(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】チーグラー・ナッタ触媒および水素化触媒を使用する溶液プロセスにおけるエチレンの重合
(51)【国際特許分類】
C08F 4/658 20060101AFI20241202BHJP
C08F 10/00 20060101ALI20241202BHJP
【FI】
C08F4/658
C08F10/00 510
(21)【出願番号】P 2022504156
(86)(22)【出願日】2020-07-28
(86)【国際出願番号】 US2020043849
(87)【国際公開番号】W WO2021021792
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2023-07-21
(32)【優先日】2019-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128484
【氏名又は名称】井口 司
(72)【発明者】
【氏名】チェン、リンフェン
(72)【発明者】
【氏名】ヘイシュ、アンドリュー ティー.
(72)【発明者】
【氏名】シムズ、ジェフリー エー.
(72)【発明者】
【氏名】ピアソン、デイヴィッド エム.
(72)【発明者】
【氏名】ヒルセコーン、カート、エフ.
【審査官】尾立 信広
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-287909(JP,A)
【文献】特開2010-275382(JP,A)
【文献】KAZUO SOGA ET AL,Stereospecific polymeriation of propene using MgCl2-supported Ti catalysts combined with (RCp)2TiMe2 (R=H, Me),MAKROMOLEKULARE CHEMIE, RAPID COMMUNICATIONS,米国,1986年07月21日,7,11,719-723
【文献】KAZUO SOGA ET AL,Stereospecific polymeriation of propene using MgCl2-supported Ti catalysts combined with various alkyl titanium compounds,MAKROMOLEKULARE CHEMIE, RAPID COMMUNICATIONS,米国,1987年02月03日,8,6,273-276
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 4/60-4/70
C08F 6/00-246/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒系であって、
チタン種、アルミニウム種、および塩化マグネシウム成分を含む不均一系プロ触媒
であり、前記チタン種がTiCl
4-c
(OR)
c
またはTiCl
3-d
(OR)
d
で表され、Rが(C
1
-C
20
)ヒドロカルビルであり、下付き文字cが0、1、2、3または4であり、下付き文字dが0、1、2または3であり、前記不均一系プロ触媒が0.1ミクロン~10ミクロンの平均粒子径を有する不均一系プロ触媒粒子を含む、不均一系プロ触媒と、
式Cp
2TiX
2TiCp
2またはCp
2TiX
nを有する水素化プロ触媒と、を含み、
式中、
各Cpが、少なくとも1つの(C
1-C
10)アルキルで置換されたシクロペンタジエニルであり、
各Xが、独立して、モノアニオン性または中性であり、各Xが、独立して、(C
1-C
40)炭化水素、(C
1-C
40)ヘテロ炭化水素、(C
1-C
40)ヒドロカルビル、(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビル、またはハロゲン原子であり、
nが、1または2である、触媒系。
【請求項2】
前記不均一系プロ触媒が、担持されていないバルク触媒である、請求項1に記載の触媒系。
【請求項3】
前記不均一系プロ触媒が、制御されていない
粒子形態を有する不均一系プロ触媒粒子を含む、請求項1に記載の触媒系。
【請求項4】
前記不均一系プロ触媒が、不均一系プロ触媒粒子を含み、前記不均一系プロ触媒粒子の10%以上が、1ミクロン以下の粒子径を有する、請求項1に記載の触媒系。
【請求項5】
前記水素化プロ触媒中のチタンのモル数の前記不均一系プロ触媒中のチタンのモル数との比が、1:2よりも大きい、請求項1に記載の触媒系。
【請求項6】
アルキルアルミニウム助触媒Al(R
2)
3をさらに含み、式中、各R
2が、独立して、(C
1-C
20)アルキルまたはハロゲン原子であり、ただし、少なくとも1つのR
2が(C
1-C
20)アルキルであることを条件とする、請求項1に記載の触媒系。
【請求項7】
トリアルキルアルミニウム化合物、塩化ジアルキルアルミニウム、二塩化アルキルアルミニウム、アルキルアルミニウムアルコキシド、およびアルキルアルミノキサンからなる群から選択されるアルキルアルミニウム助触媒をさらに含む、請求項1に記載の触媒系。
【請求項8】
前記不均一系プロ触媒中のチタンのモル数の前記助触媒中のアルミニウムのモル数との比が、2:1よりも大きい、
請求項6に記載の触媒系。
【請求項9】
前記不均一系プロ触媒中のチタンのモル数の前記助触媒中のアルミニウムのモル数との比が、1000:1~2:1である、
請求項6に記載の触媒系。
【請求項10】
重合プロセスであって、
150℃~350℃の反応温度で反応器内において、触媒系の存在下で、溶液中の(C
2-C
12)α-オレフィンを反応させることを含み、前記触媒系が、
チタン種、アルミニウム種、および塩化マグネシウム成分を含む不均一系プロ触媒
であり、前記チタン種がTiCl
4-c
(OR)
c
またはTiCl
3-d
(OR)
d
で表され、Rが(C
1
-C
20
)ヒドロカルビルであり、下付き文字cが0、1、2、3または4であり、下付き文字dが0、1、2または3であり、前記不均一系プロ触媒が0.1ミクロン~10ミクロンの平均粒子径を有する不均一系プロ触媒粒子を含む、不均一系プロ触媒と、
式Cp
2TiX
nTiCp
2またはCp
2TiX
nを有する水素化プロ触媒と、を含み、
式中、
各Cpが、少なくとも1つの(C
1-C
10)アルキルで置換されたシクロペンタジエニルであり、
各Xが、独立して、モノアニオン性または中性であり、各Xが、独立して、(C
1-C
40)炭化水素、(C
1-C
40)ヘテロ炭化水素、(C
1-C
40)ヒドロカルビル、(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビル、またはハロゲン原子であり、
nが、1または2である、重合プロセス。
【請求項11】
前記触媒系が、トリアルキルアルミニウム助触媒Al(R
2)
3をさらに含み、式中、各R
2が、独立して、(C
1-C
20)アルキルである、
請求項10に記載の重合プロセス。
【請求項12】
前記
不均一系プロ触媒が、バルク触媒である、
請求項10に記載の重合プロセス。
【請求項13】
