(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/798 20140101AFI20241202BHJP
A63F 13/847 20140101ALI20241202BHJP
A63F 13/795 20140101ALI20241202BHJP
【FI】
A63F13/798
A63F13/847
A63F13/795
(21)【出願番号】P 2023144189
(22)【出願日】2023-09-06
(62)【分割の表示】P 2022036208の分割
【原出願日】2012-12-27
【審査請求日】2023-09-06
(32)【優先日】2012-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】310021766
【氏名又は名称】株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【氏名又は名称】三木 友由
(74)【代理人】
【識別番号】100134256
【氏名又は名称】青木 武司
(72)【発明者】
【氏名】今井 憲一
(72)【発明者】
【氏名】榎本 繁
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 博
(72)【発明者】
【氏名】青木 俊雅
(72)【発明者】
【氏名】橋本 智志
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-093109(JP,A)
【文献】特開2009-066192(JP,A)
【文献】特開2008-023131(JP,A)
【文献】特開2007-061253(JP,A)
【文献】特開2009-247551(JP,A)
【文献】特開2007-143668(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 - 13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ユーザにより操作される第1情報処理装置と、第2ユーザにより操作される第2情報処理装置と、サーバとを備えた情報処理システムであって、
前記第1情報処理装置は、
第1ユーザの操作情報に応じてプレイヤキャラクタを動作させる第1実行部を有し、
前記第2情報処理装置は、
第2ユーザの操作情報に応じてゲームキャラクタを動作させる第2実行部と、
第2ユーザが操作するゲームキャラクタを、第1情報処理装置でプレイされているゲームに参加させる参加処理部と、を有し、
第1情報処理装置または第2情報処理装置のいずれかは、
プレイスタイルを評価する複数の指標の何れかに関してゲームにおいて予め設定された条件をゲームキャラクタの行動が満たすと、満たした条件を特定する情報を、第2ユーザのアカウントとともに、前記サーバに送信する送信部を有し、
前記サーバは、
満たした条件を特定する情報を受け付ける取得部と、
満たした条件に対応付けられた指標と、満たした条件に対応付けられたレベル値とにもとづいて、当該指標のレベルを決定し、第2ユーザのプロファイル情報を更新するプロファイル生成部と、を有する、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
複数の指標は、プレイヤキャラクタに対するゲームキャラクタの協力的なプレイに関して設定された第1の指標と、
プレイヤキャラクタに対するゲームキャラクタの非協力的なプレイに関して設定された第2の指標とを含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記プロファイル生成部は、第1ユーザのゲームに対する習熟度を加味して、第2ユーザのプロファイル情報を更新することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記プロファイル生成部は、複数のゲームにまたがって第2ユーザのプロファイル情報を更新することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項5】
ユーザの操作情報に応じてゲームキャラクタを動作させる実行部と、
ユーザが操作するゲームキャラクタを、他の情報処理装置でプレイされているゲームに参加させる参加処理部と、
プレイスタイルを評価する複数の指標の何れかに関してゲームにおいて予め設定された条件をゲームキャラクタの行動が満たすと、満たした条件を特定する情報を、ユーザのアカウントとともに、サーバに送信する送信部とを備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
第1ユーザにより操作される第1情報処理装置と、第2ユーザにより操作される第2情報処理装置と、サーバとにより実施される情報処理方法であって、
第1情報処理装置において、第1ユーザの操作情報に応じてプレイヤキャラクタを動作させるステップと、
第2情報処理装置において、第2ユーザの操作情報に応じてゲームキャラクタを動作させ、第2ユーザが操作するゲームキャラクタを、第1情報処理装置でプレイされているゲームに参加させるステップと、
第1情報処理装置または第2情報処理装置のいずれかにおいて、プレイスタイルを評価する複数の指標の何れかに関してゲームにおいて予め設定された条件をゲームキャラクタの行動が満たすと、満たした条件を特定する情報を、第2ユーザのアカウントとともに、サーバに送信するステップと、
サーバにおいて、
満たした条件を特定する情報を受け付け、
満たした条件に対応付けられた指標と、満たした条件に対応付けられたレベル値とにもとづいて、当該指標のレベルを決定し、第2ユーザのプロファイル情報を更新するステップと、を含むことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理技術に関し、特にゲームなどのコンテンツを処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム装置がインターネット上のサーバからゲームソフトウェアをダウンロードし、また複数のユーザがインターネットを介して一緒にゲームを楽しめる仕組みが整備されている。また近年では、携帯型のゲーム装置やタブレット端末装置が通信機能を搭載するようになり、携帯電話の多機能化も進んでいる。携帯型の電子機器が通信機能をもつことで、ユーザは屋外でも電子機器をインターネットに接続して、様々な情報を取得できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インターネットは国境の垣根なく世界中のユーザを結びつけ、ゲームを通じて様々な人と知り合える機会を提供する。このような環境のもと、さらにより多くの人間が効果的に繋がり、また楽しみを与えることのできる新たな仕組みの登場が望まれている。なおゲームに限らず、その他のアプリケーションにおいても、このような新たな仕組みを提供できることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある態様の情報処理システムは、第1ユーザにより操作される第1情報処理装置と、第2ユーザにより操作される第2情報処理装置と、サーバとを備える。第1情報処理装置は、第1ユーザの操作情報に応じてプレイヤキャラクタを動作させる第1実行部を有する。第2情報処理装置は、第2ユーザの操作情報に応じてゲームキャラクタを動作させる第2実行部と、第2ユーザが操作するゲームキャラクタを、第1情報処理装置でプレイされているゲームに参加させる参加処理部とを有する。第1情報処理装置または第2情報処理装置のいずれかは、プレイスタイルを評価する複数の指標の何れかに関してゲームにおいて予め設定された条件をゲームキャラクタの行動が満たすと、満たした条件を特定する情報を、第2ユーザのアカウントとともに、サーバに送信する送信部を有する。サーバは、条件を特定する情報を受け付ける取得部と、受け付けた特定情報の種類に応じて、複数の指標の何れかのレベルを決定し、第2ユーザのプロファイル情報を更新するプロファイル生成部とを有する。
【0006】
本発明の別の態様の情報処理装置は、ユーザの操作情報に応じてゲームキャラクタを動作させる実行部と、ユーザが操作するゲームキャラクタを、他の情報処理装置でプレイされているゲームに参加させる参加処理部と、プレイスタイルを評価する複数の指標の何れかに関してゲームにおいて予め設定された条件をゲームキャラクタの行動が満たすと、満たした条件を特定する情報を、ユーザのアカウントとともに、サーバに送信する送信部とを備える。
【0007】
本発明のさらに別の態様の情報処理方法は、第1ユーザにより操作される第1情報処理装置と、第2ユーザにより操作される第2情報処理装置と、サーバとにより実施される。この情報処理方法は、第1情報処理装置において、第1ユーザの操作情報に応じてプレイヤキャラクタを動作させるステップと、第2情報処理装置において、第2ユーザの操作情報に応じてゲームキャラクタを動作させ、第2ユーザが操作するゲームキャラクタを、第1情報処理装置でプレイされているゲームに参加させるステップと、第1情報処理装置または第2情報処理装置のいずれかにおいて、プレイスタイルを評価する複数の指標の何れかに関してゲームにおいて予め設定された条件をゲームキャラクタの行動が満たすと、満たした条件を特定する情報を、第2ユーザのアカウントとともに、サーバに送信するステップと、サーバにおいて、条件を特定する情報を受け付け、受け付けた特定情報の種類に応じて、複数の指標の何れかのレベルを決定し、第2ユーザのプロファイル情報を更新するステップと、を含む。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施例にかかる情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】(a)は第1情報処理装置の前面を示す図であり、(b)は第1情報処理装置の背面を示す図である。
【
図3】(a)は第1情報処理装置の上面を示す図であり、(b)は第1情報処理装置の下面を示す図であり、(c)は第1情報処理装置の左側面を示す図である。
【
図4】第1情報処理装置の回路構成を示す図である。
【
図5】第2情報処理装置の使用環境を示す図である。
【
図7】第2情報処理装置の機能ブロック図を示す図である。
【
図8】情報処理システムにおけるコンテンツダウンロードの流れを説明するための図である。
【
図9】第1情報処理装置の表示装置に表示されるコンテンツ画像を示す図である。
【
図10】表示装置に表示されるリンクボタンを示す図である。
【
図11】表示装置に表示されるコンテンツ取得画面を示す図である。
【
図12】第1情報処理装置においてコンテンツ取得要求を送信するための機能ブロックを示す図である。
【
図14】コンテンツをダウンロードして実行する第2情報処理装置の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図15】第2情報処理装置において表示されるメニュー画面の一例を示す図である。
【
図16】ダウンロード済みゲームのリスト画面を示す図である。
【
図18】情報処理システムにおけるユーザの参加機能を説明するための図である。
【
図19】ユーザBの第2情報処理装置から表示装置に出力されるゲーム映像を示す図である。
【
図20】ユーザAの第2情報処理装置の機能ブロックを示す図である。
【
図21】ユーザBの第2情報処理装置の機能ブロックを示す図である。
【
図22】ユーザAの第2情報処理装置から表示装置に出力されるゲーム映像を示す図である。
【
図23】ユーザAの表示装置およびユーザBの表示装置において表示されるゲーム画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、実施例にかかる情報処理システム1の構成の一例を示す。情報処理システム1において、第1情報処理装置10a、10b、10cは携帯型端末装置であり、第2情報処理装置100a、100b、100cは据置型端末装置である。ここで第1情報処理装置10aおよび第2情報処理装置100aは、ユーザAが操作する端末装置であり、第1情報処理装置10bおよび第2情報処理装置100bは、ユーザBが操作する端末装置であり、第1情報処理装置10cおよび第2情報処理装置100cは、ユーザCが操作する端末装置である。
【0011】
AP(アクセスポイント)2は、無線アクセスポイントおよびルータの機能を有し、屋内に設置される。ここでAP2aはユーザAの家に設置されており、第1情報処理装置10aおよび第2情報処理装置100aは、AP2aおよびモデム(図示せず)などを介してインターネットなどのネットワーク3に接続する。AP2bはユーザBの家に設置されており、第1情報処理装置10bおよび第2情報処理装置100bは、AP2bおよびモデムなどを介してネットワーク3に接続する。またAP2cはユーザCの家に設置されており、第1情報処理装置10cおよび第2情報処理装置100cは、AP2cおよびモデムなどを介してネットワーク3に接続する。
【0012】
以下、第1情報処理装置10a、10b、10cを区別しない場合には「第1情報処理装置10」と呼び、第2情報処理装置100a、100b、100cを区別しない場合には「第2情報処理装置100」と呼ぶ。
【0013】
第1情報処理装置10は、無線LAN(Local Area Network)方式による通信機能を有し、AP2と無線LANで接続する。屋内において、第1情報処理装置10はケーブルでAP2と接続してもよい。なお第1情報処理装置10は、第3世代移動通信システムなどの携帯電話で採用される方式の通信機能も有しており、携帯電話網からネットワーク3に接続することも可能である。これにより第1情報処理装置10は、広範囲の通信エリアをもつ基地局を介してネットワーク3に接続できるため、ユーザは、屋外でも第1情報処理装置10を利用できる。本実施例において第1情報処理装置10は携帯型端末装置であって、ユーザにより屋外でも使用可能とされることが好ましいが、情報処理システム1において後述するいくつかの機能を実現するに際しては、第1情報処理装置10は据置型端末装置であってもよい。
【0014】
第2情報処理装置100は、ケーブル14でAP2と接続する。第2情報処理装置100は、無線LANでAP2と接続してもよい。本実施例において第2情報処理装置100は据置型端末装置であるが、携帯型端末装置であってもよい。
【0015】
本実施例においてサーバ5は、複数の機能を有する。1つの機能として、サーバ5は情報処理システム1のユーザに対してネットワークサービスを提供する。サーバ5は、ネットワーク上で各ユーザを識別するユーザアカウント(ネットワークアカウント)を管理しており、各ユーザは、ユーザアカウントを用いて、サーバ5が提供するネットワークサービスにサインインする。第1情報処理装置10および第2情報処理装置100は、ネットワークサービスにサインインすることで、サーバ5に、画像データをアップロードしたり、またサーバ5から、画像データをダウンロードできる。また本実施例の情報処理システム1では、複数のユーザがオンラインゲームに参加することができるが、サーバ5は、ゲームのセッションを管理するゲームサーバとして機能してもよい。
【0016】
またサーバ5は、ゲームソフトウェアなどのコンテンツを第2情報処理装置100に配信するコンテンツサーバとして機能する。サーバ5は、ユーザからの明示的な要求を受けてコンテンツを配信するが、サーバ5がコンテンツを選択して配信してもよい。サーバ5がユーザからの明示的な要求を受けてコンテンツを配信する場合、一般にコンテンツは有料であり、サーバ5は課金処理とともにコンテンツの配信処理を行う。
【0017】
サーバ5は、ゲームサーバないしはコンテンツサーバとして機能するが、
図1では、これらの機能を集約したサーバとして表現している。したがってサーバ5は物理的に複数台のサーバにより構成されていてもよく、この場合、またネットワーク上のIPアドレスも別個に割り当てられていてもよい。
【0018】
情報処理システム1において、第1情報処理装置10および第2情報処理装置100は、サーバ5経由で、互いにデータを送受信できるように接続されている。具体的に、ユーザAが保持する第1情報処理装置10aおよび第2情報処理装置100aと、ユーザBが保持する第1情報処理装置10bおよび第2情報処理装置100bと、ユーザCが保持する第1情報処理装置10cおよび第2情報処理装置100cとは、サーバ5経由で互いにデータを送受信できる。
【0019】
