(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】領域安定化を伴う陰圧治療
(51)【国際特許分類】
A61M 27/00 20060101AFI20241202BHJP
A61F 13/02 20240101ALI20241202BHJP
A61F 13/06 20060101ALI20241202BHJP
A61F 13/14 20060101ALI20241202BHJP
【FI】
A61M27/00
A61F13/02 A
A61F13/06 E
A61F13/14 A
A61F13/06 F
(21)【出願番号】P 2021557915
(86)(22)【出願日】2020-03-26
(86)【国際出願番号】 US2020025026
(87)【国際公開番号】W WO2020205445
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-03-15
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】レーベイン,ジョナサン,ジー.
(72)【発明者】
【氏名】カザラ,リチャード,マーヴィン,ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ランドルフ,ラリー,タブ
(72)【発明者】
【氏名】シモンズ,テイラー,エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ジャハニアン,シャービン
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン,デーン
(72)【発明者】
【氏名】シナモン,サラ
(72)【発明者】
【氏名】フォルストーン,ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ハーツェル,チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ヘンゼ,ステファニー
(72)【発明者】
【氏名】サンフォード,コルトン
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/011148(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0011980(US,A1)
【文献】特開2008-114043(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0213823(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0171837(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0276288(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 27/00
A61F 13/02
A61F 13/06
A61F 13/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の組織部位に陰圧を適用するための装置であって、前記装置は、
前記組織部位を覆うように構成された解剖学的形状を有する組織インタフェースと、
前記組織インタフェースを覆うように構成されたカバーと、
前記カバーを通って延在する開口部であって、前記開口部が前記組織インタフェースに流体的に結合されている、開口部と、
前記カバーを前記患者に封止するように構成された封止部材とを備え、前記カバー及び前記封止部材が、前記組織インタフェースを収容する封止チャンバを形成するために協働するように構成されており、
前記装置が、さらに、前記組織インタフェースと前記カバーとの間に位置するように構成された支持層を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記解剖学的形状が、足部を覆うように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
組織インタフェースが、前記患者の脚部の一部分、足首の少なくとも一部分、及び前記足部の一部分を周方向に覆うように更に構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記組織インタフェースが、開口するつま先部分を備える、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記カバーが、開口する第1の端部を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記封止部材が、前記カバーの前記第1の端部の周りに延在して、前記カバーの前記第1の端部を前記患者の前記脚部に封止するように構成されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記開口するつま先部分において、前記患者のつま先を覆うように構成されたつま先芯を更に備える、請求項4に記載の装置。
【請求項8】
前記カバーが、前記つま先芯を覆うように更に構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記組織インタフェースが、
前記足部の足背部及び足底の少なくとも一部分を周方向に覆うように構成された第1の部分と、
前記第1の部分に接続された第2の部分であって、前記第2の部分が、前記患者の下腿の少なくとも一部分を周方向に覆うように構成されている、第2の部分とを備える、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記組織インタフェースが、
ソール部分と、
前記ソール部分に結合されたつま革部分と、
前記ソール部分及び前記つま革部分に結合されたクォータ部分と、
前記クォータ部分に結合されており前記クォータ部分から上方に延在するふくらはぎ部分とを備える、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記つま先芯が、独立気泡を有する発泡体を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項12】
前記つま先芯が、1つ以上のつま先分離箇所を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項13】
前記つま先芯が、陰圧が前記組織インタフェースに適用されたとき、前記つま先が圧迫されるのを防止するように構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項14】
前記開口部が、前記患者の前記脚部、前記足首、及び前記足部のうちの1つに近接して位置するように構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項15】
前記支持層が、前記患者の前記足部の前記足底の下から脚部まで延在するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記支持層が、前記患者の前記脚部の周りに少なくとも部分的に半径方向に延在するように構成された上部を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記支持層が複数の開口部を含み、陰圧が前記組織インタフェースに適用されたとき、前記開口部の少なくとも一部分が前記カバーを通して見える、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記解剖学的形状が、膝を覆うように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記組織インタフェースが、前記膝、前記膝の上方の前記脚部の一部分、及び前記膝の下方の前記脚部の一部分を覆うように更に構成されている、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記装置が、灌流を補助し前記組織部位の膨潤を低減するために前記陰圧の適用の際に前記組織部位を半径方向外側に引っ張るように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
患者の足部に近接する組織部位に陰圧を適用するための装置であって、前記装置は、
前記組織部位を覆うように構成された解剖学的形状、脚部の一部分、足首の少なくとも一部分、及び前記足部の一部分を有する組織インタフェースと、
前記足部のつま先を覆うように構成されたキャップと、
開口する第1の端部を有するカバーであって、前記カバーが、前記組織インタフェース及び前記キャップを覆うように構成されている、カバーと、
前記カバーの前記第1の端部を前記脚部に封止するために前記カバーの前記第1の端部の周りに延在するように構成された第1の封止部材を備える封止部材とを備え、前記カバー及び前記第1の封止部材が、前記組織インタフェース及び前記キャップを収容する封止チャンバを形成するために協働するように構成されており、
前記装置が、さらに、前記組織インタフェースと前記カバーとの間に位置するように構成された支持層を備えることを特徴とする装置。
【請求項22】
患者の膝に近接する組織部位に陰圧を適用するための装置であって、前記装置は、
前記組織部位、前記患者の膝、前記膝の上方の前記患者の脚部の一部分、及び前記膝の下方の前記患者の前記脚部の一部分を覆うように構成された解剖学的形状を有する組織インタフェースと、
開口する第1の端部及び開口する第2の端部を有するカバーであって、前記カバーが、前記組織インタフェースを覆うように構成されている、カバーと、
前記組織インタフェースと前記カバーとの間に位置するように構成された支持層と、
封止部材であって、
前記カバーの前記第1の端部を前記患者に封止するために前記カバーの前記第1の端部及び前記組織インタフェースの上方の前記患者の前記脚部の周りに延在するように構成された第1の封止部材と、
前記カバーの前記第2の端部を前記患者に封止するために前記カバーの前記第2の端部及び前記組織インタフェースの下方の前記患者の前記脚部の周りに延在するように構成された第2の封止部材とを備える封止部材とを備え、
前記カバー、前記第1の封止部材、及び前記第2の封止部材が、前記組織インタフェースを収容する封止チャンバを形成するために協働するように構成されている、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年3月29日に出願された「NEGATIVE-PRESSURE TREATMENT WITH AREA STABILIZATION」と題する米国仮特許出願第62/826,092号の優先権を主張し、これはあらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
添付の特許請求の範囲に記載の本発明は、概して、組織処置システムに関し、特に、限定されないが、陰圧による組織処置用のドレッシング、及び陰圧による組織処置用のドレッシングの使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
臨床研究及び臨床診療から、組織部位の近接で圧力を低減することは組織部位における新たな組織の成長を増強及び加速させることができる点が示されている。この現象の用途は数多くあるが、創傷を処置するために特に有利であることが判明している。創傷の病因に関わらず、又は外傷、手術、若しくは別の原因であるかどうかに関わらず、創傷の適切なケアが転帰に重要である。減圧による創傷又は他の組織の処置は、一般に、「陰圧療法」と称され得るが、例えば、「陰圧創傷療法」、「減圧療法」、「真空療法」、「真空補助閉鎖」、及び「局所陰圧」を含む他の名称によっても知られている。陰圧療法は、創傷部位における上皮組織及び皮下組織の移行、血流の改善、並びに組織の微小変形などを含むいくつもの利益をもたらすことができる。共に、これらの利益は全体として、肉芽組織の発達を増加させ、治癒時間を低減することができる。
【0004】
追加的に、陰圧療法(negative therapy)の適用は、開放創が存在し得ない組織部位での挫傷又は筋挫傷の治癒に有益であり得る。
【0005】
陰圧療法の臨床的利益は広く知られているが、治療システム(therapy system)、構成要素、及びプロセスの改善は、ヘルスケア提供者及び患者に利益をもたらすことができる。
【発明の概要】
【0006】
陰圧療法環境において組織を処置するための新規かつ有用なシステム、装置、及び方法が、添付の特許請求の範囲に記載されている。例示的実施形態がまた、特許請求された主題を当業者が作製及び使用することを可能にするために提供されている。
【0007】
いくつかの実施形態では、患者の組織部位に陰圧を適用するための装置は、組織インタフェースと、カバーと、カバー内の開口部と、封止部材とを備えてもよい。組織インタフェースは、組織部位を覆うように構成された解剖学的形状を有してもよい。カバーは、組織インタフェースを覆うように構成されてもよい。カバー内の開口部は、組織インタフェースに流体的に結合されてもよい。封止部材は、カバーを患者に封止するように構成されてもよく、カバー及び封止部材は、組織インタフェースを収容する封止チャンバを形成するために協働するように構成されている。
【0008】
いくつかの実施形態では、組織インタフェースは、患者の脚部の一部分、足首の少なくとも一部分、及び足部の一部分を周方向に覆うように更に構成され得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、組織インタフェースは、膝、膝の上方の脚部の一部分、及び膝の下方の脚部の一部分を覆うように更に構成され得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、組織インタフェースは、組織部位に近接する患者の肩の少なくとも一部分を覆うように更に構成されている。
【0011】
いくつかの実施形態では、装置は、組織インタフェースとカバーとの間に位置するように構成された支持層を含んでもよい。支持層は、複数の開口部を含んでもよく、陰圧が組織インタフェースに適用されたとき、開口部の少なくとも一部分がカバーを通して見えてもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、装置は、カバーに結合された陰圧源を含んでもよい。陰圧源は、ポンプチャンバを画定するチャンバ壁部と、チャンバ壁部から延在する基部とを含んでもよい。ポンプチャンバは、開口部を介して組織インタフェースに流体的に結合されてもよい。基部は、開口部の周りにカバーに流体的に封止されてもよい。チャンバ壁部は、ポンプチャンバから流体を排出するために圧縮されるように適合されてもよい。ポンプチャンバは、組織インタフェース内の圧力を減少させるために拡張するように適合されてもよい。
【0013】
いくつかの例示的実施形態は、患者の足部に近接する組織部位に陰圧を適用するための装置を含んでもよく、装置は、組織インタフェースと、キャップと、カバーと、封止部材とを含んでもよい。組織インタフェースは、組織部位、脚部の一部分、足首の少なくとも一部分、及び足部の一部分を覆うように構成された解剖学的形状を有してもよい。キャップは、足部のつま先を覆うように構成されてもよい。カバーは、開口する第1の端部を有してもよく、組織インタフェース及びキャップを覆うように構成されてもよい。封止部材は、カバーの第1の端部を脚部に封止するためにカバーの第1の端部の周りに延在するように構成された第1の封止部材を含んでもよい。カバー及び第1の封止部材は、組織インタフェース及びキャップを収容する封止チャンバを形成するために協働するように構成されている。
【0014】
いくつかの例示的実施形態は、患者の足部に近接する組織部位に陰圧を適用するための装置を含んでもよく、装置は、組織インタフェースと、カバーと、封止部材とを含んでもよい。組織インタフェースは、組織部位、患者の膝、膝の上方の患者の脚部の一部分、及び膝の下方の患者の脚部の一部分を覆うように構成された解剖学的形状を有してもよい。カバーは、開口する第1の端部及び開口する第2の端部を有してもよい。カバーは、組織インタフェースを覆うように構成されてもよい。封止部材は、第1の封止部材及び第2の封止部材を含んでもよい。第1の封止部材は、カバーの第1の端部を患者に封止するためにカバーの第1の端部及び組織インタフェースの上方の患者の脚部の周りに延在するように構成されてもよい。第2の封止部材は、カバーの第2の端部を患者に封止するためにカバーの第2の端部及び組織インタフェースの下方の患者の脚部の周りに延在するように構成されてもよい。カバー、第1の封止部材、及び第2の封止部材は、組織インタフェースを収容する封止チャンバを形成するために協働するように構成されてもよい。
【0015】
いくつかの例示的実施形態は、患者の足部に近接する組織部位に陰圧を適用するための装置を含んでもよく、装置は、組織インタフェースと、カバーと、封止部材とを含んでもよい。組織インタフェースは、組織部位、及び組織部位に近接する患者の肩の少なくとも一部分を覆うように構成された解剖学的形状を有してもよい。カバーはフランジを有してもよく、カバーは、組織インタフェースを覆うように構成されてもよい。封止部材は、カバーを患者に封止するためにフランジの周りに延在するように構成されてもよく、カバー及び封止部材は、組織インタフェースを収容する封止チャンバを形成するために協働するように構成されている。
【0016】
いくつかの実施形態では、組織インタフェースは、陰圧の適用の際にカバーを圧潰させ、組織部位を安定化するようにカバーを堅くし、組織部位を半径方向外側に引っ張るように構成されてもよい。
【0017】
