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特許7596292組織を密封、切断、および/または感知するための超音波および多重エネルギー外科用器具、システム、および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】組織を密封、切断、および/または感知するための超音波および多重エネルギー外科用器具、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/32 20060101AFI20241202BHJP
【FI】
A61B17/32 510
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021557353
(86)(22)【出願日】2020-03-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-27
(86)【国際出願番号】 US2020024732
(87)【国際公開番号】W WO2020198372
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2023-03-24
(31)【優先権主張番号】62/823,769
(32)【優先日】2019-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/823,875
(32)【優先日】2019-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】カウリー, マイケル エス.
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン トル, デイビッド ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ライオンズ, マイケル ビー.
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0203143(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0164973(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0196782(US,A1)
【文献】国際公開第2011/089769(WO,A1)
【文献】特開2013-031669(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00
17/32
18/12 - 18/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用エンドエフェクタアセンブリであって、前記外科用エンドエフェクタアセンブリは、
超音波変換器に接続するように適合されている超音波ブレードであって、前記超音波変換器は、超音波エネルギーを前記超音波ブレードに伝送するように構成されている、超音波ブレードと、
前記超音波ブレードの反対側に配置されている第1のパネルおよび第2のパネルであって、前記超音波ブレードは、前記第1のパネルと前記第2のパネルとの間に挟まれており、前記第1のパネルおよび前記第2のパネルのそれぞれは、前記第1のパネルおよび前記第2のパネルのそれぞれと前記超音波ブレードとの間にギャップを画定するように、前記超音波ブレードから横方向に間隔があけられている、第1のパネルおよび第2のパネルと、
開位置とクランプ位置との間で、前記超音波ブレードと前記第1のパネルおよび前記第2のパネルとに対して枢動可能な顎部と
を備え、
(i)前記超音波ブレード、(ii)前記第1のパネルおよび前記第2のパネル、または、(iii)前記顎部のうちの少なくとも2つは、組織を調査すること、または、組織を治療することのうちの少なくとも1つのために、組織間および組織を通して電気信号を伝送するための複数の異なる電位にエネルギー供給可能であり、
前記超音波ブレードは、第1の電位にエネルギー供給されるように構成されており、前記第1のパネルおよび前記第2のパネルは、組織間および組織を通して前記電気信号を伝送するための第2の異なる電位にエネルギー供給されるように構成されている、外科用エンドエフェクタアセンブリ。
【請求項2】
前記顎部は、第3の電位にエネルギー供給されるように構成されており、前記第1のパネルおよび前記第2のパネルは、組織間および組織を通して前記電気信号を伝送するための第4の異なる電位にエネルギー供給されるように構成されている、請求項1に記載の外科用エンドエフェクタアセンブリ。
【請求項3】
前記顎部は、第1の表面および第2の表面を画定する構造体と、前記第1の表面と前記第2の表面の間に配置されている顎ライナーとを含み、前記第1の表面および前記第2の表面は、前記電気信号を伝送するためにエネルギー供給可能である、請求項2に記載の外科用エンドエフェクタアセンブリ。
【請求項4】
前記顎部は、第1の導電性プレートおよび第2の導電性プレートを支持する構造体と、前記第1の導電性プレートと前記第2の導電性プレートの間に配置されている顎ライナーとを含み、前記第1の導電性プレートおよび前記第2の導電性プレートは、前記電気信号を伝送するためにエネルギー供給可能である、請求項2に記載の外科用エンドエフェクタアセンブリ。
【請求項5】
前記外科用エンドエフェクタアセンブリは、前記超音波ブレードの外側側面または前記第1のパネルおよび前記第2のパネルの内側側面のうちの少なくとも1つに配置されている絶縁コーティングをさらに含む、請求項1に記載の外科用エンドエフェクタアセンブリ。
【請求項6】
一定のギャップが、前記超音波ブレードの外側側面の全長と前記第1のパネルおよび前記第2のパネルの内側側面の全長との間で維持されている、請求項1に記載の外科用エンドエフェクタアセンブリ。
【請求項7】
前記第1のパネルおよび前記第2のパネルのそれぞれは、垂直本体と、前記垂直本体から横方向に延在する棚とを含み、前記棚は、前記顎部の前記クランプ位置において前記顎部に対向するように位置付けられている対向面を画定する、請求項1に記載の外科用エンドエフェクタアセンブリ。
【請求項8】
前記第1のパネルおよび前記第2のパネルのそれぞれは、近位から遠位方向において前記超音波ブレードの底部を次第に露出するように、その下部から近位から遠位方向で高さにおいて先細りする、請求項1に記載の外科用エンドエフェクタアセンブリ。
【請求項9】
前記電気信号は、無線周波数(RF)信号である、請求項1に記載の外科用エンドエフェクタアセンブリ。
【請求項10】
前記電気信号は、直流(DC)信号である、請求項1に記載の外科用エンドエフェクタアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、両方ともに2019年3月26日に出願された米国仮特許出願第62/823,769号および第62/823,875号の利益およびそれらに対する優先権を主張し、各々の全内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、外科用器具、システム、および方法に関する。より具体的には、本開示は、超音波および多重エネルギー外科用器具、システム、および組織を密封、切断、および/または感知するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
超音波外科用器具およびシステムは、組織を治療するのに、超音波エネルギー、すなわち超音波振動を利用する。より具体的には、超音波外科用器具およびシステムは、超音波周波数で伝送される機械的振動エネルギーを利用して、止血をもたらすために組織の凝固、焼灼、融着、密封、切断、および/または乾燥を行う。
【0004】
超音波外科用器具は、典型的には、超音波外科用器具のハンドルに連結されており、導波管に沿って超音波エネルギーで組織を治療するように設計された超音波外科用器具のエンドエフェクタに伝送するための超音波エネルギーを生成するように構成されている、変換器を利用する。変換器は、例えば、超音波外科用器具のハンドル上、またはハンドル内に搭載されている、または、例えば、外科用ケーブルを介して超音波外科用器具に接続されているセットトップボックスとして遠隔配置されている、超音波生成器によって駆動され得る。超音波外科用器具のエンドエフェクタは、組織に適用するために導波管から超音波エネルギーを受容するブレードと、その治療を容易にするようにブレードと顎部材との間に組織をクランプするように構成された顎部材と、を含み得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書で使用するとき、「遠位」という用語は、ユーザからより遠くにあると記載されている部分を指し、一方で、「近位」という用語は、ユーザのより近くにあると記載されている部分を指す。さらに、矛盾しない程度に、本明細書に記載の態様のいずれかまたはすべては、本明細書に記載される他の態様のいずれかまたはすべてと併せて使用され得る。
【0006】
本開示の態様に従って提供されるのは、筐体と、筐体によって支持される超音波変換器と、筐体から遠位に延在する細長いアセンブリとを含む超音波外科用器具である。細長いアセンブリは、超音波変換器に動作可能に連結するように構成された導波管を含む。導波管は、その遠位端でブレードを画定する。細長いアセンブリは、ブレードの反対側に横方向に間隔を置いて配置され、ブレードの長さの少なくとも一部に沿って延在する第1および第2のパネルと、離間位置と近似位置の間で、ブレードならびに第1および第2のパネルに対して枢動可能な顎部とをさらに含む。近似位置では、ブレードおよび顎部は、それらの間の第1の距離を画定し、第1のクランプ力の下でそれらの間の組織の中心部分を把持するように構成され、顎部ならびに第1および第2のパネルの各々は、第1の距離よりも大きい第2の距離をそれらの間に画定し、第1のクランプ圧力よりも低い第2のクランプ圧力の下でそれらの間の組織の外側側方部分を把持するように構成される。他の態様では、第2の距離は、第2のクランプ圧力が実質的に第1のクランプ圧力以上であるように、実質的に第1の距離に等しいか、または第1の距離よりも小さくあり得る。
【0007】
本開示の一態様では、ブレードは、頂点を画定する凸状構成を有する組織接触面を含む。そのような態様では、クランプ位置において、ブレードの組織接触面および顎部は、それらの間の組織の中央部分を把持するように構成されている。
【0008】
本開示の別の態様では、ブレードの組織接触面の頂点は、第1および第2のパネルの組織接触面と比較して、顎部に向かってさらに延在する。
【0009】
本開示のさらに別の態様では、顎部は、構造体と、顎ライナーとを含む。顎ライナーは、組織接触面を画定し、構造体は、顎ライナーの組織接触面のいずれかの側に配置された第1および第2の組織接触面を画定する。そのような態様では、近似位置において、顎ライナーおよびブレードの組織接触面は、それらの間の組織の中央部分を把持するように構成されており、構造体の第1および第2の組織接触面ならびに第1および第2のパネルは、それぞれ、それらの間の組織の外側側方部分を把持するように構成されている。
【0010】
本開示のさらに別の態様では、構造体の第1および第2の組織接触面は、顎ライナーの組織接触面に対して凹みに据えられている。他の態様では、構造体の第1および第2の組織接触面は、顎ライナーの組織接触面に対して実質的に水平、例えば、同一平面上にあるか、または顎ライナーの組織接触面と比較してブレードに向かってさらに突出している。
【0011】
本開示のさらに別の態様では、ブレードは、頂点を画定する凸状構成を有する組織接触面を含み、顎部は、構造体と、顎ライナーとを含む。顎ライナーは、組織接触面を画定し、構造体は、顎ライナーの組織接触面のいずれかの側に配置された第1および第2の組織接触面を画定する。そのような態様では、近似位置において、ブレードの組織接触面および顎ライナーの組織接触面は、それらの間の組織の中央部分を把持するように構成されており、構造体の第1および第2の組織接触面ならびに第1および第2のパネルは、それぞれ、それらの間の組織の外側側方部分を把持するように構成されている。