なお、ユーザAが保持する第1情報処理装置10aおよび第2情報処理装置100aと、ユーザBが保持する第1情報処理装置10bおよび第2情報処理装置100bと、ユーザCが保持する第1情報処理装置10cおよび第2情報処理装置100cは、互いに直接(サーバ5を経由せず)データを送受信してもよい。たとえばユーザBが、第2情報処理装置100bでゲームをプレイしている際、第2情報処理装置100bは、ゲームプレイの動画像データを、ユーザAやユーザCの情報処理装置に直接ストリーミング配信することができる。なお、同じユーザの第1情報処理装置10および第2情報処理装置100は、AP2経由でデータを送受信してもよく、無線LANで直接データを送受信してもよい。
【0020】
本実施例において、第1情報処理装置10は携帯型のゲーム機であり、第2情報処理装置100は据置型のゲーム機である。第1情報処理装置10aおよび第2情報処理装置100aは、ユーザAにより操作され、それぞれユーザAを識別するユーザアカウント(ネットワークアカウント)を用いてサーバ5および他の情報処理装置との間でデータを送受信する。同様に、第1情報処理装置10bおよび第2情報処理装置100bは、それぞれユーザBを識別するネットワークアカウントを用いてサーバ5および他の情報処理装置との間でデータを送受信し、第1情報処理装置10cおよび第2情報処理装置100cは、それぞれユーザCを識別するネットワークアカウントを用いてサーバ5および他の情報処理装置との間でデータを送受信する。
【0021】
図1に示す情報処理システム1において、3名のユーザの情報処理装置が示されているが、実際の環境では、世界中の無数のユーザの情報処理装置がネットワーク3に接続している。なお各ユーザが操作する情報処理装置は2台に限定されるものではなく、それ以上の台数であってもよい。
【0022】
以下、会社員であるユーザAによる情報処理システム1のユースケースを示す。ユーザAは、朝起床して、朝食を食べた後、第1情報処理装置10aを持って会社に出勤する。ユーザAは会社で日中仕事をして夜帰宅し、第2情報処理装置100aでゲームをプレイし、就寝する。大まかなイメージとしては、ユーザAは、屋外にいる時間(屋外時間)に、第1情報処理装置10aを用いて帰宅後にコンテンツを楽しむための準備を行い、帰宅後の屋内にいる時間(屋内時間)に、第2情報処理装置100aを用いて、たとえば友人と一緒にオンラインゲームをプレイする。ユーザAは屋内時間において第1情報処理装置10aでゲームをプレイしてもよく、また第1情報処理装置10aを、第2情報処理装置100aでゲームプレイする際の補助的なツールとして利用してもよい。情報処理システム1では、このようなユーザAの行動を1つのユースケースとして想定しているが、ユーザAのライフスタイルにあわせて、様々なバリエーションで利用されてよい。
【0023】
<屋外時間におけるユースケース>
屋外時間では、ユーザAが、ユーザBがプレイしているゲームXのライブ映像を見ている。このときユーザAの第1情報処理装置10aは、ユーザBの第2情報処理装置100bから、ライブ映像をストリーミング配信される。なおユーザAはゲームXを所有していないものとする。ユーザAが、ユーザBのゲームプレイを見て、ゲームXが面白く、購入したいと思えば、第1情報処理装置10aにおいてゲームXのライブ映像に関連づけて表示される購入ボタンを押すことで、ゲームXを購入する。サーバ5は、第1情報処理装置10aからゲームXの購入要求を受け付けると、ゲームXのソフトウェアを第2情報処理装置100aに送信する。第2情報処理装置100aは、自動的にゲームXのソフトウェアをダウンロードし、したがってユーザAが帰宅したときには、第2情報処理装置100aにゲームXのソフトウェアがダウンロード済みの状況を作り出すことができる。屋外時間において、第2情報処理装置100aは、サーバ5からの指示を監視するスリープ状態にあり、サーバ5からの指示を受け付けるとメイン電源をオンして、サーバ5からゲームソフトウェアをダウンロードするように動作する。なおダウンロードが完了すると、第2情報処理装置100aは、再度スリープ状態に戻ってよい。
【0024】
ユーザAは、ユーザBや他のユーザが過去にプレイしたゲームXのプレイ動画を見てもよい。過去のプレイ動画はサーバ5に蓄積されており、ユーザAの第1情報処理装置10aは、サーバ5にアクセスして、プレイ動画を取得する。他のユーザのプレイ動画とはたとえば達人級のノーミスのプレイ動画であり、ユーザAは、他人のプレイ動画を見ることで、そのゲームXをプレイするモチベーションを高めることができる。この場合にも、第1情報処理装置10aに購入ボタンが表示され、ユーザAが購入ボタンを押すことを契機として、サーバ5がゲームXのソフトウェアを第2情報処理装置100aに送信する。このように、ゲームXのライブ映像や過去のプレイ動画の閲覧行動と、ゲームXの購入行動とを関連づけることで、ゲームストア(サーバ5)へのアクセスを容易にし、ユーザフレンドリなコンテンツ購入システムを実現できる。
【0025】
またユーザAとユーザBとが同じゲームを持っていれば、一緒にゲームプレイするスケジュールをたてられる環境が整備されることが好ましい。そこで情報処理システム1においてユーザAは、ユーザBとの間で、互いに保有しているゲームYの対戦時刻をスケジューリングすることもできる。たとえばユーザAの第1情報処理装置10aは、ユーザBの第1情報処理装置10bおよび第2情報処理装置100bの双方に、対戦時刻を指定した対戦状を送信し、ユーザBから了承の旨の回答をもらうことで、対戦を約束できる。このようにユーザAは屋外にいるときに、簡単に帰宅後の予定をたてることができ、帰宅後、約束した時刻にユーザBとゲームYを対戦できる。
【0026】
なお屋内時間および屋外時間に限らず、サーバ5は自律的に、第2情報処理装置100aに対して、様々な情報を提供することができる。提供する情報としては、たとえば世界中で最も人気のあるゲームタイトルであったり、そのようなゲームのデモ動画であってよい。また、ユーザAのフレンドは、ユーザAに対して、プレゼントを贈ることができる。プレゼントは、たとえばゲームソフトウェアであり、サーバ5は、フレンドからユーザAに対するプレゼントを贈るための指示を受けると、第2情報処理装置100aに対して、ゲームソフトウェアを送信する。このようにサーバ5が第2情報処理装置100aに対して情報を送信することで、第2情報処理装置100aは、様々な情報をユーザAに提示する。
【0027】
<屋内時間におけるユースケース>
ユーザAは帰宅後、第2情報処理装置100aのメイン電源をオンする。第2情報処理装置100aにはカメラが接続されており、第2情報処理装置100aは、カメラの撮影画像を受けて、ユーザAを特定(認証)する。第2情報処理装置100aがユーザAを特定すると、その特定したユーザAのアカウント(ローカルアカウント)でログインするとともに、サーバ5が提供するネットワークサービスに、ネットワークアカウントで自動的にサインインする。第2情報処理装置100aが起動されると、まず最初に、メニュー画面が表示される。なおローカルアカウントは、第2情報処理装置100においてユーザを一意に識別するために登録されているユーザアカウントである。
【0028】
メニュー画面には、ユーザAに対して送信された新着情報や、自動ダウンロードされたコンテンツの情報などが表示されている。ユーザAはメニュー画面から、ダウンロードしたコンテンツリスト画面を開くことができ、そのリスト画面には、ユーザAが第1情報処理装置10aから購入して第2情報処理装置100aに自動ダウンロードされたゲームXのアイコンや、またサーバ5から提供されたデモゲームのアイコンなどが含まれる。ユーザAが、ゲームXのアイコンを選択すると、ゲームXのソフトウェアがインストールされて、ゲームXをプレイできるようになる。このように情報処理システム1では、ユーザAの屋外時間中にゲームXのソフトウェアが自動ダウンロードされているため、ユーザAは、帰宅後、ゲームXのソフトウェアをダウンロードすることなく、ゲームをプレイできる。なおユーザAが第1情報処理装置10aからゲームXの購入を指示する際、第1情報処理装置10aは、第2情報処理装置100aに対して、電源がオンされた際に、ゲームXを自動起動することを指示していてもよい。この場合、第2情報処理装置100aは、メイン電源をオンされると、ダウンロードしたゲームXのソフトウェアを自動インストールし、また自動起動する。したがってユーザは、メイン電源をオンするだけで、ゲームXをプレイできるようになる。
【0029】
またメニュー画面には、屋外時間においてユーザBと約束したスケジュール情報が表示される。これによりユーザAは、メニュー画面を見て、ユーザBとした約束を思い出すことができる。また、ここではユーザAが自発的にユーザBに対戦を申し込んだ例を示したが、サーバ5が、ユーザAのプレイ傾向などを分析することで、独自に対戦候補を選定し、対戦候補の情報を第2情報処理装置100aに予め送信しておき、第2情報処理装置100aが、その情報をメニュー画面に表示してもよい。ユーザAは、サーバ5が選択した対戦候補に、対戦時刻を指定した対戦状を送信し、その対戦候補から了承の旨の回答をもらうことで対戦を約束できる。なお既に対戦候補がユーザAに対して対戦状を送信している場合には、メニュー画面において、対戦状が通知されていることが示され、ユーザAは、了承の旨を返信することで、対戦候補と対戦を約束できる。
【0030】
このようにユーザ間で対戦を約束すると、それらのユーザの第2情報処理装置100は、そのスケジューリング情報を登録する。スケジューリングされた時刻になると、第2情報処理装置100aは、自動的にゲームを起動して対戦相手の第2情報処理装置100と接続して対戦環境を作成する。なお対戦環境が作成できない場合、たとえば対戦相手の第2情報処理装置100のメイン電源がオンされず、接続できないような場合には、第2情報処理装置100aはサーバ5に対してその旨を報告してもよい。このときサーバ5は、対戦相手の第1情報処理装置10に対して、約束した対戦を思い出させるメッセージを通知する。なおユーザAが対戦時刻に別のゲームをプレイしているような場合、第2情報処理装置100aは、対戦時刻であることを通知するメッセージを表示してもよい。
【0031】
またメニュー画面には、フレンドからメッセージが送信されていることを示す情報が表示される。これはメーラの機能に相当し、フレンドからはテキストメッセージのみならず、音声や画像のメッセージが送信されることもある。
【0032】
第2情報処理装置100aには、ユーザAの友人(フレンド)のユーザアカウントが登録されている。登録されるフレンドは、現実世界で付き合いのある友人や、また情報処理システム1を通じて知り合った友人を含む。第2情報処理装置100aは、登録しているフレンドの状態情報を含むアクティビティをサーバ5から取得し、ユーザAは、各フレンドのアクティビティのリストを閲覧できる。このアクティビティには、フレンドがネットワーク3に接続しているか否かの情報や、フレンドがプレイ中のゲームタイトルなどが含まれる。ユーザAはアクティビティを見ることで、フレンドの状態を確認でき、たとえばユーザCがまだ第2情報処理装置100cの電源をオンしていないことや、ユーザBが既にゲームをプレイしていることなどを知ることができる。なお、ユーザAのフレンドのアカウントの登録はサーバ5においてのみ行われていてもよく、第2情報処理装置100aは、フレンドのアクティビティをサーバ5に要求すると、サーバ5が、ユーザAのフレンドのアクティビティリストを第2情報処理装置100aに送信してもよい。
【0033】
第2情報処理装置100aにおいて、ユーザAがアクティビティリストから1人のフレンドを選択すると、第2情報処理装置100aは、選択したフレンドを特定する情報をサーバ5に送信し、サーバ5は、そのフレンドの詳細な状態情報を含むアクティビティ情報を第2情報処理装置100aに返す。このときサーバ5は、フレンドの第2情報処理装置100のIPアドレスも、アクティビティ情報に含めて返信する。これによりユーザAは、フレンドの詳細なアクティビティを閲覧でき、アクティビティの詳細画面から、フレンドのプレイ中のライブストリーミングを見たり、またフレンドの過去のプレイ動画などを見たりすることができる。ライブストリーミングは、たとえばユーザBの第2情報処理装置100bから直接配信されてよい。プレイ中のライブ映像を見る場合には、そのステージ情報などの詳細なメタデータも閲覧できるようにして、ユーザAが、フレンドのプレイ状況を容易に把握できるようにしてもよい。
【0034】
屋外時間に関して説明したように、ユーザAは、携帯型の第1情報処理装置10aから容易にコンテンツを購入できるが、第2情報処理装置100aからも容易にコンテンツを購入できる。たとえばユーザAがフレンドのアクティビティに含まれるゲームタイトルやライブ映像などを選択すると、ゲームの購入画面がサーバ5から提供され、第2情報処理装置100aのディスプレイに表示されてもよい。このように情報処理システム1では、コンテンツ購入画面への経路が多数用意されており、ユーザが、欲しいコンテンツをすぐに購入できるように工夫されている。
【0035】
第2情報処理装置100aからコンテンツを購入する場合、コンテンツのデータサイズが大きいと、ダウンロードに時間がかかる。そこで情報処理システム1では、コンテンツの一部がダウンロードされると、第2情報処理装置100aは、そのコンテンツの一部をインストールして、短い待ち時間でユーザAがコンテンツの実行を開始できるようにしている。たとえばゲームが複数ステージからなる場合、サーバ5は、まず第1ステージを実行するためのソフトウェアを第2情報処理装置100aに送信し、第2情報処理装置100aでは、そのソフトウェアをインストールして、ユーザAが第1ステージをプレイできるようにする。ユーザAが第1ステージをプレイしている間、サーバ5は、第2ステージ以降のステージをプレイさせるためのソフトウェアを第2情報処理装置100aに引き続き送信し、最終的には、全てのステージをプレイできるようにする。このように、第2ステージ以降のステージをプレイさせるためのソフトウェアを、バックグランドでダウンロードさせることで、ユーザAは、第1ステージ分のダウンロード時間だけ待てばよく、ゲーム開始までの待ち時間を短縮できる。
【0036】
なおサーバ5は、ユーザAのプレイ傾向などに応じて、ユーザAの嗜好にあったゲームの購入を推奨してもよい。サーバ5は、ユーザAに対して送信するゲームの購入画面に、推奨するゲームに関する情報を含めてもよい。また購入を推奨するゲームに関する情報をサーバ5が自発的に第2情報処理装置100aに送信し、メニュー画面に含ませるようにしてもよい。いずれにしても、ユーザAの嗜好にあったゲームをサーバ5が奨めることで、ユーザAのゲームに対する関心を高めることができる。
【0037】
メニュー画面においてユーザAがゲームのアイコンを選択すると、その選択したゲームが起動され、ユーザAはゲームプレイを開始する。なお第2情報処理装置100aは、ユーザAがゲームをプレイ中、ポーズボタンを押すことで、ゲームの進行をポーズできる。なおユーザAが他のユーザと一緒にゲームをプレイしている場合などには、ユーザAがポーズボタンを押しても、ボタン操作を無効として、ゲーム進行をポーズできないようにしてもよい。
【0038】
ポーズボタンを押した際にゲームのポーズが許容される場合、ゲームがポーズされるとともに、メニュー画面がゲーム画面に重ね合われて表示されてもよい。従来のゲーム装置では、一旦ゲームを終了しなければメニュー画面には戻れなかったが、第2情報処理装置100aでは、単にポーズするだけで、メニュー画面に戻れるようにしている。これによりユーザAは、フレンドのアクティビティを閲覧して、フレンドの状態を確認したり、また新たなゲームを購入するなどの行動をとりつつ、すぐにゲームに復帰できるようになる。第2情報処理装置100aは、ポーズしたゲームに関する画面を表示するようにしてもよい。たとえば、そのゲームに関連するゲームの購入画面であったり、そのゲームの攻略サイトの画面が表示されてよい。
【0039】
またゲームをポーズしなくても、ブラウザ機能が立ち上がるようにして、ユーザAが、そのゲームの攻略サイトにアクセスできるようにしてもよい。このとき、ゲーム進行の邪魔にならないように、ディスプレイ画面の端の方にブラウザ画面が表示され、ユーザAは、ゲームをしながら、所望のサイトを閲覧できることが好ましい。
【0040】
