(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】用紙受付装置
(51)【国際特許分類】
G07C 13/00 20060101AFI20241202BHJP
【FI】
G07C13/00 A
(21)【出願番号】P 2023054640
(22)【出願日】2023-03-30
【審査請求日】2023-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000230858
【氏名又は名称】日本金銭機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【氏名又は名称】伊藤 世子
(72)【発明者】
【氏名】冨吉 哲也
(72)【発明者】
【氏名】川原 豊
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-149508(JP,A)
【文献】特開2005-157493(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅が狭い第1のシートと幅が広い第2のシートとを受け付けるためのシート挿入口と、
前記シート挿入口が受け付け可能な
シートの幅を変更するための可変機構と、
前記第1のシートと前記第2のシートとを搬送するための搬送装置と、
前記第1のシートと前記第2のシートとを読み取る読み取りセンサと、
金銭受付部と、
制御部とを備え、前記制御部は、
金銭を受け付けていない場合は、前記第1のシートは前記シート挿入口に挿入可能だが、前記第2のシートは前記シート挿入口に挿入できないように前記可変機構を制御し、
金銭を受け付けた場合は、前記第1のシートだけでなく前記第2のシートも前記シート挿入口に挿入できるように前記可変機構を制御する、用紙受付装置。
【請求項2】
前記可変機構は、前記シート挿入口の正面の左右のいずれかの端部に配置され、他端部の方へ移動可能な規制部材を含み、
前記制御部は、
金銭を受け付けていない場合は、前記規制部材を前記左右の中央部に近づけた位置に待機させておき、
金銭を受け付けた場合は、前記規制部材を前記左右のいずれかの端部に移動させる、請求項1に記載の用紙受付装置。
【請求項3】
前記搬送装置による搬送経路のうちの、前記読み取りセンサよりも下流側に配置される孔開け用のパンチをさらに備え、
前記孔開け用のパンチは、前記搬送経路のうちの、前記
規制部材が配置される端部とは逆側の端部に配置される、請求項2に記載の用紙受付装置。
【請求項4】
前記搬送装置による搬送経路上の、前記
規制部材が配置される側に配置されて、シートの通過を検知するための第1のセンサと、
前記搬送装置による搬送経路上の、前記
規制部材が配置されない側に配置されて、シートの通過を検知するための第2のセンサと、さらに備え、
前記制御部は、
前記第1のセンサと前記第2のセンサでシートを検知した場合に、前記第2のシートが挿入されたと認識して、
前記第2のセンサでシートを検知して、前記第1のセンサでシートを検知しなかった場合に、前記第1のシートが挿入されたと認識する、請求項2に記載の用紙受付装置。
【請求項5】
前記可変機構は、前記シート挿入口の正面の左端部に配置され、右端部の方へ移動可能な第1の規制部材と、前記シート挿入口の正面の右端部に配置され、左端部の方へ移動可能な第2の規制部材とを含み、
前記制御部は、
金銭を受け付けていない場合は、前記第1の規制部材と前記第2の規制部材
を左右の中央部に近づけた位置に待機させておき、
金銭を受け付けた場合は、前記第1の規制部材を前記左端部に移動させて、前記第2の規制部材を前記右端部に移動させる、請求項1に記載の用紙受付装置。
【請求項6】
前記シート挿入口は、複数枚の前記シートを重ねられた状態でまとめて取り込む、請求項1に記載の用紙受付装置。
【請求項7】
前記第1のシートは、競技の投票券であり、
前記第2のシートは、投票内容を記入するためのマークカードである、請求項1に記載の用紙受付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投票券やマークカードなどの用紙を自動的に受け付けるための装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従前より、競馬、競輪、競艇、オートレース等の公営競技に関して、投票券の購入や払戻しを行うための装置が知られている。たとえば、特開2019-144736号公報(特許文献1)には、投票券自動発払装置、そのプログラム、投票券エラー報知方法が開示されている。特許文献1によると、報知部は、投入された投票券に係わるリカバリ動作が実行された場合、操作終了と見做せる状態となるまでの間、投票券のセット方法について報知する。