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特許7596335情報提供装置、情報提供方法、及び保険情報システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法、及び保険情報システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241202BHJP
   G06Q 40/08 20120101ALI20241202BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q40/08
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022144850
(22)【出願日】2022-09-12
(65)【公開番号】P2024040036
(43)【公開日】2024-03-25
【審査請求日】2023-05-26
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 雄治
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-215740(JP,A)
【文献】特開2003-101552(JP,A)
【文献】特開2015-087986(JP,A)
【文献】特開2010-079338(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の対象車両の走行データを収集する収集部と、
外部装置からの提供要求に応じて前記外部装置へ前記走行データを提供する提供部と、
前記対象車両についての情報を含む前記対象車両毎の対象車情報を、それぞれ、前記提供要求に含まれる指定情報と照合して、前記外部装置へ走行データを提供すべき対象車両を特定する照合部と、
を備え、
前記照合部は、前記対象車情報に含まれた前記対象車両の車両登録番号である対象車登録番号と、前記指定情報に含まれた、当該指定情報が指定する車両の車両登録番号である指定車登録番号と、を照合すると共に、前記対象車情報に含まれた前記対象車両の車両識別番号である対象車両識別番号と、前記指定情報に含まれた、当該指定情報が指定する車両の車両識別番号である指定車両識別番号と、を照合して、前記指定車登録番号と一致する前記対象車登録番号を有し、且つ、前記指定車両識別番号と一致する前記対象車両識別番号を有する前記対象車両を、前記外部装置へ走行データを提供すべき対象車両として特定し、
前記車両登録番号は、車両を識別すると共に当該車両と当該車両の所有者とを紐づける固有の符号列であって、
前記提供部は、前記照合部が特定した前記対象車両についての前記走行データを前記外部装置へ送信する、
情報提供装置。
【請求項2】
前記照合部は、前記対象車両の前記対象車情報に含まれた、前記対象車登録番号及び前記対象車両識別番号を除く他の情報が、前記指定情報に含まれた、前記指定車登録番号及び前記指定車両識別番号を除く他の情報と一致しない場合でも、前記対象車登録番号と前記指定車登録番号とが一致し、且つ前記対象車両識別番号と前記指定車両識別番号が一致する場合には、前記対象車両を、前記外部装置へ走行データを提供すべき対象車両として特定する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記対象車両の現在位置の情報である位置情報を取得する位置取得部を備え、
前記位置取得部は、前記対象車両が駐車された位置のうち、所定日数あたりの駐車回数または総駐車時間が、それぞれ、所定回数以上であるか又は所定時間以上である位置を、前記対象車両の定常駐車位置として特定し、
前記提供部は、前記対象車両の前記定常駐車位置が変化したときは、当該対象車両からの前記走行データを前記外部装置へ送信しない、
請求項1または2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
情報提供装置のコンピュータが実行する情報提供方法であって、
複数の対象車両の走行データを収集する収集ステップと、
外部装置からの提供要求に応じて前記外部装置へ前記走行データを提供する提供ステップと、
前記対象車両についての情報を含む前記対象車両毎の対象車情報を、それぞれ、前記提供要求に含まれる指定情報と照合して、前記外部装置へ走行データを提供すべき対象車両を特定する照合ステップと、
を備え、
前記照合ステップでは、前記対象車情報に含まれた前記対象車両の車両登録番号である対象車登録番号と、前記指定情報に含まれた、当該指定情報が指定する車両の車両登録番号である指定車登録番号と、を照合すると共に、前記対象車情報に含まれた前記対象車両の車両識別番号である対象車両識別番号と、前記指定情報に含まれた、当該指定情報が指定する車両の車両識別番号である指定車両識別番号と、を照合して、前記指定車登録番号と一致する前記対象車登録番号を有し、且つ、前記指定車両識別番号と一致する前記対象車両識別番号を有する前記対象車両を、前記外部装置へ走行データを提供すべき対象車両として特定し、
前記車両登録番号は、車両を識別すると共に当該車両と当該車両の所有者とを紐づける固有の符号列であって、
