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特許7596162整合性レベルを有する位置決めデータを提供するテレマティクス制御エンティティ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】整合性レベルを有する位置決めデータを提供するテレマティクス制御エンティティ
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/30 20060101AFI20241202BHJP
   G08G 1/13 20060101ALI20241202BHJP
   G01S 19/49 20100101ALI20241202BHJP
【FI】
G01C21/30
G08G1/13
G01S19/49
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021006170
(22)【出願日】2021-01-19
(65)【公開番号】P2021124500
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2024-01-17
(31)【優先権主張番号】20156079
(32)【優先日】2020-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504147933
【氏名又は名称】ハーマン ベッカー オートモーティブ システムズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ディルク フリース
【審査官】宮地 将斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-175404(JP,A)
【文献】特開2013-161242(JP,A)
【文献】特開2019-018838(JP,A)
【文献】特表2020-534203(JP,A)
【文献】国際公開第2018/138775(WO,A1)
【文献】特表2019-526859(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0259651(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
G08G 1/00 - 99/00
G01S 5/00 - 5/14
G01S 19/00 - 19/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の位置データを判定するように構成されたテレマティクス制御エンティティ(100、200、300)であって、前記エンティティは、
-セルラネットワークに接続されるように構成され、緊急事態の場合に、前記セルラネットワークを介して、複数の車両についての車両位置を収集するように構成されたサービスエンティティに前記車両位置を伝送するように構成されたネットワークアクセスエンティティ(110、210、310)と、
-衛星に基づく測定データを受信するように構成されたアンテナ信号インタフェース(120)と、
-前記衛星に基づく測定データに基づいて、前記車両の位置決めデータを判定するように構成された少なくとも1つの位置判定ユニット(130)であって、前記少なくとも1つの位置判定ユニット(130)は、前記少なくとも1つの位置判定ユニットによって判定されるような前記位置決めデータによってもたらされる機能的安全性の予め定義されたリスク分類を記述した予め定義された整合性レベルを保証するように構成され、前記少なくとも1つの位置判定ユニットは、前記受信された位置決めデータについての前記予め定義された整合性レベルを必要とする前記車両内のアプリケーションエンティティ(50)に、前記判定された位置決めデータを提供するように構成される、前記少なくとも1つの位置判定ユニット(130)と、
を備えた、前記テレマティクス制御エンティティ(100、200、300)。
【請求項2】
前記予め定義された整合性レベルは、ISO26262によって定義されたASILである、請求項1に記載のテレマティクス制御エンティティ。
【請求項3】
前記位置判定ユニットは、状況に依存しない安全性要素(SEooC)として構成される、請求項2に記載のテレマティクス制御エンティティ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの位置判定ユニットは、前記予め定義された整合性レベルを保証し、前記受信された衛星に基づく測定データから未処理衛星位置データを判定し、第1の測定エンティティから、前記判定された未処理衛星位置データに基づいて前記予め定義された整合性レベルを満たす前記車両の第1の位置を判定するように構成された第1の位置付けエンティティに、前記判定された未処理衛星位置データを伝送するように構成された前記第1の測定エンティティ(131)を含む、先行請求項のいずれかに記載のテレマティクス制御エンティティ。
【請求項5】
-前記第1の測定エンティティから前記未処理衛星位置データを受信するように構成され、前記未処理衛星位置データに基づいて、前記車両の第1の位置を判定するように構成された前記第1の位置付けエンティティ(130)であって、前記第1の位置は、前記予め定義された整合性レベルを満たす、前記第1の位置付けエンティティ(130)と、
-前記第1の測定エンティティ(231)と前記第1の位置付けエンティティ(251)との間の双方向通信(270)チャネルであって、前記通信チャネルは、前記通信チャネルの2つの端の間の前記双方向通信チャネルにおいて伝送される情報を修正することなく、前記通信チャネルの前記2つの端の間のエンドツーエンド保護により構成され、前記双方向通信チャネルの各端は、前記通信チャネルの前記2つの端の間で伝送される無効な情報、紛失した情報、または遅延した情報を検出するように構成され、前記第1の位置付けエンティティ(251)は、前記第1の位置付けエンティティ(251)と前記アプリケーションエンティティ(50)との間の更なる通信チャネル(271)において前記アプリケーションエンティティに、位置決めデータとして前記判定された第1の位置を提供するように構成され、前記更なる通信チャネル(271)は、前記2つの端の間の前記更なる通信チャネルにおいて伝送される情報を処理または修正することなく、前記更なる通信チャネルの前記2つの端の間のエンドツーエンド保護により構成され、前記更なる通信チャネルの各端は、前記更なる通信チャネルの前記2つの端の間で伝送される無効な情報、紛失した情報、または遅延した情報を検出するように構成される、前記双方向通信(270)チャネルと、
