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  • 特許-温度検出システム 図1
  • 特許-温度検出システム 図2
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  • 特許-温度検出システム 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】温度検出システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20241202BHJP
【FI】
H01L21/66 T
H01L21/66 B
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023205474
(22)【出願日】2023-12-05
【審査請求日】2023-12-05
(31)【優先権主張番号】112129264
(32)【優先日】2023-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】511139327
【氏名又は名称】漢民測試系統股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】楊 棋名
【審査官】金田 孝之
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-145218(JP,A)
【文献】特開2023-051506(JP,A)
【文献】特開平08-037226(JP,A)
【文献】特開平06-021227(JP,A)
【文献】特開平07-288270(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/64-21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のダイを有するウェハと、
前記ダイに隣接した複数のセンシングモジュールと、
プローブと
を含み、
各前記センシングモジュールは、温度センサと、前記温度センサと電気接続された複数のパッドとを含み、
前記センシングモジュールは前記プローブを介して検出信号を伝送し、
前記パッドは、異なるピッチを有する前記パッドの複数のセットを含み、前記パッドの前記セットのうちの1つは前記プローブに直接接触するように構成される、温度検出システム。
【請求項2】
前記パッドの前記セットのうちの一部分は第1の方向に配列され、前記パッドの前記セットの他の部分は前記第1の方向に垂直な第2の方向に配列される、請求項に記載の温度検出システム。
【請求項3】
前記パッドの前記セットの前記一部分におけるピッチ変化は、前記パッドの前記セットの前記他の部分におけるピッチ変化と同一である、請求項に記載の温度検出システム。
【請求項4】
前記パッドの前記セットは、前記パッドの前記セットに対応する前記ダイの角位置を囲む、請求項に記載の温度検出システム。
【請求項5】
前記ダイと前記センシングモジュールは一対一に構成される、請求項1に記載の温度検出システム。
【請求項6】
前記温度センサは測温抵抗体である、請求項1に記載の温度検出システム。
【請求項7】
前記測温抵抗体は白金抵抗体センサである、請求項に記載の温度検出システム。
【請求項8】
前記ウェハは二酸化ケイ素ウェハである、請求項1に記載の温度検出システム。
【請求項9】
前記温度センサは前記ウェハの表面にはんだ付けされる、請求項1に記載の温度検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は温度検出システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
既存のウェハ上の温度検出する手法は、一般的に配線(wiring)により、ウェハ上の温度センサをデータ収集モジュールに接続してウェハから温度情報を取得する。しかし、温度センサの数の増加に伴い配線の量が増加し、またこの既存の手法においてはデータ収集するデータ収集モジュールの容量に制約があることから、ウェハ上の温度センサの数を効果的に増やせる可能性は低い。従って、検出可能な領域が制限され、よって検出の柔軟性が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、検出の柔軟性を向上させる温度検出システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1つの実施形態によると、ウェハと、複数のセンシングモジュールと、プローブとを含む温度検出システムを提供する。ウェハは複数のダイを含む。センシングモジュールはダイに隣接しており、各センシングモジュールは温度センサと複数のパッドとを含む。パッドは温度センサに電気接続される。センシングモジュールはプローブを介して検出信号を伝送する。
【0005】
本発明の1つの実施形態において、パッドは異なるピッチを有するパッドの複数のセットを含み、パッドのセットのうちの1つはプローブと直接接触するように構成される。
【0006】
本発明の1つの実施形態において、パッドのセットの一部分は第1の方向に配列され、パッドのセットの他の部分は第1の方向に垂直な第2の方向に配列される。
【0007】
本発明の1つの実施形態において、パッドのセットの一部分におけるピッチ変化は、パッドのセットの他の部分におけるピッチ変化と同一である。
