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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】ディスク装置
(51)【国際特許分類】
   G11B 33/12 20060101AFI20241202BHJP
【FI】
G11B33/12 313C
G11B33/12 304
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021137351
(22)【出願日】2021-08-25
(65)【公開番号】P2023031699
(43)【公開日】2023-03-09
【審査請求日】2023-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】徳田 孝太
(72)【発明者】
【氏名】雨宮 義浩
(72)【発明者】
【氏名】山中 森羅
(72)【発明者】
【氏名】山本 展大
(72)【発明者】
【氏名】岡野 太一
【審査官】川中 龍太
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-250602(JP,A)
【文献】特開2020-047356(JP,A)
【文献】特開2018-163714(JP,A)
【文献】特開2009-187650(JP,A)
【文献】特開2020-047315(JP,A)
【文献】特開2004-342288(JP,A)
【文献】特開2019-169215(JP,A)
【文献】特開2005-339641(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 33/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気ディスクと、
前記磁気ディスクに対して情報を読み書きするよう構成された磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドに電気的に接続され
絶縁性の第1の面を有する、第1の層と、
第1の導電体と、前記第1の導電体から離間した第2の導電体と、を有し、前記第1の面に設けられた、導電性の第2の層と、
前記第1の面の少なくとも一部と前記第2の層の少なくとも一部とを覆う絶縁性の第3の層と、
を有し、前記第2の層から離間するとともに前記第1の導電体と前記第2の導電体との間において前記第3の層を貫通する第1の孔が設けられた、フレキシブルプリント配線板と、
前記第1の導電体に接続された部品と、
前記部品と前記フレキシブルプリント配線板との間に設けられたアンダーフィルと、
前記第2の導電体に付着した半田と、
を具備し、
前記第1の孔は、前記アンダーフィルと前記半田との間に位置し、
前記第3の層は、前記第1の面に向く第2の面と、前記第2の面の反対側に位置する第3の面と、を有し、前記第3の面に開口するとともに前記第2の導電体を露出させる第2の孔が設けられ、
前記フレキシブルプリント配線板は、前記第3の面から突出するとともに前記第1の面に沿う方向において前記第1の導電体と前記第2の導電体との間に位置する第1の突出面、を有する、
ディスク装置。
【請求項2】
前記第1の孔は、前記第1の面に沿う方向において前記第1の突出面と前記第2の孔との間に位置する、請求項1のディスク装置。
【請求項3】
前記第2の層は、前記第1の導電体と前記第2の導電体との間に位置するとともに、グランドに電気的に接続された、グランド配線を有し、
前記第1の突出面は、前記グランド配線に沿って前記第3の面から突出する、
請求項1又は請求項2のディスク装置。
【請求項4】
前記第1の孔は、前記第1の突出面が延びる方向における当該第1の突出面の端の近傍に位置する、請求項1乃至請求項3のいずれか一つのディスク装置。
【請求項5】
前記第1の層よりも剛性が高く、前記フレキシブルプリント配線板に取り付けられた壁、
をさらに具備し、
前記第1の層は、当該第1の層を貫通するとともに前記第1の孔に連通する第3の孔が設けられ、前記第3の層と前記壁との間に位置し、
前記壁は、当該壁を貫通するとともに前記第3の孔に連通する第4の孔が設けられた、
請求項1乃至請求項4のいずれか一つのディスク装置。
【請求項6】
前記第1の層よりも剛性が高く、前記フレキシブルプリント配線板に取り付けられた壁、
をさらに具備し、
前記壁は、前記フレキシブルプリント配線板に向く第5の面と、前記第5の面から突出する第2の突出面を有し、
前記第1の突出面は、前記第2の突出面に沿って前記第3の面から突出する、
請求項1又は請求項2のディスク装置。
【請求項7】
前記第1の導電体は、前記第1の面に沿って延びる第1の配線を有し、
前記第2の導電体は、前記第1の配線に沿って延びる第2の配線を有し、
前記第3の層は、前記第1の配線及び前記第2の配線を覆う、
請求項1のディスク装置。
【請求項8】
磁気ディスクと、
前記磁気ディスクに対して情報を読み書きするよう構成された磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドに電気的に接続され、
絶縁性の第1の面を有する、第1の層と、
第1の導電体と、前記第1の導電体から離間した第2の導電体と、を有し、前記第1の面に設けられた、導電性の第2の層と、
前記第1の面の少なくとも一部と前記第2の層の少なくとも一部とを覆う絶縁性の第3の層と、
を有し、前記第2の層から離間するとともに前記第1の導電体と前記第2の導電体との間において前記第3の層を貫通する第1の孔が設けられた、フレキシブルプリント配線板と、
前記第1の導電体に接続された第1の部品と、
前記第2の導電体に付着した半田と、
前記半田を介して前記第2の導電体に接続された、前記第1の部品とは別の第2の部品と、
前記第1の部品と前記フレキシブルプリント配線板との間に設けられたアンダーフィルと、
を具備し、
前記第1の孔は、前記アンダーフィルと前記半田との間に位置する、
ディスク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクドライブのようなディスク装置は、磁気ヘッドにより磁気ディスクに対して情報を読み書きする。ディスク装置は、例えば、コントローラと磁気ヘッドとの間を電気的に接続するフレキシブルプリント配線板を有する。フレキシブルプリント配線板には、配線やパッドのような複数の導電体が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-192903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えばディスク装置の機能の向上に伴って、フレキシブルプリント配線板における導電体の密度が高くなる傾向がある。この場合、隣り合う二つの導電体の間の距離が近くなることで、フレキシブルプリント配線板の性能に影響が及ぶ虞がある。
【0005】
本発明が解決する課題の一例は、導電体が互いに近接することによる影響を抑制可能なディスク装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの実施形態に係るディスク装置は、磁気ディスクと、磁気ヘッドと、フレキシブルプリント配線板と、部品と、アンダーフィルと、半田とを備える。前記磁気ヘッドは、前記磁気ディスクに対して情報を読み書きするよう構成される。前記フレキシブルプリント配線板は、前記磁気ヘッドに電気的に接続される。前記フレキシブルプリント配線板は、第1の層と、導電性の第2の層と、絶縁性の第3の層とを有する。前記第1の層は、絶縁性の第1の面を有する。前記第2の層は、第1の導電体と、前記第1の導電体から離間した第2の導電体と、を有し、前記第1の面に設けられる。前記第3の層は、前記第1の面の少なくとも一部と前記第2の層の少なくとも一部とを覆う。前記フレキシブルプリント配線板は、前記第2の層から離間するとともに前記第1の導電体と前記第2の導電体との間において前記第3の層を貫通する第1の孔が設けられる。前記部品は、前記第1の導電体に接続される。前記アンダーフィルは、前記部品と前記フレキシブルプリント配線板との間に設けられる。前記半田は、前記第2の導電体に付着する。前記第1の孔は、前記アンダーフィルと前記半田との間に位置する。前記第3の層は、前記第1の面に向く第2の面と、前記第2の面の反対側に位置する第3の面と、を有し、前記第3の面に開口するとともに前記第2の導電体を露出させる第2の孔が設けられる。前記フレキシブルプリント配線板は、前記第3の面から突出するとともに前記第1の面に沿う方向において前記第1の導電体と前記第2の導電体との間に位置する第1の突出面、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態に係るHDDを示す例示的な斜視図である。
