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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】電源装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/00 20060101AFI20241202BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20241202BHJP
【FI】
G03G15/00 680
B41J29/00 D
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021030082
(22)【出願日】2021-02-26
(65)【公開番号】P2022131238
(43)【公開日】2022-09-07
【審査請求日】2024-02-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 豪史
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-012274(JP,U)
【文献】特開2004-335785(JP,A)
【文献】特開平11-072984(JP,A)
【文献】特開平01-321810(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/00
B41J 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レームと、
気配線と、
前記電気配線を前記フレームの表面に沿ってガイドするガイド手段と、
前記電気配線よりも前記フレームの表面に近い位置に設けられ、前記フレームの表面と垂直な方向から見たとき前記電気配線と重なる位置に位置する対向部材と、を有し、
前記ガイド手段は、前記フレームの表面に近い側から前記電気配線と接触する第一のガイド部材と、第二のガイド部材を含み、前記電気配線の長手方向において前記第一のガイド部材と前記第二のガイド部材は前記対向部材を挟む位置にそれぞれ設けられ、
前記ガイド手段は、前記第一のガイド部材と前記第二のガイド部材とは反対側から前記電気配線と接触する第三のガイド部材をさらに含み、前記電気配線の長手方向において前記第一のガイド部材と前記第二のガイド部材によって挟まれる領域以外の位置に前記第三のガイド部材は設けられ、
前記第一のガイド部材と前記第二のガイド部材によって挟まれる前記領域において前記電気配線が前記対向部材から離れる方向に湾曲しており、
前記対向部材は、前記フレームの表面と垂直な方向から見たとき前記電気配線と重なる位置と、前記電気配線と重ならない位置の間で移動可能であることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記第三のガイド部材は、前記電気配線の長手方向において前記第一のガイド部材に対して前記対向部材とは反対側の第一の領域に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記ガイド手段は、前記反対側から前記電気配線と接触する第四のガイド部材を含み、前記第四のガイド部材は、前記電気配線の長手方向において前記第二のガイド部材に対して前記対向部材とは反対側の第二の領域に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の電源装置。
【請求項4】
前記第三のガイド部材は、前記電気配線の長手方向において前記第二のガイド部材に対して前記対向部材とは反対側の第二の領域に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項5】
前記対向部材は、前記フレームの表面と垂直な方向にのびた回動軸を中心に回動可能であることを特徴とする請求項に記載の電源装置。
【請求項6】
前記対向部材は、カートリッジが装着される際に動作する誤装着防止の機構と接続されており、前記カートリッジが装着される前の状態では前記対向部材は前記重なる位置に位置し、前記カートリッジが装着された後の状態では前記対向部材は前記重ならない位置にあることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の電源装置。
【請求項7】
前記第一のガイド部材のうち前記電気配線と対向する側に突出した第一の突出部または前記第二のガイド部材のうち前記電気配線と対向する側に突出した第二の突出部は、前記第三のガイド部材のうち前記電気配線と対向する側に突出した第三の突出部よりも前記フレームの表面と垂直な方向において上側にある、または同じ位置にあることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の電源装置。
【請求項8】