【0008】
本発明の1つの実施形態において、パッドのセットは、パッドのセットに対応するダイの角位置を囲む。
【0009】
本発明の1つの実施形態において、ダイとセンシングモジュールは一対一に構成される。
【0010】
本発明の1つの実施形態において、温度センサは測温抵抗体(RTD)である。
【0011】
本発明の1つの実施形態において、RTDは白金抵抗体センサである。
【0012】
本発明の1つの実施形態において、ウェハは二酸化ケイ素ウェハである。
【0013】
本発明の1つの実施形態において、温度センサはウェハの表面にはんだ付けされる。
【発明の効果】
【0014】
上記に基づき、本発明の1つ以上の実施形態において提供される温度検出システムにおいて、センシングモジュールとプローブの結合設計によって追加的な配線のためのレイアウト空間を残すことができると同時に、比較的大量のデータを収集することができる。これにより、センシングモジュールを実際の要件に応じてウェハ上の検出すべき複数の位置に構成することができることで、ウェハ上に配置される温度センサの数を効果的に増加させ、検出可能な領域を拡張し、検出の柔軟性を向上させることを確実にする。
【0015】
本発明を更に詳細に説明するため、以下に図面を伴っていくつかの例示的な実施形態を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明のいくつかの実施形態による温度検出システムを含む温度検出装置を表す概略図である。
図2】本発明のいくつかの実施形態による温度検出システムのウェハを表す概略図である。
図3図2に図示した領域Aを表す拡大図である。
図4図2に図示した領域Bを表す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の詳細な説明において、限定ではなく説明を目的として、本発明の様々な原理の完全な理解を提供するために、特定の詳細を開示する例示的な実施形態を説明する。ただし、当業者にとって、本発明がここで開示する特定の詳細から逸脱する他の実施形態において実施され得ることは明らかである。更に、本発明の様々な原理の説明を曖昧にしないため、周知の装置、方法、及び材料の説明は省略する場合がある。
【0018】
以下に、図面を参照して本発明の例示的な実施形態を詳細に説明するが、本発明は多くの異なる形態で実施することもでき、ここで説明する実施形態に限定されると解釈されるべきではない。図面において、明確化のため、各領域、部分、及び/又は層の相対的なサイズ、厚さ、及び位置は、必ずしも縮尺通りに描かれておらず、一部の構成要素を省略することもある。
【0019】
別段の定義がない限り、ここで用いる全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
【0020】
図1は、本発明のいくつかの実施形態による温度検出システムを含む温度検出装置を表す概略図である。図2は、本発明のいくつかの実施形態による温度検出システムのウェハを表す概略図である。図3は、図2に図示した領域Aを表す拡大図である。図4は、図2に図示した領域Bを表す拡大図である。
【0021】
図1図4を参照し、本実施形態において、温度検出装置100は、搬送装置110と温度検出システムとを含み、温度検出システムは、ウェハ120と、複数のセンシングモジュール130と、プローブ144とを含む。具体的には、ウェハ120は搬送装置110に配置されてよく、検出を実行するため搬送装置110により搬送されてよく、プローブ144は搬送装置110の頂部領域110Rに位置する。ここで、プローブ144はプローブ装置140からのものであってよく、搬送装置110及びプローブ装置140の種類は任意の適切な種類を想定してよい。例えば、搬送装置110はプローバであってよく、プローブ装置140はプローブカード又は適切なプローブステーションであってよいが、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。搬送装置110とプローブ装置140がセンシングモジュール130との接続を容易にし且つ温度検出を行うよう構成されている限り、搬送装置110とプローブ装置140は本発明の保護範囲に含まれる。一方、ウェハ120とプローブ装置140は任意の適切な方法で搬送装置110に取り付けられてよく、例えば、図1に示すようにプローブ装置140が搬送装置110に組み込まれているとはいえ、プローブ装置140は搬送装置110上に配置されてもよく、或いは搬送装置110上に固定されても固定されなくてもよい。
【0022】
具体的には、ウェハ120は複数のダイ122を有し、センシングモジュール130はダイ122に隣接しており、各センシングモジュール130は温度センサ132と複数のパッド134を含み、パッド134は温度センサ132に電気接続される。加えて、センシングモジュール130はプローブ144を介して検出信号を伝送する。従って、センシングモジュール130とプローブ144を組み合わせた設計は、本実施形態において提供する温度検出システムに、比較的大量のデータを収集しつつ追加的な配線のレイアウト空間を残すことを可能とする。これにより、センシングモジュール130は実際の要件に基づいてウェハ120上の複数の検出すべき位置(例えば、温度が異常である位置)に設けられることができ、よってウェハ120上に配置される温度センサ132の数を効果的に増やし、検出可能な領域を拡張し、検出の柔軟性の向上を更に確保する。ここで、ダイ122は任意の適切な種類及びサイズ(例えば、2000マイクロメートル×20000マイクロメートル)であってよいが、これは本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0023】
