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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】ハンプティックレンダリング
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20241202BHJP
   G06F 3/04815 20220101ALI20241202BHJP
【FI】
G06F3/01 560
G06F3/04815
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021572330
(86)(22)【出願日】2020-04-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-08
(86)【国際出願番号】 US2020030335
(87)【国際公開番号】W WO2020247117
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2023-03-20
(31)【優先権主張番号】16/434,792
(32)【優先日】2019-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】314015767
【氏名又は名称】マイクロソフト テクノロジー ライセンシング,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ゴンザレス フランコ,マル
(72)【発明者】
【氏名】オブエク,エヤル
(72)【発明者】
【氏名】シンクレア,マイケル ジャック
(72)【発明者】
【氏名】スティード,アンソニー ジェイムス
【審査官】滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】久保 遼太 他2名,拡縮機構を有する筒状デバイスの検討,映像情報メディア学会技術報告,日本,一般社団法人 映像情報メディア学会 ,2019年03月05日,第43巻 第9号,第205-206ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/04815
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーセチック挙動を示すパターン化層であって、前記パターン化層は非オーセチック材料から形成され、前記パターン化層は、除去プロセス及び付加プロセスの少なくとも1つを使用することによって形成されパターンを有する、パターン化層と;
前記パターン化層を動かすように構成された複数のアクチュエータであって、各前記アクチュエータは、2次元において前記パターン化層の曲率を協調的に変化させるように個々に制御可能である、複数のアクチュエータと;を有する、
ハプティックレンダリングデバイス。
【請求項2】
前記パターン化層は、アルキメデス螺旋パターンを有する、
請求項1に記載のハプティックレンダリングデバイス。
【請求項3】
前記非オーセチック材料は、金属材料、ポリマー材料、又は複合材料を含む、
請求項1に記載のハプティックレンダリングデバイス。
【請求項4】
前記パターン化層は、体積で40~60%のボイドスペースを含む、
請求項1に記載のハプティックレンダリングデバイス。
【請求項5】
前記ボイドスペースを満たすエラストマー材料をさらに含む、
請求項4に記載のハプティックレンダリングデバイス。
【請求項6】
前記複数のアクチュエータは、前記パターン化層の中心で前記パターン化層を動かすように構成された中央アクチュエータを含み、また前記パターン化層の周囲で前記パターン化層を動かすように構成された1つ又は複数のアクチュエータを含む、
請求項1に記載のハプティックレンダリングデバイス。
【請求項7】
前記複数のアクチュエータは、複数のリニアアクチュエータを含む、
請求項1に記載のハプティックレンダリングデバイス。
【請求項8】
1つ又は複数の前記アクチュエータは、各々、ボール・ソケットジョイントを介して、前記パターン化層に第1の端部において取り付けられる、
請求項1に記載のハプティックレンダリングデバイス。
【請求項9】
ユーザが前記ハプティックレンダリングデバイスとインタラクトする表面において、前記パターン化層に取り付けられた触覚層をさらに有する、
請求項1に記載のハプティックレンダリングデバイス。
【請求項10】
ハプティックレンダリングデバイスであって:
オーセチック挙動を示すパターン化層であって、前記パターン化層は非オーセチック材料から形成され、前記パターン化層は、除去プロセス及び付加プロセスの少なくとも1つを使用することによって形成されパターンを有する、パターン化層と;
前記パターン化層を動かすように構成された複数のアクチュエータであって、各前記アクチュエータは個々に制御可能である、複数のアクチュエータと;
前記パターン化層に取り付けられた触覚層と;を有する、
ハプティックレンダリングデバイスと
前記パターン化層を動かし、前記パターン化層の曲率を与えるように、前記アクチュエータを選択的に制御するように構成されるコントローラと;を有する、
ハプティックフィードバックシステム。
【請求項11】
前記コントローラは、さらに、リモートコンピューティングデバイスから制御命令を受信し、前記制御命令に基づいて前記アクチュエータを制御するように構成される、
請求項10に記載のハプティックフィードバックシステム。
【請求項12】
前記制御命令は、前記ハプティックレンダリングデバイスによってレンダリングされることになるオブジェクトの形状に関する情報を含む、
請求項11に記載のハプティックフィードバックシステム。
【請求項13】
前記非オーセチック材料は、金属材料、ポリマー材料、又は複合材料を含む、
請求項10に記載のハプティックフィードバックシステム。
【請求項14】
前記パターン化層は、体積で40~60%のボイドスペースを含み、前記触覚層は、前記ボイドスペースを満たすエラストマー材料を含む、
請求項10に記載のハプティックフィードバックシステム。
【請求項15】
前記触覚層は、ユーザが前記ハプティックレンダリングデバイスとインタラクトする表面において、前記パターン化層に取り付けられたファブリック材料を含む、
請求項10に記載のハプティックフィードバックシステム。
【請求項16】
オーセチック挙動を示すパターン化層を有し、また前記パターン化層の曲率を協調的に変化させるように個々に制御可能な複数のアクチュエータを有する、ハプティックレンダリングデバイスを動作させる方法であって、前記方法は:
前記ハプティックレンダリングデバイスによってレンダリングされることになる形状に関する情報を受信することと;
受信された前記情報に基づいて、前記パターン化層を動かし、それによって、前記パターン化層の曲率を2次元で変化させるように、前記ハプティックレンダリングデバイスの1つ又は複数の前記アクチュエータを制御することであって、前記パターン化層は非オーセチック材料から形成され、前記パターン化層は、除去プロセス及び付加プロセスの少なくとも1つを使用することによって形成されパターンを有する、制御することと;を含む、
方法。
【請求項17】
前記情報を受信することは、ヘッドマウントディスプレイデバイスから、表示された仮想オブジェクトの形状に関する情報を受信することを含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記情報を受信することは、ヘッドマウントディスプレイデバイスから、表示された仮想オブジェクトに対する手の姿勢に関する情報を受信することを含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記1つ又は複数のアクチュエータを制御することは、1つ又は複数のリニアアクチュエータのそれぞれについて、前記リニアアクチュエータの延出長を変化させることを含む、
請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
仮想現実(VR)ディスプレイシステムは、視野全体を占有する仮想画像にユーザを没入させる。このようなディスプレイシステムは、仮想体験の視覚的及び聴覚的側面を、実物そっくりの方法で表現し得る。
【発明の概要】
【0002】
この概要は、以下の詳細な説明でさらに記述される簡略化された形式で概念の選択を導入するために提供される。この概要は、請求項に記載された主題の主要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図したものではなく、また、請求項に記載された主題の範囲を限定するために使用することを意図したものでもない。さらに、請求項に記載された主題は、本開示のいずれかの部分に記載されたいずれかの又はすべての欠点を解決する実装に限定されない。