情報処理システム1では、ユーザのプレイ動画がサーバ5にアップロードされ、別のユーザがプレイ動画を閲覧できる仕組みが提供される。このプレイ動画を閲覧することで、ユーザは、フレンドが過去にプレイしたゲームがどのようなものであるか知ったり、またゲームの購入画面を容易に開くことができるなど、様々なメリットが提供される。プレイ動画を記録する仕組みとして、第2情報処理装置100aは、常時、プレイ映像を所定時間分(たとえば数十秒)記録している。所定時間を超えるプレイ映像は古いものから上書きされていき、したがって第2情報処理装置100aは、最新の所定時間分のプレイ映像を記録している。たとえばユーザAがラスボスを倒したような場合、ゲームコントローラの所定のボタン(キャプチャボタン)を押せば、その瞬間に記録されているプレイ映像を保存できる。これにより、ラスボスを倒したゲームプレイの映像が保存されることになる。このように保存された動画データは、自動的にサーバ5にアップロードされ、またはフレンドに直接送信されて、その動画データを見たユーザが、そのゲームに対する関心を高めるのに役立てることができる。なお保存された動画データは、定期的にサーバ5にアップロードされるようにしてもよい。
【0041】
以上はユーザAが動画データをキャプチャしたが、ゲームが自律的に動画データをキャプチャしてもよい。ゲームが、発生したイベント(たとえばサッカーゲームにおけるゴール)を検出すると、そのタイミングでキャプチャ指示を発行し、イベントの前後のシーンを記録できるようにしてもよい。また第2情報処理装置100aのシステムソフトウェアが、たとえばユーザAがゲーム中で賞(トロフィ)を獲得した場合に、キャプチャ指示を発行して、トロフィ獲得の前後のシーンを記録してもよい。またシステムソフトウェアは、所定時間ごとにキャプチャ指示を発行して、所定時間ごとのプレイ動画をキャプチャするようにしてもよい。
【0042】
なおキャプチャされたプレイ動画がサーバ5にアップロードされた際、そのプレイ動画にプライバシー設定がされてもよい。プライバシー設定は、特定のユーザにのみプレイ動画を閲覧可能とする設定であり、たとえばユーザAのフレンド(サーバ5において管理されている)のみに閲覧可能とされてもよい。なお、ユーザがキャプチャしたプレイ動画と、ゲームおよびシステムソフトウェアがキャプチャしたプレイ動画とで、プライバシー設定が異なっていてもよい。ユーザAがキャプチャしたプレイ動画は、ユーザA自身がアップロードされることを知っており、一方でゲームやシステムソフトウェアがキャプチャしたプレイ動画は、ユーザの意志でキャプチャしたわけではないため、それがアップロードされることに抵抗を感じることもある。そのため、ゲームやシステムソフトウェアがキャプチャしたプレイ動画は、アップロードされないような設定、またはアップロードされても閲覧できないような設定となっていてもよい。なお、ユーザAは、ゲームやシステムソフトウェアによる自動キャプチャ機能のオンオフを設定でき、またオンしている場合に、自動アップロード機能のオンオフを設定できることが好ましい。
【0043】
またユーザに様々なゲームの楽しみ方を知ってもらうために、サーバ5は、世界中のユーザから、様々なプレイ動画を集めている。たとえばカーレースのゲームで、ワールドレコードを出したプレイ動画を集めたり、また非常に珍しいイベントが起きたプレイ動画を集めたりする。ユーザはサーバ5にアクセスして、好きなプレイ動画を閲覧することができ、これにより、新しいゲームへの関心を高めたり、また既に持っているゲームであれば、面白いプレイスタイルを発見したりということにも繋がる。
【0044】
またサーバ5は、フレンド間のアクティビティ情報を管理しておくことで、たとえばカーレースのゲームで最速ラップを叩きだしたユーザを特定する。あるユーザが最速ラップを更新したとき、サーバ5は、そのユーザのフレンドであって、カーレースのゲームを有するフレンドに、最速ラップが更新されたことを通知してもよい。これによりフレンドは、カーレースゲームをプレイするためのモチベーションを与えられ、フレンド間における競争心を芽生えさせるようになり、またフレンド間のコミュニケーションの充実にも寄与することができる。特に、そのゲームが比較的古いものである場合、そのゲームのことを久しぶりに思い出させるきっかけを与えることもでき、フレンド間で再度そのゲームがブームになるなどの効果も期待できる。
【0045】
ゲームプレイ中、ユーザAは、基本的に第2情報処理装置100aおよびそのゲームコントローラを用いてゲームを進行させる。このとき情報処理システム1では、第1情報処理装置10aも効率的に利用できる仕組みを提供する。ユーザAは、第1情報処理装置10aをサーバ5経由で第2情報処理装置100aに接続し、第2情報処理装置100aのプレイ映像を第1情報処理装置10aに記録させる。たとえばユーザAは記録したプレイ動画を、SNS(Social Networking Service)などに流してもよい。また、第2情報処理装置100aがカラオケアプリケーションを実行している場合には、次の楽曲を選択するために、第1情報処理装置10aが利用されてもよい。このように第1情報処理装置10aは、屋外のみならず、屋内においても効果的に利用されることで、有用性の高い情報処理システム1を実現できる。
【0046】
またユーザAがユーザBの家に遊びに行き、ユーザBの第2情報処理装置100bを用いて一緒にゲームする場合、ユーザAの第1情報処理装置10aを、第2情報処理装置100bに接続することもできる。この接続は、サーバ5経由で実行され、たとえば第1情報処理装置10aがサーバ5にアクセスしてフレンドリストを表示装置20に表示させ、そのフレンドリストからユーザBを選択して、ユーザBのアクティビティを表示させる。そのアクティビティには、ユーザBが、いまユーザAとプレイしているゲームタイトルが表示されており、ユーザAが、そのゲームタイトルに関して一緒にプレイすることを選択すると、サーバ5が、第2情報処理装置100bのIPアドレスなどの情報を提供する。これにより第1情報処理装置10aは、第2情報処理装置100bと直接接続することができる。なお第1情報処理装置10aは、第2情報処理装置100bと直接無線LANで接続してもよい。なお、この場合、第2情報処理装置100bには、第1情報処理装置10aと接続するか否かを問い合わせるダイアログが表示され、ユーザBが許可することで第1情報処理装置10aと第2情報処理装置100bとが接続される。
【0047】
これにより第1情報処理装置10aは、第2情報処理装置100bから様々な情報を取得できる。たとえば第1情報処理装置10aは、第2情報処理装置100bからプレイ中のゲームタイトルおよびユーザBの氏名などの情報を取得でき、たとえばユーザAとユーザBとが一緒にプレイしている様子を前面カメラ30で撮影すると、その撮影データに、ゲームタイトルやユーザBの氏名などを埋め込むこともできる。また上記したカラオケアプリケーションのプレイ中でも、第1情報処理装置10aが、第2情報処理装置100bのコントローラとして利用されてもよい。このように、ネットワークアカウントの異なる第1情報処理装置10aと第2情報処理装置100bとを協調させて動作させることも可能であり、有用性の高い情報処理システム1を実現できる。
【0048】
さらに情報処理システム1は、このシステムを超えて、他のゲームシステムと連携することもできる。たとえば別のゲームシステムで作成したゲームの設定を、情報処理システム1においても転用可能とする。このように異なるプラットフォーム上でプレイされるゲームを連携させることで、ユーザの利便性を高めることができる。
【0049】
次に、複数ユーザでゲームをプレイする仕組みについて説明する。複数ユーザは同一のゲームYを有しており、いずれかのユーザの第2情報処理装置100またはゲームサーバがホストとなって、複数ユーザがオンラインゲームをプレイできるようになる。この形態を「マルチプレイ」と呼ぶ。たとえばユーザBの第2情報処理装置100bがホストとなる場合、ユーザAの第2情報処理装置100aは、第2情報処理装置100bのゲームセッションの情報(セッションID)を取得して、第2情報処理装置100bとセッションIDを用いて通信する。第2情報処理装置100aが第2情報処理装置100bと繋がるためには、第2情報処理装置100bが第2情報処理装置100aに対して招待状を送信し、第2情報処理装置100aが参加を表明し、または第2情報処理装置100aが第2情報処理装置100bに対して参加を要求し、第2情報処理装置100bが参加要求を許可するという手続をとる必要がある。なお上記したように予め対戦のスケジュールが設定されている場合には、第2情報処理装置100aと第2情報処理装置100bのいずれかがホストとなり、参加要求の手続等がバックグランドで実行されて、自動的に両者が繋がってもよい。
【0050】
情報処理システム1では、ユーザAが、ユーザBによるプレイのライブ映像をディスプレイで見ることができ、その際に参加を要求できる。ユーザAの参加が認められた後、第2情報処理装置100aはゲームYを起動する。この起動にかかる時間は、ゲームにもよるが、少なくても数十秒程度を要することが多い。従来のゲーム装置では、ゲームの起動中、ゲームタイトルなどを示す起動画面が表示されていたが、情報処理システム1では、そのような起動画面は表示しない(か目立たないように表示する)。このとき起動画面は表示しないが、必要なロゴ等は表示されてよい。第2情報処理装置100aにおけるゲームソフトウェアの起動中、ディスプレイにはユーザBのライブ映像が表示され続け、ゲームのバックグランドでの起動が完了すると、ユーザAの気付かないうちに、いつの間にかユーザAが参加している状態を作り出す。たとえばユーザBがテニスゲームにおいてダブルスの1人のプレイヤを操作している場合、第2情報処理装置100aでテニスゲームの起動が完了し、ユーザAが参加可能な状態となったときには、ライブ映像中でいつの間にかユーザAが、ダブルスのもう1人のプレイヤを操作できるようになっている。なお実際には、このとき既にユーザBのライブ映像が、第2情報処理装置100aが作成したゲーム画面に切り替わっている。このようにユーザAがシームレスにユーザBのゲームに参加することができるようなインタフェースを提供することで、ユーザAがゲーム起動にかかる時間を退屈に過ごすことなく、気付いたときにはゲームに参加しているような感覚を与えることができる。
【0051】
なお第2情報処理装置100aにおいてゲームを起動する際、ゲームによる起動画面と、システムソフトウェアが提供するユーザBのライブ映像が、同時に表示されるようにしてもよい。また起動画面において表示する必要があるロゴが登場する場面では、ゲームがそのタイミングをシステムソフトウェアに通知して、その場面ではライブ映像を非表示とし、起動画面が表示されるようにしてもよい。また表示が必要なロゴのファイル情報をシステムソフトウェアがゲームから取得し、システムソフトウェアがロゴを表示するようにしてもよい。なお、起動画面とユーザBのライブ映像とを同時に表示する場合には、画面を上下または左右に分割して表示してもよく、また半透明に合成して表示してもよい。
【0052】
なお、ステージの区切りでしか参加が認められないゲームも存在する。この場合であっても、ユーザAは、ユーザBのプレイを見ている間に、第2情報処理装置100aがバックグランドでゲームYを起動しておくことで、ユーザBによるゲーム進行がステージの区切りに到達したときに、すぐにユーザAが参加できるような環境を整えることが可能となる。なお第2情報処理装置100は映像を再生可能なAVプレイヤを有し、参加が認められる前などに、映画などのコンテンツを再生できるようにしてもよい。
【0053】
ホストとなる第2情報処理装置100bは、マルチプレイが終了すると、反省会を行う場を提供する。第2情報処理装置100bは、3Dグラフィックデータやプレイヤの軌跡などの情報、またマルチプレイにおけるゲームデータ(ゲームコントローラの操作情報などを含む)をゲームから取得して、参加ユーザに対して、リプレイ画面などを提供する。このようなリプレイ画面は、参加ユーザ全員に提供されて、参加ユーザが同時に見ることができる。このとき第2情報処理装置100bは、チャットのホストとなって、参加ユーザ間でのテキストチャットやビデオチャットなどを実行可能とする。ゲームのプレイ状況とは異なる視点からのゲーム画面なども再生可能とすることで、実際の戦略面での失敗などを議論して、その反省を次のゲームプレイに役立てるようにする。
【0054】
なお従来からユーザのゲームへのモチベーションを維持するように、ゲーム中に設定された所定の条件(ミッションや課題など)をクリアすると、ユーザにトロフィなどの所定の賞を与える仕組みが既に存在している。トロフィのような特典は、ゲーム中に設定された条件をクリアすることで付与され、したがってゲームに対する習熟度の指標として利用されている。一方で、複数のユーザが一緒にゲームをする際に、ユーザのプレイスタイルを評価するような指標は存在していない。つまり従来は、ゲームのプレイが上手か否かの指標は存在していたものの、それ以外にユーザを評価するための指標が存在していなかったため、ゲームをいかに効率的にプレイするかという楽しみ方が主流であった。
【0055】
そこで情報処理システム1では、ユーザを評価する新たな指標を導入することで、ユーザのゲームの楽しみ方のバリエーションを増やす。情報処理システム1で実行されるゲームは、新たなマルチプレイの態様を実現可能とする。通常のマルチプレイでは、参加ユーザがホストユーザの同意を得ることでゲームに参加することになるが、新たな態様では、参加ユーザが、ホストユーザの同意を得ることなく、ゲームに参加する。ホストユーザは、別のユーザがゲームに参加していることを知らないため、あくまでもシングルプレイとしてゲームを進行している。参加したユーザは、ホストユーザのプレイヤキャラクタをこっそりと助けたり、また逆に邪魔もできる。たとえば参加ユーザは、ホストユーザに知られることなくプレイヤキャラクタの敵を倒しておくことで、プレイヤキャラクタを助けたり、またプレイヤキャラクタに対する敵としてゲームに参加して、プレイヤキャラクタの邪魔もできる。
【0056】
なお、このような参加ユーザのプレイは、ゲームにより検出されて、サーバ5において参加ユーザのプロファイル情報を決定するために用いられる。たとえばサーバ5は、ユーザプロファイルとして、2つの指標を設定して、プレイ状況に応じてそのレベル値を決定する。第1の指標は、ホストユーザに対して協力的なプレイをするレベルを示し、第2の指標は、ホストユーザに対して非協力的な(邪魔をする)プレイをするレベルを示す。これらの指標のレベル値は、ユーザの参加回数や、協力または邪魔する度合いに応じてアップする。
【0057】
ゲームは、第1の指標および第2の指標を満たすための条件を予め設定している。たとえば第1の指標に関連する条件は、参加ユーザのキャラクタが、ゲーム中に、プレイヤキャラクタの進行方向に存在する敵を所定数倒すことであり、また第2の指標に関連する条件は、プレイヤキャラクタに対して所定回数攻撃をヒットさせることである。このような条件は、ゲームが独自に設定してよく、ゲームが複数の条件を設定してもよい。このような条件を満たすと、ゲームがサーバ5にその旨を通知し、これによりサーバ5は、参加ユーザのプロファイル情報における各指標のレベル値を更新する。複数のゲームにまたがってサーバ5がプロファイル情報を蓄積することで、第1の指標および第2の指標のレベル値はアップしていき、あるユーザの第1の指標のレベルが高ければ、このユーザはプレイヤキャラクタに対して非常に協力的な(献身的な)プレイをする傾向が強く、第2の指標のレベルが高ければ、このユーザはプレイヤキャラクタに対して非協力的な(邪魔をする)プレイをする傾向が強いことが分かる。このレベルは、アクティビティに組み込まれて、ユーザのプレイスタイルを表現する情報として利用される。
【0058】
また新たな別の態様のマルチプレイとして、先にゲームをプレイしたユーザが、フレンドに対して、ゲーム中にアイテムを残すこともできる。両ユーザは異なる時間でゲームをプレイため、厳密に言えばマルチプレイではないが、先にプレイしたユーザが、あるステージでフレンドに対してアイテムを残し、後でプレイしたフレンドは、そのステージにきたときに、残されたアイテムを獲得できる。これは、先行するユーザが、アイテムを残した情報をサーバ5に登録しておき、サーバ5がその情報をフレンドのゲームに対して通知することで実現される。なお、ユーザがゲーム中に、独自にミニゲームを作ることも可能であり、異なるタイミングでプレイするユーザ同士に、あたかも一緒にゲームをしているかのような感覚を与えることが可能となる。
【0059】
以上のマルチプレイでは、複数のユーザが同一のゲームYを有していることを前提とした。既述したように情報処理システム1において、ユーザAは、他のユーザBのプレイ動画をリアルタイムで見ることができる。ユーザAがゲームにマルチプレイで参加しようとする場合、ユーザAは、ゲームYを保有していないといけないが、そのとき必ずしもユーザAがゲームYを保有しているわけではない。そこで情報処理システム1は、そのような場合でも、ユーザAがゲームYに参加できるような仕組みを提供している。
【0060】
