(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】付加製造された構造における接着剤ベースの部品保持機構のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
B29C 64/153 20170101AFI20241202BHJP
B29C 64/20 20170101ALI20241202BHJP
B29C 64/30 20170101ALI20241202BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20241202BHJP
B33Y 40/20 20200101ALI20241202BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20241202BHJP
B22F 10/28 20210101ALI20241202BHJP
B22F 10/25 20210101ALI20241202BHJP
B22F 10/62 20210101ALI20241202BHJP
B22F 10/66 20210101ALI20241202BHJP
【FI】
B29C64/153
B29C64/20
B29C64/30
B33Y10/00
B33Y40/20
B33Y80/00
B22F10/28
B22F10/25
B22F10/62
B22F10/66
(21)【出願番号】P 2021524347
(86)(22)【出願日】2019-11-08
(86)【国際出願番号】 US2019060400
(87)【国際公開番号】W WO2020097420
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2022-10-28
(32)【優先日】2018-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516093851
【氏名又は名称】ダイバージェント テクノロジーズ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Divergent Technologies, Inc.
【住所又は居所原語表記】19601 Hamilton Avenue,Los Angeles,California 90502 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ボウデン ジュニア トーマス サミュエル
(72)【発明者】
【氏名】オコリ チュクウブイケム マーセル
(72)【発明者】
【氏名】ホイル リチャード ウィンストン
【審査官】今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-120324(JP,A)
【文献】特開2009-083491(JP,A)
【文献】特開2018-034398(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0290423(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0212637(US,A1)
【文献】特開2013-006269(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00 - 64/40
B22F 10/00 - 10/85
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の接続を介して第二の部品に接続するように構成された第一の部分と、
前記第一の部分と前記第二の部品との間に第二の接続を提供するように構成された第一の機械的機構であって、前記第二の接続は前記第一の部分と前記第二の部品を固定するように構成された第一の接着剤を備える、第一の機械的機構と、
を備え、
前記第一の機械的機構は、前記第二の部品の一部を越えて第一の方向に延びるように構成され、前記第一の機械的機構の第一の側面は、前記第二の接続を提供する前記第一の接着剤と接触するように構成されたバーまたはシャフトを含み、前記第一の側面は、前記第一の方向に面していない、付加製造(AM)
構造。
【請求項2】
前記第一の接着剤は、前記第一の機械的機構と第二の機械的機構との間に塗布されるホットメルト材料を含む、請求項1に記載の
構造。
【請求項3】
前記第一の接着剤は、前記第一の機械的機構と第二の機械的機構との間に塗布される紫外線(UV)硬化接着剤を含む、請求項1に記載の
構造。
【請求項4】
前記第一の部分と前記第二の部品との間の前記第一の接続は、第二の接着剤を含む、請求項1に記載の
構造。
【請求項5】
前記第一の接着剤は、前記第二の接着剤よりも速く硬化する、請求項4に記載の
構造。
【請求項6】
前記第二の接続が、機械的構造をさらに含む、請求項1に記載の
構造。
【請求項7】
前記機械的構造が、前記第二の部品と統合される、請求項6に記載の
構造。
【請求項8】
前記機械的構造が、前記第二の部品と同時印刷される、請求項6に記載の
構造。
【請求項9】
前記機械的構造が、前記第二の部品から分離されている、請求項6に記載の
構造。
【請求項10】
付加製造(AM)部品を付加製造するステップであって、前記付加製造部品は第一の部分を含み、前記第一の部分が第一の接続を介して第二の部品に接続するように構成された、ステップと、
第二の接続を含む第一の機械的機構を使用して前記第二の部品を前記第一の部分に取り付けるステップであって、前記第二の接続は前記第一の部分と前記第二の部品とを固定するように構成された第一の接着剤を備える、ステップと、
を含み、
前記第一の機械的機構は、前記第二の部品の一部を越えて第一の方向に延びるように構成され、前記第一の機械的機構の第一の側面は、前記第二の接続を提供する前記第一の接着剤と接触するように構成されたバーまたはシャフトを含み、前記第一の側面は、前記第一の方向に面していない、方法。
【請求項11】
前記第一の接着剤は、前記第一の機械的機構と第二の機械的機構との間に塗布されるホットメルト材料を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第一の接着剤は、前記第一の機械的機構と第二の機械的機構との間に塗布される紫外線(UV)硬化接着剤を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第一の部分と前記第二の部品との間の前記第一の接続は、第二の接着剤を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記第一の接着剤は、前記第二の接着剤よりも速く硬化する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第二の接着剤の塗布中に、前記第一の接着剤を塗布するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第二の接着剤の硬化中に、前記第一の接着剤を塗布するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記第二の接着剤を塗布する前に前記第一の接着剤を塗布するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記第二の接着剤を硬化させる前に前記第一の接着剤を塗布するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記第二の接着剤の塗布中に、前記第一の部分および前記第二の部品を固定するために前記第一の接着剤を塗布するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記第二の接着剤の硬化中に、前記第一の部分および前記第二の部品を固定するために前記第一の接着剤を塗布するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記第二の接続が、機械的構造をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項22】