図2図2は、第1の実施形態のFPCを概略的に示す例示的な平面図である。
図3図3は、第1の実施形態の第1の接続部の一部を概略的に示す例示的な平面図である。
図4図4は、第1の実施形態の第1の接続部の一部を図3のF4-F4線に沿って示す例示的な断面図である。
図5図5は、第1の実施形態の第1の接続部の一部を図3のF5-F5線に沿って示す例示的な断面図である。
図6図6は、第1の実施形態の第1の接続部の一部を図3のF6-F6線に沿って示す例示的な断面図である。
図7図7は、第2の実施形態に係る第1の接続部の一部を示す例示的な断面図である。
図8図8は、第3の実施形態に係る第1の接続部の一部を示す例示的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態について、図1乃至図6を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
【0009】
図1は、第1の実施形態に係るハードディスクドライブ(HDD)10を示す例示的な斜視図である。HDD10は、ディスク装置の一例であり、電子機器、記憶装置、外部記憶装置、又は磁気ディスク装置とも称され得る。なお、ディスク装置は、HDD10に限られない。
【0010】
HDD10は、筐体11と、複数の磁気ディスク12と、スピンドルモータ13と、複数の磁気ヘッド14と、アクチュエータアセンブリ15と、ボイスコイルモータ(VCM)16と、ランプロード機構17と、フレキシブルプリント配線板(FPC)18と、プリント配線板(PCB)19とを有する。
【0011】
筐体11は、ベース21と、内カバー22と、外カバー23とを有する。ベース21は、例えばアルミニウム合金のような金属材料によって作られた有底の容器であり、底壁25と側壁26とを有する。底壁25は、略矩形(四角形)の板状に形成されている。側壁26は、底壁25の縁から突出している。底壁25と側壁26とは、一体に形成されている。
【0012】
内カバー22及び外カバー23は、例えば、アルミニウム合金のような金属材料によって作られる。内カバー22は、例えば、ネジによって側壁26の端部に取り付けられている。外カバー23は、内カバー22を覆うとともに、例えば溶接によって側壁26の端部に気密に固定されている。
【0013】
筐体11の内部は密封されている。筐体11の内部に、磁気ディスク12、スピンドルモータ13、磁気ヘッド14、アクチュエータアセンブリ15、VCM16、ランプロード機構17、及びFPC18が配置されている。
【0014】
内カバー22に通気口22aが設けられる。さらに、外カバー23に、通気口23aが設けられる。ベース21の内部に部品が取り付けられ、ベース21に内カバー22及び外カバー23が取り付けられた後、通気口22a,23aから筐体11の内部の空気が抜かれる。さらに、筐体11の内部に、空気とは異なる気体が充填される。
【0015】
筐体11の内部に充填される気体は、例えば、空気よりも密度が低い低密度ガスや、反応性の低い不活性ガス等である。例えば、ヘリウムが筐体11の内部に充填される。なお、他の流体が筐体11の内部に充填されても良い。また、筐体11の内部は、真空、真空に近い低圧、又は大気圧よりも低い陰圧に保たれても良い。
【0016】
外カバー23の通気口23aは、シール28により塞がれる。シール28は、通気口23aを気密に密封し、筐体11の内部に充填された流体が通気口23aから漏れることを抑制する。
【0017】
磁気ディスク12は、例えば、上面及び下面に設けられた磁気記録層を有するディスクである。磁気ディスク12の直径は、例えば、3.5インチであるが、この例に限られない。複数の磁気ディスク12は、間隔を介して重ねられる。
【0018】
スピンドルモータ13は、重ねられた複数の磁気ディスク12を支持するとともに回転させる。複数の磁気ディスク12は、例えば、クランプバネによってスピンドルモータ13のハブに保持される。
【0019】
磁気ヘッド14は、磁気ディスク12の記録層に対して、情報の記録及び再生を行う。言い換えると、磁気ヘッド14は、磁気ディスク12に対して情報を読み書きする。磁気ヘッド14は、アクチュエータアセンブリ15に搭載される。
【0020】
アクチュエータアセンブリ15は、磁気ディスク12から離間した位置に配置された支持軸31に、回転可能に支持される。VCM16は、アクチュエータアセンブリ15を回転させ、所望の位置に配置する。磁気ヘッド14が磁気ディスク12の最外周に移動すると、ランプロード機構17は、磁気ディスク12から離間したアンロード位置に磁気ヘッド14を保持する。
【0021】
アクチュエータアセンブリ15は、アクチュエータブロック35と、複数のアーム36と、複数のヘッドサスペンションアセンブリ37とを有する。ヘッドサスペンションアセンブリ37は、以下ではサスペンション37と称される。サスペンション37は、ヘッドジンバルアセンブリ(HGA)とも称され得る。
【0022】
アクチュエータブロック35は、例えば、軸受を介して、支持軸31に回転可能に支持される。複数のアーム36は、アクチュエータブロック35から、支持軸31と略直交する方向に突出している。なお、アクチュエータアセンブリ15が分割され、複数のアクチュエータブロック35のそれぞれからアーム36が突出しても良い。
【0023】
複数のアーム36は、支持軸31が延びる方向に、間隔を介して配置される。アーム36はそれぞれ、隣り合う磁気ディスク12の間に進入可能な板状に形成される。複数のアーム36は、略平行に延びている。
【0024】
アクチュエータブロック35及び複数のアーム36は、例えばアルミニウムにより一体に形成される。なお、アクチュエータブロック35及びアーム36の材料は、この例に限られない。
【0025】
アクチュエータブロック35からアーム36の反対側に突出した突起に、VCM16のボイスコイルが設けられる。VCM16は、一対のヨークと、当該ヨークの間に配置されたボイスコイルと、ヨークに設けられた磁石と、を有する。
【0026】
上述のように、VCM16は、アクチュエータアセンブリ15を回転させる。言い換えると、VCM16は、アクチュエータブロック35、アーム36、及びサスペンション37を一体的に回転(移動)させる。
【0027】
サスペンション37は、対応するアーム36の先端部分に取り付けられ、当該アーム36から突出する。これにより、複数のサスペンション37は、支持軸31が延びる方向に、間隔を介して配置される。
【0028】
複数のサスペンション37はそれぞれ、ベースプレート41と、ロードビーム42と、フレキシャ43とを有する。さらに、サスペンション37の先端部に磁気ヘッド14が搭載される。
【0029】
ベースプレート41及びロードビーム42は、例えば、ステンレスにより作られる。なお、ベースプレート41及びロードビーム42の材料は、この例に限られない。ベースプレート41は、板状に形成され、アーム36の先端部に取り付けられる。ロードビーム42は、ベースプレート41よりも薄い板状に形成される。ロードビーム42は、ベースプレート41の先端部に取り付けられ、ベースプレート41から突出する。
【0030】
フレキシャ43は、細長い帯状に形成される。なお、フレキシャ43の形状は、この例に限られない。フレキシャ43は、ステンレス等の金属板(裏打ち層)と、金属板上に形成された絶縁層と、絶縁層上に形成され複数の配線(配線パターン)を構成する導電層と、導電層を覆う保護層(絶縁層)と、を有する積層板である。
【0031】
