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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】食品凍結装置及び食品処理システム
(51)【国際特許分類】
   F25D 21/10 20060101AFI20241202BHJP
   F25D 13/06 20060101ALI20241202BHJP
   A23L 3/36 20060101ALI20241202BHJP
【FI】
F25D21/10 A
F25D13/06
A23L3/36 A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023519210
(86)(22)【出願日】2021-05-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-11
(86)【国際出願番号】 KR2021006711
(87)【国際公開番号】W WO2022085887
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-03-27
(31)【優先権主張番号】10-2020-0135504
(32)【優先日】2020-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513178894
【氏名又は名称】シージェイ チェイルジェダン コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100111372
【弁理士】
【氏名又は名称】津野 孝
(72)【発明者】
【氏名】ムン、 ソンヤン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、 ドゥソン
(72)【発明者】
【氏名】リ、 ゴンウ
【審査官】笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2020-0016645(KR,A)
【文献】特開平11-023137(JP,A)
【文献】特開平07-318230(JP,A)
【文献】特開2000-356448(JP,A)
【文献】特開昭61-047174(JP,A)
【文献】特開2018-179397(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0033827(KR,A)
【文献】特開昭62-013976(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 3/11
F25D 13/06
F25D 25/04
A23L 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を連続的に搬送するように設けられ、上下に離隔されて配置される複数段の搬送部;
前記複数段の搬送部を介して搬送される食品に対して放冷処理するように設けられる放冷部;
放冷処理されて前記複数段の搬送部を介して搬送される食品に対して予冷処理するように設けられる予冷部;
予冷処理されて前記複数段の搬送部を介して搬送される食品を凍結するように設けられる凍結部;及び
前記凍結部の内部に形成される霜を除去するように前記凍結部と連結される除霜部を含み、
前記放冷部、前記予冷部のうち少なくとも1つは、前記複数段の搬送部の各段に対応される位置に配置されて空気を圧送する複数の空気提供手段を含み、
前記複数の空気提供手段のうち互いに異なる段に対応される位置に配置される空気提供手段は、互いに独立して動作する、食品凍結装置。
【請求項2】
前記除霜部は、前記凍結部に空気を噴射して霜を除去するように設けられる、請求項1に記載の食品凍結装置。
【請求項3】
前記凍結部は、前記複数段の搬送部が通過する内部空間を有する凍結チャンバと、前記内部空間に冷気を提供する凍結モジュールを含み、
前記除霜部は、前記凍結モジュールに連結されて空気を噴射するように設けられる複数の除霜ノズルを含む、請求項2に記載の食品凍結装置。
【請求項4】
前記除霜部は、外部空気を吸引して乾燥させる空気乾燥モジュールを含み、前記空気乾燥モジュールにより乾燥された空気を前記凍結部の内部に噴射する、請求項2に記載の食品凍結装置。
【請求項5】
前記放冷部、前記予冷部及び前記凍結部のうち少なくとも1つは、前記複数の空気提供手段に提供する空気の流量を調節するように設けられる風量調節用ダンパをさらに含む、請求項に記載の食品凍結装置。