前記機械的構造が、前記第二の部品と統合される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記機械的構造が、前記第二の部品と同時印刷される、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記機械的構造が、前記第二の部品から分離されている、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記第二の接続は、機械ベースの接続を含み、前記第一の機械的機構は、前記機械ベースの接続の一部を越えて延びるように構成される、請求項1に記載の
構造。
【請求項26】
前記第一の機械的機構は、前記第二の部品の外面の横に延びるように構成される、請求項1に記載の
構造。
【請求項27】
前記第一の機械的機構は、開口部
、および、バーまたはシャフトを備え、前記バーまたはシャフトは、前記開口部内に配置されている、請求項1に記載の
構造。
【請求項28】
前記バーが複数のバーを備え、前記複数のバーのうちの少なくとも一つのバーは、前記開口部を第一の角度で横切るように構成され、前記複数のバーのうちの他のバーは、第二の角度で前記開口部を横切るように構成される、請求項27に記載の
構造。
【請求項29】
前記機械的機構は、複数のバーを備える、請求項1に記載の
構造。
【請求項30】
前記第一の機械的機構は、前記第一の接着剤が前記複数のバーの少なくとも2つのバーの間を流れるように構成される、請求項29に記載の
構造。
【請求項31】
前記第一の接着剤は、前記第二の接着剤と接触しない、請求項4に記載の
構造。
【請求項32】
前記第二の接続は、機械ベースの接続を含み、
前記機械ベースの接続を越えて延びて前記第一の機械的機構を形成するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項33】
前記第二の部品の外面の横を通って延びて前記第一の機械的機構を形成するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項34】
前記第一の機械的機構に開口部を形成するステップと、
前記開口部
にバーまたはシャフトを
形成するステップと、
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項35】
前記開口部内に複数のバーを
形成するステップ
であって、
前記複数のバーの一つのバーが第一の角度で前記開口部を横切
り、前記複数のバーの他のバーが第二の角度で前記開口部を横切るように
、前記複数のバーを形成するステップ、をさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第一の機械的機構に複数のバーを
形成するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項37】
前記第一の接着剤が前記複数のバーの少なくとも2つのバーの間を流れるように前記第一の機械的機構を形成するステップをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記第一の接着剤は、前記第二の接着剤に接触しないように前記第一の接着剤を適用するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、「付加製造された構造における接着剤ベースの部品保持機構のためのシステムおよび方法」と題され、2018年11月8日に出願された米国特許出願第16/184,801号の利益を主張し、その全体が、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、装置および製造技術に関し、より具体的には、車両、船舶、航空機、および他の機械的構造の製造に使用するための付加製造された構造における接着剤ベースの部品保持機構のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
付加製造(AM)とも呼ばれることもある三次元(3D)印刷は、3Dオブジェクトを作成するために使用されるプロセスである。3Dオブジェクトは、オブジェクトのデジタルモデルデータに基づく材料の層を使用して形成することができる。3Dプリンタは、構造を一度に1層ずつ印刷することにより、デジタルモデルデータによって定義された構造を形成できる。3D印刷オブジェクトは、任意のほとんどの形状または幾何学的形状である可能性があり得る。
【0004】
3Dプリンタは、操作面上に粉末層(例えば、粉末金属)を広めることができる。次に、3Dプリンタは、例えば、レーザを使用して粉末層の粉末を一緒に溶融または焼結することによって、粉末層の特定の領域をオブジェクトの層に統合することができる。これらのステップを繰り返して、各層を順次形成することができる。したがって、3D印刷オブジェクトは、3Dオブジェクトを形成するために層ごとに構築され得る。
【0005】
3D印刷は、設計に固有なものではないので、従来の製造プロセスでは不可能である幾何学的形状および設計の柔軟性を提供する。さらに、3D印刷技術は、非常に小さな機構サイズを有し、従来の製造プロセスを使用して製造することが非常に困難または不可能な幾何学的形状の部品を製造することができる。
【0006】
プリンタサイズの仕様を超える非常に大きなコンポーネントは、設計段階で分離し、並行して印刷し、組み合わせることができる。3D印刷の多様性と非常に複雑な構造を作成する能力により、産業界での採用が増えている。
【0007】
しかしながら、3D印刷部品の特徴の洗練度が向上するにつれて、生産量は減少するであろう。3D印刷コンポーネントのサイズが大きくなると、生産量も減少する。これらの実際的な制限は、特定の3D印刷プロセスに固有のものであることが多く、複雑な幾何学的形状を正確にレンダリングするために、印刷速度をより遅くすることに依存する場合がある。
【0008】