このときのユーザAの参加態様を「リモートプレイ」と呼ぶ。ユーザAは、ユーザBから参加を許可されると、ユーザAの第2情報処理装置100aは、ユーザBの第2情報処理装置100bに対して、ゲームコントローラの操作情報を送信し、第2情報処理装置100bは、第2情報処理装置100aに対して、操作情報に応じて生成したゲーム映像を送信する。つまりリモートプレイでは、ユーザAとユーザBのゲームコントローラが、ユーザBの第2情報処理装置100bに対して操作情報を送信して、第2情報処理装置100bが、それぞれのゲームコントローラからの操作情報を処理する。これによりユーザAはゲームYを有していなくても、ユーザBとともにゲームYを楽しむことができる。
【0061】
従来のゲーム装置で、複数ユーザがゲームをプレイする場合、1画面を複数に分割してそれぞれの分割画面に各ユーザに対するゲーム画像を表示することが一般的である。リモートプレイにおいて、第2情報処理装置100bは、ゲームの1画面を第2情報処理装置100aに対して送信してもよいが、分割されたユーザAのゲーム画面のみを送信するようにしてもよい。また、シャッタ式メガネに対応した3DTVに画面を出力するゲームにおいて、2人のユーザに対して交互に各ユーザ用のゲーム画面を提供できるものに関しては、それぞれのユーザ用のゲーム画面を、各ユーザに対して提供するようにしてもよい。
【0062】
なおリモートプレイの1つのユースケースとして、ユーザBのプレイ中、ゲーム操作をユーザAにまかせることも可能である。たとえばユーザBがどうしても倒せない敵キャラクタをユーザAに倒してもらうというケースである。これは、ユーザBのゲームコントローラを、ユーザAにあずけるイメージであり、ユーザAが、ユーザBに代わって、第2情報処理装置100bにおけるユーザBのプレイヤキャラクタを操作する。
【0063】
以上のように、情報処理システム1は、様々な利用形態をユーザに提供する。以下、第1情報処理装置10および第2情報処理装置100の構成を説明し、情報処理システム1におけるいくつかの特徴の詳細について説明する。
【0064】
本実施例の第1情報処理装置10の外観構成および回路構成を説明する。以下に示す第1情報処理装置10は、携帯型のゲーム機であるが、他の種類の携帯型端末装置であってもよい。なお情報処理システム1のいくつかの利用形態を実現するためには、第1情報処理装置10は携帯型の端末装置だけでなく、据置型の端末装置であってもよい。
【0065】
[前面部の構成]
図2(a)は、第1情報処理装置10の前面を示す。第1情報処理装置10は、横長の筐体により形成され、ユーザが把持する左右の領域は、円弧状の外郭を有している。第1情報処理装置10の前面には、矩形のタッチパネル50が設けられる。タッチパネル50は、表示装置20と、表示装置20の表面を覆う透明な前面タッチパッド21から構成される。表示装置20は有機EL(Electro-Liminescence)パネルであり、画像を表示する。なお表示装置20は液晶パネルなどの表示手段であってもよい。前面タッチパッド21は、同時にタッチされた複数ポイントの検出機能をもつマルチタッチパッドであって、タッチパネル50はマルチタッチスクリーンとして構成される。
【0066】
タッチパネル50の右側には、菱形の頂点にそれぞれ位置する△ボタン22a、○ボタン22b、×ボタン22c、□ボタン22d(以下、総称する場合には「操作ボタン22」とよぶ)が設けられ、タッチパネル50の左側には、上キー23a、左キー23b、下キー23c、右キー23d(以下、総称する場合には「方向キー23」とよぶ)が設けられる。ユーザは方向キー23を操作して、上下左右および斜方の8方向を入力できる。方向キー23の下側には左スティック24aが設けられ、また操作ボタン22の下側には右スティック24bが設けられる。ユーザは左スティック24aまたは右スティック24b(以下、総称する場合には「アナログスティック24」とよぶ)を傾動して、方向および傾動量を入力する。筐体の左右頂部には、Lボタン26a、Rボタン26bが設けられる。操作ボタン22、方向キー23、アナログスティック24、Lボタン26a、Rボタン26bは、ユーザが操作する操作手段を構成する。
【0067】
操作ボタン22の近傍に、前面カメラ30が設けられる。左スティック24aの左側および右スティック24bの右側には、それぞれ音声を出力する左スピーカ25aおよび右スピーカ25b(以下、総称する場合には「スピーカ25」とよぶ)が設けられる。また左スティック24aの下側にHOMEボタン27が設けられ、右スティック24bの下側にSTARTボタン28およびSELECTボタン29が設けられる。
【0068】
[背面部の構成]
図2(b)は、第1情報処理装置10の背面を示す。第1情報処理装置10の背面には、背面カメラ31および背面タッチパッド32が設けられる。背面タッチパッド32は、前面タッチパッド21と同様に、マルチタッチパッドとして構成される。第1情報処理装置10は、前面および背面において、2つのカメラおよびタッチパッドを搭載している。
【0069】
[上面部の構成]
図3(a)は、第1情報処理装置10の上面を示す。既述したように、第1情報処理装置10の上面の左右端側に、Lボタン26a、Rボタン26bがそれぞれ設けられる。Lボタン26aの右側には電源ボタン33が設けられ、ユーザは、電源ボタン33を所定時間(たとえば2秒)以上押下することで、電源をオンまたはオフする。なお第1情報処理装置10は、操作手段が操作されない時間(無操作時間)が所定時間続くと、サスペンド状態に遷移する電力制御機能を有している。第1情報処理装置10がサスペンド状態に入ると、ユーザは電源ボタン33を短時間(たとえば2秒以内)押下することで、第1情報処理装置10をサスペンド状態からアウェイク状態に復帰させることができる。
【0070】
ゲームカードスロット34は、ゲームカードを差し込むための差込口であり、この図では、ゲームカードスロット34がスロットカバーにより覆われている状態が示される。なおゲームカードスロット34の近傍に、ゲームカードがアクセスされているときに点滅するLEDランプが設けられてもよい。アクセサリ端子35は、周辺機器(アクセサリ)を接続するための端子であり、この図ではアクセサリ端子35が端子カバーにより覆われている状態が示される。アクセサリ端子35とRボタン26bの間には、ボリュームを調整するための-ボタン36aと+ボタン36bが設けられている。
【0071】
[下面部の構成]
図3(b)は、第1情報処理装置10の下面を示す。メモリカードスロット37は、メモリカードを差し込むための差込口であり、この図では、メモリカードスロット37が、スロットカバーにより覆われている状態が示される。第1情報処理装置10の下面において、音声入出力端子38、マイク39およびマルチユース端子40が設けられる。マルチユース端子40はUSB(Universal Serial Bus)に対応し、USBケーブルを介して他の機器と接続できる。
【0072】
[左側面部の構成]
図3(c)は、第1情報処理装置10の左側面を示す。第1情報処理装置10の左側面には、SIMカードの差込口であるSIMカードスロット41が設けられる。
【0073】
[第1情報処理装置10の回路構成]
図4は、第1情報処理装置10の回路構成を示す。各構成はバス92によって互いに接続されている。無線通信モジュール71はIEEE802.11b/g等の通信規格に準拠した無線LANモジュールによって構成され、AP2を介して、外部ネットワークに接続する。なお無線通信モジュール71は、ブルートゥース(登録商標)プロトコルの通信機能を有してもよい。携帯電話モジュール72は、ITU(International Telecommunication Union;国際電気通信連合)によって定められたIMT-2000(International Mobile Telecommunication 2000)規格に準拠した第3世代(3rd Generation)デジタル携帯電話方式に対応し、携帯電話網4に接続する。SIMカードスロット41には、携帯電話の電話番号を特定するための固有のID番号が記録されたSIMカード74が挿入される。SIMカード74がSIMカードスロット41に挿入されることで、携帯電話モジュール72は、携帯電話網4との間で通信可能となる。
【0074】
CPU(Central Processing Unit)60は、メインメモリ64にロードされたプログラムなどを実行する。GPU(Graphics Processing Unit)62は、画像処理に必要な計算を実行する。メインメモリ64は、RAM(Random Access Memory)などにより構成され、CPU60が使用するプログラムやデータなどを記憶する。ストレージ66は、NAND型フラッシュメモリ(NAND-type flash memory)などにより構成され、内蔵型の補助記憶装置として利用される。
【0075】
モーションセンサ67は、第1情報処理装置10の動きを検出し、地磁気センサ68は、3軸方向の地磁気を検出する。GPS制御部69は、GPS衛星からの信号を受信し、現在位置を算出する。前面カメラ30および背面カメラ31は、画像を撮像し、画像データを入力する。前面カメラ30および背面カメラ31は、CMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)によって構成される。
【0076】
インタフェース90において、操作部70は、第1情報処理装置10における各種操作手段を含み、具体的には、操作ボタン22、方向キー23、アナログスティック24、Lボタン26a、Rボタン26b、HOMEボタン27、STARTボタン28、SELECTボタン29、電源ボタン33、-ボタン36a、+ボタン36bを含む。前面タッチパッド21および背面タッチパッド32は、マルチタッチパッドであり、前面タッチパッド21は、表示装置20の表面に重ね合わせて配置される。スピーカ25は、第1情報処理装置10の各機能により生成される音声を出力し、マイク39は、第1情報処理装置10の周辺の音声を入力する。音声入出力端子38は、外部のマイクからステレオ音声を入力し、外部のヘッドホンなどへステレオ音声を出力する。
【0077】
ゲームカードスロット34には、ゲームファイルを記録したゲームカード76が差し込まれる。ゲームカード76は、データの書込可能な記録領域を有しており、ゲームカードスロット34に装着されると、メディアドライブにより、データの書込/読出が行われる。メモリカードスロット37には、メモリカード78が差し込まれる。メモリカード78は、メモリカードスロット37に装着されると、外付け型の補助記憶装置として利用される。マルチユース端子40は、USB端子として利用でき、USBケーブル80を接続されて、他のUSB機器とデータの送受信を行う。アクセサリ端子35には、周辺機器が接続される。
【0078】
図5は、第2情報処理装置100の使用環境を示す。表示装置102は、画像を出力するディスプレイおよび音声を出力するスピーカを有するテレビであってよく、またコンピュータディスプレイであってもよい。表示装置102にはカメラ104が設置されており、ユーザが第2情報処理装置100のメイン電源をオンすると、カメラ104で撮影されたユーザの画像が第2情報処理装置100に送られ、第2情報処理装置100が画像認識処理によりユーザを特定する。第2情報処理装置100は特定したユーザのローカルアカウントを用いてログイン処理を行い、またサーバ5が提供するネットワークサービスにネットワークアカウントを用いてサインイン処理を行う。カメラ104は、ステレオカメラであって、第2情報処理装置100が被写体との距離を計測できるようにしてもよい。たとえば複数のユーザが撮影された場合、第2情報処理装置100は、カメラ104の近くにいるユーザのアカウントでログイン、サインインを行ってもよい。
【0079】
表示装置102は、第2情報処理装置100に有線ケーブルで接続されてよく、また無線LAN(Local Area Network)により無線接続されてもよい。入力装置120はゲームコントローラであり、ユーザが入力装置120を操作して操作情報を第2情報処理装置100に供給することで、ゲームが進行する。なお第2情報処理装置100、入力装置120および表示装置102は、一体に形成されて、アプリケーション処理機能を搭載した携帯型端末装置として構成されてもよい。情報処理システム1において、第2情報処理装置100は、ケーブル14に接続されたAP2を介してネットワーク3に接続する。
【0080】
図6は、入力装置120の外観構成を示す。入力装置120は、その筐体表面において、ユーザが操作可能な操作手段として、十字キー121、アナログスティック127a、127bと、4種の操作ボタン126を備える。4種の操作ボタン126は、○ボタン122、×ボタン123、□ボタン124および△ボタン125から構成される。また入力装置120の筐体背面には、左側にL1ボタン129a、右側にR1ボタン129bが設けられている。ユーザは、左グリップ128aを左手で把持し、右グリップ128bを右手で把持して、各操作手段を操作する。
【0081】
入力装置120は、ユーザにより入力された操作信号を第2情報処理装置100に伝送する機能をもち、本実施例では第2情報処理装置100との間で無線通信可能に構成される。入力装置120と第2情報処理装置100は、Bluetooth(ブルートゥース)(登録商標)プロトコルやIEEE802.11プロトコルなどを用いて無線接続を確立してもよい。なお入力装置120は、第2情報処理装置100とケーブルを介して接続して、ユーザにより入力された操作信号を第2情報処理装置100に伝送してもよい。
【0082】
図7は、第2情報処理装置100の機能ブロック図を示す。第2情報処理装置100は、無線インタフェース140、スイッチ142、表示部144、ハードディスクドライブ150、記録媒体装着部152、ディスクドライブ154、メインメモリ160、バッファメモリ170および制御部180を有して構成される。なおハードディスクドライブ150は、大容量の記憶装置の一例であり、フラッシュメモリなどによって記憶装置が構成されていてもよい。表示部144は、表示装置102のディスプレイに表示するデータをバッファするフレームメモリを有する。
【0083】
スイッチ142は、イーサネットスイッチ(イーサネットは登録商標)であって、外部の機器と有線または無線で接続して、データの送受信を行うデバイスである。スイッチ142は無線インタフェース140に接続し、無線インタフェース140は、所定の無線通信プロトコルで入力装置120と接続する。なお無線インタフェース140は、AP2と無線LANで接続してもよい。入力装置120においてユーザから入力された操作信号は、無線インタフェース140、スイッチ142を経由して、制御部180に供給される。
【0084】
<コンテンツダウンロード機能>
図8は、情報処理システム1におけるコンテンツダウンロードの流れを説明するための図である。ユーザAは、第1情報処理装置10aを持って外出している。ユーザAの第1情報処理装置10aは、フレンドとして登録しているユーザBの第2情報処理装置100bにアクセスして、ユーザBがゲームXをプレイしているゲーム映像を見ている。
【0085】
図9は、第1情報処理装置10の表示装置20に表示されるコンテンツ画像を示す。このコンテンツ画像は、ユーザBが現在プレイ中のゲームXのライブ映像であり、ユーザAの第1情報処理装置10aは、ユーザBの第2情報処理装置100bに接続して、第2情報処理装置100bからプレイ映像の配信を受けて再生している。第1情報処理装置10aは、第2情報処理装置100bのIPアドレスをサーバ5から取得する。視聴するコンテンツ画像は、過去にユーザBがプレイしたゲーム映像であってもよい。第1情報処理装置10aはサーバ5に接続し、ユーザBのアクティビティ情報を取得し、ユーザAがアクティビティに含まれる過去のプレイ動画を選択して再生してもよい。なおコンテンツ画像は動画像であってもよく、静止画像であってもよい。
【0086】
図10は、表示装置20に表示されるリンクボタンを示す。本実施例においてリンクボタン174は、ゲームソフトウェアの取得に関する画像として表示され、具体的には、サーバ5へのアクセスを可能とするボタンである。ユーザAがリンクボタン174をタップすると、そのゲームソフトウェアの取得画面へのアクセス要求がサーバ5に送信される。なお第1情報処理装置10aは、携帯電話モジュール72により基地局6に接続して、携帯電話網4およびネットワーク3を介してサーバ5と通信する。サーバ5はアクセス要求を受け付けると、そのゲームソフトウェアを取得するためのページを生成するためのデータ(取得ページ構成データ)を生成し、第1情報処理装置10aに送信する。
【0087】