フレキシャ43の一方の端部に、ロードビーム42上に位置するとともに変位可能なジンバル部(弾性支持部)が設けられる。ジンバル部は、サスペンション37の先端部に設けられ、磁気ヘッド14を搭載される。フレキシャ43の他方の端部は、FPC18に接続される。これにより、FPC18は、フレキシャ43の配線を介して、磁気ヘッド14に電気的に接続される。
【0032】
PCB19は、例えば、ガラスエポキシ基板等のリジッド基板であり、多層基板又はビルドアップ基板等である。PCB19は、筐体11の外部に配置され、ベース21の底壁25に取り付けられる。PCB19は、例えば、複数のネジによって底壁25に取り付けられる。
【0033】
PCB19に、例えば、インターフェース(I/F)コネクタ51と、コントローラ52と、中継コネクタ53とが搭載される。また、PCB19に、他の部品が搭載されても良い。
【0034】
I/Fコネクタ51は、Serial ATA(SATA)のようなインターフェース規格に準拠したコネクタであり、ホストコンピュータのI/Fコネクタに接続される。HDD10は、I/Fコネクタ51を通じて、ホストコンピュータから電力の供給を受けるとともに、ホストコンピュータとの間で種々のデータを送受信する。
【0035】
コントローラ52は、例えば、システムオンチップ(SoC)であり、リードライトチャネル(RWC)、ハードディスクコントローラ(HDC)、及びプロセッサを有する。なお、RWC、HDC、及びプロセッサは、別々の部品であっても良い。
【0036】
コントローラ52のプロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサは、例えば、ROMに予め記憶されたファームウェアに従って、HDD10の全体的な制御を行う。例えば、プロセッサは、ROMのファームウェアをRAMにロードし、ロードされたファームウェアに従って、磁気ヘッド14、RWC、HDC、及び他の部分の制御を実行する。
【0037】
中継コネクタ53は、例えば、底壁25に設けられたコネクタを通じて、筐体11の内部に配置された種々の部品に電気的に接続される。これにより、PCB19は、筐体11の内部に配置されたスピンドルモータ13、磁気ヘッド14、アクチュエータアセンブリ15、VCM16、及びFPC18に、電気的に接続される。
【0038】
図2は、第1の実施形態のFPC18を概略的に示す例示的な平面図である。図2に示すように、FPC18は、他の部品から取り外されるとともに外力が作用していない自然状態において、略L字の帯状に形成される。なお、FPC18の形状は、この例に限られない。FPC18は、第1の接続部61と、第2の接続部62と、中間部63とを有する。
【0039】
第1の接続部61は、例えば、FPC18が延びる方向におけるFPC18の一方の端部に設けられる。第1の接続部61は、例えばネジにより、アクチュエータブロック35に取り付けられる。第1の接続部61は、VCM16及びフレキシャ43に電気的に接続される。
【0040】
第1の接続部61に、複数の挿通孔64が設けられる。挿通孔64は、第1の接続部61を貫通している。例えば、ネジが、挿通孔64を通り、第1の接続部61をアクチュエータブロック35に取り付ける。なお、挿通孔64は、この例に限られない。例えば、挿通孔64を通ってアクチュエータブロック35に取り付けられたピンが、半田によって第1の接続部61に固定されても良い。
【0041】
第2の接続部62は、例えば、FPC18が延びる方向におけるFPC18の他方の端部に設けられる。第2の接続部62は、例えば、ネジにより底壁25に取り付けられる。第2の接続部62は、例えば、底壁25に設けられたコネクタを通じてPCB19に電気的に接続される。
【0042】
中間部63は、第1の接続部61と第2の接続部62との間に設けられる。中間部63は、帯状に延びており、アクチュエータブロック35の回転に応じて第1の接続部61と第2の接続部62との間で撓む。
【0043】
各図面に示されるように、本明細書において、便宜上、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、自然状態の中間部63の幅に沿って設けられる。Y軸は、自然状態の中間部63の長さに沿って設けられる。Z軸は、自然状態のFPC18の厚さに沿って設けられる。
【0044】
さらに、本明細書において、X方向、Y方向及びZ方向が定義される。X方向は、X軸に沿う方向であって、X軸の矢印が示す+X方向と、X軸の矢印の反対方向である-X方向とを含む。Y方向は、Y軸に沿う方向であって、Y軸の矢印が示す+Y方向と、Y軸の矢印の反対方向である-Y方向とを含む。Z方向は、Z軸に沿う方向であって、Z軸の矢印が示す+Z方向と、Z軸の矢印の反対方向である-Z方向とを含む。
【0045】
第1の接続部61は、+Y方向における中間部63の端部に接続され、当該端部から+Y方向に延びている。第2の接続部62は、-Y方向における中間部63の端部に接続され、当該端部から+X方向に延びている。なお、第1の接続部61と第2の接続部62とは、この例に限られない。
【0046】
HDD10は、複数のプリアンプ65と、中継コネクタ66と、センサ67と、複数の補強板68をさらに有する。プリアンプ65は、部品の一例であり、ヘッドアンプとも称され得る。補強板68は、壁の一例である。
【0047】
プリアンプ65は、第1の接続部61に搭載される。プリアンプ65は、例えば、FPC18の配線及びパッドを介して、フレキシャ43に電気的に接続される。また、プリアンプ65は、フレキシャ43を介して磁気ヘッド14に電気的に接続される。プリアンプ65は、ライト信号を増幅して磁気ヘッド14に送信するとともに、磁気ヘッド14から受信したリード信号を増幅する。
【0048】
プリアンプ65は、アンダーフィル69によって、FPC18に固定される。アンダーフィル69は、プリアンプ65とFPC18との間に設けられる。また、アンダーフィル69の一部は、プリアンプ65の縁に付着し、プリアンプ65とFPC18との間の空間の外部に位置している。
【0049】
中継コネクタ66及びセンサ67は、第2の接続部62に搭載される。中継コネクタ66は、例えば、底壁25に設けられたコネクタを通じて、PCB19の中継コネクタ53に電気的に接続される。これにより、第2の接続部62は、PCB19に接続される。なお、中継コネクタ66は、PCB19の中継コネクタ53に直接的に接続されても良い。センサ67は、例えば、筐体11の内部の温度及び湿度と、HDD10の加速度及び角加速度とを検知する。
【0050】
補強板68は、例えば、アルミニウムのような金属又は合成樹脂によって作られ、板状に形成される。なお、補強板68は、この例に限られない。複数の補強板68は、第1の接続部61及び第2の接続部62に取り付けられる。補強板68は、第1の接続部61及び第2の接続部62の剛性を向上させる。
【0051】
図3は、第1の実施形態の第1の接続部61の一部を概略的に示す例示的な平面図である。図4は、第1の実施形態の第1の接続部61の一部を図3のF4-F4線に沿って示す例示的な断面図である。図5は、第1の実施形態の第1の接続部61の一部を図3のF5-F5線に沿って示す例示的な断面図である。図6は、第1の実施形態の第1の接続部61の一部を図3のF6-F6線に沿って示す例示的な断面図である。
【0052】
図4に示すように、FPC18は、ベース層71と、導電層72と、カバー層73と、グランド層74と、カバー層75とを有する。ベース層71は、第1の層の一例である。導電層72は、第2の層の一例である。カバー層73は、第3の層の一例である。
【0053】
ベース層71は、例えば、ポリイミドのような絶縁材料で作られ、絶縁性を有する。なお、FPC18が多層FPCである場合、ベース層71は、複数の絶縁層と、複数の導電層とを有しても良い。
【0054】
ベース層71は、上面71aと、下面71bとを有する。なお、本明細書における上及び下は、図4における上下方向を基準とする便宜的な表現であり、方向、位置、及び他の条件について限定するものではない。上面71aは、第1の面の一例である。
【0055】
