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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20241202BHJP
   H01L 25/18 20230101ALI20241202BHJP
   H01L 23/48 20060101ALI20241202BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20241202BHJP
   H01L 21/56 20060101ALI20241202BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L23/48 G
H01L21/60 301A
H01L21/56 R
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021548756
(86)(22)【出願日】2020-09-07
(86)【国際出願番号】 JP2020033835
(87)【国際公開番号】W WO2021059947
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2023-07-12
(31)【優先権主張番号】P 2019177885
(32)【優先日】2019-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】澤田 秀喜
【審査官】庄司 一隆
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/033857(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/199635(WO,A1)
【文献】特開2008-016822(JP,A)
【文献】特開2017-208912(JP,A)
【文献】特開2018-018880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/07
H01L 23/48
H01L 21/60
H01L 21/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子と、
前記半導体素子を支持する支持基板と、
前記半導体素子と電気的に接続される導電体と、
前記半導体素子を封止する樹脂部材と、
を備える半導体装置であって
前記導電体は、電子部品が実装される実装領域を有し、
前記樹脂部材は、前記実装領域を露出する樹脂開口部を有し、
前記半導体装置は、前記導電体として、電気的絶縁性を有する基板に金属層からなる導体部が形成された導通基板を備え、
前記半導体素子は、前記導通基板の前記導体部と電気的に接続されており、
前記支持基板は、前記導通基板を支持しており、
前記樹脂部材は、前記導通基板を封止しており、
前記実装領域には、前記電子部品を実装するための前記導体部が形成されており、
前記半導体素子は、第1駆動電極及び第2駆動電極を有し、
前記導体部は、前記第1駆動電極に電気的に接続された駆動用導体部を有し、
前記樹脂開口部は、前記駆動用導体部の一部を露出している駆動側開口部を有する、
半導体装置。
【請求項2】
前記駆動用導体部の一部には、前記半導体素子の短絡を検出するための前記電子部品が実装されている
請求項に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記電子部品は、ダイオードを含む
請求項に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記駆動側開口部は、電気的絶縁性を有する樹脂材料によって充填されている
請求項のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記樹脂材料は、前記樹脂部材を構成する樹脂材料とは異なる
請求項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記半導体素子は、前記半導体素子に供給される電流を制御する制御電極を有し、
前記導体部は、前記制御電極に電気的に接続された制御用導体部を有し、
前記樹脂開口部は、前記制御用導体部の一部を露出する制御側開口部を有する
請求項のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記半導体素子は、第1駆動電極、第2駆動電極、及び制御電極を有するトランジスタであり、
前記導体部は、
前記第1駆動電極に電気的に接続された駆動用導体部と、
前記制御電極に電気的に接続された制御用導体部と、
を有し、
前記樹脂開口部は、前記駆動用導体部の一部を露出している駆動側開口部と、前記制御用導体部の一部を露出している制御側開口部とを有し、
前記駆動側開口部と前記制御側開口部とは個別に設けられている
請求項のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記半導体素子は、第1駆動電極、第2駆動電極、及び制御電極を有するトランジスタであり、
前記導体部は、
前記制御電極に電気的に接続された制御用導体部と、
前記第2駆動電極に電気的に接続されており、前記制御用導体部との間の電位差によって前記制御電極に印加される電圧を設定するための基準用導体部と、
を有し、
前記樹脂開口部は、前記基準用導体部の一部を露出している制御側開口部を有する
請求項のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記半導体素子は、第1駆動電極、第2駆動電極、及び制御電極を有するトランジスタであり、
前記導体部は、
前記制御電極に電気的に接続される制御用導体部と、
前記第2駆動電極に電気的に接続されており、前記制御用導体部との間の電位差によって前記制御電極に印加される電圧を設定するための基準用導体部と、
を有し、
前記樹脂開口部は、前記制御用導体部の一部及び前記基準用導体部の一部をそれぞれ露出している制御側開口部を有する
請求項のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記制御側開口部によって露出された前記制御用導体部には、前記制御電極に印加される電圧のサージを低減するための前記電子部品が実装されている
請求項、及びのいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記制御側開口部によって露出された前記基準用導体部には、前記第2駆動電極に印加される電圧のサージを低減するための前記電子部品が実装されている
請求項又はに記載の半導体装置。
【請求項12】
前記半導体素子は、前記半導体素子に供給される電圧を制御する制御電極を有し、
前記半導体装置は、前記制御電極と電気的に接続された金属板からなる制御用リードを有し、
前記制御用リードは、
前記樹脂部材の表面から突出した制御用端子と、
前記樹脂部材の前記表面よりも内部に配置されており、かつ前記制御用端子と電気的に接続された制御用導体部と、
を有し、
前記樹脂開口部は、前記制御用導体部の一部を露出している制御側開口部を有する
請求項のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記半導体素子は、第1駆動電極、第2駆動電極、及び制御電極を有するトランジスタであり、
前記半導体装置は、
前記制御電極と電気的に接続された金属板からなる制御用リードと、
前記第2駆動電極に電気的に接続されており、前記制御用リードとの間の電位差によって前記制御電極に印加される電圧を設定するための金属板からなる基準用リードを有し、
前記基準用リードは、
前記樹脂部材の表面から突出した基準用端子と、
前記樹脂部材の前記表面よりも内部に配置されており、かつ前記基準用端子と電気的に接続された基準用導体部と、
を有し、
前記樹脂開口部は、前記基準用導体部の一部を露出している制御側開口部を有する
請求項のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記半導体素子は、第1駆動電極、第2駆動電極、及び制御電極を有するトランジスタであり、
前記半導体装置は、
前記制御電極と電気的に接続された金属板からなる制御用リードと、
前記第2駆動電極に電気的に接続されており、前記制御用リードとの間の電位差によって前記制御電極に印加される電圧を設定するための金属板からなる基準用リードと、
を有し、
前記制御用リードは、
前記樹脂部材の表面から突出している制御用端子と、
前記樹脂部材の前記表面よりも内部に配置されており、かつ前記制御用端子と電気的に接続されている制御用導体部と、
を有し、
前記基準用リードは、
前記樹脂部材の表面から突出している基準用端子と、
前記樹脂部材の前記表面よりも内部に配置されており、かつ前記基準用端子と電気的に接続されている基準用導体部と、
を有し、
前記樹脂開口部は、前記制御用導体部の一部及び前記基準用導体部の一部をそれぞれ露出している制御側開口部を有する
請求項のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記制御側開口部によって露出された前記制御用導体部には、前記制御電極に印加される電圧のサージを低減するための前記電子部品が実装されている
請求項12又は14に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記制御側開口部によって露出された前記基準用導体部には、前記第2駆動電極に印加される電圧のサージを低減するための前記電子部品が実装されている
請求項13又は14に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記半導体素子は、第1駆動電極及び第2駆動電極を有し、
前記導体部は、前記第1駆動電極に電気的に接続された駆動用導体部を有し、
前記樹脂開口部は、前記駆動用導体部の一部を露出している駆動側開口部を有し、
前記制御側開口部は、前記駆動側開口部から離間して設けられている
請求項1216のいずれか一項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インバータ回路などに用いられる半導体装置は、導電部材としてのアイランドと、アイランドにドレイン電極が接続されるトランジスタと、トランジスタと電気的に接続される複数の端子と、トランジスタ及び複数の端子の一部を封止する樹脂部材とを備える(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-93373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、半導体装置がインバータ回路に用いられた場合、インバータ回路に起因するサージや外乱が半導体装置に影響を与える場合がある。そこで、インバータ回路が形成され、半導体装置が実装される制御基板には、トランジスタのゲート電極のサージを低減するためのサージ低減回路やトランジスタを含む回路の短絡を保護するための短絡保護回路が設けられる。しかし、サージ低減回路が制御基板に設けられるため、サージ低減回路と半導体装置との間の距離が長くなることによって、サージ低減回路とトランジスタとを接続する導体部(配線)のインダクタンスが増加してしまう。また、短絡保護回路が制御基板に設けられるため、短絡保護回路と半導体装置の信号端子間の絶縁距離の確保が必要になり、短絡保護回路周辺の設計自由度が制約される。
【0005】
そこで、サージ低減回路及び短絡保護回路の一部分を内蔵した半導体装置が考えられる。この構成によれば、半導体装置の外部にサージ低減回路及び短絡保護回路が形成される場合と比較して、サージ低減回路とトランジスタとの間の距離が短くなるため、サージ低減回路とトランジスタとを接続する導体部の長さが短くなる。加えて、短絡保護回路と信号端子間の絶縁距離の確保が不要となるため、制御基板のレイアウトが容易になる。
【0006】
しかし、サージ低減回路及び短絡保護回路の一部分を半導体装置に内蔵すると、サージ低減回路の電気的特性の調整及び短絡保護回路の電気的特性の調整がそれぞれ樹脂部材の形成後にできず、半導体装置の使い勝手が悪くなる。なお、サージ低減回路および短絡保護回路以外のトランジスタに電気的に接続される電気回路が半導体装置に内蔵された場合でも同様の課題が生じ得る。
【0007】
本開示の目的は、インダクタンスを低減できるとともに制御基板のレイアウトが容易になり、使い勝手の良い半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様による半導体装置は、半導体素子と、前記半導体素子を支持する支持基板と、前記半導体素子と電気的に接続される導電体と、前記半導体素子を封止する樹脂部材と、を備え、前記導電体は、電子部品が実装される実装領域を有し、前記樹脂部材は、前記実装領域を露出する樹脂開口部を有する。
【0009】
この構成によれば、例えばサージ低減回路を構成する電子部品を接続するための導電体が半導体装置に内蔵されているため、導電体が半導体装置の外部に配置される場合と比較して、導電体の長さが短くなる。したがって、導電体のインダクタンスを低減できる。
【0010】
また、短絡保護回路等の電気回路を構成する電子部品の一部分が半導体装置に内蔵されているため、短絡保護回路等の電気回路を半導体装置の外部に配置される場合と比較して、制御基板のレイアウトが容易になる。
【0011】
また、樹脂開口部を介して例えばサージ低減回路や短絡保護回路等の半導体素子に電気的に接続される電気回路を構成する電子部品を導電体の実装領域に実装することによって、樹脂部材の形成後に上記電気回路の電気的特性を調整できる。したがって、例えば制御基板に半導体装置を実装した後、半導体装置に適用する電気回路に適した電気的特性となるように半導体装置の電気的特性を調整できるため、半導体装置の使い勝手が良くなる。
【発明の効果】
【0012】
上記半導体装置によれば、インダクタンスを低減できるとともに制御基板のレイアウトが容易になり、使い勝手が良くなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態の半導体装置の平面図。
図2】第1実施形態の半導体装置の斜視図。
図3図1の半導体装置の底面図。
図4図1の半導体装置の側面図。
図5図1の半導体装置の回路図。
図6図1の半導体装置から樹脂部材を取り除いた状態の斜視図。
図7A】樹脂部材を二点鎖線で示した半導体装置の平面図。
図7B図7Aの1個の第1半導体素子及びその周辺の拡大図。
図8図7Aの半導体装置の第1配線領域及びその周辺の拡大図。
図9図7Aの半導体装置の第3配線領域及びその周辺の拡大図。
図10図7Aの半導体装置の第2配線領域及びその周辺の拡大図。
図11A】半導体装置の断面図。
図11B図11Aの1個の第1半導体素子の拡大図。
図12図7Aの半導体装置の導通基板の断面図。
図13】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示すフローチャート。
図14】半導体装置の製造方法について、基板接合工程を説明するための工程図。
図15】第2実施形態の半導体装置の平面図。
図16】第2実施形態の半導体装置について、半導体装置から樹脂部材を取り除いた状態の平面図。
図17図16の半導体装置の第1配線領域及びその周辺の拡大図。
図18図16の半導体装置の第2配線領域及びその周辺の拡大図。
図19】第2実施形態の半導体装置の製造方法を示すフローチャート。
図20】第3実施形態の半導体装置の平面図。
図21図20の半導体装置から樹脂部材を取り除いた状態の平面図。
図22図21の半導体装置の第1配線領域及びその周辺の拡大図。
図23図21の半導体装置の第2配線領域及びその周辺の拡大図。
図24】第3実施形態の半導体装置の回路図。
図25】第4実施形態の半導体装置の平面図。
図26A】第4実施形態の半導体装置について、半導体装置から樹脂部材を取り除いた状態の平面図。
図26B図26Aの半導体素子及びその周辺の拡大図。
図27図26Aの半導体装置の第1配線領域及びその周辺の拡大図。
図28図26Aの半導体装置の第2配線領域及びその周辺の拡大図。
図29図26Aの半導体装置の回路図。
図30】第5実施形態の半導体装置の平面図。
図31】第5実施形態の半導体装置について、半導体装置から樹脂部材を取り除いた状態の平面図。
図32図31の半導体装置の第1配線領域及びその周辺の拡大図。
図33図32の半導体装置の第2配線領域及びその周辺の拡大図。
図34図30の半導体装置の回路図。
図35】第6実施形態の半導体装置の平面図。
図36】第6実施形態の半導体装置について、半導体装置から樹脂部材を取り除いた状態の平面図。
図37図36の37-37線に沿った断面図。
図38】電子部品が実装されていない状態の導通基板の平面図。
図39図36の第1半導体素子及びその周辺の拡大図。
図40図36の第2半導体素子及びその周辺の拡大図。
図41図36の半導体装置の第1配線領域及びその周辺の拡大図。
図42図36の半導体装置の第3配線領域及びその周辺の拡大図。
図43図36の半導体装置の第2配線領域及びその周辺の拡大図。
図44】第7実施形態の半導体装置の平面図。
図45】第7実施形態の半導体装置について、半導体装置から樹脂部材を取り除いた状態の平面図。
図46図45の半導体装置の第1配線領域及びその周辺の拡大図。
図47図45の半導体装置の第2配線領域及びその周辺の拡大図。
図48】第8実施形態の半導体装置の平面図。
図49】第8実施形態の半導体装置について、半導体装置から樹脂部材を取り除いた状態の平面図。
図50図49の半導体装置の第1配線領域及びその周辺の拡大図。
図51図49の半導体装置の第2配線領域及びその周辺の拡大図。
図52】第9実施形態の半導体装置の平面図。
図53】第9実施形態の半導体装置について、半導体装置から樹脂部材を取り除いた状態の平面図。
図54図53の半導体装置の第1半導体素子及びその周辺の拡大図。
図55図53の半導体装置の第2半導体素子及びその周辺の拡大図。
図56図53の半導体装置の第1配線領域及びその周辺の拡大図。
図57図53の半導体装置の第2配線領域及びその周辺の拡大図。
図58】第10実施形態の半導体装置の平面図。
図59】第10実施形態の半導体装置について、半導体装置から樹脂部材を取り除いた状態の平面図。
図60図57の半導体装置の第1配線領域及びその周辺の拡大図。
図61図57の半導体装置の第2配線領域及びその周辺の拡大図。
図62】変更例の半導体装置の第1配線領域及びその周辺の拡大図。
図63】変更例の半導体装置の平面図。
図64】変更例の半導体装置の平面図。
図65】変更例の半導体装置の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、半導体装置の実施形態について図面を参照して説明する。以下に示す実施形態は、技術的思想を具体化するための構成や方法を例示するものであり、各構成部品の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに限定するものではない。以下の実施形態は、種々の変更を加えることができる。
【0015】
[第1実施形態]
図1図14を参照して、第1実施形態の半導体装置について説明する。なお、図11Aの半導体装置の断面図、及び図11Bの半導体素子の断面図では、便宜上、断面を示すハッチングを省略している。
【0016】
(半導体装置の概略構成)
図1に示すように、半導体装置1Aは、半導体素子としての第1半導体素子10A及び第2半導体素子10Bと、各半導体素子10A,10Bを支持する支持基板40と、支持基板40及び各半導体素子10A,10Bを封止する樹脂部材50と、樹脂部材50から突出する部分を有する複数のリード80を有する。樹脂部材50は、電子部品を実装可能とする樹脂開口部50Xを有する。この半導体装置1Aは、樹脂開口部50Xによって実装される電子部品30Xに応じて動作する。
【0017】
ここで、半導体装置1Aの回路構成の一例を説明する。
(半導体装置の回路構成)
図5に示すように、半導体装置1Aは、第1半導体素子10A及び第2半導体素子10Bが直列接続されたハーフブリッジ型のスイッチング回路2と、複数の端子20と、を備える。半導体装置1Aは、例えば、モータの駆動源、様々な電子機器のインバータ装置、及び様々な電子機器のDC/DCコンバータなどに用いられる電力変換装置(パワーモジュール)である。
【0018】
各半導体素子10A,10Bは、スイッチング素子として用いられている。各半導体素子10A,10Bは、例えばSi(シリコン)やSiC(炭化シリコン)又は、GaN(窒化ガリウム)やGaAs(ヒ化ガリウム)、あるいは、Ga(酸化ガリウム)等からなるトランジスタが用いられている。各半導体素子10A,10BがSiCからなる場合、スイッチングの高速化に適している。本実施形態では、各半導体素子10A,10Bは、SiCからなるN型のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)が用いられている。なお、各半導体素子10A,10Bは、MOSFETに限定されず、MISFET(Metal-Insulator-Semiconductor FET)を含む電界効果トランジスタ、又は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を含むバイポーラトランジスタなどのトランジスタであってもよい。各半導体素子10A,10Bは、nチャネル型のMOSFETであってもよいし、pチャネル型であってもよい。
【0019】
各半導体素子10A,10Bは、第1駆動電極の一例であるドレイン電極11、第2駆動電極の一例であるソース電極12、及び制御電極の一例であるゲート電極13を備える。第1半導体素子10Aのゲート電極13は、第1半導体素子10Aに供給される電圧を制御する。第2半導体素子10Bのゲート電極13は、第2半導体素子10Bに供給される電圧を制御する。図5に示すとおり、本実施形態では、第1半導体素子10Aのソース電極12が第2半導体素子10Bのドレイン電極11に接続されることによって、スイッチング回路2が構成されている。すなわち、第1半導体素子10Aはスイッチング回路2の上側アームを構成し、第2半導体素子10Bはスイッチング回路2の下側アームを構成している。
【0020】
半導体装置1Aは、第1半導体素子10Aの短絡を検出するための第1短絡検出回路3Aと、第2半導体素子10Bの短絡を検出するための第2短絡検出回路3Bとを備える。第1短絡検出回路3A及び第2短絡検出回路3Bはそれぞれ、後段の短絡保護回路(図示略)を構成する際の一部分を構成する。短絡保護回路は、各半導体素子10Aと各半導体素子10Bとの短絡を保護するための回路であり、各短絡検出回路3A,3B以外の回路部分は、半導体装置1Aの外部に設けられている。
【0021】
より詳細には、半導体装置1Aは、第1半導体素子10Aを保護するための電子部品の一例である第1高耐圧ダイオード30A,30Bと、第2半導体素子10Bを保護するための電子部品の一例である第2高耐圧ダイオード31A,31Bとを含む。これら高耐圧ダイオード30A,30B,31A,31Bはそれぞれ、樹脂開口部50Xによって実装される電子部品30Xを構成している。
【0022】
第1高耐圧ダイオード30A,30Bは互いに直列に接続されている。第1高耐圧ダイオード30Aのカソード電極は第1高耐圧ダイオード30Bのアノード電極に電気的に接続されており、第1高耐圧ダイオード30Bのアノード電極は第1半導体素子10Aのドレイン電極11に電気的に接続されている。これにより、第1短絡検出回路3Aが構成されている。
【0023】
第2高耐圧ダイオード31A,31Bは互いに直列に接続されている。第2高耐圧ダイオード31Aのカソード電極は第2高耐圧ダイオード31Bのアノード電極に電気的に接続されており、第2高耐圧ダイオード31Bのアノード電極は第2半導体素子10Bのドレイン電極11に電気的に接続されている。これにより、第2短絡検出回路3Bが構成されている。
【0024】
また、半導体装置1Aは、第1半導体素子10Aのゲート電極13の電圧Vgsに掛かるサージを低減する第1サージ低減回路4Aと、第2半導体素子10Bのゲート電極13の電圧Vgsに掛かるサージを低減する第2サージ低減回路4Bとを備える。より詳細には、半導体装置1Aは、第1半導体素子10Aのゲート電極13に印加される電圧Vgsに掛かるサージを低減するための電子部品の一例である第1低耐圧ダイオード32A,32B及び第1コンデンサ33A,33Bと、第2半導体素子10Bのゲート電極13に印加される電圧Vgsに掛かるサージを低減するための電子部品の一例である第2低耐圧ダイオード34A,34B及び第2コンデンサ35A,35Bとを含む。本実施形態では、各低耐圧ダイオード32A,32B,34A,34Bには、ショットキーバリアダイオードが用いられている。これら低耐圧ダイオード32A,32B,34A,34B及びコンデンサ33A,33B,35A,35Bはそれぞれ、樹脂開口部50Xによって実装される電子部品30Xを構成している。
【0025】
第1低耐圧ダイオード32A,32Bは互いに直列に接続されている。第1低耐圧ダイオード32Bのカソード電極は第1低耐圧ダイオード32Aのアノード電極に電気的に接続されている。第1低耐圧ダイオード32Aのアノード電極と第1低耐圧ダイオード32Bのカソード電極との間のノードN2は、第1半導体素子10Aのゲート電極13に接続されている。
【0026】
第1コンデンサ33A,33Bは互いに直列に接続されており、かつ第1低耐圧ダイオード32A,32Bと並列に接続されている。第1コンデンサ33Aの第1端子は第1低耐圧ダイオード32Aのカソード電極に電気的に接続されており、第1コンデンサ33Aの第2端子は第1コンデンサ33Bの第1端子に接続されている。第1コンデンサ33Bの第2端子は、第1低耐圧ダイオード32Bのアノード電極に接続されている。第1コンデンサ33Aの第2端子と第1コンデンサ33Bの第1端子との間のノードN3は、第1半導体素子10Aのソース電極12に電気的に接続されている。このように、第1低耐圧ダイオード32A,32B及び第1コンデンサ33A,33Bが接続されることによって、第1サージ低減回路4Aが構成されている。
【0027】
第2低耐圧ダイオード34A,34Bは互いに直列に接続されている。第2低耐圧ダイオード34Bのカソード電極は第2低耐圧ダイオード34Aのアノード電極に電気的に接続されており、第2低耐圧ダイオード34Aのアノード電極と第2低耐圧ダイオード34Bのカソード電極との間のノードN4は、第2半導体素子10Bのゲート電極13に接続されている。
【0028】
第2コンデンサ35A,35Bは互いに直列に接続されており、かつ第2低耐圧ダイオード34A,34Bに並列に接続されている。第2コンデンサ35Aの第1端子は第2低耐圧ダイオード34Aのカソード電極に電気的に接続されており、第2コンデンサ35Aの第2端子は第2コンデンサ35Bの第1端子に接続されている。第2コンデンサ35Bの第2端子は、第2低耐圧ダイオード34Bのアノード電極に接続されている。第2コンデンサ35Aの第2端子と第2コンデンサ35Bの第1端子との間のノードN5は、第2半導体素子10Bのソース電極12に電気的に接続されている。このように、第2低耐圧ダイオード34A,34B及び第2コンデンサ35A,35Bが接続されることによって、第2サージ低減回路4Bが構成されている。
【0029】
複数の端子20は、第1電力端子21A、第2電力端子21B、出力端子22、第1制御端子23A、第2制御端子23B、第1ソース端子24A、第2ソース端子24B、第1制御電力端子25A、第1制御電力端子25B、第2制御電力端子25C、第2制御電力端子25D、第1短絡検出端子26A、及び第2短絡検出端子26Bを有する。第1短絡検出端子26A及び第2短絡検出端子26Bは、いわゆる負荷短絡を検出するDESAT制御電力端子である。
【0030】
第1電力端子21Aは、第1半導体素子10Aのドレイン電極11に電気的に接続されている。第2電力端子21Bは、第2半導体素子10Bのソース電極12に電気的に接続されている。出力端子22は、第1半導体素子10Aのソース電極12と第2半導体素子10Bのドレイン電極11との間のノードN1に電気的に接続されている。
【0031】
第1制御端子23Aは、第1低耐圧ダイオード32Aのアノード電極と第1低耐圧ダイオード32Bのカソード電極との間のノードN2に電気的に接続されており、ノードN2を介して第1半導体素子10Aのゲート電極13と電気的に接続されている。
【0032】
第1ソース端子24Aは、第1コンデンサ33Aの第2端子と第1コンデンサ33Bの第1端子との間のノードN3に電気的に接続されており、ノードN3を介して第1半導体素子10Aのソース電極12に電気的に接続されている。
【0033】
第1制御電力端子25Aは、第1低耐圧ダイオード32Aのカソード電極と第1コンデンサ33Aの第1端子のそれぞれに電気的に接続されている。第1制御電力端子25Bは、第1低耐圧ダイオード32Bのアノード電極と第1コンデンサ33Bの第2端子のそれぞれに電気的に接続されている。このように、第1サージ低減回路4Aは、第1制御電力端子25Aと第1制御電力端子25Bに電気的に接続されている。
【0034】
第2制御電力端子25Cは、第2低耐圧ダイオード34Aのカソード電極と第2コンデンサ35Aの第1端子のそれぞれに電気的に接続されている。第2制御電力端子25Dは、第2低耐圧ダイオード34Bのアノード電極と第2コンデンサ35Bの第2端子のそれぞれに電気的に接続されている。このように、第2サージ低減回路4Bは、第2制御電力端子25Cと第2制御電力端子25Dに電気的に接続されている。
【0035】
第1短絡検出端子26Aは、第1高耐圧ダイオード30Aのアノード電極に電気的に接続されている。すなわち第1短絡検出端子26Aは、第1短絡検出回路3Aを介して第1半導体素子10Aのドレイン電極11に電気的に接続されている。第2短絡検出端子26Bは、第2高耐圧ダイオード31Aのアノード電極に電気的に接続されている。すなわち第2短絡検出端子26Bは、第2短絡検出回路3Bを介して第2半導体素子10Bのドレイン電極11に電気的に接続されている。
【0036】
(半導体装置の構成)
半導体装置1Aには、各高耐圧ダイオード30A,30B、31A,31B、各低耐圧ダイオード32A,32B,34A,34B、及び各コンデンサ33A,33B,35A,35Bが上述の電子部品30Xとして実装される。なお、半導体装置1Aとしては、上述した電子部品のうちの少なくとも1つの電子部品が既に実装されている場合もある。
【0037】
次に、半導体装置1Aの詳細な構成について説明する。なお、図1図2図6、及び図7Aでは、既に電子部品が実装されている半導体装置1Aを示している。
図1図4図6、及び、図7Aに示すように、半導体装置1Aは、各半導体素子10A,10Bを支持する支持基板40と、各半導体素子10A,10Bを封止する樹脂部材50とを備える。本実施形態では、支持基板40と樹脂部材50とによってパッケージが構成されている。以降の説明において、説明の便宜上、互いに直交する方向を、横方向X、縦方向Y、及び厚さ方向Zと定義する。厚さ方向Zは、支持基板40の厚さ方向であって、支持基板40と樹脂部材50とが配列される方向である。横方向Xは、例えば半導体装置1Aにおいて、後述する第1入力リード81及び第2入力リード82と、出力リード83とが配列される方向を示す。縦方向Yは、半導体装置1Aを厚さ方向Zからみて(以下、「平面視」という)、横方向Xと直交する方向を示す。
【0038】
図1図4に示すように、樹脂部材50は、略平板状に形成されている。図1に示すように、平面視における樹脂部材50の形状は、矩形状である。本実施形態では、平面視における樹脂部材50の形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。なお、平面視における樹脂部材50の形状は任意に変更可能である。例えば平面視における樹脂部材50の形状は正方形であってもよい。また、樹脂部材50を構成する材料としては、熱硬化性樹脂が用いられている。本実施形態では、樹脂部材50を構成する材料として、黒色のエポキシ樹脂が用いられている。
【0039】
樹脂部材50は、厚さ方向Zにおいて互いに反対側を向く樹脂天面55及び樹脂裏面56と、樹脂天面55と樹脂裏面56との厚さ方向Zの間に形成され、樹脂天面55及び樹脂裏面56と交差する面である第1樹脂側面51、第2樹脂側面52、第3樹脂側面53、及び第4樹脂側面54とを有する。本実施形態では、第1樹脂側面51及び第2樹脂側面52は、横方向Xにおいて互いに反対側を向いている。平面視において、第1樹脂側面51及び第2樹脂側面52はそれぞれ、縦方向Yに沿って延びている。第3樹脂側面53及び第4樹脂側面54は、縦方向Yにおいて互いに反対側を向いている。平面視において、第3樹脂側面53及び第4樹脂側面54はそれぞれ、横方向Xに沿って延びている。本実施形態では、平面視において、第1樹脂側面51及び第2樹脂側面52は樹脂部材50の短辺となり、第3樹脂側面53及び第4樹脂側面54は樹脂部材50の長辺となる。
【0040】
図3及び図4に示すように、樹脂部材50のうちの樹脂裏面56寄りの部分には、樹脂裏面56から厚さ方向Zに凹む溝57A,57Bが形成されている。溝57Aは、横方向Xにおいて樹脂部材50のうちの第1樹脂側面51寄りの端部に設けられている。溝57Aは、横方向Xに互いに離間して複数個(本実施形態では3個)設けられている。溝57Bは、横方向Xにおいて樹脂部材50のうちの第2樹脂側面52寄りの端部に設けられている。溝57Bは、横方向Xに互いに離間して複数個(本実施形態では3個)設けられている。溝57A,57Bはそれぞれ、縦方向Yに沿って延びている。一例では、溝57A,57Bは、樹脂部材50の第3樹脂側面53から第4樹脂側面54までにわたり形成されている。なお、溝57A,57Bの個数はそれぞれ任意に変更可能である。また、樹脂部材50から溝57A,57Bの少なくとも一方を省略してもよい。
【0041】
支持基板40は、各半導体素子10A,10Bに電気的に接続される導電経路を構成するとともに各半導体素子10A,10Bを支持している。支持基板40は、第1絶縁基板41A、第2絶縁基板41B、第1導電部材42A、及び第2導電部材42Bを備える。支持基板40は、厚さ方向Zにおいて、各絶縁基板41A,41B及び各導電部材42A,42Bがこの順に積層された構成である。
【0042】
各絶縁基板41A,41Bは、電気的絶縁性を有する。各絶縁基板41A,41Bは、例えば熱伝導性に優れたセラミックスである。このようなセラミックスとしては、例えばAlN(窒化アルミニウム)、SiN(窒化シリコン)、Al(酸化アルミニウム)などが挙げられる。本実施形態では、平面視における各絶縁基板41A,41Bの形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。第1絶縁基板41Aの横方向Xの長さは、第2絶縁基板41Bの横方向Xの長さよりも短い。第1絶縁基板41Aの縦方向Yの長さは、第2絶縁基板41Bの縦方向Yの長さと等しい。第1絶縁基板41Aの厚さ(厚さ方向Zにおける第1絶縁基板41Aの寸法)は、第2絶縁基板41Bの厚さ(厚さ方向Zにおける第2絶縁基板41Bの寸法)と等しい。図11Aに示すように、第1絶縁基板41Aは、厚さ方向Zにおいて互いに反対側を向く基板主面41sa及び基板裏面41raを有する。第2絶縁基板41Bは、厚さ方向Zにおいて互いに反対側を向く基板主面41sb及び基板裏面41rbを有する。第1絶縁基板41A及び第2絶縁基板41Bは、横方向Xに間隔をあけて配列されている。第1絶縁基板41Aの基板主面41saには、第1導電部材42Aが配置されている。第2絶縁基板41Bの基板主面41sbには第2導電部材42Bが配置されている。第1導電部材42A及び第2導電部材42Bは、厚さ方向Zと直交する第1方向に離間した状態で配置されている。本実施形態では、第1導電部材42A及び第2導電部材42Bは、縦方向Yに間隔をあけて配置されている。各絶縁基板41A,41Bの基板主面41sa,41sbは、各導電部材42A,42Bとともに樹脂部材50によって封止されている。一方、図3に示すように、各絶縁基板41A,41Bの基板裏面41ra,41rbは、樹脂部材50から露出している。各絶縁基板41A,41Bの基板裏面41ra,41rbには、例えば図示しないヒートシンクなどが接続される。各絶縁基板41A,41Bの基板裏面41ra,41rbは、横方向Xにおいて樹脂部材50の溝57Aと溝57Bとの間に配置されている。
【0043】
第1導電部材42A及び第2導電部材42Bはそれぞれ、金属板である。金属板の構成材料は、Cu(銅)又はCu合金である。各導電部材42A,42Bは、各半導体素子10A,10Bとの導電経路を構成している。各導電部材42A,42Bは、例えば銀ペースト、半田などの接合材によって各絶縁基板41A,41Bの基板主面41sa,41sbに接合されている。なお、接合材は、銀ペーストや半田などの導電性材料であってもよいし、電気的絶縁性材料であってもよい。また、各導電部材42A,42Bの厚さ(厚さ方向Zの寸法)は、各絶縁基板41A,41Bの厚さ(厚さ方向Zの寸法)よりも厚く、例えば0.4mm以上3.0mm以下である。なお、各導電部材42A,42Bの表面は、銀めっきで覆われていてもよい。
【0044】
平面視における第1導電部材42Aの形状及び第2導電部材42Bの形状はそれぞれ、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。平面視における第1導電部材42Aの形状及び第2導電部材42Bの形状は互いに異なる。詳述すると、第1導電部材42Aの横方向Xの長さは、第2導電部材42Bの横方向Xの長さよりも小さい。第1導電部材42Aの縦方向Yの長さは、第2導電部材42Bの縦方向Yの長さと等しい。
【0045】
図11Aに示すように、第1導電部材42Aは、横方向Xにおいて第2導電部材42Bよりも樹脂部材50の第1樹脂側面51寄りに配置されている。第1導電部材42Aは、厚さ方向Zにおいて互いに反対側を向く主面42sa及び裏面42raを有する。主面42saは、厚さ方向Zにおいて第1絶縁基板41Aの基板主面41saと同じ方向を向いている。裏面42raは、厚さ方向Zにおいて第1絶縁基板41Aの基板裏面41raと同じ方向を向いている。裏面42raは、接合材を介して第1絶縁基板41Aの基板主面41saに接続されている。本実施形態では、図6及び図7Aに示すように、主面42saには、3個の第1半導体素子10Aが実装されている。3個の第1半導体素子10Aは、横方向Xにおいて第1導電部材42Aの中央部に配置されている。3個の第1半導体素子10Aは、横方向Xに揃った状態で縦方向Yに離間して配列されている。
【0046】
図11Aに示すように、第2導電部材42Bは、横方向Xにおいて第1導電部材42Aよりも樹脂部材50の第2樹脂側面52寄りに配置されている。第2導電部材42Bは、厚さ方向Zにおいて互いに反対側を向く主面42sb及び裏面42rbを有する。主面42sbは、厚さ方向Zにおいて第2絶縁基板41Bの基板主面41sbと同じ方向を向いている。裏面42rbは、厚さ方向Zにおいて第2絶縁基板41Bの基板裏面41rbと同じ方向を向いている。裏面42rbは、接合材を介して第2絶縁基板41Bの基板主面41sbに接続されている。本実施形態では、図6及び図7Aに示すように、主面42sbには、3個の第2半導体素子10Bが実装されている。3個の第2半導体素子10Bは、横方向Xにおいて第2導電部材42Bの中央部に配置されている。3個の第2半導体素子10Bは、横方向Xに揃った状態で縦方向Yに離間して配列されている。横方向Xからみて、3個の第2半導体素子10Bはそれぞれ、3個の第1半導体素子10Aと重ならないようにずれて配置されている。3個の第2半導体素子10B及び3個の第1半導体素子10Aは、縦方向Yにおいて交互に配置されている。
【0047】
第1半導体素子10A及び第2半導体素子10Bは互いに同一の構成である。このため、以下では、第1半導体素子10Aの構成について説明し、第2半導体素子10Bについては、第1半導体素子10Aと同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0048】
第1半導体素子10Aは、平板状に形成されている。図7Aに示すように、平面視における第1半導体素子10Aの形状は、正方形である。なお、平面視における各半導体素子10A,10Bの形状はそれぞれ任意に変更可能である。例えば、平面視における各半導体素子10A,10Bの形状は、横方向X及び縦方向Yの一方が長辺方向となり、横方向X及び縦方向Yの他方が短辺方向となる矩形状であってもよい。
【0049】
図11Bに示すように、第1半導体素子10Aは、厚さ方向Zにおいて互いに反対側を向く素子主面10s及び素子裏面10rを有する。図7B及び図11Bに示すように、素子主面10sには、ソース電極12とゲート電極13とが設けられ、素子裏面10rにはドレイン電極11が設けられている。ゲート電極13には、第1半導体素子10Aを駆動させるためのゲート電圧が印加される。第1半導体素子10Aは、ゲート電圧が予め設定されたしきい値以上になると、ドレイン電極11にドレイン電流が流れ、ソース電極12にソース電流が流れる。
【0050】
図7Bに示すように、平面視において、ソース電極12が形成される領域は、ゲート電極13が形成される領域よりも大きい。ソース電極12は、素子主面10sの大部分にわたり形成されている。ゲート電極13は、ソース電極12に形成された凹部12a内に配置されている。図11Bに示すように、ドレイン電極11は、素子裏面10rの全体にわたり形成されている。
【0051】
図7Bに示すように、ソース電極12及びゲート電極13上には、絶縁膜16が設けられている。絶縁膜16は、電気的絶縁性を有する。平面視において、絶縁膜16は、ソース電極12及びゲート電極13を取り囲んでいる。絶縁膜16は、例えばSiO(二酸化シリコン)層、SiN(窒化シリコン)層、及びポリベンゾオキサゾール層が、素子主面10sからこの順番で積層されたものである。なお、絶縁膜16は、ポリベンゾオキサゾール層に代えて、ポリイミド層であってもよい。
【0052】
図1図4図6図7A図8、及び図10に示すように、半導体装置1Aは、図5の複数の端子20を構成する複数のリード80を備える。複数のリード80は、各半導体素子10A,10B、各高耐圧ダイオード30A,30B、31A,31B、各低耐圧ダイオード32A,32B,34A,34B、及び各コンデンサ33A,33B,35A,35Bと電気的に接続されている。
【0053】
複数のリード80は、第1入力リード81、第2入力リード82、出力リード83、第1制御用リード84A,85A、第2制御用リード84B,85B、第1制御電源用リード86A,86B、第2制御電源用リード86C,86D、第1短絡検出用リード87A、及び第2短絡検出用リード87Bを有する。
【0054】
第1電力端子21Aは第1入力リード81によって構成され、第2電力端子21Bは第2入力リード82によって構成されている。出力端子22は出力リード83によって構成されている。第1制御端子23Aは第1制御用リード84Aによって構成され、第2制御端子23Bは第2制御用リード84Bによって構成されている。第1ソース端子24Aは第1制御用リード85Aによって構成され、第2ソース端子24Bは第2制御用リード85Bによって構成されている。第1制御電力端子25Aは第1制御電源用リード86Aによって構成され、第1制御電力端子25Bは第1制御電源用リード86Bによって構成され、第2制御電力端子25Cは第2制御電源用リード86Cによって構成され、第2制御電力端子25Dは第2制御電源用リード86Dによって構成されている。第1短絡検出端子26Aは第1短絡検出用リード87Aによって構成され、第2短絡検出端子26Bは第2短絡検出用リード87Bによって構成されている。
【0055】
第1半導体素子10Aは、第1入力リード81、出力リード83、第1制御用リード84A,85A、第1制御電源用リード86A、第1制御電源用リード86B、及び第1短絡検出用リード87Aと電気的に接続されている。第2半導体素子10Bは、第2入力リード82、出力リード83、第2制御用リード84B,85B、第2制御電源用リード86C、第2制御電源用リード86D、及び第2短絡検出用リード87Bと電気的に接続されている。
【0056】
各入力リード81,82は第1導電部材42Aによって支持され、出力リード83は第2導電部材42Bによって支持されている。一方、各制御用リード84A,84B,85A,85B、各制御電源用リード86A~86D、及び各短絡検出用リード87A,87Bは、各導電部材42A,42Bの外部に配置されているため、各導電部材42A,42Bによって支持されていない。
【0057】
図1図4に示すように、各入力リード81,82はそれぞれ、樹脂部材50の第1樹脂側面51から突出している。出力リード83は、樹脂部材50の第2樹脂側面52から突出している。
【0058】
各入力リード81,82はそれぞれ、金属板から形成されている。金属板の構成材料は、例えばCu(銅)又はCu合金である。本実施形態では、各入力リード81,82の厚さ(厚さ方向Zの寸法)は、0.8mmであるが、これに限られない。各入力リード81,82はそれぞれ、樹脂部材50の第1樹脂側面51寄りとなるように配置されている。各入力リード81,82にはそれぞれ、例えば電源電圧が印加される。本実施形態では、第1入力リード81に第1電源電圧が印加され、第2入力リード82に第1電源電圧よりも低い第2電源電圧が印加される。厚さ方向Zにおいて第1入力リード81と第2入力リード82とは互いに重なる位置に配置されている。また厚さ方向Zにおいて第1入力リード81と第2入力リード82とは、離間して配置されている。
【0059】
出力リード83は、金属板である。金属板の構成材料は、例えばCu又はCu合金である。出力リード83は、樹脂部材50の第2樹脂側面52寄りに配置されている。各半導体素子10A,10Bによって電力変換された交流電力(電圧)は、出力リード83から出力される。
【0060】
本実施形態では、各制御用リード84A,84B,85A,85B、各制御電源用リード86A,86B,86C,86D、及び各短絡検出用リード87A,87Bはそれぞれ、樹脂部材50の第3樹脂側面53から突出している。なお、各制御用リード84A,84B,85A,85B、各制御電源用リード86A,86B,86C,86D、及び各短絡検出用リード87A,87Bのそれぞれが樹脂部材50の樹脂側面から突出する位置は任意に変更可能である。例えば、各制御用リード84A,84B,85A,85B、各制御電源用リード86A,86B,86C,86D、及び各短絡検出用リード87A,87Bの一部が樹脂部材50の第3樹脂側面53から突出し、残りが第4樹脂側面54から突出してもよい。
【0061】
各制御用リード84A,84B,85A,85B、各制御電源用リード86A,86B,86C,86D、及び各短絡検出用リード87A,87Bは、横方向Xに沿って配列されている。より詳細には、第1制御用リード84A,85A、第1制御電源用リード86A,86B、及び第1短絡検出用リード87Aは、支持基板40の第1導電部材42Aの縦方向Yの隣に位置している。第2制御用リード84B,85B、第2制御電源用リード86C,86D、及び第2短絡検出用リード87Bは、支持基板40の第2導電部材42Bの縦方向Yの隣に位置している。第1制御用リード84A,85A、第1制御電源用リード86A,86B、及び第1短絡検出用リード87Aからなる一群の第1リードと、第2制御用リード84B,85B、第2制御電源用リード86C,86D、及び第2短絡検出用リード87Bからなる一群の第2リードとの横方向Xの間隔は、一群の第1リードにおける第1制御用リード84A,85A、第1制御電源用リード86A,86B、及び第1短絡検出用リード87Aのうちの横方向Xに隣り合うリードの間隔、及び一群の第2リードにおける第2制御用リード84B,85B、第2制御電源用リード86C,86D、及び第2短絡検出用リード87Bのうちの横方向Xに隣り合うリードの間隔よりも大きい。また、本実施形態では、各制御用リード84A,84B,85A,85B、各制御電源用リード86A,86B,86C,86D、及び各短絡検出用リード87A,87Bは、同一のリードフレームから形成されている。このリードフレームを構成する材料は、Cu(銅)又はAl(アルミニウム)である。本実施形態では、各制御用リード84A,84B,85A,85B、各制御電源用リード86A,86B,86C,86D、及び各短絡検出用リード87A,87Bの形状は、互いに同じである。
【0062】
一群の第1リードは、平面視において、横方向Xにおいて各入力リード81,82から出力リード83に向かうにつれて、第1制御電源用リード86A、第1制御用リード85A、第1制御電源用リード86B、第1制御用リード84A、及び第1短絡検出用リード87Aの順に配列されている。一群の第2リードは、平面視において、横方向Xにおいて各入力リード81,82から出力リード83に向かうにつれて、第2短絡検出用リード87B、第2制御用リード84B、第2制御電源用リード86C、第2制御用リード85B、及び第2制御電源用リード86Cの順に配列されている。以下、一群の第1リード及び第2リードの各リードの構成について説明する。
【0063】
第1制御用リード84Aには、複数の第1半導体素子10Aを駆動させるためのゲート電圧が印加される。第2制御用リード84Bには、複数の第2半導体素子10Bを駆動させるためのゲート電圧が印加される。第1制御用リード85Aは、複数の第1半導体素子10Aのソース電極12と電気的に接続されている。第1制御用リード85Aは、複数の第1半導体素子10Aのソース電極12の電圧を検出するためのリードである。第2制御用リード85Bは、複数の第2半導体素子10Bのソース電極12と電気的に接続されている。第2制御用リード85Bは、複数の第2半導体素子10Bのソース電極12の電圧を検出するためのリードである。第1制御電源用リード86Aには、図示しない第1制御電源の第1制御電圧VA1が印加される。第1制御電源用リード86Bには、第1制御電源における第1制御電圧VA1よりも低い第1制御電圧VB1が印加される。第2制御電源用リード86Cには、図示しない第2制御電源の第2制御電圧VA2が印加される。第2制御電源用リード86Dには、第2制御電源における第2制御電圧VA2よりも低い第2制御電圧VB2が印加される。なお、第1制御電源と第2制御電源とは互いに絶縁されている。第1短絡検出用リード87Aは、複数の第1半導体素子10Aのドレイン電極11と電気的に接続されている。第1短絡検出用リード87Aは、複数の第1半導体素子10Aのドレイン電極11の非飽和状態を検出するためのリードである。第2短絡検出用リード87Bは、複数の第2半導体素子10Bのドレイン電極11と電気的に接続されている。第2短絡検出用リード87Bは、複数の第2半導体素子10Bのドレイン電極11の非飽和状態を検出するためのリードである。
【0064】
各制御用リード84A,84Bは、パッド部84p及び端子部84tを有する。本実施形態では、各制御用リード84A,84Bは、パッド部84p及び端子部84tが一体形成された単一部品である。各制御用リード85A,85Bは、パッド部85p及び端子部85tを有する。本実施形態では、各制御用リード85A,85Bは、パッド部85p及び端子部85tが一体形成された単一部品である。各制御電源用リード86A~86Dは、パッド部86p及び端子部86tを有する。本実施形態では、各制御電源用リード86A~86Dはパッド部86p及び端子部86tが一体形成された単一部品である。各短絡検出用リード87A,87Bは、パッド部87p及び端子部87tを有する。本実施形態では、各短絡検出用リード87A,87Bは、パッド部87p及び端子部87tが一体形成された単一部品である。
【0065】
各パッド部84p,85p,86p,87pは、樹脂部材50によって覆われている。これにより、各制御用リード84A,84B,85A,85B、各制御電源用リード86A~86D、及び各短絡検出用リード87A,87Bはそれぞれ、樹脂部材50によって支持されている。なお、各パッド部84p,85p,86p,87pの表面には、例えば銀めっきが施されてもよい。各パッド部84p,85p,86p,87pには、貫通孔84h,85h,86h,87hが設けられている。貫通孔84h,85h,86h,87hは、厚さ方向Zにおいてパッド部84p,85p,86p,87pを貫通している。貫通孔84h,85h,86h,87hにはそれぞれ、樹脂部材50の一部が入り込んでいる。これにより、樹脂部材50と、各制御用リード84A,84B,85A,85B、各制御電源用リード86A~86D、及び各短絡検出用リード87A,87Bとが分離し難くなる。
【0066】
各端子部84t,85t,86t,87tは、樹脂部材50の第3樹脂側面53から突出している。このように、第1制御用リード84Aの端子部84tによって第1制御端子23A(図5参照)が構成され、第2制御用リード84Bの端子部84tによって第2制御端子23B(図5参照)が構成されている。第1制御用リード85Aの端子部85tによって第1ソース端子24A(図5参照)が構成され、第2制御用リード85Bの端子部85tによって第2ソース端子24B(図5参照)が構成されている。第1制御電源用リード86Aの端子部86tによって第1制御電力端子25A(図5参照)が構成され、第1制御電源用リード86Bの端子部86tによって第1制御電力端子25B(図5参照)が構成され、第2制御電源用リード86Cの端子部86tによって第2制御電力端子25C(図5参照)が構成され、第2制御電源用リード86Dの端子部86tによって第2制御電力端子25D(図5参照)が構成されている。第1短絡検出用リード87Aの端子部87tによって第1短絡検出端子26A(図5参照)が構成され、第2短絡検出用リード87Bの端子部87tによって第2短絡検出端子26B(図5参照)が構成されている。
【0067】
図6及び図11Aに示すように、第1導電部材42Aの主面42sa及び第2導電部材42Bの主面42sbには、導電体の一例である導通基板60が搭載されている。すなわち、導通基板60は、第1導電部材42Aと第2導電部材42Bとの間の隙間を跨るように、第1導電部材42A及び第2導電部材42Bにわたり配置されている。導通基板60は、各半導体素子10A,10Bと複数のリード80とを電気的に接続するための基板である。すなわち、導通基板60は、各半導体素子10A,10Bと複数のリード80との間の導電経路を構成している。導通基板60は、多層基板からなる。導通基板60は、電気絶縁性を有する樹脂材料の基板と、基板に設けられた金属箔とを有する。基板を構成する材料としては、例えばガラスエポキシ樹脂が用いられる。金属箔を構成する材料としては、例えば銅箔が用いられる。なお、金属箔を構成する材料として、Ag(銀)ペーストを用いてもよい。なお、基板を構成する材料として、Si(シリコン)、Al(アルミナ)、AlN、プリプレグ等が用いられてもよい。
【0068】
