(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】音響影響マップベースの欠陥サイズ撮像
(51)【国際特許分類】
G01N 29/06 20060101AFI20241202BHJP
G01N 29/11 20060101ALI20241202BHJP
【FI】
G01N29/06
G01N29/11
(21)【出願番号】P 2023541106
(86)(22)【出願日】2021-12-30
(86)【国際出願番号】 CA2021051903
(87)【国際公開番号】W WO2022147613
(87)【国際公開日】2022-07-14
【審査請求日】2023-07-05
(32)【優先日】2021-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522343027
【氏名又は名称】エヴィデント・カナダ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ブノワ・ルパージュ
【審査官】村田 顕一郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-536578(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0278323(US,A1)
【文献】特開2018-190388(JP,A)
【文献】特開2010-266414(JP,A)
【文献】特開2011-141124(JP,A)
【文献】特開平07-218483(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0006091(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 29/00-29/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
対象内の構造に超音波照射することから音響エコー信号の時系列表現を含む音響エコーデータを受信することと、
前記構造の構造タイ
プに対応する1つ以上の振幅影響マップ(AIM)を
事前に生成されたデータベースから取得することと、
前記1つ以上のAIMに基づいて、前記受信した音響エコーデータの振幅値を1つ以上の対応するサイズ値に変換すること
であって、前記サイズ値は、前記構造の直径サイズである、ことと、
前記変換されたサイズ値に基づいて、前記構造の
前記サイズ
値を
色として表す
ボクセルを有する画像を生成することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記構造タイプ
の識別が、ユーザから受信される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記音響エコーデータを取得するために使用される音響トランスデューサアレイのシステム構成に基づいて、
前記音響エコーデータから生成される音響画像にスケーリング係数を適用すること
であって、前記スケーリング係数は、前記音響画像と前記AIMとの間の補正係数である、ことを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記振幅値を対応する
前記サイズ値に変換する際のノイ
ズを判定することと、
前記判定されたノイ
ズに基づいて、
前記サイズ値の公
差を判定することと、を更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記画像を切り取ることにより、事前に設定された前記構造の最小サイズ
未満のデータを削除すること、を更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記音響エコーデータ
から生成される音響画像内のボクセルごと
に最小のサイジング誤差を生成する検査技法を選択することを更に含み、少なくとも2つの異なる検査
技法が使用される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記構造の前記サイズ値を閾値と比較することと、
前記サイズ値を前記閾値と比較することに基づいて、アラームを生成することと、を更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
マシン記憶媒体であって、前記マシン記憶媒体が命令を収容し、前記命令がマシンによって実行されると、前記マシンに、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法を行わせる、マシン記憶媒体。
【請求項9】
システムであって、
マシンの1つ以上のプロセッサと、
メモリと、を備え、前記メモリが、命令を記憶し、前記命令が、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記マシンに、
対象内の構造に超音波照射することから音響エコー信号の時系列表現を含む音響エコーデータを受信することと、
前記構造の構造タイ
プに対応する1つ以上の振幅影響マップ(AIM)を
事前に生成されたデータベースから取得することと、
前記1つ以上のAIMに基づいて、前記受信した音響エコーデータの振幅値を1つ以上の対応するサイズ値に変換すること
であって、前記サイズ値は、前記構造の直径サイズである、ことと、
前記変換されたサイズ値に基づいて、前記構造の
前記サイズ
値を
色として表す
ボクセルを有する画像を生成することと、を含む動作を行わせる、システム。
【請求項10】
前記構造タイプ
の識別が、ユーザから受信される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記動作が、
前記音響エコーデータを取得するために使用される音響トランスデューサアレイのシステム構成に基づいて、
前記音響エコーデータから生成される音響画像にスケーリング係数を適用すること
であって、前記スケーリング係数は、前記音響画像と前記AIMとの間の補正係数である、ことを更に含む、請求項9又は10に記載のシステム。