上面71aは、+Z方向に向くベース層71の表面である。下面71bは、上面71aの反対側に位置し、-Z方向に向くベース層71の表面である。ベース層71が絶縁材料で作られるため、上面71aは、絶縁性を有する。なお、例えばFPC18が多層FPCである場合、上面71aに導電体が露出していても良い。
【0056】
下面71bに、銅のような導電体によって作られたグランド層74が設けられる。カバー層75は、ポリイミドのような絶縁材料で作られ、グランド層74を覆う。なお、FPC18が多層FPCである場合、グランド層74は、ベース層71の内部に設けられても良い。
【0057】
導電層72は、例えば、銅のような導電体によって作られ、導電性を有する。導電層72は、ベース層71の上面71aに設けられる。なお、導電層72と上面71aとの間に接着層が設けられても良い。
【0058】
導電層72は、図3に示す複数のパッド81,82,83,84と、信号配線85と、電源配線86と、二つのGMA(gimbal micro actuator)配線87,88と、図6に示す導電体89とを有する。さらに、導電層72は、図3に示す複数のグランド配線91,92,93を有する。
【0059】
パッド81,82、及びGMA配線87は、第1の導電体の一例である。パッド83,84、電源配線86、及びGMA配線88は、第2の導電体の一例である。GMA配線87は、第1の配線の一例である。GMA配線88は、第2の配線の一例である。パッド81,82,83,84は、ランド、端子、又は電極とも称され得る。
【0060】
パッド81,82のそれぞれは、プリアンプ65が接続される複数のパッドのうちの一つである。図4に示すように、パッド81に、プリアンプ65の端子65aが接続される。また、図6に示すように、パッド82に、プリアンプ65の端子65bが接続される。端子65a,65bは、例えば、半田ボールである。なお、端子65a,65bは、この例に限られない。
【0061】
図4に示すパッド83は、VCM16のボイスコイルの端子に接続される。パッド83は、半田95を介して、VCM16に接続される。すなわち、半田95は、パッド83に付着している。パッド83は、パッド81,82から離間している。
【0062】
図3に示すように、パッド84は、挿通孔64の縁に沿って略円環状に設けられる。パッド84は、半田96に覆われ、当該半田96に保護されている。なお、パッド84は、この例に限られない。パッド84は、パッド81,82から離間している。
【0063】
信号配線85は、例えば、中継コネクタ66とプリアンプ65との間で、上面71aに沿って延びている。信号配線85は、パッド81、又はプリアンプ65が接続される他のパッドに接続され、リード信号及びライト信号を伝送する。なお、信号配線85は、この例に限られない。信号配線85は、パッド83,84から離間している。
【0064】
電源配線86は、例えば、中継コネクタ66とパッド83との間で、上面71aに沿って延びている。電源配線86は、パッド83に接続され、VCM16に電源を供給する。なお、電源配線86は、この例に限られない。電源配線86は、パッド81,82,84、及び信号配線85から離間している。
【0065】
GMA配線87,88は、例えば、中継コネクタ66とフレキシャ43との間で、上面71aに沿って延びている。GMA配線87,88は、略平行に延びている。このため、GMA配線88は、GMA配線87に沿って延びている。なお、二つのGMA配線87,88の間の距離は、一定でなくても良い。GMA配線87は、GMA配線88よりも、プリアンプ65に近い。
【0066】
GMA配線87,88は、例えば、マイクロ波アシスト磁気記録(MAMR:Microwave Assisted Magnetic Recording)方式又は熱アシスト磁気記録(HAMR:Heat Assisted Magnetic Recording)方式の磁気ヘッド14に電気的に接続され、レーザ光又はマイクロ波の発生源の制御信号を伝送する。なお、GMA配線87,88は、この例に限られない。
【0067】
図6に示す導電体89は、パッド82とGMA配線87との間に位置する。導電体89は、例えば、FPC18の検査に用いられる検査パターンである。なお、導電体89は、この例に限られず、例えば、配線であっても良い。
【0068】
グランド配線91,92,93は、グランドに電気的に接続される。例えば、グランド配線91,92,93は、バイアを介して、グランド層74に電気的に接続される。
【0069】
図3に示すように、グランド配線91は、パッド81とパッド83との間の領域、パッド81とパッド84との間の領域、及びパッド81と電源配線86との間の領域を通って延びている。このため、グランド配線91は、パッド81とパッド83との間に位置し、且つパッド81とパッド84との間に位置する。また、グランド配線91は、アンダーフィル69とパッド83との間に位置し、且つアンダーフィル69とパッド84との間に位置する。
【0070】
グランド配線92は、GMA配線87とGMA配線88との間に位置する。グランド配線93は、パッド82とGMA配線87との間に位置する。グランド配線92,93は、GMA配線87,88と略平行に延びている。なお、グランド配線92,93は、GMA配線87,88より短くても良い。
【0071】
図4に示すように、カバー層73は、ベース層71の上面71aの少なくとも一部と、導電層72の少なくとも一部とを覆う。例えば、カバー層73は、信号配線85、電源配線86、GMA配線87,88、及びグランド配線91,92,93を覆う。カバー層73は、下面73aと上面73bとを有する。下面73aは、第2の面の一例である。上面73bは、第3の面の一例である。
【0072】
下面73aは、-Z方向に向くカバー層73の表面である。下面73aは、ベース層71の上面71aに向く。上面73bは、下面73aの反対側に位置し、+Z方向に向くカバー層73の表面である。上面73bは、FPC18の表面を形成する。
【0073】
カバー層73は、カバーフィルム101と、接着剤102とを有する。カバーフィルム101は、例えば、ポリイミドのような絶縁材料で作られる。接着剤102は、例えば、絶縁性の接着剤により作られる。このため、カバー層73は、絶縁性を有する。別の表現によれば、ベース層71及びカバー層73のそれぞれの電気抵抗は、導電層72の電気抵抗よりも高い。
【0074】
接着剤102は、カバーフィルム101と、ベース層71の上面71a及び導電層72との間に介在する。接着剤102は、カバーフィルム101を、ベース層71の上面71a及び導電層72に接着する。
【0075】
カバー層73は、略一定の厚さを有し、ベース層71の上面71a及び導電層72を覆う。このため、導電層72が設けられた位置において、カバー層73は、上面73bから突出(隆起)する。図3に示すように、カバー層73は、複数の突出部111,112,113を有する。
【0076】
図4に示すように、突出部111は、グランド配線91を覆うカバー層73の一部である。突出部111は、グランド配線91に沿って上面73bから突出し、グランド配線91に沿って延びている。このため、突出部111は、ベース層71の上面71aに沿う方向において、パッド81とパッド83との間に位置し、且つパッド81とパッド84との間に位置する。また、突出部111は、アンダーフィル69とパッド83との間に位置し、且つアンダーフィル69とパッド84との間に位置する。
【0077】
突出部111は、二つの側面111a,111bを有する。側面111aは、第1の突出面及び突出面の一例である。側面111a,111bは、グランド配線91に沿って上面73bから突出(起立、隆起)し、上面73bが向く方向と交差する方向に向く。
【0078】
側面111aは、側面111bよりもパッド83に近く、且つ側面111bよりもパッド84に近い。側面111bは、側面111aの反対側に位置する。側面111bは、側面111aよりもパッド81に近い。
【0079】
図5に示すように、突出部112は、グランド配線92を覆うカバー層73の一部である。突出部112は、グランド配線92に沿って上面73bから突出し、グランド配線92に沿って延びている。このため、突出部112は、ベース層71の上面71aに沿う方向において、GMA配線87とGMA配線88との間に位置する。
