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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】中継装置、制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/36 20060101AFI20241202BHJP
   G06F 13/38 20060101ALI20241202BHJP
   G06F 13/42 20060101ALI20241202BHJP
【FI】
G06F13/36 320A
G06F13/38 350
G06F13/38 320Z
G06F13/42 310
G06F13/36 310E
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020202273
(22)【出願日】2020-12-04
(65)【公開番号】P2022089679
(43)【公開日】2022-06-16
【審査請求日】2023-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 誠
【審査官】太田 龍一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-169601(JP,A)
【文献】特開2017-228226(JP,A)
【文献】特開2018-200345(JP,A)
【文献】特開2018-005619(JP,A)
【文献】特開2020-184162(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B15/00-15/035
G03B15/06-15/16
G03B17/56-17/58
G06F 3/00
G06F13/20-13/42
H04N 5/222-5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
USBデバイスとして動作する第1の装置とUSBホストとして動作する第2の装置とが接続される中継装置であって、
前記第1の装置のUSB規格に準拠していないインターフェースと接続する第1の接続手段と、
前記第2の装置のUSB規格に準拠したインターフェースと接続する第2の接続手段と、
前記中継装置がUSBデバイスであることを、前記第2の装置に通知する第1の通知手段と、
前記第2の装置が前記第2の接続手段に接続されたことを前記第1の装置に通知する第2の通知手段と、
前記第2の装置と前記第1の装置とのUSB規格に従った通信であるUSB通信を中継する通信手段と
を有することを特徴とする中継装置。
【請求項2】
前記第2の通知手段は、前記第2の装置から前記第2の接続手段に入力されるVBUS信号の電圧レベルの変化を検知すると、前記第2の装置が前記第2の接続手段に接続されたことを前記第1の装置に通知することを特徴とする請求項1に記載の中継装置。
【請求項3】
前記第1の装置に、前記中継装置を識別するように要求する要求手段と、
前記第1の装置が読み出し可能なように、前記中継装置の識別情報を記憶する記憶手段と、
をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の中継装置。
【請求項4】
前記要求手段および前記記憶手段は、前記第1の接続手段を介して前記第1の装置から供給される電力によって動作することを特徴とする請求項3に記載の中継装置。
【請求項5】
前記第1の装置は、電子機器であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の中継装置。
【請求項6】
前記第1の接続手段は、前記電子機器のアクセサリシューと接続することを特徴とする請求項5に記載の中継装置。
【請求項7】
前記第2の装置は、スマートフォンであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の中継装置。
【請求項8】
USBデバイスとして動作する第1の装置とUSBホストとして動作する第2の装置とが接続される中継装置であって、前記第1の装置のUSB規格に準拠していないインターフェースと接続する第1の接続手段と、前記第2の装置のUSB規格に準拠したインターフェースと接続する第2の接続手段とを有する中継装置のコンピュータが実行する制御方法であって、
前記中継装置がUSBデバイスであることを、前記第2の装置に通知する第1の通知ステップと、
前記第2の装置が前記第2の接続手段に接続されたことを前記第1の装置に通知する第2の通知ステップと、
前記第2の装置からのデータ信号を中継して前記第1の装置に送信することで、前記第2の装置と前記第1の装置とのUSB規格に従った通信であるUSB通信のネゴシエーションを行う通信ステップと