操作終了と見做せる状態とは、例えば投票または精算により残金がゼロとなったとき、あるいは利用者を検知しなくなったときである。投票券のセット方法についての報知は、例えば、各種表示画面の表示の際に注意用画面を表示することにより行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、投票券やマークカードなどのような、サイズが異なる2種類の用紙を受け付けることができる用紙受付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に従うと、幅が狭い第1のシートと幅が広い第2のシートとを受け付けるためのシート挿入口と、シート挿入口が受け付け可能な紙幣の幅を変更するための可変機構と、第1のシートと第2のシートとを搬送するための搬送装置と、第1のシートと第2のシートとを読み取る読み取りセンサと、金銭受付部と、制御部とを備えるシート受け付け装置が提供される。制御部は、金銭を受け付けていない場合は、第1のシートはシート挿入口に挿入可能だが、第2のシートはシート挿入口に挿入できないように可変機構を制御し、金銭を受け付けた場合は、第1のシートだけでなく第2のシートもシート挿入口に挿入できるように可変機構を制御する。
【発明の効果】
【0006】
以上のように、本発明によれば、投票券やマークカードなどのような、サイズが異なる2種類の用紙を受け付けることができる用紙受付装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施の形態にかかる用紙受付装置としての自動販売機の外観を示す正面イメージ図である。
【
図2】第1の実施の形態にかかる用紙受付装置としての両用ユニットの構造を示す側面断面図である。
【
図3】第1の実施の形態にかかるガイドが狭まった状態の投票券挿入口を示す正面図である。
【
図4】第1の実施の形態にかかるガイドが広がった状態の投票券挿入口を示す正面図である。
【
図5】第1の実施の形態にかかる孔開け用のパンチの(A)平面図と(B)側面図と(C)A-A正面断面図とである。
【
図6】第1の実施の形態にかかる自動販売機の全体構成を示すブロック図である。
【
図7】第1の実施の形態にかかる制御処理を示すフローチャートである。
【
図8】第2の実施の形態にかかるガイドが狭まった状態の投票券挿入口を示す正面図である。
【
図9】第2の実施の形態にかかるガイドが広がった状態の投票券挿入口を示す正面図である。
【
図10】第2の実施の形態にかかる用紙受付装置としての両用ユニットの構造を示す側面断面図である。
【
図11】第2の実施の形態にかかる自動販売機の全体構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
[第1の実施の形態]
<自動販売機の概略構成>
【0009】
まず、
図1を参照して、本実施の形態にかかる用紙受付装置としての自動販売機100は、競馬、競輪、競艇、オートレース等の公営競技に関して、投票券の購入および払戻しができるものである。本実施の形態においては、自動販売機100は、正面視において長方形の筐体109内に各種のユニットを搭載するものである。自動販売機100は、投票券の購入のための金銭を紙幣投入口102および硬貨投入口103から受け付けて、1または複数のマークカードを券挿入口107から受け付けて、マークカードの内容を読み取って、指定された内容の投票券を排出口106から排出する。また、自動販売機100は、的中した投票券を券挿入口107から受け付けて、当該投票券を読み取って払い戻しを行う。払い戻し金は、利用者の操作に応じて、そのまま次の投票券の購入に使用される場合もあれば、現金化して紙幣排出口104と硬貨排出口105から払い戻される場合もある。なお、読み取り不能なマークカードや的中していない投票権は、リジェクト口108から排出される。
【0010】
なお、以下では、投票券やマークカードを受け付けたり、読み取ったり、収容したり、リジェクトしたりするための両用ユニット101の構成について説明する。なお、両用ユニット101のことを用紙受付装置と呼んでもよい。
<両用ユニット101の構成>
【0011】
図2を参照しながら、本実施の形態にかかる自動販売機100の両用ユニット101のハードウェア構成について説明する。
【0012】
券挿入口107の内側には、券待機部130が設けられる。より詳細には、券挿入口107に複数枚数の投票券やマークカードが載置されると、引き込みローラ131によって、当該複数枚の投票券やマークカードがまとめて券待機部130に引き込まれる。
【0013】
特に、本実施の形態においては、
図3および