付加製造(AM)は、車両および他の輸送構造の開発および製造において、重要な進化のステップを提供してきた。AMが導入される前のほぼ1世紀の間、メーカーは、従来の機械加工を使用して車両部品を構築および組み立てる車両生産の組立ライン技術に頼らねばならなかった。機械加工された部品は一般に車両モデル設計に固有であり、変更された部品を構築するための新しいツールを取得することは法外な費用がかかる可能性があるため、メーカーは確立された車両設計に変更を実装する柔軟性が限られていた。その結果、製造施設では、単一の車両モデルの製造に限定された組立ラインを使用することが多い。
【0009】
AMは、設計に固有ではないので、多様な幾何学的形状および材料特性を有するほぼ無制限の多様な構造の構築を可能にすることができる。さまざまなAMプリンタが、金属、合金、熱可塑性プラスチックなどの様々な材料を使用してこれらの構造を提供できる。出願者によって以前に提案された新しいインフラストラクチャでは、AMは、カスタムパーツを開発するための主要な手段になる。従来の機械加工と鋳造で製造された部品は、広く入手可能な市販の(COTS)部品とともに、これらのカスタムAM構造を介してモジュール形式でリンクし、車両のシャーシ、航空機の胴体、船舶の本体などを形成できる。輸送構造の内部を形成するAMモジュラー部品も印刷できる。設計の変更は、簡単で、変更されたAM構造を印刷することで影響を受ける可能性があるため、新しいツールを購入する費用を回避できる。
【0010】
AMは、1つまたは複数のノードの製造を含み得る。ノードは、他のノードに接続するために使用される1つまたは複数の界面、またはチューブ、押出品、パネルなどのスパンコンポーネントを含み得る構造部材である。AMを使用すると、ノードは、目的に応じて、追加の機構と、界面機能を含む機能とを含むようにノードを構築できる。
【0011】
上記のように、ノードおよび他のコンポーネントは、一緒に接続され得る。例えば、1つまたは複数のノードおよび/または他のコンポーネントを一緒に接続して、より大きなコンポーネントを形成することができる。したがって、個々のAM構造は、一緒に接続される必要が多く、あるいは個々のAM構造は、組み合わされた構造を提供するために、例えば、上記のモジュラーネットワークを実現するために、あるいは車両内で複雑な内部アセンブリを形成するために、機械加工またはCOTS部品に接続される必要があることが多い。例としては、とりわけ、ノードからノードへの接続、ノードからパネルへの接続、ノードからチューブへの接続、ノードから押出品への接続などが含まれる。AMジョイント部材を車体パネルに接続するために、例えば、機械的コネクタ(例えば、ねじ、クランプなど)を使用することができる。代替または追加として、接着剤を使用して強力な結合を形成することができる。これらの部品を接続するには、厳密な許容誤差が必要になることが多いが、これは、部品を確立された方向に正確にフィットするように配置する必要があることを意味する。例えば、ガルバニック腐食の問題を軽減するために、接着する2つの部品を互いに直接接触しないように配置する必要があり得る。一般に、AMジョイント部材とパネルの間の接着接続により、正確にフィットするはずである。したがって、AMジョイント部材は、例えば、本体パネルと整列しないことも、あるいはオフセットすることもあってはならず、また、恒久的な結合が確立されたときに、部品は適切な方向に保たれる必要がある。
【0012】
接着剤が最初に2つの部品の間に塗布されるとき、接着剤の力は、2つの部品を分離する傾向がある正圧を作り出す。この分離は、結果として生じる接続の完全性に悪影響を与える可能性がある。例えば、分離によって製造中に部品がシフトする場合などである。部品が分離したり、ずれたりしないように接着剤が正しく塗布されていても、硬化すると接着剤が膨張したりずれたりすることが多い。その場合、接着された部品の位置は、結果的に、当初の意図した接続に適合しない可能性がある。
【0013】
3D印刷コンポーネントは、様々なデバイスまたは装置のためのサブコンポーネントを生成するために使用され得る。3D印刷サブコンポーネントは、他の3D印刷サブコンポーネント、押出サブコンポーネント、COTS部品、またはさらに他のサブコンポーネントを含む他のサブコンポーネントに取り付ける必要または接続する必要がある場合がある。
【発明の概要】
【0014】
付加製造された構造における接着剤ベースの部品保持機構のためのシステムおよび方法のための装置のいくつかの態様は、三次元印刷技術を参照して、以下により完全に説明される。
【0015】
一態様は、付加製造されたノードを含む装置である。この装置は、また、接着剤ベースの部品保持機構を含む。付加製造された構造における接着剤ベースの部品保持機構のためのシステムおよび方法が開示されている。構造は、一次接続を介して第二の部品に接続するように構成された第一のAM部品を含み、一次接続は第一のAM部品と第二の部品との間の界面に適用される。構造は、二次接続を含む少なくとも1つの保持要素を含む。二次接続は、第一のAM部品と第二の部品を固定するように構成された第一の接着剤を含む。二次接続は、第一のAM部品と第二の部品との間の接続を提供するように配置され得る。
【0016】
付加製造された構造における接着剤ベースの部品保持機構のための装置の他の態様は、以下の詳細な説明から当業者に容易に明らかになることが理解され、ここでは、いくつかの実施形態のみが、例示によって、図示され、説明される。当業者によって実現されるように、ブリッジングのための装置は、他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、いずれも本発明から逸脱することなく、他の様々な点で修正することができる。したがって、図面および詳細な説明は、本質的に例示的なものと見なされるべきであり、限定的なものとして見なされるべきではない。
【0017】
ブリッジングのための装置の様々な態様が、添付の図面において、限定としてではなく、例として詳細な説明に提示される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1A】例示的な3Dプリンタシステムのそれぞれの側面図を示す。
【
図1B】例示的な3Dプリンタシステムのそれぞれの側面図を示す。
【
図1C】例示的な3Dプリンタシステムのそれぞれの側面図を示す。
【
図1D】例示的な3Dプリンタシステムのそれぞれの側面図を示す。
【
図3】組み立てられた状態の例示的な構造を示す図である。
【
図4】
図3の例示的な構造の一部分を示す図である。
【
図5】
図3の例示的な構造の一部分を示す図である。
【
図6】
図3の例示的な構造の一部分を示す図である。
【
図7】AM構造を別の構造に接着するための例示的なプロセスの流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態の説明を提供することを意図している。この説明は、本発明を実施することができる唯一の実施形態を表すことを意図するものではない。本開示を通して使用される「例示的」および「例」という用語は、「例、実例、または例示として役立つ」ことを意味し、本開示に提示される他の実施形態よりも好ましい、あるいは有利であると必ずしも解釈されるべきではない。詳細な説明は、本発明の範囲を当業者に完全に伝える十全で完全な開示を提供することを目的とした特定の詳細を含む。しかしながら、本発明は、これらの特定の詳細なしでも実施することができる。場合によっては、本開示全体を通して提示される様々な概念を曖昧にすることを回避するために、周知の構造およびコンポーネントをブロック図の形で示すこと、縮尺どおりに描かないことも、あるいは完全に省略して示すこともある。
