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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   H10K 50/824 20230101AFI20241202BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20241202BHJP
   H10K 50/842 20230101ALI20241202BHJP
   H10K 59/122 20230101ALI20241202BHJP
   H10K 59/80 20230101ALI20241202BHJP
【FI】
H10K50/824
G09F9/30 365
H10K50/842 428
H10K59/122
H10K59/80
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020209472
(22)【出願日】2020-12-17
(65)【公開番号】P2022096395
(43)【公開日】2022-06-29
【審査請求日】2023-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新田 淳
【審査官】内村 駿介
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-182121(JP,A)
【文献】特開2009-266803(JP,A)
【文献】特開2009-032673(JP,A)
【文献】特開2000-331784(JP,A)
【文献】特開平09-330792(JP,A)
【文献】特開2000-331783(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0194307(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0081962(KR,A)
【文献】米国特許第06407408(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 50/00-102/20
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
前記基材の上に配置された第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上に配置された第1下部電極及び第2下部電極と、
前記第1絶縁層の上において前記第1下部電極と前記第2下部電極との間に配置され、前記第1下部電極に重畳する第1開口部と、前記第2下部電極に重畳する第2開口部と、を有する第2絶縁層と、
前記第2絶縁層の上に配置された隔壁と、
発光層を含み、前記第1開口部に配置され、前記第1下部電極を覆う第1有機層と、
前記第1有機層を覆う第1上部電極と、
発光層を含み、前記第2開口部に配置され、前記第2下部電極を覆う第2有機層と、
前記第2有機層を覆う第2上部電極と、を備え、
前記隔壁は、
前記第2絶縁層に接し、金属材料によって形成され、前記第1開口部に面する第1側面と、前記第2開口部に面する第2側面と、第1上面と、を有する第1層と、
前記第1上面に接し、前記第1側面から前記第1開口部に向かって張り出した第2層と、を有し、
前記第1上部電極は、前記第1側面に接し
前記第2層において、前記第2側面から前記第2開口部に向かって張り出す幅は、前記第1側面から前記第1開口部に向かって張り出す幅より小さく、
前記第2上部電極は、前記第2側面から離間し、前記第2絶縁層を露出している、表示装置。
【請求項2】
前記第1有機層は、前記第1側面から離間し、
前記第1上部電極は、前記第1側面と前記第1有機層との間で前記第2絶縁層に接している、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第2有機層は、前記第2側面から離間し、
前記第2上部電極は、前記第2側面と前記第2有機層との間で前記第2絶縁層に接している、請求項に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1側面と前記第1開口部との間の距離は、前記第2側面と前記第2開口部との間の距離より大きい、請求項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1層の厚さは、前記第1層の幅より小さい、請求項1乃至のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
さらに、前記第1有機層の周縁部を被覆する絶縁膜を備える、請求項1乃至のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第2層は、第2上面を有し、
さらに、前記第2上面を覆う第3有機層と、
前記第3有機層を覆う第3上部電極と、を備え、
前記第3有機層は、前記第1有機層及び前記第2有機層から離間し、