図4に示すように、券挿入口107には、挿入ガイド141L,141Rが設けられている。本実施の形態においては、左側の挿入ガイド141Lが、ソレノイド142Lによって、左右方向にスライド可能に構成されている。これによって、券挿入口107に挿入可能な券のサイズが変更される。
【0014】
なお、スライドする左側の挿入ガイド141Lや、左のソレノイド142Lや、固定されている右側の挿入ガイド141Rなどを合わせて、挿入幅可変機構140ともいう。
【0015】
そして、利用者が金銭を投入していない状態では、
図3に示すように、挿入ガイド141Lが数mmまたは数cm程度右へ移動して、券挿入口107の左部分に位置するため、大きい券すなわちマークカードが挿入できなくなる。本実施の形態においては、挿入ガイド141Lは、マークカードは挿入できないが、小さい券すなわち投票券は挿入できる程度の位置に待機する。すなわち、本実施の形態においては、金銭を投入していない状態では、投票券のみを券挿入口107に差し込むことができる。
【0016】
一方、利用者が紙幣投入口102や硬貨投入口103から金銭を投入した場合、あるいは的中した投票券からの払戻金が投入された状態になると、
図4に示すように、挿入ガイド141Lが左端へ移動して、大きい券、すなわちマークカードも挿入可能となる。
【0017】
また、本実施の形態においては、
図3および
図4に示すように、挿入口107の内側の右側には、投票券およびマークカードの挿入を検知するための、右センサ180Rが配置される。また、挿入口107の内側の左側には、マークカードの挿入を検知するための、左センサ180Lが配置される。より詳細には、左センサ180Lは、左の挿入ガイド141Lがマークカードの挿入を防止するために右へ待機しているときの、左の挿入ガイド141Lよりも左側に位置する。換言すれば、左センサ180Lは、マークカードの挿入を検知するが、投票券の挿入を検知できない位置に配置される。
【0018】
図2に戻って、券待機部130に蓄積された複数の投票券または複数のマークカードは、引き抜きローラ132によって、1枚ずつが引っ張り出されて、搬送装置133に送られる。搬送装置133は、投票券またはマークカードを1枚ずつ後方へ搬送していき、最終的に、投票券収納部138またはマークカード収納部139まで送り届ける。より詳細には、本実施の形態においては、搬送装置133は、主搬送装置1331と、投票券搬送装置1332と、マークカード搬送装置1333と、リジェクト搬送装置1334を含む。
【0019】
主搬送装置133の経路には、上方に、上読み取りセンサ121すなわち上CIS(Contact Image Sensor)が配置される。上読み取りセンサ121は、投票券またはマークカードの上面を読み取って、当該画像データを後述する制御部に入力する。搬送装置133の経路には、下方に、下読み取りセンサ122すなわち下CIS(Contact Image Sensor)が配置される。下読み取りセンサ122は、投票券またはマークカードの下面を読み取って、当該画像データを後述する制御部に入力する。つまり、本実施の形態においては、利用者が、投票券やマークカードの表面を上向きにした状態で券挿入口107に挿入しても、投票券やマークカードの表面を下向きにした状態で券挿入口107に挿入しても、必要な情報を読み取ることができるように構成されている。
【0020】
上下の読み取りセンサ121,122の下流には、収納部切り替えゲート135が配置される。収納部切り替えゲート135は、上下の読み取りセンサ121,122の読み取り結果や左右のセンサ180L,180Rの検知結果に基づいて、投票券を上後方の投票券搬送装置1332へと送り出し、マークカードを後方のマークカード搬送装置1333に送り出す。
【0021】
投票券搬送装置1332には、パンチユニット145と、パンチ孔検知センサ146とが配置される。パンチユニット145は、搬送経路の右端に配置される。
図5に示すように、パンチユニット145は、左側が切りかかれた形状になっており、孔開けピン145Xによって、投票券の右端部に、下方から上方に向けて孔をあけるための装置である。
【0022】
より詳細には、本実施の形態においては、投票券が投入されるべき場合、すなわち金銭が投入されていない場合は、左の挿入ガイド141Lが右側へ移動しているので、投票券が券挿入口107の右端に接触した状態で挿入される。すなわち、投票券は、搬送装置133の搬送経路の右端に沿って搬送されてくるため、パンチユニット145の孔開けピン145Xの直上を投票券が通る構成となっている。その結果、孔開けピン145Xによって、確実に投票券にパンチ孔が形成される。
【0023】