【0012】
本開示の別の態様では、第1および第2のパネルは、ブレードに対して固定されている。代替的に、第1および第2のパネルは、より近位の位置とより遠位の位置の間でブレードに対して移動可能である。そのような移動可能な態様では、第1および第2のパネルは、離間位置と近似位置の間の顎部の枢動に関連して、より近位の位置とより遠位の位置の間でブレードに対して移動可能であり得る。
【0013】
本開示のさらに別の態様では、ブレードは、湾曲しており、第1および第2のパネルは、同様に湾曲している。
【0014】
本開示のさらに別の態様では、筐体は、超音波変換器を駆動するように構成された超音波生成器をさらに支持する。そのような態様では、筐体は、超音波生成器に電力供給するように構成された電池アセンブリをさらに支持し得る。
【0015】
本開示の態様に従って提供される組織を密封および切断する方法は、超音波ブレードと、それに対して横方向に間隔を空けた関係で超音波ブレードの反対側に配置された第1および第2のパネルとを含むエンドエフェクタで組織をクランプすることと、超音波ブレードの長さの少なくとも一部、および顎部に沿って延在することと、を含む。組織は、超音波ブレードおよび顎部が、それらの間の第1の距離を画定し、第1のクランプ力の下でそれらの間の組織の中心部分を把持するように、顎部ならびに第1および第2のパネルの各々が、第1の距離よりも大きい第2の距離をそれらの間に画定し、第1のクランプ圧力よりも低い第2のクランプ圧力の下でそれらの間の組織の外側側方部分を把持するようにクランプされる。他の態様では、第2の距離は、第2のクランプ圧力が実質的に第1のクランプ圧力以上であるように、実質的に第1の距離に等しいか、または第1の距離よりも小さくあり得る。
【0016】
方法は、組織の中心部分を第1の温度に加熱し、組織の中心部分を切断し、組織の外側側方部分を第1の温度よりも低い第2の温度に加熱し、組織の外側側方部分を密封するために、超音波ブレードを起動させることを、さらに含む。
【0017】
本開示の態様では、組織をクランプすることは、組織の中央部分に第1の圧縮を適用することと、組織の外側側方部分に第1の圧縮よりも小さい第2の圧縮を適用することと、を含む。
【0018】
本開示の別の態様では、組織をクランプすることは、顎部を離間位置から超音波ブレードならびに第1および第2のパネルに対して近似位置に移動させることを含む。顎部を離間位置から近似位置に動かすことは、態様では、より近位の位置からより遠位の位置への第1および第2のパネルの展開に影響を及ぼし得る。
【0019】
本開示のさらに別の態様では、組織の中央部分は、超音波ブレードと顎部の顎ライナーとの間にクランプされ、組織の外側側方部分が、顎部の構造体と第1および第2のパネルとの間にクランプされる。
【0020】
本開示のさらに別の態様では、超音波ブレードを起動させることは、超音波エネルギーを導波管に沿って超音波ブレードに伝送するために、超音波変換器を駆動することを含む。
【0021】
また、本開示の態様に従って提供されるのは、超音波生成器と、筐体と、筐体によって支持される超音波変換器と、超音波変換器に連結された導波管であって、その遠位端部分にブレードを画定する導波管と、ブレードに対して横方向に間隔を空けた関係でブレードの反対側に配置された第1および第2のパネルと、を含む超音波外科用システムである。超音波生成器は、超音波変換器を駆動するために、導波管に沿ってブレードに超音波エネルギーを伝送するように、超音波駆動信号を超音波変換器に伝送するために超音波変換器に電気的に連結される。超音波生成器はまた、ブレード、第1および第2のパネルと、組織との間で調査信号を伝送するために、ブレードならびに第1および第2のパネルに電気的に連結されている。
【0022】
本開示の一態様では、調査信号は、無線周波数(RF)信号である。そのような態様では、ブレードは、第1の電位を画定するように構成され得、第1および第2のパネルは、組織間および組織を通じてRF信号を伝送するための第2の異なる電位を画定するように構成され得る。
【0023】
本開示の別の態様では、超音波生成器は、超音波駆動信号および調査信号を交互にまたは同時に伝送するように構成されている。
【0024】
本開示の別の態様では、超音波駆動信号は、AC波形を含む。代替的または追加的に、調査信号は、少なくとも1つのパルスを含む。
【0025】
本開示のさらに別の態様では、超音波生成器は、調査信号に基づいて組織インピーダンスを決定するように構成されている。
【0026】
本開示のさらに別の態様では、超音波外科用システムは、ブレードに対して枢動可能な顎部と、離間位置と近似位置の間の第1および第2のパネルとをさらに含む。
【0027】
本開示のさらに別の態様では、筐体は、超音波生成器をさらに支持する。そのような態様では、筐体はまた、超音波生成器に電力供給するように構成された電池アセンブリを支持し得る。
【0028】
本開示の態様に従って提供される組織を治療する方法は、超音波変換器を駆動し、導波管に沿って超音波エネルギーをブレードに伝送するために、超音波生成器から超音波変換器に超音波駆動信号を伝送することを含む。この方法は、超音波生成器から組織を介してブレードに、それに対して横方向に間隔を空けた関係でブレードの反対側に配置された第1および第2のパネルに、および組織の少なくとも1つのパラメータを決定するために超音波生成器に戻って、調査信号を伝送することを、さらに含む。
【0029】
本開示の一態様では、調査信号を伝送することは、組織間および組織を通してRF信号を伝送するために、ブレードで第1の電位を画定し、第1および第2のパネルで第2の異なる電位を画定することを含む。
【0030】
本開示の別の態様では、超音波駆動信号を伝送することは、AC波形を伝送することを含み、および/または調査信号を伝送することは、少なくとも1つのパルスを伝送することを含む。
【0031】
本開示のさらに別の態様では、方法は、調査信号を伝送する前に超音波駆動信号の伝送を停止することと、調査信号を伝送した後に超音波駆動信号の伝送を再開することとをさらに含む。
【0032】
本開示のさらに別の態様では、超音波生成器は、超音波駆動信号および調査信号を交互に伝送するように構成されている。
【0033】
本開示の別の態様では、組織の少なくとも1つのパラメータを決定することは、組織インピーダンスを決定することを含む。
【0034】
本開示の別の態様では、方法は、組織の少なくとも1つのパラメータを決定することに応答して、少なくとも1つの出力を提供することをさらに含む。
【0035】
本開示のさらに別の態様では、方法は、組織の少なくとも1つのパラメータを決定することに応答して、超音波駆動信号を修正することをさらに含む。
【0036】
本開示に従って提供され、本明細書に詳述される器具またはシステムのいずれか、または他の適切な器具またはシステムと共に使用するように構成された外科用エンドエフェクタアセンブリは、超音波ブレードであって、超音波エネルギーを超音波ブレードに伝送するように構成された超音波変換器に接続するように適合された超音波ブレードと、超音波ブレードの反対側に、それに対して横方向に間隔を空けた関係で配置された第1および第2のパネルと、超音波ブレードと、開位置とクランプ位置の間の第1および第2のパネルとに対して枢動可能な顎部と、を含む。超音波ブレード、第1および第2のパネル、または顎部のうちの少なくとも2つが、組織を調査すること、または組織を治療することのうちの少なくとも1つのために、組織間および組織を通して電気(例えば、無線周波数(RF)または直流(DC))信号を伝送するための異なる電位にエネルギー供給可能である。
【0037】
本開示の一態様では、超音波ブレードは、第1の電位にエネルギー供給されるように構成されており、第1および第2のパネルが、組織間および組織を通して電気信号を伝送するための第2の異なる電位にエネルギー供給されるように構成されている。
【0038】
本開示の別の態様では、顎部は、第1の電位にエネルギー供給されるように構成されており、第1および第2のパネルが、組織間および組織を通して電気信号を伝送するための第2の異なる電位にエネルギー供給されるように構成されている。
【0039】
さらに別の態様では、顎部は、第1および第2の表面を画定する構造体と、第1の表面と第2の表面の間に配置された顎ライナーとを含む。そのような態様では、第1および第2の表面は、電気信号を伝送するためにエネルギー供給可能である。
【0040】
本開示のさらに別の態様では、顎部は、第1および第2の導電性プレートを支持する構造体と、第1の導電性プレートと第2の導電性プレートの間に配置された顎ライナーとを含む。そのような態様では、第1および第2の導電性プレートは、電気信号を伝送するためにエネルギー供給可能である。
【0041】
本開示のさらに別の態様では、絶縁コーティングは、超音波ブレードの外側側面または第1および第2のパネルの内側側面のうちの少なくとも1つに配置されている。
【0042】
本開示の別の態様では、ギャップ距離は、超音波ブレードの外側側面と第1および第2のパネルの内側側面の間で維持されている。
【0043】
本開示のさらに別の態様では、第1および第2のパネルの各々は、垂直本体と、垂直本体から横方向に延在する棚とを含む。棚は、顎部のクランプ位置において顎部に対向するように位置付けられた対向面を画定する。
【0044】
本開示のさらに別の態様では、第1および第2のパネルの各々は、近位から遠位方向においてブレードの底部を次第に露出するように、その下部から近位から遠位方向で高さにおいて先細りする。
【0045】
本開示に従って提供され、本明細書に詳述される器具またはシステムのいずれか、または他の適切な器具またはシステムと共に使用するように構成された別の外科用エンドエフェクタアセンブリは、超音波ブレードであって、超音波エネルギーを超音波ブレードに伝送するように構成された超音波変換器に接続するように適合された超音波ブレードと、超音波ブレードの反対側に、それに対して横方向に間隔を空けた関係で配置された第1および第2のパネルと、超音波ブレードと、開位置とクランプ位置の間の第1および第2のパネルに対して枢動可能な顎部と、を含む。顎部は、構造体と、構造体によって支持され、顎部のクランプ位置において超音波ブレードと対抗するように位置付けられた顎ライナーと、顎ライナーのいずれかの側の構造体によって支持され、顎部のクランプ位置において、それぞれ、第1および第2のパネルに対向するように位置付けられた第1および第2のエネルギー要素とを含む。第1および第2のエネルギー要素は、それぞれ、第1および第2のエネルギー要素と第1および第2のパネルの間に配置された組織への別のエネルギーの送達を容易にするように構成されている。別のエネルギーは、超音波エネルギーとは異なり得る。
【0046】
本開示の態様では、第1および第2のエネルギー要素は、それぞれ、第1および第2のエネルギー要素と第1および第2のパネルの間に配置された組織を通して光エネルギーを放出するように構成された光エミッタである。そのような態様では、第1および第2のパネルは、光吸収体または光反射器として構成され得る。
【0047】
本開示の別の態様では、第1および第2のエネルギー要素は、それぞれ、第1および第2のエネルギー要素と第1および第2のパネルの間に配置された組織を通して超音波エネルギーを放出するように構成された超音波変換器である。そのような態様では、第1および第2のパネルは、超音波吸収体または超音波反射器として構成され得る。
【0048】
本開示のさらに別の態様では、第1および第2のエネルギー要素は、それぞれ、第1および第2のエネルギー要素と第1および第2のパネルの間に配置された組織に熱エネルギーを伝導するように構成された熱ヒーターである。
【0049】
本開示のさらに別の態様では、別のエネルギーは、組織を治療するために、および/または組織を調査するために利用される。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
外科用エンドエフェクタアセンブリであって、
超音波ブレードであって、超音波エネルギーを前記超音波ブレードに伝送するように構成された超音波変換器に接続するように適合された超音波ブレードと、