本実施形態において、図1に示すように、プローブ装置140がプローブカードである場合、プローブ装置140は本体142と複数のプローブ144を含んでよいが、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。図示しない1つの実施形態において、プローブ装置140が別の適切なプローブステーションである場合、本体の数とプローブの数は複数(例えば2つ)であってよく、本体とプローブは適切な方法で構成されて動作してよく、ここではこれ以上説明しない。
【0024】
いくつかの実施形態において、温度検出装置100は対応する温度データ(例えば、プローブ144により伝送される信号)を収集及び/又は分析するためテスター112を更に含む。テスター112は、搬送装置110上に追加的に構成されるか搬送装置110に組み込まれてよいが、これは本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0025】
いくつかの実施形態において、各12インチウェハ120には149個の温度センサ132が設けられてよい。このため、13個の温度センサのみを設けることのできる既存の12インチウェハ120上に配置される温度センサの数と比較し、本実施形態において提供するウェハ120上に配置される温度センサ132の数は大幅に増加させることができるが、これは本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。例えば、ダイ122とセンシングモジュール130は一対一で構成され、ウェハ120上に配置される温度センサ132の量はウェハ120のサイズ(例えば、6インチ、8インチ等)及びウェハ120上のダイ122の数に応じて調整されてよい。
【0026】
いくつかの実施形態において、図2図4に示すように、パッド134は異なるピッチを有するパッドの複数のセットを含み例えば、パッドの第1セットS1、パッドの第2セットS2、パッドの第3セットS3、パッドの第4セットS4、パッドの第5セットS5、パッドの第6セットS6、パッドの第7セットS7、及びパッドの第8セットS8である。パッドのセットのうちの1つは、プローブ144と直接接触するように構成される。これにより、プローブ144がプローブカードである場合、たとえプローブカードが異なる仕様を有していても同一のセンシングモジュール130を検出のために適用可能である。即ち、プローブカードの異なる仕様に対応する仕様を有するセンシングモジュール130を製造する必要がない。このため、本実施形態において提供する温度検出装置100は、効果的に検出コストを低減させて検出ステップを簡略化するためにマルチカード対応設計を有するが、これは本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。ここで、ピッチとは、例えば隣接するパッドの中心点の間の距離Pである(図3を参照)。
【0027】
また、パッドのセットの一部分(例えば、パッドの第1セットS1、パッドの第2セットS2、パッドの第3セットS3、及びパッドの第4セットS4)は第1の方向D1に配列され、パッドのセットの他の部分(例えば、パッドの第5セットS5、パッドの第6セットS6、パッドの第7セットS7、及びパッドの第8セットS8)は第1の方向D1と垂直な第2の方向D2に配列される。換言すれば、パッドのセット(例えば、パッドの第1セットS1、パッドの第2セットS2、パッドの第3セットS3、パッドの第4セットS4、パッドの第5セットS5、パッドの第6セットS6、パッドの第7セットS7、及びパッドの第8セットS8)は、図2に示すように、対応するダイ122の角位置を囲んでよい。これにより、検出のためのパッドが異なる方向において存在することができる。該設計において、ウェハ120が回転されたとき、検出速度を速めるためにプローブ144が対応して回転又は移動する必要はないが、これは本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0028】
いくつかの実施形態において、パッドのセットの一部分(例えば、パッドの第1セットS1、パッドの第2セットS2、パッドの第3セットS3、及びパッドの第4セットS4)におけるピッチ変化は、パッドのセットの他の部分(例えば、パッドの第5セットS5、パッドの第6セットS6、パッドの第7セットS7、及びパッドの第8セットS8)のピッチ変化と同一である。例えば、第1の方向D1において、パッドの第1セットS1、パッドの第2セットS2、パッドの第3セットS3、及びパッドの第4セットS4はこれらのピッチの大から小への序列を成し、第2の方向D2において、パッドの第5セットS5、パッドの第6セットS6、パッドの第7セットS7、及びパッドの第8セットS8はこれらのピッチの大から小への序列を成す。