【請求項6】
前記放冷部は、外部空気を前記食品に圧送する方式で前記食品を放冷処理する、請求項1に記載の食品凍結装置。
【請求項7】
前記放冷部、前記予冷部及び前記凍結部は、前記食品に空気を噴射するように設けられるエアカーテンをそれぞれの入口と出口に備える、請求項1に記載の食品凍結装置。
【請求項8】
食品を連続的に搬送するように設けられ、上下に離隔されて配置される複数段の搬送部;
前記複数段の搬送部を介して搬送される食品に対して蒸熟処理するように設けられる蒸熟部;
前記複数段の搬送部を介して搬送される食品に対して放冷処理するように設けられる放冷部;
放冷処理されて前記複数段の搬送部を介して搬送される食品に対して予冷処理するように設けられる予冷部;及び
蒸熟処理されて前記複数段の搬送部を介して搬送される食品を凍結させるように設けられる凍結部を含み、
前記放冷部、前記予冷部のうち少なくとも1つは、前記複数段の搬送部の各段に対応される位置に配置されて空気を圧送する複数の空気提供手段を含み、
前記複数の空気提供手段のうち互いに異なる段に対応される位置に配置される空気提供手段は、互いに独立して動作する、食品処理システム。
【請求項9】
前記搬送部の各段は、
前記食品を搬送するように設けられるコンベヤ;及び
前記蒸熟部の内部を通過する前記コンベヤの上側で前記コンベヤを覆う搬送カバーを含む、請求項に記載の食品処理システム。
【請求項10】
前記コンベヤは、前後方向に延長されるが、左右方向と前後方向に沿って複数の前記食品が配列されてよいように設けられ、
前記搬送部の各段は、前記搬送カバーから前記コンベヤに向かって突出されるが、左右方向に沿って延長され、前後方向に沿って離隔されて配置される複数のバッフルプレートを含む、請求項に記載の食品処理システム。
【請求項11】
前記複数のバッフルプレートは、断熱材を内部に収容する、請求項10に記載の食品処理システム。
【請求項12】
前記蒸熟部は、前記複数段の搬送部が前後方向に通過する内部空間を有する蒸熟チャンバと、前記蒸熟チャンバに左右方向に沿って形成される開口を開閉するように設けられる蒸熟ドア部を含み、
前記蒸熟ドア部は、内部蒸熟ドアと、前記内部蒸熟ドアの外側に配置される外部蒸熟ドアを含む、請求項に記載の食品処理システム。
【請求項13】
前記蒸熟部は、前記複数段の搬送部の各段に対応される位置に配置されて蒸気を圧送する複数の蒸気提供手段を含み、
前記複数の蒸気提供手段のうち互いに異なる段に対応される位置に配置される蒸気提供手段は、互いに独立して動作する、請求項に記載の食品処理システム。
【請求項14】
前記凍結部と前記蒸熟部との間に配置され、蒸熟されて前記複数段の搬送部を介して搬送される食品を前記凍結部に伝達する前に冷却するように設けられる少なくとも1つの冷却部をさらに含む、請求項に記載の食品処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍食品を生産する食品凍結装置及び食品処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍食品、特に、冷凍餃子を生産するための食品蒸熟及び凍結工程は連続されて行われ得る。食品蒸熟及び凍結工程に用いられる生産ラインは、単一のコンベヤに食品が安着されて移送されると、移送される食品に対して適切な処理を実施する方式で構成され得る。
【0003】
前述した工程を介して多量の冷凍食品を生産することができるが、冷凍餃子のような冷凍食品に対する需要が急増するのに伴い、制限された設備で与えられた時間の間に十分に多くの冷凍食品を生産するのが難しくなった。生産量を増大させるために同一の設備を複数個配置する方式が用いられ得る。しかし、追加の設備を設置するには経済的な理由及び空間的な制約が作用し、現実的に行うことが困難であるという問題があった。
【0004】
また、蒸熟された食品を後処理するために急速に冷却する過程で霜がついてしまうなどの問題が発生した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような問題を解決するために案出されたものであって、制限された空間で多量の冷凍食品を生産することができる食品凍結装置及び食品処理システムを提供するものである。
【0006】