【0080】
突出部112は、二つの側面112a,112bを有する。側面112a,112bは、グランド配線92に沿って上面73bから突出し、上面73bが向く方向と交差する方向に向く。側面112aは、側面112bよりもGMA配線88に近い。側面112bは、側面112aの反対側に位置する。側面112bは、側面112aよりもGMA配線87に近い。
【0081】
図6に示すように、突出部113は、グランド配線93を覆うカバー層73の一部である。突出部113は、グランド配線93に沿って上面73bから突出し、グランド配線93に沿って延びている。このため、突出部113は、ベース層71の上面71aに沿う方向において、パッド82とGMA配線87との間に位置する。
【0082】
突出部113は、二つの側面113a,113bを有する。側面113a,113bは、グランド配線93に沿って上面73bから突出し、上面73bが向く方向と交差する方向に向く。側面113aは、側面113bよりもGMA配線87に近い。側面113bは、側面113aの反対側に位置する。側面113bは、側面113aよりもパッド82に近い。
【0083】
図3に示すように、カバー層73に、複数の露出孔121,122,123,124と、複数の貫通孔125,126,127とが設けられる。露出孔123,124は、第2の孔の一例である。貫通孔125,126,127は、第1の孔の一例である。
【0084】
露出孔121,122,123,124及び貫通孔125,126,127は、カバー層73をZ方向に貫通している。このため、露出孔121,122,123,124及び貫通孔125,126,127は、上面73b及び下面73aに開口している。
【0085】
図4に示すように、露出孔121は、パッド81を露出させる。言い換えると、カバー層73は、露出孔121が設けられた部分において、パッド81を覆っていない。図6に示すように、露出孔122は、パッド82を露出させる。図4に示すように、露出孔123は、パッド83を露出させる。露出孔124は、パッド84を露出させる。
【0086】
貫通孔125,126,127は、上面71aに沿う方向において、導電層72から離間している。このため、貫通孔125,126,127は、導電層72を露出させない。言い換えると、貫通孔125,126,127は、導電層72とZ方向に重ならない。
【0087】
図3に示すように、貫通孔125は、パッド81とパッド83との間に位置し、パッド81とパッド84との間に位置し、且つパッド81と電源配線86との間に位置する。また、貫通孔125は、ベース層71の上面71aに沿う方向において、アンダーフィル69と半田95との間に位置し、且つアンダーフィル69と半田96との間に位置する。
【0088】
貫通孔125は、グランド配線91とパッド83との間に位置し、且つグランド配線91と電源配線86との間に位置する。また、貫通孔125は、ベース層71の上面71aに沿う方向において、突出部111の側面111aと露出孔123との間に位置する。また、貫通孔125は、突出部111の側面111aが延びる方向における、当該側面111aの端111cの近傍に位置する。
【0089】
貫通孔126は、GMA配線87とGMA配線88との間に位置する。貫通孔126は、グランド配線92とGMA配線87との間に位置する。また、貫通孔126は、ベース層71の上面71aに沿う方向において、突出部112の側面112aとGMA配線87との間に位置する。
【0090】
貫通孔127は、パッド82とGMA配線87との間に位置する。また、貫通孔127は、グランド配線93とパッド82との間に位置する。また、貫通孔127は、ベース層71の上面71aに沿う方向において、突出部113の側面113aとパッド82との間に位置する。
【0091】
図6に示すように、貫通孔127は、ベース層71の上面71a及び導電体89を露出させる。言い換えると、カバー層73は、貫通孔127が設けられた部分において、導電体89を覆っていない。しかし、アンダーフィル69の一部が、貫通孔127を埋め、導電体89を覆う。すなわち、アンダーフィル69の一部が、貫通孔127に位置する。
【0092】
図4及び図5に示すように、ベース層71に、貫通孔131,132が設けられる。貫通孔131,132は、第3の孔の一例である。貫通孔131,132は、ベース層71をZ方向に貫通する。このため、貫通孔131,132は、上面71a及び下面71bに開口する。
【0093】
貫通孔131は、カバー層73の貫通孔125と略同一の形状を有する。貫通孔131は、貫通孔125とZ方向に重なり、貫通孔125に連通する。なお、貫通孔131の形状は、貫通孔125の形状と異なっても良い。
【0094】
貫通孔132は、カバー層73の貫通孔126と略同一の形状を有する。貫通孔132は、貫通孔126とZ方向に重なり、貫通孔126に連通する。なお、貫通孔132の形状は、貫通孔126の形状と異なっても良い。
【0095】
グランド層74及びカバー層75に、貫通孔135,136が設けられる。貫通孔135,136のそれぞれは、グランド層74及びカバー層75をZ方向に貫通する。
【0096】
貫通孔135は、ベース層71の貫通孔131と略同一の形状を有する。貫通孔135は、貫通孔131とZ方向に重なり、貫通孔131に連通する。なお、貫通孔135の形状は、貫通孔131の形状と異なっても良い。
【0097】
貫通孔136は、ベース層71の貫通孔132と略同一の形状を有する。貫通孔136は、貫通孔132とZ方向に重なり、貫通孔132に連通する。なお、貫通孔136の形状は、貫通孔132の形状と異なっても良い。
【0098】
補強板68は、ベース層71の下面71bを覆うようにFPC18に取り付けられる。このため、ベース層71は、カバー層73と補強板68との間に位置する。また、補強板68の剛性は、ベース層71の剛性よりも高く、且つカバー層73の剛性よりも高い。補強板68に、貫通孔141,142が設けられる。貫通孔141,142は、第4の孔の一例である。貫通孔141,142は補強板68をZ方向に貫通する。
【0099】
貫通孔141は、ベース層71の貫通孔131と略同一の形状を有する。貫通孔141は、貫通孔131,135とZ方向に重なり、貫通孔135を通じて貫通孔131に連通する。なお、貫通孔141の形状は、貫通孔131の形状と異なっても良い。
【0100】
貫通孔142は、ベース層71の貫通孔132と略同一の形状を有する。貫通孔142は、貫通孔132,136とZ方向に重なり、貫通孔136を通じて貫通孔132に連通する。なお、貫通孔142の形状は、貫通孔132の形状と異なっても良い。
【0101】
貫通孔125,126,131,132,135,136,141,142は中空にされており、固体及び液体が充填されない。このため、貫通孔125,126,131,132,135,136,141,142の内部は、筐体11の内部の気体が満ち、又は真空になっている。なお、貫通孔125,126,131,132,135,136,141,142は、この例に限られない。また、貫通孔131,132,135,136,141,142が設けられなくても良い。この場合、貫通孔125,126は、ベース層71の上面71aを露出させる。
【0102】
以下、FPC18への部品の実装方法の一部について例示する。なお、FPC18への部品の実装方法は以下の方法に限らず、他の方法を用いても良い。まず、半田ペースト(半田95,96)が、例えば印刷又は塗布により、パッド83,84に供給される。さらに、パッド81,82に半田ペーストが供給されても良い。
【0103】
次に、パッド81,82にプリアンプ65がマウントされる。さらに、パッド83にVCM16の端子がマウントされる。次に、FPC18がリフロー炉において加熱され、半田ペースト及び半田ボールが溶融する。これにより、プリアンプ65の端子65a,65bがパッド81,82に接合し、VCM16の端子がパッド83に接合し、半田96がパッド84を被覆する。このとき、図4に示すように、半田95,96に混合又は別途供給されたフラックスFが、半田95,96から流出することがある。
【0104】
