(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】マルチ送信受信ポイント(マルチTRP)方式のためのシグナリング
(51)【国際特許分類】
H04W 72/0457 20230101AFI20241202BHJP
H04W 72/0446 20230101ALI20241202BHJP
H04W 8/24 20090101ALI20241202BHJP
H04W 72/232 20230101ALI20241202BHJP
【FI】
H04W72/0457
H04W72/0446
H04W8/24
H04W72/0457 110
H04W72/232
(21)【出願番号】P 2022525061
(86)(22)【出願日】2020-10-27
(86)【国際出願番号】 US2020070702
(87)【国際公開番号】W WO2021092610
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2023-10-04
(32)【優先日】2019-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】モスタファ・コシュネヴィサン
(72)【発明者】
【氏名】シャオシア・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ジン・スン
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・ガール
(72)【発明者】
【氏名】タオ・ルオ
【審査官】石田 信行
(56)【参考文献】
【文献】特表2022-544347(JP,A)
【文献】NEC,Discussion on multi-TRP operation,3GPP TSG RAN WG1 #98b R1-1910567,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_98b/Docs/R1-1910567.zip>,2019年10月04日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4,6
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)によって実施されるワイヤレス通信の方法であって、
複数のマルチ送信受信ポイント(マルチTRP)方式のうちのマルチTRP方式セットのための能力をシグナリングするステップと、
通信のための時間領域リソース割振り(TDRA)構成
と、前記UE用に可能にされる前記マルチTRP方式セットとを示す情報を受信するステップと、
前記TDRA構成と、前記UE用に可能にされる
前記マルチTRP方式セットとに少なくとも部分的に基づいて、前記通信のためのマルチTRP方式を識別するステップと、
前記マルチTRP方式に従って前記通信を実施するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記通信は、マルチ送信構成インジケータ(マルチTCI)状態通信である
、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記通信用の前記マルチTRP方式を識別するステップは、
繰り返しの数を示す値を含む前記TDRA構成に少なくとも部分的に基づいて、前記マルチTRP方式を、異なるスロット中の繰り返しベースのマルチTRP方式として識別するステップをさらに含み、
前記TDRA構成が前記繰り返し数を示す前記値を含むとき、および前記マルチTRP方式が異なるスロット中の前記繰り返しベースのマルチTRP方式であるとき、
前記マルチTRP方式が異なるスロット中の繰り返しベースのマルチTRP方式でないか、または前記TDRA構成が前記繰り返し数を示す前記値を含まないときと比較して、前記TDRA構成は、増大したサイズを有し、アンテナポート選択のフィールドは、減少したサイズを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記通信用の前記マルチTRP方式を識別するステップは、
前記TDRA構成の示される値が、複数の繰り返しに関連付けられることに少なくとも部分的に基づいて、前記マルチTRP方式を、異なるスロット中の繰り返しベースのマルチTRP方式として識別するステップをさらに含み、かつ
前記示される値は、前記TDRA構成によって識別されるTDRAテーブルの行を含み、
前記示される値は、前記UEによって受信されたダウンリンク制御情報のTDRAフィールドに少なくとも部分的に基づいており、かつ/または
前記通信用の前記マルチTRP方式を、異なるスロット中の繰り返しベースのマルチTRP方式として識別するステップは、前記通信が複数の送信構成インジケータ(TCI)状態に関連付けられることを示すダウンリンク制御情報に少なくとも部分的に基づいており、
前記方法は、
前記TDRA構成の前記示される値によって示される前記通信の繰り返しの数を受信するステップをさらに含み、前記複数の繰り返しの各繰り返しは、前記複数のTCI状態のうちのあるTCI状態を使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記マルチTRP方式は、異なるスロット中の繰り返しベースのマルチTRP方式であり、
前記方法は、
単一の送信構成インジケータ(TCI)状態が前記通信用に使用されるべきであることを示す情報を受信するステップと、
前記通信の複数の繰り返しに対して前記単一のTCI状態を使用するステップであって、前記複数の繰り返しの数は、前記TDRA構成に少なくとも部分的に基づいて、および前記UEによって受信されたダウンリンク制御情報のTDRAフィールドに少なくとも部分的に基づいて決定される、ステップと
をさらに含むか、または
前記方法は、
複数の送信構成インジケータ(TCI)状態が前記通信用に使用されるべきであることを示す情報を受信するステップであって、前記TDRA構成は、前記通信の一度の繰り返しを示す、ステップと、
前記複数のTCI状態のうちの単一のTCI状態に従って、前記通信の前記一度の繰り返しを実施するステップと
をさらに含み、かつ
前記単一のTCI状態は、前記複数のTCI状態のうちの第1のTCI状態であり、かつ/または
前記方法は、
前記複数のTCI状態のうちのどのTCI状態が前記単一のTCI状態であるか、という指示を受信するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
基地局によって実施されるワイヤレス通信の方法であって、
複数のマルチ送信受信ポイント(マルチTRP)方式のうちのマルチTRP方式セットのための能力を受信するステップと、
時間領域リソース割振り(TDRA)構成と、ユーザ機器(UE)用に可能にされる
前記マルチTRP方式セットとに少なくとも部分的に基づいて、前記UEとの通信のためのマルチTRP方式を決定するステップと、
前記通信用の前記TDRA構成
と、前記UE用に可能にされる前記マルチTRP方式セットとを示す情報を送信するステップと、
前記マルチTRP方式に従って前記通信を実施するステップと
を含む方法。
【請求項7】
前記通信用の前記TDRA構成は、繰り返しの数を示す値を含む前記TDRA構成に少なくとも部分的に基づいて、前記通信用の前記マルチTRP方式を、異なるスロット中の繰り返しベースのマルチTRP方式として識別し、かつ
前記TDRA構成が前記繰り返し数を示す前記値を含むとき、および前記マルチTRP方式が異なるスロット中の前記繰り返しベースのマルチTRP方式であるとき、
前記マルチTRP方式が異なるスロット中の繰り返しベースのマルチTRP方式でないか、または前記TDRA構成が前記繰り返し数を示す前記値を含まないときと比較して、前記TDRA構成は、増大したサイズを有し、アンテナポート選択のフィールドは、減少したサイズを有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記通信用の前記TDRA構成は、前記TDRA構成の示される値が、複数の繰り返しに関連付けられることに少なくとも部分的に基づいて、前記通信用の前記マルチTRP方式を、異なるスロット中の繰り返しベースのマルチTRP方式として識別し、かつ
前記示される値は、前記TDRA構成によって識別されるTDRAテーブルの行を含み、
前記示される値は、前記UEによって受信されたダウンリンク制御情報のTDRAフィールドに少なくとも部分的に基づいており、または
前記マルチTRP方式は、異なるスロット中の繰り返しベースのマルチTRP方式であり、
前記方法は、
単一の送信構成インジケータ(TCI)状態が前記通信用に使用されるべきであることを示す情報を送信するステップと、
前記通信の複数の繰り返しに対して前記単一のTCI状態を使用するステップであって、前記複数の繰り返しの数は、前記TDRA構成に少なくとも部分的に基づいて、および前記UEによって受信されたダウンリンク制御情報のTDRAフィールドに少なくとも部分的に基づいて決定される、ステップと
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
複数の送信構成インジケータ(TCI)状態が前記通信用に使用されるべきであることを示す情報を送信するステップであって、前記TDRA構成は、前記通信の一度の繰り返しを示す、ステップと、
前記複数のTCI状態のうちの単一のTCI状態に従って、前記通信の前記一度の繰り返しを実施するステップと
をさらに含み、かつ
前記単一のTCI状態は、前記複数のTCI状態のうちの第1のTCI状態であるか、または
前記方法は、
前記複数のTCI状態のうちのどのTCI状態が前記単一のTCI状態であるか、という指示を送信するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記通信は、マルチ送信構成インジケータ(マルチTCI)状態通信である、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
ワイヤレス通信のための
ユーザ機器(UE)であって、
複数のマルチ送信受信ポイント(マルチTRP)方式のうちのマルチTRP方式セットのための能力をシグナリングするための手段と、
通信のためのアンテナポート選択または時間領域リソース割振り(TDRA)構成のうちの少なくとも1つ
と、前記UE用に可能にされる前記マルチTRP方式セットとを示す情報を受信するための手段と、
前記通信のためのマル
チTR
P方式を、
前記アンテナポート選択または前記TDRA構成のうちの少なくとも1つ、および
前記UE用に可能にされる
前記マルチTRP方式セット
に少なくとも部分的に基づいて、識別するための手段と、
前記マルチTRP方式に従って前記通信を実施するための手段と
を備える、
UE。
【請求項12】
請求項2乃至5のいずれか1項に記載の方法を実行するための手段をさらに備える、請求項11に記載の
UE。
【請求項13】
ワイヤレス通信のための
基地局であって、
複数のマルチ送信受信ポイント(マルチTRP)方式のうちのマルチTRP方式セットのための能力を受信するための手段と、
ユーザ機器(UE)との通信のため
のマルチTR
P方式を、
アンテナポート選択または時間領域リソース割振り(TDRA)構成のうちの少なくとも1つ、および
前記UE用に可能にされる
前記マルチTRP方式セット
に少なくとも部分的に基づいて決定するための手段と、
前記通信のための前記アンテナポート選択または前記TDRA構成のうちの少なくとも1つ
と、前記UE用に可能にされる前記マルチTRP方式セットとを示す情報を送信するための手段と、
前記マルチTRP方式に従って前記通信を実施するための手段と
を備える、
基地局。
【請求項14】
請求項7乃至10のいずれか1項に記載の方法を実行するための手段をさらに備える、請求項13に記載の
基地局。
【請求項15】
コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに、請求項1乃至5または請求項6乃至10のいずれか1項に記載の方法を実行させる命令を備えたコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、参照により本明細書に明確に組み込まれる、「SIGNALING FOR MULTI-TRANSMIT-RECEIVE POINT (MULTI-TRP) SCHEMES」と題する、2019年11月7日に出願された米国仮特許出願第62/932,312号、および「SIGNALING FOR MULTI-TRANSMIT-RECEIVE POINT (MULTI-TRP) SCHEMES」と題する、2020年10月26日に出願された米国非仮特許出願第16/949,330号の優先権を主張する。
【0002】
本開示の態様は概して、ワイヤレス通信、ならびにマルチ送信受信ポイント(マルチTRP)方式のためのシグナリングのための技法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレス通信システムは、電話、ビデオ、データ、メッセージング、およびブロードキャストなど、様々な電気通信サービスを提供するために広く展開されている。典型的なワイヤレス通信システムは、利用可能なシステムリソース(たとえば、帯域幅、送信電力など)を共有することによって複数のユーザとの通信をサポートすることが可能な多元接続技術を利用し得る。そのような多元接続技術の例は、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システム、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)システム、時分割同期符号分割多元接続(TD-SCDMA)システム、およびロングタームエボリューション(LTE)を含む。LTE/LTEアドバンストは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))によって公表されたユニバーサルモバイル電気通信システム(UMTS)モバイル規格への拡張のセットである。
【0004】
ワイヤレス通信ネットワークは、いくつかのユーザ機器(UE)のための通信をサポートすることができる、いくつかの基地局(BS)を含み得る。ユーザ機器(UE)は、ダウンリンクおよびアップリンクを介して基地局(BS)と通信し得る。ダウンリンク(または順方向リンク)とはBSからUEへの通信リンクを指し、アップリンク(または逆方向リンク)とはUEからBSへの通信リンクを指す。本明細書においてより詳細に記載するように、BSは、ノードB、gNB、アクセスポイント(AP)、無線ヘッド、送信受信ポイント(TRP)、新無線(NR)BS、5GノードBなどと呼ばれる場合がある。
【0005】
上記の多元接続技術は、都市レベル、国家レベル、地域レベル、さらには世界レベルで様々なユーザ機器が通信することを可能にする共通プロトコルを提供するために、様々な電気通信規格において採用されている。新無線(NR)は、5Gと呼ばれる場合もあり、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))によって公表されたLTEモバイル規格に対する拡張のセットである。NRは、スペクトル効率を高め、コストを減らし、サービスを改善し、新しいスペクトルを利用し、巡回プレフィックス(CP)を伴う直交周波数分割多重化(OFDM)(CP-OFDM)をダウンリンク(DL)上で使用し、CP-OFDMおよび/またはSC-FDM(離散フーリエ変換拡散OFDM(DFT-s-OFDM)としても知られている)をアップリンク(UL)上で使用して他のオープン規格とよりうまく調和し、ならびにビームフォーミング、多入力多出力(MIMO)アンテナ技術、およびキャリアアグリゲーションをサポートすることによって、モバイルブロードバンドインターネットアクセスをよりうまくサポートするように設計されている。しかしながら、モバイルブロードバンドアクセスへの需要が高まり続けるにつれて、LTE技術およびNR技術のさらなる改善が必要である。好ましくは、これらの改善は、これらの技術を採用する他の多元接続技術および電気通信規格に適用可能であるべきである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの態様では、ユーザ機器(UE)によって実施されるワイヤレス通信の方法は、通信のためのアンテナポート選択または時間領域リソース割振り(TDRA)構成のうちの少なくとも1つを示す情報を受信するステップと、アンテナポート選択またはTDRA構成のうちの少なくとも1つ、およびUE用に可能にされるマルチ送信受信ポイント(マルチTRP)方式のセットに少なくとも部分的に基づいて、通信のためのマルチTRP方式を識別するステップと、マルチTRP方式に従って通信を実施するステップとを含み得る。
【0007】
いくつかの態様では、基地局によって実施されるワイヤレス通信の方法は、アンテナポート選択またはTDRA構成のうちの少なくとも1つ、およびUE用に可能にされるマルチTRP方式のセットに少なくとも部分的に基づいて、UEとの通信のためのマルチTRP方式を決定するステップと、通信のためのアンテナポート選択またはTDRA構成のうちの少なくとも1つを示す情報を送信するステップと、マルチTRP方式に従って通信を実施するステップとを含み得る。
【0008】
いくつかの態様では、ワイヤレス通信のためのUEは、メモリと、メモリに動作可能に結合された1つまたは複数のプロセッサとを含み得る。メモリおよび1つまたは複数のプロセッサは、通信のためのアンテナポート選択またはTDRA構成のうちの少なくとも1つを示す情報を受信することと、アンテナポート選択またはTDRA構成のうちの少なくとも1つ、およびUE用に可能にされるマルチTRP方式のセットに少なくとも部分的に基づいて、通信のためのマルチTRP方式を識別することと、マルチTRP方式に従って通信を実施することとを行うように構成されてよい。
【0009】
いくつかの態様では、ワイヤレス通信のための基地局は、メモリと、メモリに動作可能に結合された1つまたは複数のプロセッサとを含み得る。メモリおよび1つまたは複数のプロセッサは、アンテナポート選択またはTDRA構成のうちの少なくとも1つ、およびUE用に可能にされるマルチTRP方式のセットに少なくとも部分的に基づいて、UEとの通信のためのマルチTRP方式を決定することと、通信のためのアンテナポート選択またはTDRA構成のうちの少なくとも1つを示す情報を送信することと、マルチTRP方式に従って通信を実施することとを行うように構成されてよい。
【0010】
いくつかの態様では、非一時的コンピュータ可読媒体は、ワイヤレス通信のための1つまたは複数の命令を記憶し得る。1つまたは複数の命令は、UEの1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、1つまたは複数のプロセッサに、通信のためのアンテナポート選択またはTDRA構成のうちの少なくとも1つを示す情報を受信することと、アンテナポート選択またはTDRA構成のうちの少なくとも1つ、およびUE用に可能にされるマルチTRP方式のセットに少なくとも部分的に基づいて、通信のためのマルチTRP方式を識別することと、マルチTRP方式に従って通信を実施することとを行わせ得る。
【0011】
いくつかの態様では、非一時的コンピュータ可読媒体は、ワイヤレス通信のための1つまたは複数の命令を記憶し得る。1つまたは複数の命令は、基地局の1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、1つまたは複数のプロセッサに、アンテナポート選択またはTDRA構成のうちの少なくとも1つ、およびUE用に可能にされるマルチTRP方式のセットに少なくとも部分的に基づいて、UEとの通信のためのマルチTRP方式を決定することと、通信のためのアンテナポート選択またはTDRA構成のうちの少なくとも1つを示す情報を送信することと、マルチTRP方式に従って通信を実施することとを行わせ得る。
【0012】
いくつかの態様では、ワイヤレス通信のための装置は、通信のためのアンテナポート選択またはTDRA構成のうちの少なくとも1つを示す情報を受信するための手段と、アンテナポート選択またはTDRA構成のうちの少なくとも1つ、および装置用に可能にされるマルチTRP方式のセットに少なくとも部分的に基づいて、通信のためのマルチTRP方式を識別するための手段と、マルチTRP方式に従って通信を実施するための手段とを含み得る。
【0013】
いくつかの態様では、ワイヤレス通信のための装置は、アンテナポート選択またはTDRA構成のうちの少なくとも1つ、およびUE用に可能にされるマルチTRP方式のセットに少なくとも部分的に基づいて、UEとの通信のためのマルチTRP方式を決定するための手段と、通信のためのアンテナポート選択またはTDRA構成のうちの少なくとも1つを示す情報を送信するための手段と、マルチTRP方式に従って通信を実施するための手段とを含み得る。
【0014】
態様は、一般に、添付の図面を参照して本明細書で十分に説明し、添付の図面および本明細書によって示すような、方法、装置、システム、コンピュータプログラム製品、非一時的コンピュータ可読媒体、ユーザ機器、基地局、ワイヤレス通信デバイス、および/または処理システムを含む。
【0015】
上記は、以下の発明を実施するための形態がよりよく理解され得るように、本開示による例の特徴と技術的利点とをかなり広範に概説している。追加の特徴および利点が以下で説明される。開示される概念および具体例は、本開示の同じ目的を遂行するための他の構造を変更または設計するための基礎として容易に利用される場合がある。そのような等価な構成は、添付の特許請求の範囲から逸脱しない。本明細書で開示する概念の特性、それらの編成と動作方法の両方が、関連する利点とともに、添付の図に関して検討されると以下の説明からよりよく理解されよう。図の各々は、特許請求の範囲の限定の定義としてではなく、例示および説明のために提供される。
【0016】
本開示の上述の特徴が詳細に理解され得るように、添付の図面にその一部が示される態様を参照することによって、上記で簡潔に要約した内容について、より具体的な説明を行う場合がある。しかしながら、本説明は他の等しく効果的な態様を許容する場合があるので、添付の図面が、本開示のいくつかの典型的な態様しか示さず、したがってその範囲の限定と見なされるべきではないことに留意されたい。異なる図面における同じ参照番号は、同じまたは同様の要素を識別する場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本開示の様々な態様によるワイヤレス通信ネットワークの例を概念的に示すブロック図である。
【
図2】本開示の様々な態様による、ワイヤレス通信ネットワーク中で基地局がUEと通信している例を概念的に示すブロック図である。
【
図3】本開示の様々な態様による、単一の制御チャネルを使用するマルチTRP通信の例を示す図である。
【
図4】本開示の様々な態様によるマルチTRP通信方式の例を示す図である。
【
図5】本開示の様々な態様による、マルチTCI状態通信のためのマルチTRP方式および/またはパラメータの指示の例を示す図である。
【
図6】本開示の様々な態様による、マルチTCI状態通信のためのマルチTRP方式および/またはパラメータの指示の例を示す図である。
【
図7】本開示の様々な態様による、たとえばユーザ機器によって実施される例示的プロセスを示す図である。
【