また、本発明が解決しようとする課題は、食品が処理される中の食品の位置により個別的に適切な処理が可能であり、霜発生を低減する食品凍結装置及び食品処理システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態による食品凍結装置は、食品を連続的に搬送するように設けられ、上下に離隔されて配置される複数段の搬送部;前記複数段の搬送部を介して搬送される食品に対して放冷処理するように設けられる放冷部;放冷処理されて前記複数段の搬送部を介して搬送される食品に対して予冷処理するように設けられる予冷部;予冷処理されて前記複数段の搬送部を介して搬送される食品を凍結するように設けられる凍結部;及び前記凍結部の内部に形成される霜を除去するように前記凍結部と連結される除霜部を含む。
【0008】
本発明の実施形態による食品処理システムは、食品を連続的に搬送するように設けられ、上下に離隔されて配置される複数段の搬送部;前記複数段の搬送部を介して搬送される食品に対して蒸熟処理するように設けられる蒸熟部;及び蒸熟処理されて前記複数段の搬送部を介して搬送される食品を凍結させるように設けられる凍結部を含む。
【発明の効果】
【0009】
これにより、制限された空間で多量の冷凍食品を生産することができ、食品の位置により個別的に適切な処理がなされるので霜発生が低減され得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態による食品処理システムの斜視図である。
【0011】
図2】本発明の一実施形態による食品処理システムの内部構造を露出させた状態において食品処理システムを上から下に眺めた図面である。
【0012】
図3】本発明の一実施形態による食品処理システムの内部構造を露出させた状態において食品処理システムの側面を眺めた図面である。
【0013】
図4】本発明の一実施形態による食品処理システムの蒸熟部の内部構造を露出させた状態において蒸熟部の側面を眺めた図面である。
【0014】
図5】本発明の一実施形態による蒸熟部の内部構造を露出させた状態において蒸熟部の正面を眺めた図面である。
【0015】
図6】本発明の一実施形態による蒸熟部の内部構造の一部を示した図面である。
図7】本発明の一実施形態による蒸熟部の内部構造の一部を示した図面である。
【0016】
図8】本発明の一実施形態による蒸熟部内に配置されるノズルの形状を示した図面である。
【0017】
図9】本発明の一実施形態による蒸熟部の蒸熟ドア部を示した図面である。
【0018】
図10】本発明の一実施形態による食品処理システムの放冷部と予冷部を示した斜視図である。
【0019】
図11】本発明の一実施形態による食品処理システムの凍結部を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一部実施形態を例示的な図面を介して詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加することにおいて、同一の構成要素に対してはたとえ他の図面上に表示されるとしても、出来る限り同一の符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の実施形態を説明することにおいて、関連された公知構成又は機能に対する具体的な説明が本発明の実施形態に対する理解を邪魔すると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0021】
また、本発明の実施形態の構成要素を説明することにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を用いてよい。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためだけのものであり、その用語により当該構成要素の本質や順番又は順序等が限定されない。ある構成要素が他の構成要素に『連結』、『結合』又は『接続』されると記載された場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接的に連結されるか接続されてよいが、各構成要素の間にまた他の構成要素が『連結』、『結合』又は『接続』されてもよいと理解されなければならない。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態による食品処理システム1の斜視図である。図2は、本発明の一実施形態による食品処理システム1の内部構造を露出させた状態において食品処理システム1を上から下に眺めた図面である。図3は、本発明の一実施形態による食品処理システム1の内部構造を露出させた状態において食品処理システム1の側面を眺めた図面である。図4は、本発明の一実施形態による食品処理システム1の蒸熟部20の内部構造を露出させた状態において蒸熟部20の側面を眺めた図面である。図5は、本発明の一実施形態による蒸熟部20の内部構造を露出させた状態において蒸熟部20の正面を眺めた図面である。図6図7は、本発明の一実施形態による蒸熟部20の内部構造の一部を示した図面である。