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項9】
USBデバイスとして動作する第1の装置とUSBホストとして動作する第2の装置とが接続される中継装置であって、前記第1の装置のUSB規格に準拠していないインターフェースと接続する第1の接続手段と、前記第2の装置のUSB規格に準拠したインターフェースと接続する第2の接続手段とを有する中継装置のコンピュータに、
前記中継装置がUSBデバイスであることを、前記第2の装置に通知する第1の通知ステップと、
前記第2の装置が前記第2の接続手段に接続されたことを前記第1の装置に通知する第2の通知ステップと、
前記第2の装置からのデータ信号を中継して前記第1の装置に送信することで、前記第2の装置と前記第1の装置とのUSB規格に従った通信であるUSB通信のネゴシエーションを行う通信ステップと
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中継装置、制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、車両が有する充電器が、車両の衝撃を検知すると、充電器に接続された携帯電話に対して、車両に衝撃があったことを通知する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-97169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、USB(Universal Serial Bus)規格に関する記載はない。したがって、特許文献1には、USB規格に準拠したインターフェース(または接続部)を有する装置とUSB規格に準拠していないインターフェース(または接続部)を有する装置との間でUSB通信を行うための構成および方法までは記載されていない。
【0005】
そこで、本発明は、USB規格に準拠したインターフェース(または接続部)を有する装置とUSB規格に準拠していないインターフェース(または接続部)を有する装置との間でUSB通信を行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る中継装置は、USBデバイスとして動作する第1の装置とUSBホストとして動作する第2の装置とが接続される中継装置であって、前記第1の装置のUSB規格に準拠していないインターフェースと接続する第1の接続手段と、前記第2の装置のUSB規格に準拠したインターフェースと接続する第2の接続手段と、前記中継装置がUSBデバイスであることを、前記第2の装置に通知する第1の通知手段と、前記第2の装置が前記第2の接続手段に接続されたことを前記第1の装置に通知する第2の通知手段と、前記第2の装置と前記第1の装置とのUSB規格に従った通信であるUSB通信を中継する通信手段とを有する。
本発明に係る制御方法は、USBデバイスとして動作する第1の装置とUSBホストとして動作する第2の装置とが接続される中継装置であって、前記第1の装置のUSB規格
に準拠していないインターフェースと接続する第1の接続手段と、前記第2の装置のUSB規格に準拠したインターフェースと接続する第2の接続手段とを有する中継装置のコンピュータが実行する制御方法であって、前記中継装置がUSBデバイスであることを、前記第2の装置に通知する第1の通知ステップと、前記第2の装置が前記第2の接続手段に接続されたことを前記第1の装置に通知する第2の通知ステップと、前記第2の装置からのデータ信号を中継して前記第1の装置に送信することで、前記第2の装置と前記第1の装置とのUSB規格に従った通信であるUSB通信のネゴシエーションを行う通信ステップとを有する。
本発明に係るプログラムは、USBデバイスとして動作する第1の装置とUSBホストとして動作する第2の装置とが接続される中継装置であって、前記第1の装置のUSB規格に準拠していないインターフェースと接続する第1の接続手段と、前記第2の装置のUSB規格に準拠したインターフェースと接続する第2の接続手段とを有する中継装置のコンピュータに、前記中継装置がUSBデバイスであることを、前記第2の装置に通知する第1の通知ステップと、前記第2の装置が前記第2の接続手段に接続されたことを前記第1の装置に通知する第2の通知ステップと、前記第2の装置からのデータ信号を中継して前記第1の装置に送信することで、前記第2の装置と前記第1の装置とのUSB規格に従った通信であるUSB通信のネゴシエーションを行う通信ステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、USB規格に準拠したインターフェース(または接続部)を有する装置とUSB規格に準拠していないインターフェース(または接続部)を有する装置との間でUSB通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態1における通信システム1の構成要素を説明するための図である。