前記第3上部電極は、前記第1上部電極及び前記第2上部電極から離間している、請求項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1有機層、前記第2有機層、及び、前記第3有機層は、同一色の発光層を含んでいる、請求項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1有機層、前記第2有機層、及び、前記第3有機層の各々は、さらに、ホール注入層、ホール輸送層、電子注入層、及び、電子輸送層の少なくとも1つを含んでいる、請求項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1層は、平面視において、格子状に形成されている、請求項1乃至のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1層は、平面視において、ストライプ状に形成されている、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示素子として有機発光ダイオード(OLED)を適用した表示装置が実用化されている。表示素子は、画素電極と共通電極との間に有機層を備えている。有機層は、発光層の他に、正孔輸送層や電子輸送層などの機能層を含んでいる。このような有機層は、例えば真空蒸着法によって形成される。
【0003】
例えば、マスク蒸着の場合、各画素に対応した開口を有するファインマスクが適用される。しかしながら、ファインマスクの加工精度、開口形状の変形等に起因して、蒸着によって形成される薄膜の形成精度が低下するおそれがある。このため、ファインマスクを適用することなく、所望の形状の有機層を形成することが要望されている。例えば、有機層の端面が所望の位置に形成されず、表示素子の性能劣化を招くおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-195677号公報
【文献】特開2004-207217号公報
【文献】特開2008-135325号公報
【文献】特開2009-32673号公報
【文献】特開2010-118191号公報
【文献】国際公開第2019/026511号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、表示素子の性能劣化を抑制することが可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る表示装置は、
基材と、前記基材の上に配置された第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に配置された第1下部電極及び第2下部電極と、前記第1絶縁層の上において前記第1下部電極と前記第2下部電極との間に配置され、前記第1下部電極に重畳する第1開口部と、前記第2下部電極に重畳する第2開口部と、を有する第2絶縁層と、前記第2絶縁層の上に配置された隔壁と、発光層を含み、前記第1開口部に配置され、前記第1下部電極を覆う第1有機層と、前記第1有機層を覆う第1上部電極と、を備え、前記隔壁は、前記第2絶縁層に接し、金属材料によって形成され、前記第1開口部に面する第1側面と、前記第2開口部に面する第2側面と、第1上面と、を有する第1層と、前記第1上面に接し、前記第1側面から前記第1開口部に向かって張り出した第2層と、を有し、前記第1上部電極は、前記第1側面に接している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本実施形態に係る表示装置DSPの一構成例を示す図である。
図2図2は、図1に示した画素PXの一例を示す平面図である。
図3図3は、図1に示した画素PXの他の例を示す平面図である。
図4図4は、表示素子20の一例を示す断面図である。
図5図5は、図4に示した断面構造の形成工程を説明するための図である。
図6A図6Aは、隔壁30の一例を示す拡大断面図である。
図6B図6Bは、隔壁30の他の例を示す拡大断面図である。
図7図7は、表示素子20の他の例を示す断面図である。
図8図8は、表示素子20の他の例を示す断面図である。
図9図9は、図8に示した断面構造の形成工程を説明するための図である。
図10図10は、有機層ORの蒸着方法の一例を説明するための図である。
図11図11は、有機層ORの蒸着方法の他の例を説明するための図である。
図12図12は、表示素子20の他の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
なお、図面には、必要に応じて理解を容易にするために、互いに直交するX軸、Y軸、及び、Z軸を記載する。X軸に沿った方向をX方向または第1方向と称し、Y軸に沿った方向をY方向または第2方向と称し、Z軸に沿った方向をZ方向または第3方向と称する。X軸及びY軸によって規定される面をX-Y平面と称し、X軸及びZ軸によって規定される面をX-Z平面と称する。X-Y平面を見ることを平面視という。
【0010】
本実施形態に係る表示装置DSPは、表示素子として有機発光ダイオード(OLED)を備える有機エレクトロルミネッセンス表示装置であり、テレビ、パソコン、携帯端末、携帯電話等に搭載される。なお、以下に説明する表示素子は照明装置の発光素子として適用することができ、表示装置DSPは照明装置等の他の電子機器に転用することができる。
