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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/00 20060101AFI20241202BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20241202BHJP
【FI】
G06F3/00 A
G06F3/14 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023185520
(22)【出願日】2023-10-30
【審査請求日】2023-10-30
(73)【特許権者】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(72)【発明者】
【氏名】中垣 佳士
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼瀬 允博
(72)【発明者】
【氏名】中田 宗文
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特許第3473446(JP,B2)
【文献】特開2007-249476(JP,A)
【文献】特開2004-163706(JP,A)
【文献】特開2000-020239(JP,A)
【文献】特開2002-229503(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0093054(US,A1)
【文献】国際公開第2018/131353(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/00
G06F 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
システムのプログラムを記憶するメモリと、
前記メモリに記憶されたプログラムに基づいてシステム処理を実行するとともに、前記システム処理に基づいて前記表示部に表示する映像信号を生成する表示処理を実行する第1プロセッサと、
前記第1プロセッサの動作状態にかかわらずに処理を実行することが可能な第2プロセッサと、
映像信号を含む入出力信号を外部装置と伝送するケーブルが接続される接続部と、
前記第1プロセッサによる前記表示処理により生成された映像信号を前記表示部へ伝送する第1経路と、前記接続部に入力された映像信号を前記表示部へ伝送する第2経路とのいずれかを前記第2プロセッサの制御により選択する第1選択部と、
前記第1プロセッサが前記表示部を制御する制御信号を前記表示部へ伝送する第3経路と、前記第2プロセッサが前記表示部を制御する制御信号を前記表示部へ伝送する第4経路とのいずれかを前記第2プロセッサの制御により選択する第2選択部と、
前記接続部に前記ケーブルを介して接続された外部装置との給電方向を制御する給電制御部と、
を備え
前記第2プロセッサは、
第1モードでは、前記第1選択部に前記第1経路を選択させるとともに前記第2選択部に前記第3経路を選択させる制御を行い、第2モードでは、前記第1選択部に前記第2経路を選択させるとともに前記第2選択部に前記第4経路を選択させる制御を行い、
前記第2モードでは、前記接続部を介して前記外部装置から給電されるように前記給電制御部を制御する、
情報処理装置。
【請求項2】
表示部と、
システムのプログラムを記憶するメモリと、
前記メモリに記憶されたプログラムに基づいてシステム処理を実行するとともに、前記システム処理に基づいて前記表示部に表示する映像信号を生成する表示処理を実行する第1プロセッサと、
前記第1プロセッサの動作状態にかかわらずに処理を実行することが可能な第2プロセッサと、
映像信号を含む入出力信号を外部装置と伝送するケーブルが接続される接続部と、
前記第1プロセッサによる前記表示処理により生成された映像信号を前記表示部へ伝送する第1経路と、前記接続部に入力された映像信号を前記表示部へ伝送する第2経路とのいずれかを前記第2プロセッサの制御により選択する第1選択部と、
前記第1プロセッサが前記表示部を制御する制御信号を前記表示部へ伝送する第3経路と、前記第2プロセッサが前記表示部を制御する制御信号を前記表示部へ伝送する第4経路とのいずれかを前記第2プロセッサの制御により選択する第2選択部と、
を備え
前記第2プロセッサは、
第1モードでは、前記第1選択部に前記第1経路を選択させるとともに前記第2選択部に前記第3経路を選択させる制御を行い、第2モードでは、前記第1選択部に前記第2経路を選択させるとともに前記第2選択部に前記第4経路を選択させる制御を行い、
前記第1モードでは、前記第1プロセッサが実行するシステムが起動している状態に制御し、前記第2モードでは、前記第1プロセッサが実行するシステムがシャットダウンしている状態に制御し、
前記第1モードにおいて前記第1プロセッサが実行するシステムがシャットダウンしたことに起因して、前記第2モードに制御する、
情報処理装置。
【請求項3】
前記第1プロセッサによる前記表示処理により生成された映像信号を前記接続部へ伝送する第5経路と、前記第2経路のうち前記接続部に入力された映像信号を前記第1選択部まで伝送する第6経路とのいずれかを前記第2プロセッサの制御により選択する第3選択部、をさらに備え、
前記第2プロセッサは、
前記第2モードでは、前記第3選択部に前記第6経路を選択させる制御を行う、
請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第2プロセッサは、
前記第2モードにおいて前記第1プロセッサが実行するシステムの起動に応じて、前記第1モードに制御する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
表示部と、システム処理を実行するとともに、前記システム処理に基づいて前記表示部に表示する映像信号を生成する表示処理を実行する第1プロセッサと、前記第1プロセッサの動作状態にかかわらずに処理を実行することが可能な第2プロセッサと、映像信号を含む入出力信号を外部装置と伝送するケーブルが接続される接続部と、前記第1プロセッサによる前記表示処理により生成された映像信号を前記表示部へ伝送する第1経路と、前記接続部に入力された映像信号を前記表示部へ伝送する第2経路とのいずれかを選択する第1選択部と、前記第1プロセッサが前記表示部を制御する制御信号を前記表示部へ伝送する第3経路と、前記第2プロセッサが前記表示部を制御する制御信号を前記表示部へ伝送する第4経路とのいずれかを選択する第2選択部と、前記接続部に前記ケーブルを介して接続された外部装置との給電方向を制御する給電制御部と、を備える情報処理装置における制御方法であって、
前記第2プロセッサが、
第1モードでは、前記第1選択部に前記第1経路を選択させるとともに前記第2選択部に前記第3経路を選択させる制御を行うステップと、
第2モードでは、前記第1選択部に前記第2経路を選択させるとともに前記第2選択部に前記第4経路を選択させる制御を行うステップと、
前記第2モードでは、前記接続部を介して前記外部装置から給電されるように前記給電制御部を制御するステップと、
を含む制御方法。
【請求項6】
表示部と、システム処理を実行するとともに、前記システム処理に基づいて前記表示部に表示する映像信号を生成する表示処理を実行する第1プロセッサと、前記第1プロセッサの動作状態にかかわらずに処理を実行することが可能な第2プロセッサと、映像信号を含む入出力信号を外部装置と伝送するケーブルが接続される接続部と、前記第1プロセッサによる前記表示処理により生成された映像信号を前記表示部へ伝送する第1経路と、前記接続部に入力された映像信号を前記表示部へ伝送する第2経路とのいずれかを選択する第1選択部と、前記第1プロセッサが前記表示部を制御する制御信号を前記表示部へ伝送する第3経路と、前記第2プロセッサが前記表示部を制御する制御信号を前記表示部へ伝送する第4経路とのいずれかを選択する第2選択部と、を備える情報処理装置における制御方法であって、
前記第2プロセッサが、