【請求項12】
前記振幅値を対応する
前記サイズ値に変換する際のノイ
ズを判定することと、
前記判定されたノイ
ズに基づいて、
前記サイズ値の公
差を判定することと、
を更に含む、請求項9~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記動作が、
前記画像を切り取ることにより、事前に設定された前記構造の最小サイズ
未満のデータを削除すること、を更に含む、請求項9~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記動作が、
前記音響エコーデータ
から生成される音響画像内のボクセルごと
に最小のサイジング誤差を生成する検査技法を選択することを更に含み、少なくとも2つの異なる検査
技法が使用される、請求項9~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記動作が、
前記構造の前記サイズ値を閾値と比較することと、
前記サイズ値を前記閾値と比較することに基づいて、アラームを生成することと、を更に含む、請求項9~14のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年1月5日に出願された米国仮特許出願第63/133,926号の優先権の利益を主張し、その内容は参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、音響検査技法、具体的には欠陥サイズの撮像に関する。
【背景技術】
【0003】
超音波検査は、非破壊的な様式で異なる構造の特性を検査するために使用することができる。試験対象の構造上又は構造内の不均一性は、送信された音響パルスに応答して散乱又は反射された音響信号を生成することができる。このような音響「エコー」を受信し、処理することができる。この処理は、検査員による再検討又は記録保存のために、試験対象の構造の領域に対応する画像の再構築を含むことができる。例えば、「トータルフォーカシングメソッド」(TFM)と呼ばれる技法は、試験対象の構造上又は構造内の広い空間領域にわたって焦点を達成することができるエコーの画像表現を生成するために使用することができる。TFM画像などの画像は、典型的には、受信されたエコーの振幅を示し、そのうちのいくつかは、試験対象の欠陥を示す。
【0004】
欠陥のサイズは、検査目的で取得するための有用な情報でもあり得る。しかしながら、超音波検査から欠陥のサイズを推定するためのいくつかの技法は、手間がかかり面倒である可能性がある。例えば、ディスタンスゲインサイジング(DGS)法と呼ばれる1つの技法は、多数の欠陥に悩まされている。DGSは撮像技法ではないため、Aスキャン分析などの広範なデータ分析が必要になる可能性がある。DGSはまた、TFMなどのいくつかの撮像技法と直接的に互換性がないため、互換性のあるフォーマットに変換する中間ステップが必要となり得る。更に、DGSは、パルスエコー構成などの限られた用途を有することができ、他の構成を扱うのに十分に堅牢ではない場合がある。自動周溶接検査などの他のサイジング技法も、同様の欠陥に悩まされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本主題の実施例は、
対象内の構造に超音波照射することから音響エコー信号の時系列表現を含む音響エコーデータを受信することと、
構造の構造タイプの識別に基づいて、識別された構造タイプに対応する1つ以上の振幅影響マップ(AIM)を取得することと、
1つ以上のAIMに基づいて、受信した音響エコーデータの振幅値を1つ以上の対応するサイズ値に変換することと、
変換されたサイズ値に基づいて、構造のサイズ情報を表す画素値を有する画像を生成することと、を含む、方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
添付の図面のうちの様々な図面は、単に本開示の例示的な実装態様を例解するものであり、その範囲を限定するものとしてみなされるべきではない。
【0007】
【
図1】本主題の実施例による、検査システムを例解する。
【
図2】本主題の実施例による、TFM画像の比較を例解する。
【
図3】本主題の実施例による、サイジング画像を生成する方法のフロー図である。
【
図4】本主題の実施例よる、AIMのセットを例解する。
【
図5】本主題の実施例による、サイジング画像である。
【
図6】本主題の実施例による、検出された構造の自動サイジング判定のための方法のフロー図である。
【
図7】本明細書で考察される技法(例えば、方法論)のうちのいずれか1つ以上が行われ得るマシンを備える実施例のブロック図を例解する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明者は、とりわけ、重要なコンピューティングリソース及び時間を費やすことなく、音響検査を使用して欠陥を正確にサイジングする技法に対する必要性を認識している。本明細書で説明される実施例は、TFM又はフェーズドアレイ超音波試験(PAUT)画像などの振幅ベースの検査画像を、音響影響範囲(AROI)とも称される、音響影響マップ(AIM)に基づいて、サイジング画像に変換する技法を含む。
【0009】
本明細書は、方法であって、対象内の構造に超音波照射することから音響エコー信号の時系列表現を含む音響エコーデータを受信することと、構造の構造タイプの識別に基づいて、識別された構造タイプに対応する1つ以上の振幅影響マップ(AIM)を取得することと、1つ以上のAIMに基づいて、受信した音響エコーデータの振幅値を1つ以上の対応するサイズ値に変換することと、変換されたサイズ値に基づいて、構造のサイズ情報を表す画素値を有する画像を生成することと、を含む、方法を説明する。
【0010】