前記不均一系プロ触媒が、不均一系プロ触媒粒子を含み、前記粒子の10%以上が、1ミクロン以下の粒子径を有する、
請求項10に記載の重合プロセス。
【請求項14】
前記
不均一系プロ触媒が、制御されていない粒子形態を有する不均一系プロ触媒粒子を含む、
請求項10に記載の重合プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年7月31日に出願された、米国仮特許出願第62/881,004号に対する優先権を主張し、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の実施形態は、概して、エチレン、および任意選択的に1つ以上のα-オレフィンを重合するための触媒組成物、ならびにそのような触媒組成物を利用する重合プロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
ポリエチレン、エチレン系ポリマー、ポリプロピレン、およびプロピレン系ポリマーなどのオレフィン系ポリマーは、様々な触媒系によって生成される。オレフィン系ポリマーの重合プロセスに使用されるそのような触媒系の選択は、そのようなオレフィン系ポリマーの特徴および特性に寄与する重要な要因である。
【0004】
エチレン系ポリマーおよびプロピレン系ポリマーは、多種多様な物品のために製造される。ポリエチレン重合プロセスおよびポリプロピレン重合プロセスは、種々の樹脂を様々な用途での使用に好適なものにする様々な物理的特性を有する、得られる幅広い種類のポリエチレン樹脂を生成するために、多くの点で変更され得る。エチレンモノマーおよび任意に1つ以上のコモノマーは、アルカンまたはイソアルカン、例えば、イソブテンなどの液体希釈剤(溶媒など)中に存在する。水素も反応器に添加することができる。エチレン系ポリマーを生成するための触媒系は、典型的には、クロム系触媒系、チーグラー・ナッタ触媒系、および/または分子(メタロセンまたは非メタロセンのいずれかの)触媒系を含み得る。希釈剤および触媒系中の反応物は、反応器において高い重合温度で循環し、それによってエチレン系ホモポリマーまたはコポリマーを生成する。定期的または連続的のいずれかで、希釈剤中に溶解したポリエチレン生成物を含む反応混合物の一部は、未反応エチレンおよび1つ以上の任意選択的なコモノマーと一緒に、反応器から取り出される。反応混合物は、反応器から取り出されると、希釈剤および未反応反応物からポリエチレン生成物を取り出すために処理されてもよく、希釈剤および未反応反応物は典型的には反応器中に再循環される。代替的に、反応混合物を、第1の反応器に直列に接続された第2の反応器に送ってもよく、ここで第2のポリエチレン画分が生成され得る。
【0005】
チタノセン水素化触媒は、(1)メタロセン重合触媒によって発生したH2を除去するための、メタロセン触媒重合反応で、および(2)前の反応器から持ち越されたH2を除去するための、連結反応器システムの1つの反応器内で使用されてきた。しかしながら、H2を除去するためのチタノセン触媒のこれらの用途は、反応温度が典型的には60℃~120℃の範囲である気相重合反応およびスラリー相重合反応に限定されている。
【発明の概要】
【0006】
高い重合温度(120℃~250℃の温度)で高分子量ポリマーを生成する触媒系またはプロ触媒を作成する継続的な必要性がある。追加的に、触媒系は、高効率、高い反応性、および高分子量(100,000g/mol超)を有するポリマーを生成する能力を有しているべきである。
【0007】
本開示の実施形態は、触媒系を含む。触媒系は、不均一系プロ触媒および水素化プロ触媒を含む。不均一系プロ触媒は、チタン種、アルミニウム種、および塩化マグネシウム成分を含む。水素化プロ触媒は、式Cp2TiX2を有する。式Cp2TiX2において、各Cpは、少なくとも1つのR1で置換されたシクロペンタジエニルであり、式中、R1が、(C1-C10)アルキルであり、各Xが、独立して、ハロゲン原子である。
【0008】
本開示の実施形態は、重合させる事前プロセスを含む。ポリオレフィンポリマーを生成するための重合プロセスは、本開示の触媒系の存在下で、溶液中の(C2-C12)α-オレフィンを反応させることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】ゲル浸透クロマトグラフィーのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態は、触媒系を含む。触媒系は、不均一系プロ触媒および水素化プロ触媒を含む。不均一系プロ触媒は、チタン種、アルミニウム種、および塩化マグネシウム成分を含む。水素化プロ触媒は、式Cp2TiX2を有する。式Cp2TiX2において、各Cpは、少なくとも1つのR1で置換されたシクロペンタジエニルであり、式中、R1が、(C1-C10)アルキルであり、各Xが、独立して、ハロゲン原子である。
【0011】
触媒系の実施形態では、不均一系プロ触媒は、チタン種を含む。いくつかの実施形態では、不均一系プロ触媒のチタン種は、触媒活性を有し得る。いくつかの実施形態では、チタン種は、TiCl4-c(OR)cまたはTiCl3-d(OR)dを含むことができ、式中、Rが、(C1-C20)ヒドロカルビルであり、下付き文字cが、0、1、2、3、または4であり、下付き文字dが、0、1、2、または3である。いくつかの実施形態では、チタン種は、例えば、四塩化チタン(IV)、三塩化チタン(III)、トリス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト)チタン(III)、トリクロロトリス(テトラヒドロフラン)チタン(III)、二塩化ジ-n-ブトキシチタン(IV)、二塩化ジエトキシチタン(IV)、二塩化ジイソプロポキシチタン(IV)、二塩化ジイソブトキシチタン(IV)、塩化トリイソプロポキシチタン(IV)、塩化トリ-n-ブトキシチタン(IV)、塩化トリイソブトキシチタン(IV)、チタン(IV)テトライソプロポキシド(Ti(OiPr)4)、チタン(IV)エトキシド、チタン(IV)n-ブトキシド、チタン(IV)イソブトキシド、チタン(IV)2-エチルヘキソキシド、ジクロロビス(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト)チタン(IV)、テトラクロロビス(テトラヒドロフラン)チタン(IV)、三塩化メチルチタン(IV)、またはこれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、チタン種は、チタン(IV)四塩化物またはチタン(IV)テトライソプロポキシド(Ti(OiPr)4)であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、チタン種は、ハロゲン化チタン、チタンアルコキシド、またはこれらの組み合わせを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、チタン種としては、四塩化チタン(TiCl4)、チタン(IV)テトライソプロポキシド(Ti(OiPr)4)、他のハロゲン化チタン、もしくはチタンアルコキシド、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0012】