【0020】
本開示は、構造を一緒に結合するための一次接着剤の塗布および硬化の少なくとも1つの間に、様々な構造を所定の位置に保持するために使用される接着剤ベースの部品保持機構に関する。部品保持機構は、いくつかの例では、永続的であり得、一次接着剤と組み合わせて追加の結合を形成し得る。他の例では、接着剤ベースの部品保持機構は、一時的であり得、構造間の一次接着剤結合が形成された後に除去され得る。一緒に結合される構造は、例えば、2つ(またはそれ以上)の付加製造された(AM)部品、AM部品、およびチューブ、パネル、押出品、または任意の他のタイプの従来の製造部品、またはCOTS部品を含み得る。本開示は、部品を結合するための接着剤の使用をカバーし、接着剤には、従来の接着剤を含み、またシーラントまたは接着特性を有し得る他の材料も含む。
【0021】
本明細書に記載の問題に対処するための従来の試みには、スタンドオフタブの使用が含まれる。しかしながら、スタンドオフタブは、通常、大きくて扱いにくいプロファイルを有するため、処理ステップが難しくなり、自動接着剤注入に関連するタイプの精密製造ステップでは実行不可能な場合がほとんどである。
【0022】
様々な例において、接着プロセスに関与する部品の1つはノードである。ノードは、別の構造、例えば、チューブ、パネルなどに取り付けるための、特徴、例えば、シーリング、接着などを容易にする表面特徴、ソケット、レセプタクルなどを含むAM構造である。様々なタイプの構造を相互接続する能力に加えて、ノードを作成して、様々な機能を実行できる。例えば、ノードを使用して、車両の電気回路をルーティングすることも、あるいは流体の流れを可能にすることもできる。ノードは、粉末材料を融合することによって形成することができる。例えば、3Dプリンタは、粉末材料の少なくとも一部分を複数の層で溶融および/または焼結して、ノードを形成することができる。ノードは、1つまたは複数の金属および/または非金属材料で形成することができる。ノードは、実質的に剛性のある材料で形成することができる。ノード内の材料には、金属材料(例えば、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、真鍮、銅、クロムモリブデン鋼、鉄など)、複合材料(例えば、炭素繊維など)、高分子材料(例えば、プラスチックなど)、これらの材料および/または他の材料の組み合わせなどが含まれ得る。
【0023】
ノードは、例えば、複雑な構造の様々な部品を接続するためのジョイント設計において特に有用であり得る。一部の設計では、ノードは、複雑な構造を組み立てるときに必要になり得る、より高いレベルの寸法公差の受け入れを可能にすることができる。ノードベースの設計により、重量を軽くし、後処理を減らし、組み立てをより容易にすることができる。さらに、ノードをソケットとして使用して設計の許容誤差を調整したり、ノードを他の部品と同時印刷したりできるため、3D印刷の独自の利点を利用して、組み立てプロセスを簡素化できる。
【0024】
ノードは、他のノード、パネル、チューブ、押出品、および他の部品に接続することができる。接続には、機械的接続、接着接続、またはその2つの組み合わせが含まれる場合がある。ノードのサイズがプリンタサイズ(例えば、粉末床のサイズ)を超える実施形態では、ノードは、複数のサブノードとして3D印刷され得、次いで、接着によって組み合わされ得る。
【0025】
2つの部品は、様々な方法で一緒に接着することができる。接着は、手動、半自動、または自動で行うことができる。ノード間接続で使用されるAMノードの例示的なケースでは、接着剤、シーラント、および/または真空ポートをAMノードに3D印刷して、自動コンストラクターが事前構成されたポートに接着剤を注入できるようにすることができる。ロボットなどの自動化されたコンストラクターは、接着剤を注入ポートに注入するように特別に設計されたエフェクターを使用する場合がある。場合によっては、接着剤のみが注入される。他の場合には、接着剤が流れることができる領域を囲むために、シーラントが注入されることもある。場合によっては、AMノードの表面とパネルの表面との間の界面に位置する接着剤領域への接着剤の流れを促進するために真空を適用することもできる。
【0026】
接着剤の塗布が手動で行われるか、対照的に自動化された手段を使用して行われるかにかかわらず、接着剤を塗布する作用は、一般に、接着されている対応する構造に正圧が加えられ、その結果、接着されている2つの構造が分離する可能性もある。この分離は、対処されないままにされると、不整合またはその他の方法で不適切に接続された構造の組み合わせ、または接着剤の影響を回避するのに十分な距離まで部品が単純に分離する接続の大規模な障害を引き起こすことがある。
【0027】
さらに、接着剤の塗布時の正圧の問題の有無にかかわらず、多数または大半の接着剤は、硬化時に、特に熱硬化時に膨張する。この膨張の結果、同様に、接着されている部品が不適切に整列することも、あるいは他にも誤って接続されることもある。例えば、部品は、特定のポイントで近接するように、および/または実際に接触するように設計されていることがある。硬化による膨張によって、部品が分離することがある。
【0028】
本開示の一態様は、1つまたは複数の部品保持機構である。部品保持機構は、接着などによって接続されている2つ以上の部品を固定するのに使用するために動作可能な機械的構造であり得る。部品保持機構により、部品を結合するために使用される一次接着剤の塗布または硬化のいずれかまたは両方の間、接続されている部品が一時的に所定の位置に留まることがある。部品保持機構は、本質的に一時的なものであり、接着プロセスが完了した後に除去される場合がある。あるいは、部品保持機構は永続的な場合もある。永続的な場合、機構は、接着した構造に大きな質量または他の悪影響を加えない可能性があり、したがって、製造プロセスに除去ステップを追加する必要がない可能性がある。場合によっては、これらの機構には、部品保持機構以外の用途がある場合がある。
【0029】
本明細書に開示されるいくつかの部品保持機構は、有利なことに、同様の目的に使用される従来のスタンドオフタブよりも平坦なプロファイルを有する。これらの機構は突出しておらず、潜在的に他の隣接する構造に干渉する可能性がないので、これらの機構を除去する製造ステップを回避できる。他の場合では、プロファイルがより平坦であるということは、より小さな部品保持機構を備えた構造を、接着プロセスを実行するにあたって、任意の所与の領域によりコンパクトに配置できることを意味する。こうして、部品保持機構に必要なスペースが少なくなり、この機構は、本質的に補助的または一時的なものである可能性があり得る。
【0030】