を更に備えた、請求項4に記載のテレマティクス制御エンティティ。
【請求項6】
前記ネットワークアクセスエンティティ(110、210、310)は、前記衛星に基づく測定データを受信するように構成され、前記車両の第2の位置を判定するように構成された第2の位置付けエンティティを含み、前記第2の位置付けエンティティは、前記第2の位置付けエンティティによって判定されるような前記第2の位置によってもたらされる機能的安全性の予め定義されたリスク分類を記述したいずれの予め定義された整合性レベルをも満たさず、前記ネットワークアクセスエンティティは、前記サービスエンティティに、車両位置として前記第2の位置を伝送するように構成される、請求項5に記載のテレマティクス制御エンティティ。
【請求項7】
前記受信された衛星に基づく測定データを分割し、前記第1の測定エンティティ及び前記第2の位置付けエンティティに前記衛星に基づく測定データを提供するように構成された分割ユニット(260)を更に備えた、請求項6に記載のテレマティクス制御エンティティ。
【請求項8】
前記第1の位置付けエンティティ(251)は、前記ネットワークアクセスエンティティに、前記予め定義された整合性レベルを満たす前記第1の位置を提供するように構成され、前記ネットワークアクセスエンティティは、前記サービスエンティティに、車両位置として前記第1の位置を伝送するように構成される、請求項5に記載のテレマティクス制御エンティティ。
【請求項9】
前記第1の位置付けエンティティ(251)は、前記セルラネットワークから、または衛星を介して位置調節データを受信するように構成され、前記ネットワークアクセスエンティティによって判定された前記車両位置よりも高い精度により、前記第1の位置を判定するために前記位置調節データを使用するように構成される、請求項5~8のいずれかに記載のテレマティクス制御エンティティ。
【請求項10】
前記第1の測定エンティティと前記テレマティクス制御エンティティの外部に設けられた前記第1の位置付けエンティティとの間の双方向通信チャネルを更に備え、前記通信チャネルは、前記通信チャネルの前記2つの端の間の前記双方向通信チャネルにおいて伝送される情報を処理または修正することなく、前記通信チャネルの前記2つの端の間のエンドツーエンド保護により構成され、前記双方向通信チャネルの各端は、前記通信チャネルの前記2つの端の間で伝送される無効な情報、紛失した情報、または遅延した情報を検出するように構成され、前記第1の測定エンティティは、前記第1の位置付けエンティティに、位置決めデータとして前記未処理衛星位置決めデータを提供するように構成される、請求項4に記載のテレマティクス制御エンティティ。
【請求項11】
前記第1の測定エンティティから前記未処理衛星位置決めデータを受信し、前記車両の第2の位置を判定するように構成された第2の位置付けエンティティ(132、214)を更に備え、前記第2の位置判定エンティティは、前記第2の位置付けエンティティによって判定されるような前記第2の位置によってもたらされる機能的安全性の予め定義されたリスク分類を記述したいずれの予め定義された整合性レベルをも満たさず、前記第2の位置付けエンティティは、前記ネットワークアクセスエンティティに前記第2の位置を伝送するように構成され、前記ネットワークアクセスエンティティは、前記サービスエンティティに、車両位置として前記第2の位置を伝送するように構成される、請求項10に記載のテレマティクス制御エンティティ。
【請求項12】
前記受信機は、特定の車両またはシステムのコンテキストにおいて展開されない要素である、先行請求項のいずれかに記載のテレマティクス制御エンティティ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの位置判定ユニットは、前記受信された未処理衛星位置データにおいて発生するエラーが前記少なくとも1つの位置判定ユニットの外部からの入力の必要性なしに発生しているときを検出するように構成される、先行請求項のいずれかに記載のテレマティクス制御エンティティ。
【請求項14】
車両の位置データを判定するように構成されたテレマティクス制御エンティティを動作させる方法であって、前記テレマティクス制御エンティティは、セルラネットワークに接続され、緊急事態の場合に、前記セルラネットワークを介して、緊急事態の場合における複数の車両についての車両位置を収集するサービスエンティティに前記車両位置を伝送するネットワークアクセスエンティティを含み、前記方法は、
-前記テレマティクス制御エンティティのアンテナ信号インタフェースによって、衛星に基づく測定データを受信することと、
-前記テレマティクス制御エンティティの少なくとも1つの位置判定ユニットによって、前記衛星に基づく測定データに基づいて、前記車両の位置決めデータを判定することであって、前記少なくとも1つの位置判定ユニットは、前記少なくとも1つの位置判定ユニットによって判定されるような前記位置決めデータによってもたらされる機能的安全性の予め定義されたリスク分類を記述した予め定義された整合性レベルを保証している、前記判定することと、
-前記少なくとも1つの位置判定ユニットによって、前記受信された位置決めデータについての前記予め定義された整合性レベルを必要とする前記車両内のアプリケーションエンティティに、前記判定された位置決めデータを提供することと、
を備えた、前記方法。
【請求項15】
テレマティクス制御エンティティによって実行されるプログラムコードを含むコンピュータプログラムであって、前記プログラムコードの実行は、前記テレマティクス制御エンティティに、請求項14に記載の方法を実行させる、前記コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、車両の位置データを判定するように構成されたテレマティクス制御エンティティに関する。更に、テレマティクス制御エンティティを動作させる方法及びプログラムコードを含むコンピュータプログラムが提供される。
【背景技術】
【0002】
最近では、車両のほとんどが、ナビゲーションシステムを備え、ナビゲーションシステムは、車両の位置を追跡することができ、運転の推薦を提供することができ、車両を所望の目的地にガイドすることができる。この目的のために、車両は、GNSS(グローバルナビゲーション衛星システム)衛星から情報を受信する能力を有する受信機を備え、受信機の位置を判定するために、受信された衛星に基づく測定データを使用することができる。
【0003】