触媒系の実施形態では、不均一系プロ触媒は、アルミニウム種を含む。1つ以上の実施形態では、アルミニウム種は、トリアルキルアルミニウム、塩化ジアルキルアルミニウム、二塩化アルキルアルミニウム、アルキルアルミニウムアルコキシド、およびアルキルアルミノキサン(alkylaluminoxane)から選ばれる。
【0013】
触媒系の実施形態では、不均一系プロ触媒は、塩化マグネシウム成分を含む。触媒系の1つ以上の実施形態では、不均一系触媒の塩化マグネシウム成分は、BET法に従って測定された場合、100m2/g以上の表面積を有する。いくつかの実施形態では、塩化マグネシウム成分は、150m2/g以上、または200m2/g以上の表面積を有する。他の実施形態では、塩化マグネシウム成分は、100m2/g~800m2/g、または200m2/g~600m2/g、または300m2/g~500m2/gの表面積を有する。
【0014】
1つ以上の実施形態では、塩化マグネシウムは、マグネシウム化合物の塩素化から得られ得る高い表面積を含む。そのようなマグネシウム化合物としては、有機マグネシウム、有機マグネシウムハロゲン化物、マグネシウムアルコキシド、炭酸マグネシウムアルコキシド、マグネシウムカルボキシレート、およびこれらの組み合わせが挙げられる。実施形態では、塩化マグネシウムは、塩化マグネシウム付加物の変換から得ることができる。好適な塩化マグネシウム付加物としては、アルコールとの塩化マグネシウム付加物およびエーテルとの塩化マグネシウム付加物が挙げられる。いくつかの実施形態では、塩化マグネシウム付加物は、エタノールとの塩化マグネシウム付加物である。いくつかの実施形態では、塩化マグネシウム付加物は、テトラヒドロフランとの塩化マグネシウム付加物である。
【0015】
1つ以上の実施形態では、塩化マグネシウム成分は、例えば、塩化物源と、炭化水素可溶性ヒドロカルビルマグネシウム化合物、または化合物の混合物との反応生成物を含む。例示的な有機マグネシウム化合物としては、ジ(C1-C20)アルキルマグネシウムまたはジ(C1-C20)アリールマグネシウム化合物、特にジ(n-ブチル)マグネシウム、ジ(sec-ブチル)マグネシウム、ジイソプロピルマグネシウム、ジ-n-ヘキシルマグネシウム、イソプロピル-n-ブチル-マグネシウム、エチル-n-ヘキシルマグネシウム、エチル-n-ブチルマグネシウム、ジ-n-オクチルマグネシウム、およびこれらの組み合わせが挙げられる。例示的な好適なマグネシウムジアリールとしては、ジフェニルマグネシウム、ジベンジルマグネシウム、およびジトリルマグネシウムが挙げられる。有機マグネシウム化合物は、溶解性を改善する、溶液粘度を低減させる、または溶解性を改善し、かつ溶液粘度を低減させるために、任意選択的に、有機アルミニウム化合物で処理され得る。置換フェノール化合物に由来する安定剤などの安定剤も存在し得る。追加の好適な有機マグネシウム化合物としては、アルキルおよびアリールマグネシウムアルコキシド、アリールオキシドおよび塩化物、ならびに前述の混合物が挙げられる。非常に好ましい有機マグネシウム化合物は、ハロゲンを含まない有機マグネシウム化合物である。
【0016】
不均一系プロ触媒の塩化マグネシウム成分の調製に用いられ得る塩化物源は、有機塩化物および塩化水素を含む金属塩化物および非金属塩化物を含む。金属塩化物の例としては、MRy-aClaに従う式を有し、式中、Mが、元素周期表の第13、14、または15族の金属であり、Rが、一価の有機ラジカルであり、yが、Mの価数に等しい値を有し、1~yの値を有する。
【0017】
様々な実施形態では、塩化マグネシウム成分は、炭化水素可溶性マグネシウム前駆体の溶液の塩素化によって作製されて、マグネシウム前駆体溶液を作製するために使用されるのと同じ炭化水素溶媒中でMgCl2スラリーを得る。
【0018】
1つ以上の実施形態では、不均一系プロ触媒は、最初に塩化マグネシウム成分(MgCl2成分)を調製することによって調製することができる。MgCl2成分は、有機マグネシウム化合物または有機マグネシウム化合物を含む錯体を選択し、MgCl2成分を作製するために有機マグネシウム化合物を塩化物化合物と反応させることによって調製することができる。有機マグネシウム化合物および/または有機マグネシウム錯体の例としては、マグネシウムC2-C8アルキルおよびアリール、マグネシウムアルコキシドおよびアリールオキシド、カルボキシル化マグネシウムアルコキシド、ならびにカルボキシル化マグネシウムアリールオキシド、またはこれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、有機マグネシウム化合物としては、マグネシウムC2-C8アルキル、マグネシウムC1-C4アルコキシド、またはこれらの組み合わせを挙げることができる。いくつかの実施形態では、有機マグネシウム化合物は、ブチルエチルマグネシウムであり得る。
【0019】
塩化マグネシウム成分を調製するために、有機マグネシウム化合物は、炭化水素希釈剤中に分散され得る。炭化水素希釈剤中の有機マグネシウム化合物の濃度は、金属または非金属塩化物化合物と有機マグネシウム化合物とを組み合わせるとき、得られるスラリーが0.05mol/L~10.0mol/Lのマグネシウムの濃度を含み得るのに十分であり得る。炭化水素希釈剤中に分散された有機マグネシウム化合物のスラリーを塩化物化合物と接触させて、MgCl2を生成することができる。塩化化合物は、金属または非金属の塩化物であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、塩化物化合物は、塩酸塩ガスであり得る。いくつかの実施形態では、有機マグネシウム化合物のスラリーおよび塩化化合物は、-25℃~100℃、または0℃~50℃の温度で接触され得る。いくつかの実施形態では、有機マグネシウム化合物のスラリーおよび金属または非金属塩化物は、1時間~12時間、または4時間~6時間の時間接触され得る。
【0020】
金属または非金属塩化物の有機マグネシウム化合物との反応は、MgCl2成分を生成し得、これは、炭化水素希釈剤中に分散されたMgCl2粒子を含むMgCl2スラリーであり得る。いくつかの実施形態では、MgCl2スラリーは、0.05mol/L~10.0mol/L、または0.2mol/L~1.0mol/L、または約0.1mol/L~0.3mol/LのMgCl2の濃度を有し得る。
【0021】
実施形態では、不均一系プロ触媒の生成プロセスは、MgCl2スラリーを炭化水素溶媒中で調製することを含む。プロセスは、MgCl2スラリーにアルミニウム種を混合することをさらに含む。アルミニウム種とMgCl2スラリーとの混合物は、加熱され、次いで、チタン種は、アルミニウム種とMgCl2スラリーとの混合物中に添加され、これを加熱および撹拌し、次いで、洗浄し、不均質系プロ触媒を形成するための炭化水素溶媒である。
【0022】