3D印刷の使用は、機械的構造および機械化されたアセンブリの製造業者が複雑な形状の部品を製造できるようにするにあたって、著しい柔軟性を提供し得る。例えば、3D印刷技術は、従来の製造プロセスでは製造できない、または従来の製造プロセスでは製造するには法外なコストがかかる可能性のある複雑な内部格子構造および/またはプロファイルを有する部品を設計して、構築する柔軟性を製造業者に提供する。上述したように、3D印刷サブコンポーネントは、他の3D印刷サブコンポーネント、押出サブコンポーネント、COTS部品、またはさらに他のサブコンポーネントを含む他のサブコンポーネントに取り付ける必要または接続する必要がある場合がある。
【0031】
図1A~
図1Dは、本明細書に記載のAM部品を製造するために使用することができる例示的な3Dプリンタシステムのそれぞれの側面図を示す。これらのAM部品は、サブコンポーネントを形成することがあり、それらは、他のAM/3D印刷サブコンポーネント、押出サブコンポーネント、COTS部品、またはさらに他のサブコンポーネントを含む他のサブコンポーネントに取り付ける必要または接続する必要がある場合がある。この例では、3Dプリンタシステムは、粉末床融合(PBF)システム100である。
図1A~
図1Dは、動作の異なる段階中のPBFシステム100を示している。
図1A~
図1Dに示される特定の実施形態は、本開示の原理を採用するPBFシステムの多くの適切な例の1つである。また、
図1A~
図1Dの要素および本開示の他の図は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではないが、本明細書で説明される概念をよりよく説明する目的で、より大きくまたは小さく描かれている場合があることに留意すべきである。PBFシステム100は、金属粉末の各層を堆積することのできるデポジッタ101、エネルギービームを生成することのできるエネルギービーム源103、エネルギービームを適用して粉末材料を融合することのできるデフレクタ105、およびビルドピース109などのビルドピースを支持することのできる1つまたは複数のビルドプレート107を含むことができる。PBFシステム100は、また、粉末床レセプタクル内に配置されたビルドフロア111を含むことができる。粉末床レセプタクル壁112は、一般に、側面から壁112の間に挟まれ、下のビルドフロア111の一部分に隣接する粉末床レセプタクルの境界を画定する。ビルドフロア111は、デポジッタ101が次の層を堆積できるように、ビルドプレート107を徐々に下げることができる。メカニズム全体は、他のコンポーネントを封入することができるチャンバ113内に存在し得、それにより、機器を保護し、大気および温度の調節を可能にし、汚染リスクを軽減する。デポジッタ101は、金属粉末などの粉末117を含むホッパー115と、堆積された粉末の各層の上部を水平にすることができるレベラー119とを含むことができる。
【0032】
特に
図1Aを参照すると、この図は、ビルドピース109のスライスが融合された後、しかし、粉末の次の層が堆積される前のPBFシステム100を示している。実際、
図1Aは、PBFシステム100が、例えば150のスライスで形成されたビルドピース109の現在の状態を形成するために、複数の層、例えば、150の層でスライスをすでに堆積して、融合した時点を示す。すでに堆積された複数の層は、堆積されたが融合されていない粉末を含む粉末床121を作成した。
【0033】
図1Bは、ビルドフロア111が粉末層の厚さ123だけ下げることのできる段階におけるPBFシステム100を示している。ビルドフロア111が下がると、ビルドピース109および粉末床121が粉末層の厚さ123だけ下がり、こうして、ビルドピースおよび粉末床の上部は、粉末層の厚さに等しい量だけ、粉末床レセプタクル壁112の上部よりも低くなる。このようにして、例えば、粉末層の厚さ123に等しい一定の厚さを有する空間を、ビルドピース109および粉末床121の頂部の上に作成することができる。
【0034】
図1Cは、デポジッタ101が、ビルドピース109および粉末床121の頂部表面の上に作成され、粉末床レセプタクル壁112によって境界付けられた空間に粉末117を堆積するように配置される段階でのPBFシステム100を示す。この例では、デポジッタ101は、ホッパー115から粉末117を放出しながら、定義された空間上を徐々に移動する。レベラー119は、放出された粉末を水平にして、粉末層の厚さ123と実質的に等しい厚さを有する粉末層125を形成することができる(
図1Bを参照)。したがって、PBFシステム内の粉末は、例えば、ビルドプレート107、ビルドフロア111、ビルドピース109、壁112などを含むことができる粉末材料支持構造によって支持することができる。粉末層125の図示された厚さ(すなわち、粉末層の厚さ123(
図1B)は、
図1Aを参照して上で論じた150個の以前に堆積された層を含む例に使用される実際の厚さよりも大きいことに留意されたい。
【0035】
図1Dは、粉末層125(
図1C)の堆積に続いて、エネルギービーム源103がエネルギービーム127を生成し、デフレクタ105がエネルギービームを適用してビルドピース109内の次のスライスを融合する段階におけるPBFシステム100を示す。様々な例示的な実施形態において、エネルギービーム源103は電子ビーム源であり得、その場合、エネルギービーム127は電子ビームを構成する。デフレクタ105は、偏向板を含むことができ、偏向板は、電子ビームを選択的に偏向させて、電子ビームを融合するように指定された領域を横切って走査させる電場または磁場を生成することができる。様々な実施形態において、エネルギービーム源103は、レーザであり得、その場合、エネルギービーム127は、レーザビームである。デフレクタ105は、反射および/または屈折を使用してレーザビームを操作して、融合される選択された領域を走査する光学システムを含むことができる。
【0036】
様々な実施形態において、デフレクタ105は、エネルギービーム源を回転および/または並進移動させてエネルギービームを配置することができる1つまたは複数のジンバルおよびアクチュエータを含むことができる。様々な実施形態において、エネルギービーム源103および/またはデフレクタ105は、エネルギービームを変調することができ、例えば、エネルギービームが粉末層の適切な領域にのみ適用されるように、デフレクタが走査するときにエネルギービームをオンおよびオフにすることができる。例えば、様々な実施形態において、エネルギービームは、デジタル信号プロセッサ(DSP)によって変調することができる。
【0037】
図2は、例示的な構造200を示す図である。
図2に示される例示的な構造200は、一次接続を206介して第二の部品204に接続するように構成された第一の付加製造(AM)部品202であって、一次接続206が第一のAM部品202と第二の部品204との間の界面に適用される、第一のAM部品を含む。
【0038】
一態様において、少なくとも1つの保持要素210は、二次接続302(
図3を参照)を含む。二次接続302は、第一のAM部品202および第二の部品204を固定するように構成された第一の接着剤304(
図3を参照)を含む。二次接続は、第一のAM部品202と第二の部品204との間の接続を提供するように配置される。