前記提供ステップでは、前記照合ステップにおいて特定した前記対象車両についての前記走行データを前記外部装置へ送信する、
情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報提供方法、及び保険情報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、事前に対象自動車を限定せずに利用の都度に利用申込及び保険料の支払いを行う従量課金制自動車保険についての、保険情報処理方法が記載されている。この保険情報処理方法では、今回対象となる自動車の登録番号を含む利用申込データを申込者の端末から受信し、対象自動車が特定されている一般自動車保険についての契約データに、上記登録番号を含む契約があるか否かを判断する。そして、上記登録番号を含む一般自動車保険についての契約が存在し、且つ当該申込者に上記契約の適用があると判断されるときは、上記一般自動車保険の契約とは別に従量課金制自動車保険を利用することを申込者に確認させるための送信データを、申込者の端末に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-3297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような、同一車両についての2つの保険契約の重複適用の有無を調整することとは別に、車両保険を扱う保険会社においては、保険対象である対象車両について、危険走行等の運転時の取り扱われ方についての情報を得たいというニーズが存在する。このため、例えば、保険会社のサーバと通信可能に接続された情報提供装置が、車両保険の対象である対象車両から走行データを収集し、上記サーバから提供要求を受信したことに応じて、当該収集した走行データを上記保険会社のサーバへ提供することが考えられる。
【0005】
この場合、情報提供装置は、保険会社が走行データを求めている車両とは所有者が異なる車両の走行データを保険会社のサーバへ送信しないように、保険会社からの提供要求が指定する車両と、送信しようとする走行データの車両との間の、所有者の同一性を確認することが必要となり得る。
【0006】
しかしながら、例えば、情報提供装置における車両についての情報と、保険会社のサーバにおける車両についての情報とが、それぞれ異なるタイミングで個別に修正された場合には、同一の対象車両についての所有者の情報が情報提供装置と保険会社のサーバとの間で異なる期間が生じ得る。この場合、情報提供装置は、保険会社のサーバへ送信しようとする走行データの収集元である車両と、保険会社のサーバから受信した提供要求が指定する車両と、の間の所有者の同一性を正しく判断することが困難となり、保険会社のサーバへ走行データを適切に送信できない事態が生じ得る。
【0007】
本発明の目的は、車両から収集した走行データを外部装置からの提供要求に応じて当該外部装置へ送信する情報提供装置において、上記提供要求により指定された車両を所有者同一の観点から誤りなく特定して、上記指定された車両の走行データを外部装置へ適切に送信し得るようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の態様によると、複数の対象車両の走行データを収集する収集部と、外部装置からの提供要求に応じて前記外部装置へ前記走行データを提供する提供部と、前記対象車両についての情報を含む前記対象車両毎の対象車情報を、それぞれ、前記提供要求に含まれる指定情報と照合して、前記外部装置へ走行データを提供すべき対象車両を特定する照合部と、を備え、前記照合部は、前記対象車情報に含まれた前記対象車両の車両登録番号である対象車登録番号と、前記指定情報に含まれた、当該指定情報が指定する車両の車両登録番号である指定車登録番号と、を照合すると共に、前記対象車情報に含まれた前記対象車両の車両識別番号である対象車両識別番号と、前記指定情報に含まれた、当該指定情報が指定する車両の車両識別番号である指定車両識別番号と、を照合して、前記指定車登録番号と一致する前記対象車登録番号を有し、且つ、前記指定車両識別番号と一致する前記対象車両識別番号を有する前記対象車両を、前記外部装置へ走行データを提供すべき対象車両として特定し、前記車両登録番号は、車両を識別すると共に当該車両と当該車両の所有者とを紐づける固有の符号列であって、前記提供部は、前記照合部が特定した前記対象車両についての前記走行データを前記外部装置へ送信する、情報提供装置である。
本発明の他の態様によると、前記照合部は、前記対象車両の前記対象車情報に含まれた、前記対象車登録番号及び前記対象車両識別番号を除く他の情報が、前記指定情報に含まれた、前記指定車登録番号及び前記指定車両識別番号を除く他の情報と一致しない場合でも、前記対象車登録番号と前記指定車登録番号とが一致し、且つ前記対象車両識別番号と前記指定車両識別番号が一致する場合には、前記対象車両を、前記外部装置へ走行データを提供すべき対象車両として特定する。