図2】実施形態1における第1の装置100の構成要素を説明するための図である。
図3】実施形態1におけるUSB通信処理を説明するためのフローチャートである。
図4】実施形態2における通信システム4の構成要素を説明するための図である。
図5】実施形態2における第1の装置400の構成要素を説明するための図である。
図6】実施形態2におけるUSB通信処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0010】
[実施形態1]
図1は、実施形態1における通信システム1の構成要素を説明する図である。通信システム1は、第1の装置100、中継装置110、第2の装置120を有する。実施形態1において、第1の装置100はUSB(Universal Serial Bus)デバイスとして動作し、第2の装置120はUSBホストとして動作するものとする。中継装置110は、中継装置110がUSBデバイスであることを第2の装置120に通知する機能を有するが、USBデバイスとしては動作しない。
【0011】
実施形態1において、中継装置110は、USBデバイスとして動作する第1の装置100のACCコネクタ103に接続され、USBホストとして動作する第2の装置120のUSBコネクタ122に接続される。第2の装置120のUSBコネクタ122に中継装置110が接続された場合、中継装置110は、中継装置110がUSBデバイスであることを第2の装置120に通知する。中継装置110がUSBデバイスであることが中継装置110から第2の装置120に通知された後、第2の装置120が中継装置110に接続されたことを第1の装置100に通知する。第2の装置120が中継装置110に接続されたことが中継装置110から第1の装置100に通知された場合、第1の装置100は、USBデバイスとして動作する。これによって、第2の装置120と第1の装置100との間でUSBホストとUSBデバイスの接続関係が間接的に確立する。そして、中継装置110が、第1の装置100と第2の装置120とのUSB規格に従った通信(USB通信)を中継する。このことにより、第1の装置100と第2の装置120とは、中継装置110を介してUSB通信を行うことができる。
【0012】
第1の装置100は、CPU101、電源回路102、ACCコネクタ103およびUSBコネクタ109を有する。第1の装置100は、CMOSセンサまたはCCDセンサ、レンズユニットなどにより構成される撮像部を有する。なお、第1の装置100は、例えば、デジタルカメラなどの撮像装置として動作可能な電子機器である。
【0013】
CPU101は、マイクロコンピュータを含む制御部である。CPU101は、メモリに格納されているプログラムを実行することにより、第1の装置100の全ての構成要素を制御することができる。
【0014】
CPU101は、接続検知信号104、通信要求信号105、制御信号108および電源制御信号106の入力および出力を制御する。接続検知信号104は、中継装置110に第2の装置120が接続されたことを第1の装置100が検知するための信号である。通信要求信号105は、中継装置110からの割り込み信号である。電源制御信号106は、CPU101が電源回路102を制御するための信号である。制御信号108は、CPU101が中継装置110を制御するための信号である。
【0015】
CPU101は、USB通信を行うためのUSBポートAとUSBポートBを有する。USBポートAは、USBデータ信号125による通信によって、中継装置110を介して第2の装置120(CPU121)と接続される。USBポートBは、外部USBデータ信号126による通信によって、USBコネクタ109と接続される。
【0016】
電源回路102は、電力107を生成して、生成した電力107を通信要求部113および機器識別部114に供給する。電源回路102は、DC/DCコンバータまたは/およびLDO(Low Dropout)レギュレータなどを含む。
【0017】
ACCコネクタ103(アクセサリコネクタ)は、中継装置110(ACCコネクタ116)と接続するための専用コネクタである。ACCコネクタ103は、USB規格およびUSB Type-C規格に準拠していないインターフェース(または接続部)である。ACCコネクタ103は、例えば、フラッシュ装置、ファインダー装置などを第1の装置100に接続するためのアクセサリシューとして機能する。
【0018】
USBコネクタ109は、外部装置200と接続するためのコネクタである。USBコネクタ109は、USB規格に準拠したインターフェース(または接続部)である。
