(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】ケーブル保護装置
(51)【国際特許分類】
H02G 3/04 20060101AFI20241202BHJP
H02G 3/06 20060101ALI20241202BHJP
H02G 15/10 20060101ALI20241202BHJP
【FI】
H02G3/04 062
H02G3/06
H02G15/10
(21)【出願番号】P 2023552344
(86)(22)【出願日】2022-03-10
(86)【国際出願番号】 CN2022080194
(87)【国際公開番号】W WO2022188843
(87)【国際公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-08-29
(31)【優先権主張番号】202110272081.0
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522388383
【氏名又は名称】長春捷翼汽車科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Changchun JETTY Automotive Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 957, Shunda Road, High-tech Development Zone, Chaoyang District Changchun City, Jilin Province, 130000, China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】王 超
【審査官】小林 秀和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0081848(US,A1)
【文献】登録実用新案第3151387(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0129246(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/04
H02G 3/06
H02G 15/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル保護装置であって、
ケーブルを収容するための第1の収容室が設けられ、前記ケーブルが前記第1の収容室を介して貫通するように構成された第1のスリーブと、
前記ケーブルを収容するための第2の収容室が設けられ、前記ケーブルが前記第2の収容室を介して貫通するように構成されており、前記第1のスリーブと突合せて係合するまで突合せ方向に沿って移動可能に構成され
、前記突合せ方向に沿って前記第1のスリーブの外側に嵌合される第2のスリーブと、を備え、
前記第1のスリーブの側壁には突起部が設けられ、
前記突起部は前記第1のスリーブの外壁に設けられており、
前記第2のスリーブの側壁には、前記突合せ方向に沿って順次分布された
係止貫通溝と係止板とを備える第1の係止構造が設けられており、
前記第2のスリーブと前記第1のスリーブが突合せて係合される場合、前記第1の収容室と前記第2の収容室は少なくとも一部が連通し、前記突起部は
前記係止貫通溝に係止され、
前記係止板は前記突起部の
前記係止貫通溝からの離脱を阻止するように構成され、
前記係止板は前記第1のスリーブの側壁から離れる方向への移動が制限
され、前記突合せ方向に沿って外側に傾斜するように構成されるケーブル保護装置。
【請求項2】
前記第1の係止構造は案内凹溝を有し、前記係止板と前記案内凹溝は前記突合せ方向に沿って順次接続され、前記係止板は前記案内凹溝の底面に接続されている
請求項1に記載のケーブル保護装置。
【請求項3】
前記第2のスリーブの側壁には、前記第1の係止構造が複数設けられている
請求項1又は2に記載のケーブル保護装置。
【請求項4】
少なくとも1つの前記第1の係止構造における
前記係止貫通溝と他方の前記第1の係止構造における
前記係止貫通溝とは対向して設けられている
請求項3に記載のケーブル保護装置。
【請求項5】
前記突起部は、前記係止板に沿って
前記係止貫通溝に移動可能であり、前記係止板の
前記係止貫通溝寄りの端面に当接するボス立板を備える
請求項1又は2に記載のケーブル保護装置。
【請求項6】
前記突起部は、前記第1のスリーブの外壁と前記ボス立板との間に接続されるボスリブを備える
請求項5に記載のケーブル保護装置。
【請求項7】
前記第2のスリーブの側壁は、
前記係止貫通溝と
前記係止板とを備える第2の係止構造が設けられ、
前記係止貫通溝は係止凹溝である
請求項1に記載のケーブル保護装置。
【請求項8】
前記係止板は、第1の係止突起を備え、
