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特許7596437エネルギー変換モジュール及びエネルギー変換装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】エネルギー変換モジュール及びエネルギー変換装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20241202BHJP
   H01L 25/18 20230101ALI20241202BHJP
【FI】
H01L25/04 C
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023076388
(22)【出願日】2023-05-04
(65)【公開番号】P2024117046
(43)【公開日】2024-08-28
【審査請求日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】112105501
(32)【優先日】2023-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】502121096
【氏名又は名称】朋程科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】蔡 欣昌
(72)【発明者】
【氏名】劉 敬文
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-220671(JP,A)
【文献】特開2017-098276(JP,A)
【文献】特開2015-116053(JP,A)
【文献】特開2019-033144(JP,A)
【文献】中国実用新案第208478322(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する第1表面と第2表面とを有する封止構造と、
前記封止構造内に搭載された統合モジュールと
を含み、
前記統合モジュールは、
第1電極と第2電極とを少なくとも含み、前記第1電極と前記第2電極のうちの一方が前記封止構造の前記第1表面から露出され、前記第1電極と前記第2電極のうちの他方が前記封止構造の前記第2表面から露出される、トレースと、
前記トレースの前記第1電極と前記第2電極のそれぞれに接続される、パワーチップと、
前記トレースを通じてエネルギー変換を実行するよう前記パワーチップを制御する、トランジスタ制御素子と、
前記トレースを通じて前記トランジスタ制御素子にエネルギーを供給するエネルギー貯蔵装置と
を含
前記パワーチップは、制御電極と、第1端部と、第2端部とを含む複数の端部を有し、
前記トレースは、互いに接続されない、第1接続部と、第2接続部と、第3接続部と、第4接続部とを含み、前記第1接続部は前記第1端部に接続され、前記第2接続部は前記制御電極に接続され、前記第3接続部は前記第2端部に接続され、前記第1接続部は前記第1電極を備え、前記第1電極は前記封止構造の前記第1表面から露出され、前記第2電極は前記封止構造の前記第2表面から露出され、
前記エネルギー貯蔵装置は、第1端子と、第2端子とを含み、前記第1端子は前記第1接続部に接続され、前記第2端子は前記第4接続部に接続され、
前記トランジスタ制御素子は前記第2接続部を介して前記制御電極に接続され、前記トランジスタ制御素子は前記第3接続部を介して前記第2端部に接続され、前記トランジスタ制御素子は前記第1接続部を介して前記第1端部に接続され、前記トランジスタ制御素子は前記第4接続部を介して前記第2端子に接続される、
エネルギー変換モジュール。
【請求項2】
前記第2電極は前記第2表面と面一である、
請求項に記載のエネルギー変換モジュール。
【請求項3】
対向する第1表面と第2表面とを有する封止構造と、
前記封止構造内に搭載された統合モジュールと
を含み、
前記統合モジュールは、
第1電極と第2電極とを少なくとも含み、前記第1電極と前記第2電極のうちの一方が前記封止構造の前記第1表面から露出され、前記第1電極と前記第2電極のうちの他方が前記封止構造の前記第2表面から露出される、トレースと、
前記トレースの前記第1電極と前記第2電極のそれぞれに接続される、パワーチップと、
前記トレースを通じてエネルギー変換を実行するよう前記パワーチップを制御する、トランジスタ制御素子と、
前記トレースを通じて前記トランジスタ制御素子にエネルギーを供給するエネルギー貯蔵装置と
を含み、
前記パワーチップは、制御電極と、第1端部と、第2端部とを含む複数の端部を備え、
