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特許7596284環境的に最適にしたフィルタを備えるエアロゾル生成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】環境的に最適にしたフィルタを備えるエアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/04 20060101AFI20241202BHJP
   A24D 3/06 20060101ALI20241202BHJP
   A24D 1/02 20060101ALI20241202BHJP
   A24C 5/56 20060101ALI20241202BHJP
【FI】
A24D3/04
A24D3/06
A24D1/02
A24C5/56
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021549361
(86)(22)【出願日】2020-03-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-20
(86)【国際出願番号】 EP2020059003
(87)【国際公開番号】W WO2020201231
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-01-25
(31)【優先権主張番号】19167618.8
(32)【優先日】2019-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】テイラー, オリバー
(72)【発明者】
【氏名】コリンズ, ティモシー
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/235761(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0000481(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0314399(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 3/04
A24D 3/06
A24D 1/02
A24C 5/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置であって、
エアロゾル生成材料ロッドと、
アセテートトウを含んでいて前記エアロゾル生成装置の口端部に位置する第1のフィルタ部、及び、生分解可能であって前記第1のフィルタ部から前記エアロゾル生成材料ロッドまで延長する第2のフィルタ部、を含むフィルタロッドと、
前記フィルタロッド及び前記エアロゾル生成材料ロッドが共通の長手軸に沿って共に連結されるように、前記フィルタロッド及び前記エアロゾル生成材料ロッドの一部を取り囲むチップペーパーと、
前記フィルタロッドと前記チップペーパーとの間に設けられたプラグラップペーパーと、を備え、
前記第2のフィルタ部が、前記第1のフィルタ部及び前記第2のフィルタ部に包囲された結合容積の50%を超える容積を包囲し、
前記チップペーパーが、前記チップペーパーの少なくとも一部が使用者によって開封可能であるように、前記口端部から前記エアロゾル生成材料ロッドまで延長している弱化線を含
前記弱化線は、前記プラグラップペーパーの中に延びていない、
エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記第2のフィルタ部が紙ベース材料である、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記チップペーパーの前記弱化線が前記長手軸に沿った前記チップペーパーの長さの50%を超えて延長している、請求項1又は2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記チップペーパーの前記弱化線が、前記長手軸に沿った前記チップペーパーの全長に沿って延長している、請求項3に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記チップペーパーに2本の平行な弱化線がある、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記チップペーパーの前記2本の平行な弱化線の間にタブが形成され、使用者が前記チップペーパーを掴むことを可能にしている、請求項5に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