第1モードでは、前記第1選択部に前記第1経路を選択させるとともに前記第2選択部に前記第3経路を選択させる制御を行うステップと、
第2モードでは、前記第1選択部に前記第2経路を選択させるとともに前記第2選択部に前記第4経路を選択させる制御を行うステップと、
前記第1モードでは、前記第1プロセッサが実行するシステムが起動している状態に制御するステップと、
前記第2モードでは、前記第1プロセッサが実行するシステムがシャットダウンしている状態に制御するステップと、
前記第1モードにおいて前記第1プロセッサが実行するシステムがシャットダウンしたことに起因して、前記第2モードに制御するステップと、
を含む制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイを内蔵するパーソナルコンピュータは、外部モニタ(外部ディスプレイ)と接続して、複製画面を表示させたり、内蔵ディスプレイの画面領域を拡張して使用したりすることができる。パーソナルコンピュータと外部モニタとは、ケーブルを用いて接続する方法や、ケーブルを用いずに無線で接続する方法がある(例えば、特許文献1)。また、近年、パーソナルコンピュータの内蔵ディスプレイを、他のパーソナルコンピュータの外部モニタとして使用できるものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-050873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、無線で接続する方法は、遅延などの影響があるためケーブルを用いた有線接続に比較して映像の表示品質に不安がある。近年、HDMI(登録商標)の入力が可能なパーソナルコンピュータもあるが、入力と出力を切り替えるには物理ボタンを操作する必要があり、使い勝手が良くなかった。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、有線接続されることで内蔵ディスプレイを容易に外部モニタとして機能させることができる情報処理装置、及び制御方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の第1態様に係る情報処理装置は、表示部と、システムのプログラムを記憶するメモリと、前記メモリに記憶されたプログラムに基づいてシステム処理を実行するとともに、前記システム処理に基づいて前記表示部に表示する映像信号を生成する表示処理を実行する第1プロセッサと、前記第1プロセッサの動作状態にかかわらずに処理を実行することが可能な第2プロセッサと、映像信号を含む入出力信号を外部装置と伝送するケーブルが接続される接続部と、前記第1プロセッサによる前記表示処理により生成された映像信号を前記表示部へ伝送する第1経路と、前記接続部に入力された映像信号を前記表示部へ伝送する第2経路とのいずれかを前記第2プロセッサの制御により選択する第1選択部と、前記第1プロセッサが前記表示部を制御する制御信号を前記表示部へ伝送する第3経路と、前記第2プロセッサが前記表示部を制御する制御信号を前記表示部へ伝送する第4経路とのいずれかを前記第2プロセッサの制御により選択する第2選択部と、を備える。
【0007】
上記情報処理装置において、前記第2プロセッサは、第1モードでは、前記第1選択部に前記第1経路を選択させるとともに前記第2選択部に前記第3経路を選択させる制御を行い、第2モードでは、前記第1選択部に前記第2経路を選択させるとともに前記第2選択部に前記第4経路を選択させる制御を行ってもよい。
【0008】
上記情報処理装置において、前記第1プロセッサによる前記表示処理により生成された映像信号を前記接続部へ伝送する第5経路と、前記第2経路のうち前記接続部に入力された映像信号を前記第1選択部まで伝送する第6経路とのいずれかを前記第2プロセッサの制御により選択する第3選択部、をさらに備え、前記第2プロセッサは、前記第2モードでは、前記第3選択部に前記第6経路を選択させる制御を行ってもよい。
【0009】
上記情報処理装置において、前記第2プロセッサは、前記第1モードでは、前記第1プロセッサが実行するシステムが起動している状態に制御し、前記第2モードでは、前記第1プロセッサが実行するシステムがシャットダウンしている状態に制御してもよい。
【0010】
上記情報処理装置において、前記第2プロセッサは、前記第1モードにおいて前記接続部に前記ケーブルが接続されたことに起因して、前記第2モードに制御してもよい。
【0011】
上記情報処理装置において、前記第2プロセッサは、前記第2モードにおいて前記接続部に接続されている前記ケーブルが非接続になったことに起因して、前記第1モードに制御してもよい。
【0012】
上記情報処理装置において、前記第2プロセッサは、前記第1モードにおいて前記第1プロセッサが実行するシステムがシャットダウンしたことに起因して、前記第2モードに制御してもよい。
【0013】
上記情報処理装置において、前記第2プロセッサは、前記第2モードにおいて前記第1プロセッサが実行するシステムの起動に応じて、前記第1モードに制御してもよい。
【0014】
上記情報処理装置において、前記接続部に前記ケーブルを介して接続された外部装置との給電方向を制御する給電制御部をさらに備え、前記第2プロセッサは、前記第2モードでは、前記接続部を介して前記外部装置から給電されるように前記給電制御部を制御してもよい。
【0015】
また、本発明の第2態様に係る、表示部と、システム処理を実行するとともに、前記システム処理に基づいて前記表示部に表示する映像信号を生成する表示処理を実行する第1プロセッサと、前記第1プロセッサの動作状態にかかわらずに処理を実行することが可能な第2プロセッサと、映像信号を含む入出力信号を外部装置と伝送するケーブルが接続される接続部と、前記第1プロセッサによる前記表示処理により生成された映像信号を前記表示部へ伝送する第1経路と、前記接続部に入力された映像信号を前記表示部へ伝送する第2経路とのいずれかを選択する第1選択部と、前記第1プロセッサが前記表示部を制御する制御信号を前記表示部へ伝送する第3経路と、前記第2プロセッサが前記表示部を制御する制御信号を前記表示部へ伝送する第4経路とのいずれかを選択する第2選択部と、を備える情報処理装置における制御方法は、前記第2プロセッサが、第1モードでは、前記第1選択部に前記第1経路を選択させるとともに前記第2選択部に前記第3経路を選択させる制御を行うステップと、第2モードでは、前記第1選択部に前記第2経路を選択させるとともに前記第2選択部に前記第4経路を選択させる制御を行うステップと、を含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明の上記態様によれば、情報処理装置は、有線接続されることで内蔵ディスプレイを容易に外部モニタとして機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1の実施形態に係る情報処理装置の概要の説明図。
図2】第1の実施形態に係る情報処理装置の主要なハードウェア構成の一例を示す概略ブロック図。
図3】第1の実施形態に係る外部モニタ機能に関する構成の一例を示す概略ブロック図。
図4】第1の実施形態に係るEMモード開始処理の一例を示すフローチャート。
図5】第1の実施形態に係るEMモード終了処理の一例を示すフローチャート。
図6】第2の実施形態に係るEMモード開始処理の一例を示すフローチャート。
図7】第2の実施形態に係るEMモード終了処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理装置の概要の説明図である。
【0019】
PC1は、本実施形態に係る情報処理装置の一例であり、例えばノート型(クラムシェル型)のパーソナルコンピュータ(Personal Computer)である。PC1は、内蔵するディスプレイを、PCとして機能するときの表示部としての機能だけではなく、他の情報処理装置の外部モニタとして機能することもできる。
【0020】