本明細書はまた、マシン記憶媒体であって、マシン記憶媒体が命令を収容し、命令がマシンによって実行されると、マシンに、対象内の構造に超音波照射することから音響エコー信号の時系列表現を含む音響エコーデータを受信することと、構造の構造タイプの識別に基づいて、識別された構造タイプに対応する1つ以上の振幅影響マップ(AIM)を取得することと、1つ以上のAIMに基づいて、受信した音響エコーデータの振幅値を1つ以上の対応するサイズ値に変換することと、変換されたサイズ値に基づいて、構造のサイズ情報を表す画素値を有する画像を生成することと、を含む動作を行わせる、マシン記憶媒体を説明する。
【0011】
本明細書は、マシンの1つ以上のプロセッサを有するシステムについて更に記載している。システムはまた、メモリを備え、メモリは、命令を記憶し、命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、マシンに、対象内の構造に超音波照射することから音響エコー信号の時系列表現を含む音響エコーデータを受信することと、構造の構造タイプの識別に基づいて、識別された構造タイプに対応する1つ以上の振幅影響マップ(AIM)を取得することと、1つ以上のAIMに基づいて、受信した音響エコーデータの振幅値を1つ以上の対応するサイズ値に変換することと、変換されたサイズ値に基づいて、構造のサイズ情報を表す画素値を有する画像を生成することと、を含む動作を行わせる。
【0012】
図1は、概して、本明細書の他の個所に図示及び説明される1つ以上の技法を行うために使用することができるような、音響検査システム100を備える実施例を例解する。検査システム100は、手持ち型又は携帯型アセンブリなどの試験器具140を含むことができる。試験器具140は、マルチコンダクタインターコネクト130を使用するなど、プローブアセンブリに電気的に結合されてもよい。プローブアセンブリ150は、それぞれのトランスデューサ154A~154Nを含むトランスデューサアレイ152などの1つ以上の電気音響トランスデューサを含むことができる。トランスデューサアレイは、線形又は湾曲した輪郭に従うことができ、又はトランスデューサ要素子のマトリクスを提供するなど、2つの軸に延在する要素のアレイを含むことができる。要素は、フットプリントが正方形である必要はなく、直線軸に沿って配置される必要もない。要素のサイズ及びピッチは、検査用途に応じて変化され得る。
【0013】
モジュール式プローブアセンブリ150構成が使用され得、それにより、試験器具140を異なるプローブアセンブリ150と共に使用することが可能になる。概して、トランスデューサアレイ152は、例えば、結合媒体156を通してターゲット158(例えば、試験対象)に音響的に結合することができるような圧電トランスデューサを含む。結合媒体は、流体若しくはゲル、又は固体膜(例えば、エラストマ若しくは他のポリマー材料)、又は流体、ゲル、若しくは固体構造の組み合わせを含むことができる。例えば、音響トランスデューサアセンブリは、既知の音響伝播特性(例えば、C-Lec Plastics Inc.から入手可能なRexolite(登録商標))を有する剛性熱硬化性ポリマーを含むくさび構造に結合されたトランスデューサアレイを含むことができ、水は、試験中に結合媒体156として、くさびと試験対象の構造との間に注入され得る。
【0014】
試験器具140は、1つ以上の送信信号チェーン、受信信号チェーン、又はスイッチング回路(例えば、送信/受信スイッチング回路)を含むフロントエンド回路122など、デジタル回路及びアナログ回路を含み得る。送信信号チェーンは、ターゲット158の超音波照射のためにインターコネクト130を介してプローブアセンブリ150に送達するための送信パルスを提供する、超音波照射に応答して引き出される散乱又は反射された音響エネルギーを受信することによって、ターゲット158構造上若しくはその内部の欠陥160を撮像する、又はそうでなければ検出するような、増幅器及びフィルタ電気回路構成を含むことができる。
【0015】
図1は、単一のプローブアセンブリ150及び単一のトランスデューサアレイ152を示すが、単一の試験器具140に接続された多数のプローブアセンブリ、又はタンデム検査のために単一若しくは多数のプローブアセンブリ150と共に使用される多数のトランスデューサアレイ152などの他の構成を使用することができる。同様に、試験プロトコルは、多数の試験器具140間の調整を使用して、例えば、マスター試験器具140から確立された、又は計算設備108などの別の遠隔システム又はラップトップ132、タブレット、スマートフォン、デスクトップコンピュータなどの汎用コンピューティングデバイスによって確立された全体的な試験スキームに応答して、行われ得る。試験スキームは、公開された標準又は規制要件に従って確立され得、例示的な例として、最初の製造時に、又は継続的な監視のために繰り返し行われ得る。
【0016】
フロントエンド回路122の受信信号チェーンは、プローブアセンブリ150を使用して受信されたエコー信号をデジタル化するような、アナログ対デジタル変換設備と共に、1つ以上のフィルタ又は増幅器回路を含むことができる。デジタル化は、時間又は位相において互いに整列又は参照されるデジタル化されたデータの多数のチャネルを提供するように、コヒーレントに行われ得る。フロントエンド回路122は、試験器具140の一部分として含まれるプロセッサ回路102など、1つ以上のプロセッサ回路に結合され、制御され得る。プロセッサ回路は、例えば、試験器具140に音響伝送、音響取得、処理、若しくは音響検査に関連するデータの記憶のうちの1つ以上を行わせる命令を実行する、又はさもなければ、本明細書に示され、説明されるような技術を行うように、メモリ回路に結合されてもよい。試験器具140は、有線又は無線通信インターフェース120を使用するなどして、システム100の他の部分に通信可能に結合され得る。
【0017】