このコンテキストでは、例として、車両位置が正確に知られるような緊急事態のケースにおいて、車両位置を追跡し、外部インタフェース及びセルラネットワークを介して集中型サーバに車両位置を提供する、テレマティクス制御ユニット(TCU)が知られている。車両内で危険な状況が検出されるとき、または運転者が特定のボタンを作動させるとき、位置が自動で集中型サーバに伝送される。これは、救急処置を促進及び改善することができる。
【0004】
近年では、運転者の支援なしに移動することができる自律車両に対する焦点が増大している。車両を自律的に走行させるために、環境及び周囲を検知し、特定の状況においてどのように反応するかの決定を行うためにデータを処理する必要がある。この目的のために、カメラ、LIDARなどの複数のセンサが使用される。自律運転に対して、異なるセンサタイプからの情報を収集するためにセンサ融合が必要である。自律運転では、リスク管理及び安全性欠陥の評価は、重要な役割を果たす。しかしながら、車両内に設けられる構成要素は、特定の安全性要件を常に満たさない。
【0005】
したがって、車両内の安全性に関連する目的のためにセンサデータを使用することができるかどうかをチェックするために、リスク分類が実行される必要がある状況に対し、車両内の安全性を改善し、車両内の既存の構成要素を使用することが可能である必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
この必要性は、独立請求項の特徴によって満たされる。更なる態様が従属請求項において記述される。
【0007】
1つの態様に従って、車両の位置データを判定するように構成されたテレマティクス制御エンティティが提供される。テレマティクス制御エンティティは、セルラネットワークに接続されるように構成され、緊急事態の場合に、セルラネットワークを介して、複数の車両についての車両位置を収集するように構成されたサービスエンティティに車両位置を伝送するように構成されたネットワークアクセスエンティティを含む。更に、テレマティクス制御エンティティは、衛星に基づく測定データを受信するように構成されたアンテナ信号インタフェースを含む。更に、衛星に基づく測定データに基づいて、車両の位置決めデータを判定するように構成された少なくとも1つの位置判定ユニットが提供される。少なくとも1つの位置判定ユニットは、少なくとも1つの位置判定ユニットによって判定されるような位置決めデータによってもたらされる機能的安全性の予め定義されたリスク分類を記述した予め定義された整合性レベルを保証するように構成される。少なくとも1つの位置判定ユニットは更に、受信された位置決めデータについての予め定義された整合性レベルを必要とする車両内のアプリケーションエンティティに、判定された位置決めデータを提供するように構成される。
【0008】
したがって、セルラネットワークを介してサービスエンティティに車両位置を提供するテレマティクス制御エンティティは、特定の予め定義された整合性レベルを満たす位置データも提供することが可能である。
【0009】
好ましくは、予め定義された整合性レベルは、本出願の出願日において有効なISO 26262によって定義された整合性レベル、例えば、ASIL B aである。
【0010】
更に、テレマティクス制御エンティティが、衛星に基づく測定データを受信し、少なくとも1つの位置判定ユニットによって、位置決めデータを判定する、テレマティクス制御エンティティを動作させる対応する方法が提供され、少なくとも1つの位置判定ユニットは、少なくとも1つの位置判定ユニットによって判定されるような位置決めデータによってもたらされる機能的安全性の予め定義されたリスク分類を記述した予め定義された整合性レベルを保証している。更に、少なくとも1つの位置判定ユニットは、受信された位置決めデータについての予め定義された整合性レベルを必要とするアプリケーションエンティティ及び車両に、判定された位置決めデータを提供する。
【0011】
更に、テレマティクス制御エンティティによって実行されるプログラムコードを含むコンピュータプログラムが提供され、プログラムコードの実行は、テレマティクス制御エンティティに、上記議論され、または以下で更に詳細に議論される方法を実行させる。
【0012】
以下の詳細な説明及び図面を検討すると、他のデバイス、システム、方法、特徴、及び利点が当業者にとって明らかになるであろう。全てのそのような追加のシステム、方法、特徴、及び利点がこの説明に含まれ、発明の範囲内であり、請求項によって保護されることを意図している。
【0013】
本出願の前述の特徴及び効果並びに追加の特徴及び効果は、添付図面と共に読まれるときに以下の詳細な説明から明らかになり、添付図面では、同一の参照符号は同一の要素を指す。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
車両の位置データを判定するように構成されたテレマティクス制御エンティティ(100、200、300)であって、上記エンティティは、
-セルラネットワークに接続されるように構成され、緊急事態の場合に、上記セルラネットワークを介して、複数の車両についての車両位置を収集するように構成されたサービスエンティティに上記車両位置を伝送するように構成されたネットワークアクセスエンティティ(110、210、310)と、
-衛星に基づく測定データを受信するように構成されたアンテナ信号インタフェース(120)と、
-上記衛星に基づく測定データに基づいて、上記車両の位置決めデータを判定するように構成された少なくとも1つの位置判定ユニット(130)であって、上記少なくとも1つの位置判定ユニット(130)は、上記少なくとも1つの位置判定ユニットによって判定されるような上記位置決めデータによってもたらされる機能的安全性の予め定義されたリスク分類を記述した予め定義された整合性レベルを保証するように構成され、上記少なくとも1つの位置判定ユニットは、上記受信された位置決めデータについての上記予め定義された整合性レベルを必要とする上記車両内のアプリケーションエンティティ(50)に、上記判定された位置決めデータを提供するように構成される、上記少なくとも1つの位置判定ユニット(130)と、
を備えた、上記テレマティクス制御エンティティ(100、200、300)。
(項目2)
上記予め定義された整合性レベルは、ISO26262によって定義されたASILである、上記項目に記載のテレマティクス制御エンティティ。
(項目3)
上記位置判定ユニットは、状況に依存しない安全性要素(SEooC)として構成される、上記項目のいずれか一項に記載のテレマティクス制御エンティティ。
(項目4)