前記超音波ブレードの反対側に、それに対して横方向に間隔を空けた関係で配置された第1および第2のパネルと、
前記超音波ブレードと、開位置とクランプ位置の間の前記第1および第2のパネルとに対して枢動可能な顎部と、を備え、
前記超音波ブレード、前記第1および第2のパネル、または前記顎部のうちの少なくとも2つが、組織を調査すること、または組織を治療することのうちの少なくとも1つのために、組織間および組織を通して電気信号を伝送するための異なる電位にエネルギー供給可能である、外科用エンドエフェクタアセンブリ。
(項目2)
前記超音波ブレードが、第1の電位にエネルギー供給されるように構成されており、前記第1および第2のパネルが、組織間および組織を通して前記電気信号を伝送するための第2の異なる電位にエネルギー供給されるように構成されている、項目1に記載の外科用エンドエフェクタアセンブリ。
(項目3)
前記顎部が、第1の電位にエネルギー供給されるように構成されており、前記第1および第2のパネルが、組織間および組織を通して前記電気信号を伝送するための第2の異なる電位にエネルギー供給されるように構成されている、項目1に記載の外科用エンドエフェクタアセンブリ。
(項目4)
前記顎部が、第1および第2の表面を画定する構造体と、前記第1の表面と前記第2の表面の間に配置された顎ライナーと、を含み、前記第1および第2の表面が、前記電気信号を伝送するためにエネルギー供給可能である、項目3に記載の外科用エンドエフェクタアセンブリ。
(項目5)
前記顎部が、第1および第2の導電性プレートを支持する構造体と、前記第1の導電性プレートと前記第2の導電性プレートの間に配置された顎ライナーと、を含み、前記第1および第2の導電性プレートが、前記電気信号を伝送するためにエネルギー供給可能である、項目3に記載の外科用エンドエフェクタアセンブリ。
(項目6)
前記超音波ブレードの外側側面または前記第1および第2のパネルの内側側面のうちの少なくとも1つに配置された絶縁コーティングをさらに含む、項目1に記載の外科用エンドエフェクタアセンブリ。
(項目7)
ギャップ距離が、前記超音波ブレードの外側側面と前記第1および第2のパネルの内側側面の間で維持されている、項目1に記載の外科用エンドエフェクタアセンブリ。
(項目8)
前記第1および第2のパネルの各々が、垂直本体と、前記垂直本体から横方向に延在する棚と、を含み、前記棚が、前記顎部の前記クランプ位置において前記顎部に対向するように位置付けられた対向面を画定する、項目1に記載の外科用エンドエフェクタアセンブリ。
(項目9)
前記第1および第2のパネルの各々が、近位から遠位方向において前記ブレードの底部を次第に露出するように、その下部から近位から遠位方向で高さにおいて先細りする、項目1に記載の外科用エンドエフェクタアセンブリ。
(項目10)
前記電気信号が、無線周波数(RF)信号である、項目1に記載の外科用エンドエフェクタアセンブリ。
(項目11)
前記電気信号が、直流(DC)信号である、項目1に記載の外科用エンドエフェクタアセンブリ。
(項目12)
外科用エンドエフェクタアセンブリであって、
超音波ブレードであって、超音波エネルギーを前記超音波ブレードに伝送するように構成された超音波変換器に接続するように適合された超音波ブレードと、
前記超音波ブレードの反対側に、それに対して横方向に間隔を空けた関係で配置された第1および第2のパネルと、
前記超音波ブレードと、開位置とクランプ位置の間の前記第1および第2のパネルとに対して枢動可能な顎部であって、前記顎部が、構造体と、前記構造体によって支持され、前記顎部の前記クランプ位置において前記超音波ブレードと対抗するように位置付けられた顎ライナーと、前記顎ライナーのいずれかの側の前記構造体によって支持され、前記顎部の前記クランプ位置において、それぞれ、前記第1および第2のパネルに対向するように位置付けられた第1および第2のエネルギー要素と、を含む、顎部と、を備え、
前記第1および第2のエネルギー要素が、それぞれ、前記第1および第2のエネルギー要素と前記第1および第2のパネルの間に配置された組織への別のエネルギーの送達を容易にするように構成されている、外科用エンドエフェクタアセンブリ。
(項目13)
前記第1および第2のエネルギー要素が、それぞれ、前記第1および第2のエネルギー要素と前記第1および第2のパネルの間に配置された組織を通して光エネルギーを放出するように構成された光エミッタである、項目12に記載の外科用エンドエフェクタアセンブリ。
(項目14)
前記第1および第2のパネルが、光吸収体または光反射器として構成されている、項目13に記載の外科用エンドエフェクタアセンブリ。
(項目15)
前記第1および第2のエネルギー要素が、それぞれ、前記第1および第2のエネルギー要素と前記第1および第2のパネルの間に配置された組織を通して超音波エネルギーを放出するように構成された超音波変換器である、項目12に記載の外科用エンドエフェクタアセンブリ。
(項目16)
前記第1および第2のパネルが、超音波吸収体または超音波反射器として構成されている、項目15に記載の外科用エンドエフェクタアセンブリ。
(項目17)
前記第1および第2のエネルギー要素が、それぞれ、前記第1および第2のエネルギー要素と前記第1および第2のパネルの間に配置された組織に熱エネルギーを伝導するように構成された熱ヒーターである、項目12に記載の外科用エンドエフェクタアセンブリ。
(項目18)
前記別のエネルギーが、組織を治療するために利用されている、項目12に記載の外科用エンドエフェクタアセンブリ。
(項目19)
前記別のエネルギーが、組織を調査するために利用されている、項目12に記載の外科用エンドエフェクタアセンブリ。
【図面の簡単な説明】
【0050】
本開示の上記、ならびに他の態様、および特徴は、同様の参照番号が類似または同一の要素を識別する、添付の図面と併せて解釈されたときに、以下の詳細な説明に照らしてより明らかとなろう。
【0051】
図1A】本開示に従って提供される超音波外科用器具の側面斜視図である。
図1B】別の超音波外科用器具を含む、本開示に従って提供される超音波外科用システムの斜視図である。
図2図1Aの超音波外科用器具の近位部分の拡大、側面、長手方向、断面図である。
図3図1Aの超音波外科用器具の遠位部分の拡大斜視図であり、そのエンドエフェクタアセンブリを示している。
図4図1Aの超音波外科用器具の遠位部の拡大側面図である。
図5】組織の密封および切断に使用されている図1Aの超音波外科用器具のエンドエフェクタアセンブリの概略図である。
図6】は、組織の調査に使用されている図1Aの超音波外科用器具のエンドエフェクタアセンブリおよび生成器の概略図である。
図7A】本開示の態様に従った、時間の関数としての生成器信号を表すグラフィカルな図である。
図7B】本開示の態様に従った、時間の関数としての生成器信号を表すグラフィカルな図である。
図7C】本開示の態様に従った、時間の関数としての生成器信号を表すグラフィカルな図である。
図7D】本開示の態様に従った、時間の関数としての生成器信号を表すグラフィカルな図である。
図8】超音波および無線周波数(RF)エネルギーを適用するために構成された本開示に従った、別のエンドエフェクタアセンブリの概略図である。
図9】超音波およびRFエネルギーを適用するために構成された本開示に従った、さらに別のエンドエフェクタアセンブリの概略図である。
図10】超音波およびRFエネルギーを適用するために構成された本開示に従った、さらに別のエンドエフェクタアセンブリの概略図である。
図11A】超音波およびRFエネルギーを適用するために構成された本開示に従った、さらに他のエンドエフェクタアセンブリの概略図である。
図11B】超音波およびRFエネルギーを適用するために構成された本開示に従った、さらに他のエンドエフェクタアセンブリの概略図である。
図12】超音波およびRFエネルギーを適用するために構成された外科用器具またはシステムと共に使用するために構成された本開示に従った、チューブセット配列を示す横断面図である。
図13A】超音波および光エネルギーを適用するために構成された本開示に従った、他のエンドエフェクタアセンブリの概略図である。
図13B】超音波および光エネルギーを適用するために構成された本開示に従った、他のエンドエフェクタアセンブリの概略図である。
図14】超音波および超音波エネルギーを適用するために構成された本開示に従った、別のエンドエフェクタアセンブリの概略図である。
図15】超音波および熱エネルギーを適用するために構成された本開示に従った、さらに別のエンドエフェクタアセンブリの概略図である。
図16A】超音波外科用器具またはシステムで使用するために構成された別のエンドエフェクタアセンブリの側面図である。
図16B図16Aのエンドエフェクタアセンブリの正面斜視図である。
図17A】ロボット外科用で使用するために構成されたエンドエフェクタアセンブリの側面図、正面斜視図、および横断面図である。
図17B】ロボット外科用で使用するために構成されたエンドエフェクタアセンブリの側面図、正面斜視図、および横断面図である。
図17C】ロボット外科用で使用するために構成されたエンドエフェクタアセンブリの側面図、正面斜視図、および横断面図である。
図18A】は、ロボット外科用システムで使用するために構成された別のエンドエフェクタアセンブリの側面図、正面斜視図、および横断面図である。
図18B】は、ロボット外科用システムで使用するために構成された別のエンドエフェクタアセンブリの側面図、正面斜視図、および横断面図である。
図18C】は、ロボット外科用システムで使用するために構成された別のエンドエフェクタアセンブリの側面図、正面斜視図、および横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1Aおよび図2を参照すると、本開示に従って提供される超音波外科用器具10は、ハンドルアセンブリ100と、ハンドルアセンブリ100から遠位に延在する細長いアセンブリ200とを含む。ハンドルアセンブリ100は、本体部分112と固定ハンドル部分114とを画定する、筐体110を含む。ハンドルアセンブリ100は、起動ボタン120と、クランプトリガー130とをさらに含む。
【0053】
筐体110の本体部分112は、生成器310と超音波変換器320とを含む、超音波変換器および生成器アセンブリ(「TAG」)300を支持するように構成されている。TAG300は、筐体110の本体部分112と恒久的に係合されるか、またはそこから取り外し可能であり得る。生成器310は、生成器310の内部電子機器を収容するように構成された筐体312と、超音波変換器320を回転可能に支持するように構成されたクレードル314とを含む。
【0054】
図1Aおよび図2を参照して続けると、超音波変換器320は、圧電スタック322と、ホーン324と、ケーシング326と、ホーン324と近位ナット(図示せず)の間で圧電スタック322を固定するボルト328とを含む。超音波変換器320は、回転ノブ329(図1)をさらに含む。ケーシング326および回転ノブ329は互いに係合し、協力して、近位ナット、圧電スタック322、およびホーン324の一部をカプセル化するエンクロージャを形成し、ホーン324の残りはケーシング326から遠位に延在する。回転ノブ329は、ハンドルアセンブリ100の外部からアクセス可能であり、生成器310および筐体110に対して超音波変換器320を回転するように、手動回転のために構成されている。
【0055】
生成器310および超音波変換器320にそれぞれ関連する一組のコネクタ330および対応する回転接点334は、生成器310に対する超音波変換器320の回転方向に関係なく、超音波駆動信号を生成器310から超音波変換器320の圧電スタック322に通信して、超音波変換器320駆動することを可能にする。次に、ホーン324は、以下に詳述するように、圧電スタック322によって生成された超音波エネルギーを、細長いアセンブリ200のエンドエフェクタ280のブレード282に沿った伝送のために細長いアセンブリ200の導波管230に伝送するように構成されている。
【0056】