【0039】
図3は、組み立てられた状態の例示的な構造300を示す図である。
図3に示される例示的な構造300は、一次接続206を介して第二の部品204に接続された第一のAM部品202を含み、一次接続206は、第一のAM部品202と第二の部品204との間の界面208に適用される。
【0040】
一態様では、少なくとも1つの保持要素210は、二次接続302を含む。二次接続302は、第一のAM部品202および第二の部品204を固定するように構成された第一の接着剤304を含む。二次接続は、第一のAM部品202と第二の部品204との間の接続を提供するように配置され得る。
【0041】
例示的な構造200は、第一の付加製造(AM)部品202および少なくとも1つの保持要素204を含み得る。第一のAM部品202は、ノード、ノードのサブコンポーネント、または他のタイプのコンポーネントであり得る。AM部品202は、例えば、
図1A~
図1Dに関して説明したように、例えば、PBFを介して、任意の従来の手段を介して印刷することができる。PBF印刷は、PBF印刷での使用に適した任意の技術を使用して実行することができる。これらの技術には、例えば、選択的レーザ溶融(SLM)、選択的レーザ焼結(SLS)、選択的熱焼結(SHS)、電子ビーム溶融(EBM)、直接金属レーザ焼結(DMLS)などが含まれ得る。他の実施形態では、AM部品202は、融合堆積モデリング(FDM)などの異なる3D印刷技術を使用して印刷することができる。FDM AMは、様々なプラスチック、熱可塑性プラスチックなどを印刷するのに理想的であり得る。一般に、AM部品202は、任意の既知の1つまたは複数のAM技術を使用して付加製造され得る。
【0042】
部品を組み合わせる際のAMの使用の1つの利点は、AMの設計の柔軟性のために、AM部品202は、接着剤ベースの部品保持と組み合わせて使用され得る様々な機構212、214、216を含み得ることである。例えば、AMは、一緒に接着される機構212、214、AM部品202が別の部品204に接着され得る1つまたは複数の場所に接着剤を運ぶ機構216(例えば、一次接続206および/または保持要素210、機構214)、またはこれらの両方の組み合わせ(例えば、特徴212、214、216)を生成するために使用され得る。さらに、接着剤ベースの部品保持は、機械ベースの部品保持と組み合わせることができる。例えば、一次接着剤ベースの部品保持は、機械ベースの部品保持と組み合わせることができる。二次接着剤ベースの部品保持(例えば、一次接着剤が塗布され、乾燥し、および/または硬化する間に部品を一緒に保持する)は、機械ベースの部品保持と組み合わせることができる。一次接着剤ベースの部品保持と二次接着剤ベースの部品保持のいくつかの組み合わせは、機械ベースの部品保持と組み合わせることができる。機械ベースの部品保持には、例えば、スナップリング、ねじおよびシムを保持する溝、バネ仕掛けのクリップ、クリップ、スナップ状の部品保持要素、他の部品上のレセプタクルとスライド可能に係合するスナップ状の部品保持機構、クリスマスツリーの留め具、磁石、舌と溝の接続、または他の機械ベースの接続が含まれ得る。
【0043】
一例では、第一のAM部品202は、第二の部品204に接続するように構成され得る。第二の部品204は、例えば、AM部品、チューブ、パネル、押出品、任意の他のタイプの従来の製造部品、またはCOTS部品を含み得る。したがって、形成された構造は、例えば、2つ(またはそれ以上)のAM部品(例えば、1つのAM部品は、第一のAM部品と見なされ得る)、またはAM部品(例えば、AM部品は、第一のAM部品と見なされ得る)と、チューブ、パネル、押出品、またはその他のタイプの従来の製造部品、またはCOTS部品を一緒に結合することによって製造することができる。
【0044】
第一のAM部品202と第二の部品との間の接続は、一次接続を介することができる。例えば、一次接続は、構造を一緒に結合するための一次接着剤を含み得る。一次接続は、第一のAM部品202と第二の部品204との間の界面に適用され得る。例えば、一次接着剤が塗布され得る。
【0045】
部品保持機構(例えば、部品保持要素210)は、いくつかの実施形態では、一時的であり得、構造間の一次接着剤結合が形成された後に除去され得る。接着剤は、部品保持機構にも使用できる。例えば、少なくとも1つの保持要素が含まれ得る。少なくとも1つの保持要素は、二次接続302を含み得る。二次接続302は、第一のAM部品202および第二の部品204を固定するように構成された接着剤を含み得る。さらに、二次接続302は、第一のAM部品202と第二の部品204との間の接続を提供するように配置され得る。
【0046】
一態様では、第一の接着剤は、第一のAM部品202に関連する第一の機械的機構210と第二の部品204に関連する第二の機械的機構212との間に塗布されるホットメルト材料を含む。ホットメルト材料は、ホットメルト接着剤、ホットメルトグルー、または別の熱可塑性接着剤の任意の形態を含み得る。しかしながら、一般に、ホットメルト接着剤、ホットメルトグルー、または別の熱可塑性接着剤は、ホットメルト接着剤、ホットメルトグルー、または別の熱可塑性接着剤のように高速で硬化し得る。したがって、ホットメルト材料は、速硬化性接着剤または速硬化性シーラントであり得る。
【0047】
一態様では、ホットメルト材料を使用することができる。ホットメルト材料は、接続される2つのコンポーネントの機械的機構に塗布され得る速硬化性接着剤またはシーラントであり得る。機構は、表面積が大きくなることがある。表面積が大きくなることで、接続されている2つ(またはそれ以上)の部品を保持するのに十分な結合強度が可能になり得る。ホットメルト保持流体が硬化すると、接続されているノード間に接着剤が注入されることもある。硬化したホットメルト機構は、2つの部品202、204が接着剤注入プロセス中に保持されることを確実にするであろう。保持力(すなわち、2つのノードを一緒に保持するホットメルトによって提供される力)は、接着剤注入力よりも高く、それにより、部品202、204を適切な方向に、必要な分離距離でしっかりと保持して、繰り返し可能な結合を確保する。
【0048】
一態様では、第一の接着剤は、第一のAM部品202に関連する第一の機械的機構と第二の部品に関連する第二の機械的機構との間に塗布される紫外線(UV)硬化接着剤を含む。UV硬化システム306は、部品保持機構として利用することができる。この実施形態では、保持機構の接着剤は、接着剤の注入および硬化プロセス中に所定の位置に保持されるように、UV硬化されるであろう。UV硬化接着剤は、十分な保持力を提供するために戦略的な場所に塗布される。UV硬化接着剤は、接着剤の注入および硬化の前に、硬化するように構成されるであろう。
【0049】
一態様では、第一のAM部品202と第二の部品204との間の一次接続206は、第二の接着剤308を含む。例えば、二次接着剤は、第一のAM部品202と第二の部品204との間にあり得、そこで、第一のAM部品202と第二の部品204は、例えば、
図2に示されるように出会う。
【0050】