前記トレースは、互いに接続されない、第1接続部と、第2接続部と、第3接続部と、第4接続部とを含み、前記第1接続部は前記第1端部に接続され、前記第2接続部は前記制御電極に接続され、前記第3接続部は前記第2端部に接続され、前記第1接続部は前記第電極を備え、前記第電極は前記封止構造の前記第表面から露出され、前記第3接続部は前記第電極を備え、前記第電極は前記封止構造の前記第表面から露出され、
前記エネルギー貯蔵装置は、第1端子と、第2端子とを含み、前記第1端子は前記第1接続部に接続され、前記第2端子は前記第4接続部に接続され、
前記トランジスタ制御素子は前記第2接続部を介して前記制御電極と接続され、前記トランジスタ制御素子は前記第3接続部を介して前記第2端部に接続され、前記トランジスタ制御素子は前記第1接続部を介して前記第1端部に接続され、前記トランジスタ制御素子は前記第4接続部を介して前記第2端子に接続される、
エネルギー変換モジュール。
【請求項4】
前記第1電極は前記第2表面と面一である、
請求項に記載のエネルギー変換モジュール。
【請求項5】
前記パワーチップは、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)又は金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を含む、
請求項1又は3に記載のエネルギー変換モジュール。
【請求項6】
請求項1又は3に記載のエネルギー変換モジュールと、
前記エネルギー変換モジュールの前記封止構造の前記第1表面に接触する頂部端子と、
前記エネルギー変換モジュールの前記封止構造の前記第2表面に接触する底部端子と
を含む、
エネルギー変換装置。
【請求項7】
前記頂部端子は、前記封止構造の前記第1表面から露出された前記第1電極と接触し、前記底部端子は、前記封止構造の前記第2表面から露出された前記第2電極と接触する、
請求項に記載のエネルギー変換装置。
【請求項8】
前記頂部端子は前記封止構造の前記第1表面から露出された前記第2電極と接触し、前記底部端子は前記封止構造の前記第2表面から露出された前記第1電極と接触する、
請求項に記載のエネルギー変換装置。
【請求項9】
前記底部端子は凹面を有し、前記エネルギー変換モジュールは前記凹面により形成された空間内に設けられる、
請求項に記載のエネルギー変換装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、エネルギー変換モジュール及びエネルギー変換装置に関するものである。
【0002】
電力素子は、整流器、車両用発電機、及び高出力モジュール発電機に応用されることができる。自動車用発電機の技術分野において、AC-DC変換を行うために整流ブリッジが度々採用されている。整流ブリッジは電力素子を含み、負荷を駆動するための基礎として整流電圧を供給する役割を果たすことができる。
【0003】
しかし、現在の自動車用電力素子の封止構造には、複雑な設計と不安定な構造という問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、小型化と安定性という技術的効果を達成することのできる、エネルギー変換モジュール、及びそのようなエネルギー変換モジュールを備えるエネルギー変換装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のエネルギー変換モジュールは、封止構造と、封止構造内に搭載された統合モジュールとを含む。統合モジュールは、トレースと、パワーチップと、トランジスタ制御素子と、エネルギー貯蔵装置とを含む。トレースは、第1電極と第2電極とを少なくとも含む。第1電極と第2電極のうちの一方は封止構造の第1表面から露出され、第1電極と第2電極のうちの他方は封止構造の第2表面から露出される。第1表面は、第2表面と対向する。パワーチップは、トレースの第1電極と第2電極のそれぞれに接続される。トランジスタ制御素子は、トレースを通じてエネルギー変換を実行するようパワーチップを制御する。エネルギー貯蔵装置は、トレースを通じてトランジスタ制御素子にエネルギーを供給する。
【0006】
本発明の1つの実施形態において、パワーチップは、制御電極と、第1端部と、第2端部とを含む、いくつかの端部を含む。トレースは、互いに接続されない、第1接続部と、第2接続部と、第3接続部と、第4接続部とを含む。第1接続部は第1端部に接続され、第2接続部は制御電極に接続され、第3接続部は第2端部に接続され、第1接続部は第1電極を備える。第1電極は、封止構造の第1表面から露出され、第2電極は封止構造の第2表面から露出される。エネルギー貯蔵装置は第1端子と第2端子とを含み、第1端子は第1接続部に接続され、第2端子は第4接続部に接続される。トランジスタ制御素子は第2接続部を介して制御電極に接続され、トランジスタ制御素子は第3接続部を介して第2端部に接続され、トランジスタ制御素子は第1接続部を介して第1端部に接続され、トランジスタ制御素子は第4接続部を介して第2端子に接続される。