【0003】
ハプティック(haptic)レンダリング(rendering)に関する例が開示されている。1つの開示された例は、オーセチック(auxetic)挙動を示すパターン化層(patterned layer)と、パターン化層を動かすように構成された複数のアクチュエータであって、各アクチュエータは、2次元においてパターン化層の曲率(curvature)を協調的に変化させるように個別に制御可能である、複数のアクチュエータとを有するハプティックレンダリングデバイスを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】ハプティックレンダリングデバイスが表示された仮想オブジェクトとの触覚インタラクションをシミュレートする例示的なディスプレイシステムの態様を示す。
【0005】
図2】パターン化層が凸状の丘形状を表すように動かされている例示的なハプティックレンダリングデバイスを示す。
【0006】
図3図2のハプティックレンダリングデバイスのための例示的なパターン化層を概略的に示す。
【0007】
図4図2のハプティックレンダリングデバイスのための例示的アクチュエータアセンブリを示す。
【0008】
図5図2のハプティックレンダリングデバイスのパターン化層がアクチュエータに接続され得る例示的なソケット接続を示す。
【0009】
図6】オプションの拘束(constraining)プレートを備える図4の例示的アクチュエータアセンブリを示す。
【0010】
図7】2つのアクチュエータの相対位置の幾何学的表現を図式的に示す。
【0011】
図8図2の例示的なハプティックフィードバックシステムを示し、凹状のボウル形状に構成されたパターン化層を示す。
【0012】
図9図2の例示的なハプティックフィードバックシステムを示し、鞍形状に構成されたパターン化層を示す。
【0013】
図10図2の例示的なハプティックフィードバックシステムを示し、凹状の円筒形に構成されたパターン化層を示す。
【0014】
図11】ハプティックレンダリングデバイスを操作する例示的な方法を示すフロー図である。
【0015】
図12】異なる曲率の特定の形状で提示されるときの参加者の分類応答を表す実験結果を示す。
【0016】
図13】異なる曲率の特定の形状で提示されるときの参加者の知覚された曲率応答を表す実験結果を示す。
【0017】
図14】例示的なコンピューティングシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
VRディスプレイシステムは、高い忠実度で視覚及び聴覚刺激を提示することができるが、仮想画像との物理的インタラクション(interactions)を現実的に表すハプティックフィードバックを提供することは困難である。
【0019】
幾つかのディスプレイシステムは、ユーザがインタラクトする(interacts)接地ロボット(grounded robot)を介してフォースフィードバックを提示するように構成され得る。一例として、ディスプレイシステムは、ユーザに把持されるように構成されたハンドル形状のロボットを含み得、ロボットは、ロボットを6自由度で動かすリンク機構によって制御される。別の例として、ディスプレイシステムは、表面の正常な又はテクスチャ化された触覚を提示するために指の動きを選択的に制限する及び/又は指を作動させるように構成された、グローブデバイスなどの、手に装着されるロボットを含み得る。しかしながら、このようなメカニズムは、ユーザが特定の姿勢(例えば、ハンドルのグリップ)を実行する又は別のデバイスを装着する場合にのみ、ユーザにハプティックフィードバックを提供する。
【0020】
VR体験では、周囲の実世界環境に対するユーザの視覚は、不透明なディスプレイによって不明瞭になる。したがって、ユーザは、使用中にハプティックデバイスを知覚しない可能性がある。これを考慮すると、ウェアラブルデバイス又は接地ロボットの表面内にハプティックフィードバックメカニズムを隠すのではなく、VRディスプレイシステムは、ハプティック体験を提示するためにより複雑な及び/又はより大きいデバイスを利用し得る。これは、エンカウンタースタイルのハプティックス(encounter-style haptics)の開発につながり、そこではユーザが動く又は形を変える物体又は表面に触れるために手を伸ばし得る。
【0021】
形状変更デバイスは、人間が遭遇し(encounter)、触れ、操作するための形状及び表面を作り出すことを試みるロボットシステムであり、従って、VR体験におけるエンカウンタースタイルのハプティック体験を提供するために使用され得る。形状変更デバイスはまた、AR(拡張現実)応用(MR(複合現実)を含む)、ならびに様々な他のハプティックフィードバック応用における人間-コンピュータインタラクションのために使用され得る。一般的な形態を表現するために、形状変更デバイスは、適度に高い数の自由度と、作動を何らかの形態の拘束された表面に変換する機械的構造とを有し得る。そのような形状変更デバイスは、手全体のインタラクション(full-hand interaction)をサポートするように構成され得る、又は他のフォームファクタ(例えば、親指又は指に対する表面インタラクション用)で構成され得る。
【0022】
形状変更デバイスの1つのタイプは、関節面(articulated surface)の形態をとり、この関節面では、2次元要素がヒンジを介して接続され、それが作動するとき、関節面を異なる形状に折り畳む。形状変更デバイスの別のタイプは、作動時に、延伸によって表面を変形させる、延伸可能な(stretchable)表面及び表面内アクチュエータを含む。形状変更デバイスの別のタイプは、ピンが3次元表面の近似を形成するように作動されるピンアレイを利用する。これらの形状変更デバイスの各々は、要素の離散的な(discrete)セットを通して形状を表す。適切に高い解像度を達成するために、このようなデバイスは、離散要素(discrete elements)(ヒンジ、表面内アクチュエータ、ピン)の密な配置を含み得る。しかし、各離散要素は、別個のモータによって制御され得、これは、サイズが大きくなるにつれて、システムのコスト、複雑さ、及びメンテナンスを増大させる。このようなデバイスは、全体の形状を適切に伝え得るが、ユーザは、このようなデバイスに触れるときに表面の不連続性を体験することがある。例えば、ユーザは、ピンアレイのピン間のレリーフ、関節面の要素間のヒンジ、又は表面内アクチュエータ間の間隔を感じ得る。
【0023】
さらに、形状変更デバイスが形状変更デバイスよりも大きい仮想表示オブジェクト(例えば、象、自動車等)の形状を表す場合、形状変更デバイスに触れたユーザは、触れられていない仮想表示オブジェクトの任意の部分に対してハプティカル(触覚的)に盲目になる。ユーザは、形状変更デバイスに沿って手を動かすことによって、仮想表示オブジェクトの他の部分を体験し得る。しかし、上/下に動くピンなどの離散要素は、ユーザがピンのエッジ間の段のある移行を感じるので、形状変更デバイスに沿って手を滑らせるための乏しい手がかりを生成することがある。
【0024】
より滑らかな表面の印象を作り出すために、このような形状変更デバイスは、上述したように、離散要素(ピン、ヒンジ、アクチュエータなど)の上に伸張された弾性膜を含み得る。しかし、弾性膜は、ユーザが触覚探索を通して知覚し得る離散要素の頻度(frequency)を変化させない。さらに、弾性膜は、形状を正確に補間することができない場合がある。その代わり、弾性膜は、各離散要素で迅速に方向を変え、次の離散要素に直線的に伸び得る。さらに、弾性は、ユーザがピン(又は他の離散要素)の間の位置で膜に触れるとき、ユーザの指に膜を変形させ得、これは形状変更デバイスによって表現される形状を不明瞭にする可能性がある。
【0025】
加えて、種々の他の形状変更デバイスは、展開可能な表面を操作し得、これは多種多様な表面タイプを補間することができない。
【0026】
従って、本明細書に開示された例は、形状変更デバイスに関する上述の問題に対処することができるハプティックレンダリングデバイスに関する。簡単に説明すると、開示された例は、オーセチック挙動を示す材料から構成された形状シフト層を利用する。この層はまた、本明細書では、オーセチック層とも呼ばれ得る。オーセチック層は、その表面に垂直な力の下では必ずしも柔軟である必要はない、正及び負のガウス曲率の両方を含む、様々な異なるガウス曲率を提供するために、独立して2方向に曲がる。幾つかの材料は、印加された伸張力に垂直な方向で薄くなるが、オーセチック材料は、その幅を保持する又は印加された伸張力に垂直な方向で厚くなり、そのようなものとして負又はゼロのポアソン比を有する。