前記第2の係止構造は第2の係止突起を備え、前記第1の係止突起と前記第2の係止突起とが前記突合せ方向に沿って順次間隔を隔てて分布され、
前記係止貫通溝は、前記第1の係止突起と前記第2の係止突起との間に設けられている
請求項7に記載のケーブル保護装置。
【請求項9】
前記第2のスリーブの側壁には、対向する前記第2の係止構造が複数設けられている
請求項7に記載のケーブル保護装置。
【請求項10】
前記第1のスリーブには、前記第2のスリーブの端面に当接する当接板が設けられている
請求項1に記載のケーブル保護装置。
【請求項11】
前記第1のスリーブには少なくとも1つの第1のケーブルコンジットが接続され、前記第2のスリーブには少なくとも1つの第2のケーブルコンジットが接続され、前記第1のケーブルコンジットと前記第1の収容室と前記第2の収容室と前記第2のケーブルコンジットは互いに連通する請求項1に記載のケーブル保護装置。
【請求項12】
前記第1の収容室及び前記第2の収容室内に設けられ、前記ケーブルが貫通するように構成されたシールド構造を備える請求項1に記載のケーブル保護装置。
【請求項13】
前記シールド構造の接続箇所には、EMIガスケットが設けられたシールドスリットが設けられており、前記シールドスリットは、前記EMIガスケットの厚さを10%~95%に圧縮するように構成されている
請求項12に記載のケーブル保護装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、特許出願番号が202110272081.0で、出願日が2021年03月12日で、発明の名称が「ケーブル保護装置」である中国特許出願の優先権を要求する。
本発明は、電気組立の技術分野に関し、特に、ケーブル保護装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気組立において、通常ケーブルシースを使用してケーブルを固定および保護する。例えば、複数のケーブルを突合せて係合するときに、ケーブル接続部をケーブルシース内に配置することで、ケーブル接続部に人や他のデバイスが直接接触することを回避し、感電のリスクを低減することができる。ケーブルを車両に配置しようとする場合は、ケーブルシースを車体に取り付けることができ、ケーブルはケーブルシースから貫通して、ケーブルをリミット及び保護する役割を果たすことができる。ケーブルシースは新エネルギー車両の電気組立に応用され、主にハーネスを固定及び保護する防護作用を果たし、難燃、防水、ハーネスの外力による破壊を阻止する機能を持つ。
【0003】
組立の便宜上、ケーブルシースは通常には組立式構造に形成される。ケーブルシースを取り外すためには、安全規範に従って操作するべきである。しかし、巡回点検やメンテナンスの一環では、点検の都合上、作業員は安全意識が緩んでいるため、規則を違反して取り外す場合があって、誤ってケーブルシースを取り外してしまうことがある。ケーブルシースの防護作用がなくなった後、作業員が直接導線に接触して感電が発生しやすくなり、これにより大きな安全上のリスクが存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、作業者が誤ってシースを取り外し、シース内のケーブルに触れやすく、感電のリスクが大きいという技術課題を解決するためのケーブル保護装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の上記目的は、以下の技術的手段によって達成される。
【0006】
本発明は、ケーブルを収容するための第1の収容室が設けられ、且つ前記ケーブルが前記第1の収容室を貫通するように構成された第1のスリーブと、ケーブルを収容するための第2の収容室が設けられ、且つ前記ケーブルが前記第2の収容室を貫通するように構成されており、且つ前記第1のスリーブと突合せて係合されるまで突合せ方向に沿って移動可能に構成される第2のスリーブと、を備え、前記第1のスリーブの側壁には突起部が設けられ、前記第2のスリーブの側壁には、前記突合せ方向に沿って順次分布された係止溝と係止部とが設けられており、前記第2のスリーブと前記第1のスリーブが突合せて係合される場合、前記第1の収容室と前記第2の収容室は少なくとも一部が連通し、前記突起部は前記係止溝に係止され、前記係止部は前記突起部の前記係止溝からの離脱を阻止するように構成され、且つ前記係止部は前記第1のスリーブの側壁から離れる方向への移動が制限されるように構成されるケーブル保護装置を提供する。
【0007】
本発明は以下の特徴及び利点を有する。
【0008】