図8】本開示の様々な態様による、たとえば基地局によって実施される例示的プロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の様々な態様について、添付の図面を参照して以下でより十分に説明する。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具現化されてよく、本開示全体にわたって提示される任意の特定の構造または機能に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの態様は、本開示が周到で完全になり、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるように構成される。本明細書の教示に基づいて、本開示の範囲は、本開示の任意の他の態様とは無関係に実装されるにせよ、本開示の任意の他の態様と組み合わせて実装されるにせよ、本明細書で開示する本開示の任意の態様を包含するものであることを、当業者は諒解されたい。たとえば、本明細書に記載する任意の数の態様を使用して、装置が実装されてよく、または方法が実践されてよい。加えて、本開示の範囲は、本明細書に記載する開示の様々な態様に加えて、またはそれらの態様以外の、他の構造、機能性、または構造および機能性を使用して実践される装置または方法をカバーするものである。本明細書で開示する本開示のいかなる態様も、請求項の1つまたは複数の要素によって具現化されてよいことを理解されたい。
【0019】
次に、様々な装置および技法を参照して、電気通信システムのいくつかの態様を提示する。これらの装置および技法は、以下の詳細な説明において説明され、様々なブロック、モジュール、構成要素、回路、ステップ、プロセス、アルゴリズムなど(「要素」と総称される)によって添付の図面に示される。これらの要素は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せを使用して実装され得る。そのような要素がハードウェアとして実装されるか、ソフトウェアとして実装されるかは、具体的な適用例および全体的なシステムに課される設計制約に依存する。
【0020】
態様について、5GまたはNR無線アクセス技術(RAT)に一般的に関連付けられた用語を使用して本明細書で説明する場合があるが、本開示の態様は、3G RAT、4G RAT、および/または5Gに続くRAT(たとえば、6G)など他のRATに適用され得ることに留意されたい。
【0021】
図1は、本開示の態様が実践され得るワイヤレスネットワーク100を示す図である。ワイヤレスネットワーク100は、LTEネットワーク、または5GもしくはNRネットワークなど、何らかの他のワイヤレスネットワークであってよい。ワイヤレスネットワーク100は、いくつかのBS110(BS110a、BS110b、BS110c、およびBS110dとして示される)と、他のネットワークエンティティとを含み得る。BSは、ユーザ機器(UE)と通信するエンティティであり、基地局、NR BS、ノードB、gNB、5GノードB(NB)、アクセスポイント、送信受信ポイント(TRP)などと呼ばれる場合もある。各BSは、特定の地理的エリアに通信カバレージを提供し得る。3GPP(登録商標)では、「セル」という用語は、用語が使用される文脈に応じて、BSのカバレージエリア、および/またはこのカバレージエリアにサービスするBSサブシステムを指すことができる。
【0022】
BSは、マクロセル、ピコセル、フェムトセル、および/または別のタイプのセルのための通信カバレージを提供し得る。マクロセルは、比較的大きい地理的エリア(たとえば、半径数キロメートル)をカバーしてよく、サービスに加入しているUEによる無制限アクセスを可能にし得る。ピコセルは、比較的小さい地理的エリアをカバーしてよく、サービスに加入しているUEによる無制限アクセスを可能にし得る。フェムトセルは、比較的小さい地理的エリア(たとえば、自宅)をカバーしてよく、フェムトセルとの関連付けを有するUE(たとえば、限定加入者グループ(CSG)の中のUE)による制限付きアクセスを可能にし得る。マクロセルのためのBSはマクロBSと呼ばれる場合がある。ピコセルのためのBSは、ピコBSと呼ばれる場合がある。また、フェムトセルのためのBSは、フェムトBSまたはホームBSと呼ばれる場合がある。
図1に示す例では、BS110aはマクロセル102a用のマクロBSであってよく、BS110bはピコセル102b用のピコBSであってよく、BS110cはフェムトセル102c用のフェムトBSであってよい。BSは、1つまたは複数(たとえば、3つ)のセルをサポートし得る。「eNB」、「基地局」、「NR BS」、「gNB」、「TRP」、「AP」、「ノードB」、「5G NB」、および「セル」という用語が、本明細書では互換的に使用され得る。
【0023】
いくつかの態様では、セルは、必ずしも静止しているとは限らない場合があり、セルの地理的エリアは、モバイルBSの位置に従って移動する場合がある。いくつかの態様では、BSは、任意の適切なトランスポートネットワークを使用して、直接物理接続、仮想ネットワークなどの様々なタイプのバックホールインターフェースを通して、互いと、および/またはワイヤレスネットワーク100の中の1つもしくは複数の他のBSもしくはネットワークノード(図示せず)に相互接続されてよい。
【0024】
ワイヤレスネットワーク100はまた、中継局を含んでよい。中継局は、上流局(たとえば、BSまたはUE)からデータの送信を受信することができ、かつそのデータの送信を下流局(たとえば、UEまたはBS)へ送ることができるエンティティである。中継局はまた、他のUEのための送信を中継することができるUEであり得る。
図1に示す例では、中継BS110dは、マクロBS110aとUE120dとの間の通信を容易にするために、BS110aおよびUE120dと通信し得る。中継BSは、中継局、中継基地局、リレーなどと呼ばれる場合もある。
【0025】
ワイヤレスネットワーク100は、異なるタイプのBS、たとえば、マクロBS、ピコBS、フェムトBS、中継BSなどを含む、異種ネットワークであり得る。これらの異なるタイプのBSは、ワイヤレスネットワーク100において、異なる送信電力レベル、異なるカバレージエリア、および干渉に対する異なる影響を有する場合がある。たとえば、マクロBSは、高い送信電力レベル(たとえば、5~40ワット)を有する場合があるが、ピコBS、フェムトBS、および中継BSは、より低い送信電力レベル(たとえば、0.1~2ワット)を有する場合がある。
【0026】
ネットワークコントローラ130は、BSのセットに結合してよく、これらのBSのための協調および制御を行ってよい。ネットワークコントローラ130は、バックホールを介してBSと通信し得る。BSはまた、たとえば、ワイヤレスまたはワイヤラインバックホールを介して、直接または間接的に互いと通信し得る。
【0027】
UE120(たとえば、120a、120b、120c)は、ワイヤレスネットワーク100全体にわたって分散されてよく、各UEは、固定式または移動式であってよい。UEは、アクセス端末、端末、移動局、加入者ユニット、局などと呼ばれる場合もある。UEは、セルラーフォン(たとえば、スマートフォン)、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレスモデム、ワイヤレス通信デバイス、ハンドヘルドデバイス、ラップトップコンピュータ、コードレスフォン、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、タブレット、カメラ、ゲームデバイス、ネットブック、スマートブック、ウルトラブック、医療デバイスもしくは医療機器、生体センサー/デバイス、ウェアラブルデバイス(スマートウォッチ、スマートクロージング、スマートグラス、スマートリストバンド、スマートジュエリー(たとえば、スマートリング、スマートブレスレット))、エンターテインメントデバイス(たとえば、音楽もしくはビデオデバイス、または衛星ラジオ)、車両構成要素もしくはセンサー、スマートメーター/センサー、産業用製造機器、全地球測位システムデバイス、または、ワイヤレスもしくはワイヤード媒体を介して通信するように構成される任意の他の好適なデバイスであり得る。
【0028】
いくつかのUEは、マシンタイプ通信(MTC)UE、または発展型もしくは拡張マシンタイプ通信(eMTC)UEと見なされてよい。MTC UEおよびeMTC UEは、たとえば、基地局、別のデバイス(たとえば、リモートデバイス)、またはいくつかの他のエンティティと通信し得る、ロボット、ドローン、リモートデバイス、センサー、メータ、モニタ、ロケーションタグなどを含む。ワイヤレスノードは、たとえば、ワイヤードまたはワイヤレス通信リンクを介して、ネットワーク(たとえば、インターネットまたはセルラーネットワークなどのワイドエリアネットワーク)のための接続性またはネットワークへの接続性を提供し得る。いくつかのUEは、モノのインターネット(IoT)デバイスと見なされてよく、かつ/またはNB-IoT(狭帯域モノのインターネット)デバイスとして実装されてよい。いくつかのUEは、顧客構内機器(CPE)と見なされ得る。UE120は、プロセッサ構成要素、メモリ構成要素など、UE120の構成要素を格納するハウジング内に含まれてよい。
【0029】
一般に、任意の数のワイヤレスネットワークが、所与の地理的エリアの中で展開され得る。各ワイヤレスネットワークは、特定の無線アクセス技術(RAT)をサポートしてよく、1つまたは複数の周波数で動作してよい。RATは、無線技術、エアインターフェースなどと呼ばれる場合もある。周波数は、キャリア、周波数チャネルなどと呼ばれる場合もある。各周波数は、異なるRATのワイヤレスネットワーク間の干渉を回避するために、所与の地理的エリアの中で単一のRATをサポートし得る。いくつかの場合、NRまたは5G RATネットワークが展開され得る。
【0030】
いくつかの態様では、2つ以上のUE120(たとえば、UE120aおよびUE120eとして示される)は、1つまたは複数のサイドリンクチャネルを使って(たとえば、互いに通信するための媒介として基地局110を使わずに)直接通信してよい。たとえば、UE120は、ピアツーピア(P2P)通信、デバイス間(D2D)通信、(たとえば、車両間(V2V)プロトコル、ビークルツーインフラストラクチャ(V2I)プロトコルなどを含み得る)ビークルツーエブリシング(V2X)プロトコル、メッシュネットワークなどを使用して通信し得る。この場合、UE120は、スケジューリング動作、リソース選択動作、および/または基地局110によって実施されるものとして本明細書の中の他の場所で説明する他の動作を実施し得る。
【0031】
ワイヤレスネットワーク100のデバイスは、電磁スペクトルを使って通信する場合があり、このスペクトルは、周波数または波長に基づいて、様々なクラス、帯域、チャネルなどに分割され得る。たとえば、ワイヤレスネットワーク100のデバイスは、410MHzから7.125GHzにわたり得る、第1の周波数範囲(FR1)を有する動作帯域を使って通信する場合があり、かつ/または24.25GHzから52.6GHzにわたり得る第2の周波数範囲(FR2)を有する動作帯域を使って通信する場合がある。FR1とFR2との間の周波数は、中間帯域周波数と呼ばれることがある。FR1の一部分は6GHzより高いが、FR1はしばしば、「サブ6GHz」帯域と呼ばれる。同様に、FR2は、国際電気通信連合(ITU)によって「ミリメートル波」帯域として識別される極高周波(EHF)帯域(30GHz~300GHz)とは異なるにもかかわらず、しばしば、「ミリメートル波」帯域と呼ばれる。したがって、別段に明記されていない限り、「サブ6GHz」などの用語は、本明細書において使用される場合、6GHz未満の周波数、FR1内の周波数、および/または中間帯域周波数(たとえば、7.125GHzよりも大きい)を広く表し得ることを理解されたい。同様に、別段に明記されていない限り、「ミリメートル波」などの用語は、本明細書において使用される場合、EHF帯域内の周波数、FR2内の周波数、および/または中間帯域周波数(たとえば、24.25GHz未満)を広く表し得ることを理解されたい。FR1およびFR2に含まれる周波数は修正されてよいことが企図され、本明細書に記載する技法は、それらの修正された周波数範囲に適用可能である。
【0032】
上記で示したように、
図1は例として与えられる。他の例は、
図1に関して説明したものとは異なる場合がある。
