(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】エアロゾル生成デバイスヒータ要素の製造
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20241202BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20241202BHJP
A24F 40/70 20200101ALI20241202BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/40
A24F40/70
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023032618
(22)【出願日】2023-03-03
(62)【分割の表示】P 2021554587の分割
【原出願日】2020-03-09
【審査請求日】2023-03-03
(32)【優先日】2019-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】モロニ-, パトリック
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109380766(CN,A)
【文献】特開昭63-102911(JP,A)
【文献】特開平07-040322(JP,A)
【文献】特開平01-286972(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
B21C 1/22-1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シームレス中空管を備えるエアロゾル生成システムヒータ要素を製造する方法であって、
少なくとも部分的に、前記エアロゾル生成システムヒータ要素によって画定されると共に、エアロゾル形成消耗品を受け入れるための受容部を形成するステップと、
中空管状基材の内面に金属層をコーティングするステップを含む、方法。
【請求項2】
前記中空管状基材を押し出し成形するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記中空管状基材がセラミック材料を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記中空管状基材が、前記中空管状基材の前記内面と前記中空管状基材の外面との間の空気チャネルを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記中空管状基材が、円形の断面を有する円筒管である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記コーティングするステップが、前記中空管状基材の前記内面に前記金属層を電気めっきすることを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記コーティングするステップが、前記中空管状基材の前記内面に前記金属層を物理蒸着することを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記コーティングするステップが、前記中空管状基材の前記内面に前記金属層を化学蒸着することを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記コーティングするステップが、前記中空管状基材の前記内面に前記金属層を溶射することを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記金属層が、鉄、鉄合金、ステンレス鋼、軟鋼、モリブデン、炭化ケイ素、アルミニウム、アルミニウム合金、金、銅、白銅合金、鉄-クロム-アルミニウム合金、ニッケルアルミナイド合金のうちの少なくとも1つから選択される金属材料を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
シームレス中空管を備えるエアロゾル生成システムヒータ要素であって、
前記エアロゾル生成システムヒータ要素が、少なくとも部分的に、エアロゾル形成消耗品を受け入れるための受容部を画定し、
前記シームレス中空管が、中空管状基材の内面にコーティングされている金属層を含む、エアロゾル生成システムヒータ要素。
【請求項12】
前記金属層が、約100μm以下の厚さを有する、請求項
11に記載のエアロゾル生成システムヒータ要素。
【請求項13】
前記金属層が、鉄、鉄合金、ステンレス鋼、軟鋼、モリブデン、炭化ケイ素、アルミニウム、アルミニウム合金、金、銅、白銅合金、鉄-クロム-アルミニウム合金、ニッケルアルミナイド合金のうちの少なくとも1つから選択される金属材料を含む、請求項
11又は12に記載のエアロゾル生成システムヒータ要素。
【請求項14】
請求項11に記載のエアロゾル生成システムヒータ要素と、請求項11に記載のエアロゾル生成システムヒータ要素の加熱を引き起こすためのシステム
と、を備える
、エアロゾル生成デバイス。
【請求項15】
請求項
14に記載のエアロゾル生成デバイスと、少なくとも1つのエアロゾル形成消耗品とを備えるエアロゾル生成システムであって、前記少なくとも1つのエアロゾル形成消耗品が、前記受容部内に受け入れ可能であるように形作られ寸法決めされる、エアロゾル生成システム。
【請求項16】
エアロゾル化可能材料と、請求項11~
13のいずれか一項に記載のエアロゾル生成システムヒータ要素とを備える、エアロゾル形成消耗品。
【請求項17】
前記エアロゾル生成システムヒータ要素が、少なくとも部分的に、前記エアロゾル化可能材料を支持する、請求項
16に記載のエアロゾル形成消耗品。
【請求項18】
受容部を備えるエアロゾル生成デバイスであって、前記受容部が、請求項
16又は17に記載のエアロゾル形成消耗品を受け入れるように構成されており、前記エアロゾル生成デバイスが、前記エアロゾル形成消耗品の前記エアロゾル生成システムヒータ要素の加熱を引き起こすためのシステムを備える、エアロゾル生成デバイス。
【請求項19】
請求項
18に記載のエアロゾル生成デバイスと、請求項
16又は17に記載の少なくとも1つのエアロゾル形成消耗品とを備えるエアロゾル生成システム。
【請求項20】
エアロゾル形成消耗品と、
請求項11~
13のいずれか一項に記載のエアロゾル生成システムヒータ要素と、
前記エアロゾル形成消耗品を受け入れるように構成されている受容部、及び、前記エアロゾル生成システムヒータ要素の加熱を引き起こすためのシステムを備えるエアロゾル生成デバイスと
を備える、エアロゾル生成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、エアロゾル生成システム、及び、エアロゾル生成システムヒータ要素の製造に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]紙巻タバコ、葉巻タバコなどのような喫煙品は、使用中にタバコを燃焼させて、タバコの煙を発生させる。燃焼させることなく化合物を放出する製品を作成することによって、タバコを燃焼させるこれらの物品に対する代替物を提供する試みが行われている。
【0003】
[0003]そのような物品の例が、材料を燃焼させることなく、加熱することによって化合物を放出する加熱デバイスである。材料は、例えば、ニコチンを含むことも含まないこともある、タバコ又は他の非タバコ製品であり得る。タバコ又は非タバコ製品を加熱することによって、タバコ又は非タバコ製品を燃焼し又は燃やすことなく、典型的には吸引することができるエアロゾルを形成するために、タバコ又は非タバコ製品の少なくとも1つの成分を揮発させることができる。
【0004】
[0004]タバコ又は非タバコ製品を加熱する加熱デバイスは、「非燃焼加熱式」装置又は「タバコ加熱製品」(THP)若しくは「タバコ加熱デバイス」などと言われる場合がある。タバコ又は非タバコ製品の少なくとも1つの成分を揮発させるために、様々な構成体が試行されている。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本発明の第1の態様は、シームレス中空管を備えるエアロゾル生成システムヒータ要素を製造する方法であって、中空管の壁を変形させて、シームレス中空管を形成するステップであり、シームレス中空管が変形した壁を有し、シームレス中空管の変形した壁が、中空管の壁よりも薄い、変形させるステップを含む、方法を提供する。
【0006】
[0006]一実施形態において、中空管の壁は、第1の断面内周(cross-sectional internal perimeter)を有し、シームレス中空管の変形した壁が、少なくとも第1の断面内周と同じ長さである第2の断面内周を有する。
【0007】
[0007]一実施形態において、シームレス中空管の変形した壁は、第1の断面内周よりも長い第2の断面内周を有する。
【0008】
[0008]一実施形態において、シームレス中空管は、実質的に円形の断面を有する。
【0009】
[0009]一実施形態において、中空管の壁を変形させるステップは、中空管を液圧成形して、中空管の第1の断面内周を拡張することを含む。
【0010】
[0010]一実施形態において、中空管の壁を変形させるステップは、マンドレル上で中空管をスエージングすることを含む。
【0011】
[0011]一実施形態において、中空管の壁を変形させるステップは、型を通じて中空管を絞る(drawing)ことによって中空管をスエージングすることを含む。
【0012】
[0012]一実施形態において、中空管の壁を変形させるステップは、中空管をロータリースエージングすることを含む。
【0013】
[0013]一実施形態において、中空管の壁を変形させるステップは、少なくとも1つのしごき型を通じて中空管の壁をしごき加工(ironing)することを含む。
【0014】
[0014]一実施形態において、中空管は、シート材料のブランクを深絞りすることによって形成される。
【0015】
[0015]一実施形態において、中空管は金属材料を含む。
【0016】
[0016]一実施形態において、金属材料は、鉄、鉄合金、ステンレス鋼、軟鋼、モリブデン、炭化ケイ素、アルミニウム、アルミニウム合金、金、銅、白銅合金、鉄-クロム-アルミニウム合金、ニッケルアルミナイド合金のうちの少なくとも1つから選択される。
【0017】
[0017]本発明の第2の態様は、シームレス中空管を備えるエアロゾル生成システムヒータ要素を製造する方法であって、中空管状基材の内面に金属層をコーティングするステップを含む、方法を提供する。
【0018】
[0018]一実施形態において、本方法が、中空管状基材を押し出し成形するステップを含む。
【0019】
[0019]一実施形態において、中空管状基材はセラミック材料を含む。
【0020】
[0020]一実施形態において、中空管状基材は、中空管状基材の内面と中空管状基材の外面との間の空気チャネルを含む。
【0021】
[0021]一実施形態において、中空管状基材は、円筒管であり、円形の断面を有する。