【0011】
図1は、本実施形態に係る表示装置DSPの一構成例を示す図である。表示装置DSPは、絶縁性の基材10の上に、画像を表示する表示部DAを備えている。基材10は、ガラスであってもよいし、可撓性を有する樹脂フィルムであってもよい。
【0012】
表示部DAは、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配列された複数の画素PXを備えている。画素PXは、複数の副画素SP1、SP2、SP3を備えている。一例では、画素PXは、赤色の副画素SP1、緑色の副画素SP2、及び、青色の副画素SP3を備えている。なお、画素PXは、上記の3色の副画素の他に、白色などの他の色の副画素を加えた4個以上の副画素を備えていてもよい。
【0013】
画素PXに含まれる1つの副画素SPの一構成例について簡単に説明する。
すなわち、副画素SPは、画素回路1と、画素回路1によって駆動制御される表示素子20と、を備えている。画素回路1は、画素スイッチ2と、駆動トランジスタ3と、キャパシタ4と、を備えている。画素スイッチ2及び駆動トランジスタ3は、例えば薄膜トランジスタにより構成されたスイッチ素子である。
【0014】
画素スイッチ2について、ゲート電極は走査線GLに接続され、ソース電極は信号線SLに接続され、ドレイン電極はキャパシタ4を構成する一方の電極及び駆動トランジスタ3のゲート電極に接続されている。駆動トランジスタ3について、ソース電極はキャパシタ4を構成する他方の電極及び電源線PLに接続され、ドレイン電極は表示素子20のアノードに接続されている。表示素子20のカソードは、給電線FLに接続されている。なお、画素回路1の構成は、図示した例に限らない。
【0015】
表示素子20は、発光素子である有機発光ダイオード(OLED)である。例えば、副画素SP1は赤波長に対応した光を出射する表示素子を備え、副画素SP2は緑波長に対応した光を出射する表示素子を備え、副画素SP3は青波長に対応した光を出射する表示素子を備えている。画素PXが表示色の異なる複数の副画素SP1、SP2、SP3を備えることで、多色表示を実現できる。
【0016】
但し、副画素SP1、SP2、SP3の各々の表示素子20が同一色の光を出射するように構成されてもよい。これにより、単色表示を実現できる。
【0017】
また、副画素SP1、SP2、SP3の各々の表示素子20が白色の光を出射するように構成された場合、表示素子20に対向するカラーフィルタが配置されてもよい。例えば、副画素SP1は表示素子20に対向する赤カラーフィルタを備え、副画素SP2は表示素子20に対向する緑カラーフィルタを備え、副画素SP3は表示素子20に対向する青カラーフィルタを備える。これにより、多色表示を実現できる。
【0018】
あるいは、副画素SP1、SP2、SP3の各々の表示素子20が紫外光を出射するように構成された場合、表示素子20に対向する光変換層が配置されることで、多色表示を実現できる。
【0019】
表示素子20の構成については、後述する。
【0020】
図2は、図1に示した画素PXの一例を示す平面図である。
1個の画素PXを構成する副画素SP1、SP2、SP3は、それぞれ第2方向Yに延びた略長方形状に形成され、第1方向Xに並んでいる。
後に詳述する絶縁層12は、平面視において、第1方向X及び第2方向Yにそれぞれ延びた格子状に形成され、副画素SP1、SP2、SP3の各々を囲んでいる。後に詳述する隔壁30は、平面視において、第1方向X及び第2方向Yにそれぞれ延びた格子状に形成され、絶縁層12の上に配置されている。
【0021】
図3は、図1に示した画素PXの他の例を示す平面図である。
図3に示す例は、図2に示した例と比較して、隔壁30がストライプ状に形成された点で相違している。隔壁30の各々は、第2方向Yに延出し、第1方向Xに並んでいる。副画素SP1、SP2、SP3の各々は、隣接する隔壁30の間に位置している。つまり、第1方向Xにおいて、副画素と隔壁とが交互に並んでいる。
絶縁層12は、図2に示した例と同様に格子状に形成されているが、隔壁30と同様にストライプ状に形成されてもよい。
【0022】
なお、図2及び図3に示した各副画素の外形は、表示素子の下部電極、あるいは、表示素子の発光領域の外形に相当するが、簡略化して示したものであり、必ずしも実際の形状を反映したものとは限らない。
【0023】
図4は、表示素子20の一例を示す断面図である。
図1に示した画素回路1は、基材10の上に配置され、絶縁層11によって覆われている。図4では、画素回路1に含まれる駆動トランジスタ3のみを簡略化して図示している。絶縁層(第1絶縁層)11は、表示素子20の下地層に相当し、例えば、有機絶縁層である。
【0024】
絶縁層(第2絶縁層)12は、絶縁層11の上に配置されている。絶縁層12は、例えば、有機絶縁層である。絶縁層12は、表示素子20あるいは副画素を区画するように形成されており、リブ、隔壁などと称される場合がある。
【0025】