前記第一のガイド部材のうち前記電気配線と対向する側に突出した第一の突出部および前記第二のガイド部材のうち前記電気配線と対向する側に突出した第二の突出部は、前記第三のガイド部材のうち前記電気配線と対向する側に突出した第三の突出部よりも前記フレームの表面と垂直な方向において下側にあり、
前記第一の突出部と前記第二の突出部のいずれか一方と前記第三の突出部の前記垂直な方向における間隔は、前記電気配線の最小径よりも短いことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気信号もしくは電力を伝達する電気配線をガイドするガイド手段を備えた電源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、レーザプリンタ等に搭載された電源装置には、各種動作・制御のために複数の電気基板を機内に設け、複数の電気基板間を電気配線により接続し、電気信号や電力の送受信を行う構成が一般的である。特許文献1には、シートの画像を読み取る読取ユニットとシートを搬送するADFユニットが束線で接続されており、さらにその束線を覆うカバー部を備えた画像読取装置が記載されている。カバー部は読取ユニットに対するADFユニットの回動量を確保しつつ、束線を保護する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-224893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、電気配線が画像形成装置や画像読取装置などに含まれる様々な可動部材の近傍を通る構成の場合、電気配線と可動部材が接触すると電気配線が損傷を受ける可能性がある。また可動部材以外にも電気素子や発熱体などと接触すると、電気配線が損傷を受ける可能性がある。このため、従来は電気配線と可動部材、電気素子などとの距離を十分に確保するようスペースを設けるか、もしくはその間に遮蔽部材を設ける必要があった。これらの構成は、装置サイズが大きくなったり、部品点数が多くなったりするという課題があった。
【0005】
本発明の目的は、装置サイズを大きくすることなく、電気配線と電気配線に影響を与える対向部材との接触を防止可能な電源装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための本発明の電源装置は、フレームと、電気配線と、前記電気配線を前記フレームの表面に沿ってガイドするガイド手段と、前記電気配線よりも前記フレームの表面に近い位置に設けられ、前記フレームの表面と垂直な方向から見たとき前記電気配線と重なる位置に位置する対向部材と、を有し、前記ガイド手段は、前記フレームの表面に近い側から前記電気配線と接触する第一のガイド部材と、第二のガイド部材を含み、前記電気配線の長手方向において前記第一のガイド部材と前記第二のガイド部材は前記対向部材を挟む位置にそれぞれ設けられ、前記ガイド手段は、前記第一のガイド部材と前記第二のガイド部材とは反対側から前記電気配線と接触する第三のガイド部材をさらに含み、前記電気配線の長手方向において前記第一のガイド部材と前記第二のガイド部材によって挟まれる領域以外の位置に前記第三のガイド部材は設けられ、前記第一のガイド部材と前記第二のガイド部材によって挟まれる前記領域において前記電気配線が前記対向部材から離れる方向に湾曲しており、前記対向部材は、前記フレームの表面と垂直な方向から見たとき前記電気配線と重なる位置と、前記電気配線と重ならない位置の間で移動可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、装置サイズを大きくすることなく、電気配線と電気配線に影響を与える対向部材との接触を防止可能な電源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1における画像形成装置の構成概略図
図2】実施例1における画像形成装置の外観斜視図
図3】実施例1における右側板フレームの斜視図
図4】実施例1における束線ガイドとリンクユニットの構成を示す斜視図
図5】実施例1におけるリンクユニットの動作を示す斜視図
図6】実施例1における束線ガイドとリンクユニットの構成を示す断面図
図7】変形例における束線ガイドとリンクユニットの構成を示す断面図
図8】実施例1における効果を説明するための図
図9】実施例2における束線保持手段の断面斜視図
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施例1>
本実施例における画像形成装置100の構成について説明する。本実施例の画像形成装置100は、電子写真プロセスを用いたモノクロレーザプリンタであり、パーソナルコンピュータなどの外部機器から送信された画像情報に応じて、記録材(シート)である紙Pにトナー(現像剤)による画像を形成するものである。
【0010】