次に、プリアンプ65とFPC18との間に、アンダーフィル69が供給される。アンダーフィル69は、貫通孔127にも供給され、導電体89を覆う。このとき、フラックスFがアンダーフィル69に混合されると、HDD10を汚染し得る物質が生成される虞がある。例えば、崩れやすいスポンジ状の物質が生成される虞がある。しかし、本実施形態のHDD10は、フラックスFとアンダーフィル69との混合を抑制できる。
【0105】
図4に示すように、フラックスFは、例えば、パッド83に供給された半田95から流出し、カバー層73の上面73bに沿って濡れ広がる。また、パッド84に供給された半田96からも、フラックスFが流出する。フラックスFは、上面73bに開口する貫通孔125に到達すると、表面張力により貫通孔125の縁に留まる。すなわち、貫通孔125は、フラックスFを遮ることができる。
【0106】
フラックスFは、貫通孔125に流入しても良い。この場合、フラックスFは、貫通孔125,131,135,141に溜まり、又は貫通孔125,131,135,141を通じて排出される。これにより、貫通孔125は、フラックスFを遮ることができる。
【0107】
フラックスFは、貫通孔125を越え、又は貫通孔125を迂回して、アンダーフィル69に向かって濡れ広がることがある。しかし、フラックスFは、突出部111の側面111aにより遮られる。
【0108】
また、貫通孔125を迂回したフラックスFは、突出部111の側面111aに沿って流れることがある。フラックスFは、側面111aの端111cに到達すると、端111cから広がる。しかし、端111cの近傍に貫通孔125が設けられるため、フラックスFは、貫通孔125に流入する。以上のように、半田95,96とアンダーフィル69との間の突出部111の側面111aと貫通孔125とが、フラックスFを遮る。
【0109】
図6の貫通孔127は、フラックスFを遮り、アンダーフィル69の流入を許容できように形成される。例えば、貫通孔127の縁の角度は、部分的に異なっている。これにより、貫通孔127の縁のうち、アンダーフィル69に近い部分は、アンダーフィル69の通過を許容する。一方、貫通孔127の縁のうち、半田に近い部分は、フラックスFを遮る。なお、貫通孔127は、この例に限られない。
【0110】
次に、例えば熱により、アンダーフィル69が硬化させられる。これにより、アンダーフィル69がプリアンプ65をFPC18に固定する。次に、FPC18が例えば超音波洗浄により洗浄され、フラックスFが除去される。以上により、FPC18への部品の実装が完了する。
【0111】
以上説明された第1の実施形態に係るHDD10において、FPC18は、ベース層71と、導電性の導電層72と、絶縁性のカバー層73と、を有する。ベース層71は、絶縁性の上面71aを有する。導電層72は、第1の導電体(パッド81,82、GMA配線87)と、第1の導電体から離間した第2の導電体(パッド83,84、GMA配線88)と、を有し、上面71aに設けられる。カバー層73は、上面71aの少なくとも一部と、導電層72の少なくとも一部と、を覆う。FPC18に、貫通孔125,126,127が設けられる。貫通孔125,126,127は、導電層72から離間するとともに第1の導電体81,82,87と第2の導電体83,84,88との間においてカバー層73を貫通する。例えば、パッド81に取り付けられたプリアンプ65がアンダーフィル69によりFPC18に固定され、パッド83,84に半田95,96が塗布されることがある。パッド81とパッド83,84との間の距離が近い場合、半田95,96から流出したフラックスFがアンダーフィル69に到達し、HDD10を汚染し得る物質がアンダーフィル69と半田95,96のフラックスFとの混合により生成される虞がある。しかし、本実施形態のHDD10では、パッド81とパッド83,84との間に貫通孔125が設けられる。これにより、パッド83,84に付着した半田95,96からフラックスFが流出しても、当該フラックスFは、アンダーフィル69に到達する前に貫通孔125に遮られる。従って、本実施形態のHDD10は、パッド81とパッド83,84とが近接していたとしても、フラックスFとアンダーフィル69とが混合することを抑制でき、ひいては当該HDD10の汚染を抑制できる。すなわち、HDD10は、パッド81とパッド83,84とが互いに近接することによる影響を抑制することができる。また、本実施形態のHDD10は、貫通孔125,126,127が中空にされることで、当該貫通孔125,126,127により第1の導電体81,82,87と第2の導電体83,84,88との間を絶縁及び断熱することができる。従って、本実施形態のHDD10は、第1の導電体81,82,87と第2の導電体83,84,88とが近接していたとしても、第1の導電体81,82,87と第2の導電体83,84,88との間でショート又はノイズの伝達が生じることを抑制できる。すなわち、HDD10は、第1の導電体81,82,87と第2の導電体83,84,88とが互いに近接することによる影響を抑制することができる。
【0112】
例えば、二つのGMA配線87,88の間における電位差は、信号配線85と電源配線86との間における電位差よりも大きい。一般的に、電位差が大きい二つの配線の間では、カバー層73のような絶縁体において絶縁破壊が生じる虞がある。しかし、本実施形態において、気体が満たされ又は真空の貫通孔126が、GMA配線87,88の間に設けられる。気体又は真空空間の電気抵抗は、ポリイミドのような個体の電気抵抗よりも高い。このため、貫通孔126は、電位差が大きい二つのGMA配線87,88の間において、絶縁破壊が生じることを抑制できる。また、気体又は真空空間の熱伝導率は、ポリイミドのような個体の熱伝導率よりも低い。このため、貫通孔126は、二つのGMA配線87,88の間において熱が伝わることを抑制できる。
【0113】
例えば、信号配線85が信号を高速で伝送する場合、当該信号は、例えば寄生インピーダンスにより生じる電源配線86からのノイズの影響を受けやすくなる。しかし、本実施形態において、気体が満たされ又は真空の貫通孔125が、信号配線85と電源配線86との間に設けられる。このため、貫通孔125は、信号配線85と電源配線86の間において、ノイズの伝達が生じることを抑制できる。
【0114】
プリアンプ65は、パッド81に接続される。アンダーフィル69は、プリアンプ65とFPC18との間に設けられる。半田95,96は、パッド83,84に付着する。貫通孔125は、アンダーフィル69と半田95,96との間に位置する。これにより、半田95,96からフラックスFが流出しても、当該フラックスFは、アンダーフィル69に到達する前に貫通孔125に遮られる。従って、本実施形態のHDD10は、フラックスFとアンダーフィル69とが混合することを抑制できる。
【0115】
カバー層73は、下面73aと、上面73bとを有する。下面73aは、上面71aに向く。上面73bは、下面73aの反対側に位置する。カバー層73に、露出孔123,124が設けられる。露出孔123,124は、上面73bに開口するとともに、パッド83,84を露出させる。FPC18は、上面73bから突出するとともに、上面71aに沿う方向においてパッド81とパッド83,84との間に位置する側面111aを有する。パッド83,84に付着した半田95,96からフラックスFが流出すると、当該フラックスFは、上面73bに沿って広がる虞がある。しかし、フラックスFは、アンダーフィル69に到達する前に、上面73bから突出した側面111aに遮られる。従って、本実施形態のHDD10は、フラックスFとアンダーフィル69とが混合することを抑制できる。
【0116】
貫通孔125は、上面71aに沿う方向において側面111aと露出孔123,124との間に位置する。これにより、パッド83,84に付着した半田95,96からフラックスFが流出すると、貫通孔125は、側面111aよりも先にフラックスFを遮ることができる。これにより、本実施形態のHDD10は、側面111aの高さが比較的低くても、フラックスFが側面111aを乗り越えてアンダーフィル69に到達することを抑制できる。
【0117】