【0027】
天然のオーセチック材料を使用する代わりに、開示された例は、非オーセチック材料から、オーセチック挙動を示すパターン化層を形成するために、構造工学的アプローチを利用する。パターン化された構造は、2次元に沿って曲がり且つ伸びるように設計され、多種多様な表面形状を作り出すように動化され得る。複数の個別に制御可能なアクチュエータが、多種多様な表面形状を生成するために2次元のパターン化層の曲率を協調的に変化させるようパターン化層を動かすように配置され得る。パターン化層は、さらに、形状を変化させるためにアクチュエータによって移動可能である一方、タッチに対して剛(rigid)であるように構成され得る。いくつかの例では、ハプティックレンダリングデバイスは、所望のタッチ体験を生成するために、パターン化層の表面上に触覚層を含み得る。
【0028】
図1は、仮想現実又は拡張現実(例えば、複合現実)体験をユーザ102に提示するように構成された例示的なディスプレイシステム100の態様を示す。ディスプレイシステム100は、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)デバイス104と、ハプティックレンダリングデバイス106とを含む。HMDデバイス104は、ユーザの視野(点線110で示される)に仮想画像を表示するように構成されたニアアイ(near-eye)ディスプレイ108を有する。いくつかの例では、ニアアイディスプレイ108は不透明であり、完全に没入型の仮想現実を提供する。他の例では、ニアアイディスプレイ108は、シースルーディスプレイを有し、拡張又は複合現実体験のために実世界及び仮想画像をユーザの視野110内で混合することができる。HMDデバイス104では、仮想ディスプレイ画像をエンコードする信号がオンボードコンピューティングデバイス112を介してニアアイディスプレイ108に送信される。オンボードコンピューティングデバイスは、少なくとも1つのプロセッサ114及びメモリ116を有し、その例は図14を参照して後述される。HMDデバイス104はさらに、ユーザ102が没入型オーディオを体験することを可能にするスピーカを含み、また他の入力デバイス及び/又は出力デバイスを含み得る。
【0029】
HMDデバイス104内に配置された通信コンポーネントを利用して、コンピューティングデバイス112は、ネットワークを介して1つ又は複数のオフボードコンピューティングデバイスに通信可能に結合され得る。したがって、ユーザ102が見る仮想ディスプレイ画像は、いくつかの例では、オフボードコンピューティングデバイスによって構成及び/又はレンダリングされ、無線でコンピューティングデバイス112に送られ得る。他の例では、仮想ディスプレイ画像は、オンボードで構成され、レンダリングされ得る。
【0030】
ハプティックレンダリングデバイス106は、ユーザの手118に遭遇可能な触覚体験を提供するように構成される。ハプティックレンダリングデバイス106は、表示された仮想オブジェクトの形状をシミュレートするようにオーセチック層を動かし、それによって触覚出力を表示された仮想画像にマッピングする。この例では、HMDデバイス104は、仮想の犬120を表示し、また、ユーザ102が実際の手118の動きによって制御する仮想ハンド122を表示する。ユーザ102がハプティックレンダリングデバイス106を横切って自分の手118を動かすと、ハプティックレンダリングデバイス106は、ユーザの手118が仮想の犬120とインタラクトする位置における仮想の犬120の輪郭に基づいて形状を変更し、それによって仮想の犬120の表面の形状を「レンダリング」する。ユーザ102がハプティックレンダリングデバイス106とインタラクトする表面は滑らかであるため、ユーザ102は、デバイスを横切って手118を動かす間に、ハプティックレンダリングデバイス106のアクチュエータ間の不連続性を感じない。いくつかの例では、ハプティックレンダリングデバイス106は、ユーザが異なる表面形状を経験するために手を横切って動かす静止装置として構成される。他の例では、ハプティックレンダリングデバイス106は、ユーザが実世界の表面(例えば、テーブル表面124)を横切って動き、ハプティックレンダリングデバイス106の表面が動きにしたがって適応する、コンピュータマウスと同様の、移動可能なデバイスとして構成され得る。いずれの場合においても、ハプティックレンダリングデバイス106は、手118によって感知される表面が同じ仮想表面の連続であると知覚されるように、物体の連続感覚を提供し得る。
【0031】
ディスプレイシステム100は、例えば、表面上の対応する仮想点と共にハプティックレンダリングデバイス106の表面上の点を測定することによって、視覚モデルと物理モデルとの間のレジストレーション(registration)を計算するために、HMDデバイス104の座標系を使用し得る。これから、剛体アフィン変換を計算して、表示された視覚的形状をレンダリングされる物理的形状にレジストレーションする(register)ことができる。
【0032】
いくつかの例では、ディスプレイシステム100はまた、仮想ハンド122の姿勢(pose)及び/又は動きを制御するために使用され得る、ハプティックレンダリングデバイス106とインタラクトする身体部分の姿勢(位置及び/又は向き)及び/又は動きに関する情報を取得し得る。いくつかの例では、HMDデバイス104と一体化された又はHMDデバイス104の外部にある1つ又は複数の画像センサ(深さ及び/又は2次元)が、ハプティックレンダリングデバイス106及びハプティックレンダリングデバイス106とインタラクトする手又は指などの身体部分の画像データを取得するように構成され得る。画像データ中の手118(又は他の身体部分)を識別するために、種々の分類技術が利用され得る。代替的又は追加的に、ユーザは、身体部分の姿勢をトラッキングする(track)ために使用され得る、HMDデバイス104に通信可能に結合された光学及び/又は慣性トラッキングデバイスを装着し得る。いくつかの例では、画像データは、身体部分が既知の姿勢又はジェスチャを実行しているかどうかを決定するために、既知の姿勢及びジェスチャを定義する1つ又は複数のフィルタと比較され得る。また、画像データ内で識別された身体部分に対応するピクセル又はボクセルの位置が、身体部分が画像フレーム間で移動したかどうかを決定するために、画像フレーム間で比較され、移動しきい値と比較され得る。さらに、ハプティックレンダリングデバイス106は、オプションで、身体部分とハプティックレンダリングデバイス106との間のインタラクションを感知する統合(integrated)センサ(例えば、1つ又は複数の容量性タッチセンサ)を含み得る。さらに、ハプティックレンダリングデバイス106は、オプションで、ユーザによるハプティックレンダリングデバイス106の動きをトラッキングする慣性モーションセンサを含み得る。
【0033】
ハプティックレンダリングデバイス106によって提示される形状を修正するために、ユーザ環境内の1つ又は複数の仮想オブジェクトのオブジェクト情報は、オンボードコンピューティングデバイス112、ハプティックレンダリングデバイス106、及び/又は、HMDデバイス104又はハプティックレンダリングデバイス106と通信するリモートコンピュータによって維持され得る。オブジェクト情報は、仮想環境における各仮想オブジェクトの位置(絶対及び/又は相対)、向き、及び形状に関する情報を含み得る。仮想表示オブジェクトに対する身体部分118の姿勢に基づいて、ハプティックレンダリングデバイス106は、身体部分118(又は仮想身体部分122)が仮想表示オブジェクト120と交差する又は仮想表示オブジェクト120と交差する可能性が高いと予測される場所における仮想表示オブジェクトの曲率に合うように制御され得る。
【0034】
ハプティックレンダリングデバイス106は、追加的に又は代替的に、図1のテーブル124の表面に沿ってのように、使用環境内でのハプティックレンダリングデバイス106の動きに基づいて、表現される形状を修正するように構成され得る。例えば、テーブル124の表面は、表示された地形とレジストレーションされ得、ユーザ102がハプティックレンダリングデバイス106をテーブル表面124に沿って移動するとき、ハプティックレンダリングデバイス106は、表示された地形に合うように形状を変更し得る。
【0035】