導通基板60は、第1半導体素子10Aを収容するような複数(本実施形態では3個)の第1基板開口部61A及び第1基板凹部61Cと、第2半導体素子10Bを収容するような複数(本実施形態では3個)の第2基板開口部61Bとを有する。各基板開口部61A,61B及び第1基板凹部61Cは、各半導体素子10A,10Bの個数に応じて設けられている。各基板開口部61A,61Bはそれぞれ、厚さ方向Zにおいて導通基板60を貫通している。第1基板凹部61Cは、複数の第1基板開口部61Aのうちの縦方向Yにおいて最も樹脂部材50の第4樹脂側面54寄りの第1基板開口部61Aに設けられている。第1基板凹部61Cは、第4樹脂側面54側が開口する凹状に形成されている。第1基板開口部61A及び第2基板開口部61Bはそれぞれ、導通基板60を厚さ方向Zに貫通する貫通孔である。また、導通基板60には、各高耐圧ダイオード30A,30B、31A,31B、各低耐圧ダイオード32A,32B,34A,34B、及び各コンデンサ33A,33B,35A,35Bがそれぞれ実装されている。
【0069】
各入力リード81,82及び出力リード83は、導通基板60と一体化されている。図11Aに示すように、第1入力リード81は、第1導電部材42Aと導通基板60とによって挟み込まれている。第2入力リード82は、導通基板60によって挟み込まれている。出力リード83は、第2導電部材42Bと導通基板60とによって挟み込まれている。
【0070】
次に、導通基板60、各入力リード81,82、及び出力リード83のそれぞれの詳細な構成について説明する。
図12に示すように、本実施形態の導通基板60は、第1層基板60A、第2層基板60B、第3層基板60C、第4層基板60D,60E、及び第5層基板60F,60Gの5層の基板が厚さ方向Zに積層された多層基板である。導通基板60は、各導電部材42A,42Bに対して第1層基板60A、第2層基板60B、第3層基板60C、第4層基板60D,60E、及び第5層基板60F,60Gの順で積層されている。第4層基板60Dと第4層基板60Eとは、横方向Xにおいて間隔をあけて配置されている。第5層基板60Fと第5層基板60Gとは、横方向Xにおいて間隔をあけて配置されている。
【0071】
第1層基板60Aには、第1入力リード81及び出力リード83が取り付けられている。
図11Aに示すように、第1入力リード81は、支持基板40の第1導電部材42Aの主面42saに例えば半田や銀ペースト等の導電性接合材によって接合されている。図4に示すように、第1入力リード81は、第1層基板60Aから横方向Xに突出する突出部81aを有する。平面視における突出部81aの形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。突出部81aは、樹脂部材50の内部に位置する中間部81bと、樹脂部材50の第1樹脂側面51から突出する端子部81cとに区分できる。端子部81cは、第1電力端子21A(図5参照)を構成している。
【0072】
図11Aに示すように、出力リード83は、支持基板40の第2導電部材42Bの主面42sbに例えば半田や銀ペースト等の導電性接合材によって接合されている。図4に示すように、出力リード83は、第1層基板60Aから横方向Xに突出する突出部83aを有する。平面視における突出部83aの形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。突出部83aは、樹脂部材50の内部に位置する中間部83bと、樹脂部材50の第2樹脂側面52から突出する端子部83cとに区分できる。端子部83cは、出力端子22(図5参照)を構成している。
【0073】
図6及び図7Aに示すように、横方向Xにおいて出力リード83のうちの突出部83aとは反対側の端部には、導通基板60から露出する複数(本実施形態では3個)の露出部83dが設けられている。複数の露出部83dは、横方向Xにおいて揃った状態で縦方向Yにおいて離間して配列されている。平面視において、各露出部83dは、第1導電部材42Aと第2導電部材42Bとの横方向Xの間に位置している。厚さ方向Zからみて、露出部83dは、その一部が横方向Xにおける第2導電部材42Bの第1導電部材42A寄りの端部と重なるように配置されている。また、各露出部83dは、第1導電部材42Aに対して横方向Xに間隔をあけて配置されている。平面視における各露出部83dの形状は、正方形である。
【0074】
なお、平面視における各露出部83dの形状は任意に変更可能である。一例では、平面視における各露出部83dの形状は、横方向X及び縦方向Yの一方が長辺方向となり、横方向X及び縦方向Yの他方が短辺方向となる矩形状である。
【0075】
図12に示すように、第2層基板60Bは、第1入力リード81及び出力リード83を第3層基板60Cから電気的に絶縁するための基板である。第2層基板60Bは、厚さ方向Zにおいて第1入力リード81の突出部81a及び第1入力リード81のうちの第1層基板60Aに取り付けられた部分をそれぞれ覆っている。また第2層基板60Bは、厚さ方向Zにおいて出力リード83のうちの第1層基板60Aに取り付けられた部分を覆っている。
【0076】
第3層基板60Cには、第2入力リード82が取り付けられている。第2入力リード82は、第2層基板60Bによって第1入力リード81に対して電気的に絶縁されている。第2入力リード82は、第3層基板60Cから横方向Xに突出する突出部82aを有する。平面視における突出部82aの形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。本実施形態では、平面視における突出部82aの形状が第1入力リード81の平面視における突出部81aの形状と同じである。突出部82aは、樹脂部材50の内部に位置する中間部82bと、樹脂部材50の第1樹脂側面51から突出する端子部82cとに区分できる。端子部82cは、第2電力端子21B(図5参照)を構成している。
【0077】
図7Aに示すように、横方向Xにおいて第2入力リード82のうちの突出部82aとは反対側の端部には、導通基板60から露出する複数(本実施形態では3個)の露出部82dが設けられている。平面視において、各露出部82dは、第1導電部材42Aと第2導電部材42Bとの横方向Xの間に位置している。厚さ方向Zからみて、露出部82dは、その一部が横方向Xにおける第2導電部材42Bの第1導電部材42A寄りの端部と重なるように配置されている。また、各露出部82dは、第1導電部材42Aに対して横方向Xに間隔をあけて配置されている。平面視における各露出部82dの形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。各露出部82dの横方向Xの長さは、出力リード83の露出部83dの横方向Xの長さよりも長い。各露出部82dの縦方向Yの長さは、露出部83dの縦方向Yの長さよりも短い。複数の露出部82dは、横方向Xに揃った状態で縦方向Yにおいて離間して配列されている。縦方向Yからみて、各露出部82dは、出力リード83の各露出部83dと重なるように配置されている。縦方向Yにおいて、複数の露出部82dは、複数の露出部83dと交互に配置されている。
【0078】
図12に示すように、第4層基板60Dは、第2入力リード82を第5層基板60Fから電気的に絶縁するための基板である。第4層基板60Dは、第3層基板60Cのうちの第1導電部材42A寄りの部分に積層されている。換言すると、第4層基板60Dは、その横方向Xの大きさが第1~第3層基板60A~60Cの横方向Xの大きさよりも小さく、第2導電部材42B寄りには設けられていない。
【0079】
第4層基板60Eは、第3層基板60Cのうちの第2導電部材42B寄り(出力リード83寄り)の部分を第5層基板60Gから電気的に絶縁するための基板である。第4層基板60Eは、厚さ方向Zにおいて第4層基板60Dと揃った状態で第4層基板60Dに対して横方向Xに間隔をあけて配置されている。第4層基板60Eは、第3層基板60Cのうちの第2導電部材42B寄りの部分に積層されている。換言すると、第4層基板60Eは、その横方向Xの大きさが第1~第3層基板60A~60Cの横方向Xの大きさよりも小さく、第1導電部材42A寄りには設けられていない。
【0080】
図7Aに示すように、第5層基板60Fは、導通基板60の最表層の基板であり、第1高耐圧ダイオード30A,30B、第1低耐圧ダイオード32A,32B、及び第1コンデンサ33A,33Bがそれぞれ実装される基板である。第5層基板60Fは、第4層基板60Dに積層されている。換言すると、第5層基板60Fは、その横方向Xの大きさが第1~第3層基板60A~60Cの横方向Xの大きさよりも小さく、第2導電部材42B寄りには設けられていない。第5層基板60Fは、図5に示す第1短絡検出回路3A及び第1サージ低減回路4Aを構成している。
【0081】
第5層基板60Fは、導通基板60の最表層の基板であり、第1駆動用配線62A、第1制御用配線63A,64A、第1制御電源用配線65A,66A、及び第1配線片67Aを有する。平面視において、導通基板60(第5層基板60F)は、横方向Xにおいて複数の第1半導体素子10Aよりも樹脂部材50の第3樹脂側面53側に延びる第1配線領域70Aを有する。第1配線領域70Aは、導通基板60(第5層基板60F)において第1半導体素子10A以外の電子部品が実装される実装領域である。
【0082】
第1駆動用配線62A、及び第1制御用配線63A,64Aはそれぞれ、第5層基板60Fの第1配線領域70A以外の領域から第1配線領域70Aまで延びている。第1制御電源用配線65A,66A、及び第1配線片67Aは、第1配線領域70Aに配置されている。第1配線領域70Aには、第1高耐圧ダイオード30A,30B、第1低耐圧ダイオード32A,32B、及び第1コンデンサ33A,33Bがそれぞれ実装されている。このため、第1配線領域70Aには、第1短絡検出回路3A及び第1サージ低減回路4Aが形成されている。すなわち、第5層基板60Fには、複数の第1半導体素子10Aに対して縦方向Yの一方側(本実施形態では複数の第1半導体素子10Aに対して樹脂部材50の第3樹脂側面53寄り)に偏って配線領域が形成されている。
【0083】
第1駆動用配線62Aは、各第1半導体素子10Aのドレイン電極11(図11B参照)に電気的に接続されている。また第1駆動用配線62Aは、第1高耐圧ダイオード30A,30Bを介して第1短絡検出用リード87Aと電気的に接続されている。すなわち、第1駆動用配線62Aを介して各第1半導体素子10Aの短絡が検出される。このように、第1駆動用配線62Aは、各第1半導体素子10Aのドレイン電極11と第1短絡検出用リード87Aとを電気的に接続するための配線部である。
【0084】
図7A及び図8に示すように、第1駆動用配線62Aは、縦方向Yに延びる第1配線部分62paと、第1配線部分62paから横方向Xに延びる複数(本実施形態では2個)の第2配線部分62pbと、第1高耐圧ダイオード30A,30Bを接続するための第3配線部分62pcと、第1高耐圧ダイオード30Bと第1短絡検出用リード87Aとを接続するための第4配線部分62pdとを有する。
【0085】
第1配線部分62paは、横方向Xにおいて各第1半導体素子10Aよりも第2導電部材42B寄りに配置されている。第1配線部分62paは、横方向Xにおいて第5層基板60Fのうちの第2導電部材42B(図7A参照)寄りの端部に配置されている。第1配線部分62paは、横方向Xからみて、各第1半導体素子10Aと重なるように延びている。第2配線部分62pbは、縦方向Yにおいて隣り合う第1半導体素子10Aの間に配置されている。
【0086】
図8に示すように、縦方向Yにおける第1配線部分62paのうちの樹脂部材50の第3樹脂側面53寄りの端部62pxは、第1配線領域70Aに配置されている。端部62pxの横方向Xの幅は、第1配線部分62paのうちの端部62px以外の部分の横方向Xの幅よりも小さい。第3配線部分62pcは、縦方向Yにおいて端部62pxと揃った状態で横方向Xに離間して配置されている。本実施形態では、第3配線部分62pcの縦方向Yの長さは、端部62pxの縦方向Yの長さと等しい。また、第3配線部分62pcの横方向Xの幅は、端部62pxの横方向Xの幅よりも大きい。
【0087】
第4配線部分62pdは、横方向Xにおいて第3配線部分62pcに対して端部62pxとは反対側に離間して配置される第1部分62pyと、第1部分62pyから第1短絡検出用リード87Aに向けて延びる第2部分62pzとを有する。
【0088】
第1部分62pyは、縦方向Yに延びている。第1部分62pyの横方向Xの幅は、端部62pxの横方向Xの幅よりも大きい。本実施形態では、第1部分62pyの横方向Xの幅は、第3配線部分62pcの横方向Xの幅と等しい。平面視における第2部分62pzの形状は、L字状である。具体的には、第2部分62pzは、縦方向Yにおける第1部分62pyのうちの第3樹脂側面53寄りの端部から第2導電部材42B側に向けて横方向Xに沿って延びて、第1短絡検出用リード87Aと横方向Xに揃った位置から第1短絡検出用リード87Aに向けて縦方向Yに沿って延びている。第2部分62pzは、横方向Xにおいて第1配線部分62paの端部62pxよりも樹脂部材50の第1樹脂側面51寄りに配置されている。
【0089】
第2部分62pzのうちの第1短絡検出用リード87A寄りの端部と、第1短絡検出用リード87Aのパッド部87pとは、第1短絡検出用接続部材97Aによって接続されている。第1短絡検出用接続部材97Aは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0090】
第1駆動用配線62Aには、第1高耐圧ダイオード30A,30Bが実装されている。より詳細には、第1配線部分62paの端部62pxと第3配線部分62pcとには、第1高耐圧ダイオード30Aが接続されている。具体的には、第1高耐圧ダイオード30Aのカソード電極が端部62pxに接続され、第1高耐圧ダイオード30Aのアノード電極が第3配線部分62pcに接続されている。また、第3配線部分62pcと第4配線部分62pdの第1部分62pyとには、第1高耐圧ダイオード30Bが接続されている。具体的には、第1高耐圧ダイオード30Bのカソード電極が第3配線部分62pcに接続され、第1高耐圧ダイオード30Bのアノード電極が第1部分62pyに接続されている。このように、第1配線部分62pa、第3配線部分62pc、及び第4配線部分62pdによって、第1高耐圧ダイオード30Aと第1高耐圧ダイオード30Bとが直列接続されている。
【0091】
本実施形態では、アノード電極とカソード電極との配列方向が横方向Xに沿うように第1高耐圧ダイオード30Aが配置されている。また、アノード電極とカソード電極との配列方向が横方向Xに沿うように第1高耐圧ダイオード30Bが配置されている。加えて、第1高耐圧ダイオード30Aと第1高耐圧ダイオード30Bとは、縦方向Yに揃った状態で横方向Xにおいて離間して配置されている。
【0092】
図7A及び図7Bに示すように、第1制御用配線63Aは、各第1半導体素子10Aのゲート電極13と第1制御用リード84Aとを電気的に接続するための配線部である。第1制御用配線63Aと各第1半導体素子10Aのゲート電極13とは、図7Bに示すように、第1制御用接続部材92Aによって接続されている。第1制御用接続部材92Aは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。図8に示すように、第1制御用配線63Aは、縦方向Yに延びる第1配線部分63paと、第1配線部分63paから縦方向Yに向かうにつれて第2導電部材42B(図7A参照)側に向けて斜めに延びる第2配線部分63pbと、第2配線部分63pbから第1制御用リード84Aに向けて延びる第3配線部分63pcとを有する。
【0093】
図7Aに示すように、第1配線部分63paは、横方向Xにおいて各第1半導体素子10Aよりも第1樹脂側面51寄りに各第1半導体素子10Aと隣り合うように配置されている。第1配線部分63paは、横方向Xからみて、各第1半導体素子10Aと重なるように延び、かつ、縦方向Yにおいて各第1半導体素子10Aよりも第3樹脂側面53側まで延びている。図8に示すように、縦方向Yにおける第1配線部分63paのうちの第3樹脂側面53側の端部は、横方向Xからみて、第3配線部分62pc及び第4配線部分62pdの第1部分62pyと重なるように配置されている。
【0094】
第2配線部分63pb及び第3配線部分63pcはそれぞれ、第1配線領域70Aに配置されている。すなわち、平面視において、第2配線部分63pb及び第3配線部分63pcはそれぞれ、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード84Aとの縦方向Yの間に配置されている。
【0095】
第2配線部分63pbは、横方向Xからみて、第4配線部分62pdの第1部分62py及び第2部分62pzと重なるように配置されている。
第3配線部分63pcは、第1駆動用配線62Aの第4配線部分62pdの第1部分62pyよりも第3樹脂側面53寄りに配置されている。平面視における第3配線部分63pcの形状は、L字状である。第3配線部分63pcは、第2配線部分62pbから第2導電部材42B側に向けて横方向Xに沿って延びる第1部分63pxと、横方向Xにおける第1部分63pxのうちの第2導電部材42B側の端部から第1制御用リード84Aに向けて縦方向Yに沿って延びる第2部分63pyとを有する。第3配線部分63pcの幅(平面視において第3配線部分63pcが延びる方向と直交する方向の寸法)は、第1配線部分63paの横方向Xの幅よりも大きい。第3配線部分63pcのうちの第1制御用リード84A側の端部と第1制御用リード84Aのパッド部84pとは、第1制御リード用接続部材94Aによって接続されている。第1制御リード用接続部材94Aは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0096】
図7Aに示すように、第1制御用配線64Aは、各第1半導体素子10Aのソース電極12と第1制御用リード85Aとを接続するための配線部である。第1制御用配線64Aは、各第1半導体素子10Aのソース電極12を外部へ引き出し、各第1半導体素子10Aのゲート電極13とソース電極12との間にゲート電圧を供給するための配線部である。第1制御用配線64Aと各第1半導体素子10Aのソース電極12とは、第1制御用接続部材93Aによって接続されている。第1制御用接続部材93Aは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。図8に示すように、第1制御用配線64Aは、縦方向Yに延びる第1配線部分64paと、第1配線部分64paから縦方向Yに向かうにつれて第2導電部材42B側に向けて斜めに延びる第2配線部分64pbと、第2配線部分64pbから第1制御用リード85Aに向けて延びる第3配線部分64pcとを有する。
【0097】
第1配線部分64paは、横方向Xにおいて第1制御用配線63Aに対して各第1半導体素子10Aとは反対側に配置されている。第1配線部分64paは、横方向Xにおける第5層基板60Fのうちの第1樹脂側面51側の端部に形成されている。本実施形態では、第1配線部分64paの縦方向Yの長さは、第1制御用配線63Aの第1配線部分63paの縦方向Yの長さと等しい(図7A参照)。第2配線部分64pbは、第1制御用配線63Aの第2配線部分63pbと平行である。第2配線部分64pbは、横方向Xからみて、第2配線部分63pbと重なるように配置されている。また、第2配線部分64pbは、縦方向Yからみて、第2配線部分63pbと重なるように配置されている。第3配線部分64pcは、横方向Xにおいて第1制御用リード85Aよりも第1樹脂側面51寄りに配置されている。第3配線部分64pcは、第2配線部分63pbから縦方向Yに沿って延びる第1部分64pxと、第2部分64pyとを有する。第2部分64pyは、縦方向Yにおいて第1部分64pxよりも第3樹脂側面53寄りに位置している。第2部分64pyの横方向Xの幅は、第1部分64pxの横方向Xの幅よりも大きい。第2部分64pyと第1制御用リード85Aのパッド部85pとは、第1制御リード用接続部材95Aによって接続されている。第1制御リード用接続部材95Aは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0098】
第1制御電源用配線65Aは、第1制御用配線63Aと第1制御用配線64Aとの横方向Xの間に配置されている。具体的には、第1制御電源用配線65Aは、第1制御用配線63Aの第3配線部分63pcの第2部分63pyと、第1制御用配線64Aの第3配線部分64pcの第2部分64pyとの横方向Xの間に配置されている。縦方向Yにおいて第1制御電源用配線65Aは、第5層基板60Fのうちの第3樹脂側面53側の端部に配置されている。第1制御電源用配線65Aは、縦方向Yに沿って延びている。第1制御電源用配線65Aの横方向Xの幅は、第1駆動用配線62Aにおける第4配線部分62pdの第2部分62pzの幅(平面視において第2部分62pzが延びる方向と直交する方向の寸法)よりも大きい。本実施形態では、第1制御電源用配線65Aの横方向Xの幅は、第1制御用配線63Aの第3配線部分63pcの幅(平面視において第3配線部分63pcが延びる方向と直交する方向の寸法)と等しい。第1制御電源用配線65Aと第1制御電源用リード86Aのパッド部86pとは、第1制御電源用接続部材96Aによって接続されている。第1制御電源用接続部材96Aは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0099】
第1制御電源用配線66Aは、縦方向Yに延びる第1配線部分66paと、第1配線部分66paから離間して設けられており、縦方向Yに延びる第2配線部分66pbと、第1配線部分66paと第2配線部分66pbとを接続する第3配線部分66pcとを有する。第1配線部分66paは、第5層基板60Fのうちの横方向Xにおける第1樹脂側面51側の端部かつ縦方向Yにおける第3樹脂側面53側の端部に配置されている。第1配線部分66paは、第1制御用配線63Aの第3配線部分63pcの第1部分63pxよりも第3樹脂側面53寄りに配置されている。横方向Xからみて、第1配線部分66paは、第1制御用配線64Aの第3配線部分64pcと重なるように配置されている。第1配線部分66paの縦方向Yの長さは、第3配線部分63pcの第2部分63pyの縦方向Yの長さよりも長い。第1配線部分66paの横方向Xの幅は、第1制御電源用配線65Aの横方向Xの幅よりも小さい。本実施形態では、第1配線部分66paの横方向Xの幅は、第1駆動用配線62Aにおける第4配線部分62pdの第2部分62pzの幅(平面視において第2部分62pzが延びる方向と直交する方向の寸法)と等しい。第1配線部分66paと第1制御電源用リード86Bとは、第1制御電源用接続部材96Bによって接続されている。第1制御電源用接続部材96Bは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0100】
第2配線部分66pbは、横方向Xにおいて第1配線部分66paよりも第2樹脂側面52寄りに配置されている。第2配線部分66pbは、縦方向Yにおいて第1配線部分66paよりも第4樹脂側面54寄り(第1半導体素子10A寄り)に配置されている。縦方向Yからみて、第2配線部分66pbは、第1制御用配線63Aの第3配線部分63pc、第1制御用配線64Aの第2部分64py、及び第1制御電源用リード86Bと重なるように配置されている。第2配線部分66pbは、横方向Xにおいて、第1制御用配線63Aの第3配線部分63pcの第1部分63pxと、第1制御用配線64Aの第2配線部分62pbとの間に配置されている。
【0101】
第3配線部分66pcは、第3層基板60C(図6参照)に設けられている。すなわち、第3配線部分66pcは、平面視において露出していない。第3配線部分66pcは、第1配線部分66paに設けられた貫通電極によって第1配線部分66paと電気的に接続されており、第2配線部分66pbに設けられた貫通電極によって第2配線部分66pbと電気的に接続されている。平面視における第3配線部分66pcの形状は、例えばL字状である。なお、平面視における第3配線部分66pcの形状は、L字状に限られず、第1樹脂側面51に向かうにつれて第3樹脂側面53に向けて斜めに延びる形状であってもよい。
【0102】
第1サージ低減回路4Aを構成する第1低耐圧ダイオード32A,32B及び第1コンデンサ33A,33Bは、第1制御用配線63A,64A、及び第1制御電源用配線65A,66Aに接続されている。
【0103】
第1低耐圧ダイオード32Aは、第1制御用配線63Aと第1制御電源用配線65Aとに接続されている。具体的には、第1低耐圧ダイオード32Aのアノード電極は、第1制御用配線63Aの第3配線部分63pcにおける第1制御用リード84A寄りの部分に接続されている。第1低耐圧ダイオード32Aのカソード電極は、第1制御電源用配線65Aに接続されている。
【0104】
第1低耐圧ダイオード32Bは、第1制御用配線63Aと第1制御電源用配線66Aとに接続されている。具体的には、第1低耐圧ダイオード32Bのカソード電極は、第1制御用配線63Aの第3配線部分63pcにおける第2配線部分63pb側の端部に接続されている。第1低耐圧ダイオード32Bのアノード電極は、第1制御電源用配線66Aの第2配線部分66pbに接続されている。このように、第1低耐圧ダイオード32A,32Bは、第1制御電源用配線66Aと第1制御電源用配線65Aとの間で第1制御用配線63Aを介して直列接続されている。
【0105】
本実施形態では、アノード電極とカソード電極との配列方向が横方向Xに沿うように第1低耐圧ダイオード32Aが配置されている。また、アノード電極とカソード電極との配列方向が横方向Xに沿うように第1低耐圧ダイオード32Bが配置されている。加えて、第1低耐圧ダイオード32Aと第1低耐圧ダイオード32Bとは、縦方向Yにおいて異なる位置に配置されている。縦方向Yにおいて、第1低耐圧ダイオード32Aは、第1低耐圧ダイオード32Bよりも第3樹脂側面53寄りに配置されている。横方向Xにおいて、第1低耐圧ダイオード32Bは、第1低耐圧ダイオード32Aよりも第1樹脂側面51寄りに配置されている。
【0106】
第1コンデンサ33Aは、第1制御電源用配線65Aと第1制御用配線64Aとに接続されている。具体的には、第1コンデンサ33Aの第1端子は、第1制御電源用配線65Aに接続されている。第1コンデンサ33Aの第2端子は、第1制御用配線64Aにおける第2部分64pyに接続されている。
【0107】
第1コンデンサ33Bは、第1制御電源用配線66Aと第1制御用配線64Aとに接続されている。具体的には、第1コンデンサ33Bの第1端子は、第1制御電源用配線66Aの第1配線部分66paに接続されている。第1コンデンサ33Bの第2端子は、第1制御用配線64Aにおける第2部分64pyに接続されている。このように、第1コンデンサ33A,33Bは、第1制御電源用配線65Aと第1制御電源用配線66Aとの間で第1制御用配線64Aを介して直列接続されている。
【0108】
本実施形態では、第1端子と第2端子との配列方向が横方向Xに沿うように第1コンデンサ33Aが配置されている。また、第1端子と第2端子との配列方向が横方向Xに沿うように第1コンデンサ33Bが配置されている。加えて、第1コンデンサ33Aと第1コンデンサ33Bとは、縦方向Yにおいて互いに重なった状態で横方向Xに離間して配列されている。また横方向Xからみて、各コンデンサ33A,33Bは、第1低耐圧ダイオード32Aと重なるように配置されている。また縦方向Yからみて、第1コンデンサ33Aは、第1低耐圧ダイオード32Bと重なるように配置されている。横方向Xにおいて、第1コンデンサ33Bは、第1低耐圧ダイオード32Bよりも第1樹脂側面51寄りに配置されている。
【0109】
第1配線片67Aは、第1駆動用配線62Aの第4配線部分62pdの第1部分62pyと、第1制御用配線63Aの第1配線部分63paのうちの縦方向Yの第3樹脂側面53側の端部との横方向Xの間に配置されている。すなわち、第1配線片67Aは、第1配線領域70Aに配置されている。平面視における第1配線片67Aの形状は、L字状である。
【0110】
図6及び図7Aに示すように、第5層基板60Gは、第2高耐圧ダイオード31A,31B、第2低耐圧ダイオード34A,34B、及び第2コンデンサ35A,35Bがそれぞれ実装される基板である。第5層基板60Gは、第4層基板60Eに積層されている。換言すると、第5層基板60Gは、その横方向Xの大きさが第1~第3層基板60A~60Cの横方向Xの大きさよりも小さく、第1導電部材42A側には設けられていない。第5層基板60Gは、図5に示す第2短絡検出回路3B及び第2サージ低減回路4Bを構成している。
【0111】
第5層基板60Gは、第2駆動用配線62B、第2制御用配線63B,64B、第2制御電源用配線65B、第2制御電源用配線66B、及び第2配線片67Bを有する。平面視において、導通基板60(第5層基板60G)は、横方向Xにおいて複数の第2半導体素子10Bよりも樹脂部材50の第3樹脂側面53側に延びる第2配線領域70Bと、横方向Xにおいて複数の第2半導体素子10Bよりも樹脂部材50の第4樹脂側面54側に延びる第3配線領域70Cとを有する。すなわち、第5層基板60Gは、縦方向Yにおいて複数の第2半導体素子10Bの両側に配線領域が形成されている。第2配線領域70B及び第3配線領域70Cはそれぞれ、導通基板60(第5層基板60G)において第2半導体素子10B以外の電子部品が実装される実装領域である。
【0112】
第2駆動用配線62B、及び第2制御用配線63B,64Bはそれぞれ、第5層基板60Gの第2配線領域70B以外の領域から第2配線領域70Bまで延びている。第2制御電源用配線65B、第2制御電源用配線66B、及び第2配線片67Bは、第2配線領域70Bに配置されている。第2配線領域70Bには、第2低耐圧ダイオード34A,34B、及び第2コンデンサ35A,35Bがそれぞれ実装されている。このため、第2配線領域70Bには、第2サージ低減回路4Bが形成されている。
【0113】
また、第2駆動用配線62Bは、第5層基板60Gの第3配線領域70C以外の領域から第3配線領域70Cまで延びている。第3配線領域70Cには、第2高耐圧ダイオード31A,31Bが実装されている。このため、第3配線領域70Cには、第2短絡検出回路3Bが形成されている。このように、第5層基板60Gは、第5層基板60Fと異なり、第2サージ低減回路4B(図5参照)が形成される配線領域(第2配線領域70B)と、第2短絡検出回路3B(図5参照)が形成される配線領域(第3配線領域70C)とが個別に形成されている。また本実施形態では、縦方向Yにおいて第2配線領域70Bと第3配線領域70Cとは、複数の第2半導体素子10Bを挟むように配置されている。
【0114】
第2駆動用配線62Bは、第2短絡検出用リード87Bと電気的に接続されている。また、第2駆動用配線62Bは、第2高耐圧ダイオード31A,31Bを介して各第2半導体素子10Bのドレイン電極11に電気的に接続されている。すなわち、第2駆動用配線62Bを介して各第2半導体素子10Bの短絡が検出される。このように、第2駆動用配線62Bは、各第2半導体素子10Bのドレイン電極11と第2短絡検出用リード87Bとを電気的に接続するための配線部である。
【0115】
図7A及び図9に示すように、第2駆動用配線62Bは、縦方向Yに延びる第1配線部分62qaと、第1配線部分62qaから横方向Xに延びる複数(本実施形態では2個)の第2配線部分62qbと、第2高耐圧ダイオード31A,31Bを接続するための第3配線部分62qcと、第2高耐圧ダイオード31Bと各第2半導体素子10Bのドレイン電極11とを電気的に接続するための第4配線部分62qdとを有する。
【0116】
第1配線部分62qaは、横方向Xにおいて各第2半導体素子10Bよりも第1導電部材42A寄りに配置されている。第1配線部分62qaは、横方向Xにおいて第5層基板60Fのうちの第1導電部材42A側の端部に配置されている。第1配線部分62qaは、横方向Xからみて、各第2半導体素子10Bと重なるように延びている。第2配線部分62qbは、縦方向Yにおいて隣り合う第2半導体素子10Bの間に配置されている。図10に示すように、縦方向Yにおける第1配線部分62qaのうちの第3樹脂側面53側の第1端部62qxは、第2配線領域70Bまで延びている。第1端部62qxと第2短絡検出用リード87Bのパッド部87pとは、第2短絡検出用接続部材97Bによって接続されている。第2短絡検出用接続部材97Bは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0117】
図9に示すように、縦方向Yにおける第1配線部分62qaのうちの第4樹脂側面54側の第2端部62qyは、第3配線領域70Cまで延びている。第2端部62qyの横方向Xの幅は、第1配線部分62qaのうちの第2端部62qy以外の部分の横方向Xの幅よりも小さい。第3配線部分62qcは、縦方向Yにおいて第2端部62qyと揃った状態で横方向Xに離間して配置されている。すなわち、第3配線部分62qcは、第3配線領域70Cに配置されている。本実施形態では、第3配線部分62qcの縦方向Yの長さは、第2端部62qyの縦方向Yの長さと等しい。また、第3配線部分62qcの横方向Xの幅は、第2端部62qyの横方向Xの幅よりも大きい。
【0118】
第4配線部分62qdは、横方向Xにおいて第3配線部分62qcに対して第2端部62qyとは反対側に離間して配置されている。すなわち、第4配線部分62qdは、第3配線領域70Cに配置されている。第3配線部分62qc及び第4配線部分62qdは、縦方向Yからみて、各第2半導体素子10Bと重なるように配置されている。第3配線部分62qc及び第4配線部分62qdはそれぞれ、縦方向Yにおける最も第4樹脂側面54寄りの第2半導体素子10Bよりも第4樹脂側面54寄りであって、第2半導体素子10Bと縦方向Yに隣り合うように配置されている。
【0119】
第2駆動用配線62Bには、第2高耐圧ダイオード31A,31Bが実装されている。より詳細には、第2端部62qyと第3配線部分62qcとには、第2高耐圧ダイオード31Aが接続されている。具体的には、第2高耐圧ダイオード31Aのアノード電極が第2端部62qyに接続され、第2高耐圧ダイオード31Aのカソード電極が第3配線部分62qcに接続されている。第3配線部分62qcと第4配線部分62qdとには、第2高耐圧ダイオード31Bが接続されている。具体的には、第2高耐圧ダイオード31Bのアノード電極が第3配線部分62qcに接続され、第2高耐圧ダイオード31Bのカソード電極が第4配線部分62qdに接続されている。このように、第1配線部分62qa、第3配線部分62qc、及び第4配線部分62qdによって、第2高耐圧ダイオード31Aと第2高耐圧ダイオード31Bとが直列接続されている。
【0120】
本実施形態では、アノード電極とカソード電極との配列方向が横方向Xに沿うように第2高耐圧ダイオード31Aが配置されている。また、アノード電極とカソード電極との配列方向が横方向Xに沿うように第2高耐圧ダイオード31Bが配置されている。加えて、第2高耐圧ダイオード31Aと第2高耐圧ダイオード31Bとは、縦方向Yに揃った状態で横方向Xにおいて離間して配置されている。
【0121】
図7A及び図10に示すように、第2制御用配線63Bは、各第2半導体素子10Bのゲート電極13と第2制御用リード84Bとを電気的に接続するための配線部である。第2制御用配線63Bと各第2半導体素子10Bのゲート電極13とは、第2制御用接続部材92Bによって接続されている。第2制御用接続部材92Bは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。第2制御用配線63Bは、縦方向Yに延びる第1配線部分63qaと、第1配線部分63qaから縦方向Yの第3樹脂側面53側に向かうにつれて第1導電部材42A側に向けて斜めに延びる第2配線部分63qbと、第2配線部分63qbから第2制御用リード84Bに向けて延びる第3配線部分63qcとを有する。
【0122】
第1配線部分63qaは、横方向Xにおいて各第2半導体素子10Bよりも第2樹脂側面52寄りであって、各第2半導体素子10Bと隣り合うように配置されている。第1配線部分63qaは、横方向Xからみて、各第2半導体素子10Bと重なるように延びている。本実施形態では、第1配線部分63qaは、第2配線領域70Bに配置されていない。
【0123】
第2配線部分63qb及び第3配線部分63qcはそれぞれ、第2配線領域70Bに配置されている。換言すると、平面視において、第2配線部分63qb及び第3配線部分63qcはそれぞれ、複数の第2半導体素子10Bと第2制御用リード84Bとの縦方向Yの間に配置されている。
【0124】
縦方向Yにおいて、第2配線部分63qbは、複数の第2半導体素子10Bのうちの最も第3樹脂側面53寄りの第2半導体素子10Bと隣り合うように配置されている。
平面視における第3配線部分63qcの形状は、L字状である。第3配線部分63qcは、第2配線部分62qbから第1導電部材42A側に向けて横方向Xに沿って延びる第1部分63qxと、縦方向Yからみて第2制御用リード84Bと重なる位置から第2制御用リード84Bに向けて縦方向Yに沿って延びる第2部分63qyとを有する。第3配線部分63qcの第1部分63qxの縦方向Yの幅は、第2制御用配線63Bのうちの第1部分63qx以外の部分の幅(平面視において第2制御用配線63Bが延びる方向と直交する方向の寸法)よりも大きい。縦方向Yにおける第2部分63qyのうちの第3樹脂側面53側の端部と第2制御用リード84Bとは、第2制御リード用接続部材94Bによって接続されている。第2制御リード用接続部材94Bは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0125】
第2制御用配線64Bは、各第2半導体素子10Bのソース電極12と第2制御用リード85Bとを接続するための配線部である。本実施形態では、第2制御用配線64Bは、各第2半導体素子10Bのソース電極12を外部へ引き出し、各第2半導体素子10Bのゲート電極13とソース電極12との間にゲート電圧を供給するための配線部である。第2制御用配線64Bと各第2半導体素子10Bのソース電極12とは、第2制御用接続部材93Bによって接続されている。第2制御用接続部材93Bは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。第2制御用配線64Bは、縦方向Yに延びる第1配線部分64qaと、第1配線部分64qaから縦方向Yに向かうにつれて第1導電部材42A側に向けて斜めに延びる第2配線部分64qbと、第2配線部分64qbから第2制御用リード85Bに向けて延びる第3配線部分64qcとを有する。
【0126】
第1配線部分64qaは、横方向Xにおいて第2制御用配線63Bに対して各第2半導体素子10Bとは反対側に配置されている。第1配線部分64qaは、横方向Xにおいて第5層基板60Gのうちの第2樹脂側面52側の端部に形成されている。本実施形態では、第1配線部分64qaの縦方向Yの長さは、第2制御用配線63Bの第1配線部分63qaの縦方向Yの長さと等しい。
【0127】
第2配線部分64qbは、第2制御用配線63Bの第2配線部分63qbと平行である。第2配線部分64qbは、横方向Xからみて、第2配線部分63qbと重なるように配置されている。また、第2配線部分64qbは、縦方向Yからみて、第2配線部分63qbと重なるように配置されている。
【0128】
第3配線部分64qcは、横方向Xにおいて第2制御用リード85Bに対して第2樹脂側面52寄りとなるように配置されている。第3配線部分64qcは、縦方向Yに延びている。第3配線部分64qcの横方向Xの幅は、第2制御用配線64Bのうちの第3配線部分64qc以外の部分の幅(平面視における第2制御用配線64Bが延びる方向と直交する方向の寸法)よりも大きい。縦方向Yにおける第3配線部分64qcのうちの第3樹脂側面53側の端部と第2制御用リード85Bのパッド部85pとは、第2制御リード用接続部材95Bによって接続されている。第2制御リード用接続部材95Bは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0129】
第2制御電源用配線65Bは、第2制御用配線63Bと第2制御用配線64Bとの横方向Xの間に配置されている。具体的には、第2制御電源用配線65Bは、第2制御用配線63Bの第3配線部分63qcの第2部分63qyと、第2制御用配線64Bの第3配線部分64qcとの横方向Xの間に配置されている。第2制御電源用配線65Bは、縦方向Yにおける第5層基板60Gの第3樹脂側面53側の端部に配置されている。第2制御電源用配線65Bは、第2制御用配線63Bの第3配線部分63qcの第1部分63qxよりも第3樹脂側面53寄りに配置されている。第2制御電源用配線65Bは、縦方向Yに沿って延びている。第2制御電源用配線65Bの横方向Xの幅は、第2制御用配線63Bにおける第3配線部分62qcの第2端部62qyの横方向Xの幅よりも大きい。第2制御電源用配線65Bと第2制御電源用リード86Cのパッド部86pとは、第2制御電源用接続部材96Cによって接続されている。第2制御電源用接続部材96Cは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0130】
第2制御電源用配線66Bは、縦方向Yに延びる第1配線部分66qaと、第1配線部分66qaから離間して設けられており、縦方向Yに延びる第2配線部分66qbと、第1配線部分66qaと第2配線部分66qbとを接続する第3配線部分66qcとを有する。第1配線部分66qaは、第5層基板60Gのうちの横方向Xにおける第2樹脂側面52側の端部かつ縦方向Yにおける第3樹脂側面53側の端部に配置されている。第1配線部分66qaは、縦方向Yに沿って延びている。横方向Xからみて、第1配線部分66qaは、第2制御用配線64Bの第3配線部分64qcと重なるように配置されている。第1配線部分66qaは、の縦方向Yの長さは、第3配線部分63qcの縦方向Yの長さよりも短い。本実施形態では、第1配線部分66qaの横方向Xの幅は、第2駆動用配線62B、第2制御用配線63B、第2制御用配線64B、第2制御電源用配線65Bの幅(平面視において各配線が延びる方向と直交する方向の寸法)よりも小さい。第2制御電源用配線66Bと第2制御電源用リード86Dとは、第2制御電源用接続部材96Dによって接続されている。第2制御電源用接続部材96Dは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0131】
第2配線部分66qbは、横方向Xにおいて第1配線部分66qaよりも第1樹脂側面51寄り(第2駆動用配線62Bの第1配線部分62qa寄り)に配置されている。第2配線部分66qbは、縦方向Yにおいて第1配線部分66qaよりも第4樹脂側面54寄り(第2半導体素子10B寄り)に配置されている。縦方向Yからみて、第2配線部分66qbは、第2制御用配線63Bの第3配線部分63qcの第1部分63qx、第2制御電源用配線65B、及び第2制御用リード85Bと重なるように配置されている。第2配線部分66qbは、横方向Xにおいて、第2制御用配線63Bの第3配線部分63qcの第2部分63qyと、第2制御用配線64Bの第3配線部分62qcとの間に配置されている。
【0132】
第3配線部分66qcは、第3層基板60C(図6参照)に設けられている。すなわち、第3配線部分66qcは、平面視において露出していない。第3配線部分66qcは、第1配線部分66qaに設けられた貫通電極によって第1配線部分66qaと電気的に接続されており、第2配線部分66qbに設けられた貫通電極によって第2配線部分66qbと電気的に接続されている。平面視における第3配線部分66qcの形状は、例えばL字状である。なお、平面視における第3配線部分66qcの形状は、L字状に限られず、第2樹脂側面52に向かうにつれて第3樹脂側面53に向けて斜めに延びる形状であってもよい。
【0133】
第2サージ低減回路4Bを構成する第2低耐圧ダイオード34A,34B及び第2コンデンサ35A,35Bは、第2制御用配線63B,64B、第2制御電源用配線65B、及び第2制御電源用配線66Bに接続されている。
【0134】
第2低耐圧ダイオード34Aは、第2制御用配線63Bと第2制御電源用配線65Bとに接続されている。具体的には、第2低耐圧ダイオード34Bのアノード電極は、第2制御用配線63Bの第3配線部分63qcの第2部分63qyに接続されている。第2低耐圧ダイオード34Bのカソード電極は、第2制御電源用配線65Bに接続されている。
【0135】
第2低耐圧ダイオード34Bは、第2制御用配線63Bと第2制御電源用配線66Bとに接続されている。具体的には、第2低耐圧ダイオード34Aのカソード電極は、第2制御用配線63Bの第3配線部分63qcの第1部分63qxに接続されている。第2低耐圧ダイオード34Aのアノード電極は、第2制御電源用配線66Bの第2配線部分64qbに接続されている。このように、第2低耐圧ダイオード34B,34Bは、第2制御電源用配線66Bと第2制御電源用配線65Bとの間で第2制御用配線63Bを介して直列接続されている。
【0136】
本実施形態では、アノード電極とカソード電極との配列方向が横方向Xに沿うように第2低耐圧ダイオード34Aが配置されている。また、アノード電極とカソード電極との配列方向が横方向Xに沿うように第2低耐圧ダイオード34Bが配置されている。加えて、第2低耐圧ダイオード34Aと第2低耐圧ダイオード34Bとは、縦方向Yにおいて異なる位置に配置されている。縦方向Yからみて、第2低耐圧ダイオード34Aと第2低耐圧ダイオード34Bとは、互いに重なるように配置されている。縦方向Yにおいて、第2低耐圧ダイオード34Aは、第2低耐圧ダイオード34Bよりも第3樹脂側面53寄りに配置されている。
【0137】
第2コンデンサ35Aは、第2制御電源用配線65Bと第2制御用配線64Bとに接続されている。具体的には、第2コンデンサ35Aの第1端子は、第2制御電源用配線65Bに接続されている。第2コンデンサ35Aの第2端子は、第2制御用配線64Bにおける第3配線部分63qcに接続されている。
【0138】
第2コンデンサ35Bは、第2制御電源用配線66Bと第2制御用配線64Bとに接続されている。具体的には、第2コンデンサ35Bの第1端子は、第2制御電源用配線66Bの第1配線部分66qaに接続されている。第2コンデンサ35Bの第2端子は、第2制御用配線64Bの第3配線部分64qcに接続されている。このように、第2コンデンサ35A,35Bは、第2制御電源用配線65Bと第2制御電源用配線66Bとの間で第2制御用配線64Bを介して直列接続されている。
【0139】
本実施形態では、第1端子と第2端子との配列方向が横方向Xに沿うように第2コンデンサ35Aが配置されている。また、第1端子と第2端子との配列方向が横方向Xに沿うように第2コンデンサ35Bが配置されている。加えて、第2コンデンサ35Aと第2コンデンサ35Bとは、縦方向Yにおいて揃った状態で横方向Xに離間して配列されている。また横方向Xからみて、各コンデンサ35A,35Bは、第2低耐圧ダイオード34Aと重なるように配置されている。また横方向Xにおいて、各コンデンサ35A,35Bは、各低耐圧ダイオード34A,34Bよりも第2樹脂側面52寄りに配置されている。
【0140】
上述した各制御用接続部材92A,92B,93A,93B、各制御リード用接続部材94A,94B,95A,95B、各制御電源用接続部材96A~96D、及び各短絡検出用接続部材97A,97Bはそれぞれ、例えばAu(金)又はCu(銅)からなる。また、各制御用接続部材92A,92B,93A,93B、各制御リード用接続部材94A,94B,95A,95B、各制御電源用接続部材96A~96D、及び各短絡検出用接続部材97A,97Bのそれぞれの線径は、互いに等しい。
【0141】
図7Aに示すように、第2配線片67Bは、第5層基板60Gのうちの横方向Xにおける出力リード83寄りの端部、かつ、縦方向Yにおける第3樹脂側面53側とは反対側の端部に配置されている。平面視における第2配線片67Bの形状は、L字状である。
【0142】
図6及び図7Aに示すように、導通基板60の第1基板開口部61A及び第1基板凹部61Cに収容された複数の第1半導体素子10Aは、第1導電部材42Aと出力リード83とに電気的に接続されている。第1導電部材42Aは第1入力リード81と電気的に接続されているため、複数の第1半導体素子10Aは、第1入力リード81と電気的に接続されているとも言える。具体的には、各第1半導体素子10Aのドレイン電極11は、半田や銀ペースト等の導電性接合材によって第1導電部材42Aに接合されている。各第1半導体素子10Aのソース電極12は、複数本(本実施形態では4本)の第1駆動用接続部材91Aによって出力リード83の露出部83dに接合されている。第1駆動用接続部材91Aは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。第1駆動用接続部材91Aは、第1駆動用配線62Aの第1配線部分62paを跨ぐように形成されている。なお、第1駆動用接続部材91Aの本数は4本に限られず、任意に変更可能である。
【0143】
導通基板60の第2基板開口部61Bに収容された複数の第2半導体素子10Bは、第2導電部材42Bと第2入力リード82とに電気的に接続されている。第2導電部材42Bは出力リード83と電気的に接続されているため、複数の第2半導体素子10Bは出力リード83と電気的に接続されているとも言える。具体的には、各第2半導体素子10Bのドレイン電極11は、半田や銀ペースト等の導電性接合材によって第2導電部材42Bに接合されている。各第2半導体素子10Bのソース電極12は、複数本(本実施形態では4本)の第2駆動用接続部材91Bによって第2入力リード82の露出部82dに接合されている。第2駆動用接続部材91Bは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。第2駆動用接続部材91Bは、第2駆動用配線62Bの第1配線部分62qaを跨ぐように形成されている。なお、第2駆動用接続部材91Bの本数は4本に限られず、任意に変更可能である。
【0144】
各駆動用接続部材91A,91Bは、例えばCu(銅)又はAl(アルミニウム)からなる。本実施形態では、各駆動用接続部材91A,91Bの構成材料は、各制御用接続部材92A,92B,93A,93B、各制御リード用接続部材94A,94B,95A,95B、各制御電源用接続部材96A~96D、及び各短絡検出用接続部材97A,97Bのそれぞれの構成材料と同じである。また、各駆動用接続部材91A,91Bの線径は互いに等しい。本実施形態では、各駆動用接続部材91A,91Bの線径は、各制御用接続部材92A,92B,93A,93B、各制御リード用接続部材94A,94B,95A,95B、各制御電源用接続部材96A~96D、及び各短絡検出用接続部材97A,97Bのそれぞれの線径と等しい。
【0145】
図1及び図2に示すように、樹脂部材50には、樹脂天面55側から導通基板60を露出する4つの樹脂開口部として第1制御側開口部58A、第2制御側開口部58B、第1駆動側開口部59A、及び第2駆動側開口部59Bが設けられている。図1及び図2から分かるとおり、第1制御側開口部58Aと第1駆動側開口部59Aとは個別に設けられている。第2制御側開口部58Bと第2駆動側開口部59Bとは個別に設けられている。
【0146】
第1制御側開口部58Aは、縦方向Yからみて、複数の第1半導体素子10Aと重なる位置、かつ複数の第1半導体素子10Aよりも第3樹脂側面53寄りに配置されている。第2制御側開口部58Bは、縦方向Yからみて、複数の第2半導体素子10Bと重なる位置、かつ複数の第2半導体素子10Bよりも第3樹脂側面53寄りに配置されている。このように、平面視において、第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bは、樹脂部材50の一辺に沿う方向において、互いに離間した状態で並んで配置されている。換言すると、平面視において、第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bは、縦方向Yにおいて揃った状態で横方向Xに離間して配置されている。平面視において、各制御側開口部58A,58Bは、樹脂天面55のうちの第3樹脂側面53寄りの端部に配置されている。第1制御側開口部58Aは、第2制御側開口部58Bよりも第1樹脂側面51寄りに配置されている。
【0147】
平面視において、第1制御側開口部58Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード84Aの端子部84tとの縦方向Yの間に配置されている。本実施形態では、平面視において、第1制御側開口部58Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード84Aのパッド部84pとの縦方向Yの間に配置されている。また、平面視において、第1制御側開口部58Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード85Aの端子部85tとの縦方向Yの間に配置されている。本実施形態では、平面視において、第1制御側開口部58Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード85Aのパッド部85pとの縦方向Yの間に配置されている。
【0148】
平面視において、第2制御側開口部58Bは、複数の第2半導体素子10Bと第2制御用リード84Bの端子部84tとの縦方向Yの間に配置されている。本実施形態では、平面視において、第2制御側開口部58Bは、複数の第2半導体素子10Bと第2制御用リード84Bのパッド部84pとの縦方向Yの間に配置されている。また、平面視において、第2制御側開口部58Bは、複数の第2半導体素子10Bと第2制御用リード85Bの端子部85tとの縦方向Yの間に配置されている。本実施形態では、平面視において、第2制御側開口部58Bは、複数の第2半導体素子10Bと第2制御用リード85Bのパッド部85pとの縦方向Yの間に配置されている。
【0149】
第1駆動側開口部59Aは、縦方向Yからみて、複数の第1半導体素子10Aと重なる位置、かつ複数の第1半導体素子10Aよりも第3樹脂側面53寄りに配置されている。また第1駆動側開口部59Aは、縦方向Yにおいて第1制御側開口部58Aよりも複数の第1半導体素子10A寄りに配置されている。換言すると、平面視において、第1駆動側開口部59Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード84Aの端子部84tとの縦方向Yの間に配置されている。第1駆動側開口部59Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード85Aの端子部85tとの縦方向Yの間に配置されている。本実施形態では、平面視において、第1駆動側開口部59Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御側開口部58Aとの縦方向Yの間に配置されている。
【0150】