導電層72は、グランド配線91,92,93を有する。グランド配線91,92,93は、第1の導電体81,82,87と第2の導電体83,84,88との間に位置するとともに、グランドに電気的に接続される。側面111aは、グランド配線91に沿って上面73bから突出する。側面111aは、例えば、グランド配線91の上にカバー層73が積層されることにより、カバー層73に設けられ得る。これにより、本実施形態のHDD10は、側面111aを設けるための特別な工程が不要となり、コストの増大を抑制できる。さらに、グランド配線91,92,93は、第1の導電体81,82,87と第2の導電体83,84,88との間で絶縁破壊によるショート、又は寄生インピーダンスによるノイズの伝達が生じることを抑制できる。
【0118】
貫通孔125は、側面111aが延びる方向における当該側面111aの端111cの近傍に位置する。これにより、例えば、側面111aがフラックスFを遮ったとき、貫通孔125は、側面111aの端111cを回りこんで流出しようとするフラックスFを遮ることができる。これにより、本実施形態のHDD10は、フラックスFとアンダーフィル69とが混合することを抑制できる。
【0119】
補強板68は、ベース層71よりも剛性が高く、FPC18に取り付けられる。ベース層71は、当該ベース層71を貫通するとともに貫通孔125に連通する貫通孔131が設けられ、カバー層73と補強板68との間に位置する。補強板68は、当該補強板68を貫通するとともに貫通孔131に連通する貫通孔141が設けられる。すなわち、貫通孔125,131,141は、ベース層71、カバー層73、及び補強板68を貫通する一続きの孔を形成する。当該一続きの孔は、貫通孔125よりも容積が大きいため、貫通孔125よりも多くのフラックスFを貯留し、ひいてはより多くのフラックスFを遮ることができる。従って、本実施形態のHDD10は、フラックスFとアンダーフィル69とが混合することを抑制できる。また、洗浄時において、洗浄液が当該一続きの孔を通過することができる。これにより、洗浄液は、当該一続きの孔に貯留されたフラックスFを効果的に除去することができる。
【0120】
導電層72は、貫通孔127により露出された導電体89を有する。アンダーフィル69の一部は、貫通孔127に位置し、導電体89を覆う。一般的に、半田の供給及びリフローは、アンダーフィル69の供給の前に行われる。このため、アンダーフィル69の供給の前において、貫通孔127は、アンダーフィル69が流入しておらず、半田から流出したフラックスFを遮ることができる。また、アンダーフィル69が供給された後は、アンダーフィル69が導電体89を覆う。このため、アンダーフィル69は、導電体89がショートや腐食を生じることを抑制できる。
【0121】
第1の導電体81,82,87は、上面71aに沿って延びるGMA配線87を有する。第2の導電体83,84,88は、GMA配線87に沿って延びるGMA配線88を有する。カバー層73は、GMA配線87,88を覆う。貫通孔126は、GMA配線87とGMA配線88との間に位置する。本実施形態のHDD10は、貫通孔126が中空にされることで、当該貫通孔126によりGMA配線87とGMA配線88との間を絶縁及び断熱することができる。従って、本実施形態のHDD10は、GMA配線87とGMA配線88との間でショート又はノイズの伝達が生じることを抑制できる。
【0122】
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態について、図7を参照して説明する。なお、以下の複数の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
【0123】
図7は、第2の実施形態に係る第1の接続部61の一部を示す例示的な断面図である。図7に示すように、第2の実施形態のFPC18は、グランド配線91及び突出部111の代わりにレジスト200を有する。
【0124】
レジスト200は、突出部201を有する。突出部201は、カバー層73の上面73bから突出している。レジスト200は、図7の例のように部分的に露出孔121に設けられるとともに部分的に上面73b上に設けられても良いし、単に上面73b上に設けられても良い。
【0125】
突出部201は、ベース層71の上面71aに沿う方向において、パッド81とパッド83との間に位置し、且つパッド81とパッド84との間に位置する。また、突出部111は、アンダーフィル69とパッド83との間に位置し、且つアンダーフィル69とパッド84との間に位置する。
【0126】
突出部201は、二つの側面201a,201bを有する。側面201aは、第1の突出面及び突出面の一例である。側面201a,201bは、上面73bから突出(起立、隆起)し、上面73bが向く方向と交差する方向に向く。
【0127】
側面201aは、側面201bよりもパッド83に近く、且つ側面201bよりもパッド84に近い。側面201bは、側面201aの反対側に位置する。側面201bは、側面201aよりもパッド81に近い。半田95からフラックスFが流出した場合、フラックスFは、突出部201の側面201aにより遮られる。
【0128】
貫通孔125は、ベース層71の上面71aに沿う方向において、突出部201の側面201aと露出孔123との間に位置する。また、貫通孔125は、突出部201の側面201aが延びる方向における、当該側面201aの端の近傍に位置する。
【0129】
以上説明されたように、突出部111,201は、種々の態様で設けられ得る。例えば、第1の実施形態のように、グランド配線91のような導電層72の一部の存在によりカバー層73の一部が隆起することで、突出部111及び側面111a,111bが設けられても良い。また、第2の実施形態のように、カバー層73の上面73b上にレジスト200のような他の部材が配置されることで、突出部201及び側面201a,201bが設けられても良い。
【0130】
(第3の実施形態)
以下に、第3の実施形態について、図8を参照して説明する。図8は、第3の実施形態に係る第1の接続部61の一部を示す例示的な断面図である。図8に示すように、第3の実施形態のFPC18は、グランド配線91及び突出部111の代わりに、屈曲部301を有する。屈曲部301は、FPC18のうち、曲げられた部分である。
【0131】
第3の実施形態において、補強板68は、屈曲部302を有する。屈曲部302は、補強板68のうち、例えばプレス加工によって曲げられた部分である。さらに、補強板68は、下面68aと、上面68bと、段下面68cと、段上面68dと、斜面68eとを有する。上面68bは、第5の面の一例である。斜面68eは、第2の突出面の一例である。
【0132】
下面68a及び段下面68cは、-Z方向に向く補強板68の表面である。下面68aと段下面68cとは、略平行に配置される。段下面68cは、Z方向において、下面68aから+Zに離間している。
【0133】
上面68b及び段上面68dは、+Z方向に向く補強板68の表面である。上面68b及び段上面68dは、ベース層71の下面71bに向く。上面68bは、下面68aの反対側に位置する。段上面68dは、段下面68cの反対側に位置する。上面68bと段上面68dとは、略平行に配置される。段上面68dは、Z方向において、上面68bから+Z方向に離間している。
【0134】
下面68aと段下面68cとの間、及び上面68bと段上面68dとの間に、屈曲部302が設けられる。すなわち、屈曲部302は、下面68aと段下面68cとが分かたれ、上面68bと段上面68dとが分かたれるように、補強板68を段状に曲げている。なお、補強板68は、この例に限られない。
【0135】
斜面68eは、屈曲部302に設けられ、上面68bと段上面68dとの間に位置する。斜面68eは、上面68bと段上面68dとの間で、上面68b及び段上面68dに対して斜めに延びている。なお、斜面68eは、上面68b及び段上面68dに対して直交するように延びていても良い。
【0136】
斜面68eは、屈曲部302に沿って上面68bから突出(起立、隆起)し、上面68bが向く方向と交差する方向に向く。屈曲部302及び斜面68eは、ベース層71の上面71aに沿う方向において、パッド81とパッド83との間に位置し、且つパッド81とパッド84との間に位置する。