上記少なくとも1つの位置判定ユニットは、上記予め定義された整合性レベルを保証し、上記受信された衛星に基づく測定データから未処理衛星位置データを判定し、第1の測定エンティティから、上記判定された未処理衛星位置データに基づいて上記予め定義された整合性レベルを満たす上記車両の第1の位置を判定するように構成された第1の位置付けエンティティに、上記判定された未処理衛星位置データを伝送するように構成された上記第1の測定エンティティ(131)を含む、上記項目のいずれか一項に記載のテレマティクス制御エンティティ。
(項目5)
-上記第1の測定エンティティから上記未処理衛星位置データを受信するように構成され、上記未処理衛星位置データに基づいて、上記車両の第1の位置を判定するように構成された上記第1の位置付けエンティティ(130)であって、上記第1の位置は、上記予め定義された整合性レベルを満たす、上記第1の位置付けエンティティ(130)と、
-上記第1の測定エンティティ(231)と上記第1の位置付けエンティティ(251)との間の双方向通信(270)チャネルであって、上記通信チャネルは、上記通信チャネルの2つの端の間の上記双方向通信チャネルにおいて伝送される情報を修正することなく、上記通信チャネルの上記2つの端の間のエンドツーエンド保護により構成され、上記双方向通信チャネルの各端は、上記通信チャネルの上記2つの端の間で伝送される無効な情報、紛失した情報、または遅延した情報を検出するように構成され、上記第1の位置付けエンティティ(251)は、上記第1の位置付けエンティティ(251)と上記アプリケーションエンティティ(50)との間の更なる通信チャネル(271)において上記アプリケーションエンティティに、位置決めデータとして上記判定された第1の位置を提供するように構成され、上記更なる通信チャネル(271)は、上記2つの端の間の上記更なる通信チャネルにおいて伝送される情報を処理または修正することなく、上記更なる通信チャネルの上記2つの端の間のエンドツーエンド保護により構成され、上記更なる通信チャネルの各端は、上記更なる通信チャネルの上記2つの端の間で伝送される無効な情報、紛失した情報、または遅延した情報を検出するように構成される、上記双方向通信(270)チャネルと、
を更に備えた、上記項目のいずれか一項に記載のテレマティクス制御エンティティ。
(項目6)
上記ネットワークアクセスエンティティ(110、210、310)は、上記衛星に基づく測定データを受信するように構成され、上記車両の第2の位置を判定するように構成された第2の位置付けエンティティを含み、上記第2の位置付けエンティティは、上記第2の位置付けエンティティによって判定されるような上記第2の位置によってもたらされる機能的安全性の予め定義されたリスク分類を記述したいずれの予め定義された整合性レベルをも満たさず、上記ネットワークアクセスエンティティは、上記サービスエンティティに、車両位置として上記第2の位置を伝送するように構成される、上記項目のいずれか一項に記載のテレマティクス制御エンティティ。
(項目7)
上記受信された衛星に基づく測定データを分割し、上記第1の測定エンティティ及び上記第2の位置付けエンティティに上記衛星に基づく測定データを提供するように構成された分割ユニット(260)を更に備えた、上記項目のいずれか一項に記載のテレマティクス制御エンティティ。
(項目8)
上記第1の位置付けエンティティ(251)は、上記ネットワークアクセスエンティティに、上記予め定義された整合性レベルを満たす上記第1の位置を提供するように構成され、上記ネットワークアクセスエンティティは、上記サービスエンティティに、車両位置として上記第1の位置を伝送するように構成される、上記項目のいずれか一項に記載のテレマティクス制御エンティティ。
(項目9)
上記第1の位置付けエンティティ(251)は、上記セルラネットワークから、または衛星を介して位置調節データを受信するように構成され、上記ネットワークアクセスエンティティによって判定された上記車両位置よりも高い精度により、上記第1の位置を判定するために上記位置調節データを使用するように構成される、上記項目のいずれか一項に記載のテレマティクス制御エンティティ。
(項目10)
上記第1の測定エンティティと上記テレマティクス制御エンティティの外部に設けられた上記第1の位置付けエンティティとの間の双方向通信チャネルを更に備え、上記通信チャネルは、上記通信チャネルの上記2つの端の間の上記双方向通信チャネルにおいて伝送される情報を処理または修正することなく、上記通信チャネルの上記2つの端の間のエンドツーエンド保護により構成され、上記双方向通信チャネルの各端は、上記通信チャネルの上記2つの端の間で伝送される無効な情報、紛失した情報、または遅延した情報を検出するように構成され、上記第1の測定エンティティは、上記第1の位置付けエンティティに、位置決めデータとして上記未処理衛星位置決めデータを提供するように構成される、上記項目のいずれか一項に記載のテレマティクス制御エンティティ。
(項目11)
上記第1の測定エンティティから上記未処理衛星位置決めデータを受信し、上記車両の第2の位置を判定するように構成された第2の位置付けエンティティ(132、214)を更に備え、上記第2の位置判定エンティティは、上記第2の位置付けエンティティによって判定されるような上記第2の位置によってもたらされる機能的安全性の予め定義されたリスク分類を記述したいずれの予め定義された整合性レベルをも満たさず、上記第2の位置付けエンティティは、上記ネットワークアクセスエンティティに上記第2の位置を伝送するように構成され、上記ネットワークアクセスエンティティは、上記サービスエンティティに、車両位置として上記第2の位置を伝送するように構成される、上記項目のいずれか一項に記載のテレマティクス制御エンティティ。
(項目12)
上記受信機は、特定の車両またはシステムのコンテキストにおいて展開されない要素である、上記項目のいずれか一項に記載のテレマティクス制御エンティティ。
(項目13)
上記少なくとも1つの位置判定ユニットは、上記受信された未処理衛星位置データにおいて発生するエラーが上記少なくとも1つの位置判定ユニットの外部からの入力の必要性なしに発生しているときを検出するように構成される、上記項目のいずれか一項に記載のテレマティクス制御エンティティ。
(項目14)
車両の位置データを判定するように構成されたテレマティクス制御エンティティを動作させる方法であって、上記テレマティクス制御エンティティは、セルラネットワークに接続され、緊急事態の場合に、上記セルラネットワークを介して、緊急事態の場合における複数の車両についての車両位置を収集するサービスエンティティに上記車両位置を伝送するネットワークアクセスエンティティを含み、上記方法は、
-上記テレマティクス制御エンティティのアンテナ信号インタフェースによって、衛星に基づく測定データを受信することと、