パッドの第1セットS1におけるピッチとパッドの第8セットS8におけるピッチは例えば1000マイクロメートルであり、パッドの第2セットS2におけるピッチとパッドの第7セットS7におけるピッチは例えば190マイクロメートルであり、パッドの第3セットS3におけるピッチとパッドの第6セットS6におけるピッチは例えば130マイクロメートルであり、パッドの第4セットS4におけるピッチとパッドの第5セットS5におけるピッチは例えば100マイクロメートルであるが、これは本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。ピッチの数値は実際の設計要件に応じて、より大きくても小さくてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態において、パッドの各セット中の各パッド134は同一サイズを有し、パッドの各セットのサイズとピッチは対応している。例えば、パッドの第1セットS1とパッドの第8セットS8は例えば辺長950マイクロメートルの正方形パッドであり、パッドの第2セットS2とパッドの第7セットS7は例えば辺長140マイクロメートルの正方形パッドであり、パッドの第3セットS3とパッドの第6セットS6は例えば辺長80マイクロメートルの正方形パッドであり、パッドの第4セットS4とパッドの第5セットS5は例えば辺長50マイクロメートルの正方形パッドであるが、これは本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。パッドのサイズの数値は実際の設計要件に応じて、より大きくても小さくてもよく、パッドの形状も実際の設計要件に応じて調整されてよい。
【0030】
いくつかの実施形態において、パッドの第1セットS1、パッドの第2セットS2、パッドの第3セットS3、及びパッドの第4セットS4のうちのいずれか1つのパッド134は第2の方向D2に配列され、パッドの第5セットS5、パッドの第6セットS6、パッドの第7セットS7、及びパッドの第8セットS8のうちのいずれか1つのパッド134は第1の方向D1に配列される。換言すれば、パッドの各セット中のパッドの配列方向はパッドのセットの配列方向と垂直であってよいが、これは本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0031】
いくつかの実施形態において、各センシングモジュール130中の温度センサ132は1つの方向のみに選択的に配列されてよい。例えば、図2において、実線で示した温度センサ132は第1の方向D1におけるパッドの第1セットS1に対応して配列され、破線で示した温度センサ132は第2の方向D2におけるパッドの第8セットS8に対応して配列される。ここで、実線で示した温度センサ132と破線で示した温度センサ132のうちの一方を選択的にウェハ120上に配置する可能性が高い。
【0032】
いくつかの実施形態において、温度センサ132は高精度の測温抵抗体(RTD)である。このため、ウェハ120上の温度が変化した場合、異なる抵抗が対応して生成される。このように、抵抗換算から温度情報を取得することができる。RTDは白金(Pt)抵抗体センサであってよいが、これは本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。ここで、センシングモジュール130が搭載されたウェハ120はRTDウェハと呼ばれてよい。
【0033】
いくつかの実施形態において、温度センサ132とパッド134との間の電気接続は4線式接続方法を用いることにより達成されてよい。これにより、温度センサ132とされたRTDは、測定精度、検出すべき温度範囲、及び検出の柔軟性の向上を容易にすることができる。加えて、比較的狭く且つ同一のピッチを有するパッドの第4セットS4とパッドの第5セットS5は配線136により電気接続されることで、異なる方向におけるパッド134を連通させることができるが、これは本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0034】
本実施形態において説明のためにパッドの8つのセットを例示的に提供しているが、パッドのセットの数は本発明を限定するものとして解釈されるべきではないことに注意されたい。即ち、1つの方向に配列されるパッドのセットが4セットより多いか少ないかに関わらず、パッドが温度センサに電気接続されて、パッドと温度センサとを含むセンシングモジュールがプローブを介して検出信号を伝送する限り、本発明の保護範囲に包含される。
【0035】
いくつかの実施形態において、Pt抵抗体センサはPT-100素子又はPT-1000素子であってよい。PT-100素子が0℃であるとき、温度センサ132は対応して100オームを読み取り、抵抗は1℃上昇する毎に0.385増加する。PT-1000素子が0℃であるとき、温度センサ132は対応して1000オームを読み取り、抵抗は1℃上昇する毎に3.85増加する。ここで、本実施形態において提供する温度検出装置100がこれら2つの温度感知素子を用いる場合、測定可能温度範囲は-55℃~175℃であり、測定精度は-55℃~100℃±0.86℃、100℃~175℃±1.24℃であり、予防保守(PM)、修理、及び量産に適する。
【0036】