2つの切り込みが前記チップペーパーの前記口端部において平行な弱化線にそれぞれ隣接して設けられ、前記タブが前記切り込みの間に設けられている、請求項6に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記弱化線がミシン目線である、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記エアロゾル生成装置が喫煙物品である、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
エアロゾル生成装置を製造する方法であって、
エアロゾル生成材料ロッドを設ける工程と、
アセテートトウを含んでいて前記エアロゾル生成装置の口端部に位置する第1のフィルタ部、及び、生分解可能であて前記第1のフィルタ部から前記エアロゾル生成材料ロッドまで延長し前記第1のフィルタ部及び第2のフィルタ部に包囲された結合容積の50%を超える容積を包囲する前記第2のフィルタ部、前記第1のフィルタ部及び前記第2のフィルタ部を囲包するプラグラップペーパーと、を含むフィルタロッドを設ける工程と、
前記フィルタロッド及び前記エアロゾル生成材料ロッドが共通の長手軸に沿って共に連結するように、前記フィルタロッドの前記プラグラップペーパー、及び前記エアロゾル生成材料ロッドの一部を取り囲むチップペーパーを設ける工程と、
前記チップペーパーの少なくとも一部が使用者によって開封可能となるように、前記口端部から前記エアロゾル生成材料ロッドまで延長している弱化線を前記チップペーパーに設ける工程と、を含
弱化線を前記チップペーパーに設ける前記工程は、前記弱化線が前記プラグラップペーパーの中に延びていないように実施される、
エアロゾル生成装置を製造する方法。
【請求項11】
前記弱化線がミシン目線である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ミシン目線がレーザ又は穿孔ホイールを使用して形成される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記弱化線が、前記チップペーパーが前記エアロゾル生成装置に貼り付けられる前か又は後に前記チップペーパーに設けられる、請求項10~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記チップペーパーの前記弱化線が、前記長手軸に沿う前記チップペーパーの長さの50%を超えて延長している、請求項10~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記チップペーパーの前記弱化線が、前記長手軸に沿う前記チップペーパーの全長に沿って延長している、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第2のフィルタ部が紙ベース材料である、請求項10~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記弱化線を設ける工程が、前記口端部から前記エアロゾル生成材料ロッドに向かって平行に延長する2本の弱化線を設ける工程を含む、請求項10~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
2つの切り込みが、前記チップペーパーの前記口端部において、前記平行な弱化線にそれぞれ隣接して設けられ、前記切り込みの間にタブが設けられている、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置用のフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシガレット及び現在入手可能な非燃焼加熱式タバコスティックは、タバコ含有ロッド、フィルタ及びチップペーパーを含む。アセテートトウは、シガレットの風味又は香りを損なうことなくタール及びニコチンなどの物質を効果的に濾過できるため、フィルタ材料として選択されることが多い。しかし、生分解に対して耐性があるため、アセテートトウフィルタは廃棄されると分解に何年も要することが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このため、本発明の目的は、シガレット、非燃焼加熱式スティック、又は一般的に言えばエアロゾル生成装置の廃棄の環境影響を消費者の喫煙経験に影響を及ぼすことなく減少させるために、フィルタ、特にアセテートを主成分として含むフィルタの生分解を加速させることである。
【0004】
米国特許出願公開第2014/224268A1号明細書は、喫煙物品フィルタに関する。しかし、フィルタはポリマーインサートを含むものであり、これはフィルタ製造中の位置付け及び位置合わせ、及びフィルタ部品の組み合わせを困難にさせる。加えて、プラスチックインサートは使用後のフィルタの分解性を全体として促進させないため、環境影響を十分に減少させるものではない。
【0005】
国際公開第2009/016513A2号パンフレットは、分解可能なシガレットフィルタに関する。
【0006】