【0137】
カバー層73は、段上面73dと斜面73eとをさらに有する。斜面73eは、第1の突出面の一例である。段上面73dは、上面73bと略平行に配置される。段上面73dは、Z方向において、上面73bから+Z方向に離間している。第3の実施形態において、露出孔121は、段上面73dに開口している。一方、露出孔123は、上面73bに開口している。
【0138】
上面73bと段上面73dとの間に、屈曲部301が設けられる。すなわち、屈曲部301は、上面73bと段上面73dとが分かたれるように、FPC18を段状に曲げている。なお、FPC18は、この例に限られない。
【0139】
斜面73eは、屈曲部301に設けられ、上面73bと段上面73dとの間に位置する。斜面73eは、上面73bと段上面73dとの間で、上面73b及び段上面73dに対して斜めに延びている。なお、斜面73eは、上面73b及び段上面73dに対して直交するように延びていても良い。
【0140】
FPC18の屈曲部301は、当該FPC18が屈曲部302を有する補強板68に取り付けられることによって形成される。このため、FPC18の屈曲部301は、補強板68の屈曲部302に沿って設けられる。
【0141】
斜面73eは、屈曲部301,302に沿って上面73bから突出(起立、隆起)し、上面73bが向く方向と交差する方向に向く。言い換えると、斜面73eは、補強板68の斜面68eに沿って上面73bから突出している。
【0142】
屈曲部301及び斜面73eは、ベース層71の上面71aに沿う方向において、パッド81とパッド83との間に位置し、且つパッド81とパッド84との間に位置する。また、屈曲部301及び斜面73eは、アンダーフィル69とパッド83との間に位置し、且つアンダーフィル69とパッド84との間に位置する。半田95からフラックスFが流出した場合、フラックスFは、斜面73eにより遮られる。
【0143】
以上説明された第3の実施形態のHDD10において、補強板68は、ベース層71よりも剛性が高く、FPC18に取り付けられる。補強板68は、FPC18に向く上面68bと、上面68bから突出する斜面68eとを有する。斜面73eは、斜面68eに沿って上面73bから突出する。斜面73eは、例えば、斜面68eが設けられた上面68bにFPC18が取り付けられることにより、カバー層73に設けられ得る。これにより、本実施形態のHDD10は、斜面73eを設けるための特別な工程が不要となり、コストの増大を抑制できる。
【0144】
以上の実施形態においてプリアンプ65が部品の一例であったが、中継コネクタ66、センサ67、又は他の部品が部品の一例であっても良い。また、突出部111,112,113及び貫通孔125,126,127は、第1の接続部61に設けられたが、第2の接続部62のような他の部分に設けられても良い。
【0145】
以上の説明において、抑制は、例えば、事象、作用、若しくは影響の発生を防ぐこと、又は事象、作用、若しくは影響の度合いを低減させること、として定義される。また、以上の説明において、制限は、例えば、移動若しくは回転を防ぐこと、又は移動若しくは回転を所定の範囲内で許容するとともに当該所定の範囲を超えた移動若しくは回転を防ぐこと、として定義される。
【0146】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲の内容を付記する。
[1]
磁気ディスクと、
前記磁気ディスクに対して情報を読み書きするよう構成された磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドに電気的に接続される、フレキシブルプリント配線板と、
を具備し、
前記フレキシブルプリント配線板は、
絶縁性の第1の面を有する、第1の層と、
第1の導電体と、前記第1の導電体から離間した第2の導電体と、を有し、前記第1の面に設けられた、導電性の第2の層と、
前記第1の面の少なくとも一部と前記第2の層の少なくとも一部とを覆う絶縁性の第3の層と、
を有し、前記第2の層から離間するとともに前記第1の導電体と前記第2の導電体との間において前記第3の層を貫通する第1の孔が設けられた、
ディスク装置。
[2]
前記第1の導電体に接続された部品と、
前記部品と前記フレキシブルプリント配線板との間に設けられたアンダーフィルと、
前記第2の導電体に付着した半田と、
をさらに具備し、
前記第1の孔は、前記アンダーフィルと前記半田との間に位置する、
[1]のディスク装置。
[3]
前記第3の層は、前記第1の面に向く第2の面と、前記第2の面の反対側に位置する第3の面と、を有し、前記第3の面に開口するとともに前記第2の導電体を露出させる第2の孔が設けられ、
前記フレキシブルプリント配線板は、前記第3の面から突出するとともに前記第1の面に沿う方向において前記第1の導電体と前記第2の導電体との間に位置する第1の突出面、を有する、
[2]のディスク装置。
[4]
前記第1の孔は、前記第1の面に沿う方向において前記第1の突出面と前記第2の孔との間に位置する、[3]のディスク装置。
[5]
前記第2の層は、前記第1の導電体と前記第2の導電体との間に位置するとともに、グランドに電気的に接続された、グランド配線を有し、
前記第1の突出面は、前記グランド配線に沿って前記第3の面から突出する、
[3]又は[4]のディスク装置。
[6]
前記第1の孔は、前記第1の突出面が延びる方向における当該第1の突出面の端の近傍に位置する、[3]乃至[5]のいずれか一つのディスク装置。
[7]
前記第1の層よりも剛性が高く、前記フレキシブルプリント配線板に取り付けられた壁、
をさらに具備し、
前記第1の層は、当該第1の層を貫通するとともに前記第1の孔に連通する第3の孔が設けられ、前記第3の層と前記壁との間に位置し、
前記壁は、当該壁を貫通するとともに前記第3の孔に連通する第4の孔が設けられた、
[1]乃至[6]のいずれか一つのディスク装置。
[8]
前記第1の層よりも剛性が高く、前記フレキシブルプリント配線板に取り付けられた壁、
をさらに具備し、
前記壁は、前記フレキシブルプリント配線板に向く第5の面と、前記第5の面から突出する第2の突出面を有し、
前記第1の突出面は、前記第2の突出面に沿って前記第3の面から突出する、
[3]又は[4]のディスク装置。
[9]
前記第1の導電体は、前記第1の面に沿って延びる第1の配線を有し、
前記第2の導電体は、前記第1の配線に沿って延びる第2の配線を有し、
前記第3の層は、前記第1の配線及び前記第2の配線を覆う、
[1]のディスク装置。
[10]
磁気ディスクと、
前記磁気ディスクに対して情報を読み書きするよう構成された磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドに電気的に接続される、フレキシブルプリント配線板と、
を具備し、
前記フレキシブルプリント配線板は、
絶縁性の第1の面を有する、第1の層と、
第1の導電体と、前記第1の導電体から離間した第2の導電体と、を有し、前記第1の面に設けられた、導電性の第2の層と、
前記第1の面に向く第2の面と、前記第2の面の反対側に位置する第3の面と、を有し、前記第1の面の少なくとも一部と前記第2の層の少なくとも一部とを覆う、絶縁性の第3の層と、
前記第3の面から突出するとともに前記第1の面に沿う方向において前記第1の導電体と前記第2の導電体との間に位置する突出面と、
を有する、
ディスク装置。
【符号の説明】
【0147】
10…ハードディスクドライブ(HDD)、12…磁気ディスク、14…磁気ヘッド、18…フレキシブルプリント配線板(FPC)、65…プリアンプ、68…補強板、69…アンダーフィル、71…ベース層、71a…上面、72…導電層、73…カバー層、73a…下面、73b…上面、74…グランド層、81,82,83,84…パッド、85…信号配線、86…電源配線、87,88…GMA配線、91,92,93…グランド配線、95,96…半田、111a,112a,113a,201a…側面、111c…端、125,126,127,131,132,141,142…貫通孔、68b…上面、68e,73e…斜面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8