図2は、図1のハプティックレンダリングデバイス106として使用され得るハプティックレンダリングデバイス201を有する例示的なハプティックフィードバックシステム200を示す。ハプティックレンダリングデバイス201は、オーセチック挙動を示すパターン化層202と、パターン化層202に曲率を付与するように構成された電気機械作動システム204とを有する。パターン化層202は、ユーザのタッチに従うことなく2方向に屈曲及び伸張するように、材料に付与されたパターンを介して、設計される。
【0036】
パターン化層202は、天然のオーセチック材料と同様の挙動を示し、従って、オーセチック挙動を示すように構造的に設計された非オーセチック材料から形成される。パターン化層202を形成するのに適した材料の例は、パターン付与(pattern-imparting)製造プロセス(例えば、レーザージェット切断及び/又はウォータージェット切断)に耐える靭性(toughness)及び剛性(rigidity)を有するポリマー材料、金属材料、及び複合材料を含む。このような材料はまた、アクチュエータによって支持されていない場合に垂れ下がりに抵抗するように選択され得る。1つの具体例では、パターン化層202は、ポリカーボネートシートを含む。さらに、いくつかの例では、パターン化層202は、導電性材料を含み得、これは、容量性タッチセンシング及び/又は他の埋め込みセンシング用途(例えば、パターン化層202を押すことによって仮想オブジェクトを操作するための圧力センシング)を可能にし得る。
【0037】
除去プロセス(ウォータージェット、レーザーカッター等を介した機械加工)に加えて又は代替的に、付加プロセス(addition processes)がパターン化層202を形成するために使用され得る。パターン化層202を形成するのに適した例示的な付加プロセスは、成形、鋳造、及び/又は3Dプリンティングを含む。いずれの例においても、パターン化層202を形成する材料が連続したままであるように、パターンは、パターン化層202を形成する材料の全厚さによって形成される。これは、パターン化層202が、展開可能でない(nondevelopable)形状に曲がることを可能にする。以下により詳細に説明するように、電気機械作動システム204の機械的固定具の間隔は、パターン化層202のために選択される材料、サイズ、及びパターンに影響を及ぼし得る。
【0038】
図3は、(ユーザが図2のパターン化層202とインタラクトする表面206から見たときの)非オーセチック材料にオーセチック挙動を提供するのに使用可能な例示的パターン300を描く。パターン300は、繰り返し螺旋パターンであり、この例では、アルキメデス螺旋(Archimedean spirals)302を繰り返し、平坦なシートに二重曲率を提供するために使用することができる。パターン300の空間充填曲線は、繰り返しらせん302間の接続部304を含み、これは、強く、いくぶん柔軟性のない構造(例えば、厚さ5~10mmのポリカーボネートシート)にも柔軟性を提供し得る。各らせん302は、この例では10mm四方を占めるが、他の例では、別のサイズ又は様々なサイズを有し得る。また、パターン300は、パターンが切断される表面積の大部分を保持し、従って、以下により詳細に説明するオプションの触覚層のための支持を提供し得る。
【0039】
パターン300以外の様々なパターンが、パターン化層202を形成するために使用され得る。パターンは、パターン化層202によって示されるオーセチック挙動を提供するので、そのようなオーセチック挙動を可能にする任意のパターン又は形状が使用され得る。例示的なパターンは、体積で40~60%のボイドスペース(void space)のような、かなりの量のボイドスペースを有するパターンを含み、これは、パターン化層202が、2次元で曲がることを可能にする。さらに、パターンは、いくつかの例において対称性を含む。いずれにせよ、パターンを介して、パターン化層202が形成される材料は、パターン化されていない材料には見られない柔軟性及び伸張性を獲得する。
【0040】
曲げられるとき、パターン化層202は、パターン化層202を形成する材料とパターンのボイドスペースとの間の境界面(interface)で表面特徴部(surface features)を上昇させ(raise)得る。これらの表面特徴部の知覚を防止するために、ハプティックレンダリングデバイス201は、上述のように、ユーザがハプティックレンダリングデバイス201とインタラクトする表面206にオプションの触覚層を有し得る。触覚層は、連続的又は不連続的であってもよい、伸張可能且つ柔軟な構造を有し得る。触覚層としての使用に適した材料は、軟質エラストマー材料、布材料、及び金属材料(例えば、表面206上に配置された複数の金属片)を含む。さらに、いくつかの例では、触覚層は、異なるハプティック体験を提供するために、表面206の異なる位置に異なる材料を含み得る。例えば、VR/MR/ARアプリケーションでは、ユーザは、異なるテクスチャ、硬さなどを体験するために、表面206の異なる部分をタッチするように指示され得る。
【0041】
いくつかの例では、触覚層は、表面206に接着される又は他の方法で取り付けられる材料の層を含む。他の例では、触覚層は、パターン化層202の周囲に成形、鋳造、射出、又は他の方法で形成され得、それによってボイドスペースを充填又は部分的に充填する。いくつかの例では、触覚層を形成することは、パターン化層の複数の表面上に触覚層を形成することを含み得る。1つの具体例では、触覚層を形成することは、表面206上に30Aのショア硬度シリコーンゴムを成形し、材料を部分的に硬化し、次いで、30Aのショア硬度シリコーンゴムを表面206の反対側のパターン化層202の表面208上に成形することを含む。図3に示す例に戻ると、パターン化材料306は光学的に透明であり得、一方、充填剤308(例えば、ボイドスペースを満たす触覚層)は散乱性(diffuse)であり得る。他の例では、パターン化された材料及びオプションの充填剤の両方は、光学的に透明であっても、不透明であっても、及び/又は任意の他の適切な外観を有してもよい。パターン300の識別性は、場合によっては、パターン化層の表面(206及び/又は208)を塗装することによって、又はパターン化層202及び触覚層を形成する屈折率整合材料によって不明瞭にされ(obfuscated)。
【0042】
パターン化層202を形成する材料の種類及び厚さ、ならびにパターン化層202のパターンは、パターン化層202が、アクチュエータ間の領域を補間するために、アクチュエータがパターン化層202と接触する点の間に十分な剛性を有しながら、種々の形状を形成することを可能にする剛性を得るように選択され得る。ユーザが表面206に触れるとき、ユーザは、電気機械作動システム204の動きに依存して、種々のタイプの単一及び二重の曲率(湾曲)を知覚し得る。
【0043】
図4は、電気機械作動システム204としての使用に適した例示的な電気機械作動システム400を示す。k点においてパターン化層の下側(図2の208)に接触するアクチュエータの数量kは、所与の用途に対して十分な表面のボキャブラリ(vocabulary)を生成するように選択され得、その結果、k点間のパターン化層の領域は、複数のアクチュエータによって画定される表面を物理的に近似することができる。図示された例では、電気機械作動システム400は、9個のアクチュエータ402a~402iを含み、これは、ハプティックレンダリングデバイスが、凸面と凹面の両方を2次元で近似することを可能にする。9個のアクチュエータの使用は、表面の湾曲に沿って手を動かすことなしでも、凹面と凸面を区別するために手のひらに十分な表現力を与え得る。他の例では、任意の他の適切な数のアクチュエータが使用され得る。
【0044】
各アクチュエータは、作動されるとき、パターン化層の下側(図2の208)を変位させるために力を加える任意の適切な構造を有し得る。図示の例では、作動システムは、9個のリニアアクチュエータ402a~402iを含む。完全に延ばされて示されているが、リニアアクチュエータ402a~402iは、フレーム404に対して異なる高さに伸縮する(telescope)ように制御され得る。中央アクチュエータ402eは、フレーム404に対するパターン化層の上昇を制御し、8個の周辺アクチュエータ402a~402d及び402f~402iは、パターン化層が凸状及び/又は凹状に湾曲されることを可能にする。リニアアクチュエータの延長範囲、速度、最大力、及び/又は他のパラメータは、作動システムが静止しているときにバックドライブを防止するのを助けるように選択され得る。使用に適した例示のリニアアクチュエータは、Victoria, B.C. CanadaのActuonixから入手可能なL12-Rマイクロリニアサーボを含み、これは、50mmの延長範囲、6.8m/秒の速度、及び80ニュートンの最大力を有する。