第2駆動側開口部59Bは、縦方向Yからみて、複数の第2半導体素子10Bと重なる位置、かつ複数の第2半導体素子10Bよりも第4樹脂側面54寄りに配置されている。換言すると、平面視において、第1駆動側開口部59Aは、第2制御側開口部58B及び第2駆動側開口部59Bよりも第1樹脂側面51寄りに配置されている。第1駆動側開口部59Aは、第1制御側開口部58Aに対して第2樹脂側面52寄りに配置されている。第1駆動側開口部59Aは、第2制御側開口部58B及び第2駆動側開口部59Bよりも第1制御側開口部58Aの近くに配置されている。平面視において、第2駆動側開口部59Bは、樹脂天面55のうちの第4樹脂側面54寄りの端部に配置されている。第2駆動側開口部59Bは、第2制御側開口部58Bに対して第1樹脂側面51寄りに配置されている。平面視における各駆動側開口部59A,59Bの面積は、平面視における各制御側開口部58A,58Bの面積よりも小さい。
【0151】
図8に示すように、第1制御側開口部58Aは、導通基板60の第1配線領域70Aの一部を露出している。換言すると、第1制御側開口部58Aは、導通基板60(第5層基板60F)において第1半導体素子10A以外の電子部品が実装される実装領域の一部を露出している。第1制御側開口部58Aは、第1配線領域70Aのうちの第3樹脂側面53側の領域を露出している。本実施形態では、第1制御側開口部58Aは、第1半導体素子10Aに電気的に接続された第1サージ低減回路4Aを露出している。より詳細には、図8に示すように、第1制御側開口部58Aは、第1低耐圧ダイオード32A,32B、第1コンデンサ33A,33B、第1制御用配線63Aの第3配線部分63pc、第1制御用配線64Aの第3配線部分64pc、第1制御電源用配線65A、及び第1制御電源用配線66Aを露出している。本実施形態では、第1制御側開口部58Aは、第1制御リード用接続部材94A,95A、第1制御電源用接続部材96A,96B、及び第1短絡検出用接続部材97Aを露出していない。平面視における第1制御側開口部58Aの形状は、特に限定されないが、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。また、第1制御側開口部58Aの内部は空隙である。
【0152】
図10に示すように、第2制御側開口部58Bは、導通基板60の第2配線領域70Bの一部を露出している。換言すると、第2制御側開口部58Bは、導通基板60(第5層基板60G)において第2半導体素子10B以外の電子部品が実装される実装領域の一部を露出している。第2制御側開口部58Bは、第2配線領域70Bのうちの第3樹脂側面53側の領域を露出している。本実施形態では、第2制御側開口部58Bは、第2半導体素子10Bに電気的に接続された第2サージ低減回路4Bを露出している。より詳細には、第2制御側開口部58Bは、第2低耐圧ダイオード34A,34B、第2コンデンサ35A,35B、第2制御用配線63Bの第3配線部分63pc、第2制御用配線64Bの第3配線部分64qc、第2制御電源用配線65B、及び第2制御電源用配線66Bを露出している。本実施形態では、第2制御側開口部58Bは、第2制御リード用接続部材94B,95B、第2制御電源用接続部材96C,96D、及び第2短絡検出用接続部材97Bを露出していない。平面視における第2制御側開口部58Bの形状は、特に限定されないが、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。また、第2制御側開口部58Bの内部は空隙である。
【0153】
第1駆動側開口部59Aは、第1配線領域70Aにおいて第1制御側開口部58Aが露出する領域とは異なる領域を露出している。換言すると、第1駆動側開口部59Aは、導通基板60(第5層基板60F)において第1半導体素子10A以外の電子部品が実装される実装領域のうちの第1制御側開口部58Aで露出されている電子部品以外の電子部品が実装される部分を露出している。第1駆動側開口部59Aは、第1配線領域70Aのうちの複数の第1半導体素子10A側の領域を露出している。本実施形態では、第1駆動側開口部59Aは、第1半導体素子10Aのドレイン電極11に接続された第1短絡検出回路3Aを露出している。より詳細には、図8に示すように、第1駆動側開口部59Aは、第1高耐圧ダイオード30A,30B、第1駆動用配線62Aの端部62px、第3配線部分62pc、及び第4配線部分62pdの第1部分62pyを露出している。本実施形態では、第1駆動側開口部59Aは、第1半導体素子10Aを露出していない。平面視における第1駆動側開口部59Aの形状は、特に限定されないが、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。また、第1駆動側開口部59A内には、電気的絶縁性を有する絶縁材71が充填されている。絶縁材71の一例は、シリコーン樹脂である。
【0154】
図9に示すように、第2駆動側開口部59Bは、導通基板60の第3配線領域70Cの一部を露出している。換言すると、第2駆動側開口部59Bは、導通基板60(第5層基板60G)において第2半導体素子10B以外の電子部品が実装される実装領域のうちの第2制御側開口部58Bで露出されている実装領域とは異なる実装領域の一部を露出している。第2駆動側開口部59Bは、第2半導体素子10Bのドレイン電極11に接続された第2短絡検出回路3Bを露出している。より詳細には、第2駆動側開口部59Bは、第2高耐圧ダイオード31A,31B、第2駆動用配線62Bの第2端部62qy、第3配線部分62qc、及び第4配線部分62qdを露出している。本実施形態では、第2駆動側開口部59Bは、第2半導体素子10Bを露出していない。平面視における第2駆動側開口部59Bの形状は、特に限定されないが、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。また、第2駆動側開口部59B内には、電気的絶縁性を有する絶縁材72が充填されている。絶縁材72の一例は、シリコーン樹脂である。
【0155】
(製造方法)
本実施形態の半導体装置1Aの製造方法について説明する。
図13に示すように、半導体装置1Aの製造方法は、支持基板準備工程(ステップS11)、導通基板準備工程(ステップS12)、半導体素子実装工程(ステップS13)、基板接合工程(ステップS14)、ワイヤ形成工程(ステップS15)、及び封止工程(ステップS16)を備える。本実施形態では、支持基板準備工程、導通基板準備工程、半導体素子実装工程、基板接合工程、ワイヤ形成工程、及び封止工程の順に実施することによって半導体装置1Aが製造される。
【0156】
支持基板準備工程では、支持基板40を製造する。具体的には、第1絶縁基板41Aの基板主面41saに第1導電部材42Aを銀ペーストや半田などの導電性接合材を用いて接合する。第2導電部材42Bを第2絶縁基板41Bの基板主面41sbに導電性接合材を用いて接合する。第1絶縁基板41A及び第1導電部材42Aの組立体と、第2絶縁基板41B及び第2導電部材42Bの組立体とは、横方向Xに間隔をあけて配置される。
【0157】
導通基板準備工程では、導通基板60と各入力リード81,82及び出力リード83との組立体を製造する。具体的には、まず、ガラスエポキシ樹脂によって形成された第1層基板60A、第2層基板60B、第3層基板60C、第4層基板60D,60E、及び第5層基板60F,60Gを用意する。次に、第1層基板60Aと第1入力リード81及び出力リード83とを組み合せる。次に、第1層基板60Aに第2層基板60Bを積層する。次に、第3層基板60Cに第2入力リード82を組み合わせた後、第2層基板60Bに第3層基板60Cを積層する。次に、第4層基板60D,60Eを第3層基板60Cに積層する。次に、第5層基板60Fを第4層基板60Dに積層し、第5層基板60Gを第4層基板60Eに積層する。次に、第1高耐圧ダイオード30A,30B、第1低耐圧ダイオード32A,32B、及び第1コンデンサ33A,33Bを第5層基板60Fに実装し、第2高耐圧ダイオード31A,31B、第2低耐圧ダイオード34A,34B、及び第2コンデンサ35A,35Bを第5層基板60Gに実装する。
【0158】
なお、支持基板準備工程では、各制御用リード84A,84B,85A,85B、各制御電源用リード86A~86D、及び各短絡検出用リード87A,87Bが形成される前のリードフレームが第1導電部材42A及び第2導電部材42Bに接合される。これにより、各制御用リード84A,84B,85A,85B、各制御電源用リード86A~86D、及び各短絡検出用リード87A,87Bが支持基板40から離間した状態で支持基板40に支持される。
【0159】
半導体素子実装工程では、例えば図14に示すように、各第1半導体素子10Aを銀ペーストや半田などの導電性接合材を用いて第1導電部材42Aの主面42saに接合し、導電性接合材を用いて各第2半導体素子10Bを第2導電部材42Bの主面42sbに接合する。各第1半導体素子10Aは、そのドレイン電極11が第1導電部材42Aの主面42saと対面した状態で導電性接合材によって主面42saに接合される。この場合、各第1半導体素子10Aのドレイン電極11と第1導電部材42Aの主面42saとの間には、導電性接合材が介在する。これにより、各第1半導体素子10Aのドレイン電極11と第1導電部材42Aとが電気的に接続される。また、各第2半導体素子10Bは、そのドレイン電極11が第2導電部材42Bの主面42sbと対面した状態で導電性接合材によって主面42sbに接合される。この場合、各第2半導体素子10Bのドレイン電極11と第2導電部材42Bの主面42sbとの間には、導電性接合材が介在する。これにより、各第2半導体素子10Bのドレイン電極11と第2導電部材42Bとが電気的に接続される。
【0160】
図14に示すように、基板接合工程では、第1導電部材42Aの主面42sa及び第2導電部材42Bの主面42sbに導通基板60と各入力リード81,82及び出力リード83との組立体を銀ペーストや半田などの導電性接合材を用いて接合する。この場合、第1入力リード81が第1導電部材42Aの主面42saに接合され、出力リード83が第2導電部材42Bの主面42sbに接合される。これにより、第1入力リード81と第1導電部材42Aとが電気的に接続され、出力リード83と第2導電部材42Bとが電気的に接続される。その結果、第1入力リード81は、各第1半導体素子10Aのドレイン電極11と電気的に接続され、出力リード83は、各第2半導体素子10Bのドレイン電極11と電気的に接続される。
【0161】
ワイヤ形成工程では、ボンディング装置(図示略)によって、各駆動用接続部材91A,91B、各制御用接続部材92A,92B,93A,93B、各制御リード用接続部材94A,94B,95A,95B、各制御電源用接続部材96A~96D、及び各短絡検出用接続部材97A,97Bを形成する。
【0162】
具体的には、ボンディング装置は、所定の第1半導体素子10Aのソース電極12にワイヤを接合した後、ワイヤを引き出しながら出力リード83のうちの所定の第1半導体素子10Aに対応する露出部83dまで横方向Xに沿って移動し、その露出部83dにワイヤを接合する。ボンディング装置は、上記動作を4回繰り返す。これにより、所定の第1半導体素子10Aのソース電極12と出力リード83のうちの所定の第1半導体素子10Aに対応する露出部83dとを繋ぐ4本の第1駆動用接続部材91Aが形成される。この場合、第1駆動用接続部材91Aは、導通基板60の第1駆動用配線62Aを跨ぐように形成される。ボンディング装置は、残りの第1半導体素子10Aのソース電極12及び出力リード83のうちの第1半導体素子10Aに対応する露出部83dについても同様に、4本の第1駆動用接続部材91Aを形成する。
【0163】
次に、ボンディング装置は、所定の第1半導体素子10Aのゲート電極13にワイヤを接合した後、ワイヤを引き出しながら第1制御用配線63Aまで横方向Xに沿って移動し、第1制御用配線63Aの第1配線部分63paにワイヤを接合する。これにより、所定の第1半導体素子10Aのゲート電極13と第1制御用配線63Aとを繋ぐ第1制御用接続部材92Aが形成される。ボンディング装置は、残りの第1半導体素子10Aのゲート電極13及び第1制御用配線63Aについても同様に、第1制御用接続部材92Aを形成する。
【0164】
次に、ボンディング装置は、所定の第1半導体素子10Aのソース電極12にワイヤを接合した後、ワイヤを引き出しながら第1制御用配線64Aまで横方向Xに沿って移動し、第1制御用配線64Aの第1配線部分64paにワイヤを接合する。これにより、所定の第1半導体素子10Aのソース電極12と第1制御用配線64Aとを繋ぐ第1制御用接続部材93Aが形成される。ボンディング装置は、残りの第1半導体素子10Aのソース電極12及び第1制御用配線64Aについても同様に、第1制御用接続部材93Aを形成する。
【0165】
次に、ボンディング装置は、所定の第2半導体素子10Bのソース電極12にワイヤを接合した後、ワイヤを引き出しながら第2入力リード82のうちの所定の第2半導体素子10Bに対応する露出部82dまで移動し、その露出部82dにワイヤを接合する。ボンディング装置は、上記動作を4回繰り返す。これにより、所定の第2半導体素子10Bのソース電極12と第2入力リード82のうちの所定の第2半導体素子10Bに対応する露出部82dとを繋ぐ4本の第2駆動用接続部材91Bが形成される。この場合、第2駆動用接続部材91Bは、導通基板60の第2駆動用配線62Bを跨ぐように形成される。ボンディング装置は、残りの第2半導体素子10Bのソース電極12及び第2入力リード82のうちの第2半導体素子10Bに対応する露出部82dについても同様に、4本の第2駆動用接続部材91Bを形成する。
【0166】
次に、ボンディング装置は、所定の第2半導体素子10Bのゲート電極13にワイヤを接合した後、ワイヤを引き出しながら第2制御用配線63Bまで横方向Xに沿って移動し、第2制御用配線63Bの第1配線部分63qaにワイヤを接合する。これにより、所定の第2半導体素子10Bのゲート電極13と第2制御用配線63Bとを繋ぐ第2制御用接続部材92Bが形成される。ボンディング装置は、残りの第2半導体素子10Bのゲート電極13及び第2制御用配線63Bについても同様に、第2制御用接続部材92Bを形成する。
【0167】
次に、ボンディング装置は、所定の第2半導体素子10Bのソース電極12にワイヤを接合した後、ワイヤを引き出しながら第2制御用配線64Bまで横方向Xに沿って移動し、第2制御用配線64Bの第1配線部分64qaにワイヤを接合する。これにより、所定の第2半導体素子10Bのソース電極12と第2制御用配線64Bとを繋ぐ第2制御用接続部材93Bが形成される。ボンディング装置は、残りの第2半導体素子10Bのソース電極12及び第2制御用配線64Bについても同様に、第2制御用接続部材93Bを形成する。
【0168】
次に、ボンディング装置は、第1短絡検出用リード87Aのパッド部87pにワイヤを接合した後、ワイヤを引き出しながら第1駆動用配線62Aのうちの第4配線部分62pdの第2部分62pzまで移動し、第2部分62pzにワイヤを接合する。これにより、第1短絡検出用リード87Aと第1駆動用配線62Aとを繋ぐ第1短絡検出用接続部材97Aが形成される。
【0169】
次に、ボンディング装置は、第1制御用リード84Aのパッド部84pにワイヤを接合した後、ワイヤを引き出しながら第1制御用配線63Aのうちの第3配線部分63pcまで移動し、第3配線部分63pcにワイヤを接合する。これにより、第1制御用リード84Aと第1制御用配線63Aとを繋ぐ第1制御リード用接続部材94Aが形成される。
【0170】
次に、ボンディング装置は、第1制御電源用リード86Aのパッド部86pにワイヤを接合した後、ワイヤを引き出しながら第1制御電源用配線65Aまで移動し、第1制御電源用配線65Aにワイヤを接合する。これにより、第1制御電源用リード86Aと第1制御電源用配線65Aとを繋ぐ第1制御電源用接続部材96Aが形成される。
【0171】
次に、ボンディング装置は、第1制御用リード85Aのパッド部85pにワイヤを接合した後、ワイヤを引き出しながら第1制御用配線64Aの第2部分64pyまで移動し、第2部分64pyにワイヤを接合する。これにより、第1制御用リード85Aと第1制御用配線64Aとを繋ぐ第1制御リード用接続部材95Aが形成される。
【0172】
次に、ボンディング装置は、第1制御電源用リード86Bのパッド部86pにワイヤを接合した後、ワイヤを引き出しながら第1制御電源用配線66Aの第1配線部分66paまで移動し、第1配線部分66paにワイヤを接合する。これにより、第1制御電源用リード86Bと第1制御電源用配線66Aとを繋ぐ第1制御電源用接続部材96Bが形成される。
【0173】
次に、ボンディング装置は、第2短絡検出用リード87Bのパッド部87pにワイヤを接合した後、ワイヤを引き出しながら第2駆動用配線62Bのうちの第1配線部分62qaの第1端部62qxまで移動し、第1端部62qxにワイヤを接合する。これにより、第2短絡検出用リード87Bと第2駆動用配線62Bとを繋ぐ第2短絡検出用接続部材97Bが形成される。
【0174】
次に、ボンディング装置は、第2制御用リード84Bのパッド部84pにワイヤを接合した後、ワイヤを引き出しながら第2制御用配線63Bのうちの第3配線部分63qcの第2部分63qyまで移動し、第2部分63qyにワイヤを接合する。これにより、第2制御用リード84Bと第2制御用配線63Bとを繋ぐ第2制御リード用接続部材94Bが形成される。
【0175】
次に、ボンディング装置は、第2制御電源用リード86Cのパッド部86pにワイヤを接合した後、ワイヤを引き出しながら第2制御電源用配線65Bまで移動し、第2制御電源用配線65Bにワイヤを接合する。これにより、第2制御電源用リード86Cと第2制御電源用配線65Bとを繋ぐ第2制御電源用接続部材96Cが形成される。
【0176】
次に、ボンディング装置は、第2制御用リード85Bのパッド部85pにワイヤを接合した後、ワイヤを引き出しながら第2制御用配線64Bの第3配線部分64qcまで移動し、第3配線部分64qcにワイヤを接合する。これにより、第2制御用リード85Bと第2制御用配線64Bとを繋ぐ第2制御リード用接続部材95Bが形成される。
【0177】
最後に、ボンディング装置は、第2制御電源用リード86Dのパッド部86pにワイヤを接合した後、ワイヤを引き出しながら第2制御電源用配線66Bの第1配線部分66qaまで移動し、第1配線部分66qaにワイヤを接合する。これにより、第2制御電源用リード86Dと第2制御電源用配線66Bとを繋ぐ第2制御電源用接続部材96Dが形成される。
【0178】
封止工程では、樹脂部材50を形成する。具体的には、例えば黒色のエポキシ樹脂を用いて、トランスファーモールドによって樹脂部材50が形成される。この場合、トランスファーモールドに用いられた金型は、第1制御側開口部58A、第2制御側開口部58B、第1駆動側開口部59A、及び第2駆動側開口部59Bを一体に形成する。また金型は、溝57A,57Bを一体に形成する。次に、第1駆動側開口部59Aに絶縁材71を充填し、第2駆動側開口部59Bに絶縁材72を充填する。絶縁材71,72には、シリコーン樹脂が用いられる。
【0179】
その後、リードフレーム切断工程及び端子形成工程を経て、半導体装置1Aが製造される。リードフレーム切断工程は、リードフレームから各制御用リード84A,84B,85A,85B、各制御電源用リード86A~86D、及び各短絡検出用リード87A,87Bを切断する工程である。端子形成工程は、各制御用リード84A,84B,85A,85B、各制御電源用リード86A~86D、及び各短絡検出用リード87A,87Bを折り曲げて端子部84t,85t,86t,87tを形成する工程である。
【0180】
なお、半導体素子実装工程は、支持基板準備工程よりも後、かつ導通基板準備工程よりも前に実施してもよい。また半導体素子実装工程は、基板接合工程の後、かつワイヤ形成工程の前に実施してもよい。導通基板準備工程は、支持基板準備工程よりも前に実施してもよい。
【0181】
ワイヤ形成工程において、駆動用接続部材91A,91B、各制御用接続部材92A,92B,93A,93B、各制御リード用接続部材94A,94B,95A,95B、各制御電源用接続部材96A~96D、及び各短絡検出用接続部材97A,97Bを形成する順番は任意に変更可能である。
【0182】
また、本実施形態では、導通基板準備工程において、各短絡検出回路3A,3Bを構成する各高耐圧ダイオード30A,30B、31A,31Bを導通基板60に実装したが、これに限られない。例えば、導通基板準備工程において、各高耐圧ダイオード30A,30B、31A,31Bを導通基板60に実装しなくてもよい。各高耐圧ダイオード30A,30B、31A,31Bは、封止工程の後に第1駆動側開口部59A及び第2駆動側開口部59Bによって実装されてもよい。この場合、絶縁材71は、各高耐圧ダイオード30A,30Bを導通基板60に実装した後に第1駆動側開口部59Aに充填する。絶縁材72は、各高耐圧ダイオード31A,31Bを導通基板60に実装した後に第2駆動側開口部59Bに充填する。また、各高耐圧ダイオード30A,30B、31A,31Bを実装しない状態で半導体装置1Aを出荷してもよい。この場合、半導体装置1Aを用いるユーザが、第1駆動側開口部59A及び第2駆動側開口部59Bによって各高耐圧ダイオード30A,30B,31A,31Bを導通基板60に実装する。
【0183】
また、本実施形態では、導通基板準備工程において、各サージ低減回路4A,4Bを構成する各低耐圧ダイオード32A,32B,34A,34B及び各コンデンサ33A,33B,35A,35Bを導通基板60に実装したが、これに限られない。例えば、導通基板準備工程において、各低耐圧ダイオード32A,32B,34A,34B及び各コンデンサ33A,33B,35A,35Bを導通基板60に実装しなくてもよい。各低耐圧ダイオード32A,32B,34A,34B及び各コンデンサ33A,33B,35A,35Bは、封止工程の後に第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bによって導通基板60に実装されてもよい。また、各低耐圧ダイオード32A,32B,34A,34B及び各コンデンサ33A,33B,35A,35Bを導通基板60に実装しない状態で半導体装置1Aを出荷してもよい。この場合、半導体装置1Aを用いるユーザが、第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bによって各低耐圧ダイオード32A,32B,34A,34B及び各コンデンサ33A,33B,35A,35Bを導通基板60に実装する。
【0184】
(作用)
本実施形態の半導体装置1Aの作用について説明する。
半導体装置1Aが各短絡検出回路3A,3Bを備えていないと仮定した場合、各半導体素子10A,10Bのドレイン電極11を半導体装置の外部に引き出す必要があり、ドレイン電極11は例えば短絡検出用リード87A,87Bに直接接続される。この場合、高圧端子となる各短絡検出用リード87A,87Bと、低圧端子となる各制御用リード84A,84B,85A,85B及び各制御電源用リード86A~86Dとの絶縁距離を確保するため、各短絡検出用リード87A,87Bと、各制御用リード84A,84B,85A,85B及び各制御電源用リード86A~86Dとの間隔を大きくする必要がある。また、半導体装置1Aの外部に短絡保護回路を構成する場合、すなわち半導体装置1Aが実装される制御基板に短絡保護回路が設けられる場合についても、制御基板における各短絡検出用リード87A,87Bに電気的に接続された配線と、各制御用リード84A,84B,85A,85B及び各制御電源用リード86A~86Dに電気的に接続された配線との絶縁距離を確保する必要がある。
【0185】
この点、本実施形態では、短絡検出回路における高圧端子の電圧を低圧端子の電圧に降圧するための高耐圧ダイオード30A,30B,31A,31Bが半導体装置1Aに内蔵されている。これにより、各第1半導体素子10Aのドレイン電極11の電圧は高耐圧ダイオード30A,30Bによって降圧された後に第1短絡検出用リード87Aから半導体装置1Aの外部に取り出され、各第2半導体素子10Bのドレイン電極11の電圧は高耐圧ダイオード31A,31Bによって降圧された後に第2短絡検出用リード87Bから半導体装置1Aの外部に取り出される。このため、半導体装置1Aにおいて、短絡検出用リード87A,87Bと、各制御用リード84A,84B,85A,85B、及び各制御電源用リード86A~86Dとの絶縁距離を確保する必要がない。つまり、各制御用リード84A,84B,85A,85B、及び各制御電源用リード86A~86Dの端子間隔で、短絡検出用リード87A,87Bを配置できる。また、制御基板において各短絡検出用リード87A,87Bに電気的に接続された配線は低電圧となるため、各短絡検出用リード87A,87Bに電気的に接続された配線と、各制御用リード84A,84B,85A,85B及び各制御電源用リード86A~86Dに電気的に接続された配線との絶縁距離を確保する必要がなくなる。その結果、制御基板における回路設計の自由度が向上する。
【0186】
また、一般的に、第1サージ低減回路4Aは各第1半導体素子10Aのゲート電極13の近くに配置することが好ましく、第2サージ低減回路4Bは各第2半導体素子10Bのゲート電極13の近くに配置することが好ましい。ここで、各サージ低減回路4A,4Bを半導体装置1Aの外部に配置したと仮定した場合、第1サージ低減回路4Aが各第1半導体素子10Aのゲート電極13に印加されるサージを低減する効果、及び第2サージ低減回路4Bが各第2半導体素子10Bのゲート電極13に印加されるサージを低減する効果がそれぞれ減少してしまう。この効果の減少を抑制するため、各サージ低減回路4A,4Bを半導体装置1Aの外部かつ各リード84A,84B,85A,85B,86A~86Dの端子部84t,85t,86tの近くに形成する場合、制御設計上、様々な制約が発生し、回路設計が困難なものになる。
【0187】
この点、本実施形態では、各サージ低減回路4A,4Bが半導体装置1Aに内蔵されているため、第1サージ低減回路4Aが各第1半導体素子10Aのゲート電極13の近くに配置されており、第2サージ低減回路4Bが各第2半導体素子10Bのゲート電極13の近くに配置されている。これにより、第1サージ低減回路4Aが各第1半導体素子10Aのゲート電極13に印加されるサージを低減する効果、及び第2サージ低減回路4Bが各第2半導体素子10Bのゲート電極13に印加されるサージを低減する効果がそれぞれ減少することを抑制できる。加えて、各サージ低減回路4A,4Bを半導体装置1Aの外部かつ各リード84A,84B,85A,85B,86A~86Dの端子部84t,85t,86tの近くに形成する必要がなくなるため、制御基板における回路設計が容易になる。
【0188】
ところで、半導体装置1Aを用いる種々の回路では、各回路の電気的特性に応じて必要となる各短絡検出回路3A,3B及び各サージ低減回路4A,4Bの電気的特性が異なる場合がある。したがって、各短絡検出回路3A,3Bの電気的特性及び各サージ低減回路4A,4Bの電気的特性をそれぞれ調整することが好ましい。しかし、各短絡検出回路3A,3B及び各サージ低減回路4A,4Bが単に半導体装置に内蔵されると、樹脂部材によって各短絡検出回路3A,3B及び各サージ低減回路4A,4Bをそれぞれ構成する電子部品を交換できないため、電気的特性を調整できない。
【0189】
そこで、本実施形態では、樹脂部材50には、第1配線領域70Aの一部を露出する第1制御側開口部58Aと、第2配線領域70Bの一部を露出する第2制御側開口部58Bとが設けられている。第1制御側開口部58Aには、第1低耐圧ダイオード32A,32B及び第1コンデンサ33A,33Bが露出している。第2制御側開口部58Bには、第2低耐圧ダイオード34A,34B及び第2コンデンサ35A,35Bが露出している。このように、第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bには電子部品が露出していることによって、その電子部品を取り替えることができる。このため、半導体装置1Aを適用する電気回路の電気的特性に対して半導体装置1Aの電気的特性が適したものとなるように、電子部品を含む電気回路の電気的特性を調整できる。
【0190】
また、各制御側開口部58A,58B及び各駆動側開口部59A,59Bが設けられることによって、各高耐圧ダイオード30A,30B,31A,31B、各低耐圧ダイオード32A,32B,34A,34B、及び各コンデンサ33A,33B,35A,35Bが導通基板60に予め実装された状態の半導体装置1Aと、各高耐圧ダイオード30A,30B,31A,31B、各低耐圧ダイオード32A,32B,34A,34B、及び各コンデンサ33A,33B,35A,35Bが導通基板60に実装されていない状態の半導体装置1Aとを、半導体装置1Aを用いるユーザのニーズに応じて変更して出荷することができる。
【0191】
(効果)
本実施形態の半導体装置1Aによれば、以下の効果が得られる。
(1-1)半導体装置1Aは、第1配線領域70A、第2配線領域70B、及び第3配線領域70Cを有する。第1配線領域70Aには、第1短絡検出回路3Aを構成するための第1駆動用配線62Aと第1高耐圧ダイオード30A,30Bとが設けられている。また、第1配線領域70Aには、第1サージ低減回路4Aを構成するための第1駆動用配線62A、第1制御用配線63A,64A、及び第1制御電源用配線65A,66Aと、第1低耐圧ダイオード32A,32B、及び第1コンデンサ33A,33Bとが設けられている。第2配線領域70Bには、第2サージ低減回路4Bを構成するための第2駆動用配線62B、第2制御用配線63B,64B、及び第2制御電源用配線65B,66Bと、第2低耐圧ダイオード34A,34B、及び第2コンデンサ35A,35Bとが設けられている。第3配線領域70Cには、第2短絡検出回路3Bを構成するための第2駆動用配線62Bと第2高耐圧ダイオード31A,31Bとが設けられている。このように、各短絡検出回路3A,3B及び各サージ低減回路4A,4Bが半導体装置1Aに内蔵されているため、各短絡検出回路3A,3B及び各サージ低減回路4A,4Bが半導体装置1Aの外部に設けられる構成と比較して、各短絡検出回路3A,3B及び各サージ低減回路4A,4Bと各半導体素子10A,10Bとの間の配線の長さを短くできる。したがって、半導体装置1Aのインダクタンスを低減できる。
【0192】
(1-2)短絡保護回路における高圧端子の電圧を低圧端子の電圧に降圧するための高耐圧ダイオード30A,30B,31A,31Bが半導体装置1Aに内蔵されている。これにより、各第1半導体素子10Aのドレイン電極11の電圧は高耐圧ダイオード30A,30Bによって降圧された後に第1短絡検出用リード87Aから半導体装置1Aの外部に取り出され、各第2半導体素子10Bのドレイン電極11の電圧は高耐圧ダイオード31A,31Bによって降圧された後に第2短絡検出用リード87Bから半導体装置1Aの外部に取り出される。このため、半導体装置1Aにおいて、短絡検出用リード87A,87Bと、各制御用リード84A,84B,85A,85B及び各制御電源用リード86A~86Dとの絶縁距離を確保する必要がない。したがって、各制御用リード84A,84B,85A,85B及び各制御電源用リード86A~86Dの端子間隔で、短絡検出用リード87A,87Bを配置できる。また、制御基板において各短絡検出用リード87A,87Bに電気的に接続された配線は低電圧となるため、各短絡検出用リード87A,87Bに電気的に接続された配線と、各制御用リード84A,84B,85A,85B及び各制御電源用リード86A~86Dに電気的に接続された配線との絶縁距離を確保する必要がなくなる。その結果、制御基板における回路設計の自由度が向上する。このため、使い勝手のよい半導体装置1Aを提供できる。
【0193】
(1-3)樹脂部材50には、第1駆動側開口部59A、第2駆動側開口部59B、第1制御側開口部58A、及び第2制御側開口部58Bが設けられている。第1駆動側開口部59Aは、第1高耐圧ダイオード30A,30Bと、第1駆動用配線62Aのうちの第1高耐圧ダイオード30A,30Bが実装される部分とを露出している。第2駆動側開口部59Bは、第2高耐圧ダイオード31A,31Bと、第2駆動用配線62Bのうちの第2高耐圧ダイオード31A,31Bが実装される部分とを露出している。第1制御側開口部58Aは、第1低耐圧ダイオード32A,32B及び第1コンデンサ33A,33Bと、第1駆動用配線62A、第1制御用配線63A、第1制御用配線64A、及び第1制御電源用配線65A,66Aのそれぞれのうちの第1低耐圧ダイオード32A,32B及び第1コンデンサ33A,33Bが実装される部分とを露出している。第2制御側開口部58Bは、第2低耐圧ダイオード34A,34B及び第2コンデンサ35A,35Bと、第2駆動用配線62B、第2制御用配線63B,64B、及び第2制御電源用配線65B,66Bのうちの第2低耐圧ダイオード34A,34B及び第2コンデンサ35A,35Bが実装される部分とを露出している。このように、樹脂部材50の形成後に、第1駆動側開口部59Aを介して、第1高耐圧ダイオード30A,30Bを取り替えることができるため、樹脂部材50の形成後に第1短絡検出回路3Aの電気的特性を調整できる。また、樹脂部材50の形成後に、第2駆動側開口部59Bを介して、第2高耐圧ダイオード31A,31Bを取り替えることができるため、樹脂部材50の形成後に第2短絡検出回路3Bの電気的特性を調整できる。また、樹脂部材50の形成後に、第1制御側開口部58Aを介して、第1低耐圧ダイオード32A,32B及び第1コンデンサ33A,33Bを取り替えることができるため、樹脂部材50の形成後に第1サージ低減回路4Aの電気的特性を調整できる。また、樹脂部材50の形成後に、第2制御側開口部58Bを介して、第2低耐圧ダイオード34A,34B及び第2コンデンサ35A,35Bを取り替えることができるため、樹脂部材50の形成後に第2サージ低減回路4Bの電気的特性を調整できる。
【0194】
(1-4)導通基板60は、第1配線領域70A、第2配線領域70B、及び第3配線領域70Cを有する。この構成によれば、導通基板60に形成された配線部によって、各短絡検出回路3A,3B及び各サージ低減回路4A,4Bの配線を形成するため、例えば各短絡検出回路3A,3B及び各サージ低減回路4A,4Bの配線を金属板のリードで形成する場合と比較して、各短絡検出回路3A,3B及び各サージ低減回路4A,4Bの配線を容易に形成できる。
【0195】
(1-5)第1駆動側開口部59Aは絶縁材71によって充填されており、第2駆動側開口部59Bは絶縁材72によって充填されている。この構成によれば、各短絡検出回路3A,3Bの短絡を抑制できる。
【0196】
(1-6)第1駆動側開口部59Aと第1制御側開口部58Aとは個別に設けられており、第2駆動側開口部59Bと第2制御側開口部58Bとは個別に設けられている。この構成によれば、各駆動側開口部59A,59Bのみに絶縁材71,72を充填できる。
【0197】
(1-7)第1半導体素子10Aは第1導電部材42Aに実装されており、第2半導体素子10Bは第2導電部材42Bに実装されている。この構成によれば、第1導電部材42Aを介して第1半導体素子10Aを効率よく放熱でき、第2導電部材42Bを介して第2半導体素子10Bを効率よく放熱できる。
【0198】
(1-8)第1半導体素子10Aは導通基板60の第1基板開口部61Aに収容されており、第2半導体素子10Bは導通基板60の第2基板開口部61Bに収容されている。この構成によれば、各半導体素子10A,10Bと導通基板60とを横方向X及び縦方向Yに重ねて配置できるため、半導体装置1Aを横方向X及び縦方向Yに小型化できる。
【0199】
(1-9)第1配線領域70Aは、導通基板60のうちの複数の第1半導体素子10Aと、第1制御用リード84A,85A、第1制御電源用リード86A,86B、及び第1短絡検出用リード87Aとの間に設けられている。この構成によれば、第1配線領域70Aに設けられた第1サージ低減回路4Aを構成する配線の長さが短くなるため、第1サージ低減回路4Aのインダクタンスを低減できる。また、第1配線領域70Aに設けられた第1短絡検出回路3Aを構成する配線の長さが短くなるため、第1短絡検出回路3Aのインダクタンスを低減できる。
【0200】
第2配線領域70Bは、導通基板60のうちの複数の第2半導体素子10Bと、第2制御用リード84B,85B、第2制御電源用リード86C,86D、及び第2短絡検出用リード87Bとの間に設けられている。この構成によれば、第2配線領域70Bに設けられた第2サージ低減回路4Bを構成する配線の長さが短くなるため、第2サージ低減回路4Bのインダクタンスを低減できる。
【0201】
(1-10)第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bは、横方向Xに離間した状態で並んで配置されている。この構成によれば、第1制御側開口部58Aが第1サージ低減回路4Aの第1低耐圧ダイオード32A,32B及び第1コンデンサ33A,33Bを露出し、第2制御側開口部58Bが第2サージ低減回路4Bの第2低耐圧ダイオード34A,34B及び第2コンデンサ35A,35Bを露出し、半導体装置1Aのうちの第1サージ低減回路4Aと第2サージ低減回路4Bとの横方向Xの間の部分を露出していない。すなわち、第1制御側開口部58Aは第1サージ低減回路4Aの電気的特性の調整に必要な部分のみ露出しており、第2制御側開口部58Bは第2サージ低減回路4Bの電気的特性の調整に必要な部分のみ露出している。このため、半導体装置1Aの内部に異物の進入のおそれを低減できる。
【0202】
(1-11)導通基板60は、多層導通基板である。この構成によれば、各半導体素子10A,10Bと複数のリード80とを電気的に接続するための配線部を多層に配線できるため、導通基板が1層の構成と比較して、導通基板60を横方向X及び縦方向Yに小型化できる。したがって、半導体装置1Aを横方向X及び縦方向Yに小型化できる。
【0203】
(1-12)第1短絡検出回路3Aを構成する配線部である第1駆動用配線62Aは導通基板60の最表層の基板である第5層基板60Fに形成されており、第2短絡検出回路3Bを構成する配線部である第2駆動用配線62Bは導通基板60の最表層の基板である第5層基板60Gに形成されている。この構成によれば、第1高耐圧ダイオード30A,30Bが第5層基板60Fに実装され、第2高耐圧ダイオード31A,31Bが第5層基板60Gに実装されるため、第1高耐圧ダイオード30A,30B及び第2高耐圧ダイオード31A,31Bをそれぞれ容易に取り替えることができる。したがって、第1短絡検出回路3A及び第2短絡検出回路3Bの電気的特性をそれぞれ容易に調整できる。
【0204】
第1サージ低減回路4Aを構成する配線部である第1制御用配線63A,64A、及び第1制御電源用配線65A,66Aはそれぞれ第5層基板60Fに形成されており、第2サージ低減回路4Bを構成する配線部である第2制御用配線63B,64B、及び第2制御電源用配線65B,66Bはそれぞれ第5層基板60Gに形成されている。この構成によれば、第1低耐圧ダイオード32A,32B及び第1コンデンサ33A,33Bが第5層基板60Fに実装され、第2低耐圧ダイオード34A,34B及び第2コンデンサ35A,35Bが第5層基板60Gに実装されるため、各低耐圧ダイオード32A,32B,34A,34B及び各コンデンサ33A,33B,35A,35Bをそれぞれ容易に取り替えることができる。したがって、第1サージ低減回路4A及び第2サージ低減回路4Bの電気的特性をそれぞれ容易に調整できる。
【0205】
(1-13)第1高耐圧ダイオード30A,30Bは、そのアノード電極とカソード電極とが横方向Xに沿って配列されるように導通基板60に実装されている。この構成によれば、導通基板60を縦方向Yに小型化できるため、半導体装置1Aを縦方向Yに小型化できる。
【0206】
また、第2高耐圧ダイオード31A,31Bは、そのアノード電極とカソード電極とが横方向Xに沿って配列されるように導通基板60に実装されている。この構成によれば、導通基板60を縦方向Yに小型化できるため、半導体装置1Aを縦方向Yに小型化できる。
【0207】
(1-14)第1低耐圧ダイオード32A,32Bは、そのアノード電極とカソード電極とが横方向Xに沿って配列されるように導通基板60に実装されている。この構成によれば、導通基板60を縦方向Yに小型化できるため、半導体装置1Aを縦方向Yに小型化できる。
【0208】
また、第2低耐圧ダイオード34A,34Bは、そのアノード電極とカソード電極とが横方向Xに沿って配列されるように導通基板60に実装されている。この構成によれば、導通基板60を縦方向Yに小型化できるため、半導体装置1Aを縦方向Yに小型化できる。
【0209】
(1-15)第1コンデンサ33A,33Bは、その第1端子と第2端子とが横方向Xに沿って配列されるように導通基板60に実装されている。この構成によれば、導通基板60を縦方向Yに小型化できるため、半導体装置1Aを縦方向Yに小型化できる。
【0210】
また、第2コンデンサ35A,35Aは、その第1端子と第2端子とが横方向Xに沿って配列されるように導通基板60に実装されている。この構成によれば、導通基板60を縦方向Yに小型化できるため、半導体装置1Aを縦方向Yに小型化できる。
【0211】
(1-16)第1制御用リード84Aのパッド部84p、第1制御用リード85Aのパッド部85p、第1制御電源用リード86Aのパッド部86p、第1制御電源用リード86Bのパッド部86p、及び第1短絡検出用リード87Aのパッド部87pはそれぞれ、第5層基板60Fと縦方向Yに隣り合うように配置されている。また、第1駆動用配線62A、第1制御用配線63A,64A、及び第1制御電源用配線65A,66Aはそれぞれ、第5層基板60Fのうちの樹脂部材50の第3樹脂側面53寄りの端部まで形成されている。この構成によれば、第1駆動用配線62Aと第1短絡検出用リード87Aのパッド部87pとを接続する第1短絡検出用接続部材97Aの長さを短くできる。また、第1制御用配線63Aと第1制御用リード84Aのパッド部84pとを接続する第1制御リード用接続部材94Aの長さを短くできる。また、第1制御用配線64Aと第1制御用リード85Aのパッド部85pとを接続する第1制御リード用接続部材95Aの長さを短くできる。また、第1制御電源用配線65Aと第1制御電源用リード86Aのパッド部86pとを接続する第1制御電源用接続部材96Aの長さを短くできる。また、第1制御電源用配線66Aと第1制御電源用リード86Bのパッド部86pとを接続する第1制御電源用接続部材96Bの長さを短くできる。したがって、各接続部材94A,95A,96A,96B,97Aに起因するインダクタンスを低減できる。
【0212】
また、第2制御用リード84Bのパッド部84p、第2制御用リード85Bのパッド部85p、第2制御電源用リード86Cのパッド部86p、第2制御電源用リード86Dのパッド部86p、及び第2短絡検出用リード87Bのパッド部87pはそれぞれ、第5層基板60Gと縦方向Yに隣り合うように配置されている。また、第2駆動用配線62B、第2制御用配線63B,64B、及び第2制御電源用配線65B,66Bはそれぞれ、第5層基板60Gのうちの樹脂部材50の第3樹脂側面53寄りの端部まで形成されている。この構成によれば、第2駆動用配線62Bと第2短絡検出用リード87Bのパッド部87pとを接続する第2短絡検出用接続部材97Bの長さを短くできる。また、第2制御用配線63Bと第2制御用リード84Bのパッド部84pとを接続する第2制御リード用接続部材94Bの長さを短くできる。また、第2制御用配線64Bと第2制御用リード85Bのパッド部85pとを接続する第2制御リード用接続部材95Bの長さを短くできる。また、第2制御電源用配線65Bと第2制御電源用リード86Cのパッド部86pとを接続する第2制御電源用接続部材96Cの長さを短くできる。また、第2制御電源用配線66Bと第2制御電源用リード86Dのパッド部86pとを接続する第2制御電源用接続部材96Dの長さを短くできる。したがって、各接続部材94B,95B,96C,96D,97Bに起因するインダクタンスを低減できる。
【0213】
[第2実施形態]
図15図19を参照して、第2実施形態の半導体装置1Bについて説明する。本実施形態の半導体装置1Bは、第1実施形態の半導体装置1Aと比較して、導通基板60の構成、及び複数のリード80のうちの一部の構成が異なる。以下の説明において、第1実施形態の半導体装置1Aと共通する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0214】
(半導体装置の構成)
図16に示すように、本実施形態の導通基板60の縦方向Yの長さは、第1実施形態の導通基板60の縦方向Yの長さよりも短い。具体的には、本実施形態の導通基板60は、第1実施形態の導通基板60の第1配線領域70Aの一部及び第2配線領域70Bが省略されている。本実施形態では、第1配線領域70Aの一部として、第1サージ低減回路4Aが形成される領域が導通基板60から省略されている。換言すれば、第1配線領域70Aの一部として第1サージ低減回路4Aが形成される領域は、導通基板60の外部に設けられている。一方、第1配線領域70Aの一部として第1短絡検出回路3Aが形成される領域は、導通基板60に設けられている。第2配線領域70Bは、導通基板60の外部に設けられている。このような導通基板60の構成によれば、第1導電部材42Aは、導通基板60に対して樹脂部材50の第3樹脂側面53側に突出している。そしてその突出した部分に第1配線領域70Aの一部として第1サージ低減回路4Aが形成されている。また、第2導電部材42Bは、導通基板60に対して第3樹脂側面53側に突出している。そしてその突出した部分に第2配線領域70Bが形成されている。
【0215】
図17に示すように、導通基板60の第5層基板60Fに形成された第1駆動用配線62Aは、第1実施形態の第1駆動用配線62Aと比較して、第4配線部分62pdの形状が異なる。具体的には、本実施形態の第4配線部分62pdは、第1実施形態の第4配線部分62pdの第2部分62pzを有していない。本実施形態の第4配線部分62pdは、縦方向Yに沿って延びている。第4配線部分62pdの縦方向Yの長さは、第3配線部分62pcの縦方向Yの長さよりも長い。また、上述のように第1サージ低減回路4Aが導通基板60の外部に設けられているため、導通基板60には、各低耐圧ダイオード32A,32B,34A,34B、及び各コンデンサ33A,33B,35A,35Bが実装されていない。すなわち、各低耐圧ダイオード32A,32B,34A,34B、及び各コンデンサ33A,33B,35A,35Bは、導通基板60の外部に配置されている。
【0216】
第5層基板60Fに形成された第1制御用配線63A,64Aは、第1実施形態の第1制御用配線63A,64Aと異なる。
具体的には、図16及び図17に示すように、本実施形態の第1制御用配線63Aは、第1実施形態の第1制御用配線63Aの第2配線部分63pb及び第3配線部分63pcを有していない。本実施形態の第1制御用配線63Aは、横方向Xにおいて各第1半導体素子10Aよりも樹脂部材50の第1樹脂側面51寄りに各第1半導体素子10Aと隣り合うように配置されている。第1制御用配線63Aは、縦方向Yに沿って延びている。第1制御用配線63Aは、縦方向Yにおいて各第1半導体素子10Aのうちの最も樹脂部材50の第3樹脂側面53寄りの第1半導体素子10Aよりも第3樹脂側面53側まで延びている。
【0217】
本実施形態の第1制御用配線64Aは、第1実施形態の第1制御用配線64Aの第2配線部分64pb及び第3配線部分64pcを有していない。本実施形態の第1制御用配線64Aは、横方向Xにおいて第1制御用配線63Aに対して各第1半導体素子10A側とは反対側に第1制御用配線63Aと隣り合うように配置されている。第1制御用配線64Aは、縦方向Yに沿って延びている。第1制御用配線64Aの縦方向Yの長さは、第1制御用配線63Aの縦方向Yの長さと等しい。第1制御用配線64Aの横方向Xの幅は、第1制御用配線63Aの横方向Xの幅と等しい。
【0218】
図16及び図18に示すように、導通基板60の第5層基板60Gに形成された第2駆動用配線62Bは、第1実施形態の第2駆動用配線62Bと比較して、第1配線部分62qaの縦方向Yの長さが短くなった点が異なる。
【0219】
第5層基板60Gに形成された第2制御用配線63B,64Bは、第1実施形態の第2制御用配線63B,64Bと異なる。
具体的には、本実施形態の第2制御用配線63Bは、第1実施形態の第2制御用配線63Bの第2配線部分63qb及び第3配線部分63qcを有していない。本実施形態の第2制御用配線63Bは、横方向Xにおいて各第2半導体素子10Bよりも樹脂部材50の第2樹脂側面52寄りであって、各第2半導体素子10Bと隣り合うように配置されている。第2制御用配線63Bは、縦方向Yに沿って延びている。第2制御用配線63Bは、縦方向Yからみて、各第2半導体素子10Bのうちの最も第4樹脂側面54寄りの第2半導体素子10Bと重なる位置から最も第3樹脂側面53寄りの第2半導体素子10Bと重なる位置まで延びている。
【0220】
本実施形態の第2制御用配線64Bは、第1実施形態の第2制御用配線64Bの第2配線部分64qb及び第3配線部分64qcを有していない。本実施形態の第2制御用配線64Bは、横方向Xにおいて第2制御用配線63Bに対して各第2半導体素子10B側とは反対側に第2制御用配線63Bと隣り合うように配置されている。第2制御用配線64Bは、縦方向Yに沿って延びている。第2制御用配線64Bの縦方向Yの長さは、第2制御用配線63Bの縦方向Yの長さと等しい。第2制御用配線64Bの横方向Xの幅は、第2制御用配線63Bの横方向Xの幅と等しい。
【0221】
このように各制御用配線63A,63B,64A,64Bの形状が変更されたことによって、各制御用配線63A,63B,64A,64Bと、各制御用リード84A,84B,85A,85Bのパッド部84p,85p、各制御電源用リード86A~86Dのパッド部86p、及び各短絡検出用リード87A,87Bのパッド部87pとの相対的な位置関係が異なる。具体的には、図17に示すように、横方向Xにおいて、第1制御用リード84Aのパッド部84p、第1制御用リード85Aのパッド部85p、第1制御電源用リード86Aのパッド部86p、第1制御電源用リード86Bのパッド部86p、及び第1短絡検出用リード87Aのパッド部87pはそれぞれ、第1制御用配線63A,64Aよりも第2樹脂側面52寄りに配置されている。また図18に示すように、横方向Xにおいて、第2制御用リード84Bのパッド部84p、第2制御用リード85Bのパッド部85p、第2制御電源用リード86Cのパッド部86p、第2制御電源用リード86Dのパッド部86p、及び第2短絡検出用リード87Bのパッド部87pはそれぞれ、第2制御用配線63B,64Bよりも第1樹脂側面51(図16参照)寄りに配置されている。
【0222】
図15図18に示すように、本実施形態の各制御用リード84A,84B,85A,85B、各制御電源用リード86A~86D、及び各短絡検出用リード87A,87Bの構成はそれぞれ、第1実施形態の各制御用リード84A,84B,85A,85B、各制御電源用リード86A~86D、及び各短絡検出用リード87A,87Bの構成と異なる。本実施形態の各制御用リード84A,84B,85A,85B、各制御電源用リード86A~86D、及び各短絡検出用リード87A,87Bはそれぞれ、第1配線領域70A及び第2配線領域70Bに形成された回路を構成する配線部を有する。このため、本実施形態では、各制御用リード84A,84B,85A,85B、各制御電源用リード86A~86D、及び各短絡検出用リード87A,87Bがそれぞれ導電体を構成している。そして、各制御用リード84A,84B,85A,85B、各制御電源用リード86A~86D、及び各短絡検出用リード87A,87Bのそれぞれが第1配線領域70A及び第2配線領域70Bに配置される部分が、電子部品が実装される実装領域となる。ここで、第1配線領域70Aに形成された回路は第1サージ低減回路4Aであり、第2配線領域70Bに形成された回路は第2サージ低減回路4Bである。
【0223】
具体的には、図17に示すように、第1制御用リード84Aは、縦方向Yにおいて第1制御用リード84Aのパッド部84pから導通基板60に向けて延びる第1配線部100と、第1配線部100から導通基板60に向けて延びる第2配線部101とを有する。本実施形態では、第1制御用リード84Aは、第1配線部100、第2配線部101、パッド部84p、及び端子部84tが一体形成された単一部品である。第1配線部100は、パッド部84pから第1導電部材42Aの主面42saのうちの第3樹脂側面53寄りの端部まで延びている。第1配線部100の横方向Xの幅は、パッド部84pの横方向Xの幅よりも小さい。第2配線部101は、その全体が第1導電部材42Aの主面42sa上に配置されている。平面視において第2配線部101の形状は、L字状である。第2配線部101は、第1部分101a及び第2部分101bを有する。第1部分101aは、第1配線部100から縦方向Yに沿って延びる部分である。第2部分101bは、第1部分101aから横方向Xに沿って延びる部分である。第2部分101bは、横方向Xにおいて第1樹脂側面51側に向けて延びている。第2部分101bの縦方向Yの幅は、第1部分101aの横方向Xの幅よりも大きい。縦方向Yからみて、第2部分101bは、第1半導体素子10Aと重なるように配置されている。縦方向Yからみて、第2部分101bは、第1制御電源用リード86Aのパッド部86pと重なるように配置されている。また、第1制御用リード84Aは、横方向Xにおいて第1制御用配線63Aよりも第2樹脂側面52寄りに配置されている。
【0224】
第1制御用リード84Aと第1制御用配線63Aとは、第1制御用接続部材140Aによって接続されている。具体的には、第1制御用接続部材140Aは、第1制御用リード84Aのうちの第2部分101bのうちの縦方向Yの導通基板60寄りの端部と、縦方向Yにおける第1制御用配線63Aのうちの第3樹脂側面53寄りの端部とに接続されている。第1制御用接続部材140Aは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0225】
第1制御用リード85Aは、縦方向Yにおいて第1制御用リード85Aのパッド部85pから導通基板60に向けて延びる第1配線部110と、第1配線部110から導通基板60に向けて延びる第2配線部111とを有する。本実施形態では、第1制御用リード85Aは、第1配線部110、第2配線部111、パッド部85p、及び端子部85tが一体形成された単一部品である。第1配線部110は、パッド部85pから第1導電部材42Aの主面42saのうちの第3樹脂側面53寄りの端部まで延びている。第1配線部110は、導通基板60側に向かうにつれて第1樹脂側面51側に向けて斜めに延びている。第2配線部111は、第1導電部材42Aの主面42sa上に配置されている。平面視において第2配線部111の形状は、L字状である。第2配線部111は、第1部分111a及び第2部分111bを有する。第1部分111aは、第1配線部110から縦方向Yに沿って延びる部分である。第2部分111bは、第1部分111aから横方向Xに沿って延びる部分である。第2部分111bの先端部は、第1導電部材42Aから横方向Xに向けて突出している。第2部分111bは、縦方向Yにおいて第1制御用リード84Aの第2配線部101の第2部分101bと揃った状態で第2部分101bに対して横方向Xに間隔をあけて配置されている。第2部分111bは、第1制御用リード84Aの第2部分101bと横方向Xに隣り合うように配置されている。縦方向Yからみて、第2部分111bは、第1制御用配線63A及び第1制御用配線64Aと重なっている。