さらに図1Aおよび図2を参照すると、筐体110の固定ハンドル部分114は、電池アセンブリ400を受容するように構成されたコンパートメント116と、コンパートメント116を囲うように構成されたドア118とを画定する。電気接続アセンブリ140は、ハンドルアセンブリ100の筐体110内に配置されており、TAG300が筐体110の本体部分112上または内部で支持されて、電池アセンブリ400が筐体110の固定ハンドル部分114のコンパートメント116内に配置されている場合、起動ボタン120、TAG300の生成器310、および電池アセンブリ400を互いに電気的に連結するように機能し、したがって、起動ボタン120の押し下げに応答して超音波外科用器具10の起動を可能にする。実施形態では、起動ボタン120は、複数の起動ステージを含み得るか、または複数の起動ボタンは、低電力モードまたは高電力モードのいずれかでの起動を可能にするために提供され得る。生成器310が超音波外科用器具10から遠隔している実施形態では、生成器310が、標準的な壁コンセントまたは他の電源によって電力供給され得るので、電池アセンブリ400および電池アセンブリ400を受容するための固定ハンドル部分114の構成は、提供される必要がない。
【0057】
図1Bを参照すると、本開示の態様に従って提供された外科用システムは、概して、外科用器具1100および外科用生成器1200を含む参照番号1010によって識別されるように示されている。外科用システム1010は、概して、オンボード生成器、例えば、TAG300の生成器310(図1A)、および電源、例えば、電池アセンブリ400(図1A)を提供するのではなく、外科用システム1010が、ケーブルおよびプラグアセンブリ1190を介して接続された外科用器具1100および遠隔配置された外科用生成器1200を含むという点で、外科用器具10(図1A)とは異なる。外科用生成器1200は、例えば、標準的な壁コンセントなどの電源(図示せず)に接続するように適合されている。外科用システム1010は、他の点では外科用器具10(図1A)に類似し得るので、それらの間の相違点のみは、以下に詳細に記載され、一方、類似点は、要約して記載され、または完全に省略される。さらに、明示的に矛盾しない限り、外科用器具10(図1A)に関してなされた本開示の態様および特徴は、同様に外科用システム1010に適用され得ることが理解される。
【0058】
外科用システム1010の外科用生成器1200は、超音波プラグポート1230、および無線周波数(RF)プラグポート1240を含む。外科用生成器1200は、超音波プラグポート1230を通じて外科用器具1100に出力するための超音波駆動信号を生成し、RFプラグポート1240を通じて外科用器具1100に出力するためのRFエネルギーを提供するために超音波動作モードで外科用器具1100を起動させ、例えば、組織を治療するため、および/または組織および/または外科用器具1100の1つ以上のパラメータを感知するために、RF動作モードで外科用器具1100を起動させるように構成されている。超音波プラグポート1230およびRFプラグポート1240の両方として機能するように構成された共通ポート(図示せず)が利用され得ることも、企図される。
【0059】
外科用器具1010は、ハンドルアセンブリ1110と、ハンドルアセンブリ1110から遠位に延在する細長いアセンブリ1150と、ハンドルアセンブリ1110と動作可能に連結され、外科用生成器1200に接続するためにそこから延在するケーブルおよびプラグアセンブリ1190とを含む。細長いアセンブリ1150は、以下に詳述する細長いアセンブリ200(図1A)に類似しており、任意のその特徴をみ得る。ハンドルアセンブリ1110は、TAG300(図1A)を受容するのではなく、ハンドル筐体1112の本体部分が超音波変換器1140を支持するようにのみ構成されていることを除いて、上で詳述されたように、ハンドルアセンブリ100(図1A)と同様である。超音波変換器1140は、筐体1112の本体部分と恒久的に係合されるか、またはそこから取り外し可能であり得る。超音波変換器1140は、例えば、1つ以上の第1の電気リード線1197を介して、外科用生成器1200に電気的に連結された圧電スタックまたは他の適切な超音波変換器構成要素を含み、超音波変換器1140への超音波駆動信号の通信を可能にし、超音波変換器1140を駆動して、超音波振動エネルギーを生成し、それで組織を治療するために導波管に沿ってブレードに伝達される。
【0060】
ハンドルアセンブリ1100の起動ボタン1120は、例えば、1つ以上の第1の電気リード線1197を介して、超音波変換器1140および/または外科用生成器1200に、またはそれらの間で連結され、起動ボタン1120の押し下げに応答して超音波変換器1140の起動を可能にする。実施形態では、起動ボタン1120は、オン/オフスイッチであり得る。他の実施形態では、起動ボタン1120は、オフ位置から異なるモードに対応する異なる起動位置、例えば、第1のモードに対応する第1の起動位置および第2のモードに対応する第2の起動位置への起動を可能にする複数の起動ステージを含み得る。さらに他の実施形態では、別個の活性化ボタンは、例えば、第1のモードを活性化するための第1の起動ボタンおよび第2のモードを活性化するための第2の起動ボタンが提供され得る。
【0061】
図1Bを参照して続けると、外科用器具1100のケーブルおよびプラグアセンブリ1190は、ケーブル1192と、超音波プラグ1194と、およびRFプラグ1196とを含む。超音波プラグ1194は、外科用生成器1200の超音波プラグポート1230と接続するために構成されており、一方、RFプラグ1196は、外科用生成器1200の電気外科用プラグポート1240と接続するために構成されている。生成器1200が共通ポートを含む実施形態では、プラグアセンブリ1190は、超音波プラグ1194およびRFプラグ1196の両方として機能するように構成された共通プラグ(図示せず)を含み得る。超音波プラグ1194に電気的に連結された複数の第1の電気リード線1197は、超音波変換器1140および/または起動ボタン1120への電気接続のためにケーブル1192を通ってハンドルアセンブリ1110内に延在し、超音波動作モードでの起動ボタン1120の起動時に外科用生成器1200から超音波変換器1140への超音波駆動信号の選択的供給を可能にする。さらに、複数の第2の電気リード線1199は、RFプラグ1196に電気的に連結され、ケーブル1192を通ってハンドルアセンブリ1110内に延在する。1つ以上の第2の電気リード線1199は、起動ボタン1120に電気的に連結されて、以下に詳述するように、RF動作モードでの外科用生成器1200からのRFエネルギーの選択的供給を可能にする。
【0062】
図1A図2図3および図4を参照すると、超音波外科用器具10の細長いアセンブリ200は、外側駆動スリーブ210と、外側駆動スリーブ210内に配置された内側支持スリーブ220と、内側支持スリーブ220を通して延在する導波管230と、駆動アセンブリ250と、回転ノブ270と、ブレード282、顎部284、および一対のパネル290を含むエンドエフェクタ280とを含む。外側駆動スリーブ210の近位部分は、駆動アセンブリ250を介してハンドルアセンブリ100のクランプトリガー130に動作可能に連結され、一方、外側駆動スリーブ210の遠位部分は、顎部284に動作可能に連結されている。したがって、クランプトリガー130は、選択的に起動可能であり、それにより、顎部284とブレード282との間の組織をクランプするために、離間位置から近似位置まで、エンドエフェクタ280のブレード282に対して顎部284を枢動するように、内側支持スリーブ220の周りで外側駆動スリーブ210を移動する。駆動アセンブリ250は、顎部284とブレード282の間にクランプされた組織に適用されたクランプ圧力が特定のクランプ圧力または特定のクランプ圧力範囲に限定されている、力限定特徴を提供し得る。回転ノブ270は、ハンドルアセンブリ100に対していずれかの方向に細長いアセンブリ200を回転させるように、いずれかの方向に回転可能である。
【0063】
上記のように、導波管230は、内側支持スリーブ220を通して延在する。導波管230は、本体232と、本体232の遠位端から延在するブレード282とを画定する。導波管230(ブレード282を含む)は、チタン、チタン合金、または他の適切な材料から形成され得る。ブレード282は、エンドエフェクタ280のブレードとして機能し、導波管230と一体的に形成され得るか、または別個に形成され、その後、導波管230に(恒久的または取り外し可能に)取り付けられ得る。導波管230は、超音波変換器320によって生成された超音波運動が、ブレード282と顎部284の間にクランプされた、またはブレード282に隣接して位置付けされた組織を治療するために導波管230に沿ってブレード282に伝送されるように、ホーン324のねじ付き雌受容部349内のねじ込み係合のために構成された近位ねじ付き雄コネクタ236をさらに含む。
【0064】
特に図3および図4を参照すると、エンドエフェクタ280のブレード282は、湾曲した構成を画定しているが、直線の構成も企図されている。ブレード282は、例えば、ブレード282の遠位先端が顎部284に向かって、顎部284から離れて、または顎部284に対して横方向(いずれかの方向)に湾曲するように、顎部284に対して任意の方向に湾曲し得る。さらに、ブレード282は、同様の方向における複数の曲線、単一の平面内の異なる方向における複数の曲線、および/または異なる平面内の異なる方向における複数の曲線を含むように形成され得る。ブレード282は、追加的または代替的に、先細り構成、その長さに沿った様々な異なる断面構成、切り欠き、くぼみ、エッジ、突起、直線面、曲面、傾斜面、広いエッジ、狭いエッジ、および/または他の特徴を含むように形成され得る。
【0065】
実施形態では、ブレード282は、概して凸状の第1の組織接触面283a、例えば、顎部284に対向する表面を画定する。概して、凸状の第1の組織接触面283aは、頂点283cで収束する一対の表面283b(平坦または弧状表面)によって画定され得るか、または頂点283cを画定する単一の弧状表面によって形成され得る。ブレード282は、第1の組織接触面283aのいずれかの側に実質的に平坦な側面283d(ブレード282自体の曲率による任意の曲率を除く)、および第1の組織接触面283aの反対側にあり、それに対して同様に構成された第2の組織接触面283eをさらに画定し得るが、他の構成も企図される。第1の組織接触面283aは、例えば、クランプされた組織を密封および切断するためにブレード282と顎部284の間にクランプされた組織に接触するように構成されるが、他方第2の組織接触面283eは、例えば、組織切開、バックスコアリングなどに利用され得る。
【0066】
エンドエフェクタ280の顎部284は、より剛性の高い構造体286およびより順応性のある顎ライナー288を含む。構造体286は、内側支持スリーブ220に枢動可能に連結され、例えば、外側駆動スリーブ210内に画定された開口内の受容を介して、外側駆動スリーブ210と起動可能に関連付けられ、内側支持スリーブ220の周りの外側駆動スリーブ210のスライドが、顎部284の顎ライナー288とブレード282の間で組織をクランプするためにブレード282に対して顎部284を離間位置から近似位置に枢動する、一対の近位フランジ287を含む。
【0067】
顎部284の顎ライナー288は、ブレード282が、超音波外科用器具10(図1)の構成要素、例えば、顎部284の構造体286に損傷を与えることなく、および顎部284とブレード282の間にクランプされた組織の保持を損なうことなく、顎ライナー288と接触している間に振動することが可能となるように、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの順応性材料から製造され得る。他の適切な材料もまた、企図される。顎ライナー288は、モノリシックに、または他の方法で形成され得る。
【0068】