-上記テレマティクス制御エンティティの少なくとも1つの位置判定ユニットによって、上記衛星に基づく測定データに基づいて、上記車両の位置決めデータを判定することであって、上記少なくとも1つの位置判定ユニットは、上記少なくとも1つの位置判定ユニットによって判定されるような上記位置決めデータによってもたらされる機能的安全性の予め定義されたリスク分類を記述した予め定義された整合性レベルを保証している、上記判定することと、
-上記少なくとも1つの位置判定ユニットによって、上記受信された位置決めデータについての上記予め定義された整合性レベルを必要とする上記車両内のアプリケーションエンティティに、上記判定された位置決めデータを提供することと、
を備えた、上記方法。
(項目15)
テレマティクス制御エンティティによって実行されるプログラムコードを含むコンピュータプログラムであって、上記プログラムコードの実行は、上記テレマティクス制御エンティティに、上記項目に記載の方法を実行させる、上記コンピュータプログラム。
(摘要)
本発明は、車両の位置データを判定するように構成されたテレマティクス制御エンティティに関し、エンティティは、
-セルラネットワークに接続されるように構成され、緊急事態の場合に、セルラネットワークを介して、複数の車両についての車両位置を収集するように構成されたサービスエンティティに車両位置を伝送するように構成されたネットワークアクセスエンティティと、
-衛星に基づく測定データを受信するように構成されたアンテナ信号インタフェースと、
-衛星に基づく測定データに基づいて、車両の位置決めデータを判定するように構成された少なくとも1つの位置判定ユニットであって、少なくとも1つの位置判定ユニットは、少なくとも1つの位置判定ユニットによって判定されるような位置決めデータによってもたらされる機能的安全性の予め定義されたリスク分類を記述した予め定義された整合性レベルを保証するように構成され、少なくとも1つの位置判定ユニットは、受信された位置決めデータについての予め定義された整合性レベルを必要とする車両内のアプリケーションエンティティに、判定された位置決めデータを提供するように構成される、少なくとも1つの位置判定ユニットと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】予め定義された整合性レベルを保証する位置決めデータを提供するように構成されたテレマティクス制御エンティティの概略的構造図を示す。
図2】予め定義された整合性レベルを保証する位置決めデータを提供するように構成されたテレマティクス制御エンティティの別の概略的構造図を示す。
図3】予め定義された整合性レベルを保証する位置決めデータを提供するように構成されたテレマティクス制御エンティティの更なる概略的構造図を示す。
図4図1~3に示されるようなテレマティクス制御エンティティの1つによって実行される方法の実施例の概略的フローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、添付図面を参照して発明の実施形態が詳細に説明される。実施形態の以下の説明は、限定的な意味において解釈されるべきものではないことが理解されよう。発明の範囲は、例示であるにすぎない、以下で説明される実施形態または図面によって限定されることを意図していない。
【0016】
図面は、概略的な表現であるとして見なされ、図面において示される要素は、必ずしも同一縮尺で示されない。むしろ、それらの機能及び一般的な目的が当業者にとって明らかになるように様々な要素が表される。図面において示され、以下で説明される物理ユニットまたは機能的ユニットの機能的ブロック、デバイス、構成要素の間のいずれかの接続または結合も、間接的な接続または結合によって実装されてもよい。機能的構成要素の間の結合は、有線接続または無線接続を通じて確立されてもよい。機能的ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組み合わせにおいて実装されてもよい。
【0017】
図1は、テレマティクス制御エンティティ100を示し、テレマティクス制御エンティティ100は、インタフェース111を使用してセルラネットワークに接続されたネットワークアクセスエンティティ110を含む。ネットワークアクセスエンティティ110は、ネットワークデバイス(NAD)として実装されてもよい。ネットワークアクセスエンティティは、事故の発生時において緊急電話番号を自動でダイヤルするように構成され、車両の位置を緊急サービスに通信するように構成される。この目的のために、ネットワークアクセスエンティティは、通信プロセッサ112及びRFユニットまたは無線フロントエンド113を含んでもよく、RFユニットまたは無線フロントエンド113を介して、セルラネットワークへの通信が可能である。計算された車両位置の精度を高めるために使用される補正データが、セルラネットワークを介して(NADによって受信され)または衛星を介して提供されてもよい。例として、補正データは、セルラネットワークを介して車両に伝送される既知のランドマークの正確な位置を含んでもよい。
【0018】
テレマティクス制御エンティティ100は、衛星に基づく測定データを受信するように構成された、衛星信号120を受信するためのインタフェースを含む。受信されたデータは、以下で位置判定ユニット130とも称される受信及び処理ユニット(GNSS受信機)に供給される。位置判定ユニット130は、衛星に基づく測定データを受信し、未処理衛星位置データを判定する測定エンティティ131を含む。測定エンティティ131は、衛星(例えば、デカルト座標)から受信されるとき、受信されたデータを復号し、未処理衛星位置データを生成する。更に、未処理衛星位置データに基づいて、車両の位置(例えば、緯度、経度、及び高さ)を判定する位置付けエンティティ132が提供される。位置付けエンティティ132は、いずれの整合性レベルも満たさない車両の位置を判定する。
【0019】
従来から、自動車設計者は、運転者が最終的に安全性に対して責任があり、起こり得る危険を識別する能力を有するということに主にそれらの安全性の戦略の基礎を置いていた。自律的に運転される車両は、人間の運転者無しに動作することが可能である必要がある。関与する構成要素の機能的な安全性は、安全性の重大なリスクの減少のための重要な主題である。この目的のために、車両に対するコンピュータに基づくシステムの安全性に対処する規格が存在する。1つのとり得る規格は、本出願の出願時に有効なISO規格26262である。機能的安全性は、システムが識別された危険に対して障害のリスクを軽減する能力を有することを保証する。必要とされるメディケーションの量は、潜在的な損失イベントの重大度、危険に対する操作的露見、及び障害が発生するときのシステムの人間の運転者の制御性に依存する。それらの因子は、自動車の安全性整合性レベル(ASIL)に組み合わされ、ISO規格は、異なるレベル、A、B、C、及びDについて識別する。ASIL Aは、自動車の危険の最も低い程度を表し、レベルDは、自動車の危険の最も高い程度を表す。例として、エアバッグまたはブレーキ及びパワーステアリングのようなシステムは、Dグレードを必要とするのに対し、リアライトなどの構成要素は、自律運転の状況においてAグレードを必要とするにすぎないことがある。