表示素子20は、下部電極E1と、有機層ORと、上部電極E2と、を備えている。下部電極E1は、副画素毎あるいは表示素子毎に配置された電極であり、駆動トランジスタ3と電気的に接続されている。このような下部電極E1は、画素電極、アノードなどと称される場合がある。上部電極E2は、副画素毎あるいは表示素子毎に配置された電極であるが、隣接する複数の副画素あるいは複数の表示素子に亘って互いに電気的に接続されている。このような上部電極E2は、共通電極、対向電極、カソードなどと称される場合がある。
【0026】
下部電極E1は、絶縁層11の上に配置され、その周縁部が絶縁層12によって覆われている。下部電極E1は、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料によって形成された透明電極である。なお、下部電極E1は、銀、アルミニウムなどの金属材料によって形成された金属電極であってもよい。また、下部電極E1は、透明電極及び金属電極の積層体であってもよい。例えば、下部電極E1は、透明電極、金属電極、及び、透明電極の順に積層された積層体として構成されてもよいし、3層以上の積層体として構成されてもよい。
【0027】
有機層ORは、下部電極E1の上に配置されている。このような有機層ORは、発光層ELを含んでいる。図4に示す例では、有機層ORは、さらに、機能層F1及びF2を含んでいる。機能層F1、発光層EL、及び、機能層F2は、下部電極E1の側から順に積層されている。機能層F1及びF2は、例えば、ホール注入層、ホール輸送層、ホールブロック層、電子注入層、電子輸送層、電子ブロック層であるが、その他の機能層であってもよい。また、図示した機能層F1及びF2の各々は、単層体に限らず、複数の機能層が積層された積層体であってもよい。また、機能層F1及びF2の少なくとも一方が省略されてもよい。
【0028】
上部電極E2は、有機層ORを覆っている。上部電極E2は、例えば、ITOやIZOなどの透明導電材料によって形成された透明電極である。なお、上部電極E2は、マグネシウム、銀などの金属材料によって形成された半透過性の金属電極であってもよい。上部電極E2は、表示部DAに配置された給電線、あるいは、表示部DAの外側に配置された給電線と電気的に接続されている。
【0029】
下部電極E1の電位が上部電極E2の電位よりも相対的に高い場合、下部電極E1がアノードに相当し、上部電極E2がカソードに相当する。また、上部電極E2の電位が下部電極E1の電位よりも相対的に高い場合、上部電極E2がアノードに相当し、下部電極E1がカソードに相当する。
【0030】
一例として、下部電極E1がアノードに相当する場合、発光層ELと下部電極E1との間の機能層F1は、ホール注入層及びホール輸送層の少なくとも1つを含み、発光層ELと上部電極E2との間の機能層F2は、電子輸送層及び電子注入層の少なくとも1つを含んでいる。
【0031】
ここで、第1方向Xに隣接する2つの表示素子に着目する。便宜上、図の中央に位置する表示素子を表示素子21と表記し、図の左側に位置する表示素子を表示素子22と表記する。
【0032】
表示素子21は、下部電極(第1下部電極)E11、有機層(第1有機層)OR1、及び、上部電極(第1上部電極)E21を備えている。有機層OR1は、機能層F11、発光層EL1、及び、機能層F21を備えている。
表示素子22は、下部電極(第2下部電極)E12、有機層(第2有機層)OR2、及び、上部電極(第2上部電極)E22を備えている。有機層OR2は、機能層F12、発光層EL2、及び、機能層F22を備えている。下部電極E11及びE12は、第1方向Xにおいて間隔を置いて並んでいる。
【0033】
絶縁層12は、下部電極E11と下部電極E12との間に配置されている。また、絶縁層12は、開口部OP1と、開口部OP2と、斜面S1及びS2と、上面U1と、を有している。
【0034】
開口部OP1は、下部電極E11に重畳する領域に形成され、絶縁層12を下部電極E11まで貫通した貫通孔である。下部電極E11の周縁部は絶縁層12によって覆われ、下部電極E11の中央部は開口部OP1において絶縁層12から露出している。
【0035】
開口部OP2は、下部電極E12に重畳する領域に形成され、絶縁層12を下部電極E12まで貫通した貫通孔である。下部電極E12の周縁部は絶縁層12によって覆われ、下部電極E12の中央部は開口部OP2において絶縁層12から露出している。
【0036】
上面U1、斜面S1及びS2は、絶縁層12のうち、開口部OP1と開口部OP2との間の表面に相当する。斜面S1は、開口部OP1に面している。斜面S2は、開口部OP2に面している。上面U1は、斜面S1及びS2の間に位置している。なお、上面U1、斜面S1及びS2は、例えば平坦面であるが、曲面であってもよい。
【0037】
有機層OR1は、開口部OP1に配置され、下部電極E11を覆っている。図4に示す例では、有機層OR1は、斜面S1に配置され、さらに、上面U1の一部にも配置されている。上部電極E21は、有機層OR1に積層されている。有機層OR1のうち、絶縁層12を介することなく、下部電極E11と上部電極E21との間に位置する部分は、表示素子21の発光領域を形成することができる。有機層OR1のうち、斜面S1及び上面U1に配置された部分は、絶縁層12と上部電極E21との間に位置しているため、ほとんど発光しない。