【0022】
[0022]一実施形態において、コーティングするステップは、中空管状基材の内面に金属層を電気めっきすることを含む。
【0023】
[0023]一実施形態において、コーティングするステップは、中空管状基材の内面に金属層を物理蒸着することを含む。
【0024】
[0024]一実施形態において、コーティングするステップは、中空管状基材の内面に金属層を化学蒸着することを含む。
【0025】
[0025]一実施形態において、コーティングするステップは、中空管状基材の内面に金属層を溶射することを含む。
【0026】
[0026]一実施形態において、金属層は、鉄、鉄合金、ステンレス鋼、軟鋼、モリブデン、炭化ケイ素、アルミニウム、アルミニウム合金、金、銅、白銅合金、鉄-クロム-アルミニウム合金、ニッケルアルミナイド合金のうちの少なくとも1つから選択される金属材料を含む。
【0027】
[0027]本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様による方法によって製造されるか、又は、本発明の第2の態様による方法によって製造されるエアロゾル生成システムヒータ要素を提供する。
【0028】
[0028]本発明の第4の態様は、シームレス中空管を備えるエアロゾル生成システムヒータ要素であって、シームレス中空管が約100μm以下の肉厚(壁の厚さ)を有する、エアロゾル生成システムヒータ要素を提供する。
【0029】
[0029]一実施形態において、シームレス中空管が金属材料を含み、金属材料は、鉄、鉄合金、ステンレス鋼、軟鋼、モリブデン、炭化ケイ素、アルミニウム、アルミニウム合金、金、銅、白銅合金、鉄-クロム-アルミニウム合金、ニッケルアルミナイド合金のうちの少なくとも1つから選択される。
【0030】
[0030]本発明の第5の態様は、シームレス中空管を備えるエアロゾル生成システムヒータ要素であって、シームレス中空管が、中空管状基材の内面にコーティングされている金属層を含む、エアロゾル生成システムヒータ要素を提供する。
【0031】
[0031]一実施形態において、金属層は約100μm以下の厚さを有する。
【0032】
[0032]一実施形態において、金属層は、鉄、鉄合金、ステンレス鋼、軟鋼、モリブデン、炭化ケイ素、アルミニウム、アルミニウム合金、金、銅、白銅合金、鉄-クロム-アルミニウム合金、ニッケルアルミナイド合金のうちの少なくとも1つから選択される金属材料を含む。
【0033】
[0033]本発明の第6の態様は、本発明の第3の態様、第4の態様、又は第5の態様によるエアロゾル生成システムヒータ要素を備えるエアロゾル生成デバイスであって、エアロゾル生成システムヒータ要素が、少なくとも部分的に、エアロゾル形成消耗品を受け入れるための受容部を画定する、エアロゾル生成デバイスを提供する。
【0034】
[0034]一実施形態において、エアロゾル生成デバイスは、エアロゾル生成システムヒータ要素の加熱を引き起こすためのシステムを備える。
【0035】
[0035]本発明の第7の態様は、本発明の第6の態様によるエアロゾル生成デバイスと、少なくとも1つのエアロゾル形成消耗品とを備えるエアロゾル生成システムであって、少なくとも1つのエアロゾル形成消耗品が、受容部内に受け入れ可能であるように形作り、及び寸法決めされる、エアロゾル生成システムを提供する。
【0036】
[0036]本発明の第8の態様は、エアロゾル化可能材料と、本発明の第3の態様、第4の態様、又は第5の態様によるエアロゾル生成システムヒータ要素とを備えるエアロゾル形成消耗品を提供する。
【0037】
[0037]一実施形態において、エアロゾル生成システムヒータ要素は、少なくとも部分的に、エアロゾル化可能材料を支持する。
【0038】
[0038]本発明の第9の態様は、エアロゾル生成デバイスであって、エアロゾル生成デバイスが、受容部を備え、受容部が、本発明の第8の態様によるエアロゾル形成消耗品を受け入れるように構成されており、エアロゾル生成デバイスが、エアロゾル形成消耗品のエアロゾル生成システムヒータ要素の加熱を引き起こすためのシステムを備える、エアロゾル生成デバイスを提供する。
【0039】
[0039]本発明の第10の態様は、本発明の第9の態様によるエアロゾル生成デバイスと、本発明の第8の態様による少なくとも1つのエアロゾル形成消耗品とを備えるエアロゾル生成システムを提供する。
【0040】
[0040]本発明の第11の態様は、エアロゾル形成消耗品と、本発明の第3の態様、第4の態様、又は第5の態様によるエアロゾル生成システムヒータ要素と、エアロゾル形成消耗品を受け入れるように構成されている受容部、及び、エアロゾル生成システムヒータ要素の加熱を引き起こすためのシステムを備えるエアロゾル生成デバイスとを備えるエアロゾル生成システムを提供する。
【0041】
[0041]添付の図面を参照して説明される、特定の例の以下の詳細な説明から、さらなる特徴及び利点が明らかになる。
【0042】
[0042]ここで、添付の図面を参照して特定の例を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】エアロゾル生成システムの一例の概略図である。
【
図2】エアロゾル生成デバイスのエアロゾル生成システムヒータ要素及びエアロゾル形成消耗品の一例の概略図である。
【
図3】エアロゾル生成システムヒータ要素及びエアロゾル化可能材料を備えるエアロゾル形成消耗品の一例の概略図である。
【
図4】エアロゾル生成システムの一例の概略図である。
【
図5】エアロゾル生成システムの一例の概略図である。
【
図6】エアロゾル生成システムの一例の概略図である。
【
図7B】シームレス中空管を備えるエアロゾル生成システムヒータ要素の一例の概略図である。
【
図8】型を通じて絞られている過程にある中空管の概略図である。
【
図9】中空管のロータリースエージング過程の概略図である。
【
図10】液圧成形を受けている中空管の概略図である。
【
図11】しごき型を通じて打抜き加工される中空管の概略図である。
【
図12】エアロゾル生成システムヒータ要素の一例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
[0055]少なくとも1つの成分が揮発されることになるタバコ及び/又は非タバコ製品は、エアロゾル化可能材料と言われる場合がある。「エアロゾル化可能材料」は、エアロゾルを生成することができる任意の適切な材料である。特定の例において、エアロゾル化可能材料から生成されるエアロゾルは、エアロゾル化可能材料に熱を加えることによって生成される場合がある。
【0045】
[0056]特定の例において、エアロゾル化可能材料は固体であってもよい。特定の例において、エアロゾル化可能材料はフォーム(泡)を含んでもよい。特定の例においては、エアロゾル化可能材料はゲルを含むものでもよい。
【0046】
[0057]特定の例において、エアロゾル化可能材料はタバコ材料であってもよい。特定の例において、エアロゾル化可能材料は、ニコチン源を含んでもよく、タバコ材料を含まなくてもよい。特定の例において、エアロゾル化可能材料は、タバコ材料及び別個のニコチン源を含んでもよい。特定の例において、エアロゾル化可能材料は、ニコチン源を含まなくてもよい。特定の例において、エアロゾル化可能材料は、香料を含んでもよい。
【0047】
[0058]エアロゾル化可能材料がゲルを含む例において、ゲルはニコチン源を含んでもよい。いくつかの例において、ゲルはタバコ材料を含んでもよい。いくつかの事例において、ゲルはタバコ材料及び別個のニコチン源を含んでもよい。例えば、ゲルは、付加的に、粉末状タバコ及び/又はニコチン及び/又はタバコ抽出物を含んでもよい。
【0048】
[0059]エアロゾル化可能材料がゲルを含む特定の例において、ゲルはゲル化剤を含んでもよい。ゲル化剤は、親水コロイドを含んでもよい。エアロゾル化可能材料がゲルを含む特定の例において、ゲルはヒドロゲルを含んでもよい。ゲルは、付加的に、溶媒を含んでもよい。
【0049】
[0060]特定の例において、エアロゾルがエアロゾル化可能材料を加熱することから生成される場合、エアロゾル化可能材料は、約50℃~約250℃又は300℃の温度まで加熱されてもよい。
【0050】
[0061]一般に、蒸気は臨界温度よりも低い温度において気相にある物質であり、これは、例えば、温度を低減することなく圧力を増大させることによって、蒸気を液体に凝結することができることを意味することに留意されたい。他方、一般に、エアロゾルは、空気又は別の気体中の、微細な固体粒子又は液滴のコロイドである。コロイドは、微視的に分散した不溶性粒子が別の物質全体を通じて懸濁されている物質である。
【0051】
[0062]便宜上の理由で、本明細書において使用される場合、「エアロゾル」という用語は、エアロゾル、蒸気、又は、エアロゾルと蒸気との組み合わせを意味するものとして解釈されるべきである。
【0052】
[0063]本明細書において使用される場合、「エアロゾル化可能材料」という用語は、特定の例において、エアロゾルの生成を促進する薬剤を指す「エアロゾル生成剤」を含んでもよい。例えば、エアロゾル化可能材料がゲルを含む場合、ゲルはエアロゾル生成剤を含んでもよい。エアロゾル生成剤は、初期蒸発、並びに/又は、気体の吸引可能固体及び/若しくは液体エアロゾルへの凝結を促進することによって、エアロゾルの生成を促進することができる。
【0053】
[0064]適切なエアロゾル生成剤は、限定ではないが、ソルビトール、グリセロール、及びプロピレングリコール又はトリエチレングリコールのようなグリコールなどのポリオール、1価アルコール、高沸点炭化水素、乳酸などの酸、グリセロール誘導体、ジアセチン、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセタート、クエン酸トリエチル、又は、ミリスチン酸エチル及びミリスチン酸イソプロピルを含むミリスチン酸塩、並びに、ステアリン酸メチル、ドデカン二酸ジメチル及びテトラデカン二酸ジメチルなどの脂肪族カルボン酸エステルのようなエステルなどの非ポリオールを含む。エアロゾル生成剤は、適切には、メンソールを溶解しない組成を有することができる。エアロゾル生成剤は、適切には、グリセロールを含むか、グリセロールから本質的に成るか、又はグリセロールから成ってもよい。
【0054】
[0065]本明細書において使用される場合、「エアロゾル化可能材料」という用語は、特定の例において、生成されるエアロゾルに香味を加える材料である「香料」を含んでもよい。本明細書において使用される場合、「香料」という用語は、地方条例が許可する場合、成人消費者向けの製品に所望の風味又は香りを生成するために使用することができる。
【0055】