また、以下の説明において、画像形成装置100が水平な面に設置された場合における画像形成装置100の高さ方向(鉛直方向とは反対の方向)をZ方向とする。Z方向と交差し、後述する感光ドラム103aの軸線方向(主走査方向)と平行な方向をX方向とする。X方向及びZ方向と交差する方向をY方向とする。X方向、Y方向、Z方向は、好ましくは互いに垂直に交差する。また便宜上、X方向においてプラス側を右側、マイナス側を左側と呼び、Y方向においてプラス側を前側または正面側、マイナス側を後側または背面側と呼び、Z方向においてプラス側を上側、マイナス側を下側と呼ぶ。
【0011】
図1は、画像形成装置100の構成概略図である。画像形成装置100は、複数枚の紙Pを収容可能な給紙カセット102を備える。プロセスカートリッジ103は、像担持体としての感光ドラム103aを備え、画像形成装置100の装置本体108(筐体)に対して着脱可能に構成される。感光ドラム103aは上述した通り、X方向にのびた軸を中心に回転可能である。カバー109は装置本体108の一部を構成し、矢印D1の方向に開閉可能である。カバー109を開放した状態で、プロセスカートリッジ103は矢印D2の方向に着脱可能である。
【0012】
画像形成装置100がプリント開始信号を受信すると、給紙ローラ101が回転を開始し、給紙カセット102に積載された紙Pは、一枚ずつ下流に向けて搬送される。紙Pはトナーが表面に現像された感光ドラム103aと転写ローラ104で狭持されることにより、トナー像が紙Pに転写される。トナー像が転写された紙Pは定着装置105で加熱、加圧されることによりトナー像が紙Pに定着される。トナー像が定着された紙Pは排出ローラ対106によって機外に排出され、排出トレイ107上に積載される。
【0013】
図2は、画像形成装置100の外観斜視図である。図2に示す通り、画像形成装置100の前面にはカバー109と電源スイッチ200が設けられている。電源スイッチ200は装置向かって右側に設けられている。この電源スイッチ200が装置内部においてどのように支持されているかについて次の図を用いて説明する。
【0014】
図3は、電気配線のガイド構成を示す斜視図である。210は画像形成装置100の骨格の一部を形成する右側板フレームである(以下、単にフレーム210と記す)。フレーム210は金属板金で形成されており、YZ面にのびた板状の部材である。201は電源スイッチ基板であり、タクトスイッチ201a及び電源スイッチコネクタ201bを表面に実装し、スイッチ基板ホルダ204により保持されている。202は複数の信号線または電力線が束となった電源スイッチ束線202(電気配線)であり、一端側が電源スイッチコネクタ201bと接続されている。電源スイッチ束線202の他端側は、画像形成装置100の動作を制御する不図示の制御基板と接続されている。電源スイッチ束線202は電気配線ガイド203によって保持され、所定のルートに案内されている。スイッチ基板ホルダ204及び電気配線ガイド203はフレーム210に固定されている。
【0015】
図2で説明した電源スイッチ200は、ユーザーによって押圧可能な押圧面200aと、押圧面200aの背面側に押圧ボス200bを備えている。押圧ボス200bはタクトスイッチ201aと対向した位置に配置されている。押圧面200aをユーザーが押圧すると、押圧ボス200bがタクトスイッチ201aを押圧するよう構成されている。タクトスイッチ201aの押圧の有無の情報は電源スイッチ基板201を介して電源スイッチコネクタ201bへと伝達され、さらに電源スイッチ束線202を通して、不図示の制御基板へと伝達される。これにより、画像形成装置100の電源のオンオフが切り替わるようになっている。
【0016】
206は電磁力を利用したアクチュエーターとしての給紙ソレノイドであり、給紙ソレノイド束線206a(電気配線)を備えている。給紙ソレノイド束線206aはソレノイド束線ガイド208及び電気配線ガイド203により保持され、不図示の制御基板に接続されている。制御基板がプリント開始信号を受信すると、給紙ソレノイド束線206aを通して、給紙ソレノイド206に給紙開始信号を送信する。給紙開始信号に基づき給紙ソレノイド206が動作することにより、給紙ローラ101の回転動作を制御可能なように構成されている。電源スイッチ束線202及び給紙ソレノイド束線206aは、電気配線ガイド203により一部の領域において同じルートを案内され、該一部の領域において束線対209を形成している。束線対209はリンクユニット300の近傍を通るように、フレーム210の表面に沿ってガイドされている。
【0017】