本発明においてPt抵抗体センサの種類は限定されず、実際の設計要件に応じて選択されてよいことに注意されたい。例えば、センシングモジュール130は感知パターン(例えば、パッド134と配線136)を有し、プローブ144が接触測定に用いられるとき接触抵抗(例えば5オーム未満)が生成される。接触抵抗の影響が大きくない場合、容易に校正可能なPT-100素子が用いられてよい。接触抵抗の影響が大きい場合、測定での接触抵抗の悪影響をより効果的に軽減するためPT-1000が選択されてよい。
【0037】
いくつかの実施形態において、温度センサ132と隣接するダイ122との間には少なくとも1センチメートルの距離が存在し、該距離はプローブ144が移動するための安全空間としての役割を果たす。このように、プローブ144の動作中に周囲の素子を破損させる可能性を低減させることができるが、これは本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0038】
いくつかの実施形態において、温度検出システムはウェハ120の電気的性能を測定する役割を果たしてよいが、これは本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0039】
以下に、温度検出装置100を用いた検出方法を説明する。測定すべきセンシングモジュール130がプローブ144の下を移動する。次いで、温度センサ132からデータを取得するため、プローブ144がセンシングモジュール130中のパッド134に直接接触するために用いられてよい。例えば、本実施形態において提供する4線式接続方法において、プローブ装置140がプローブカードである場合、4つのプローブ144がパッドの同一セット中のパッド134の一部又は全てに同時に接触する。他の実施形態において、プローブ装置140がプローブステーションである場合、プローブ装置140は2つのプローブシートを有してよく、各プローブシートはループを形成するようパッドの同一セット中のパッド134に別々に又は同時に接触する2つのプローブを有する。温度センサ132から取得したデータを任意的に収集のためにテスター112に伝送することで、検出ステップを完了してよい。このように、センシングモジュール130のレイアウトの幅とプローブ144の高運動性は、ウェハ120上の検出すべき領域の柔軟な検出の達成に貢献することができる。
【0040】
いくつかの実施形態において、ウェハ120は二酸化ケイ素ウェハであり、このためパッド134と配線136は、露光、現像、及びエッチングといったフォトリソグラフィプロセスによりウェハ120上に直接作製することができる。これにより、パッド134を所望の位置に精確に形成することができる。ここで、温度センサ132は、例えばウェハ120の表面にはんだ付けされ、はんだ付けプロセスは、例えば表面実装(surface mount technology、SMT)プロセスであるが、これは本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0041】
まとめると、本発明の1つ以上の実施形態において提供する温度検出システムにおいて、センシングモジュールとプローブの結合設計によって追加的な配線のためのレイアウト空間を残すことができると同時に、比較的大量のデータを収集することができる。これにより、センシングモジュールを実際の要件に応じてウェハ上の検出すべき複数の位置に構成することができることで、ウェハ上に配置される温度センサの数を効果的に増加させ、検出可能な領域を拡張し、検出の柔軟性を向上させることを確実にする。
【0042】
当業者にとって、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、開示された実施形態に対して様々な改変及び変形を行うことができることは明らかであろう。上記を鑑み、本発明は、特許請求の範囲及びその均等物の範囲内にある限り、改変及び変形を包含することを意図している。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の温度検出システムは、ウェハ上に配置される温度センサの数を効果的に増加させ、検出可能な領域を拡張し、検出の柔軟性を向上させることを確実にする。
【符号の説明】
【0044】
100:温度検出装置
110:搬送装置
110R:頂部領域
112:テスター
120:ウェハ
122:ダイ
130:センシングモジュール
132:温度センサ
134:パッド
136:配線
140:プローブ装置
142:本体
144:プローブ
A、B:領域
D1:第1の方向
D2:第2の方向
S1:パッドの第1セット
S2:パッドの第2セット
S3:パッドの第3セット
S4:パッドの第4セット
S5:パッドの第5セット
S6:パッドの第6セット
S7:パッドの第7セット
S8:パッドの第8セット
P:距離
【要約】      (修正有)
【課題】ウェハ上に配置される温度センサの数を効果的に増加させ、検出可能な領域を拡張し、検出の柔軟性を向上させることを確実にする温度検出システムを提供する。
【解決手段】ウェハと、複数のセンシングモジュールと、プローブとを含む温度検出システムにおいて、ウェハ120は、複数のダイ122を含む。センシングモジュール130は、ダイ122に隣接しており、各センシングモジュール130は、温度センサ132と複数のパッド134とを含む。パッド134は、温度センサ132に電気接続される。センシングモジュール130は、プローブを介して検出信号を伝送する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4