【0033】
図2は、
図1における基地局のうちの1つおよびUEのうちの1つであってよい基地局110およびUE120の設計200のブロック図を示す。基地局110は、T個のアンテナ234a~234tを装備してよく、UE120は、R個のアンテナ252a~252rを装備してよく、ここで、一般にT≧1およびR≧1である。
【0034】
基地局110において、送信プロセッサ220は、1つまたは複数のUE向けのデータをデータソース212から受信し、UEから受信されたチャネル品質インジケータ(CQI)に少なくとも部分的に基づいて、UEごとに1つまたは複数の変調およびコーディング方式(MCS)を選択し、UE用に選択されたMCSに少なくとも部分的に基づいて、UEごとにデータを処理(たとえば、符号化および変調)し、データシンボルをすべてのUEに提供してよい。送信プロセッサ220はまた、(たとえば、半静的リソース区分情報(SRPI)などのための)システム情報、および制御情報(たとえば、CQI要求、許可、上位レイヤシグナリングなど)を処理し、オーバーヘッドシンボルおよび制御シンボルを提供し得る。送信プロセッサ220はまた、基準信号(たとえば、セル固有基準信号(CRS))ならびに同期信号(たとえば、1次同期信号(PSS)および2次同期信号(SSS))のための基準シンボルを生成し得る。送信(TX)多入力多出力(MIMO)プロセッサ230は、適用可能な場合、データシンボル、制御シンボル、オーバーヘッドシンボル、および/または基準シンボルに対して空間処理(たとえば、プリコーディング)を実施してよく、T個の出力シンボルストリームをT個の変調器(MOD)232a~232tに提供し得る。各変調器232は、(たとえば、OFDMなどのために)それぞれの出力シンボルストリームを処理して、出力サンプルストリームを取得し得る。各変調器232は、出力サンプルストリームをさらに処理(たとえば、アナログにコンバート、増幅、フィルタリング、およびアップコンバート)して、ダウンリンク信号を取得し得る。変調器232a~232tからのT個のダウンリンク信号は、それぞれ、T個のアンテナ234a~234tを介して送信され得る。以下でより詳細に説明する様々な態様によると、同期信号は、追加の情報を伝えるために、ロケーション符号化を用いて生成され得る。
【0035】
UE120において、アンテナ252a~252rは、基地局110および/または他の基地局からダウンリンク信号を受信してよく、それぞれ、受信された信号を復調器(DEMOD)254a~254rに提供してよい。各復調器254は、受信された信号を調整(たとえば、フィルタリング、増幅、ダウンコンバート、およびデジタル化)して、入力サンプルを取得し得る。各復調器254は、入力サンプルを(たとえば、OFDMなどのために)さらに処理して受信されたシンボルを取得し得る。MIMO検出器256は、すべてのR個の復調器254a~254rから受信シンボルを取得し、適用可能な場合、受信シンボルに対してMIMO検出を実施し、検出されたシンボルを提供してよい。受信プロセッサ258は、検出されたシンボルを処理(たとえば、復調および復号)し、UE120のための復号されたデータをデータシンク260に提供し、復号された制御情報およびシステム情報をコントローラ/プロセッサ280に提供し得る。チャネルプロセッサは、基準信号受信電力(RSRP)、受信信号強度インジケータ(RSSI)、基準信号受信品質(RSRQ)、チャネル品質インジケータ(CQI)などを決定してよい。いくつかの態様では、UE120の1つまたは複数の構成要素は、ハウジングに含まれ得る。
【0036】
アップリンク上では、UE120において、送信プロセッサ264は、データソース262からのデータおよびコントローラ/プロセッサ280からの(たとえば、RSRP、RSSI、RSRQ、CQIなどを含む報告用の)制御情報を受信し、処理し得る。送信プロセッサ264はまた、1つまたは複数の基準信号用の基準シンボルを生成し得る。送信プロセッサ264からのシンボルは、適用可能な場合、TX MIMOプロセッサ266によってプリコーディングされ、変調器254a~254rによって(たとえば、DFT-s-OFDM用、CP-OFDM用などに)さらに処理され、基地局110に送信され得る。基地局110において、UE120および他のUEからのアップリンク信号は、アンテナ234によって受信され、復調器232によって処理され、適用可能な場合、MIMO検出器236によって検出され、受信プロセッサ238によってさらに処理されて、UE120によって送られた、復号されたデータおよび制御情報を取得し得る。受信プロセッサ238は、復号されたデータをデータシンク239に提供し、復号された制御情報をコントローラ/プロセッサ240に提供し得る。基地局110は、通信ユニット244を含み、通信ユニット244を介してネットワークコントローラ130と通信し得る。ネットワークコントローラ130は、通信ユニット294、コントローラ/プロセッサ290、およびメモリ292を含み得る。
【0037】
基地局110のコントローラ/プロセッサ240、UE120のコントローラ/プロセッサ280、および/または
図2の任意の他の構成要素は、本明細書の他の箇所においてより詳細に記載するように、マルチTRP方式のためのシグナリングに関連付けられた1つまたは複数の技法を実施し得る。たとえば、基地局110のコントローラ/プロセッサ240、UE120のコントローラ/プロセッサ280、および/または
図2のどの他の構成要素も、たとえば、
図7のプロセス700、
図8のプロセス800、および/または本明細書で説明されるような他のプロセスの動作を実施または指示し得る。メモリ242および282は、それぞれ、基地局110およびUE120のためのデータおよびプログラムコードを記憶し得る。いくつかの態様では、メモリ242および/またはメモリ282は、ワイヤレス通信のための1つまたは複数の命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体を含み得る。たとえば、1つまたは複数の命令は、基地局110および/またはUE120の1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、たとえば、
図7のプロセス700、
図8のプロセス800および/または本明細書で説明するような他のプロセスの動作を実施または指示してよい。スケジューラ246は、ダウンリンクおよび/またはアップリンク上のデータ送信のためにUEをスケジュールし得る。
【0038】
いくつかの態様では、UE120は、通信のためのアンテナポート選択または時間領域リソース割振り(TDRA)構成のうちの少なくとも1つを示す情報を受信するための手段、アンテナポート選択またはTDRA構成のうちの少なくとも1つ、およびUE用に可能にされるマルチ送信受信ポイント(マルチTRP)方式のセットに少なくとも部分的に基づいて、通信のためのマルチTRP方式を識別するための手段、マルチTRP方式に従って通信を実施するための手段、マルチTRP方式のセットのための能力をシグナリングするための手段、UE用に可能にされるマルチTRP方式のセットを示す構成情報を受信するための手段、アンテナポート選択に少なくとも部分的に基づいて、通信の1つまたは複数のそれぞれのTCI状態についての1つまたは複数の冗長バージョンのマッピングを決定するための手段、繰り返しの数を示す値を含むTDRA構成に少なくとも部分的に基づいて、マルチTRP方式を、繰り返しベースのマルチTRP方式として識別するための手段、単一のTCI状態が通信用に使用されるべきであることを示す情報を受信するための手段、通信の複数の繰り返しに対して単一のTCI状態を使用するための手段であって、複数の繰り返しの数は、TDRA構成に少なくとも部分的に基づいて決定される、手段、複数のTCI状態が通信用に使用されるべきであることを示す情報を受信するための手段であって、TDRA構成は、通信の一度の繰り返しを示す、手段、複数のTCI状態のうちの単一のTCI状態に従って、通信の一度の繰り返しを実施するための手段、複数のTCI状態のうちのどのTCI状態が、単一のTCI状態であるかという指示を受信するための手段、などを含み得る。いくつかの態様では、そのような手段は、コントローラ/プロセッサ280、送信プロセッサ264、TX MIMOプロセッサ266、MOD254、アンテナ252、DEMOD254、MIMO検出器256、受信プロセッサ258など、
図2に関連して説明したUE120の1つまたは複数の構成要素を含み得る。
【0039】
いくつかの態様では、基地局110は、アンテナポート選択またはTDRA構成のうちの少なくとも1つ、およびUE用に可能にされるマルチTRP方式のセットに少なくとも部分的に基づいて、UEとの通信のためのマルチTRP方式を決定するための手段、通信のためのアンテナポート選択またはTDRA構成のうちの少なくとも1つを示す情報を送信するための手段、マルチTRP方式に従って通信を実施するための手段、マルチTRP方式のセットのための能力を受信するための手段、UE用に可能にされるマルチTRP方式のセットを示す構成情報を送信するための手段、複数のTCI状態が通信用に使用されるべきであることを示す情報を送信するための手段であって、TDRA構成は、通信の一度の繰り返しを示す、手段、複数のTCI状態のうちの単一のTCI状態に従って、通信の一度の繰り返しを実施するための手段、複数のTCI状態のうちのどのTCI状態が、単一のTCI状態であるかという指示を送信するための手段、などを含み得る。いくつかの態様では、そのような手段は、アンテナ234、DEMOD232、MIMO検出器236、受信プロセッサ238、コントローラ/プロセッサ240、送信プロセッサ220、TX MIMOプロセッサ230、MOD232、アンテナ234など、
図2に関して説明した基地局110の1つまたは複数の構成要素を含み得る。
【0040】
上記で示したように、
図2は例として与えられる。他の例は、
図2に関して説明されたもとのは異なる場合がある。
【0041】
ワイヤレスネットワークにおいて、UEは、マルチTRP構成と呼ばれる複数のTRPに通信可能に接続されてよく、複数のTRPへ通信を送信し、かつ/または通信をそこから受信し得る。追加または代替として、UEは、マルチTRP構成において、TRPの複数のアンテナパネルと通信することができる。したがって、複数のTRPまたはTRPの複数のアンテナパネルは本明細書では、送信機と呼ばれる。
【0042】
複数の送信機が、同じデータ(たとえば、同じ物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)などのような、同じ共有チャネル)をUEへ送信する場合がある。このタイプの送信は、各送信がそれぞれのTCI状態に関連付けられ得るので、本明細書では、マルチTCI状態送信またはマルチTCI状態通信と呼ばれる。そのような場合、単一の制御チャネルなど、単一のダウンリンク制御情報(DCI)通信が、複数の送信機からのデータをスケジュールするのに使われ得る。そのような場合、単一のDCIは、複数の送信機の各々についての制御情報を伝えることができる。たとえば、制御情報は、1つまたは複数のTCI状態(複数のTRPに関連付けられた1つまたは複数の擬似コロケーション(QCL)関係を示し得る)、アンテナポートまたは復調参照信号(DMRS)ポートフィールド(複数のTRPに関連付けられた1つまたは複数のDMRSポートを示し得る)、時間領域リソース割振り(TDRA)フィールドなどを示すTCIフィールドなど、マルチTRP構成用の1つまたは複数の(またはマルチパネル)パラメータを指定する1つまたは複数のフィールドを含み得る。マルチTCI状態と単一TCI状態送信との間の動的切換えは、TCIフィールドによって何個のTCI状態が示されるかに少なくとも部分的に基づいてサポートされ得る。たとえば、1つのTCI状態を指すTCIフィールドは単一TCI状態送信を示してよく、2つ以上のTCI状態を指すTCIフィールドはマルチTCI状態送信を示してよい。
【0043】