【0038】
有機層OR2は、開口部OP2に配置され、下部電極E12を覆っている。図4に示す例では、有機層OR2は、斜面S2に配置され、さらに、上面U1の一部にも配置されている。上面U1において、有機層OR2は、有機層OR1から離間している。上部電極E22は、有機層OR2に積層されている。上部電極E22は、上部電極E21から離間している。有機層OR2のうち、絶縁層12を介することなく、下部電極E12と上部電極E22との間に位置する部分は、表示素子22の発光領域を形成することができる。有機層OR2のうち、斜面S2及び上面U1に配置された部分は、絶縁層12と上部電極E22との間に位置しているため、ほとんど発光しない。
【0039】
隔壁30は、表示素子21と表示素子22との間に位置し、絶縁層12の上に配置されている。より具体的に説明すると、隔壁30は、第1層31と、第2層32と、を有している。
【0040】
第1層31は、絶縁層12の上面U1に接し、有機層OR1と有機層OR2との間、及び、上部電極E21と上部電極E22との間に配置されている。第1層31は、金属材料によって形成されている。つまり、第1層31は、導電体である。第1層31は、開口部OP1に面する第1側面S11と、開口部OP2に面する第2側面S12と、第1側面S11と第2側面S12との間の第1上面U11と、を有している。このような第1層31は、平面視においては、図2に示したような格子状、あるいは、図3に示したようなストライプ状に形成されている。
【0041】
第2層32は、第1上面U11に接し、絶縁層12から離間している。第2層32は、金属材料によって形成された導電体であってもよいし、絶縁材料によって形成された絶縁体であってもよい。第2層32は、第1側面S11から開口部OP1に向かって張り出し、さらには、第2側面S12から開口部OP2に向かって張り出している。第2層32は、開口部OP1に面する側面S21と、開口部OP2に面する側面S22と、側面S21と側面S22との間の第2上面U21と、を有している。このような第2層32は、平面視においては、第1層31に重畳し、図2に示したような格子状、あるいは、図3に示したようなストライプ状に形成されている。
【0042】
図示した断面において、第2層32の幅は、第1層31の幅より大きい。第1層31の幅とは、第1側面S11と第2側面S12との間の第1方向Xに沿った最大間隔に相当する。第2層32の幅とは、側面S21と側面S22との間の第1方向Xに沿った最大間隔に相当する。
【0043】
上部電極E21は、第1層31のうち、絶縁層12に近接する側の第1側面S11に接している。上部電極E21は、第2層32に近接する側の第1側面S11を露出している。
上部電極E22は、第1層31のうち、絶縁層12に近接する側の第2側面S12に接している。上部電極E22は、第2層32に近接する側の第2側面S12を露出している。
【0044】
これにより、上部電極E21及びE22は、第1方向Xに沿って互いに離間しているものの、それぞれ隔壁30と電気的に接続される。換言すると、上部電極E21は、隔壁30(あるいは第1層31)を介して、上部電極E22と電気的に接続されている。
【0045】
有機層OR1は、第1側面S11から離間している。上部電極E21は、第1側面S11と有機層OR1との間で絶縁層12の上面U1に接している。また、上部電極E21は、有機層OR1の周縁部を覆っている。つまり、機能層F11、発光層EL1、及び、機能層F21の各々の端面は、上部電極E21によって覆われている。
【0046】
有機層OR2は、第2側面S12から離間している。上部電極E22は、第2側面S12と有機層OR2との間で絶縁層12の上面U1に接している。また、上部電極E22は、有機層OR2の周縁部を覆っている。つまり、機能層F12、発光層EL2、及び、機能層F22の各々の端面は、上部電極E22によって覆われている。
【0047】
隔壁30の絶縁層12上での位置に関して、例えば、隔壁30は、上面U1のほぼ中央に位置している。つまり、第1側面S11と開口部OP1との間の距離D1は、第2側面S12と開口部OP2との間の距離D2とほぼ同等である。
【0048】
有機層(第3有機層)OR3は、第2層32の第2上面U21を覆っている。図4に示す例では、有機層OR3は、側面S21及びS22も覆っている。有機層OR3は、上部電極(第3上部電極)E23によって覆われている。
【0049】
有機層OR3は、機能層F13、発光層EL3、及び、機能層F23を備えている。
機能層F13は、機能層F11及びF12と同一材料によって形成されている。機能層F23は、機能層F21及びF22と同一材料によって形成されている。つまり、有機層OR1、有機層OR2、及び、有機層OR3の各々は、上記したホール注入層、ホール輸送層、ホールブロック層、電子注入層、電子輸送層、及び、電子ブロック層の少なくとも1つを含んでいる。
発光層EL3は、発光層EL1及びEL2と同一材料によって形成されている。つまり、有機層OR1、有機層OR2、及び、有機層OR3は、同一色の発光層を含んでいる。あるいは、有機層OR1、有機層OR2、及び、有機層OR3は、共通層である。