この図1において、PC1の例として、PC1AとPC1Bとを示している。PC1Aは、通常はPCとして処理を実行するが、PC1BとUSB(Universal Serial Bus)ケーブル5で接続されて、PC1Aの表示部17(内蔵ディスプレイ)をPC1Bの外部モニタとして機能させることができる。例えば、USBケーブル5は、PC1AとPC1Bとのそれぞれに設けられているUSB Type-Cコネクタに接続され、映像信号を含む入出力信号を伝送する。
【0021】
このとき、PC1Aは、PC1BとUSBケーブル5で接続されると、ユーザの操作を必要とすることなく、自動で外部モニタとして動作する。PC1BがDP(DisplayPort)の出力側(ソース側)となり、PC1AがDPの入力側(シンク側)となり、PC1Bから出力されるDP規格に対応した映像信号(以下、「DP信号」と称する)がUSBケーブル5を介してPC1Aに入力され、PC1Aの表示部17(内蔵ディスプレイ)に表示される。
【0022】
以下、本実施形態に係る情報処理装置の構成について詳しく説明する。
[情報処理装置のハードウェア構成]
図2は、本実施形態に係る情報処理装置の主要なハードウェア構成の一例を示す概略ブロック図である。図示する情報処理装置一例であるPC1は、メイン処理部10、通信部15、記憶部16、表示部17、USBコネクタ18、EC(Embedded Controller)20、入力デバイス30、電源ボタン35、及び電源部40を含んで構成される。
【0023】
メイン処理部10は、CPU(Central Processing Unit)11、GPU(Graphic Processing Unit)12、チップセット13、及びシステムメモリ14を含んで構成され、OS(Operating System)に基づくシステム処理によって、OS上で各種のアプリケーションプログラムの処理が実行可能である。
【0024】
CPU11は、BIOSのプログラムに基づく処理、OSのプログラムに基づく処理、OS上で動作するアプリケーションプログラムに基づく処理などを実行するプロセッサである。例えば、CPU11は、動作を停止している状態からシステムを起動させる起動処理を実行する。CPU11は、システムを起動させた状態では、各種のアプリケーションプログラムなどの処理を実行する。また、CPU11は、システムを起動させた状態からシステムをシャットダウンして動作を停止するシャットダウン処理などを実行する。
【0025】
GPU12は、表示部17に接続されている。例えば、GPU12は、ビデオBIOSの処理などに基づいて、CPU11が実行するプログラムの処理に応じて表示部17(或いは外部モニタ)に表示させるDP信号を生成する表示処理を実行する。例えば、GPU12は、生成したDP信号を表示部17に出力する。また、外部モニタに表示させる場合には、GPU12は、生成したDP信号をUSBコネクタ18へ出力する。
【0026】
チップセット13は、メモリコントローラとしての機能及びI/Oコントローラとしての機能などを有する。例えば、チップセット13は、CPU11及びGPU12によるシステムメモリ14、記憶部16などからのデータの読出し、書込みを制御する。また、チップセット13は、通信部15、表示部17およびEC20からのデータの入出力を制御する。また、チップセット13は、USBコネクタ18に接続されるUSBケーブル5を介して接続される装置・機器とのデータの入出力を制御する。
【0027】
システムメモリ14は、CPU11で実行されるプログラムの読み込み領域ならびに処理データを書き込む作業領域などとして用いられる。
【0028】
なお、CPU11、GPU12、及びチップセット13は、一体化された一つのプロセッサとして構成されてもよいし、一部またはそれぞれが個々のプロセッサとして構成されてもよい。また、CPU11、GPU12、チップセット13、及びシステムメモリ14は、一体化されたSoC(System on a chip)として構成されてもよい。
【0029】
通信部15は、無線または有線による通信ネットワークを介して他の機器と通信可能に接続し、各種のデータの送信および受信を行う。例えば、通信部15は、イーサネット(登録商標)等の有線LANインターフェースやWi-Fi(登録商標)等の無線LANインターフェース等を含んで構成されている。
【0030】
記憶部16は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、RAM、ROMなどの記憶媒体を含んで構成される。記憶部16は、OS、デバイスドライバ、アプリケーションなどの各種のプログラム、その他、プログラムの動作により取得した各種のデータを記憶する。
【0031】
表示部17は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)パネルを含んで構成されている。表示部17は、メイン処理部10により生成されたDP信号に基づく画像(映像)を表示する。また、表示部17は、外部モニタとして機能する際には、USBコネクタ18を介して入力されたDP信号に基づく画像(映像)を表示する。なお、表示部17は、LCDパネルに限らず、有機ELディスプレイパネルなどの他のディスプレイパネルを含んで構成されてもよい。
【0032】
USBコネクタ18は、USBを利用して外部の装置・機器と通信するための外部通信用の接続部の一例である。例えば、USBコネクタ18は、USB Type-Cに対応したコネクタである。USBケーブル5(図1参照)の一端をUSBコネクタ18に接続することにより、ケーブル5の他端が接続されている外部の装置・機器との外部通信が可能である。例えば、USBコネクタ18は、USBケーブル5で接続されることで、DP信号を含む入出力信号を伝送する。
【0033】
EC20は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびI/O(Input/Output)ロジック回路などを含んで構成されたマイクロコンピュータである。EC20のCPUは、自部のROMに予め記憶した制御プログラム(ファームウェア)を読み出し、読み出した制御プログラムを実行して、その機能を発揮する。EC20は、メイン処理部10とは独立に動作し、メイン処理部10の動作を制御し、その動作状態を管理する。また、EC20は、入力デバイス30、電源ボタン35、及び電源部40等と接続されている。
【0034】
例えば、EC20は、電源部40と通信を行うことにより、バッテリの状態(残容量など)の情報を電源部40から取得するとともに、PC1の各部の動作状態に応じた電力の供給を制御するための制御信号などを電源部40へ出力する。また、EC20は、入力デバイス30または電源ボタン35から操作信号を取得し、取得した操作信号に基づく処理を実行する。
【0035】
また、EC20は、USBコネクタ18にUSBケーブル5(図1参照)が接続されたときに、外部モニタとして機能する際の制御を行う。表示部17を外部モニタとして機能させる際は、メイン処理部10に代わって、このEC20が制御を行う。この外部モニタとして機能させる構成の詳細は、図3を参照して後述する。
【0036】
入力デバイス30は、ユーザの入力を受け付ける入力部である。例えば、入力デバイス30は、ユーザの操作入力を受け付けるキーボード、タッチパッド、トラックポイントなどであり、ユーザの操作を受け付けることに応じて、操作内容を示す操作信号をEC20へ出力する。
電源ボタン35は、ユーザの電源オンの操作または電源オフの操作によって押下されると、押下されたことを示す操作信号をEC20へ出力する。
【0037】
電源部40は、PC1の各部の動作状態に応じて各部へ電力を供給する。電源部40は、DC(Direct Current)/DCコンバータ等の電源回路を備える。DC/DCコンバータは、AC(Alternate Current)/DCアダプタもしくはバッテリー(電池パック)から供給される直流電力の電圧を、各部で要求される電圧に変換する。DC/DCコンバータで電圧が変換された電力が各電源系統を介して各部へ供給される。例えば、電源部40は、EC20から入力される制御信号に基づいて各電源系統を介して各部に電力を供給する。また、電源部40は、内蔵の二次電池としてのバッテリおよびバッテリの充電回路などを備える。
【0038】
[外部モニタ機能に関する構成]