【0007】
本発明の1つの実施形態において、第2電極は第2表面と面一である。
【0008】
本発明のもう1つの実施形態において、パワーチップのいくつかの端部には、制御電極と、第1端部と、第2端部とを含む。トレースは、互いに接続されない、第1接続部と、第2接続部と、第3接続部と、第4接続部とを含む。第1接続部は第1端部に接続され、第2接続部は制御電極に接続され、第3接続部は第2端部に接続され、第1接続部は第2電極を備える。第2電極は封止構造の第1表面から露出され、第3接続部は第1電極を備え、第1電極は封止構造の第2表面から露出される。エネルギー貯蔵装置は、第1端子と、第2端子とを含み、第1端子は第1接続部に接続され、第2端子は第4接続部に接続される。トランジスタ制御素子は第2接続部を介して制御電極に接続され、トランジスタ制御素子は第3接続部を介して第2端部に接続され、トランジスタ制御素子は第1接続部を介して第1端部に接続され、トランジスタ制御素子は第4接続部を介して第2端子に接続される。
【0009】
本発明のもう1つの実施形態において、第1電極は第2表面と面一である。
【0010】
本発明の1つの実施形態において、パワーチップは絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)又は金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を含む。
【0011】
本発明のエネルギー変換装置は、エネルギー変換モジュールと、頂部端子と、底部端子とを含む。頂部端子はエネルギー変換モジュールの封止構造の第1表面と接触し、底部端子はエネルギー変換モジュールの封止構造の第2表面と接触する。
【0012】
本発明の更にもう1つの実施形態において、頂部端子は封止構造の第1表面から露出された第1電極と接触し、底部端子は封止構造の第2表面から露出された第2電極と接触する。
【0013】
本発明のまたもう1つの実施形態において、頂部端子は封止構造の第1表面から露出された第2電極と接触し、底部端子は封止構造の第2表面から露出された第1電極と接触する。
【0014】
本発明の更にもう1つの実施形態において、底部端子は凹面を有してよく、エネルギー変換モジュールは凹面により形成された空間内に設けられる。
【発明の効果】
【0015】
上記に基づき、本発明はエネルギー変換装置を統合モジュールとして設計しており、エネルギー変換装置は頂部端子と底部端子を除いて1つのエネルギー変換モジュールのみを備え、エネルギー変換モジュールの2つの電極端子はそれぞれ露出されており、これにより頂部端子と底部端子に結合された後の安定した構造を提供し、大きなエネルギー変換を要して且つ構成部位が衝撃の影響を受けやすい車両用として特に安定している。加えて、チップが正極又は負極の異なる要件に適合されるとき、内蔵トレースの設計は統合モジュールの同一の方向性を維持するのに役立つ(即ち、トランジスタ制御素子及びエネルギー貯蔵装置の構成方向を変更する必要がない)。更に、本発明の統合モジュールは3Dパッケージング構造を有し、限られた空間においてチップが放熱のためのより広い面積を有することを可能とする。また、3Dパッケージング構造を通じて統合されたモジュールは、電気伝送経路の距離を短縮することができ、寄生問題を抑制することができる。
【0016】
本発明の特徴をより明確で容易に理解できるようにするため、添付図面と併せて特定の実施形態を以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の1つの実施形態によるエネルギー変換装置の斜視図である。
図2】本実施形態のエネルギー変換モジュールの正面斜視図である。
図3】本実施形態のエネルギー変換モジュールの背面斜視図である。
図4】本実施形態の統合モジュールの分解斜視図である。
図5】本実施形態のもう1つのエネルギー変換モジュールの正面斜視図である。
図6】本実施形態のもう1つのエネルギー変換モジュールの背面斜視図である。
図7】本実施形態のもう1つの統合モジュールの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の1つの実施形態によるエネルギー変換装置の斜視図である。
【0019】