例えば、本明細書に図示及び説明されるような1つ以上の技法を行うことは、試験器具140にオンボードで、又は計算設備108又はラップトップ132、タブレット、スマートフォン、デスクトップコンピュータ、又は同様のものなどの汎用コンピューティングデバイスを使用するなどの他の処理又は記憶設備を使用して達成され得る。例えば、試験器具140上で行われる場合、又は試験器具140の能力を超えて実行される場合、不必要に遅くなる処理タスクは、例えば、試験器具140からの要求に応答して、遠隔で(例えば、別個のシステム上で)行われ得る。同様に、時系列データのAスキャンマトリクスなどの撮像データ又は中間データを記憶することは、試験器具140に通信可能に結合された遠隔設備を使用して達成され得る。試験器具は、構成情報又は結果の提示などのためにディスプレイ110と、オペレータコマンド、構成情報、又はクエリへの応答を受信するためのキーボード、トラックボール、ファンクションキー又はソフトキー、マウスインターフェース、タッチスクリーン、スタイラスなどのうちの1つ以上を含む入力デバイス112とを含むことができる。
【0018】
図2は、超音波検査から得られた音響エコーデータからのTFM画像の生成を例解する。プローブ202は、上述したように、図示されるように、対象の表面上に位置決めされ得る。プローブ202は、TFM画像204を生成するために使用される、音響エコーデータを生成するために音響検査を行うために使用され得る。TFM画像204は、概して、プローブ202上に含まれる要素からのAスキャン寄与の合計を行うことによって構築される。概して、TFM画像は、試験対象内の欠陥などの異なる構造に対応するコントラスト画素値(例えば、強度値又は色)を有する特徴を示し得る。TFM画像204内のそのようなコントラスト領域は、検出された構造のおおよその場所を示し得る。しかしながら、TFM画像204は、そのような検出された構造の欠陥サイズの指標を明示的に提供し得ない。概して、TFM撮像は、欠陥の有無を示し得るが、必ずしもサイズ又は場所の観点からその正確な空間的範囲を示すとは限らない。
【0019】
図3は、本主題の実施例による、音響検査データに基づいて、サイジング画像を生成する方法300のフロー図である。305において、検査システムのためのシステム構成情報を受信し得る。システム構成情報は、音響検査データを取得するために使用される検査システムの構成性質に関し得る。例えば、システム構成情報は、プローブの性質、部品構成(例えば、ウェッジ)、公差、器具設定、物理的性質、試験の日付若しくは場所、又は公開された標準若しくは他の試験プロトコルを参照するなどのトレーサビリティ情報のうちの1つ以上を含み得る。
【0020】
310において、検査システムは較正され得る。例えば、検査システムは、システム構成を使用して、既知のサイズ及び形状を有する、既知の反射板を走査することによって較正され得る。そのような既知の反射板は、指定された場所に側面ドリル穴又は平底穴などの「欠陥」を有する較正ブロック又は他のアセンブリを含むことができる。別の実施例では、システムは、事前較正され得、較正情報は、記憶され、検索され得る。315において、システム較正(及びシステム構成)に基づいて、スケーリング係数が判定され得る。スケーリング係数は、例えば、線形係数であってもよい。スケーリング係数は、適用されたゲイン、プローブのタイプ、圧電素子のタイプ、ケーブルの長さなど、システム固有の性質を補償し得る。スケーリング係数は、音響画像(TFM、PAUTなど)の測定とAIMとの間の補正係数を表し得る。本明細書に記載されるように、スケーリング係数を適用することは、例えば、プローブのピエゾ素子内の計器エレクトロニクス及び電気-音響結合のモデリングを排除し得る。
【0021】
320において、試験対象は、走査され得る。例えば、検査員は、上で考察されたように、音響トランスデューサアレイなどのプローブを使用して部品を走査し得る。走査は、音響トランスデューサアレイを使用して取得された音響エコー信号の時系列表現を含む音響エコーデータを生成し得る。TFM、PAUTなどの音響画像は、受信した音響エコーデータから生成され得る。325において、欠陥などの1つ以上の構造が、音響画像から識別され得る。例えば、検査員は、音響画像内の構造を識別し得、識別をシステム内に入力し得る。識別された欠陥のタイプは、平底穴(FBH)、側面ドリル穴(SDH)、球形欠陥、及び同様のものを含み得る。欠陥は、対称的(例えば、SDH)及び非対称的欠陥(例えば、FBH)を含み得る。非対称の欠陥などのいくつかの欠陥では、識別には欠陥の配向も含まれ得る。例えば、FBHの識別は、傾斜角などの配向情報を含み得る。
【0022】
330において、構造タイプの識別に基づいて、識別された構造タイプに対する対応するAIMが取得され得る。AIMは、事前に生成されたデータベースから生成され得るか、又は取得され得る。AIMは、検査走査計画の理論的な音響感度マップである。AIMは、プローブに対する前述の構造の位置に関して定義された欠陥構造のための超音波検査システムの予測された振幅応答のマップを含み得る。例えば、y、z平面(すなわち、撮像平面)内の構造のラスタ走査を産出し、撮像平面の全てのy、z位置について走査シーケンス中にのみ取得された最大値を維持することによって、AIMマップを集中して実験的に産出することができる。これは、欠陥が金属部品に埋め込まれている場合には不可能な場合がある。この場合、AIMは、シミュレーションで生成され得る。AIMは、「Acoustic Model Acoustic Region of Influence」と題する、2020年2月24日に出願された、米国特許出願第16/799,022号に記載される技法を使用して生成され得、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。システム構成に基づいて判定されたスケーリング係数は、走査されたデータに適用され得る。実施例では、1つ以上のAIMは、スケーリング係数を定義するために既知の欠陥に一致するように生成され得る。(例えば、後述するように、他の撮像モードに対応する)他のAIMは、スケーリング係数の適用後に生成され得る。
【0023】
図4は、本主題の実施例による、AIMのセットを例解する。
図4では、3度におけるFBHタイプ構造の多様な欠陥サイズのAIM410.1~410.Nのセットが示されている。ここで、AIM410.1は、3度における2mmのFHHタイプ構造に提供され得、AIM410.2は、3度でも5mmのFBH欠陥に提供され得、他のAIM410.3~410.Nは、3度における他のサイズのFBH欠陥に提供され得る。各構造タイプについて、AIMのセットが提供され得、各AIMは、それぞれの構造タイプに対して異なるサイズについてのものである。