パンチユニット145の下流には、パンチ孔を確認するためのパンチ孔検知センサ146が配置される。投票券搬送装置1332によって送られた投票券は、羽根車137を通って、投票券収納部138に収納される。
【0024】
一方、マークカード搬送装置1333によって送られたマークカードは、羽根車137を通って、マークカード収納部139に収納される。
【0025】
なお、上下の読み取りセンサ121,122に読み取られた結果、読み取り不能な投票券やマークカードや、その他の取り扱い不能な投票券やマークカードは、主搬送装置1331によって前方に向けて逆搬送される。そして、リジェクト切り替えゲート136によって、前上方のリジェクト搬送装置1334に送られる。そして、リジェクト口108から外部へと排出される。
【0026】
本実施の形態においては、
図1に示すように、券挿入口107とリジェクト口108とが、上下方向に並んで配置される。言い換えれば、両者は、左右方向すなわち水平方向の位置が略同じになるように構成されている。
【0027】
また、
図2に示すように、搬送装置133の各搬送経路の左右方向の位置も同じである。より詳細には、主搬送装置1331と、マークカード搬送装置1333とは、前後方向に向けて、1直線状に配置される。主搬送装置1331と、リジェクト搬送装置1334とは、上下方向に並んで配置され、左右方向の位置が同じように配置される。投票券搬送装置1332とマークカード搬送装置1333とは、上下方向に並んで配置され、左右方向の位置が同じように配置される。
<自動販売機の制御処理>
【0028】
次に、
図6と
図2を参照しながら、本実施の形態にかかる制御部による制御処理について説明する。制御部110は、自動販売機100の内部の制御基板に搭載される、制御部110は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)111と、メモリ112と、タイマ113を含む。CPU111は、メモリ112に格納されるプログラムを実行することによって、図示しない通信インターフェイスを介して、各種のセンサの検知結果や測定結果や画像データなどを取得しながら、当該取得値に応じて各種のデバイスやユニットに適切な制御命令を送信するものである。
【0029】
CPU111は、通常、利用者によって操作されていない状態や金銭が投入されていない状態では、
図3に示すように、左の挿入ガイド141Lを、券挿入口107の左部分を防ぐ位置に待機させておく。より詳細には、CPU111は、紙幣や硬貨が投入されていないときは、左の挿入ガイド141Lをスライドさせるための左のソレノイド142Lを引き出すことによって、左の挿入ガイド141Lを端部から1cm程度右側に移動させておく。これによって、利用者は、券挿入口107の右寄りの部分に小さい券すなわち投票券は入れられるが、大きいマークカードを券挿入口107に入れることはできない。
【0030】
CPU111は、紙幣検知部152による検知結果に基づいて、紙幣投入口102に投入された紙幣の種類や枚数をメモリ112に記憶する。CPU111は、硬貨検知部153による検知結果に基づいて、硬貨投入口103に投入された硬貨の種類や枚数をメモリ112に記憶する。
【0031】
CPU111は、金銭を受け付けた状態、あるいは払戻金を受け付けた状態では、
図4に示すように、左の挿入ガイド141Lを左端に移動させる。より詳細には、CPU111は、左のソレノイド142Lを収納することによって、左の挿入ガイド141Lを券挿入口107の左端部に移動させておく。これによって、利用者は、大きい券すなわちマークカードを券挿入口107に入れることが可能になる。
【0032】
ここで、挿入ガイド141L,141Rの制御をまとめる。
図7に示すように、CPU111は、金額が投入された場合や(ステップS102にてYESである場合)、的中した投票券からの払戻金によって新たな投票券を購入する場合(ステップS104)、ソレノイド142Lを操作して、左の挿入ガイド141Lを左端へ移動させる(ステップS106)。これによって、利用者は、マークカードの挿入が可能になる。
【0033】
投票券の購入が終わると(ステップS108)、CPU111は、ソレノイド142Lを操作して、左の挿入ガイド141Lを右へ移動させる(ステップS110)。つまり、券挿入口107へのマークカードの挿入が防止され、投票券のみの挿入が可能になる。このようにして、挿入幅可変機構140が待機状態となる(ステップS112)。
【0034】
図6および
図2に戻って、券挿入口107に複数枚数のマークカードや投票券が載置されると、CPU111は、引き込みローラ131を駆動させて、当該複数枚のマークカードや投票券をまとめて券待機部130に引き込む。
【0035】