【0019】
なお、実施形態1では、第1の装置100がUSBコネクタ109を含む例を説明するが、第1の装置100がUSBコネクタ109を含まなくてもよい。この場合は、CPU101がUSBポートBを有する必要はない。
【0020】
中継装置110は、USB通知部111、接続通知部112、通信要求部113、機器識別部114、USBコネクタ115、ACCコネクタ116、通信部117を有する。中継装置110は、例えば、第1の装置100に接続可能な複数のアクセサリ装置の一つとして動作する。
【0021】
USB通知部111は、中継装置110がUSBデバイスであることを、CC信号123によって第2の装置120に通知する。
【0022】
接続通知部112は、VBUS信号124の印加によって接続検知信号104の電圧レベル(電位)を切り換える。接続通知部112は、トランジスタなどを有する。
【0023】
通信要求部113は、第1の装置100(電源回路102)から電力107が供給されてから一定期間後に、通信要求信号105の電圧レベル(電位)を変化させる。通信要求部113は、リセットICなどを有する。
【0024】
機器識別部114は、種々のパラメータおよび固有番号を記憶するためのEEPROM
(電気的な消去および書き込みが可能なメモリ)などを有する記憶部である。
【0025】
USBコネクタ115は、USB規格およびUSB Type-C規格に準拠したインターフェース(または接続部)である。ACCコネクタ116は、第1の装置100(ACCコネクタ103)と接続するための専用コネクタである。ACCコネクタ116は、USB規格およびUSB Type-C規格に準拠していないインターフェース(または接続部)である。
【0026】
通信部117は、第1の装置100と第2の装置120との間のUSB規格に従った通信であるUSB通信を中継する。通信部117は、さらに、第1の装置100からのUSBデータ信号125を中継して第2の装置120に送信することで、第1の装置100と第2の装置120との間のUSB通信のネゴシエーションを行うことができる。
【0027】
第2の装置120は、マイクロコンピュータを含むCPU121、USBコネクタ122を有する。なお、第2の装置120は、例えば、スマートフォン、PC(パーソナルコンピュータ)などの情報処理装置として動作可能な電子機器である。
【0028】
CPU121は、CC信号123およびVBUS信号124によってUSBホストとUSBデバイスの接続関係が確立した後、USB通信のネゴシエーションを行うための準備の処理を行う。USB通信のネゴシエーションが完了すると、CPU121は、中継装置110を介して、CPU101とUSB通信をすることができる。これにより、CPU121とCPU101との間で、様々なデータ(USBデータ信号125)が送信または受信される。
【0029】
USBコネクタ122は、USB規格およびUSB Type-C規格に準拠したインターフェース(または接続部)である。USBコネクタ122とUSBコネクタ115とは、USBケーブルによって物理的および電気的に接続することができる。
【0030】
次に、図2を参照して、第1の装置100の構成について詳細に説明する。図2は、第1の装置100のより詳細な構成要素を説明する図である。ACCコネクタ103は、VDD(Voltage Drain)ピン210、SCL(シリアルクロック線)ピン211、SDA(シリアルデータ線)ピン212、WAKEピン213、DETピン214、D-ピン215、D+ピン216を有する。
【0031】
VDDピン210は、電力107を電源回路102から取得するためのピンであり、かつ、電力107を中継装置110に出力するためのピンである。SCLピン211およびSDAピン212は、制御信号108を入力または出力するためのピンである。WAKEピン213は、通信要求信号105を入力または出力するためのピンである。D-ピン215およびD+ピン216は、USBデータ信号125を入力または出力するためのピンである。DETピン214は、接続検知信号104を入力または出力するためのピンである。
【0032】
USBコネクタ109は、D-ピン201、D+ピン202、CCピン203、VBUSピン204を有する。
【0033】
D-ピン201およびD+ピン202は、外部USBデータ信号126を入力または出力するためのピンである。CCピン203は、外部装置200とのUSB通信のネゴシエーションを行うための外部CC信号207を入力または出力するためのピンである。VBUSピン204は、外部VBUS信号208を入力または出力するためのピンである。
【0034】
図2に示す各コネクタの構成は、各コネクタにおける動作のために最低限必要な構成である。このため、各コネクタは、他にも種々の信号の入力または出力が可能であるように構成されていてもよい。