図11は、表示装置20に表示されるコンテンツ取得画面を示す。取得画面には、コンテンツを購入するための購入ボタン176が設定される。リンクボタン174と同様に、購入ボタン176も、ゲームソフトウェアの取得に関する画像である。コンテンツ取得画面において、ユーザBのプレイ映像が表示され、ユーザAは、プレイ映像を見ながら、購入行動を行うことができる。なお取得画面において、ユーザBのプレイ映像を、他のユーザによるプレイ動画に切り替えられてもよく、ユーザAは、ゲームXがどのようなゲームであるか確かめながら、ゲームXの購入を行える。
【0088】
ユーザAが購入ボタン176を選択すると、第2情報処理装置100aがコンテンツの取得要求をサーバ5に送信する。なおこの例では、コンテンツ取得画面からゲームXの取得要求をサーバ5に送信しているが、
図10に示すリンクボタン174が選択されたときに、コンテンツの取得要求がサーバ5に送信されてもよい。つまりリンクボタン174に、購入ボタン176の役割をもたせてもよい。
【0089】
図8に戻って、サーバ5が取得要求を受け付けると、サーバ5は、保持しているコンテンツ(ゲームソフトウェア)を、第2情報処理装置100aに送信する。つまりサーバ5は、第1情報処理装置10aからコンテンツ取得要求を受け付けると、第2情報処理装置100aを送信先としてコンテンツの送信を行う。これによりユーザAは、屋外においても、屋内の第2情報処理装置100aにコンテンツをダウンロードさせることが可能となる。
【0090】
図12は、第1情報処理装置10においてコンテンツ取得要求を送信するための機能ブロックを示す。
図12に示す構成は、ハードウエアコンポーネントでいえば、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0091】
取得部200は、サーバ5または他のユーザが所有する第2情報処理装置100から、ゲームプレイを記録した画像データ、または現在プレイ中のゲームの画像データを取得する。この画像データには、メタデータとして、プレイされているゲームを特定するための情報(コンテンツID)が含まれている。表示処理部202は、取得した画像データを用いて、表示装置20にゲームプレイの画像を表示する。既述したように、表示されるゲーム映像は、ユーザA以外のユーザが過去にプレイした、または現在プレイ中の動画像であり、ユーザAは、プレイされているゲームXを所有していない。
図9は、表示装置20に表示されているプレイ動画を示している。
【0092】
ユーザAが第1情報処理装置10aに対して所定の操作を行うと、
図10に示すように、表示処理部202は、コンテンツの取得に関する画像を表示する。たとえば、ユーザAがプレイ動画が表示されている表示装置20をタップすると、受付部204が、前面タッチパッド21を通じて、そのプレイ動画が選択されたことを受け付け、表示処理部202が、コンテンツの取得に関する画像を表示する。また、操作部70における所定のボタンが操作されたときに、受付部204が、プレイ動画が選択されたことを受け付けて、表示処理部202がコンテンツの取得に関する画像を表示してもよい。本実施例において、コンテンツの取得に関する画像の1つは、サーバ5へのアクセスを可能とするリンクボタン174である(
図10参照)。なお表示処理部202は、プレイ画像の表示中だけでなく、表示終了後にリンクボタン174を表示してもよい。
【0093】
ユーザがリンクボタン174をタップすると、受付部204は、リンクボタン174が選択されたことを認識し、要求生成部206が、コンテンツの取得に関する要求を生成する。この取得に関する要求は、ゲームソフトウェアの取得画面へのアクセス要求であり、ゲームソフトウェアのコンテンツIDを含む。要求生成部206は、取得部200からコンテンツIDを渡されて、表示装置20においてプレイ動画が表示されている間、そのコンテンツIDを保持している。これにより要求生成部206は、アクセス要求にコンテンツIDを含めることができる。要求生成部206は、ネットワーク3におけるサーバ5のアドレス情報を保持しており、このアドレス情報とアクセス要求を含むパケットを生成する。このパケットは送信部208からサーバ5に送信される。
【0094】
なお
図10においては、プレイ動画にリンクボタン174が重畳表示される例を示したが、リンクボタン174は、オプションメニューに含まれる項目の1つとして表示されてよい。たとえばオプションメニューには、他の項目として、表示画像のコピー、削除などが含まれてよい。またオプションメニューは、画面中の所定のボタン(図示せず)をタップすることで、コンテンツ画像に重畳表示されるようにしてよい。
【0095】
図13は、サーバ5の機能ブロックを示す。サーバ5は、要求受付部220、送信処理部222、コンテンツ探索部224および保持部230を備える。保持部230は、複数のコンテンツを保持している。
【0096】
要求受付部220が第1情報処理装置10aから、コンテンツIDを含むパケットを受信すると、コンテンツ探索部224は、パケットに含まれるコンテンツIDで特定されるコンテンツ(ゲームソフトウェア)が保持部230に存在しているか否かを確認する。コンテンツ探索部224が、保持部230にコンテンツが存在していることを確認すると、当該コンテンツを取得するためのページを生成するためのデータ(取得ページ構成データ)を生成し、送信処理部222が、第1情報処理装置10aに送信する。第1情報処理装置10aにおいて、表示処理部202が、取得ページ構成データを用いて、取得画面を表示装置20に表示する(
図12参照)。取得画面には、コンテンツを購入するための購入ボタン176が設定され、ユーザが購入ボタン176をタップすると、要求生成部206が、コンテンツのダウンロード要求を生成する。このコンテンツのダウンロード要求には、購入するコンテンツの送信先が含まれ、ここで送信先は、要求生成部206において、第2情報処理装置100aとして登録されている。送信部208は、生成したダウンロード要求をサーバ5に送信する。
【0097】
サーバ5において、要求受付部220が、ダウンロード要求を受け付ける。このダウンロード要求には、購入したコンテンツの送信先が含まれており、コンテンツ探索部224が保持部230から、ダウンロード要求により特定されるコンテンツファイルを読み出すと、送信処理部222が、コンテンツファイルを、ダウンロード要求により特定される送信先(第2情報処理装置100a)に送信する。
【0098】
なお、コンテンツの送信先は、ダウンロード要求に含まれていてもよいが、サーバ5において、送信処理部222が予め管理しておいてもよい。ユーザAは、サーバ5に対して、コンテンツのダウンロード先が第2情報処理装置100aであることを予め管理データベースに登録しておき、したがって、この場合は、ダウンロード要求に、コンテンツの送信先が含まれていなくてよい。要求受付部220が、第1情報処理装置10aからダウンロード要求を受け付けると、送信処理部222は、その第1情報処理装置10aに対応付けられている送信先を管理データベースから抽出し、これによりコンテンツファイルを第2情報処理装置100aに送信することができる。
【0099】
なおユーザAは屋外におり、第2情報処理装置100aのメイン電源はオフにされていることがある。そこで送信処理部222は、第1情報処理装置10aからダウンロード要求を受けると、第2情報処理装置100aに対して起動指示を送信してよい。第2情報処理装置100aは、サーバ5から起動指示を受け取ると、自動的にメイン電源をオンにして起動し、またサーバ5に自動サインインする。これにより第2情報処理装置100aは、コンテンツをダウンロードすることができる。このとき第2情報処理装置100aは、起動してダウンロード可能な状態にあることをサーバ5に通知してもよく、この通知を受けて、送信処理部222がゲームXのソフトウェアを第2情報処理装置100aに送信してもよい。また第2情報処理装置100aは、サーバ5から、起動指示を受けた後、さらにゲームXのダウンロード要求が第1情報処理装置10aから発行されたことの通知を受け、第2情報処理装置100aが、この通知をもとに、ゲームXのソフトウェアをダウンロードしてもよい。
【0100】
なお第1情報処理装置10aがダウンロード要求を送信する際に、同時に第2情報処理装置100aに対して起動指示を送信してもよい。第2情報処理装置100aは、第1情報処理装置10aから起動指示を受け取ると、自動的にメイン電源をオンにして起動し、またサーバ5に自動サインインする。これにより第2情報処理装置100aはダウンロードを実行する態勢を整えることができる。
【0101】
図14は、コンテンツをダウンロードして実行する第2情報処理装置100の機能ブロックの一例を示す。第2情報処理装置100は、取得部300、起動制御部310、入力部312、処理ユニット320および記憶部330を備える。取得部300は、指示取得部302およびコンテンツ取得部304を有し、処理ユニット320は、インストール処理部322、実行部324および表示処理部326を有する。記憶部330はディスクドライブ154であってもよいが、他の種類のメモリ装置によって構成されてもよい。
【0102】
図14に示す構成は、ハードウエアコンポーネントでいえば、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0103】
第2情報処理装置100は、メイン電源がオフされたスリープ状態において、通信機能は稼働しており、サーバ5や入力装置120からの指示を受け取れるようになっている。スリープ状態において、指示取得部302は、サーバ5または同一ユーザの第1情報処理装置10から起動指示を取得する。この起動指示を受け取ると、起動制御部310がメイン電源をオンして、第2情報処理装置100を起動し、第2情報処理装置100がコンテンツをダウンロードできる状態となる。
【0104】
第2情報処理装置100aの起動後、コンテンツ取得部304は、サーバ5からゲームXのソフトウェアをダウンロードし、記憶部330に格納する。コンテンツ取得部304は、ダウンロードするゲームソフトウェアの格納場所(URL:Uniform Resource Locator)やコンテンツIDをサーバ5から取得し、その後、即座にゲームXをダウンロードしてもよく、また好適なタイミングでゲームXをダウンロードしてもよい。なおサーバ5は、起動指示を第2情報処理装置100aに送信後、第2情報処理装置100aの起動が完了したことを確認すると、ゲームソフトウェアを第2情報処理装置100aに送信してもよい。いずれにしても第2情報処理装置100aは、ユーザAにより操作されることなく、自動的にゲームXをダウンロードする。これによりユーザAが帰宅したときには、既にゲームXがダウンロードされている状況を作り出すことができる。なおコンテンツ取得部304がコンテンツのダウンロードを終了すると、起動制御部310がメイン電源をオフして、第2情報処理装置100aをスリープさせる。情報処理システム1ではフレンドがユーザAに対してゲームソフトウェアなどのプレゼントを贈ることができるが、ゲームXと同様に、第2情報処理装置100aは、プレゼントを自動的にダウンロードする。ダウンロードされたゲームソフトウェアは、原則としてユーザからの指示によりインストールされ、自動ダウンロードされたゲームソフトウェアは自動的にインストールされない。
【0105】
ユーザAが帰宅すると、第2情報処理装置100aのメイン電源をオンにし、第2情報処理装置100aを起動する。このときユーザAはカメラ104の前に顔を近づけ、第2情報処理装置100aは、カメラ104の撮影画像からユーザAであることを認証する。これにより第2情報処理装置100aは、ユーザAのローカルアカウントで自動ログイン処理およびユーザAのネットワークアカウントで自動サインイン処理を実行する。第2情報処理装置100aのログインおよびサインインが完了すると、表示処理部326は、メニュー画面を表示装置102に表示する。
【0106】
図15は、第2情報処理装置100において表示されるメニュー画面の一例である。本実施例の情報処理システム1では、第2情報処理装置100aは、ユーザAが外出している間にも、サーバ5から様々な情報を供給される。メニュー画面には、様々な項目が並んでおり、ユーザAは、入力装置120を用いて項目を選択すると、入力部312が選択操作を受け付け、表示処理部326が、選択された項目の詳細画面を表示する。
【0107】
図16は、ダウンロード済みゲームのリスト画面を示す。
図15において、ユーザAが「ダウンロード済みのゲーム」を選択すると、表示処理部326は、ダウンロード済みゲームリスト画面を表示装置102に表示する。ここではゲームXがダウンロードされている例を示すが、サーバ5により自発的に提供されたデモゲームがダウンロードされていてもよい。またフレンドによりプレゼントされたゲームソフトウェアがダウンロードされていてもよい。サーバ5が自発的にゲームを提供した場合、そのゲームに対して、サーバ5が推奨するゲームであることを示すコメントが付加されてよい。またフレンドがゲームをプレゼントした場合、そのゲームに対して、贈り主であるフレンド名が付加されてよい。ユーザが入力装置120を用いてゲームXを選択すると、入力部312が選択操作を受け付け、インストール処理部322がゲームXのソフトウェアをインストールする。これによりユーザAが、ゲームXをプレイすることが可能となる。
【0108】
以上のように情報処理システム1では、ユーザが屋外においても、屋内の第2情報処理装置100に、所望のコンテンツ(ゲームソフトウェア)をダウンロードさせることができる。これによりユーザは、帰宅後、すぐにゲームを楽しむことができるようになる。たとえばユーザは、サーバ5に対してダウンロードの完了希望時刻を指定しておき、サーバ5が、その指定時刻に応じて、コンテンツの送信時刻を定めてもよい。
【0109】
なお
図15に示すように、第2情報処理装置100は、サーバ5から様々な情報を提供される。たとえばユーザが「最もポピュラーなゲーム」の項目を選択すると、ユーザは、各ジャンルにおいて世界中で最もプレイされているゲームを知ることができる。このような情報に触れることで、ユーザは、新しいゲームをプレイしたくなり、第2情報処理装置100からゲームソフトウェアをダウンロードする。
【0110】
近年のゲーム開発では、リアリズムが追求されており、ユーザがゲーム世界において、あたかも実際に体験したかのような感覚を味わえるようになっている。リアリズムの追求は、ゲームキャラクタの仕種や表情、また背景描写などの細部にわたり、現実世界と見間違うほどのゲーム世界が実現されている。そのため必然的にゲームソフトウェアのデータサイズも大規模化しており、ゲームソフトウェアのダウンロードに時間がかかることがある。これからゲームをダウンロードしてプレイしようとするユーザAにとって、非常に長いダウンロード時間は苦痛であり、ダウンロードの待ち時間を低減して、ゲームソフトウェアを効率的にダウンロードさせることが好ましい。
【0111】
そこで情報処理システム1では、ゲームソフトウェアを分割してダウンロードできるようにする。以下、たとえば数十GB程度のデータサイズの大きいゲームソフトウェア(ゲームZ)をダウンロードする例を示す。
【0112】
ユーザは、メニュー画面から、「最もポピュラーなゲーム」または「フレンドのアクティビティ」の項目を選択して、自身が所有していないゲームの情報を見る。たとえばアクティビティには、フレンドがプレイしているゲームタイトルが表示され、ユーザが所有していないゲームタイトルの脇には、リンクボタンが表示されてもよい。ユーザがゲームZの情報を見て購入する場合、表示装置20を用いてリンクボタンを選択操作すると、その情報がサーバ5に送信され、サーバ5が、そのゲームZの取得ページ構成データを第2情報処理装置100に送信する。表示処理部326は、取得ページ構成データから、ゲームZの購入画面を生成して表示装置102に表示させる。ゲームの購入画面は、
図11に示したような画面であってよいが、異なる画面であってもよい。ユーザが購入ボタンを選択すると、ゲームZの取得要求がサーバ5に送信され、サーバ5は、ゲームZのソフトウェアを第2情報処理装置100に送信する。
【0113】
ここでゲームZは、複数のステージで構成されており、たとえば第1ステージから順に第100ステージまでが用意されている。従来のゲームインストールでは、ゲームZの全体サイズの全てがダウンロードされてから、そのインストール処理をハードディスクドライブ150に行うため、全体サイズが数十GB程度になると、ダウンロード時間が長くなる。そこでサーバ5は、ゲームソフトウェアを少なくとも2つに分割して保持しておく。
【0114】