図1を参照し、本実施形態のエネルギー変換装置100は、エネルギー変換モジュール110と、頂部端子Tと、底部端子Bとを含む。頂部端子Tはエネルギー変換モジュール110の第1表面S1に接触し、底部端子Bはエネルギー変換モジュール110の第2表面S2に接触する。1つの実施形態において、頂部端子Tは、例えばワイヤ電極であり、エネルギー変換モジュール110と接触する基部と、基部に接続されたリード線とを含む。1つの実施形態において、底部端子Bは凹面Bsを有してよく、エネルギー変換モジュール110は凹面Bsにより形成された空間内に設けられる。図1において、底部端子Bの凹面Bsは階段形状を有するが、本発明はこれに限定されない。もう1つの実施形態において、底部端子Bの凹面Bsは平滑面であるか他の設計を有してもよい。エネルギー変換モジュール110の詳細な構造をパワーダイオードとして以下に説明する。
【0020】
本実施形態において、頂部端子Tの底面の形状は矩形であるが、本発明はこれに限定されない。もう1つの実施形態において、頂部端子Tの底面の形状は円形又は六角形であってよい。本実施形態において、頂部端子Tの材料は、アルミニウム、銅、又は、銅合金やアルミニウム合金といったそれらの合金から選択されてよい。
【0021】
本実施形態において、底部端子Bの形状は円形であるが、本発明はこれに限定されない。実際、底部端子Bは、正方形や六角形を有するか凹面を有さないといった、異なる形状に設計されるか、製品設計要件に適合するよう形成されてよい。本実施形態において、底部端子Bの材料は、アルミニウム、銅、又はそれらの合金から選択されてよく、銅又はアルミニウムが好ましい。
【0022】
図2図3はそれぞれ、図1の実施形態のエネルギー変換モジュールの正面及び背面斜視図である。
【0023】
図1図3を同時に参照されたい。頂部端子Tはエネルギー変換モジュール110の第1表面S1と接触する部分は第1電極EP1であり、底部端子Bがエネルギー変換モジュール110の第2表面S2と接触する部分は第2電極EP2である。本実施形態において、エネルギー変換モジュール110は、封止構造112と、封止構造112内に搭載された統合モジュール114とを含む。このため、封止構造112の第1表面はエネルギー変換モジュール110の第1表面S1であり、封止構造112の第2表面はエネルギー変換モジュール110の第2表面S2である。更に、統合モジュール114は、トレースと、パワーチップと、トランジスタ制御素子と、エネルギー貯蔵装置などを含むため、封止構造112の第1表面はいくつかの突起を有し、そこでトランジスタ制御素子とエネルギー貯蔵装置が統合モジュール114内に構成される。封止構造112の材料は、例えばエポキシ樹脂、ビフェニル樹脂、不飽和ポリエステル、又はセラミック材料である。
【0024】
第1電極EP1と第2電極EP2は共に統合モジュール114中のトレースの一部であり、本実施形態におけるエネルギー変換モジュール110の、第1電極EP1と第2電極EP2の2つの電極端子のみが露出される。エネルギー変換モジュール110の統合モジュール114の詳細な構成を以下に詳細に説明する。
【0025】
図4は、図2図3の統合モジュール114の分解斜視図である。
【0026】
図4を参照し、統合モジュール114は、パワーチップ400と、トレース410と、エネルギー貯蔵装置420と、トランジスタ制御素子430とを含み、上述した構造は全て図2図3に示した封止構造112に搭載される。
【0027】
図4において、パワーチップ400は、複数の第1電極EP1及び第2電極EP2を含み、これらの端部はそれぞれトレース410に接続される。トランジスタ制御素子430は、トレース410を通じてエネルギー変換を実行するようパワーチップ400を制御する。エネルギー貯蔵装置420は、トレース410を通じてトランジスタ制御素子430にエネルギーを供給する。
【0028】
詳細には、パワーチップ400の端部は、制御電極402と、第1端部404と、第2端部406とを含む。本実施形態において、パワーチップ400は金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)として例示され、制御電極402はゲートであり、第1端部404はソースであり、第2端部406はドレインであり、MOSFETはSi-MOSFET又はSiC-MOSFETを含んでよい。ただし、本発明はこれに限定されない。もう1つの実施形態において、パワーチップ400は絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)であってよく、制御電極402はゲートであり、第1端部404はエミッタであり、第2端部406はコレクタである。
【0029】