【0035】
次に、図3のフローチャートを参照して、実施形態1における中継装置110および第1の装置100の動作について説明する。ユーザが第1の装置100のスイッチ群を操作することで第1の装置100が電源ON状態になると、CPU101が立ち上がる。次に、ユーザによって、中継装置110のACCコネクタ116と第1の装置100のACCコネクタ103とが接続される。さらに、ユーザによって、第2の装置120のUSBコネクタ122と中継装置110のUSBコネクタ115とが接続される。これにより、第2の装置120と第1の装置100が電気的に接続される。これらの接続をユーザが行うと、図3のフローチャートの処理が開始する。
【0036】
なお、図3に示すフローチャートでは、第1の装置100には、第1の装置100と第2の装置120とのUSB通信を中継する中継装置である中継装置110が接続されていると仮定する。一方で、第1の装置100には、第1の装置100と第2の装置120とのUSB通信を中継しないような中継装置(例えば、外付けのフラッシュまたはファインダーなど)も接続可能である。第1の装置100と第2の装置120とのUSB通信を中継しないような中継装置も、後述するステップS301~S303およびS306の処理を実行可能であってよい。
【0037】
ステップS301では、USB通知部111は、USBコネクタ115への第2の装置120の接続を検知する。そして、USB通知部111は、第2の装置120のCPU121に対し、CC信号123により、中継装置110がUSBデバイスであることを通知する。例えば、USB通知部111は、USBコネクタ115がUSB Type-C規格に準拠したインターフェース(または接続部)であるため、CC信号123をプルダウンして(Lレベルに固定して)おく。
【0038】
ステップS302では、接続通知部112は、VBUS信号124が第2の装置120から供給されたか否かを判定する。VBUS信号124が第2の装置120から供給された場合はステップS303に進み、VBUS信号124が第2の装置120から供給されていない場合はステップS302の処理が繰り返される。
【0039】
ステップS303では、接続通知部112は、VBUS信号124に基づき、接続検知信号104の電圧レベル(電位)を変更する(変化させる)。接続通知部112は、接続検知信号104の電圧レベルを変更することにより、中継装置110に第2の装置120が接続されたことを第1の装置100に通知する。
【0040】
ステップS304では、CPU101は、ACCコネクタ103のDETピン214(接続検知信号104)の電位が所定の電位に変化したことを検知し、第2の装置120(および中継装置110)が接続されたことを検知(認識)する。
【0041】
ステップS305では、CPU101は、電源制御信号106により電源回路102を制御して、通信要求部113および機器識別部114に電力107を供給する。通信要求部113および機器識別部114は、電力107によって動作可能になる。
【0042】
ステップS306では、通信要求部113は、電力107が供給されてから予め指定した待機期間だけ経過した後に、通信要求信号105の電圧レベル(電位)を変更する(変化させる)。通信要求信号105の電圧レベル(電位)を変更することにより、通信要求部113は、第1の装置100に接続されている装置が中継装置110であるか否かを判
定(識別)することを第1の装置100に要求する。待機期間は、例えば、機器識別部114に電力107が供給されてから制御信号108による通信が可能になるまでの期間である。
【0043】
ステップS307では、CPU101は、通信要求信号105が所定の電位に変化したことを検知すると、制御信号108を用いて機器識別部114に記憶されている中継装置110の固有番号(識別情報)の読み出しを行う。CPU101は、ACCコネクタ103に接続されている装置が中継装置110であるか否かを中継装置110の固有番号によって判定する(認識する)。
【0044】
実施形態1では、USB通信を中継する中継装置である中継装置110が第1の装置100に接続されている。そのため、中継装置110の固有番号は、USB通信を中継する中継装置であることを示しており、ステップS307では、CPU101は、ステップS307で検知した中継装置110がUSB通信を中継する中継装置であると判定する。この場合は、S308に進む。
【0045】
ここで、実施形態1とは異なり、中継装置110ではない装置が第1の装置100に接続されていれば、CPU101は、第1の装置100に接続されている装置がUSB通信を行う中継装置110でないと判定する。この場合は、CPU101は、本フローチャートを終了する。そして、CPU101は、USBデータ信号125によるネゴシエーションは行わず、例えば、I2C(Inter-Integrated Circuit)などの制御方法を用いて、接続された中継装置毎に必要な制御を行う。