【0024】
図3に戻ると、335において、取得したAIMに基づいて、伝達関数を適用して、受信したエコーデータ内の振幅値(例えば、TFM/PAUT画像内の振幅値)を対応するサイズ値に変換し得る。例えば、画像の個々のボクセルごとのTFM振幅は、取得されたAIMを使用してサイジング値に伝達され得る。上で考察されたように、AIMは、プローブに対する前述の構造の位置に関して定義された欠陥構造のための超音波検査システムの予測された振幅応答のマップを含み得る。したがって、各TFM(又はPAUT)振幅値について、対応するAIMが判定され得、それぞれのAIMからのサイジング値が取得され得る。更に、欠陥サイズの補間は、TFM画像から記録された振幅値を生じさせるであろうAIM間の値に使用され得る。
【0025】
340において、個々のボクセルについての変換されたサイズ値に基づいて、検出された構造のサイジングを表す画像が生成され得る。このサイジング画像は、カラースケールを使用して、検出された構造のサイズを表し得る。例えば、FBHの直径サイズなどの検出された構造のサイズを例解するために、色の凡例が提供され得る。画像は、検査員に表示され得る。
【0026】
実施例では、サイジング画像は切り取られ得る。切り取りは、サイジング変換に統合され得る。例えば、変換されたデータは、無関係な情報を除去することによって、サイジング画像を関心領域(ROI)に焦点を合わせるために切り取られ得る。実施例では、サイジング画像全体にわたってノイズが均一であると仮定し得る。したがって、この仮定及び較正に使用されるデータセット(例えば、ステップ315)上で行われる実際のノイズ測定に基づいて、ノイズは伝達関数(例えば、ステップ335)に注入されて、ノイズレベルサイジングを生成し得る。次に、切り取りは、所与のタイプの構造の最小サイズに基づいて、伝達関数(データセットとノイズ)の出力に基づいて定義され得る。すなわち、設定された最小サイズ未満のデータは、ROI上でサイジング画像を生成するために使用されるデータに焦点を合わせて削除され得る。この切り取り技法は、異なる構造(例えば、サイズ、タイプ、配向)に対して適応され、最適化された関心領域を提供する。この切り取り技法はまた、実行可能な画素(例えば、最小値を超える画素)のみが、次いでサイジング画像の生成に使用され得るため、計算する画素数を減らすことによって計算コストを削減し得る。この切り取り技法はまた、関連する情報(例えば、ROI)のみが提示されるため、サイジング画像を分析する際のユーザ(例えば、検査員)の信頼レベルを増加させ得る。
【0027】
更に、サイジング公差が判定され、提供され得る。例えば、サイジングに対するノイズの効果を判定し得、判定されたノイズ効果に基づいてサイジング公差推定値を生成し得る。次いで、サイジング公差は、サイジング画像に組み込まれ得る。
【0028】
図5は、本主題の実施例による、サイジング画像500を例解する。サイジング画像500は、検出されたFBH欠陥520などの検出された構造のサイズを確認するために使用され得る、カラースケール510を含み得る。
【0029】
図6は、本主題の実施例による、音響エコーデータで検出された構造の自動サイジング判定のための方法600のフロー図である。例えば、方法600は、既知の角度の融合欠陥(例えば、ベベル形状)のベベル欠損などの融合タイプ構造の欠如を検査するための自動溶接検査(例えば、周溶接検査)に使用され得る。したがって、方法600は、ゾーン判別のような他の粗いサイジング技法の代わりに使用され得る。方法600はまた、以下に更に記載されるように、マルチモード検査をサポートし得る。
【0030】
605において、システム構成情報を受信し得る。方法600について、システム構成は、ターゲット構造設定を含み得る。例えば、融合欠陥のベベル欠損を検査するために、システム構成は、ベベルに平行に配向された欠陥を探すための設定を含み得る。システム構成情報は、音響検査データを取得するために使用される検査システムの構成性質に関し得る。例えば、システム構成情報は、プローブ性質、部品構成、公差、機器設定、物理的性質などを含み得る。
【0031】
610において、システムは較正され得る。例えば、検査システムは、システム構成を使用して、既知のサイズ及び形状を有する、既知の反射板を走査することによって較正され得る。別の実施例では、システムは、事前較正され得、較正情報は、記憶され、検索され得る。
【0032】
615において、システム較正に基づいて、スケーリング係数が判定され得る。スケーリング係数は、例えば、線形係数であってもよい。スケーリング係数は、適用されたゲイン、プローブのタイプ、圧電素子のタイプ、ケーブルの長さなど、システム固有の性質を補償し得る。スケーリング係数は、音響画像(TFM、PAUTなど)の測定とAIMとの間の補正係数を表し得る。
【0033】
620において、指定された構造タイプの対応するAIMが取得され得る。AIMは、事前に生成されたデータベースから生成され得るか、又は取得され得る。AIMは、検査走査計画の理論的な音響感度マップである。AIMは、プローブに対する前述の構造の位置に関して定義された欠陥構造のための超音波検査システムの予測された振幅応答のマップを含み得る。例えば、y、z平面(すなわち、撮像平面)内の構造のラスタ走査を産出し、撮像平面の全てのy、z位置について走査シーケンス中にのみ取得された最大値を維持することによって、AIMマップを集中して実験的に産出することができる。これは、欠陥が金属部品に埋め込まれている場合には不可能な場合がある。この場合、AIMは、シミュレーションで生成され得る。AIMは、「Acoustic Model Acoustic Region of Influence」と題する、2020年2月24日に出願された、米国特許出願第16/799,022号に記載される技法を使用して生成され得、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。システム構成に基づいて判定されたスケーリング係数は、走査されたデータに適用され得る。実施例では、1つ以上のAIMは、スケーリング係数を定義するために既知の欠陥に一致するように生成され得る。(例えば、後述するように、他の撮像モードに対応する)他のAIMは、スケーリング係数の適用後に生成され得る。また、AIMは、試験対象の壁厚の変化などの多様なパラメータを含んでいる場合がある。