図4を続けて参照し、トレース410は、互いに接続されない、第1接続部412と、第2接続部414と、第3接続部416と、第4接続部418とを含む。第1接続部412は第1端部404と接続され、第2接続部414は制御電極402に接続され、第3接続部416は第2端部406に接続される。第1接続部412は第1電極EP1を備え、第1電極EP1は図2に示すように封止構造112の第1表面S1から露出される。第3接続部416は第2電極EP2を備え、第2第2電極EP2は図3に示すように封止構造112の第2表面S2から露出される。第2電極EP2は第2表面S2と面一であってよく、これにより後続のパッケージングを容易にする。トレース410の材料は、例えば銅又は他の適切な材料である。
【0030】
エネルギー貯蔵装置420は、第1端子422と、第2端子424とを含み、第1端子422は第1接続部412に接続され、第2端子424は第4接続部418に接続される。本実施形態において、エネルギー貯蔵装置420は、例えばコンデンサであり、積層セラミックコンデンサ(MLCC)といったフィルムコンデンサであることが好ましい。トランジスタ制御素子430は、例えばトランジスタ制御ICである。1つの実施形態において、トランジスタ制御素子430は、第2接続部414を介して制御電極402と接続され、トランジスタ制御素子430は第3接続部416を介して第2端部406に接続され、トランジスタ制御素子430は第1接続部412を介して第1端部404と接続され、トランジスタ制御素子430は第4接続部418を介してエネルギー貯蔵装置420の第2端子424と接続される。
【0031】
本実施形態において、トレース410の設計を通じて、統合モジュール114はより緊密に接続されて安定した構造内に封止される。例えば、第1接続部412は、第1制御素子エンドプレート412Sと、第1電極EP1と、第1端子接続プレート4121と、第1ワイヤw1と、第2ワイヤw2とを含んでよい。第2ワイヤw2は第1制御素子エンドプレート412Sを第1電極EP1に接続し、第1ワイヤw1は第1端子接続プレート4121を第1電極EP1に接続する。エネルギー貯蔵装置420の第1端子422は第1端子接続プレート4121と直接接触し、トランジスタ制御素子430の第1電極端子S(未図示)は第1制御素子エンドプレート412Sと直接接触する。第1制御素子エンドプレート412S、第1電極EP1、第1端子接続プレート4121、第1ワイヤw1、及び第2ワイヤw2は、同一面上に位置している。換言すれば、第1接続部412は同一の金属層をパターニングすることにより得ることができるので、トレース410の高さを大幅に減少させることができる。更に、このような構成は、統合モジュール114の小型化を達成することを容易にし、ワイヤが短いほど反応時間が短縮され、寄生問題を抑制することもできる。更に、本実施形態の統合モジュール114は3Dパッケージング構造を有し、限られた空間においてパワーチップ400が放熱のためのより広い面積を有することを可能とする。
【0032】
第2接続部414は、第2制御素子エンドプレート414Gと、第3ワイヤw3とを含む。第3ワイヤw3は、第2制御素子エンドプレート414Gをパワーチップ400の第2端部406に接続する。トランジスタ制御素子430の第2電極端子G(未図示)は第2制御素子エンドプレート414Gと直接接触し、第2制御素子エンドプレート414Gと第3ワイヤw3は同一面上に位置する。このため、トレース410の高さを大幅に減少させることができ、これは統合モジュール114の小型化を達成することを容易にし、よってパワーチップ400の放熱を加速させる。
【0033】
第3接続部416は、第3制御素子エンドプレート416Dと、第2電極EP2と、第1導電性コラム416Pと、第4ワイヤw4と、第5ワイヤw5とを含む。第4ワイヤw4は第1導電性コラム416Pの一端を第2電極EP2に接続し、第5ワイヤw5は第3制御素子エンドプレート416Dを第1導電性コラム416Pの他端に接続する。トランジスタ制御素子430の第3電極端子D(未図示)は第3制御素子エンドプレート416Dと直接接触し、第3制御素子エンドプレート416Dは第5ワイヤw5と面一であるが、第2電極EP2とは面一ではない。
【0034】
第4接続部418は、第4制御素子エンドプレート418Vと、第2端子接続プレート4182と、第6ワイヤw6とを含む。第6ワイヤw6は、第4制御素子エンドプレート418Vを第2端子接続プレート4182に接続する。トランジスタ制御素子430の第4電極端子Vth(未図示)は第4制御素子エンドプレート418Vと直接接触し、エネルギー貯蔵装置420の第2端子424は第2端子接続プレート4182と直接接触する。第4制御素子エンドプレート418V、第2端子接続プレート4182、及び第6ワイヤw6は、同一面上に位置する。このため、トレース410の高さを大幅に減少させることができ、これは統合モジュール114の小型化を達成することを容易にし、これによりパワーチップ400の放熱を加速させる。
【0035】