一態様では、一次接続304は、二次接着剤308よりも速い硬化である。例えば、上述したように、ホットメルト接着剤、ホットメルトグルー、または高速で硬化し得る別の熱可塑性接着剤などのホットメルト材料は、第一の接着剤304として使用することができる。第二の接着剤308は、よりゆっくりと硬化することができる。
【0051】
一態様では、二次接続302は、(例えば、保持要素210を構成する)機械的構造をさらに含む。例えば、二次接続には、接着剤と機械ベースの部品保持の両方が含まれる場合がある。機械ベースの部品保持には、例えば、スナップリング、ねじおよびシムを保持する溝、バネ仕掛けのクリップ、クリップ、スナップ状の部品保持要素、他の部品上のレセプタクルとスライド可能に係合するスナップ状の部品保持機構、クリスマスツリーの留め具、磁石、舌と溝の接続、または接着剤に加えて使用できる他の機械ベースの接続が含まれ得る。
【0052】
一態様では、機械的構造は、第一のAM部品202および第二の部品204の少なくとも1つと統合され得る。例えば、機械的構造218は、第一のAM部品202と統合され得る。機械的構造220は、第二の部品204と統合され得る。
【0053】
一態様では、機械的構造は、第一のAM部品202および第二の部品204の少なくとも1つと同時印刷される。例えば、機械的構造218は、第一のAM部品202と同時印刷され得る。機械的構造220は、第二の部品204と同時印刷され得る。
【0054】
一態様では、機械的構造は、第一のAM部品202および第二の部品204から分離されている。例えば、機械的構造218は、第一のAM部品202が製造された後、第一のAM部品202に取り付けられ得る。機械的構造220は、第二の部品204が製造された後、第二の部品204に取り付けられ得る。
【0055】
図4は、
図3の例示的な構造300の一部分400を示す図である。例示的な構造300は、一次接続206を介して第二の部品204に接続される第一のAM部品202を含み、一次接続206は、第一のAM部品202と第二の部品204との間の界面208に適用される。
【0056】
一態様では、少なくとも1つの保持要素210は、二次接続302を含む。二次接続302は、第一のAM部品202および第二の部品204を固定するように構成された第一の接着剤304を含む。二次接続は、第一のAM部品202と第二の部品204との間の接続を提供するように配置され得る。
【0057】
図4に示されるように、第二の部品204は、溝402を有するノードであり得る。第一のAM部品202は、舌404を有するノードであり得る。第一のAM部品202の舌404は、例えば、第一のAM部品202が第二の部品204と組み立てられて構造を形成するとき、第二の部品204の溝402に挿入され得る。接着剤304は、別の保持機構、例えば、機械的機構210と嵌合する、ホットメルト保持機構、例えば、機械的機構212の近くに塗布され得るホットメルト接着剤であり得る。
【0058】
図5は、
図3の例示的な構造300の一部分500を示す図である。より具体的には、
図5は、別の保持機構、例えば、機械的機構210と嵌合する機械的機構212の例、例えば、ホットメルト保持機構を示している。
図5に示されるように、ホットメルト保持機構、例えば、機械的機構212は、単一のバー保持機構であり得る。したがって、機械的機構212は、保持特徴を形成する開いた円形領域を横切る単一のバーまたはシャフトであり得る。さらに、
図5に示されるように、ホットメルト保持機構、例えば、機械的機構210は、テニスラケットまたはワッフルメーカー保持機構であり得る。したがって、機械的機構210は、テニスラケットまたはワッフルメーカーのホットプレートとほぼ同様の形状の保持機構を形成する開いた円形領域を横切る複数のバーまたはシャフトであり得る。グルーまたは接着剤は、機械的機構210と機械的機構212との間に配置され得る。グルーまたは接着剤は、機械的機構210と機械的機構212の部分との間を流れ、機械的機構210および機械的機構212の部分に結合し得る。例えば、グルーまたは接着剤は、単一のバー保持機構および/またはテニスラケットまたはワッフルメーカー保持機構に結合することができる。
【0059】
図6は、
図3の例示的な構造300の一部分600を示す図である。より具体的には、
図6は、ホットメルト保持機構の2つの例、例えば、互いに嵌合する機械的機構210、212を示している。機械的機構210、212は、両方とも単一のバーまたはシャフトである。単一のバーまたはシャフトは、それぞれ、それぞれの円形開口部を横切って形成され、各円形開口部(および対応するバーまたはシャフト)は、それぞれの保持機構を形成する。グルーまたは接着剤は、機械的機構210と機械的機構212との間に配置され得る。グルーまたは接着剤は、機械的機構210と機械的機構212の部分との間を流れ、機械的機構210と機械的機構212との部分を結合し得る。例えば、グルーまたは接着剤は、単一のバー保持機構に結合することができる。
【0060】
一態様では、第一のAM部品202を付加製造するための手段は、3Dプリンタシステム(例えば、
図1A~
図1DのPBFシステム100)または別の付加製造するシステムを含み得る。第一のAM部品を付加製造するための手段は、一次接続206を介して第二の部品204に接続するように構成された第一のAM部品202を製造することができ、一次接続は、第一のAM部品202と第二の部品204との間の界面208に適用される。
【0061】
一態様では、第二の部品204を第一のAM部品202に取り付けるための手段は、第二の部品204を第一のAM部品202に取り付けるための1つまたは複数の機械的デバイス(1つまたは複数の製造ロボットなど)を含み得る。例えば、製造ロボットは、第一のAM部品202の近位に第二の部品204を配置することができる。
【0062】
一態様では、1つまたは複数の製造ロボットは、1つまたは複数の保持要素に1つまたは複数の接着剤を塗布することができる。したがって、一態様では、第一の接着剤を塗布するための手段は、1つまたは複数の製造ロボットを含み得る。例えば、専用の1つ(または複数)のロボットを使用して接着剤を塗布することができる。別の例では、第二の部品204を第一のAM部品202に取り付けるために使用される1つまたは複数の製造ロボットも、接着剤を塗布するように構成され得る。したがって、第一の接着剤を塗布するための手段は、第二の部品204を、接着剤を塗布する第一のAM部品202に取り付けるための態様を含み得る。
【0063】
製造ロボットは、二次接続302を含む少なくとも1つの保持要素210を使用して、第二の部品204を第一のAM部品202に取り付けることができる。二次接続302は、第一のAM部品202および第二の部品204を固定するように構成された第一の接着剤を含み得る。二次接続302は、第一のAM部品202と第二の部品204との間の接続を提供するように配置され得る。
【0064】
第一の接着剤を塗布するための手段は、第二の接着剤の塗布中、第二の接着剤の硬化中、第二の接着剤の塗布前、および/または第二の接着剤の硬化前のうちの一つに、第一の接着剤を塗布するように構成され得る。一態様では、接着剤は、第二の接着剤の塗布中に、第一のAM部品および第二の部品を固定するために塗布され得る。一態様では、接着剤は、第二の接着剤の硬化中に、第一のAM部品および第二の部品を固定するために塗布され得る。