図13を参照して、保持部230は、ゲームソフトウェアを、ゲームの一部を実行させるための第1ファイルと、ゲームの全部を実行させるための第2ファイルとして保持している。ゲームの一部とは、100ステージあるうちの少なくとも第1ステージを含み、第1ステージから順にプレイされる複数のステージを含んでよい。ゲームの全部とは、全100ステージである。
【0115】
ゲームソフトウェアは、ゲームを進行させるためのプログラム本体と、プログラム本体により利用されるデータを含む。第1ファイルは、第1ステージをプレイするために必要なプログラム本体と、第1ステージに利用されるデータとを含んで構成されている。すなわち第2情報処理装置100は、第1ファイルをダウンロードしてインストールすれば、少なくともゲームZの第1ステージを実行することが可能となる。
【0116】
サーバ5において要求受付部220がゲームソフトウェアのダウンロード要求を受け付けると、コンテンツ探索部224はゲームソフトウェアを保持部230から読み出し、送信処理部222が第2情報処理装置100に送信する。送信処理部222は、最初に第1ファイルを送信し、第1ファイルの送信終了後に、第2ファイルを送信する。なおゲームソフトウェアの分割数は2つだけでなく、3つ以上に分割されていてもよい。送信処理部222は、ゲームソフトウェアを第2情報処理装置100に送信する際、ゲームソフトウェアを、複数のファイル(ここでは、第1ファイルと第2ファイル)に分割して送ることを第2情報処理装置100に通知する。ここで最初に送信する第1ファイルは、少なくとも第1ファイルをインストールすることで、ゲームの一部を実行することを可能とするファイルである。送信処理部222は、この通知情報を送信した後に、第1ファイルの送信を開始する。
【0117】
コンテンツ取得部304は、通知情報を取得した後、第1ファイルをダウンロードする。コンテンツ取得部304が第1ファイルのダウンロードを完了すると、通知情報から、インストール可能なゲームソフトウェアの一部を取得できたことを判定し、インストール処理部322に対して、インストール可能であることを指示する。通知情報は、サーバ5からダウンロードしてインストールするとゲームを起動できるファイルを特定する情報を含んでいる。ここでは単純に、第1ファイルをダウンロードしてインストールすればゲームを起動できる例を示しているが、第1ファイルは複数のファイルから構成されていてもよい。インストール処理部322は、指示を受けて、第1ファイルを自動でインストールする。インストール処理部322によるインストールが完了すると、表示処理部326は、インストール済みのゲームのリストを表示装置102に表示する。
【0118】
図17は、プレイ可能なゲーム一覧を示す。このゲーム一覧では、ダウンロード済みのゲームが示される。なおプレイ可能なゲームは、ダウンロード後、インストールされたゲームである。この例では、ゲームYのタイトルとそのアイコン画像332a、ゲームXのタイトルとそのアイコン画像332b、ゲームZのタイトルとそのアイコン画像332cが表示されている。ここでアイコン画像332cには、制限マーク334が付加されており、またゲームZのタイトルの脇には、第1ステージをプレイできる旨を示すメッセージが表示されている。
【0119】
表示処理部326は、ゲームソフトウェアのアイコン画像332を表示する際、ゲームソフトウェアの全体がダウンロードされている場合と、そうでない場合とで、アイコン画像323の表示態様を異ならせる。さらに詳細には、表示処理部326は、ゲームソフトウェアの全体がインストールされた場合と、ゲームソフトウェアの一部がインストールされた場合とで、アイコン画像332の表示態様を異ならせる。この例では、制限マーク334を付加するか否かで、表示態様を異ならせている。ゲームソフトウェアは、本来であれば全体をインストールされて、実行されるべきであるところ、情報処理システム1では、ダウンロードの待機時間を減らすために、一部がインストールされた時点でゲームをプレイできるようにしている。そのため、ユーザに対して、まだゲームソフトウェアのフルインストールが完了していないことを通知することが好ましい。
図17では、表示処理部326が、アイコン画像332cに制限マーク334を付加し、また、ステージ数が制限されていることを示すメッセージを付加することで、ユーザへの通知を行っている。このように、アイコン画像332cの表示態様を異ならせることで、ユーザは、まだフルインストールが完了していないことを知ることができる。
【0120】
ユーザが入力装置120を用いてアイコン画像332cを選択すると、入力部312が選択操作を受け付け、実行部324が、ゲームZを実行する。このように情報処理システム1において、コンテンツ取得部304がアプリケーションソフトウェアの全体サイズのうちの一部を取得すると、インストール処理部322が、その取得した一部を自動インストールし、実行部324は、インストールされたアプリケーションソフトウェアを実行可能とする。
【0121】
なお実行部324がアプリケーションソフトウェアを実行している間に、サーバ5は引き続き第2ファイルを第2情報処理装置100に送信し、コンテンツ取得部304は、アプリケーションソフトウェアのダウンロードを継続して行う。このダウンロード処理は、バックグランドで行われ、ユーザは、ダウンロードしていることを意識しなくてよい。なおコンテンツ取得部304は、ダウンロード状況を表示処理部326に逐一通知し、表示処理部326は、ゲーム進行に邪魔にならない領域に、ダウンロード状況を示すプログレッシブバーを表示してもよい。コンテンツ取得部304が第2ファイルのダウンロードを完了すると、表示処理部326は、フルダウンロードが完了したことをユーザに通知することが好ましい。
【0122】
次に、第1ファイルと第2ファイルの関係について説明する。
第1ファイルは、少なくともゲームの最初のステージを実行できるプログラム本体、データを含んでいる。以下、説明を簡単にするために、第1ファイルは第1ステージを実行させるためのファイルであり、第2ファイルは、少なくとも残りのステージを実行させるためのファイルであるとする。
【0123】
1つの態様として、第2ファイルは、ゲームZの全ステージを実行させるためのファイルであってよい。すなわち第2ファイルは、第1ステージから第100ステージまでの全ステージを実行させるゲームソフトウェアであり、第1ファイルは、第1ステージのみを実行させるゲームソフトウェアという関係である。この態様では、第2ファイルをダウンロードするには時間がかかるため、第2ファイルのダウンロードに先行して、第1ファイルをダウンロードさせて、すみやかに第1ステージをプレイ可能とする目的がある。この場合、ユーザが第1ステージをプレイ中に、第2ファイルのダウンロードが終了すると、ユーザは、一旦ゲームをセーブして、第2ファイルをインストール処理部322によりインストールさせる。このとき第1ファイルによるセーブデータの格納領域と、第2ファイルによるセーブデータの格納領域は、記憶部330における同一の領域として設定されている。第1ファイルのインストールデータは記憶部330からアンインストールされるが、第1ファイルと第2ファイルのセーブデータ領域が同一であるため、セーブデータが自動的に第2ファイルのインストールデータに引き継がれる。ユーザは、第2ファイルのゲームソフトウェアを改めて起動することで、ゲームZをプレイすることができる。なお第2ファイルのダウンロードが終了しても、実行部324が第1ファイルのゲームソフトウェアを終了せずに引き続き実行し、インストール処理部322が、第1ファイルのゲームソフトウェアの実行中に自動的に第2ファイルをインストールできるようにしてもよい。第2ファイルのインストール終了後、実行部324は、実行中のゲームを一旦セーブして、第2ファイルのゲームソフトウェアの再起動を促すメッセージを表示し、ユーザがそれに従うと、インストール処理部322が第1ファイルをアンインストールしつつ、実行部324が、第2ファイルのゲームソフトウェアを起動するようにしてもよい。
【0124】
別の態様として、第2ファイルは、ゲームZの残りのステージ(つまり、第2ステージから第100ステージ)を実行させるためのファイルであってよい。このとき第2ファイルは、第2ステージから第100ステージにおいて必要となるプログラム本体や、データを含んで構成される。第2ファイルは、第1ファイルのパッチファイルとしての位置づけであり、第1ファイルに第2ファイルを適用することで、ゲームZの全体のソフトウェアをインストールできる。この場合も、ユーザが第1ステージをプレイ中に、第2ファイルのダウンロードが終了すると、ユーザは、一旦ゲームをセーブして、第2ファイルをインストール処理部322によりパッチ処理させる。ユーザは、ゲームソフトウェアを改めて起動することで、ゲームZをプレイすることができる。
【0125】
さらに別の態様として、第2ファイルはプログラムを含まない。第2ファイルは、第2ステージ以降の画像データ、音声データ、テクスチャなどを含んで構成される。このときファイルは、各ステージごとに用意されてもよく、また複数ステージでまとめられていてもよい。コンテンツ取得部304がファイルをダウンロードすると、インストール処理部322が、所定のディレクトリにファイルを格納していく。インストール処理部322は、実行可能なステージを管理し、実行部324で実行されるゲームに、そのステージ情報を通知する。具体的にインストール処理部322は第1ファイルをインストールすると、第1ステージが実行可能であることを実行部324に通知し、したがってゲームは、第1ステージ以外をプレイできないように制御する。またコンテンツ取得部304が第2ステージを実行させるためのファイルを取得し、インストール処理部322が所定のディレクトリに格納すると、インストール処理部322は、第2ステージが実行可能であることを実行部324に通知する。これによりゲームは、第1ステージおよび第2ステージを実行できるように制御し、それ以外のステージをユーザがプレイできないようにする。このようにインストール処理部322は、ゲームソフトウェアのファイルを逐一格納していき、実行可能となったステージをゲームに通知することで、ゲームは、実行可能なステージをユーザが選択して、プレイさせられるように制御することができる。
【0126】
なお追加データが既に存在しており、データの使用の可否を鍵データの有無によって判断する場合には、ゲームがシステムソフトウェアに対して鍵データの有無を問い合わせ、鍵データが存在する場合に、ゲームがその追加データを使用できるようにしてもよい。
【0127】
以上のように、ゲームZのフルインストールが完了すると、表示処理部326は、
図17に示すアイコン画像332cから制限マーク334を外すことで、フルインストールされたことを表現する。このように表示処理部326は、制限マーク334により、フルインストールされていないかいるかを表現してもよいが、アイコン画像332cの表示態様を異ならせることで表現してもよい。たとえば、フルインストールされていなければ、アイコン画像332cを小さく表示したり、薄く表示することで、フルインストールされたゲームのアイコン画像332とユーザが区別できるようにすればよい。
【0128】
以上、ダウンロード処理について説明したが、ゲームソフトウェアを複数ファイルに分割してサーバ5が送信する処理は、第2情報処理装置100からダウンロード要求があった場合に限定してよい。つまりサーバ5は、ダウンロード要求の送信元と、ゲームソフトウェアの送信先とが同一である場合に、第1ファイルと第2ファイルとを、この順で送信する。一方でサーバ5は、ダウンロード要求の送信元(第1情報処理装置10)と、ゲームソフトウェアの送信先(第2情報処理装置100)とが異なっていれば、ゲームソフトウェアを分割して送信しなくてよい。この場合、ユーザは、すぐにゲームZをプレイするわけではないため、ユーザの待機時間を気にする必要はなく、サーバ5は、ゲームソフトウェアをフルダウンロードさせてよい。このようにサーバ5において送信処理部222は、ダウンロード要求の送信元と、ダウンロード先とが異なる場合には、ゲームソフトウェアを分割することなく送信することが好ましい。
【0129】
<ゲームプレイの参加機能>
以下、他のユーザのプレイに参加する機能について説明する。既述したように、情報処理システム1では、2つの参加の形態をユーザに提供している。1つは、ユーザがゲームを持たないときであっても、他のユーザのプレイに参加するリモートプレイであり、もう1つは、ユーザが第2情報処理装置100でゲームを起動して、他のユーザと一緒にプレイを楽しむマルチプレイである。
【0130】
図18は、情報処理システム1におけるユーザの参加機能を説明するための図である。ユーザBがカーレースのゲームをプレイしており、ユーザAは、第2情報処理装置100aに接続した表示装置102を通じて、第2情報処理装置100bでユーザBがプレイしているゲーム映像を見ている。なおユーザBは、ユーザAのフレンドとして登録されており、ユーザAの第2情報処理装置100aは、サーバ5からユーザBの第2情報処理装置100bのIPアドレスを取得して、第2情報処理装置100bに接続する。以下、ユーザAの表示装置102を表示装置102a、ユーザBの表示装置102を表示装置102bと呼ぶ。
【0131】
図19は、ユーザBの第2情報処理装置100bから表示装置102bに出力されるゲーム映像を示す。ユーザAの第2情報処理装置100aが第2情報処理装置100bからゲーム映像のストリーミング配信を受けているとき、ユーザBの表示装置102bにはユーザAのアイコンなどが表示されて、第2情報処理装置100bは、ユーザBに、ユーザAがゲーム映像を見ていることを知らせてもよい。なおユーザBの第2情報処理装置100bは、第2情報処理装置100aに対して、実際のプレイ映像よりも画像解像度を下げた画像データを生成し、送信する。なお通信回線速度が高速であれば、実際のプレイ映像と同一の画像解像度の画像データを送信してもよい。
【0132】
図20は、ユーザAの第2情報処理装置100aの機能ブロックを示す。第2情報処理装置100aは、取得部300a、入力部312aおよび処理ユニット320aを備え、取得部300aは、画像データ取得部306aおよび操作情報取得部308aを有し、処理ユニット320aは、表示処理部326a、参加処理部340a、送信部342aおよび実行部324aを有する。
【0133】
図21は、ユーザBの第2情報処理装置100bの機能ブロックを示す。第2情報処理装置100bは、取得部300b、入力部312bおよび処理ユニット320bを備え、取得部300bは、操作情報取得部308bを有し、処理ユニット320bは、表示処理部326b、参加処理部340b、送信部342b、実行部324bおよび画像データ生成部344を有する。
【0134】
図20および
図21に示す構成は、ハードウエアコンポーネントでいえば、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0135】
なお
図20および
図21に示す構成は、参加するユーザの第2情報処理装置100aに必要な構成と、参加を受けるホストユーザの第2情報処理装置100bに必要な構成に相当する。したがって実際には、1台の第2情報処理装置100が、
図20および
図21に示す両方の構成および機能を有しているのであり、本明細書では、説明の便宜上、これらの構成を分けて記載しているに過ぎない。なお第2情報処理装置100が、
図14に示す構成を有していることは既述したとおりであり、
図14、
図20、
図21における符号のうち、アルファベット(aまたはb)を除いた数字が同じとなる符号により特定される構成は、同一または同様の構成を示している。
【0136】
まず
図21に示す第2情報処理装置100bにおいて、実行部324bは、ユーザBによる入力装置120の操作情報に応じて、カーレースゲームを実行している。実行部324bはゲーム映像を生成して、表示処理部326bが表示装置102bに表示する。
図19は、このゲーム映像の一例を示している。
【0137】
ユーザBのゲームプレイ中、ユーザAの第2情報処理装置100aはユーザBの第2情報処理装置100bにアクセスして、第2情報処理装置100bからゲーム映像の配信を受ける。このとき第2情報処理装置100bにおいて、画像データ生成部344は、ゲーム映像から配信用の画像データを生成する。表示処理部326bが表示装置102bに出力するゲーム映像は、ユーザBの表示装置102bに合わせて生成されている。そのため、このゲーム映像をそのままネットワーク3経由で第2情報処理装置100aに送信すると、データ量が大きく、第2情報処理装置100aがゲーム映像をリアルタイムで表示することが困難なことが想定される。そこで画像データ生成部344は、データサイズを小さくした画像データを生成して、送信部342bが第2情報処理装置100aに送信する。