[0066]「香料」という用語は、抽出物(例えば、甘草、アジサイ、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メンソール、ハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ウィンターグリーン、チェリー、ベリー、モモ、リンゴ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、はちみつエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、桂皮、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、フェンネル、ピーマン、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、又は任意の種のミントに由来するミント油)、香料強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性剤若しくは刺激剤、糖及び/又は代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムK、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、乳糖、サッカロース、ブドウ糖、果糖、ソルビトール、又はマンニトール)、並びに、チャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤などの他の添加物を含んでもよい。それらの添加物は、擬似成分、合成成分若しくは天然成分又はそれらの混合であってもよい。それらの添加物は、例えば、油、液体、又は粉末など、任意の適切な形態であってもよい。香料は、適切には、1つ又は複数のミント香料を含んでもよく、適切には、任意の種のミントに由来するミント油を含んでもよい。香料は、適切には、メンソールを含むか、メンソールから本質的に成るか、又はメンソールから成ってもよい。
【0056】
[0067]本明細書において使用され得る場合、「タバコ材料」という用語は、したがって、タバコ又はタバコの派生物を含む任意の材料を指す。「タバコ材料」という用語は、タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ又はタバコ代替品のうちの1つ又は複数を含んでもよい。タバコ材料は、挽きタバコ、タバコ繊維、刻みタバコ、押出タバコ、タバコ茎、再生タバコ及び/又はタバコ抽出物のうちの1つ又は複数を含んでもよい。
【0057】
[0068]タバコ材料を製造するために使用されるタバコは、Virginia及び/又はBurley及び/又はOrientalを含む、単一グレード又はブレンド、カットラグ又は全葉などの、任意の適切なタバコであってもよい。タバコ材料はまた、タバコ粒子「ファイン」又は細粉、膨張茎、及び裁断圧延茎などの他の加工済み茎材料であってもよい。タバコ材料は、挽きタバコ又は再生タバコ材料であってもよい。再生タバコ材料は、タバコ繊維を含んでもよく、一体成型、タバコ抽出物を後方から加えることによる長網抄紙型の手法、又は押し出しによって形成されてもよい。
【0058】
[0069]上述した特徴及び特性のうちのいずれか又は任意の組み合わせを含むエアロゾル化可能材料は、消耗品として提供されてもよい。消耗品は、エアロゾルを生成することができるエアロゾル化可能材料を含むエアロゾル形成消耗品と言われる場合がある。いくつかの例において、エアロゾル形成消耗品は、エアロゾル化可能材料に加えて、他の材料及び成分を含んでもよい。例えば、エアロゾル形成消耗品は、エアロゾル化可能材料が上に支持される基材を含んでもよい。例えば、エアロゾル形成消耗品は、ユーザが、エアロゾル形成消耗品のエアロゾル化可能材料に触れることなくエアロゾル形成消耗品を取り扱うことを可能にする取り扱い特徴部を含んでもよい。
【0059】
[0070]
図1は、エアロゾル形成消耗品100からエアロゾルを生成するための例示的なエアロゾル生成システム1を概略的に示す。エアロゾル形成消耗品は、エアロゾル生成システム1のエアロゾル生成デバイス10に受け入れ可能であり得る。
図1は、エアロゾル生成システム1を通る断面であると考えることができる。エアロゾル形成消耗品100は、上述したようなエアロゾル化可能材料を含むエアロゾル形成消耗品の一例であり得る。
【0060】
[0071]エアロゾル生成デバイス10は、デバイス10の様々な構成要素を支持及び保持するための筐体12を含むことができる。特定の例において、エアロゾル生成デバイス10は、デバイス10のユーザがデバイス10によって生成されるエアロゾルを吸引することができるマウスピース20を含むことができる。特定の例において、エアロゾル生成デバイス10は、ユーザがデバイス10によって生成されるエアロゾルを吸引するときに空気が引き込まれる吸気口30を含むことができる。
図1に示す例において、ユーザが吸引するとき、矢印Aの方向に空気を引き込むことができ、ユーザは矢印Bの方向にエアロゾルを吸引することができる。他の例において、エアロゾル生成デバイス10は、マウスピースを含まなくてもよい。例えば、デバイス10のユーザは、エアロゾル形成消耗品100自体から、デバイス10によって生成されるエアロゾルを吸引してもよい。
【0061】
[0072]エアロゾル生成デバイス10は、受容部40を含むことができる。受容部40は、使用時に、上述した例などのエアロゾル形成消耗品100を受け入れるように構成することができる。受容部40は、エアロゾル形成消耗品100を受け入れるための開口部を含むことができる。エアロゾル形成消耗品100は、受容部40に嵌合するように形作ることができる。特定の例において、エアロゾル形成消耗品100は、受容部40の内部形状に対応するロッド、又はスティック、又はポッドであってもよい。受容部40は、ユーザがマウスピース20を吸うときに、空気が吸気口30から受容部40を通過してマウスピース20へと出ることを可能にするように構成することができる。受容部40を通る空気は、ユーザが吸引すると、エアロゾル形成消耗品100からの任意の生成されているエアロゾルを、ユーザの口に入る前に捕集することができる。
【0062】
[0073]エアロゾル生成システム1は、エアロゾル生成システムヒータ要素200を備えることができる。エアロゾル生成デバイスシステム1は、複数のエアロゾル生成システムヒータ要素200を備えることができる。
【0063】
[0074]特定の例において、エアロゾル生成デバイス10が、エアロゾル生成システムヒータ要素200を備えることができる。いくつかの例において、エアロゾル生成システムヒータ要素200は、デバイス10内に、消耗品100が受け入れられる受容部40の少なくとも一部分を画定することができる。例えば、エアロゾル生成システムヒータ要素200は、消耗品100が受け入れられる受容部40の壁の一部分を画定することができる。いくつかの例において、エアロゾル生成システムヒータ要素200は、受容部40の壁のより大きい部分を形成することができる。特定の例において、エアロゾル生成システム1が複数のエアロゾル生成システムヒータ要素200を備える場合、受容部40は、少なくとも部分的に、複数のエアロゾル生成システムヒータ要素200によって画定することができる。特定の例において、エアロゾル生成システム1が複数のエアロゾル生成システムヒータ要素200を備える場合、複数の受容部40を提供することができる。
【0064】
[0075]
図2は、デバイス10内に、消耗品100が受け入れられる受容部40の少なくとも一部分を画定するエアロゾル生成システムヒータ要素200の一例を示す。この事例において、エアロゾル生成システムヒータ要素40は、エアロゾル形成消耗品100が受け入れられる加熱チャンバ50を少なくとも部分的に画定する。したがって、加熱チャンバは、エアロゾル形成消耗品100内に含まれるエアロゾル化可能材料を少なくとも部分的に包囲し、結果、使用時に、エアロゾル化可能材料は、エアロゾル生成システムヒータ要素200によって加熱される。エアロゾル形成消耗品100は、矢印Cの方向において、加熱チャンバ50に挿入することができる。
図2に示す事例において、エアロゾル形成消耗品100は、細長い円筒の形態をとり、例えば、ロッドと言うこともできる。上記で言及したように、エアロゾル形成消耗品100は、任意の適切な形態をとってもよい。
【0065】
[0076]エアロゾル生成システムヒータ要素200がエアロゾル生成デバイス10の一部であり、受容部40を少なくとも部分的に画定する例において、加熱チャンバ50及び受容部40は、少なくとも部分的に、エアロゾル生成デバイス10の共通の特徴部であり得る。言い換えれば、加熱チャンバ50は、デバイス10内に、エアロゾル形成消耗品100が受け入れられる受容部40の一部を画定することができる。
【0066】
[0077]特定の例において、エアロゾル形成消耗品100が、エアロゾル生成システムヒータ要素200を備えることができる。特定の例において、エアロゾル生成システムヒータ要素200は、エアロゾル形成消耗品100のエアロゾル化可能材料を支持することができる。特定の例において、エアロゾル生成システムヒータ要素200は、エアロゾル化可能材料が上に支持される、上で言及した基材のような基材であってもよい。特定の例において、エアロゾル生成システムヒータ要素200は、エアロゾル化可能材料を部分的に支持することができる。特定の例において、エアロゾル形成消耗品100が、エアロゾル化可能材料を支持する他の、又は追加の少なくとも1つの基材を備えることができる。特定の例において、エアロゾル生成システムヒータ要素200は、エアロゾル形成消耗品100のエアロゾル化可能材料を少なくとも部分的に包むか又は囲むことができる。例えば、エアロゾル形成消耗品100は、エアロゾル生成システムヒータ要素200の内部に挿入されるタバコを含み、以て、ロッド又はスティック状のエアロゾル形成消耗品100を形成することができる。
【0067】
[0078]いくつかの例において、エアロゾル生成システムヒータ要素200は、ユーザが、エアロゾル形成消耗品100のエアロゾル化可能材料に触れることなくエアロゾル形成消耗品100を取り扱うことを支援することができる。いくつかの例において、エアロゾル生成システムヒータ要素200は、エアロゾル形成消耗品100の外部被覆体、壁、又はケーシングの少なくとも一部分を形成することができる。いくつかの例において、エアロゾル生成システムヒータ要素200は、エアロゾル形成消耗品100のエアロゾル化可能材料の少なくとも一部を囲むことができ、別の被覆体によって巻かれ得る。例えば、エアロゾル生成システムヒータ要素200には、包み紙などで巻かれることができる。包み紙は、例えば、例として、消耗品の特定の香料又は加熱プロファイル特性などの、エアロゾル形成消耗品100の特性を示すために印をつけることができる。
【0068】
[0079]エアロゾル生成システムヒータ要素200及びエアロゾル化可能材料101を備えるエアロゾル形成消耗品100の一例が、
図3に示されている。この事例において、エアロゾル生成システムヒータ要素200は、エアロゾル化可能材料101を部分的に包む。エアロゾル化可能材料101が、例えば、上述したようなタバコと言われる場合がある。この事例において、エアロゾル形成消耗品100は、細長い円筒の形態をとり、例えば、ロッドと言うこともできる。上で言及したように、エアロゾル形成消耗品100は、任意の適切な形態をとってもよい。