発明の他の態様によると、前記対象車両の現在位置の情報である位置情報を取得する位置取得部を備え、前記位置取得部は、前記対象車両が駐車された位置のうち、所定日数あたりの駐車回数または総駐車時間が、それぞれ、所定回数以上であるか又は所定時間以上である位置を、前記対象車両の定常駐車位置として特定し、前記提供部は、前記対象車両の前記定常駐車位置が変化したときは、当該対象車両からの前記走行データを前記外部装置へ送信しない。
本発明の他の態様は、情報提供装置のコンピュータが実行する情報提供方法であって、複数の対象車両の走行データを収集する収集ステップと、外部装置からの提供要求に応じて前記外部装置へ前記走行データを提供する提供ステップと、前記対象車両についての情報を含む前記対象車両毎の対象車情報を、それぞれ、前記提供要求に含まれる指定情報と照合して、前記外部装置へ走行データを提供すべき対象車両を特定する照合ステップと、を備え、前記照合ステップでは、前記対象車情報に含まれた前記対象車両の車両登録番号である対象車登録番号と、前記指定情報に含まれた、当該指定情報が指定する車両の車両登録番号である指定車登録番号と、を照合すると共に、前記対象車情報に含まれた前記対象車両の車両識別番号である対象車両識別番号と、前記指定情報に含まれた、当該指定情報が指定する車両の車両識別番号である指定車両識別番号と、を照合して、前記指定車登録番号と一致する前記対象車登録番号を有し、且つ、前記指定車両識別番号と一致する前記対象車両識別番号を有する前記対象車両を、前記外部装置へ走行データを提供すべき対象車両として特定し、前記車両登録番号は、車両を識別すると共に当該車両と当該車両の所有者とを紐づける固有の符号列であって、前記提供ステップでは、前記照合ステップにおいて特定した前記対象車両についての前記走行データを前記外部装置へ送信する、情報提供方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、車両から収集した走行データを外部装置からの提供要求に応じて当該外部装置へ送信する情報提供装置において、上記提供要求により指定された車両を所有者同一の観点から誤りなく特定して、上記指定された車両の走行データを外部装置へ適切に送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る情報提供装置を含む保険情報処理システムの構成を示す図である。
図2】情報提供装置の構成を示す図である。
図3】外部装置である保険会社サーバの構成を示す図である。
図4】情報提供装置が実行する情報提供方法の手順を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る情報提供装置を用いた保険情報システムの構成を示す図である。情報提供装置1は、外部装置である保険会社サーバ3と共に、保険情報システム2を構成している。情報提供装置1と保険会社サーバ3とは、インターネット等の通信ネットワーク4を介して互いに通信可能に接続されている。
【0012】
情報提供装置1は、対象車両5のそれぞれから走行データを収集し、収集した走行データを保険会社サーバ3へ提供する。走行データの収集及び提供は、例えば、通信ネットワーク4を介した通信により行われる。
【0013】
情報提供装置1は、例えば、車両ベンダーVにより運営されるサーバ又はその一部であり得る。情報提供装置1には、走行データの収集対象である対象車両5のそれぞれについての、当該対象車両5の情報を含む対象車情報13が、対象車両5毎に予め記憶されている。対象車情報13は、対象車両5の識別情報及び通信のためのアクセス情報、対象車両5の所有者の氏名、住所、運転免許情報、車両ベンダーVにおける識別情報のほか、所有者であるユーザU1の家族(家族利用者)であるユーザU2の氏名、住所、車両ベンダーVにおける識別情報などを含み得る。
【0014】
対象車両5は、それぞれ、車載装置6により走行データを収集して情報提供装置1へ送信する。走行データには、走行距離、運転速度、急アクセル、急ブレーキ、急ハンドルなどについてのデータが含まれ得る。
【0015】
保険会社サーバ3は、車両保険を取り扱う保険会社Mが運営するサーバであり、保険対象である対象車両5毎の保険契約の契約情報33が記憶されている。契約情報33には、対象車両5の識別情報、所有者の情報、及び契約者の氏名、住所、保険会社Mにおける識別情報、車両ベンダーVにおける識別情報などが含まれ得る。
【0016】
対象車両5の所有者であるユーザU1及び又は家族利用者であるユーザU2は、車両ベンダーV又は保険会社Mに依頼して、又は自身が保有する端末装置7a、7bを用いて情報提供装置1および保険会社サーバ3にアクセスして、その対象車両5についての対象車情報13および契約情報33を変更または更新することができる。端末装置7a、7bは、例えばスマートフォン等の携帯端末であり得る。上記変更または更新は、例えば、ユーザU1、U2の住所を変更すること、あるいは、対象車両5の所有者を変更すること、保険契約者を変更すること、等であり得る。
【0017】
なお、図1において複数の対象車両5は、それぞれは、同一の又は異なる人物により所有される車両であって、それぞれの対象車両5について、上記と同様の対象車情報13および契約情報33が、情報提供装置1および保険会社サーバ3に記憶されるものとする。
【0018】