【0020】
図1に示される実施形態では、測定エンティティ131は、安全性関連として考慮される構成要素であるのに対し、位置付けエンティティ132は、安全性関連として考慮されない。したがって、位置決めデータ、位置付けエンティティ132によって判定された実際の位置は、整合性レベルのいずれをも満たさない。
【0021】
測定エンティティ131は、テレマティクス制御エンティティ100の外部に設けられたモジュール40に未処理衛星位置データを提供する。モジュール40は、異なるセンサデータを受信し、車両の操作を制御する進化型運転者支援システムとして実装されてもよい。この目的のために、モジュール40は、マイクロコントローラユニット(MCU)として実装することができる処理ユニット50を含んでもよい。処理ユニットは、受信された未処理衛星位置データに基づいて、定義された整合性レベルに従って実際の車両位置を判定することが可能な位置付けユニット51を含んでもよい。モジュール40は、アダプティブクルーズコントロール、車線逸脱警告、緊急ブレーキ支援、ブラインドスポット検出などの機能を提供することができる。したがって、モジュール40は、ASILシステムのレベルA~Dの1つなどの予め定義された整合性レベルを保証する位置を必要とする。
【0022】
ISO規格の表現では、テレマティクス制御エンティティ100の全体が、品質管理(QM)システムとして考慮されることがある。対応する電力供給構成要素を有する受信及び処理ユニットまたは位置判定ユニット130または処理ユニット140などのブロックは、テレマティクス制御エンティティ(システム)内で状況に依存しない安全性要素(SEooC)として考慮されてもよい。処理ユニット140はまた、安全性関連でないとして考慮されることがあるが、位置判定ユニット130に電力を提供する電力供給装置は、SEooCとして考慮されてもよい。測定エンティティ131と処理ユニット50内に設けられた位置付けエンティティ51との間のデータ交換または通信チャネル160は、ブラックチャネル通信として実現されてもよい。これは、SEooC及び他のピア、データコンシューマなどの要素の間のデータ交換が、エンドツーエンド保護による通信として実装されることを意味する。エンドポイントの各々、ここでは測定エンティティ131及び位置付けエンティティ51は、無効なメッセージ、紛失したメッセージ、または遅延したメッセージを検出することを担う。更に、送信側と受信側との間のデータ経路は、この通信経路において伝送されるデータのいずれも処理、チェック、監視、修正、または検証していない。位置判定ユニット130とネットワークアクセスエンティティ110または処理ユニット140などの他の構成要素との間など、テレマティクス制御エンティティ内の通信経路は、安全性関連ではない。図1に示される実施形態では、また図2及び3と関連して議論される全ての他の実施形態では、安全性関連伝送チャネルは、太線として実装される。
【0023】
要約すると、図1に示される実施形態では、測定エンティティ131及び位置付けエンティティ51は、安全性関連構成要素として考慮される。したがって、位置判定ユニット130、また処理ユニット50は、安全性関連構成要素であるとして考慮される。しかしながら、位置付けエンティティ132は、安全性関連として考慮されず、テレマティクス制御エンティティ100内のいずれかのアプリケーションに(例えば、ネットワークアクセスエンティティ110に)、いずれの整合性レベルも満たさない車両位置を提供する。
【0024】
図1の実施形態では、ネットワークアクセスエンティティ110は、それ自体の位置判定エンティティを含む必要がない。しかしながら、エンティティ110は加えて、緊急通報サービスに対して必要とされる位置を提供する位置判定エンティティ114を含んでもよい。しかしながら、示される実施形態では、必要とされる整合性レベルを有さない位置決めデータは、位置付けエンティティ132によって提供される。位置判定を改善するための、ネットワークを介して受信される補正データも、更に正確な車両の位置を判定することができるように位置付けエンティティ51に伝送される。この補正データ自体は、それによって処理されるエンティティ(すなわち、位置付けエンティティ51)が安全性関連である場合でさえ、安全性関連ではない。
【0025】
図2は、テレマティクス制御エンティティ200の別の実施形態を示す。この図では、図1に示されるのと同一の参照符号を有するエンティティは、図1と同一の方式において実装され、それらのモジュールまたは部分に対して図1の説明への参照が行われる。図1の実施形態にあるように、テレマティクス制御エンティティ200は、アンテナ信号インタフェース120を使用して、衛星に基づく測定データを受信する。更に、ネットワークアクセスエンティティ210に統合された位置判定ユニット214に、及び位置判定ユニット230に受信されたデータを分散するアンテナスプリッタ260が設けられる。ネットワークアクセスエンティティ210は、位置判定ユニット214、通信プロセッサ112、及びセルラネットワーク(図示せず)との通信のためのRFユニット113を含む。ネットワークアクセスエンティティ210は、衛星に基づく測定データに基づいて、車両の位置を判定し、この車両位置は、緊急事態の場合に位置を収集するサービスエンティティに伝送されてもよい。
【0026】
示される実施形態では、アンテナ信号も位置判定ユニット230に伝送され、位置判定ユニット230は、図1に関連して上記議論された測定エンティティ131と同様の測定エンティティ231を含む。測定エンティティ231は、受信された衛星に基づく測定データから未処理衛星位置データを判定し、処理ユニット250内に設けられた位置付けエンティティ251に測定データを伝送する。処理ユニット250はまた、正確な車両の位置を計算するために必要な補正データを受信する。したがって、位置付けエンティティ251は、衛星データに基づいて、最終的に補正データに基づいて、車両の位置を判定する。位置付けエンティティは、予め定義された整合性レベルを満たすように構成される。測定エンティティと位置付けエンティティとの間の通信経路270は、安全性関連であり、また、ブラックチャネル通信として実装される。