マルチTCI状態送信または単一のTCI状態に関連付けられた送信などの送信が、マルチTRP方式に従って実施され得る。マルチTRP方式は、マルチTCI状態送信の異なるレイヤがどのように多重化および/または送信されるかを定義し得る。マルチTRP方式の例は、空間分割多重化(SDM)方式、周波数分割多重化(FDM)方式、時分割多重化(TDM)方式、および繰り返しを伴う方式を含む。複数のマルチTRP方式のうちのマルチTRP方式のセットが、無線リソース制御(RRC)シグナリングを使用することなどによって、UE用に可能にされ得る。UEは、UE用に可能にされるマルチTRP方式のセットからの、あるマルチTRP方式を使えばよい。
【0044】
UE用の選択されたマルチTRP方式および/またはマルチTRP方式を使って送信を実施するためのパラメータをシグナリングするのには、大幅なオーバーヘッドおよびレイテンシを伴い得る。たとえば、選択されたマルチTRP方式を示すのに専用信号またはフィールドを使用するには、DCI中の新規フィールドの追加を伴う場合があり、そうすることによって、オーバーヘッドが増大し、計算リソースを消費する。さらに、異なるマルチTRP方式は、UEへシグナリングされ得る、異なるパラメータおよび異なる制約を伴う場合があり、したがって、特に、選択されたマルチTRP方式が専用信号またはフィールドを使ってシグナリングされる場合は、オーバーヘッドおよび計算リソース消費の増大を引き起こす。
【0045】
本明細書に記載するいくつかの技法および装置は、通信のための選択されたマルチTRP方式のシグナリング、通信用のアンテナポート、および/またはマルチTRP方式のための1つもしくは複数の他のパラメータを、アンテナポート選択またはTDRA構成に少なくとも部分的に基づいて提供する。たとえば、本明細書に記載するいくつかの技法および装置は、マルチTRP方式のセットのうちのどのマルチTRP方式が使用されるべきかという指示を、アンテナポート選択に少なくとも部分的に基づいて提供する。本明細書に記載するいくつかの技法および装置は、TCI状態のマッピング、冗長性値(RV)ペアのマッピング、などのような、マルチTRP方式のためのパラメータの指示も提供し得る。さらに、本明細書に記載するいくつかの技法および装置は、TDRA構成に少なくとも部分的に基づいて、マルチTRP方式のための繰り返し構成の指示を提供する。
【0046】
このようにして、選択されたマルチTRP方式のシグナリングを、通信のためのアンテナポート選択のシグナリングと組み合わせることによって、選択されたマルチTRP方式およびアンテナポート選択の個別シグナリングと比較して、オーバーヘッドを削減することができ、計算リソース消費を削減することができる。さらに、選択されたマルチTRP方式を使用する通信のためのパラメータは、アンテナポート選択またはTDRAフィールドに少なくとも部分的に基づいて示すことができ、そうすることによって、そのようなパラメータの個別シグナリングと比較して、オーバーヘッドおよび計算リソース消費を削減する。
【0047】
図3は、本開示の様々な態様による、単一の制御チャネルを使用するマルチTRP通信の例300を示す図である。図示のように、例300は、UE120、TRP A305(これ以降、TRP Aと呼ばれる)、およびTRP B310(これ以降、TRP Bと呼ばれる)を含む。TRP AおよびTRP Bは、本明細書では送信機と呼ばれる。例300に関して記載する動作は、単一のTRPの複数のアンテナパネルによって、または単一のTRPの単一のアンテナパネルによって実施され得ることに留意されたい。
【0048】
参照番号315によって示されるように、TRP Aは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を提供し得る。たとえば、PDCCHは、TRP AおよびTRP Bによって送信されるべき共有チャネル用のリソースを識別するDCIを含み得る。いくつかの態様では、DCIは、1つまたは複数のTCI状態を示すTCIフィールドを含み得る。TCIフィールドが単一のTCI状態を示すとき、TRP AまたはTRP Bは、単一のTCI状態を使って単一TRP送信を実施することができる。TCIフィールドが2つ以上のTCI状態を示すとき、TRP Aおよび/またはTRP Bは、複数のTCI状態(たとえば、単一のTRPからの、またはTRP AとTRP Bの両方からの)を使って送信を実施することができる。
【0049】
共有チャネルは、参照番号320および325によって示される。いくつかの態様では、参照番号320によって示される共有チャネルは、参照番号325によって示される共有チャネルとは異なるTCI状態を使って送信され得る。いくつかの態様では、参照番号320によって示される共有チャネルは、参照番号325によって示される共有チャネルと同じTCI状態を使って送信され得る。いくつかの態様では、参照番号320によって示される共有チャネルは、参照番号325によって示される共有チャネルと同じであってよい。いくつかの態様では、共有チャネルはTRP AとTRP Bとの間で分割されてよく、またはTRP AおよびTRP Bは、共有チャネルの異なるバージョンを送信してよい。
【0050】
上記で示したように、
図3は例として与えられる。他の例は、
図3に関して説明するものとは異なる場合がある。
【0051】
図4は、本開示の様々な態様による、マルチTRP通信方式の例400を示す図である。例400は、空間分割多重化(SDM)方式410、周波数分割多重化(FDM)方式420、および時分割多重化(TDM)方式430を示す。図示のように、垂直軸は周波数(たとえば、リソースブロック(RB))を表し、水平軸は時間(たとえば、OFDMシンボルなどのシンボル)を表す。TRP1に関連付けられた第1のTCI状態に対応する第1のQCL状態に関連付けられた時間/周波数リソース(たとえば、第1のグループ)が、白の塗りつぶしで示され、TRP2に関連付けられた第2のTCI状態に対応する第2のQCL状態に関連付けられた時間/周波数リソース(たとえば、第2のグループ)が、斜線塗りつぶしで示される。DMRSを含むシンボルが、楕円で示される。
【0052】
SDM方式410は、いくつかのコンテキストでは方式1aと呼ばれ得る。SDM方式410では、異なるTRPが、重複する時間/周波数リソース(たとえば、重複するRB/シンボル)において異なる空間レイヤを送信し得る。そのような場合、異なる空間レイヤが異なるTRPによって送信されるので、異なる空間レイヤは、異なるTCI状態とともに送信されてよい。いくつかの態様では、異なるTCI状態に対応するDMRSポートは、異なる符号分割多重化(CDM)グループの中にあってよい。単なる一例として、2つのレイヤ(たとえば、第1のCDMグループの中のDMRSポート0および1)が第1のTCI状態とともに送信されてよく、2つのレイヤ(たとえば、第2のCDMグループの中のDMRSポート2および3)が第2のTCI状態とともに送信されてよい。
【0053】
FDM方式420は、いくつかのコンテキストでは方式2と呼ばれ得る。FDM方式420では、RBの異なるセットが、異なるTCI状態を使用する異なるTRPによって送信される。たとえば、方式2aと呼ばれる第1のFDM方式では、1つのコードワードが、RBの両方のセットの中で送信され得る。方式2bと呼ばれる第2のFDM方式では、同じトランスポートブロックの2つのコードワード(たとえば、同じ冗長バージョン(RV)値をもつか、または異なるRV値をもつ)が送信され得る。
【0054】
TDM方式430は、方式3および方式4と呼ばれ得る2つの方式を含み得る。TDM方式430では概して、シンボル(たとえば、異なるミニスロットまたはスロット)の異なるセットは、異なるTCI状態とともに送信されてよく、通信の繰り返しが実施されてよい。方式3では、1つのスロット内で繰り返しが実施され得る。方式4では、複数のスロットにわたって繰り返しが実施され得る。方式4に対して、繰り返しの数(たとえば、送信機会の数)は、
図3のPDCCH315などのDCI中のTDRAフィールドによって動的に示されてよい。DCI中のTDRAフィールドは、時間領域割振りリストの行を指すことができ、行は、マッピングタイプ、K0値、ならびに開始シンボルおよび長さを示す。方式4に対して、繰り返しの数は、時間領域割振りリストによって示されてよい。
【0055】
方式4において、いくつかの態様では、同じマッピングタイプ、同じ開始シンボル、および同じ長さが、すべての送信機会に適用されてよい。DCI中のTCIフィールドが2つのTCI状態を示すとき、送信機会とTCI状態との間のマッピングは、周期的マッピング(たとえば、TCI状態#1、#2、#1、#2が4つの送信機会にマッピングされる)または連続マッピング(たとえば、TCI状態#1、#1、#2、#2が4つの送信機会にマッピングされる)を使って構成され得る。いくつかの構成では、最大2つのレイヤが使われ得る。2つのレイヤが使用される場合、2つのレイヤの2つのDMRSポートが、同じDMRS CDMグループに属し得る。したがって、限られた数のDMRSポートエントリが必要とされる場合がある。
【0056】
上記で示したように、
図4は例として与えられる。他の例は、
図4に関して説明するものとは異なる場合がある。
【0057】
図5は、本開示の様々な態様による、通信のためのマルチTRP方式および/またはパラメータの指示の例500を示す図である。図示のように、例500は、UE120、第1の送信機505(たとえば、TRP305/310またはTRP305/310のアンテナパネル)、および第2の送信機510(たとえば、TRP305/310またはTRP305/310のアンテナパネル)を含む。いくつかの態様では、第1の送信機505および第2の送信機510は、単一のTRPの異なるアンテナパネルであってよい。いくつかの態様では、第1の送信機505および第2の送信機510は異なるTRPであってよい。
【0058】
図5に、および参照番号515によって示すように、第1の送信機505はUE120に構成情報を提供し得る。構成情報は、UE120用に可能にされるべきマルチTRP方式のセットを示し得る。たとえば、マルチTRP方式のセットは、方式1a、1b、2a、2b、3、4、または本明細書に明示的には記載しない他のマルチTRP方式から選択されてよい。いくつかの態様では、UE120は、UE120が使用することが可能である、またはUE120が使用することを好む1つまたは複数のマルチTRP方式を示す情報を提供し得る。この場合、第1の送信機505は、1つもしくは複数のマルチTRP方式からマルチTRP方式のセットを選択してよく、または1つもしくは複数のマルチTRP方式に少なくとも部分的に基づいて、マルチTRP方式のセットを選択してよい。いくつかの態様では、構成情報は、RRCメッセージ、RRCパラメータなどを含み得る。いくつかの態様では、構成情報は、TDRAテーブルなどのようなTDRA構成を示すことができ、これについては、
図6との関連でより詳しく記載する。
【0059】
参照番号520によって示すように、第1の送信機505はUE120にDCIを提供し得る。たとえば、第1の送信機505は、PDCCHなどを使ってDCIを提供することができる。DCIは、UE120によって実施されるべき通信のためのアンテナポート選択および/または1つもしくは複数のパラメータを示す情報を含み得る。いくつかの態様では、DCIは、
図6との関連でより詳しく記載するように、TDRA構成のTDRA値を示すTDRAフィールドを含み得る。いくつかの態様では、DCIのアンテナポートフィールドのサイズは、マルチTRP方式のセットに少なくとも部分的に基づき得る(たとえば、より多くのマルチTRP方式が可能にされると、より大きいアンテナポートフィールドが使われてよい)。いくつかの態様では、DCIのアンテナポートフィールドのサイズは、マルチTRP方式のセットに依存しなくてよい。通信は、単一のTCI状態または複数のTCI状態に関連付けられ得る。複数のTCI状態に関連付けられた通信は、マルチTCI状態通信と呼ばれ得る。