【0023】
図を参照すると、本発明の一実施形態による食品処理システム1は、搬送部10、蒸熟部20、凍結部50及び除霜部60を含むことができる。食品処理システム1は、放冷部30と予冷部40を含むことができ、搬送部10、放冷部30、予冷部40及び凍結部50が食品凍結装置を構成することができる。放冷部30と予冷部40は、冷却部を構成することができる。前側から後方に行きながら、順序通りに蒸熟部20、放冷部30、予冷部40及び凍結部50が位置することができる。
【0024】
【0025】
搬送部10
【0026】
搬送部10は、食品Fを連続的に搬送するように設けられる構成要素である。搬送部10は、複数の段で構成されてよい。搬送部10の各段11、12、13は、上下に離隔されて配置されてよい。搬送部10は、本発明の一実施形態のように下方に行きながら順序通りに配置された第1搬送段11、第2搬送段12及び第3搬送段13を備えて3段で構成されてよいが、その段数がこれに制限されない。
【0027】
搬送部10の前側には、食品供給設備が配置されてよい。食品供給設備は、搬送部10の各段11、12、13と並んで配置されてもよいが、搬送部10の各段11、12、13の左右方向側に配置されて左右方向に沿って食品Fを搬送部10に伝達することもでき、直線に形成された経路を介して搬送部10に食品Fを伝達するものではなく、回転する構造を有するロータリー供給設備であってもよく、その種類がこれに制限されない。
【0028】
搬送部10の各段11、12、13は、食品Fを搬送するように設けられるコンベヤ121を含むことができる。コンベヤ121は、前後方向に延長されるが、左右方向と前後方向に沿って複数の食品Fが配列されるように設けられてよい。コンベヤ121は、複数のローラと複数のローラの外周面に巻かれたベルトを含み、ローラの回転によりベルトが回転するようにし、ベルトの上面に置かれた食品Fが所定の方向に搬送されるようにする。本発明の一実施形態においては、前後方向に直交する左右方向を軸方向としてローラが回転し、ベルトが後方に食品Fを移送することができる。本明細書において、前後、左右及び上下方向は、説明の便宜のために用いられる相対的な方向であり、食品処理システム1が配列される状態により異なり得る。
【0029】
コンベヤ121を駆動するため、搬送部10は、回転する駆動力を発生させてローラに伝達するモータ等で構成される駆動モジュールをさらに含むことができる。前後方向に沿って食品処理システム1の全体に亘って単一コンベヤ121が配置されてもよいが、コンベヤ121は所定の区間ごとに分離され、連続された複数のコンベヤユニットがコンベヤ121を構成することもできる。複数のコンベヤユニットをコンベヤ121が含む場合、それぞれのコンベヤユニットに互いに異なる駆動モジュールが配置され、それぞれのコンベヤユニットを駆動させることができる。
【0030】
搬送部10の各段11、12、13は、蒸熟部20の内部を通過するコンベヤ121の上側でコンベヤ121を覆う搬送カバー141をさらに含むことができる。搬送カバー141は、コンベヤ121を覆い、搬送カバー141の下側と蒸気配管との間のコンベヤ121が位置する蒸熟区分空間が各段11、12、13に形成され、各段11、12、13の蒸熟区分空間が互いに対して区分され得るようにする。第1搬送段11の場合、コンベヤの上に配置される他の搬送段が存在しないので、搬送カバー141を含まずにも第1蒸熟区分空間を形成することができる。第2搬送段12の搬送カバー141は、第1搬送段11から第2搬送段12のコンベヤ121を分離して第2蒸熟区分空間を形成することができる。図では、第2搬送段12とその上側に配置される搬送カバー141を示している。第3搬送段13の搬送カバーは、第2搬送段12から第3搬送段13のコンベヤを分離して第3蒸熟区分空間を形成することができる。各蒸熟区分空間が分離することにより有することができる特徴に対しては後述する。
【0031】