実施形態では、図3および図4に示されるように、顎ライナー288は、顎ライナー288のいずれかの側に配置された構造体286の組織接触面299aが、顎ライナー288の組織接触面299bに対して凹みに据えられるように、構造体286から突出する(図5も参照)。さらに、顎ライナー288は、組織が、ブレード282の全幅にわたって顎ライナー288の組織接触面299bとブレード282の間にクランプされることを可能にするために、ブレード282の幅に近似するか、またはそれよりも大きい幅を画定する。
【0069】
パネル290は、パネル290とブレード282の間の空間、例えば、ブレード282の側面283dの間の空間が、それらの間に断熱エアギャップを形成するように、ブレード282のいずれかの側の外側および内側スリーブ210、220から、それに対して横方向に間隔を空けた関係で遠位方向に延在する。パネル290は、その高さ寸法が、離間位置と近似位置の間の顎部284の運動軸に対して平行に延在するように、およびその幅寸法が、離間位置と近似位置の間の顎部284の運動軸に対して垂直に延在するように、垂直方向に配置された比較的薄い板状構成を画定する。このようにして、パネル290は、比較的狭い組織接触面292を画定する。実施形態では、パネル290は、ブレード282から外向きに離れて、またはブレード282に向かって内向きにフレア加工され、それによって、パネル290のフレア部分が、より大きな表面積の組織接触面292を画定する。そのような実施形態では、パネル290のフレア部分は、組織接触面292が構造体286の組織接触面299aと概して平行になるように、パネル290の垂直本体部分に対して概して垂直に延在し得る。他の構成もまた、企図される。
【0070】
パネル290は、実施形態では、ブレード282がパネル290に対して横方向に中央に位置付けられるように配置され、例えば、パネル290は、そのいずれかの側のブレード282から離間して等間隔である。さらに、ブレード282が横方向に湾曲した構成を画定する実施形態では、パネル290は、同様に、ブレード282の曲率を追跡し、それらの間の実質的に均一な間隔を維持するために同様の曲率を画定し得るが、他の構成も、企図される。代替的に、パネル290は、ブレード282とブレード282の凹面側の対応するパネル290の間の均一なギャップが、ブレード282とブレード282の凸面側の対応するペイン290の間の均一なギャップよりも小さくなるように位置付けられ得る。実施形態では、突起または他の特徴(図示せず)は、パネル290とブレード282の間の適切な間隔を維持するために、パネル290から接触ブレード282まで、例えば、節点で延在する。パネル290は、ステンレス鋼または他の適切な材料から形成され得る。
【0071】
実施形態では、パネル290は、ブレード282の側面283dの高さ以上であるが、ブレード282の全体の高さ以下である、例えば、第1の組織接触面283aの頂点283cから第2の組織接触面283eの頂点までの高さを画定する。より具体的には、実施形態では、パネル290は、パネル290の組織接触面292がブレード282の側面283dの上端と水平に整列するように、ブレード282に対して垂直に位置付けられる。したがって、ブレード282の第1の組織接触面283aの少なくとも一部は、パネル290の上で顎部284に向かって延在する。パネル290の反対側の表面294は、ブレード282の側面283dの下端と水平に整列され得、ブレード282の第2の組織接触面283eの頂点と水平に整列され得(例示されているように(図5を参照))、ブレード282の側面283dの下端と第2の組織接触面283eの頂点との間に配置され得、または第2の組織接触面283eの頂点を超えて延在し得る。
【0072】
パネル290は、顎部284の近似位置において、顎ライナー288の組織接触面299bのどの部分も、パネル290のいずれかの組織接触面292に直接対向しないように、顎ライナー288の組織接触面299bの幅よりも大きい距離が互いに離間して配置されている(図5も参照)。しかしながら、パネル290は、顎部284の近似位置において、ブレード282の第1の組織接触面283aと顎ライナー288の組織接触面299bの間に組織をクランプすることに加えて、顎ライン288の組織接触面299bとブレード282の第1の組織接触面283aの間の距離(または最大距離)と比較して、組織接触面292と組織接触面299aの間の距離は大きいが、そのいずれかの側の組織がパネル290の組織接触面292と構造体286の組織接触面299aの間にクランプされるように、構造体286の幅よりも短い距離だけ互いに置換して配置されている。代替的に、組織接触面292と組織接触面299aの間のより長い距離は、顎ライン288の組織接触面299bとブレード282の第1の組織接触面283aの間の距離(または最大距離)と実質的に等しいか、またはそれよりも小さくあり得る。
【0073】
図3および図4を参照して続けると、パネル290は、パネル290がブレード282に対して所定の位置に固定され(起動中のブレード282の超音波振動は別として)、ブレード282の長さの少なくとも一部に沿って延在するように、内側支持スリーブ220と固定的に係合され、そこから延在し得る。実施形態では、ブレード282は、パネル290からの妨害なしに、組織切開または他の目的のためにブレード282の露出された遠位部分の使用を可能にするために、パネル290の遠位端を超えて遠位方向に延在する。そのような実施形態では、パネル290は、例えば、ブレード282がパネル290から遠位に延在する距離を超えて、組織を通して過度に切開することからブレード282を阻止する深さ停止として機能し得る。
【0074】
ブレード282に対して固定されているパネル290の代替として、パネル290は、パネル290がより近位の位置の間で移動可能であるように、外側の駆動スリーブ210と固定的に係合され、そこから延在し得、ここで、パネル290は、ブレード282まで延在しないか、またはブレード282の長さの比較的小さい部分に沿って延在せず、より遠位の位置であり、ここで、パネル290は、例えば、クランプトリガー130を固定ハンドル部分114に向かって絞ることによって、外側駆動スリーブ210の並進に応答して、ブレード282の長さの全体または比較的大きな部分に沿って延在する(図1を参照)。外側駆動スリーブ210の並進はまた、ブレード282に対する顎部284の枢動に影響を与えるので、より近位の位置は、顎部284の離間位置に対応し得、一方、より遠位の位置は、顎部284の近似位置に対応する。
【0075】
実施形態では、パネル290は、より近位の位置とより遠位の位置の間のパネル290の移動を可能にするために、例えば、それぞれ外側と内側スリーブ210、220の間に配置された第3のスリーブ(図示せず)で係合され得る。これは、例えば、ハンドルアセンブリ100(図1)上に配置された別個のアクチュエータ(図示せず)を介して、またはそれと協調して、例えば、第3のスリーブがクランプトリガー130(図1)に連結される、顎部284の枢動とは独立して達成され得る。第3のスリーブがクランプトリガー130(図1)に連結されている実施形態では、これは、クランプトリガー130(図1)の起動に応答して、外側駆動スリーブ220およびパネル290の異なる距離の移動を可能にするために、Muellerに対する米国特許第9,375,205号に詳述された差動展開機構、または他の適切な機構の1つを介して達成され得、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0076】
概して図1図4を参照すると、使用において、超音波器具10は、手術部位に進められ、エンドエフェクタ280が、顎部284と、離間位置に配置された顎部284を持つブレード282との間に配置されて、治療される組織に位置付けられているように(図1)、操作され、例えば、エンドエフェクタ280は、回転ノブ329および/または回転ノブ270の回転を介して回転さる。その後、クランプトリガー130は、筐体110の固定ハンドル部分114に向かって非起動位置から起動位置に押し込まれ、外側駆動スリーブ210を内側支持スリーブ220の周りでエンドエフェクタ280に対して平行移動させ、それによって顎部284をブレード282に対して離間位置から近似位置に向かって枢動させ、顎部284とブレード282の間(およびパネル290と顎部284の間)で組織をクランプする。パネル290は、組織「T」のクランプ、保持、および操作を容易にし得、クランプするための追加の表面積を提供することによって、その滑りを抑制し得る。
【0077】
図5に目を向けると、エンドエフェクタ280で把持された組織「T」は、概して、組織「T1」の中央部分と、組織「T1」の中央部分のいずれかの側に配置された組織「T2」の一対の外側側方部分の3つの部分を含むものとして特徴付けることができる。組織「T1」の中央部分は、ブレード282の第1の組織接触面283aと、顎部284の顎ライナー288の組織接触面299bの間にクランプされ、ここで、頂点283cは、組織「T1」の中央部分の比較的高い圧縮の適用を容易にし、ブレード282の第1の組織接触面283aおよび顎ライナー288の組織接触面299bが比較的接近している構成は、組織「T1」の中央部分に比較的高いクランプ力を提供する。他方、組織「T2」の外側側方部分は、顎部284の構造体286の組織接触面299aとパネル290の組織接触面292の間にクランプされている。パネルの組織接触面292の比較的平坦な構成、ならびに組織接触面299aおよび組織接触面292の構成が比較的離れているため、組織「T2」の外側側方部分に適用された圧縮およびクランプ力は、比較的低い。もちろん、組織「T」は、連続的な塊であるため、組織の部分もまた、部分「T1」と「T2」の間に延在する。上記の代替として、組織「T2」の外側側方部分は、組織「T1」の中央部分に適用されたクランプ力と比較して、比較的高いクランプ力でクランプされ得る。
【0078】
上で詳述された方法でクランプされた組織を用いて、ブレード282は、例えば、起動ボタン120(図1)を押すことを介して起動され得る。図1および図2も参照すると、起動ボタン120を押すと、DC電力信号は、電池アセンブリ400から、DC電力信号を超音波変換器320の圧電スタック324に伝送される高電圧AC波形超音波駆動信号に変換する、生成器310に供給される。この方法における圧電スタック324の起動は、導波管230に沿って超音波ホーン326に、およびブレード282が超音波振動されるようにブレード282に伝送される、超音波エネルギーを生成する。ブレード282で提供される超音波エネルギーは、隣接する組織「T」を加熱して、組織「T」を密封および切断するために使用される。より具体的には、起動中に、組織「T1」の中心部分がブレード282と直接接触し、組織「T1」の中心部分に対する比較的高い圧縮力およびクランプ力のために、組織「T1」の中心部分は、比較的高い温度に加熱され、切開され、例えば、切断され、それにより、組織「T2」の外側側方部分が互いに分離される。組織「T1」の中心部分のいくらかの密封が達成され得るが、組織「T1」の中心部分に対する組織効果の大部分は、切断である。
【0079】
また、起動中に、ブレード282で提供された超音波エネルギーは、組織「T2」の外側側方部分を加熱する。しかしながら、これは、組織「T2」の外側側方部分がブレード282から横方向に変位していることを考えると、間接的な加熱である。これは、組織「T2」の外側側方部分に対する比較的低い圧縮力およびクランプ力と相まって、組織「T2」の外側側方部分を比較的低い温度に加熱し、組織「T2」の外側側方部分を密封する結果となる。組織「T2」の外側側方部分のいくらかの切断が達成され得るが、組織「T2」の外側側方部分に対する組織効果の大部分は、密封である。上記の結果は、組織「T」が2つの横方向に離間した位置、例えば、両方の部分「T2」で密封され、それらの間、例えば、部分「T1」で切断されることである。パネル290はまた、実施形態では、それを超えて横方向に熱拡散を制限するのを助け得る。
【0080】