【0045】
各アクチュエータ402a~402iは、例えば、アクチュエータの延長長さを変えることによって、一次元で動くように構成される。2つの近傍のアクチュエータが反対方向(例えば、上及び下)に動くとき、作動は、各アクチュエータの端部408がパターン化層と接触する点の間で、パターン化層の領域を延ばす。いくつかの例では、パターン化層の応力を低減するために、1つ又は複数のアクチュエータが、アクチュエータがフレーム404に対して動くことを許容する機械的カップリング406(例えば、ブラケット)を介して、フレームに第1の端部で接続され得る。各リニアアクチュエータ402a~402iは、延長高さを変えることによって一次元で動くように制御されるが、図示された機械的カップリング406は、アクチュエータが旋回することを許容する。他の例では、アクチュエータは、任意の他の方法でフレーム404に接続され得る。いくつかの例では、異なるタイプのメカニズムを介して異なるアクチュエータが接続され得る。
【0046】
フレーム404へのピボットテーブル接続に加えて、1つ又は複数のアクチュエータが、接続点の周りのアクチュエータの回転を許容する非剛性的(non-rigid)方法で、パターン化層に接続され得、これは、パターン化層における応力をさらに低減するのを助け得る。5は、パターン化層202の下側208に接続されたアクチュエータの端部を接続するために使用可能な例示的なボール・ソケットジョイント500を示す。ボール・ソケットジョイント500は、パターン化層202の下側208に取り付けられたハウジング502と、アクチュエータの対応するねじ山付き端部に取り付けるためにハウジング502内に配置された内部ねじ山506を含むボールベアリング504とを有する。アクチュエータがボール・ソケットジョイント500を介してパターン化層に接続されるとき、ボール・ソケットジョイント500は、アクチュエータが1つ又は複数の他のアクチュエータに対して動くことを可能にし、これは、パターン化層が形状を変化するとき、パターン化層に対する応力を低減するのに役立ち得る。他の例において、アクチュエータは、パターン化層に結合されることなく、パターン化層を動かすように構成され得る。例えば、パターン化層の下側(図2の208)は、アクチュエータに機械的に結合されることなく、アクチュエータの反対側の端部408を接触点で把持するように構成された凹みを含み得る。
【0047】
ハプティックレンダリングデバイスのアクチュエータ間の間隔は、パターン化層が補間する形状の種類及び量に影響を及ぼし得る。いくつかの例では、フレーム404へのアクチュエータ接続部間の間隔は、パターン化層の下側に対するアクチュエータ接続部又は接点の間の間隔より狭くなり得る。これは、フレーム及びパターン化層におけるアクチュエータ間の等しい間隔と比較して、より広い範囲の形状にわたる、各アクチュエータとパターン化層との間のより直交に近い(closer-to-orthogonal)角度を提供し得る。
【0048】
ハプティックレンダリングデバイスは、オプションで、アクチュエータの動きを拘束する機械的アセンブリを含み得る。このようなアセンブリはまた、アクチュエータを損傷から保護するのに役立ち得る。図6は、サポート602を介してフレーム404に接続される拘束プレート600の形態の例示的な機械的アセンブリを示す。拘束プレート600は、アクチュエータが、一定の範囲内(例えば、周辺アクチュエータ402a~402d及び402f~402iについては2自由度、中央アクチュエータ402eについては1自由度)でパターン化層を作動させることを可能にし得るとともに、他の自由運動を防止し得る。この例では、拘束プレート600は、中央アクチュエータ402eが厳密に直線且つ垂直方向に動くことを可能にし、意図しない横方向の動きを防止する。さらに、図示された拘束プレート600は、各周辺アクチュエータ402a~402d及び402f~402iが、アクチュエータをフレーム404に接続する機械的カップリング406によって画定される平面内で回転することを可能にするスロット604を含む。この例では、各周辺アクチュエータ402a~402d及び402f~402iの回転平面は、中央アクチュエータの中心を通る垂直線を通過し、回転対称である。
【0049】
開示されるようなハプティックレンダリングデバイスを介して三次元表面をレンダリングするためのシミュレーションは、例えば、物理構造をミラーする幾何学的プロキシ(geometric proxy)に基づき得る。いくつかの例では、このようなシミュレーションは、ゲームエンジンを使用して開発され得る。初期の単純化の仮定-すなわち、表面は、中心からアクチュエータまで放射状である線に沿って伸張性でない-がなされ得、制御システムは、表面のポイントの目標高さの(3×3)行列(又は他のサイズの行列、使用されるアクチュエータの数量に依存する)でスタートする。1つの仮想プロトタイプでは、これらの高さは、ボウル(bowls)、丘(hills)、鞍(saddles)、及び円筒(cylinder)などの単純な形状を表す高さのターゲットセットを混合することによって制御される。次いで、目標アクチュエータ長が、例えば、以下のように決定され得る。最初に、中央アクチュエータ402eが、純粋に垂直方向に動くように構成され得るので、中央アクチュエータ402eのアクチュエータ長は、単に目標高さであり得る。次に、フレームのエッジに沿って位置決めされた4個のエッジアクチュエータ402b、402d、402f、402hが、図7に示される構造によって設定され得、ここで:
【数1】
であり、ここで、Cは中心アクチュエータ長(単位mm、事前に決定される)、Hは中心からパターン化層(90mmに固定された)を横切るエッジ接続点(例えば、ボール・ソケットジョイント)間隔、Aは中心からベース(60mmに固定された)を横切るアクチュエータ間隔、Tは目標高さ(単位mm)、Eは決定されることになるエッジアクチュエータ長(単位mm)である。
【0050】
上述のガウス関数は、上述のように最初に決定される中心アクチュエータ長Cに基づく。次に、4個のコーナーアクチュエータ402a、402c、402g、及び402iの長さは、同様の方法によって決定され得、ここで、H及びAは√2を掛けられる。図4に示す例では、リニアアクチュエータは、各々、50mmの範囲を有し、したがって、パターン化層上のカップリングの長さで130mmから180mmの範囲を有する。
【0051】
いくつかの例では、ハプティックレンダリングデバイスは、リモートソースから、特定の形状を表現するために各アクチュエータのための命令を受信し得る。他の例では、ハプティックレンダリングデバイスは、レンダリングされることになる形状に関する命令を受信し、特定の形状を協調的に表現するために複数のアクチュエータを制御するように特定の形状をアクチュエータコマンドに変換し得る。任意の適切な制御回路が、複数のアクチュエータ402a~402iを制御するために使用され得る。1つの特定の例では、複数のアクチュエータは、ホストコンピュータ(例えば、HMDデバイス又は他のコンピューティングデバイス)と通信可能に結合されたマルチチャンネルサーボコントローラによって個別に制御され得る。
【0052】
使用中に、コントローラ210は、関連するVR、AR、又はMRアプリケーションのフレームレート(例えば、90Hz)内で、ハプティックレンダリングデバイスによって表現される形状を更新するコマンドを送信し得る。コントローラは、小さいタイムフレーム(trivial timeframe)で制御命令を受信及び実行し得るが、アクチュエータは、次の位置に移動するのにより長い時間を要し得る。従って、ある場合には、ユーザが新しい仮想表面に「触れる」ことが観察される又は触れることが予測されるとき、ディスプレイシステム(例えば、ディスプレイシステム100)は、ハプティックレンダリングデバイスの初期状態を予測的に設定するように構成され得る。この予測は、例えば、アイトラッキングカメラを介して決定されるようなユーザの視線方向に基づき得る。一旦ユーザが仮想オブジェクトと接触すると、ユーザが接触を断つまで、ハプティックレンダリングデバイスは、ユーザの手/指が仮想オブジェクト上を連続的に移動することに応答して、徐々に形状を変化させ得る。また、コントローラ210は、手の動きベクトル、アイトラッキング、及び/又は他の情報に基づいて表示された形状に対する変化を予測するように構成され得る。
【0053】