該ケーブル保護装置は、突起部によって係止溝と係止部に係止することにより、第1のスリーブと第2のスリーブの離脱を阻止することができる。第2のスリーブと第1のスリーブとが突合せて係合される場合、係止部が第1のスリーブの側壁から離れる方向への移動が制限されるので、係止部の位置を安定化し、変形や動きが生じにくくなり、係止部が変形又は動いて係止溝から離脱される難易度を高め、第1のスリーブと第2のスリーブとの接続がより安定になり、作業者はケーブル保護装置を取り外すことが困難となり、誤操作によってケーブル保護装置を取り外すことが発生されにくく、ケーブルに対する保護効果がより良好であり、作業者が誤操作によりケーブル保護装置を取り外してケーブル保護装置内のケーブルに触れて感電するリスクを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下の図面は、本発明を例示的に説明及び解釈するためのものであり、本発明の範囲はこれに限られるものではない。
【0010】
【
図1】
図1は本発明によるケーブル保護装置の全体的模式図である。
【
図2A】
図2Aは、
図1に示すケーブル保護装置における第1のスリーブの構造模式図である。
【
図3A】
図3Aは、
図1に示すケーブル保護装置における第2のスリーブの構造模式図である。
【
図6】
図6は本発明によるケーブル保護装置の構造模式図である。
【
図7】
図7は
図6に示すケーブル保護装置におけるロック筒の第1の視角の構造模式図である。
【
図8】
図8は
図6に示すケーブル保護装置におけるロック筒の第2の視角の構造模式図である。
【
図9】
図9は
図6に示すケーブル保護装置の第1の状態の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の技術的特徴、目的及び効果をより明確に理解できるように、図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態について説明する。なお、本発明の説明において、別途に説明のない限り、「複数」は2または2以上を意味する。
【0012】
ケーブル保護装置は、少なくとも1つのスリーブ10を備え、スリーブ10はケーブルを収容するための収容室101を有し、ケーブルはスリーブ10を貫通することができる。
【0013】
一方の場合、ケーブル保護装置は1つのスリーブ10を備え、スリーブ10が車体に取り付けられ、ケーブルはスリーブ10から貫通して、ケーブルを制限及び保護する役割を果たすことができる。
【0014】
他の場合では、ケーブル保護装置は複数のスリーブ10を備え、具体的に、複数のスリーブ10は、第1のスリーブ50と第2のスリーブ60を備え、第1のスリーブ50は、ケーブルを収容するための第1の収容室51を有し、且つ第1のスリーブ50は、ケーブルが第1の収容室51を貫通するように構成される。第2のスリーブ60は、ケーブルを収容するための第2の収容室61を有し、且つ第2のスリーブ60は、ケーブルが第2の収容室61を貫通するように構成され、且つ第2のスリーブ60は第1のスリーブ50と突合せて係合するまで突合せ方向100に沿って移動することができる。第2のスリーブ60と第1のスリーブ50が突合せて係合する場合、第1の収容室51と第2の収容室61とが連通し、ケーブルが第1のスリーブ50と第2のスリーブ60とを貫通して、ケーブルの接続箇所を第1の収容室51と第2の収容室61に配置することができ、ケーブルを保護することができる。
【0015】
実施例1
図1~
図3Bに示すように、本発明は、第1のスリーブ50と第2のスリーブ60とを備えるケーブル保護装置を提供し、第1のスリーブ50はケーブルを収容するための第1の収容室51が設けられ、且つ第1のスリーブ50はケーブルが第1の収容室51を貫通するように構成される。第2のスリーブ60はケーブルを収容するための第2の収容室61が設けられ、且つ第2のスリーブ60はケーブルが第2の収容室61を貫通するように構成され、且つ第2のスリーブ60は、第1のスリーブ50と突合せて係合するまで突合せ方向100に沿って移動することができる。第1のスリーブ50の側壁には突起部52が設けられ、第2のスリーブ60の側壁には、突合せ方向100に沿って順次分布される係止溝62と係止部63とが設けられる。第2のスリーブ60と第1のスリーブ50が突合せて係合される場合に、
図4A及び
図5Aに示すように、第1の収容室51と第2の収容室61は少なくとも一部が連通し、突起部52は係止溝62に係止され、係止部63は突起部52の係止溝62からの離脱を阻止するように構成され、係止部63は第1のスリーブ50の側壁から離れる方向への移動が制限される。
【0016】
当該ケーブル保護装置において、突起部52によって係止溝62及び係止部63に係止することにより、第1のスリーブ50と第2のスリーブ60の離脱を阻止することができる。第2のスリーブ60と第1のスリーブ50が突合せて係合される場合、係止部63の第1のスリーブ50の側壁から離れる方向への移動が制限されるため、係止部63の位置を安定化して変形や動きが発生しにくくなることから、係止部63が変形又は動いて係止溝62から離脱される難度を高めて、第1のスリーブ50と第2のスリーブ60との接続をより安定化し、作業者は該ケーブル保護装置を取り外しにくくなり、誤操作によって該ケーブル保護装置を取り外すことが容易でなく、ケーブルに対する保護効果がより良好になり、作業者が誤操作によってケーブル保護装置を取り外してケーブル保護装置内のケーブルに触れて感電するリスクを低減することができる。