【0046】
ステップS308では、CPU101は、USB通信が可能な状態になったことを、通信部117を介してCPU121に通知する。実施形態1において、CPU101は、USBデータ信号125を制御して、USB通信を実行するためのネゴシエーションをCPU121と行う。この結果、第2の装置120と第1の装置100との間のUSB通信が開始する。
【0047】
ステップS309では、CPU101は、USB通信を開始する。CPU101は、例えば、中継装置110の通信部117を介して、撮像部が撮像した画像データなどのデータ(USBデータ信号125)をUSB通信により第2の装置120に送信する。
【0048】
実施形態1によれば、中継装置110が、第2の装置120から供給されるVBUS信号の電位(VBUS電位)に基づく接続検知信号104を第1の装置100に通知する。このことにより、第1の装置100は、中継装置110と第2の装置120が接続されたことを認識できる。そして、第1の装置100は、中継装置110を介して、第2の装置120とUSB通信を行うことができる。実施形態1によれば、USBホストとUSBデバイスの接続関係を確立するためのマイクロコントローラを第2の装置120が有していなくとも、第1の装置100と第2の装置120との間でUSB通信が可能になるため、通信システム1の構成を簡素にすることができる。
【0049】
[実施形態2]
実施形態1では、CPU101がUSBポートAとUSBポートBとを有していたため、第1の装置100は、第2の装置120と外部装置200との両方とUSB通信を行うことができる。一方で、CPU101が1つのUSBポートしか有しておらず、第2の装置120と外部装置200とのいずれか一方とUSB通信が可能である場合がある。そこで、実施形態2では、このような場合における通信システム4のUSB通信の制御を説明する。
【0050】
図4は、実施形態2における通信システム4の構成要素を説明するための図である。通信システム4は、第1の装置400、中継装置110、第2の装置120を有する。ここで、第2の装置120および中継装置110の構成は、実施形態1と同様の構成であるため、それらの説明を省略する。第1の装置400は、実施形態1における第1の装置100の構成要素に加えて、切替回路402をさらに有する。
【0051】
切替回路402は、CPU101のUSBポートに対して入力または出力する信号を、外部USBデータ信号126とUSBデータ信号125とで切り替える。実施形態2では、切替回路402は、図5に示すように、CPU101から入力されるUSB切替信号506に基づき、CPU101のUSBポートに対して入力または出力される信号を切り替える。この場合、外部USBデータ信号126がUSBポートに対して入力または出力されれば、第1の装置100と外部装置200との間でUSB通信が可能になる。USBデータ信号125がUSBポートに対して入力または出力されれば、第1の装置100と第2の装置120との間でUSB通信が可能になる。
【0052】
ここで、CPU101は、USB切替信号506を生成するために、第2の装置120と外部装置200とのいずれとUSB通信を行うか決定する。その後、CPU101は、USB通信を行うと決定した装置を示すUSB切替信号506を出力する。そして、切替回路402は、USB切替信号506が示す装置とUSB通信ができるように、CPU101のUSBポートに対して入力または出力する信号を切り替える。
【0053】
以下では、CPU101が第2の装置120と外部装置200とのいずれとUSB通信を行うか決定する方法(決定方法)を4つ例示する。
【0054】
1つめの決定方法(先挿し優先方法)では、CPU101は、第2の装置120と外部装置200のうち先に第1の装置100と接続した(電気的に接続した)方(USB通信が可能な状態になった方)を、USB通信を行う装置として決定する。この決定方法では、CPU101は、第2の装置120と外部装置200のうち第1の装置100に先に接続された方とUSB通信をするようにし、その後に、他方の装置が第1の装置100に接続されても、USB通信をする装置を切り替えない。
【0055】
2つめの決定方法(後挿し優先方法)では、CPU101は、第2の装置120と外部装置200のうち後に第1の装置100と接続した方を、USB通信を行う装置として決定する。この決定方法では、CPU101は、第2の装置120と外部装置200のうち第1の装置100に先に接続された方とUSB通信をし、その後に、他方の装置が第1の装置100に接続されると、当該他方の装置とUSB通信をするように切り替える。
【0056】