次に、PC1の表示部17を外部モニタとして機能させる構成について詳しく説明する。図3は、本実施形態に係る外部モニタ機能に関する構成の一例を示す概略ブロック図である。この図3では、図1に示すようにPC1AとPC1BとがUSBケーブル5で接続されたときのPC1A側の構成例を示している。
【0039】
なお、PC1Bの構成は、PC1Aの構成と基本的には同様である。PC1Aが外部モニタとして機能する際には、PC1Bは、通常のパーソナルコンピュータとして機能し、PC1Aを外部モニタとして利用する。
【0040】
この図3において、図2の各部に対応する構成には同一の符号を付している。ここでは、PC1Aの構成例として、図2に示す各部のうちメイン処理部10、表示部17、USBコネクタ18、EC20、および電源部40と、外部モニタとして機能する際の制御に関係するバスセレクタ21、バスセレクタ22、信号セレクタ23、信号セレクタ24、およびパネル電源スイッチ45とを示している。
【0041】
電源部40は、電源回路41、バッテリ42、およびPDコントローラ43を備えている。電源回路41は、DC/DCコンバータ等を備え、バッテリ42から供給される電力またはUSBコネクタ18を介して供給される直流電力から各部で要求される電圧に変換した電源を生成して各部へ供給する。例えば、電源回路41は、メイン処理部10およびEC20などへ供給するシステム電源、表示部17へ供給するパネル電源などを生成する。また、電源回路41は、バッテリ42の充電を制御する充電回路を備えている。
【0042】
PDコントローラ43は、USB PD(Power Delivery)に対応しており、USBコネクタ18のVBUS(電源線)端子を介してPC1Bへの給電を行う電源機能を有している。PDコントローラ43は、電源機能を有効(Enable)にするとことで、USBコネクタ18のVBUS端子を介して給電することができる。また、PDコントローラ43は、電源機能を無効(Disable)にした場合には受電側となり、PC1Bから供給される電力をUSBコネクタ18のVBUS端子を介して受電する。
【0043】
また、PDコントローラ43は、USBコネクタ18のCC端子を介して、PC1Bとの通信のネゴシエーションおよび各種情報の通信を行う。例えば、PDコントローラ43は、給電の方向の設定、DP信号の伝送方向の設定、外部モニタ機能の制御に必要な情報の受信などを、USBコネクタ18のCC端子を介して行う。PDコントローラ43は、CC信号で伝送されるVDM(Vendor Defined Message)を使用して、USBケーブル5で接続される接続先の情報を取得する。
【0044】
図示するPC1Aの構成において、メイン処理部10は、通常のパーソナルコンピュータとして機能する際には、生成したDP信号を表示部17へ伝送する経路(内蔵ディスプレイへ出力するための経路)と、生成したDP信号をUSBコネクタ18へ伝送する経路(外部モニタへ出力するための経路)とを有する。これに対し、PC1Aが外部モニタとして機能する際には、PC1BからUSBコネクタ18に入力されたDP信号を表示部17へ伝送する経路(内蔵ディスプレイを外部モニタとするための経路)に切り替える。
【0045】
例えば、図示するようにDP信号の伝送経路には、バスセレクタ21と、バスセレクタ22とが設けられている。バスセレクタ21は、メイン処理部10による表示処理により生成されたDP信号を表示部17へ伝送する経路と、USBコネクタ18に入力されたDP信号を表示部17へ伝送する経路とのいずれかをEC20の制御により選択する。
【0046】
また、バスセレクタ22は、メイン処理部10による表示処理により生成されたDP信号をUSBコネクタ18へ伝送する経路と、USBコネクタ18に入力されたDP信号を表示部17へ伝送する経路のうちUSBコネクタ18に入力されたDP信号をバスセレクタ21まで伝送する経路とのいずれかをEC20の制御により選択する。
【0047】
EC20は、PC1Aを通常のパーソナルコンピュータとして機能するモード(以下、「PCモード」と称する)にするか、或いは、PC1Aを外部モニタ(External Monitor)として機能するモード(以下、「EMモード」と称する)にするかを制御する。例えば、EC20とバスセレクタ21およびバスセレクタ22とはEMモード制御信号の信号線で接続されている。EC20は、EMモード制御信号を制御することにより、バスセレクタ21およびバスセレクタ22を制御する。
【0048】
例えば、EC20は、EMモードに制御する場合には、EMモード制御信号をアサート(例えば「High」に制御)する。EMモード制御信号がアサートされると、バスセレクタ21は、USBコネクタ18に入力されたDP信号を表示部17へ伝送する経路を選択する。また、EMモード制御信号がアサートされると、バスセレクタ22は、USBコネクタ18に入力されたDP信号をバスセレクタ21まで伝送する経路を選択する。
【0049】
また、EC20は、PDコントローラ43とI2C(アイ・スクエアド・シー)などのシリアルバスで接続されており、当該シリアルバスを用いてPDコントローラ43と通信する。例えば、EC20は、EMモードに制御する場合には、PDコントローラ43と通信することにより、DP信号の伝送方向を入力側(シンク側)に設定する。これにより、EMモードでは、DP信号の出力側(ソース側)であるPC1Bから出力されたDP信号がUSBケーブル5を介してPC1AのUSBコネクタ18に入力され、入力されたDP信号がバスセレクタ21とバスセレクタ22とを介して直接的に表示部17へ伝送される。以下では、DP信号の入力側(シンク側)の設定を「DPシンク」、DP信号の出力側(ソース側)の設定を「DPソース」と称する。即ち、EC20は、EMモードに制御する場合には、DPソースからDPシンクへ設定する。
【0050】
これに対し、EC20は、EMモードからPCモードに制御する場合には、DPシンクからDPソースへ設定を戻す。また、EC20は、PCモードに制御する場合には、EMモード制御信号をディアサート(例えば「Low」に制御)する。EMモード制御信号がディアサートされると、バスセレクタ21は、メイン処理部10による表示処理により生成されたDP信号を表示部17へ伝送する経路を選択する。また、EMモード制御信号がディアサートされると、バスセレクタ22は、メイン処理部10による表示処理により生成されたDP信号をUSBコネクタ18へ伝送する経路を選択する。これにより、PCモードでは、メイン処理部10から出力されたDP信号が表示部17またはUSBコネクタ18にUSBケーブル5を介して接続される外部モニタへ伝送される。
【0051】
また、EC20は、PCモードとEMモードとを切り替える際には、DP信号を伝送するバスの制御に加え、表示部17を制御する制御信号も切り替える。具体的には、EC20は、PCモードにおいてメイン処理部10が表示部17を制御する制御信号を、EMモードではEC20が表示部17を制御する制御信号に切り替える。
【0052】
図示する例において、信号セレクタ23,24は、メイン処理部10が表示部17を制御する制御信号と、EC20が表示部17を制御する制御信号とのいずれかを、EC20から出力されるEMモード制御信号により選択する。ここでは、表示部17のバックライトの輝度をPWM(Pulse Width Modulated)信号で制御する輝度制御信号(Backlight_PWM)と、表示部17へのパネル電源の供給を有効(Enable)にするか否か(給電をオンするか否か)を制御するパネル電源制御信号(Panel_Power_Enable)とを、EMモード制御信号により選択する制御信号の例として示している。
【0053】
信号セレクタ23は、メイン処理部10が表示部17を制御するための輝度制御信号(Backlight_PWM)を表示部17へ伝送する経路と、EC20が表示部17を制御するための輝度制御信号(Backlight_PWM)を表示部17へ伝送する経路とのいずれかを、EMモード制御信号により選択する。
【0054】