【0034】
625において、試験対象は、走査され得る。例えば、検査員は、上で考察されたように、音響トランスデューサアレイなどのプローブを使用して対象を走査し得る。検査は、音響トランスデューサアレイを使用して取得された音響エコー信号の時系列表現を含む音響エコーデータを生成し得る。TFM、PAUTなどの音響画像は、受信した音響エコーデータから生成され得る。方法600は、特定のタイプの構造を検査するために設計され得るので、構造のタイプの識別は、走査する前に行われ得る。
【0035】
630において、対象の1つ以上の物理パラメータが測定され得る。例えば、対象の壁厚は、音響画像を使用して音響的に測定され得る。
【0036】
635において、ターゲット領域の各ボクセルの検査モードは、定義され得る。各ボクセルの検査モードは、それぞれのボクセルの測定された品質に基づいて自動的に選択され得る。例えば、モード選択は、どのモードが提供されるノイズレベル上で最小のサイジング誤差を生成するかに基づいて、システムによって行われ得る。
【0037】
640において、マルチモードが選択されている場合、マルチモード計算(例えば、マルチモードTFM計算)が行われ得る。645において、取得したAIMに基づいて、マルチモードサイズのサイズ伝達関数が定義される。
【0038】
650で、マルチモード計算及び定義されたサイズ伝達関数に基づいて、受信したエコーデータ内の振幅値(例えば、TFM/PAUT画像内の振幅値)は、対応するサイズ値に変換され得る。例えば、画像の個々のボクセルごとのTFM振幅は、取得されたAIMを使用してサイジング値に伝達され得る。上で考察されように、AIMは、プローブに対する前述の構造の位置に関して定義された欠陥構造のための超音波検査システムの予測された振幅応答のマップを含み得る。したがって、各TFM(又はPAUT)振幅値について、対応するAIMが判定され得、それぞれのAIMからのサイジング値が取得され得る。更に、欠陥サイズの補間は、TFM画像から記録された振幅値を生じさせるであろう計算されたAIM間の値に使用され得る。
【0039】
655において、個々のボクセルについての変換されたサイズ値に基づいて、検出された構造のサイジングを表す画像が生成され得る。サイジング画像は、マルチモードサイジング画像として提供され得る。すなわち、組み合わされたマルチモード画像は、撮像平面内の各場所について、最も信頼性の高い画像モード(例えば、最小サイジング公差)を選択し、次いで、全てのモードの出力を組み合わせて、使用される全ての撮像モードについて単一の画像を生成することによって自動的に生成され得る。このサイジング画像は、カラースケールを使用して、検出された構造のサイズを表し得る。画像は、例えば、検査員に表示され得る。以下に説明するように、画像を生成することは、自動検出アプリケーションにおいて任意選択であり得る。
【0040】
660において、構造サイズのサイズ閾値に基づいて、サイズ閾値を上回る構造が検出され得る。閾値は、検出される構造の最小サイズに対応し得る。各ボクセルのサイズ値は、サイズ閾値と比較されて、特定のサイズを上回る指定された構造(例えば、融合欠陥のベベル欠損)の存在を判定し得る。サイズ閾値を超える指定された構造が検出されると、アラートが生成され得る。アラートは、視覚的、音声的、又は他の既知のタイプのアラートであり得る。
【0041】
本明細書に図示及び説明される技法は、
図1に示されるような検査システム100の一部分若しくは全体を使用して、又は、別様に、
図7に関連して以下で考察されるようなマシン700を使用して行うことができる。
図7は、本明細書で考察される技法(例えば、方法論)のうちのいずれか1つ以上が行われ得るマシン700を備える実施例のブロック図を例解する。様々な実施例では、マシン700は、スタンドアロンデバイスとして動作し得る、又は他のマシンに接続(例えば、ネットワーク化)され得る。ネットワーク化された展開では、マシン700は、サーバ-クライアントネットワーク環境において、サーバマシン、クライアントマシン、又はその両方として動作し得る。一例では、マシン700は、ピアツーピア(P2P)(又は他の分散型)ネットワーク環境でピアマシンとして機能し得る。マシン700は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットデバイス、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、ネットワークルータ、スイッチ若しくはブリッジ、又はそのマシンによって取られるべきアクションを指定する命令を(逐次的又は別様に)実行することができる任意のマシンであり得る。更に、単一のマシンのみが例解されるが、「マシン」という用語は、クラウドコンピューティング、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)、他のコンピュータクラスタ構成など、本明細書で考察される方法論のうちのいずれか1つ以上を行うために、命令のセット(又は多数のセット)を個別に又は共同で実行するマシンの任意の集合を含むものとする。
【0042】