【0138】
第2情報処理装置100aにおいて、画像データ取得部306aは、ユーザBのゲームプレイの画像データを取得し、表示処理部326aが、リアルタイムで表示装置102aにプレイ動画を表示する。これによりユーザAは、ユーザBのゲームプレイをリアルタイムで見ることができる。
【0139】
図22は、ユーザAの第2情報処理装置100aから表示装置102aに出力されるゲーム映像を示す。表示処理部326aは、ユーザBのプレイ映像を、表示装置102aの一部の領域に表示する。ここでは、中央に表示している例を示しているが、表示面の左端または右端に表示してもよい。たとえばユーザAが、ユーザBのプレイ映像を見る以外にも、別のアプリケーションを実行しているような場合には、そのアプリケーションの実行画面が中央に表示されて、ユーザBのプレイ映像はディスプレイの隅の方で表示されることが好ましい。
【0140】
ユーザAは、表示装置102aにてユーザBのプレイ映像を見ている状態で、入力装置120を操作してユーザBに対して参加要求を送信することができる。たとえば表示装置102aにてプレイ映像が表示されている領域を選択すると、参加処理部340aが、ユーザBの第2情報処理装置100bに対して参加要求を送信してもよい。第2情報処理装置100bにおいて、ユーザBがユーザAの参加を許可する場合には、参加処理部340bが、ゲームプレイ用のセッションIDを第2情報処理装置100aに対して返信する。第2情報処理装置100aにおいて、参加処理部340aがセッションIDを取得することで、ユーザAがユーザBのゲームプレイに参加可能となる。
【0141】
なおセッションIDは、サーバ5により生成されてもよい。参加処理部340bがセッション作成指示を生成し、送信部342bがサーバ5に送信すると、サーバ5は作成指示にしたがってセッションを作成し、セッションIDを送信する。これにより情報処理システム1において、リモートプレイおよびマルチプレイのセッションが管理されることになる。以下では、第2情報処理装置100aと第2情報処理装置100bとがセッションIDを用いて直接データを送受信する例を示すが、既述したようにサーバ5を介してデータを送受信してもよい。
【0142】
なお以上はユーザAが参加要求を送信する場合であるが、ユーザBが、ユーザAをゲームプレイに招待してもよい。第2情報処理装置100bにおいて参加処理部340bが招待状を生成して送信部342bが第2情報処理装置100aに送信し、第2情報処理装置100aにおいて、表示処理部326aが、ユーザBから招待があった旨のメッセージを表示装置102aに表示する。これを見てユーザAが参加を希望する場合には、参加処理部340aが参加を受諾する参加要求を生成して、送信部342aが第2情報処理装置100bに送信する。これを受けて、第2情報処理装置100bにおいて送信部342bは、ゲームプレイ用のセッションIDを第2情報処理装置100aに対して返信する。このようにユーザAの参加に際しては、ユーザAおよびユーザBのいずれからも参加に関する手続を主体的にとることができる。
【0143】
なお、以上は第2情報処理装置100bがホストとなってユーザAの参加手続を行う例を示したが、サーバ5がホストとなってユーザAの参加手続を行ってもよい。またユーザBのライブ映像は、第2情報処理装置100bから第2情報処理装置100aに直接配信されることを説明したが、第2情報処理装置100bからサーバ5経由で第2情報処理装置100aに配信されてもよい。なお、参加の手続や映像の配信手法については、既に公知の技術を利用すればよく、以下では、第2情報処理装置100aの参加処理部340aがユーザAを、第2情報処理装置100でプレイされているゲームに参加させたことを前提として、リモートプレイおよびマルチプレイの説明を行う。
【0144】
リモートプレイにおいて、ユーザAは、カーレースのゲームソフトウェアを有していない。リモートプレイでは、ユーザAによる入力装置120の操作情報が、ユーザBの第2情報処理装置100bに送信され、第2情報処理装置100bが、ユーザAの操作情報を、ゲームの処理に反映させ、その反映したゲーム画像を第2情報処理装置100aに送信して、表示装置102aから出力させる。
【0145】
ユーザAが入力装置120を操作すると、入力部312aが受け付けた操作情報が、送信部342aから、ユーザAのネットワークアカウントおよびセッションIDとともにパケットとして第2情報処理装置100bに送信される。第2情報処理装置100bにおいて、実行部324bは、パケットに含まれるユーザAのネットワークアカウントにより、ユーザAから送信されたものであることを特定し、またパケットに含まれるセッションIDによりカーレースゲームの操作情報であることを特定する。これにより実行部324bは、ユーザAの操作情報に応じてゲームを進行させる。つまり第2情報処理装置100bにおいて実行部324bは、ユーザAというプレイヤが一人増えたものとして、ゲームの処理を行えばよい。実行部324bは、ユーザAおよびユーザBからの操作情報に応じて、ゲームを進行する。画像データ生成部344は、ユーザAの第2情報処理装置100a用の画像データを生成して、送信部342bが第2情報処理装置100aに送信する。これにより、送信部342bから送信される画像データは、ユーザAの操作情報がゲーム進行に反映されたものとなる。
【0146】
第2情報処理装置100aにおいて、画像データ取得部306aが画像データを取得し、表示処理部326aが画像データを用いて、ユーザAの操作情報が反映されたゲームプレイの画像を表示装置102aに表示する。このようにリモートプレイによると、ユーザAの第2情報処理装置100aに、カーレースのゲームソフトウェアがインストールされていなくても、ユーザAは、カーレースゲームをプレイできる。
【0147】
なおリモートプレイにおいて、表示装置102aおよび表示装置102bは、同じシーンのプレイ映像が表示されてよい。なお既述したように、表示装置102aに表示する画像データは、表示装置102bに表示する画像データに比べて低い解像度となっている。
【0148】
図23は、ユーザAの表示装置102aおよびユーザBの表示装置102bにおいて表示されるゲーム画像である。このように、解像度は違うが、表示装置102aおよび表示装置102bにおいて、同じシーンを表現したゲーム画像がリアルタイム表示されてよい。
図23に示すゲーム画像は、ユーザAの操作情報が直接反映されるゲーム画像350aと、ユーザBの操作情報が直接反映されるゲーム画像350bとに分割されて表示されている。なおゲーム画像350aに、ユーザBの操作情報が間接的に反映されていてもよく、同様にゲーム画像350bに、ユーザAの操作情報が間接的に反映されていてもよい。
【0149】
ここでゲーム画像350aが表示装置102aに表示され、ゲーム画像350bが表示装置102bに表示されるようにしてもよい。このとき第2情報処理装置100bにおいて実行部324bは、ユーザA用のゲーム画像と、ユーザB用のゲーム画像とを生成し、表示処理部326bは、ユーザB用のゲーム画像を表示装置102bに表示し、画像データ生成部344は、ユーザA用のゲーム画像から解像度を下げた画像データを生成して送信部342bが第2情報処理装置100aに送信し、第2情報処理装置100aにおいて、表示処理部326aが、ユーザA用のゲーム画像を表示装置102aに表示する。これにより各ユーザは、自身のゲーム画像のみを見ることができるようになる。なお
図23に示すように他人のゲーム画像を見たい場合には、各ユーザは、入力装置120の表示切替ボタンを押すことで、画面を切り替えることが可能である。
【0150】
上記した例では、ユーザAとユーザBとがカーレースゲームを対戦する例を示した。このような参加形式とは異なり、参加処理部340aは、ユーザBの代わりにユーザAをゲームに参加させることも可能である。たとえば格闘ゲームをする場合に、ユーザBがどうしても倒せない敵キャラクタがいた場合、ユーザBが、ユーザBのプレイヤキャラクタの操作をユーザAに任せるようなケースである。このとき第2情報処理装置100bにおいて参加処理部340bは、ユーザBの代わりにプレイ可能であるかを問い合わせる招待状を生成して送信部342bが第2情報処理装置100aに送信し、ユーザAが受諾する場合に、参加処理部340aが、参加可能である旨を伝える。このとき、ユーザBが入力装置120に所定の操作をすることで、実行部324bは、プレイヤの切替処理を行い、ユーザBからの操作情報ではなく、ユーザAからの操作情報を用いてゲームソフトウェアを実行する。なおユーザBは、入力装置120に所定の操作をすることで、プレイヤの切替を行い、プレイヤをユーザAからユーザBに戻すことができる。
【0151】
ユーザBが、代わりのプレイヤを探す場合、参加処理部340bは、ユーザBの代わりにゲームプレイをしてくれるユーザを探すためのリクエスト(交替リクエストと呼ぶ)を生成して、送信部342bがサーバ5に送信してもよい。(以下の例では、ユーザAとユーザBとがフレンドの関係にない場合を想定している。なお両者はフレンドの関係にあっても構わない。)サーバ5は、そのような交替リクエストを管理している。たとえばユーザAの参加処理部340aは、ユーザAの指示によりサーバ5から交替リクエストのリストを取得し、そのリストの中から、ユーザBを選択すると、参加処理部340aが、選択したユーザの第2情報処理装置100bとの間で、参加処理を実行する。このときユーザAやユーザBの氏名は、互いに非公開とされていてもよい。このような交替リクエストを生成したユーザBと、交替リクエストに応じたユーザA(ヘルパとよぶ)との関係は、サーバ5において保持される。これにより、一方のユーザが他方のユーザをフレンド登録できるようになる。なお、交替リクエストには、そのゲームシーンを表すプレイ動画が含まれていることが好ましく、これによりユーザは、プレイ動画を見て、過去にプレイ経験のあるゲームシーンであるか判断し、プレイ経験がある(自信がある)場合に、ヘルパとして名乗り出ることができる。
【0152】
次に、マルチプレイについて説明する。マルチプレイにおいて、ユーザAは、カーレースのゲームソフトウェアを有している。マルチプレイの開始前、ユーザAの表示装置102aには、
図22に示すように、ユーザBのプレイ映像が表示されている。マルチプレイでは、ユーザAもカーレースのゲームソフトウェアを起動し、ユーザAの第2情報処理装置100aと、ユーザBの第2情報処理装置100bとの間で、入力された操作情報を互いに送信しあう。このようにマルチプレイでは、ユーザAおよびユーザBの操作情報が、それぞれの第2情報処理装置100aおよび第2情報処理装置100bにおいて処理され、双方におけるゲーム進行に反映される。それぞれの送信部342a、342bが、操作情報にネットワークアカウントとセッションIDを含めたパケットを送信することで、両者の操作情報を反映したゲーム画像を、それぞれの実行部324a、324bが生成できる。
【0153】
本実施例の第2情報処理装置100aは、マルチプレイの開始時の好適なインタフェースを提供する。ユーザAの第2情報処理装置100aは、ユーザAの入力装置120の操作入力に基づいて自発的に参加要求をユーザBの第2情報処理装置100bに送信し、または第2情報処理装置100bから送信された招待状に応答する形で参加要求を第2情報処理装置100bに送信する。第2情報処理装置100bが参加要求に対して参加を許可し、セッションIDを第2情報処理装置100aに送信すると、ユーザAは、マルチプレイに参加可能となる。このときユーザAは、ゲームを起動することになるが、ゲームの起動開始から起動完了してゲームがプレイできるようになるまでには、少なくとも数十秒程度の時間が必要となる。
【0154】
通常、ゲームソフトウェアを起動する際には、ゲームに予め設定されている起動画面が表示される。ユーザBから参加許可を受けた後、ゲームソフトウェアを起動する際に、ゲーム起動画面が表示装置102aの全面に表示されると、その間、ユーザAは起動が完了するまで待機するしかない。そこで情報処理システム1では、ゲームソフトウェアの起動時間を、ユーザAが退屈に感じないように過ごさせることのできるユーザインタフェースを提供する。
【0155】
具体的に、ユーザAがゲームに参加することが決定した後、入力装置120を操作してゲームソフトウェアの起動を指示すると、実行部324aが、そのゲームソフトウェアの起動を開始する。なお参加が決定したことにより、実行部324aが、そのゲームソフトウェアの起動を自動的に開始してもよい。実行部324aがゲームソフトウェアを起動している間、表示処理部326aは、ユーザBのゲームプレイの画像を表示し続ける。このときゲームソフトウェアの起動処理はバックグランドで行われ、起動画面は表示装置102aに表示されなくてよい。これによりユーザAは、ユーザBのプレイ映像を見ながら、ゲームソフトウェアの起動が終了するのを待機することができ、ユーザAが退屈しないユーザインタフェースを実現できる。なお表示処理部326aは、ゲームソフトウェアの起動が完了するまで、ユーザBのゲームプレイの画像を表示し続ける。
【0156】
表示処理部326aは、実行部324aがゲームソフトウェアを起動している間、ユーザBのゲームプレイの画像の表示サイズを大きくしていってもよい。具体的に、ゲームソフトウェアの起動前、表示処理部326aは、
図22に示す表示サイズでプレイ画像を表示しているが、ゲームソフトウェアの起動が完了するときには、この表示サイズが表示装置102aの画面全体に広がっており、起動完了後に、ユーザAが、そのままシームレスにゲームに参加できるような態様で、ユーザBのプレイ画像が表示される。プレイ画像がディスプレイ全面に表示されるときには、ユーザAのプレイヤキャラクタも画面内に存在し、その瞬間からマルチプレイが開始されるようにしてもよい。このようにシームレスにユーザAがゲームに参加できるようにすることで、ユーザAは、退屈することなくゲームソフトウェアの起動終了を待つことができる。
【0157】
なおゲームソフトウェアの起動に要する時間は、予めゲームに設定されていて、その時間をもとに表示処理部326aは、プレイ画像を拡大していく。たとえば設定時間が30秒であれば、ゲームソフトウェアの起動開始後から30秒後にプレイ画像がディスプレイの全面に表示されるように、プレイ動画を拡大する速度を調整する。なお表示処理部326aは、過去の起動時間の計測値を保持しておき、その計測時間をもとにプレイ画像を拡大していってもよい。
【0158】
なお、ユーザAがカーレースのゲームを所有している場合、ユーザAは、マルチプレイとリモートプレイの両方で参加することができる。このときユーザAは、いずれの形態で参加してもよい。なおユーザBが招待する場合には、ユーザBが参加形態を決定してもよい。
【0159】
この点について、ユーザAの表示装置102aに表示される画質に注目すると、マルチプレイの方が、リモートプレイよりも高品質な画像が提供される。そのためマルチプレイとリモートプレイの両方で参加できる場合には、マルチプレイの参加のみが認められるようにしてもよい。いずれにしても、第2情報処理装置100aが送信する参加要求、または第2情報処理装置100bが送信する招待状には、ユーザAの参加形態が含まれていることが好ましく、その参加形態によって、ユーザBまたはユーザAが参加の是非を検討する。ユーザBは、ユーザAのアクティビティ情報から、マルチプレイが可能であるか判断してもよく、またこの判断は、参加処理部340bが行ってもよい。
【0160】
第2情報処理装置100aから参加要求を送信する場合について説明する。第2情報処理装置100aにおいて、参加処理部340aは、参加を要求するゲームが第2情報処理装置100aにインストールされているか否かを把握している。したがって、参加処理部340aは、ユーザAに対して、リモートプレイでの参加を要求するか、またはマルチプレイでの参加の要求するかを選択させ、選択されたプレイ形態で、参加を要求する。この参加要求を受けて、第2情報処理装置100bにおける表示処理部326bは、参加要求の内容を表示装置102bに表示し、ユーザBが参加の許否を判断する。たとえばユーザAがマルチプレイでの参加を要求し、ユーザBがユーザAの参加を許可すると、両者はマルチプレイでゲームを行うことになる。このとき、ユーザBが、ユーザAのマルチプレイでの参加は許可せず、リモートプレイでの参加なら許容するという場合には、参加処理部340bは、リモートプレイでの参加を招待する招待状を生成して、送信部342bが招待状を第2情報処理装置100aに送信する。
【0161】