CPU111は、引き抜きローラ132を駆動することによって、券待機部130に蓄積された複数のマークカードや投票券から1枚ずつ引っ張り出して、搬送装置133に送っていく。CPU111は、搬送装置133を駆動させて、投票券またはマークカードを1枚ずつ後方へ搬送していき、最終的に、投票券収納部138またはマークカード収納部139まで送り届ける。
【0036】
特に、本実施の形態においては、CPU111は、左センサ180Lと右センサ180Rとが用紙を検知した場合に、マークカードが挿入されたと判断する。一方、CPU111は、右センサ180Rが用紙を検知して、左センサ180Lが用紙を検知しなかった場合に、投票券が挿入されたと判断する。
【0037】
CPU111は、上読み取りセンサ121または下読み取りセンサ122からの画像データを解析して、投票券またはマークカードの種類を特定する。
【0038】
CPU111は、投票券に関しては、画像データを解析することによって、的中しているか否かを判断したり、払戻金を計算したりする。CPU111は、タッチパネル115を介して、払い戻し命令を受け付けると、紙幣排出部154を介して紙幣排出口104から紙幣を排出したり、硬貨排出部155を介して硬貨排出口105から硬貨を排出したり、払い戻し金によるマークカードの投票の入力を受け付けたりする。
【0039】
CPU111は、マークカードに関しては、画像データを解析することによって、投票内容を特定したり、投票金額を計算したりする。CPU111は、投票内容に従って印刷部157に投票券への印刷を実行させて、投票券排出部156を介して投票券を発行させる。CPU111は、払戻金や投入金額や投票金額などに基づいて釣銭を計算して、紙幣排出部154を介して紙幣排出口104から紙幣を排出したり、硬貨排出部155を介して硬貨排出口105から硬貨を排出したりする。
【0040】
CPU111は、左センサ180Lと右センサ180Rの検知結果に基づいて、収納部切り替えゲート135を制御することによって、投票券は上後方の投票券搬送装置1332へと送り出し、マークカードは後方のマークカード搬送装置1333に送り出す。すなわち、CPU111は、左センサ180Lと右センサ180Rとが用紙を検知した場合は、マークカードと判断して当該用紙をマークカード搬送装置1333に送り出す。一方、CPU111は、右センサ180Rが用紙を検知して、左センサ180Lが用紙を検知しなかった場合に、投票券と判断して当該用紙を投票券搬送装置1332へと送り出す。
【0041】
また、CPU111は、投票券搬送装置1332上のパンチユニット145に、払い戻しが完了した投票券にパンチ穴を開けさせる。CPU111は、パンチ孔検知センサ146を介してパンチ穴が開いていることを確認してから、投票券搬送装置1332によって投票券を投票券収納部138に送り込む。
【0042】
なお、上下の読み取りセンサ121,122の画像データに基づいて、CPU111は、読み取り不能な投票券や読み取り不能なマークカードを、主搬送装置1331によって前方に搬送する。また、CPU111は、紙幣検知部152や効果検知部153を介して金銭が投入されたことを検知したにも関わらずに、右センサ180Rが用紙を検知して、左センサ180Lが用紙を検知しなかった場合に、投票券が挿入されたと判断して、エラーを示す音声を出力したりエラーの表示を出力したりしつつ、当該投票券を、主搬送装置1331によって前方に搬送する。CPU111は、リジェクト切り替えゲート136を切り替えて、前に送られてきた投票券やマークカードをリジェクト搬送装置1334に渡す。CPU111は、リジェクト搬送装置1334を駆動することによって、それらの投票券やマークカードをリジェクト口108から外部へと排出する。
[第2の実施の形態]
【0043】
上記の実施の形態においては、
図3および
図4に示すように、左側の挿入ガイド141Lが、左右方向にスライド可能に構成されるものであった。しかしながら、このような形態には限られない。本実施の形態においては、左側の挿入ガイド141Lと右側の挿入ガイド141Rとが、左右方向にスライド可能に構成されている。これによって、券挿入口107に挿入可能な券のサイズが変更される。
【0044】
具体的には、利用者が金銭を投入していない状態では、
図8に示すように、左の挿入ガイド141Lが少し右へ移動して、右の挿入ガイド141Rが少し左へ移動することによって、大きい券、すなわちマークカードが挿入できなくなる。2つの挿入ガイド141L,141Rは、その間の間隔が、マークカードは挿入できないが、投票券は挿入できる程度の位置に待機する。
【0045】
一方、利用者が紙幣投入口102や硬貨投入口103から金銭を投入した場合や、あるいは的中した投票券によって払戻金がストックされた状態になると、