特許請求される主題を作製及び使用する目的、利点、及び好ましい態様が、例示的実施形態の以下の詳細な説明と併せて添付の図面を参照することによって最もよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本明細書による、陰圧治療(negative-pressure treatment)及び点滴処置を提供することができる治療システムの例示的実施形態の機能ブロック図である。
【0019】
【
図2】ドレッシングの例の側面図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
【0020】
【0021】
【
図4】組織インタフェースの例の等軸測視図であり、いくつかのドレッシングに関連し得る追加的詳細を示す。
【
図5】組織インタフェースの例の等軸測視図であり、いくつかのドレッシングに関連し得る追加的詳細を示す。
【0022】
【
図6】ドレッシングの別の例の破断図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
【0023】
【0024】
【
図8】別の例のドレッシングの内部構成要素の等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
【0025】
【
図9】ドレッシングのいくつかの例示的実施形態に関連し得るカバーの別の例の等軸測視図である。
【0026】
【
図10】組織インタフェースの別の例の分解立体図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
【0027】
【
図11】組織インタフェースの別の例の分解立体図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
【0028】
【
図12】
図8の組織インタフェースの等軸測視図である。
【0029】
【
図13】
図9のドレッシングの詳細な断面図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
【0030】
【
図14】ポンプアクチュエータの例を有する
図9のドレッシングの等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
【0031】
【
図15】組織インタフェースの例の分解立体図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
【0032】
【
図16】
図15の支持層を含むドレッシングの例の背面等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
【0033】
【
図17】ドレッシングの別の例の等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
【0034】
【
図18】ドレッシングの別の例の背面等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
【0035】
【
図19】ドレッシングの別の例の等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
【0036】
【
図20】
図19のドレッシングの詳細な断面図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
【0037】
【
図21】組織インタフェースの別の例の等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
【0038】
【
図22】ドレッシングの別の例の等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
【0039】
【
図23】ドレッシングの別の例の断面図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
【0040】
【
図24】ドレッシングの別の例の等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
【0041】
【
図25】
図24のドレッシングの組織インタフェースの正面図である。
【0042】
【
図26】
図25の組織インタフェースの等軸測視図であり、組織インタフェースの底部分及び背面部分を示す。
【0043】
【0044】
【
図28】ドレッシングの別の例の等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
【0045】
【
図29】ドレッシングの別の例の等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
【0046】
【0047】
【
図31】ドレッシングの別の例の破断等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
【0048】
【
図32】
図31のドレッシングの組織インタフェースの正面図である。
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【
図36】組織インタフェースの別の例の正面図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
【0053】
【
図37】
図36の組織インタフェースの背面等軸測視図である。
【0054】
【
図38】ドレッシングの別の例の背面図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
【0055】
【0056】
【
図40】ドレッシングの別の例の正面等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
【0057】
【
図41】ドレッシングの別の例の正面図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
【0058】
【
図42】ドレッシングの別の例の正面図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
【0059】
【
図43】ドレッシングの別の例の等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
【0060】
【0061】
【0062】
【
図46】
図43のドレッシングの組織インタフェース及びカバーの分解立体図である。
【0063】
【
図47】第1の封止部材の例の等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
【0064】
【0065】
【
図49】ドレッシング及びポンプアクチュエータの例の等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
【0066】
【
図50】
図49のドレッシング及びポンプアクチュエータの等軸測視図である。
【0067】
【
図51】ドレッシング及びポンプアクチュエータの他の例の等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
【0068】
【
図52】
図51のドレッシング及びポンプアクチュエータの等軸測視図である。
【0069】
【発明を実施するための形態】
【0070】
例示的実施形態の以下の説明は、添付の特許請求の範囲に記載されている主題を当業者が作製及び使用することを可能にする情報を提供するものであるが、当該技術分野において既に周知の特定の詳細を省略する場合がある。したがって、以下の詳細な説明は、限定ではなく例示として解釈されたい。
【0071】
例示的実施形態はまた、添付の図面に示されている様々な要素間の空間的関係又は様々な要素の空間的向き(orientation)を参照して本明細書に記載され得る。概して、このような関係又は向きは、処置を受ける位置にある患者と整合する又は患者に対する基準系を想定している。しかしながら、この基準系は厳密な規定ではなく、単に説明上の便宜的なものであることが当業者には理解されよう。
【0072】
図1は、本明細書による、組織部位への局所処置溶液の点滴注入を伴う陰圧療法を提供することができる治療システム100の例示的実施形態の簡略化された機能ブロック図である。
【0073】
この文脈での用語「組織部位」とは、限定されないが、骨組織、脂肪組織、筋組織、神経組織、真皮組織、血管組織、結合組織、軟骨、腱、又は靭帯を含む組織上又は組織内部に位置する創傷、欠損、又は他の処置標的を広範に指す。創傷は、例えば、慢性の、急性の、外傷性の、亜急性の、及び裂開した創傷、中間層熱傷、潰瘍(糖尿病潰瘍、圧迫潰瘍、又は静脈不全潰瘍など)、弁状創、及び移植組織を含み得る。用語「組織部位」はまた、必ずしも創傷の領域又は欠損の領域ではなく、代わりに、追加的組織の成長を追加又は促進することが望ましい場合がある領域である任意の組織の領域を指す場合もある。例えば、採取及び移植され得る追加的組織を成長させるために、陰圧が組織部位に適用されてもよい。
【0074】
治療システム100は、陰圧源105などの陰圧源又は陰圧供給部と、1つ以上の分配構成要素とを含み得る。分配構成要素は、好ましくは着脱可能であり、使い捨て可能、再使用可能、又はリサイクル可能であってもよい。ドレッシング110などのドレッシング、及び、容器115などの流体容器は、治療システム100のいくつかの例に関連し得る分配構成要素の例である。
図1の例に示されているように、ドレッシング110は、組織インタフェース120、カバー125、又はいくつかの実施形態では両方を備えてもよく、又はこれらから本質的になってもよい。
【0075】
流体導管は、分配構成要素の別の例示的な例である。この文脈での「流体導管」とは、2つの端部間で流体を搬送するように適合された1つ以上の管腔又は開放経路を有するチューブ、パイプ、ホース、導管、又は他の構造体を広範に含む。典型的には、チューブは、ある程度の可撓性を有する細長い円筒状の構造体であるが、幾何学的形状及び剛性は変化し得る。また、いくつかの流体導管は、他の構成要素に成形されてもよく、又は他の構成要素と一体的に組み合わされてもよい。分配構成要素はまた、他の構成要素の結合及び分離を容易にするために、インタフェース又は流体ポートを含んでもよく又は備えてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、ドレッシングインタフェースは、流体導管をドレッシング110に結合することを容易にしてもよい。例えば、このようなドレッシングインタフェースは、San Antonio,TexasのKinetic Concepts,Inc.から入手可能なSENSAT.R.A.C(商標)Padであってもよい。
【0076】
治療システム100はまた、コントローラ130などのレギュレータ又はコントローラも含み得る。追加的に、治療システム100は、動作パラメータを測定し動作パラメータを示すフィードバック信号をコントローラ130に提供するためのセンサを含み得る。例えば、
図1に示されているように、治療システム100は、コントローラ130に結合された第1のセンサ135及び第2のセンサ140を含み得る。
【0077】
治療システム100のいくつかの構成要素は、療法を更に容易にするセンサ、処理ユニット、アラームインジケータ、メモリ、データベース、ソフトウェア、表示デバイス、又はユーザインタフェースなどの他の構成要素内に収容されてもよく、又はこれらと併せて使用されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、陰圧源105を、コントローラ130及び他の構成要素と組み合わせて治療ユニット(therapy unit)としてもよい。
【0078】
一般に、治療システム100の構成要素は、直接又は間接的に結合されてもよい。例えば、陰圧源105は、容器115に直接結合されてもよく、容器115を介してドレッシング110に間接的に結合されてもよい。結合は、流体結合、機械的結合、熱的結合、電気的結合、若しくは化学的結合(化学結合など)、又は、いくつかの文脈では、結合のいくつかの組み合わせを含むことができる。例えば、陰圧源105は、コントローラ130に電気的に結合されてもよく、組織部位への流体経路を提供するために1つ以上の分配構成要素に流体結合されてもよい。いくつかの実施形態では、構成要素はまた、物理的近接性によって結合されてもよく、単一の構造に一体化されてもよく、又は同じ材料片から形成されてもよい。
【0079】
陰圧源105などの陰圧供給部は、陰圧での空気のリザーバであってもよく、又は、例えば、真空ポンプ、吸引ポンプ、多くのヘルスケア施設で利用可能な壁面吸引ポート、若しくはマイクロポンプなどの手動若しくは電動のデバイスであってもよい。「陰圧」とは、一般に、封止治療環境の外部の局所的環境における周囲圧力などの局所的周囲圧力未満の圧力を指す。多くの場合、局所的周囲圧力はまた、組織部位が位置する大気圧であり得る。代替的に、圧力は、組織部位における組織に関連する静水圧未満であり得る。別途指示のない限り、本明細書に記載されている圧力の値は、ゲージ圧である。陰圧の増加についての言及は、典型的には、絶対圧力の減少を指し、陰圧の減少は、典型的には、絶対圧力の増加を指す。陰圧源105によって提供される陰圧の量及び性質は、治療要件に応じて変化し得るが、圧力は一般に、-5mmHg(-667Pa)~-500mmHg(-66.7kPa)の粗い真空(rough vacuum)とも一般に称される低真空(low vacuum)である。一般的な治療範囲は、-50mmHg(-6.7kPa)~-300mmHg(-39.9kPa)である。
【0080】
容器115は、組織部位から引き出された滲出液及び他の流体を管理するために使用され得る容器、キャニスタ、パウチ、又は他の貯留構成要素を表す。多くの環境では、流体の収集、貯留、及び廃棄のために、剛性の容器が好ましい又は必要とされる場合がある。他の環境では、流体は、剛性の容器に貯留されずに適切に廃棄される場合もあり、再使用可能な容器は、陰圧療法に関連する廃棄物及びコストを低減することができる。
【0081】
コントローラ130などのコントローラは、陰圧源105などの治療システム100の1つ以上の構成要素を動作させるようにプログラムされたマイクロプロセッサ又はコンピュータであってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、コントローラ130はマイクロコントローラであってもよく、これは一般に、プロセッサコアと、治療システム100の1つ以上の動作パラメータを直接又は間接的に制御するようにプログラムされたメモリとを含む集積回路を備える。動作パラメータは、例えば、陰圧源105に適用される電力、陰圧源105によって生成される圧力、又は組織インタフェース120に分配される圧力を含むができる。コントローラ130はまた、好ましくは、フィードバック信号などの1つ以上の入力信号を受信するように構成されており、入力信号に基づいて1つ以上の動作パラメータを修正するようにプログラムされている。
【0082】
第1のセンサ135及び第2のセンサ140などのセンサは、一般に、当該技術分野において、物理的現象又は特性を検出又は測定するように動作可能な任意の装置として知られており、一般に検出又は測定された現象又は特性を示す信号を提供する。例えば、第1のセンサ135及び第2のセンサ140は、治療システム100の1つ以上の動作パラメータを測定するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のセンサ135は、空気圧経路内の圧力を測定し測定された圧力を示す信号に測定値を変換するように構成された変換器であってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、第1のセンサ135は、ピエゾ抵抗型歪みゲージであってもよい。第2のセンサ140は、いくつかの実施形態では、電圧又は電流などの陰圧源105の動作パラメータを任意選択的に測定することができる。好ましくは、第1のセンサ135及び第2のセンサ140からの信号は、コントローラ130への入力信号として好適であるが、いくつかの実施形態では、ある信号調整が適切であり得る。例えば、信号は、コントローラ130によって処理され得る前に、フィルタリング又は増幅される必要があり得る。典型的には、信号は電気信号であるが、光信号などの他の形態で表されてもよい。
【0083】
組織インタフェース120は、一般に、組織部位に部分的又は完全に接触するように適合されてもよい。組織インタフェース120は、多くの形態をとってもよく、実施されている処置のタイプ、又は組織部位の性質及びサイズなどの様々な要因に応じて、多くのサイズ、形状、又は厚さを有してもよい。例えば、組織インタフェース120のサイズ及び形状は、深い不規則な形状の組織部位の輪郭に適合されてもよい。組織インタフェース120の表面のうちのいずれか又は全ては、凹凸のプロファイル、粗いプロファイル、又はギザギザのプロファイルを有し得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、組織インタフェース120は、マニホールドを備えてもよく、又はマニホールドから本質的になってもよい。この文脈でのマニホールドは、圧力下で組織インタフェース120にわたって流体を収集又は分配するための手段を備えてもよく、又はこのような手段から本質的になってもよい。例えば、マニホールドは、源から陰圧を受け取り複数の開口部を介して組織インタフェース120にわたって陰圧を分配するように適合されてもよく、これは、組織部位にわたって流体を収集し流体を源に向けて引き込む効果を有し得る。
【0085】