本明細書に説明されるように、実施例は、論理若しくはいくつかの構成要素、若しくは機構を含み得るか、又はそれらによって動作し得る。電気回路構成は、ハードウェア(例えば、単純回路、ゲート、ロジックなど)を含む有形のエンティティに実装される回路の集合である。電気回路構成メンバーシップは、時間の経過及び根本的なハードウェアのばらつきに応じて柔軟になり得る。回路には、単独又は組み合わせて、動作時に指定された動作を行うことができる部材が含まれる。一例では、電気回路構成のハードウェアは、特定の動作(例えば、ハードワイヤー)を実行するように不変に設計され得る。一例では、電気回路構成を備えるハードウェアは、特定の動作の命令を符号化するために、物理的に変更された(例えば、磁気的に、電気的に、例えば、物理的状態の変化又は別の物理的特性の変換などを介して)コンピュータ可読媒体を含む、可変接続された物理的構成要素(例えば、実行ユニット、トランジスタ、単純回路など)を含み得る。物理的構成要素を接続する際に、ハードウェア構成要素の根本的な電気的特性は、例えば、絶縁特性から導電特性に、又はその逆に変更され得る。命令は、組み込みハードウェア(例えば、実行ユニット又はロード機構)が、動作中に特定の動作の一部分を実行するために可変接続を介してハードウェアの電気回路構成の部材を作成することを可能にする。したがって、コンピュータ可読媒体は、デバイスが動作しているとき、電気回路構成の他の構成要素に通信可能に結合される。実施例では、物理的構成要素のいずれも、複数の回路の複数の部材に使用され得る。例えば、動作下では、実行ユニットは、ある時点で第1の電気回路構成の第1の回路で使用され得、第1の電気回路構成における第2の回路によって、又は異なる時間に第2の電気回路構成の第3の回路によって再使用され得る。
【0043】
マシン(例えば、コンピュータシステム)700は、ハードウェアプロセッサ702(例えば、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、ハードウェアプロセッサコア、又はそれらの任意の組み合わせ)、メインメモリ704、及びスタティックメモリ706を含み得、それらの一部又は全ては、インターリンク(例えば、バス)708を介して互いに通信され得る。マシン700は、ディスプレイユニット720、英数字入力デバイス722(例えば、キーボード)、及びユーザインターフェース(UI)ナビゲーションデバイス724(例えば、マウス)を更に含み得る。一例では、ディスプレイユニット720、入力デバイス722、及びUIナビゲーションデバイス724は、タッチスクリーンディスプレイであり得る。マシン700は、記憶デバイス(例えば、駆動ユニット)726、信号生成デバイス728(例えば、スピーカ)、ネットワークインターフェースデバイス720、及びグローバルポジショニングシステム(GPS)センサ、コンパス、加速度計、又は他のセンサなどの1つ以上のセンサ722を更に含み得る。マシン700は、1つ以上の周辺デバイス(例えば、プリンタ、カードリーダなど)を通信又は制御するための、シリアル(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)、並列、又は他の有線若しくは無線(例えば、赤外線(IR)、近距離通信(NFC)など)接続などの出力コントローラ728を含み得る。
【0044】
記憶デバイス726は、本明細書に説明される技法若しくは機能のうちのいずれか1つ以上を具現化するか、又はそれによって利用されるデータ構造若しくは命令724(例えば、ソフトウェア)のうちの1つ以上のセットが記憶されたマシン可読媒体722を含み得る。命令724はまた、マシン700によるその実行中に、メインメモリ704内、スタティックメモリ706内、又はハードウェアプロセッサ702内に完全に又は少なくとも部分的に存在し得る。一例では、ハードウェアプロセッサ702、メインメモリ704、スタティックメモリ707、又は記憶デバイス726のうちの1つ又は任意の組み合わせが、マシン可読媒体を構成し得る。
【0045】
マシン可読媒体722は単一の媒体として例解されているが、「マシン可読媒体」という用語は、1つ以上の命令724を記憶するように構成された単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中型若しくは分散型データベース、並びに/又は関連付けられたキャッシュ及びサーバ)を含み得る。
【0046】
「マシン可読媒体」という用語は、マシン700による実行のための命令を記憶、符号化、又は搬送することができ、マシン700に本開示の技法のうちのいずれか1つ以上を行わせる、又は、そのような命令によって使用される若しくはそのような命令と関連付けられたデータ構造を記憶、符号化、若しくは搬送することができる、任意の媒体を含み得る。非限定的なマシン可読媒体の例は、ソリッドステートメモリ、並びに光学媒体及び磁気媒体を含み得る。したがって、マシン可読媒体は、一時的な伝播信号ではない。凝集マシン可読媒体の具体的な実施例は、半導体メモリデバイス(例えば、電気的プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM))及びフラッシュメモリデバイスなどの不揮発性メモリ、磁気又は他の位相変化又は状態変化メモリ回路、内部ハードディスク及びリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、並びにCD-ROM及びDVD-ROMディスクを含み得る。
【0047】
命令724は、いくつかの転送プロトコル(例えば、フレームリレー、インターネットプロトコル(IP)、伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)など)のうちのいずれか1つを利用して、ネットワークインターフェースデバイス720を介して伝送媒体を使用して通信ネットワーク726上で更に送信又は受信され得る。例示的な通信ネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、パケットデータネットワーク(例えば、インターネット)、モバイル電話ネットワーク(例えば、セルラーネットワーク)、従来型電話サービス(POTS)ネットワーク、及びワイヤレスデータネットワーク(例えば、Wi-Fi(登録商標)として知られる規格の米国電気電子学会(IEEE)802.22ファミリー、WiMax(登録商標)として知られるIEEE802.26規格ファミリー)、IEEE802.25.4規格ファミリー、ピアツーピア(P2P)ネットワークなどを含み得る。一例では、ネットワークインターフェースデバイス720は、通信ネットワーク726に接続するための1つ以上の物理的ジャック(例えば、イーサネット、同軸、又は電話ジャック)又は1つ以上のアンテナを含んでもよい。一例では、ネットワークインターフェースデバイス720は、単一入力多重出力(SIMO)、多重入力多重出力(MIMO)、又は多重入力単一出力(MISO)技術のうちの少なくとも1つを使用して無線通信する複数のアンテナを含んでもよい。「伝送媒体」という用語は、マシン700による実行のための命令を記憶、符号化又は保持することが可能な任意の無形の媒体を含み、そのようなソフトウェアの通信を容易にするためのデジタル又はアナログ通信信号又は他の無形の媒体を含むものと理解されなければならない。