【0069】
[0080]特定の例において、エアロゾル生成システム1が複数のエアロゾル生成システムヒータ要素200を備える場合、エアロゾル形成消耗品100が、複数のエアロゾル生成システムヒータ要素200を備えることができる。そのような例において、複数のエアロゾル生成システムヒータ要素200は、任意の適切な構成に配置構成することができる。いくつかの例において、複数のエアロゾル生成システムヒータ要素200は、エアロゾル化可能材料又はエアロゾル化可能材料の個々の区分を支持する複数の基材を画定することができる。例えば、複数のエアロゾル生成システムヒータ要素200は、同心円状に配置構成することができる。他の例において、複数のエアロゾル生成システムヒータ要素200は、エアロゾル形成消耗品100の長さに沿って連続的に配置構成することができる。
【0070】
[0081]1つ又は複数のエアロゾル生成システムヒータ要素200は、下記にさらに説明するように、シームレス中空管を備えることができる。
図1において、エアロゾル生成システムヒータ要素200は、示されているエアロゾル生成システムヒータ要素200の中空管形状を通る断面において概略的に示されている。
【0071】
[0082]1つ又は複数のエアロゾル生成システムヒータ要素200は、エアロゾル生成システム1が使用されているとき、エアロゾル形成消耗品100のエアロゾル化可能材料の少なくとも一部を加熱するように構成することができる。エアロゾル形成消耗品100の少なくとも一部分を加熱することによって、中に含まれるエアロゾル化可能材料を加熱することができ、以て、エアロゾル化可能材料からエアロゾルが生成される。エアロゾル生成システムヒータ要素200の作動は、ユーザがデバイス10を通じて空気を吸引することによって、又は、例えばスイッチなど、別の手段によって起動することができる。
【0072】
[0083]特定の例において、受容部40は蓋60を含むことができる。蓋60は、閉鎖可能な蓋であってもよい。蓋60は、閉じられると、エアロゾル形成消耗品100をデバイス10内に封止することができる。蓋60は、閉じられると、受容部40を封止して、ユーザによって空気が吸気口30からマウスピース20へと引き込まれる囲い込まれた通路を形成することができる。蓋60は、閉じられると、エアロゾル形成消耗品100から生成されるエアロゾルがマウスピース20を通じて逃げ、引き込まれることを可能にするように構成することができる。
【0073】
[0084]デバイス10は、
図1には示されていない他の構成部品を含んでもよい。エアロゾル生成デバイス10は、エアロゾル生成システムヒータ要素200の加熱を引き起こすためのシステムを含むことができる。特定の例において、デバイス10は、デバイス10に電気エネルギーを提供するための、例えばバッテリーであってもよい電源を保持する電力ユニットを有することができる。デバイス10は、デバイス10内の他の構成要素に電気エネルギーを伝導するために、電源に接続されている電気回路を有することができる。特定の例において、回路は、エアロゾル生成システムヒータ要素200の加熱を引き起こすためのシステムに電源を接続することができる。
【0074】
[0085]エアロゾル生成システムヒータ要素200は、エアロゾル形成消耗品100のエアロゾル化可能材料を、燃焼させずに加熱するように構成することができる。特定の例において、エアロゾル生成システムヒータ要素200は、エアロゾル化可能材料に熱を伝導することによって、エアロゾル形成消耗品100のエアロゾル化可能材料を加熱することができる。特定の例において、エアロゾル生成システムヒータ要素200は、エアロゾル化可能材料に熱を放射することによって、エアロゾル形成消耗品100のエアロゾル化可能材料を加熱することができる。特定の例において、エアロゾル生成システムヒータ要素200は、エアロゾル化可能材料に熱を対流させることによって、エアロゾル形成消耗品100のエアロゾル化可能材料を加熱することができる。
【0075】
[0086]特定の例において、エアロゾル生成システムヒータ要素200は、金属材料を含んでもよい。例えば、エアロゾル生成システムヒータ要素は、メタル材料、金属間材料、又は半金属(メタロイド)を含んでもよい。特定の例において、エアロゾル生成システムヒータ要素200は、セラミック材料を含んでもよい。いくつかの例において、エアロゾル生成システムヒータ要素200は、金属材料と非金属材料との混合物から作成されてもよい。例えば、エアロゾル生成システムヒータ要素200は、金属材料とセラミック材料との混合物から作成されてもよい。
【0076】
[0087]エアロゾル生成システムヒータ要素200が金属材料を含む例において、金属材料は、例えば、限定ではないが、鉄、ステンレス鋼などの鉄合金、軟鋼、モリブデン、炭化ケイ素、アルミニウム、アルミニウム合金、金、銅、白銅合金、鉄-クロム-アルミニウム合金、ニッケルアルミナイド合金のうちの少なくとも1つなど、任意の適切な金属材料であってもよい。
【0077】
[0088]エアロゾル生成システムヒータ要素200がセラミック材料を含む例において、セラミック材料は、例えば、限定ではないが、アルミナ、ジルコニア、イットリア、炭化カルシウム、及び硫酸カルシウムのうちの少なくとも1つなど、任意の適切なセラミック材料であってもよい。
【0078】
[0089]使用時、エアロゾル生成システムヒータ要素200の加熱を引き起こすためのシステムは、エアロゾル生成システムヒータ要素200が加熱される、すなわち、温度が増大するようにすることができる。エアロゾル生成システムヒータ要素200の加熱は、任意の適切な加熱構成体によって実施されてもよい。
【0079】
[0090]特定の例において、エアロゾル生成システムヒータ要素200の加熱を引き起こすためのシステムは、伝導によってエアロゾル生成システムヒータ要素200を加熱することを含むことができる。例えば、熱源を、エアロゾル生成システムヒータ要素200と接触させて配置することができ、デバイス10が使用されているときに作動させることができる。
【0080】
[0091]特定の例において、エアロゾル生成システムヒータ要素200の加熱を引き起こすためのシステムは、エアロゾル生成システムヒータ要素200を加熱するための誘導加熱システムを含むことができる。
【0081】
[0092]誘導加熱は、電磁誘導によって導電性物体を加熱する過程である。導電性物体がその後、別の要素又はアイテムを加熱するために使用される場合、導電性物体は「サセプタ」と呼ばれる場合がある。サセプタ材料は、例えば、エアロゾル生成システムヒータ要素200に関連して上記で確認した金属材料のうちの少なくとも1つなど、任意の適切なサセプタ材料から形成されてもよい。したがって、特定の例において、本明細書において使用される場合、エアロゾル生成システムヒータ要素200は、その後、エアロゾル形成消耗品100のエアロゾル化可能材料を加熱することができるように、誘導加熱によって加熱されるという点において、「サセプタ」であり得る。エアロゾル形成消耗品100のエアロゾル化可能材料の加熱は、その後、主に、例えばエアロゾル生成システムヒータ要素200からエアロゾル形成消耗品100のエアロゾル化可能材料に熱を伝導又は放射することによるものとすることができる。
【0082】
[0093]エアロゾル生成システムヒータ要素200をサセプタとして構成することによって、特定の例においては実質的に非伝導性であり得る、エアロゾル形成消耗品100のエアロゾル化可能材料を効果的に加熱することを可能にすることができる。さらに、エアロゾル生成システムヒータ要素200をサセプタとして構成することによって、エアロゾル形成消耗品100のエアロゾル化可能材料に向けられる熱の熱パターンが制御されることを可能にすることができる。
【0083】
[0094]誘導加熱システムは、電磁石と、交流電流などの変動電流を電磁石に通すためのデバイスとを備えることができる。電磁石内の変動電流が、変動磁場を生成する。変動磁場は、電磁石に対して適切に位置付けられたエアロゾル生成システムヒータ要素200を貫通し、エアロゾル生成システムヒータ要素200の内部に渦電流を生成する。エアロゾル生成システムヒータ要素200は、渦電流に対する電気抵抗を有し、したがって、この抵抗に対して渦電流を流すことによって、エアロゾル生成システムヒータ要素200がジュール加熱によって加熱される。エアロゾル生成システムヒータ要素200が、鉄、ニッケル又はコバルトなどの強磁性材料を含む場合、エアロゾル生成システムヒータ要素200内の磁気ヒステリシス損失によって、すなわち、磁性材料の磁気双極子が変動磁場と整列する結果として磁気双極子の向きが変動することによって、熱を生成することもできる。
【0084】
[0095]エアロゾル生成システムヒータ要素200(サセプタ)の内部で熱が生成されるため、誘導加熱は、例えば伝導による加熱と比較して、エアロゾル生成システムヒータ要素200の迅速な加熱を可能にすることができる。さらに、誘導加熱システムとエアロゾル生成システムヒータ要素200との間に物理的な接触は一切必要なく、エアロゾル生成システム1の構成、適用の自由度及び信頼性を向上させることが可能である。
【0085】
[0096]エアロゾル生成システムヒータ要素200の加熱を引き起こすためのシステムが、エアロゾル生成システムヒータ要素200を加熱するための誘導加熱システム70を含む、エアロゾル生成システム1の例が、
図4に示されている。エアロゾル生成システムヒータ要素200の加熱を引き起こすためのシステムが、エアロゾル生成システムヒータ要素200を加熱するための誘導加熱システム70を含む、エアロゾル生成システム1の別の例が、
図5に示されている。
【0086】
[0097]
図4及び
図5は、エアロゾル生成システムヒータ要素200の加熱を引き起こすためのシステムの特定の例を示す。便宜的に、且つ明瞭にするために、エアロゾル生成システムヒータ要素200の加熱を引き起こすためのシステムは、任意の他の図には示されていない。
【0087】
[0098]
図1に示されているエアロゾル生成システム1と同様に、
図4及び
図5に示すエアロゾル生成デバイス10は、マウスピース20及び吸気口30を含む。吸気口30は、受容部40を覆ってユーザがアクセスできないようにする蓋60として作用することもでき、ユーザがエアロゾル形成消耗品100をエアロゾル生成デバイス10に挿入することを可能にすることができる。特定の例において、吸気口/蓋は、デバイス10に存在しなくてもよく、空気は、デバイス10の開放端を通じて引き込まれてもよい。
【0088】
[0099]
図4に示す例示的なエアロゾル生成システム1において、且つ上述したように、エアロゾル生成デバイス10は、エアロゾル生成システムヒータ要素200を備える。
図4の例において、加熱チャンバ50は、エアロゾル形成消耗品100が加熱チャンバ50に挿入されることを可能にするために一端において開いているエアロゾル生成システムヒータ要素200によって画定される。
【0089】
[0100]