いくつかの例示的実施形態では、マニホールドは、流体の分配又は収集を改善するために相互接続され得る複数の経路を備え得る。いくつかの例示的実施形態では、マニホールドは、相互接続された流体経路を有する多孔質材料を含んでもよく、又はこのような多孔質材料から本質的になってもよい。相互接続された流体経路(例えば、チャネル)を形成するように適合され得る好適な多孔質材料の例としては、網状発泡体などの連続気泡発泡体を含む気泡発泡体、多孔質組織集合体、並びに、細孔、縁部、及び/又は壁部を一般に含むガーゼ又はフェルトマットなどの他の多孔質材料が挙げられ得る。液体、ゲル、及び他の発泡体がまた、開口部及び流体経路を含んでもよく又は含むように硬化されてもよい。いくつかの実施形態では、マニホールドは、追加的又は代替的に、相互接続された流体経路を形成する突起を備えてもよい。例えば、マニホールドは、相互接続された流体経路を画定する表面突起を設けるように成形されてもよい。
【0086】
いくつかの実施形態では、組織インタフェース120は、処方された療法の必要性に応じて変化し得る細孔サイズ及び自由体積を有する網状発泡体を含んでもよく、又はこのような網状発泡体から本質的になってもよい。例えば、少なくとも90%の自由体積を有する網状発泡体は、多くの療法用途に好適であり得、400~600ミクロンの範囲の平均細孔サイズ(1インチ当たり40~50個の細孔)を有する発泡体は、あるタイプの療法に特に好適であり得る。組織インタフェース120の引張強度がまた、処方された療法の必要性に応じて変化し得る。例えば、発泡体の引張強度は、局所処置溶液の点滴注入のために増加してもよい。組織インタフェース120の25%の圧縮荷重たわみは、1平方インチ当たり少なくとも0.35ポンドであってもよく、65%の圧縮荷重たわみは、1平方インチ当たり少なくとも0.43ポンドであってもよい。いくつかの実施形態では、組織インタフェース120の引張強度は、1平方インチ当たり少なくとも10ポンドであってもよい。組織インタフェース120は、1インチ当たり少なくとも2.5ポンドの引裂強度を有し得る。いくつかの実施形態では、組織インタフェース120は、ポリエステル又はポリエーテルなどのポリオールと、トルエンジイソシアネートなどのイソシアネートと、アミン及びスズ化合物などの重合調整剤とから構成された発泡体であり得る。いくつかの例では、組織インタフェース120は、San Antonio,TexasのKinetic Concepts,Inc.から両方入手可能なGRANUFOAM(商標)ドレッシング又はV.A.C.VERAFLO(商標)ドレッシングなどの網状ポリウレタン発泡体であってもよい。
【0087】
組織インタフェース120の厚さがまた、処方された療法の必要性に応じて変化し得る。例えば、組織インタフェースの厚さは減少して末梢組織上の張力を低減することができる。組織インタフェース120の厚さはまた、組織インタフェース120の適合性に影響を及ぼし得る。いくつかの実施形態では、約5ミリメートル~約30ミリメートルの範囲の厚さが好適であり得る。
【0088】
組織インタフェース120は、疎水性であってもよく、又は親水性であってもよい。組織インタフェース120が親水性であり得る例では、組織インタフェース120はまた、組織部位に陰圧を分配し続けつつ、組織部位から流体をウィッキングすることができる。組織インタフェース120のウィッキング特性は、毛細管流又は他のウィッキングメカニズムによって組織部位から流体を吸引することができる。好適であり得る親水性材料の例は、San Antonio,TexasのKinetic Concepts,Inc.から入手可能なV.A.C.WHITEFOAM(商標)ドレッシングなどのポリビニルアルコールの連続気泡発泡体である。他の親水性発泡体は、ポリエーテルから作製されたものを含むことができる。親水性特性を呈し得る他の発泡体は、親水性をもたらすように処理又はコーティングされている疎水性発泡体を含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、組織インタフェース120は、生体吸収性材料から構築されてもよい。好適な生体再吸収性材料は、限定されないが、ポリ乳酸(PLA)とポリグリコール酸(PGA)とのポリマーブレンドを含むことができる。ポリマーブレンドはまた、限定されないが、ポリカーボネート、ポリフマレート、及びカプララクトン(capralactone)も含み得る。組織インタフェース120は、新たな細胞増殖のためのスキャフォールドとして更に機能してもよく、又はスキャフォールド材料が、細胞増殖を促進するために組織インタフェース120と共に使用されてもよい。スキャフォールドは一般に、細胞の増殖又は組織の形成を強化又は促進するために使用される物質又は構造体、例えば、細胞増殖のためのテンプレートを提供する3次元多孔質構造体などである。スキャフォールド材料の例示的な例としては、リン酸カルシウム、コラーゲン、PLA/PGA、コーラル(coral)ヒドロキシアパタイト、炭酸塩、又は、加工処理された同種移植片材料が挙げられる。
【0090】
いくつかの実施形態では、カバー125は、細菌に対する障壁、及び物理的外傷からの保護を提供し得る。カバー125はまた、蒸発損失を低減させ2つの構成要素間又は2つの環境間、例えば治療環境と局所的外部環境との間などの流体封止を提供することができる材料から構築されてもよい。カバー125は、例えば、組織部位において所与の陰圧源の陰圧を維持するために適切な封止を提供することができるエラストマーのフィルム若しくは膜を含んでもよく、又はこのようなフィルム若しくは膜からなってもよい。カバー125は、いくつかの用途において、高い水蒸気透過率(MVTR)を有し得る。例えば、MVTRは、いくつかの実施形態では、ASTM E96/E96M直立カップ法による直立カップ技術を使用して38℃及び10%の相対湿度(RH)で測定した場合、24時間当たり1平方メートル当たり少なくとも250グラム(g/m2/24時間)であり得る。いくつかの実施形態では、最大5,000g/m2/24時間のMVTRは、効果的な通気性及び機械的特性を提供し得る。
【0091】
いくつかの例示的実施形態では、カバー125は、水蒸気に対して透過性であるが液体に対しては不透過性であるポリウレタンフィルムなどのポリマードレープであってもよい。このようなドレープは典型的に、約25~約50ミクロンの範囲の厚さを有する。いくつかの実施形態では、カバー125は、50ミクロン超の厚さを有し得る。いくつかの実施形態では、カバーは、約50ミクロン~約3.175ミリメートルの範囲の厚さを有し得る。透過性材料に関しては、透過性は一般に、所望の陰圧が維持され得るように十分に低くあるべきである。カバー125は、例えば、以下の材料のうちの1つ以上を含み得る:親水性ポリウレタンなどのポリウレタン(PU)、セルロース誘導体、親水性ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、親水性アクリル、親水性シリコーンエラストマーなどのシリコーン、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリブタジエン、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマー、クロロスルホン化ポリエチレン、多硫化ゴム、エチレン酢酸ビニル(EVA)、コポリエステル、ポリエーテルブロックポリイミドコポリマー、及びナイロン。このような材料は、例えば、3M Company(Minneapolis,Minnesota)から市販されているTegaderm(登録商標)ドレープ、Avery Dennison Corporation(Pasadena,California)から市販されているポリウレタン(PU)ドレープ、例えばArkema S.A.(Colombes,France)製のポリエーテルブロックポリアミドコポリマー(PEBAX)、並びに、Expopack Advanced Coatings(Wrexham,United Kingdom)から市販されているInspire 2301及びInspire 2327ポリウレタンフィルムとして市販されている。いくつかの実施形態では、カバー125は、2600g/m2/24時間のMVTR(直立カップ技術)及び約30ミクロンの厚さを有するINSPIRE 2301を含み得る。いくつかの実施形態では、カバー125は、非多孔質フィルムを含み得る。いくつかの実施形態では、カバー125は、独立気泡発泡体を含み得る。いくつかの実施形態では、カバー125は、ナイロン織物を含み得る。
【0092】
取付デバイスは、無傷の表皮、ガスケット、又は別のカバーなどの取付表面にカバー125を取り付けるために使用されてもよい。取付デバイスは、多くの形態をとり得る。例えば、取付デバイスは、組織部位の周囲の表皮にカバー125を接合するように構成された医学的に許容可能な感圧接着剤であってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、カバー125の一部又は全てを、約25~65グラム毎平方メートル(g.s.m.)のコーティング重量を有し得るアクリル接着剤などの接着剤でコーティングされてもよい。いくつかの実施形態では、封止を改善し漏れを低減するために、より厚い接着剤、又は接着剤の組み合わせが適用されてもよい。取付デバイスの他の例示的実施形態は、両面テープ、糊、ヒドロコロイド、ヒドロゲル、シリコーンゲル、又はオルガノゲルを含むことができる。
【0093】
動作中、組織インタフェース120は、組織部位内に、組織部位の上に、組織部位上に、又は組織部位に近接して配置されてもよい。例えば、組織部位が創傷である場合、組織インタフェース120は、部分的若しくは完全に創傷を塞いでもよく、又は、創傷の上に配置されてもよい。カバー125は、組織インタフェース120の上に配置され、組織部位の近傍の取付表面に封止されてもよい。例えば、カバー125は、組織部位の周辺の無傷の表皮に封止されてもよい。したがって、ドレッシング110は、外部環境から実質的に隔離された封止治療環境を組織部位に近接して提供することができ、陰圧源105は、封止治療環境における圧力を低減することができる。
【0094】
封止治療環境内などの別の構成要素又は位置における圧力を低減するために陰圧源を使用する流体力学は、数学的に複雑であり得る。しかしながら、陰圧療法に適用可能な流体力学の基本原理は、当業者には一般に周知であり、圧力を低減するプロセスは、例えば、陰圧を「送達する」、「分配する」、又は「生成する」として本明細書において例示的に説明され得る。
【0095】
一般に、滲出液及び他の流体は、流体経路に沿って、より低い圧力に向けて流れる。したがって、「下流」という用語は、典型的には、陰圧源に相対的により近い又は陽圧源からより遠く離れる流体経路内のものを意味する。逆に、「上流」という用語は、陰圧源から相対的により遠く離れる又は陽圧源により近いものを意味する。同様に、このような基準系における流体の「入口」又は「出口」の観点からある特徴部を説明することが便利であり得る。この向きは、概して、本明細書において様々な特徴部及び構成要素を説明する目的で想定されている。しかしながら、流体経路はまた、いくつかの用途では、陰圧源を陽圧源に置き換えることなどによって逆転されてもよく、この説明上の規定は、限定的な規定として解釈されるべきではない。
【0096】
開放創を有する組織部位の場合、封止治療環境において組織インタフェース120を介して組織部位にわたって適用される陰圧は、組織部位で巨大歪み及び微小歪みを誘発することができる。陰圧はまた、組織部位から浸出液及び他の流体を除去することができ、浸出液及び他の流体は容器115内に収集され得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、コントローラ130は、第1のセンサ135などの1つ以上のセンサからデータを受信し処理することができる。コントローラ130はまた、組織インタフェース120に送達される圧力を管理するために、治療システム100の1つ以上の構成要素の動作を制御することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ130は、所望の目標圧力を受け取るための入力を含んでもよく、組織インタフェース120に適用される目標圧力の設定及び入力に関するデータを処理するようにプログラムされてもよい。いくつかの例示的実施形態では、目標圧力は、組織部位における療法に所望される目標陰圧として操作者によって設定され、次いで、コントローラ130に入力として提供される固定圧力値であってもよい。目標圧力は、組織部位を形成する組織のタイプ、(存在する場合)負傷又は創傷のタイプ、患者の病状、及び主治医の選好に基づいて、組織部位毎に変化し得る。所望の目標圧力を選択した後、コントローラ130は、目標圧力に基づいて、陰圧源105を1つ以上の制御モードで動作させることができ、組織インタフェース120における目標圧力を維持するために1つ以上のセンサからフィードバックを受信することができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、コントローラ130は、連続圧力モードを有することができ、連続圧力モードでは、陰圧源105は、処置の期間中又は手動で停止されるまで、一定の目標陰圧を提供するように動作される。追加的又は代替的に、コントローラは間欠圧力モードを有することができる。例えば、コントローラ130は、陰圧源105を動作させて、目標圧力と大気圧との間を循環させることができる。例えば、目標圧力は、指定された期間(例えば、5分)にわたって-135mmHgの値に設定され、続いて指定された期間(例えば、2分)にわたって停止されてもよい。このサイクルは、目標圧力と大気圧との間に矩形波パターンを形成することができる陰圧源105を作動させることによって繰り返されてもよい。
【0099】
いくつかの例示的実施形態では、周囲圧力から目標圧力への陰圧の増加は、瞬間的でない場合がある。例えば、陰圧源105及びドレッシング110は、初期上昇時間を有し得る。初期上昇時間は、使用されているドレッシング及び治療機器(therapy equipment)のタイプに応じて変化し得る。例えば、ある治療システムに関する初期上昇時間は、約20~30mmHg/秒の範囲であってもよく、別の治療システムに関する初期上昇時間は、約5~10mmHg/秒の範囲であってもよい。治療システム100が間欠モードで動作している場合、繰り返し上昇時間は、初期上昇時間に実質的に等しい値であり得る。
【0100】
いくつかの例示的動的圧力制御モードでは、目標圧力は時間と共に変化し得る。例えば、目標圧力は、+25mmHg/分の速度に設定された上昇時間及び-25mmHg/分に設定された降下時間と共に50~135mmHgの陰圧の間で変化する三角波形の形態で変化し得る。治療システム100のいくつかの実施形態では、三角波形は、+30mmHg/分の速度に設定された上昇時間及び-30mmHg/分に設定された降下時間と共に25~135mmHgの陰圧の間で変化し得る。
【0101】
いくつかの実施形態では、コントローラ130は、動的圧力モードにおいて、可変目標圧力を制御又は決定することができ、可変目標圧力は、所望の陰圧の範囲として操作者によって規定された入力として設定され得る最大圧力値と最小圧力値との間で変化し得る。可変目標圧力はまた、コントローラ130によって処理及び制御されてもよく、コントローラ130は、三角波形、正弦波形、又は鋸歯状波形などの所定の波形に従って、目標圧力を変化させることができる。いくつかの実施形態では、波形は、療法に所望される所定の陰圧又は時間と共に変化する陰圧として、操作者によって設定されてもよい。
【0102】
開放創を有する組織部位に陰圧療法を提供することに加えて、本明細書に記載されている治療システム100は、インタクトな皮膚又は表皮を有するが、例えば靭帯又は筋肉などの皮下組織に挫傷及び筋挫傷を含む組織部位を処置するために使用され得る。
【0103】
図2は、ドレッシング110の例の側面図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
図2の例示的実施形態では、ドレッシング110は、組織部位200に陰圧を送達するように構成されている。
図2の例に示されているように、組織部位200は、患者の足部205の上にあってもよく、又は患者の足部205に近接してあってもよい。組織インタフェース120は、組織部位200の周りに周方向に配置されるように構成されてもよい。
図2のドレッシング110と共に、ブーツ210がまた含まれ、ブーツ210は、ソール215、つま先芯(toe box)220、及び1つ以上の任意選択の安定化部材225を備え得る。ブーツ210は、足部205、足首230、及び脚部235の一部分のうちの1つ以上を支持するように構成されてもよい。カバー125は、第1の封止部材240によって足首230の上の脚部235に封止されてもよく、第2の封止部材245によってソール215の周辺部250に封止されてもよい。ドレッシング110は、流体導管260を介して陰圧源105に組織インタフェース120を流体的に結合して組織部位200に陰圧を送達することができるドレッシングインタフェース255を更に含み得る。
【0104】
図3は、
図2のドレッシング110の破断図である。図示されているように、いくつかの実施形態では、組織インタフェース120は、脚部235の一部分、足首230、及び足部205の形状に適合する一次マニホールド300を備える。組織インタフェース120は、2つの開口端部を有してもよく、患者のつま先302を覆わなくてもよい。いくつかの実施形態では、組織インタフェース120は、組織部位200の上に引っ張られ得るつま先出し靴下又はスリーブの形状で形成されてもよい。
【0105】