搬送カバー141は、左右方向を基準として内側方向に対して上方に傾斜した形状を有することができる。したがって、中心に行きながらコンベヤ121から搬送カバー141の距離が遠くなる形状を有することができる。搬送カバー141がこのような形状を有し、搬送カバー141の下面に蒸気による水がしずくになっても左右方向を基準として外側に水がガイドされて落下することになり、左右方向を基準として中心に位置した食品Fに水が落下する状況を防止することができる。
【0032】
搬送部10の各段11、12、13は、搬送カバー141の下面からコンベヤ121に向かって突出されるバッフルプレート142をさらに含むことができる。バッフルプレート142は、左右方向に沿って延長され、複数で構成されて前後方向に沿って離隔されて配置されてよい。バッフルプレート142は、前後方向に沿って眺めるとき、搬送カバー141と類似に、左右方向を基準として内側方向に対して上方に傾斜した形状を有し、上下方向に沿って所定の厚さを有することができる。バッフルプレート142が上下に区分された各蒸熟区分空間を前後方向にさらに区分することができる。
【0033】
バッフルプレート142は、断熱材を内部に収容することができる。断熱材は、グラスウールであってよいが、その種類がこれに制限されない。バッフルプレート142が断熱材を収容し、各蒸熟区分空間が互いに対して効果的に断熱され得る。
【0034】
【0035】
蒸熟部20
【0036】
蒸熟部20は、食品Fを蒸気を用いて料理する蒸熟処理をするために設けられる部分である。蒸熟部20は、搬送部10を介して搬送される食品Fを蒸熟処理できる。蒸熟部20は、蒸熟空間を内部に形成するための蒸熟チャンバ21を含むことができ、蒸熟チャンバ21の内部に配置される蒸気提供手段を含むことができる。蒸気提供手段は、複数で構成されてよい。
【0037】
蒸熟チャンバ21は、前後方向に開放された箱の形態を有することができる。蒸熟チャンバ21の前後方向の開口を搬送部10が貫通することができる。したがって、搬送部10を介して後方に移送される食品Fが蒸熟空間を通過して蒸熟され得る。効果的な蒸熟が起こるように、蒸熟チャンバ21の前後方向の開口には一時的に前後方向の開口を閉鎖するように蒸熟空間を密閉するか開放することができる蒸熟ゲートが配置されてよい。
【0038】
蒸気提供手段は、複数段の搬送部10の各段11、12、13に対応される位置に配置されて蒸気をそれぞれの蒸熟区分空間に圧送することができる。したがって、蒸気提供手段は、水を加熱して蒸気を生成する蒸気生成手段を含み、蒸気生成手段で生成された蒸気をそれぞれの蒸熟区分空間に排出する蒸気排出手段23を含むことができる。蒸気生成手段は、水加熱器であってよく、蒸気排出手段23は、パイプ型に形成されてよい。
【0039】
複数の蒸気提供手段のうち互いに異なる段に対応される位置に配置される蒸気提供手段は、互いに独立して動作することができる。したがって、各搬送段11、12、13に対応される蒸熟区分空間に排出される蒸気の温度と排出量が状況によりそれぞれ異なり得る。このような個別制御のため、各蒸熟区分空間には温度を獲得する蒸熟温度センサが配置されてよい。蒸熟温度センサが獲得した温度により、該当の蒸熟温度センサに対応される蒸気提供手段が制御されてよい。
【0040】
蒸気排出手段23は、各搬送段11、12、13が含むコンベヤ121の下側に配置され、上方に蒸気を排出してコンベヤ121の上面に安着されて移送される食品Fを蒸熟処理することができる。蒸気排出手段23は、蒸気生成手段から蒸気の伝達を受けて内部で蒸気が流動するようにする左右パイプ231と前後パイプ232を含むことができる。左右パイプ231は、左右方向に延長され、前後パイプ232は前後方向に延長されてよい。
【0041】
複数の前後パイプ232は、左右方向を基準としてコンベヤ121の両端と中心に配置されてよく、複数の左右パイプ231は、前後パイプ232との間で前後方向に沿って所定間隔ごとに配置されてよい。左右パイプ231と前後パイプ232には、それぞれ左右方向と前後方向に沿って所定の間隔ごとに蒸気排出孔又はノズルが上方に形成され、蒸気を上方に排出することができる。このような前後パイプ232及び左右パイプ231の配置により、蒸熟空間内の食品Fが噴射される蒸気により均等に蒸熟され得る。蒸熟部20内の温度は95~99℃であってよく、蒸熟部20から排出された食品Fは、75~85℃の温度を有することができ、好ましくは80℃の温度を有することができる。
【0042】