【0226】
第1制御用リード85Aと第1制御用配線64Aとは、第1制御用接続部材141Aによって接続されている。具体的には、第1制御用接続部材141Aは、第1制御用リード85Aの第2部分111bの先端部と、縦方向Yにおける第1制御用配線64Aのうちの第3樹脂側面53寄りの端部とに接続されている。第1制御用接続部材141Aは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0227】
第1制御電源用リード86Aは、縦方向Yにおいて第1制御電源用リード86Aのパッド部86pから導通基板60に向けて延びる第1配線部120と、第1配線部120から導通基板60に向けて延びる第2配線部121とを有する。本実施形態では、第1制御電源用リード86Aは、第1配線部120、第2配線部121、パッド部86p、及び端子部86tが一体形成された単一部品である。第1配線部120は、パッド部86pから第1導電部材42Aの主面42saのうちの第3樹脂側面53寄りの端部まで延びている。第1配線部120は、導通基板60側に向かうにつれて第1樹脂側面51側に向けて斜めに延びている。第2配線部121は、その全体が第1導電部材42Aの主面42sa上となるように配置されている。平面視において第2配線部121の形状は、特に限定されないが、正方形である。第2配線部121は、横方向Xにおいて第1制御用リード84Aの第1配線部100と第1制御用リード85Aの第1配線部110との間に配置されている。第2配線部121は、縦方向Yにおいて第1制御用リード84Aの第2配線部101よりもパッド部86p寄りに配置されている。第2配線部121の横方向Xの幅は、第1配線部120の幅(平面視において第1配線部120が延びる方向と直交する方向の寸法)よりも大きい。
【0228】
第1制御電源用リード86Bは、縦方向Yにおいて第1制御電源用リード86Bのパッド部86pから導通基板60に向けて延びる第1配線部122と、第1配線部122から導通基板60に向けて延びる第2配線部123とを有する。本実施形態では、第1制御電源用リード86Bは、第1配線部122、第2配線部123、パッド部86p、及び端子部86tが一体形成された単一部品である。第1配線部122は、パッド部86pから第1導電部材42Aの主面42saのうちの第3樹脂側面53寄りの端部まで延びている。第1配線部122は、導通基板60側に向かうにつれて第1樹脂側面51側に向けて斜めに延びている。第1配線部122のうちの第2配線部123寄りの端部の一部は、第1導電部材42Aよりも第1樹脂側面51側に突出している。第2配線部123は、第1配線部122から縦方向Yに沿って延びている。第2配線部123は、縦方向Yにおいて第1制御用リード85Aの第2配線部111の第2部分111bよりもパッド部86p寄りに配置されている。
【0229】
第1短絡検出用リード87Aは、縦方向Yにおいて第1短絡検出用リード87Aのパッド部87pから導通基板60に向けて延びる第1配線部130と、第1配線部130から導通基板60に向けて延びる第2配線部131とを有する。本実施形態では、第1短絡検出用リード87Aは、第1配線部130、第2配線部131、パッド部87p、及び端子部87tが一体形成された単一部品である。第1配線部130及び第2配線部131はともに縦方向Yに沿って延びている。第1配線部130は、パッド部87pから第1導電部材42Aの主面42saのうちの第3樹脂側面53寄りの端部まで延びている。第2配線部131は、その全体が第1導電部材42Aの主面42sa上に配置されている。第2配線部131の横方向Xの幅は、第1配線部130の横方向Xの幅よりも大きい。第2配線部131は、横方向Xにおいて、第1駆動用配線62Aの第4配線部分62pdよりも第2樹脂側面52(図16参照)寄りに配置されている。本実施形態では、第2配線部131は、縦方向Yからみて、第1駆動用配線62Aの第1配線部分62pa及び第3配線部分62pcと重なっている。
【0230】
第1短絡検出用リード87Aと第1駆動用配線62Aとは、第1短絡検出用接続部材142Aによって接続されている。具体的には、第1短絡検出用接続部材142Aは、第1短絡検出用リード87Aの第2配線部131のうちの導通基板60寄りの端部と、第1駆動用配線62Aの第4配線部分62pdのうちの第3樹脂側面53寄りの端部とに接続されている。第1短絡検出用接続部材142Aは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。第1短絡検出用接続部材142Aは、第4配線部分62pdのうちの第1高耐圧ダイオード30Bよりも第3樹脂側面53寄りの部分に接続されている。
【0231】
第1制御用リード84A,85A、及び第1制御電源用リード86A,86Bには、第1サージ低減回路4Aを構成する第1低耐圧ダイオード32A,32B及び第1コンデンサ33A,33Bが実装されている。このため、本実施形態では、第1制御用リード84A,85A、及び第1制御電源用リード86A,86Bは、第1サージ低減回路4Aを構成する導電路(配線部)となる。
【0232】
第1制御用リード84Aと第1制御用リード85Aとには、第1低耐圧ダイオード32Aが実装されている。具体的には、第1低耐圧ダイオード32Aの第1端子は、第1制御用リード84Aの第2配線部101のうちの第2部分101bに接続されている。第1低耐圧ダイオード32Aの第2端子は、第1制御電源用リード86Aのうちの第2配線部121に接続されている。
【0233】
第1制御用リード84Aと第1制御電源用リード86Aとには、第1低耐圧ダイオード32Bが電気的に接続されるように構成されている。具体的には、第1制御電源用リード86Aは、第1低耐圧ダイオード32Bが実装されるランド部123aと、ランド部123aと第1制御電源用リード86Aの第2配線部123とを接続する配線接続部材128とを有する。ランド部123a及び第2配線部123は個別に設けられている。ランド部123aは、第2配線部123から離間して配置されている。より詳細には、ランド部123aは、縦方向Yにおいて、第2配線部123よりも第4樹脂側面54寄り(第1半導体素子10A寄り)に配置されている。横方向Xからみて、ランド部123aは、第1制御用リード84Aの第2配線部101の第2部分101bと第1制御用リード85Aの第2配線部111の第2部分111bとに重なるように配置されている。横方向Xにおいて、ランド部123aは、第1制御用リード84Aの第2配線部101の第2部分101bと第1制御用リード85Aの第2配線部111の第2部分111bとの間に配置されている。平面視において、配線接続部材128は、第1樹脂側面51に向かうにつれて第3樹脂側面53に向けて斜めに延びている。配線接続部材128は、第1制御用リード85Aの第2配線部111を跨ぐように形成されている。第1低耐圧ダイオード32Bのアノード電極は、第1制御用リード84Aの第2配線部101のうちの第2部分101bに接続されている。第1低耐圧ダイオード32Bのカソード電極は、ランド部123aに接続されている。このように、第1低耐圧ダイオード32A,32Bは、第1制御電源用リード86Aと第1制御電源用リード86Bとの間で第1制御用リード84Aを介して直列接続されている。
【0234】
第1制御電源用リード86Aと第1制御用リード85Aとには、第1コンデンサ33Aが実装されている。具体的には、第1コンデンサ33Aの第1端子は、第1制御電源用リード86Aの第2配線部121に接続されている。第1コンデンサ33Aの第2端子は、第1制御用リード85Aの第2配線部111のうちの第1部分111aに接続されている。
【0235】
第1制御用リード85Aと第1制御電源用リード86Bとには、第1コンデンサ33Bが実装されている。具体的には、第1コンデンサ33Bの第1端子は、第1制御用リード85Aのうちの第2配線部111の第1部分111aに接続されている。第1コンデンサ33Bの第2端子は、第1制御電源用リード86Bの第2配線部123に接続されている。このように、第1コンデンサ33A,33Bは、第1制御電源用リード86Aと第1制御電源用リード86Bとの間で第1制御用リード85Aを介して直列接続されている。
【0236】
図18に示すように、第2制御用リード84Bは、縦方向Yにおいて第2制御用リード84Bのパッド部84pから導通基板60に向けて延びる第1配線部102と、第1配線部102から導通基板60に向けて延びる第2配線部103と、第2配線部103から分岐して横方向Xに沿って延びる第3配線部104とを有する。本実施形態では、第2制御用リード84Bは、第1配線部102、第2配線部103、第3配線部104、パッド部84p、及び端子部84tが一体形成された単一部品である。第1配線部102は、パッド部84pから第2導電部材42Bの主面42sbのうちの第3樹脂側面53寄りの端部まで延びている。第1配線部102は、導通基板60に向かうにつれて樹脂部材50の第2樹脂側面52に向けて斜めに延びている。第1配線部102の幅(平面視において第1配線部102が延びる方向と直交する方向の寸法)は、パッド部84pの横方向Xの幅よりも小さい。第2配線部103は、その全体が第2導電部材42Bの主面42sb上に配置されている。平面視において第2配線部103の形状は、L字状である。第2配線部103は、第1部分103a及び第2部分103bを有する。第1部分103aは、第1配線部102から縦方向Yに沿って延びる部分である。第2部分103bは、第1部分103aの導通基板60寄りの端部から横方向Xに沿って延びる部分である。第2部分103bは、横方向Xにおいて第2樹脂側面52側に向けて延びている。第1部分103aの横方向Xの幅は、第2部分103bの縦方向Yの幅よりも大きい。第2部分103bは、縦方向Yからみて、第2制御用配線63Bと重なる位置まで延びている。第3配線部104は、縦方向Yにおいて第2配線部103の第2部分103bよりもパッド部84p(第3樹脂側面53)寄りに配置されている。第3配線部104は、第2配線部103の第1部分103aから第2樹脂側面52側に向けて横方向Xに沿って延びている。第3配線部104は、縦方向Yにおいて第2部分103bと間隔をあけて第2部分103bと隣り合うように配置されている。
【0237】
第2制御用リード84Bと第2制御用配線63Bとは、第2制御用接続部材140Bによって接続されている。具体的には、第2制御用接続部材140Bは、第2制御用リード84Bのうちの第2配線部103の第2部分103bにおける第2樹脂側面52寄りの端部と、第2制御用配線63Bのうちの縦方向Yの第3樹脂側面53寄りの端部とに接続されている。第2制御用接続部材140Bは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0238】
第2制御用リード85Bは、縦方向Yにおいて第2制御用リード85Bのパッド部85pから導通基板60に向けて延びる第1配線部112と、第1配線部112から導通基板60に向けて延びる第2配線部113とを有する。本実施形態では、第1配線部112、第2配線部113、パッド部85p、及び端子部85tが一体形成された単一部品である。第1配線部112は、パッド部85pから第2導電部材42Bの主面42sbのうちの第3樹脂側面53寄りの端部まで延びている。第1配線部112は、導通基板60側に向かうにつれて第2樹脂側面52側に向けて斜めに延びている。第2配線部113は、その全体が第2導電部材42Bの主面42sb上に位置するように配置されている。平面視において第2配線部113の形状は、L字状である。第2配線部113は、第1部分113a及び第2部分113bを有する。第1部分113aは、第1配線部112から縦方向Yに沿って延びる部分である。第2部分113bは、第1部分113aから第2樹脂側面52に向けて横方向Xに沿って延びる部分である。第2部分113bは、縦方向Yにおいて第2制御用リード84Bの第3配線部104と揃った状態で第3配線部104に対して横方向Xに間隔をあけて配置されている。第2部分113bは、第2制御用リード84Bの第3配線部104と横方向Xに隣り合うように配置されている。縦方向Yからみて、第2部分113bは、第2制御用配線63B及び第2制御用配線64Bと重なっている。
【0239】
第2制御用リード85Bと第2制御用配線64Bとは、第2制御用接続部材141Bによって接続されている。具体的には、第2制御用接続部材141Bは、第2制御用リード85Bの第2部分113bと、第2制御用配線64Bのうちの縦方向Yの第3樹脂側面53寄りの端部とに接続されている。第2制御用接続部材141Bは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0240】
第2制御電源用リード86Cは、縦方向Yにおいて第2制御電源用リード86Cのパッド部86pから導通基板60に向けて延びる第1配線部124と、第1配線部124から導通基板60に向けて延びる第2配線部125とを有する。本実施形態では、第2制御電源用リード86Cは、第1配線部124、第2配線部125、パッド部86p、及び端子部86tが一体形成された単一部品である。第1配線部124は、パッド部86pから第2導電部材42Bの主面42sbのうちの第3樹脂側面53寄りの端部まで延びている。第1配線部124は、導通基板60側に向かうにつれて第2樹脂側面52側に向けて斜めに延びている。第2配線部125は、その全体が第2導電部材42Bの主面42sb上に位置するように配置されている。平面視において第2配線部125の形状は、特に限定されないが、正方形である。第2配線部125は、横方向Xにおいて第2制御用リード84Bの第1配線部102と第2制御用リード85Bの第1配線部112との間に配置されている。第2配線部125は、縦方向Yにおいて第2制御用リード84Bの第3配線部104よりもパッド部86p寄りに配置されている。第2配線部125の横方向Xの幅は、第1配線部124の幅(平面視において第1配線部124が延びる方向と直交する方向の寸法)よりも大きい。
【0241】
第2制御電源用リード86Dは、縦方向Yにおいて第2制御電源用リード86Dのパッド部86pから導通基板60に向けて延びる第1配線部126と、第1配線部126から導通基板60に向けて延びる第2配線部127とを有する。本実施形態では、第2制御電源用リード86Dは、第1配線部126、第2配線部127、パッド部86p、及び端子部86tが一体形成された単一部品である。第1配線部126は、パッド部86pから第2導電部材42Bの主面42sbのうちの第3樹脂側面53寄りの端部まで延びている。第1配線部126は、導通基板60側に向かうにつれて第2樹脂側面52側に向けて斜めに延びている。第2配線部127は、その全体が第2導電部材42Bの主面42sb上に位置するように配置されている。第2配線部127は、第1配線部126から縦方向Yに沿って延びている。第2配線部127は、縦方向Yにおいて第2制御用リード85Bの第2配線部113の第2部分113bよりもパッド部86p寄りに配置されている。第2配線部127は、横方向Xにおいて第2制御用リード85Bの第2配線部113の第1部分113aよりも第2樹脂側面52寄りに第1部分113aと横方向Xに間隔をあけて配置されている。
【0242】
第2短絡検出用リード87Bは、縦方向Yにおいて第2短絡検出用リード87Bのパッド部87pから導通基板60に向けて延びる第1配線部132と、第1配線部132から導通基板60に向けて延びる第2配線部133とを有する。本実施形態では、第2短絡検出用リード87Bは、第1配線部132、第2配線部133、パッド部87p、及び端子部87tが一体形成された単一部品である。第1配線部132及び第2配線部133はともに縦方向Yに沿って延びている。第1配線部132は、パッド部87pから第2導電部材42Bの主面42sbのうちの第3樹脂側面53寄りの端部まで延びている。第2配線部133は、その全体が第2導電部材42Bの主面42sb上に配置されている。第2配線部133の横方向Xの幅は、第1配線部132の横方向Xの幅よりも大きい。第2配線部133は、横方向Xからみて、第2駆動用配線62Bの第1配線部分62paと重なるように配置されている。
【0243】
第2短絡検出用リード87Bと第2駆動用配線62Bとは、第2短絡検出用接続部材142Bによって接続されている。具体的には、第2短絡検出用接続部材142Bは、第2短絡検出用リード87Bの第2配線部133のうちの導通基板60寄りの端部と、第2駆動用配線62Bの第1配線部分62paのうちの第3樹脂側面53寄りの端部とに接続されている。第2短絡検出用接続部材142Bは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0244】
第2制御用リード84B,85B、及び第2制御電源用リード86C,86Dには、第2サージ低減回路4Bを構成する第2低耐圧ダイオード34A,34B及び第2コンデンサ35A,35Bが実装されている。このため、本実施形態では、第2制御用リード84B、第2制御用リード85B、及び第2制御電源用リード86C,86Dは、第2サージ低減回路4Bを構成する導電路(配線部)となる。
【0245】
第2制御用リード84Bと第2制御電源用リード86Cとには、第2低耐圧ダイオード34Aが実装されている。具体的には、第2低耐圧ダイオード34Aのアノード電極は、第2制御用リード84Bの第2配線部103のうちの第1部分103aに接続されている。第2低耐圧ダイオード34Aのカソード電極は、第2制御電源用リード86Cの第2配線部125に接続されている。
【0246】
第2制御用リード84Bと第2制御電源用リード86Dとには、第2低耐圧ダイオード34Bが電気的に接続されるように構成されている。具体的には、第2制御電源用リード86Dは、第2低耐圧ダイオード34Bが実装されるランド部127aと、ランド部127aと第2制御電源用リード86Dの第2配線部127とを接続する配線接続部材129とを有する。ランド部127aは、縦方向Yにおいて、第2配線部127よりも第4樹脂側面54寄り(第2半導体素子10B寄り)に配置されている。横方向Xからみて、ランド部127aは、第2制御用リード84Bの第3配線部104と第2制御用リード85Bの第2配線部113の第2部分113bとに重なるように配置されている。横方向Xにおいて、ランド部127aは、第2制御用リード84Bの第3配線部104と第2制御用リード85Bの第2配線部113の第2部分113bとの間に配置されている。平面視において、配線接続部材129は、第2樹脂側面52に向かうにつれて第3樹脂側面53に向けて斜めに延びている。配線接続部材129は、第2制御用リード85Bの第2配線部113を跨ぐように形成されている。第2低耐圧ダイオード34Bのカソード電極は、第2制御用リード84Bのうちの第3配線部104の先端部に接続されている。第2低耐圧ダイオード34Bのアノード電極は、第2制御電源用リード86Dのランド部127aに接続されている。このように、第2低耐圧ダイオード34A,34Bは、第2制御電源用リード86Cと第2制御電源用リード86Dとの間で第2制御用リード84Bを介して直列接続されている。
【0247】
第2制御電源用リード86Cと第2制御用リード85Bとには、第2コンデンサ35Aが実装されている。具体的には、第2コンデンサ35Aの第1端子は、第2制御電源用リード86Cの第2配線部125に接続されている。第2コンデンサ35Aの第2端子は、第2制御用リード85Bの第2配線部113のうちの第1部分113aに接続されている。
【0248】
第2制御用リード85Bと第2制御電源用リード86Dとには、第2コンデンサ35Bが実装されている。具体的には、第2コンデンサ35Bの第1端子は、第2制御用リード85Bの第2配線部113のうちの第1部分113aに接続されている。第2コンデンサ35Bの第2端子は、第2制御電源用リード86Dの第2配線部127に接続されている。このように、第2コンデンサ35A,35Bは、第2制御電源用リード86Cと第2制御電源用リード86Dとの間で第2制御用リード85Bを介して直列接続されている。
【0249】
図15に示すように、樹脂部材50には、第1制御側開口部58A、第2制御側開口部58B、第1駆動側開口部59A、及び第2駆動側開口部59Bが形成されている。なお、第1駆動側開口部59A及び第2駆動側開口部59Bは、第1実施形態の第1駆動側開口部59A及び第2駆動側開口部59Bと同じである。第1制御側開口部58Aと第2制御側開口部58Bとは個別に設けられている。平面視において、第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bは、樹脂部材50の一辺に沿う方向において、互いに離間した状態で並んで配置されている。第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bは、横方向Xにおいて、互いに離間した状態で並んで配置されている。
【0250】
第1制御側開口部58Aは、導通基板60(第5層基板60F)よりも縦方向Yの第3樹脂側面53寄りの部分を露出している。第1制御側開口部58Aは、第1導電部材42Aのうちの導通基板60から第3樹脂側面53側に突出した部分を露出している。より詳細には、第1制御側開口部58Aは、第1実施形態の第1制御側開口部58Aと同様に、第1半導体素子10Aに電気的に接続された第1サージ低減回路4Aを露出している。第1制御側開口部58Aは、第1制御用リード84A,85A、及び第1制御電源用リード86A,86Bのそれぞれの一部と、第1低耐圧ダイオード32A,32B、第1コンデンサ33A,33B、及び第1導電部材42Aの一部を露出している。本実施形態では、第1制御側開口部58Aは、第1短絡検出用リード87Aを露出していない。平面視における第1制御側開口部58Aの形状は、特に限定されないが、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。また、第1制御側開口部58Aの内部は空隙である。
【0251】
第2制御側開口部58Bは、導通基板60(第5層基板60G)よりも縦方向Yの第3樹脂側面53寄りの部分を露出している。第2制御側開口部58Bは、第2導電部材42Bのうちの導通基板60から第3樹脂側面53側に突出した部分を露出している。より詳細には、第2制御側開口部58Bは、第1実施形態の第2制御側開口部58Bと同様に、第2半導体素子10Bに電気的に接続された第2サージ低減回路4Bを露出している。第2制御側開口部58Bは、第2制御用リード84B,85B、及び第2制御電源用リード86C,86Dのそれぞれの一部と、第2低耐圧ダイオード34A,34B、第2コンデンサ35A,35B、及び第2導電部材42Bの一部を露出している。本実施形態では、第2制御側開口部58Bは、第2短絡検出用リード87Bを露出していない。平面視における第2制御側開口部58Bの形状は、特に限定されないが、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。また、第2制御側開口部58Bの内部は空隙である。
【0252】
(製造方法)
図19に示すように、本実施形態の半導体装置1Bの製造方法は、支持基板準備工程(ステップS21)、リード接合工程(ステップS22)、電子部品実装工程(ステップS23)、半導体素子実装工程(ステップS24)、導通基板準備工程(ステップS25)、基板接合工程(ステップS26)、ワイヤ形成工程(ステップS27)、及び封止工程(ステップS28)を有する。支持基板準備工程、リード接合工程、電子部品実装工程、半導体素子実装工程、導通基板準備工程、基板接合工程、ワイヤ形成工程、及び封止工程の順に実施することによって、半導体装置1Bが製造される。
【0253】
支持基板準備工程では、第1実施形態の支持基板準備工程と同様に、第1絶縁基板41Aに第1導電部材42Aを接合し、第2絶縁基板41Bに第2導電部材42Bを接合する。
【0254】
リード接合工程では、リードフレームを第1導電部材42Aの主面42sa及び第2導電部材42Bの主面42sbに例えば電気的絶縁性を有する接合材を用いて接合する。このリードフレームには、各制御用リード84A,84B,85A,85B、各制御電源用リード86A~86D、及び各短絡検出用リード87A,87Bの構成要素が形成されている。
【0255】
電子部品実装工程では、各制御用リード84A,84B,85A,85B、各制御電源用リード86A~86D、及び各短絡検出用リード87A,87Bに各低耐圧ダイオード32A,32B、34A,34B、及び各コンデンサ33A,33B,35A,35Bが銀ペーストや半田などの導電性接合材を用いて実装される。
【0256】
半導体素子実装工程では、第1実施形態の半導体素子実装工程と同様に、各第1半導体素子10Aのドレイン電極11と第1導電部材42Aの主面42saとを接合し、各第2半導体素子10Bのドレイン電極11と第2導電部材42Bの主面42sbとを接合する。
【0257】
導通基板準備工程では、第1実施形態の配線準備工程と同様に、導通基板60と各入力リード81,82及び出力リード83との組立体を製造する。そして、導通基板60の第5層基板60Fに第1高耐圧ダイオード30A,30Bを実装し、第5層基板60Gに第2高耐圧ダイオード31A,31Bを実装する。一方、導通基板準備工程では、第1実施形態の配線準備工程とは異なり、各低耐圧ダイオード32A,32B、34A,34B、及び各コンデンサ33A,33B,35A,35Bを導通基板60に実装しない。
【0258】
基板接合工程では、第1実施形態の基板接合工程と同様に、導通基板60と各入力リード81,82及び出力リード83との組立体を第1導電部材42A及び第2導電部材42Bに接合する。
【0259】
ワイヤ形成工程では、ボンディング装置によって各駆動用接続部材91A,91B、各制御用接続部材92A,92B、及び各制御用接続部材93A,93Bが第1実施形態と同様に形成される。
【0260】
ワイヤ形成工程では、ボンディング装置は、第1制御用リード85Aの第2配線部111の第2部分111bにワイヤを接合した後、ワイヤを引き出しながら第1制御用配線64Aまで移動し、第1制御用配線64Aにワイヤを接合する。これにより、第1制御用リード85Aと第1制御用配線64Aとを繋ぐ第1制御用接続部材141Aが形成される。
【0261】
次に、ボンディング装置は、第1制御用リード84Aの第2配線部101の第2部分101bにワイヤを接合した後、ワイヤを引き出しながら第1制御用配線63Aまで移動し、第1制御用配線63Aにワイヤを接合する。これにより、第1制御用リード84Aと第1制御用配線63Aとを繋ぐ第1制御用接続部材140Aが形成される。
【0262】
次に、ボンディング装置は、第1短絡検出用リード87Aの第2配線部131にワイヤを接合した後、ワイヤを引き出しながら第1駆動用配線62Aの第4配線部分62pdまで移動し、第4配線部分62pdにワイヤを接合する。これにより、第1短絡検出用リード87Aと第1駆動用配線62Aとを繋ぐ第1短絡検出用接続部材142Aが形成される。
【0263】
次に、ボンディング装置は、第2短絡検出用リード87Bの第2配線部133にワイヤを接合した後、ワイヤを引き出しながら第2駆動用配線62Bの第1配線部分62qaまで移動し、第1配線部分62qaにワイヤを接合する。これにより、第2短絡検出用リード87Bと第2駆動用配線62Bとを繋ぐ第2短絡検出用接続部材142Bが形成される。
【0264】
次に、ボンディング装置は、第2制御用リード84Bの第2配線部103の第2部分103bにワイヤを接合した後、ワイヤを引き出しながら第2制御用配線63Bまで移動し、第2制御用配線63Bにワイヤを接合する。これにより、第2制御用リード84Bと第2制御用配線63Bとを繋ぐ第2制御用接続部材140Bが形成される。
【0265】
最後に、ボンディング装置は、第2制御用リード85Bの第2配線部113の第2部分113bにワイヤを接合した後、ワイヤを引き出しながら第2制御用配線64Bまで移動し、第2制御用配線64Bにワイヤを接合する。これにより、第2制御用リード85Bと第2制御用配線64Bとを繋ぐ第2制御用接続部材141Bが形成される。
【0266】
封止工程では、第1実施形態の封止工程と同様に、樹脂部材50を形成する。この工程において、各制御側開口部58A,58B及び各駆動側開口部59A,59Bが形成される。その後、第1実施形態と同様にリードフレーム切断工程及びリード形成工程を経て、半導体装置1Bが製造される。
【0267】
なお、ワイヤ形成工程において、各駆動用接続部材91A,91B、各制御用接続部材92A,92B,93A,93B、各制御用接続部材140A,140B,141A,141B、及び各短絡検出用接続部材142A,142Bが形成される順番は任意に変更可能である。
【0268】
また、本実施形態では、導通基板準備工程において、各短絡検出回路3A,3Bを構成する各高耐圧ダイオード30A,30B、31A,31Bを導通基板60に実装したが、これに限られない。例えば、導通基板準備工程において、各高耐圧ダイオード30A,30B、31A,31Bを導通基板60に実装しなくてもよい。各高耐圧ダイオード30A,30B、31A,31Bは、封止工程の後に第1駆動側開口部59A及び第2駆動側開口部59Bによって実装されてもよい。この場合、絶縁材71は、各高耐圧ダイオード30A,30Bを導通基板60に実装した後に第1駆動側開口部59Aに充填する。絶縁材72は、各高耐圧ダイオード31A,31Bを導通基板60に実装した後に第2駆動側開口部59Bに充填する。また、各高耐圧ダイオード30A,30B,31A,31Bを導通基板60に実装しない状態で半導体装置1Bを出荷してもよい。この場合、半導体装置1Bを用いるユーザが、各高耐圧ダイオード30A,30B,31A,31Bを第1駆動側開口部59A及び第2駆動側開口部59Bによって導通基板60に実装する。
【0269】
また、本実施形態では、電子部品工程が封止工程の前に実施されているが、これに限られない。例えば、電子部品工程は、封止工程の後に実施されてもよい。また半導体装置1Bの製造方法から電子部品工程を省略してもよい。この場合、半導体装置1Bの出荷後、半導体装置1Bを用いるユーザが、各低耐圧ダイオード32A,32B,34A,34B及び各コンデンサ33A,33B,35A,35Bを導通基板60に実装しなくてもよい。各低耐圧ダイオード32A,32B,34A,34B及び各コンデンサ33A,33B,35A,35Bを第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bによって導通基板60に実装する。
【0270】
本実施形態の半導体装置1Bによれば、第1実施形態の半導体装置1Aと同様の効果に加え、以下の効果が得られる。
(2-1)第1低耐圧ダイオード32A,32B及び第1コンデンサ33A,33Bは、第1制御用リード84A,85A、及び第1制御電源用リード86A,86Bに直接的に接続されている。この構成によれば、第1制御電源用リード86A,86Bと導通基板60とを接続する接続部材(ワイヤ)を省略できる。したがって、接続部材の本数を減らすことができ、接続部材に起因する半導体装置1Bのインダクタンスを低減できる。
【0271】
第2低耐圧ダイオード34A,34B及び第2コンデンサ35A,35Bは、第2制御用リード84B,85B、第2制御電源用リード86C、及び第2制御電源用リード86Dに直接的に接続されている。この構成によれば、第2制御電源用リード86C及び第2制御電源用リード86Dと導通基板60とを接続する接続部材(ワイヤ)を省略できる。したがって、接続部材の本数を減らすことができ、接続部材に起因する半導体装置1Bのインダクタンスを低減できる。
【0272】
(2-2)第1制御用接続部材140Aは、第1制御用配線63Aのうちの樹脂部材50の第3樹脂側面53寄りの端部と、第1制御用リード84Aのうちの導通基板60寄りの端部とに接続されている。このため、第1制御用接続部材140Aの長さが短くなるため、第1制御用接続部材140Aに起因するインダクタンスを低減できる。
【0273】
第2制御用接続部材140Bは、第2制御用配線63Bのうちの第3樹脂側面53寄りの端部と、第2制御用リード84Bのうちの導通基板60寄りかつ第2樹脂側面52寄りの端部とに接続されている。このため、第2制御用接続部材140Bの長さが短くなるため、第2制御用接続部材140Bに起因するインダクタンスを低減できる。
【0274】
(2-3)第1制御用接続部材141Aは、第1制御用配線64Aのうちの第3樹脂側面53寄りの端部と、第1制御用リード85Aのうちの導通基板60寄りの端部とに接続されている。このため、第1制御用接続部材141Aの長さが短くなるため、第1制御用接続部材141Aに起因するインダクタンスを低減できる。
【0275】
第2制御用接続部材141Bは、第2制御用配線64Bのうちの第3樹脂側面53寄りの端部と、第2制御用リード85Bのうちの導通基板60寄りかつ第2樹脂側面52寄りの端部とに接続されている。このため、第2制御用接続部材141Bの長さが短くなるため、第2制御用接続部材141Bに起因するインダクタンスを低減できる。
【0276】
(2-4)各サージ低減回路4A,4Bの導電路(配線部)を構成する各リード84A,84B,85A,85B,86A~86Dは、配線部、パッド部、及び端子部が一体形成された単一部品である。この構成によれば、例えば配線部とパッド部とがワイヤで接続される場合と比較して、各サージ低減回路4A,4Bから各リードの端子部までの間のインダクタンスを低減できる。
【0277】
[第3実施形態]
図20図24を参照して、第3実施形態の半導体装置1Cについて説明する。本実施形態の半導体装置1Cは、第1実施形態の半導体装置1Aと比較して、複数の端子20、導通基板60の配線部、及び回路構成が異なる。以下の説明において、第1実施形態の半導体装置1Aと共通する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0278】
(半導体装置の回路構成)
図24に示すように、半導体装置1Cの複数の端子20は、第1実施形態の半導体装置1Aの複数の端子20と比較して、第1制御電力端子25Aに代えて、第1インターフェース端子27Aを備え、第2制御電力端子25Cに代えて、第2インターフェース端子27Bを備える点が異なる。
【0279】
第1インターフェース端子27Aには、下側アームのスイッチング回路がオン状態時に、第1制御端子23Aに供給される制御信号がオフ状態を保つように、半導体装置1Cの外部に設けられたゲートドライブ回路(図示略)から信号が供給される。
【0280】
第2インターフェース端子27Bには、上側アームのスイッチング回路がオン状態時に、第2制御端子23Bに供給される制御信号がオフ状態を保つように、半導体装置1Cの外部に設けられたゲートドライブ回路から信号が供給される。
【0281】
第1半導体素子10Aと第2半導体素子10Bとの接続構成は、第1実施形態の第1半導体素子10Aと第2半導体素子10Bとの接続構成と同じである。また、半導体装置1Cは、各高耐圧ダイオード30A,30B,31A,31B、各低耐圧ダイオード32A,32B、34A,34B、及び各コンデンサ33A,33B,35A,35Bに代えて、第1低耐圧ダイオード36A,36B、第2低耐圧ダイオード37A,37B、第1抵抗38A,第1抵抗38B、第2抵抗38C、第2抵抗38D、第1スイッチング素子39A、及び第2スイッチング素子39Bが実装可能なように構成されている。以下、各低耐圧ダイオード36A,36B,37A,37B、各抵抗38A~38D、及び各スイッチング素子39A,39Bを備えている状態の半導体装置1Cについて説明する。
【0282】
本実施形態では、第1半導体素子10Aのゲートソース間において、互いに逆直列に接続された第1低耐圧ダイオード36A,36Bによって、第1半導体素子10Aのゲート電極13に発生するサージ電圧を吸収する第1サージ吸収回路5Aを構成している。より詳細には、第1低耐圧ダイオード36Aのカソード電極は、第1半導体素子10Aのゲート電極13に電気的に接続されている。第1低耐圧ダイオード36Aのアノード電極は、第1低耐圧ダイオード36Bのアノード電極と電気的に接続されている。第1低耐圧ダイオード36Bのカソード電極は、第1半導体素子10Aのソース電極12に電気的に接続されている。第1低耐圧ダイオード36A,36Bはそれぞれ、ショットキーバリアダイオードが用いられている。
【0283】
また、第1半導体素子10Aのゲート電極13に電気的に接続される第1スイッチング素子39Aと、第1抵抗38A及び第1抵抗38Bとによって、第1半導体素子10Aを駆動させるための第1インターフェース回路6Aを構成している。より詳細には、第1スイッチング素子39Aは、例えばMOSFETが用いられている。第1スイッチング素子39Aのドレイン電極39dは、第1半導体素子10Aのゲート電極13に電気的に接続されている。第1スイッチング素子39Aのソース電極39sは、第1制御電力端子25Bに電気的に接続されている。第1スイッチング素子39Aのゲート電極39gは、第1インターフェース端子27Aに電気的に接続されている。
【0284】
第1抵抗38Aは、第1インターフェース端子27Aと第1スイッチング素子39Aのゲート電極39gとの間に設けられている。第1抵抗38Aの第1端子は第1インターフェース端子27Aに接続されており、第2端子は第1スイッチング素子39Aのゲート電極39gに接続されている。第1抵抗38Bは、第1スイッチング素子39Aのゲートソース間に設けられている。第1抵抗38Bの第1端子は第1インターフェース端子27A及び第1抵抗38Aの第1端子に接続されており、第2端子は第1スイッチング素子39Aのソース電極39sに接続されている。
【0285】
本実施形態では、第2半導体素子10Bのゲートソース間において、互いに逆直列に接続された第2低耐圧ダイオード34A,34Bによって、第2半導体素子10Bのゲート電極13に発生するサージ電圧を吸収する第2サージ吸収回路5Bを構成している。より詳細には、第2低耐圧ダイオード34Aのカソード電極は、第2半導体素子10Bのゲート電極13に電気的に接続されている。第2低耐圧ダイオード34Aのアノード電極は、第2低耐圧ダイオード34Bのアノード電極と電気的に接続されている。第2低耐圧ダイオード34Bのカソード電極は、第2半導体素子10Bのソース電極12に電気的に接続されている。第2低耐圧ダイオード34A,34Bはそれぞれ、ショットキーバリアダイオードが用いられている。
【0286】
また、第2半導体素子10Bのゲート電極13に電気的に接続される第2スイッチング素子39Bと、第2抵抗38C及び第2抵抗38Dとによって、第2半導体素子10Bを駆動させるための第2インターフェース回路6Bを構成している。より詳細には、第2スイッチング素子39Bは、例えばMOSFETが用いられている。第2スイッチング素子39Bのドレイン電極39dは、第2半導体素子10Bのゲート電極13に電気的に接続されている。第2スイッチング素子39Bのソース電極39sは、第2制御電力端子25Dに電気的に接続されている。第2スイッチング素子39Bのゲート電極39gは、第2インターフェース端子27Bに電気的に接続されている。
【0287】
第2抵抗38Cは、第2インターフェース端子27Bと第2スイッチング素子39Bのゲート電極39gとの間に設けられている。第2抵抗38Cの第1端子は第2インターフェース端子27Bに接続され、第2端子は第2スイッチング素子39Bのゲート電極39gに接続されている。第2抵抗38Dは、第2スイッチング素子39Bのゲートソース間に設けられている。第2抵抗38Dの第1端子は第2インターフェース端子27B及び第2抵抗38Cの第1端子に接続され、第2端子は第2スイッチング素子39Bのソース電極39sに接続されている。
【0288】
(半導体装置の構成)
図20図23に示すように、本実施形態の半導体装置1Cは、第1実施形態の半導体装置1Aと比較して、複数のリード80の配列態様、第1配線領域70Aの一部、及び第2配線領域70Bが異なる。
【0289】
半導体装置1Cは、第1配線領域70Aの縦方向Yの隣に配置されたリード80として、第1制御用リード84A、第1制御用リード85A、第1制御電源用リード86B、第1インターフェース用リード88A、及び第1短絡検出用リード87Aを備える。横方向Xにおいて各入力リード81,82から出力リード83に向けて、第1制御用リード85A、第1制御用リード84A、第1インターフェース用リード88A、第1制御電源用リード86B、及び第1短絡検出用リード87Aの順に配列されている。第1インターフェース用リード88Aは、例えば第1制御用リード85Aと同じ形状である。第1インターフェース用リード88Aは、パッド部88pと端子部88tとを有する。本実施形態では、第1インターフェース用リード88Aは、パッド部88pと端子部88tとが一体形成された単一部品である。パッド部88pには、パッド部88pを厚さ方向Zに貫通する貫通孔88hが設けられている。貫通孔88hには、樹脂部材50の一部が入り込んでいる。
【0290】
半導体装置1Cは、第2配線領域70Bの縦方向Yの隣に配置されたリード80として、第2制御用リード84B、第2制御用リード85B、第2制御電源用リード86D、第2インターフェース用リード88B、及び第2短絡検出用リード87Bを備える。横方向Xにおいて出力リード83から各入力リード81,82に向けて、第2制御用リード85B、第2制御用リード84B、第2制御電源用リード86D、第2インターフェース用リード88B、及び第2短絡検出用リード87Bの順に配列されている。第2インターフェース用リード88Bは、例えば第2制御用リード85Bと同じ形状である。第2インターフェース用リード88Bは、パッド部88pと端子部88tとを有する。本実施形態では、第2インターフェース用リード88Bは、パッド部88pと端子部88tとが一体形成された単一部品である。パッド部88pには、パッド部88pを厚さ方向Zに貫通する貫通孔88hが設けられている。貫通孔88hには、樹脂部材50の一部が入り込んでいる。
【0291】
第1駆動用配線62Aのうちの第1配線部分62pa、第2配線部分62pb、第3配線部分62pc、及び第4配線部分62pdの第1部分62pyは、第1実施形態の第1駆動用配線62Aと同じである。第1駆動用配線62Aのうちの第4配線部分62pdの第2部分62pzが第1実施形態の第1駆動用配線62Aと異なる。具体的には、第2部分62pzのうちの横方向Xに沿って延びる部分の横方向Xの長さが第1実施形態の第2部分62pzのうちの横方向Xに沿って延びる部分の横方向Xの長さよりも長い。このため、第2部分62pzのうちの縦方向Yに沿って延びる部分が横方向Xにおいて第5層基板60Fのうちの出力リード83寄りの端部に配置されている。このため、縦方向Yからみて、第2部分62pzのうちの縦方向Yに沿って延びる部分は、第1駆動用配線62Aの第1配線部分62paと重なるように配置されている。
【0292】
第1駆動用配線62Aと第1短絡検出用リード87Aとは、第1短絡検出用接続部材97Aによって電気的に接続されている。第1短絡検出用接続部材97Aは、第1駆動用配線62Aのうちの第4配線部分62pdの第2部分62pzにおける縦方向Yの第3樹脂側面53寄りの端部と、第1短絡検出用リード87Aのパッド部87pとに接続されている。
【0293】
第1制御用配線63Aのうちの第1配線部分63pa及び第2配線部分63pbは、第1実施形態の第1制御用配線63Aと同じである。第1制御用配線63Aの第3配線部分63pcが第1実施形態の第1制御用配線63Aと異なる。具体的には、第3配線部分63pcは、第2配線部分63pbから縦方向Yの第3樹脂側面53側に向けて縦方向Yに沿って延びている。
【0294】
第1制御用配線63Aと第1制御用リード84Aとは、第1制御リード用接続部材94Aによって電気的に接続されている。第1制御リード用接続部材94Aは、第1制御用配線63Aのうちの第3配線部分63pcにおける縦方向Yの第3樹脂側面53寄りの端部と、第1制御用リード84Aのパッド部84pとに接続されている。
【0295】
第1制御用配線64Aは、第1実施形態の第1制御用配線64Aと比較して、第2配線部分64pb及び第3配線部分64pcを有していない。第1制御用配線64Aは、縦方向Yに沿って延びている。第1制御用配線64Aの縦方向Yの長さは、第1実施形態の第1制御用配線64Aにおける第1配線部分64paの縦方向Yの長さよりも長い。
【0296】
第1制御用配線64Aと第1制御用リード85Aとは、第1制御リード用接続部材95Aによって電気的に接続されている。第1制御リード用接続部材95Aは、第1制御用配線64Aのうちの縦方向Yの第3樹脂側面53寄りの端部と、第1制御用リード85Aのパッド部85pとに接続されている。
【0297】
平面視における第1制御電源用配線66Aの形状は、L字状である。第2制御電源用配線66Bは、第1配線部分66pa及び第2配線部分66pbを有する。第1配線部分66paは、第5層基板60Fのうちの縦方向Yの第3樹脂側面53寄りの端部から第1半導体素子10Aに向けて縦方向Yに沿って延びている。第1配線部分66paは、第1駆動用配線62Aの第4配線部分62pdの第2部分62pzよりも第1樹脂側面51寄りに配置されている。第2配線部分66pbは、第1配線部分66paのうちの縦方向Yの第1半導体素子10A寄りの端部から横方向Xに沿って延びている。第2配線部分66pbは、第1樹脂側面51に向けて延びている。第2配線部分66pbは、第1駆動用配線62Aの第4配線部分62pdの第1部分62pyよりも横方向Xの第3樹脂側面53寄りに配置されている。第2配線部分66pbの先端部は、第1制御用配線63Aの第3配線部分63pcと横方向Xに近接している。
【0298】
第1制御電源用配線66Aと第1制御電源用リード86Bとは、第1制御電源用接続部材96Bによって電気的に接続されている。第1制御電源用接続部材96Bは、第1制御電源用配線66Aの第1配線部分66paのうちの縦方向Yの第3樹脂側面53寄りの端部と、第1制御電源用リード86Bのパッド部86pとに接続されている。
【0299】
第1インターフェース用配線68Aは、横方向Xにおいて第1制御電源用配線66Aの第1配線部分66paと、第1制御用配線63Aの第3配線部分63pcとの間に配置されている。また、第1インターフェース用配線68Aは、縦方向Yにおいて第1制御電源用配線66Aの第2配線部分66pbよりも第3樹脂側面53寄りに配置されている。第1インターフェース用配線68Aは、縦方向Yに延びている。
【0300】
第1インターフェース用配線68Aと第1インターフェース用リード88Aとは、第1インターフェース用接続部材98Aによって接続されている。第1インターフェース用接続部材98Aは、第1インターフェース用配線68Aのうちの縦方向Yの第3樹脂側面53寄りの端部と、第1インターフェース用リード88Aのパッド部88pとに接続されている。第1インターフェース用接続部材98Aは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0301】
第1制御用配線63Aの第3配線部分63pcと第1制御用配線64Aとの横方向Xの間には、第1中継配線69Aが設けられている。第1中継配線69Aは、縦方向Yに沿って延びている。
【0302】
第1制御用配線63Aの第3配線部分63pcと第2制御電源用配線66Bとの横方向Xの間には、第2中継配線69Bが設けられている。平面視における第2中継配線69Bの形状は、L字状である。第2中継配線69Bは、縦方向Yに延びる第1配線部分69paと、横方向Xに延びる第2配線部分69pbとを有する。第2配線部分69pbは、第1配線部分69paのうちの縦方向Yの第1半導体素子10A寄りの端部から出力リード83側に向けて延びている。
【0303】
第1制御用配線63A、第1制御用配線64A、及び第1中継配線69Aには、第1サージ吸収回路5Aを構成する第1低耐圧ダイオード36A,36Bが実装されている。
第1低耐圧ダイオード36A,36Bは、第1制御用配線63Aと第1制御用配線64Aとの間において第1中継配線69Aを介して逆直列に接続されている。より詳細には、第1低耐圧ダイオード36Aのカソード電極は、第1制御用配線63Aの第3配線部分63pcに接続されている。第1低耐圧ダイオード36Aのアノード電極は、第1中継配線69Aに接続されている。第1低耐圧ダイオード36Bのアノード電極は、第1中継配線69Aに接続されている。第1低耐圧ダイオード36Bのカソード電極は、第1制御用配線64Aに接続されている。
【0304】
本実施形態では、アノード電極とカソード電極とが横方向Xに沿って配列されるように第1低耐圧ダイオード36Aが配置されている。また、アノード電極とカソード電極とが横方向Xに沿って配列されるように第1低耐圧ダイオード36Bが配置されている。加えて、第1低耐圧ダイオード36Aと第1低耐圧ダイオード36Bとは、縦方向Yに揃った状態で横方向Xにおいて離間するように配列されている。
【0305】
第1制御用配線63A、第2制御電源用配線66B、第1インターフェース用配線68A、及び第2中継配線69Bには、第1インターフェース回路6Aを構成する第1抵抗38A,38B、及び第1スイッチング素子39Aが実装されている。
【0306】
第1スイッチング素子39Aは、第1制御用配線63Aと、第2制御電源用配線66Bと、第2中継配線69Bとに電気的に接続されている。より詳細には、第1スイッチング素子39Aのドレイン電極39dは、第1制御用配線63Aの第3配線部分63pcに接続されている。第1スイッチング素子39Aのソース電極39sは、第2制御電源用配線66Bのうちの第2配線部分66pbに接続されている。第1スイッチング素子39Aのゲート電極39gは、第2中継配線69Bに接続されている。本実施形態では、第1スイッチング素子39Aは、第1低耐圧ダイオード36A,36B、第1抵抗38A、及び第1抵抗38Bよりも第1半導体素子10A寄りに配置されている。
【0307】
第1抵抗38A及び第1抵抗38Bは、第2制御電源用配線66Bと第2中継配線69Bとの間において第1インターフェース用配線68Aを介して接続されている。第1抵抗38Aの第1端子は、第2中継配線69Bに接続されている。第1抵抗38Aの第2端子は、第1インターフェース用配線68Aに接続されている。第1抵抗38Bの第1端子は、第1インターフェース用配線68Aに接続されている。第1抵抗38Bの第2端子は、第2制御電源用配線66Bの第1配線部分66paに接続されている。
【0308】
本実施形態では、第1端子と第2端子とが横方向Xに沿って配列されるように第1抵抗38Aが配置されている。また、第1端子と第2端子とが横方向Xに沿って配列されるように第1抵抗38Bが配置されている。加えて、第1抵抗38Aと第1抵抗38Bとは、縦方向Yに揃った状態で横方向Xにおいて離間して配列されている。
【0309】
第2駆動用配線62Bは、第1実施形態の第2駆動用配線62Bと同じである。第2短絡検出用接続部材97Bは、第1実施形態と同様に、第2駆動用配線62Bと第2短絡検出用リード87Bとに接続されている。
【0310】
第2制御用配線63Bのうちの第1配線部分63qaは、第1実施形態の第1制御用配線63Aと同じである。本実施形態の第2制御用配線63Bでは、第1実施形態の第1制御用配線63Aの第2配線部分63qb及び第3配線部分63qcが省略される代わりに、第4配線部分63qdが追加されている。平面視における第4配線部分63qdの形状は、L字状である。第4配線部分63qdは、第1部分63qv及び第2部分63qwを有する。第1部分63qvは、第1配線部分63qaのうちの縦方向Yの第3樹脂側面53寄りの端部から横方向Xの各入力リード81,82側に延びている。第2部分63qwは、第1部分63qvの横方向Xの各入力リード81,82寄りの端部から縦方向Yの第3樹脂側面53側に延びている。
【0311】
第2制御用配線63Bと第2制御用リード84Bとは、第2制御リード用接続部材94Bによって電気的に接続されている。第2制御リード用接続部材94Bは、第2制御用配線63Bのうちの第4配線部分63qdの第2部分63qwにおける縦方向Yの第3樹脂側面53寄りの端部と、第2制御用リード84Bのパッド部84pとに接続されている。
【0312】
第2制御用配線64Bは、第1実施形態の第2制御用配線64Bと比較して、第2配線部分64qb及び第3配線部分64qcを有していない。第2制御用配線64Bは、縦方向Yに沿って延びている。第2制御用配線64Bの縦方向Yの長さは、第1実施形態の第2制御用配線64Bにおける第1配線部分64qaの縦方向Yの長さよりも長い。
【0313】
第2制御用配線64Bと第2制御用リード85Bとは、第2制御リード用接続部材95Bによって電気的に接続されている。第2制御リード用接続部材95Bは、第2制御用配線64Bのうちの縦方向Yの第3樹脂側面53寄りの端部と、第2制御用リード85Bのパッド部85pとに接続されている。
【0314】
第2制御電源用配線66D及び第2インターフェース用配線68Bはそれぞれ、第2駆動用配線62Bの第1配線部分62qaと、第2制御用配線63Bの第4配線部分63qdの第2部分63qwとの横方向Xの間に配置されている。第2制御電源用配線66Dは、横方向Xにおいて第2制御用配線63Bの第2部分63qw寄りに配置されている。第2インターフェース用配線68Bは、横方向Xにおいて第2駆動用配線62Bの第1配線部分62qa寄りに配置されている。第2制御電源用配線66D及び第2インターフェース用配線68Bはそれぞれ、縦方向Yに延びている。
【0315】
第2制御電源用配線66Dと第2制御電源用リード86Dとは、第2制御電源用接続部材96Dによって電気的に接続されている。第2制御電源用接続部材96Dは、第2制御電源用配線66Dのうちの縦方向Yの第3樹脂側面53寄りの端部と、第2制御電源用リード86Dのパッド部86pとに接続されている。
【0316】
第2インターフェース用配線68Bと第2インターフェース用リード88Bとは、第2インターフェース用接続部材98Bによって電気的に接続されている。第2インターフェース用接続部材98Bは、第2インターフェース用配線68Bのうちの縦方向Yの第3樹脂側面53寄りの端部と第2インターフェース用リード88Bのパッド部88pとに接続されている。第2インターフェース用接続部材98Bは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0317】
縦方向Yにおいて第2制御電源用配線66D及び第2インターフェース用配線68Bと第2半導体素子10Bとの間には、第3中継配線69Cが設けられている。第3中継配線69Cは、横方向Xに沿って延びている。縦方向Yからみて、第3中継配線69Cは、第2制御電源用配線66D及び第2インターフェース用配線68Bに重なっている。
【0318】