情報提供装置1は、保険会社サーバ3からの提供要求を受信したことに応じて、対応する対象車両5の走行データを保険会社サーバ3へ提供する。提供要求には、指定情報が含まれており、情報提供装置1は、対象車情報13のそれぞれと指定情報とを照合することにより、保険会社サーバ3へ走行データを提供すべき対象車両5を特定する(すなわち、どの対象車両5の走行データを保険会社サーバ3へ提供すべきかを判断する)。上記指定情報は、例えば、保険会社サーバ3が、契約情報33に基づいて生成し得る。
【0019】
本実施形態では、特に、情報提供装置1は、対象車情報13に含まれた対象車両5の車両登録番号である対象車登録番号と、指定情報に含まれた、当該指定情報が指定する車両の車両登録番号である指定車登録番号と、を照合し、指定車登録番号と一致する対象車登録番号を有する対象車両5を、保険会社サーバ3へ走行データを提供すべき対象車両5として特定する。ここで、上記車両登録番号は、車両を識別すると共に当該車両と当該車両の所有者とを紐づける固有の符号列をいう。具体的には、車両登録番号は、法規に従って車両のナンバープレート(又はライセンスプレート、レジスレーションプレート、あるいはその同等物)に表示された符号列(数字、記号、及び又は文字を含み得る)であり得る。
【0020】
これにより、情報提供装置1では、情報提供装置1が記憶する対象車情報13及び又は保険会社サーバ3が記憶する契約情報33が、それぞれ異なるタイミングで個別に変更されること等により、同一の対象車両5について、対象車情報13における所有者の情報と契約情報33における所有者の情報とが異なる期間が生じた場合でも、車両登録番号についての照合により、保険会社サーバ3からの提供要求に含まれた指定情報が指定する対象車両5を、所有者同一の観点から誤りなく特定して、上記指定された対象車両5の走行データを保険会社サーバ3へ適切に提供することができる。
【0021】
図2は、情報提供装置1の構成の一例を示す図である。
情報提供装置1は、第1プロセッサ10と、第1メモリ11と、第1通信装置12と、を有する。第1通信装置12は、情報提供装置1が通信ネットワーク4を介して対象車両5及び保険会社サーバ3と通信するための送受信機である。第1メモリ11は、例えば、揮発性及び又は不揮発性の半導体メモリ、及び又はハードディスク装置等により構成される。
【0022】
第1メモリ11には、対象車両5毎の対象車情報13が、予め記憶されている。それぞれの対象車情報13は、対応する対象車両5の識別情報を含む。後述するように、対象車両5の識別情報は、本実施形態では、車両を識別すると共に当該車両と当該車両の所有者とを紐づける固有の符号列からなる車両登録番号であり、具体的には、例えば、法規に従ってその車両のナンバープレートに表示される符号列である。
【0023】
対象車情報13は、対象車登録番号以外の他の情報として、対象車両5との通信のためのアクセス情報、対象車両5の所有者の氏名、住所、運転免許情報、車両ベンダーVにおける識別情報のほか、家族利用者であるユーザU2の氏名、住所、車両ベンダーVにおける識別情報などを含み得る。
【0024】
第1プロセッサ10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを備えるコンピュータである。第1プロセッサ10は、プログラムが書き込まれたROM(Read Only Memory)、データの一時記憶のためのRAM(Random Access Memory)等を有する構成であってもよい。そして、第1プロセッサ10は、機能要素又は機能ユニットとして、情報管理部20と、収集部21と、提供部22と、照合部23と、位置取得部24と、を備える。
【0025】
第1プロセッサ10が備えるこれらの機能要素は、例えば、コンピュータである第1プロセッサ10が第1メモリ11に記憶された情報提供プログラム14を実行することにより実現される。なお、情報提供プログラム14は、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。これに代えて、第1プロセッサ10が備える上記機能要素の全部又は一部を、それぞれ一つ以上の電子回路部品を含むハードウェアにより構成することもできる。
【0026】
情報管理部20は、ユーザU1およびU2の端末装置7a、7bから対象車情報13の修正を指示する修正要求を受信したときに、対応する対象車両5についての対象車情報13の内容を、上記修正要求の内容に従って修正する。
あるいは、情報提供装置1を運営する車両ベンダーVのオペレータが、ユーザU1又はU2からの依頼により、対象車情報13の修正を指示する修正要求を、情報提供装置1に入力してもよい。修正要求には、例えば、情報修正の対象となるの車両の車両識別番号(VIN、Vehicle Identification Number)が含まれ得る。情報管理部20は、修正要求に含まれる車両識別番号に基づいて検索を行い、修正対象である対象車情報13を特定し得る。ここで、車両識別番号(VIN)とは、国際標準化機構(ISO)3833により定義された、車両の車体に刻印されて当該車体を識別するための英数字から成る一意のコードをいい、車体番号とも称される。
【0027】