例えば、EC20によりEMモード制御信号がアサートされると、信号セレクタ23は、EC20からの輝度制御信号(Backlight_PWM)を表示部17へ伝送する経路を選択する。一方、EC20によりEMモード制御信号がディアサートされると、信号セレクタ23は、メイン処理部10からの輝度制御信号(Backlight_PWM)を表示部17へ伝送する経路を選択する。
【0055】
また、信号セレクタ24は、メイン処理部10が表示部17を制御するためのパネル電源制御信号(Panel_Power_Enable)をパネル電源スイッチ45へ伝送する経路と、EC20が表示部17を制御するためのパネル電源制御信号(Panel_Power_Enable)をパネル電源スイッチ45へ伝送する経路とのいずれかを、EMモード制御信号により選択する。
【0056】
例えば、EC20によりEMモード制御信号がアサートされると、信号セレクタ24は、EC20からのパネル電源制御信号(Panel_Power_Enable)をパネル電源スイッチ45へ伝送する経路を選択する。これにより、EMモードでは、EC20が表示部17へのパネル電源の供給を有効(Enable)にするか否かを制御する。
【0057】
一方、EC20によりEMモード制御信号がディアサートされると、メイン処理部10からのパネル電源制御信号(Panel_Power_Enable)をパネル電源スイッチ45へ伝送する経路を選択する。これにより、PCモードでは、メイン処理部10が表示部17へのパネル電源の供給を有効(Enable)にするか否かを制御する。
【0058】
また図3には、表示部17を制御する制御信号の例として、表示部17のバックライトを有効(Enable)にするか否か(オンするか否か)を制御するバックライト制御信号(Backlight_Enable)を示している。このバックライト制御信号は。メイン処理部10からEC20を経由して表示部17へ接続されている。EC20は、PCモードに制御する場合にはメイン処理部10が制御するバックライト制御信号を表示部17へ伝送し、PCモードに制御する場合にはEC20自身が制御するバックライト制御信号を表示部17へ伝送する。
【0059】
また、EC20は、EMモードに制御する場合には、PDコントローラ43と通信することにより、USBコネクタ18を介してPC1Bから給電されるようにPDコントローラ43を制御する。これにより、PC1Aが外部モニタとして使用されているときには、例えばACアダプタが接続されたPC1Bから給電しながら使用できるため、PC1Aにおいてバッテリ42の電力を消費することなく、長時間の使用が可能である。
【0060】
なお、図3において、例えばUSBコネクタ18から入力される外部モニタ接続用のDP信号は、DP(Display Port)規格に対応しており、メイン処理部10が生成して表示部17へ伝送する内蔵ディスプレイ用のDP信号がeDP規格に対応している場合には、DP信号の規格を合わせる必要がる。そのため、バスセレクタ21とバスセレクタ22との間に、DP規格に対応したDP信号をeDP規格に対応したDP信号に変換するコンバータが設けられてもよい。
【0061】
次に、PCモードとEMモードとの切り替えのトリガについて説明する。例えば、EC20は、PCモードにおいてUSBコネクタ18にUSBケーブル5が接続されたことに起因して、EMモードに制御する。例えば、EC20は、PCモードにおいてUSBコネクタ18にUSBケーブル5が接続された場合、VDMを使用して接続先の情報を取得し、接続先のPC1BがPCであることを条件として、EMモードに切り替える。また、EC20は、EMモードにおいてUSBコネクタ18に接続されているUSBケーブル5が抜かれて非接続になったことに起因して、PCモードに制御する。以下、PCモードからEMモードを開始するときのEMモード開始処理の動作と、EMモードを終了してPCモードへ戻るときのEMモード終了処理の動作とについて説明する。
【0062】
[EMモード開始処理の動作]
まず、EMモード開始処理の動作について説明する。
図4は、本実施形態に係るEMモード開始処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、PC1AとPC1BとがUSBケーブル5で接続されたことに起因して、PC1AがEMモードを開始する処理の動作について説明する。
【0063】
(ステップS101)PC1AとPC1BとがUSBケーブル5で接続されると、PC1AのPDコントローラ43とPC1BのPDコントローラ43とがCC端子を介して通信のネゴシエーションを行う。以降、PC1AのPDコントローラ43とPC1BのPDコントローラ43とはCC端子を介して通信を行う。そして、ステップS103の処理へ進む。
【0064】
(ステップS103)例えば、PC1AのPDコントローラ43が受電側に設定され、PC1BのPDコントローラ43が給電側に設定される。なお、この受電側と給電側の設定は一例であり、実際にはランダムに設定される。そして、ステップS105の処理へ進む。
【0065】
(ステップS105)PC1BのPDコントローラ43は、PC1AのPDコントローラ43のDP(Display Port)を検出する(DP検出モード)。そして、ステップS107の処理へ進む。
【0066】
(ステップS107)PC1AのPDコントローラ43は、DPモード(DPソースまたはDPシンク)をPC1BのPDコントローラ43へ応答する(DP検出モード応答)。そして、ステップS109の処理へ進む。
【0067】
(ステップS109)PC1BのPDコントローラ43は、PC1AのPDコントローラ43からの応答に基づいて、接続先がDPシンクに設定されていないことを確認する。そして、ステップS111の処理へ進む。
【0068】
(ステップS111)PC1AのPDコントローラ43とPC1BのPDコントローラ43との間でVDMを用いた通信(VDM通信)の準備を行い、準備が完了するとステップS113の処理へ進む。
【0069】
(ステップS113)ステップS111でVDM通信の準備が完了すると、PC1AのPDコントローラ43は、EC20へ割り込み信号を送信する。ここで、PC1AのPDコントローラ43とEC20との間は、例えばI2Cなどのシリアルバスで通信が行われる。そして、ステップS115の処理へ進む。
【0070】
(ステップS115)EC20は、接続先のシステム情報を取得するためにVDMの送信をPC1AのPDコントローラ43へ要求する。そして、ステップS117の処理へ進む。
【0071】
(ステップS117)PC1AのPDコントローラ43は、VDMを用いてシステム情報をPC1BのPDコントローラ43へ問い合わせる。例えば、VDMには、システム情報としてシステムタイプ、表示出力、EMモードなどが定義されている。例えば、システムタイプにはPCであるかPC以外であるかの情報が設定され、表示出力には表示出力が可能であるか否かの情報が設定され、EMモードには、EMモードが有効であるか無効であるかの情報が設定されている。PC1AのPDコントローラ43は、VDMを用いて接続先のシステム情報に定義されているシステムタイプ、表示出力、EMモードなどの情報を問い合わせる。そして、ステップS119の処理へ進む。
【0072】
(ステップS119)PC1BのPDコントローラ43は、PC1AのPDコントローラ43からの問い合わせに応じて、VDMを用いてPC1Bのシステム情報をPC1AのPDコントローラ43へ送信する。そして、ステップS121の処理へ進む。
【0073】
(ステップS121)PC1AのPDコントローラ43は、ステップS119でPC1BのPDコントローラ43から送信されたPC1Bのシステム情報を取得すると、EC20へ割り込み信号を送信する。そして、ステップS123の処理へ進む。
【0074】
(ステップS123)EC20は、ステップS121で取得したPC1Bのシステム情報に基づいて、接続先(PC1B)がPCであって表示出力が可能であることを確認し、その旨をPC1AのPDコントローラ43に通知する。そして、ステップS125の処理へ進む。
【0075】
(ステップS125)EC20は、PC1AのPDコントローラ43に対してUSBポートを一旦無効に設定する。そして、ステップS127の処理へ進む。
【0076】
(ステップS127)USBポートが無効になったことに応じて、PC1AのPDコントローラ43とPC1BのPDコントローラ43との通信が切断される。
