例示した。しかし、CPU801は原稿検知センサ14a、14bの一方が原稿を検知しなかったことによる搬送の停止の回数をカウントし、所定の回数(例えば2回)連続して搬送が停止された場合に次に搬送される原稿について第1搬送異常検知部14を無効にする構成でもよい。
【0084】
本実施形態において、原稿検知センサ14a、14bの両方が原稿を検知して、検知時間差Tabが第1所定時間である32[ms]以上である場合に、CPU801は原稿の搬送を停止する。しかし、CPU801は、原稿検知センサ14a、14bの一方が原稿を検知してから第1所定時間である32[ms]が経過したときに原稿検知センサ14a、14bの他方が原稿を検知していなければ、その時点で原稿の搬送を停止するように制御してもよい。
【0085】
本実施形態において、画像読取装置400は第1搬送異常検知部14と第2搬送異常検知部15を有しているが、第1搬送異常検知部14のみを有していてもよい。また、本実施形態では、第1搬送異常部14は原稿検知センサ14a、14bの2つのセンサにより構成されるが、第1搬送異常検知部14は3つ以上のセンサによって構成されてもよい。
【符号の説明】
【0086】
500 画像形成装置
400 画像読取装置
200 画像読取部
100 ADF
102、202 光学スキャナユニット
14 第1搬送異常検知部
14a、14b 原稿検知センサ
15 第2搬送異常検知部
15a、15b 原稿検知センサ
図1
図2
図3
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図5
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図7
図8
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図10