欧州特許出願公開第2002737A1号明細書は、喫煙物品及びフィルタに関する。しかし、喫煙物品は、フィルタ材料の分解性を十分には改善しない。特に、物品は、引き裂き紐の中に糸等を導入する必要があり、これは追加材料を使用する結果となり、その糸を接着して弱化線を形成するために全チップペーパーリールの先端位置の登録又は前処理が必要となることから、フィルタ製造中の工程の困難さを増大させる。これは、本発明と比較してフィルタ製造コストを大幅に増大させる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様により、エアロゾル生成材料ロッドと、アセテートトウを含み、エアロゾル生成装置の口端部に位置する第1のフィルタ部と、生分解可能であり、第1のフィルタ部とエアロゾル生成材料ロッドとの間に位置する第2のフィルタ部と、第1のフィルタ部及び第2のフィルタ部を取り囲むチップペーパーとを含み、チップペーパーの少なくとも一部を使用者が除去できるようにチップペーパーが弱化線を含む、エアロゾル生成装置を提供する。
【0008】
このようにして、シガレットフィルタの生分解がその廃棄後に加速する。ツーピースフィルタ構成は、2つの大きな利点をもたらす。生分解可能な部分がフィルタの分解を加速させ、アセテートトウ部分がシガレットの味わい、香り、目に見えるフィルタの美しさを従来のシガレットと同等のままにすることを確実にする。さらに、チップペーパーに弱化線を導入することにより、消費者はシガレットを廃棄する前に外側の材料を容易に除去できる。チップペーパーが液体成分及び生物学的成分のフィルタ浸入への障壁をもたらし、別の方法ではフィルタの分解を加速することがわかっている。このため、消費者にこの障壁を除去する能力を提供することにより、生分解が加速でき、シガレット廃棄の環境影響を減少させることができる。
【0009】
第2のフィルタ部は、紙ベース材料であり得る。有益なことに、「黄土」などの紙ベースのフィルタ材料が、アセテートトウよりも速い速度で生分解することがわかっている。しかし、紙ベース材料は、消費者の味覚試験ではアセテートトウと比較して効果が不十分であることが多く、オフホワイト色を示す。このため、アセテートトウ材料を目に見える口端部に位置させたフィルタエレメントのツーピース構成は、フィルタの美しさに影響を与えることなく、喫煙の味わいに最小限の影響を与えるのみで、生分解性を改善する。
【0010】
好ましくは、チップペーパーの弱化線は、エアロゾル生成装置の主長手軸について軸方向に延長する。このようにして、弱化線の長さに沿って引き裂き力をかけると、チップペーパーを完全且つ効果的に分割することになり、下側のフィルタエレメントを完全に露出させる。
【0011】
典型では、チップペーパーに2本の平行な弱化線がある。このようにして、チップペーパーの一片が除去され、液体成分及び生物学的成分のフィルタへの意義ある浸入を可能にし得る。
【0012】
使用者がチップペーパーを掴めるように、チップペーパーの2本の平行な弱化線の間にタブが形成され得る。このようにして、チップペーパーのより容易な除去が消費者にもたらされる。
【0013】
好ましくは、チップペーパーの口端部において2つの切り込みが平行な弱化線にそれぞれ隣接して設けられ、切り込み間にタブが設けられる。このようにして、消費者によってタブが掴まれ、引き裂き力がかけられ得る。かけられた力は切り込みの先端に集中し、これにより裂け目が弱化線に沿って伝搬するのを確実にすることにより、引き裂き工程の信頼性を改善する。
【0014】
好ましくは、弱化線はミシン目線である。このようにして、弱化線は、レーザ穿孔又は穿孔ホイールの使用など多用途の手段を用いてチップペーパーに容易に設けられ得る。
【0015】
一例では、エアロゾル生成装置は、タバコロッドなどの喫煙物品であり得る。他の例では、エアロゾル生成装置は、非燃焼加熱式スティックであり得る。
【0016】
本発明の別の態様により、エアロゾル生成材料ロッドを設ける工程と、アセテートトウを含む第1のフィルタ部をエアロゾル生成装置の口端部に設ける工程と、生分解可能な第2のフィルタ部を第1のフィルタ部とエアロゾル生成材料ロッドとの間に設ける工程と、第1のフィルタ部及び第2のフィルタ部を取り囲むチップペーパーを設ける工程と、チップペーパーの少なくとも一部が使用者によって除去できるようにチップペーパーに弱化線を設ける工程とを含む、エアロゾル生成装置を製造する方法を提供する。
【0017】
好ましくは、弱化線はミシン目線である。一例では、ミシン目線は、レーザを用いて形成され得る。別の例では、ミシン目線は穿孔ホイールを用いて形成され得る。
【0018】
弱化線は、チップペーパーがエアロゾル生成装置に貼り付けられた後にチップペーパーに設けられ得る。或いは、弱化線は、チップペーパーがエアロゾル生成装置に貼り付けられる前にチップペーパーに設けられ得る。
【0019】