【0077】
(ステップS129)一方、EC20は、ステップS125でUSBポートを一旦無効に設定した後、PC1Aでシステムが起動中の場合にはシステムのシャットダウンを開始させる。これにより、メイン処理部10は、システムをシャットダウンして動作を停止する。そして、ステップS131の処理へ進む。
【0078】
(ステップS131)EC20は、EMモード制御信号をアサートして、EMモードへの制御を開始する。そして、ステップS133の処理へ進む。
【0079】
(ステップS133)EC20は、PC1AのPDコントローラ43と通信することにより、DPソースからDPシンクへ設定し、電源機能を有効から無効に設定する。そして、ステップS135の処理へ進む。
【0080】
(ステップS135)EC20は、PC1AのPDコントローラ43に対してUSBポートを再び有効に設定する。そして、ステップS137の処理へ進む。
【0081】
(ステップS137)USBポートが有効になったことに応じて、PC1AのPDコントローラ43とPC1BのPDコントローラ43とがCC端子を介して通信のネゴシエーションを行い再接続される。そして、ステップS139の処理へ進む。
【0082】
(ステップS139)PC1AのPDコントローラ43の電源機能が無効のため受電側に設定され、PC1BのPDコントローラ43が給電側に設定される。そして、ステップS141の処理へ進む。
【0083】
(ステップS141)PC1BのPDコントローラ43は、PC1AのPDコントローラ43がDPシンクに設定されていることを検出し、PC1Aを外部モニタとして認識する。そして、ステップS143の処理へ進む。
【0084】
(ステップS143)PC1AのPDコントローラ43は、EC20へ割り込み信号を送信する。そして、ステップS145の処理へ進む。
【0085】
(ステップS145)EC20は、表示部17を外部モニタとして制御を開始する。例えば、EC20は、キーボード(入力デバイス30)のファンクションキーに割り当てられた輝度調整キーへの操作に応じて、表示部17の画面輝度(バックライト輝度)を制御することができる。
【0086】
これにより、PC1AはEMモードとして外部ディスプレイとしての利用が可能になり、USBケーブル5を介したUSB通信によりPC1BからPC1Aへのディスプレイ出力が可能になる。
【0087】
なお、外部モニタとなる装置の優先順位をVDMで定義することにより、PC1AとPC1Bが接続されたときにどちらのPCを外部モニタとして機能させるかをユーザが決定することもできる。
【0088】
[EMモード終了処理の動作]
次に、EMモード終了処理の動作について説明する。
図5は、本実施形態に係るEMモード終了処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、図4に示すEMモード開始処理によりPC1AがEMモードを開始した後に、USBケーブル5が抜かれて非接続になったことに起因して、PC1AがEMモードを終了する処理の動作について説明する。
【0089】
(ステップS201)PC1AとPC1Bとが接続されていたUSBケーブル5が抜かれて通信が非接続になると、ステップS203の処理へ進む。
【0090】
(ステップS203)PC1AのPDコントローラ43は、EC20へ割り込み信号を送信する。そして、ステップS205の処理へ進む。
【0091】
(ステップS205)EC20は、PC1AのPDコントローラ43に対してUSBポートを一旦無効に設定する。そして、ステップS207の処理へ進む。
【0092】
(ステップS207)EC20は、EMモード制御信号をディアサートして、ステップS209の処理へ進む。
【0093】
(ステップS209)EC20は、PC1AのPDコントローラ43と通信することにより、DPシンクからDPソースに戻し、電源機能を無効から有効に戻す。そして、ステップS211の処理へ進む。
【0094】
(ステップS211)EC20は、PC1AのPDコントローラ43に対してUSBポートを再び有効に設定する。
【0095】
これにより、PC1Aは、EMモードを終了し、PCモードに戻る。その後、EC20によりシステムの起動が可能になる。
【0096】
なお、図4に示すEMモード開始処理において、PC1Aは、シャットダウンした状態でEMモードになっているため、USBケーブル5が抜かれなくとも、電源ボタン35が押下されたことに起因して、EMモードを終了してシステムを起動させてもよい。また、PC1Aは、電源ボタン35が押下された場合に、EMモードのままバックグラウンドでシステムを起動させてもよい。また、図4に示すEMモード開始処理において、PC1Aは、シャットダウンせずに、PCモードからEMモードに制御してもよい。
【0097】
[第1の実施形態のまとめ]
以上説明してきたように、本実施形態に係る情報処理装置としてのPC1(例えば、PC1A)は、表示部17と、システムのプログラムを記憶するシステムメモリ14(メモリの一例)と、メイン処理部10(第1プロセッサの一例)と、EC20(第2プロセッサの一例)と、USBコネクタ18(接続部の一例)と、バスセレクタ21(第1選択部の一例)と、信号セレクタ23(第2選択部の一例)とを備えている。メイン処理部10は、システムメモリ14に記憶されたプログラムに基づいてシステム処理を実行するとともに、システム処理に基づいて表示部17に表示するDP信号(映像信号の一例)を生成する表示処理を実行する。EC20は、メイン処理部10の動作状態にかかわらずに処理を実行することが可能である。USBコネクタ18は、DP信号を含む入出力信号を外部装置と伝送するUSBケーブル5が接続される。バスセレクタ21は、メイン処理部10による表示処理により生成されたDP信号を表示部17へ伝送する経路(第1経路)と、USBコネクタ18に入力されたDP信号を表示部17へ伝送する経路(第2経路)とのいずれかをEC20の制御により選択する。信号セレクタ23は、メイン処理部10が表示部17を制御する制御信号(例えば、輝度制御信号(Backlight_PWM))を表示部17へ伝送する経路(第3経路)と、EC20が表示部17を制御する制御信号(例えば、輝度制御信号(Backlight_PWM))を表示部17へ伝送する経路(第4経路)とのいずれかをEC20の制御により選択する。
【0098】
これにより、PC1(例えば、PC1A)は、USBで有線接続されることで表示部17(内蔵ディスプレイ)を容易に外部モニタとして機能させることができる。即ち、PC1(例えば、PC1A)は、USBコネクタ18(例えば、USB Type-Cコネクタ)を備えた外部モニタとして使用することができる。
【0099】
例えば、EC20は、PCモード(第1モード)では、バスセレクタ21に第1経路(メイン処理部10による表示処理により生成されたDP信号を表示部17へ伝送する経路)を選択させるとともに、信号セレクタ23に第3経路(メイン処理部10が表示部17を制御する制御信号(例えば、輝度制御信号(Backlight_PWM))を表示部17へ伝送する経路)を選択させる制御を行う。一方、EC20は、EMモード(第2モード)では、バスセレクタ21に第2経路(USBコネクタ18に入力されたDP信号を表示部17へ伝送する経路)を選択させるとともに、信号セレクタ23に第4経路(EC20が表示部17を制御する制御信号(例えば、輝度制御信号(Backlight_PWM))を表示部17へ伝送する経路)を選択させる制御を行う。
【0100】
これにより、PC1(例えば、PC1A)は、表示部17を内蔵ディスプレイとして使用する場合と外部モニタとして使用する場合とで、DP信号の伝送経路と表示部17の制御信号とを、メイン処理部10の動作状態にかかわらずに、適切に切り替えることができる。
【0101】
また、PC1(例えば、PC1A)は、メイン処理部10による表示処理により生成されたDP信号をUSBコネクタ18へ伝送する経路(第5経路)と、上記第2経路のうちUSBコネクタ18に入力されたDP信号をバスセレクタ21まで伝送する経路(第6経路)とのいずれかをEC20の制御により選択するバスセレクタ22(第3選択部の一例)、をさらに備えている。そして、EC20は、EMモード(第2モード)では、バスセレクタ22に第6経路(USBコネクタ18に入力されたDP信号をバスセレクタ21まで伝送する経路)を選択させる制御を行う。