いくつかの実施形態では、組織インタフェース120は、開口する第1の端部305及び第2の端部310を有する一般にチューブ形状の単一の構成要素として成形されてもよく、組織インタフェース120は、足部205の上に引っ張られるように構成されてもよい。つま先302は、第1の端部305を介して組織インタフェース120内に挿入されてもよい。組織インタフェース120は、第1の端部305が足首230の上に及び足首230を越えて延在し脚部235の少なくとも一部分の上方に延在するように、足部205まで引っ張り上げられてもよい。足部205のつま先302は、組織インタフェース120の第2の端部310から外に及び第2の端部310を越えて延在し得る。いくつかの実施形態では、組織インタフェース120は、ブーツ形状であってもよい。例えば、組織インタフェース120は、ソール部分315と、ソール部分315に結合されたつま革部分320と、ソール部分315及びつま革部分320に結合されたクォータ部分(quarter portion)325と、クォータ部分325に結合されており、かつクォータ部分325から離れるように延在するふくらはぎ部分330とを有してもよい。いくつかの実施形態では、組織インタフェース120は、連続気泡発泡体のシート又はテープを含んでもよく、これは、脚部235の一部分、足首230、及び足部205の周りに巻き付けられ周方向で覆うように構成され得る。
【0106】
組織インタフェース120は、多くの形態をとってもよく、提供されている処置のタイプ又は組織部位200における表皮335の性質及びサイズなどの様々な要因に応じて、多くのサイズ、形状、又は厚さとなり得る。例えば、組織インタフェース120のサイズ及び形状は、足首230などの関節に位置する四肢の輪郭に適合されてもよい。組織インタフェース120の第2の開口端部310は、組織インタフェース120とつま先芯220との間に間隙を残さずに、つま先芯220の開口端部に当接又は接触してもよく、これは、表皮335が組織インタフェース120とつま先芯220との間で引っ張り上げられ挟持される可能性を低減又は排除することができる。いくつかの実施形態では、組織インタフェース120の第2の開口端部310がつま先芯220に当接又は接触しないように、組織インタフェース120とつま先芯220との間に間隙が存在してもよい。
【0107】
追加的に、いくつかの実施形態では、組織インタフェース120は、一次マニホールド300と組織部位200との間に配置され得る快適層(comfort layer)340を備えてもよい。快適層340は、一次マニホールド300を表皮335と直接接触させて配置するのではなく、患者に追加的快適性を提供するために使用されてもよい。快適層340は、組織インタフェース120と表皮335との間の気流を著しく妨げることなく皮膚の炎症を防止するのに役立つ任意の材料であってもよい。快適層340はまた、浸軟を防止するために表皮335から汗などの液体をウィッキングする任意の材料であってもよい。いくつかの例では、快適層340は、織布材料又はポリエステルニット布地基材であってもよい。いくつかの実施形態では、快適層340は、伸縮性ニット靴下であってもよい。Spartanburg,South CarolinaにあるMilliken Chemicalから入手可能なInterDry(商標)として知られている布地は、快適層340のいくつかの実施形態に好適な材料であり得る。快適層340はまた、抗菌物質又は減摩剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、別の層の代わりに、快適層340は、例えば、熱結合又は任意の他の技術によって一次マニホールド300に結合されてもよく、又は一次マニホールド300の一体構成要素であってもよい。
【0108】
図3の例におけるブーツ210は、組織インタフェース120を支持するように構成されている。患者の脚部235上、足首230、及び足部205上の組織インタフェース120の適用に続いて、足部205は、ブーツ210内に配置されてもよい。患者のつま先302はブーツ210のつま先芯220内に受容されてもよく、患者のソールはブーツ210のソール215によって支持されてもよい。ブーツ210は、適宜又は必要に応じて、組織部位200を支持及び/又は固定することができる。つま先芯220は、陰圧源105からの陰圧に供された場合、カバー125の圧潰を防止しカバー125を支持するのに十分な剛性であってもよい。つま先芯220は、陰圧が組織インタフェース120に供給された場合、患者のつま先302がカバー125によって圧迫されることを防止するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、つま先芯220は、独立気泡発泡体から形成されてもよい。つま先芯220のための独立気泡発泡体の使用はまた、つま先芯220から組織インタフェース120への移行が最小限にされることを可能にし得、これは、水疱形成の可能性を低減又は排除することができる。追加的に、いくつかの実施形態では、つま先芯220は、組織インタフェース120の厚さに等しい又は実質的に等しい厚さを有してもよい。いくつかの実施形態では、つま先芯220は、硬質プラスチック又は複合材料を含んでもよい。
図3の例に示されているように、つま先芯220は、ソール215と一体的に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、つま先芯220は、別々に製造され、ソール215に恒久的又は解放可能に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、つま先芯220は、患者又は医師がつま先芯220を介して患者のつま先302を見てつま先302を通る血流又は循環を確認することができるように、透明又は透過性であってもよい。いくつかの実施形態では、つま先芯220は、着色されてもよい(例えば、皮膚の色)。
【0109】
追加的に、いくつかの実施形態では、ブーツ210は、1つ以上の安定化部材225を更に含んでもよく、1つ以上の安定化部材225は、組織インタフェース120のふくらはぎ部分330に沿って、かつふくらはぎ部分330に近接して、ソール215から離れて延在し得る。いくつかの例では、第1の安定化部材225は、ソール215の内側から延在してもよく、第2の安定化部材(図示せず)は、ソール215の外側から延在してもよい。第1の安定化部材225及び第2の安定化部材は、一般に、患者の足首230並びに腓骨及び/又は脛骨と整列されてもよい。第1の安定化部材225及び第2の安定化部材は、組織インタフェース120及び/又は患者の足首230を安定化することができる。ソール215並びに第1の安定化部材225及び第2の安定化部材は、含まれる場合、組織インタフェース120を圧潰する外部環境からの接触によって組織インタフェース120が圧縮されることから保護し組織インタフェース120が組織部位200に陰圧を分配するのを防止するのに十分に剛性であり得る。
【0110】
図3の例に示されているように、カバー125は、チューブ又はスリーブ形状を有してもよく、開口する第1の端部345及び第2の端部350を有してもよい。カバー125の第1の端部345は、脚部235の周りに延在し得る第1の封止部材240によって、組織インタフェース120よりも上の患者の脚部235に封止されてもよい。第2の端部350は、ソール215の周りに延在し得る第2の封止部材245によって、ブーツ210のソール215に封止されてもよい。いくつかの例では、第2の端部350は、第1の端部345の直径よりも大きい直径を有してもよい。
図3のカバー125は、組織インタフェース120及びソール215に適合するように構成されている。カバー125及びソール215は、組織インタフェース120を収容するチャンバ355を形成しチャンバ355内の組織インタフェース120を封止するために協働することができる。カバー125は、例えば、組織部位200に隣接する治療環境とカバー125を取り囲む局所的外部環境との間などの2つの環境又は構成要素間に流体封止を提供することができる封止材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カバー125は、組織インタフェース120、及びブーツ210の少なくとも一部分の周りに巻き付けられ組織インタフェース120、及びブーツ210の少なくとも一部分を周方向で覆うように構成されてもよい。カバー125はまた、組織部位200の周りに周方向で延在してもよく、ソール215と協働して、第1の封止部材240及び第2の封止部材245は、組織部位200を包囲するチャンバ355を形成して陰圧環境を提供することができる。陰圧源105からの陰圧は、組織インタフェース120によって組織部位200へ分配されてもよい。カバー125を形成する封止材料は、例えば、チャンバ355内の所望の陰圧を維持するのに適切な封止を提供する不透過性又は半透過性材料であってもよい。いくつかの実施形態では、カバー125は、足部205の上及び脚部235の少なくとも一部分の上に伸張される封止材料から形成された一般にはチューブ形状である単一の構成要素として成形されてもよい。カバー125は、組織インタフェース120、及びブーツ210のソール215に適合してもよい。カバー125は、約25~約50ミクロンの範囲の厚さを有してもよい。しかしながら、カバー125は、50ミクロン超の厚さを有してもよい。いくつかの実施形態では、カバー125は、約25ミクロン~約3.175ミリメートルの範囲の厚さを有し得る。
【0111】
第1の封止部材240及び第2の封止部材245は取付デバイスの例であり、これは、カバー125を患者及びソール215にそれぞれ封止するように構成され得る。例えば、第1の封止部材240は、カバー125の第1の端部345に流体封止を提供するために、表皮335に対してカバー125の第1の端部345の周りに巻き付けられた弾性テープであってもよい。いくつかの実施形態では、第1の封止部材240は、表皮335、ガスケット、又は別の封止部材などの取付表面にカバー125を取り付けるために、カバー125と表皮335との間に配置されてもよい。第1の封止部材240はまた、カバー125が脚部235からずれ下がるのを防止するように構成された接着材料であってもよい。例えば、第1の封止部材240は、シリコーンテープ又は接着性ガスケットであってもよい。第1の封止部材240は、表皮335を刺激又は浸軟することなく封止品質及び接着品質の両方を提供することができる多くの形態をとることができる。第1の封止部材240は、表皮335とカバー125との間に気密封止を提供するためにカバー125の第1の端部345の周辺の周りに延在する医学的に許容可能な感圧接着剤であってもよい。第1の封止部材240の他の例示的実施形態は、両面テープ、糊、ヒドロコロイド、ヒドロゲル、シリコーンゲル、オルガノゲル、又はアクリル系接着剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の封止部材240は、非接着性であってもよい。例えば、第1の封止部材240は、流体封止を提供するために脚部235上及びカバー125の上に固定され得るネオプレンスリーブを含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の封止部材240は、患者が脚部235を挿入し得る中央開口部を有するシリコーンガスケット又はリング封じを含んでもよい。例えば、このようなリング封じは、Boston,MassachusettsのBrownmedから入手可能なSEAL-TIGHT cast及び包帯プロテクタからのダイアフラムであってもよい。
【0112】
第2の封止部材245はまた、いくつかの実施形態では弾性テープであってもよい。例えば、第2の封止部材245は、カバー125の第2の端部350に流体封止を提供するためにソール215に対してカバー125の第2の端部350の周りに巻き付けられ得る弾性テープであってもよい。カバー125の第2の端部350は、ソール215の周辺部250に、又は周辺部250の上に配置されてもよい。第2の封止部材245は、カバー125を封止するためにソール215の周辺部250及びカバー125の第2の端部350の周りに巻き付けられてもよい。いくつかの実施形態では、第2の封止部材245は、例えば、ガスケット、別の封止部材、又はソール215などの取付表面にカバー125を取り付けるために、カバー125とソール215との間に配置されてもよい。第2の封止部材245はまた、カバー125がソール215からずれ上がるのを防止する接着材料であってもよい。第2の封止部材245は、封止品質及び接着品質の両方を提供することができる多くの形態をとることができる。いくつかの実施形態では、第2の封止部材245は、第1の封止部材240と同じであってもよい。例えば、第2の封止部材245はまた、ソール215とカバー125との間に気密封止を提供するためにカバー125の第2の端部350の周辺の周りに延在する医学的に許容可能な感圧接着剤であってもよい。第2の封止部材245の他の例示的実施形態は、両面テープ、糊、ヒドロコロイド、ヒドロゲル、シリコーンゲル、オルガノゲル、又はアクリル系接着剤を含んでもよい。カバー125の第2の端部350は、ソール215の周辺部250の周りに延在するように
図3に示されているが、いくつかの実施形態では、カバー125の第2の端部350は、ソール215の周辺部250の周りに部分的に延在してもよく、次いで、つま先芯220の上に延在してもよい。第2の封止部材245は、カバー125をブーツ210に流体的に封止するために、同様の経路又は形状に従ってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、カバー125の第2の端部350は、ブーツ210の別の部分に封止されてもよい。
【0113】
陰圧は、流体導管260及びドレッシングインタフェース255を介してチャンバ355に供給されてもよい。流体導管260は、例えば、一方の端部でドレッシングインタフェース255に流体的に結合され得る可撓性のチューブであってもよい。ドレッシングインタフェース255は、
図3の例に示されているように、カバー125内の開口部360の上に配置されて流体導管260と組織インタフェース120との間に流体経路を提供することができるエルボ形コネクタであってもよい。
【0114】
ドレッシング110は長期間にわたって表皮335上に配置され得るため、組織インタフェース120は、チャンバ355内の発汗及び暖かい温度によって引き起こされる真菌感染及びこのような感染の拡散のリスクを軽減するための抗菌特性を有してもよい。組織インタフェース120の抗菌特性は、VOCの効果を低減して、ドレッシング110により生成される臭気を低減することができる。抗菌特性は、組織インタフェース120を覆う銀コーティングによって、又はカバー125への銀添加によって達成されてもよい。抗菌特性を有する組織インタフェース120の使用は、ドレッシング110によって生成される臭気を更に低減するために、流体導管260を介してドレッシング110に陰圧を提供することに関連して、チャコールフィルタ(図示せず)と共に使用されてもよい。
【0115】
図4及び
図5は、いくつかのドレッシング110に関連し得る組織インタフェース120の例示的実施形態の等軸測視図である。
図4の例に示されているように、組織インタフェース120は、患者に対して配置されてもよく足部205の少なくとも一部分、足首230、及び脚部235の周りに巻き付けられてもよい材料のシートから形成されてもよい。組織インタフェース120は、いくつかの実施形態では、解剖学的形状を有してもよく、又は患者の周りに巻き付けられたとき解剖学的形状を有する若しくは解剖学的形状と適合するような形状を有してもよい。例えば、
図5では、組織インタフェース120は、足部205の少なくとも一部分、足首230、及び脚部235に適合するように構成された形状を有する。追加的に、
図5の例で更に示されているように、組織インタフェース120は、組織インタフェース120が患者の周りに巻き付けられたときそれ自体に当接する継ぎ目500を形成してもよい。単一の継ぎ目500が
図5の例に示されているが、組織インタフェース120は、患者の周りに巻き付けられたとき、複数の継ぎ目を形成してもよい。追加的に、継ぎ目500は、脚部235及び足部205の前方を下方に一直線に一般には延在するように示されているが、1つ以上の継ぎ目500は非直線状であってもよく、患者の脚部235及び足部205の他の部分に沿って位置してもよい。
図5の例で更に示されているように、1つ以上のストラップ505は、継ぎ目500の上で組織インタフェース120に結合されて継ぎ目500を閉じ、ドレッシング110が使用されているとき継ぎ目500が閉じたままであることを確実にすることができる。ストラップ505は、陰圧が組織インタフェース120に適用された場合、継ぎ目500が開く又は開き別れるのを防止することができる。いくつかの実施形態では、ストラップ505は、接着剤(例えば、感圧接着剤)、マジックテープ式ファスナ(例えば、VELCROファスナ)、又は任意の他の好適な結合メカニズムを介して、組織インタフェース120に結合することができる。いくつかの実施形態では、
図5の例に示されているように、ストラップ505は短くてもよく、組織インタフェース120の一部分の周りにのみ延在してもよい。いくつかの実施形態では、ストラップ505のうちの少なくとも1つは、組織インタフェース120の周りに周方向に延在してもよく、それ自体と結合してもよい。いくつかの実施形態では、ストラップ505は弾性ループを含んでもよく、これは、組織インタフェース120上に伸長し滑ることができ、解放された場合、ストラップ505内の張力によって組織インタフェース120を定位置に保持することができる。
図5に示されているように、組織インタフェース120は、患者のつま先302を覆わなくてもよい。
図5に示されている組織インタフェース120は、患者がチューブ形状の組織インタフェース120内に患者の足部205を挿入することができないほどに組織部位への負傷が十分に重度である患者にとって特に有益であり得る。
【0116】
図6は、ドレッシング110の別の例の破断図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