ここで、図面を参照しながら、本発明の実施形態を例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態におけるシガレットの例証の切欠き部を含む斜視図である。
図2図1に示したシガレットの分解図である。
図3A図1に示したシガレットの側面図である。
図3B図1に示したシガレットの側部断面図である。
図4A】本発明の実施形態におけるシガレットの製造で使用されるシガレットエレメントの構造の側部断面図である。
図4B】本発明の実施形態におけるシガレットの製造で使用されるシガレットエレメントの構造の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1図2図3A、及び図3Bは、本発明の実施形態における喫煙物品10、この場合ではシガレット10の概略図である。本発明の文脈及び説明における喫煙物品10への言及は、使用者によって吸い込まれるエアロゾルを生成するためにタバコ材料を燃焼させることを要するシガレット又は他の種類のタバコ製品に限定されたものとして解釈されるものではない。喫煙物品がそれとは反対に適合する用語及び解釈される用語についても、如何なる種類の加熱技術によっても吸入可能なエアロゾルを生成するための、普通のタバコ葉、タバコカットフィラー、再構成タバコ、又はあらゆる形態のタバコ抽出物であっても、タバコ含有基材を使用する如何なる種類のエアロゾル生成装置をも包含するものである。これは特に、使用者が消費するためにフィルタと接続して使用する消耗装置を含む如何なる非燃焼加熱式タバコをも包含し得る。
【0022】
シガレット10は、フィルタ14に接続された喫煙ロッド12を含む。フィルタ14は、2つの円柱フィルタ部、フィルタ14の口端部15に位置する第1のフィルタ部16と、第1のフィルタ部16と喫煙ロッド12との間に位置する第2のフィルタ部18とを含む。
【0023】
第1のフィルタ部16はアセテートトウ材料を含み、第2のフィルタ部18はアセテートトウよりも速い速度で分解する生分解可能な材料を含む。一例では、第2のフィルタ部18は紙ベース材料「黄土」を含み得るものであり、これはアセテートトウで作られたフィルタよりも速く分解することがわかっている。他の例では、第2のフィルタ部18は、アセテートトウよりも速く生分解する他の如何なるフィルタ材料をも含み得る。
【0024】
第1のフィルタ部16及び第2のフィルタ部18は、それぞれ各容積を包囲する。第2のフィルタ部18は、本発明により、結合フィルタ14の容積の大部分を構成している。第2のフィルタ部18はこのため、結合フィルタ14の容積の50%を超えて構成している。好ましくは、その少なくとも75%であり、95%までである。好適な実施形態では、第2のフィルタ部18は全フィルタ容積の約85%を形成し、残り(つまり15%)は第1のフィルタ部16によって形成される。このようにして、第2のフィルタ部18は、アセテートトウの第1のフィルタ部16よりも、フィルタ14の全体の分解速度に大きく貢献し、これにより全体の分解を加速させる。しかし、2つのフィルタ14部の相対的割合は、上に定義した原則を考慮した特定の喫煙必要条件によって構成され得ることは当業者によって理解されると思われる。このようにして、味わい、圧力低下、濾過特性、分解速度、及びコストなどの他のフィルタ特性を、第1のフィルタ部16及び第2のフィルタ部18の相対的割合を変更することにより制御し得る。
【0025】
口端部15にアセテートトウの第1のフィルタ部16を位置付けることにより、フィルタ14の露出面は、従来のシガレットのものと似ているように見える。このため、シガレット10の消費者の知覚は影響を受けないままであり、同様の味覚経験が提供される。
【0026】
フィルタ14はチップペーパー20に包まれ、チップペーパー20は下側のフィルタ14の形状と一致している。チップペーパー20は、少なくとも1本の、好ましくは提示したような2本の平行ミシン目線22、23を含み、これらはシガレット10の主長手軸について軸方向に延長している。各ミシン目線22、23の口端部15には2つの切り込み24、25が設けられ、切り込み24、25の間にはタブ26が形成されている。
【0027】
消費者はタブ26を掴み、ミシン目線22、23に沿って引き裂き力をかけることができ、チップペーパー20の一片をフィルタ14から除去する結果となる。このようにして、シガレット10を廃棄した後、液体成分及び生物学的成分のフィルタ14への浸入がチップペーパー20によってもはや妨げられないため、フィルタ14の生分解が加速する。
【0028】
当業者に理解されるように、多数の他の可能なミシン目構成がある。一例では、ミシン目は、フィルタ14の周りを円周方向又は螺旋状に延長するか、又は1本のミシン目線のみであり得る。別の例では、切り込み24、25、及びタブ26は、喫煙ロッド12に隣接するフィルタ14の他端部に位置付けられ得る。別の例では、切り込み24、25又はタブ26が存在しないこともある。
【0029】