【0102】
なお、EC20は、PCモード(第1モード)では、バスセレクタ22に第5経路(メイン処理部10による表示処理により生成されたDP信号をUSBコネクタ18へ伝送する経路)を選択させる制御を行う。
【0103】
これにより、PC1(例えば、PC1A)は、表示部17を外部モニタとして使用する場合と、PC1(例えば、PC1A)を外部モニタに接続してしようする場合とで、適切に切り替えることができる。
【0104】
また、EC20は、PCモード(第1モード)では、メイン処理部10が実行するシステムが起動している状態に制御し、EMモード(第2モード)では、メイン処理部10が実行するシステムがシャットダウンしている状態に制御する。
【0105】
これにより、PC1(例えば、PC1A)は、外部モニタとして使用する場合に、メイン処理部10などの主要なコンポーネントの動作が停止しているため、消費電力を抑えることができる。よって、PC1(例えば、PC1A)は、例えばUSBコネクタ18からのバスパワーのみで、外部モニタとして使用することができる。この場合、PC1BのみACアダプタに接続して長時間の使用が可能であるため、ACアダプタを2つ用意してPC1AとPC1Bとのそれぞれに接続する必要がなく、利便性がよい。
【0106】
また、EC20は、PCモード(第1モード)においてUSBコネクタ18にUSBケーブル5が接続されたことに起因して、EMモード(第2モード)に制御する。
【0107】
これにより、PC1(例えば、PC1A)は、ユーザの操作を必要とすることなく、USBケーブル5で他のPC1(例えば、PC1B)と接続するのみで、自動で外部モニタとして使用できるため、利便性が良い。
【0108】
また、EC20は、EMモード(第2モード)においてUSBコネクタ18に接続されているUSBケーブル5が非接続になったことに起因して、PCモード(第1モード)に制御する。
【0109】
これにより、PC1(例えば、PC1A)は、外部モニタとして使用しているときに、USBケーブル5を抜くのみで、通常のPCとしての使用に切り替わるため、利便性が良い。
【0110】
また、PC1(例えば、PC1A)は、USBコネクタ18にUSBケーブル5を介して接続された外部装置(例えば、PC1B)との給電方向を制御するPDコントローラ43(給電制御部の一例)をさらに備えている。そして、EC20は、EMモード(第2モード)では、USBコネクタ18を介して外部装置(例えば、PC1B)から給電されるようにPDコントローラ43を制御する。
【0111】
これにより、PC1(例えば、PC1A)は、例えばUSBコネクタ18からのバスパワーのみで、外部モニタとして使用することができる。例えば、PC1BのみACアダプタに接続して長時間の使用が可能であるため、ACアダプタを2つ用意してPC1AとPC1Bとのそれぞれに接続する必要がなく、利便性がよい。
【0112】
また、本実施形態に係る,表示部17と、システムのプログラムを記憶するシステムメモリ14(メモリの一例)と、メイン処理部10(第1プロセッサの一例)と、EC20(第2プロセッサの一例)と、USBコネクタ18(接続部の一例)と、バスセレクタ21(第1選択部の一例)と、信号セレクタ23(第2選択部の一例)とを備える情報処理装置としてのPC1(例えば、PC1A)における制御方法は、EC20が、PCモード(第1モード)では、バスセレクタ21に第1経路(メイン処理部10による表示処理により生成されたDP信号を表示部17へ伝送する経路)を選択させるとともに、信号セレクタ23に第3経路(メイン処理部10が表示部17を制御する制御信号(例えば、輝度制御信号(Backlight_PWM))を表示部17へ伝送する経路)を選択させる制御を行うステップと、EMモード(第2モード)では、バスセレクタ21に第2経路(USBコネクタ18に入力されたDP信号を表示部17へ伝送する経路)を選択させるとともに、信号セレクタ23に第4経路(EC20が表示部17を制御する制御信号(例えば、輝度制御信号(Backlight_PWM))を表示部17へ伝送する経路)を選択させる制御を行うステップと、を含む。
【0113】
これにより、PC1(例えば、PC1A)における制御方法によれば、USBで有線接続されることで表示部17(内蔵ディスプレイ)を容易に外部モニタとして機能させることができる。即ち、PC1(例えば、PC1A)は、USBコネクタ18(例えば、USB Type-Cコネクタ)を備えた外部モニタとして使用することができる。
【0114】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態では、PC1Aを外部モニタとして利用する側のPC1BがPC1Aと同じ定義がされたVDMを用いた通信が可能である必要がある。本実施形態では、PC1Bが上記のVDMを用いた通信に対応していない汎用的なPCであっても、PC1Bの外部モニタとして利用可能なPC1Aの例について説明する。
【0115】
本実施形態に係る情報処理装置としてのPC1Aの基本的な構成は、図2および図3に示す構成と同様であるため、その説明を省略する。本実施形態では、PC1Aは、システムがシャットダウンしたことに起因してEMモードに制御する。これにより、その後、汎用的なPCであるPC1Bが接続されたときに外部モニタとして認識される。
【0116】
図6は、本実施形態に係るEMモード開始処理の一例を示すフローチャートである。この図6を参照して、システムがシャットダウンしたことに起因してEMモードを開始するときのEMモード開始処理の動作について説明する。
【0117】
(ステップS301)EC20は、PCモードにおいてメイン処理部10が実行するシステムのシャットダウンを検出すると、ステップS303の処理へ進む。
【0118】
(ステップS303)EC20は、PC1AのPDコントローラ43に対してUSBポートを一旦無効に設定する。そして、ステップS305の処理へ進む。
【0119】
(ステップS305)EC20は、EMモード制御信号をアサートして、EMモードへの制御を開始する。そして、ステップS307の処理へ進む。
【0120】
(ステップS307)EC20は、PC1AのPDコントローラ43と通信することにより、DPソースからDPシンクへ設定し、電源機能を有効から無効に設定する。そして、ステップS309の処理へ進む。
【0121】
(ステップS309)EC20は、PC1AのPDコントローラ43に対してUSBポートを再び有効に設定する。そして、ステップS311の処理へ進む。
【0122】
(ステップS311)PC1AとPC1BとがUSBケーブル5で接続されると、PC1AのPDコントローラ43とPC1BのPDコントローラ43とがCC端子を介して通信のネゴシエーションを行う。以降、PC1AのPDコントローラ43とPC1BのPDコントローラ43とはCC端子を介して通信を行う。そして、ステップS313の処理へ進む。
【0123】
(ステップS313)PC1AのPDコントローラ43の電源機能が無効のため受電側に設定され、PC1BのPDコントローラ43が給電側に設定される。そして、ステップS315の処理へ進む。
【0124】
(ステップS315)PC1BのPDコントローラ43は、PC1AのPDコントローラ43がDPシンクに設定されていることを検出し、PC1Aを外部モニタとして認識する。そして、ステップS317の処理へ進む。
【0125】
(ステップS317)PC1AのPDコントローラ43は、EC20へ割り込み信号を送信する。そして、ステップS319の処理へ進む。
【0126】
(ステップS319)EC20は、表示部17を外部モニタとして制御を開始する。例えば、EC20は、キーボード(入力デバイス30)のファンクションキーに割り当てられた輝度調整キーへの操作に応じて、表示部17の画面輝度(バックライト輝度)を制御することができる。
【0127】