1つ以上の実施形態では、塩化マグネシウム成分または不均一系プロ触媒を調製するとき、炭化水素溶媒は、非ハロゲン化(C3-C30)アルキルまたは非ハロゲン化(C3-C30)シクロアルキル溶媒から選ばれ得る。いくつかの実施形態では、炭化水素溶媒は、イソパラフィン系溶媒を含み得る。イソパラフィン系溶媒の例としては、ExxonMobilから入手可能なISOPAR(商標)合成パラフィン系溶媒(例えば、ISOPAR(商標)Eパラフィン系溶媒)、およびShell Chemicalsによる特殊沸点(SBP)溶媒(例えば、SBP 100/140高純度脱芳香族化炭化水素溶媒)を挙げることができるが、これらに限定されない。炭化水素溶媒の他の例としては、イソブテン、ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、2-メチルペンタン、3-メチルペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、ヘプタン、2-メチルヘキサン、3-メチルヘキサン、オクタン、2,2,4-トリメチルペンタン、テトラデカン、およびこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0023】
触媒系の1つ以上の実施形態では、不均一系プロ触媒は、担持されていないバルク触媒である。いくつかの実施形態では、不均一系プロ触媒は、制御されていない形態を有する不均一系プロ触媒粒子を含む。
【0024】
触媒系のいくつかの実施形態では、不均一系プロ触媒は、0.1ミクロン~10ミクロンの平均粒子径を有する粒子を含む。1つ以上の実施形態では、平均粒子径は、8ミクロン以下であるか、または6ミクロン以下である。様々な実施形態では、不均一系プロ触媒は、不均一系プロ触媒粒子を含み、ここで、粒子の10%以上が1ミクロン以下の粒子径を有し、光散乱によって測定される。いくつかの実施形態では、粒子の20%以上、30%以上、または40%以上は、1ミクロン以下の粒子径を有する。
【0025】
触媒系の実施形態では、水素化プロ触媒は、式Cp2TiX2を有する。式Cp2TiX2において、各Cpは、少なくとも1つのR1で任意選択的に置換されたシクロペンタジエニルであり、式中、R1が、(C1-C10)アルキルであり、各Xが、独立して、(C1-C40)炭化水素、(C1-C40)ヘテロ炭化水素、(C1-C40)ヒドロカルビル、(C1-C40)ヘテロヒドロカルビル、またはハロゲン原子である。1つ以上の実施形態では、各Cpは、メチル、エチル、プロピル、2-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、イソ-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、2-エチルヘキシル、tert-オクチル、n-ノニル、またはn-デシルから選ばれる少なくとも1つのR1で置換される。1つ以上の実施形態では、水素化プロ触媒は、メチル化Cp2TiCl2、ブチル化Cp2TiCl2、およびエチル化Cp2TiCl2から選ばれる。
【0026】
1つ以上の実施形態では、水素化プロ触媒は、ビス(メチルシクロペンタジエニル)チタンクロリド、ビス(エチルシクロペンタジエニル)クロリド、ビス(ブチルシクロペンタジエニル)チタンクロリドから選ばれる。
【0027】
触媒系の実施形態では、各Xは、共有結合、供与結合、またはイオン結合を通してMと結合する。いくつかの実施形態では、各Xは同一性を有する。金属-配位子錯体は、6つ以下の金属-配位子結合を有し、全体として電荷中性であり得るか、または金属中心と関連する陽性電荷を有してもよい。いくつかの実施形態では、触媒系は、式に従う金属-配位子錯体を含み、式中、Mが、ジルコニウムまたはハフニウムであり、各Xが、独立して、(C1-C20)アルキル、(C1-C20)ヘテロアルキル、(C6-C20)アリール、(C4-C20)ヘテロアリール、(C4-C12)ジエン、またはハロゲンから選ばれる。1つ以上の実施形態では、各Xは、独立して、ベンジル、フェニル、またはクロロである。
【0028】
いくつかの実施形態では、単座配位子はモノアニオン性配位子であり得る。モノアニオン性配位子は、-1の正味の形式酸化状態を有する。各モノアニオン性配位子は、独立して、水素化物、(C1-C40)ヒドロカルビルカルバニオン、(C1-C40)ヘテロヒドロカルビルカルバニオン、ハロゲン化物、ニトレート、カーボネート、ホスフェート、スルフェート、HC(O)O-、HC(O)N(H)-、(C1-C40)ヒドロカルビルC(O)O-、(C1-C40)ヒドロカルビルC(O)N((C1-C20)ヒドロカルビル)-、(C1-C40)ヒドロカルビルC(O)N(H)-、RKRLB-、RKRLN-、RKO-、RKS-、RKRLP-、またはRMRKRLSi-であり得、式中、各RK、RL、およびRMは、独立して、水素、(C1-C40)ヒドロカルビルもしくは(C1-C40)ヘテロヒドロカルビルであるか、またはRKおよびRLは一緒になって、(C2-C40)ヒドロカルビレンもしくは(C1-C20)ヘテロヒドロカルビレンを形成し、RMは、上で定義したとおりである。
【0029】
他の実施形態では、少なくとも1つの単座配位子Xは、任意の他の配位子Xとは独立して、中性配位子であってもよい。特定の実施形態では、中性配位子は、RQNRKRL、RKORL、RKSRL、またはRQPRKRLなどの中性ルイス塩基基であり、式中、各RQは、独立して、水素、[(C1-C10)ヒドロカルビル]3Si(C1-C10)ヒドロカルビル、(C1-C40)ヒドロカルビル、[(C1-C10)ヒドロカルビル]3Si、または(C1-C40)ヘテロヒドロカルビルであり、各RKおよびRLは、独立して、上で定義したとおりである。
【0030】
追加的に、各Xは、任意の他の配位子Xとは独立して、ハロゲン、非置換(C1-C20)ヒドロカルビル、非置換(C1-C20)ヒドロカルビルC(O)O-、またはRKRLN-である単座配位子であってもよく、RKおよびRLの各々は、独立して、非置換(C1-C20)ヒドロカルビルである。いくつかの実施形態では、各単座配位子Xは、塩素原子、(C1-C10)ヒドロカルビル(例えば、(C1-C6)アルキルもしくはベンジル)、非置換(C1-C10)ヒドロカルビルC(O)O-、またはRKRLN-であり、RKおよびRLの各々は、独立して、非置換(C1-C10)ヒドロカルビルである。1つ以上の実施形態では、Xは、ベンジル、クロロ、-CH2SiMe3、またはフェニルである。
【0031】
さらなる実施形態では、各Xが、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2,2-ジメチルプロピル、トリメチルシリルメチル、フェニル、ベンジル、またはクロロから選択される。いくつかの実施形態では、各Xは、同じである。場合によっては、少なくとも2つのXは互いに異なる。少なくとも2つのXが少なくとも1つのXとは異なる実施形態では、Xはメチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2,2-ジメチルプロピル、トリメチルシリルメチル、フェニル、ベンジルおよびクロロとは異なるものである。さらなる実施形態では、二座配位子は、2,2-ジメチル-2-シラプロパン-l,3-ジイルまたは1,3-ブタジエンである。
【0032】
いくつかの実施形態では、式Cp
2TiX
2において、各Xは、置換ベンジルまたは置換ヘテロアリールベンジルである。他の実施形態では、Xは、以下からなる群から選択される。