図1A図3と併せて、図6に目を向けると、ブレード282、顎部284の構造体286、および/またはパネル290は、追加的または代替的に、組織「T」を調査するために、例えば、超音波器具10のフィードバックベースの制御で使用するためのそれに関連するフィードバックデータを取得するために利用され得る。さらに、ブレード282、顎部284の構造体286、および/またはパネル290は、追加的または代替的に、組織「T」を通じてRFエネルギーを伝導し、組織「T」への超音波エネルギーの適用と併せて、またはそれとは別個に治療するための双極RF回路を作成するために、利用され得る。
【0081】
組織調査および/または組織治療を可能にするために、ブレード282は、例えば、コネクタ330、回転接点334、ホーン324、および導波管230(図2を参照)、または他の適切な接続および/または構成要素を介して生成器310とブレード282の間に延在し得る、第1の電気経路316を介して生成器310に電気的に連結され得る。パネル290は、接続された、または別個の電気経路318a、318bを介して生成器310に電気的に連結されている。電気経路318a、318bは、パネル290を生成器310に接続する超音波器具10のリード線、接点、および/または導電性構成要素を含み得る。例えば、リード線および/または外側駆動スリーブ210または内側支持スリーブ220の一部は、パネル290と、ハンドルアセンブリ100の筐体110の本体部分112内に配置された関連接点(明示的に識別されていない)の間で電気的に接続し得、それにより、関連接点は、TAG300が筐体110の本体部分112と係合すると、TAG300の対応する接点(明確に識別されていない)と嵌合するように構成される(図1Aおよび図2を参照)。生成器1200が遠隔的に配置され、超音波外科用器具1010に連結される構成では、例えば、ケーブルおよびプラグアセンブリ1190を介して、リード線1199は、パネル290を生成器1200に接続するために、ケーブルおよびプラグアセンブリ1190を通って生成器1200へ延在する(図1Bを参照)。追加的または代替的に、顎部284の構造体286は、例えば、電気経路318aおよび/または318bを介して、パネル290と共に、またはブレード282と共に、例えば、電気経路316を介して、生成器310に電気的に連結され得る。
【0082】
図6を参照して続けると、組織「T」を調査するために、生成器310は、電気経路316を介して調査信号「IS」をブレード282に伝送するように構成されている。調査信号「IS」は、例えば、第1の電位、例えば、正の電位(+)での無線周波数(RF)信号であり得る。調査信号「IS」は、1つのパルスまたは複数のパルスを含み得る。生成器310はまた、調査信号「IS」が、それらの間の電位差のために、ブレード282から組織「T」を通ってパネル290に伝送されるように、パネル290で第2の異なる電位、例えば、負の電位(-)を確立する。信号は、電気経路318a、318bを介して生成器310に戻され、したがって、生成器310が、戻された信号を評価することが可能になる。他の実施形態では、パネル290が同じ電位を画定し、ブレード282が異なる電位を画定するのではなく、パネル290は、調査信号「IS」が一方のパネル290から組織を通って他方のパネル290へ伝送されることを可能にするために、(ブレード282が調査回路の一部を形成しない)異なる電位を画定し得る。さらに、上記のように、顎部284の構造体286は、生成器310に電気的に連結され得、例えば、調査信号「IS」がパネル290と構造体286およびブレード282の両方との間、またはブレード282と構造体286およびパネル290の両方との間で伝送されることを可能にするために、パネル290またはブレード282のいずれかと同じ電位を画定し得る。代替的に、顎部284の構造体286は、例えば、調査信号「IS」がパネル290と構造体286との間、またはブレード282と構造体286との間で伝送されることを可能にするために、回路内のパネル290またはブレード282を置き換え得る。
【0083】
生成器310は、戻された信号、例えば、それらの電圧、電流、抵抗などを評価し、それに基づいて、組織「T」の1つ以上のパラメータを決定するように構成される。例えば、生成器310は、組織「T」が十分に密封されているかどうかを示す組織「T」のインピーダンスを決定するように構成され得る。したがって、調査信号「IS」は、組織「T」が十分に密封されているかどうかを決定するために、利用され得る。組織「T」が十分に密封されていると判断された場合、生成器310は、組織「T」が十分に密封されたことを外科医に示すために、可聴音、視覚的インジケータ、触覚フィードバック、および/または他の出力を生成するように構成され得る。追加的または代替的に、十分に密封された組織の決定は、例えば、生成器310から出力される超音波駆動信号を、例えば電力を増加させることによって修正して、密封された組織の切断を容易にするために、フィードバックループの一部として利用され得る。他の組織パラメータは、組織が密封されているかどうか、および/または他の目的のために決定するために、追加的または代替的に利用され得る。例えば、その上の1つ以上の場所でのパネル290の一方または両方の温度測定は、例えば熱電対を使用して行われ、生成器310にフィードバックされ得る。
【0084】
図6を参照し続けると、上記のように、ブレード282、顎部284の構造体286、および/またはパネル290は、追加のエネルギーの形態(超音波エネルギー以外)で組織を治療するために、追加的または代替的に利用され得る。より具体的には、ブレード282、顎部284の構造体286、および/またはパネル290は、組織「T」を通じてRFエネルギーを伝導し、組織「T」への超音波エネルギーの適用と併せて、またはそれとは別個に治療するための双極RF回路を作成し得る。すなわち、上で詳述されたように組織「T」を通じて調査信号「IS」を供給するのではなく、またはそれに加えて、組織治療エネルギー「TT」は、供給され得る。例えば、双極RF組織治療電流「TT」は、(本明細書に詳述された任意の電気的構成を使用して、)組織を通して伝導され得る。すなわち、組織「T」を治療するために、生成器310は、電位勾配がその間に配置された組織を通じて、エネルギー、例えば、双極RF組織治療電流「TT」の伝導を可能にして、その間に配置された組織を通じて治療するために、ブレード282とパネル290の間に確立されるように、電気経路316を介して、第1の電位、例えば正の電位(+)でRFエネルギーでブレード282にエネルギー供給し、および電気経路318a、318bを介して、第2の異なる電位、例えば、負の電位(-)でRFエネルギーでパネル290にエネルギー供給するように構成され得る。さらに、上記のように、顎部284の構造体286は、生成器310に電気的に連結され得、例えば、それらの間の組織を治療するために、パネル290と構造体286およびブレード282の両方との間で、または、それらの間の組織を治療するために、ブレード282と構造体286およびパネル290の両方との間での双極RF組織治療電流「TT」の伝導を可能にするために、パネル290またはブレード282のいずれかと同じ電位を画定し得る。代替的に、顎部284の構造体286は、例えば、パネル290と構造体286の間の双極RF組織治療電流「TT」の伝導を可能にして、それらの間の組織を治療するか、またはそれらの間の組織を治療するためにブレード282と構造体286の間の伝導を可能にして、回路内のパネル290またはブレード282を置き換え得る。
【0085】
例示的な調査信号「IS」および組織治療エネルギー「TT」は、RFエネルギーを利用して上で詳述されているが、例えば、マイクロ波エネルギー、熱エネルギー、光エネルギー(赤外線エネルギーなど)、超音波エネルギー、低周波または直流電気エネルギーなどの他の形態のエネルギーを利用することも、企図される。超音波組織治療と併せて、組織を調査すること、および/または治療することのためのこれらのエネルギーの1つ以上の適用を容易にする様々な構成は、図8図19Cに関して以下に詳述される。
【0086】
図7A図7Dに目を向けると、組織を治療するために組織への超音波駆動信号、1つ以上のパラメータを感知するために組織への調査信号、および/または時間の関数として組織を治療するために組織へのエネルギーを供給するための様々なエネルギー送達構成は、グラフィカルな表現として示されている。
【0087】
上記のように、使用において、図2図5、および図6と併せて、図7Aを参照すると、生成器310は、超音波エネルギーが、導波管230に沿って超音波ホーン326に伝送され、およびブレード282に伝送されて、例えば、組織を密封および/または切断するように、高電圧AC波形超音波駆動信号「UDS」を出力して、超音波変換器320の圧電スタック324を駆動する。生成器310はさらに、超音波駆動信号「UDS」の出力を停止し、調査信号「IS」(その1つ以上のパルス)を出力し、その後、超音波駆動信号「UDS」の出力を再開するように構成され得る。超音波駆動信号「UDS」は、停止され得、調査信号「IS」は、固定または可変間隔で周期的に出力され得る。例えば、起動が開始されるとき、より少ない停止および調査信号「IS」が提供され得、起動時間が増加するにつれて、より多くの停止および調査信号「IS」が提供され得る。実施形態では、超音波駆動信号「UDS」の出力を停止するのではなく、調査信号「IS」は、超音波駆動信号「UDS」と同時に、定期的に、連続的に、または他の任意の適切な方法で出力されることができる。
【0088】
調査信号「IS」が出力される周波数は、追加的または代替的に、動作モードおよび/または他の要因に依存し得る。例えば、調査信号「IS」は、より頻繁に、例えば、より短い間隔で、高電力動作モードで提供され得、より少ない周波数で、例えば、より長い間隔で、低電力動作モードで提供され得る。別の例として、調査信号「IS」が出力される周波数は、決定された組織パラメータに依存し得、例えば、組織のインピーダンスが十分に密封された状態に近づいていることを示すので、調査信号「IS」は、より頻繁に出力され得る。各調査信号「IS」のパルス数も、調査信号「IS」の周波数と同様に、または他の任意の適切な方法で、固定され、または可変であり得る。
【0089】
図7Bを参照すると、超音波駆動信号「UDS」の出力を停止して調査信号「IS」を出力し、その後、超音波駆動信号「UDS」の出力を再開する代わりに、超音波駆動信号「UDS」は、調査信号「IS」が供給されている間、超音波駆動信号「UDS」と調査信号「IS」の両方が同時に供給されるように、調査信号「IS」が周期的に固定または可変間隔で周期的に出力されている間、連続的に供給され得る。調査信号「IS」は、上で詳述されたように、他の点では同様であり得る。
【0090】
図7Cを参照すると、超音波駆動信号「UDS」の供給の両方に関して、例えば、超音波エネルギーが導波管230に沿って超音波ホーン326に、およびブレード282に伝送されるように、超音波変換器320の圧電スタック324を駆動し、組織を治療し(図3および図5を参照)、他のエネルギーを供給し、例えば、ブレード282、パネル290、および/または構造体286の間で双極RF組織治療電流「TT」を伝導して組織を治療し、超音波駆動信号「UDS」および組織治療エネルギー「TT」は、同時に、または少なくとも部分的に重複する時間的関係で供給され得る。組織への超音波およびRF(または他の追加エネルギー)の同時送達は、組織を密封し、および/または他の組織効果を達成するために、利用され得る。
【0091】
図7Dを参照すると、超音波駆動信号「UDS」の供給および他のエネルギーの供給の両方に関して、例えば、ブレード282、パネル290、および/または構造体286の間で双極RF組織治療電流「TT」を伝導し、組織を治療するために、超音波駆動信号「UDS」および組織治療エネルギー「TT」は、組織密封期間「SP」中に、第1のレベルで超音波駆動信号「UDS」と同時に供給され得る。組織が密封されると、所定の時間の後、ユーザが開始した信号を受信すると、または他の信号および/またはフィードバックに基づいて、組織切断期間「CP」が開始され、組織治療エネルギー「TT」が停止され、超音波駆動信号「UDS」は、第1のレベルから第2のレベルに、例えば、第1の振幅から第2のより大きな振幅に増加して、ブレード282(図5)の速度を増加させて、密封組織の切断を容易にする。
【0092】