【0060】
参照番号525によって示されるように、UE120は、マルチTRP方式のセットに対応するDMRSポートテーブルを決定し得る。たとえば、マルチTRP方式の異なるセットが、異なるDMRSポートテーブルに関連付けられ得る。DMRSポートテーブルは、データのないDMRS CDMグループの数、DMRSポートのセット、および対応するマルチTRP方式を示し得る。いくつかの態様では、DMRSポートテーブルは、RV値マッピング、繰り返しマッピングなどのような、他の情報を示し得る。
【0061】
一例として、方式1a、2a、2b、および3が可能にされているとき、UE120は、以下のTable 1(表1)と同様のDMRSポートテーブルを、マルチTRP方式を決定するのに使用することができる。
【0062】
【0063】
「DMRSポート」列において、セミコロンが、異なるDMRSグループに関連付けられたDMRSポートを区切る。たとえば、アンテナポート値0に対して、DMRSポート0が第1のDMRS CDMグループに関連付けられてよく、DMRSポート2が第2のDMRS CDMグループに関連付けられてよい。アンテナポート値1に対して、DMRSポート0および1が第1のDMRS CDMグループに関連付けられてよく、DMRSポート2が第2のDMRS CDMグループに関連付けられてよい。このようにして、DCIの中に示されるようなアンテナポート値が、どのマルチTRP方式が使用されるべきか、ならびにDMRS CDの数など、選択されたマルチTRP方式についての他の情報を示すのに使われ得る。
【0064】
M個のグループおよび1つのDMRSポート構成。これにより、アンテナポート構成とは別個に、選択されたマルチTRP方式を明示的にシグナリングするのと比較して、オーバーヘッドを削減し、したがって計算リソースを節約することができる。
【0065】
別の例として、方式1a、2a、および3が可能にされているとき、UE120は、以下のTable 2(表2)と同様のDMRSポートテーブルを、マルチTRP方式を決定するのに使用することができる。
【0066】
【0067】
Table 2(表2)、ならびにより具体的にはアンテナポート値8、9、10、および11によって示されるマルチTRP方式は、繰り返す送信のためのTCI状態のマッピングを示す。たとえば、Table 2(表2)は、DCIのTCIフィールドが複数のTCI状態を示すときに使われ得る。
【0068】
別の例として、方式1a、2a、および2bが可能にされているとき、UE120は、以下のTable 3(表3)と同様のDMRSポートテーブルを、マルチTRP方式を決定するのに使用することができる。
【0069】
【0070】
Table 3(表3)、ならびにより具体的にはアンテナポート値12、13、14、および15によって示されるマルチTRP方式は、繰り返す送信のための、RV値ペア(DCIのRVフィールドによって示される)からTCI状態(DCIのTCIフィールドによって示される)へのマッピングを示す。たとえば、Table 2(表2)は、DCIのTCIフィールドが複数のTCI状態を示すときに使われ得る。
【0071】
参照番号530によって示されるように、UE120は、DCIによって示されるアンテナポート選択に少なくとも部分的に基づいて、選択されたマルチTRP方式を、マルチTRP方式のセットから決定し得る。たとえば、UE120は、マルチTRP方式のセットに対応するDMRSポートテーブルを使って、選択されたマルチTRP方式を決定してよい。UE120は、DCIの中で示されるアンテナポート選択に対応する、テーブルの行を識別することができ、テーブルの行に従ってマルチTRP方式を識別することができる。例として、UE120は、方式1、2a、および2bで構成されてよく、DCIは、7というアンテナポート選択を示し得る。この場合、UE120は、Table 2(表2)と同様のDMRSポートテーブルを参照することにより、FDM方式2aを識別し得る。
【0072】
参照番号535によって示されるように、UE120は、DMRSポートテーブルに従って1つまたは複数のパラメータを解釈する(たとえば、処理する)ことができる。たとえば、1つまたは複数のパラメータは、TCI値、RV値などを含み得る。1つまたは複数のパラメータが、複数のTCI状態を示すTCI値を含む場合、UE120は、Table 2(表2)と同様のDMRSポートテーブルを使って、TCI状態のマッピングを決定してよい。1つまたは複数のパラメータが、複数のTCI状態を示すTCI値と、RVペアを示すRV値とを含む場合、UE120は、Table 3(表3)と同様のDMRSポートテーブルを使って、RVペアのマッピング、および複数のTCI状態を決定してよい。このようにして、UE120は、アンテナポート選択に少なくとも部分的に基づいて、マルチTRP状態のための構成を決定することができ、そうすることによって、オーバーヘッドを削減し、マルチTRP状態のための構成を明示的にシグナリングするのにそうでなければ使用されることになる計算リソースを節約する。
【0073】
参照番号540および545によって示されるように、UE120は、選択されたマルチTRP方式および/または1つもしくは複数のパラメータに従って通信を受信し得る。たとえば、UE120は、1つまたは複数のパラメータに関連付けられたマッピングを使って、選択されたマルチTRP方式に従って通信を実施し得る。
【0074】
上記で示したように、
図5は例として与えられる。他の例は、
図5に関して説明されたもとのは異なる場合がある。
【0075】
図6は、本開示の様々な態様による、通信のためのマルチTRP方式および/またはパラメータの指示の例600を示す図である。図示のように、例600は、UE120、第1の送信機505、および第2の送信機510を含む。
【0076】
図6に、および参照番号605によって示すように、第1の送信機505はUE120に構成情報を提供し得る。さらに図示するように、構成情報は、時間領域リソース割振り(TDRA)リストを識別し得る。TDRAリストは、
図4との関連で記載するTDM方式4など、UE120のTDM方式のための構成を識別し得る。たとえば、TDRAリストの行は、マルチTCI状態通信のための、マッピングタイプ、K0値、開始シンボル、長さ、および/または繰り返しもしくは送信機会の量を識別し得る。いくつかの態様では、TDRAリストは、PDSCH-TimeDomainResourceAllocation-r16 RRCパラメータに関連付けられ得る。いくつかの態様では、繰り返しもしくは送信機会の数は、PDSCH-TimeDomainResourceAllocation-r16の上位レイヤパラメータrepetitionNumber-r16によって示され得る。
【0077】
参照番号610によって示すように、第1の送信機505はUE120にDCIを提供し得る。さらに図示するように、DCIは、TDRAリストの行に対応するTDRA値を(たとえば、「時間領域リソース割当て」DCIフィールドにより)示し得る。いくつかの態様では、図示のように、DCIは、TCI値を(たとえば、「送信構成情報」DCIフィールドにより)示し得る。たとえば、DCIのTCIフィールドは、通信に使用されるべきTCI状態の数を示すTCI値を含み得る。
【0078】
参照番号615によって示されるように、UE120は、TDM方式4(本明細書の他の箇所に記載する)がマルチTCI状態通信用に使用されるべきであると決定し得る。たとえば、UE120は、繰り返しベースのマルチTRP方式(たとえば、TDM方式4)が使用されるべきであると決定し得る。いくつかの態様では、UE120は、構成情報に少なくとも部分的に基づいて、TDM方式4が通信用に使用されるべきであると決定し得る。たとえば、UE120は、通信用に使用されるべき繰り返しの数を示す行を含むTDRAリストに少なくとも部分的に基づいて、TDM方式4が使用されるべきであると決定し得る。TDRAリストに少なくとも部分的に基づいて、TDM方式4が使用されるべきであると決定することは、半静的決定と呼ばれ得る。半静的決定は、UE120がTDM方式4を使用すべきであることを動的にシグナリングするのにそうでなければ使用されることになるシグナリングリソースを節約することができる。
【0079】
別の例として、UE120は、複数の繰り返しに関連付けられるTDRAリストの行を示すTDRA値に少なくとも部分的に基づいて、TDM方式4が使用されるべきであると決定し得る。複数の繰り返しに関連付けられたTDRAリストの行を指すTDRA値に少なくとも部分的に基づいて、TDM方式4が使用されるべきであると決定することは、動的決定と呼ばれ得る。たとえば、TDRA行が、複数の繰り返しに対応する値を示す場合、UE120は方式4を決定してよい。動的決定は、DCIを使ってTDM方式4と他の方式との間の切換えをできるようにしてよく、そうすることによって、UE120のマルチTRP通信構成の柔軟性を向上する。
【0080】
参照番号620によって示されるように、いくつかの態様では、UE120は、示されたTCI状態を、通信のすべての繰り返しに対して使ってよい。たとえば、DCIのTCIフィールドが単一のTCI状態を示す場合、およびUE120が通信用にTDM方式4を使用すべきである場合、UE120は、単一のTCI状態を、通信のすべての繰り返しに対して使ってよい。この場合、繰り返しの数は、DCIのTDRA値によって示され得る。
【0081】
参照番号625によって示されるように、いくつかの態様では、UE120は、複数のTCI状態から、繰り返しのためのTCI状態を選択し得る。たとえば、DCIのTCIフィールドが2つのTCI状態を示し、TDRA値が一度の繰り返しを示し、UE120が通信用にTDM方式4を使用すべきである場合、UE120は、選択されたTCI状態を繰り返しに使い得る。いくつかの態様では、選択されたTCI状態は第1のTCI状態であってよい。いくつかの態様では、選択されたTCI状態は、DCIの中で(たとえば、既存のフィールドもしくは専用フィールドを使って)示されてよく、またはRRCもしくは異なる構成技法を使って構成されてよい。
【0082】
いくつかの態様では、UE120が、TDM方式4を使用するための半静的決定を実施するとき、TDM方式4を使用するための半静的決定をUE120が実施しないときと比較して、TDRAフィールドのサイズを増大させてよく、アンテナポートフィールドのサイズを減少させてよい。これにより、TDRA指示のための柔軟性を増大することができると同時に、DMRS/アンテナポート指示に関連付けられたオーバーヘッドを削減する。たとえば、TDRAフィールドは5または6ビットを含むことができ、したがって、TDRAフィールドが繰り返しの数を示すことを可能にする。アンテナポートフィールドは2または3ビットを有してよいが、それは、より小さい数のDMRSポートエントリがTDM方式4用に必要とされ得るからである。TDRAリストが繰り返しの数を含むとき、アンテナポートフィールドは、アンテナポートフィールドのより小さいサイズに対応する、より小さい数のエントリを有する、異なるDMRSポートテーブルの行を示し得る。
【0083】
参照番号630および635によって示されるように、UE120は通信を実施し得る。例600では、UE120は、参照番号620または625との関連で記載したように、TDM方式4に従って通信を実施してよく、マルチTCI状態の繰り返しを構成してよい。
【0084】
上記で示したように、
図6は例として与えられる。他の例は、
図6に関して説明されたもとのは異なる場合がある。
【0085】
図7は、本開示の様々な態様による、たとえばUEによって実施される例示的プロセス700を示す図である。例示的なプロセス700は、UE(たとえば、UE120など)が、マルチTRP方式のためのシグナリングに関連付けられた動作を実施する例である。
【0086】