図2図4に示したエネルギー変換モジュールはポジ(P)型ダイオードに応用されるが、本発明はこれに限定されない。以下は、本発明のエネルギー変換モジュールをネガ(N)型ダイオードに応用する例である。
【0036】
図5図6はそれぞれ、本発明のもう1つのエネルギー変換モジュールの正面及び背面斜視図であり、図2図3において用いられるものと同一の符号は同一又は類似の部品を示すために用いられ、同一又は類似の部品の説明は上記から導き出すことができ、ここでは関連する詳細を説明しない。このため、本発明は、正極又は負極に応用されるチップの異なる要件に応じた内蔵トレースの設計を通じて、統合モジュール114’の同一の方向性を維持することを可能とする(即ち、トランジスタ制御素子430及びエネルギー貯蔵装置420の構成方向を変更する必要がない)。
【0037】
図1及び図5図6を同時に参照されたい。頂部端子Tがエネルギー変換モジュール110’の第1表面S1に接触する部分は第2電極EP2であり、底部端子Bがエネルギー変換モジュール110’の第2表面S2に接触する部分は第1電極EP1である。第1電極EP1と第2電極EP2の両方は統合モジュール114’のトレースの一部であり、エネルギー変換モジュール110’もまた2つのみの露出した電極端子、即ち、第1電極EP1と第2電極EP2とを備える。統合モジュール114’の詳細な構造を以下に詳細に説明する。
【0038】
図7は、図5図6における統合モジュール114’の分解斜視図である。統合モジュール114’の基本部品は、図4における統合モジュール114のものと同一であるが、これらの間には、部品パッケージングを容易にする、特に、追加的な放熱ブロックを必要としない、部品全体の放熱を促進するトレース410’の設計において差異がある。
【0039】
図7を参照し、統合モジュール114’は、パワーチップ400と、トレース410’と、エネルギー貯蔵装置420と、トランジスタ制御素子430とを含み、前述の構造は図5図6に示す封止構造112内に全て搭載される。図7におけるパワーチップ400の配置は、図4におけるパワーチップ400の配置とは逆となっていることに注意されたい。図示していないが、図7におけるパワーチップ400の第2端部は、第2電極EP2と接触する側であることを理解されたい。パワーチップ400の制御電極と第1端部は、底面に配置される。このため、トレース410’はパワーチップ400の変更に適合するよう再設計する必要があるが、パワーチップ400、トレース410’、エネルギー貯蔵装置420、及びトランジスタ制御素子430の間の電気(回路)接続は変更されずに維持される。
【0040】
図7において、トレース410’は、互いに接続されない、第1接続部412’と、第2接続部414’と、第3接続部416’と、第4接続部418’とを含む。第1接続部412’はパワーチップ400の第1端部に接続され、第2接続部414’はパワーチップ400の制御電極に接続され、第3接続部416’はパワーチップ400の第2端部に接続され、第1接続部412’は第1電極を備え、第1電極は図6に示すように封止構造112の第2表面S2から露出される。第3接続部416’は第2電極EP2を備え、第2電極EP2は図5に示すように封止構造112の第1表面S1から露出される。第電極EPは第2表面S2と面一であってよく、これにより後続のパッケージングを容易にする。
【0041】
エネルギー貯蔵装置420の第1端子422は第1接続部412’と接続され、エネルギー貯蔵装置420の第2端子424は第4接続部418’に接続される。トランジスタ制御素子430は第2接続部414’を介してパワーチップ400の制御電極と接続され、トランジスタ制御素子430は第3接続部416’を介してパワーチップ400の第2端部に接続され、トランジスタ制御素子430は第1接続部412’を介してパワーチップ400の第1端部に接続され、トランジスタ制御素子430は第4接続部418’を介してエネルギー貯蔵装置420の第2端子424に接続される。
【0042】
本実施形態において、トレース410’の設計を通じて、統合モジュール114’全体がより緊密に接続されて安定した構造内に封止される。例えば、第1接続部412’は、第1制御素子エンドプレート412Sと、第1電極と、第1端子接続プレート4121と、第1ワイヤw1と、第2ワイヤw2と、第2導電性コラム412P1と、第3導電性コラム412P2とを含んでよい。第2ワイヤw2は第2導電性コラム412P1の一端を第1電極(未図示)に接続し、第1制御素子エンドプレート412Sは第2導電性コラム412P1の他端に接続され、第1ワイヤw1は第3導電性コラム412P2の一端を第1電極EP1に接続し、1端子接続プレート4121は第3導電性コラム412P2の他端に接続される。