図6の例示的実施形態では、陰圧源105は、ブーツ210内に収容されている。いくつかの実施形態では、陰圧源105は、患者によって動作可能であるブーツ210のソール215に位置する圧縮可能な空気袋システムであってもよい。例えば、陰圧源105は、2つ以上の圧縮可能な空気袋605を備えてもよい。各圧縮可能な空気袋605は、チャンバ615を実質的に包囲するチャンバ壁部610を含んでもよい。圧縮可能な空気袋605は、陰圧を生成するために、圧縮位置と拡張位置との間で可動である。連続気泡発泡体などの弾力性部材620は、圧縮可能な空気袋605を拡張位置に向けて付勢するために、チャンバ615内に配置され得る。
【0117】
動作中、
図6の圧縮可能な空気袋605は、患者の足部205の下に配置されている。圧縮可能な空気袋605のうちの一方は、足部205の踵領域の下に配置されてもよく、圧縮可能な空気袋605の他方は、好ましくは足部205の前足部領域の下に配置されてもよい。患者の重量が特定の圧縮可能な空気袋605に加えられると、圧縮可能な空気袋605は圧縮位置に圧縮され、チャンバ615内の気体(例えば空気)が、出口(図示せず)及び出口弁(図示せず)を介して排出される。患者の重量が圧縮された圧縮可能な空気袋605から取り除かれると、圧縮可能な空気袋605は、拡張位置に向かって移動し始める。拡張位置へ向かう圧縮可能な空気袋605の移動は、付勢部材620によって補助されてもよい。圧縮可能な空気袋605が拡張すると、チャンバ615の体積が増加し、これはチャンバ615内に陰圧を作り出す。チャンバ615内のこの陰圧は、入口弁(図示せず)及び入口625を介してチャンバ615内に流体を引き込む。拡張中に圧縮可能な空気袋605によって生成された減圧は、圧縮可能な空気袋605の各々のチャンバ615及び入口625に流体的に結合された流体導管630によって、組織インタフェース120に伝達され得る。
図6の例で示されているように、流体導管630は、ブーツ210内に位置してもよく、チャンバ615内のブーツ210内に位置する入口635を有してもよい。流体導管630の入口635がチャンバ615内に位置する場合、流体導管630は、組織インタフェース120に陰圧を提供するためにカバー125に機械的に結合されている必要がない。圧縮可能な空気袋システムは、カバー125内にドレッシングインタフェース255又は開口部360を含む必要性を排除することができる。追加的に、ブーツ210内に圧縮可能な空気袋システムを含むことにより、外部陰圧源の必要性が排除され得る。
【0118】
したがって、組織部位200を陰圧で処置する方法は、ドレッシング110を使用して実施されてもよい。ドレッシング110のいくつかの実施形態は、足部を処置するように構成されてもよい。ドレッシング110の他の例示的実施形態は、例えば、膝関節、足首関節、手首関節、又は肘関節などの他の関節に関連する靭帯又は筋肉の処置に好適であり得る。方法は、組織インタフェース120を組織部位の周りに周方向で配置することを含み得る。方法は、組織インタフェース120をカバー125で包囲することを更に含んでもよい。次いで、カバー125は、組織インタフェース120よりも上の脚部235の周りに封止されてもよい。第1の封止部材240は、脚部235の周りにカバー125を封止するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、第1の封止部材240がシリコーンリング又はガスケットを含む場合、第1の封止部材240は、組織インタフェース120を患者上に配置する前に、組織部位200の上の患者の脚部235の周りに適用されてもよい。次いで、方法は、組織インタフェース120をブーツ210のソール215内に挿入し続け、ソール215に結合されたつま先芯220内に患者のつま先302を挿入し続けることができる。次いで、カバー125は、ソール215に封止されてもよい。第2の封止部材245は、カバー125をソール215に封止するために使用されてもよい。方法は、組織インタフェース120を陰圧源105に流体的に結合することを更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、例えば、ドレッシングインタフェース255は、陰圧源105を組織インタフェース120に流体的に結合してもよい。次いで、陰圧は、カバー125と組織部位200との間の封止された空間内で、組織インタフェース120を介して組織部位200に適用されてもよい。陰圧の適用は、カバー125を圧潰させ堅くさせることができ、これは、組織部位200を安定化することができる。表皮335はまた、陰圧によって半径方向外側に引っ張られてもよく、これは、組織部位200における灌流を促進することができる。
【0119】
このような処置モードは、軟組織への挫傷及び他の損傷に特に有利であり得る。例えば、ドレッシング110のいくつかの実施形態は、手足の周りに巻き付けられることなく、挫傷を有する組織部位200の一部分の上のインタクトな皮膚のみを覆ってもよい。例えば、挫傷が表皮組織に近い場合、このような実施形態は、挫傷に隣接するインタクトな皮膚のこの部分により局所的に適用されてもよい。
【0120】
組織インタフェース120は、チャンバ355が組織部位200における挫傷の負傷を包み込むように、組織部位200の上又は周りに延在する表皮335に近接して配置されてもよい。カバー125は、組織インタフェース120を覆って、組織インタフェース120及び組織部位200の表皮335をチャンバ355内に封止又は包囲することができる。その結果、カバー125はまた、組織部位200の表皮335の上に延在することができ、チャンバ355を本質的に形成し組織部位200を包囲して、陰圧環境を提供し、陰圧環境において、陰圧は組織インタフェース120によってインタクトな皮膚に分配される。ドレッシング110は、組織部位200を取り囲みカバー125の外側の外部周囲環境から実質的に隔離された表皮335に近接して封止治療環境を提供することができる。
図2、
図3、及び
図4では、ドレッシング110は、組織インタフェース120への陰圧の適用なしで示されている。陰圧がチャンバ355に適用される場合、カバー125は、空気の大部分がチャンバ355から除去されるまで圧潰され得る。カバー125は、初期に、組織部位200を取り囲む表皮335に対して圧潰され得、組織部位200及び関節自体を安定化するために副木のように機能し得るある量の堅さを提供する。陰圧源105は、カバー125が完全に圧潰され組織インタフェース120が圧縮されるように、チャンバ355から空気の大部分を排出し続けることができる。
【0121】
図7は、線7-7に沿った
図3の断面図である。
図7の例に示されているように、カバー125が完全に圧潰された後、陰圧は、矢印700によって示されているように、インタクトな皮膚を半径方向外側に引っ張り始める。組織インタフェース120内の流路は、陰圧下では圧潰されない。代わりに、組織インタフェース120の流路は、陰圧を表皮335に適用するために開放したままである。組織インタフェース120によって表皮335に分配される陰圧は、組織部位200を圧縮するのではなく、持続期間にわたり表皮335をカバー125に向かって空気圧的に引っ張ることによって、灌流を促進することができる。カバー125の初期圧潰は、組織部位200にある量の副木固定を提供することができ、続いて、灌流を促進することができるチャンバ355内の持続除圧サイクルを提供することができる。カバー125の厚さの増加はまた、カバー125の剛性を増加させることができ、これは、陰圧が組織インタフェース120に供給された際に、表皮335への追加的又は増加した揚力(lift)の適用を可能にすることができる。表皮335は、カバー125の内側に半径方向で押し出されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、組織インタフェース120の厚さを増加させてもよく、カバー125の厚さを減少させてもよく、これは、表皮335の同様の半径方向の移動を引き起こすことができる。追加的に又は代替的に、
図7の例に示されているように、ドレッシング110はまた、組織部位200における創傷又は切開部705の治癒を促進し得る。
【0122】
図8は、ドレッシング110の別の例の様々な内部構成要素の等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。いくつかの実施形態では、例えば、つま先芯220は、組織インタフェース120に当接してもよい。いくつかの実施形態では、つま先芯220は、患者のつま先を分離するように構成されたつま先分離箇所を含んでもよい。追加的に又は代替的に、つま先芯220は、チャンバ355内の発汗及び暖かい温度によって引き起こされる真菌感染及びこのような感染の拡散のリスクを軽減するための抗菌特性を有してもよい。
【0123】
図9は、カバー125の別の例の等軸測視図であり、ドレッシング110のいくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。いくつかの実施形態では、カバー125は、シリコーン、ラテックス、ポリウレタン、エポキシ、ネオプレン、プラスチゾル、又は他の合成若しくは天然ポリマー若しくはゴムを含むがこれらに限定されない種々の好適な材料から一体的に成形されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、カバー125は、足型のマンドレルを使用して、浸漬成形によって製造されてもよい。
図9のカバー125は、開口する第1の端部900を含む。カバー125の成形に続いて、組織インタフェース120及びつま先芯220をカバー125内に挿入してもよく、又はカバー125をつま先芯220及び組織インタフェース120の上及び上方に引っ張ることができる。カバー125は、継ぎ目封止部材910によって封止されるように構成された少なくとも1つの継ぎ目905を含んでもよい。
図9の例では、継ぎ目905は、脚部235の外側を下方に一直線に一般には延在するように示されている。いくつかの実施形態では、継ぎ目905は非直線状であってもよく、脚部235及び/又は足部205の他の部分に沿って位置してもよい。継ぎ目905は、ドレッシング110のより容易な適用及び除去を可能にし得る。継ぎ目905は、カバー125を組織部位200の上に適用するために開かれてもよく、適用されると、継ぎ目905は閉じられ封止されてもよい。
【0124】
いくつかの実施形態では、陰圧源105は、カバー125に結合されたポンプを備えてもよく、又はこのようなポンプから本質的になってもよい。例えば、
図9の陰圧源105はベローズ式ポンプであり、これは、組織インタフェース120に陰圧を供給するように作動されてもよい。
【0125】
図10は、組織インタフェース120の別の例の分解立体図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。いくつかの実施形態では、快適層340は、一次マニホールド300に結合されてもよく、又は一次マニホールド300内に配置されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、一次マニホールド300は第1の端部1000及び第2の端部1005を有してもよく、快適層340は第1の端部1010及び第2の端部1015を有してもよい。快適層340の第1の端部1010は、例えば第1のテープ1020などの第1の取付デバイスによって、一次マニホールド300の第1の端部1000に結合されるように構成されてもよい。快適層340の第2の端部1015は、例えば第2のテープ1025などの第2の取付デバイスによって、一次マニホールド300の第2の端部1005に結合されるように構成されてもよい。快適層340の残りの部分は、一次マニホールド300に対して独立して移動することができ、これは、強化された快適性を患者に提供することができ、組織インタフェース120が陰圧に供されたときの快適層340の挟持又はバンチングの低減をもたらすことができる。第1のテープ1020及び第2のテープ1025は、快適層340の第1の端部1010及び快適層340の第2の端部1015の周りにそれぞれ部分的にのみ延在するように示されているが、いくつかの実施形態では、第1のテープ1020及び第2のテープ1025の一方又は両方は、快適層340の第1の端部1010及び快適層340の第2の端部1015の周りにそれぞれ完全に延在してもよい。
【0126】
図11は、組織インタフェース120の別の例の分解立体図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。いくつかの実施形態では、快適層340は、その全長に沿って一次マニホールド300に結合されてもよい。例えば、組織インタフェース120は、例えば一次マニホールド300に面するように構成された快適層340の側面に適用される接着剤1100などの取付デバイスによって、一次マニホールド300に結合されるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、接着剤1100は、快適層340の側面の一部分のみに適用されてもよい。いくつかの実施形態では、接着剤1100は、快適層340の側面の全体に適用されてもよい。いくつかの実施形態では、接着剤1100は、快適層340の側面の2つ以上の不連続領域に適用されてもよい。いくつかの実施形態では、接着剤1100は、快適層340に面するように構成された一次マニホールド300の側面に適用されてもよい。いくつかの実施形態では、接着剤1100は、一次マニホールド300の側面の一部分のみに適用されてもよい。いくつかの実施形態では、接着剤1100は、一次マニホールド300の側面の全体に適用されてもよい。いくつかの実施形態では、接着剤1100は、一次マニホールド300の側面の2つ以上の不連続領域に適用されてもよい。快適層340を一次マニホールド300に結合することは、快適層340に構造体を提供することができる。
【0127】
図12は、
図8の組織インタフェース120を示す等軸測視図である。
図12に示されているように、組織インタフェース120は、例えば患者の足部205に近接して、組織部位200に適用される。組織インタフェース120は、第1の部分1200及び第2の部分1205を有してもよい。第1の部分1200は、足部205の足背部及び足底の少なくとも一部分を周方向に覆うように構成されてもよい。第2の部分1205は、患者の下腿の少なくとも一部分を周方向に覆うように構成されてもよい。
【0128】
図13は、線9-9に沿った
図9のドレッシング110の詳細な断面図であり、いくつかの実施形態に関連し得るドレッシング110の追加的詳細を示す。陰圧源105は、チャンバ組立体1300、吸入弁1305、排出弁1310、及び液気分離器1315を含んでもよい。チャンバ組立体1300は、チャンバ壁部1320と、チャンバ壁部1320の底部から外側に延在する基部1325とを含んでもよい。チャンバ壁部1320は、ポンプチャンバ1330を画定し得る。基部1325は、ポンプチャンバ1330をカバー125に封止するために、カバー125に解放可能に又は恒久的に結合されてもよい。ポンプチャンバ1330は、吸入弁1305、液気分離器1315、及びカバー125内の開口部1335を介して、組織インタフェース120に流体的に結合されてもよい。チャンバ組立体1300は、排出弁1310をポンプチャンバ1330に流体的に結合することができる排出ダクト1340を更に含んでもよい。排出弁1310は、ポンプチャンバ1330からの一方向の流体流のみを可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、排出弁1310はダックビル弁であってもよい。吸入弁1305は、ポンプチャンバ1330と流体的に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、吸入弁1305は、ポンプチャンバ1330内への一方向の流体流のみを可能にしてもよい。
図13に示されているように、いくつかの実施形態では、吸入弁1305は平弁であってもよい。いくつかの実施形態では、吸入弁1305は、ダックビル弁であってもよい。
図13の例で更に示されているように、いくつかの実施形態では、液気分離器1315は、吸入弁1305とカバー125との間に位置してもよい。液気分離器1315は、液体がカバー125内の開口部1335を介して組織インタフェース120から出るのを防止する役割を果たす。液気分離器1315は、気体連通を可能にし得るが、組織インタフェース120とポンプチャンバ1330との間の液体連通を実質的に防止し得る。
【0129】
陰圧源105は、チャンバ壁部1320を基部1325に向かって押すことによって作動させてもよく、これは、ポンプチャンバ1330が圧縮され、排出弁1310を介してポンプチャンバ1330から流体を排出させる。次いで、チャンバ壁部1320が押されなくなったとき、チャンバ壁部1320は、基部1325から離れるように移動する。ポンプチャンバ1330の体積が増加し、ポンプチャンバ1330は真空を引き込み、カバー125内の開口部1335、液気分離器1315、吸入弁1305を介して、チャンバ355内からポンプチャンバ1330内へ流体を引き込む。ポンプ作用は陰圧源105が作動されている限り続く。いくつかの実施形態では、陰圧源105は、手動で作動されてもよい。いくつかの実施形態では、陰圧源105は、電動ポンプアクチュエータによって作動されてもよい。
【0130】
図14は、ポンプアクチュエータ1400を有する
図9のドレッシング110の等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
図14に示されているように、ポンプアクチュエータ1400は、ドレッシング110に結合されてもよい。ポンプアクチュエータ1400は、陰圧源105を周期的に作動させるためのメカニズムを含んでもよい。例えば、ポンプアクチュエータ1400は、カムを回転させて陰圧源105のチャンバ壁部1320を周期的に押すように構成された電動モータを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ポンプアクチュエータ1400は、バッテリ駆動であってもよい。