【0065】
図7は、AM構造を別の構造に接着するための例示的なプロセスの流れ
図700である。AM構造を別の構造に接着するための例示的なプロセスは、例示的な3Dプリンタシステムを使用して、少なくとも部分的に実施することができる。本明細書で論じられるように、いくつかの態様は、他のツール、システム、またはデバイスを使用して実装され得る。例えば、3Dプリンタシステムの1つは、
図1A~
図1Dで説明したPBFシステム100であり得る。
【0066】
一態様では、ブロック702は、第一のAM部品を付加製造することを含む。例えば、3Dプリンタシステムまたは別の付加製造システムは、第二の部品に接続するように構成された第一のAM部品を付加製造する。第一のAM部品は、第一のAM部品と第二の部品との間の界面に適用される一次接続を介して第二の部品に接続され得る。例えば、ブロック702は、3Dプリンタシステム(例えば、PBFシステム100)、または第二の部品204に接続するように構成された第一のAM部品202を付加製造する別の付加製造システムを含む。第一のAM部品202は、第一のAM部品202と第二の部品204との間の界面208に適用される一次接続206を介して第二の部品204に接続され得る。いくつかの態様では、第二の部品は、例えば、AM部品、チューブ、パネル、押出品、任意の他のタイプの従来の製造部品、またはCOTS部品を含み得る。したがって、いくつかの態様では、3Dプリンタシステムまたは別の付加製造システムは、第二の部品を製造することができる。(第二の部品の製造は、必ずしも実装された方法の一部ではない。)
【0067】
一態様では、ブロック704は、第二の部品を第一のAMに取り付けることを含む。例えば、機械的デバイス(製造ロボットなど)および/または1人の(または複数の)個人は、二次接続を含む少なくとも1つの保持要素を使用して、第二の部品を第一のAM部品に取り付けることができる。二次接続は、第一のAM部品および第二の部品を固定するように構成された第一の接着剤を含み得る。さらに、接着剤は、第一のAM部品と第二の部品との間の接続を提供するように配置され得る。例えば、第二の部品204は、二次接続302を含む少なくとも1つの保持要素210を使用して第一のAM部品202に取り付けられ得る。二次接続302は、第一のAM部品202および第二の部品を固定するように構成された第一の接着剤を含み得る。さらに、接着剤は、第一のAM部品202と第二の部品204との間の接続を提供するように配置され得る。
【0068】
ブロック702に示されるように、二次接続302は、第一の接着剤を含み得る。したがって、ブロック704において、第一の接着剤を塗布することができる。例えば、機械的デバイス(製造ロボットなど)および/または1人(または複数)の個人は、第一の接着剤を塗布することができる。一態様では、第一の接着剤は、第二の接着剤よりも硬化が速い。一態様は、第二の接着剤の塗布中に、第一の接着剤を塗布することを含み得る。別の態様は、第二の接着剤の硬化中に、第一の接着剤を塗布することを含み得る。別の態様は、第二の接着剤を塗布する前に、第一の接着剤を塗布することを含み得る。別の態様は、第二の接着剤の硬化の前に、第一の接着剤を塗布することを含み得る。別の態様は、第二の接着剤の塗布中に、第一のAM部品および第二の部品を固定するために、第一の接着剤を塗布することを含み得る。別の態様は、第二の接着剤の硬化中に、第一のAM部品および第二の部品を固定するために、第一の接着剤を塗布することを含み得る。
【0069】
第一の接着剤は、第一のAM部品202に関連する第一の機械的機構(例えば、機械的構造218)と第二の部品204に関連する第二の機械的機構(例えば、機械的構造220)との間に塗布されるホットメルト材料を含み得る。
【0070】
一態様では、第一の接着剤は、第一のAM部品202に関連する第一の機械的機構(例えば、機械的構造218)と第二の部品204に関連する第二の機械的機構(例えば、機械的構造220)との間に塗布されるUV硬化接着剤を含む。
【0071】
一態様では、第一のAM部品202と第二の部品204との間の一次接続は、第二の接着剤を含み得る。
【0072】
一態様では、二次接続は、機械的構造218、220などの機械的構造、またはスナップリング、ねじおよびシムを保持する溝、バネ仕掛けのクリップ、クリップ、スナップ状の部品保持要素、他の部品上のレセプタクルとスライド可能に係合するスナップ状の部品保持機構、クリスマスツリーの留め具、磁石、舌と溝の接続、または他の機械ベースの接続をさらに含み得る。
【0073】
一態様では、機械的構造(例えば、機械的構造218、220)は、第一のAM部品202および第二の部品204のうちの少なくとも1つと統合される。
【0074】
一態様では、機械的構造(例えば、機械的構造218、220)は、第一のAM部品202および第二の部品204のうちの少なくとも1つと同時印刷される。
【0075】
一態様では、機械的構造(例えば、機械的構造218、220)は、第一のAM部品202および第二の部品204から分離されている。例えば、機械的構造(例えば、機械的構造218、220)は、第一のAM部品202および/または第二の部品204とは別に製造され得る。機械的構造(例えば、機械的構造218、220)の1つは、次に、第一のAM部品202または第二の部品204に取り付けることができる。したがって、機械的構造218、220に関して使用される場合、「別個の」は、一緒に取り付けられていないのではなく、別々に製造されていることを意味し得る。
【0076】
前述の説明は、本明細書で説明される様々な態様を当業者が実施できるようにするために提供される。本開示を通して提示されるこれらの例示的な実施形態に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかであり、本明細書に開示される概念は、付加製造された構造における接着剤ベースの部品保持機構のための装置に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本開示を通して提示される例示的な実施形態に限定されることを意図するものではなく、請求項の文言と一致する全範囲に与えられるべきである。当業者に知られている、または当業者に今後知られるようになる本開示を通して説明される例示的な実施形態の要素に対するすべての構造的および機能的な均等物は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。さらに、本明細書に開示されているものは、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公衆に捧げられることを意図していない。請求項のいかなる要素も、その要素が「のための手段」という語句を使用して明示的に列挙されていない限り、あるいは方法の請求項において、その要素が「のためのステップ」という語句を使用して列挙されていない限り、米国特許法第112条(f)の規定に基づいて、あるいは適用される管轄区域の類似法に基づいて解釈されるべきではない。