【0050】
但し、第1層31の第1側面S11及び第2側面S12は、有機層OR3及び上部電極E23から露出している。つまり、有機層OR3は、有機層OR1及びOR2のいずれからも離間している。また、上部電極E23は、上部電極E21及びE22のいずれからも離間している。
【0051】
上記の隔壁30は、隣接する表示素子20の間、あるいは、絶縁層12の上面U1にそれぞれ配置されている。各表示素子20を構成する上部電極E2は、第1層31の第1側面S11または第2側面S12に接し、互いに電気的に接続される。各表示素子20に着目すると、開口部OPを挟んだ両側には、隔壁30が配置され、上部電極E2の一端部が一方の第1層31の側面に接し、上部電極E2の他端部が他方の第1層31の側面に接している。これにより、表示部DAに配置された複数の表示素子20の上部電極E2は、互いに電気的に接続される。
【0052】
図5は、図4に示した断面構造の形成工程を説明するための図である。
例えば、下部電極E1を形成した後に、有機絶縁層を形成し、この有機絶縁層をパターニングすることで、絶縁層12を形成する。その後、金属層を形成し、さらに例えば絶縁層を形成し、これらの金属層及び絶縁層を一括してパターニングする。このとき、絶縁層のエッチングよりも金属層のエッチングがより促進される条件に設定することで、図4に示した形状の第1層31及び第2層32を備えた隔壁30を形成する。
【0053】
その後、例えば真空蒸着法により、有機層ORを構成する各層を形成する。このとき、蒸着源からの蒸気の放射角をθ1とする。放射角θ1は、隔壁30を形成済の蒸着対象である基板SUBの法線Nに対する角度である。有機層ORの蒸着は、蒸着源が基板SUBに対して相対的に直線移動または回転移動しながら行う。これにより、各副画素に均一な膜厚の有機層ORが形成される。
【0054】
その後、例えばスパッタリング法により、上部電極E2を形成する。このとき、ターゲットからの材料の放射角をθ2とする。放射角θ2は、基板SUBの法線Nに対する角度である。放射角θ2は、放射角θ1より大きい。
【0055】
ここで、基板SUBの法線Nと、仮想線L11とのなす角度をΘとする。仮想線L11は、第1層31の第2側面S12と絶縁層12の上面U1との交点と、第2層32の側面S22における下端とを通る線である。放射角θ1は角度Θより小さく、放射角θ2は角度Θより大きい(θ1<Θ<θ2)。
【0056】
このため、有機層ORは、第1層31から離間した上面U1及び斜面S2に形成される。また、有機層ORは、第2層32の第2上面U21や側面S22にも形成される。
上部電極E2は、斜面S2、斜面S2と第1層31との間の上面U1、及び、第1層31の第2側面S12にそれぞれ形成される。また、上部電極E2は、第2層32の第2上面U21や側面S22にも形成される。
【0057】
図6Aは、隔壁30の一例を示す拡大断面図である。
第1層31の第1方向Xに沿った幅W1は、第3方向Zに沿って上方に向かうにしたがって増大する。つまり、第1層31は、逆テーパー状の断面形状を有している。第1層31の第3方向Zに沿った厚さT1は、有機層ORの厚さの2倍以上である。また、厚さT1は、幅W1より小さい(T1<W1)。例えば、有機層ORの厚さは数百nmのオーダーである。厚さT1は、500nm以上であり、数μm以下である。また、幅W1は、十数μm程度である。
第1層31において、第1側面S11及び第2側面S12は、傾斜面である。第1側面S11と上面U1とのなす角度θA、及び、第2側面S12と上面U1とのなす角度θAは、いずれも鋭角である。
【0058】
第2層32において、第1側面S11からの張り出し幅W11、及び、第2側面S12からの張り出し幅W12が大きいほど、有機層ORの斜面S1及びS2への蒸着が抑制される。但し、幅W11及びW12が大きすぎると、上部電極E2の蒸着も制限され、上部電極E2と第1層31との接触が阻害されるおそれがある。このため、第2層32の第1方向Xに沿った幅W2は、絶縁層12における底面B1の第1方向Xに沿った幅W3と同等以下とすることが望ましい。
【0059】
図6Bは、隔壁30の他の例を示す拡大断面図である。
図6Bに示す例は、図6Aに示した例と比較して、第1層31の断面形状が異なる。第1層31の第1方向Xに沿った幅W1は、第3方向Zに沿って上方に向かうにしたがって減少する。つまり、第1層31は、順テーパー状の断面形状を有している。
第1層31において、第1側面S11及び第2側面S12は、傾斜面である。第1側面S11と上面U1とのなす角度θB、及び、第2側面S12と上面U1とのなす角度θBは、いずれも鈍角である。
【0060】
以上説明したように、隣接する表示素子20の間には隔壁30が配置され、ファインマスクを介することなく形成した有機層ORは、隔壁30によって分断される。このため、所望の形状の有機層ORを備えた表示素子20が提供される。したがって、ファインマスクを適用する場合と比較して、製造コストを削減することができ、しかも、ファインマスクの位置合せ等の工程が不要となり、容易に所望の形状の有機層ORを形成することができる。また、表示素子20において、所定の領域に発光領域を形成することができ、加えて、絶縁層12に重なる領域での不所望な発光が抑制される。