図9に示すように、左の挿入ガイド141Lが左へ移動するとともに、右の挿入ガイド141Rが右へ移動することによって、2つの挿入ガイド141L,141Rの間隔が広くなり、大きい券、すなわちマークカードも挿入可能となる。
【0046】
なお、スライドする左側の挿入ガイド141Lや、左のソレノイド142Lや、右側の挿入ガイド141Rや、右のソレノイド142Rなどを合わせて、挿入幅可変機構140ともいう。
【0047】
また、本実施の形態においては、券挿入口107の内側の中央部分には、投票券およびマークカードの挿入を検知するための、中央センサ180Mが配置される。また、挿入口107の内側の左側には、マークカードの挿入を検知するための、左センサ180Lが配置される。同様に、挿入口107の内側の右側には、マークカードの挿入を検知するための、右センサ180Rが配置される。
【0048】
より詳細には、左センサ180Lは、左の挿入ガイド141Lがマークカードの挿入を防止するために右へ待機しているときの、左の挿入ガイド141Lよりも左方に位置する。右センサ180Rは、右の挿入ガイド141Rがマークカードの挿入を防止するために左へ待機しているときの、右の挿入ガイド141Rよりも右方に位置する。換言すれば、左右のセンサ180L,180Rは、マークカードの挿入は検知できるが、投票券の挿入を検知できない位置に配置される。
【0049】
図10を参照して、本実施の形態においては、パンチユニットの代わりに、主搬送装置1331の経路上に、印字部147が配置される。印字部147は、CPU111からの指示に従って、払い戻し済みの投票券に、払い戻し済みであることを示す文字や画像を印字するものである。
【0050】
以下、
図10および
図11を参照しながら、本実施の形態にかかる制御部110による制御について説明する。本実施の形態にかかるCPU111は、通常、利用者によって操作されていない状態では、
図8に示すように、左の挿入ガイド141Lを券挿入口107の左側を塞ぐ位置に待機させつつ、右の挿入ガイド141Rを券挿入口107の右側を塞ぐ位置に待機させておく。より詳細には、CPU111は、紙幣や硬貨が投入されていないときは、左の挿入ガイド141Lをスライドさせるための左のソレノイド142Lを引き出して、左の挿入ガイド141Lを端部から0.5cm程度右側に移動させつつ、右の挿入ガイド141Rをスライドさせるための右のソレノイド142Rを引き出すことによって、右の挿入ガイド141Rを端部から0.5cm程度左側に移動させておく。これによって、利用者は、券挿入口107に投票券は入れられるが、マークカードを券挿入口107に入れることはできない。
【0051】
CPU111は、紙幣検知部152による検知結果に基づいて、紙幣投入口102に投入された紙幣の種類や枚数をメモリ112に記憶する。CPU111は、硬貨検知部153による検知結果に基づいて、硬貨投入口103に投入された硬貨の種類や枚数をメモリ112に記憶する。
【0052】
CPU111は、金銭を受け付けた状態、あるいは払戻金を受け付けた状態では、
図9に示すように、左の挿入ガイド141Lを左端に移動させるとともに、右の挿入ガイド141Rを右端に移動させる。より詳細には、CPU111は、左の挿入ガイド141Lをスライドさせるための左のソレノイド142Lを収納させることによって、左の挿入ガイド141Lを券挿入口107の左端部に移動させる。同時に、CPU111は、右の挿入ガイド141Rをスライドさせるための右のソレノイド142Rを収納させることによって、右の挿入ガイド141Rを券挿入口107の右端部に移動させる。これによって、利用者は、大きい券すなわちマークカードを券挿入口107に入れることも可能になる。
【0053】
ここで、挿入ガイド141L,141Rの制御をまとめる。
図7に示すように、CPU111は、金額が投入された場合や(ステップS102にてYESである場合)、払戻金によって新たな投票券を購入する場合(ステップS104)、左右のソレノイド142L,142Rを操作して、左の挿入ガイド141Lを左へ、右の挿入ガイド141Rを右へ移動させる(ステップS106)。
【0054】
投票券の購入が終わると(ステップS108)、CPU111は、左右のソレノイド142L,142Rを操作して、左の挿入ガイド141Lを右へ、右の挿入ガイド141Rを左へ移動させる(ステップS110)。これによってマークカードの挿入ができなくなる。このようにして、挿入幅可変機構140が待機状態となる(ステップS112)。
【0055】
図10および
図11に戻って、CPU111は、左センサ180Lと右センサ180Rとが用紙を検知した場合に、マークカードが挿入されたと判断する。一方、CPU111は、中央センサ180Mが用紙を検知して、左右のセンサ180L,180Rが用紙を検知しなかった場合に、投票券が挿入されたと判断する。