【0131】
図15は、組織インタフェース120の例の分解立体図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
図15の例示的実施形態では、組織インタフェース120は、支持層1500を更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、支持層1500は、ソール部分1505、及びソール部分1505から上方に延在する上部1510を含んでもよい。
図15に示されているように、いくつかの実施形態では、上部1510は、一次マニホールド300の少なくとも一部分の周りに周方向に延在してもよい。支持層1500は、一次マニホールド300とカバー125との間に位置するように構成されてもよい。
【0132】
図16は、
図15の支持層1500を含むドレッシング110の例の背面等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
図16の例示的実施形態では、ドレッシング110は、陰圧下で示されている。陰圧が適用されると、カバー125は圧潰され得、支持層1500に対して引っ張られ得る。次いで、支持層1500の輪郭は、カバー125を通して見えてもよい。陰圧の適用下で支持層1500の輪郭がカバー125を通して見えることは、陰圧が組織インタフェース120に適用されていることを示すのに有用であり得る。ドレッシング110のサイズに起因して、及び陰圧源105の動作特性に応じて、チャンバ355内の流体を実質的に又は完全に排出するためにある程度の時間がかかる場合がある。したがって、陰圧が適用されてからある長さの時間の後に、支持層1500の輪郭がカバー125を通して識別されない場合、これは、ドレッシング110における漏れを示し得る。
【0133】
図17は、ドレッシング110の例の等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
図17に示されているように、ドレッシング110は、組織部位200に近接して患者の足部205、足首230、及び脚部235の一部分を完全に包囲してもよい。カバー125の第1の端部900は、第1の封止部材240によって足首230よりも上の脚部235に封止されてもよい。
【0134】
図18は、ドレッシング110の例の背面等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
図18の例示的実施形態では、ドレッシング110の継ぎ目905は、カバー125の背面(すなわち、脚部235の後側)に沿って延在してもよい。追加的に、カバー125は、第1のカバー部分1800及び第2のカバー部分1805から形成されてもよい。第1のカバー部分1800及び第2のカバー部分1805は、カバー継ぎ目1810で互いに結合されてもよい。
【0135】
図19は、ドレッシング110の例の等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
図19に示されているように、ドレッシング110は、脚部235の前側を下方に概ねジグザグの状線に延在する継ぎ目905を含む。いくつかの実施形態では、ドレッシング110は陰圧源105を更に含んでもよく、陰圧源105はダイアフラム型ポンプである。
【0136】
図20は、線20-20に沿った
図19のドレッシング110の詳細な断面図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。陰圧源105は、チャンバ組立体1300、吸入弁1305、及び液気分離器1315を含んでもよい。チャンバ組立体1300は、チャンバ壁部1320、突起部2000、内側取付リップ2005、リム部2010、外側取付リップ2015、及び基部1325を備えてもよい。
図20に示されているように、チャンバ壁部1320は概して半球形であってもよく、ドーム形状を有し得る第1の部分2020、及びチャンバ壁部1320の周辺の周りに延在するU字形を有し得る第2の部分2025を含む。突起部2000は円筒状であってもよく、第1の部分2020の中心から離れて延在してもよい。排出ダクト1340は、突起部2000を通って延在してもよい。排出弁1310は、排出ダクト1340内に位置してもよい。排出弁1310は、ポンプチャンバ1330からの一方向の流体流のみを可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、排出弁1310はダックビル弁であってもよい。チャンバ組立体1300は、突起部2000の頂部から半径方向外側に延在し得る内側取付リップ2005を更に含む。追加的に、チャンバ組立体1300のリム部2010は、チャンバ壁部1320の周辺の周りに延在してもよい。いくつかの実施形態では、外側取付リップ2015は、リム部2010の頂部から半径方向内側に延在してもよい。
図20に示されているように、チャンバ壁部1320の第2の部分2025は、外側取付リップ2015の底面に結合されてもよい。基部1325は、リム部2010の底部から半径方向外側に延在してもよい。
【0137】
図21は、組織インタフェース120の別の例の等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
図21に示されているように、いくつかの実施形態では、組織インタフェース120は、開口ソール2100を有してもよい。組織インタフェース120は、患者の足部205の裏又は足底を覆っていなくてもよい。
【0138】
図22は、ドレッシング110の別の例の等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。ドレッシング110の第1の封止部材240は、カバー125と一体的に形成されてもよい。例えば、カバー125が浸漬成形プロセスを介して形成される実施形態では、カバー125を形成するために使用される材料は、第1の封止部材240を形成するために組織インタフェース110の上方に十分な距離で延在してもよい。第1の封止部材240は、カバー125の延在部であってもよい。第1の封止部材240は、足部205を脚部235まで引き上げることができるように第1の封止部材240の拡張を可能にするのに十分な弾力性であってもよく、第1の封止部材240は収縮し脚部235の形状に適合することができ、脚部235の周りに流体封止を作り出す。いくつかの実施形態では、陰圧源105はまた、カバー125と一体的に形成されてもよい。
【0139】
図23は、ドレッシング110の別の例の断面図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
図23の例では、組織インタフェース120は、中間層2300を含む。快適層340は、一次マニホールド300の第1の側部に位置してもよく、組織部位に接触するように構成され得る。中間層2300は、快適層340の反対側の一次マニホールド300の第2の側部に位置してもよい。中間層2300は、一次マニホールド300の外側を覆ってもよい。中間層2300は、独立気泡発泡体又は他の好適な非多孔質材料の層を含んでもよい。
図23のドレッシング110は、つま先芯220を組織インタフェース120に結合することによって構築されてもよい。次いで、カバー125は、つま先芯220及び組織インタフェース120の上に形成されてもよい。例えば、つま先芯220及び組織インタフェース120は、浸漬成形プロセスを介してカバー125を形成するために、好適な材料に浸漬されてもよい。浸漬成形プロセスは、つま先芯220及び組織インタフェース120の真上にカバー125を形成してもよい。中間層2300及びつま先芯220の独立気泡構築物は、カバー125の成形材料が組織インタフェース120の連続気泡内に入り組織インタフェース120を詰まらせるのを防止することができる。開口部360は、一次マニホールド300に送達される陰圧のための流体通路を作り出すために、カバー125及び中間層2300内に形成されもよい。
【0140】
図24は、ドレッシング110の別の例の等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
図24の例に示されているように、カバー125の第1の端部345及び第2の端部350は、開口してもよい。使用時、患者のつま先は、カバー125の第2の端部350から外に延在してもよい。
図24は、封止部材910が継ぎ目905の上に気密封止を提供するように構成されたジッパを備える又はこのようなジッパからなるカバー125の例を更に示す。陰圧は、流体導管260及びドレッシングインタフェース255を介してドレッシング110の内部に供給されてもよい。
【0141】
図25は、
図24のドレッシング110の組織インタフェース120の例の正面図である。
図25の例では、第1の端部1000及び第2の端部1005は、開口する。一次マニホールド300は、第1の端部1000から第2の端部1005まで少なくとも部分的に延在し得る継ぎ目2500を有してもよい。継ぎ目2500は、組織インタフェース120のより容易な適用及び除去を可能にし得る。
図25で更に示されているように、快適層340は、一次マニホールド300に結合されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、快適層340の第1の端部1010は、例えばテープ1020などの第1の取付デバイスによって、一次マニホールド300の第1の端部1000に結合されるように構成されてもよい。快適層340の第2の端部1015は、例えばテープ1025などの第2の取付デバイスによって、一次マニホールド300の第2の端部1005に結合されるように構成されてもよい。
図25に示されているように、いくつかの実施形態では、例えば、快適層340の第1の端部1010の裏側のみが一次マニホールド300に結合されてもよく、快適層340の第2の端部1015は、一次マニホールド300の第2の端部1005に近接してカバー125に面するように構成された一次マニホールド300の側部に結合されてもよい。支持層1500は、快適層340の反対側の一次マニホールド300に結合されてもよい。支持層1500は、一次マニホールド300よりも剛性が高い材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、例えば、支持層1500は、約1/16インチ(約1.5875mm)の厚さ、及び50ショアA硬度を有するネオプレンシートから形成されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、支持層1500は、Huntington,West VirginiaのRubberlite Incorporatedから入手可能なHyPUR-cel(商標)発泡体などのポリウレタンフォームから形成されてもよい。
【0142】
図26は、
図25の組織インタフェース120の等軸測視図であり、組織インタフェース120の底部分及び背面部分を示す。支持層1500は、第1のウイング部分2600、第2のウイング部分2605、及び第1のウイング部分2600と第2のウイング部分2605との間に接続されており延在するステム部分2610を含んでもよい。第1のウイング部分2600は、一次マニホールド300の踵領域2615と一次マニホールド300の第1の端部1000との間で、一次マニホールド300の裏側に巻き付くように構成されてもよい。支持層1500のステム部分2610は、一次マニホールド300の踵領域2615に近接して、一次マニホールド300の裏側に巻き付くように構成されてもよい。第2のウイング部分2605は、一次マニホールド300の踵領域2615と一次マニホールド300の第2の端部1005との間で、一次マニホールド300の底面に巻き付くように構成されてもよい。患者によって着用されたとき、第1のウイング部分2600は、患者の下腿の外側、後側、及び内側の少なくとも一部分の周りに巻き付いてもよい。追加的に、ステム部分2610は、患者の踵の少なくとも一部分を覆ってもよい。第2のウイング部分2605は、足部の足背部及び足底の少なくとも一部分の周りに巻き付いてもよい。
【0143】
図26で更に示されているように、支持層1500は、第1のウイング部分2600、第2のウイング部分2605、及びステム部分2610に配列された複数の開口部2620を含んでもよい。いくつかの実施形態では、開口部2620の各々の開口面積は、等しくてもよい。いくつかの実施形態では、開口部2620のうちの1つ以上は、異なるサイズを有する開口面積を有してもよい。例えば、一次マニホールド300の裏側及び底面に近接する開口部の開口面積は、一次マニホールド300の側部に近接する開口部の開口面積よりも大きくてもよい。
図26に示されているように、いくつかの実施形態では、複数の開口部2620のうちのいくつか又は全ては、円形であってもよい。開口部の直径は、ステム部分2610において最大であってもよく、開口部の直径は、一次マニホールド300の第1の端部1000及び一次マニホールド300の第2の端部1005に向かって減少してもよい。追加的に、開口部の直径は、支持層1500の第1のウイング部分2600及び第2のウイング部分2605の周辺に向かって減少してもよい。いくつかの実施形態では、複数の開口部のうちの開口部の直径は、約1ミリメートル~約15ミリメートルの範囲であってもよい。複数の開口部2620は、陰圧が支持層1500を介してマニホールドに供給されることを可能にし得る。支持層1500は、組織インタフェース120の剛性を増加させてもよく、これは、陰圧下で表皮上の引っ張り力を増加させることができる。増加した引っ張り力は、組織部位200を通る血流及びリンパ流を増加させることができる。
【0144】
図27は、
図24のドレッシング110の側面図である。ドレッシング110は、第1の封止部材240及び第2の封止部材245を使用して患者に流体的に封止されてもよい。
図27の例示的実施形態では、ドレッシング110は、陰圧下で示されている。陰圧が適用されると、カバー125は圧潰され、支持層1500に対してしっかりと引っ張られる。次いで、支持層1500及び複数の開口部2620のうちの少なくとも一部分の輪郭は、カバー125を通して見えてもよい。陰圧の適用下で支持層1500及び複数の開口部2620の輪郭がカバー125を通して見えることは、組織インタフェース120に陰圧が適用されていることを示すのに有用であり得る。ドレッシング110のサイズに起因して、及び陰圧源105の動作特性に応じて、チャンバ355内の流体を実質的に又は完全に排出するためにある程度の時間がかかる場合がある。陰圧が適用されてから特定の長さの時間の後に、支持層1500及び複数の開口部2620の輪郭がカバー125を通して識別されない場合、これは、ドレッシング110における漏れを示し得る。
図27に示されているように、いくつかの実施形態では、ドレッシング110は、つま先302を覆わなくてもよい。
【0145】
図28は、ドレッシング110の別の例の等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。ドレッシング110は、第1の封止部材240及び第2の封止部材245を含んでもよい。
図28に示されているように、いくつかの実施形態では、第1の封止部材240は、第1のストラップ2800及び第1のストラップ保持部材2805を含んでもよく、第2の封止部材245は、第2のストラップ2810及び第2のストラップ保持部材2815を含んでもよい。第1のストラップ2800は、脚部235の周りに延在してもよく、封止が脚部235の周りに形成されるまでしっかりと引っ張られてもよい。第1のストラップ保持部材2805は、第1のストラップ2800が緩くならないように、脚部235の周囲に第1のストラップ2800をしっかりと保持してもよい。第2のストラップ2810は、足部205の裏及び足背部の周りに延在してもよく、封止が足部205の裏及び足背部の周りに形成されるまでしっかりと引っ張られてもよい。第2のストラップ保持部材2815は、第2のストラップ2810が緩くならないように、足部205の裏及び足背部の周りに第2のストラップ2810をしっかりと保持してもよい。
図28に示されているように、いくつかの実施形態では、ドレッシング110は、つま先302を覆わなくてもよい。
【0146】
図29は、ドレッシング110の別の例の等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。ドレッシング110は、第1の封止部材240及び第2の封止部材245を含んでもよい。
図29に示されているように、いくつかの実施形態では、第1の封止部材240及び第2の封止部材245は、ドレッシング110を脚部235及び足部205にそれぞれ封止するために、それぞれ上下に捲るように構成されてもよい。例えば、第1の封止部材240はカバー125の第1の端部345に結合されてもよく、ドレッシング110が患者に適用されたとき第1の下方位置にあるように構成されてもよい。ドレッシング110が所望の位置にあると、第1の封止部材240は、ドレッシング110を脚部235に封止するために、第2の上方位置へ上方に(矢印Aで示されているように)捲ってもよい。追加的に、第2の封止部材245はカバー125の第2の端部350に結合されてもよく、ドレッシング110が患者に適用されたとき第1の上方位置にあるように構成されてもよい。ドレッシング110が所望の位置にあると、第2の封止部材245は、ドレッシング110を足部205に封止するために、第2の下方位置へ下方に(矢印Bで示されているように)捲ってもよい。
【0147】
図30は、
図29のドレッシング110の等軸測視図である。
図30に示されているように、ドレッシング110を足部205に封止するために、第1の封止部材240は上方に捲り、第2の封止部材245は下方に捲る。
【0148】