第2情報処理装置100bから招待状を送信する場合について説明する。参加処理部340bは、第2情報処理装置100aに対して、当該ゲームを有しているか否かを問い合わせる。なおサーバ5が第2情報処理装置100aにインストールされているゲームを管理している場合には、参加処理部340bは、サーバ5から、ユーザAの第2情報処理装置100aにインストールされているゲームリストを取得し、また当該ゲームがインストールされているか問い合わせてもよい。これにより第2情報処理装置100aに当該ゲームがインストールされていることを参加処理部340bが認識すると、参加処理部340bは、ユーザBに対して、ユーザAのリモートプレイでの参加を招待するか、またはマルチプレイでの参加を招待するかを選択させ、選択されたプレイ形態でユーザAを招待する。この招待を受けて、第2情報処理装置100aにおける表示処理部326aは、招待の内容を表示装置102aに表示し、ユーザAが参加の是非を判断する。
【0162】
なお、第2情報処理装置100aに当該ゲームがインストールされていないことを参加処理部340bが認識すると、参加処理部340bは、ユーザAがマルチプレイで参加できないことが分かる。そのため参加処理部340bは、ユーザBに対して、リモートプレイでの参加を招待するか確認する。
【0163】
なお参加処理部340bは、第2情報処理装置100aにインストールされたゲームを把握することなく、招待状を発行してもよい。たとえばユーザBが、ユーザAのマルチプレイでの参加を招待した場合、第2情報処理装置100aにおける参加処理部340aは、当該ゲームを有していなければ、その旨の回答を生成して送信部342aが、回答を第2情報処理装置100bに送信する。一方、当該ゲームを有していれば、表示処理部326aが、招待の内容を表示装置102aに表示する。このように、参加処理部340aが、招待を受けたゲームをインストールされているか否かを判断し、その判断結果に応じて、招待内容を表示させるか、または指定された形態では参加できないことを第2情報処理装置100bに回答するかを決定してもよい。
【0164】
以上は、ユーザAが、ホストユーザBの同意を得て、マルチプレイに参加する例について説明した。別の例では、ユーザAは、ホストユーザBの同意を得ることなくゲームに参加するマルチプレイを提案する。ホストユーザBは、ユーザAがゲームに参加していることを知らないため、あくまでもシングルプレイとしてゲームを進行している。
【0165】
第2情報処理装置100bにおいて、実行部324bは、ゲームソフトウェアを実行し、ユーザBの操作情報に応じてゲーム空間内でプレイヤキャラクタを動作させている。このとき第2情報処理装置100aにおいて、実行部324aは、同じゲームソフトウェアを実行し、ユーザAの操作情報に応じてゲーム空間内でゲームキャラクタを動作させる。ここで参加処理部340aは、ユーザAが操作するゲームキャラクタを、第2情報処理装置100bでプレイされているゲームに参加させる。この参加は、ユーザBに知られないようにし、したがって、ユーザAのゲームキャラクタは、ユーザBのゲーム中、いつの間にかゲームに忍び込んだ状態となる。
【0166】
ユーザAは、ユーザBのプレイヤキャラクタを助けることもでき、また邪魔することもできる。ゲームには、ユーザAのゲームキャラクタの行動を評価するための条件が予め設定されている。ゲームキャラクタの評価条件は、少なくとも2つの指標に関して設定されており、第1の指標は、プレイヤキャラクタに対する協力的なプレイを評価し、また第2の指標は、プレイヤキャラクタに対する非協力的な(邪魔な)プレイを評価する。このようにゲームにおいて評価条件は、プレイヤキャラクタに対するゲームキャラクタの振る舞いに関して設定されている。
【0167】
たとえば第1の指標における評価条件は、参加ユーザAのゲームキャラクタが、プレイヤキャラクタの敵を所定数倒すこと、また特定の敵を倒すこと、などとして設定されている。一方で第2の指標における評価条件は、参加ユーザAのゲームキャラクタが、プレイヤキャラクタに所定回数攻撃をヒットさせること、所定ポイント以上のダメージを与えること、所定のアイテムをとらせないこと、などとして設定されている。
【0168】
第2情報処理装置100aにおいて、実行部324aは、ユーザAのゲームキャラクタの行動が、設定されている評価条件を満たすと、満たした条件を特定する情報(条件ID)を送信部342aに渡し、送信部342aが、ユーザAのネットワークアカウントとともに条件IDをサーバ5に送信する。なお評価条件の成立判定は、第2情報処理装置100bにおける実行部324bによって行われてもよく、この場合は、送信部342bが、ユーザAのネットワークアカウントとともに条件IDをサーバ5に送信する。
【0169】
図24は、サーバ5の機能ブロックを示す。条件ID取得部232は、条件IDを受け付け、プロファイル生成部234は、受け付けた条件IDの種類に応じて、ユーザのプロファイル情報を更新する。ここで格納部236は、条件IDと、条件IDの種類およびレベル値とを対応付けたテーブルを格納している。条件IDの種類は、その条件IDが第1の指標に関するものであるか、または第2の指標に関するものであるかを特定する。レベル値は、プレイしたことに対するレベルの上昇分であり、たとえば第2情報処理装置100から受け取った条件IDが第1の指標に関するものであれば、プロファイル生成部234は、蓄積されている第1の指標のレベルを、その条件IDのレベル値分だけ上昇させる。このように、プロファイル生成部234は、受け付けた条件IDに応じて、第1の指標または第2の指標のレベル値を上昇させて、プロファイル情報を更新し、格納部236に格納する。
【0170】
プロファイル生成部234は、参加されたユーザBのゲームに対する習熟度も加味して、レベル値を決定してもよい。たとえばゲームに対する習熟度は、トロフィなどの取得状況に応じて判断される。知らないうちにゲームに参加されたユーザは、そのゲームに非常に習熟していたり、また、ほとんどそのゲームをやらない人であったりと様々である。ユーザBが習熟度の高いプレイヤである場合、ユーザBからすると、ユーザAが操作する敵キャラクタが通常とは異なる動きをすることで、そのゲームを飽きずにプレイでき、これまでにない経験をできる。一方で、ユーザBが素人であれば、参加するユーザAは、ユーザBのプレイヤキャラクタをサポートするようなプレイを行うことになる。ユーザBの習熟度(力量)に応じて、プロファイル生成部234は、ユーザAのレベル上昇分を決定してもよい。たとえば、ユーザBの習熟度が高い場合、プロファイル生成部234は、ユーザAのプレイに対してテーブルに設定されたレベル値をそのまま適用し、習熟度が低い場合、設定されたレベル値に1未満の数字を掛けた値で、プロファイル情報を更新してもよい。
【0171】
図25は、プロファイル生成部234により生成されるプロファイル情報の一例である。プロファイル生成部234は、それぞれの指標に対応するレベル値を設定する。このプロファイル情報によると、ユーザAは、協力的なプレイをする傾向が強いことが分かる。そこでサーバ5は、このプロファイル情報を用いて、ユーザAが好みそうなゲームを奨めたり、また似たようなプレイ傾向のユーザとのマルチプレイを奨めるなど、ユーザAの嗜好に合わせた楽しみ方を提供することも可能となる。
【0172】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0173】
実施例において、取得ページ構成データをサーバ5から取得するためのリンクボタン174について説明した。実施例では、第1情報処理装置10においてリンクボタン174が表示されることを示したが、第2情報処理装置100において、プレイ動画またはライブ映像に関連づけてリンクボタン174が表示されてよい。
【0174】
他のユーザのライブ映像やプレイ動画を表示する際、リンクボタン174は、その動画に関連づけて表示され、ユーザの操作によらず、常に表示されるようにしてもよい。またリンクボタン174は、取得ページ構成データへのリンクのみならず、動画に応じて様々なボタンとして表示されてよい。
【0175】
第2情報処理装置100において、表示処理部326は、表示されているプレイ動画(ライブ映像)と、その動画のゲームとの関係を調査する。たとえばプレイ動画がゲームYの映像である場合、表示処理部326は、第2情報処理装置100においてダウンロードまたはインストールされているゲームのリストを参照して、ダウンロードされたゲームのリストにゲームYが含まれているか判定する。このときゲームYがダウンロードされていなければ、ゲームYのプレイ動画に関連して、購入行動につながるリンクボタン174を表示させる。
【0176】
一方で、ゲームYがダウンロードはされているが、インストールをされていない場合、表示処理部326は、プレイ動画に関連づけて、インストールさせるためのボタンを表示する。これによりユーザは、ゲームYが未インストールであることを知り、インストールボタンを押すことで、ゲームYをインストールしてプレイできることを認識する。またゲームYがインストール済みである場合、表示処理部326は、プレイ動画に関連づけて、プレイさせるためのボタンや、フレンドと対戦するスケジュールをたてるためのボタンを表示する。プレイボタンを押せば、ゲームYが起動し、スケジュールボタンを押せば、フレンドとの対戦のスケジューリングができるようになる。このように、プレイ動画に表示されているゲームが、第2情報処理装置100においてどのような状態にあるか、すなわちダウンロード済みであるか否か、インストール済みであるか否か、の状態に基づいて、表示処理部326は、ユーザを次の行動に促すためのボタンを、プレイ動画に関連づけて表示する。
【0177】
実施例において、第2情報処理装置100におけるセーブデータの格納領域は記憶部330に生成することを示したが、セーブデータは、ユーザのネットワークアカウントに紐付けられてサーバ5に記憶されてもよい。セーブデータをサーバ5に記憶することで、ユーザは、第1情報処理装置10および第2情報処理装置100の双方からセーブデータにアクセスすることができ、また友人の家でゲームプレイする場合にも、ネットワークアカウントを用いてサインインすることで、サーバ5に記憶したセーブデータを利用することが可能となる。
【0178】
また第2情報処理装置100を最初に起動する際、ユーザはディスプレイの表示形式や音声出力などの設定情報を第2情報処理装置100に登録するが、この設定情報もサーバ5に登録されてよい。これによりユーザが第2情報処理装置100を買い替えた場合など、サーバ5から設定情報を第2情報処理装置100に読み込ませることで、手動による入力の手間を省略することが可能となる。
【0179】
また実施例においてユーザが、リモートプレイまたはマルチプレイの態様でゲームに参加できることを示した。第2情報処理装置100において参加処理部340は、ネットワーク上で誰がどのゲームをプレイしているか探索して閲覧可能とする機能を有してもよい。参加処理部340は、第2情報処理装置100にインストールされているゲームであって、且つ、ネットワーク上において参加可能な態様で実行されているゲームセッションを探索し、検出したゲームセッションを特定する情報を表示してもよい。これによりユーザは、フレンド登録していない他のユーザとの間でゲームを一緒にプレイすることができるようになる。
【0180】
また実施例においてサーバ5がゲームソフトウェアを第1ファイルと第2ファイルに分割して送信する場合に、第1ファイルのゲームソフトウェアの実行中に、インストール処理部322が第2ファイルのインストール処理を実行できることを説明した。これは、このケースに限らず、たとえば実行部324がゲームソフトウェアを実行中に、インストール処理部322がダウンロードコンテンツを記憶部330にインストールし、インストール後、実行部324は、実行中のゲームソフトウェアを終了することなく、インストールされたコンテンツを利用できることが好ましい。
【0181】
また実施例においてユーザがメニュー画面から所定の項目を選択することで、ゲームをプレイできることを説明した。第2情報処理装置100においては、ゲーム起動用のユーザインタフェース(UI)を別途用意し、ユーザがそのUIからゲームを起動できるようにしてもよい。
【0182】
図26は、ゲーム起動用UIの一例を示す。表示処理部326がゲーム起動用UIを表示装置102に表示する。ゲーム起動用UIにおいては、ゲームのアイコンを一列に配置したタイトル表示領域400が設けられる。ユーザは入力装置120を用いて、一列に配置されたゲームアイコンを左または右に動かすことができる。タイトル表示領域400には、所定数(たとえば4つ)を上限とするゲームアイコンが配置され、このうち左から2番目のアイコン表示領域は、フォーカス領域410に定められる。ここでは、左からゲームY、ゲームX、ゲームZ、ゲームAの4つのアイコンが配置されており、ゲームXのアイコンがフォーカス領域410に位置している。この状態でユーザが入力装置120の所定の決定ボタンを押すと、ゲームXが起動される。
【0183】
なお取得部300は、フォーカス領域410に位置するゲームタイトルに関して、サーバ5から所定の情報を取得する。ここでは取得部300が、ゲームXをプレイ中のフレンドを特定する情報と、フレンドの1人のゲームプレイの画像データを取得する。表示処理部326は、フレンド表示領域402a、402bにゲームXをプレイ中のフレンドを特定する情報を表示し、プレイ画像表示領域404にフレンドの1人がプレイしているゲーム映像を表示する。なお表示処理部326は、ゲーム起動履歴表示領域406にユーザの過去のプレイ履歴などを表示してもよい。
【0184】
このようにゲーム起動用UIにおいては、フォーカス領域410に位置するアイコンのゲームに関して、表示処理部326が、様々な情報をユーザに提示するようにする。なお表示処理部326が、何の情報を表示するかは、ゲームごとに設定されていてよい。具体的には、タイトル表示領域400以外の表示領域のレイアウトを特定するファイル、および表示対象を定義するリソースファイルなどを含む表示用ファイルがゲームごとに用意されており、表示処理部326は、この表示用ファイルを参照することで、タイトル表示領域400以外の表示領域に、ゲームごとにカスタマイズされた表示対象を配置する。
【0185】
ユーザは、フォーカス領域410にゲームアイコンを移動することで、そのゲームに関する情報を簡単に知ることができるようになる。なお
図26に示したゲーム起動用UIは一例であり、たとえばタイトル表示領域400は、画面の縦方向に表示され、ゲームアイコンが縦方向にスクロールされるようにしてもよい。
【0186】
なお、タイトル表示領域400に表示されるゲームアイコンは、インストール済みのゲームのものに限られず、たとえばダウンロード前のものであってもよい。ユーザは、ゲームをダウンロードしていなくても、そのゲームの表示用ファイルをダウンロードすることができ、したがって表示処理部326は、ダウンロード前のゲームのアイコン画像をタイトル表示領域400に並べることができる。たとえば表示処理部326は、表示用ファイルにしたがってゲームの購入画面へのリンクボタンを表示してもよく、またゲームの紹介動画などを表示してもよい。なお表示用ファイルには、インストール済みのものと、未インストールのものとが用意されていてもよい。表示処理部326は、ゲームがインストール済みか否かを判定する機能を有し、フォーカス領域410に配置されたゲームがインストール済みであれば、インストール済み用の表示用ファイルを参照して表示対象を配置し、一方でフォーカス領域410に配置されたゲームが未インストールであれば、未インストール用の表示用ファイルを参照して表示対象を配置する。
【符号の説明】
【0187】
1・・・情報処理システム、10・・・第1情報処理装置、100,100a,100b・・・第2情報処理装置、102,102a,102b・・・表示装置、120・・・入力装置、174・・・リンクボタン、176・・・購入ボタン、200・・・取得部、202・・・表示処理部、204・・・受付部、206・・・要求生成部、208・・・送信部、220・・・要求受付部、222・・・送信処理部、224・・・コンテンツ探索部、230・・・保持部、232・・・条件ID取得部、234・・・プロファイル生成部、236・・・格納部、300・・・取得部、302・・・指示取得部、304・・・コンテンツ取得部、306・・・画像データ取得部、308・・・操作情報取得部、310・・・起動制御部、312・・・入力部、320・・・処理ユニット、322・・・インストール処理部、324・・・実行部、326・・・表示処理部、330・・・記憶部、332・・・アイコン画像、334・・・制限マーク、340・・・参加処理部、342・・・送信部、344・・・画像データ生成部、350a,350b・・・ゲーム画像。