【化1】
【0033】
助触媒成分
いくつかの実施形態では、触媒系は、助触媒をさらに含み得る。本開示による不均一系プロ触媒は、助触媒と組み合わされて、チーグラー・ナッタ触媒を形成し得る。不均一系プロ触媒を含むチーグラー・ナッタ触媒は、オレフィン重合反応のチーグラー・ナッタ型プロ触媒を活性化するための当技術分野で既知である任意の技術によって、触媒的に活性にすることができる。限定することを意図するものではないが、1つの例では、不均一系プロ触媒は、プロ触媒を活性化助触媒に接触させるか、またはプロ触媒を活性化助触媒と組み合わせることによって、触媒的に活性にすることができる。本明細書で使用するのに好適な活性化助触媒は、ポリマーまたはオリゴマーのアルモキサン(アルミノキサンとしても既知)を含むアルキルアルミニウムを含む。前述の活性化助触媒のうちの1つ以上の組み合わせもまた企図される。「アルキルアルミニウム」という用語は、モノアルキルアルミニウムジヒドリドもしくはモノアルキルアルミニウムジハライド、ジアルキルアルミニウムヒドリドもしくはジアルキルアルミニウムハライド、またはトリアルキルアルミニウムを意味する。ポリマーアルモキサンまたはオリゴマーアルモキサンの例としては、メチルアルモキサン、トリイソブチルアルミニウム修飾メチルアルモキサン、およびイソブチルアルモキサンを挙げることができる。いくつかの実施形態では、助触媒は、アルミニウムのアルキル、アルミニウムのハロアルキル、ハロゲン化アルキルアルミニウム、およびこれらの混合物から選択され得る。いくつかの実施形態では、助触媒は、トリエチルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、トリ-n-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、トリ-n-オクチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、MAO、MMAO、ジエチルアルミニウムエトキシド、およびこれらの混合物から選択され得る。
【0034】
触媒系の調製
1つ以上の実施形態では、触媒系は、不均一系プロ触媒、水素化プロ触媒、および任意選択的に、炭化水素溶媒中の助触媒を混合することによって調製される。次いで、触媒系は、重合プロセスで使用することができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、触媒系は、不均一系プロ触媒、水素化プロ触媒、および助触媒の各々を別個の供給ラインを介して反応器の中に供給し、第3の成分を反応器に添加する前に、不均一系プロ触媒、水素化プロ触媒、および助触媒のうちの少なくとも2つを周囲温度で0.5分~60分間混合することによって調製される。
【0036】
他の実施形態では、触媒系は、不均一系プロ触媒、水素化プロ触媒、および助触媒の各々を別個の供給ラインを介して反応器の中に供給し、第3の成分を反応器に添加する前に、触媒系を周囲温度で0.5分~60分間混合することによって調製される。
【0037】
本開示のいくつかの実施形態は、重合プロセスを含む。ポリオレフィンポリマーを生成するための重合プロセスは、本開示の触媒系の存在下で、溶液中の1つ以上のα-オレフィンモノマーを反応させることを含み、ここで、触媒系は、以前に開示されたような不均一系プロ触媒および水素化プロ触媒を含む。
【0038】
重合プロセスの1つ以上の実施形態では、1つ以上のα-オレフィンは、(C2-C12)α-オレフィンであり得る。いくつかの実施形態では、重合プロセスにおいて、単一のタイプのオレフィン、エチレンのみがある。いくつかの実施形態では、複数の(C2-C12)α-オレフィンモノマーは、重合プロセスに組み込むことができる。様々な実施形態では、(C2-C12)α-オレフィンモノマーとしては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、および4-メチル-1-ペンテンが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、1つ以上のα-オレフィンコモノマーは、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、および1-オクテンからなる群から、または1-ヘキセンおよび1-オクテンからなる群から選択され得る。
【0039】
重合プロセスの1つ以上の実施形態では、(C2-C12)α-オレフィンは、150℃~350℃の反応温度で、反応器内の溶液中で反応する。
【0040】
重合プロセスの実施形態としては、例えば、ループ反応器、等温反応器、撹拌槽型反応器、バッチ反応器などの並列、直列、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つ以上の従来の反応器を使用する、溶液重合プロセスが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、重合プロセスは、二重反応器システム、例えば、二重ループ反応器システムにおける溶液重合を含むことができ、そこで、エチレン、および任意選択的に1つ以上のα-オレフィンが、本明細書に記載の触媒系、および任意選択的に1つ以上の助触媒の存在下で重合される。本明細書に記載の触媒系は、任意選択的に1つ以上の他の触媒と組み合わせて、第1の反応器または第2の反応器内に存在し得る。一実施形態では、エチレン系ポリマーは、二重反応器システム、例えば二重ループ反応器システムにおいて、溶液重合によって生成することができ、そこで、エチレン、および任意選択的に1つ以上のα-オレフィンは、本明細書に記載の触媒系の存在下で両方の反応器内で重合される。
【0041】
別の実施形態では、重合プロセスは、単一の反応器システム、例えば、単一のループ反応器システムまたは単一の撹拌槽反応器システムにおける溶液重合を含むことができ、ここで、エチレン、および任意選択的に1つ以上のα-オレフィンは、本開示内に記載されるような触媒系、任意選択的に前項に記載されているような1つ以上の助触媒の存在下で、および任意選択的に1つ以上の他の触媒と組み合わせて重合される。
【0042】
試験方法
MgCl2支持体の比表面積は、ブルナウアー、エメット、テラー(BET)表面積法によって測定する。MicromeriticsによるTristar 3020表面積分析器を使用する。溶媒を除去するために、30mLの量のMgCl2スラリーを濾過し、次いで、30mLのヘキサン中に再スラリー化する。得られたスラリーを不活性雰囲気下で再度濾過し、追加のヘキサンで洗浄する。このプロセスを1回繰り返して、MgCl2のフィルタケーキを得る。残留溶媒を真空下でフィルタケーキから除去する。フィルタケーキは、MicromeriticsによるVac Prep 061で、0.5インチ(1.27cm)の試料チューブおよび不活性試料保護用に設計されたTransealストッパーを使用して、真空乾燥させたMgCl2の試料0.2gを不活性雰囲気下でTransealストッパー付きのチューブに投入することによりさらに乾燥させる。試料チューブを、窒素パージしながらVac Prep 061ユニットに接続する。Transealストッパーを開くことによって試料チューブを真空で処理し、真空にしたチューブをアルミニウムチューブプロテクター付きの加熱ブロック内に入れる。Vac Prep 061ユニットでの真空下で、試料を110℃で3時間乾燥させる。その後、窒素を試料チューブに導入する。乾燥させた試料を室温まで冷却し、その後試料チューブをVac Prep 061ユニットから外して、完全に乾燥させた試料を得る。不活性雰囲気下で、0.1500g~0.2000gの完全に乾燥させた試料をチューブフィラーロッド付きの清浄な試料チューブの中に移す。次いで、試料チューブをTransealストッパーで密封し、表面積測定のためにTristar 3020機器に接続する。データの取得には、QUICKSTART法を使用する。