縦方向Yにおいて第2制御用配線63Bの第4配線部分63qdのうちの第2部分63qwと第2制御用配線64Bとの間には、第4中継配線69Dが設けられている。第4中継配線69Dは、縦方向Yに延びている。第4中継配線69Dは、第2制御用配線63Bの第4配線部分63qdのうちの第1部分63qvよりも縦方向Yの第3樹脂側面53寄りに配置されている。
【0319】
第2制御用配線63B、第2制御用配線64B、及び第4中継配線69Dには、第2サージ吸収回路5Bを構成する第2低耐圧ダイオード37A,37Bが実装されている。
第2低耐圧ダイオード37A,37Bは、第2制御用配線63Bと第2制御用配線64Bとの間において第4中継配線69Dを介して逆直列に接続されている。より詳細には、第2低耐圧ダイオード37Aのカソード電極は、第2制御用配線63Bの第4配線部分63qdの第2部分63qwに接続されている。第2低耐圧ダイオード37Bのアノード電極は、第4中継配線69Dに接続されている。第2低耐圧ダイオード37Bのアノード電極は、第4中継配線69Dに接続されている。第2低耐圧ダイオード37Bのカソード電極は、第2制御用配線64Bに接続されている。
【0320】
本実施形態では、アノード電極とカソード電極とが横方向Xに沿って配列されるように第2低耐圧ダイオード37Aが配置されている。また、アノード電極とカソード電極とが横方向Xに沿って配列されるように第2低耐圧ダイオード37Bが配置されている。加えて、第2低耐圧ダイオード37Aと第2低耐圧ダイオード37Bとは、縦方向Yに揃った状態で横方向Xにおいて離間して配列されている。
【0321】
第2制御用配線63B、第2制御電源用配線66D、第2インターフェース用配線68B、及び第3中継配線69Cには、第2インターフェース回路6Bを構成する第2抵抗38C,38D、及び第2スイッチング素子39Bが実装されている。
【0322】
第2スイッチング素子39Bは、第2制御用配線63Bと、第2制御電源用配線66Dと、第3中継配線69Cとに電気的に接続されている。より詳細には、第2スイッチング素子39Bのドレイン電極39dは、第2制御用配線63Bの第4配線部分63qdに接続されている。第2スイッチング素子39Bのソース電極39sは、第2制御電源用配線66Dに接続されている。第2スイッチング素子39Bのゲート電極39gは、第3中継配線69Cに接続されている。
【0323】
本実施形態では、第2スイッチング素子39Bは、第2低耐圧ダイオード37A,37B及び第2抵抗38Dよりも第2半導体素子10B寄りに配置されている。横方向Xからみて、第2スイッチング素子39Bは、第2抵抗38Cと重なっている。
【0324】
第2抵抗38C,38Dは、第2制御電源用配線66D、第3中継配線69C、及び第2インターフェース用配線68Bに接続されている。第2抵抗38Cの第1端子は、第3中継配線69Cに接続されている。第2抵抗38Cの第2端子は、第2インターフェース用配線68Bに接続されている。第2抵抗38Dの第1端子は、第2インターフェース用配線68Bに接続されている。第2抵抗38Dの第2端子は、第2制御電源用配線66Dに接続されている。
【0325】
本実施形態では、第1端子と第2端子とが縦方向Yに沿って配列されるように第2抵抗38Cが配置されている。また、第1端子と第2端子とが横方向Xに沿って配列されるように第2抵抗38Dが配置されている。第2抵抗38Cは、第2抵抗38Dよりも第2半導体素子10B寄りに配置されている。縦方向Yからみて、第2抵抗38Cと第2抵抗38Dとは、部分的に重なっている。
【0326】
図20に示すように、半導体装置1Cの樹脂部材50には、第1制御側開口部58A、第2制御側開口部58B、第1駆動側開口部59A、及び第2駆動側開口部59Bが形成されている。なお、第1駆動側開口部59A及び第2駆動側開口部59Bは、第1実施形態の第1駆動側開口部59A及び第2駆動側開口部59Bと同じである。第1制御側開口部58Aと第2制御側開口部58Bとは個別に設けられている。平面視において、第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bは、樹脂部材50の一辺に沿う方向において、互いに離間した状態で並んで配置されている。第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bは、横方向Xにおいて、互いに離間した状態で並んで配置されている。
【0327】
第1制御側開口部58Aは、導通基板60の第1配線領域70Aの一部を露出している。第1制御側開口部58Aは、第1半導体素子10Aに電気的に接続される2種類の回路を露出している。本実施形態では、第1制御側開口部58Aは、第1インターフェース回路6A及び第1サージ吸収回路5Aを露出している。より詳細には、第1制御側開口部58Aは、第1制御用配線63Aの一部、第1制御用配線64Aの一部、第1中継配線69A、第2制御電源用配線66Bの一部、第1インターフェース用配線68Aの一部、第2中継配線69B、第1低耐圧ダイオード36A,36B、第1抵抗38A、第1抵抗38B、及び第1スイッチング素子39Aを露出している。本実施形態では、第1制御側開口部58Aは、第1駆動用配線62Aを露出していない。平面視における第1制御側開口部58Aの形状は、特に限定されないが、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。また、第1制御側開口部58Aの内部は空隙である。
【0328】
第2制御側開口部58Bは、導通基板60の第2配線領域70Bの一部を露出している。第2制御側開口部58Bは、第2半導体素子10Bに電気的に接続される2種類の回路を露出している。本実施形態では、第2制御側開口部58Bは、第2インターフェース回路6B及び第2サージ吸収回路5Bを露出している。より詳細には、第2制御側開口部58Bは、第2制御用配線63Bの一部、第2制御用配線64Bの一部、第4中継配線69D、第2制御電源用配線66Dの一部、第2インターフェース用配線68Bの一部、第4中継配線69D、第2低耐圧ダイオード37A,37B、第2抵抗38C、第2抵抗38D、及び第2スイッチング素子39Bを露出している。本実施形態では、第2制御側開口部58Bは、第2駆動用配線62Bを露出していない。平面視における第2制御側開口部58Bの形状は、特に限定されないが、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。また、第2制御側開口部58Bの内部は空隙である。
【0329】
本実施形態の半導体装置1Cによれば、以下の効果が得られる。
(3-1)半導体装置1Cは、第1インターフェース回路6A及び第2インターフェース回路6Bを備える。この構成によれば、第1インターフェース回路6Aの第1スイッチング素子39Aのオンオフを制御することによって、下側アームのスイッチング回路がオン状態時に各第1半導体素子10Aがサージ(ノイズ)の影響で誤オン状態とならないように好適に切り替えることができる。また、第2インターフェース回路6Bの第2スイッチング素子39Bのオンオフを制御することによって、上側アームのスイッチング回路がオン状態時に各第2半導体素子10Bがサージ(ノイズ)の影響で誤オン状態とならないように好適に切り替えることができる。
【0330】
(3-2)半導体装置1Cは、第1サージ吸収回路5A及び第2サージ吸収回路5Bを備える。この構成によれば、第1サージ吸収回路5Aの第1低耐圧ダイオード36A,36Bによって、第1半導体素子10Aのゲート電極13に印加される電圧のうちのサージ電圧を吸収できる。また、第2サージ吸収回路5Bの第2低耐圧ダイオード37A,37Bによって、第2半導体素子10Bのゲート電極13に印加される電圧のうちのサージ電圧を吸収できる。
【0331】
[第4実施形態]
図25図29を参照して、第4実施形態の半導体装置1Dについて説明する。本実施形態の半導体装置1Dは、第1実施形態の半導体装置1Aと比較して、第1短絡検出回路3A及び第2短絡検出回路3Bに代えて、第1電流検出回路7A及び第2電流検出回路7Bを備える点が主に異なる。以下の説明において、第1実施形態の半導体装置1Aと共通する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0332】
(半導体装置の回路構成)
図29に示すように、端子20は、第1短絡検出端子26A及び第2短絡検出端子26Bに代えて、第1過電流検出用端子26C及び第2過電流検出用端子26Dを有する。第1過電流検出用端子26Cは、第1半導体素子10Aに過電流が流れるか否かを検出する端子であり、第1半導体素子10Aのカレントセンス電極17に電気的に接続されている。第2過電流検出用端子26Dは、第2半導体素子10Bに過電流が流れるか否かを検出する端子であり、第2半導体素子10Bのカレントセンス電極17に電気的に接続されている。
【0333】
第1電流検出回路7Aは、第1半導体素子10Aに流れる電流を検出する回路であり、第1抵抗151を有する。第1抵抗151の第1端子は、第1半導体素子10Aのカレントセンス電極17に電気的に接続されている。第1抵抗151の第2端子は、第1コンデンサ33Aと第1コンデンサ33Bとの間のノードN3に電気的に接続されている。第1過電流検出用端子26Cは、第1半導体素子10Aのカレントセンス電極17と第1抵抗151の第1端子との間のノードN6に電気的に接続されている。
【0334】
第2電流検出回路7Bは、第2半導体素子10Bに流れる電流を検出する回路であり、第2抵抗152を有する。第2抵抗152の第1端子は、第2半導体素子10Bのカレントセンス電極17に電気的に接続されている。第2抵抗152の第2端子は、第2コンデンサ35Aと第2コンデンサ35Bとの間のノードN5に電気的に接続されている。第2過電流検出用端子26Dは、第2半導体素子10Bのカレントセンス電極17と第2抵抗152の第1端子との間のノードN7に電気的に接続されている。
【0335】
(半導体装置の構成)
図26Aに示すように、半導体装置1Dは、第1過電流検出用配線160A及び第2過電流検出用配線160Bを有する。第1過電流検出用配線160Aは第5層基板60Fに形成されており、第2過電流検出用配線160Bは第5層基板60Gに形成されている。また、半導体装置1Dは、第1短絡検出用リード87Aに代えて第1過電流検出用リード87Cを有し、第2短絡検出用リード87Bに代えて第2過電流検出用リード87Dを有する。第1過電流検出用リード87Cは図29の第1過電流検出用端子26Cを構成しており、第2過電流検出用リード87Dは図29の第2過電流検出用端子26Dを構成している。
【0336】
図26A及び図26Bに示すように、各半導体素子10A,10Bの素子主面10sの電極構成は、第1実施形態の各半導体素子10A,10Bの素子主面10sの電極構成とは異なる。以下、本実施形態の各半導体素子10A,10Bの素子主面10sの電極構成について説明する。なお、各半導体素子10A,10Bの素子主面10sの電極構成は同一であるため、第1半導体素子10Aの素子主面10sの電極構成について説明し、第2半導体素子10Bの素子主面10sの電極構成の説明を省略する。
【0337】
図26Bに示すように、本実施形態の第1半導体素子10Aは、4つの素子側面10a~10dを有する。4つの素子側面10a~10dはそれぞれ、厚さ方向Zにおいて第1半導体素子10Aの素子主面10s及び素子裏面10r(図11B参照)との間に設けられ、素子主面10s及び素子裏面10rと交差する方向に延びる面である。素子側面10a及び素子側面10bは、横方向Xにおいて互いに離間して配置されており、横方向Xにおいて互いに反対側を向く面である。素子側面10aは、素子側面10bに対して第1制御用配線63A寄りに配置されている。素子側面10c及び素子側面10dは、縦方向Yにおいて互いに離間して配置されており、縦方向Yにおいて互いに反対側を向く面である。
【0338】
素子主面10sには、ソース電極12、ゲート電極13、及びカレントセンス電極17が形成されている。ソース電極12は、第1ソース電極12A、第2ソース電極12B、及び第3ソース電極12Cを含む。第1ソース電極12Aは、横方向Xにおいて素子主面10sのうちの横方向Xの中央部よりも素子側面10b側に配置されている。また、第1ソース電極12Aは、縦方向Yにおいて素子主面10sの中央部に配置されている。平面視における第1ソース電極12Aの形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。第2ソース電極12Bは、縦方向Yにおいて第1ソース電極12Aに対して素子側面10d側となるように配置されている。第3ソース電極12Cは、縦方向Yにおいて第1ソース電極12Aに対して素子側面10c側となるように配置されている。つまり、縦方向Yにおいて、第1ソース電極12Aは、第2ソース電極12Bと第3ソース電極12Cとの間に配置されている。平面視における第2ソース電極12Bの形状は、第1ソース電極12Aを素子側面10d側及び素子側面10a側から取り囲むようなL字状である。平面視における第3ソース電極12Cの形状は、第1ソース電極12Aを素子側面10c側及び素子側面10a側から取り囲むような略L字状である。第3ソース電極12Cのうちの素子側面10a寄りかつ素子側面10c寄りの端部には、切欠部12xが形成されている。切欠部12xには、カレントセンス電極17が配置されている。カレントセンス電極17は、ソース電極12に流れる電流を検出するための電極であり、素子主面10sのうちの素子側面10a寄りかつ素子側面10c寄りの隅に配置されている。
【0339】
縦方向Yにおいて第2ソース電極12Bと第3ソース電極12Cとの間には、ゲート電極13が配置されている。ゲート電極13は、縦方向Yにおいて素子主面10sの中央部に配置されている。ゲート電極13は、横方向Xにおいて素子主面10sのうちの素子側面10a寄りに配置されている。つまり、ゲート電極13は、横方向Xにおいて第1ソース電極12Aから離間して配置されている。
【0340】
各ソース電極12A~12Cには、第1駆動用接続部材91Aが接続されている。第2ソース電極12Bに接続された第1駆動用接続部材91Aは、横方向Xにおいて第2ソース電極12Bのうちの素子側面10b寄りの部分に接続されている。第3ソース電極12Cに接続された第1駆動用接続部材91Aは、横方向Xにおいて第3ソース電極12Cのうちの素子側面10b寄りの部分に接続されている。第2ソース電極12Bのうちの素子側面10a寄りの部分には、第1制御用接続部材93Aが接続されている。ゲート電極13には、第1制御用接続部材92Aが接続されている。カレントセンス電極17には、第1駆動検出用接続部材171が接続されている。
【0341】
図26Aに示すように、第1半導体素子10Aの配置向きと第2半導体素子10Bの配置向きとは、横方向Xにおいて反対向きとなる。より詳細には、第1半導体素子10Aはカレントセンス電極17及びゲート電極13が第1制御用配線63A寄り(樹脂部材50の第1樹脂側面51寄り)となるように配置されており、第2半導体素子10Bはカレントセンス電極17及びゲート電極13が第2制御用配線63B寄り(樹脂部材50の第2樹脂側面52寄り)となるように配置されている。
【0342】
第5層基板60Fに電気的に接続されるリード80は、第1制御用リード84A、第1制御用リード85A、第1制御電源用リード86A、第1制御電源用リード86B、及び第1過電流検出用リード87Cを有する。本実施形態では、第1樹脂側面51から第2樹脂側面52に向けて、第1過電流検出用リード87C、第1制御電源用リード86B、第1制御用リード85A、第1制御電源用リード86A、及び第1制御用リード84Aの順に配列されている。
【0343】
第5層基板60Gに電気的に接続されるリード80は、第2制御用リード84B、第2制御用リード85B、第2制御電源用リード86C、第2制御電源用リード86D、及び第2過電流検出用リード87Dを有する。本実施形態では、第2樹脂側面52から第1樹脂側面51に向けて、第2過電流検出用リード87D、第2制御電源用リード86D、第2制御用リード85B、第2制御電源用リード86C、及び第2制御用リード84Bの順に配列されている。
【0344】
第1過電流検出用配線160Aは、各第1半導体素子10Aのカレントセンス電極17と第1過電流検出用リード87Cとを電気的に接続するための配線部である。第1過電流検出用配線160Aは、横方向Xにおいて、第5層基板60Fのうちの第1樹脂側面51寄りの端部に配置されている。第1過電流検出用配線160Aは、横方向Xにおいて、第1制御用配線64Aに対して第1制御用配線63Aとは反対側に配置されている。第1過電流検出用配線160Aは、第1制御用配線64Aと横方向Xに隣り合うように配置されている。
【0345】
第1過電流検出用配線160Aは、第5層基板60Fのうちの第4樹脂側面54寄りの端部から第3樹脂側面53寄りの端部までにわたり形成されている。すなわち、横方向Xからみて、第1過電流検出用配線160Aは、複数の第1半導体素子10Aと重なるように形成されている。
【0346】
図26A及び図27に示すように、第1過電流検出用配線160Aは、第1配線部分161、第2配線部分162、及び第3配線部分163を有する。本実施形態では、第1過電流検出用配線160Aは、第1配線部分161、第2配線部分162、及び第3配線部分163が一体に形成された単一部材である。
【0347】
第1配線部分161は、縦方向Yに延びている。横方向Xからみて、第1配線部分161は、複数の第1半導体素子10Aと重なるように延びている。第1配線部分161は、横方向Xにおいて、第1制御用配線64Aの第1配線部分64paと隣り合うように配置されている。第1配線部分161は、縦方向Yにおいて、第1配線領域70Aの外部から第1配線領域70Aの内部までにわたり形成されている。第1配線部分161には、各第1半導体素子10Aのカレントセンス電極17と電気的に接続するように第1駆動検出用接続部材171が形成されている。第1駆動検出用接続部材171は、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。平面視において、各第1駆動検出用接続部材171は、横方向Xに沿って延びている。
【0348】
第2配線部分162及び第3配線部分163はそれぞれ、第1配線領域70Aに配置されている。すなわち、平面視において、第2配線部分162及び第3配線部分163はそれぞれ、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード84Aとの縦方向Yの間に配置されている。また、平面視において、第2配線部分162及び第3配線部分163はそれぞれ、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード85Aとの縦方向Yの間に配置されているともいえる。要するに、平面視において、第2配線部分162及び第3配線部分163はそれぞれ、複数の第1半導体素子10Aとリード80との間に配置されているといえる。
【0349】
第2配線部分162は、第3樹脂側面53側に向かうにつれて第2樹脂側面52側に向けて斜めに延びている。横方向Xからみて、第2配線部分162は、第1制御用配線64Aの第2配線部分64pbと重なるように形成されている。第2配線部分162と第2配線部分64pbとには、第1抵抗151が実装されている。具体的には、第1抵抗151の第1端子が第2配線部分162に接続されており、第1抵抗151の第2端子が第2配線部分64pbに接続されている。
【0350】
第3配線部分163は、縦方向Yに延びている。第3配線部分163は、第1制御電源用配線66Aよりも第1樹脂側面51寄りに配置されている。第3配線部分163は、横方向Xにおいて第1制御電源用配線66Aの第1配線部分66paと隣り合うように配置されている。第3配線部分163には、第1過電流検出用リード87Cと電気的に接続するように第1過電流検出用接続部材173が形成されている。第1過電流検出用接続部材173は、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0351】
図26Aに示すように、第2過電流検出用配線160Bは、各第2半導体素子10Bのカレントセンス電極17と第2過電流検出用リード87Dとを電気的に接続するための配線部である。第2過電流検出用配線160Bは、横方向Xにおいて、第5層基板60Gのうちの第2樹脂側面52寄りの端部に配置されている。第2過電流検出用配線160Bは、横方向Xにおいて、第2制御用配線64Bに対して第2制御用配線63Bとは反対側に配置されている。第2過電流検出用配線160Bは、第2制御用配線64Bと横方向Xに隣り合うように配置されている。
【0352】
第2過電流検出用配線160Bは、第5層基板60Gのうちの第4樹脂側面54寄りの端部から第3樹脂側面53寄りの端部までにわたり形成されている。すなわち、横方向Xからみて、第2過電流検出用配線160Bは、複数の第2半導体素子10Bと重なるように形成されている。
【0353】
図26A及び図28に示すように、第2過電流検出用配線160Bは、第1配線部分164、第2配線部分165、及び第3配線部分166を有する。本実施形態では、第2過電流検出用配線160Bは、第1配線部分164、第2配線部分165、及び第3配線部分166が一体に形成された単一部材である。
【0354】
第1配線部分164は、縦方向Yに延びている。横方向Xからみて、第1配線部分164は、複数の第2半導体素子10Bと重なるように延びている。第1配線部分164は、横方向Xにおいて、第2制御用配線64Bの第1配線部分64qaと隣り合うように配置されている。第1配線部分164は、縦方向Yにおいて、第2配線領域70Bの外部から第2配線領域70Bの内部までにわたり形成されている。第1配線部分164には、各第2半導体素子10Bのカレントセンス電極17と電気的に接続するように第2駆動検出用接続部材172が形成されている。第2駆動検出用接続部材172は、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。平面視において、各第2駆動検出用接続部材172は、横方向Xに沿って延びている。
【0355】
第2配線部分165及び第3配線部分166はそれぞれ、第2配線領域70Bに配置されている。すなわち、平面視において、第2配線部分165及び第3配線部分166はそれぞれ、複数の第2半導体素子10Bと第2制御用リード84Bとの縦方向Yの間に配置されている。また、平面視において、第2配線部分165及び第3配線部分166はそれぞれ、複数の第2半導体素子10Bと第2制御用リード85Bとの縦方向Yの間に配置されているともいえる。要するに、平面視において、第2配線部分165及び第3配線部分166はそれぞれ、複数の第2半導体素子10Bとリード80との縦方向Yの間に配置されているといえる。
【0356】
第2配線部分165は、第3樹脂側面53側に向かうにつれて第1樹脂側面51側に向けて斜めに延びている。横方向Xからみて、第2配線部分165は、第2制御用配線64Bの第2配線部分64qbと重なるように形成されている。
【0357】
第3配線部分166は、縦方向Yに延びている。第3配線部分166は、第2制御電源用配線66Bよりも第2樹脂側面52寄りに配置されている。第3配線部分166は、横方向Xにおいて第2制御電源用配線66Bの第1配線部分66qaと隣り合うように配置されている。第3配線部分166と第2配線部分64qbとには、第2抵抗152が実装されている。具体的には、第2抵抗152の第1端子が第3配線部分166に接続されており、第2抵抗152の第2端子が第2配線部分64qbに接続されている。第3配線部分166には、第2過電流検出用リード87Dと電気的に接続するように第2過電流検出用接続部材174が形成されている。第2過電流検出用接続部材174は、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0358】
各検出用接続部材171,172及び各過電流検出用接続部材173,174はそれぞれ、例えばCu(銅)又はAl(アルミニウム)からなる。本実施形態では、各検出用接続部材171,172及び各過電流検出用接続部材173,174のそれぞれの構成材料は、各駆動用接続部材91A,91B、各制御用接続部材92A,92B,93A,93B、各制御リード用接続部材94A,94B,95A,95B、及び各制御電源用接続部材96A~96Dのそれぞれの構成材料と同じである。また、各検出用接続部材171,172の線径は互いに等しい。各過電流検出用接続部材173,174の線径は互いに等しい。各検出用接続部材171,172の線径と各過電流検出用接続部材173,174の線径とは互いに等しい。本実施形態では、各検出用接続部材171,172及び各過電流検出用接続部材173,174のそれぞれの線径は、各駆動用接続部材91A,91B、各制御用接続部材92A,92B,93A,93B、各制御リード用接続部材94A,94B,95A,95B、及び各制御電源用接続部材96A~96Dのそれぞれの線径と等しい。
【0359】
図25に示すように、樹脂部材50には、樹脂天面55側から導通基板60を露出する2つの樹脂開口部として第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bが設けられている。図25から分かるとおり、第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bとは個別に設けられている。
【0360】
第1制御側開口部58Aは、縦方向Yからみて、複数の第1半導体素子10Aと重なる位置、かつ複数の第1半導体素子10Aよりも第3樹脂側面53寄りに配置されている。第2制御側開口部58Bは、縦方向Yからみて、複数の第2半導体素子10Bと重なる位置、かつ複数の第2半導体素子10Bよりも第3樹脂側面53寄りに配置されている。このように、平面視において、第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bは、樹脂部材50の一辺に沿う方向において、互いに離間した状態で並んで配置されている。換言すると、平面視において、第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bは、縦方向Yにおいて揃った状態で横方向Xに離間して配置されている。平面視において、各制御側開口部58A,58Bは、樹脂天面55のうちの第3樹脂側面53寄りの端部に配置されている。第1制御側開口部58Aは、第2制御側開口部58Bよりも第1樹脂側面51寄りに配置されている。
【0361】
平面視において、第1制御側開口部58Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード84Aの端子部84tとの縦方向Yの間に配置されている。本実施形態では、図27に示すように、平面視において、第1制御側開口部58Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード84Aのパッド部84pとの縦方向Yの間に配置されている。また、平面視において、第1制御側開口部58Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード85Aの端子部85tとの縦方向Yの間に配置されている。本実施形態では、平面視において、第1制御側開口部58Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード85Aのパッド部85pとの縦方向Yの間に配置されている。
【0362】
図27に示すように、第1制御側開口部58Aは、導通基板60の第1配線領域70Aの一部を露出している。換言すると、第1制御側開口部58Aは、導通基板60(第5層基板60F)において第1半導体素子10A以外の電子部品が実装される実装領域の一部を露出している。第1制御側開口部58Aは、第1配線領域70Aのうちの第3樹脂側面53寄りの領域を露出している。本実施形態では、第1制御側開口部58Aは、第1半導体素子10Aに電気的に接続された第1サージ低減回路4A及び第1電流検出回路7Aを露出している。より詳細には、図27に示すように、第1制御側開口部58Aは、第1低耐圧ダイオード32A,32B、第1コンデンサ33A,33B、第1制御用配線63Aの第3配線部分63pc、第1制御用配線64Aの第3配線部分64pc、第1制御電源用配線65A、及び第1制御電源用配線66Aを露出している。また第1制御側開口部58Aは、第1抵抗151と、第1過電流検出用配線160Aの第2配線部分162及び第3配線部分163とを露出している。また、本実施形態では、第1制御側開口部58Aは、第1制御リード用接続部材94A,95A、第1制御電源用接続部材96A,96B、及び第1過電流検出用接続部材173を露出していない。平面視における第1制御側開口部58Aの形状は、特に限定されないが、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。また、第1制御側開口部58Aの内部は空隙である。
【0363】
平面視において、第2制御側開口部58Bは、複数の第2半導体素子10Bと第2制御用リード84Bの端子部84tとの縦方向Yの間に配置されている。本実施形態では、図28に示すように、平面視において、第2制御側開口部58Bは、複数の第2半導体素子10Bと第2制御用リード84Bのパッド部84pとの縦方向Yの間に配置されている。また、平面視において、第2制御側開口部58Bは、複数の第2半導体素子10Bと第2制御用リード85Bの端子部85tとの縦方向Yの間に配置されている。本実施形態では、平面視において、第2制御側開口部58Bは、複数の第2半導体素子10Bと第2制御用リード85Bのパッド部85pとの縦方向Yの間に配置されている。
【0364】
図28に示すように、第2制御側開口部58Bは、導通基板60の第2配線領域70Bの一部を露出している。換言すると、第2制御側開口部58Bは、導通基板60(第5層基板60G)において第2半導体素子10B以外の電子部品が実装される実装領域の一部を露出している。第2制御側開口部58Bは、第2配線領域70Bのうちの第3樹脂側面53寄りの領域を露出している。本実施形態では、第2制御側開口部58Bは、第2半導体素子10Bに電気的に接続された第2サージ低減回路4B及び第2電流検出回路7Bを露出している。より詳細には、第2制御側開口部58Bは、第2低耐圧ダイオード34A,34B、第2コンデンサ35A,35B、第2制御用配線63Bの第3配線部分63pc、第2制御用配線64Bの第3配線部分64qc、第2制御電源用配線65B、及び第2制御電源用配線66Bを露出している。また、第2制御側開口部58Bは、第2抵抗152と、第2過電流検出用配線160Bの第2配線部分165及び第3配線部分166とを露出している。本実施形態では、第2制御側開口部58Bは、第2制御リード用接続部材94B,95B、第2制御電源用接続部材96C,96D、及び第2過電流検出用接続部材174を露出していない。平面視における第2制御側開口部58Bの形状は、特に限定されないが、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。また、第2制御側開口部58Bの内部は空隙である。
【0365】
本実施形態の半導体装置1Dによれば、第1実施形態の半導体装置1Aの効果に加え、以下の効果が得られる。
(4-1)半導体装置1Dは、第1電流検出回路7A及び第2電流検出回路7Bを備える。この構成によれば、第1半導体素子10A及び第2半導体素子10Bに流れる電流を検出することによって、第1半導体素子10A及び第2半導体素子10Bに過電流が流れる場合において第1半導体素子10A及び第2半導体素子10Bをオフ状態にする等の制御を行うことができる。これにより、第1半導体素子10A及び第2半導体素子10Bの故障の発生を抑制できる。
【0366】
[第5実施形態]
図30図34を参照して、第5実施形態の半導体装置1Eについて説明する。本実施形態の半導体装置1Eは、第3実施形態の半導体装置1Cと比較して、短絡検出回路3A,3Bに代えて、電流検出回路7A,7Bを備える点と、第4実施形態の各半導体素子10A,10Bを用いる点とが主に異なる。以下の説明において、第3実施形態の半導体装置1Cと共通する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0367】
(半導体装置の回路構成)
図34に示すように、端子20は、第1短絡検出端子26A及び第2短絡検出端子26Bに代えて、第1過電流検出用端子26C及び第2過電流検出用端子26Dを有する。第1過電流検出用端子26Cは、第1半導体素子10Aに過電流が流れるか否かを検出する端子であり、第1半導体素子10Aのカレントセンス電極17に電気的に接続されている。第2過電流検出用端子26Dは、第2半導体素子10Bに過電流が流れるか否かを検出する端子であり、第2半導体素子10Bのカレントセンス電極17に電気的に接続されている。
【0368】
第1電流検出回路7Aは、第1半導体素子10Aに流れる電流を検出する回路であり、第1抵抗151を有する。第1抵抗151の第1端子は、第1半導体素子10Aのカレントセンス電極17に電気的に接続されている。第1抵抗151の第2端子は、第2低耐圧ダイオード37Aのカソード電極と第1ソース端子24Aとの間のノードN8に電気的に接続されている。第1過電流検出用端子26Cは、第1半導体素子10Aのカレントセンス電極17と第1抵抗151の第1端子との間のノードN9に電気的に接続されている。
【0369】
第2電流検出回路7Bは、第2半導体素子10Bに流れる電流を検出する回路であり、第2抵抗152を有する。第2抵抗152の第1端子は、第2半導体素子10Bのカレントセンス電極17に電気的に接続されている。第2抵抗152の第2端子は、第2低耐圧ダイオード37Bのカソード電極と第2ソース端子24Bとの間のノードN10に電気的に接続されている。第2過電流検出用端子26Dは、第2半導体素子10Bのカレントセンス電極17と第2抵抗152の第1端子との間のノードN11に電気的に接続されている。
【0370】
(半導体装置の構成)
図31に示すように、半導体装置1Eは、第1過電流検出用配線160A及び第2過電流検出用配線160Bを有する。第1過電流検出用配線160Aは第5層基板60Fに形成されており、第2過電流検出用配線160Bは第5層基板60Gに形成されている。また、半導体装置1Eは、第1短絡検出用リード87Aに代えて第1過電流検出用リード87Cを有し、第2短絡検出用リード87Bに代えて第2過電流検出用リード87Dを有する。第1過電流検出用リード87Cは図34の第1過電流検出用端子26Cを構成しており、第2過電流検出用リード87Dは図34の第2過電流検出用端子26Dを構成している。
【0371】
第5層基板60Fに電気的に接続されるリード80は、第1制御用リード84A、第1制御用リード85A、第1制御電源用リード86B、第1インターフェース用リード88A、及び第1過電流検出用リード87Cを有する。本実施形態では、第1樹脂側面51から第2樹脂側面52に向けて、第1過電流検出用リード87C、第1制御用リード85A、第1制御用リード84A、第1インターフェース用リード88A、及び第1制御電源用リード86Bの順に配列されている。
【0372】
第5層基板60Gに電気的に接続されるリード80は、第2制御用リード84B、第2制御用リード85B、第2制御電源用リード86D、第2インターフェース用リード88B、及び第2過電流検出用リード87Dを有する。本実施形態では、第2樹脂側面52から第1樹脂側面51に向けて、第2過電流検出用リード87D、第2制御用リード85B、第2制御用リード84B、第2制御電源用リード86D、及び第2インターフェース用リード88Bの順に配列されている。
【0373】
第1過電流検出用配線160Aは、各第1半導体素子10Aのカレントセンス電極17と第1過電流検出用リード87Cとを電気的に接続するための配線部である。第1過電流検出用配線160Aは、横方向Xにおいて、第5層基板60Fのうちの第1樹脂側面51寄りの端部に配置されている。第1過電流検出用配線160Aは、横方向Xにおいて、第1制御用配線64Aに対して第1制御用配線63Aとは反対側に配置されている。第1過電流検出用配線160Aは、第1制御用配線64Aと横方向Xに隣り合うように配置されている。
【0374】
第1過電流検出用配線160Aは、第5層基板60Fのうちの第4樹脂側面54寄りの端部から第3樹脂側面53寄りの端部までにわたり形成されている。すなわち、横方向Xからみて、第1過電流検出用配線160Aは、複数の第1半導体素子10Aと重なるように形成されている。また、第1過電流検出用配線160Aは、縦方向Yにおいて、第1配線領域70Aの外部から第1配線領域70Aの内部までにわたり形成されている。
【0375】
第1過電流検出用配線160Aのうちの横方向Xにおいて複数の第1半導体素子10Aと対向する部分には、各第1半導体素子10Aのカレントセンス電極17と電気的に接続するように第1駆動検出用接続部材171が形成されている。第1駆動検出用接続部材171は、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。平面視において、各第1駆動検出用接続部材171は、横方向Xに沿って延びている。
【0376】
第1過電流検出用配線160Aのうちの第1配線領域70Aに対応する部分と、第1制御用配線64Aのうちの第1配線領域70Aに対応する部分とには、第1抵抗151が実装されている。第1抵抗151の第1端子は第1過電流検出用配線160Aに接続されており、第1抵抗151の第2端子は第1制御用配線64Aに接続されている。第1抵抗151は、縦方向Yにおいて、各低耐圧ダイオード36A,36Bよりも第4樹脂側面54寄り(第1半導体素子10A寄り)に配置されている。横方向Xからみて、第1抵抗151は、第1スイッチング素子39Aと重なるように配置されている。横方向Xにおいて、第1抵抗151は、第1低耐圧ダイオード36Bよりも第1樹脂側面51寄りに配置されている。
【0377】
縦方向Yにおける第1過電流検出用配線160Aのうちの第3樹脂側面53寄りの端部には、第1過電流検出用リード87Cと電気的に接続するように第1過電流検出用接続部材173が形成されている。第1過電流検出用接続部材173は、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0378】
図33に示すように、第2過電流検出用配線160Bは、各第2半導体素子10Bのカレントセンス電極17と第2過電流検出用リード87Dとを電気的に接続するための配線部である。第2過電流検出用配線160Bは、横方向Xにおいて、第5層基板60Gのうちの第2樹脂側面52寄りの端部に配置されている。第2過電流検出用配線160Bは、横方向Xにおいて、第2制御用配線64Bに対して第2制御用配線63Bとは反対側に配置されている。第2過電流検出用配線160Bは、第2制御用配線64Bと横方向Xに隣り合うように配置されている。
【0379】
第2過電流検出用配線160Bは、第5層基板60Gのうちの第4樹脂側面54寄りの端部から第3樹脂側面53寄りの端部までにわたり形成されている。すなわち、横方向Xからみて、第2過電流検出用配線160Bは、複数の第2半導体素子10Bと重なるように形成されている。また、第2過電流検出用配線160Bは、縦方向Yにおいて、第2配線領域70Bの外部から第2配線領域70Bの内部までにわたり形成されている。
【0380】
第2過電流検出用配線160Bのうちの横方向Xにおいて複数の第2半導体素子10Bと対向する部分には、各第2半導体素子10Bのカレントセンス電極17と電気的に接続するように第2駆動検出用接続部材172が形成されている。第2駆動検出用接続部材172は、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。平面視において、各第2駆動検出用接続部材172は、横方向Xに沿って延びている。
【0381】
第2過電流検出用配線160Bのうちの第2配線領域70Bに対応する部分と、第2制御用配線64Bのうちの第2配線領域70Bに対応する部分とには、第2抵抗152が実装されている。第2抵抗152の第1端子は第2過電流検出用配線160Bに接続されており、第2抵抗152の第2端子は第2制御用配線64Bに接続されている。第2抵抗152は、縦方向Yにおいて、各低耐圧ダイオード37A,37Bよりも第4樹脂側面54寄り(第2半導体素子10B寄り)に配置されている。横方向Xからみて、第2抵抗152は、第2スイッチング素子39B及び第2抵抗38Cと重なるように配置されている。横方向Xにおいて、第1抵抗151は、第2低耐圧ダイオード37Bよりも第1樹脂側面51寄りに配置されている。
【0382】
縦方向Yにおける第2過電流検出用配線160Bのうちの第3樹脂側面53寄りの端部には、第2過電流検出用リード87Dと電気的に接続するように第2過電流検出用接続部材174が形成されている。第2過電流検出用接続部材174は、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0383】
各検出用接続部材171,172及び各過電流検出用接続部材173,174はそれぞれ、例えばCu(銅)又はAl(アルミニウム)からなる。本実施形態では、各検出用接続部材171,172及び各過電流検出用接続部材173,174のそれぞれの構成材料は、各駆動用接続部材91A,91B、各制御用接続部材92A,92B,93A,93B、各制御リード用接続部材94A,94B,95A,95B、及び各制御電源用接続部材96A~96Dのそれぞれの構成材料と同じである。また、各検出用接続部材171,172の線径は互いに等しい。各過電流検出用接続部材173,174の線径は互いに等しい。各検出用接続部材171,172の線径と各過電流検出用接続部材173,174の線径とは互いに等しい。本実施形態では、各検出用接続部材171,172及び各過電流検出用接続部材173,174のそれぞれの線径は、各駆動用接続部材91A,91B、各制御用接続部材92A,92B,93A,93B、各制御リード用接続部材94A,94B,95A,95B、及び各制御電源用接続部材96A~96Dのそれぞれの線径と等しい。
【0384】
図30に示すように、樹脂部材50には、樹脂天面55側から導通基板60を露出する2つの樹脂開口部として第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bが設けられている。図30から分かるとおり、第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bとは個別に設けられている。
【0385】
第1制御側開口部58Aは、縦方向Yからみて、複数の第1半導体素子10Aと重なる位置、かつ複数の第1半導体素子10Aよりも第3樹脂側面53寄りに配置されている。第2制御側開口部58Bは、縦方向Yからみて、複数の第2半導体素子10Bと重なる位置、かつ複数の第2半導体素子10Bよりも第3樹脂側面53寄りに配置されている。このように、平面視において、第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bは、樹脂部材50の一辺に沿う方向において、互いに離間した状態で並んで配置されている。換言すると、平面視において、第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bは、縦方向Yにおいて揃った状態で横方向Xに離間して配置されている。平面視において、各制御側開口部58A,58Bは、樹脂天面55のうちの第3樹脂側面53寄りの端部に配置されている。第1制御側開口部58Aは、第2制御側開口部58Bよりも第1樹脂側面51寄りに配置されている。
【0386】
平面視において、第1制御側開口部58Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード84Aの端子部84tとの縦方向Yの間に配置されている。本実施形態では、図32に示すように、平面視において、第1制御側開口部58Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード84Aのパッド部84pとの縦方向Yの間に配置されている。また、平面視において、第1制御側開口部58Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード85Aの端子部85tとの縦方向Yの間に配置されている。本実施形態では、平面視において、第1制御側開口部58Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード85Aのパッド部85pとの縦方向Yの間に配置されている。
【0387】
第1制御側開口部58Aは、導通基板60の第1配線領域70Aの一部を露出している。換言すると、第1制御側開口部58Aは、導通基板60(第5層基板60F)において第1半導体素子10A以外の電子部品が実装される実装領域の一部を露出している。第1制御側開口部58Aは、第1配線領域70Aのうちの第3樹脂側面53寄りの領域を露出している。本実施形態では、第1制御側開口部58Aは、第1インターフェース回路6A、第1サージ吸収回路5A、及び第1電流検出回路7Aを露出している。より詳細には、図32に示すように、第1制御側開口部58Aは、第1制御用配線63Aの一部、第1制御用配線64Aの一部、第1中継配線69A、第2制御電源用配線66Bの一部、第1インターフェース用配線68Aの一部、第2中継配線69B、第1低耐圧ダイオード36A,36B、第1抵抗38A、第1抵抗38B、及び第1スイッチング素子39Aを露出している。また第1制御側開口部58Aは、第1抵抗151及び第1過電流検出用配線160Aを露出している。本実施形態では、第1制御側開口部58Aは、第1駆動用配線62Aを露出していない。平面視における第1制御側開口部58Aの形状は、特に限定されないが、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。また、第1制御側開口部58Aの内部は空隙である。
【0388】
平面視において、第2制御側開口部58Bは、複数の第2半導体素子10Bと第2制御用リード84Bの端子部84tとの縦方向Yの間に配置されている。本実施形態では、図33に示すように、平面視において、第2制御側開口部58Bは、複数の第2半導体素子10Bと第2制御用リード84Bのパッド部84pとの縦方向Yの間に配置されている。また、平面視において、第2制御側開口部58Bは、複数の第2半導体素子10Bと第2制御用リード85Bの端子部85tとの縦方向Yの間に配置されている。本実施形態では、平面視において、第2制御側開口部58Bは、複数の第2半導体素子10Bと第2制御用リード85Bのパッド部85pとの縦方向Yの間に配置されている。
【0389】
第2制御側開口部58Bは、導通基板60の第2配線領域70Bの一部を露出している。第2制御側開口部58Bは、第2半導体素子10Bに電気的に接続される2種類の回路を露出している。本実施形態では、第2制御側開口部58Bは、第2インターフェース回路6B、第2サージ吸収回路5B、及び第2電流検出回路7Bを露出している。より詳細には、第2制御側開口部58Bは、第2制御用配線63Bの一部、第2制御用配線64Bの一部、第4中継配線69D、第2制御電源用配線66Dの一部、第2インターフェース用配線68Bの一部、第4中継配線69D、第2低耐圧ダイオード37A,37B、第2抵抗38C、第2抵抗38D、及び第2スイッチング素子39Bを露出している。また、第2制御側開口部58Bは、第2抵抗152及び第2過電流検出用配線160Bを露出している。本実施形態では、第2制御側開口部58Bは、第2駆動用配線62Bを露出していない。平面視における第2制御側開口部58Bの形状は、特に限定されないが、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。また、第2制御側開口部58Bの内部は空隙である。
【0390】
本実施形態の半導体装置1Eによれば、第3実施形態の半導体装置1Cの効果に加え、以下の効果が得られる。
(5-1)半導体装置1Eは、第1電流検出回路7A及び第2電流検出回路7Bを備える。この構成によれば、第1半導体素子10A及び第2半導体素子10Bに流れる電流を検出することによって、第1半導体素子10A及び第2半導体素子10Bに過電流が流れる場合において第1半導体素子10A及び第2半導体素子10Bをオフ状態にする等の制御を行うことができる。これにより、第1半導体素子10A及び第2半導体素子10Bの故障の発生を抑制できる。
【0391】
[第6実施形態]
図35図43を参照して、第6実施形態の半導体装置1Fについて説明する。本実施形態の半導体装置1Fは、第1実施形態の半導体装置1Aと比較して、導通基板の構成及び導通基板に対する各半導体素子10A,10Bの実装態様が主に異なる。以下の説明において、第1実施形態の半導体装置1Aと共通する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0392】
図36に示すように、本実施形態の半導体装置1Fは、絶縁基板41A,41Bに代えて絶縁基板41Cを備え、導通基板60に代えて、導通基板180を備える。また、図39及び図40に示すように、半導体装置1Fは、複数の金属部材191及び複数の金属部材192と、複数の挿通部材193及び複数の挿通部材194と、複数の貫通電極195A~195Dとを備える。
【0393】
図36に示すように、絶縁基板41Cは、複数の金属部材191、複数の金属部材192、複数の挿通部材193、複数の挿通部材194、複数の貫通電極195A~195D(図39及び図40参照)、及び導通基板180を支持する1枚の基板である。絶縁基板41Cの構成材料は、例えば、熱伝導性に優れたセラミックスである。このようなセラミックスとしては、例えばAlNが挙げられる。本実施形態では、平面視における絶縁基板41Cの形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。絶縁基板41Cの構成は、図36に示す例示に限定されず、半導体装置1Fの製品仕様などに応じて、形状、大きさ、及び個数などを適宜変更可能である。
【0394】
図37に示すように、絶縁基板41Cは、厚さ方向Zにおいて互いに反対側を向く基板主面41sc及び基板裏面41rcを有する。基板主面41scと基板裏面41rcとは、厚さ方向Zにおいて離間している。基板裏面41rcは、樹脂部材50から露出している。基板裏面41rcには、例えば図示しないヒートシンクなどの冷却器が接続されてもよい。
【0395】
導通基板180は、半導体装置1Fにおける内部配線を構成している。導通基板180は、絶縁基板41Cの基板主面41sc上に配置されており、接合材(図示略)によって、絶縁基板41Cに接合されている。この接合材は、導電性材料からなるものであってもよいし、絶縁性材料からなるものであってもよい。
【0396】
導通基板180は、複数の配線層と複数の絶縁層とが厚さ方向Zに交互に積層された積層基板である。本実施形態では、導通基板180は、3つの配線層180A,180C、180E、及び2つの絶縁層180B,180Dを有する。なお、配線層の層数及び絶縁層の層数はそれぞれ、上記したものに限定されず、半導体装置1Fの製品仕様に応じて、適宜変更可能である。導通基板180は、厚さ方向Zにおいて絶縁基板41Cの反対側から絶縁基板41C側に向けて、配線層180A、絶縁層180B、配線層180C、絶縁層180D、及び配線層180Eの順に積層されている。すなわち、絶縁層180Bは、配線層180Aと配線層180Cとを絶縁しており、絶縁層180Dは、配線層180Cと配線層180Eとを絶縁している。配線層180Eは、絶縁基板41Cの基板主面41scに配置されている。
【0397】
図36に示すように、配線層180Aは、複数の導体部181A~181H、及び絶縁部181Xを有する。平面視において、複数の導体部181A~181Hは互いに離間して配置されており、絶縁部181Xによって互いに絶縁されている。なお、配線層180Aから絶縁部181Xを省略してもよい。但し、複数の導体部181A~181Hの意図しない短絡を抑制するうえでは、絶縁部181Xを設けるほうが好ましい。
【0398】
図37に示すように、配線層180Cは、複数の導体部183及び絶縁部182Xを有する。複数の導体部183は互いに離間して配置されており、絶縁部182Xによって互いに絶縁されている。なお、配線層180Cから絶縁部182Xを省略してもよい。但し、複数の導体部183の意図しない短絡を抑制するうえでは、絶縁部182Xを設けるほうが好ましい。
【0399】
配線層180Eは、複数の導体部184及び絶縁部183Xを有する。複数の導体部183は互いに離間して配置されており、絶縁部183Xによって互いに絶縁されている。なお、配線層180Eから絶縁部183Xを省略してもよい。但し、複数の導体部184の意図しない短絡を抑制するうえでは、絶縁部183Xを設けるほうが好ましい。
【0400】
図36及び図37に示すように、複数の導体部181A~181H、複数の導体部183、及び複数の導体部184はそれぞれ、例えばCu(銅)を含む金属からなる板状部材(厚銅板)である。絶縁部181X,182X,183Xはそれぞれ、例えばプリプレグからなる。複数の導体部181A~181Hのそれぞれの厚さ方向Zの寸法、複数の導体部183の厚さ方向Zの寸法、及び複数の導体部184の厚さ方向Zの寸法は、互いに等しい。複数の導体部181A~181Hのそれぞれの厚さ方向Zの寸法、複数の導体部183のそれぞれの厚さ方向Zの寸法、及び複数の導体部184のそれぞれの厚さ方向Zの寸法は、例えば125μm(一般的なプリント基板における配線パターンの厚み(Cu厚))よりも大きい。好ましくは、複数の導体部181A~181Hのそれぞれの厚さ方向Zの寸法、複数の導体部183のそれぞれの厚さ方向Zの寸法、及び複数の導体部184のそれぞれの厚さ方向Zの寸法は、各半導体素子10A,10Bの厚さ方向Zの寸法よりも大きく、かつ、各絶縁層180B,180Dの厚さ方向Zの寸法よりも大きい。つまり、各配線層180A,180C,180Eの厚さ方向Zの寸法は、各半導体素子10A,10Bの厚さ方向Zの寸法よりも大きく、かつ、各絶縁層180B,180Dの厚さ方向Zの寸法よりも大きい。なお、複数の導体部181A~181Hのそれぞれの厚さ方向Zの寸法、複数の導体部183のそれぞれの厚さ方向Zの寸法、及び複数の導体部184のそれぞれの厚さ方向Zの寸法は、各絶縁層180B,180Dの厚さ方向Zの寸法以下であってもよい。
【0401】
なお、導通基板180の構成は、図36及び図37に示す例示に限定されず、複数の導体部181A~181H、複数の導体部183、及び複数の導体部184は、半導体装置1Fの仕様に応じて、形状、大きさ、配置など、適宜変更されうる。
【0402】
図37に示すように、導通基板180は、第1入力リード81、第2入力リード82、及び出力リード83を有する。第1入力リード81及び出力リード83は、配線層180Aに設けられている。すなわち、複数の導体部181A~181Hのうちの1つが第1入力リード81を構成しており、別の1つが出力リード83を構成している。より詳細には、導体部181Aが第1入力リード81を構成しており、導体部181Bが出力リード83を構成している。導体部181Aのうちの樹脂部材50から突出した部分が第1電力端子21Aを構成している。導体部181Bのうちの樹脂部材50から突出した部分が出力端子22を構成している。導体部181A(第1入力リード81)と第2入力リード82を構成する導体部183とは、平面視において、互いに重なり合っている。