収集部21は、複数の対象車両5の走行データを収集する。例えば、収集部21は、第1通信装置12により、通信ネットワーク4を介して、対象車両5から走行データを受信して収集する。上述したように、走行データには、走行距離や急アクセル等のデータが含まれ得る。
【0028】
提供部22は、外部装置である保険会社サーバ3から受信される提供要求に応じて、収集部21が収集した対象車両5の走行データを、保険会社サーバ3へ提供する。具体的には、提供部22は、後述する照合部23が特定した対象車両5についての走行データを、保険会社サーバ3へ送信する。
【0029】
ただし、提供部22は、照合部23が特定した上記対象車両5の定常駐車位置(後述)が変化したときは、当該対象車両5の走行データを保険会社サーバ3へ提供しない。対象車両5の定常駐車位置が変化したか否かは、後述する位置取得部24からの通知により認識され得る。
【0030】
照合部23は、対象車両5毎の対象車情報13を、それぞれ、保険会社サーバ3から受信された提供要求に含まれる指定情報と照合して、保険会社サーバ3へ走行データを提供すべき対象車両5を特定する。具体的には、照合部23は、対象車情報13に含まれた対象車両5の車両登録番号である対象車登録番号と、指定情報に含まれた、当該指定情報が指定する車両の車両登録番号である指定車登録番号と、を照合する。そして、照合部23は、指定車登録番号と一致する対象車登録番号を有する対象車両5を、保険会社サーバ3へ走行データを提供すべき対象車両5として特定する。
【0031】
上述したように、上記車両登録番号は、車両を識別すると共に当該車両と当該車両の所有者とを紐づける固有の符号列である。車両の所有者が変わった場合、その車両の車両登録番号には、それまでとは異なる新たな符号列が付与される。
【0032】
これにより、情報提供装置1における対象車情報13と、保険会社サーバ3における契約情報33とが、それぞれ異なるタイミングで個別に変更されること等により、同一の対象車両についての所有者の情報が情報提供装置1と保険会社サーバ3との間で異なっている期間が生じた場合でも、保険会社サーバ3からの提供要求により指定された対象車両5を所有者同一の観点から誤りなく特定して、上記指定された対象車両5の走行データを保険会社サーバ3へ適切に送信することができる。
【0033】
上述したように、車両登録番号は、本実施形態では、法規に従って車両のナンバープレートに表示される符号列であり得る。
これにより、保険会社サーバ3との間で、所有者と対象車両5との関係を識別するための新たな識別情報等を定義することなく、保険会社サーバ3から指定された対象車両5を所有者同一の観点から誤りなく特定して、上記指定された対象車両5の走行データを保険会社サーバ3へ適切に送信することができる。
【0034】
なお、照合部23は、指定車登録番号と対象車登録番号との照合に加えて、例えば、契約情報と対象車情報13との整合性を監視する等の観点から、指定情報に含まれた、指定車登録番号以外の他の情報と、対象車情報13に含まれた、対象車登録番号以外の他の情報と、を照合して、その結果を情報提供装置1のオペレータに通知するものとしてもよい。
【0035】
ただし、照合部23は、指定情報に含まれた指定車登録番号以外の他の情報と、対象車情報13に含まれた対象車登録番号以外の他の情報とが一致しない場合であっても、指定車登録番号と対象車登録番号とが一致する場合には、当該指定車登録番号と一致する対象車登録番号を有する対象車両5を、保険会社サーバ3へ走行データを提供すべき対象車両5として特定する。
【0036】
位置取得部24は、対象車両5の現在位置の情報である位置情報を、例えば所定の時間間隔で取得する。そして、位置取得部24は、対象車両5が駐車された位置のうち、所定日数(例えば、1か月)に亘り繰り返し定常的に駐車された位置を、対象車両5の定常駐車位置として特定する。例えば、位置取得部24は、一日当たりの駐車頻度が最も高い駐車位置、または、所定日数に亘る一日当たりの総駐車時間の平均値が最も長い駐車位置を、対象車両5の定常駐車位置として特定し得る。
【0037】
あるいは、時間帯を判断基準に加え、夜間(例えば、午後11時から翌日の午前5時まで)や日付が変わるタイミング(午前0時)において所定回数以上駐車されている場所を、定常駐車位置として特定してもよい。また、上記と同様な特定の時間帯を条件として、さらに、総駐車時間の最も長い駐車位置を定常駐車位置としてもよい。この場合、通勤などで車両を使用し、昼間などに勤務先の駐車場に車両を駐車させている場合を除くことができ、私生活における定常駐車位置を精度高く特定することが可能となる。加えて、車両の起動が停止された場所(イグニッションスイッチ又は起動スイッチをオフにした場所)の回数をカウントし、カウント数が所定回数以上である場所を定常駐車位置として特定してもよい。
【0038】
位置取得部24は、また、定常駐車位置が変化したときは、その旨を提供部22へ通知する。
【0039】
上述したように、提供部22は、位置取得部24からの通知に基づき、照合部23が特定した上記対象車両5の定常駐車位置が変化したときは、当該対象車両5の走行データを保険会社サーバ3へ提供しない。