図7に示すように、いくつかの態様では、プロセス700は、通信のためのアンテナポート選択または時間領域リソース割振り(TDRA)構成のうちの少なくとも1つを示す情報を受信すること(ブロック710)を含み得る。たとえば、UE(たとえば、アンテナ252、DEMOD254、MIMO検出器256、受信プロセッサ258、コントローラ/プロセッサ280などを使用する)が、上述したように、通信のためのアンテナポート選択またはTDRA構成のうちの少なくとも1つを示す情報を受信し得る。
【0087】
図7にさらに示すように、いくつかの態様では、プロセス700は、アンテナポート選択またはTDRA構成のうちの少なくとも1つ、およびUE用に可能にされるマルチ送信受信ポイント(マルチTRP)方式のセットに少なくとも部分的に基づいて、通信のためのマルチTRP方式を識別すること(ブロック720)を含み得る。たとえば、UE(たとえば、コントローラ/プロセッサ280などを使用する)が、上述したように、アンテナポート選択またはTDRA構成のうちの少なくとも1つ、およびUE用に可能にされるマルチTRP方式のセットに少なくとも部分的に基づいて、通信のためのマルチTRP方式を識別し得る。
【0088】
図7にさらに示すように、いくつかの態様では、プロセス700は、マルチTRP方式に従って通信を実施すること(ブロック730)を含み得る。たとえば、UE(たとえば、アンテナ252、DEMOD254、MIMO検出器256、受信プロセッサ258、コントローラ/プロセッサ280などを使用する)が、上述したように、マルチTRP方式に従って通信を実施し得る。
【0089】
プロセス700は、以下でおよび/または本明細書の他の箇所に記載する1つもしくは複数の他のプロセスに関して説明する、任意の単一の態様または態様の任意の組合せなど、追加の態様を含んでよい。
【0090】
第1の態様では、プロセス700は、マルチTRP方式のセットのための能力をシグナリングすることと、UE用に可能にされるマルチTRP方式のセットを示す構成情報を受信することとを含む。
【0091】
第2の態様では、単独で、または第1の態様との組合せで、アンテナポート選択は、UE用に可能にされるマルチTRP方式のセットに対応する復調参照(DMRS)ポートテーブルに少なくとも部分的に基づく。
【0092】
第3の態様では、単独で、または第1および第2の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、アンテナポート選択のフィールドのサイズは、UE用に可能にされるマルチTRP方式のセットに少なくとも部分的に基づく。
【0093】
第4の態様では、単独で、または第1~第3の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、アンテナポート選択のフィールドのサイズは、UE用に可能にされるマルチTRP方式のセットに依存しない。
【0094】
第5の態様では、単独で、または第1~第4の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、アンテナポート選択は、通信の複数の繰り返しについての複数の送信構成インジケータ(TCI)状態のマッピングを示す。
【0095】
第6の態様では、単独で、または第1~第5の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、アンテナポート選択の第1の値は、複数のTCI状態のうちの第1のTCI状態を、複数の繰り返しのうちの第1の繰り返しに、および複数のTCI状態のうちの第2のTCI状態を、複数の繰り返しのうちの第2の繰り返しにマッピングしたものに対応し、アンテナポート選択の第2の値は、第1のTCI状態を第2の繰り返しに、および第2のTCI状態を第1の繰り返しにマッピングしたものに対応する。
【0096】
第7の態様では、単独で、または第1~第6の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、プロセス700は、アンテナポート選択に少なくとも部分的に基づいて、通信の複数のそれぞれの送信構成インジケータ(TCI)状態についての複数の冗長バージョン(RV)のマッピングを決定することを含む。
【0097】
第8の態様では、単独で、または第1~第7の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、アンテナポート選択の第1の値は、複数のRVのうちの第1のRVを複数のそれぞれのTCI状態のうちの第1のTCI状態に、および複数のRVのうちの第2のRVを複数のそれぞれのTCI状態のうちの第2のTCI状態にマッピングしたものに対応し、アンテナポート選択の第2の値は、第1のRVを第2のTCI状態に、および第2のRVを第1のTCI状態にマッピングしたものに対応する。
【0098】
第9の態様では、単独で、または第1~第8の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、通信用のマルチTRP方式を識別することは、繰り返しの数を示す値を含むTDRA構成に少なくとも部分的に基づいて、マルチTRP方式を、異なるスロット中の繰り返しベースのマルチTRP方式(たとえば、方式4)として識別することをさらに含む。
【0099】
第10の態様では、単独で、または第1~第9の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、TDRA構成が繰り返しの数を示す値を含むとき、およびマルチTRP方式が異なるスロット中の繰り返しベースのマルチTRP方式であるとき、マルチTRP方式が異なるスロット中の繰り返しベースのマルチTRP方式でないか、またはTDRA構成が繰り返しの数を示す値を含まないときと比較して、TDRA構成は、増大したサイズを有し、アンテナポート選択のフィールドは、減少したサイズを有する。
【0100】
第11の態様では、単独で、または第1~第10の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、マルチTCI状態通信用のマルチTRP方式を識別することは、TDRA構成の示される値が、複数の繰り返しに関連付けられることに少なくとも部分的に基づいて、マルチTRP方式を、異なるスロット中の繰り返しベースのマルチTRP方式として識別することをさらに含む。
【0101】
第12の態様では、単独で、または第1~第11の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、示される値は、TDRA構成によって識別されるTDRAテーブルの行を含み、示される値は、UEによって受信されたダウンリンク制御情報のTDRAフィールドに少なくとも部分的に基づく。
【0102】
第13の態様では、単独で、または第1~第12の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、通信のためのマルチTRP方式を、異なるスロット中の繰り返しベースのマルチTRP方式として識別することは、通信が複数の送信構成インジケータ(TCI)状態に関連付けられることを示すダウンリンク制御情報に少なくとも部分的に基づき、プロセス700は、TDRA構成の示される値によって示される通信の繰り返しの数を受信することをさらに含み、複数の繰り返しの各繰り返しは、複数のTCI状態のうちのあるTCI状態を使用する。
【0103】
第14の態様では、単独で、または第1~第13の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、マルチTRP方式は、異なるスロット中の繰り返しベースのマルチTRP方式であり、方法は、以下をさらに含む。
【0104】
第15の態様では、単独で、または第1~第14の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、プロセス700は、単一の送信構成インジケータ(TCI)状態が通信用に使用されるべきであることを示す情報を受信することと、通信の複数の繰り返しに対して単一のTCI状態を使用することであって、複数の繰り返しの数は、TDRA構成に少なくとも部分的に基づいて、およびUEによって受信されたダウンリンク制御情報のTDRAフィールドに少なくとも部分的に基づいて決定される、こととをさらに含む。
【0105】
第16の態様では、単独で、または第1~第15の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、プロセス700は、複数の送信構成インジケータ(TCI)状態が通信用に使用されるべきであることを示す情報を受信することであって、TDRA構成は、通信の一度の繰り返しを示す、ことと、複数のTCI状態のうちの単一のTCI状態に従って、通信の一度の繰り返しを実施することとを含む。
【0106】
第17の態様では、単独で、または第1~第16の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、単一のTCI状態は、複数のTCI状態のうちの第1のTCI状態である。
【0107】
第18の態様では、単独で、または第1~第17の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、プロセス700は、複数のTCI状態のうちのどのTCI状態が、単一のTCI状態であるかという指示を受信することを含む。
【0108】
第19の態様では、単独で、または第1~第18の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、通信は、マルチ送信構成インジケータ(マルチTCI)状態通信である。
【0109】
図7は、プロセス700の例示的ブロックを示すが、いくつかの態様では、プロセス700は、
図7に示されるブロックと比べて、追加のブロック、より少ないブロック、異なるブロック、または異なるように並べられたブロックを含んでよい。追加または代替として、プロセス700のブロックのうちの2つ以上が並行して実施されてよい。
【0110】
図8は、本開示の様々な態様による、たとえば基地局によって実施される例示的プロセス800を示す図である。例示的プロセス800は、基地局(たとえば、BS110、第1の送信機505、第2の送信機510など)が、マルチTRP方式のためのシグナリングに関連付けられた動作を実施する例である。
【0111】
図8に示すように、いくつかの態様では、プロセス800は、アンテナポート選択またはTDRA構成のうちの少なくとも1つ、およびUE用に可能にされるマルチTRP方式のセットに少なくとも部分的に基づいて、UEとの通信のためのマルチTRP方式を決定すること(ブロック810)を含み得る。たとえば、基地局(たとえば、コントローラ/プロセッサ240などを使用する)が、上述したように、アンテナポート選択またはTDRA構成のうちの少なくとも1つ、およびUE用に可能にされるマルチTRP方式のセットに少なくとも部分的に基づいて、UEとの通信のためのマルチTRP方式を決定し得る。
【0112】
図8にさらに示すように、いくつかの態様では、プロセス800は、通信のためのアンテナポート選択またはTDRA構成のうちの少なくとも1つを示す情報を送信すること(ブロック820)を含み得る。たとえば、基地局(たとえば、コントローラ/プロセッサ240、送信プロセッサ220、TX MIMOプロセッサ230、MOD232、アンテナ234などを使用する)が、上述したように、通信のためのアンテナポート選択またはTDRA構成のうちの少なくとも1つを示す情報を送信し得る。
【0113】
図8にさらに示すように、いくつかの態様では、プロセス800は、マルチTRP方式に従って通信を実施すること(ブロック830)を含み得る。たとえば、基地局(たとえば、コントローラ/プロセッサ240、送信プロセッサ220、TX MIMOプロセッサ230、MOD232、アンテナ234などを使用する)が、上述したように、マルチTRP方式に従って通信を実施し得る。
【0114】
プロセス800は、以下でおよび/または本明細書の他の箇所に記載する1つもしくは複数の他のプロセスに関して説明する、任意の単一の態様または態様の任意の組合せなど、追加の態様を含んでよい。