【0061】
また、上部電極E2も有機層ORと同様に隔壁30によって分断されるが、各上部電極E2は、隔壁30のうちの導電体である第1層31に接触して電気的に接続される。第1層31は、表示部DA、あるいは、表示部DAの外側において所定の電位の給電線と電気的に接続されている。このため、各表示素子20の上部電極E2には、隔壁30を介して所定の電位が供給される。つまり、上部電極E2の一部での電位降下が抑制される。
【0062】
また、隣接する表示素子20において、有機層ORが繋がったことに起因する不所望な電流リーク(クロストーク)が抑制される。したがって、表示素子20において、所望の表示性能を実現することができる。
【0063】
図7は、表示素子20の他の例を示す断面図である。
図7に示す例は、図4に示した例と比較して、有機層ORの周縁部が絶縁膜13によって被覆された点で相違している。例えば、有機層OR1について、図の左側の周縁部、及び、図の右側の周縁部は、それぞれ絶縁膜13によって覆われている。図7に示す有機層OR1は、機能層F11、発光層EL1、及び、機能層F21を有しているが、これらの各層の周縁部が絶縁膜13によって覆われている。絶縁膜13は、絶縁層12の上面U1及び隔壁30の第1層31に接している。
【0064】
このような絶縁膜13が有機層ORの周縁部に形成される場合、隔壁30の上にも同様に形成される。第2層32の上においては、絶縁膜13は、有機層OR3を覆い、上部電極E23によって覆われている。
【0065】
上部電極E21は、有機層OR1のうちの最上層(図7では機能層F21)及び絶縁膜13に接するが、機能層F11及び発光層EL1には接していない。このため、有機層ORの周縁部での不所望な電流リーク(例えば、発光層EL1を介することなく機能層F11を介して下部電極E11と上部電極E21との間で電流が流れる不具合)等が抑制され、表示素子20の性能劣化を抑制することができる。
【0066】
図8は、表示素子20の他の例を示す断面図である。
図8に示す例は、図4に示した例と比較して、隔壁30の形状が異なる。特に、第2層32は、開口部OP1に面する側と、開口部OP2に面する側とで非対称に形成されている。第2層32において、第2側面S12から開口部OP2に向かって張り出す幅は、第1側面S11から開口部OP1に向かって張り出す幅より小さい。図8に示す例では、第2層32において、第2側面S12から張り出す幅は、ほぼゼロである。
【0067】
有機層OR1は、第1側面S11から離間している。上部電極E21は、第1層31の第1側面S11に接し、さらに、第1側面S11と有機層OR1との間で絶縁層12に接している。
【0068】
有機層OR2は、第2側面S12から離間している。上部電極E22は、第1層31の第2側面S12から離間している。上部電極E22は、第2側面S12と有機層OR2との間で絶縁層12に接しているが、第1層31に近接する領域で絶縁層12を露出している。
【0069】
隔壁30の絶縁層12上での位置に関して、例えば、隔壁30は、上面U1において表示素子22に近接する側に位置している。つまり、第1側面S11と開口部OP1との間の距離D1は、第2側面S12と開口部OP2との間の距離D2よりも大きい。
【0070】
有機層OR3は、第2層32の第2上面U21を覆っている。図8に示す例では、有機層OR3は、側面S21も覆っているが、側面S22を露出している。有機層OR3は、上部電極E23によって覆われている。有機層OR3は、機能層F13、発光層EL3、及び、機能層F23を備えている。
上部電極E23は、側面S22を露出しているが、側面S22を覆っている場合もあり得る。
【0071】
第1層31の第1側面S11及び第2側面S12は、有機層OR3及び上部電極E23から露出している。つまり、有機層OR3は、有機層OR1及びOR2のいずれからも離間している。また、上部電極E23は、上部電極E21及びE22のいずれからも離間している。
【0072】
上記の隔壁30は、隣接する表示素子20の間、あるいは、絶縁層12の上面U1にそれぞれ配置されている。隔壁30を構成する第1層31において、一方の側面は、対向する表示素子20の上部電極E2に接しているが、他方の側面は、対向する表示素子20の上部電極E2から離間している。各表示素子20に着目すると、開口部OPを挟んだ両側には、隔壁30が配置され、上部電極E2の一端部が一方の第1層31の側面に接し、上部電極E2の他端部が他方の第1層31から離間している。これにより、表示部DAに配置された複数の表示素子20の上部電極E2は、互いに電気的に接続される。
【0073】
図8に示す例においても、ファインマスクを適用することなく、所望の形状の有機層ORを備えた表示素子20が提供されるため、上記の例と同様の効果が得られる。
【0074】
図9は、図8に示した断面構造の形成工程を説明するための図である。
例えば真空蒸着法により、有機層ORを構成する各層を形成する。但し、ここでは、基板SUBの法線に対して斜め方向から蒸着する斜方蒸着法が適用される。このとき、蒸着源VSからの蒸気は、中心線Oに対して放射角αで放射されるものとする。中心線Oと基板SUBの表面(ここでは絶縁層12の上面U1)とのなす角度をβとする。