【0048】
様々なメモ
上記の非限定的な態様の各々は、単独で成立し得るか、又は本明細書に説明される他の態様若しくは他の主題のうちの1つ以上との様々な順列若しくは組み合わせで組み合わせることができる。
【0049】
上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付の図面への参照を含む。図面は、例解として、本発明を実践することができる特定の実装態様を示す。これらの実装態様は、一般に「例」とも称される。そのような例は、図示又は説明されるものに加えて要素を含み得る。しかしながら、本発明者らは、図示又は説明される要素のみが提供される実施例も企図する。更に、本発明者らは、特定の例(若しくはその1つ以上の態様)に関して、又は本明細書に図示若しくは説明される他の例(若しくはその1つ以上の態様)に関して、図示又は説明されるそれらの要素(又はその1つ以上の態様)の任意の組み合わせ又は順列を使用する例も企図する。
【0050】
本文書と、このように参照により組み込まれた任意の文書との間で使用法が矛盾する場合、本文書の使用法が優先される。
【0051】
本文書において、「a」又は「an」という用語は、特許文献において一般的であるように、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」の任意の他の事例又は使用法とは無関係に、1つ以上を含むように使用される。本文書において、「又は」という用語は、別段の指示がない限り、「A又はB」が「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、及び「A及びB」を含むように、非排他的論理和を指すために使用される。本文書において、「含む(including)」及び「それに(in which)」という用語は、それぞれの「備える(comprising)」及び「そこで(wherein)」という用語の平易な英語の均等物として使用される。また、以下の特許請求の範囲において、「含む(including)」及び「備える(comprising)」という用語は、限定されておらず、すなわち、特許請求項のそのような用語の後に列挙される要素に加えて要素を含むシステム、デバイス、物品、組成物、製剤、又はプロセスは、依然として、その特許請求項の範囲内にあるとみなされる。更に、以下の特許請求の範囲では、「第1」、「第2」、及び「第3」という用語などは、単にラベルとして使用され、それらの目的語に数値的要件を課すことを意図するものではない。
【0052】
本明細書に説明される方法の実施例は、少なくとも一部がマシン又はコンピュータによって実施することができる。いくつかの例は、電子デバイスを構成して上記の例で説明される方法を行うように動作可能な命令で符号化されたコンピュータ可読媒体又はマシン可読媒体を含むことができる。そのような方法の実装態様は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、より高レベルの言語コードなどのコードを含むことができる。そのようなコードは、様々な方法を行うためのコンピュータ可読命令を含むことができる。コードは、コンピュータプログラム製品の部分を形成し得る。更に、実施例では、コードは、実行中又は他の時間など、1つ以上の揮発性、非一過性、又は不揮発性の有形コンピュータ可読媒体に明白に記憶させることができる。これらの有形のコンピュータ可読媒体の例としては、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、リムーバブル光ディスク(例えば、コンパクトディスク及びデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカード又はスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)などを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0053】
上記の説明は、例解的であり、限定的ではないことが意図される。例えば、上で説明される例(又はその1つ以上の態様)は、互いに組み合わせて使用され得る。上記の説明を検討した当業者などによって、他の実装態様が使用され得る。要約は、読者が技術開示の性質を迅速に確認することを可能にするように提供される。特許請求の範囲の範囲又は意味を解釈又は限定するために使用されないことを理解して提出される。また、上記の詳細な説明では、様々な特徴を一緒にグループ化して、本開示を合理化することができる。これは、請求されていない開示された特徴が任意の特許請求項に不可欠であることを意図するものと解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題が、特定の開示された実装態様の全ての特徴よりも少ないことにあり得る。このため、以下の特許請求の範囲は、例又は実装態様として詳細な説明に組み込まれ、各特許請求項は、別個の実装態様として単独で存在し、そのような実装態様は、様々な組み合わせ又は順列で互いと組み合わされ得ることが企図される。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲と共に決定されるべきである。