図4は本実施例におけるリンクユニット300の構成を示す斜視図である。リンクユニット300はクローズドループ構成の四節リンク機構である。リンクユニット300は第一のリンク300a、第二のリンク300b、第三のリンク300c、第一のジョイント300d、第二のジョイント300e、第三のジョイント300f、第四のジョイント300gから構成されている。これら複数のジョイントはそれぞれフレーム210の表面と垂直な方向(X方向)に延びた回動軸を備えている。第一のリンク300aは、第一のジョイント300d周りに回動可能なように電気配線ガイド203に保持されている。また、第一のリンク300aは電気配線ガイド203により、第一のジョイント300dの回動軸線方向に位置決めされている。第三のリンク300cは第四のジョイント300g周りに回動可能である。第二のリンク300bは第一のリンク300a及び第三のリンク300cに保持され、第二のジョイント300e及び第三のジョイント300f周りに回動可能である。第一のリンク300aは空隙207を挟んで束線対209と対向している。
【0018】
図5は本実施例におけるリンクユニット300の動作を示す図である。リンクユニット300は、プロセスカートリッジ103の誤装着防止の機構の一部であり、プロセスカートリッジ103の挿抜動作に連動する。誤装着防止の機構とは、製品機種違いのカートリッジやトナーの色違いのカートリッジが誤って装着されてしまうことを防止するための機構である。図5(a)は、プロセスカートリッジ103が画像形成装置100の機外に引き抜かれた状態、図5(b)は、プロセスカートリッジ103が画像形成装置100の機内へ挿入された状態を示している。
【0019】
第一のリンク300aはフレーム210を貫通してX方向マイナス側(装置の内部側)にのび、適合するプロセスカートリッジ103とのみ接触可能な構成となっている。プロセスカートリッジ103を挿入する過程では、第一のリンク300aがプロセスカートリッジ103と接触し、第一のジョイント300d周りのCCW方向に回動する。第一のリンク300aの回動動作に連動して、第二のリンク300bは矢印A方向に移動する。第三のリンク300cは第四のジョイント300g周りのCCW方向に回動する。そして、図5(b)の状態に四節リンクユニット300が移動することにより、プロセスカートリッジ103の挿入を妨げる不図示のシャッターが開放され、プロセスカートリッジ103が画像形成装置100の所定位置まで挿入可能となるように構成されている。
【0020】
図5(a)と図5(b)に記載されている通り、フレーム210の表面に垂直な方向から見たときに、第一のリンク300aは束線対209と重なる位置を移動していることがわかる。つまり、第一のリンク300aと束線対209が互いに干渉しないように構成することが必要となる。
【0021】
図6は本実施例における電気配線ガイド203の構成を示す図である。図6図5(a)の鎖線Bの位置における断面図である。図6(a)に示すように、電気配線ガイド203は第一のガイド部材203a、第二のガイド部材203b、第三のガイド部材203c、第四のガイド部材203dを備える。第一のガイド部材203a、及び第二のガイド部材203bは束線対209の長手方向において本実施例における対向部材である第一のリンク300aを挟むように対向して配置されている。第一のガイド部材203a、及び第二のガイド部材203bは第一のリンク300aが配置されている一方側(フレーム210の表面に近い側)から束線対209と接触している。第三のガイド部材203cは第一のガイド部材203aに対して第一のリンク300aと反対側の位置に配置されている。第四のガイド部材203dは第二のガイド部材203bに対して第一のリンク300aと反対側の位置に配置されている。第三のガイド部材203c及び第四のガイド部材203dは、第一のガイド部材203a及び第二のガイド部材203bが束線対209と接触する側とは反対側から束線対209と接触している。
【0022】
図6(b)に示すように、第一のガイド部材203aと第二のガイド部材203bが、フレーム210の表面と垂直な方向(X方向)においてプラス側に突出した端部をそれぞれ第一の突出部205aと第二の突出部205bとする。第三のガイド部材203cと第四のガイド部材203dが、フレーム210の表面と垂直な方向(X方向)においてマイナス側に突出した端部をそれぞれ第三の突出部205cと第四の突出部205dとする。図6(b)においては、第一の突出部205a乃至第四の突出部205dがそれぞれ束線対209と接触している。第三の突出部205cと第四の突出部205dを結んだ直線をFとすると、第一の突出部205aと第二の突出部205bは直線FよりもX方向プラス側に位置している。このように構成することで、束線対209は第一のリンク300aとの間の空隙207が拡大する離間方向Eに沿って湾曲する。
【0023】
なお、図6では、第一の突出部205a及び第二の突出部205bの両方が、直線FよりもX方向プラス側に突出するように構成していたが、これに限定されない。図7(a)に示すように、第一の突出部205a及び第二の突出部205bのどちらか一方が直線FよりもX方向プラス側に突出する構成であってもよい。さらに、第一の突出部205a及び第二の突出部205bは、直線FよりもX方向プラス側に突出している必要はなく、直線Fと同じ位置にあってもよい。