前後パイプ232のうち中心に配置される中心前後パイプ2321には、左右パイプ231等が連通されてよい。したがって、中心前後パイプ2321が各左右パイプ231に蒸気を提供することができる。前後パイプ232は、中心前後パイプ2321と、中心前後パイプ2321の左右に配置される外郭前後パイプ2322を含むことができる。外郭前後パイプ2322は、上下方向を基準としてコンベヤ121の中心に、左右方向を基準としてコンベヤ121の両側に配置されてよい。中心前後パイプ2321は、上下方向を基準としてコンベヤ121の下側、左右方向を基準としてコンベヤ121の中心に配置されてよい。すなわち、中心前後パイプ2321は、外郭前後パイプ2322より下側に配置されてよい。
【0043】
図8は、本発明の一実施形態による蒸熟部20内に配置されるノズルの形状を示した図面である。
【0044】
蒸熟部20の内部には、蒸熟空間の洗浄のための蒸熟洗浄手段が配置されてよい。蒸熟洗浄手段は、空気、蒸気、洗浄水及び洗浄剤等を流動させる蒸熟洗浄配管と、蒸熟洗浄配管で流動する物質を蒸熟空間に排出するための蒸熟ノズル22を含むことができる。蒸熟ノズル22は、図8に示されたように、多様な方向に開口された複数の蒸熟ノズル孔220を有するように形成され、単純に下方に向かって物質を噴射するものではなく、上方、側方及び下方など多様な方向に向かって物質を噴射することができ、円錐状を描きながら物質が噴射されるようにすることができる。蒸熟ノズル22は、蒸熟洗浄配管に回転可能に結合され、蒸熟空間内に死角地帯なく回転して物質を噴射することができる。
【0045】
図9は、本発明の一実施形態による蒸熟部20の蒸熟ドア部2111、2121を示した図面である。
【0046】
蒸熟チャンバ21は、二重構造で形成されてよい。すなわち、蒸熟空間を形成する内部蒸熟チャンバ212をウェブ蒸熟チャンバ211が取り囲む形態で蒸熟チャンバ21が形成されてよい。蒸熟チャンバ21には、左右方向に沿って開口がさらに形成されてよい。このような左右方向開口を開閉するように蒸熟ドア部2111、2121が設けられてよい。
【0047】
蒸熟ドア部2111、2121は、内部蒸熟チャンバ212の開口を開閉する内部蒸熟ドア2121と、ウェブ蒸熟チャンバ211の開口を開閉するように左右方向を基準として内部蒸熟ドア2121の外側に配置される外部蒸熟ドア2111を含むことができる。すなわち蒸熟ドア部2111、2121は、二重のドア構造を有し、蒸熟空間に充満する蒸気が漏出されて発生し得る事故を防止することができる。使用者は、適切な処理のために、外部蒸熟ドア2111を開放した後、内部蒸熟ドア2121を開放して蒸熟空間に近づくことができる。
【0048】
【0049】
放冷部30、予冷部40及び凍結部50
【0050】
図10は、本発明の一実施形態による食品処理システム1の放冷部30と予冷部40を示した斜視図である。
【0051】
放冷部30は、搬送部10を介して蒸熟部20から搬送される食品Fに対して放冷処理するように設けられる構成要素である。放冷処理とは、別途の冷媒などを用いずに、外気に食品Fを露出させるか、外気が食品Fの周辺に流動するようにする方式で冷却する処理方法を意味する。
【0052】
放冷部30は、放冷空間を内部に形成するための放冷チャンバ31を含むことができ、放冷チャンバ31は、外気が放冷空間に出入りするように開放された開口を有することができる。放冷部30は、放冷チャンバ31の内部に配置されて放冷空間に外気を圧送して供給することができる外気提供手段33を含むことができる。放冷部30は、蒸熟部20の後側に配置されてよい。
【0053】
放冷チャンバ31は、前後方向に開放された箱の形態を有することができる。放冷チャンバ31の前後方向の開口を搬送部10が貫通することができる。したがって、搬送部10を介して後方に移送される食品Fが放冷空間を通過して放冷処理されてよい。
【0054】
予冷部40は、放冷処理されて搬送部10を介して搬送される食品Fに対して予冷処理するように設けられる構成要素である。予冷処理とは、冷媒を用いて冷却した空気を食品Fの周辺に流動するようにする方式であって、食品Fを冷却する処理方法を意味する。予冷部40は、放冷部30の後側に配置されてよい。
【0055】
予冷部40は、予冷空間を内部に形成するための予冷チャンバ41を含むことができる。予冷チャンバ41は、前後方向に開放された箱の形態を有することができる。予冷チャンバ41の前後方向の開口を搬送部10が貫通することができる。したがって、搬送部10を介して後方に移送される食品Fが予冷空間を通過して予冷処理されてよい。