これにより、情報提供装置1は、対象車両5の所有者が変わった可能性を、当該対象車両5の駐車位置の傾向から迅速に判断して、所有者が変わった対象車両5の走行データを、元の所有者の対象車両5の走行データとして保険会社サーバ3へ誤って送信してしまうのを未然に防止することができる。
【0040】
図3は、外部装置である保険会社サーバ3の構成の一例を示す図である。
保険会社サーバ3は、第2プロセッサ30と、第2メモリ31と、第2通信装置32と、を有する。第2通信装置32は、保険会社サーバ3が通信ネットワーク4を介して情報提供装置1と通信するための送受信機である。第2メモリ31は、例えば、揮発性及び又は不揮発性の半導体メモリ、及び又はハードディスク装置等により構成される。
【0041】
第2メモリ31には、保険対象である対象車両5のそれぞれについての保険契約毎の契約情報33が記憶されている。契約情報には、対象車両5の識別情報、所有者の情報、及び契約者の氏名、住所、保険会社Mにおける識別情報、車両ベンダーVにおける識別情報などが含まれ得る。上述したように、本実施形態では、上記対象車両5の識別情報は、その車両の車両登録番号(上述)であり、具体的には、法規に従ってその車両のナンバープレートに表示されている符号列である。
【0042】
第2プロセッサ30は、例えば、CPU等のプロセッサを備えるコンピュータである。第2プロセッサ30は、プログラムが書き込まれたROM、データの一時記憶のためのRAM等を有する構成であってもよい。そして、第2プロセッサ30は、機能要素又は機能ユニットとして、契約管理部40と、走行情報管理部41と、算出部42と、を備える。
【0043】
第2プロセッサ30が備えるこれらの機能要素は、例えば、コンピュータである第2プロセッサ30が第2メモリ31に記憶されたプログラム35を実行することにより実現される。なお、プログラム35は、コンピュータ読み取り可能な任意の記憶媒体に記憶させておくことができる。これに代えて、第2プロセッサ30が備える上記機能要素の全部又は一部を、それぞれ一つ以上の電子回路部品を含むハードウェアにより構成することもできる。
【0044】
契約管理部40は、第2メモリ31に記憶する契約情報33を管理する。例えば、契約管理部40は、保険契約の契約者であるユーザU1又はU2の端末装置7a又は7bから、その保険契約の契約情報33の修正指示を受信したときに、当該契約情報33の内容を、上記修正指示の内容に従って修正する。
【0045】
走行情報管理部41は、契約情報33の保険対象である対象車両5の走行データを、情報提供装置1から取得する。具体的には、走行情報管理部41は、それぞれの契約情報33に基づき、走行データの提供を求める対象車両5を指定する指定情報を生成する。上述したように、指定情報には、上記指定する対象車両5の車両登録番号である指定車登録番号が含まれ得る。これに加えて、指定情報は、指定車登録番号以外の他の情報を含んでも良い。上記他の情報には、対応する契約情報33が含む情報(上述した所有者の情報、契約者の氏名、住所等々)の全部または一部が含まれ得る。
【0046】
走行情報管理部41は、上記生成した指定情報を含む、走行データの提供要求を、情報提供装置1へ送信する。
走行情報管理部41は、上記提供要求に応じて情報提供装置1が送信する走行データを、その走行データの取得元である対象車両5についての契約情報33に関連付けて、第2メモリ31が記憶する走行情報DB34に保存する。
【0047】
算出部42は、走行情報DB34に保存された、情報提供装置1から受信した対象車両5の走行データに基づいて、その対象車両5についての保険契約に係る保険料を算出する。これにより、例えば、対象車両5の走行データから把握され得る当該対象車両5における危険運転等の有無に基づいて、当該対象車両5についての保険契約の保険料を、事故発生の可能性の程度に応じた金額に設定することができる。
【0048】
例えば、算出部42は、情報提供装置1から受信する対象車両5の走行データに基づいて、その対象車両5の上記保険料についての割引額又は割引率を算出する。そして、算出部42は、上記割引額又は割引率に基づいて、その対象車両5についての保険契約に係る保険料を算出する。これにより、例えば、対象車両5の走行データから把握され得る当該対象車両5における安全運転の励行状況に基づいて、より安全な運転が行われている対象車両5の保険料をより安く設定することができる。
【0049】
次に、情報提供装置1における動作の手順について説明する。
図4は、情報提供装置1のコンピュータである第1プロセッサ10が実行する情報提供方法における処理の手順を示すフロー図である。本処理は、繰り返し実行される。なお、本処理と並行して、情報提供装置1は、収集部21により、例えば、所定の時間間隔で、対象車両5のそれぞれから走行データを収集する収集ステップを実行する。収集した走行データは、例えば、収集元である対象車両5に関連付けて、第1メモリ11に記憶され得る。また、本処理と並行して、情報提供装置1は、位置取得部24により、所定の時間間隔で、対象車両5のそれぞれからその対象車両5の位置情報を取得して、その対象車両5の定常駐車位置を特定するステップを実行するものとする。
【0050】