【0024】
また、図7(b)に示すように、第一の突出部205a及び第二の突出部205bの両方が直線FよりもX方向マイナス側に位置していてもよい。この場合、束線対209のうち最小径の電気配線の直径をL、第一の突出部205aと直線Fとの距離をM、第二の突出部205bと直線Fとの距離をNとしたときに、M<LかつN<Lの関係となるように構成することが好ましい。
【0025】
束線対209の長手方向(Y方向)において、第三のガイド部材203c及び第四のガイド部材203dは、第一のガイド部材203aと第二のガイド部材203bによって挟まれる領域以外の位置に設けられていればよく、その位置は特に限定されない。つまり、第一のガイド部材203aと第二のガイド部材203bの間隔、第一のガイド部材203aと第三のガイド部材203cの間隔、第二のガイド部材203bと第四のガイド部材203dの間隔は特に限定されない。束線対209の剛度にも影響されるが、第一のガイド部材203aと第二のガイド部材203bによって挟まされる領域において束線対209が離間方向Eに沿って湾曲するように構成されれば、上記間隔の大小関係は問わない。
【0026】
図8は本実施例の効果を示す図である。図8(a)は、プロセスカートリッジ103が画像形成装置100の機外に引き抜かれた状態、図8(b)は、プロセスカートリッジ103が画像形成装置100の機内へ挿入された状態を示している。プロセスカートリッジ103の挿抜動作と連動し、第一のリンク300aは矢印Dの方向に移動する。このとき、上述の通り束線対209は離間方向Eに湾曲しているため、第一のリンク300aと束線対209との接触を防止できる。したがって、プロセスカートリッジ103の挿抜時に、第一のリンク300aと束線対209とが接触することによって引き起こされる束線対209の損傷を防止できる。
【0027】
<実施例2>
図9は、実施例2における束線保持手段の断面斜視図である。実施例1と説明が重複する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。図9において、400は結束テープであり、空隙207と対向する少なくとも一部の領域において、束線対209の外周面に巻き付かれている。結束テープ400は束線対209を構成する複数の信号線及び電力線を結束している。
【0028】
実施例2特有の効果としては、結束テープ400の巻き付き領域において、束線対209の剛性が大きくなり、束線対209を離間方向Eに実施例1に対して更に湾曲させることができる。したがって、第一のリンク300aと束線対209との接触を防止しつつ、実施例1に対して更に小サイズに電気配線ガイド203を構成できる。実施例2では結束テープ400により束線対209を結束する構成を例として挙げたが、空隙207と対向する少なくとも一部の領域において、結束バンドで束線対209を結束してよいし、束線対209を捻架させるよう構成してもよい。
【0029】
なお、上記の実施例1、2においては、第一のガイド部材203a、第二のガイド部材203b、第三のガイド部材203c、第四のガイド部材203dを備えた構成を説明したが、これに限定されない。第三のガイド部材203cのみを備え、第四のガイド部材203dはない構成であってもよいし、第四のガイド部材203dのみを備え、第三のガイド部材203cはない構成であってもよい。
【0030】
また、上記の実施例1、2においては、電源スイッチ束線202及び給紙ソレノイド束線206aが可動部である第一のリンク300aの直上を横断する構成を前提に説明したが、本発明に適用可能な束線の種類はこれに限定されない。電気信号や電力を伝達する電気配線であれば、どのようなものでも適用可能である。また、束線の代わりに、フレキシブルフラットケーブルで構成してもよいし、フレキシブル基板で構成してもよい。
【0031】
また、上記の実施例1、2においては、第一のジョイント300d周りに回動可能な第一のリンク300aを可動部の例として挙げたが、ギア等の回転体であってもよい。また、可動部はフレーム210の表面に沿ってスライド移動可能な構成であってもよい。また、可動部でなくても、接触により電気配線が損傷を受ける可能性のある板金エッジやモールドエッジ、電気素子や発熱体等に対しても本発明のガイド構成は適用可能である。
【0032】
また、上記の実施例1、2においては、画像形成装置100を電源装置の例として説明を行ったが、本発明はこれに限定されない。束線対209をガイドする電気配線ガイド203を備えた電源装置であれば、他の電気機器にも適用することができる。
【符号の説明】
【0033】
203 電気配線ガイド
203a 第一のガイド部材
203b 第二のガイド部材
203c 第三のガイド部材
209 束線対
210 フレーム
300 リンクユニット
300a 第一のリンク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9