【0056】
予冷部40は、予冷チャンバ41の内部に配置されて予冷空間に冷媒により冷却した空気を圧送して供給することができる予冷空気提供手段を含むことができる。予冷部40は、冷媒と空気の熱交換を介して空気を冷却して予冷空気提供手段として提供することができる予冷空気生成手段43を含むことができる。予冷空気生成手段43は、予冷チャンバ41の上側に配置されてよい。予冷空気生成手段43は、塩水などを含む冷媒を用いる、間接的な冷却方式を用いるブラインクーラ(brinecooler)であってよい。
【0057】
予冷部40内の温度は3~7℃であってよく、好ましくは5℃であってよく、予冷部40から排出された食品Fは35~45℃の温度を有してよく、好ましくは40℃であってよい。
【0058】
図11は、本発明の一実施形態による食品処理システム1の凍結部50を示した斜視図である。
【0059】
凍結部50は、予冷処理されて搬送部10を介して搬送される食品Fを凍結するように設けられる構成要素である。凍結部50は、予冷部40の後側に配置されてよい。凍結部50は、凍結空間を内部に形成するための凍結チャンバ51を含むことができる。凍結チャンバ51は、前後方向に開放された箱の形態を有することができる。凍結チャンバ51の前後方向の開口を搬送部10が貫通することができる。したがって、搬送部10を介して後方に移送される食品Fが凍結空間を通過して凍結されてよい。
【0060】
凍結部50は、冷却した空気である冷気を提供する凍結モジュールを含むことができる。凍結モジュールは、凍結空気提供手段と、凍結空気生成手段53を含むことができる。凍結空気提供手段は、凍結チャンバ51の内部に配置されて凍結空間に冷媒により冷却した空気を圧送して供給することができる。凍結空気生成手段53は、冷媒と空気の熱交換を介して空気を冷却して凍結空気提供手段として提供することができる。凍結空気生成手段53は、凍結チャンバ51の上側に配置されてよい。凍結空気生成手段53は、R-404、R-507等の冷媒を用いる凍結装置であってよい。
【0061】
凍結部50内の温度は-37~-40℃であってよく、凍結部50から排出された食品Fは-5~-10℃の温度を有し、好ましくは-7℃であってよい。放冷部30、予冷部40及び凍結部50を順序通りに経由しながら、搬送部10を介して搬送される食品Fが徐々に冷却されて急激な温度変化を経験することを最小化して最終的に冷凍された状態で排出されてよい。徐々に冷却がなされるので、凍結部50の負荷が減少することができる。
【0062】
放冷部30、予冷部40及び凍結部50のうち少なくとも1つは、搬送部10の各段11、12、13に対応される位置に配置されて空気を圧送する複数の空気提供手段を含むことができる。このような空気提供手段は、放冷部30においては外気提供手段33、予冷部40においては予冷空気提供手段、凍結部50においては凍結空気提供手段であってよい。空気提供手段は、外部空気を吸引して処理して各チャンバ31、41、51に提供することもできるが、チャンバ31、41、51で用いられた空気を再び処理してチャンバ31、41、51に再び提供することもできる。
【0063】
複数の空気提供手段のうち異なる段に対応される位置に配置される空気提供手段は、独立して動作することができる。したがって、各搬送段11、12、13に安着された食品Fに対して、互いに異なる温度で処理がなされ得る。このような個別制御のため、各搬送段11、12、13と隣接した位置には温度を獲得する温度センサが配置されてよい。温度センサが獲得した温度により、該当の温度センサに対応される空気提供手段が制御されてよい。
【0064】
放冷部30、予冷部40及び凍結部50のうち少なくとも1つは、複数の空気提供手段に提供する空気の流量を調節するように設けられる風量調節用ダンパを含むことができる。風量調節用ダンパは、パイプ型の外観を有して空気が流れる流路の中間に配置されてよく、内側に配置される姿勢を調節することができるダンパ部材を含み、このようなダンパ部材の姿勢を調節することで風量調節用ダンパを介して提供される風量を調節することができる。
【0065】
放冷部30、予冷部40及び凍結部50は、食品Fに空気を噴射するように設けられるエアカーテンをそれぞれの入口と出口に備えることができる。エアカーテンが配置され、搬送部10により搬送される食品Fに付着した異物を除去することができ、食品F以外に他の異物が放冷チャンバ31、予冷チャンバ41及び凍結チャンバ51に進入することを遮断することができる。