【0403】
第2入力リード82は、配線層180Cに設けられている。すなわち、配線層180Cの複数の導体部183のうちの1つが第2入力リード82を構成している。第2入力リード82を構成する導体部183のうちの樹脂部材50から突出した部分が第2電力端子21Bを構成している。
【0404】
厚さ方向Zにおいて、導体部181A(第1入力リード81)と導体部183(第2入力リード82)との間には、絶縁層180Bが介在している。導体部181Aにおける第1電力端子21Aを構成する部分の厚さ方向Zの表面のうちの絶縁層180Bとは反対側の表面、及び第2入力リード82を構成する導体部183における第2電力端子21Bを構成する部分の表面のうちの絶縁層180Bとは反対側の表面はそれぞれ、半導体装置1Fの外部に露出している。一方、導体部181Aにおける第1電力端子21Aを構成する部分の厚さ方向Zの表面のうちの絶縁層180B側の表面、及び第2入力リード82を構成する導体部183における第2電力端子21Bを構成する部分の表面のうちの絶縁層180B側の表面はそれぞれ、絶縁層180Bと接触している。すなわち、第1入力リード81及び第2入力リード82は、絶縁層180Bによって絶縁されている。このため、第1電力端子21Aと第2電力端子21Bとは、絶縁層180Bによって絶縁されている。
【0405】
導体部181A及び導体部181Bは、横方向Xにおいて互いに反対側に配置されている。より詳細には、導体部181Aは、導通基板180のうちの第1樹脂側面51寄りの端部に配置されている。導体部181Bは、導通基板180のうちの第2樹脂側面52寄りの端部に配置されている。横方向Xにおいて、導体部181Aと導体部181Bとの間には、導体部181C及び導体部181Dが配置されている。
【0406】
図38に示すように、平面視における導体部181Aの形状は、略T字状である。導体部181Aは、縦方向Yに延びる基部181aと、基部181aから横方向Xに向けて延びる突出部181bとを有する。本実施形態では、導体部181Aは、基部181aと突出部181bとが一体に形成された単一部材である。基部181aは、樹脂部材50内に設けられている。突出部181bの先端部は、樹脂部材50から突出している。突出部181bのうちの樹脂部材50から突出した部分(先端部)が第1電力端子21Aを構成している。
【0407】
基部181aには、複数(本実施形態では3個)の開口部181cが形成されている。複数の開口部181cはそれぞれ、横方向Xにおいて基部181aのうちの第1樹脂側面51寄り(図36参照)の端部に設けられている。複数の開口部181cは、縦方向Yにおいて互いに離間して形成されている。複数の開口部181cにはそれぞれ、導体部181E及び導体部181Fが配置されている。各開口部181cにおける導体部181E及び導体部181Fは、縦方向Yにおいて離間して配列されている。縦方向Yにおいて、導体部181Eが導体部181Fよりも第3樹脂側面53(図36参照)寄りとなるように各開口部181c内に配置されている。平面視における導体部181Eの形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。平面視における導体部181Fの形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。
【0408】
導体部181Cは、横方向Xにおいて導体部181Aの基部181aと隣り合うように配置されている。導体部181Cは、縦方向Yに延びている。平面視における導体部181Cの形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。
【0409】
平面視における導体部181Bの形状は、略T字状である。導体部181Bは、縦方向Yに延びる基部181dと、基部181dから横方向Xに向けて延びる突出部181eとを有する。本実施形態では、導体部181Bは、基部181dと突出部181eとが一体に形成された単一部材である。基部181dは、樹脂部材50内に設けられている。突出部181eの先端部は、樹脂部材50から突出している。突出部181eのうちの樹脂部材50から突出した部分(先端部)が第2電力端子21Bを構成している。
【0410】
基部181dには、複数(本実施形態では3個)の開口部181fが形成されている。複数の開口部181fはそれぞれ、横方向Xにおいて基部181dのうちの第2樹脂側面52寄り(図36参照)の端部に設けられている。複数の開口部181fは、縦方向Yにおいて互いに離間して形成されている。複数の開口部181fにはそれぞれ、導体部181G及び導体部181Hが配置されている。
【0411】
導体部181Dは、横方向Xにおいて導体部181Bの基部181dと隣り合うように配置されている。導体部181Dは、横方向Xにおいて導体部181Bと導体部181Cとの間に配置されている。換言すると、導体部181Cは、導体部181Dと導体部181Aとの間に配置されている。導体部181Dは縦方向Yに延びている。平面視における導体部181Dの形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。本実施形態では、導体部181Dの縦方向Yの長さは、導体部181Cの縦方向Yの長さよりも長い。導体部181Dの幅寸法(導体部181Dの横方向Xの寸法)は、導体部181Cの幅寸法(導体部181Cの横方向Xの寸法)と等しい。
【0412】
図38図40に示すように、導通基板180には、複数の貫通孔185A~185Hが形成されている。各貫通孔185A~185Hは、導通基板180を厚さ方向Zに貫通している。つまり、各貫通孔185A~185Hは、配線層180A,180C,180E、及び絶縁層180B,180Dを厚さ方向Zに貫通している。
【0413】
複数(本実施形態では3個)の貫通孔185Aはそれぞれ、導通基板180における導体部181Aの基部181aが形成される部分に設けられている。複数の貫通孔185Aは、横方向Xにおいて揃った状態で縦方向Yに離間して配列されている。平面視における各貫通孔185Aの形状は、例えば略円形状である。各貫通孔185Aの内面には、複数の凹部が形成されている。この凹部の数は任意に変更可能である。
【0414】
図39に示すように、複数の貫通孔185Aにはそれぞれ、複数の金属部材191がそれぞれ1つずつ挿入されている。複数の金属部材191はそれぞれ、柱状の導電部材である。本実施形態においては、各金属部材191は、厚さ方向Zに直交する断面形状が略円形である。つまり、各金属部材191は、円柱状である。平面視において、各金属部材191の周縁には、複数の凹部が形成されている。なお、この凹部の数は特に限定されない。また、上記断面は、略円形に限定されず、略楕円形、略多角形であってもよい。各金属部材191の構成材料は、例えばCuあるいはCu合金である。各金属部材191は、絶縁基板41Cと接触している(図37参照)。
【0415】
本実施形態では、各貫通孔185Aは、複数の凹部を除く円形部分の直径が、各金属部材191の直径と略同じであるか、あるいは、大きい。本実施形態では、各貫通孔185Aへの各金属部材191の挿入(嵌め込み)は、例えば圧入である。
【0416】
図39に示すように、各金属部材191が各貫通孔185Aに挿入された状態において、各貫通孔185Aの内面に形成された複数の凹部と、各金属部材191の側方表面に形成された複数の凹部とによって、複数の非接触空間G1が形成されている。各非接触空間G1は、平面視において円形となり、厚さ方向Zにおいて導通基板180を貫通する空間である。各非接触空間G1には、例えば半田が充填されている。このように非接触空間G1を設け、その非接触空間G1に半田を充填させることによって、導通基板180と各金属部材191との接合強度を高めるとともに、各金属部材191と配線層180A,180Eとの導通を図っている。また、設計上では、各金属部材191と各貫通孔185Aとの平面視の直径が同じであれば、上記各凹部を除く部分に、隙間が生じないが、実際には、製造誤差によって微細な隙間が形成されうる。また、金属部材191の挿入を容易にするために、貫通孔185Aの平面視の直径を金属部材191の平面視の直径よりも大きくした場合にも、微細な隙間が形成されうる。この微細な隙間は、接合強度の低下及び導通不良の原因である。しかしながら、非接触空間G1を設け、非接触空間G1に半田を充填させることによって、非接触空間G1に半田を充填する際に、上記隙間にも半田が流れ込む。これにより、半田が上記隙間を充填し、各金属部材191と導通基板180との接合強度の低下、及び各金属部材191と配線層180A,180Eとの導通不良を抑制できる。なお、各金属部材191と配線層180Cとは導通されていない。すなわち、各金属部材191は、配線層180Cの絶縁部182Xとの間で非接触空間G1が形成されており、導体部183と接触していない。
【0417】
図40に示すように、複数(本実施形態では3個)の貫通孔185Bはそれぞれ、導通基板180における導体部181Bの基部181dが形成される部分に設けられている。複数の貫通孔185Bは、横方向Xにおいて揃った状態で縦方向Yに離間して配列されている。横方向Xにおいて、複数の貫通孔185Bは、複数の貫通孔185Aと異なる位置に配置されている。平面視における各貫通孔185Bの形状は、例えば略円形状である。各貫通孔185Bの内面には、複数の凹部が形成されている。この凹部の数は任意に変更可能である。
【0418】
複数の貫通孔185Bにはそれぞれ、複数の金属部材192がそれぞれ1つずつ挿入されている。複数の金属部材192はそれぞれ、柱状の導電部材である。本実施形態においては、各金属部材192は、厚さ方向Zに直交する断面形状が略円形である。つまり、各金属部材192は、円柱状である。平面視において、各金属部材192の周縁には、複数の凹部が形成されている。なお、この凹部の数は特に限定されない。また、上記断面は、略円形に限定されず、略楕円形、略多角形であってもよい。各金属部材192の構成材料は、例えばCuあるいはCu合金である。各金属部材192は、絶縁基板41Cと接触している(図37参照)。
【0419】
本実施形態では、各貫通孔185Bは、複数の凹部を除く円形部分の直径が、各金属部材192の直径と略同じであるか、あるいは、大きい。本実施形態では、各貫通孔185Bへの各金属部材192の挿入(嵌め込み)は、例えば圧入である。
【0420】
各金属部材192が各貫通孔185Bに挿入された状態において、各貫通孔185Bの内面に形成された複数の凹部と、各金属部材192の側方表面に形成された複数の凹部とによって、複数の非接触空間G2が形成されている。各非接触空間G2は、平面視において円形となり、厚さ方向Zにおいて導通基板180を貫通する空間である。各非接触空間G2には、例えば半田が充填されている。このように非接触空間G2を設け、その非接触空間G2に半田を充填させることによって、導通基板180と各金属部材192との接合強度を高めるとともに、各金属部材192と配線層180A,180C,180Eとの導通を図っている。
【0421】
図39に示すように、複数(本実施形態では3個)の貫通孔185Cはそれぞれ、導通基板180における導体部181Cが形成される部分に設けられている。複数の貫通孔185Cは、横方向Xにおいて揃った状態で縦方向Yに離間して配列されている。また、各貫通孔185Cは、縦方向Yにおいて各貫通孔185Bと揃った状態で横方向Xに各貫通孔185Bから離間して配置されている。換言すると、各貫通孔185Cは、縦方向Yにおいて各貫通孔185Aとは異なる位置に配置されている。
【0422】
平面視における各貫通孔185Cの形状は、例えば略円形状である。各貫通孔185Cの内面には、複数の凹部が形成されている。この凹部の数は任意に変更可能である。平面視における各貫通孔185Cの面積は、平面視における各貫通孔185A,185Bの面積よりも小さい。
【0423】
複数の貫通孔185Cにはそれぞれ、複数の挿通部材193がそれぞれ1つずつ挿入されている。複数の挿通部材193はそれぞれ、柱状の導電部材である。本実施形態においては、各挿通部材193は、厚さ方向Zに直交する断面形状が略円形である。つまり、各挿通部材193は、円柱状である。平面視において、各挿通部材193の周縁には、複数の凹部が形成されている。なお、この凹部の数は特に限定されない。また、上記断面は、略円形に限定されず、略楕円形、略多角形であってもよい。各挿通部材193の構成材料は、例えばCuあるいはCu合金である。各挿通部材193は、絶縁基板41Cと接触している。
【0424】
本実施形態では、各貫通孔185Cは、複数の凹部を除く円形部分の直径が、各挿通部材193の直径と略同じであるか、あるいは、大きい。本実施形態では、各貫通孔185Cへの各挿通部材193の挿入(嵌め込み)は、例えば圧入である。
【0425】
各挿通部材193が各貫通孔185Cに挿入された状態において、各貫通孔185Cの内面に形成された複数の凹部と、各挿通部材193の側方表面に形成された複数の凹部とによって、複数の非接触空間G3が形成されている。各非接触空間G3は、平面視において円形となり、厚さ方向Zにおいて導通基板180を貫通する空間である。各非接触空間G3には、例えば半田が充填されている。このように非接触空間G3を設け、その非接触空間G3に半田を充填させることによって、導通基板180と各挿通部材193との接合強度を高めるとともに、各挿通部材193と配線層180A,180Eとの導通を図っている。なお、各挿通部材193と配線層180Cとは導通されていない。すなわち、各挿通部材193は、配線層180Cの絶縁部182Xとの間で非接触空間G3が形成されており、導体部183と接触していない。
【0426】
図40に示すように、複数(本実施形態では3個)の貫通孔185Dはそれぞれ、導通基板180における導体部181Dが形成される部分に設けられている。複数の貫通孔185Dは、横方向Xにおいて揃った状態で縦方向Yに離間して配列されている。また、各貫通孔185Dは、縦方向Yにおいて各貫通孔185Aと揃った状板で横方向Xに各貫通孔185Aから離間して配置されている。換言すると、各貫通孔185Dは、縦方向Yにおいて各貫通孔185Bとは異なる位置に配置されている。
【0427】
平面視における各貫通孔185Dの形状は、例えば略円形状である。各貫通孔185Dの内面には、複数の凹部が形成されている。この凹部の数は任意に変更可能である。平面視における各貫通孔185Dの面積は、平面視における各貫通孔185A,185Bの面積よりも小さい。平面視における各貫通孔185Dの面積は、平面視における各貫通孔185Cの面積と等しい。
【0428】
複数の貫通孔185Dにはそれぞれ、複数の挿通部材194がそれぞれ1つずつ挿入されている。複数の挿通部材194はそれぞれ、柱状の導電部材である。本実施形態においては、各挿通部材194は、厚さ方向Zに直交する断面形状が略円形である。つまり、各挿通部材194は、円柱状である。平面視において、各挿通部材194の周縁には、複数の凹部が形成されている。なお、この凹部の数は特に限定されない。また、上記断面は、略円形に限定されず、略楕円形、略多角形であってもよい。各挿通部材194の構成材料は、例えばCuあるいはCu合金である。各挿通部材194は、絶縁基板41Cと接触している。
【0429】
本実施形態では、各貫通孔185Dは、複数の凹部を除く円形部分の直径が、各挿通部材194の直径と略同じであるか、あるいは、大きい。本実施形態では、各貫通孔185Dへの各挿通部材194の挿入(嵌め込み)は、例えば圧入である。
【0430】
各挿通部材194が各貫通孔185Dに挿入された状態において、各貫通孔185Dの内面に形成された複数の凹部と、各挿通部材194の側方表面に形成された複数の凹部とによって、複数の非接触空間G4が形成されている。各非接触空間G4は、平面視において円形となり、厚さ方向Zにおいて導通基板180を貫通する空間である。各非接触空間G4には、例えば半田が充填されている。このように非接触空間G4を設け、その非接触空間G4に半田を充填させることによって、導通基板180と各挿通部材194との接合強度を高めるとともに、各挿通部材194と配線層180A,180Cとの導通を図っている。なお、各挿通部材194と配線層180Eとは導通されていない。すなわち、各挿通部材194は、配線層180Eの絶縁部183Xとの間で非接触空間G4が形成されており、導体部184と接触していない。
【0431】
図39に示すように、複数(本実施形態では3個)の貫通孔185Eはそれぞれ、導通基板180における導体部181Eが形成される部分に設けられている。複数(本実施形態では3個)の貫通孔185Fはそれぞれ、導通基板180における導体部181Fが形成される部分に設けられている。横方向Xにおいて貫通孔185Fは、貫通孔185Eとは異なる位置に配置されている。
【0432】
図40に示すように、複数(本実施形態では3個)の貫通孔185Gはそれぞれ、導通基板180における導体部181Gが形成される部分に設けられている。複数(本実施形態では3個)の貫通孔185Hはそれぞれ、導通基板180における導体部181Hが形成される部分に設けられている。横方向Xにおいて貫通孔185Hは、貫通孔185Gとは異なる位置に配置されている。
【0433】
図39及び図40に示すように、複数の貫通電極195A~195Dはそれぞれ、導電性材料から構成されており、例えばCu又はCu合金からなる。平面視における複数の貫通電極195A~195Dのそれぞれの形状は、円形である。平面視における複数の貫通電極195A~195Dの面積は、平面視における複数の挿通部材193,194の面積よりも小さい。
【0434】
図39に示すように、複数の貫通電極195Aは、複数の貫通孔185Eにそれぞれ1つずつ充填されている。各貫通電極195Aは、各貫通孔185Eに充填されたものではなく、各貫通孔185Eの内面を覆う筒状のものであってもよい。
【0435】
複数の貫通電極195Bは、複数の貫通孔185Fにそれぞれ1つずつ充填されている。各貫通電極195Bは、各貫通孔185Fに充填されたものではなく、各貫通孔185Fの内面を覆う筒状のものであってもよい。
【0436】
図40に示すように、複数の貫通電極195Cは、複数の貫通孔185Gにそれぞれ1つずつ充填されている。各貫通電極195Cは、各貫通孔185Gに充填されたものではなく、各貫通孔185Gの内面を覆う筒状のものであってもよい。
【0437】
複数の貫通電極195Dは、複数の貫通孔185Hにそれぞれ1つずつ充填されている。各貫通電極195Dは、各貫通孔185Hに充填されたものではなく、各貫通孔185Hの内面を覆う筒状のものであってもよい。
【0438】
図39及び図40に示すように、各貫通電極195A~195Dはそれぞれ、配線層180A,180E(図37参照)を互いに導通させる。換言すると、各貫通電極195A~195Dはそれぞれ、配線層180Cと導通していない。図示していないが、配線層180Eでは、複数の貫通電極195Aを介して複数の導体部181Eが互いに電気的に接続されており、複数の貫通電極195Bを介して複数の導体部181Fが互いに電気的に接続されている。また、配線層180Eでは、複数の貫通電極195Cを介して複数の導体部181Gが互いに電気的に接続されており、複数の貫通電極195Dを介して複数の導体部181Hが互いに電気的に接続されている。
【0439】
図39に示すように、各金属部材191の厚さ方向Zにおける絶縁基板41C側とは反対側の端面には、各第1半導体素子10Aが配置されている。より詳細には、図37に示すように、第1半導体素子10Aは、その素子裏面10rが金属部材191の上記端面と対向するように金属部材191の上記端面に配置されている。第1半導体素子10Aは、例えば銀ペーストや半田等の導電性接合材によって金属部材191の上記端面に接合されている。このように、第1半導体素子10Aの素子裏面10rに形成されたドレイン電極11は、金属部材191と電気的に接続されている。
【0440】
図39に示すように、各第1半導体素子10Aのソース電極12は、導体部181Cと電気的に接続されている。より詳細には、第1半導体素子10Aのソース電極12と導体部181Cとには、複数本の第1駆動用接続部材91Aが接続されている。第1駆動用接続部材91Aは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0441】
また各第1半導体素子10Aのソース電極12は、各導体部181Fと電気的に接続されている。すなわち、所定の第1半導体素子10Aのソース電極12は、その所定の第1半導体素子10Aに対応する導体部181Fと電気的に接続されている。所定の第1半導体素子10Aに対応する導体部181Fとは、所定の第1半導体素子10Aに最も近い導体部181Fである。本実施形態では、所定の第1半導体素子10Aに対応する導体部181Fは、横方向Xからみて、所定の第1半導体素子10Aと重なるように配置されている。
【0442】
第1半導体素子10Aのソース電極12と導体部181Fとには、第1制御用接続部材93Aが接続されている。第1制御用接続部材93Aは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0443】
また各第1半導体素子10Aのゲート電極13は、導体部181Eと電気的に接続されている。すなわち、所定の第1半導体素子10Aのゲート電極13は、その所定の第1半導体素子10Aに対応する導体部181Eと電気的に接続されている。所定の第1半導体素子10Aに対応する導体部181Eとは、所定の第1半導体素子10Aに最も近い導体部181Eである。本実施形態では、所定の第1半導体素子10Aに対応する導体部181Eは、横方向Xからみて、所定の第1半導体素子10Aと重なるように配置されている。
【0444】
第1半導体素子10Aのゲート電極13と導体部181Eとには、第1制御用接続部材92Aが接続されている。第1制御用接続部材92Aは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0445】
図40に示すように、各金属部材192の厚さ方向Zにおける絶縁基板41C側とは反対側の端面には、各第2半導体素子10Bが配置されている。より詳細には、図37に示すように、第2半導体素子10Bは、その素子裏面10rが金属部材192の上記端面と対向するように金属部材192の上記端面に配置されている。第2半導体素子10Bは、例えば銀ペーストや半田等の導電性接合材によって金属部材192の上記端面に接合されている。このように、第2半導体素子10Bの素子裏面10rに形成されたドレイン電極11は、金属部材192と電気的に接続されている。
【0446】
図40に示すように、各第2半導体素子10Bのソース電極12は、導体部181Dと電気的に接続されている。より詳細には、第2半導体素子10Bのソース電極12と導体部181Dとには、複数本の第2駆動用接続部材91Bが接続されている。第2駆動用接続部材91Bは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0447】
また各第2半導体素子10Bのソース電極12は、各導体部181Hと電気的に接続されている。すなわち、所定の第2半導体素子10Bのソース電極12は、その所定の第2半導体素子10Bに対応する導体部181Hと電気的に接続されている。所定の第2半導体素子10Bに対応する導体部181Hとは、所定の第2半導体素子10Bに最も近い導体部181Hである。本実施形態では、所定の第2半導体素子10Bに対応する導体部181Hは、横方向Xからみて、所定の第2半導体素子10Bと重なるように配置されている。
【0448】
第2半導体素子10Bのソース電極12と導体部181Hとには、第2制御用接続部材93Bが接続されている。第2制御用接続部材93Bは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0449】
また各第2半導体素子10Bのゲート電極13は、各導体部181Gと電気的に接続されている。すなわち、所定の第2半導体素子10Bのゲート電極13は、その所定の第2半導体素子10Bに対応する導体部181Gと電気的に接続されている。所定の第2半導体素子10Bに対応する導体部181Gとは、所定の第2半導体素子10Bに最も近い導体部181Gである。本実施形態では、所定の第2半導体素子10Bに対応する導体部181Gは、横方向Xからみて、所定の第2半導体素子10Bと重なるように配置されている。
【0450】
第2半導体素子10Bのゲート電極13と導体部181Gとには、第2制御用接続部材92Bが接続されている。第2制御用接続部材92Bは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0451】
図36に示すように、導通基板180は、第1配線領域70A、第2配線領域70B、及び第3配線領域70Cを有する。また、導通基板180には、第1実施形態と同様に、第1短絡検出回路3A及び第2短絡検出回路3Bと、第1サージ低減回路4A及び第2サージ低減回路4Bとが設けられている。
【0452】
第1配線領域70Aは、縦方向Yにおいて導通基板180のうちの複数の第1半導体素子10Aよりも第3樹脂側面53寄りの部分、かつ横方向Xにおいて導通基板180の中央部よりも第1樹脂側面51側の部分から形成される領域である。
【0453】
第2配線領域70Bは、縦方向Yにおいて導通基板180のうちの複数の第2半導体素子10Bよりも第3樹脂側面53寄りの部分、かつ横方向Xにおいて導通基板180の中央部よりも第2樹脂側面52側の部分から形成される領域である。
【0454】
第3配線領域70Cは、横方向Xにおいて導通基板180のうちの複数の第2半導体素子10Bよりも第4樹脂側面54寄りの部分、かつ横方向Xにおいて導通基板180の中央部よりも第2樹脂側面52側の部分から形成される領域である。
【0455】
図41に示すように、第1配線領域70Aには、第1短絡検出回路3A及び第1サージ低減回路4Aが設けられている。図41は、第1短絡検出回路3A及び第1サージ低減回路4Aの配線構成の一例を示す。第1短絡検出回路3A及び第1サージ低減回路4Aの配線構成は、図41に示す配線構成に限られず、任意に変更可能である。
【0456】
第1短絡検出回路3Aは、平面視において、導体部181Aの内部に配置されている。具体的には、第1短絡検出回路3Aは、導体部181Aに形成された開口部181gの内部に配置されている。開口部181gは、複数の第1半導体素子10Aのうちの最も第3樹脂側面53寄りの第1半導体素子10Aと縦方向Yにおいて隣り合うように形成されている。
【0457】
開口部181g内には、第1配線部分201、第2配線部分202、及び第3配線部分203が配置されている。第1配線部分201、第2配線部分202、及び第3配線部分203は、縦方向Yに揃った状態で横方向Xに離間して配置されている。第2配線部分202は、横方向Xにおいて第1配線部分201と第3配線部分203との間に配置されている。第1配線部分201は横方向Xにおいて第2配線部分202に対して第1樹脂側面51寄りに配置されており、第3配線部分203は横方向Xにおいて第2配線部分202に対して第2樹脂側面52寄りに配置されている。平面視における各配線部分201~203の形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。
【0458】
第1配線部分201は、各第1半導体素子10Aのドレイン電極11と電気的に接続するための配線である。第1配線部分201には、貫通孔201aが設けられている。貫通孔201aは、導通基板180を厚さ方向Zに貫通している。貫通孔201aには貫通電極204が充填されている。貫通電極204は、貫通孔201aに充填されるものではなく、貫通孔201aの内面を覆う筒状のものであってもよい。貫通電極204は、配線層180A,180Eを導通させる。図示しないが、配線層180Eにおいて貫通電極204と第1半導体素子10Aのドレイン電極11とが電気的に接続されるように構成されている。
【0459】
第3配線部分203は、第1短絡検出用リード87Aと電気的に接続するための配線である。第3配線部分203には、貫通孔203aが設けられている。貫通孔203aは、導通基板180を厚さ方向Zに貫通している。貫通孔203aには貫通電極205が充填されている。貫通電極205は、貫通孔203aに充填されるものではなく、貫通孔203aの内面を覆う筒状のものであってもよい。貫通電極205は、配線層180A,180Eを導通させる。図示しないが、配線層180Eにおいて貫通電極205と第1短絡検出用リード87Aと電気的に接続される配線部分とが電気的に接続されるように構成されている。
【0460】
第1短絡検出回路3Aは、第1実施形態の第1短絡検出回路3Aと同じであり、第1高耐圧ダイオード30A,30Bを有する。
第1高耐圧ダイオード30Aは、第2配線部分202と第3配線部分203とに接続されている。具体的には、第1高耐圧ダイオード30Aのカソード電極が第3配線部分203に接続され、第1高耐圧ダイオード30Aのアノード電極が第2配線部分202に接続されている。また、第1高耐圧ダイオード30Bは、第1配線部分201と第2配線部分202とに接続されている。具体的には、第1高耐圧ダイオード30Bのカソード電極が第1配線部分201に接続され、第1高耐圧ダイオード30Bのアノード電極が第2配線部分202に接続されている。このように、第1配線部分201、第2配線部分202、及び第3配線部分203によって、第1高耐圧ダイオード30Aと第1高耐圧ダイオード30Bとが直列接続されている。
【0461】
本実施形態では、アノード電極とカソード電極との配列方向が横方向Xに沿うように第1高耐圧ダイオード30Aが配置されている。また、アノード電極とカソード電極との配列方向が横方向Xに沿うように第1高耐圧ダイオード30Bが配置されている。加えて、第1高耐圧ダイオード30Aと第1高耐圧ダイオード30Bとは、縦方向Yに揃った状態で横方向Xにおいて離間して配置されている。
【0462】
第1サージ低減回路4Aは、第1配線領域70Aにおける導体部181Aとリード80との縦方向Yの間の部分に設けられている。この部分には、第1実施形態と同様に、第1駆動用配線62A、第1制御用配線63A、第1制御用配線64A、第1制御電源用配線65A、及び第1制御電源用配線66Aが設けられている。本実施形態の第1駆動用配線62A、第1制御用配線63A、第1制御用配線64A、第1制御電源用配線65A、及び第1制御電源用配線66Aの配置態様及び形状は、第1実施形態の第1駆動用配線62A、第1制御用配線63A、第1制御用配線64A、第1制御電源用配線65A、及び第1制御電源用配線66Aの配置態様及び形状とは異なる。
【0463】
第1駆動用配線62Aは、横方向Xにおいて、第1制御用配線63A、第1制御用配線64A、第1制御電源用配線65A、及び第1制御電源用配線66Aよりも第2樹脂側面52寄りに配置されている。第1駆動用配線62Aは、縦方向Yに延びている。平面視における第1駆動用配線62Aの形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。第1駆動用配線62Aには、貫通孔62pwが設けられている。貫通孔62pwは、導通基板180を厚さ方向Zに貫通している。貫通孔62pwには貫通電極206が充填されている。貫通電極206は、貫通孔62pwに充填されるものではなく、貫通孔62pwの内面を覆う筒状のものであってもよい。貫通電極206は、配線層180A,180Eを導通させる。図示しないが、配線層180Eにおいて貫通電極205,206を介して第1駆動用配線62Aと、第1短絡検出回路3Aにおける第3配線部分203とが電気的に接続されるように構成されている。
【0464】
第1制御用配線63Aは、横方向Xにおいて、第1駆動用配線62A、第1制御用配線64A、第1制御電源用配線65A、及び第1制御電源用配線66Aよりも第1樹脂側面51寄りに配置されている。第1制御用配線63Aは、縦方向Yに延びている。第1制御用配線63Aの縦方向Yの長さは、第1駆動用配線62Aの縦方向Yの長さよりも長い。平面視における第1制御用配線63Aの形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。第1制御用配線63Aには、貫通孔63pzが設けられている。貫通孔63pzは、導通基板180を厚さ方向Zに貫通している。貫通孔63pzには貫通電極207が充填されている。貫通電極207は、貫通孔63pzに充填されるものではなく、貫通孔63pzの内面を覆う筒状のものであってもよい。貫通電極207は、配線層180A,180Eを導通させる。図示しないが、配線層180Eにおいて貫通電極195A(図39参照),207を介して第1制御用配線63Aと複数の導体部181Eとが電気的に接続されるように構成されている。
【0465】
第1制御用配線64Aは、横方向Xにおいて、第1駆動用配線62Aと第1制御用配線63Aとの間に配置されている。第1制御用配線64Aは、縦方向Yに延びている。平面視における第1制御用配線64Aの形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。第1制御用配線64Aの縦方向Yの長さは、第1制御用配線63Aの縦方向Yの長さよりも短い。第1制御用配線64Aには、貫通孔64pzが設けられている。貫通孔64pzは、導通基板180を厚さ方向Zに貫通している。貫通孔64pzには貫通電極208が充填されている。貫通電極208は、貫通孔64pzに充填されるものではなく、貫通孔64pzの内面を覆う筒状のものであってもよい。貫通電極208は、配線層180A,180Eを導通させる。図示しないが、配線層180Eにおいて貫通電極195B(図39参照),208を介して第1制御用配線64Aと複数の導体部181Fとが電気的に接続されるように構成されている。
【0466】
第1制御電源用配線65Aは、横方向Xにおいて、第1制御用配線64Aと隣り合うように配置されている。第1制御電源用配線65Aは、横方向Xにおいて、第1制御用配線64Aと第1制御用配線63Aとの間に配置されている。第1制御電源用配線65Aは、縦方向Yに延びている。平面視における第1制御電源用配線65Aの形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。
【0467】
第1制御電源用配線66Aは、第1実施形態と同様に、縦方向Yに延びる第1配線部分66paと、第1配線部分66paから離間して設けられており、縦方向Yに延びる第2配線部分66pbと、第1配線部分66paと第2配線部分66pbとを接続する第3配線部分66pcとを有する。第1配線部分66paは、横方向Xにおいて第1制御用配線64Aと隣り合うように配置されている。具体的には、第1配線部分66paは、横方向Xにおいて第1制御用配線64Aに対して第1制御電源用配線65Aとは反対側に配置されている。すなわち第1配線部分66paは、横方向Xにおいて第1駆動用配線62Aと第1制御用配線64Aとの間に配置されている。横方向Xからみて、第1配線部分66paは、第1制御用配線64A及び第1制御電源用配線65Aと重なるように配置されている。第1配線部分66paと第1制御電源用リード86Bとは、第1制御電源用接続部材96Bによって接続されている。第1制御電源用接続部材96Bは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0468】
第2配線部分66pbは、横方向Xにおいて第1制御用配線64Aよりも第1樹脂側面51寄りに配置されている。第2配線部分66pbは、縦方向Yにおいて第1配線部分66paよりも第4樹脂側面54寄り(導体部181A寄り)に配置されている。縦方向Yからみて、第2配線部分66pbは、第1制御電源用配線65Aと重なるように配置されている。第2配線部分66pbは、横方向Xにおいて、第1制御用配線63Aと重なるように配置されている。
【0469】
第3配線部分66pcは、第1配線部分66paと第2配線部分66pbとを接続している。平面視における第3配線部分66pcの形状は、例えばL字状である。なお、平面視における第3配線部分66pcの形状は、L字状に限られず、第2樹脂側面52に向かうにつれて第3樹脂側面53に向けて斜めに延びる形状であってもよい。
【0470】
第1サージ低減回路4Aを構成する第1低耐圧ダイオード32A,32B及び第1コンデンサ33A,33Bは、第1実施形態と同様に、第1制御用配線63A,64A、第1制御電源用配線65A、及び第1制御電源用配線66Aに接続されている。
【0471】
第1低耐圧ダイオード32Aは、第1制御用配線63Aと第1制御電源用配線65Aとに接続されている。具体的には、第1低耐圧ダイオード32Aのアノード電極は、第1制御用配線63Aにおける第1制御用リード84A寄りの部分に接続されている。第1低耐圧ダイオード32Aのカソード電極は、第1制御電源用配線65Aに接続されている。
【0472】
第1低耐圧ダイオード32Bは、第1制御用配線63Aと第1制御電源用配線66Aとに接続されている。具体的には、第1低耐圧ダイオード32Bのカソード電極は、第1制御用配線63Aにおける導体部181A寄りの部分に接続されている。第1低耐圧ダイオード32Bのアノード電極は、第1制御電源用配線66Aの第2配線部分66pbに接続されている。このように、第1低耐圧ダイオード32A,32Bは、第1制御電源用配線66Aと第1制御電源用配線65Aとの間で第1制御用配線63Aを介して直列接続されている。
【0473】
本実施形態では、アノード電極とカソード電極との配列方向が横方向Xに沿うように第1低耐圧ダイオード32Aが配置されている。また、アノード電極とカソード電極との配列方向が横方向Xに沿うように第1低耐圧ダイオード32Bが配置されている。加えて、第1低耐圧ダイオード32Aと第1低耐圧ダイオード32Bとは、横方向Xに揃った状態で縦方向Yに離間して配列されている。縦方向Yにおいて、第1低耐圧ダイオード32Aは、第1低耐圧ダイオード32Bよりも第3樹脂側面53寄りに配置されている。
【0474】
第1コンデンサ33Aは、第1制御電源用配線65Aと第1制御用配線64Aとに接続されている。具体的には、第1コンデンサ33Aの第1端子は、第1制御電源用配線65Aに接続されている。第1コンデンサ33Aの第2端子は、第1制御用配線64Aに接続されている。
【0475】
第1コンデンサ33Bは、第1制御電源用配線66Aと第1制御用配線64Aとに接続されている。具体的には、第1コンデンサ33Bの第1端子は、第1制御電源用配線66Aの第1配線部分66paに接続されている。第1コンデンサ33Bの第2端子は、第1制御用配線64Aに接続されている。このように、第1コンデンサ33A,33Bは、第1制御電源用配線65Aと第1制御電源用配線66Aとの間で第1制御用配線64Aを介して直列接続されている。
【0476】
本実施形態では、第1端子と第2端子との配列方向が横方向Xに沿うように第1コンデンサ33Aが配置されている。また、第1端子と第2端子との配列方向が横方向Xに沿うように第1コンデンサ33Bが配置されている。加えて、第1コンデンサ33Aと第1コンデンサ33Bとは、縦方向Yに揃った状態で横方向Xに離間して配列されている。また横方向Xからみて、各コンデンサ33A,33Bは、第1低耐圧ダイオード32Aと重なるように配置されている。また縦方向Yからみて、各コンデンサ33A,33Bは、各低耐圧ダイオード32A,32Bよりも第2樹脂側面52寄りに配置されている。
【0477】
図42に示すように、第3配線領域70Cには、第2短絡検出回路3Bが設けられている。図42は、第1短絡検出回路3Aの配線構成の一例を示す。第1短絡検出回路3Aの配線構成は、図42に示す配線構成に限られず、任意に変更可能である。
【0478】
第2短絡検出回路3Bは、平面視において、導体部181Bの内部に配置されている。具体的には、第2短絡検出回路3Bは、導体部181Bに形成された開口部181hの内部に配置されている。開口部181hは、複数の第2半導体素子10Bのうちの最も第4樹脂側面54寄りの第2半導体素子10Bと縦方向Yにおいて隣り合うように形成されている。
【0479】
開口部181h内には、第1配線部分211、第2配線部分212、及び第3配線部分213が配置されている。第1配線部分211、第2配線部分212、及び第3配線部分213は、縦方向Yに揃った状態で横方向Xに離間して配置されている。第2配線部分212は、横方向Xにおいて第1配線部分211と第3配線部分213との間に配置されている。第1配線部分211は横方向Xにおいて第2配線部分212に対して第2樹脂側面52寄りに配置されており、第3配線部分213は横方向Xにおいて第2配線部分212に対して第1樹脂側面51寄りに配置されている。平面視における各配線部分211~213の形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。
【0480】
第1配線部分211は、各第2半導体素子10Bのドレイン電極11と電気的に接続するための配線である。第1配線部分211には、貫通孔211aが設けられている。貫通孔211aは、導通基板180を厚さ方向Zに貫通している。貫通孔211aには貫通電極214が充填されている。貫通電極214は、貫通孔211aに充填されるものではなく、貫通孔211aの内面を覆う筒状のものであってもよい。貫通電極214は、配線層180A,180Eを導通させる。図示しないが、配線層180Eにおいて貫通電極214と第2半導体素子10Bのドレイン電極11とが電気的に接続されるように構成されている。
【0481】
第3配線部分213は、第1短絡検出用リード87Aと電気的に接続するための配線である。第3配線部分213には、貫通孔213aが設けられている。貫通孔213aは、導通基板180を厚さ方向Zに貫通している。貫通孔213aには貫通電極215が充填されている。貫通電極215は、貫通孔213aに充填されるものではなく、貫通孔213aの内面を覆う筒状のものであってもよい。貫通電極215は、配線層180A,180Eを導通させる。図示しないが、配線層180Eにおいて貫通電極215と第1短絡検出用リード87Aと電気的に接続される配線部分とが電気的に接続されるように構成されている。
【0482】
第2短絡検出回路3Bは、第1実施形態の第2短絡検出回路3Bと同じであり、第2高耐圧ダイオード31A,31Bを有する。
第2高耐圧ダイオード31Aは、第2配線部分212と第3配線部分213とに接続されている。具体的には、第2高耐圧ダイオード31Aのカソード電極が第3配線部分213に接続され、第2高耐圧ダイオード31Aのアノード電極が第2配線部分212に接続されている。また、第2高耐圧ダイオード31Bは、第1配線部分211と第2配線部分212とに接続されている。具体的には、第2高耐圧ダイオード31Bのカソード電極が第1配線部分211に接続され、第2高耐圧ダイオード31Bのアノード電極が第2配線部分212に接続されている。このように、第1配線部分211、第2配線部分212、及び第3配線部分213によって、第2高耐圧ダイオード31Aと第2高耐圧ダイオード31Bとが直列接続されている。
【0483】
本実施形態では、アノード電極とカソード電極との配列方向が横方向Xに沿うように第2高耐圧ダイオード31Aが配置されている。また、アノード電極とカソード電極との配列方向が横方向Xに沿うように第2高耐圧ダイオード31Bが配置されている。加えて、第2高耐圧ダイオード31Aと第2高耐圧ダイオード31Bとは、縦方向Yに揃った状態で横方向Xにおいて離間して配置されている。
【0484】
図43に示すように、第2配線領域70Bには、第2サージ低減回路4Bが設けられている。図43は、第2サージ低減回路4Bの配線構成の一例を示す。第2サージ低減回路4Bの配線構成は、図43に示す配線構成に限られず、任意に変更可能である。
【0485】
第2サージ低減回路4Bは、第2配線領域70Bにおける導体部181Bとリード80との縦方向Yの間の部分に設けられている。この部分には、第1実施形態と同様に、第2駆動用配線62B、第2制御用配線63B、第2制御用配線64B、第2制御電源用配線65B、及び第2制御電源用配線66Bが設けられている。本実施形態の第2駆動用配線62B、第2制御用配線63B、第2制御用配線64B、第2制御電源用配線65B、及び第2制御電源用配線66Bのそれぞれの配置態様及び形状は、第1実施形態の第2駆動用配線62B、第2制御用配線63B、第2制御用配線64B、第2制御電源用配線65B、及び第2制御電源用配線66Bの配置態様及び形状と異なる。
【0486】
第2駆動用配線62Bは、横方向Xにおいて、第2制御用配線63B、第2制御用配線64B、第2制御電源用配線65B、及び第2制御電源用配線66Dよりも第1樹脂側面51寄りに配置されている。第2駆動用配線62Bは、縦方向Yに延びている。平面視における第2駆動用配線62Bの形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。第2駆動用配線62Bには、貫通孔62qzが設けられている。貫通孔62qzは、導通基板180を厚さ方向Zに貫通している。貫通孔62qzには貫通電極216が充填されている。貫通電極216は、貫通孔62qzに充填されるものではなく、貫通孔62qzの内面を覆う筒状のものであってもよい。貫通電極216は、配線層180A,180Eを導通させる。図示しないが、配線層180Eにおいて貫通電極215,216を介して第2駆動用配線62Bと、第2短絡検出回路3Bにおける第3配線部分213とが電気的に接続されるように構成されている。
【0487】
第2制御用配線63Bは、横方向Xにおいて、第2駆動用配線62B、第2制御用配線64B、第2制御電源用配線65B、及び第2制御電源用配線66Bよりも第2樹脂側面52寄りに配置されている。第2制御用配線63Bは、縦方向Yに延びている。第2制御用配線63Bの縦方向Yの長さは、第2駆動用配線62Bの縦方向Yの長さよりも長い。平面視における第2制御用配線63Bの形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。第2制御用配線63Bには、貫通孔63qzが設けられている。貫通孔63qzは、導通基板180を厚さ方向Zに貫通している。貫通孔63qzには貫通電極217が充填されている。貫通電極217は、貫通孔63qzに充填されるものではなく、貫通孔63qzの内面を覆う筒状のものであってもよい。貫通電極217は、配線層180A,180Eを導通させる。図示しないが、配線層180Eにおいて貫通電極195C(図40参照),217を介して第2制御用配線63Bと複数の導体部181Gとが電気的に接続されるように構成されている。
【0488】
第2制御用配線64Bは、横方向Xにおいて、第2駆動用配線62Bと第2制御用配線63Bとの間に配置されている。第2制御用配線64Bは、縦方向Yに延びている。平面視における第2制御用配線64Bの形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。第2制御用配線64Bの縦方向Yの長さは、第2制御用配線63Bの縦方向Yの長さよりも短い。第2制御用配線64Bには、貫通孔64qzが設けられている。貫通孔64qzは、導通基板180を厚さ方向Zに貫通している。貫通孔64qzには貫通電極218が充填されている。貫通電極218は、貫通孔64qzに充填されるものではなく、貫通孔64qzの内面を覆う筒状のものであってもよい。貫通電極218は、配線層180A,180Eを導通させる。図示しないが、配線層180Eにおいて貫通電極195D(図40参照),218を介して第2制御用配線64Bと複数の導体部181Hとが電気的に接続されるように構成されている。
【0489】
第2制御電源用配線65Bは、横方向Xにおいて、第2制御用配線64Bと隣り合うように配置されている。第2制御電源用配線65Bは、横方向Xにおいて、第2制御用配線63Bと第2制御用配線64Bとの間に配置されている。第2制御電源用配線65Bは、縦方向Yに延びている。平面視における第2制御電源用配線65Bの形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。
【0490】
第2制御電源用配線66Bは、第1実施形態と同様に、縦方向Yに延びる第1配線部分66qaと、第1配線部分66qaから離間して設けられており、縦方向Yに延びる第2配線部分66qbと、第1配線部分66qaと第2配線部分66qbとを接続する第3配線部分66qcとを有する。第1配線部分66qaは、横方向Xにおいて第2制御用配線64Bと隣り合うように配置されている。具体的には、第1配線部分66qaは、横方向Xにおいて第2制御用配線64Bに対して第2制御電源用配線65Bとは反対側に配置されている。すなわち第1配線部分66qaは、横方向Xにおいて第2制御用配線64Bと第2駆動用配線62Bとの間に配置されている。横方向Xからみて、第1配線部分66qaは、第2制御用配線64B及び第2制御電源用配線65Bと重なるように配置されている。第1配線部分66qaと第2制御電源用リード86Dとは、第2制御電源用接続部材96Dによって接続されている。第2制御電源用接続部材96Dは、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0491】
第2配線部分66qbは、横方向Xにおいて第2制御用配線64B及び第2制御電源用配線65Bよりも第2樹脂側面52寄りに配置されている。第2配線部分66qbは、縦方向Yにおいて第1配線部分66qaよりも第4樹脂側面54寄り(導体部181B寄り)に配置されている。縦方向Yからみて、第2配線部分66qbは、第2制御電源用配線65Bと重なるように配置されている。第2配線部分66qbは、横方向Xにおいて、第2制御用配線63Bと重なるように配置されている。
【0492】
第3配線部分66qcは、第1配線部分66qaと第2配線部分66qbとを接続している。平面視における第3配線部分66qcの形状は、例えばL字状である。なお、平面視における第3配線部分66qcの形状は、L字状に限られず、第1樹脂側面51に向かうにつれて第3樹脂側面53に向けて斜めに延びる形状であってもよい。
【0493】
第2サージ低減回路4Bを構成する第2低耐圧ダイオード34A,34B及び第2コンデンサ35A,35Bは、第1実施形態と同様に、第2制御用配線63B,64B、第2制御電源用配線65B、及び第2制御電源用配線66Bに接続されている。
【0494】
第2低耐圧ダイオード34Aは、第2制御用配線63Bと第2制御電源用配線65Bとに接続されている。具体的には、第2低耐圧ダイオード34Aのアノード電極は、第2制御用配線63Bにおける第2制御用リード84B寄りの部分に接続されている。第2低耐圧ダイオード34Aのカソード電極は、第2制御電源用配線65Bに接続されている。
【0495】
第2低耐圧ダイオード34Bは、第2制御用配線63Bと第2制御電源用配線66Bとに接続されている。具体的には、第2低耐圧ダイオード34Bのカソード電極は、第2制御用配線63Bにおける導体部181B寄りの部分に接続されている。第2低耐圧ダイオード34Bのアノード電極は、第2制御電源用配線66Bの第2配線部分66qbに接続されている。このように、第2低耐圧ダイオード34A,34Bは、第2制御電源用配線66Bと第2制御電源用配線65Bとの間で第2制御用配線63Bを介して直列接続されている。
【0496】
本実施形態では、アノード電極とカソード電極との配列方向が横方向Xに沿うように第2低耐圧ダイオード34Aが配置されている。また、アノード電極とカソード電極との配列方向が横方向Xに沿うように第2低耐圧ダイオード34Bが配置されている。加えて、第2低耐圧ダイオード34Aと第2低耐圧ダイオード34Bとは、横方向Xに揃った状態で縦方向Yに離間して配列されている。縦方向Yにおいて、第2低耐圧ダイオード34Aは、第2低耐圧ダイオード34Bよりも第3樹脂側面53寄りに配置されている。
【0497】
第2コンデンサ35Aは、第2制御電源用配線65Bと第2制御用配線64Bとに接続されている。具体的には、第2コンデンサ35Aの第1端子は、第2制御電源用配線65Bに接続されている。第2コンデンサ35Aの第2端子は、第2制御用配線64Bに接続されている。
【0498】
第2コンデンサ35Bは、第2制御電源用配線66Bと第2制御用配線64Bとに接続されている。具体的には、第2コンデンサ35Bの第1端子は、第2制御電源用配線66Bの第1配線部分66qaに接続されている。第2コンデンサ35Bの第2端子は、第2制御用配線64Bに接続されている。このように、第2コンデンサ35A,35Bは、第2制御電源用配線65Bと第2制御電源用配線66Bとの間で第2制御用配線64Bを介して直列接続されている。
【0499】
本実施形態では、第1端子と第2端子との配列方向が横方向Xに沿うように第2コンデンサ35Aが配置されている。また、第1端子と第2端子との配列方向が横方向Xに沿うように第2コンデンサ35Bが配置されている。加えて、第2コンデンサ35Aと第2コンデンサ35Bとは、縦方向Yに揃った状態で横方向Xに離間して配列されている。また横方向Xからみて、各コンデンサ35A,35Bは、第2低耐圧ダイオード34Aと重なるように配置されている。また縦方向Yからみて、各コンデンサ35A,35Bは、各低耐圧ダイオード34A,34Bよりも第1樹脂側面51寄りに配置されている。
【0500】
図35に示すように、樹脂部材50には、第1実施形態と同様に、樹脂天面55側から導通基板180を露出する4つの樹脂開口部として第1制御側開口部58A、第2制御側開口部58B、第1駆動側開口部59A、及び第2駆動側開口部59Bが設けられている。図35から分かるとおり、第1制御側開口部58Aと第1駆動側開口部59Aとは個別に設けられている。第2制御側開口部58Bと第2駆動側開口部59Bとは個別に設けられている。第1制御側開口部58Aと第2制御側開口部58Bとは個別に設けられている。
【0501】
第1制御側開口部58Aは、縦方向Yからみて、複数の第1半導体素子10Aと重なる位置、かつ複数の第1半導体素子10Aよりも第3樹脂側面53寄りに配置されている。第2制御側開口部58Bは、縦方向Yからみて、複数の第2半導体素子10Bと重なる位置、かつ複数の第2半導体素子10Bよりも第3樹脂側面53寄りに配置されている。このように、平面視において、第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bは、樹脂部材50の一辺に沿う方向において、互いに離間した状態で並んで配置されている。換言すると、平面視において、第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bは、縦方向Yにおいて揃った状態で横方向Xに離間して配置されている。平面視において、各制御側開口部58A,58Bは、樹脂天面55のうちの第3樹脂側面53寄りの端部に配置されている。第1制御側開口部58Aは、第2制御側開口部58Bよりも第1樹脂側面51寄りに配置されている。