【0056】
CPU111は、上読み取りセンサ121または下読み取りセンサ122からの画像データを解析して、投票券またはマークカードの種類を特定する。
【0057】
CPU111は、投票券に関しては、画像データを解析することによって、的中しているか否かを判断したり、払戻金を計算したりする。CPU111は、タッチパネル115を介して、払い戻し命令を受け付けると、紙幣排出部154を介して紙幣排出口104から紙幣を排出したり、硬貨排出部155を介して硬貨排出口105から硬貨を排出したり、マークカードによる新たな投票内容の入力を受け付けたりする。
【0058】
CPU111は、印字部147に、払い済みを示す情報を当該投票券に対して印字させる。
【0059】
CPU111は、マークカードに関しては、画像データを解析することによって、投票内容を特定したり、投票金額を計算したりする。CPU111は、投票内容に従って印刷部157に投票券への印刷を実行させて、投票券排出部156を介して投票券を発行させる。CPU111は、払戻金や投入金額や投票金額などに基づいて釣銭を計算して、紙幣排出部154を介して紙幣排出口104から紙幣を排出したり、硬貨排出部155を介して硬貨排出口105から硬貨を排出したりする。
【0060】
CPU111は、左センサ180Lと中央センサ180Mと右センサ180Rの検知結果に基づいて、収納部切り替えゲート135を制御することによって、投票券は上後方の投票券搬送装置1332へと送り出し、マークカードは後方のマークカード搬送装置1333に送り出す。すなわち、CPU111は、左センサ180Lと右センサ180Rとが用紙を検知した場合は、マークカードと判断して当該用紙をマークカード搬送装置1333に送り出す。一方、CPU111は、中央センサ180Mが用紙を検知して、左センサ180Lと右センサ180Rとが用紙を検知しなかった場合に、投票券と判断して当該用紙を投票券搬送装置1332へと送り出す。
【0061】
なお、上下の読み取りセンサ121,122の画像データに基づいて、CPU111は、読み取り不能な投票券やマークカードを、主搬送装置1331によって前方に搬送する。CPU111は、リジェクト切り替えゲート136を切り替えて、投票券をリジェクト搬送装置1334に渡す。CPU111は、リジェクト搬送装置1334を駆動することによって、投票券をリジェクト口108から外部へと排出する。
[第3の実施の形態]
【0062】
なお、第1の実施の形態において、すなわち、左の挿入ガイド141Lがスライドして、右の挿入ガイド141Rがスライドしない形態において、パンチユニット145の代わりに印字部147を利用してもよい。
【0063】
あるいは、右の挿入ガイド141Rがスライドして、左の挿入ガイド141Lがスライドしない構成として、投票用紙の左端にパンチ孔をあける形態であってもよい。すなわち、投票券搬送装置1332の左側にパンチユニット145を配置しても良い。
【0064】
あるいは、第2の実施の形態において、左の挿入ガイド141Lと右の挿入ガイド141Rとがスライドする形態において、投票券の右端部や左端部やその他の位置にパンチ孔をあける構成を採用しても良い。
[第4の実施の形態]
【0065】
上記の実施の形態においては、2種類のサイズの用紙として、競馬、競輪、競艇、オートレース等の公営競技に利用される投票券とマークカードとを受け付け可能な両用ユニット101について説明したが、そのような形態には限られない。上記の技術は、金銭を入れた際に大きいサイズの用紙が受け付け可能となる、その他の両用ユニットにも適用可能なものである。
[第5の実施の形態]
【0066】
上記の実施形態においては、左の挿入ガイド141Lや右の挿入ガイド141Rがソレノイド142L,142Rによってスライドさせられるものであったが、このような形態には限られない。左の挿入ガイド141Lや右の挿入ガイド141Rは、電磁石や、ステッピングモータなど、他の装置によってスライドさせられたり、両者の間隔を調整されたりしてもよい。
[第6の実施の形態]
【0067】
上記の実施の形態においては、制御部110が、投票券を受け付けるための搬送装置133や上下の読み取りセンサ121,122を制御するだけでなく、紙幣検知部152や紙幣排出部154や投票券の印刷部157なども制御するものであった。しかしながら、紙幣検知部152や紙幣排出部154などが別の制御装置によって制御されたり、投票券の印刷部157が別の制御装置によって制御されたりしてもよい。
【0068】