【0066】
予冷部40と放冷部30は、食品Fを冷却するが凍結しないので、冷却部を構成することができる。すなわち、冷却部は、凍結部50と蒸熟部20の間に配置され、蒸熟されて搬送部10を介して搬送される食品Fを凍結部50に伝達する前に冷却するように設けられる部分である。
【0067】
放冷部30、予冷部40及び凍結部50の左右側面にも開口が形成され、これを開閉するドアである放冷ドア311、予冷ドア411及び凍結ドア511が配置されてよい。また放冷部30、予冷部40及び凍結部50の内側にも空気、蒸気、洗浄水及び洗浄剤等の物質を噴射して各チャンバ31、41、51を洗浄するための洗浄手段が配置されてよい。
【0068】
放冷部30、予冷部40及び凍結部50は、前後方向に有する長さが互いに異なり得る。放冷部30から予冷部40、凍結部50に行くほど前後方向に有する長さが長くなり得る。
【0069】
【0070】
除霜部60
【0071】
除霜部60は、凍結部50の内部に形成される霜を除去するように凍結部50と連結される構成要素である。除霜部60は、凍結部50に空気を噴射して霜を除去するように設けられてよい。除霜部60は、凍結チャンバ51の内部ではない凍結モジュールに空気を噴射し、凍結モジュール内で発生する霜を除去することができる。
【0072】
除霜部60は、複数の除霜ノズル61と、空気タンク62と、空気乾燥モジュール63を含むことができる。除霜ノズル61は、凍結モジュールに連結されて凍結モジュールの凍結空気生成手段53に空気を噴射するように設けられてよい。除霜ノズル61は、配管を介して空気タンク62に連結されてよく、空気タンク62は、内部に保管した乾燥された空気を配管を介して除霜ノズル61に伝達することができる。各配管にバルブが配置され、除霜ノズル61に伝達する空気の量を調節することができる。空気乾燥モジュール63は、空気タンク62と連結され、外部から流入される空気を吸入及び乾燥させて空気タンク62に貯蔵されるようにすることができる。空気乾燥モジュール63は、空気を冷凍させて水蒸気を凝縮させる方式で除湿を行うか、シリカゲルのような吸着剤を用いて除湿を行う除湿機であってよいが、その種類がこれに制限されない。
【0073】
除霜ノズル61が凍結空気生成手段53の霜が生じやすい部分に向かうように配置されてよい。図示されたように、除霜ノズル61は、凍結空気生成手段53の側面から凍結空気生成手段53を眺めるように格子型に配置され、高圧の空気を噴射して霜を物理的に除去することができる。
【0074】
以上で、本発明の実施形態を構成する全ての構成要素が1つに結合するか結合して動作するものとして説明されたからとして、本発明が必ずしもこのような実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明の目的範囲内であれば、その全ての構成要素が1つ以上に選択的に結合して動作することもできる。また、以上で記載された『含む』、『構成する』又は『有する』等の用語は、特に反対の記載がない限り、該当の構成要素が内在し得ることを意味するものなので、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含むことができることに解釈されなければならない。技術的であるか科学的な用語を含んだ全ての用語は、異なって定義されない限り、本発明が属する技術分野常の知識を有する者により一般的に理解されるものと同じ意味がある。辞典に定義された用語のように一般的に用いられる用語は、関連技術の文脈上の意味と一致するものとして解釈されることができ、本発明で明らかに定義しない限り、理想的であるか過度に形式的な意味に解釈されない。
【0075】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したことに過ぎないものであって、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から外れない範囲で多様な修正及び変形が可能である。よって、本発明に開示された実施形態は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであって、このような実施形態により本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、下記の特許請求の範囲により解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11