エネルギー貯蔵装置420の第1端子422は第1端子接続プレート4121と直接接触し、トランジスタ制御素子430の第1電極端子S(未図示)は第1制御素子エンドプレート412Sと直接接触する。第1制御素子エンドプレート412Sと第1端子接続プレート4121は同一面上に位置し、第1電極、第1ワイヤw1、及び第2ワイヤw2は同一面上に位置する。換言すれば、上記トレースは1つの導電性コラム(例えば、第2導電性コラム412P1と第3導電性コラム412P2)を介して接続されてよく、トレース410’の高さを大幅に減少させることができ、このような設計は統合モジュール114’の小型化を達成することを可能とし、限られた空間内でパワーチップ400は放熱のためのより広い面積を有する。更に、そのような統合モジュール114’を図1のエネルギー変換装置として含むエネルギー変換モジュール110’を構成することにより、(従来の装置と比較し、)電気伝送経路の距離を短縮することが可能であり、これにより寄生問題を抑制することができる。
【0043】
図7を続けて参照し、第2接続部414’は、第2制御素子エンドプレート414Gと、第4導電性コラム414Pと、第3ワイヤw3とを含む。第3ワイヤw3は、第4導電性コラム414Pの一端をパワーチップ400の第2端部に接続し、第2制御素子エンドプレート414Gは第4導電性コラム414Pの他端に接続され、トランジスタ制御素子430の第2電極端子G(未図示)は前記第2制御素子エンドプレート414Gと直接接触する。
【0044】
第3接続部416’は、第3制御素子エンドプレート416Dと、第2電極EP2と、第4ワイヤw4とを含む。第4ワイヤw4は、第3制御素子エンドプレート416Dを第2電極EP2に接続する。トランジスタ制御素子430の第3電極端子D(未図示)は、第3制御素子エンドプレート416Dと直接接触する。第3制御素子エンドプレート416D、第4ワイヤw4、及び第2電極EP2は面一であり、このため第3接続部416’は同一の金属層をパターニングすることにより得ることができる。加えて、統合強度が向上するよう第4ワイヤw4の面積も折り返し点で増加させることができる。
【0045】
第4接続部418’は、第4制御素子エンドプレート418Vと、第2端子接続プレート4182と、第6ワイヤw6と、第5導電性コラム418P1と、第6導電性コラム418P2とを含む。第6ワイヤw6は、第5導電性コラム418P1の一端を第6導電性コラム418P2の一端に接続し、第4制御素子エンドプレート418Vは第5導電性コラム418P1の他端に接続され、第2端子接続プレート4182は第6導電性コラム418P2の他端に接続され、トランジスタ制御素子430の第4電極端子Vth(未図示)は第4制御素子エンドプレート418Vと直接接触し、エネルギー貯蔵装置420の第2端子424は第2端子接続プレート4182と直接接触する。
【0046】
本発明を実施形態を用いて上記のように開示したが、本発明を限定することを意図していない。当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく改変や変更を行うことができる。このため、本発明により保護される範囲は添付の特許請求の範囲により定義される。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明のエネルギー変換モジュール及びエネルギー変換装置は、自動車用発電機に応用することができる。
【符号の説明】
【0048】
100:エネルギー変換装置
110、110’:エネルギー変換モジュール
112:封止構造
114、114’:統合モジュール
400:パワーチップ
402:制御電極
404:第1端部
406:第2端部
410、410’:トレース
412、412’:第1接続部
4121:第1端子接続プレート
412S:第1制御素子エンドプレート
412P1:第2導電性コラム
412P2:第3導電性コラム
414、414’:第2接続部
414G:第2制御素子エンドプレート
414P:第4導電性コラム
416、416’:第3接続部
416D:第3制御素子エンドプレート
416P:第1導電性コラム
418、418’:第4接続部
4182:第2端子接続プレート
418V:第4制御素子エンドプレート
418P1:第5導電性コラム
418P2:第6導電性コラム
420:エネルギー貯蔵装置
422:第1端子
424:第2端子
430:トランジスタ制御素子
B:底部端子
Bs:凹面
EP1:第1電極
EP2:第2電極
S1:第1表面
S2:第2表面
T:頂部端子
w1:第1ワイヤ
w2:第2ワイヤ
w3:第3ワイヤ
w4:第4ワイヤ
w5:第5ワイヤ
w6:第6ワイヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7