【0502】
図41に示すように、平面視において、第1制御側開口部58Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード84Aの端子部84tとの縦方向Yの間に配置されている。本実施形態では、平面視において、第1制御側開口部58Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード84Aのパッド部84pとの縦方向Yの間に配置されている。また、平面視において、第1制御側開口部58Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード85Aの端子部85tとの縦方向Yの間に配置されている。本実施形態では、平面視において、第1制御側開口部58Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード85Aのパッド部85pとの縦方向Yの間に配置されている。
【0503】
図43に示すように、平面視において、第2制御側開口部58Bは、複数の第2半導体素子10Bと第2制御用リード84Bの端子部84tとの縦方向Yの間に配置されている。本実施形態では、平面視において、第2制御側開口部58Bは、複数の第2半導体素子10Bと第2制御用リード84Bのパッド部84pとの縦方向Yの間に配置されている。また、平面視において、第2制御側開口部58Bは、複数の第2半導体素子10Bと第2制御用リード85Bの端子部85tとの縦方向Yの間に配置されている。本実施形態では、平面視において、第2制御側開口部58Bは、複数の第2半導体素子10Bと第2制御用リード85Bのパッド部85pとの縦方向Yの間に配置されている。
【0504】
図35に示すように、第1駆動側開口部59Aは、縦方向Yからみて、複数の第1半導体素子10Aと重なる位置、かつ複数の第1半導体素子10Aよりも第3樹脂側面53寄りに配置されている。また第1駆動側開口部59Aは、縦方向Yにおいて第1制御側開口部58Aよりも複数の第1半導体素子10A寄りに配置されている。換言すると、平面視において、第1駆動側開口部59Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード84Aの端子部84tとの縦方向Yの間に配置されている。第1駆動側開口部59Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード85Aの端子部85tとの縦方向Yの間に配置されている。本実施形態では、平面視において、第1駆動側開口部59Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御側開口部58Aとの縦方向Yの間に配置されている。
【0505】
図35に示すように、第2駆動側開口部59Bは、縦方向Yからみて、複数の第2半導体素子10Bと重なる位置、かつ複数の第2半導体素子10Bよりも第4樹脂側面54寄りに配置されている。換言すると、平面視において、第1駆動側開口部59Aは、第2制御側開口部58B及び第2駆動側開口部59Bよりも第1樹脂側面51寄りに配置されている。第1駆動側開口部59Aは、第1制御側開口部58Aに対して第2樹脂側面52寄りに配置されている。第1駆動側開口部59Aは、第2制御側開口部58B及び第2駆動側開口部59Bよりも第1制御側開口部58Aの近くに配置されている。平面視において、第2駆動側開口部59Bは、樹脂天面55のうちの第4樹脂側面54寄りの端部に配置されている。第2駆動側開口部59Bは、第2制御側開口部58Bに対して第1樹脂側面51寄りに配置されている。平面視における各駆動側開口部59A,59Bの面積は、平面視における各制御側開口部58A,58Bの面積よりも小さい。
【0506】
図41に示すように、第1制御側開口部58Aは、導通基板180の第1配線領域70Aの一部を露出している。換言すると、第1制御側開口部58Aは、導通基板180において第1半導体素子10A以外の電子部品が実装される実装領域の一部を露出している。第1制御側開口部58Aは、第1配線領域70Aのうちの第3樹脂側面53寄りの領域を露出している。本実施形態では、第1制御側開口部58Aは、第1半導体素子10Aに電気的に接続された第1サージ低減回路4Aを露出している。より詳細には、図41に示すように、第1制御側開口部58Aは、第1低耐圧ダイオード32A,32B、第1コンデンサ33A,33B、第1制御用配線63A、第1制御用配線64A、第1制御電源用配線65A、及び第1制御電源用配線66Aの第1配線部分66pa及び第2配線部分66pbを露出している。本実施形態では、第1制御側開口部58Aは、第1制御リード用接続部材94A,95A、第1制御電源用接続部材96A,96B、及び第1短絡検出用接続部材97Aを露出していない。平面視における第1制御側開口部58Aの形状は、特に限定されないが、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。また、第1制御側開口部58Aの内部は空隙である。
【0507】
図43に示すように、第2制御側開口部58Bは、導通基板180の第2配線領域70Bの一部を露出している。換言すると、第2制御側開口部58Bは、導通基板180において第2半導体素子10B以外の電子部品が実装される実装領域の一部を露出している。第2制御側開口部58Bは、第2配線領域70Bのうちの第3樹脂側面53寄りの領域を露出している。本実施形態では、第2制御側開口部58Bは、第2半導体素子10Bに電気的に接続された第2サージ低減回路4Bを露出している。より詳細には、第2制御側開口部58Bは、第2低耐圧ダイオード34A,34B、第2コンデンサ35A,35B、第2制御用配線63B、第2制御用配線64B、第2制御電源用配線65B、及び第2制御電源用配線66Bの第1配線部分66qa及び第2配線部分66qbを露出している。本実施形態では、第2制御側開口部58Bは、第2制御リード用接続部材94B,95B、第2制御電源用接続部材96C,96D、及び第2短絡検出用接続部材97Bを露出していない。平面視における第2制御側開口部58Bの形状は、特に限定されないが、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。また、第2制御側開口部58Bの内部は空隙である。
【0508】
図41に示すように、第1駆動側開口部59Aは、第1配線領域70Aにおいて第1制御側開口部58Aが露出する領域とは異なる領域を露出している。換言すると、第1駆動側開口部59Aは、導通基板180において第1半導体素子10A以外の電子部品が実装される実装領域のうちの第1制御側開口部58Aで露出されている電子部品以外の電子部品が実装される部分を露出している。第1駆動側開口部59Aは、第1配線領域70Aのうちの複数の第1半導体素子10A寄りの領域を露出している。本実施形態では、第1駆動側開口部59Aは、第1半導体素子10Aのドレイン電極11に接続された第1短絡検出回路3Aを露出している。より詳細には、図41に示すように、第1駆動側開口部59Aは、第1高耐圧ダイオード30A,30B、第1配線部分201、第2配線部分202、及び第3配線部分203を露出している。本実施形態では、第1駆動側開口部59Aは、第1半導体素子10Aを露出していない。平面視における第1駆動側開口部59Aの形状は、特に限定されないが、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。また、第1駆動側開口部59A内には、第1実施形態と同様に、電気的絶縁性を有する絶縁材71が充填されている。絶縁材71の一例は、シリコーン樹脂である。
【0509】
図35に示すように、第2駆動側開口部59Bは、導通基板180の第3配線領域70Cの一部を露出している。換言すると、第2駆動側開口部59Bは、導通基板180において第2半導体素子10B以外の電子部品が実装される実装領域のうちの第2制御側開口部58Bで露出されている実装領域とは異なる実装領域の一部を露出している。第2駆動側開口部59Bは、第2半導体素子10Bのドレイン電極11に接続された第2短絡検出回路3Bを露出している。より詳細には、図42に示すように、第2駆動側開口部59Bは、第2高耐圧ダイオード31A,31B、第1配線部分211、第2配線部分212、及び第3配線部分213を露出している。本実施形態では、第2駆動側開口部59Bは、第2半導体素子10Bを露出していない。平面視における第2駆動側開口部59Bの形状は、特に限定されないが、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。また、第2駆動側開口部59B内には、第1実施形態と同様に、電気的絶縁性を有する絶縁材72が充填されている。絶縁材72の一例は、シリコーン樹脂である。
【0510】
本実施形態の半導体装置1Fによれば、以下の効果が得られる。
(6-1)半導体装置1Fは、導通基板180を厚さ方向Zに貫通する複数の金属部材191及び複数の金属部材192を備える。複数の金属部材191にはそれぞれ第1半導体素子10Aが搭載されており、複数の金属部材192にはそれぞれ第2半導体素子10Bが搭載されている。この構成によれば、各半導体素子10A,10Bの通電時に生じる半導体素子10A,10Bからの熱を効率的に逃がすことができる。したがって、半導体装置1Fは、各半導体素子10A,10Bのジャンクション温度の上昇を抑制できるため、各半導体素子10A,10Bの熱破壊を抑制できる。
【0511】
(6-2)平面視における各挿通部材193,194の面積は、平面視における各貫通電極204~208,214~218の面積よりも大きい。この構成によれば、挿通部材193,194の寄生抵抗及び寄生インダクタンスを、貫通電極204~208,214~218の寄生抵抗及び寄生インダクタンスよりも低減できる。各挿通部材193,194は、半導体装置1Fが行う電力変換における電流経路の一部であり、貫通電極204~208,214~218は、半導体装置1Fが行う電力変換における信号経路の一部である。つまり、比較的大きな電流が流れる各挿通部材193,194の寄生抵抗や寄生インダクタンスを抑制し、各挿通部材193,194での導通損失を抑制できる。上記電流経路には、例えば、400A以上600A以下の電流が流れることがある。
【0512】
(6-3)平面視における各金属部材191,192の面積は、平面視における各挿通部材193,194の面積よりも大きい。この構成によれば、各金属部材191,192の熱伝導性を、各挿通部材193,194の熱伝導性よりも向上できる。したがって、半導体装置1Fは、各金属部材191,192において、適度な導電性を確保しつつ、熱伝導性を向上できる。
【0513】
[第7実施形態]
図44図47を参照して、第7実施形態の半導体装置1Gについて説明する。本実施形態の半導体装置1Gは、第6実施形態の半導体装置1Fと比較して、第1配線領域70A及び第2配線領域70Bの実装態様が主に異なる。以下の説明において、第6実施形態の半導体装置1Fと共通する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0514】
図45に示すように、本実施形態の半導体装置1Gは、絶縁基板41Cにおける導通基板180の外部の部分に各短絡検出回路3A,3B及び各サージ低減回路4A,4Bを設けている。本実施形態では、導通基板180の縦方向Yの長さを第6実施形態の導通基板180の縦方向Yの長さよりも短くして、各短絡検出回路3A,3B及び各サージ低減回路4A,4Bを設けるためのスペースを確保している。導通基板180は、第6実施形態の導通基板180から第1配線領域70A及び第2配線領域70Bが省略されており、その分のスペースだけ縦方向Yに短くなる。
【0515】
また、本実施形態の半導体装置1Gでは、リード80の配置構成が第6実施形態の半導体装置1Fのリード80の配置構成と異なる。図44に示すとおり、半導体装置1Gのリード80の配置構成は、第2実施形態の半導体装置1Bのリード80の配置構成(図16参照)と同じである。
【0516】
図45に示すように、本実施形態の半導体装置1Gにおいて、絶縁部181Xにおける第3樹脂側面53寄りの部分かつ第1樹脂側面51寄りの端部には、導体部181I及び導体部181Jが配置されている。導体部181I及び導体部181Jはそれぞれ、導体部181Aよりも第3樹脂側面53寄りに配置されている。導体部181I及び導体部181Jはそれぞれ、縦方向Yにおいて導体部181Aと隣り合うように配置されている。導体部181I及び導体部181Jは、縦方向Yにおいて揃った状態で横方向Xに離間して配列されている。導体部181Jは、導体部181Iよりも第1樹脂側面51寄りに配置されている。平面視における導体部181I及び導体部181Jの形状はそれぞれ、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。
【0517】
図46に示すように、導体部181Iは、複数の導体部181Eと電気的に接続するための導体部である。導体部181Iには、貫通孔185Mが設けられている。貫通孔185Mは、導通基板180を厚さ方向Zに貫通している。貫通孔185Mには貫通電極221が充填されている。貫通電極221は、貫通孔185Mに充填されるものではなく、貫通孔185Mの内面を覆う筒状のものであってもよい。貫通電極221は、配線層180A,180Eを導通させる。図示しないが、配線層180Eにおいて貫通電極195A(図45参照),221を介して導体部181Iと導体部181Eとが電気的に接続されるように構成されている。
【0518】
導体部181Jは、複数の導体部181Fと電気的に接続するための導体部である。導体部181Jには、貫通孔185Nが設けられている。貫通孔185Nは、導通基板180を厚さ方向Zに貫通している。貫通孔185Nには貫通電極222が充填されている。貫通電極222は、貫通孔185Nに充填されるものではなく、貫通孔185Nの内面を覆う筒状のものであってもよい。貫通電極222は、配線層180A,180Eを導通させる。図示しないが、配線層180Eにおいて貫通電極195B(図45参照),222を介して導体部181Jと導体部181Fとが電気的に接続されるように構成されている。
【0519】
図45に示すように、絶縁部181Xにおける第3樹脂側面53寄りの部分かつ第2樹脂側面52寄りの端部には、導体部181K、導体部181L、及び導体部181Mが配置されている。導体部181K,181L,181Mはそれぞれ、導体部181Bよりも第3樹脂側面53寄りに配置されている。導体部181K,181L,181Mはそれぞれ、縦方向Yにおいて導体部181Bと隣り合うように配置されている。導体部181K,181L,181Mは、縦方向Yにおいて揃った状態で横方向Xに離間して配列されている。導体部181K,181L,181Mは、縦方向Yにおいて導体部181I及び導体部181Jと揃っている。導体部181Lは、横方向Xにおいて導体部181Kと導体部181Mとの間に配置されている。導体部181Kは、導体部181Lに対して第2樹脂側面52寄りに配置されており、導体部181Mは、導体部181Lに対して第1樹脂側面51寄りに配置されている。平面視における導体部181K,181L,181Mの形状はそれぞれ、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。
【0520】
図47に示すように、導体部181Kは、複数の導体部181Gと電気的に接続するための導体部である。導体部181Kには、貫通孔185Pが設けられている。貫通孔185Pは、導通基板180を厚さ方向Zに貫通している。貫通孔185Pには貫通電極223が充填されている。貫通電極223は、貫通孔185Pに充填されるものではなく、貫通孔185Pの内面を覆う筒状のものであってもよい。貫通電極223は、配線層180A,180Eを導通させる。図示しないが、配線層180Eにおいて貫通電極195C,223を介して導体部181Kと導体部181Gとが電気的に接続されるように構成されている。
【0521】
導体部181Lは、複数の導体部181Hと電気的に接続するための導体部である。導体部181Lには、貫通孔185Qが設けられている。貫通孔185Qは、導通基板180を厚さ方向Zに貫通している。貫通孔185Qには貫通電極224が充填されている。貫通電極224は、貫通孔185Qに充填されるものではなく、貫通孔185Qの内面を覆う筒状のものであってもよい。貫通電極224は、配線層180A,180Eを導通させる。図示しないが、配線層180Eにおいて貫通電極195D,224を介して導体部181Lと導体部181Hとが電気的に接続されるように構成されている。
【0522】
導体部181Mは、各第2半導体素子10Bのドレイン電極11と電気的に接続するための導体部である。導体部181Mには、貫通孔185Rが設けられている。貫通孔185Rは、導通基板180を厚さ方向Zに貫通している。貫通孔185Rには貫通電極225が充填されている。貫通電極225は、貫通孔185Rに充填されるものではなく、貫通孔185Rの内面を覆う筒状のものであってもよい。貫通電極225は、配線層180A,180Eを導通させる。図示しないが、配線層180Eにおいて貫通電極225を介して導体部181Mと各第2半導体素子10Bのドレイン電極11とが電気的に接続されるように構成されている。
【0523】
図46及び図47に示すように、本実施形態の各制御用リード84A,84B,85A,85B、各制御電源用リード86A~86D、及び各短絡検出用リード87A,87Bの構成はそれぞれ、第6実施形態の各制御用リード84A,84B,85A,85B、各制御電源用リード86A~86D、及び各短絡検出用リード87A,87Bの構成と異なる。本実施形態の各制御用リード84A,84B,85A,85B、各制御電源用リード86A~86D、及び各短絡検出用リード87A,87Bはそれぞれ、第1配線領域70A及び第2配線領域70Bに形成された回路を構成する配線部を有する。このため、本実施形態では、各制御用リード84A,84B,85A,85B、各制御電源用リード86A~86D、及び各短絡検出用リード87A,87Bがそれぞれ導電体を構成している。そして、各制御用リード84A,84B,85A,85B、各制御電源用リード86A~86D、及び各短絡検出用リード87A,87Bのそれぞれが第1配線領域70A及び第2配線領域70Bに配置される部分が、電子部品が実装される実装領域となる。ここで、第1配線領域70Aに形成された回路は第1サージ低減回路4Aであり、第2配線領域70Bに形成された回路は第2サージ低減回路4Bである。
【0524】
図46に示すように、第1制御用リード84A、第1制御用リード85A、第1制御電源用リード86A、第1制御電源用リード86B、及び第1短絡検出用リード87Aは、図17に示す第1制御用リード84A、第1制御用リード85A、第1制御電源用リード86A、第1制御電源用リード86B、及び第1短絡検出用リード87Aと同様の構成である。また、第1制御用リード84A、第1制御用リード85A、第1制御電源用リード86A、第1制御電源用リード86B、及び第1短絡検出用リード87Aへの第1低耐圧ダイオード32A,32B及び第1コンデンサ33A,33Bの実装態様は、第2実施形態の第1制御用リード84A、第1制御用リード85A、第1制御電源用リード86A、第1制御電源用リード86B、及び第1短絡検出用リード87Aへの第1低耐圧ダイオード32A,32B及び第1コンデンサ33A,33Bの実装態様と同様である。
【0525】
一方、第1制御用接続部材140A、第1制御用接続部材141A、及び第1短絡検出用接続部材142Aの接続態様が図17に示す第2実施形態の第1制御用接続部材140A、第1制御用接続部材141A、及び第1短絡検出用接続部材142Aの接続態様と異なる。
【0526】
より詳細には、第1制御用接続部材140Aは、第1制御用リード84Aにおける第2配線部101の第2部分101bと、導体部181Iとを接続している。第1制御用接続部材141Aは、第1制御用リード85Aにおける第2配線部111の第2部分111bと、導体部181Jとを接続している。第1短絡検出用接続部材142Aは、第1短絡検出用リード87Aの第2配線部131と、第1短絡検出回路3Aの第3配線部分203とを接続している。本実施形態では、第2配線部131の縦方向Yの長さは、第1短絡検出用接続部材142Aを接続する領域を確保するため、第6実施形態の第2配線部131の縦方向Yの長さよりも長い。
【0527】
図47に示すように、第2制御用リード84B、第2制御用リード85B、第2制御電源用リード86C、第2制御電源用リード86D、及び第2短絡検出用リード87Bは、図18に示す第2制御用リード84B、第2制御用リード85B、第2制御電源用リード86C、第2制御電源用リード86D、及び第2短絡検出用リード87Bと同様の構成である。また、第2制御用リード84B、第2制御用リード85B、第2制御電源用リード86C、第2制御電源用リード86D、及び第2短絡検出用リード87Bへの第2低耐圧ダイオード34A,34B及び第2コンデンサ35A,35Bの実装態様は、第2実施形態の第2制御用リード84B、第2制御用リード85B、第2制御電源用リード86C、第2制御電源用リード86D、及び第2短絡検出用リード87Bへの第2低耐圧ダイオード34A,34B及び第2コンデンサ35A,35Bの実装態様と同様である。
【0528】
一方、第2制御用接続部材140B、第2制御用接続部材141B、及び第2短絡検出用接続部材142Bの接続態様が図18に示す第2実施形態の第2制御用接続部材140B、第2制御用接続部材141B、及び第2短絡検出用接続部材142Bの接続態様と異なる。
【0529】
より詳細には、第2制御用接続部材140Bは、第2制御用リード84Bのうちの第2配線部103の第2部分103bにおける第2樹脂側面52寄りの部分と、導体部181Lとに接続されている。第2制御用接続部材141Bは、第2制御用リード85Bの第2部分113bと、導体部181Kとに接続されている。第2短絡検出用接続部材142Bは、第2短絡検出用リード87Bの第2配線部133と導体部181Mとに接続されている。
【0530】
図44に示すように、樹脂部材50には、第6実施形態と同様に、第1制御側開口部58A、第2制御側開口部58B、第1駆動側開口部59A、及び第2駆動側開口部59Bが形成されている。なお、第1駆動側開口部59A及び第2駆動側開口部59Bは、第6実施形態の第1駆動側開口部59A及び第2駆動側開口部59Bと同じである。
【0531】
第1制御側開口部58Aは、導通基板180よりも縦方向Yの第3樹脂側面53寄りの部分かつ絶縁基板41Cの横方向Xの中央部よりも第1樹脂側面51側の部分を露出している。第1制御側開口部58Aは、絶縁基板41Cのうちの導通基板180から第3樹脂側面53側に突出した部分のうちの横方向Xの中央部よりも第1樹脂側面51側の部分を露出している。より詳細には、第1制御側開口部58Aは、第1実施形態の第1制御側開口部58Aと同様に、第1半導体素子10Aに電気的に接続された第1サージ低減回路4Aを露出している。図46に示すように、第1制御側開口部58Aは、第1制御用リード84A,85A、及び第1制御電源用リード86A,86Bのそれぞれの一部と、第1低耐圧ダイオード32A,32B、第1コンデンサ33A,33B、及び絶縁基板41Cの一部を露出している。本実施形態では、第1制御側開口部58Aは、第1短絡検出用リード87Aを露出していない。平面視における第1制御側開口部58Aの形状は、特に限定されないが、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。また、第1制御側開口部58Aの内部は空隙である。
【0532】
図44に示すように、第2制御側開口部58Bは、導通基板180よりも縦方向Yの第3樹脂側面53寄りの部分かつ絶縁基板41Cの横方向Xの中央部よりも第2樹脂側面52側の部分を露出している。第2制御側開口部58Bは、絶縁基板41Cのうちの導通基板180から第3樹脂側面53側に突出した部分のうちの横方向Xの中央部よりも第2樹脂側面52側の部分を露出している。より詳細には、第2制御側開口部58Bは、第1実施形態の第2制御側開口部58Bと同様に、第2半導体素子10Bに電気的に接続された第2サージ低減回路4Bを露出している。図47に示すように、第2制御側開口部58Bは、第2制御用リード84B,85B、及び第2制御電源用リード86C,86Dのそれぞれの一部と、第2低耐圧ダイオード34A,34B、第2コンデンサ35A,35B、及び第2導電部材42Bの一部を露出している。本実施形態では、第2制御側開口部58Bは、第2短絡検出用リード87Bを露出していない。平面視における第2制御側開口部58Bの形状は、特に限定されないが、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。また、第2制御側開口部58Bの内部は空隙である。なお、本実施形態の半導体装置1Gによれば、第6実施形態の半導体装置1Fの効果と同様の効果と、第2実施形態の半導体装置1Bの効果と同様の効果が得られる。
【0533】
[第8実施形態]
図48図51を参照して、第8実施形態の半導体装置1Hについて説明する。本実施形態の半導体装置1Hは、第6実施形態の半導体装置1Fと比較して、第1配線領域70A及び第2配線領域70Bの実装態様が主に異なる。また、本実施形態の半導体装置1Hは、第4実施形態の各半導体素子10A,10Bを用いている。以下の説明において、第6実施形態の半導体装置1Fと共通する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0534】
本実施形態の半導体装置1Hは、第6実施形態の半導体装置1Fに対して、第1サージ低減回路4Aに代えて、第3実施形態の第1サージ吸収回路5A及び第1インターフェース回路6Aを備え、第2サージ低減回路4Bに代えて、第3実施形態の第2サージ吸収回路5B及び第2インターフェース回路6Bを備える点が異なる。また、本実施形態の半導体装置1Hでは、第6実施形態の半導体装置1Fのリード80の構成から第3実施形態の半導体装置1Cのリード80の構成に変更される。すなわち、半導体装置1Hは、第1配線領域70Aの縦方向Yの隣に配置されたリード80として、第1制御用リード84A、第1制御用リード85A、第1制御電源用リード86B、第1インターフェース用リード88A、及び第1短絡検出用リード87Aを備える。横方向Xにおいて各入力リード81,82から出力リード83に向けて、第1制御用リード85A、第1制御用リード84A、第1インターフェース用リード88A、第1制御電源用リード86B、及び第1短絡検出用リード87Aの順に配列されている。
【0535】
半導体装置1Hは、第2配線領域70Bの縦方向Yの隣に配置されたリード80として、第2制御用リード84B、第2制御用リード85B、第2制御電源用リード86D、第2インターフェース用リード88B、及び第2短絡検出用リード87Bを備える。横方向Xにおいて出力リード83から各入力リード81,82に向けて、第2制御用リード85B、第2制御用リード84B、第2制御電源用リード86D、第2インターフェース用リード88B、及び第2短絡検出用リード87Bの順に配列されている。
【0536】
図50に示すように、第1配線領域70Aにおける第1サージ吸収回路5A及び第1インターフェース回路6Aを構成する配線としての第1制御用配線63A、第1制御用配線64A、第2制御電源用配線66B、第1インターフェース用配線68A、第1中継配線69A、及び第2中継配線69Bのうちの第1制御用配線63A及び第1制御用配線64Aの構成が異なる。
【0537】
第1制御用配線63Aは、縦方向Yに延びている。平面視における第1制御用配線63Aの形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。第1制御用配線63Aには、貫通孔63pzが設けられている。貫通孔63pzは、導通基板180を厚さ方向Zに貫通している。貫通孔63pzには貫通電極207が充填されている。貫通電極207は、貫通孔63pzに充填されるものではなく、貫通孔63pzの内面を覆う筒状のものであってもよい。貫通電極207は、配線層180A,180Eを導通させる。図示しないが、配線層180Eにおいて貫通電極195A(図49参照),207を介して第1制御用配線63Aと複数の導体部181Eとが電気的に接続されるように構成されている。
【0538】
第1制御用配線64Aは、縦方向Yに延びている。平面視における第1制御用配線64Aの形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。第1制御用配線64Aには、貫通孔64pzが設けられている。貫通孔64pzは、導通基板180を厚さ方向Zに貫通している。貫通孔64pzには貫通電極208が充填されている。貫通電極208は、貫通孔64pzに充填されるものではなく、貫通孔64pzの内面を覆う筒状のものであってもよい。貫通電極208は、配線層180A,180Eを導通させる。図示しないが、配線層180Eにおいて貫通電極195B(図49参照),208を介して第1制御用配線64Aと複数の導体部181Fとが電気的に接続されるように構成されている。
【0539】
第1制御用配線63A、第1制御用配線64A、及び第1中継配線69Aには、第1サージ吸収回路5Aを構成する第1低耐圧ダイオード36A,36Bが実装されている。
第1低耐圧ダイオード36A,36Bは、第1制御用配線63Aと第1制御用配線64Aとの間において第1中継配線69Aを介して逆直列に接続されている。より詳細には、第1低耐圧ダイオード36Aのカソード電極は、第1制御用配線63Aに接続されている。第1低耐圧ダイオード36Aのアノード電極は、第1中継配線69Aに接続されている。第1低耐圧ダイオード36Bのアノード電極は、第1中継配線69Aに接続されている。第1低耐圧ダイオード36Bのカソード電極は、第1制御用配線64Aに接続されている。
【0540】
本実施形態では、アノード電極とカソード電極とが横方向Xに沿って配列されるように第1低耐圧ダイオード36Aが配置されている。また、アノード電極とカソード電極とが横方向Xに沿って配列されるように第1低耐圧ダイオード36Bが配置されている。加えて、第1低耐圧ダイオード36Aと第1低耐圧ダイオード36Bとは、縦方向Yに揃った状態で横方向Xにおいて離間するように配列されている。
【0541】
第1制御用配線63A、第2制御電源用配線66B、第1インターフェース用配線68A、及び第2中継配線69Bには、第1インターフェース回路6Aを構成する第1抵抗38A,38B、及び第1スイッチング素子39Aが実装されている。
【0542】
第1スイッチング素子39Aは、第1制御用配線63Aと、第2制御電源用配線66Bと、第2中継配線69Bとに電気的に接続されている。より詳細には、第1スイッチング素子39Aのドレイン電極39dは、第1制御用配線63Aに接続されている。第1スイッチング素子39Aのソース電極39sは、第2制御電源用配線66Bのうちの第2配線部分66pbに接続されている。第1スイッチング素子39Aのゲート電極39gは、第2中継配線69Bに接続されている。本実施形態では、第1スイッチング素子39Aは、第1低耐圧ダイオード36A,36B、第1抵抗38A、及び第1抵抗38Bよりも第1半導体素子10A寄りに配置されている。
【0543】
第1抵抗38A及び第1抵抗38Bは、第2制御電源用配線66Bと第2中継配線69Bとの間において第1インターフェース用配線68Aを介して接続されている。第1抵抗38Aの第1端子は、第2中継配線69Bに接続されている。第1抵抗38Aの第2端子は、第1インターフェース用配線68Aに接続されている。第1抵抗38Bの第1端子は、第1インターフェース用配線68Aに接続されている。第1抵抗38Bの第2端子は、第2制御電源用配線66Bの第1配線部分66paに接続されている。
【0544】
本実施形態では、第1端子と第2端子とが横方向Xに沿って配列されるように第1抵抗38Aが配置されている。また、第1端子と第2端子とが横方向Xに沿って配列されるように第1抵抗38Bが配置されている。加えて、第1抵抗38Aと第1抵抗38Bとは、縦方向Yに揃った状態で横方向Xにおいて離間して配列されている。
【0545】
図51に示すように、第2配線領域70Bにおける第2サージ吸収回路5B及び第2インターフェース回路6Bを構成する配線としての第2制御用配線63B、第2制御用配線64B、第2制御電源用配線66D、第2インターフェース用配線68B、第3中継配線69C、及び第4中継配線69Dのうちの第2制御用配線63B及び第2制御用配線64Bの構成が異なる。
【0546】
平面視における第2制御用配線63Bの形状は、L字状である。第2制御用配線63Bには、貫通孔63qzが設けられている。貫通孔63qzは、導通基板180を厚さ方向Zに貫通している。貫通孔63qzには貫通電極217が充填されている。貫通電極217は、貫通孔63qzに充填されるものではなく、貫通孔63qzの内面を覆う筒状のものであってもよい。貫通電極217は、配線層180A,180Eを導通させる。図示しないが、配線層180Eにおいて貫通電極195C(図49参照),217を介して第2制御用配線63Bと複数の導体部181Gとが電気的に接続されるように構成されている。
【0547】
第2制御用配線64Bは、縦方向Yに延びている。平面視における第2制御用配線64Bの形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。第2制御用配線64Bには、貫通孔64qzが設けられている。貫通孔64qzは、導通基板180を厚さ方向Zに貫通している。貫通孔64qzには貫通電極218が充填されている。貫通電極218は、貫通孔64qzに充填されるものではなく、貫通孔64qzの内面を覆う筒状のものであってもよい。貫通電極218は、配線層180A,180Eを導通させる。図示しないが、配線層180Eにおいて貫通電極195D(図49参照),218を介して第2制御用配線64Bと複数の導体部181Hとが電気的に接続されるように構成されている。
【0548】
第2制御用配線63B、第2制御用配線64B、及び第4中継配線69Dには、第2サージ吸収回路5Bを構成する第2低耐圧ダイオード37A,37Bが実装されている。
第2低耐圧ダイオード37A,37Bは、第2制御用配線63Bと第2制御用配線64Bとの間において第4中継配線69Dを介して逆直列に接続されている。より詳細には、第2低耐圧ダイオード37Aのカソード電極は、第2制御用配線63Bに接続されている。第2低耐圧ダイオード37Bのアノード電極は、第4中継配線69Dに接続されている。第2低耐圧ダイオード37Bのアノード電極は、第4中継配線69Dに接続されている。第2低耐圧ダイオード37Bのカソード電極は、第2制御用配線64Bに接続されている。
【0549】
本実施形態では、アノード電極とカソード電極とが横方向Xに沿って配列されるように第2低耐圧ダイオード37Aが配置されている。また、アノード電極とカソード電極とが横方向Xに沿って配列されるように第2低耐圧ダイオード37Bが配置されている。加えて、第2低耐圧ダイオード37Aと第2低耐圧ダイオード37Bとは、縦方向Yに揃った状態で横方向Xにおいて離間して配列されている。
【0550】
第2制御用配線63B、第2制御電源用配線66D、第2インターフェース用配線68B、及び第3中継配線69Cには、第2インターフェース回路6Bを構成する第2抵抗38C,38D、及び第2スイッチング素子39Bが実装されている。
【0551】
第2スイッチング素子39Bは、第2制御用配線63Bと、第2制御電源用配線66Dと、第3中継配線69Cとに電気的に接続されている。より詳細には、第2スイッチング素子39Bのドレイン電極39dは、第2制御用配線63Bに接続されている。第2スイッチング素子39Bのソース電極39sは、第2制御電源用配線66Dに接続されている。第2スイッチング素子39Bのゲート電極39gは、第3中継配線69Cに接続されている。
【0552】
本実施形態では、第2スイッチング素子39Bは、第2低耐圧ダイオード37A,37B及び第2抵抗38Dよりも第2半導体素子10B寄りに配置されている。横方向Xからみて、第2スイッチング素子39Bは、第2抵抗38Cと重なっている。
【0553】
第2抵抗38C,38Dは、第2制御電源用配線66D、第3中継配線69C、及び第2インターフェース用配線68Bに接続されている。第2抵抗38Cの第1端子は、第3中継配線69Cに接続されている。第2抵抗38Cの第2端子は、第2インターフェース用配線68Bに接続されている。第2抵抗38Dの第1端子は、第2インターフェース用配線68Bに接続されている。第2抵抗38Dの第2端子は、第2制御電源用配線66Dに接続されている。
【0554】
本実施形態では、第1端子と第2端子とが縦方向Yに沿って配列されるように第2抵抗38Cが配置されている。また、第1端子と第2端子とが横方向Xに沿って配列されるように第2抵抗38Dが配置されている。第2抵抗38Cは、第2抵抗38Dよりも第2半導体素子10B寄りに配置されている。縦方向Yからみて、第2抵抗38Cと第2抵抗38Dとは、部分的に重なっている。
【0555】
図48に示すように、半導体装置1Hの樹脂部材50には、第6実施形態の半導体装置1Fと同様に、第1制御側開口部58A、第2制御側開口部58B、第1駆動側開口部59A、及び第2駆動側開口部59Bが形成されている。なお、第1駆動側開口部59A及び第2駆動側開口部59Bは、第6実施形態の第1駆動側開口部59A及び第2駆動側開口部59Bと同じである。第1制御側開口部58Aと第2制御側開口部58Bとは個別に設けられている。平面視において、第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bは、樹脂部材50の一辺に沿う方向において、互いに離間した状態で並んで配置されている。第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bは、横方向Xにおいて、互いに離間した状態で並んで配置されている。
【0556】
第1制御側開口部58Aは、導通基板180の第1配線領域70Aの一部を露出している。第1制御側開口部58Aは、第1半導体素子10Aに電気的に接続される2種類の回路を露出している。本実施形態では、第1制御側開口部58Aは、第1インターフェース回路6A及び第1サージ吸収回路5Aを露出している。より詳細には、図50に示すように、第1制御側開口部58Aは、第1制御用配線63Aの一部、第1制御用配線64Aの一部、第1中継配線69A、第2制御電源用配線66Bの一部、第1インターフェース用配線68Aの一部、第2中継配線69B、第1低耐圧ダイオード36A,36B、第1抵抗38A、第1抵抗38B、及び第1スイッチング素子39Aを露出している。本実施形態では、第1制御側開口部58Aは、第1駆動用配線62Aを露出していない。平面視における第1制御側開口部58Aの形状は、特に限定されないが、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。また、第1制御側開口部58Aの内部は空隙である。
【0557】
第2制御側開口部58Bは、導通基板180の第2配線領域70Bの一部を露出している。第2制御側開口部58Bは、第2半導体素子10Bに電気的に接続される2種類の回路を露出している。本実施形態では、第2制御側開口部58Bは、第2インターフェース回路6B及び第2サージ吸収回路5Bを露出している。より詳細には、図51に示すように、第2制御側開口部58Bは、第2制御用配線63Bの一部、第2制御用配線64Bの一部、第4中継配線69D、第2制御電源用配線66Dの一部、第2インターフェース用配線68Bの一部、第4中継配線69D、第2低耐圧ダイオード37A,37B、第2抵抗38C、第2抵抗38D、及び第2スイッチング素子39Bを露出している。本実施形態では、第2制御側開口部58Bは、第2駆動用配線62Bを露出していない。平面視における第2制御側開口部58Bの形状は、特に限定されないが、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。また、第2制御側開口部58Bの内部は空隙である。なお、本実施形態の半導体装置1Gによれば、第6実施形態の半導体装置1Fの効果と同様の効果と、第3実施形態の半導体装置1Cの効果と同様の効果が得られる。
【0558】
[第9実施形態]
図52図57を参照して、第9実施形態の半導体装置1Jについて説明する。本実施形態の半導体装置1Jは、第6実施形態の半導体装置1Fと比較して、第1配線領域70A及び第2配線領域70Bの実装態様が主に異なる。以下の説明において、第6実施形態の半導体装置1Fと共通する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0559】
本実施形態の半導体装置1Jは、第6実施形態の半導体装置1Fに対して、第1短絡検出回路3Aに代えて第1電流検出回路7Aを備え、第2短絡検出回路3Bに代えて第2電流検出回路7Bを備える点が異なる。第1電流検出回路7Aは第1半導体素子10Aに流れる電流を検出するための回路であり、第2電流検出回路7Bは第2半導体素子10Bに流れる電流を検出するための回路である。各電流検出回路7A,7Bの回路構成は、図29に示す第4実施形態の各電流検出回路7A,7Bと同じである。このように、本実施形態の半導体装置1Jは、第6実施形態の半導体装置1Fに第4実施形態の半導体装置1Dの各電流検出回路7A,7Bを組み合せた構成である。
【0560】
図53図57に示すように、半導体装置1Jは、第4実施形態の第1過電流検出用配線160Aを構成する導体部181N,181Qと、第2過電流検出用配線160Bを構成する導体部181P,181Rとを有する。導体部181N,181Q及び導体部181P,181Rはともに配線層180Aに形成されている。また、半導体装置1Jは、第4実施形態の半導体装置1Dと同様に、第1短絡検出用リード87Aに代えて第1過電流検出用リード87Cを有し、第2短絡検出用リード87Bに代えて第2過電流検出用リード87Dを有する。
【0561】
図53に示すように、第1半導体素子10Aに電気的に接続されるリード80は、第1制御用リード84A、第1制御用リード85A、第1制御電源用リード86A、第1制御電源用リード86B、及び第1過電流検出用リード87Cを有する。本実施形態では、第1樹脂側面51から第2樹脂側面52に向けて、第1過電流検出用リード87C、第1制御電源用リード86B、第1制御用リード85A、第1制御電源用リード86A、及び第1制御用リード84Aの順に配列されている。
【0562】
第2半導体素子10Bに電気的に接続されるリード80は、第2制御用リード84B、第2制御用リード85B、第2制御電源用リード86C、第2制御電源用リード86D、及び第2過電流検出用リード87Dを有する。本実施形態では、第2樹脂側面52から第1樹脂側面51に向けて、第1過電流検出用リード87D、第2制御電源用リード86D、第2制御用リード85B、第2制御電源用リード86C、及び第2制御用リード84Bの順に配列されている。
【0563】
導体部181Nは、各第1半導体素子10Aのカレントセンス電極17(図54参照)と第1過電流検出用リード87Cとを電気的に接続するための導体部である。本実施形態では、導体部181Nは、3個設けられており、3個の開口部181c内にそれぞれ配置されている。開口部181c内において、導体部181Nは、導体部181Eと縦方向Yに隣り合うように配置されている。より詳細には、導体部181Nは、縦方向Yにおいて導体部181Eに対して導体部181Fとは反対側に配置されている。導体部181Nは、縦方向Yにおいて導体部181Eよりも第4樹脂側面54寄りに配置されている。
【0564】
図54に示すように、各導体部181Nは、横方向Xに延びている。平面視における導体部181Nの形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。導体部181Nには、貫通孔185Sが設けられている。貫通孔185Sは、導通基板180を厚さ方向Zに貫通している。貫通孔185Sには貫通電極226が充填されている。貫通電極226は、貫通孔185Sに充填されるものではなく、貫通孔185Sの内面を覆う筒状のものであってもよい。貫通電極226は、配線層180A,180Eを導通させる。図示しないが、配線層180Eにおいて貫通電極226を介して3個の導体部181Nが互いに電気的に接続されるように構成されている。導体部181Nには、各第1半導体素子10Aのカレントセンス電極17と電気的に接続するように第1駆動検出用接続部材171が形成されている。第1駆動検出用接続部材171は、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0565】
また、本実施形態では、導体部181E及び導体部181Fの配置関係及び形状が、第6実施形態の導体部181E及び導体部181Fとは異なる。具体的には、開口部181c内において、導体部181Fは、縦方向Yにおいて導体部181Eよりも第3樹脂側面53寄りに配置されている。各導体部181Eは、横方向Xに延びている。平面視における導体部181Eの形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。各導体部181Fは、縦方向Yに延びている。平面視における導体部181Fの形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。また、横方向Xにおける導体部181Eの長さは、横方向Xにおける導体部181Nの長さよりも短い。換言すると、横方向Xにおける導体部181Nの長さは、横方向Xにおける導体部181Eの長さよりも長い。
【0566】
図53に示すように、本実施形態では、導体部181Pは、各第2半導体素子10Bのカレントセンス電極17(図55参照)と第2過電流検出用リード87Dとを電気的に接続するための導体部である。本実施形態では、導体部181Pは、3個設けられており、3個の開口部181f内にそれぞれ配置されている。導体部181Pは、縦方向Yにおいて導体部181Gと隣り合うように配置されている。導体部181Pは、縦方向Yにおいて導体部181Gよりも第3樹脂側面53寄りに配置されている。
【0567】
図55に示すように、各導体部181Pは、縦方向Yに延びている。平面視における導体部181Pの形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。導体部181Pには、貫通孔185Tが設けられている。貫通孔185Tは、導通基板180を厚さ方向Zに貫通している。貫通孔185Tには貫通電極227が充填されている。貫通電極227は、貫通孔185Tに充填されるものではなく、貫通孔185Tの内面を覆う筒状のものであってもよい。貫通電極227は、配線層180A,180Eを導通させる。図示しないが、配線層180Eにおいて貫通電極227を介して3個の導体部181Pが互いに電気的に接続されるように構成されている。導体部181Pには、各第2半導体素子10Bのカレントセンス電極17と電気的に接続するように第2駆動検出用接続部材172が形成されている。第2駆動検出用接続部材172は、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0568】
また、本実施形態では、導体部181G及び導体部181Hの配置関係及び形状が、第6実施形態の導体部181G及び導体部181Hとは異なる。具体的には、開口部181f内において、導体部181Hは、縦方向Yにおいて導体部181Gに対して導体部181Pとは反対側に配置されている。本実施形態の各導体部181Hは、横方向Xに延びている。平面視における導体部181Hの形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。平面視における導体部181Gの形状は、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。横方向Xにおける導体部181Gの長さは、横方向Xにおける導体部181Hの長さよりも短い。換言すると、横方向Xにおける導体部181Hの長さは、横方向Xにおける導体部181Gの長さよりも長い。
【0569】
図56に示すように、導体部181Qは、第1配線領域70Aに設けられている。より詳細には、導体部181Qは、横方向Xにおいて絶縁部181Xのうちの第1樹脂側面51寄りの端部に配置されている。導体部181Qは、横方向Xにおいて第1制御電源用配線66Aと隣り合うように配置されている。
【0570】
導体部181Qは、縦方向Yに延びている。平面視における導体部181Qの形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。導体部181Qには、貫通孔185Uが設けられている。貫通孔185Uは、導通基板180を厚さ方向Zに貫通している。貫通孔185Uには貫通電極228が充填されている。貫通電極228は、貫通孔185Uに充填されるものではなく、貫通孔185Uの内面を覆う通常のものであってもよい。貫通電極228は、配線層180A,180Eを導通させる。図示しないが、配線層180Eにおいて貫通電極228,226(図54参照)を介して各導体部181Nと導体部181Q(図54参照)とが互いに電気的に接続されるように構成されている。このように、導体部181Qと各導体部181Nとによって第4実施形態の第1過電流検出用配線160Aを構成している。
【0571】
導体部181Qには、第1過電流検出用リード87Cと電気的に接続するように第1過電流検出用接続部材173が形成されている。第1過電流検出用接続部材173は、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0572】
図57に示すように、導体部181Rは、第2配線領域70Bに設けられている。より詳細には、導体部181Rは、横方向Xにおいて絶縁部181Xのうちの第2樹脂側面52寄りの端部に配置されている。導体部181Rは、横方向Xにおいて第2制御電源用配線66Bと隣り合うように配置されている。
【0573】
導体部181Rは、縦方向Yに延びている。平面視における導体部181Rの形状は、縦方向Yが長辺方向となり、横方向Xが短辺方向となる矩形状である。導体部181Rには、貫通孔185Vが設けられている。貫通孔185Vは、導通基板180を厚さ方向Zに貫通している。貫通孔185Vには貫通電極229が充填されている。貫通電極229は、貫通孔185Vに充填されるものではなく、貫通孔185Vの内面を覆う通常のものであってもよい。貫通電極229は、配線層180A,180Eを導通させる。図示しないが、配線層180Eにおいて貫通電極229,227(図55参照)を介して各導体部181Pと導体部181R(図55参照)とが互いに電気的に接続されるように構成されている。このように、導体部181Pと各導体部181Rとによって第4実施形態の第2過電流検出用配線160Bを構成している。
【0574】
導体部181Rには、第2過電流検出用リード87Dと電気的に接続するように第2過電流検出用接続部材174が形成されている。第2過電流検出用接続部材174は、例えばワイヤボンディングによって形成されたワイヤである。
【0575】
各検出用接続部材171,172及び各過電流検出用接続部材173,174はそれぞれ、第4実施形態の各検出用接続部材171,172及び各過電流検出用接続部材173,174と同じである。
【0576】
図56に示すように、本実施形態では、平面視における第1制御用配線64Aの形状が異なる。より詳細には、平面視における第1制御用配線64Aの形状は、略L字状である。第1制御用配線64Aは、縦方向Yに延びる第1配線部分64paと、横方向Xに延びる第2配線部分64pbとを有する。第1配線部分64paは、横方向Xにおいて第1制御電源用配線65Aと第1制御電源用配線66Aとの間に配置されている。第1配線部分64paには、第1コンデンサ33A,33Bが実装されている。第2配線部分64pbは、第1制御電源用配線65A,66Aよりも第4樹脂側面54寄り(導体部181A寄り)に配置されている。第2配線部分64pbは、第1配線部分64paから第1樹脂側面51側に向けて延びている。第2配線部分64pbには、貫通孔64pzが設けられている。貫通孔64pzは、導通基板180を厚さ方向Zに貫通している。貫通孔64pzには貫通電極208が充填されている。貫通電極208は、貫通孔64pzに充填されるものではなく、貫通孔64pzの内面を覆う筒状のものであってもよい。貫通電極208は、配線層180A,180Eを導通させる。図示しないが、配線層180Eにおいて貫通電極195B(図54参照),208を介して第1制御用配線64Aと複数の導体部181F(図54参照)とが電気的に接続されるように構成されている。縦方向Yからみて、第2配線部分64pbの先端部は、導体部181Qと重なっている。第1抵抗151は、第2配線部分64pbと導体部181Qとに接続されている。本実施形態では、第1抵抗151は、第1端子及び第2端子が縦方向Yに沿って配列されるように配置されている。
【0577】
図57に示すように、本実施形態では、平面視における第2制御用配線64Bの形状が異なる。より詳細には、平面視における第2制御用配線64Bの形状は、略L字状である。第2制御用配線64Bは、縦方向Yに延びる第1配線部分64qaと、横方向Xに延びる第2配線部分64qbとを有する。第1配線部分64qaは、横方向Xにおいて第2制御電源用配線65Bと第2制御電源用配線66Bとの間に配置されている。第1配線部分64qaには、第2コンデンサ35A,35Bが実装されている。第2配線部分64qbは、第2制御電源用配線65B,66Bよりも第4樹脂側面54寄り(導体部181B寄り)に配置されている。第2配線部分64qbは、第1配線部分64qaから第2樹脂側面52側に向けて延びている。第2配線部分64qbには、貫通孔64qzが設けられている。貫通孔64qzは、導通基板180を厚さ方向Zに貫通している。貫通孔64qzには貫通電極218が充填されている。貫通電極218は、貫通孔64qzに充填されるものではなく、貫通孔64qzの内面を覆う筒状のものであってもよい。貫通電極218は、配線層180A,180Eを導通させる。図示しないが、配線層180Eにおいて貫通電極195D(図55参照),218を介して第2制御用配線64Bと複数の導体部181H(図55参照)とが電気的に接続されるように構成されている。縦方向Yからみて、第2配線部分64qbの先端部は、導体部181Rと重なっている。第2抵抗152は、第2配線部分64qbと導体部181Rとに接続されている。本実施形態では、第2抵抗152は、第1端子及び第2端子が縦方向Yに沿って配列されるように配置されている。
【0578】
図52に示すように、樹脂部材50には、樹脂天面55側から導通基板180を露出する2つの樹脂開口部として第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bが設けられている。図52から分かるとおり、第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bとは個別に設けられている。
【0579】