これにより、PC1Bが汎用的なPCであっても、PC1AはEMモードとして外部ディスプレイとしての利用が可能になり、USBケーブル5を介したUSB通信によりPC1BからPC1Aへのディスプレイ出力が可能になる。
【0128】
なお、EC20は、システムのシャットダウン時にPC1AとPC1BとがUSBケーブル5で接続されていることを条件として、EMモードに制御してもよい。
【0129】
図7は、本実施形態に係るEMモード終了処理の一例を示すフローチャートである。この図7を参照して、図6に示すEMモード開始処理によりPC1Aがシステムのシャットダウンに応じてEMモードを開始した後に、PC1Aがシステムの起動に応じてEMモードを終了する処理の動作について説明する。
【0130】
(ステップS401)EC20は、システムを起動させるための電源オン(例えば、電源ボタン35の押下)を検出すると、ステップS403の処理へ進む。
【0131】
(ステップS403)EC20は、PC1AのPDコントローラ43に対してUSBポートを一旦無効に設定する。そして、ステップS405の処理へ進む。
【0132】
(ステップS405)USBポートが無効になったことに応じて、PC1AのPDコントローラ43とPC1BのPDコントローラ43との通信が切断される。
【0133】
(ステップS407)一方、EC20は、ステップS403でUSBポートを一旦無効に設定した後、EMモード制御信号をディアサートして、ステップS409の処理へ進む。
【0134】
(ステップS409)EC20は、PC1AのPDコントローラ43と通信することにより、DPシンクからDPソースに戻し、電源機能を無効から有効に戻す。そして、ステップS411の処理へ進む。
【0135】
(ステップS411)EC20は、PC1AのPDコントローラ43に対してUSBポートを再び有効に設定する。これにより、PC1Aは、EMモードを終了し、PCモードとしてシステムが起動する。
【0136】
(ステップS413)USBポートが有効になったことに応じて、PC1AのPDコントローラ43とPC1BのPDコントローラ43とがCC端子を介して通信のネゴシエーションを行い再接続される。
【0137】
なお、図7を参照して、PC1Aがシステムの起動に応じてEMモードを終了する例を説明したが、システムの起動に代えて、PC1AとPC1Bとが非接続になったことによりEMモードを終了してもよい。
【0138】
なお、本実施形態では、PC1Bが汎用的なPCであっても、PC1Bの外部モニタとしてPC1Aを利用可能な例を説明したが、当然、PC1Bが第1の実施形態のようにPC1Aと同じ定義がされたVDMを用いた通信が可能なPCであっても、図6のEMモード開始処理及び図7のEMモード終了処理を適用することができる。
【0139】
[第2の実施形態のまとめ]
以上説明してきたように、本実施形態に係る情報処理装置としてのPC1(例えば、PC1A)は、EC20は、PCモード(第1モード)においてメイン処理部10が実行するシステムがシャットダウンしたことに起因して、EMモード(第2モード)に制御する。
【0140】
これにより、PC1(例えば、PC1A)は、シャットダウンした状態において、USBで有線接続されることで容易に外部モニタとして機能させることができる。例えば、PC1(例えば、PC1A)は、シャットダウンした状態で外部モニタとして機能する場合には、汎用的なPC(例えば、VDMを用いた通信に対応していない従来のPC、他のベンダーのPCなど)であっても、USBで有線接続されることで容易に外部モニタとして機能させることができる。
【0141】
また、EC20は、EMモード(第2モード)においてメイン処理部10が実行するシステムの起動に応じて、PCモード(第1モード)に制御する。
【0142】
これにより、PC1(例えば、PC1A)は、シャットダウンした状態で外部モニタとして使用している途中で、ユーザがシステムを起動させてPCとして使用することもできる。
【0143】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、上述の実施形態において説明した各構成は、任意に組み合わせることができる。
【0144】
なお、上記実施形態では、PC1AとPC1BとをUSBコネクタ18(例えば、USB Type-Cコネクタ)に対応したUSBケーブル5で接続する構成を示したが、PC1AとPC1Bとの接続は、他の通信規格に対応した接続としてもよい。
【0145】
また、上記実施形態において、PC1Aの表示部17をPC1Bの外部モニタとして利用するだけでなく、PC1Aの入力デバイス30(キーボード、タッチパッド、トラックポイントなど)を外付けの入力デバイスとして使用できるようにしてもよい。例えば、PC1Aは、EMモードでDP信号の伝送経路を切り替えるのと同様に、USBコネクタ18を介して接続される外付けの入力デバイスから取得する操作信号をメイン処理部10へ伝送する経路と、EC20が入力デバイス30から取得する操作信号をUSBコネクタ18を介して接続されるPC1Bへ伝送する経路とを切り替えることで、入力デバイス30を外付けの入力デバイスとして機能させることができる。
【0146】
また、上記実施形態において、表示部17を制御するための制御信号の例として、輝度制御信号(Backlight_PWM)、バックライト制御信号(Backlight_Enable)、パネル電源制御信号(Panel_Power_Enable)などを説明したが、制御信号の種類はこれらに限られるものではなく、表示部17の種類や使用によって必要な制御信号が制御の対象となる。
【0147】
なお、上述した情報処理装置としてのPC1は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、上述した情報処理装置としてのPC1が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した情報処理装置としてのPC1が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0148】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に情報処理装置としてのPC1が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0149】
また、上述した実施形態における情報処理装置としてのPC1が備える各機能の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【0150】
また、上記実施形態の情報処理装置としてのPC1は、ノートブック型のPCに限られるものではなく、例えば、デスクトップ型のPC、タブレット型のPCなどであってもよいし、スマートフォンであってもよい。
【符号の説明】
【0151】
1 情報処理装置、10 メイン処理部、11 CPU、12 GPU、13 チップセット、14 システムメモリ、15 通信部、16 記憶部、17 表示部、18 USBコネクタ、20 EC、21 バスセレクタ、22 バスセレクタ、23 信号セレクタ、24 信号セレクタ、30 入力デバイス、35 電源ボタン、40 電源部、45 パネル電源スイッチ
【要約】
【課題】有線接続されることで内蔵ディスプレイを容易に外部モニタとして機能させること。
【解決手段】情報処理装置は、表示部と、システム処理に基づいて表示部に表示する映像信号を生成する表示処理を実行する第1プロセッサと、第1プロセッサの動作状態にかかわらずに処理を実行することが可能な第2プロセッサと、映像信号を含む入出力信号を外部装置と伝送するケーブルが接続される接続部と、第1プロセッサによる表示処理により生成された映像信号を表示部へ伝送する第1経路と、接続部に入力された映像信号を表示部へ伝送する第2経路とのいずれかを第2プロセッサの制御により選択する第1選択部と、第1プロセッサが表示部を制御する制御信号を表示部へ伝送する第3経路と、第2プロセッサが表示部を制御する制御信号を表示部へ伝送する第4経路とのいずれかを第2プロセッサの制御により選択する第2選択部と、を備える。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7