図2において、パターン化層202は、正のガウス曲率を有する丘形状を表すように作動される。ハプティックフィードバックシステム200によって達成され得る他の形状の例は、図8~10に示される。図8において、ハプティックフィードバックシステム200は、ボウル形状800を表すようにパターン化層202を作動させ、このボウル形状はまた正のガウス曲率を有する。図9で表わされる鞍形状900は負のガウス曲率を有する。図10において、ハプティックフィードバックシステム200は、円筒形状1000-非オーセチック挙動材料によっても形成され得る形状を表すように、パターン化層を作動させる。図2及び図8~10に示される形状の各々は、ピンアレイを使用して適切に類似の解像度の形状を達成するために使用されるよりも少ない数のアクチュエータ要素(例えば、約1000のピンに対して9個のアクチュエータ)によって達成される。作動される要素の数を減らすことによって提供されるコストと信頼性を改善することに加えて、本明細書に開示されている例示的なハプティックフィードバックシステムは、表面の連続的な感覚を提供し、従って、離散的な表面よりも、潜在的によりリアルな感触(touch and feel)を提供する。
【0054】
図11は、ハプティックレンダリングデバイス201などのハプティックレンダリングデバイスを動作させる例示的方法1100を示すフロー図である。方法1100は、ハプティックレンダリングデバイスのコントローラ(例えば、コントローラ210)によって実行可能な記憶命令として実装され得る。
【0055】
1102において、方法1100は、ハプティックレンダリングデバイスによってレンダリングされることになる形状に関する情報を受信することを含む。いくつかの例では、情報を受信することは、1104において示されるように、表示される仮想オブジェクトの形状に関する情報を、HMDデバイスから受信することを含み得る。情報を受信することはまた、1106において示されるように、HMDデバイスから、表示される仮想オブジェクトに対する手の姿勢に関する情報を受信することを含み得る。他の例では、情報を受信することは、1つ又は複数のアクチュエータになされることになる調整を指定するアクチュエータコマンドを受信することを含み得る。
【0056】
受信される情報に基づいて、方法1100は、1108において、ハプティックレンダリングデバイスのパターン化層を動かし、それによって、パターン化層の曲率を2次元で協調的に変化させるように、ハプティックレンダリングデバイスの1つ又は複数のアクチュエータを制御することを含む。いくつかの例では、ハプティックレンダリングデバイスのアクチュエータは、リニアアクチュエータを含み得、1つ又は複数のアクチュエータを制御することは、1110において示されるように、リニアアクチュエータの延長長さを変化させることを含み得る。
【0057】
前述の説明の態様は、多くのバリエーションも同様に考えられるので、限定的な意味で理解されるべきではない。図示されたパターン化層202は、手全体のインタラクションをサポートするようにサイズ決定されているが、ハプティックレンダリングデバイスは、様々な例において、より大きい又はより小さいフォームファクタを有してもよい。いくつかの例では、ハプティックレンダリングデバイスは、オプションで、パターン化層の1つ又は複数の部分においてより詳細な触覚フィードバックを提供するために、例えば、手のひらよりも指先に対してより微細なインタラクションを提供するために、アクチュエータの階層(hierarchy of actuators)を含み得る。さらに、ハプティックレンダリングデバイスは、オプションで、一体化されたタッチ及び/又は圧力センサを含み得、1つ又は複数のアクチュエータは、感知されたタッチ及び/又は圧力入力に応答して形状を変更するように制御され得る。
【0058】
図示された例は、1つの変更可能な表面(パターン化層202)を有するようなハプティックレンダリングデバイスを示しているが、ハプティックレンダリングデバイスはまた、物体の内部に配置された複数の移動可能な表面及びアクチュエータを有する、立方体又は球体などの3次元オブジェクトとして構成されてもよい。別の例として、ハプティックレンダリングデバイスは、仮想オブジェクトを持つ又は仮想オブジェクトの周りで両手を動かす触覚体験をシミュレートするために、両手の間に保持されるように構成される2つの対向するパターン化層を含んでもよい。さらに、本明細書に記載されるハプティックレンダリングデバイスは、使用環境内でユーザの手の動きに追従するロボットアームなどの別の構成物のコンポーネントであってもよい。
【0059】
実験結果
【0060】
ハプティックフィードバックシステム200が、物体の曲率を探索及び知覚するユーザの能力を調べることによってテストされた。
【0061】
実験1
【0062】
ハプティックレンダリングデバイス201が異なるタイプのオブジェクトをレンダリングする能力を検証するために、17名の参加者(n=17)が4つの形状(図2に示す凸状の丘、凸状のチューブ、図8に示す凹状のボウル、及び図10に示す凹状の円筒)のいずれかを選択したかの研究が行われた。パターン化層202の3つの異なる曲率レベル(曲率半径(r)=25mm、10mm、及び5mm)が試験された。参加者は、ハプティックレンダリングデバイス201がr=25mm以上の曲率を示したときに80%の全体的な精度を有し、曲率がr=5mmのときに精度は42%に低下した。
【0063】
ペアフリードマン解析(paired Friedman analysis)では、試験した形状の全てが等しく認識されたわけではないことが示された(χ=13.6, df= 3, p=0.033)。図12を参照すると、最も認識可能な表面は凸状の丘であり、全ての曲率にわたって75%の精度を有し、10mmを超える曲率に対して80%の精度に達した。ボンフェローニ調整p<0.001を用いたコノバー検定によって示されたように、凸状丘形状は2つの凹形状よりも有意に認識可能であった。凸状の丘と凸状の円筒の間に認識の有意差は認められなかった(p=0.09)。凸状の円筒はまた66%の高精度スコアを示し、92%の認識で25mmの曲率で最大であった。これらの結果は、異なる曲率の形状のハプティック知覚のプロキシ(代用)としてのハプティックレンダリングデバイスの能力を確認する。凸を呈する形状は特によく認識されており、これは部分的にはヒトの手の解剖学的形状に関係している可能性がある。
【0064】
実験2
【0065】
実験2は、ハプティックレンダリングデバイス201の解像度をより良く理解しようとした。参加者は、VR使用環境内で強制ペア試験を受け、各ユーザは、より高い曲率を示すと知覚した2つの形状のうちのどちらかを選択した。解像度に関係しない他のタイプの誤差を避けるために、凸状の丘形状(実験1で最も正確に識別された形状)がこの実験のために選択された。参加者には、異なる高さを持つ凸状の丘の上の形状を提示した。体験された最低の高さは5.5mmの曲率半径であり、最も著しい高さは25mmの曲率半径であった。参加者の評価におけるバイアスを避けるため、完全に平坦な形状は提示されなかった。
【0066】
一対比較の各反復で、曲率の1つは常に最低の高さ(5.5mm)であった。1回目又は2回目にどの曲線が提示されたかの割り当てがランダム化された。参加者がより大きな曲率を持つ形状を正しく選択した場合、この実験は、次の一対比較のための曲線レベルを減少させた。参加者が間違いを犯した場合、実験は曲率を3レベル上昇させた。参加者は合計3つのミスを犯す可能性がある。参加者が誤りを犯したレベルは、参加者の知覚閾値とみなされた。
【0067】
この実験は、どの形状がより高い曲率を示すかを決定するための3つの異なる条件を含んでいた。ハプティックレンダリングデバイス201のサイズが与えられた場合、参加者は、単一の指、複数の指又は手のひら全体で表面に触れることを決定し得る。この変動性(variability)を試験するために、参加者は、ラテン方格で釣り合いを取られた、以下の探索条件下で曲率評価を実施した:1本の指-参加者は人さし指のみで表面に触れた後に評価を実施した;2本の指-参加者は人差し指と中指を使って表面の曲率に触れて評価した;手全体-参加者は手のひら全体で表面を探索した。
【0068】
手の位置が、手首に取り付けた無線トラッキング装置を用いてトラッキングされ、バーチャルリアリティHMDデバイスによってトラッキングされた。指レベルのトラッキングは、トラッキングミスマッチエラーを減少させるとともにハプティックレンダリングデバイスの妨害のない手探索を可能にするために、含まれなかった。参加者は、手首レベルで動く条件に合ったバーチャルハンドを見た。
【0069】