図8は、本明細書に詳述される器具またはシステムのいずれかと共に使用するように構成された本開示に従った、別のエンドエフェクタアセンブリ580を示す。エンドエフェクタアセンブリ580は、エンドエフェクタアセンブリ580がパネルを含まないことを除いて、エンドエフェクタアセンブリ280(図3図5)と同様である。
【0093】
エンドエフェクタアセンブリ580を使用する超音波エネルギーの供給に関して、超音波エネルギーは、ブレード582と顎部584の顎ライナー588の間にクランプされた、またはブレード582の近くに配置された組織を治療するためにブレード582に伝送される。
【0094】
組織を調査するために、他のエネルギー、例えばRFエネルギーを供給するために、生成器(図示せず)は、調査信号がブレード582から組織を通って、顎部584の構造体586に伝送され、それらの間の電位差のために、第2の異なる電気経路を介して生成器に戻されるため、生成器が戻された信号を評価するように、第1の電気経路、例えば正の電位(+)のRF信号を介して調査信号をブレード582に伝送し、顎部584、例えば、負の電位(-)の第2の異なる電位構造体586を確立するように構成されている。
【0095】
組織を治療するための他のエネルギー、例えば、RFエネルギーの供給に関して、生成器(図示せず)は、その間に配置された組織を治療するために、その間に配置された組織を通じて、エネルギー、例えば、双極RF組織治療電流の伝導を可能にするために、第1の電気経路、例えば、正の電位(+)でのRFエネルギーを介してブレード582を第1の電位にエネルギー供給し、顎部584の構造体586に、第2の異なる電気経路例えば、負の電位(-)でのRFエネルギーを介して、第2の異なる電位に、エネルギー供給するように構成される。
【0096】
図9を参照すると、別のエンドエフェクタアセンブリ680は、本開示に従って提供され、本明細書に詳述される器具またはシステムのいずれかと共に使用するように構成される。エンドエフェクタアセンブリ680は、エンドエフェクタアセンブリ280(図3図5)に類似しており、したがって、それらの間の違いのみが、以下に詳細に記載される。
【0097】
エンドエフェクタアセンブリ680は、ブレード682、および構造体686を含む顎部684と、顎ライナー688と、第1および第2の導電性プレート689と、ブレード682のいずれかの側に配置された第1および第2のパネル690とを含む。構造体686は、顎ライナー688のいずれかの側で第1および第2の導電性プレート689を支持する。第1および第2の導電性プレート689は、構造体686から電気的に絶縁され得るか、またはそれに(および、したがって、互いに)電気的に連結され得る。第1および第2の導電性プレート689は、その第1の電位、例えば、正の電位(+)でのRFエネルギーへのエネルギー供給を可能にするために、生成器に接続するように構成されている。
【0098】
第1および第2のパネル690は、パネル290(図3図5)の上記の詳細な機能を提供することに加えて、またはその代替として、生成器に接続して第2の異なる電位、例えば、負の電位(-)でのRFエネルギーへのエネルギー供給を可能にするように構成されている電極として機能する。このようにして、RF組織治療電流は、治療するために、例えば、組織を密封するために、プレート689とパネル690の間で、およびそれらの間に配置された組織を通じて伝導されることができる。プレート689およびパネル690は、上で詳述されたのと同様に、追加的または代替的に、組織を調査してその1つ以上のパラメータを感知するために使用され得る。
【0099】
図9を参照し続けると、RF組織治療またはRF組織調査に関して、ブレード682は、エネルギー供給されないままであり得る(RFエネルギーに関して、ブレード682は、超音波で組織を治療するために超音波エネルギーでエネルギー供給され得る)。ブレード682の分離を維持するために、ブレード682の側面683および/またはパネル690の内向きの表面691は、絶縁コーティング699でコーティングされ得る。絶縁コーティング699は、PTFEまたは他の適切な電気絶縁コーティングであり得る。
【0100】
RFエネルギーでエネルギー非供給であるブレード682の代替として、ブレード682は、代替的に、パネル690またはプレート689のいずれかと同じ電位にエネルギー供給され得る。絶縁コーティング699は、上で詳述されたように、ブレード682をパネル690から分離し、一方、顎ライナー688は、ブレード682をプレート689から分離する。
【0101】
図10を参照すると、さらに別のエンドエフェクタアセンブリ780は、本開示に従って提供され、本明細書に詳述される器具またはシステムのいずれかと共に使用するように構成される。エンドエフェクタアセンブリ780は、エンドエフェクタアセンブリ780がブレード782とパネル790の間に絶縁コーティングを含まないことを除いて、エンドエフェクタアセンブリ680(図9)と同様である。むしろ、エンドエフェクタアセンブリ780は、ブレード782と各パネル790の間のギャップ距離「G」を適切なギャップ距離で、または適切なギャップ距離範囲内に維持して、それらの間の電気的絶縁を維持するように構成されている。同様に、エンドエフェクタアセンブリ780は、パネル790と各導電性プレート789の間のギャップ距離「G」と同様または異なるギャップ距離「GG」を適切なギャップ距離で、または適切なギャップ距離範囲内に維持して、それらの間の電気的絶縁を維持するように構成されている。ギャップ距離「G」、「GG」のいずれかまたは両方は、組織を密封するための適切なギャップ距離であり得るが、他のギャップ距離もまた、企図される。
【0102】
使用において、第1および第2の導電性プレート789は、生成器に接続して、その第1の電位、例えば、正の電位(+)でのRFエネルギーへのエネルギー供給を可能にするように構成され、一方、第1および第2のパネル790は、生成器に接続して、第2の異なる電位、例えば、負の電位(-)でのRFエネルギーへのエネルギー供給を可能にするように構成され、RF組織治療電流が、プレート789とパネル790の間で、およびそれらの間に配置された組織を通して、例えば、組織を治療するために伝導され得るように、電極として機能する。プレート789およびパネル790は、上で詳述されたのと同様に、追加的または代替的に、組織を調査してその1つ以上のパラメータを感知するために使用され得る。
【0103】
RF組織治療またはRF組織調査に関して、ブレード782は、エネルギー供給されないままであり得る(RFエネルギーに関して、ブレード782は、超音波で組織を治療するために超音波エネルギーでエネルギー供給され得る)。ギャップ距離「G」、「GG」は、ブレード782の分離を維持する。RFエネルギーでエネルギー非供給であるブレード782の代替(代替的に)として、ブレード782は、代わりに、ブレード782をそこから分離するギャップ距離「G」、「GG」を有するパネル790またはプレート789のいずれかと同じ電位にエネルギー供給され得る。
【0104】
図11Aは、本明細書に詳述される器具またはシステムのいずれかと共に使用するように構成された本開示に従った、さらに別のエンドエフェクタアセンブリ880を示す。エンドエフェクタアセンブリ880は、ブレード882が円筒形構成を画定すること、および/またはパネルの代わりに円筒形ロッド890が提供されることを除いて、エンドエフェクタアセンブリ780(図10)と同様である。いくつかの構成では、絶縁コーティングは、エンドエフェクタアセンブリ680(図9)に関して上で詳述されたのと同様に、ブレード882とロッド890の間に提供される。
【0105】
図11Bは、本開示に従って、および本明細書に詳述された器具またはシステムのいずれかで使用するように構成された、さらに別のエンドエフェクタアセンブリ980を示している。エンドエフェクタアセンブリ980は、パネル990がその垂直本体994から垂直および外向きに延在する棚992を画定することを除いて、エンドエフェクタアセンブリ780(図10)と同様である。結果として、棚992は、顎部984の閉位置において、顎部984の構造体986の対向する表面の概して平行な向き(例えば、約15度以内)に延在する表面993を画定する。対向する表面を画定する構造体986の代わりに、顎部984は、上で詳述されたのと同様に導電性プレートを含み得る。
【0106】
実施形態では、図2図5と併せて、図12に目を向けると、生成器をパネル290に、および生成器を顎部284(その構造体および/または導電性プレート)に接続する電気経路は、少なくとも部分的にリード線によって作られ得る。代替的に、構造的構成要素は、利用され得る。例えば、外管210は、生成器をパネル290に接続する電気経路の少なくとも一部を画定し得、一方、内管220は、生成器を顎部284に接続する電気経路の少なくとも一部を画定する。そのような構成では、第1および第2の絶縁体212、222は、導波管230、内管220、および外管210を互いに電気的に絶縁するために提供される。絶縁体212、222は、電気的絶縁を維持するために、シース、離間リング、または他の任意の適切な方法として構成され得る。導波管230、絶縁体212、222、内管220、および外管210は、互いに対して同心円状に配置され得る。
【0107】
図13Aを参照すると、別のエンドエフェクタアセンブリ1380は、本開示に従って提供され、本明細書に詳述される器具またはシステムのいずれかと共に使用するように構成される。エンドエフェクタアセンブリ1380は、ブレード1382、および構造体1386を含む顎部1384と、顎ライナー1388と、第1および第2の光学要素1389と、ブレード1382のいずれかの側に配置され、光学要素1391として構成された第1および第2のパネル1390とを含む。構造体1386は、顎ライナー1388のいずれかの側で第1および第2の光学要素1389を支持する。第1および第2の光学要素1389は、類似または異なり得、光エミッタ、光吸収体、または光反射器として構成され得る。同様に、パネル1390の光学要素1391は、類似または異なるものであり、対向する光学要素1389、1391の各対は、1つの光エミッタおよび1つの光吸収体または光反射器を含むように、光エミッタ、光吸収体、または光反射器として構成され得る。
【0108】
光エミッタとして構成された光学要素1389、1391は、光エネルギーを放出し、光学要素1389、1391の間に配置された組織を通して光エネルギーを向けるように構成されている。光吸収体または光反射器として構成された光学要素1389、1391は、それぞれ、組織を通過した光エネルギーを吸収するか、または組織を通過した光エネルギーを反射して組織に戻すように構成されている。組織を通過するこの光エネルギーは、組織を治療する、例えば、密封するために、および/または組織を調査するために利用され得る。光エネルギーは、赤外光、紫外線、可視光、レーザー光、または他の任意の適切な光またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0109】
図13Bは、本開示に従って提供され、本明細書に詳述される器具またはシステムのいずれかと共に使用するように構成された別のエンドエフェクタアセンブリ1480を示す。エンドエフェクタアセンブリ1480は、ブレード1482、および構造体1486を含む顎部1484と、使用される光波長に対して透明である顎ライナー1488(例えば、紫外線[UV]波長および対応する光透過波長で実質的に透明であるPTFE(他の材料ではある)から作製される)と、構造体1486上または構造体1486内に取り付けられた第1および第2の光学要素1489と、を含む。第1および第2の光学要素1486は、より具体的には、透明な顎ライナー1488を通じて、および顎部1484とブレード1482の間に配置された組織を通じて光エネルギーを放出するように配向される。ブレード1482は、実施形態では、光吸収体または反射器として機能し得、その吸収または反射を強化するためのコーティングまたは他の適切な特徴を含み得る。
【0110】