【0043】
メルトインデックス(MI)またはI2は、ASTM D1238-10、条件190℃/2.16kg、手順Bに従って測定し、10分間当たりに溶出されるグラム(g/10分)で報告する。
【0044】
密度測定用の試料を、ASTM D 4703-10に従って調製した。試料を374°F(190℃)で5分間、10,000psi(68MPa)でプレスした。温度を5分間にわたり374°F(190℃)に維持し、次いで圧力を3分間にわたり30,000psi(207MPa)まで上昇させた。これに続いて、70°F(21℃)および30,000psi(207MPa)で1分間維持した。測定を、ASTM D792-08、方法Bを使用して、試料圧縮の1時間以内に実施した。
【0045】
塩化マグネシウムの粒子径を、Malvern Mastersizer 3000 レーザ粒子径分析器で決定した。Mastersizer 3000は、MalvernのQAS3001B品質監査標準(Quality Audit Standard)(ボトル部番号CRM0016)を使用して、Hydro MVセルを通して実行したウェット標準(D50=60ミクロンのシリカビーズ)で較正する。試料セルは、使用前に、140mLのイソプロパノールを3500RPMで5分間撹拌し、続いて撹拌を1000RPMに下げ、イソプロパノールを傾瀉し、2回繰り返すことによって清浄する。次いで、試料を受け取る準備中に、試料セルに140mLの鉱油を投入する。試料は、不活性雰囲気のグローブボックス内で、事前に乾燥させたGCバイアルの中に0.2mol/Lのスラリー0.12mLを添加することによって調製する。その後、0.75mLのさらなる鉱油をGCバイアルに添加し、ボルテックスして混合し、次いで内容物全体を分散ユニットの試料セルに添加する。光散乱を、ソフトウェアに入力されたMgCl2(1.68)の屈折率で実行する。機器を初期化し、バックグラウンドを測定する。次に、試料の光散乱を実施し、D10、D50、およびD90をソフトウェアによって報告する。
【0046】
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)については、クロマトグラフィーシステムは、Precision Detectors(現在はAgilent Technologies)二角レーザ光散乱(LS)検出器モデル2040に結合された内部IR5赤外検出器(IR5)を備えた、PolymerChar GPC-IR(Valencia,Spain)高温GPCクロマトグラフからなる。オートサンプラーオーブン区画を摂氏160度に設定し、カラム区画を摂氏150度に設定した。使用したカラムは、4つのAgilent「Mixed A」30cm、20ミクロンの直線状混合床カラムであった。使用したクロマトグラフィー溶媒は、1,2,4-トリクロロベンゼンであり、200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有していた。溶媒源を、窒素スパージした。使用した注入体積は200マイクロリットルであり、流量は1.0ミリリットル/分であった。
【0047】
GPCカラムセットの較正を、個々の分子量の間に少なくとも一桁の間隔を有する6つの「カクテル」混合物中に配置された、580g/mol~8,400,000g/molの範囲の分子量を有する21個の狭い分子量分布のポリスチレン標準を用いて行った。標準を、Agilent Technologiesから購入した。ポリスチレン標準は、1,000,000g/mol以上の分子量について50ミリリットルの溶媒中0.025グラム、および1,000,000g/mol未満の分子量について50ミリリットルの溶媒中0.05グラムで調製された。ポリスチレン標準を穏やかに撹拌しながら摂氏80度で30分間溶解させた。ポリスチレン標準ピーク分子量を、式1を使用してポリエチレン分子量に変換した(Williams and Ward,J.Polym.Sci.,Polym.Let.,6,621(1968)に記載):
【数1】
式中、Mは分子量であり、Aは0.4315の値を有し、Bは1.0に等しい。
【0048】
五次多項式を使用して、それぞれのポリエチレン同等較正点にあてはめた。NIST標準物質NBS 1475が52,000Mwで得られるように、カラム分解能およびバンドの広がり効果を補正するため、Aに対してわずかな調整(約0.405~0.440)を行った。
【0049】
GPCカラムセットのプレートの全カウントを、デカン(50mLのTCB中0.04gで調製)を用いて実施した。プレートのカウント(式2)および対称性(式3)を、以下の式に従って、200μLの注入により測定した。
【数2】
式中、RVはミリリットルでの保持体積であり、ピーク幅はミリリットルであり、ピーク最大値はピークの最大高さであり、1/2高さはピーク最大値の1/2の高さである。
【数3】
式中、RVはミリリットルでの保持体積であり、ピーク幅はミリリットルであり、ピーク最大値はピークの最大位置であり、1/10の高さはピーク最大値の1/10の高さであり、リアピークはピーク最大値よりも後の保持体積でのピークテールを指し、フロントピークはピーク最大値よりも早い保持体積でのピーク前部を指す。クロマトグラフィーシステムのプレート計数は、24,000超となるべきであり、対称性は、0.98~1.22の間となるべきである。
【0050】
試料をPolymerChar「Instrument Control」ソフトウェアを用いて半自動で調製し、2mg/mlを試料の標的重量とし、PolymerChar高温オートサンプラーを介して、予め窒素をスパージしたセプタキャップ付バイアルに溶媒(200ppmのBHTを含有)を添加した。試料を、「低速」振とうしながら摂氏160度で2時間溶解した。
【0051】
Mn、Mw、およびMzの計算は、PolymerChar GPC-IRクロマトグラフの内部IR5検出器(測定チャネル)を使用し、等式4~6に従い、PolymerChar GPCOne(商標)ソフトウェア、各々の等間隔のデータ回収点(i)でベースラインを差し引いたIRクロマトグラム、および点(i)の狭い標準較正曲線から得られるポリエチレン等価分子量を使用するGPC結果に基づいた。
【数4】
【数5】
【数6】
【0052】