3つの試行において各参加者が到達した平均閾値が計算された。その結果を図13に示す。ノンパラメトリックペアコノバー検定も実行した。2本の指を用いた探索は、1本の指又は手全体の使用よりも曲率の検出が不良であった(ペアコノバー検定、p=0.022)。1本の指と片手の間に精度に有意差は認められなかった(p=1)。閾値精度を信頼性の研究と組み合わせた。実験デザインを考慮すると、参加者が閾値に達する時間が長いほど、閾値が実際の閾値であるという信頼性が高くなると考えられる。ノンパラメトリックペアコノバー検定を用いたところ、手全体が最も自信のある探索形態であることがわかったが(対単一の指p=0.04、対2本の指p=002)、参加者は、1本の指又は2本の指で閾値を有意に信頼していなかった。
【0070】
視覚対照実験
【0071】
実験2と組み合わせた対照実験を、参加者が、バーチャルリアリティで描写された視覚的な形状に基づいて、実験1及び実験2で提示された形状の曲率又は形状を確立できないことを確実にするために実施した。
【0072】
この対照実験では、参加者は表面に触れることを許されず、視覚的な手がかりのみで評価を行うように要求された。形状表示のVRセットアップ及びレンダリングは、形状の曲率を可能な限り視覚的に不明瞭にするために幾つかの反復及びパイロットを通して設計された。したがって、作業中の評価は、視覚的ではなく、触覚的な入力に基づいて行う必要がある。この対照条件は、この仮定を説明し、これまでの実験では、評価はハプティックレンダリングデバイスに触れるハプティック体験のみに基づいていたことを立証する。
【0073】
ペア検定のノンパラメトリックな性質を考慮し、ペアフリードマン解析を実施した。条件間で有意差が認められた(χ=12.9、df=3、p=0.004)。結果は、視覚的評価が曲率課題(実験2)を完了するのに十分でないことを示した。視覚的手がかりのみを使用するとき、閾値はわずか15±5sd(標準偏差)mmの曲率に達しただけで、参加者が手全体(9±2sdmm)、単一の指(8.5±1sdmm)及び2つの指(9.5±3sd mm)で曲率を探索することを許された場合に得られた結果とは程遠かった(ボンフェローニ調整p<0.002を用いたペアコノバー検定)。平均1.5に達した参加者は、平均閾値をカウントした。
【0074】
他の形状変更デバイスとは異なり、本明細書に記載した例は、曲率の高周波数変位又は急激な変化ではなく、形状の滑らかな表現及び形状間の移行を示した。さらに、表面の向き(surface orientation)は、曲率知覚に影響する。開示された例は、パターン化層が作動位置間で滑らかに補間されるので、局所的に正確に曲率を提示する。上述の実験は、ハプティックレンダリングデバイスの双方向の曲率(bi-directional curvature)が、たとえ小さい曲率でも検出可能であることを示し得る。これらの結果はまた、眼及び手が眼だけより小さい形状変化を決定するのに優れていることを示し得、触覚フィードバックを利用する様々なシミュレーション用途での使用の可能性を示している。
【0075】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法及びプロセスは、1つ又は複数のコンピューティングデバイスのコンピューティングシステムと結び付けられ得る。特に、このような方法及びプロセスは、コンピュータアプリケーションプログラム又はサービス、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)、ライブラリ、及び/又は他のコンピュータプログラム製品として実装され得る。
【0076】
図14は、上述した方法及びプロセスのうちの1つ又は複数を実施することができるコンピューティングシステム1400の非限定的な実施形態を図式的に示す。コンピューティングシステム1400は、簡略化された形式で示される。コンピューティングシステム1400は、1つ又は複数のパーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、タブレットコンピュータ、ホームエンターテインメントコンピュータ、ネットワークコンピューティングデバイス、ゲームデバイス、モバイルコンピューティングデバイス、モバイル通信デバイス(例えば、スマートフォン)、及び/又は他のコンピューティングデバイスの形態をとり得る。
【0077】
コンピューティングシステム1400は、論理マシン1402及び記憶マシン1404を含む。コンピューティングシステム1400は、オプションで、表示サブシステム1406、入力サブシステム1408、通信サブシステム1410、及び/又は図14に示されていない他のコンポーネントを含み得る。
【0078】
論理マシン1402は、命令を実行するように構成された1つ又は複数の物理デバイスを含む。例えば、論理マシンは、1つ又は複数のアプリケーション、サービス、プログラム、ルーチン、ライブラリ、オブジェクト、コンポーネント、データ構造、又は他の論理構造の一部である命令を実行するように構成され得る。このような命令は、タスクを実行するため、データ型を実装するため、1つ又は複数のコンポーネントの状態を変換するため、技術的効果を達成するため、又は他の方法で所望の結果に到達するために実装され得る。
【0079】
論理マシン1402は、ソフトウェア命令を実行するように構成された1つ又は複数のプロセッサを含み得る。追加的又は代替的に、論理マシンは、ハードウェア又はファームウェア命令を実行するように構成された1つ又は複数のハードウェア又はファームウェア論理マシンを含み得る。論理マシンのプロセッサは、シングルコア又はマルチコアであり得、その上で実行される命令は、逐次、並列、及び/又は分散処理のために構成され得る。論理マシンの個々のコンポーネントは、オプションで、2つ以上の別個のデバイス間に分散され得、これらのデバイスは、リモートに配置され得る及び/又は協調処理のために構成され得る。論理マシンの態様は、クラウドコンピューティング構成内に構成された遠隔アクセス可能なネットワーク化されたコンピューティングデバイスによって仮想化され、実行され得る。
【0080】
記憶マシン1404は、本明細書に記載される方法及びプロセスを実装するために、論理マシンによって実行可能な命令を保持するように構成される1つ又は複数の物理デバイスを含む。そのような方法及びプロセスが実装されるとき、記憶マシン1404の状態は、例えば、異なるデータを保持するように変換され得る。
【0081】
記憶マシン1404は、取り外し可能及び/又は内蔵デバイスを含み得る。記憶マシン1404は、とりわけ、光学メモリ(例えば、CD、DVD、HD-DVD、Blu-Ray Discなど)、半導体メモリ(例えば、RAM、EPROM、EEPROMなど)、及び/又は磁気メモリ(例えば、ハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、テープドライブ、MRAMなど)を含み得る。記憶マシン1404は、揮発性、不揮発性、動的、静的、読み取り/書き込み、読み取り専用、ランダムアクセス、順次アクセス、位置アドレス指定可能、ファイルアドレス指定可能、及び/又はコンテンツアドレス指定可能なデバイスを含み得る。
【0082】
記憶マシン1404は、1つ又は複数の物理装置を含むことが理解されるであろう。しかし、本明細書に記載される命令の態様は、代替的に、有限の期間物理デバイスによって保持されない通信媒体(例えば、電磁信号、光信号など)によって伝搬されてもよい。
【0083】
論理マシン1402及び記憶マシン1404の側面は、一緒に1つ又は複数のハードウェア論理コンポーネントに統合されてもよい。このようなハードウェア論理コンポーネントは、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラム及び特定用途向け集積回路(PASIC/ASIC)、プログラム及びアプリケーション固有の標準製品(PSSP/ASSP)、システムオンアチップ(SOC)、及び複雑なプログラマブル論理デバイス(CPLD)を含み得る。
【0084】
用語「プログラム」及び「エンジン」は、特定の機能を実行するために実装されるコンピューティングシステム1400の態様を説明するために使用され得る。ある場合には、プログラム又はエンジンは、記憶マシン1404によって保持された命令を実行する論理マシン1402を介してインスタンス化され得る。異なるプログラム及び/又はエンジンが、同じアプリケーション、サービス、コードブロック、オブジェクト、ライブラリ、ルーチン、API、関数などからインスタンス化され得ることが理解されよう。同様に、同じプログラム及び/又はエンジンが、異なるアプリケーション、サービス、コードブロック、オブジェクト、ルーチン、API、関数などによってインスタンス化され得る。用語「プログラム」及び「エンジン」は、個々又はグループの実行可能ファイル、データファイル、ライブラリ、ドライバ、スクリプト、データベースレコードなどを含み得る。