【0027】
整合性レベルを満たす判定された位置は次いで、センサ融合、及び自律車両のケースにおける車両の制御、または車線逸脱警告、自動走行制御などのいずれかの他の制御もしくは監視を担うモジュール30に伝送される。
【0028】
位置付けエンティティからモジュール30への接続、通信経路271は再度、上記議論されたブラックチャネル通信として実装される。エンティティ230及び250は、ISO規格の意味において、状況に依存しない安全性要素(SEooC)として考慮されてもよい。
【0029】
図2に示される実施形態は、テレマティクス制御エンティティ内に完全な位置付け解決策があるという利点を有する。更に、ネットワークアクセスエンティティ210によってもたらされる緊急通報に対する位置付け解決策は、測定エンティティ231及び位置付けエンティティ251によってもたらされる安全性の重大な位置付け特徴からは独立している。
【0030】
更に、車両の位置を判定することを支援することができる慣性測定ユニット(IMU)280が設けられてもよい。IMU280は、衛星に基づく測定信号が存在しないときに使用することができる車両の加速度及び回転データを提供する。この構成要素が存在する場合、この構成要素によるデータも特定の整合性レベルを有する必要があるように、SEooCとして実装されてもよい。
【0031】
図3は、図2に示された実施形態と同様の更なる実施形態を示す。この実施形態では、テレマティクス制御エンティティ300も、直接車両位置がブラックチャネルを通じてモジュール30に伝送されるように、測定エンティティ231及び位置付けエンティティ251を含む。しかしながら、図3の実施形態では、位置付けユニット251によって判定された位置も、テレマティクス制御エンティティ300内のいずれかのアプリケーションによって(例えば、ネットワークアクセスエンティティ310によって)使用されてもよい。したがって、この実施例では、ネットワークアクセスエンティティ(310)は、位置付けエンティティ251によって提供され、理論的には必要とされる整合性レベルを満たすデータを使用するが、ネットワークアクセスエンティティ310は、この整合性レベルを無視し、いずれの整合性レベルをも満たさないデータとして受信されたデータを使用する。したがって、それは単純に、この整合性レベルを無視し、通信プロセッサ112に提供される提供された位置を使用し、通信プロセッサ112は次いで、それぞれのセルラネットワーク、緊急事態の場合に位置を収集するサービスエンティティに位置情報を提供することができる(無線フロントエンド113を介して)。
【0032】
したがって、破線に示される自身の位置付け判定ユニット314は、ネットワークアクセスエンティティ内に設けられてもよいが、位置情報が安全性の重大な位置付けをもたらす機能的ブロックから受信されるように必ずしも提供されない。
【0033】
再度、モジュール230及び250と共にIMU280を含む安全性の重大な位置付けのための機能的ブロックは、SEooCとして考慮され、ブラックチャネル通信は、位置付けエンティティ251とモジュール30との間で確立される。
【0034】
図4は、図1~3に示されたエンティティ100~300によって実行されるステップのいくつかを要約する。ステップS410では、テレマティクス制御エンティティは、衛星に基づく測定データを受信する。ステップS420では、それは、受信された衛星に基づく測定データを使用して、車両の位置決めデータを判定し、位置決めデータを判定する位置判定ユニットは、対応するモジュールまたはアプリケーションによって必要とされる予め定義された整合性レベルを保証し、対応するモジュールまたはアプリケーションに位置決めデータが伝送される。図1の実施形態では、位置決めデータは、測定エンティティ131によって判定されるような未処理衛星位置データを含むのに対し、図2及び3の実施形態では、判定された位置決めデータは既に、最終的な車両の位置を含む。ステップS430では、必要とされる整合性レベルを満たす判定された位置は次いで、モジュール30または40などの更なる処理のために車両位置を使用するアプリケーションエンティティに提供される。それらのモジュールは、車両の能動制御のために提供された位置を使用してもよい。整合性レベルは、ASIL A、B、C、またはD、好ましくは、ASIL Bであってもよい。他のリスク分類規格に対し、他の値が可能であることができる。
【0035】
上記言及から、いくつかの一般的な結論を引き出すことができる。
【0036】
予め定義された整合性レベルは、本出願の出願日に有効であるとして、ISO 26262によって定義されたASILであってもよい。しかしながら、整合性レベルを定義するいずれかの他の規格が使用されてもよいことが理解されるべきである。
【0037】
測定エンティティ131、231、または位置付けエンティティ251などの位置判定ユニットは、上記言及されたISO規格に従って、状況に依存しない安全性要素として構成されてもよい。
【0038】
図1に示されたユニット130などの位置判定ユニットは、予め定義された整合性レベルを保証するように構成され、受信された衛星に基づく測定データから未処理衛星位置データを判定するように構成された第1の測定エンティティ131を含んでもよい。測定エンティティは更に、第1の位置付けエンティティに未処理衛星位置データを伝送するように構成されてもよく、第1の位置付けエンティティは次いで、整合性レベルを満たす車両の第1の位置を判定する。
【0039】
図1の実施形態では、位置付けエンティティ51は、テレマティクス制御エンティティの外部に位置しているのに対し、図2及び3の実施形態では、位置付けエンティティ251は、テレマティクス制御エンティティ内に位置している。
【0040】
上記示されたように、テレマティクス制御エンティティ200、300はまた、第1の測定エンティティ231から未処理衛星位置データを受信し、未処理衛星位置データに基づいて、車両の第1の位置を判定するように構成されたエンティティ251などの第1の位置付けエンティティを含んでもよく、この第1の位置は、予め定義された整合性レベルを満たす。更に、双方向通信チャネルは、第1の測定エンティティ231と第1の位置付けエンティティ51、251との間で確立されてもよく、この通信チャネルは、通信チャネルの2つの端の間の双方向通信チャネルにおいて伝送される情報を処理または修正することなく、通信チャネルの2つの端の間のエンドツーエンド保護により構成される。更に、通信チャネルの各々の端は、通信チャネルの2つの端の間で伝送される無効な情報、紛失した情報、または遅延した情報を検出するように構成される。第1の位置付けエンティティは、エンティティ251などの第1の位置付けエンティティとモジュール30内に設けられたアプリケーションエンティティとの間の更なる通信チャネル271においてアプリケーションエンティティに位置決めデータとして判定された第1の位置を提供するように構成される。この更なる通信チャネルは再度、2つの端の間の双方向の更なる通信チャネルにおいて伝送される情報を処理または修正することなく、通信チャネルの2つの端の間のエンドツーエンド保護により構成される。更に、通信チャネルの端の各々は、通信チャネルの2つの端の間で伝送される無効な情報、紛失した情報、または遅延した情報を検出するように構成される。