図5に示す例示的なエアロゾル生成システム1において、且つ上述したように、エアロゾル形成消耗品100が、エアロゾル生成システムヒータ要素200を備える。エアロゾル生成システムヒータ要素200は、使用時に、受容部のアクセス点を通るエアロゾル形成消耗品100によって、デバイス10の受容部40に挿入される。
【0090】
[0101]
図1に示すエアロゾル生成システム1と同様に、
図4及び
図5に示すエアロゾル生成システムヒータ要素200は、以下でさらに説明するように、シームレス中空管を備えることができる。
【0091】
[0102]
図4において、誘導加熱システム70が、エアロゾル生成システムヒータ要素200の周りに巻かれた誘導コイルを含むことが分かる。
図5において、誘導加熱システム70は、エアロゾル形成消耗品100がエアロゾル生成デバイス10の受容部40に受け入れられるのを受けて、エアロゾル生成システムヒータ要素200の周りに巻かれる誘導コイルを含む。
【0092】
[0103]誘導コイルは、
図4及び
図5において、コイルの主軸線、すなわち、コイルのらせん軸線を通る断面として概略的に示されている。断面はまた、示されているエアロゾル生成システムヒータ要素200の中空管形状も通過している。
【0093】
[0104]誘導コイルが交流電流によって例示されると、結果生じる変動磁場が、エアロゾル生成システムヒータ要素200を加熱し、以て、受容部40に挿入されているエアロゾル形成消耗品100のエアロゾル化可能材料を加熱する。
【0094】
[0105]特定の例において、エアロゾル生成システムヒータ要素200の加熱を引き起こすためのシステムは、電気抵抗性ヒータとして構成されているエアロゾル生成システムヒータ要素200を含むことができる。したがって、エアロゾル生成システムヒータ要素200の加熱を引き起こすためのシステムは、エアロゾル生成システムヒータ要素200電源を接続するための回路を備えることができる。使用時に、電源からの電流が、エアロゾル生成システムヒータ要素200のジュール加熱を引き起こすために、エアロゾル生成システムヒータ要素200を通過することができる。エアロゾル生成システムヒータ要素200は、例えば、本明細書において上述したような金属材料など、導電体を形成する任意の適切な材料であってもよい。一例において、エアロゾル生成システムヒータ要素200の加熱を引き起こすためのシステムは、伝導によってエアロゾル生成システムヒータ要素200を通過する電流、したがって、エアロゾル生成システムヒータ要素200によって生成される熱の量を制御することができるコントローラを備えることができる。
【0095】
[0106]特定の例において、エアロゾル生成システムヒータ要素200の加熱を引き起こすためのシステムは、放射熱加熱システムを含むことができる。一例において、熱放射加熱システムは、エアロゾル生成システムヒータ要素200に熱エネルギーを放射する加熱ランプを含むことができる。例えば、熱放射加熱システムは、エアロゾル生成システムヒータ要素200に向けられた赤外線光源を含むことができる。例えば、熱放射加熱システムは、LED又はレーザなどの放射熱源を含むことができる。
【0096】
[0107]特定の例において、エアロゾル生成システムヒータ要素200の加熱を引き起こすためのシステムは、化学熱加熱システムを含むことができる。例えば、エアロゾル生成システムヒータ要素200手段の加熱を引き起こすためのシステムは、使用時に発熱反応を受けて熱を生成する化学熱源を含むことができる。
【0097】
[0108]エアロゾル生成システム1が複数のエアロゾル生成システムヒータ要素200を備える場合、特定の例において、各エアロゾル生成システムヒータ要素200が、エアロゾル生成システムヒータ要素200の加熱を引き起こすためのそれぞれのシステムを設けられ得る。他の例において、エアロゾル生成システムヒータ要素200の加熱を引き起こすためのシステムは、2つ以上のエアロゾル生成システムヒータ要素200を加熱することができる。例えば、本明細書に記載されているように、複数のヒータ要素200が例えば線形的に又は同心円状に配置構成されている場合、例えば、加熱時にすべてのエアロゾル生成システムヒータ要素200を包囲する誘導加熱コイルなどの、ヒータ要素200の加熱を引き起こすため単一のシステムが提供され得る。
【0098】
[0109]上記ですでに簡潔に言及したように、エアロゾル生成システムヒータ要素200は、シームレス中空管を備えることができる。シームレス中空管は、継ぎ目を有しない中空管であり、この継ぎ目は、中空管を形成する材料内のマーク及び/又は歪みであり、中空管を製造するために使用することができる特定の製造技法から生じ得る。そのような継ぎ目は、例えば、中空管に沿って長さ方向に延在し得る。そのような継ぎ目は、中空管状の物理的歪みに起因して望ましくない場合がある。物理的歪みは、エアロゾル生成システムヒータ要素200がエアロゾル化可能材料に熱を送達する有効性を低減する可能性がある。継ぎ目はまた、エアロゾル生成システムヒータ要素200全体を通じて不均一な熱プロファイルパターンを引き起こし、以て、エアロゾル化可能材料の不均一及び/又は不十分な加熱を引き起こす可能性がある。エアロゾル生成システムヒータ要素200は、後述する例示的な方法に従って製造することができる。
【0099】
[0110]上記で言及した
図2及び
図3は、シームレス中空管を備えるエアロゾル生成システムヒータ要素200の例を示す。
図2及び
図3に示す特定の例において、シームレス中空管は、実質的に円形の断面を有し、結果、シームレス中空管は、シームレス中空管の長さに沿って実質的に円筒形である。他のエアロゾル生成システムヒータ要素200の例において、シームレス中空管の断面は、例えば、任意の適切な形状の細長い中空管を形成するように、実質的に正方形、長方形、円錐形、若しくは楕円形、又は任意の適切な形状であってもよい。
【0100】
[0111]
図2に示す例の場合、加熱チャンバ50は、シームレス中空管200の内容積部によって画定される。この事例において、シームレス中空管の円形断面に起因して、加熱チャンバ50は、実質的に円筒形状であり、したがって、適切なサイズで実質的に円筒形のエアロゾル形成消耗品100を中に受け入れることができる。上で言及したように、エアロゾル形成消耗品100は、矢印Cの方向において、加熱チャンバ50に挿入することができる。他のエアロゾル生成システムヒータ要素200の例において、シームレス中空管の断面が、別の適切な形状をとる場合、シームレス中空管によって画定される加熱チャンバ50は、適切なサイズ及び形状のエアロゾル形成消耗品100を中に受け入れることができる。
【0101】
[0112]エアロゾル生成システムヒータ要素200が、
図2にあるものなどの、エアロゾル生成デバイス10の構成要素である場合、加熱チャンバ50に最初に挿入されるときに、エアロゾル生成システムヒータ要素200とエアロゾル形成消耗品100との間に隙間を設けることができる。これによって、エアロゾル生成デバイス10のユーザが、エアロゾル形成消耗品100を容易に挿入し、引き出すことを可能にすることができる。
【0102】
[0113]エアロゾル形成消耗品100が受容部40に受け入れられた後で、且つエアロゾル生成システム1の動作中、エアロゾル生成システムヒータ要素200がエアロゾル形成消耗品100のエアロゾル化可能材料を加熱するように、エアロゾル生成システムヒータ要素200の加熱を引き起こすためのシステムを作動させることができる。ユーザはその後、受容部40内に生成されるエアロゾルを吸引することができる。
【0103】
[0114]エアロゾル形成消耗品100のエアロゾル化可能材料の温度が所定の初期温度に達すると、エアロゾル生成システムヒータ要素200の加熱を引き起こすためのシステムを停止させることができる。特定の例において、エアロゾル形成消耗品100のエアロゾル化可能材料を所定の動作温度に維持しながらエアロゾルを生成するために、エアロゾル生成システムヒータ要素200の加熱を引き起こすためのシステムを、必要に応じて起動及び停止することができる。他の例において、エアロゾル形成消耗品100のエアロゾル化可能材料を所定の動作温度に維持しながらエアロゾルを生成するために、ヒータ要素200の加熱を引き起こすためのシステムの電力レベルを、必要に応じて変化させることができる。所定の動作温度は、例えば、所定の初期温度と同じであってもよく、又は、異なってもよい。特定の例において、所定の動作温度は、ユーザがエアロゾルを吸引するときに変化してもよい。例えば、所定の動作温度は、エアロゾルの単一回の吸引全体を通じて変化してもよく、又は、複数回の吸引にわたって変化してもよい。特定の事例において、所定の動作温度は、エアロゾル形成消耗品が消費されるにつれて変化してもよい。
【0104】
[0115]エアロゾル形成消耗品のエアロゾル化可能材料の温度及び/又はエアロゾル形成消耗品100に伝達される熱を監視するために、温度及び/又は熱伝達センサをエアロゾル生成デバイス10に設けてもよい。例えば、温度センサモニタを、受容部40の内部に設置することができる。
【0105】
[0116]上述したように、特定の例において、エアロゾル生成システムヒータ要素200は、複数のエアロゾル生成システムヒータ要素200のうちの1つであり得る。
図6は、2つのエアロゾル生成システムヒータ要素200が設けられている例示的なエアロゾル生成デバイス10を示す。他の例においては、任意の適切な数のヒータ要素200が設けられてもよい。
【0106】
[0117]
図6の例において、エアロゾル生成システムヒータ要素200は、エアロゾル生成デバイス10内で直列に配置構成され、結果、少なくとも部分的にそれぞれのヒータ要素200によって画定される受容部40内に細長いエアロゾル形成消耗品100を受け入れることができる。本明細書に記載されている例などの、複数のヒータ要素は、他の様態でエアロゾル生成デバイス内に配置構成されてもよいことを理解されたい。例えば、複数のヒータ要素が、放射状配列に配置構成され、対応する複数のエアロゾル形成消耗品を受け入れるように構成される。
【0107】
[0118]
図6に示す例において、ヒータ要素200は、互いに独立して作動させることができ、結果、エアロゾル形成消耗品100の異なる部分は、独立して温度制御することができる。例えば、エアロゾル形成消耗品100の一部分を、エアロゾル形成消耗品100の別の部分の前に加熱することができ、結果、第1の部分が、第2の部分の前にユーザによって消費される。別の例において、エアロゾル形成消耗品100は、加熱され、デバイス10のユーザによって消費されるときに、長さに関して所定の温度プロファイルに維持することができる。例えば、エアロゾル形成消耗品100の一部分を、エアロゾル形成消耗品100の別の部分よりも高い温度に維持することができる。これによって、例えば、ニコチン担持エアロゾルがエアロゾル形成消耗品100の別の部分から放出される一方で、香料エアロゾルがエアロゾル形成消耗品100の一部分から放出されることを可能にすることができる。
【0108】
[0119]