図31は、ドレッシング110の別の例の破断等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
図31の例示的実施形態では、ドレッシング110は、例えば患者の膝3100に近接する組織部位200に陰圧を送達するように構成されている。
図31の組織インタフェース120は、組織部位200の周りに少なくとも部分的に配置されるように構成されてもよい。一次マニホールド300は、第1のカフ3105、第2のカフ3110、及び第1のカフ3105と第2のカフ3110との間に接続されており延在するステム3115を含んでもよい。支持層1500は、第1のカフ3120、第2のカフ3125、及び第1のカフ3120と第2のカフ3125との間に接続されており延在するステム2610を含んでもよい。カバー125は、組織インタフェース120を覆うように構成されてもよい。カバー125は、第1の封止部材240によって膝3100よりも上の脚部235に封止されてもよく、第2の封止部材245によって膝3100の下方の脚部235に封止されてもよい。ドレッシング110は、流体導管260を介して陰圧源105に組織インタフェース120を流体的に結合して組織部位200に陰圧を送達するドレッシングインタフェース255を更に含み得る。カバー125は、組織インタフェース120を収容するチャンバ355を形成し、チャンバ355内の組織インタフェース120を封止する。
【0149】
図32は、
図31のドレッシング110の組織インタフェース120の正面図である。一次マニホールド300のステム3115は、膝3100の前方の少なくとも一部分を覆うように構成されている。いくつかの実施形態では、例えば
図32に示されているように、一次マニホールド300は、膝3100の内側から膝3100の膝蓋骨側を越えて膝3100の外側まで延在してもよい。支持層1500は、膝3100の反対側の一次マニホールド300に結合されてもよい。支持層1500は、一次マニホールド300よりも剛性が高い材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、例えば、支持層1500は、約1/16インチ(約1.5875mm)の厚さ、及び50ショアA硬度を有するネオプレンシートから形成されてもよい。いくつかの実施形態では、支持層1500は、単一の材料片であってもよく、一次マニホールド300の形状と同様の形状を有してもよい。
図32に示されているように、快適層340のステム2610の形状は、一次マニホールド300のステム3115の形状と同様であってもよい。追加的に、支持層1500は、ステム部分2610に配列された複数の開口部2620を含んでもよい。支持層1500は、ステム2610内に位置する主開口部3200を更に含んでもよい。主開口部3200は、患者によって装着されたとき膝3100の膝蓋骨を取り囲むように位置しサイズ決めされてもよい。いくつかの実施形態では、支持層1500は、膝3100が曲がったとき支持層1500の湾曲を低減又は排除し得る1つ以上の位置に、1つ以上のリリーフカット(relief cut)3205を追加的に含んでもよい。
図32に示されているように、リリーフカット3205は、主開口部3200に近接してステム部分2610のいずれの側に位置してもよい。
【0150】
図33は、
図32の組織インタフェース120の背面図である。
図33に示されているように、一次マニホールド300の第1のカフ3105は、膝3100の上方の脚部235の背面の周りに延在するように構成されており、一次マニホールド300の第2のカフ3110は、膝3100の下方の脚部235の背面の周りに延在するように構成されている。追加的に、いくつかの実施形態では、ステム3115は、膝3100の背面の周りに延在せず、膝3100の膝窩領域は、一次マニホールド300によって覆われていないままである。
図33で更に示されているように、支持層1500の第1のカフ3120は、膝3100の上方の脚部235の背面の周りに延在してもよい。支持層1500の第2のカフ3125はまた、膝3100下方の脚部235の背面の周りに延在してもよい。
図33で更に示されているように、いくつかの実施形態では、支持層1500内の複数の開口部2620のうちのいくつかは、脚部235の後ろの第1のカフ3120及び第2のカフ3125内に位置してもよい。快適層340の第1の端部1010は第1のカフ3105に結合されてもよく、快適層340の第2の端部1015は第2のカフ3110に結合されてもよい。
【0151】
図34は、線34-34に沿った
図33の組織インタフェース120の断面図である。
図34に示されているように、いくつかの実施形態では、快適層340の第1の端部1010は、カバー125に面するように構成された第1のカフ3105の側面に結合されてもよい。次いで、快適層340は、第1のカフ3105の頂端部の上に延在し、第2のカフ3110まで下方に延在してもよい。次いで、快適層340は第2のカフ3110の底端部の上に延在してもよく、快適層340の第2の端部1015はカバー125に面するように構成された第2のカフ3110の側面に結合されてもよい。例えば、快適層340は、第1のカフ3105の頂端部を覆い得る第1のU字形状又はC字形状の部分、及び第2のカフ3110の底端部を覆い得る第2のU字形状又はC字形状の部分を有してもよい。U字形又はC字形状の部分は、滑らかな入口及び出口表面を組織インタフェース120に提供することができ、これは、患者の快適性の増加をもたらし得る。
【0152】
図35は、
図31のドレッシング110の正面図である。
図35の例示的実施形態では、ドレッシング110は、陰圧下で示されている。陰圧が適用されると、カバー125は圧潰され、支持層1500に対してしっかりと引っ張られる。次いで、支持層1500、複数の開口部2620のうちの少なくとも一部分、及び主開口部3200の輪郭は、カバー125を通して見えてもよい。陰圧の適用下で支持層1500、複数の開口部2620、及び主開口部3200の輪郭がカバー125を通して見えることは、陰圧が組織インタフェース120に適用されていることを示すのに有用であり得る。ドレッシング110のサイズに起因して、及び陰圧源105の動作特性に応じて、チャンバ355内の流体を実質的に又は完全に排出するためにある程度の時間がかかる場合がある。陰圧が適用されてからある長さの時間の後に支持層1500、複数の開口部2620、及び主開口部3200の輪郭がカバー125を通して識別されない場合、これは、ドレッシング110における漏れを示し得る。
【0153】
図36は、組織インタフェース120の別の例の正面図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。いくつかの実施形態では、支持層1500は、2つ以上の別々の支持層部材3600を備えてもよい。別々の支持層部材3600は、患者の膝(図示せず)の動きの範囲の増加を提供することができる。
【0154】
図37は、
図36の組織インタフェース120の背面等軸測視図である。いくつかの実施形態では、一次マニホールド300は、第1のマニホールド部分3700及び第2のマニホールド部分3705を備えてもよい。第1のマニホールド部分3700は、ステム3115、第1のカフ3105、及び第2のカフ3110を含んでもよい。第2のマニホールド部分3705は、膝(図示せず)の膝窩領域の上に延在してもよい。
図37に示されているように、いくつかの実施形態では、例えば、第2のマニホールド部分3705は、第1のマニホールド部分3700に結合された別のマニホールド材料片であってもよい。いくつかの実施形態では、第2のマニホールド部分3705は、第1のマニホールド部分3700と一体的に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、第2のマニホールド部分3705は、第1のマニホールド部分3700より薄くてもよい。第2のマニホールド部分3705は、低減された厚さが膝(図示せず)の動きの範囲を可能にしつつ、膝3100の膝窩領域への陰圧の適用を提供することができる。
【0155】
図38は、ドレッシング110の別の例の背面図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。ドレッシング110は、患者の足部の上、脚部の上方、及び膝の上に引っ張られてもよい。ドレッシング110は、例えば患者の膝(図示せず)に近接する組織部位200に陰圧を送達するように構成されてもよい。ドレッシング110は、チューブ又はスリーブ形状を有してもよく、開口する第1の端部3800及び開口する第2の端部3805を有してもよい。ドレッシング110は、第1の端部3800と第2の端部3805との間のドレッシング110の背面に、1つ以上の陥凹領域3810を有してもよい。例えば、陥凹領域3810の位置における組織インタフェース120の厚さは、組織インタフェース120の前方などの組織インタフェース120の他の位置における組織インタフェース120の厚さ未満であってもよい。陥凹領域3810は、例えば、型抜き又は成形などの任意の好適な方法で、組織インタフェース120に形成されてもよい。
図38では、陥凹領域3810は、概して水平な溝として示されている。しかしながら、いくつかの実施形態では、陥凹領域3810は、組織インタフェース120内に形成された複数の窪みを含んでもよい。陥凹領域3810は、例えば、円形、楕円形、矩形、正方形、六角形、五角形、及び直線形などの種々の好適な形状を有してもよい。
【0156】
図38に示されているように、ドレッシング110はまた、第1のフラップ3815及び第2のフラップ3820を含んでもよい。第1のフラップ3815は第1の端部3800に近接してもよく、第2のフラップ3820は第2の端部3805に近接してもよい。第1の封止部材240は、第1のフラップ3815に結合されており、第1のフラップ3815から延在してもよい。第2の封止部材245は、第2のフラップ3820に結合されており、第2のフラップ3820から延在してもよい。第1のフラップ3815及び第2のフラップ3820は、第1の端部3800及び第2の端部3805をそれぞれ拡張するために、半径方向外側に引っ張られてもよい。拡張された第1の端部3800及び拡張された第2の端部3805は、患者がドレッシングを患者の膝(図示せず)の上に上方により容易に引っ張ることを可能にすることができ、これは、組織部位200への負傷が重度である場合及び/又は組織部位200に有意な膨潤が存在する場合、患者の不快感を低減することができる。ドレッシング110が組織部位(図示せず)の上に位置すると、第1の封止部材240及び第2の封止部材245は、(矢印Cによって示されているように)引っ張られてもよく、それによって、第1のフラップ3815及び第2のフラップ3820を脚部235に対してしっかりと引っ張ることができる。
【0157】
図39は、
図38のドレッシング110の背面等軸測視図である。
図39に示されているように、第1の封止部材240及び第2の封止部材245は、ドレッシング110を患者に封止するために、脚部235の周りに巻き付けられる。次いで、陰圧が、組織部位200に供給されてもよい。
図38に示されているように、陥凹領域3810は、膝3100が曲がる膝3100の膝窩領域に位置してもよい。
【0158】
図40は、ドレッシング110の別の例の等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
図40の例では、組織部位200は、膝3100を含む。追加的に、陰圧源105はポンプであってもよく、これは、カバー125に結合されてもよく、開口部360を介して組織部位200に陰圧を供給するために、組織インタフェース120と流体的に結合されてもよい。
図40の例では、開口部360は、膝3100の上方の脚部235の前側に示されている。いくつかの実施形態では、開口部360は、膝3100の上方の脚部235の後側、膝3100の上方の脚部235の内側、膝3100の上方の脚部235の外側、膝3100の下方の脚部235の前側、膝3100の下方の脚部235の後側、膝3100の下方の脚部235の内側、又は膝3100の下方の脚部235の外側などの他の位置を有してもよい。組織インタフェース120はまた、支持層1500を含んでもよく、支持層1500の輪郭は、陰圧の適用下でカバー125を通して見えてもよい。
【0159】
図41は、ドレッシング110の別の例の正面図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
図41に示されているように、ポンプアクチュエータ1400はドレッシング110に結合されてもよく、ポンプアクチュエータ1400は、陰圧源105を作動させて、組織部位200に陰圧を送達してもよい。
【0160】
図42は、ドレッシング110の別の例の正面図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
図42に示されているように、カバー125は、第1の端部345及び第2の端部350を含む。カバー125は、第1の端部345に近接する第1の補強部分4200、及び第2の端部350に近接する第2の補強部分4205を含んでもよい。第1の補強部分4200及び第2の補強部分4205は、第1の端部345及び第2の端部350の周りにそれぞれ周方向で延在してもよい。第1の補強部分4200は、第2の端部350に向かって下方に延在する伸縮継手4210を含んでもよい。第2の補強部分4205は、陰圧源105及びドック4215を含んでもよい。第1の補強部分4200及び第2の補強部分4205は、シリコーンから形成されていてもよい。ドレッシング110は、第1の封止部材240を更に含んでもよい。第1の封止部材240は、周方向封止部分4220、及び周方向封止部分4220から離れて延在する伸縮継手封止部分4225を含んでもよい。ドレッシング110は、ドレッシング110上のドック4215に結合されるように構成され得るポンプアクチュエータ1400を更に含んでもよい。
【0161】
カバー125の第1の補強部分4200及び第2の補強部分4205は、ドレッシング110及び/又は第1の封止部材240の複数回の再使用を可能にすることができる。追加的に、第1の補強部分4200に設けられた伸縮継手4210は、カバー125の第1の端部345の拡張を可能にすることができる。伸縮継手4210は、患者がドレッシングを患者の膝3100の上に上方により容易に引っ張ることを可能にすることができ、これは、組織部位200への負傷が重度である場合及び/又は組織部位200に有意な膨潤が存在する場合、患者の不快感を低減することができる。ドレッシング110が膝3100上に配置されると、カバー125の第1の端部345は、第1の封止部材240によって脚部235に封止され得る。すなわち、周方向封止部分4220は、第1の端部345を脚部に封止するために第1の補強部分4200の周りに巻き付いてもよく、伸縮継手封止部分4225は、伸縮継手4210を封止してもよい。第1の補強部分4200は、患者の皮膚と第1の封止部材240との間の接触量を低減することができ、患者の快適性の増加を提供することができる。ポンプアクチュエータ1400は、ドック4215に結合されてもよく、組織部位200に陰圧を提供するために、陰圧源105を作動させてもよい。陰圧の適用に続いて、第1の封止部材240は、第1の補強部分4200から除去されてもよい。第1の補強部分4200の補強に起因して、第1の補強部分4200は、第1の封止部材240の除去後にインタクトなままであり得る。したがって、ドレッシング110は、後の時点で再使用されて、陰圧を組織部位200に適用することができる。同様に、第1の封止部材240もまた、再使用されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の封止部材245は、第1の封止部材240と同様に、第2の補強部分4205に結合されてもよく、第2の補強部分4205から除去されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の封止部材240は、組織部位200への陰圧のその後の適用のために、新たな第1の封止部材240と交換されてもよい。
【0162】
図43は、ドレッシング110の別の例の等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
図43の例示的実施形態では、ドレッシング110は、例えば患者の肩4300に近接する組織部位200に陰圧を送達するように構成されている。ドレッシング110は、カバー125、第1の封止部材240、及び陰圧源105を含む。いくつかの実施形態では、カバー125は凹状であってもよく、肩4300の少なくとも一部分を覆うように構成されてもよい。第1の封止部材240は、カバー125を肩4300に取り付けるために、カバー125の周辺の周りに延在してもよい。陰圧源105は、肩4300に近接する組織部位200と流体連通してもよい。
図43に示されているように、ドレッシング110は、患者の肩4300を覆うように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ドレッシング110は、患者の僧帽筋及び三角筋のうちの1つ以上の少なくとも一部分を覆うように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ドレッシング110は、患者の鎖骨の頭部を覆うように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ドレッシング110は、三角筋の尾側又は下方縁部まで延在するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ドレッシング110は、胸鎖乳突筋を覆わないように構成されてもよい。
【0163】
図44は、
図43のドレッシング110の等軸測視図である。