処理を開始すると、まず、情報提供装置1の照合部23は、例えば保険会社サーバ3である外部装置から、走行データの提供要求を受信したか否かを判断する(S100)。そして、提供要求を受信しないときは(S100、NO)、照合部23は、ステップS100を繰り返し、提供要求を受信するのを待機する。
【0051】
一方、提供要求を受信したときは(S100、YES)、照合部23は、対象車両5毎の対象車情報13を、それぞれ、上記受信した提供要求に含まれる指定情報と照合して、外部装置へ走行データを提供すべき対象車両5を特定する(S102)。ステップS102は、本開示における照合ステップに相当する。
【0052】
本実施形態では、特に、ステップS102では、照合部23は、上述したように、対象車情報13に含まれた対象車両5の車両登録番号である対象車登録番号と、指定情報に含まれた、当該指定情報が指定する車両の車両登録番号である指定車登録番号と、を照合する。そして、照合部23は、指定車登録番号と一致する対象車登録番号を有する対象車両5を、外部装置へ走行データを提供すべき対象車両5として特定する。
【0053】
次に、提供部22は、外部装置から受信した上記提供要求に応じて、照合部23が特定した対象車両5の走行データを、外部装置へ送信して提供し(S104)、本処理を終了する。ステップS104は、本開示における提供ステップに相当する。
【0054】
[他の実施形態]
照合部23は、走行データを提供すべき対象車両5の特定に際し、対象車情報13に含まれた対象車両5の車両識別番号(VIN)である対象車両識別番号と、指定情報に含まれた、当該指定情報が指定する車両の車両識別番号である指定車両識別番号と、を更に照合してもよい。照合部23は、指定車登録番号と一致する対象車登録番号を有し、且つ、指定車両識別番号と一致する対象車両識別番号を有する対象車両5を、保険会社サーバ3へ走行データを提供すべき対象車両5として特定するものとすることができる。対象車両5の車両識別番号は、対象車両5の識別情報として対象車情報13および契約情報33に含ませておくものとすることができる。
【0055】
一般に、車両識別番号の情報は、車両ベンダーVと保険会社Mの両者において保有しているので、上記のように車両登録番号と車両識別番号の双方を用いて対象車両5を識別することで、指定情報が指定する対象車両5を更に誤りなく特定して、指定された対象車両5の走行データを保険会社サーバ3へ適切に提供することができる。
車両ベンダーでは、所有者が未定であること等により未だ車両登録番号が付与されていない車両を管理することがあり得る。この場合には、車両ベンダーは、車両識別番号を基準として管理を行い、車両識別番号を用いて車両を検索等を行って、当該車両についての情報修正等を行う。このため、情報提供装置1において上述のように対象車情報13に車両識別番号を含めておくことで、情報提供装置1は、対象車両5を特定する際に優れた識別性を発揮することができる。また、上記のように、車両識別番号は車両ベンダーVが通常保有する情報であるので、対象車情報13を作成する際に、新たに追加の情報を取得して入力するなどの手間も不要である。
【0056】
なお、本発明は上記の実施形態の構成に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
【0057】
例えば、情報提供装置1は、保険会社における保険料算出のために保険会社サーバ3へ走行データを送信するほか、車両販売店(ディーラー)または車両整備業者の端末装置(不図示)へ、走行データを送信してもよい。例えば、車両販売店では、上記送信される走行データに基づいて、対象車両5の補修部品をユーザU1等に案内するタイミングを判断することができる。また、車両整備業者は、上記走行データに基づいて、対象車両5における各部品の修理又は交換のタイミングを判断したり、故障部品の推測などを行うことができる。
【0058】
[上記実施形態によりサポートされる構成]
上述した実施形態は、以下の構成をサポートする。
【0059】
(構成1)複数の対象車両の走行データを収集する収集部と、外部装置からの提供要求に応じて前記外部装置へ前記走行データを提供する提供部と、前記対象車両についての情報を含む前記対象車両毎の対象車情報を、それぞれ、前記提供要求に含まれる指定情報と照合して、前記外部装置へ走行データを提供すべき対象車両を特定する照合部と、を備え、前記照合部は、前記対象車情報に含まれた前記対象車両の車両登録番号である対象車登録番号と、前記指定情報に含まれた、当該指定情報が指定する車両の車両登録番号である指定車登録番号と、を照合して、前記指定車登録番号と一致する前記対象車登録番号を有する前記対象車両を、前記外部装置へ走行データを提供すべき対象車両として特定し、前記車両登録番号は、車両を識別すると共に当該車両と当該車両の所有者とを紐づける固有の符号列であって、前記提供部は、前記照合部が特定した前記対象車両についての前記走行データを、前記外部装置へ送信する、情報提供装置。
構成1の情報提供装置によれば、情報提供装置における対象車情報と、外部装置における対象車両についての情報とが、それぞれ異なるタイミングで個別に変更されること等により、同一の対象車両についての所有者の情報が情報提供装置と外部装置との間で異なっている期間が生じた場合でも、外部装置から指定された対象車両を所有者同一の観点から誤りなく特定して、上記指定された対象車両の走行データを外部装置へ適切に送信することができる。