図6は、ヒータ要素200がエアロゾル生成デバイス10の構成要素である例を示す。しかしながら、他の例では、ヒータ要素200は、上述したように、エアロゾル形成消耗品100の構成要素であってもよく、
図6に関連して本明細書に記載されているのと同じように作動させることができる。
【0109】
[0120]ここで、シームレス中空管を備えるエアロゾル生成システムヒータ要素を製造する特定の例示的な方法を説明する。方法は、例えば、上述したエアロゾル生成システムヒータ要素200の例のいずれかを製造するために利用することができる。
【0110】
[0121]本出願人は、特定の例において、約100μm未満の肉厚を有するシームレス中空管を、本明細書に記載されている方法を使用して形成することができることを見出した。本出願人はまた、特定の例において、中空管状基材の内面にコーティングされた約100μm厚未満の金属層を有するシームレス中空管を、本明細書に記載されている方法を使用して形成することができることも見出した。特定の例において、本出願人は、上記厚さの薄い壁又は層が、優れた加熱性能をもたらすことを見出した。例えば、上記薄い壁又は層を使用する誘導加温が、非常に効率的であり、高速の加熱及び/又は放熱応答時間を有することが見出されている。本出願人は、アルミニウム又はアルミニウム合金から作成される、上記厚さの壁又は層が、優れた加熱性能をもたらしたことを見出した。
【0111】
[0122]特定の例において、エアロゾル生成システムヒータ要素は、約100μm以下の肉厚を有するシームレス中空管を備えることができる。いくつかの例において、シームレス中空管は、金属材料を含み、約100μm未満の肉厚を有することができる。エアロゾル生成システムヒータ要素は、後述する方法(複数可)に従って中空管から形成することができる。
【0112】
[0123]したがって、シームレス中空管を備えるエアロゾル生成システムヒータ要素であって、シームレス中空管が約100μm未満の肉厚を有する、エアロゾル生成システムヒータ要素を提供することができる。特定の例において、肉厚は、100μm未満であってもよい。特定の例において、シームレス中空管は、金属材料を含んでもよい。金属材料は、鉄、鉄合金、ステンレス鋼、軟鋼、モリブデン、炭化ケイ素、アルミニウム、アルミニウム合金、金、銅、白銅合金、鉄-クロム-アルミニウム合金、ニッケルアルミナイド合金のうちの少なくとも1つから選択されてもよい。
【0113】
[0124]特定の例において、エアロゾル生成システムヒータ要素は、中空管状基材を備えるシームレス中空管を備えることができ、中空管状基材の内面に金属層がコーティングされている。特定の例において、金属層が、約100μm以下の厚さを有してもよい。エアロゾル生成システムヒータ要素は、後述する少なくとも1つの方法に従って中空管状基材に金属層をコーティングすることによって形成することができる。
【0114】
[0125]したがって、シームレス中空管を備えるエアロゾル生成システムヒータ要素であって、シームレス中空管が、中空管状基材の内面にコーティングされている金属層を含む、エアロゾル生成システムヒータ要素を提供することができる。特定の例において、金属層が、約100μm未満の厚さを有してもよい。特定の例において、金属層は、金属材料を含んでもよい。金属材料は、鉄、鉄合金、ステンレス鋼、軟鋼、モリブデン、炭化ケイ素、アルミニウム、アルミニウム合金、金、銅、白銅合金、鉄-クロム-アルミニウム合金、ニッケルアルミナイド合金のうちの少なくとも1つから選択されてもよい。
【0115】
[0126]本明細書に記載されている少なくとも1つによる、及び/又は、本明細書に記載されている例示的な少なくとも1つの方法に従って製造されるエアロゾル生成システムヒータ要素を備えるエアロゾル生成システムを提供することができる。エアロゾル生成システムは、エアロゾル生成デバイスを備えることができる。エアロゾル生成デバイスは、エアロゾル形成消耗品を受け入れるように構成されている受容部を備えることができる。エアロゾル生成デバイスが、エアロゾル生成システムヒータ要素の加熱を引き起こすためのシステムを備えることができる。エアロゾル生成システムは、少なくとも1つのエアロゾル形成消耗品を備えることができる。
【0116】
[0127]エアロゾル生成デバイスは、本明細書に記載されている少なくとも1つの例によるものであってもよい。エアロゾル形成消耗品は、本明細書に記載されている少なくとも1つの例によるものであってもよい。エアロゾル生成システムは、エアロゾル生成システムヒータ要素、エアロゾル生成デバイス、及び1つ又は複数のエアロゾル形成消耗品を備える部品のキットとして提供されてもよい。
【0117】
[0128]本明細書に記載されている少なくとも1つの例による、及び/又は、本明細書に記載されている例示的な少なくとも1つの方法に従って製造されるエアロゾル生成システムヒータ要素を備えるエアロゾル生成デバイスを提供することができる。いくつかの例において、上記のようなエアロゾル生成デバイスのエアロゾル生成システムヒータ要素は、少なくとも部分的に、エアロゾル形成消耗品を受け入れるための受容部を画定することができる。他の例において、上記のようなエアロゾル生成デバイスのエアロゾル生成システムヒータ要素は、エアロゾル形成消耗品を受け入れるための受容部又は受容部の一部を画定しなくてもよい。エアロゾル生成デバイスが、エアロゾル生成システムヒータ要素の加熱を引き起こすためのシステムを備えることができる。エアロゾル生成デバイスは、本明細書に記載されている例のいずれかに従って提供することができ、したがって、エアロゾル生成システムヒータ要素、及び、エアロゾル生成システムヒータ要素の加熱を引き起こすためのシステムに加えて、エアロゾル生成デバイスの機能に必要である他の構成部品を備えることができる。
【0118】
[0129]エアロゾル生成デバイスは、エアロゾル生成デバイスとともに使用するための少なくとも1つのエアロゾル形成消耗品を含むエアロゾル生成システムとして、ユーザに提供されてもよい。エアロゾル生成システムは、エアロゾル生成デバイス、及び、エアロゾル生成デバイスとともに使用するための1つ又は複数の同様のエアロゾル形成消耗品を備える部品のキットとして提供されてもよい。少なくとも1つのエアロゾル形成消耗品は、エアロゾル生成デバイスの受容部内に受け入れ可能であるように形作り、寸法決めすることができる。エアロゾル形成消耗品は、本明細書に記載されている少なくとも1つの例によるものであってもよい。
【0119】
[0130]本明細書に記載されている少なくとも1つの例による、及び/又は、本明細書に記載されている例示的な少なくとも1つの方法に従って製造されるエアロゾル生成システムヒータ要素を備えるエアロゾル形成消耗品を提供することができる。エアロゾル形成消耗品は、エアロゾル化可能材料を含むことができる。上記のようなエアロゾル形成消耗品のエアロゾル生成システムヒータ要素200は、エアロゾル形成消耗品100のエアロゾル化可能材料を少なくとも部分的に支持することができる。エアロゾル形成消耗品は、本明細書に記載されている少なくとも1つの例によるものであってもよい。
【0120】
[0131]エアロゾル形成消耗品を受け入れるように構成されている受容部を備えるエアロゾル生成デバイスを提供することができる。エアロゾル生成デバイスが、エアロゾル生成システムヒータ要素の加熱を引き起こすためのシステムを備えることができる。エアロゾル生成デバイスは、本明細書に記載されている例のいずれかに従って提供することができ、したがって、エアロゾル生成システムヒータ要素の加熱を引き起こすためのシステムに加えて、エアロゾル生成デバイスの機能に必要である他の構成部品を備えることができる。
【0121】
[0132]エアロゾル形成消耗品及びエアロゾル生成デバイスは、エアロゾル生成システムとして、ユーザに提供されてもよい。エアロゾル生成システムは、エアロゾル生成デバイスとともに使用するための複数の同様のエアロゾル形成消耗品を備える部品のキットとして提供されてもよい。少なくとも1つのエアロゾル形成消耗品は、エアロゾル生成デバイスの受容部内に受け入れ可能であるように形作り寸法決めすることができる。
【0122】
[0133]エアロゾル生成システムヒータ要素を製造する方法は、中空管の壁を変形させて、シームレス中空管を備えるエアロゾル生成システムヒータ要素を形成するステップであり、シームレス中空管の変形した壁が、中空管の壁よりも薄い、変形させるステップを含むことができる。
【0123】
[0134]特定の例において、中空管は、本明細書において上述したような金属材料を含んでもよい。例えば、金属層は、メタル材料、金属間材料、又は半金属を含んでもよい。
【0124】
[0135]中空管の壁を変形させて、シームレス中空管のより薄い変形した壁を形成するステップは、変形されるときに壁の断面積を低減することを伴い得る。変形させるステップは、壁を塑性変形させて、シームレス中空管を形成することを含むことができる。
【0125】
[0136]相対的に薄い壁の中空管を提供することによって、より厚い壁の中空管と比較して、エアロゾル生成システムヒータ要素を加熱するのに必要なエネルギーが低減する。したがって、エアロゾル生成システムヒータ要素を所定の動作温度にするのに必要な時間が少なくなる。さらに、加熱すべき質量が少なくなるため、エアロゾル生成システムヒータ要素はまた、必要な動作温度の変化にもより応答性になる。
【0126】
[0137]すでに中空である、相対的に厚い壁の管の壁を変形させることによって、中空管に継ぎ目のない、相対的に薄い壁の中空管エアロゾル生成システムヒータ要素を形成することができる。シームレス中空管自体がその壁の前にシームレスであり得る中空管が変形される。
【0127】
[0138]薄い壁の管を形成する他の方法は、例えば、巻き上げられたシートの2つの隣り合う縁部を接合して、管を形成することに依拠する。例えば、2つの隣り合う縁部がともに溶接されて、接合部を形成してもよい。しかしながら、管を形成する材料のシートも相対的に薄くなければならないために、接合過程は接合部付近で材料の歪みをもたらすため、上記のように形成される薄い壁の管は、形状が規則的でない。中空管は歪んだ形状を有するため、中空管内に受け入れられる任意のエアロゾル形成消耗品は、中空管の内面との不規則な接触部を有し得る。エアロゾル形成消耗品と中空管の内面との間の距離が変動することによって、エアロゾル形成消耗品のエアロゾル化可能材料にわたる加熱分布が不均一になる。したがって、エアロゾル形成消耗品を加熱する過程は、非効率になり、以て、エアロゾル生成デバイスの動作効率が低減する。
【0128】
[0139]例えば、縁部接合過程によって円筒形状の薄い壁の中空管を生成するように試行する場合、中空管を生成するために使用される材料の薄いシートの接合された縁部付近にある局所的な歪みのために、結果もたらされる管は、断面が完全に円形にはならない。したがって、消耗品を形成するエアロゾル化可能材料の円筒形状部分は、上記のような中空管の歪んだ円筒壁との不規則な接触部を形成することになり、エアロゾル化可能材料の任意の加熱が不均一になる。
【0129】