3つめの決定方法(本体優先方法)では、CPU101は、第2の装置120と外部装置200との両方が第1の装置100に接続されていれば、常に、外部装置200とUSB通信を行うと決定する。なお、CPU101は、外部装置200と接続していない場合は、第2の装置120とUSB通信を行うと決定する。
【0057】
4つめの決定方法(アクセサリ優先方法)では、CPU101は、第2の装置120と外部装置200との両方が第1の装置100に接続されていれば、常に、第2の装置120とUSB通信を行うと決定する。なお、CPU101は、外部装置200と接続していない場合は、外部装置200とUSB通信を行うと決定する。
【0058】
なお、いずれの決定方法を用いる場合も、CPU101は、第2の装置120と外部装置200との両方が第1の装置100に接続されている状態から、一方の装置の接続が解除されれば、他方の装置とUSB通信を行うと決定してもよい。これによれば、1つの装
置に対する接続が解除されたことによるUSB通信の空白時間の発生を防止できる。
【0059】
次に、図6のフローチャートを参照して、実施形態2における中継装置110および第1の装置100の動作について説明する。ここでは、CPU101が第2の装置120と外部装置200とのいずれとUSB通信を行うか決定する方法として、「先挿し優先方法」を用いる場合を説明する。
【0060】
まず、ユーザが第1の装置100のスイッチ群を操作することで第1の装置100が電源ON状態になると、CPU101が立ち上がる。次に、ユーザによって、中継装置110のACCコネクタ116と第1の装置100のACCコネクタ103とが接続される。さらに、ユーザによって、第2の装置120のUSBコネクタ122と中継装置110のUSBコネクタ115とが接続される。これらの接続をユーザが行うと、図6のフローチャートの処理が開始する。ステップS301~S311は、図3のフローチャートを用いて説明した実施形態1のステップと同じであるため、それらの説明を省略する。
【0061】
ステップS601では、CPU101は、第1の装置100と外部装置200とがUSB通信を行っているか否かを判定する。第1の装置100と外部装置200とがUSB通信を行っていなければ、ステップS602に進む。第1の装置100と外部装置200とがUSB通信を行っていれば、このUSB通信が継続されるため、本フローチャートが終了する。
【0062】
ステップS602では、CPU101は、USB通信を行う装置が第2の装置120であることを示すUSB切替信号506を、切替回路402に出力する。そして、切替回路402は、CPU101のUSBポートに対して、USBデータ信号125が入力または出力するように制御する。
【0063】
以上説明したように、実施形態2では、CPUのUSBポートが1系統しかなく、カメラにアクセサリ専用コネクタとは別のUSBコネクタがある場合も、USBデータ信号を切り替えることで、双方のコネクタと排他的にUSB通信を行うことが可能になる。
【0064】
[実施形態3]
上述の実施形態で説明した様々な機能、処理または方法は、パーソナルコンピュータ、マイクロコンピュータ、CPU(Central Processing Unit)またはマイクロプロセッサがプログラムを実行することによって実現することもできる。以下、実施形態3では、パーソナルコンピュータ、マイクロコンピュータ、CPUまたはマイクロプロセッサを「コンピュータX」と呼ぶ。実施形態3では、コンピュータXを制御するためのプログラムであって、上述の実施形態で説明した様々な機能、処理または方法を実現するためのプログラムを「プログラムY」と呼ぶ。
【0065】
上述の実施形態で説明した様々な機能、処理または方法は、コンピュータXがプログラムYを実行することによって実現される。この場合において、プログラムYは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を介してコンピュータXに供給される。実施形態3におけるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、ハードディスク装置、磁気記憶装置、光記憶装置、光磁気記憶装置、メモリカード、揮発性メモリ、不揮発性メモリなどの少なくとも一つを含む。実施形態3におけるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、non-transitory(非一時的)な記憶媒体である。
【符号の説明】
【0066】
1:通信システム、100:第1の装置、
110:中継装置、120:第2の装置、
111:USB通知部、112:接続通知部、
115:USBコネクタ、116:ACCコネクタ、117:通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6