【0085】
本明細書で使用されるとき、「サービス」は、複数のユーザセッションにわたって実行可能なアプリケーションプログラムであることが理解されるであろう。サービスは、1つ又は複数のシステムコンポーネント、プログラム、及び/又は他のサービスに利用可能であり得る。いくつかの実装では、サービスは1つ又は複数のサーバコンピューティングデバイス上で実行され得る。
【0086】
含まれる場合、表示サブシステム1406は、記憶マシン1404によって保持されるデータの視覚的表現を提示するために使用され得る。この視覚的表現は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)の形態をとり得る。本明細書に記載される方法及びプロセスが、記憶マシンによって保持されるデータを変化させ、従って、記憶マシンの状態を変換するとき、表示サブシステム1406の状態は、同様に、基礎となるデータの変化を視覚的に表すように変換され得る。表示サブシステム1406は、実質的に任意の種類の技術を利用する1つ又は複数の表示デバイスを含み得る。このような表示デバイスは、共有エンクロージャ内の論理マシン1402及び/又は記憶マシン1404と組み合わされ得る、又はこのような表示デバイスは周辺表示デバイスであり得る。
【0087】
含まれる場合、入力サブシステム1408は、キーボード、マウス、タッチスクリーン、又はゲームコントローラなどの1つ又は複数のユーザ入力デバイスを有する又はそれとインターフェース接続し得る。いくつかの実施形態では、入力サブシステムは、選択された自然ユーザ入力(NUI)コンポーネントを有し得る又はそれとインターフェース接続し得る。そのようなコンポーネントは、統合され得るか又は周辺機器のものであり得、入力アクションの変換及び/又は処理は、オンボード又はオフボードで処理され得る。例示的なNUIコンポーネントは、スピーチ及び/又は音声認識のためのマイクロホン;マシンビジョン及び/又はジェスチャ認識のための赤外線、カラー、立体画像、及び/又は奥行きカメラ;運動検出及び/又は意図認識のためのヘッドトラッカー、アイトラッカー、加速度計、及び/又はジャイロスコープ;並びに脳活動を評価するための電界検出コンポーネントを含み得る。
【0088】
含まれる場合、通信サブシステム1410は、コンピューティングシステム1400を1つ又は複数の他のコンピューティングデバイスと通信結合するように構成され得る。通信サブシステム1410は、1つ又は複数の異なる通信プロトコルと互換性のある有線及び/又は無線通信デバイスを含み得る。非限定的な例として、通信サブシステムは、無線電話ネットワーク、又は有線若しくは無線のローカル若しくはワイドエリアネットワークを介して通信するように構成され得る。いくつかの実施形態では、通信サブシステムは、コンピューティングシステム1400が、インターネットなどのネットワークを介して、他のデバイスに及び/又は他のデバイスから、メッセージを送受信することを可能にし得る。
【0089】
別の例は、オーセチック挙動を示すパターン化層と、パターン化層を動かすように構成された複数のアクチュエータであって、各アクチュエータは、2次元においてパターン化層の曲率を協調的に変化させるように個別に制御可能である、複数のアクチュエータと、を有するハプティックレンダリングデバイスを提供する。このような例では、パターン化層は、追加的又は代替的に、アルキメデス螺旋パターンを有し得る。このような例では、パターン化層は、追加的に又は代替的に、金属材料、ポリマー材料、又は複合材料を含み得る。このような例では、パターン化層は、追加的又は代替的に、体積で40~60%のボイドスペースを含み得る。このような例では、ハプティックレンダリングデバイスは、追加的又は代替的に、ボイドスペースを満たすエラストマー材料を含み得る。このような例では、複数のアクチュエータは、追加的に又は代替的に、パターン化層の中心でパターン化層を動かすように構成された中央アクチュエータを含み得、追加的に又は代替的に、パターン化層の周囲でパターン化層を動かすように構成された1つ又は複数のアクチュエータを含み得る。このような例では、複数のアクチュエータは、追加的又は代替的に、複数のリニアアクチュエータを含み得る。このような例では、1つ又は複数のアクチュエータが、それぞれ、追加的に又は代替的に、ボール・ソケットジョイントを介して、パターン化層に第1の端部において取り付けられ得る。このような例では、ハプティックレンダリングデバイスは、追加的に又は代替的に、ユーザがハプティックレンダリングデバイスとインタラクトする表面において、パターン化層に取り付けられた触覚層を有し得る、
【0090】
別の例は、オーセチック挙動を示すパターン化層、パターン化層を動かすように構成される複数のアクチュエータであって、各アクチュエータが個別に制御可能である、複数のアクチュエータ、及びパターン化層に取り付けられた触覚層を有するハプティックレンダリングデバイスと、パターン化層を動かし、パターン化層に曲率を付与するようアクチュエータを選択的に制御するように構成されたコントローラとを有する、ハプティックフィードバックシステムを提供する。このような例では、コントローラは、追加的に又は代替的に、リモートコンピューティングデバイスから制御命令を受信し、制御命令に基づいてアクチュエータを制御するように構成され得る。このような例では、制御命令は、追加的又は代替的に、ハプティックレンダリングデバイスによってレンダリングされることになるオブジェクトの形状に関する情報を含み得る。このような例では、パターン化層は、追加的に又は代替的に、非オーセチック材料から形成され得る。このような例では、非オーセチック材料は、追加的に又は代替的に、金属材料、ポリマー材料、又は複合材料を含み得る。このような例では、パターン化層は、追加的又は代替的に、40~60%のボイドスペースを含み得、触覚層は、追加的又は代替的に、ボイドスペースを満たすエラストマー材料を含み得る。このような例では、触覚層は、追加的に又は代替的に、ユーザがハプティックレンダリングデバイスとインタラクトする表面において、パターン化層に取り付けられるファブリック材料を含み得る。
【0091】
別の例は、オーセチック挙動を示すパターン化層を含み、またパターン化層の曲率を協調的に変化させるように個々に制御可能な複数のアクチュエータを有する、ハプティックレンダリングデバイスを動作させる方法を提供し、方法は、ハプティックレンダリングデバイスによってレンダリングされることになる形状に関する情報を受信することと、受信された情報に基づいて、パターン化層を動かし、それによって、パターン化層の曲率を2次元で変化させるように、ハプティックレンダリングデバイスの1つ又は複数のアクチュエータを制御することとを含む。このような例では、情報を受信することは、追加的に又は代替的に、ヘッドマウントディスプレイデバイスから、表示された仮想オブジェクトの形状に関する情報を受信することを含み得る。このような例では、情報を受信することは、追加的又は代替的に、表示された仮想オブジェクトに対する手の姿勢に関する情報を、ヘッドマウントディスプレイデバイスから受信することを含み得る。このような例では、1つ又は複数のアクチュエータを制御することは、追加的に又は代替的に、1つ又は複数のリニアアクチュエータの各々について、リニアアクチュエータの延長長さを変化させることを含み得る。
【0092】
本明細書に記載された構成及び/又はアプローチは、本質的に例示的なものであり、これらの特定の実施形態又は例は、多くのバリエーションが可能であるため、限定的な意味で考慮されるべきではないことが理解されよう。本明細書に記載される特定のルーチン又は方法は、任意の数の処理戦略のうちの1つ又は複数を表し得る。そのようなものとして、図示され及び/又は記載された種々の行為は、図示され及び/又は記載されたシーケンスで、他のシーケンスで、並列に、又は省略されて実行され得る。同様に、上述したプロセスの順序も変更され得る。
【0093】
本開示の主題は、様々なプロセス、システム及び構成、及び本明細書に開示された他の特徴、機能、行為、及び/又は特性、並びにそれらの任意の及び全ての均等物の、全ての新規及び非自明の組み合わせ及びサブコンビネーションを含む。
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