[0140]シームレス中空管の変形した壁には継ぎ目がないため、上述した歪みが一切ない、所望の形状のシームレス中空管を生成することができる。
【0130】
[0141]薄い壁のシームレス中空管は、厚い壁の中空管と比較して壁が薄い。純粋に例として、中空管の壁は、シームレス中空管の壁よりも1~3倍厚くすることができる。いくつかの例において、中空管の壁は、シームレス中空管の壁よりも1~1.3倍厚くすることができる。
【0131】
[0142]相対的に厚い壁の中空管は、迅速、安価且つ単純に製造することができる。例えば、厚い壁の中空管は、例えば円形の棒材など、任意の適切な形状の棒材に穴を穿設し又は空けることによって、製造することができる。相対的に厚い壁の中空管はまた、例えば、押し出し法によって製造することもできる。
【0132】
[0143]特定の例において、中空管の壁の断面内周は、中空管の壁が変形されるときに維持することができる。壁変形過程中に壁の断面内周が維持されるため、結果としてもたらされるシームレス中空管の変形した壁は、中空管の壁と同じ断面内周を有することができる。下記にさらに論じるように、他の例示的な方法において、中空管の壁の断面内周は、中空管の壁が変形されるときに長くされてもよい。
【0133】
[0144]したがって、シームレス中空管を備えるエアロゾル生成システムヒータ要素の製造において、中空管の壁は、第1の断面内周を有することができ、シームレス中空管の変形した壁は、少なくとも第1の断面内周と同じ長さである第2の断面内周を有することができる。
【0134】
[0145]
図7A及び
図7Bは、シームレス中空管202の変形した壁が、シームレス中空管202が製造された中空管300の壁と同じ断面内周を有する、シームレス中空管202を備えるエアロゾル生成システムヒータ要素200の一例を示す。
【0135】
[0146]
図7Aは、中空管300の壁を変形させる前の、中空管300を通る断面を示す。中空管300は、厚さt
1及び第1の断面内周L
1を有する壁を有する。
図7Bは、中空管300から製造されたシームレス中空管202を備えるエアロゾル生成システムヒータ要素200を通る断面を示す。シームレス中空管202は、厚さt
2及び第2の断面内周L
2を有する変形した壁を有する。
図7A及び
図7Bに示す例において、第2の断面内周L
2は、第1の断面内周L
1と同じ長さである。
【0136】
[0147]
図7Bは、シームレス中空管202が、実質的に円形の断面を有し、結果、シームレス中空管202が、シームレス中空管202の長さに沿って実質的に円筒形である、例示的なエアロゾル生成システムヒータ要素200も示す。特定の例において、シームレス中空管202は、実質的に円形の断面を有する中空管300から製造することができ、結果、中空管300は、
図7Aに示す例のように、中空管300の長さに沿って実質的に円筒形である。他の例において、シームレス中空管202は、実質的に円形の断面を有しない中空管から製造されてもよい。
【0137】
[0148]したがって、中空管とシームレス中空管が実質的に円形の断面を有する例において、壁が変形されるときに壁の断面内周を維持することができるため、結果もたらされるシームレス中空管の変形した壁は、中空管の壁と同じ断面内側円周を有することができる。結果として、結果もたらされるシームレス中空管の内径は、中空管と同じ内径を有することができる。上記のように、シームレス中空管の変形した壁は、上述したように、より薄い壁のシームレス中空管の利益を提供しながら、中空管の円形断面を維持する。
【0138】
[0149]したがって、シームレス中空管を備えるエアロゾル生成システムヒータ要素の製造において、中空管の壁は、第1の断面内側円周を有することができ、シームレス中空管の変形した壁は、少なくとも第1の断面内側円周と同じ長さである第2の断面内側円周を有することができる。
【0139】
[0150]
図7A及び
図7Bに示す例に関して、中空管300及びシームレス中空管202の断面は円形であるため、且つ、断面内周L
2は断面内周L
1と同じ長さであるため、シームレス中空管202の変形した壁は、中空管300の第1の断面内側円周と同じ長さである第2の断面内側円周を有する。
【0140】
[0151]特定の例において、中空管の壁を変形させるステップが、中空管をスエージングしてシームレス中空管を形成することを含むことができる。中空管をスエージングするステップは、中空管を熱間又は冷間成形することを含むことができる。
【0141】
[0152]特定の例において、中空管の壁を変形させるステップが、マンドレル上で中空管をスエージングすることを含むことができる。マンドレル上で中空管をスエージングするステップは、中空管がマンドレル上で及び/又はマンドレルに対して推進されるときに、中空管の壁を伸張させることができる。マンドレル上で中空管をスエージングするステップは、壁が変形されるときに、壁の断面積を低減することができる。マンドレルは、壁の変形の前は中空管の内部に配置することができる。中空管は、壁の変形の前にマンドレルの上でスライドされ得る。
【0142】
[0153]特定の例において、中空管の壁を変形させるステップが、型を通じて中空管を絞ることによって中空管をスエージングすることを含むことができる。絞ることは、型を通じて中空管を押すこと又は引くことを含むことができる。例えば、マンドレルは、中空管の内部に配置することができ、次いで、中空管を、型を通じて、マンドレルの上で絞ることができ、結果、マンドレルは、シームレス中空管の内部寸法を規定し、型は、シームレス中空管の外部寸法を規定する。
【0143】
[0154]例えば、上述したようにシームレス中空管の断面が円形である場合、マンドレルは、シームレス中空管の断面内側円周を規定することができ、型は、シームレス中空管の断面外側円周を規定することができる。
【0144】
[0155]型を通じて、マンドレルの上で絞られている過程にある中空管の例が、
図8に示されている。マンドレル400が、中空管300の内部に配置されている。マンドレルは、シームレス中空管202の内部寸法を規定することができる。型450が、中空管300を包囲しており、中空管300が型450を通じて絞られるときに通過するスロート452を有する。中空管300は、矢印Fの方向において型450を通じて絞られる。マンドレル300とともに、スロート452は、シームレス中空管202の肉厚を規定する。
【0145】
[0156]特定の例において、中空管の壁を変形させるステップが、中空管をロータリースエージングすることによって中空管をスエージングすることを含むことができる。当該例において、中空管は、マンドレルの上に取り付けることができるか、又はマンドレルの上でスライドさせることができる。次いで、中空管の外面に対してスエージング工具を推進させて、マンドレルに対して中空管の壁を引き絞り、以て、中空管の壁を薄くしてシームレス中空管を形成することができる。特定の例において、マンドレル及び/又はスエージング工具は回転することができ、結果、スエージング過程中に中空管がスエージング工具に対して回転する。スエージング工具は、例えば、シームレス中空管を製造するためにマンドレル上の中空管に圧力を加えるために、マンドレルに対して半径方向内向き及び外向きに動く、形作られた型であってもよい。
【0146】
[0157]
図9は、中空管300がロータリースエージングされる、ロータリースエージング過程の一例を示す。中空管300がマンドレル500に取り付けられている。スエージング過程中、マンドレルは、矢印Rによって示すように回転することができる。マンドレルは任意の方向に回転してもよい。4つの形作り用の型(「成形型」という)550が、マンドレル500の周りに配置されている。スエージング過程中、成形型は、半径方向内向き及び外向きに動いて、中空管300の表面に圧力を加え、以て、中空管300の壁を変形させ、薄くして、シームレス中空管を形成することができる。例えば、成形型550は、矢印Fによって示すように動くことができる。他の例において、成形型550は、中空管300に対して回転してもよい。例えば、中空管を回転させるように配置構成されている2つ又は4つの成形型550など、任意の適切な数の成形型550が提供されてもよい。
【0147】
[0158]簡潔に上述したように、特定の例において、中空管の壁の断面内周は、中空管の壁が変形されるときに長くすることができる。したがって、シームレス中空管を備えるエアロゾル生成システムヒータ要素の製造において、シームレス中空管の変形した壁は、中空管の壁の第1の断面内周よりも長い第2の断面内周を有することができる。
【0148】
[0159]中空管とシームレス中空管が両方とも実質的に円形の断面を有する例において、シームレス中空管の変形した壁は、中空管の壁の第1の断面内側円周よりも長い第2の断面内側円周を有することができる。
【0149】
[0160]特定の例において、中空管の壁を変形させるステップが、中空管を内部スエージングしてシームレス中空管を形成することを含むことができる。中空管を内部スエージングするステップは、中空管を熱間又は冷間成形することを含むことができる。内部スエージングするステップは、中空管の内部で拡張又は回転して、中空管の壁を変形させる工具の使用を含むことができる。他の例において、内部スエージングするステップは、中空管を拡張し、以て、中空管の壁を変形させる柔軟な工具の使用を含むことができる。例えば、中空管の壁は、膨張可能工具を使用して拡張することができる。特定の例において、中空管の壁を変形させるステップが、中空管を液圧成形して、中空管の壁の第1の断面内周を拡張して、シームレス中空管の変形した壁のより長い第2の断面内周を生成することを含むことができる。液圧成形するステップは、中空管の壁を伸張し、以て、壁を長くして、シームレス中空管のより長く、より薄い変形した壁を形成する。液圧成形するステップはまた、壁が変形し、薄くなってシームレス中空管を生成するときに、中空管の内容積部を増大又は拡張もする。中空管を液圧成形して壁を変形させるステップは、任意の適切な形状の中空管に対して使用することができることを理解されたい。
【0150】
[0161]
図10は、液圧成形を受けている中空管300の断面を概略的に示す。特定の例において、中空管300は、シームレス中空管の所望の外部寸法を規定する型に配置することができる。中空管300の開放端は、栓によって封止することができる。次いで、液圧流体を中空管300の内部に圧送して加圧することができ、結果、中空管の壁が型に対して拡張する。液圧流体は、例えば、水性流体であってもよい。水性流体は、例えば、潤滑剤を含んでもよい。
【0151】
[0162]中空管の壁は、加圧された液圧流体の圧力下で塑性変形し、周囲の型によって設定されるような所望の最終寸法に拡張する。
図10において、矢印Fは、中空管300の壁が拡張してシームレス中空管を形成するときの、壁に及ぼされる圧力の方向を示す。中空管300が液圧流体の圧力下で拡張すると、中空管300の壁の第1の断面内周が、
図10の矢印Fの方向に長くなる。
【0152】