【0115】
第1の態様では、プロセス800は、マルチTRP方式のセットのための能力を受信することと、UE用に可能にされるマルチTRP方式のセットを示す構成情報を送信することとを含む。
【0116】
第2の態様では、単独で、または第1の態様との組合せで、アンテナポート選択は、UE用に可能にされるマルチTRP方式のセットに対応する復調参照信号(DMRS)ポートテーブルに少なくとも部分的に基づく。
【0117】
第3の態様では、単独で、または第1および第2の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、アンテナポート選択のフィールドのサイズは、UE用に可能にされるマルチTRP方式のセットに少なくとも部分的に基づく。
【0118】
第4の態様では、単独で、または第1~第3の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、アンテナポート選択のフィールドのサイズは、UE用に可能にされるマルチTRP方式のセットに依存しない。
【0119】
第5の態様では、単独で、または第1~第4の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、アンテナポート選択は、通信の複数の繰り返しについての複数の送信構成インジケータ(TCI)状態のマッピングを示す。
【0120】
第6の態様では、単独で、または第1~第5の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、アンテナポート選択の第1の値は、複数のTCI状態のうちの第1のTCI状態を、複数の繰り返しのうちの第1の繰り返しに、および複数のTCI状態のうちの第2のTCI状態を、複数の繰り返しのうちの第2の繰り返しにマッピングしたものに対応し、アンテナポート選択の第2の値は、第1のTCI状態を第2の繰り返しに、および第2のTCI状態を第1の繰り返しにマッピングしたものに対応する。
【0121】
第7の態様では、単独で、または第1~第6の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、アンテナポート選択は、通信の複数のそれぞれの送信構成インジケータ(TCI)状態についての複数の冗長バージョン(RV)のマッピングを示す。
【0122】
第8の態様では、単独で、または第1~第7の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、アンテナポート選択の第1の値は、複数のRVのうちの第1のRVを複数のそれぞれのTCI状態のうちの第1のTCI状態に、および複数のRVのうちの第2のRVを複数のそれぞれのTCI状態のうちの第2のTCI状態にマッピングしたものに対応し、アンテナポート選択の第2の値は、第1のRVを第2のTCI状態に、および第2のRVを第1のTCI状態にマッピングしたものに対応する。
【0123】
第9の態様では、単独で、または第1~第8の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、プロセス800は、複数のTCI状態が通信用に使用されるべきであることを示す情報を送信することであって、TDRA構成は、通信の一度の繰り返しを示す、ことと、複数のTCI状態のうちの単一のTCI状態に従って、通信の一度の繰り返しを実施することとを含む。
【0124】
第10の態様では、単独で、または第1~第9の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、単一のTCI状態は、複数のTCI状態のうちの第1のTCI状態である。
【0125】
第11の態様では、単独で、または第1~第10の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、プロセス800は、複数のTCI状態のうちのどのTCI状態が、単一のTCI状態であるかという指示を送信することを含む。
【0126】
第12の態様では、単独で、または第1~第11の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、通信は、マルチ送信構成インジケータ(マルチTCI)状態通信である。
【0127】
第13の態様では、単独で、または第1~第12の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、通信のためのTDRA構成は、繰り返しの数を示す値を含むTDRA構成に少なくとも部分的に基づいて、通信のためのマルチTRP方式を、異なるスロット中の繰り返しベースのマルチTRP方式として識別する。
【0128】
第14の態様では、単独で、または第1~第13の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、TDRA構成が繰り返しの数を示す値を含むとき、およびマルチTRP方式が異なるスロット中の繰り返しベースのマルチTRP方式であるとき、マルチTRP方式が異なるスロット中の繰り返しベースのマルチTRP方式でないか、またはTDRA構成が繰り返しの数を示す値を含まないときと比較して、TDRA構成は、増大したサイズを有し、アンテナポート選択のフィールドは、減少したサイズを有する。
【0129】
第15の態様では、単独で、または第1~第14の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、通信のためのTDRA構成は、TDRA構成の示される値が、複数の繰り返しに関連付けられることに少なくとも部分的に基づいて、通信のためのマルチTRP方式を、異なるスロット中の繰り返しベースのマルチTRP方式として識別する。
【0130】
第16の態様では、単独で、または第1~第15の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、示される値は、TDRA構成によって識別されるTDRAテーブルの行を含み、示される値は、UEによって受信されたダウンリンク制御情報のTDRAフィールドに少なくとも部分的に基づく。
【0131】
第17の態様では、単独で、または第1~第16の態様のうちの1つもしくは複数との組合せで、マルチTRP方式は、異なるスロット中の繰り返しベースのマルチTRP方式であり、プロセス800は、単一のTCI状態が通信用に使用されるべきであることを示す情報を送信することと、通信の複数の繰り返しに対して単一のTCI状態を使用することであって、複数の繰り返しの数は、TDRA構成に少なくとも部分的に基づいて、およびUEによって受信されたダウンリンク制御情報のTDRAフィールドに少なくとも部分的に基づいて決定される、こととをさらに含む。
【0132】
図8は、プロセス800の例示的ブロックを示すが、いくつかの態様では、プロセス800は、
図8に示されるブロックと比べて、追加のブロック、より少ないブロック、異なるブロック、または異なるように並べられたブロックを含んでよい。追加または代替として、プロセス800のブロックのうちの2つ以上が並行して実施されてよい。
【0133】
上記の開示は例示および説明を提供するものであり、網羅的なものでも、または態様を開示された厳密な形態に限定するものでもない。修正および変形が、上記の開示に照らして行われてよく、または態様の実践から獲得され得る。
【0134】
本明細書で使用する「構成要素」という用語は、ハードウェア、ファームウェア、および/またはハードウェアとソフトウェアの組合せとして広く解釈されるものとする。本明細書で使用するプロセッサは、ハードウェア、ファームウェア、および/またはハードウェアとソフトウェアの組合せにおいて実装される。
【0135】
本明細書で使用する「閾を満たすこと」は、文脈に応じて、値が、閾よりも大きいこと、閾以上であること、閾未満であること、閾以下であること、閾に等しいこと、閾に等しくないことなどを指す場合がある。
【0136】
本明細書で説明するシステムおよび/または方法は、様々な形のハードウェア、ファームウェア、および/またはハードウェアとソフトウェアとの組合せで実装されてよいことが明らかであろう。これらのシステムおよび/または方法を実装するために使用される実際の専用の制御ハードウェアまたはソフトウェアコードは、態様を限定するものではない。したがって、システムおよび/または方法の動作および挙動について、特定のソフトウェアコードを参照することなく本明細書で説明した。ソフトウェアおよびハードウェアは、本明細書での説明に少なくとも部分的に基づいてシステムおよび/または方法を実装するように設計されることが可能であることを理解されたい。
【0137】
特徴の特定の組合せが特許請求の範囲において記載され、かつ/または本明細書の中で開示されても、これらの組合せは、様々な態様の開示を限定するものではない。実際には、これらの特徴の多くが、特許請求の範囲において詳細には記載されず、かつ/または本明細書で開示されない方法で、組み合わせられてよい。以下に列挙する各従属クレームは、1つのクレームのみに直接従属する場合があるが、様々な態様の開示は、クレームセットの中のあらゆる他のクレームと組み合わせた各従属クレームを含む。項目の列挙「のうちの少なくとも1つ」を指す句は、単一のメンバーを含むそれらの項目の任意の組合せを指す。例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、a、b、c、a-b、a-c、b-c、およびa-b-c、ならびに複数の同じ要素を有する任意の組合せ(たとえば、a-a、a-a-a、a-a-b、a-a-c、a-b-b、a-c-c、b-b、b-b-b、b-b-c、c-c、およびc-c-c、または、a、b、およびcの任意の他の順序)を包含するものとする。
【0138】
本明細書で使用する要素、行為、または命令はいずれも、そのように明示的に説明されない限り、重要または必須として解釈されるべきでない。また、本明細書で使用するとき、冠詞「a」および「an」は、1つまたは複数の項目を含むものであり、「1つまたは複数の」と互換的に使用されてよい。さらに、本明細書で使用するとき、「セット」および「グループ」という用語は、1つまたは複数の項目(たとえば、関連する項目、関連しない項目、関連する項目と関連しない項目との組合せなど)を含むものとし、「1つまたは複数の」と互換的に使用されてよい。1つの項目だけが意図される場合、「ただ1つの」という句または類似の言葉が使用される。また、本明細書で使用するとき、「有する(has)」、「有する(have)」、「有すること(having)」などの用語は、オープンエンドな用語であるものとする。さらに、「に基づいて」という句は、別段に明記されていない限り、「に少なくとも部分的に基づいて」を意味するものとする。
【符号の説明】
【0139】
100 ワイヤレスネットワーク
102a マクロセル
102b ピコセル
102c フェムトセル
110 BS、基地局
110a BS、マクロBS
110b BS
110c BS
110d BS、中継BS
120 UE
120a UE
120b UE
120c UE
120d UE
120e UE
130 ネットワークコントローラ
212 データソース
220 送信プロセッサ
230 送信(TX)多入力多出力(MIMO)プロセッサ
232 変調器(MOD)、復調器
234 アンテナ
236 MIMO検出器
238 受信プロセッサ
239 データシンク
240 コントローラ/プロセッサ
242 メモリ
244 通信ユニット
246 スケジューラ
252 アンテナ
254 復調器(DEMOD)、変調器
256 MIMO検出器
258 受信プロセッサ
260 データシンク
262 データソース
264 送信プロセッサ
266 TX MIMOプロセッサ
280 コントローラ/プロセッサ
282 メモリ
290 コントローラ/プロセッサ
292 メモリ
294 通信ユニット
305 TRP A、TRP
310 TRP B、TRP
505 第1の送信機
510 第2の送信機