経時的な偏差を監視するために、PolymerChar GPC-IRシステムで制御されたマイクロポンプを介して各試料に流量マーカー(デカン)を導入した。この流量マーカー(FM)を、試料中のそれぞれのデカンピーク(RV(FM試料))を狭い標準較正(RV(FM較正済み))内のデカンピークとRV整合することによって各試料のポンプ流量(流量(見かけ))を直線的に較正するために使用した。こうして、デカンマーカーピークの時間におけるいかなる変化も、流量(流量(有効))における線状シフトに関連すると推測される。流量マーカーピークのRV測定の最高精度を促進するために、最小二乗フィッティングルーチンを使用して、流量マーカー濃度クロマトグラムのピークを二次方程式に適合させる。次に、二次方程式の一次導関数を使用して、真のピーク位置を求める。流量マーカーのピークに基づいてシステムを較正した後、(狭い標準較正に対する)有効流量は式7のように計算される。流量マーカーピークの処理を、PolymerChar GPCOne(商標)ソフトウェアにより行った。許容される流量補正は、有効流量が見かけ流量の+/-2%以内であるべきである。
流量(実効)=流量(公称)*(RV(FM較正済み)/RV(FM試料))(式7)
【0053】
溶液バッチ反応器共重合試験方法。
【0054】
250gの1-オクテンおよび1330gのIsopar Eをバッチ反応器に充填する。反応器内容物を190℃に加熱し、次いで、指定量の水素分子(H2)の存在下で、内容物をエチレンで飽和させる。プロ触媒(例えば、液体中のPCAT(例えば、(C1))、助触媒トリエチルアルミニウム(TEA)、およびアルキル化Cp2TiCl2溶液(例えば、E1またはE2)の懸濁液を、必要に応じて別個のフラスコ内で混合し、直ちに、得られた混合物をバッチ反応器の中に添加する。エチレン流で反応器内の圧力を3100キロパスカル(kPa、1平方インチ当たり(psi)450ポンドに等しい)に維持して、その重合中のエチレン消費に起因する圧力降下を補償する。10分の反応時間の後、下部バルブを取り付け、反応器の内容物をガラスケトルに移す。ケトルの内容物をマイラーで裏打ちされたトレイに注ぎ、冷却する。内容物をドラフト内のトレイ上に一晩置き、ほとんどの液体を蒸発させる。残りの樹脂を真空オーブン中で乾燥して、生成物ポリ(エチレン-コ-1-オクテン)コポリマーを得る。
【0055】
連続溶液反応器共重合試験方法。
【0056】
連続溶液重合プロセスは、断熱性の連続撹拌槽型反応器(CSTR)を含む。反応器は、すべての溶媒、モノマー、コモノマー、水素、および触媒系成分供給物の独立制御を含んだ。溶媒、モノマー、コモノマー、および水素を含む反応器への総供給流は、総供給流を反応器に導入する前に、総供給流を熱交換器に送ることによって温度制御する。反応器への総供給流は、一箇所で反応器に注入する。触媒系成分を、他の供給物とは別個に反応器に注入する。反応器内の撹拌機を使用して、反応物を連続的に混合する。油浴により、反応器温度制御の追加の微調整を提供する。
【0057】
エチレンモノマー、1-オクテンコモノマー、およびプロセス溶媒(Shell ChemicalsによるSBP 100/140)は、反応器に導入する前に分子ふるいで精製する。モノマー溶媒、およびコモノマーの供給流は、反応圧力よりも高い圧力に介して加圧する。モノマー流、コモノマー流、溶媒流、および水素流を組み合わせ、次いで、反応器に導入する。触媒系の個々の成分は、精製された溶媒/希釈剤を用いて手動でバッチ式に希釈し、反応圧力よりも高い圧力に加圧する。プロ触媒(PCAT)、助触媒、およびアルキル化Cp2TiCl2水素化プロ触媒(使用する場合)用の供給ラインを単一のラインに統合し、反応器に入る前に、成分を約2分間互いに混合する。すべての反応供給流は、質量流量計で測定し、計量ポンプで独立して制御する。
【0058】
水の添加および水との反応により触媒系を失活させるゾーンに、最終反応器溶出物を送る。触媒の失活に続いて、エチレン系ポリマーが非ポリマー流(例えば、過剰のモノマーまたはコモノマー、溶媒など)から除去される2段階脱揮発システムに、反応器溶出物を送る。非ポリマー流をシステムから除去し、単離されたポリマー溶融物をペレット化し、収集する。
【実施例】
【0059】
以下の実施例は、本開示に記載された実施形態を説明するために提供され、本開示またはその添付の特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
【0060】
プロ触媒の調製
化合物(C1)。ExxonMobil Corporationから得られ、114℃~139℃の沸騰範囲を有する、>99.75重量%~99.9重量%のナフサ(石油)、軽質アルキレート、CAS 64741-66-8、および0.1重量%~0.25重量%未満のイソオクタン CAS 540-54-1(イソアルカン混合物)を含有するIsopar E流体。
【0061】
微粒子状のMgCl2(D1)。375m2/g~425m2/gのBET表面積を有する固体の微粒子状MgCl2。生成物を、ヘプタン中のブチルエチルマグネシウムの溶液20重量%を測定量の(C1)に希釈して、希釈溶液を得ること、30±3℃の温度を維持しながら、ClのMgとのモル比が2.04:1.00に達するまで、30℃でかき混ぜながら、塩化水素(HCl)を希釈溶液にゆっくり添加して、(C1)中の(D1)の懸濁液0.20mol/Lを得ること、によって調製した。
【0062】
不均一系プロ触媒(「PCAT」)の調製
30℃でかき混ぜながら、EADC/Mg比が0.3に達するまで、ヘプタン中の15重量%の二塩化エチルアルミニウム(EADC)溶液を上述のMgCl2微粒子状スラリー(D1)にゆっくりと添加する。添加中、反応混合物の温度を30℃±3℃に維持する。混合物を、30℃で4時間熟成させる。その後、30℃でかき混ぜながら、Ti/Mg比が0.075に達するまで、ヘプタン中の51重量%の(IV)イソプロポキシド溶液を混合物にゆっくりと添加する。添加中、反応混合物の温度を30℃±3℃に維持する。混合物を、30℃で少なくとも8時間熟成させる。触媒配合の正確さを確実にするために、濯ぎには、Isopar E溶媒(C1)を使用する。完成した触媒についての最終Ti濃度は、0.12mol/Lである。
【0063】
水素化プロ触媒の調製
実施例1:ビス(エチルシクロペンタジエニル)チタンクロリド(E1)。2オンスのボトル内に、1.000gのCp2TiCl2および撹拌棒を入れる。ヘプタン中の1.0mol/Lトリエチルアルミニウム(TEA)溶液20.1mLを、撹拌しながら約10分間かけてゆっくりと添加する。固体のCp2TiCl2は、可溶性になり、青色の溶液を形成する。
【0064】
実施例2:ビス(ブチルシクロペンタジエニル)チタンクロリド(E2)。4オンスのボトル内に、0.544gのCp2TiCl2、4.0mLのIsopar E、および撹拌棒を入れる。ヘキサン中の1.0Mトリイソブチルアルミニウム(TiBAl)溶液38.0mLを、撹拌しながら約10分間かけてゆっくりと添加する。固体のCp2TiCl2は、可溶性になり、青色の溶液を形成する。
【0065】
実施例3:ビス(エチルシクロペンタジエニル)チタンクロリド(E3)。1リットルボトル内に、50.00gのCp2TiCl2および撹拌棒を入れる。ヘプタン中の1.0Mトリエチルアルミニウム(TEA)溶液880mLを、撹拌しながら約10分間かけて添加する。固体のCp2TiCl2は、可溶性になり、青色の溶液を形成する。