[0163]特定の例において、中空管の壁を変形させるステップが、少なくとも1つのしごき型を通じて中空管の壁をしごき加工することを含むことができる。中空管の壁をしごき加工するステップが、中空管の壁を均一に薄くして、シームレス中空管の変形した壁を形成することができる。中空管がしごき型を通過すると、壁がシームレス中空管の変形した壁を薄くして形成するにつれて、中空管の長さが伸張される。
【0153】
[0164]
図11は、中空管300の壁がしごき型650を通じてしごき加工される例を示す。中空管は、しごき型650の開口部652を通じて中空管を推進するパンチ600によって矢印Fの方向に押される。しごき型650の開口部652は、シームレス中空管202の所望の外形に対応する表面654を備える。開口部652は、処理前の中空管300の外部寸法よりも小さい内部寸法を有することができる。開口部652の内部寸法及びパンチ600の外部寸法は、中空管300の壁が、しごき型650の開口部652を通じて推進されるときに引き絞られ、以て、壁が薄くなり、中空管が長くなってシームレス中空管202が形成されるように、構成することができる。
【0154】
[0165]特定の例において、上述したようなシームレス中空管300が、実質的に円形の断面を有し、結果、中空管300が、中空管300の長さに沿って実質的に円筒形である場合、しごき型650の開口部652は、対応して円形の断面を有することができる。他の例において、中空管300及びシームレス中空管202が別の適切な形状をとる場合、しごき型650の開口部652は、当該適切な形状に対応する形状を有することができる。
【0155】
[0166]
図11に示す例などの特定の例において、中空管300は、パンチ600が中空管300にしごき力を加えるのを補助する閉鎖端302を備えることができる。したがって、いくつかの事例において、中空管300は、
図11に示すようなカップの形態をとることができる。
【0156】
[0167]特定の例において、中空管300は、複数のしごき型を通じて連続的にしごき加工することができ、各連続的なしごき型は、中空管300の壁を漸進的に薄くし、中空管300を長くする。複数のしごき型を通じて中空管300を漸進的にしごき加工することによって、処理中に中空管300の壁が裂けるか又は他の様態で損傷するおそれを低減しながら、金属材料が伸張されることを可能にすることができる。
【0157】
[0168]いくつかの例において、しごき加工過程後に結果もたらされるシームレス中空管202から余分な材料を除去する必要があり得る。例えば、シームレス中空管202の端部は、シームレス中空管202の所望の最終寸法に合わせて切り取ることができる。特定の例において、中空管300が
図11に示すような閉鎖端302を備える場合、中空管300のしごき加工後に形成されたシームレス中空管202から閉鎖端302を取り除くことができる。
【0158】
[0169]特定の例において、
図11に示す例のような中空管300は、シート材料のブランクを深絞りすることによって形成することができる。例えば、金属のシートから平坦なブランクを打ち抜き、その後、深絞りして、カップを形成することができる。
【0159】
[0170]エアロゾル生成システムヒータ要素を製造する方法は、中空管状基材の内面に金属層をコーティングして、シームレス中空管を備えるエアロゾル生成システムヒータ要素を形成するステップを含むことができる。
【0160】
[0171]金属層は、本明細書において上述したような金属材料を含んでもよい。例えば、金属層は、メタル材料、金属間材料、又は半金属を含んでもよい。
【0161】
[0172]中空管状基材を使用することによって、金属層の厚さが正確に制御されることを可能にしながら、シームレス中空管に構造的安定性及び剛性が与えられる。中空管状基材によって与えられる構造的安定性は、薄い金属層が形成されることを可能にする。
【0162】
[0173]金属層を中空管状基材に薄く堆積することができるため、中空管状基材の内面に金属層を提供することによって、エアロゾル生成システムヒータ要素を加熱するのに必要なエネルギーを低減することが可能である。したがって、円形の棒材に穴を穿設することによって作成される管などの、相対的に厚い壁の管から作成されるヒータ要素と比較して、エアロゾル生成システムヒータ要素を所定の動作温度にするのに必要な時間が少なくなる。さらに、加熱すべき質量が少なくなるため、エアロゾル生成システムヒータ要素はまた、必要な動作温度の変化にもより応答性を有することになる。
【0163】
[0174]金属層が管状基材にコーティングされるため、管状金属層に継ぎ目がない、管状金属層を有するエアロゾル生成システムヒータ要素を形成することができる。上述したように、ヒータ要素として使用することができる薄い壁の管状形状を形成する他の方法は、シート材料を接合することに依拠し、接合過程の結果として、接合部付近の材料に歪みが生じる。管状金属層には継ぎ目がないため、上述した歪みが一切ない、所望の形状のシームレス中空管を生成することができる。
【0164】
[0175]
図12は、説明されているコーティング方法によって製造されるエアロゾル生成システムヒータ要素200の例を示す。エアロゾル生成システムヒータ要素200は、シームレス中空管202を備える。シームレス中空管202は、中空管状基材260の内面262に堆積されている金属層250を含む。
図9に示す例において、中空管状基材260は、円形の断面を有し、結果、中空管状基材260は、中空管状基材260の長さに沿って実質的に円筒形である。したがって、金属層250及びシームレス中空管202も、円形の断面を有し、シームレス中空管202の長さに沿って実質的に円筒形である。他のエアロゾル生成システムヒータ要素の例において、中空管状基材の断面は、例えば、任意の適切なシームレス中空管を形成するように、実質的に正方形、長方形、若しくは楕円形、又は任意の適切な形状であってもよい。
【0165】
[0176]中空管状基材は、必要な金属層のコーティングを支持し、必要な動作温度において構造的に堅固なままにすることができる任意の適切な材料であってもよい。
【0166】
[0177]特定の例において、中空管状基材は、セラミック材料から形成されてもよい。セラミック材料は、本明細書において上述したようなセラミック材料のうちのいずれかを含んでもよい。例えば、中空管状基材は、アルミナ、ジルコニア、イットリア、炭化カルシウム、及び硫酸カルシウムのうちの少なくとも1つから形成されてもよい。
【0167】
[0178]特定の例において、中空管状基材は、セラミックスラリを使用して製造されてもよい。セラミックスラリは、所望の形状に形成することができ、その後、放置されて固化し、乾燥することができる。セラミックスラリは、セラミックスラリを鋳造又は成型することによって、所望の形状に形成することができる。セラミックスラリはその後、焼いてセラミックを硬質且つ剛性にし、以て、セラミック材料を含む中空管状基材を形成することができる。
【0168】
[0179]特定の例において、中空管状基材は、焼結によって、圧力を加えることによって、又は、多孔質セラミックを形成するための任意の他の技法によって作成されてもよい。例えば、中空管状基材は、静水圧プレス成形、塑性加工(例えば、ろくろ成形、押し出し又は射出成型)を通じて、又は鋳造によって製造されてもよい。
【0169】
[0180]いくつかの例において、中空管状基材は、セラミック粉末を焼結することによって作成されてもよい。セラミック粉末は、プレス又は成型して中空管状基材の最終的な形状にすることができ、その後、粉末が焼結される。
【0170】
[0181]特定の例において、エアロゾル生成システムヒータ要素を製造する方法は、中空管状基材を押し出すステップを含むことができる。中空管状基材は、任意の適切な材料から押し出すことができる。
【0171】
[0182]特定の例において、中空管状基材は、本明細書において上述したセラミック材料のいずれかから押し出すことができる。例えば、中空管状基材は、セラミックスラリを管状形状に押し出すことによって形成されてもよい。押し出されたセラミックスラリはその後、焼いてセラミックを硬質且つ剛性にし、所望の形状の中空管状基材にすることができる。
【0172】
[0183]特定の例において、中空管状基材には、中空管状基材の内面と中空管状基材の外面との間の空気チャネルを設けることができる。空気チャネルは、シームレス中空管の金属層を絶縁することができ、中空管状基材を通じて失われる熱エネルギーが動作時に低減されるため、以て、エアロゾル生成システムヒータ要素の効率が増大する。
【0173】
[0184]中空管状基材がセラミック材料から形成される例において、セラミック材料は多孔質であってもよく、結果、中空管状基材の内面と中空管状基材の外面との間に空気チャネルを形成する。セラミック材料の必要な多孔性は、セラミック粉末を焼結して中空管状基材を形成することによって提供することができる。
【0174】
[0185]金属層は、金属層が中空管状基材に付着される任意の適切なコーティング方法によって、中空管状基材にコーティングすることができる。
【0175】
[0186]特定の例において、中空管状基材のコーティングは、例えば、金属層を原子毎又は分子毎にコーティングすることを含んでもよい。特定の例において、金属層は、金属層の金属材料を中空管状基材に堆積させることによって、中空管状基材にコーティングすることができる。
【0176】
[0187]特定の例において、金属層を堆積させることは、中空管状基材の内面に金属層を電気めっきすることを含むことができる。
【0177】
[0188]特定の例において、金属層を堆積させることは、中空管状基材の内面に金属層を物理蒸着することを含むことができる。
【0178】
[0189]特定の例において、金属層を堆積させることは、中空管状基材の内面に金属層を化学蒸着することを含むことができる。
【0179】
[0190]特定の例において、金属層を堆積させることは、中空管状基材の表面に金属層を溶射することを含むことができる。
【0180】
[0191]本明細書に記載されている様々な実施形態は、特許請求される特徴の理解及び教示を支援するためにのみ提示されている。当該実施形態は、実施形態の代表的なサンプルとしてのみ与えられており、網羅的なもの及び/又は排他的なものではない。本明細書に記載されている利点、実施形態、実施例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲に対する限定又は特許請求の範囲の均等物に対する限定と考えられるべきではないこと、及び、特許請求される発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用されてもよく、修正が行われてもよいことを理解されたい。本発明の様々な実施形態は、本明細書に特定的に記載されているもの以外の、開示されている要素、構成要素、特徴、部分、ステップ、手段などの適切な組み合わせを適切に含むことができるか、当該組み合わせから成ることができるか、又は本質的に当該組み合わせから成ることができる。加えて、本開示は、本明細書において特許請求されないが、将来的に特許請求される可能性がある他の概念を含むことができる。