あるいは、紙幣検知部152や紙幣排出部154などの精算機能が、投票券やマークカードの受け入れや読み取りなどの機能を有する両用ユニット101とは異なる別々のユニットで構成されても良い。同様に、投票券の印刷部157や投票券の排出部156などが、投票券やマークカードの受け入れや読み取りなどの機能を有する両用ユニット101とは異なる別々のユニットで構成されても良い。
【0069】
あるいは、投票券やマークカードの受け入れや読み取りなどの機能や、紙幣検知部152や紙幣排出部154などの精算機能や、投票券の印刷部157や投票券の排出部156の機能などが、有線LANや無線LANによって互いに接続される別々の装置やサーバによって実現されても良いし、それらのいずれかの機能がインターネット上のクラウドサーバなどによって実現されても良い。
[まとめ]
【0070】
上記の実施の形態においては、幅が狭い第1のシートと幅が広い第2のシートとを受け付けるためのシート挿入口と、シート挿入口が受け付け可能な紙幣の幅を変更するための可変機構と、第1のシートと第2のシートとを搬送するための搬送装置と、第1のシートと第2のシートとを読み取る読み取りセンサと、金銭受付部と、制御部とを備えるシート受け付け装置が提供される。制御部は、金銭を受け付けていない場合は、第1のシートはシート挿入口に挿入可能だが、第2のシートはシート挿入口に挿入できないように可変機構を制御し、金銭を受け付けた場合は、第1のシートだけでなく第2のシートもシート挿入口に挿入できるように可変機構を制御する。
【0071】
好ましくは、可変機構は、シート挿入口の正面の左右のいずれかの端部に配置され、他端部の方へ移動可能な規制部材を含む。制御部は、金銭を受け付けていない場合は、規制部材を左右の中央部に近づけた位置に待機させておき、金銭を受け付けた場合は、規制部材を左右のいずれかの端部に移動させる。
【0072】
好ましくは、用紙受付装置は、搬送装置による搬送経路のうちの、読み取りセンサよりも下流側に配置される孔開け用のパンチをさらに備える。孔開け用のパンチは、搬送経路のうちの、第1の部材が配置される端部とは逆側の端部に配置される。
【0073】
好ましくは、用紙受付装置は、搬送装置による搬送経路上の、第1の部材が配置される側に配置されて、シートの通過を検知するための第1のセンサと、搬送装置による搬送経路上の、第1の部材が配置されない側に配置されて、シートの通過を検知するための第2のセンサと、さらに備える。制御部は、第1のセンサと第2のセンサでシートを検知した場合に、第2のシートが挿入されたと認識して、第2のセンサでシートを検知して、第1のセンサでシートを検知しなかった場合に、第1のシートが挿入されたと認識する。
【0074】
好ましくは、可変機構は、シート挿入口の正面の左端部に配置され、右端部の方へ移動可能な第1の規制部材と、シート挿入口の正面の右端部に配置され、左端部の方へ移動可能な第2の規制部材とを含む。制御部は、金銭を受け付けていない場合は、第1の規制部材と第2の規制部材を左右の中央部に近づけた位置に待機させておき、金銭を受け付けた場合は、第1の規制部材を左端部に移動させて、第2の規制部材を右端部に移動させる。
【0075】
好ましくは、シート挿入口は、複数枚のシートを重ねられた状態でまとめて取り込む。
【0076】
好ましくは、第1のシートは、競技の投票券である。第2のシートは、投票内容を記入するためのマークカードである。
【0077】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0078】
100 :自動販売機(用紙受付装置)
101 :両用ユニット(用紙受付装置)
102 :紙幣投入口
103 :硬貨投入口
104 :紙幣排出口
105 :硬貨排出口
106 :投票券排出口
107 :投票券挿入口
108 :リジェクト口
109 :筐体
110 :制御部
111 :CPU
112 :メモリ
113 :タイマ
115 :タッチパネル
121 :上読み取りセンサ
122 :下読み取りセンサ
130 :投票券待機部
131 :引き込みローラ
132 :引き抜きローラ
133 :搬送装置
1331 :主搬送装置
1332 :投票券搬送装置
1333 :マークカード搬送装置
1334 :リジェクト搬送装置
135 :収納部切り替えゲート
136 :リジェクト切り替えゲート
137 :羽根車
138 :投票券収納部
139 :マークカード収納部
141L :挿入ガイド
141R :挿入ガイド
142L :ソレノイド
142R :ソレノイド
144 :パンチ穴検知センサ
145 :パンチユニット
145X :孔開けピン
146 :パンチ孔検知センサ
147 :印字部
152 :紙幣検知部
153 :硬貨検知部
154 :紙幣排出部
155 :硬貨排出部
156 :排出部
157 :印刷部
180L :左センサ
180M :中央センサ
180R :右センサ