【0075】
ここで、仮想線L12と基板SUBの表面とのなす角度をΘとする。仮想線L12は、第1層31の第2側面S12と絶縁層12の上面U1との交点と、第2層32の側面S21における下端とを通る線である。角度(β-α)は、角度Θより大きい((β-α)>Θ)。
【0076】
このため、有機層ORは、第1層31から離間した上面U1及び斜面S1に形成される。また、有機層ORは、第2層32の第2上面U21や側面S21にも形成される。一方で、このような斜方蒸着法によれば、有機層ORは、絶縁層12の斜面S2、第2層32の側面S22にはほとんど形成されない。
【0077】
図10は、有機層ORの蒸着方法の一例を説明するための図である。
ここでは、副画素SPの発光領域EAが、第1方向Xに延びた短辺と、第2方向Yに延びた長辺とを有する長方形状に形成されている場合を想定する。蒸着源VSの中心線Oと、発光領域EAの対角線DLとのなす角度βは、図9を参照して説明した条件((β-α)>Θ)を満足するように設定される。
図10に示す蒸着方法は、図2に示したように、隔壁30が第1方向X及び第2方向Yにそれぞれ延びた格子状に形成されている場合に好適である。
【0078】
図11は、有機層ORの蒸着方法の他の例を説明するための図である。
ここでは、副画素SPの発光領域EAが、第1方向Xに延びた短辺と、第2方向Yに延びた長辺とを有する長方形状に形成されている場合を想定する。蒸着源VSの中心線Oと、第1方向Xと平行な仮想線LXとのなす角度βは、図9を参照して説明した条件((β-α)>Θ)を満足するように設定される。
図11に示す蒸着方法は、図3に示したように、隔壁30が第2方向Yにそれぞれ延びたストライプ状に形成されている場合に好適である。
【0079】
図10及び図11に示した有機層ORの蒸着は、蒸着源VSを基板SUBに対して相対的に直線移動しながら行う。直線移動する方向は、X-Y平面内のいずれの方向であってもよい。これにより、各副画素SPに均一な膜厚の有機層ORが形成される。
【0080】
図12は、表示素子20の他の例を示す断面図である。
図12に示す例は、図8に示した例と比較して、有機層ORの周縁部が絶縁膜13によって被覆された点で相違している。例えば、有機層OR1について、図の左側の周縁部、及び、図の右側の周縁部は、それぞれ絶縁膜13によって覆われている。図12に示す有機層OR1は、機能層F11、発光層EL1、及び、機能層F21を有しているが、これらの各層の周縁部が絶縁膜13によって覆われている。
【0081】
このような絶縁膜13が有機層ORの周縁部に形成される場合、隔壁30の上にも同様に形成される。第2層32の上においては、絶縁膜13は、有機層OR3を覆い、上部電極E23によって覆われている。
【0082】
上部電極E21は、有機層OR1のうちの最上層(図12では機能層F21)及び絶縁膜13に接するが、機能層F11及び発光層EL1には接していない。このため、有機層ORの周縁部での不所望な電流リーク(例えば、発光層EL1を介することなく機能層F11を介して下部電極E11と上部電極E21との間で電流が流れる不具合)等が抑制され、表示素子20の性能劣化を抑制することができる。
【0083】
上記した本実施形態によれば、表示素子の性能劣化を抑制することが可能な表示装置を提供することができる。
【0084】
以上、本発明の実施形態として説明した表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0085】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変形例に想到し得るものであり、それら変形例についても本発明の範囲に属するものと解される。例えば、上述の実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、もしくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0086】
また、上述の実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について、本明細書の記載から明らかなもの、または当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0087】
DSP…表示装置 10…基材 11…絶縁層(第1絶縁層)
12…絶縁層(第2絶縁層) OP1…開口部(第1開口部) OP2…開口部(第2開口部) 20…表示素子
E11…下部電極(第1下部電極) E12…下部電極(第2下部電極)
E21…上部電極(第1上部電極) E22…上部電極(第2上部電極)
OR1…有機層(第1有機層) OR2…有機層(第2有機層)
30…隔壁 31…第1層 S11…第1側面 S12…第2側面 U11…第1上面
32…第2層 U12…第2上面
OR3…有機層(第3有機層) E23…上部電極(第3上部電極)
13…絶縁膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12