第1および第2の光学要素1489は、ブレード1482の外面に対して概して垂直な方向にブレード1482に向けて光エネルギーを向けるように配向され得る。より具体的には、いくつかの態様では、ブレード1482は、図13Bに示されるように、ブレード1482の中心と交差する方向に光エネルギーを向けるように配向された第1および第2の光学要素1489を備えた円筒形構成を画定し得る。
【0111】
図14を参照すると、別のエンドエフェクタアセンブリ1580は、本開示に従って提供され、本明細書に詳述される器具またはシステムのいずれかと共に使用するように構成される。エンドエフェクタアセンブリ1580は、ブレード1582、および構造体1586を含む顎部1584と、顎ライナー1588と、第1および第2の超音波変換器1589と、ブレード1582のいずれかの側に配置され、超音波吸収体または反射器1591として構成された第1および第2のパネル1590とを含む。構造体1586は、顎ライナー1588のいずれかの側で超音波変換器1589を支持する。第1および第2の超音波変換器1589は、パネル1590に向かって、および顎部1584とパネル1590の間に配置された組織を通して、例えば、組織を治療し、組織を画像化し、および/または組織を調査するために、超音波を生成および放出するように構成されている。超音波吸収体または反射器1591は、組織を通過した超音波を吸収または反射するように構成されている。代替的に、この構成は、例えば、一方または両方の超音波変換器1589が対応するパネル1590上に配置され、吸収体または反射器1591が構造体1586の対応する側に配置される場合、片側または両側で逆にされ得る。
【0112】
図15に目を向けると、さらに別のエンドエフェクタアセンブリ1680は、本開示に従って提供され、本明細書に詳述される器具またはシステムのいずれかと共に使用するように構成される。エンドエフェクタアセンブリ1680は、ブレード1682、および構造体1686を含む顎部1684と、顎ライナー1688と、第1および第2の加熱要素1689と、ブレード1682のいずれかの側に配置された第1および第2のパネル1690とを含む。パネル1690はまた、いくつかの構成において、加熱要素を含み得る。第1および第2の加熱要素1689は、加熱コイルのエネルギー供給に応答して熱エネルギーを生成するように構成された加熱コイルを含み得る。この熱エネルギー(および加熱要素を含むように構成される場合、パネル1690からの熱エネルギー)は、例えば、組織を治療するために、顎部1684とパネル1690の間に配置された組織に伝送される。
【0113】
図16Aおよび図16Bは、その特徴のいずれか、および/または本明細書に詳述される他のエンドエフェクタアセンブリのいずれかを含み得る、エンドエフェクタアセンブリ280(図3図5)と同様の別のエンドエフェクタアセンブリ1780を示す。エンドエフェクタアセンブリ1780は、パネルの構成においてエンドエフェクタアセンブリ280(図3図5)とは異なり、したがって、それらの違いのみが、以下に詳述される。
【0114】
エンドエフェクタアセンブリ1780は、ブレード1782の一部を底面および側面で取り囲むベース1795と、ブレード1782のいずれかの側面でベース1795から遠位に延在する第1および第2のパネル1796とを有するパネル部材1790を含む。
【0115】
ベース1795は、U字形の構成を画定し、固定または可動の関係において、外側および/または内側スリーブ1710、1720から遠位に延在する。ベース1795は、より具体的には、ブレード1782の動作長の約50%未満(閉位置で顎部1784の顎ライナー1788に対抗するブレード1782の部分として画定される)、ブレード1782の動作長の約40%未満、またはブレード1782の動作長の約30%未満延在する。結果として、ブレード1782の底部は、その動作長の遠位の50%、60%、または70%に沿って露出されている。
【0116】
パネル1796は、ブレード1782のいずれかの側でベース1795から遠位に延在する。パネル1796は、その垂直本体1794の上端から垂直および外向きに延在する棚1792を含み得る。パネル1796は、その下端から先細りをさらに含み得、それにより、パネル1796の高さが、その近位端からその遠位端に向かって次第に先細りする。その結果、ブレード1782の底部および側面は、近位から遠位の方向に露出されるように増加している。この構成は、例えば、腸切開、バックスコアリング、および/または他の外科的作業のために、ブレード1782の遠位の底部の使用を容易にし、一方で、上記の構成のいずれかに関して詳述されるように、パネルの機能を提供する。
【0117】
概して図17A図18C(および図6図16にも適用可能)を参照すると、ハンドヘルド、手動操作および操作のためのハンドルアセンブリ100(図1A)とは対照的に、本明細書に開示される様々な実施形態はまた、ロボット外科用システム、および概して「遠隔手術」と呼ばれるものと協働するように構成され得る。そのようなシステムは、外科医を補助するために様々なロボット要素を採用し、外科用器具類の遠隔操作(または部分遠隔操作)を可能にする。様々なロボットアーム、歯車、カム、滑車、電気モータおよび機械モータなどは、この目的のために採用され得、手術または治療の過程で外科医を補助するようにロボット外科用システムで設計され得る。そのようなロボットシステムは、遠隔操縦可能システム、自動フレキシブル外科用システム、遠隔フレキシブル外科用システム、遠隔関節運動外科用システム、無線外科用システム、モジュール式または選択的に構成可能な遠隔操作式外科用システムなどを含み得る。
【0118】
ロボット外科用システムは、手術室に隣接するか、または遠隔場所に位置する1つ以上のコンソールと共に用いられ得る。この場合、外科医または看護師の1つのチームが外科手術のために患者を準備し得、かつ別の外科医(または外科医のグループ)がロボット外科用システムを介して器具を遠隔的に制御しながら、本明細書で開示される器具のうちの1つ以上を用いてロボット外科用システムを構成することができる。理解され得るように、高度に熟練した外科医は、自身の遠隔コンソールを離れずに複数の場所で複数の操作を行うことができ、これは、経済的に有利であり得、患者または一連の患者にとっても有益であり得る。
【0119】
外科用システムのロボットアームは、典型的には、コントローラによって一対のマスターハンドルに連結される。ハンドルは、本明細書で説明される実施形態のうちの1つ以上の使用を保管し得る、任意の種類の外科用器具(例えば、エンドエフェクタ、把持器、ナイフ、はさみなど)の作業端の対応する移動を生成するように外科医によって移動され得る。マスターハンドルの移動は、作業端部が、外科医の動作手によって行われる移動とは異なるか、より小さいか、またはより大きい対応する移動を有するように、スケーリングされ得る。スケール因子またはギア比は、操作者が外科用器具の作業端の分解能を制御できるように調節可能であり得る。
【0120】
マスターハンドルは、様々な組織パラメータもしくは状態、例えば、操作、切断、または別様に処置による組織抵抗、組織への器具による圧力、組織温度、組織インピーダンスなどに関する外科医へのフィードバックを提供するための様々なセンサを含み得る。理解されるように、そのようなセンサは、外科医に、実際の動作状態をシミュレートする増強された触覚フィードバックを提供する。マスターハンドルはまた、実際の動作状態を模倣するための外科医の能力をさらに強化する繊細な組織操作または治療のための様々な異なるアクチュエータを含み得る。
【0121】
特に図17A図17Cを参照すると、ロボット外科用システムで使用するためのエンドエフェクタアセンブリ1880が示されているが、エンドエフェクタアセンブリ1880は、代替的に、ハンドヘルド器具において使用され得、および/または本明細書に詳述される他のエンドエフェクタアセンブリのいずれかは、ロボット外科用システムで使用され得る。エンドエフェクタアセンブリ1880は、ロボットシャフトアセンブリ1881bの1つ以上の関節1881aの遠位に位置付けされ、その中またはその上に超音波変換器1881dを支持する近位筐体1881cを含む。導波管(明示的には図示せず)は、超音波変換器1881dから遠位方向に延在し、その遠位端に画定されたブレード1882を含む。顎部1884は、顎部1884とブレード1882の間の組織をクランプするための開位置とクランプ位置の間で、ブレード1882に関して顎部1884の枢動を可能にするように、筐体1881cに枢動可能に取り付けられる。ブレード1882は、円筒形構成を画定するが、他の構成も、企図される。いくつかの構成では、顎部1884は、ブレード1882の周りで回転することが可能である。
【0122】
顎部1884は、構造体1886と、顎ライナー1888とを含む。構造体1886自体またはその上に取り付けられた導電性プレート(図示せず)は、RF(または他のエネルギーベースの)回路の1つの電極(または部分)として機能するように生成器に接続するように構成され得る。ブレード1882は、RF(または他のエネルギーベースの)回路の他の電極(または部分)として機能するように生成器に接続するように構成される。構造体1886の対向面1887(または、そのように提供される場合、導電性プレートの対向面)は、ブレード1882の円筒形構成を補完するように丸みを帯びており、対向面1887と、その間に組織が把持されたブレード1882との間のギャップ距離が、任意の時点で実質的に(例えば、約15%以内)均一である。RF信号は、上で詳述されたのと同様に組織を調査および/または治療するために、構造体1886とブレード1882の間で通信され得る。他の適切なエネルギー構成はまた、上で詳述されたもののように企図されている。
【0123】
図18A図18Cを参照すると、ロボット外科用システムでの使用のための別のエンドエフェクタアセンブリ1980が、示されているが、エンドエフェクタアセンブリ1880は、代替的に、ハンドヘルド器具で使用され得る。エンドエフェクタアセンブリ1980は、エンドエフェクタアセンブリ1880(図17A図17C)に類似しており、エンドエフェクタアセンブリ1880(図17A図17C)の任意の特徴、または本明細書に詳述された他の任意のエンドエフェクタアセンブリを含み得る。
【0124】
エンドエフェクタアセンブリ1980は、ロボットシャフトアセンブリ1981bの1つ以上の関節1981aの遠位に位置付けられ、その中に超音波変換器1981dを支持する近位筐体1981cを含む。導波管(明示的には図示せず)は、超音波変換器1981dから遠位方向に延在し、その遠位端に画定されたブレード1982を含む。顎部1984は、顎部1984とブレード1982の間の組織をクランプするための開位置とクランプ位置の間で、ブレード1982に関して顎部1984の枢動を可能にするように、筐体1981cに枢動可能に取り付けられる。
【0125】
エンドエフェクタアセンブリ1980は、エンドエフェクタアセンブリ1880(図17A図17C)とは異なり、エンドエフェクタアセンブリ1980は、ブレード1982の一部を底面および側面で取り囲むベース1995と、ブレード1982のいずれかの側面でベース1995から遠位に延在する第1および第2の先細りパネル1996とを有するパネル部材1990をさらに含む。パネル部材1990は、エンドエフェクタアセンブリ1780のパネル部材1790の任意の特徴(図16Aおよび図16Bを参照)と類似しており、それらを含み得る。
【0126】
本開示のいくつかの実施形態が上で詳述され、図面に示されているが、本開示は、当該技術分野が許容する広い範囲として捉えられるべきであり、本明細書も同様に読み取られるべきであると考えられるので、本開示は、これらの実施形態に限定されるものではないことが意図される。したがって、上記の記載および添付の図面は、限定的であるとして解釈されるべきではなく、特定の実施形態の単なる例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付されている特許請求の範囲および趣旨内での他の修正を想定するであろう。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
図17C
図18A
図18B
図18C