図44に示されているように、ドレッシング110は、複数の丸型突出部を備えてもよい。例えば、ドレッシング110は、第1の丸型突出部4400、第2の丸型突出部4405、及び第3の丸型突出部4410を有する3葉形であってもよい。第1の丸型突出部4400は、肩4300の外側の上に延在し腕の少なくとも一部分の下方に延在するように構成されてもよい。第2の丸型突出部4405は、肩4300の前側の上に延在するように構成されてもよい。第3の丸型突出部4410は、肩4300の後側の上に延在するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の丸型突出部4400、第2の丸型突出部4405、及び第3の丸型突出部4410は、ドレッシング110が肩4300上に任意の向きで配置され得るように、均等にサイズ決めされ形状を有してもよい。すなわち、ドレッシング110は、第2の丸型突出部4405が肩4300の外側の上に及び腕の少なくとも一部分の下方に延在し得るように、肩4300上に配置されてもよい。
【0164】
図45は、
図43のドレッシング110の分解立体図である。
図45に示されているように、ドレッシング110は、カバー125によって覆われるように構成された一次マニホールド300を有する組織インタフェース120を更に含む。
図45に示されている例示的実施形態では、カバー125は、ドーム型部分4500、及びドーム型部分4500の底部から外側に延在するフランジ4505を備える。フランジ4505は、ドーム型部分4500の底部の周辺部全体の周りに延在してもよい。第1の封止部材240は、カバー125を組織部位に封止するためにフランジ4505の上に部分的に配置されるように構成されてもよい。第1の封止部材240は、フランジ4505及び組織部位に結合されてもよく、組織部位の周りに封止を提供してもよい。いくつかの実施形態では、陰圧源105は、カバー125に一体的に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、カバー125は、シリコーンから成形されてもよい。カバー125は、陰圧が組織部位200に供給されたときカバー125の圧潰を低減、排除、又は防止するのに十分な厚さを有してもよい。カバー125の厚さが増加すると、組織部位(図示せず)に適用された陰圧下でのドレッシング110の引っ張り力が増加する場合があり、これは、組織部位(図示せず)を通る灌流の増加をもたらし得る。カバー125は再使用可能であってもよく、いくつかの実施形態では、第1の封止部材240及び組織インタフェース120は使い捨てであってもよい。いくつかの実施形態では、組織インタフェース120は、再使用可能であってもよい。
【0165】
図46は、
図43のドレッシング110の組織インタフェース120及びカバー125の分解立体図である。
図46に示されているように、カバー125及び組織インタフェース120は、複数の対応する丸型突出部を有してもよい。例えば、カバー125及び組織インタフェース120は、両方とも3葉形であってもよい。いくつかの実施形態では、組織インタフェース120は、ドーム型部分4500の内部サイズに対応するサイズを有する。組織インタフェース120は、カバー125のドーム型部分4500内に挿入されてもよい。いくつかの実施形態では、組織インタフェース120は、カバーのドーム型部分4500に結合されてもよい。
【0166】
図47は、第1の封止部材240の別の例の等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。第1の封止部材240は、3つの封止要素4700を含んでもよく、3つの封止要素4700の各々は、接着性の天面及び接着性の底面を有してもよい。いくつかの実施形態では、3つの封止要素4700は、互いに同一である。各封止要素4700は、第1の端部4705及び第2の端部4710を有する実質的にU字形状であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の端部4705は第1の末端縁部4715を有してもよく、第2の端部4710は第2の末端縁部4720を有してもよく、第2の末端縁部4720は、第1の末端縁部4715に対して角度
であってもよい。いくつかの実施形態では、角度
は、約120度であってもよい。各封止要素4700は、第1の端部4705及び第2の端部4710からそれぞれ外側に延在する第1のタブ4725及び第2のタブ4730を更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1のタブ4725及び第2のタブ4730は、第1のタブ4725及び第2のタブ4730の天面及び底面のうちの1つ以上にいかなる接着剤を含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の封止部材240は、4つ以上の封止要素4700を有してもよい(例えば、4つの封止要素4700、5つの封止要素4700、6つの封止要素4700、7つの封止要素4700など)。いくつかの実施形態では、第1の封止部材240は、2つ以下の封止要素4700を有してもよい(例えば、2つの封止要素4700、1つの封止要素4700)。
【0167】
第1の封止部材240の3つの封止要素4700は、ドレッシング110の使用者が第1の封止部材240を使用者自身の肩に適用するのをより容易にし得る。使用者は、一度に1つの封止要素4700で各封止要素4700を使用者の肩に適用することができる。例えば、使用者は、第1の封止要素4700を使用者の肩上に結合することができる。次いで、使用者は、第2の封止要素4700を使用者の肩に結合することができ、第2の封止要素4700の第1の末端縁部4715は、第1の封止要素4700の第2の末端縁部4720に当接又は重複する。第2の封止要素が適用された後、使用者は、第3の封止要素4700を使用者の肩に結合することができ、第3の封止要素4700の第1の末端縁部4715は、第2の封止要素4700の第2の末端縁部4720に当接又は重複し、第3の封止要素4700の第2の末端縁部4720は、第1の封止要素4700の第1の末端縁部4715に当接又は重複する。使用者は、第1のタブ4725及び第2のタブ4730のうちの1つ以上を使用して、使用者の肩上の所望の位置に封止要素4700を結合及び配置するのを補助することができる。
【0168】
図48は、
図47の第1の封止部材240の等軸測視図である。
図48に示されているように、いくつかの実施形態では、第1の封止部材240は、使用前に第1の封止部材240の接着剤を保護するために第1の封止部材240の天面及び第1の封止部材240の底面のうちの1つ以上に取り付けられている又は隣接して位置する1つ以上の剥離ライナ4800を含んでもよい。剥離ライナ4800はまた、例えば、第1の封止部材240の展開を支援するための堅さを提供してもよい。剥離ライナ4800は、例えば、流延用紙、フィルム、又はポリエチレンであってもよい。更に、いくつかの実施形態では、剥離ライナ4800は、ポリエチレンテレフタレート(PET)又は同様の極性半結晶性ポリマーなどのポリエステル材料であってもよい。剥離ライナ4800のための極性半結晶性ポリマーの使用は、第1の封止部材240のしわ又は他の変形を実質的に妨げることができる。例えば、極性半結晶性ポリマーは、高配向性であってもよく、第1の封止部材240の構成要素と接触したとき、又は温度変化、環境変化若しくは滅菌に供されたとき生じ得る軟化、膨潤、又は他の変形に対して耐性であってもよい。いくつかの実施形態では、剥離ライナ4800は、第1の封止部材240などの隣接する層上にインプリントされ得る表面テクスチャを有してもよい。更に、剥離剤が、第1の封止部材240に接触するように構成された剥離ライナ4800の側部に配置されてもよい。例えば、剥離剤はシリコーンコーティングであってもよく、第1の封止部材240を損傷又は変形させることなく手による剥離ライナ4800の除去を容易にするのに好適な剥離因子を有してもよい。いくつかの実施形態では、剥離剤は、例えば、フルオロカーボン又はフルオロシリコーンであってもよい。他の実施形態では、剥離ライナ4800は、コーティングされていなくてもよく、又は剥離剤なしで使用されてもよい。
【0169】
図49は、ドレッシング110及びポンプアクチュエータ1400の例の等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
図49に示されているように、ドレッシング110のカバー125は、陰圧源105が位置し得る陥凹領域4900を含んでもよい。ドレッシング110は、1つ以上の取付部材4905を更に含んでもよい。追加的に、
図39の例に示されているように、ポンプアクチュエータ1400のいくつかの実施形態は、ポンプアクチュエータ1400の周辺部の周りに延在するフィレット付きフランジ4910を含んでもよい。ポンプアクチュエータ1400及びカバー125の陥凹領域4900は、互いに協働するように構成されてもよい。例えば、陥凹領域4900は丸みを帯びた矩形形状を有してもよく、ポンプアクチュエータ1400は丸みを帯びた矩形形状を有してもよい。ポンプアクチュエータ1400は、カバー125の陥凹領域4900内に受容されるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ポンプアクチュエータ1400はまた、ポンプアクチュエータ1400をドレッシング110に固定するために1つ以上の取付部材4905にクリップ留めしてもよい。
【0170】
図50は、
図49のドレッシング110及びポンプアクチュエータ1400の等軸測視図である。
図50に示されているように、ポンプアクチュエータ1400は、ドレッシング110に結合されている。ポンプアクチュエータ1400が陥凹領域4900内に挿入されたとき、フィレット付きフランジ4910の底部は、カバー125と同一平面にある。カバー125に対するフィレット付きフランジ4910の同一平面での装着は、衣類などの物品がフィレット付きフランジ4910とカバー125との間で滑るのを防止することができ、ポンプアクチュエータ1400がドレッシング110から偶発的に持ち上がる可能性を低減又は排除することができる。
【0171】
図51は、ドレッシング110及びポンプアクチュエータ1400の他の例の等軸測視図であり、いくつかの実施形態に関連し得る追加的詳細を示す。
図51に示されているように、ドレッシング110のカバー125は、ポンプアクチュエータ1400が挿入され得るポケット5100を含んでもよい。ポケット5100は、ポンプアクチュエータ1400をドレッシング110に固定するのを補助することができる。
【0172】
図52は、
図51のドレッシング110及びポンプアクチュエータ1400の等軸測視図である。
図52に示されているように、ポンプアクチュエータ1400はポケット5100内に挿入され、ドレッシング110に結合されている。
【0173】
図53は、
図49のドレッシング110の等軸測視図である。
図53に示されているように、ドレッシング110は、ドレッシング110と解放可能に結合するように構成され得るドレッシングインタフェース255を含んでもよい。ドレッシングインタフェース255は、丸みを帯びた矩形形状を有してもよく、カバー125の陥凹領域4900内に受容されるように構成されてもよい。ドレッシングインタフェース255は、カバー125と解放可能に結合されてもよい。例えば、ドレッシングインタフェース255は、カバー125上に設けられた1つ以上の取付部材4905に結合されてもよい(
図49参照)。ドレッシングインタフェース255は、押圧されたときカバー125からのドレッシングインタフェース255の除去を可能にし得るボタン5300を含んでもよい。流体導管260は、ドレッシング110に陰圧を提供するために、ドレッシングインタフェース255と流体的に結合されてもよい。
【0174】
本明細書に記載されているシステム、装置、及び方法は、著しい利点をもたらし得る。例えば、足首及び他の関節への創傷、筋挫傷、挫傷、及び他の負傷を処置するための陰圧を伴うドレッシング110の使用は、回復時間を著しく低減することができる。何十年にもわたる筋挫傷及び挫傷に対する標準的なケアは、安静、氷冷、圧迫、及び挙上を含んできた。軽度の負傷については、10日間~24週間のいずれかの期間が経過した後、患者は一般的に疼痛の低減及び動きの回復を報告する。しかしながら、大きな負傷については、患者は、1年、2年、及び更にそれ以上の時間の後に、疼痛の低減を報告する。これらの長い期間の後であっても、同等に有意な数の患者が、疼痛及び動きが回復しないことを依然として報告する。
【0175】
より外傷性の挫傷及び筋挫傷についての安静、氷冷、圧迫、及び挙上による治癒時間は、はるかに長く、典型的には4~6ヶ月の範囲であり得る。それでも、この時間後も負傷が依然として不安定である場合、関節を安定化するために手術が必要とされることが多い。この長い治癒時間は、可動性の有意な損失、及び機能活性の回復の遅延を表す。挫傷及び筋挫傷の大部分についてさえも、現在の標準的なケアはまた、不十分な治癒に加えて、いくつかの実用的な欠点に悩まされている。氷冷は限られた時間のみに適用され得、長時間の接触は、氷が溶けてしまうため実用的ではない、又は患部の手足への低温の適用のため更なる不快感及び疼痛を引き起こす。現在のデバイス、特に弾性包帯による圧迫は、十分な一定の正の力を適用するには不適切である(例えば、包帯が時間と共にずれる又は不正確に適用及び再適用される)、又は実際には、血流及びリンパ流を制限する。
【0176】
ドレッシング110は、組織部位200の上又は周囲に延在する表皮335に陰圧を適用することができ、これは、足部205の足首関節230などの関節を効果的に副木固定及び安定化することができる。表皮335に適用される陰圧はまた、組織部位200をカバー125に向かって外側へ引っ張ることができる。表皮335に隣接するこの引っ張り力は、関節の固定と相まって、組織部位200における血流(灌流)及びリンパ流を刺激することができ、これは、損傷した靭帯及び/又は筋肉の治癒を加速することができる。損傷した組織は、血流及びリンパ流と共に適切に供給及び排出され得、それによって、組織部位200の皮下部分における灌流を促進し、浮腫を低減して治癒を加速する。対照的に、現在の処置は、氷冷によって炎症を一時的にのみ低減し得、実際には、圧迫によって血流及びリンパ流を抑制し得る。また、安定化部材225などの安定化要素は、組織部位200への更なる負傷のリスクを著しく低減又は排除することができる。追加的に、つま先芯220は、陰圧が組織部位200に適用されたときつま先302が非圧迫状態のままであることを可能にすることができる。陰圧下でのつま先302の圧迫は、一部の患者にとって、不快である又は疼痛を伴う場合がある。したがって、陰圧療法中のつま先302の圧迫を防止することによって、患者の快適性及びコンプライアンスがまた増加し得る。
【0177】
したがって、治療システム100は、膨潤及び炎症を低減することと、組織部位200の安定性を増加させることと、患者のつま先302の圧迫を排除することと、血流及びリンパ流を増加させることによって治癒を加速することとによって、疼痛を管理する利点を提供することができる。
【0178】
いくつかの実施形態では、流体導管260は、不透明、着色(例えば、黒色、白色、赤色、青色、緑色)、テクスチャ加工、及び/又は装飾スリーブで巻かれるか若しくは包まれてもよい。いくつかの実施形態では、スリーブは、審美性のために織られてもよい。例えば、流体導管260は、いくつかの構成においてヘッドフォンコードと同様の外観を有してもよい。追加的に又は代替的に、ドレッシング110は、不透明、着色(例えば、黒色、白色、赤色、青色、緑色)、テクスチャ加工、及び/又は装飾スリーブで巻かれるか若しくは包まれて、ドレッシング110の審美性又は迷彩性を改善することができる。いくつかの実施形態では、例えば、ドレッシング110はスポーツ外傷を処置するために使用されてもよく、ドレッシング110はチームカラーと調和されてもよい。他の例では、患者は、お気に入りのチームの色及び/又はロゴを選択することができる。いくつかの実施形態では、ドレッシング110は、迷彩で装飾されてもよく、これは、ハンターに有利となり得る。審美性の増加はまた、患者のコンプライアンスを増加させ、回復時間を減少させることができる。
【0179】
いくつかの例示的実施形態において示されているが、当業者であれば、本明細書に記載されているシステム、装置、及び方法は、添付の特許請求の範囲内の様々な変更形態及び修正形態が容易に可能であることが理解されよう。また、「又は(or)」などの用語を使用する様々な代替形態の説明は、文脈によって明らかに必要とされない限り、相互排他性を必要とせず、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、文脈によって明らかに必要とされない限り、対象を単一の例に限定しない。構成要素はまた、販売、製造、組み立て、又は使用の目的で、様々な構成で組み合わされてもよく、又は排除されてもよい。例えば、いくつかの構成では、ドレッシング110は、製造又は販売のために他の構成要素から分離してもよい。他の例示的な構成では、コントローラ130はまた、他の構成要素とは独立して製造されてもよく、構成されてもよく、組み立てられてもよく、又は販売されてもよい。
【0180】
添付の特許請求の範囲は、上述の主題の新規かつ発明的な態様を記載するが、特許請求の範囲はまた、具体的には詳細に列挙されていない追加的主題も包含し得る。例えば、ある特徴、要素、又は態様は、新規かつ発明的な特徴を当業者には既知であるものから区別するために、必要とされない場合、特許請求の範囲から省略されてもよい。いくつかの実施形態の文脈において記載されている特徴、要素、及び態様はまた、添付の特許請求の範囲によって定義されている本発明の範囲から逸脱することなく、省略されてもよく、組み合わされてもよく、又は、同じ目的、均等の目的、若しくは同様の目的を果たす代替的特徴によって置き換えられてもよい。