【0066】
エチレンと、1-オクテンなどの1つ以上のαオレフィンとの重合を、(1)ポリマーの重量平均分子量(Mw)およびH
2量、(2)Mw/MnおよびMw、ならびに(3)Mz/MwおよびMwの関係を確立するために、様々な量のH
2の存在下で実施し、得られたポリマー系および触媒系の特徴を表1~4に記録した。
【表1】
【0067】
表1に記録されているように、分子量、分子量分布、およびMz/Mwはすべて、水素の量が減少するにつれて、比較触媒を含む系で生成されたポリマーで増加した。
【表2】
【0068】
エチレン重合反応を、ブチル化のCp2TiCl2水素化プロ触媒(E2)の存在下で、40mmolのH2の存在下で行った。表2のデータは、H2の実質的な部分が水素化触媒によって消費され得ることを示す。消費されたH2の量は、生成されたポリマーの重量平均分子量から明らかである。例えば、実行IE3における触媒系には、40mmolのH2の存在下で、Cp2TiCl2/Tiの3:1のモル比を有する水素化プロ触媒が含まれており、生成されたポリマーの重量平均分子量は、179,154g/molである。反応器システムにおける40mmolのH2により、実行IE3の触媒系は、40mmolのH2存在下での比較触媒系によって実行CE5(表1)で生成されたポリマーの重量平均分子量よりも約70,000g/mol大きい重量平均分子量を有するポリマーを生成した。
【0069】
比較触媒系は、水素化プロ触媒を欠いていた。H
2の量が増加するにつれて、重量平均分子量は減少した。対照的に、表2および3の実施例では、40mmolのH
2の存在下で、水素化プロ触媒の量が増加するにつれて、生成されたポリマーの重量平均分子量が増加した。この傾向は、H
2の実質的な部分が水素化触媒によって消費され得るという主張を支持している。さらに、ポリマーの重量平均分子量が増加するにつれて、分子量分布はわずかに増加したが、増加の度合いは、水素化プロ触媒を含まずに観察した増加の度合いよりも顕著に小さかった(表1)。
【表3】
【0070】
エチレン重合反応を、40mmolのH
2およびエチル化Cp
2TiCl
2水素化プロ触媒(E1)の存在下で行った。表3のデータはまた、H
2の実質的な部分が水素化触媒によって消費され得ることを示す。特に、一定量のH
2を添加することにより、水素化プロ触媒のチタン触媒との比が1:1から4:1に増加するにつれて、ポリマーの重量平均分子量も概して増加した。H
2の存在によってポリマー鎖が終結させ得るため、ポリマーの重量平均分子量の増加は、水素化触媒による水素消費の証拠となる。
【表4】
【0071】
連続反応プロセスにおいて、水素化プロ触媒E3および不均一系触媒の両方を含む実行IE9の触媒系は、水素化触媒を含まない触媒系によって生成されたポリマーの分子量よりもほぼ30%大きい分子量を有するポリマーを生成した。図に示すように、水素化プロ触媒E3および不均一系触媒を含有する触媒系によって生成されたポリマーは、同等の分子量分布、および実行CE6における比較触媒系によって生成されたポリマーの対応する値よりも小さいMz/Mwを有していた。水素化プロ触媒、E3は、分布(または、MnもしくはMz)に影響を与えることなく、分子量の特定の領域(Mw付近)に構築することができる。
本願発明には以下の態様が含まれる。
項1.
触媒系であって、
チタン種、アルミニウム種、および塩化マグネシウム成分を含む不均一系プロ触媒と、
式Cp2TiX2TiCp2またはCp2TiXnを有する水素化プロ触媒と、を含み、
式中、
各Cpが、少なくとも1つの(C1-C10)アルキルで置換されたシクロペンタジエニルであり、
各Xが、独立して、モノアニオン性または中性であり、各Xが、独立して、(C1-C40)炭化水素、(C1-C40)ヘテロ炭化水素、(C1-C40)ヒドロカルビル、(C1-C40)ヘテロヒドロカルビル、またはハロゲン原子であり、
nが、1または2である、触媒系。
項2.
不均一系触媒が、担持されていないバルク触媒である、項1に記載の触媒系。
項3.
前記不均一系プロ触媒が、0.1ミクロン~10ミクロンの平均粒子径を有する不均一系プロ触媒粒子を含む、項1または2に記載の触媒系。
項4.
前記不均一系プロ触媒が、制御されていない形態を有する不均一系プロ触媒粒子を含む、項1~3のいずれか一項に記載の触媒系。
項5.
前記不均一系プロ触媒が、不均一系プロ触媒粒子を含み、前記不均一系プロ触媒粒子の10%以上が、1ミクロン以下の粒子径を有する、項1~4のいずれか一項に記載の触媒系。
項6.
前記水素化プロ触媒中のチタンのモル数の前記不均一系プロ触媒中のチタンのモル数との比が、1:2よりも大きい、項1~5のいずれか一項に記載の触媒系。
項7.
アルキルアルミニウム助触媒Al(R2)3をさらに含み、式中、各R2が、独立して、(C1-C20)アルキルまたはハロゲン原子であり、ただし、少なくとも1つのR2が(C1-C20)アルキルであることを条件とする、項1~6のいずれか一項に記載の触媒系。
項8.
トリアルキルアルミニウム化合物、塩化ジアルキルアルミニウム、二塩化アルキルアルミニウム、アルキルアルミニウムアルコキシド、およびアルキルアルミノキサン(alkylaluminoxane)からなる群から選択されるアルキルアルミニウム助触媒をさらに含む、項1~6のいずれか一項に記載の触媒系。
項9.
前記不均一系プロ触媒中のチタンのモル数の前記助触媒中のアルミニウムのモル数との比が、2:1よりも大きい、触媒系項7または8。
項10.
前記不均一系プロ触媒中のチタンのモル数の前記助触媒中のアルミニウムのモル数との比が、1000:1~2:1である、項7または8に記載の触媒系。
項11.
重合プロセスであって、
触媒系の存在下で、溶液中の(C2-C12)α-オレフィンを反応させることを含み、前記触媒系が、
チタン種、アルミニウム種、および塩化マグネシウム成分を含む不均一系プロ触媒と、
式Cp2TiXnTiCp2またはCp2TiXnを有する水素化プロ触媒と、を含み、
式中、
各Cpが、少なくとも1つの(C1-C10)アルキルで置換されたシクロペンタジエニルであり、
各Xが、独立して、モノアニオン性または中性であり、各Xが、独立して、(C1-C40)炭化水素、(C1-C40)ヘテロ炭化水素、(C1-C40)ヒドロカルビル、(C1-C40)ヘテロヒドロカルビル、またはハロゲン原子であり、
nが、1または2である、重合プロセス。
項12.
前記触媒系が、トリアルキルアルミニウム助触媒Al(R2)3をさらに含み、式中、各R2が、独立して、(C1-C20)アルキルである、項11に記載の重合プロセス。
項13.
前記不均一系触媒が、バルク触媒である、項11または12に記載の重合プロセス。
項14.
前記不均一系プロ触媒が、不均一系プロ触媒粒子を含み、前記粒子の10%以上が、1ミクロン以下の粒子径を有する、項11~13のいずれか一項に記載の重合プロセス。
項15.
前記不均一系触媒が、制御されていない粒子形態を有する不均一系プロ触媒粒子を含む、項11~14のいずれか一項に記載の重合プロセス。
項16.
溶液中の前記(C2-C12)α-オレフィンが、150℃~350℃の反応温度で、反応器内で反応する、項11~15のいずれか一項に記載の重合プロセス。