当業者に理解されるように、ミシン目線は如何なる代替可能な弱化線の形状をも含み得るものであり、弱化線によって消費者はチップペーパー20を容易に引き裂くことができる。一例では、弱化線は、チップペーパー20の一部を含み得るものであり、チップペーパー20の残りの部分よりも厚みが薄い。別の例では、弱化線は、化学的に弱化した部分を含み得る。別の例では、弱化線は、放射的に弱化した部分を含み得る。別の例では、弱化線は、機械的に弱化した部分を含み得る。別の例では、弱化線は、チップペーパー20の残りの部分よりもより弱い材料で作られたチップペーパー20の一部を含み得る。
【0030】
本発明の実施形態では、ミシン目線22、23は、口端部から喫煙ロッド12に向かって、喫煙物品の長手軸に沿ったチップペーパーの長さの50%を超えて延長している。このため、使用者は、チップペーパーを破ると、第1のフィルタ部16及び第2のフィルタ部18の両方が外部環境にさらされ、その結果として生分解可能な第2のフィルタ部18の中に水を浸入させることを確実にできる。
【0031】
好ましくは、ミシン目線22、23は、口端部から喫煙ロッド12に向かってチップペーパー20の全長にわたって延長し、これにより使用者は、物品1を喫煙した後、チップペーパーを完全に開封し、両フィルタ部16、18を自由に解放し、外部環境にこれをさらすことができる。
【0032】
喫煙ロッド12は、刻みタバコ28を含んでいる。当業者に理解されるように、いくつかの他の製品及びエアロゾル生成成分が喫煙ロッド12内に設けられ得る。
【0033】
フィルタ14は、フィルタ14の長さを超えて延長するチップペーパー20に包まれている。このようにして、チップペーパー20は喫煙ロッド12の一部の周りをも包み、これによりフィルタ14を喫煙ロッド12に確実に取り付ける。代替可能な実施形態では、チップペーパー20はフィルタ14と同一の長さであり得る。一例では、チップペーパー20は製造中にリールから送られ、シガレット10に貼り付けられ得る。
【0034】
フィルタ14は、フィルタ14とチップペーパー20との間に設けられたプラグラップペーパー30に包まれている。プラグラップペーパー30は、シガレットフィルタの製造において一般に知られているように、製造中且つ使用中に2つのフィルタエレメント16、18を共に確実に保持するため、特にフィルタ14のチップペーパー20による喫煙ロッド12への取り付け時の適切な結合性を確実にするために使用される。一例において、チップペーパー20、プラグラップペーパー30、第1のフィルタ部16及び第2のフィルタ部16は、接着剤を使用して接合し得る。
【0035】
ミシン目線22、23のミシン目はチップペーパー20を貫通するのみであり、プラグラップペーパー30を通って延長していない。これは、吸入時の圧力低下及び物質浸透性などのフィルタ14の特性がミシン目の存在によって影響を受けないことを確実にする。このようにして、従来のシガレットと同等の喫煙経験が消費者にもたらされる。
【0036】
代替可能な実施形態において、ミシン目は、チップペーパー20及びプラグラップペーパー30の両方を除去するのを可能にするために、プラグラップペーパー30を通って延長し得る。これは、フィルタ14への液体浸入及び生物学的浸入の度合いをさらに増大させ、分解をさらに加速させる。
【0037】
ミシン目線22、23は、レーザ穿孔などの方法、穿孔ホイールの使用、又は他の如何なる適切な穿孔技術を使用して形成され得る。一例では、ミシン目は、チップペーパー20をフィルタ14に貼り付ける前に形成され得る。代替可能な例では、ミシン目は、チップペーパー20をフィルタ14に貼り付けた後に形成され得る。
【0038】
図4A、4Bはそれぞれ、本発明の実施形態におけるシガレットの製造において使用されるシガレットエレメントの構成の側面図及び側部断面図である。
【0039】
構成は、それぞれ接合順序で設けられた、喫煙ロッド12、第2のフィルタ部18、第1のフィルタ部16、別の第2のフィルタ部16、及び別の喫煙ロッド12を含む。構成の周りにチップペーパー20が巻かれ、レーザ、又は他の如何なる適切なツールが、その構成の主長手軸について軸方向に延長する2本の平行なミシン目線22、23を形成するのに使用される。レーザは、チップペーパー20に2つの切り込み24、25を形成するためにも使用され、一つがその構成の主長手軸についてミシン目の各線の中央にある。代替可能な例において、ミシン目線22、23は、チップペーパー20のより薄い部分などの如何なる他の弱化線でもあり得る。
【0040】
構成の長手軸に垂直な鏡面を通して切断するために鋸又はレーザなどの切断デバイスが使用可能であり、これにより2本のシガレット10が作られ、図1図2図3A図3Bに示すようにそれぞれが2本の平行ミシン目線22、23及び2つの切り込み24、25をこれらの口端部15に設けている。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B