【0041】
この実施形態は、テレマティクス制御エンティティ内の位置自体が判定される図2及び3に関連して上記議論されている。ネットワークアクセスエンティティは更に、衛星に基づく測定データを受信するように構成され、車両の第2の位置を判定するように構成された第2の位置付けエンティティを含んでもよく、第2の位置付けエンティティは、このエンティティによってもたらされる機能的安全性の予め定義されたリスク分類を記述したいずれの予め定義された整合性レベルをも満たさない。ネットワークアクセスエンティティは次いで、サービスエンティティに車両位置として第2の位置を伝送するように構成される。
【0042】
この実施形態は、測定及び位置付けエンティティがモジュール214において実装される図2に関連して上記議論されている。
【0043】
ここで、テレマティクス制御エンティティは更に、受信された衛星に基づく測定データを分割するように構成され、第1の測定エンティティ及び第2の位置付けエンティティに衛星に基づく測定データを提供するように構成された分割ユニットを含んでもよい。
【0044】
図3に関連して上記示されたように、第1の位置付けエンティティは、ネットワークアクセスエンティティ310にも、予め定義された整合性レベルを満たす第1の位置を提供するように構成されてもよく、ネットワークアクセスエンティティ310は次いで、この整合性レベルを無視し、サービスエンティティに車両位置として第1の位置を伝送する。
【0045】
更に、第1の位置付けエンティティは、セルラネットワークから、上記言及された補正データなどの位置調節データを受信するように構成されてもよく、エンティティ251などの第1の位置付けエンティティは、ネットワークアクセスエンティティによって判定された車両位置と比較してより、高い精度により車両の第1の位置を判定するために、位置調節データを使用するように構成される。
【0046】
図1に関連して上記議論されたように、双方向通信チャネルは、第1の測定エンティティとテレマティクス制御エンティティの外部に設けられた第1の位置付けエンティティとの間に設けられてもよい。再度、この通信チャネルは、通信チャネルの2つの端の間の情報を処理または修正することなく、通信チャネルの2つの端の間のエンドツーエンド保護によりブラックチャネルとして実装されてもよい。更に、通信チャネルの各々の端は、2つの端の間で伝送される無効な情報、紛失した情報、または遅延した情報を検出するように構成され、第1の測定エンティティは、テレマティクス制御エンティティの外部に位置する第1の位置付けエンティティに、測定データとして未処理衛星位置データを提供するように構成される。
【0047】
テレマティクス制御エンティティは次いで、第1の測定エンティティから未処理衛星位置データを受信するように構成され、車両の第2の位置を判定する、図1に示されたエンティティ132などの第2の位置付けエンティティを含んでもよい。この第2の位置判定エンティティは、第2の位置付けエンティティによって判定されるような第2の位置によってもたらされる機能的安全性の予め定義されたリスク分類を記述したいずれの予め定義された整合性レベルをも満たさない。第2の位置付けエンティティは、ネットワークアクセスエンティティ(または、TCU内のいずれかの他のアプリケーション)に第2の位置を伝送するように構成され、ネットワークアクセスエンティティは、サービスエンティティに、車両位置として第2の位置を伝送するように構成される。
【0048】
衛星に基づく信号を受信する受信機は、特定の車両または特定のシステムのコンテキストにおいて展開されない要素であってもよい。
【0049】
測定エンティティまたは位置付けエンティティなどの位置付け判定ユニットは、受信された未処理衛星位置データにおいて発生するエラーが、対応する位置付け判定エンティティの外部からの入力の必要性なしに発生しているときを検出するように構成されてもよい。
【0050】
これは、デバイス自体によって検出されるデバイス内のいずれかの誤動作または問題を意味する。更に、2つの端の間のASIL Bに準拠する通信であってもよい、ブラックチャネル通信は、テレマティクス制御エンティティ内のいずれの他の構成要素にも影響を与えない。
【0051】
好ましくは、メッセージ送信機とメッセージ受信機との間の安全な通信チャネルは、テレマティクス制御エンティティ内のいずれの他の構成要素にも影響を与えず、テレマティクス制御エンティティ内の他の構成要素による安全性関連構成要素の監視または診断が存在しない。全てのSEooC構成要素は、安全性関連として考慮されてもよい。
【0052】
更に、異なるSEooCsによってもたらされる安全性関連機能性の非可用性は、テレマティクス制御エンティティの別の構成要素によるいずれのシグナリングもなしに、通信ピア、データコンシューマによって検出される。SEooCのいずれかの誤動作または範囲外の動作のケースでは、それは、メッセージを送信することをただ停止し、メッセージは次いで、メッセージ受信機によって検出される。言い換えると、SEooCの外部の構成要素は、誤動作が発生することを判定することに関与するべきでない。
【0053】
安全性関連構成要素に電力を供給する電力供給構成要素は、潜在的には安全性関連であってもよい。衛星受信機自体は、安全性関連位置付けの一部ではない。衛星受信機のいずれかの必要とされる監視または診断は、無線受信機から信号を受信する安全性関連構成要素によって行われる。
【0054】
衛星受信機120によって提供される信号は、アンテナ信号経路が安全性関連構成要素の一部ではないように安全性関連ではない。
【0055】
要約すると、本出願は、特定の整合性レベルを満たす位置を必要とするアプリケーションによって、提供された位置情報を使用することができるように、予め定義された整合性レベルを満たす位置情報を加えて提供することができる、テレマティクス制御エンティティを提供する。
図1
図2
図3
図4