第1制御側開口部58Aは、縦方向Yからみて、複数の第1半導体素子10Aと重なる位置、かつ複数の第1半導体素子10Aよりも第3樹脂側面53寄りに配置されている。第2制御側開口部58Bは、縦方向Yからみて、複数の第2半導体素子10Bと重なる位置、かつ複数の第2半導体素子10Bよりも第3樹脂側面53寄りに配置されている。このように、平面視において、第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bは、樹脂部材50の一辺に沿う方向において、互いに離間した状態で並んで配置されている。換言すると、平面視において、第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bは、縦方向Yにおいて揃った状態で横方向Xに離間して配置されている。平面視において、各制御側開口部58A,58Bは、樹脂天面55のうちの第3樹脂側面53寄りの端部に配置されている。第1制御側開口部58Aは、第2制御側開口部58Bよりも第1樹脂側面51寄りに配置されている。
【0580】
平面視において、第1制御側開口部58Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード84Aの端子部84tとの縦方向Yの間に配置されている。本実施形態では、図27に示すように、平面視において、第1制御側開口部58Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード84Aのパッド部84pとの縦方向Yの間に配置されている。また、平面視において、第1制御側開口部58Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード85Aの端子部85tとの縦方向Yの間に配置されている。本実施形態では、平面視において、第1制御側開口部58Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード85Aのパッド部85pとの縦方向Yの間に配置されている。
【0581】
図56に示すように、第1制御側開口部58Aは、導通基板180の第1配線領域70Aの一部を露出している。換言すると、第1制御側開口部58Aは、導通基板180のうちの横方向Xにおける第1樹脂側面51寄りの部分において第1半導体素子10A以外の電子部品が実装される実装領域の一部を露出している。第1制御側開口部58Aは、第1配線領域70Aのうちの第3樹脂側面53寄りの領域を露出している。本実施形態では、第1制御側開口部58Aは、第1半導体素子10Aに電気的に接続された第1サージ低減回路4A及び第1電流検出回路7Aを露出している。より詳細には、第1制御側開口部58Aは、第1低耐圧ダイオード32A,32B、第1コンデンサ33A,33B、第1制御用配線63A、第1制御用配線64A、第1制御電源用配線65A、及び第1制御電源用配線66Aを露出している。また第1制御側開口部58Aは、第1抵抗151及び導体部181Qを露出している。また、本実施形態では、第1制御側開口部58Aは、第1制御リード用接続部材94A,95A、第1制御電源用接続部材96A,96B、及び第1過電流検出用接続部材173を露出していない。平面視における第1制御側開口部58Aの形状は、特に限定されないが、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。また、第1制御側開口部58Aの内部は空隙である。
【0582】
図57に示すように、平面視において、第2制御側開口部58Bは、複数の第2半導体素子10Bと第2制御用リード84Bの端子部84tとの縦方向Yの間に配置されている。本実施形態では、平面視において、第2制御側開口部58Bは、複数の第2半導体素子10Bと第2制御用リード84Bのパッド部84pとの縦方向Yの間に配置されている。また、平面視において、第2制御側開口部58Bは、複数の第2半導体素子10Bと第2制御用リード85Bの端子部85tとの縦方向Yの間に配置されている。本実施形態では、平面視において、第2制御側開口部58Bは、複数の第2半導体素子10Bと第2制御用リード85Bのパッド部85pとの縦方向Yの間に配置されている。
【0583】
第2制御側開口部58Bは、導通基板180の第2配線領域70Bの一部を露出している。換言すると、第2制御側開口部58Bは、導通基板180のうちの横方向Xにおける第2樹脂側面52寄りの部分において第2半導体素子10B以外の電子部品が実装される実装領域の一部を露出している。第2制御側開口部58Bは、第2配線領域70Bのうちの第3樹脂側面53寄りの領域を露出している。本実施形態では、第2制御側開口部58Bは、第2半導体素子10Bに電気的に接続された第2サージ低減回路4B及び第2電流検出回路7Bを露出している。より詳細には、第2制御側開口部58Bは、第2低耐圧ダイオード34A,34B、第2コンデンサ35A,35B、第2制御用配線63B、第2制御用配線64B、第2制御電源用配線65B、及び第2制御電源用配線66Bを露出している。また、第2制御側開口部58Bは、第2抵抗152及び導体部181Rを露出している。本実施形態では、第2制御側開口部58Bは、第2制御リード用接続部材94B,95B、第2制御電源用接続部材96C,96D、及び第2過電流検出用接続部材174を露出していない。平面視における第2制御側開口部58Bの形状は、特に限定されないが、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。また、第2制御側開口部58Bの内部は空隙である。なお、本実施形態の半導体装置1Jによれば、第6実施形態の半導体装置1Fの効果と同様の効果と、第4実施形態の半導体装置1Dの効果と同様の効果が得られる。
【0584】
[第10実施形態]
図58図61を参照して、第10実施形態の半導体装置1Kについて説明する。本実施形態の半導体装置1Kは、第6実施形態の半導体装置1Fと比較して、第1配線領域70A及び第2配線領域70Bの実装態様が主に異なる。また、本実施形態の半導体装置1Kは、第4実施形態の各半導体素子10A,10Bを用いている。以下の説明において、第6実施形態の半導体装置1Fと共通する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0585】
本実施形態の半導体装置1Kは、第6実施形態の半導体装置1Fに対して、第1短絡検出回路3Aに代えて第1電流検出回路7Aを備え、第2短絡検出回路3Bに代えて第2電流検出回路7Bを備える点が異なる。また、半導体装置1Kは、第6実施形態の半導体装置1Fに対して、第1サージ低減回路4Aに代えて、第3実施形態の第1サージ吸収回路5A及び第1インターフェース回路6Aを備え、第2サージ低減回路4Bに代えて、第3実施形態の第2サージ吸収回路5B及び第2インターフェース回路6Bを備える点が異なる。このように、本実施形態の半導体装置1Kは、第6実施形態の半導体装置1Fに第5実施形態の半導体装置1Eの各サージ吸収回路5A,5B及び各インターフェース回路6A,6Bを組み合せた構成である。
【0586】
また、本実施形態の半導体装置1Kは、第9実施形態の半導体装置1Jと同様に第1過電流検出用配線160A及び第2過電流検出用配線160Bを構成している。すなわち、半導体装置1Kは、導体部181N,181P,181Q,181Rを有する。また、導体部181E,181Fの配置関係及び形状と、導体部181G,181Hの配置関係及び形状とはそれぞれ、第9実施形態の導体部181E,181Fの配置関係及び形状と、導体部181G,181Hの配置関係及び形状と同様である。
【0587】
図60に示すように、第1抵抗151は、導体部181Qと第1制御電源用配線66Aとに接続されている。縦方向Yにおいて、第1抵抗151は、第1低耐圧ダイオード36A,36B及び第1抵抗38A,38Bよりも導体部181A寄りに配置されている。横方向Xからみて、第1抵抗151は、第1スイッチング素子39Aと重なるように配置されている。
【0588】
図61に示すように、第2抵抗152は、導体部181Rと第2制御電源用配線66Bとに接続されている。縦方向Yにおいて、第2抵抗152は、第2低耐圧ダイオード37A,37B及び第2抵抗38C,38Dよりも導体部181B(図57参照)寄りに配置されている。横方向Xからみて、第2抵抗152は、第2スイッチング素子39Bと重なるように配置されている。
【0589】
図58に示すように、樹脂部材50には、樹脂天面55側から導通基板180を露出する2つの樹脂開口部として第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bが設けられている。図58から分かるとおり、第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bとは個別に設けられている。
【0590】
第1制御側開口部58Aは、縦方向Yからみて、複数の第1半導体素子10Aと重なる位置、かつ複数の第1半導体素子10Aよりも第3樹脂側面53寄りに配置されている。第2制御側開口部58Bは、縦方向Yからみて、複数の第2半導体素子10Bと重なる位置、かつ複数の第2半導体素子10Bよりも第3樹脂側面53寄りに配置されている。このように、平面視において、第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bは、樹脂部材50の一辺に沿う方向において、互いに離間した状態で並んで配置されている。換言すると、平面視において、第1制御側開口部58A及び第2制御側開口部58Bは、縦方向Yにおいて揃った状態で横方向Xに離間して配置されている。平面視において、各制御側開口部58A,58Bは、樹脂天面55のうちの第3樹脂側面53寄りの端部に配置されている。第1制御側開口部58Aは、第2制御側開口部58Bよりも第1樹脂側面51寄りに配置されている。
【0591】
平面視において、第1制御側開口部58Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード84Aの端子部84tとの縦方向Yの間に配置されている。本実施形態では、図32に示すように、平面視において、第1制御側開口部58Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード84Aのパッド部84pとの縦方向Yの間に配置されている。また、平面視において、第1制御側開口部58Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード85Aの端子部85tとの縦方向Yの間に配置されている。本実施形態では、平面視において、第1制御側開口部58Aは、複数の第1半導体素子10Aと第1制御用リード85Aのパッド部85pとの縦方向Yの間に配置されている。
【0592】
図60に示すように、第1制御側開口部58Aは、導通基板180の第1配線領域70Aの一部を露出している。換言すると、第1制御側開口部58Aは、導通基板180において第1半導体素子10A以外の電子部品が実装される実装領域の一部を露出している。第1制御側開口部58Aは、第1配線領域70Aのうちの第3樹脂側面53寄りの領域を露出している。本実施形態では、第1制御側開口部58Aは、第1インターフェース回路6A、第1サージ吸収回路5A、及び第1電流検出回路7Aを露出している。より詳細には、第1制御側開口部58Aは、第1制御用配線63Aの一部、第1制御用配線64Aの一部、第1中継配線69A、第2制御電源用配線66Bの一部、第1インターフェース用配線68Aの一部、第2中継配線69B、第1低耐圧ダイオード36A,36B、第1抵抗38A、第1抵抗38B、及び第1スイッチング素子39Aを露出している。また第1制御側開口部58Aは、第1抵抗151及び導体部181Qを露出している。本実施形態では、第1制御側開口部58Aは、第1駆動用配線62Aを露出していない。平面視における第1制御側開口部58Aの形状は、特に限定されないが、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。また、第1制御側開口部58Aの内部は空隙である。
【0593】
図61に示すように、平面視において、第2制御側開口部58Bは、複数の第2半導体素子10Bと第2制御用リード84Bの端子部84tとの縦方向Yの間に配置されている。本実施形態では、平面視において、第2制御側開口部58Bは、複数の第2半導体素子10Bと第2制御用リード84Bのパッド部84pとの縦方向Yの間に配置されている。また、平面視において、第2制御側開口部58Bは、複数の第2半導体素子10Bと第2制御用リード85Bの端子部85tとの縦方向Yの間に配置されている。本実施形態では、平面視において、第2制御側開口部58Bは、複数の第2半導体素子10Bと第2制御用リード85Bのパッド部85pとの縦方向Yの間に配置されている。
【0594】
第2制御側開口部58Bは、導通基板180の第2配線領域70Bの一部を露出している。第2制御側開口部58Bは、第2半導体素子10Bに電気的に接続される2種類の回路を露出している。本実施形態では、第2制御側開口部58Bは、第2インターフェース回路6B、第2サージ吸収回路5B、及び第2電流検出回路7Bを露出している。より詳細には、第2制御側開口部58Bは、第2制御用配線63Bの一部、第2制御用配線64Bの一部、第4中継配線69D、第2制御電源用配線66Dの一部、第2インターフェース用配線68Bの一部、第4中継配線69D、第2低耐圧ダイオード37A,37B、第2抵抗38C、第2抵抗38D、及び第2スイッチング素子39Bを露出している。また、第2制御側開口部58Bは、第2抵抗152及び第2過電流検出用配線160Bを露出している。本実施形態では、第2制御側開口部58Bは、第2駆動用配線62Bを露出していない。平面視における第2制御側開口部58Bの形状は、特に限定されないが、横方向Xが長辺方向となり、縦方向Yが短辺方向となる矩形状である。また、第2制御側開口部58Bの内部は空隙である。なお、本実施形態の半導体装置1Kによれば、第6実施形態の半導体装置1Fの効果と同様の効果と、第5実施形態の半導体装置1Eの効果と同様の効果が得られる。
【0595】
[変更例]
上記各実施形態は本開示に関する半導体装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に関する半導体装置は、上記各実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、上記各実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、又は上記各実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下の変更例において、上記各実施形態と共通する部分については、上記各実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0596】
・第1実施形態の半導体装置1Aにおいて、各駆動用接続部材91A,91Bと、各制御用接続部材92A,92B、各制御用接続部材93A,93B、各制御リード用接続部材94A,94B、各制御リード用接続部材95A,95B、各制御電源用接続部材96A~96D、及び各短絡検出用接続部材97A,97Bとが互いに同じ材料、かつ線径が互いに等しくてもよい。この構成によれば、ワイヤ形成工程において、ワイヤの種類を切り替える必要がなくなるため、ワイヤ形成工程を簡略化できる。
【0597】
・第2実施形態の半導体装置1Bにおいて、各駆動用接続部材91A,91Bと、各制御用接続部材92A,92B、各制御用接続部材93A,93B、各制御用接続部材140A,140B、各制御用接続部材141A,141B、及び各短絡検出用接続部材142A,142Bとが互いに同じ材料、かつ線径が互いに等しくてもよい。この構成によれば、ワイヤ形成工程において、ワイヤの種類を切り替える必要がなくなるため、ワイヤ形成工程を簡略化できる。
【0598】
・第3実施形態の半導体装置1Cにおいて、各駆動用接続部材91A,91Bと、各制御用接続部材92A,92B、各制御用接続部材93A,93B、各制御リード用接続部材94A,94B、各制御リード用接続部材95A,95B、各制御電源用接続部材96B,96D、各短絡検出用接続部材97A,97B、及び各インターフェース用接続部材98A,98Bとが互いに同じ材料、かつ線径が互いに等しくてもよい。この構成によれば、ワイヤ形成工程において、ワイヤの種類を切り替える必要がなくなるため、ワイヤ形成工程を簡略化できる。
【0599】
・各実施形態の半導体装置1A~1H,1J,1Kにおいて、各駆動用接続部材91A,91Bの線径が他の接続部材の線径よりも大きくてもよい。
・第2実施形態の半導体装置1Bにおいて、平面視における第1制御側開口部58Aの形状は任意に変更可能である。一例では、平面視における第1制御側開口部58Aの形状は、縦方向Yにおいて導通基板60側に突出する凸形状であってもよい。この場合、第1制御側開口部58Aが第1制御用接続部材141Aを露出しないように形成できる。
【0600】
・第2実施形態の半導体装置1Bにおいて、平面視における第2制御側開口部58Bの形状は任意に変更可能である。一例では、平面視における第2制御側開口部58Bの形状は、縦方向Yにおいて導通基板60側に突出する凸形状であってもよい。この場合、第2制御側開口部58Bが第2制御用接続部材141Bを露出しないように形成できる。
【0601】
・第2実施形態の半導体装置1Bにおいて、第1導電部材42Aのうちの導通基板60よりも樹脂部材50の第3樹脂側面53寄りの部分及び第2導電部材42Bのうちの導通基板60よりも第3樹脂側面53寄りの部分の少なくとも一方には、電気的絶縁性を有する絶縁基板又は絶縁シート(図示略)が接合されてもよい。また、第1導電部材42Aのうちの導通基板60よりも第3樹脂側面53寄りの部分及び第2導電部材42Bのうちの導通基板60よりも第3樹脂側面53寄りの部分の少なくとも一方には、電気的絶縁性を有する絶縁膜が形成されてもよい。
【0602】
・第2実施形態の半導体装置1Bにおいて、第1制御電源用リード86Bと第1低耐圧ダイオード32Bとの接続構造は、任意に変更可能である。一例では、図62に示すように、第1制御電源用リード86Bが第1制御用リード85Aを迂回して第1低耐圧ダイオード32Bまで延びることによって、第1制御電源用リード86Bと第1低耐圧ダイオード32Bとが接続されている。この場合、第1制御用リード85Aの第2配線部111のうちの第2部分111bの横方向Xの長さを第2実施形態の第2部分111bの横方向Xの長さよりも短くしている。
【0603】
・第2実施形態の半導体装置1Bに第3実施形態の半導体装置1Cの回路構成を適用してもよい。
・第3実施形態の半導体装置1Cにおいて、第2実施形態の半導体装置1Bのように、各低耐圧ダイオード36A,36B,37A,37B、各抵抗38A~38D、各スイッチング素子39A,39Bをそれぞれ、導通基板60の外部に配置してもよい。
【0604】
・各実施形態の半導体装置1A~1H,1J,1Kにおいて、各入力リード81,82及び出力リード83の配置態様は任意に変更可能である。一例では、各入力リード81,82及び出力リード83が樹脂部材50の同じ樹脂側面から突出するように、各入力リード81,82及び出力リード83が配置されてもよい。図63では、各入力リード81,82及び出力リード83は、第4樹脂側面54から突出している。各入力リード81,82と出力リード83とは、横方向Xにおいて離間して配列されている。
【0605】
・第1~第5実施形態の半導体装置1A~1Eは、第1絶縁基板41A及び第2絶縁基板41Bに代えて、第1導電部材42A及び第2導電部材42Bを支持する一枚の絶縁基板を備えてもよい。
【0606】
・第1~第5実施形態の半導体装置1A~1Eにおいて、導通基板60の層数は任意に変更可能である。
・第1~第5実施形態の半導体装置1A~1Eにおいて、第4層基板60D,60Eが一体に形成されてもよい。この場合、第4層基板60D,60Eは、第2入力リード82の露出部82dが露出されず、露出部82dを覆うように導体部が形成される。
【0607】
・第1~第5実施形態の半導体装置1A~1Eにおいて、第5層基板60F,60Gが一体に形成されてもよい。この場合、第4層基板60D,60Dの導体部を覆う導体部が形成されてもよい。
【0608】
・第1~第3実施形態の半導体装置1A~1Cにおいて、第1駆動側開口部59Aに充填される絶縁材71と、第2駆動側開口部59Bに充填される絶縁材72との少なくとも一方を省略してもよい。この場合、第1駆動側開口部59A内に配置される第1高耐圧ダイオード30A,30Bと、第2駆動側開口部59B内に配置される第2高耐圧ダイオード31A,31Bとの少なくとも一方を導通基板60から容易に取り外すことができる。このため、各高耐圧ダイオード30A,30B,31A,31Bとは電気的特性が異なる高耐圧ダイオードを第1駆動側開口部59A及び第2駆動側開口部59Bの少なくとも一方に実装できる。したがって、半導体装置1A~1Cの電気的特性を容易に調整できる。また、第6~第8実施形態1F~1Hにおいても、第1駆動側開口部59Aに充填される絶縁材71と、第2駆動側開口部59Bに充填される絶縁材72との少なくとも一方を省略してもよい。
【0609】
・第1~第3及び第6~第8実施形態の半導体装置1A~1C,1F~1Hにおいて、各駆動側開口部59A,59B及び各制御側開口部58A,58Bは、少なくとも金属層からなる配線部又はリードの配線部が露出していればよく、金属層からなる配線部又はリードの配線部に電子部品が実装されていなくてもよい。以下、各駆動側開口部59A,59B及び各制御側開口部58A,58Bについて、(A)~(F)のように個別に説明する。
【0610】
(A)第1~第3及び第6~第8実施形態の半導体装置1A~1C,1F~1Hにおいて、第1駆動側開口部59Aから絶縁材71及び第1高耐圧ダイオード30A,30Bを省略してもよい。この構成によれば、例えばインバータ回路などの電気回路に各実施形態の半導体装置1A~1Cを適用する場合、その電気回路の電気的特性に対して好適となるように第1駆動側開口部59A内に高耐圧ダイオードなどの電子部品を実装できる。これにより、インバータ回路などの電気回路の電気的特性に対して好適となるように半導体装置1A~1Cの電気的特性を調整できる。
【0611】
(B)第1~第3及び第6~第8実施形態の半導体装置1A~1C,1F~1Hにおいて、第2駆動側開口部59Bから絶縁材72及び第2高耐圧ダイオード31A,31Bを省略してもよい。この構成によれば、例えばインバータ回路などの電気回路に各実施形態の半導体装置1A~1Cを適用する場合、その電気回路の電気的特性に対して好適となるように第2駆動側開口部59B内に高耐圧ダイオードなどの電子部品を実装できる。これにより、インバータ回路などの電気回路の電気的特性に対して好適となるように半導体装置1A~1Cの電気的特性を調整できる。
【0612】
(C)第1、第2、及び第6実施形態の半導体装置1A,1B,1Fにおいて、第1制御側開口部58Aから第1低耐圧ダイオード32A,32B及び第1コンデンサ33A,33Bの少なくとも一方を省略してもよい。この構成によれば、例えばインバータ回路などの電気回路に第1、第2、及び第6実施形態の半導体装置1A,1B,1Fを適用する場合、その電気回路の電気的特性に対して好適となるように第1制御側開口部58A内に低耐圧ダイオードやコンデンサなどの電子部品を実装できる。これにより、インバータ回路などの電気回路の電気的特性に対して好適となるように半導体装置1A,1B,1Fの電気的特性を調整できる。なお、この変更は、第9実施形態の半導体装置1Jにも適用できる。
【0613】
(D)第3及び第8実施形態の半導体装置1C,1Hにおいて、第1制御側開口部58Aから第1低耐圧ダイオード36A,36B、第1抵抗38A、第1抵抗38B、及び第1スイッチング素子39Aのうちの少なくとも1つを省略してもよい。この構成によれば、例えばインバータ回路などの電気回路に半導体装置1C,1Hを適用する場合、その電気回路の電気的特性に対して好適となるように第1制御側開口部58A内に低耐圧ダイオードなどの電子部品を実装できる。これにより、インバータ回路などの電気回路の電気的特性に対して好適となるように半導体装置1C,1Hの電気的特性を調整できる。なお、この変更は、第10実施形態の半導体装置1Kにも適用できる。
【0614】
(E)第1、第2、及び第6実施形態の半導体装置1A,1B,1Fにおいて、第2制御側開口部58Bから第2低耐圧ダイオード34A,34B及び第2コンデンサ35A,35Bの少なくとも一方を省略してもよい。この構成によれば、例えばインバータ回路などの電気回路に第1、第2、及び第6実施形態の半導体装置1A,1B,1Fを適用する場合、その電気回路の電気的特性に対して好適となるように第2制御側開口部58B内に低耐圧ダイオードやコンデンサなどの電子部品を実装できる。これにより、インバータ回路などの電気回路の電気的特性に対して好適となるように半導体装置1A,1B,1Fの電気的特性を調整できる。なお、この変更は、第9実施形態の半導体装置1Jにも適用できる。
【0615】
(F)第3及び第8実施形態の半導体装置1C,1Hにおいて、第2制御側開口部58Bから第2低耐圧ダイオード37A,37B、第2抵抗38C,38D、及び第2スイッチング素子39Bのうちの少なくとも1つを省略してもよい。この構成によれば、例えばインバータ回路などの電気回路に半導体装置1C,1Hを適用する場合、その電気回路の電気的特性に対して好適となるように第2制御側開口部58B内に低耐圧ダイオードなどの電子部品を実装できる。これにより、インバータ回路などの電気回路の電気的特性に対して好適となるように半導体装置1C,1Hの電気的特性を調整できる。なお、この変更は、第10実施形態の半導体装置1Kにも適用できる。
【0616】
上記(A)~(F)の変更例の一例として、図64は、半導体装置1Aの第1制御側開口部58Aに第1低耐圧ダイオード32A,32B及び第1コンデンサ33A,33Bが実装されていない状態、及び第2制御側開口部58Bに第2低耐圧ダイオード34A,34B及び第2コンデンサ35A,35Bが実装されていない状態を例示する。この場合、例えば、半導体装置1Aを適用する導通基板に半導体装置1Aを実装した後、導通基板に形成された電気回路の電気的特性に合わせて、各サージ低減回路4A,4Bの電気的特性を調整できる。
【0617】
・第1~第3及び第6~第8実施形態の半導体装置1A~1C,1F~1Hにおいて、樹脂部材50から第1駆動側開口部59A及び第2駆動側開口部59Bの少なくとも一方を省略してもよい。一例では、図65に示すように、樹脂部材50から第1駆動側開口部59A及び第2駆動側開口部59Bを省略した半導体装置1Aを示している。この場合、第1高耐圧ダイオード30A,30B及び第2高耐圧ダイオード31A,31Bは樹脂部材50内に配置されてもよいし、第1高耐圧ダイオード30A,30B及び第2高耐圧ダイオード31A,31Bを省略してもよい。
【0618】
・第4~第6及び第10実施形態の半導体装置1D~1F,1Kでは、第1半導体素子10Aと第2半導体素子10Bとの電極構成が同一であったが、これに限られず、第1半導体素子10A及び第2半導体素子10Bの電極構成は任意に変更可能である。例えば、第1半導体素子10Aの電極構成と第2半導体素子10Bの電極構成とが縦方向Yに沿う中心線に対して対称となる構成であってもよい。この場合、第5、第6、及び第10実施形態の半導体装置1E,1F,1Kでは、第2半導体素子10Bのカレントセンス電極17は、第2駆動用接続部材172を介して導体部181Pと電気的に接続される。第2半導体素子10Bの第2ソース電極12Bは、第2制御用接続部材93Bを介して導体部181Hと電気的に接続される。
【0619】
・各実施形態の半導体装置1A~1H,1J,1Kにおいて、第1半導体素子10A及び第2半導体素子10BはMOSFET等のトランジスタに限られない。例えば、ダイオードやLSIであってもよい。
【0620】
第1半導体素子10A及び第2半導体素子10Bがダイオードの場合、第1半導体素子10A及び第2半導体素子10Bのそれぞれから制御電極が省略される。すなわち第1半導体素子10A及び第2半導体素子10Bはそれぞれ、第1駆動電極としてのアノード電極と、第2駆動電極としてのカソード電極とを有する。この場合、第1制御用配線63A及び第2制御用配線63Bが省略される。これにともない、第1制御用リード84A及び第2制御用リード84Bを省略される。第1制御用配線64A及び第2制御用配線64Bはそれぞれ、第1半導体素子10A及び第2半導体素子10Bに流れる電流量を検出するために残しておいてもよい。
【0621】
また、第1制御用配線64A及び第2制御用配線64Bを省略してもよい。これにともない、第1制御用リード85A及び第2制御用リード85Bを省略してもよい。
第1半導体素子10A及び第2半導体素子10BがLSIの場合、第1半導体素子10A及び第2半導体素子10Bのそれぞれから第1駆動電極及び第2駆動電極が省略される。すなわち第1半導体素子10A及び第2半導体素子10Bはそれぞれ、制御電極を有する。
【0622】
・各実施形態の半導体装置1A~1H,1J,1Kにおいて、第1半導体素子10A及び第2半導体素子10Bのいずれかを省略してもよい。第2半導体素子10Bを省略した場合、第2絶縁基板41Bと、第2導電部材42Bと、導通基板60のうちの第2導電部材42Bに支持されている部分と、第2導電部材42Bの縦方向Yの隣に配列されたリードとを省略してもよい。第1半導体素子10Aを省略した場合、第1絶縁基板41Aと、第1導電部材42Aと、導通基板60のうちの第1導電部材42Aに支持されている部分と、第1導電部材42Aの縦方向Yの隣に配列されたリードとを省略してもよい。
【0623】
・各実施形態の半導体装置1A~1H,1J,1Kにおいて、導通基板60,180が単層基板であってもよい。
・各実施形態の半導体装置1A~1H,1J,1Kにおいて、導通基板60,180を省略してもよい。この場合、例えば、各導電部材42A,42Bの主面42sa,42sbに絶縁層を形成し、その絶縁層上に金属層や金属板からなる配線部を形成する。
【0624】
・第1~第5実施形態の半導体装置1A~1Eの製造方法の導通基板準備工程及び基板接合工程において、第1入力リード81を第1導電部材42Aの主面42saに接合し、出力リード83を第2導電部材42Bの主面42sbに接合した後、導通基板60を第1導電部材42Aの主面42sa及び第2導電部材42Bの主面42sbに接合してもよい。
【0625】
上記実施形態および変更例から把握することができる技術的思想について以下に記載する。
(付記1)
半導体素子と、
前記半導体素子を支持する支持基板と、
前記半導体素子と電気的に接続される導電体と、
前記半導体素子を封止する樹脂部材と、
を備え、
前記導電体は、電子部品が実装される実装領域を有し、
前記樹脂部材は、前記実装領域を露出する樹脂開口部を有する
半導体装置。
【0626】
(付記2)
前記半導体装置は、前記導電体として、電気的絶縁性を有する基板に金属層からなる導体部が形成された導通基板を備え、
前記半導体素子は、前記導通基板の前記導体部と電気的に接続されており、
前記支持基板は、前記導通基板を支持しており、
前記樹脂部材は、前記導通基板を封止している
付記1に記載の半導体装置。
【0627】
(付記3)
前記実装領域には、前記電子部品を実装するための前記導体部が形成されている
付記2に記載の半導体装置。
【0628】
(付記4)
前記半導体素子は、第1駆動電極及び第2駆動電極を有し、
前記導体部は、前記第1駆動電極に電気的に接続された駆動用導体部を有し、
前記樹脂開口部は、前記駆動用導体部の一部を露出している駆動側開口部を有する
付記3に記載の半導体装置。
【0629】
(付記5)
前記駆動用導体部の一部には、前記半導体素子の短絡を検出するための前記電子部品が実装されている
付記4に記載の半導体装置。
【0630】
(付記6)
前記電子部品は、ダイオードを含む
付記5に記載の半導体装置。
【0631】
(付記7)
前記駆動側開口部は、電気的絶縁性を有する樹脂材料によって充填されている
付記4~6のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0632】
(付記8)
前記樹脂材料は、前記樹脂部材を構成する樹脂材料とは異なる
付記7に記載の半導体装置。
【0633】
(付記9)
前記半導体素子は、前記半導体素子に供給される電流を制御する制御電極を有し、
前記導体部は、前記制御電極に電気的に接続された制御用導体部を有し、
前記樹脂開口部は、前記制御用導体部の一部を露出する制御側開口部を有する
付記2~8のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0634】
(付記10)
前記半導体素子は、第1駆動電極、第2駆動電極、及び制御電極を有するトランジスタであり、
前記導体部は、
前記第1駆動電極に電気的に接続された駆動用導体部と、
前記制御電極に電気的に接続された制御用導体部と、
を有し、
前記樹脂開口部は、前記駆動用導体部の一部を露出している駆動側開口部と、前記制御用導体部の一部を露出している制御側開口部とを有し、
前記駆動側開口部と前記制御側開口部とは個別に設けられている
付記2~8のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0635】
(付記11)
前記半導体素子は、第1駆動電極、第2駆動電極、及び制御電極を有するトランジスタであり、
前記導体部は、
前記制御電極に電気的に接続された制御用導体部と、
前記第2駆動電極に電気的に接続されており、前記制御用導体部との間の電位差によって前記制御電極に印加される電圧を設定するための基準用導体部と、
を有し、
前記樹脂開口部は、前記基準用導体部の一部を露出している制御側開口部を有する
付記2~10のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0636】
(付記12)
前記半導体素子は、第1駆動電極、第2駆動電極、及び制御電極を有するトランジスタであり、
前記導体部は、
前記制御電極に電気的に接続される制御用導体部と、
前記第2駆動電極に電気的に接続されており、前記制御用導体部との間の電位差によって前記制御電極に印加される電圧を設定するための基準用導体部と、
を有し、
前記樹脂開口部は、前記制御用導体部の一部及び前記基準用導体部の一部をそれぞれ露出している制御側開口部を有する
付記2~8のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0637】
(付記13)
前記制御側開口部によって露出された前記制御用導体部には、前記制御電極に印加される電圧のサージを低減するための前記電子部品が実装されている
付記9、10、及び12のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0638】
(付記14)
前記制御側開口部によって露出された前記基準用導体部には、前記第2駆動電極に印加される電圧のサージを低減するための前記電子部品が実装されている
付記11又は12に記載の半導体装置。
【0639】
(付記15)
前記半導体素子は、前記半導体素子に供給される電圧を制御する制御電極を有し、
前記半導体装置は、前記制御電極と電気的に接続された金属板からなる制御用リードを有し、
前記制御用リードは、
前記樹脂部材の表面から突出した制御用端子と、
前記樹脂部材の前記表面よりも内部に配置されており、かつ前記制御用端子と電気的に接続された制御用導体部と、
を有し、
前記樹脂開口部は、前記制御用導体部の一部を露出している制御側開口部を有する
付記2~8のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0640】
(付記16)
前記半導体素子は、第1駆動電極、第2駆動電極、及び制御電極を有するトランジスタであり、
前記半導体装置は、
前記制御電極と電気的に接続された金属板からなる制御用リードと、
前記第2駆動電極に電気的に接続されており、前記制御用リードとの間の電位差によって前記制御電極に印加される電圧を設定するための金属板からなる基準用リードを有し、
前記基準用リードは、
前記樹脂部材の表面から突出した基準用端子と、
前記樹脂部材の前記表面よりも内部に配置されており、かつ前記基準用端子と電気的に接続された基準用導体部と、
を有し、
前記樹脂開口部は、前記基準用導体部の一部を露出している制御側開口部を有する
付記2~8のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0641】
(付記17)
前記半導体素子は、第1駆動電極、第2駆動電極、及び制御電極を有するトランジスタであり、
前記半導体装置は、
前記制御電極と電気的に接続された金属板からなる制御用リードと、
前記第2駆動電極に電気的に接続されており、前記制御用リードとの間の電位差によって前記制御電極に印加される電圧を設定するための金属板からなる基準用リードと、
を有し、
前記制御用リードは、
前記樹脂部材の表面から突出している制御用端子と、
前記樹脂部材の前記表面よりも内部に配置されており、かつ前記制御用端子と電気的に接続されている制御用導体部と、
を有し、
前記基準用リードは、
前記樹脂部材の表面から突出している基準用端子と、
前記樹脂部材の前記表面よりも内部に配置されており、かつ前記基準用端子と電気的に接続されている基準用導体部と、
を有し、
前記樹脂開口部は、前記制御用導体部の一部及び前記基準用導体部の一部をそれぞれ露出している制御側開口部を有する
付記2~8のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0642】
(付記18)
前記制御側開口部によって露出された前記制御用導体部には、前記制御電極に印加される電圧のサージを低減するための前記電子部品が実装されている
付記15又は17に記載の半導体装置。
【0643】
(付記19)
前記制御側開口部によって露出された前記基準用導体部には、前記第2駆動電極に印加される電圧のサージを低減するための前記電子部品が実装されている
付記16又は17に記載の半導体装置。
【0644】
(付記20)
前記半導体素子は、第1駆動電極及び第2駆動電極を有し、
前記導体部は、前記第1駆動電極に電気的に接続された駆動用導体部を有し、
前記樹脂開口部は、前記駆動用導体部の一部を露出している駆動側開口部を有し、
前記制御側開口部は、前記駆動側開口部から離間して設けられている
付記15~19のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0645】
(付記21)
前記制御側開口部は、前記支持基板の厚さ方向からみて、前記半導体素子と前記制御用リードの前記制御用端子との間に配置されている
付記15又は17に記載の半導体装置。
【0646】
(付記22)
前記制御側開口部は、前記支持基板の厚さ方向からみて、前記半導体素子と前記基準用リードの前記基準用端子との間に配置されている
付記16に記載の半導体装置。
【0647】
(付記23)
前記支持基板は、金属製の導電部材を有し、
前記導通基板は、前記導電部材に積層されており、
前記半導体素子は、前記導電部材に実装されている
付記2~22のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0648】
(付記24)
前記導通基板には、前記導通基板の厚さ方向に前記導通基板を貫通する基板開口部が設けられており、
前記半導体素子は、前記基板開口部内に配置されている
付記23に記載の半導体装置。
【0649】
(付記25)
前記半導体素子は、互いに直列に接続されている第1半導体素子及び第2半導体素子を含み、
前記第1半導体素子及び前記第2半導体素子はそれぞれ、第1駆動電極及び第2駆動電極を有し、
前記第1半導体素子の第2駆動電極が前記第2半導体素子の第1駆動電極に接続されており、
前記導体部は、
前記第1半導体素子の第1駆動電極と電気的に接続された第1駆動用導体部と、
前記第2半導体素子の第1駆動電極と電気的に接続された第2駆動用導体部と、
を有し、
前記樹脂開口部は、
前記第1駆動用導体部の一部を露出する第1駆動側開口部と、
前記第2駆動用導体部の一部を露出する第2駆動側開口部と、
を有する
付記2~24のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0650】
(付記26)
前記第1半導体素子及び前記第2半導体素子はそれぞれ、制御電極を有し、
前記導体部は、
前記第1半導体素子の制御電極と電気的に接続された第1制御用導体部と、
前記第2半導体素子の制御電極と電気的に接続された第2制御用導体部と、
を有し、
前記樹脂開口部は、
前記第1制御用導体部の一部を露出する第1制御側開口部と、
前記第1制御側開口部から離間して形成されており、前記第2制御用導体部の一部を露出する第2制御側開口部と、
を有する
付記25に記載の半導体装置。
【0651】
(付記27)
前記半導体装置は、
前記第1半導体素子の前記制御電極と電気的に接続された金属板からなる第1制御用リードと、
前記第2半導体素子の前記制御電極と電気的に接続された金属板からなる第2制御用リードと、
を有し、
前記第1制御用導体部の一部は、前記支持基板の厚さ方向からみて、前記第1半導体素子と前記第1制御用リードとの間に配置されており、
前記第2制御用導体部の一部は、前記厚さ方向からみて、前記第2半導体素子と前記第2制御用リードとの間に配置されている
付記26に記載の半導体装置。
【0652】
(付記28)
前記第1制御側開口部は、前記厚さ方向からみて、前記第1半導体素子と前記第1制御用リードとの間に配置されており、
前記第2制御側開口部は、前記厚さ方向からみて、前記第2半導体素子と前記第2制御用リードとの間に配置されている
付記27に記載の半導体装置。
【0653】
(付記29)
前記導体部は、
前記第1半導体素子の第2駆動電極と電気的に接続されており、前記第1制御用導体部との間の電位差によって前記第1半導体素子の制御電極に印加される電圧を設定するための第1基準用導体部と、
前記第2半導体素子の第2駆動電極と電気的に接続されており、前記第2制御用導体部との間の電位差によって前記第2半導体素子の制御電極に印加される電圧を設定するための第2基準用導体部と、
を有し、
前記第1制御側開口部は、前記第1基準用導体部の一部を露出しており、
前記第2制御側開口部は、前記第2基準用導体部の一部を露出している
付記26~28のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0654】
(付記30)
前記半導体装置は、
前記第1半導体素子の前記第2駆動電極に電気的に接続された金属板からなる第1基準用リードと、
前記第2半導体素子の前記第2駆動電極に電気的に接続された金属板からなる第2基準用リードと、
を有し、
前記第1基準用導体部の一部は、前記支持基板の厚さ方向からみて、前記第1半導体素子と前記第1基準用リードとの間に配置されており、
前記第2基準用導体部の一部は、前記厚さ方向からみて、前記第2半導体素子と前記第2基準用リードとの間に配置されている
付記29に記載の半導体装置。
【0655】
(付記31)
前記支持基板の厚さ方向からみて、前記支持基板の形状は矩形状であり、
前記厚さ方向からみて、前記第1制御側開口部及び前記第2制御側開口部は、前記支持基板の一辺に沿う方向において、互いに離間した状態で並んで配置されている
付記26~30のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0656】
(付記32)
前記第1制御側開口部によって露出された前記第1制御用導体部、及び前記第2制御側開口部によって露出された前記第2制御用導体部のそれぞれには、前記制御電極に印加される電圧のサージを低減するための前記電子部品が実装されている
付記26~31のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0657】
(付記33)
前記第1制御側開口部によって露出された前記第1基準用導体部、及び前記第2制御側開口部によって露出された前記第2基準用導体部のそれぞれには、前記第2駆動電極に印加される電圧のサージを低減するための前記電子部品が実装されている
付記29又は30に記載の半導体装置。
【0658】
(付記34)
前記半導体素子は、互いに直列に接続されている第1半導体素子及び第2半導体素子を含み、
前記第1半導体素子及び前記第2半導体素子はそれぞれ、第1駆動電極、第2駆動電極、及び制御電極を有するトランジスタであり、
前記第1半導体素子の第2駆動電極が前記第2半導体素子の第1駆動電極に接続されており、
前記半導体装置は、
前記第1半導体素子の制御電極と電気的に接続された第1制御用リードと、
前記第2半導体素子の制御電極と電気的に接続された第2制御用リードと、
を有し、
前記第1制御用リードは、
前記樹脂部材の表面から突出している第1制御用端子と、
前記樹脂部材の前記表面よりも内部に配置されており、かつ前記第1制御用端子と電気的に接続されている第1制御用導体部と、
を有し、
前記第2制御用リードは、
前記樹脂部材の表面から突出している第2制御用端子と、
前記樹脂部材の前記表面よりも内部に配置されており、かつ前記第2制御用端子と電気的に接続されている第2制御用導体部と、
を有し、
前記樹脂開口部は、
前記第1制御用導体部の一部を露出している第1制御側開口部と、
前記第1制御側開口部から離間して形成されており、前記第2制御用導体部の一部を露出している第2制御側開口部と、
を有する
付記2~8のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0659】
(付記35)
前記樹脂部材の厚さ方向からみて、前記樹脂部材の形状は矩形状であり、
前記厚さ方向からみて、前記第1制御側開口部及び前記第2制御側開口部は、前記樹脂部材の一辺に沿う方向において、互いに離間した状態で並んで配置されている
付記34に記載の半導体装置。
【0660】
(付記36)
前記半導体素子は、互いに直列に接続されている第1半導体素子及び第2半導体素子を含み、
前記第1半導体素子及び前記第2半導体素子はそれぞれ、第1駆動電極及び第2駆動電極を有し、
前記第1半導体素子の第2駆動電極が前記第2半導体素子の第1駆動電極に接続されており、
前記半導体装置は、
前記第1半導体素子の第2駆動電極と電気的に接続された第1基準用リードと、
前記第2半導体素子の第2駆動電極と電気的に接続された第2基準用リードと、
を有し、
前記第1基準用リードは、
前記樹脂部材の表面から突出している第1基準用端子と、
前記樹脂部材の前記表面よりも内部に配置されており、かつ前記第1基準用端子と電気的に接続されている第1基準用導体部と、
を有し、
前記第2基準用リードは、
前記樹脂部材の前記表面から突出している第2基準用端子と、
前記樹脂部材の前記表面よりも内部に配置されており、かつ前記第2基準用端子と電気的に接続されている第2基準用導体部と、
を有し、
前記樹脂開口部は、
前記第1基準用導体部の一部を露出している第1制御側開口部と、
前記第2基準用導体部の一部を露出している第2制御側開口部と、
を有する
付記2~8のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0661】
(付記37)
前記半導体素子は、互いに直列に接続されている第1半導体素子及び第2半導体素子を含み、
前記第1半導体素子及び前記第2半導体素子はそれぞれ、第1駆動電極、第2駆動電極、及び制御電極を有するトランジスタであり、
前記第1半導体素子の第2駆動電極が前記第2半導体素子の第1駆動電極に接続されており、
前記半導体装置は、
前記第1半導体素子の制御電極と電気的に接続された第1制御用リードと、
前記第2半導体素子の制御電極と電気的に接続された第2制御用リードと、
前記第1半導体素子の第2駆動電極と電気的に接続された第1基準用リードと、
前記第2半導体素子の第2駆動電極と電気的に接続された第2基準用リードと、
を有し、
前記第1制御用リードは、
前記樹脂部材の表面から突出している第1制御用端子と、
前記樹脂部材の前記表面よりも内部に配置されており、かつ前記第1制御用端子と電気的に接続されている第1制御用導体部と、
を有し、
前記第2制御用リードは、
前記樹脂部材の前記表面から突出している第2制御用端子と、
前記樹脂部材の前記表面よりも内部に配置されており、かつ前記第2制御用端子と電気的に接続されている第2制御用導体部と、
を有し、
前記第1基準用リードは、
前記樹脂部材の前記表面から突出している第1基準用端子と、
前記樹脂部材の前記表面よりも内部に配置されており、かつ前記第1基準用端子と電気的に接続されている第1基準用導体部と、
を有し、
前記第2基準用リードは、
前記樹脂部材の前記表面から突出している第2基準用端子と、
前記樹脂部材の前記表面よりも内部に配置されており、かつ前記第2基準用端子と電気的に接続されている第2基準用導体部と、
を有し、
前記樹脂開口部は、
前記第1制御用導体部の一部及び前記第1基準用導体部の一部を露出している第1制御側開口部と、
前記第2制御用導体部の一部及び前記第2基準用導体部の一部を露出している第2制御側開口部と、
を有する
付記2~8のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0662】
(付記38)
前記支持基板は、
前記第1半導体素子が実装されている第1導電部材と、
前記第2半導体素子が実装されている第2導電部材と、
を有し、
前記支持基板の厚さ方向からみて、前記第1導電部材及び前記第2導電部材は、前記厚さ方向と直交する第1方向に離間した状態で配置されており、
前記導通基板は、前記第1導電部材及び前記第2導電部材にわたり配置されている
付記25~37のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0663】
(付記39)
前記導通基板は、多層導通基板である
付記2~38のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0664】
(付記40)
前記導通基板は、前記電子部品を実装するための導体部を有し、
前記導体部は、前記多層導通基板の最表層に形成されている
付記39に記載の半導体装置。
【0665】
(付記41)
前記電子部品は、ショットキーバリアダイオードを含む
付記1~40のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0666】
(付記42)
前記電子部品は、逆直列に互いに接続された2個のショットキーバリアダイオードを含む
付記1~40のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0667】
(付記43)
前記電子部品は、トランジスタを含む
付記1~42のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0668】
(付記44)
前記電子部品は、コンデンサを含む
付記1~43のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0669】
(付記45)
前記半導体素子は、前記導体部に実装されている
付記2~23及び25~37のいずれか一項に記載の半導体装置。
【符号の説明】
【0670】
1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1J,1K…半導体装置
10A…第1半導体素子(半導体素子、トランジスタ)
10B…第2半導体素子(半導体素子、トランジスタ)
11…ドレイン電極(第1駆動電極)
12…ソース電極(第2駆動電極)
13…ゲート電極(制御電極)
30X…電子部品
30A,30B…第1高耐圧ダイオード(電子部品、保護ダイオード)
31A,31B…第2高耐圧ダイオード(電子部品、保護ダイオード)
32A,32B…第1低耐圧ダイオード(電子部品)
33A,33B…第1コンデンサ(電子部品)
34A,34B…第2低耐圧ダイオード(電子部品)
35A,35B…第2コンデンサ(電子部品)
36A,36B…第1低耐圧ダイオード(電子部品)
37A,37B…第2低耐圧ダイオード(電子部品)
38A…第1抵抗(電子部品)
38B…第1抵抗(電子部品)
38C…第2抵抗(電子部品)
38D…第2抵抗(電子部品)
39A…第1スイッチング素子(電子部品、トランジスタ)
39B…第2スイッチング素子(電子部品、トランジスタ)
40…支持基板
42A…第1導電部材(導電部材)
42B…第2導電部材(導電部材)
50…樹脂部材
50X…樹脂開口部
51…第1樹脂側面(表面)
52…第2樹脂側面(表面)
53…第3樹脂側面(表面)
54…第4樹脂側面(表面)
58A…第1制御側開口部(樹脂開口部、制御側開口部)
58B…第2制御側開口部(樹脂開口部、制御側開口部)
59A…第1駆動側開口部(樹脂開口部、駆動側開口部)
59B…第2駆動側開口部(樹脂開口部、駆動側開口部)
60…導通基板(導電体)
61A…第1基板開口部(基板開口部)
61B…第2基板開口部(基板開口部)
62A…第1駆動用配線(駆動用導体部、第1駆動用導体部、導通基板の導体部)
62B…第2駆動用配線(駆動用導体部、第2駆動用導体部、導通基板の導体部)
63A…第1制御用配線(制御用導体部、第1制御用導体部、導通基板の導体部)
63B…第2制御用配線(制御用導体部、第2制御用導体部、導通基板の導体部)
64A…第1制御用配線(基準用導体部、第1基準用導体部、導通基板の導体部)
64B…第2制御用配線(基準用導体部、第2基準用導体部、導通基板の導体部)
71…絶縁材(樹脂材料)
72…絶縁材(樹脂材料)
84A…第1制御用リード(制御用リード)
84B…第2制御用リード(制御用リード)
84t…端子部(制御用端子、第1制御用端子、第2制御用端子)
85A…第1制御用リード(基準用リード)
85B…第2制御用リード(基準用リード)
85t…端子部(基準用端子、第1基準用端子、第2基準用端子)
100…第1配線部(制御用導体部、第1制御用導体部、導体部)
101…第2配線部(制御用導体部、第1制御用導体部、導体部)
102…第1配線部(制御用導体部、第2制御用導体部、導体部)
103…第2配線部(制御用導体部、第2制御用導体部、導体部)
104…第3配線部(制御用導体部、第2制御用導体部、導体部)
110…第1配線部(基準用導体部、第1基準用導体部、導体部)
111…第2配線部(基準用導体部、第1基準用導体部、導体部)
112…第1配線部(基準用導体部、第2基準用導体部、導体部)
113…第2配線部(基準用導体部、第2基準用導体部、導体部)
180…導通基板
181A~181N,181P~181R…導体部
183…導体部
184…導体部
X…横方向
Y…縦方向
Z…厚さ方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26A
図26B
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図57
図58
図59
図60
図61
図62
図63
図64
図65