【0060】
(構成2)前記車両登録番号は、法規に従って車両のナンバープレートに表示される符号列である、構成1に記載の情報提供装置。
構成2の情報提供装置によれば、外部装置との間で、所有者と車両との関係を識別するための新たな識別情報を定義することなく、外部装置から指定された対象車両を所有者同一の観点から誤りなく特定して、上記指定された対象車両の走行データを外部装置へ適切に送信することができる。
【0061】
(構成3)前記照合部は、さらに、前記対象車情報に含まれた前記対象車両の車両識別番号である対象車両識別番号と、前記指定情報に含まれた、当該指定情報が指定する車両の車両識別番号である指定車両識別番号と、を照合して、前記指定車登録番号と一致する前記対象車登録番号を有し、且つ、前記指定車両識別番号と一致する前記対象車両識別番号を有する前記対象車両を、前記外部装置へ走行データを提供すべき対象車両として特定する、構成2に記載の情報提供装置。
構成3の情報提供装置によれば、指定情報が指定する対象車両を更に誤りなく特定して、指定された対象車両の走行データを外部装置へ適切に送信することができる。
【0062】
(構成4)前記照合部は、前記指定情報に含まれた、前記指定車登録番号及び前記指定車両識別番号を除く他の情報と、前記対象車情報に含まれた、前記対象車登録番号及び前記対象車両識別番号を除く他の情報と一致しない場合でも、前記対象車登録番号と前記指定車登録番号とが一致し、且つ前記対象車両識別番号と前記指定車両識別番号が一致する場合には、前記対象車両を、前記外部装置へ走行データを提供すべき対象車両として特定する、構成3に記載の情報提供装置。
構成4の情報提供装置によれば、情報提供装置と外部装置との間で、同一の対象車両についての所有者の情報を含む種々の情報が異なっている場合でも、外部装置から指定された対象車両を所有者同一の観点から誤りなく特定して、上記指定された対象車両の走行データを外部装置へ適切に送信することができる。
【0063】
(構成5)前記対象車両の現在位置の情報である位置情報を取得する位置取得部を備え、前記位置取得部は、前記対象車両が駐車された位置のうち、所定日数あたりの駐車回数または総駐車時間が、それぞれ、所定回数以上であるか又は所定時間以上である位置を、前記対象車両の定常駐車位置として特定し、前記提供部は、前記対象車両の前記定常駐車位置が変化したときは、当該対象車両からの前記走行データを前記外部装置へ送信しない、構成1ないし4のいずれかに記載の情報提供装置。
構成5の情報提供装置によれば、対象車両の所有者が変わった可能性を、当該対象車両の駐車位置の傾向から迅速に判断して、所有者が変わった対象車両の走行データが、元の所有者の対象車両の走行データとして外部装置へ誤って送信されてしまうのを未然に防止することができる。
【0064】
(構成6)情報提供装置のコンピュータが実行する情報提供方法であって、複数の対象車両の走行データを収集する収集ステップと、外部装置からの提供要求に応じて前記外部装置へ前記走行データを提供する提供ステップと、前記対象車両についての情報を含む前記対象車両毎の対象車情報を、それぞれ、前記提供要求に含まれる指定情報と照合して、前記外部装置へ走行データを提供すべき対象車両を特定する照合ステップと、を備え、前記照合ステップでは、前記対象車情報に含まれた前記対象車両の車両登録番号である対象車登録番号と、前記指定情報に含まれた、当該指定情報が指定する車両の車両登録番号である指定車登録番号と、を照合して、前記指定車登録番号と一致する前記対象車登録番号を有する前記対象車両を、前記外部装置へ走行データを提供すべき対象車両として特定し、前記車両登録番号は、車両を識別すると共に当該車両と当該車両の所有者とを紐づける固有の符号列であって、前記提供ステップでは、前記照合ステップにおいて特定した前記対象車両についての前記走行データを前記外部装置へ送信する、情報提供方法。
構成6の情報提方法によれば、情報提供装置における対象車情報と、外部装置における対象車両についての情報とが、それぞれ異なるタイミングで個別に変更されること等により、同一の対象車両についての所有者の情報が情報提供装置と外部装置との間で異なっている期間が生じた場合でも、外部装置から指定された対象車両を所有者同一の観点から誤りなく特定して、上記指定された対象車両の走行データを外部装置へ適切に送信することができる。
【符号の説明】
【0065】
1…情報提供装置、2…保険情報システム、3…保険会社サーバ(外部装置)、4…通信ネットワーク、5…対象車両、6…車載装置、7a、7b…端末装置、10…第1プロセッサ、11…第1メモリ、12…第1通信装置、13…対象車情報、14…情報提供プログラム、20…情報管理部、21…収集部、22…提供部、23…照合部、24…位置取得部、30…第2プロセッサ、31…第2メモリ、32…第2通信装置、33…契約情報、34…走行情報DB、35…プログラム、40…契約管理部、41…走行情報管理部、42…算出部、M…保険会社、U1、U2…ユーザ、V…車両ベンダー。
図1
図2
図3
図4