【0017】
図1~
図3Bに示すように、第2のスリーブ60は、突合せ方向100に沿って第1のスリーブ50外に嵌合されるように構成され、突起部52は第1のスリーブ50の外壁に設けられている。第1のスリーブ50の端部は第2のスリーブ60内に伸びられ、突起部52は第2のスリーブ60の側壁の係止溝62に係止される。突起部52は、第1のスリーブ50の外壁に設けられており、内壁に突起部52を設けるよりも、該ケーブル保護装置の成形がもっと容易になり、製造が便利となる。
【0018】
発明者は、係止溝62の構造をさらに改良した。
【0019】
第1の係止構造70
図3A、
図3B、
図4Aおよび
図4Bに示すように、第2のスリーブ60の側壁には、係止貫通溝71である係止溝62と係止板73である係止部63とを備える第1の係止構造70が設けられており、係止板73の係止溝62寄りの端面に突起部52が当接し、係止板73は突合せ方向100に沿った突起部52の動きを阻止し、突起部52を係止溝62に制限する。係止貫通溝71の形状は様々であってもよく、例えば三角形、台形、楕円形等であってもよい。
【0020】
さらに、係止板73は突合せ方向100に沿って外側に傾斜しており、
図4A及び
図4Bに示すように、一方で、係止板73は突起部52を向かう方向を内側として傾斜しており、突起を外側に変形させるのに必要な駆動力を大きくする。他方で、突起部52を向かう方向に沿って、係止板73が内側に傾斜して突起部52に当接することにより、係止板73に外力を加えるスペースを小さくし、操作者は係止板73に外側への作用力を与えにくくなるので、第2のスリーブ60と第1のスリーブ50とが突合せて係合される際に、係止板73の外側への動きが制限され、この実施形態では、第1のスリーブ50が位置する側壁が係止板73の内側に位置することにより、係止板73が第1のスリーブ50の側壁から離れる方向への移動が制限される。
【0021】
係止板73は突起部52を係止溝62に制限しており、突起部52を係止溝62から離脱させるためには、通常係止板73を外側に移動させて突起部52を係止板73の内側壁まで移動させる。前記のように、係止板73の外側への動きが制限され、操作者が係止板73を外側に移動させる力を施しにくくなり、係止板73の位置がより安定化され、突起部52が係止溝62から離脱しにくくなり、第1のスリーブ50と第2のスリーブ60との接続がより安定化され、作業者がこのケーブル保護装置を取り外すのが難しくなる。
【0022】
図3A及び
図3Bに示すように、第1の係止構造70は案内凹溝72を備え、係止板73と案内凹溝72は突合せ方向100に沿って順次接続され、係止板73は案内凹溝72の底面721に接続される。第1のスリーブ50と第2のスリーブ60とを組立てる時に、第1のスリーブ50は、突合せ方向100の反対方向に沿って第2のスリーブ60に移動し、第1のスリーブ50の突起部52は、まず案内凹溝72に進入し、その後係止板73の内壁に当接し、続いて突合せ方向100の方向に沿って係止溝62まで移動する。案内凹溝72を設けることにより、突起部52が係止溝62まで移動し易くなり、組立が便利になる。
【0023】
図3Aおよび
図3Bに示すように、第2のスリーブ60の側壁には複数の第1の係止構造70が設けられている。第1のスリーブ50には、第1の係止構造70に嵌合する突起部52が複数設けられているので、第1のスリーブ50と第2のスリーブ60とが複数箇所で係止され、接続の確実性を向上する。さらに、少なくとも1つの第1の係止構造70における係止溝62は他方の第1の係止構造70における係止溝62と対向して設けられている。対向して設けられた2つの係止溝62に対して、突起部52を係止溝62から離脱させるためには、2つの係止溝62に対応する係止板73にそれぞれ反対方向の作用力を加えるべきであり、操作の難易度をさらに高め、誤操作のリスクを低減している。例えば、
図3A及び
図3Bに示すように、第2のスリーブ60の端面は矩形をなし、矩形の対向する2辺にはそれぞれ第1の係止構造70が設けられている。
【0024】
図2A、
図4A及び
図4Bに示すように、突起部52は係止ボス521であり、係止ボス521は、係止板73に沿って係止溝62まで移動可能であり、係止板73の係止溝62寄りの端面に当接して係止溝62に係止されるボス立板541を備える。一実施形態では、係止ボス521は、第1のスリーブ50の外壁とボス立板541との間に接続されたボスリブ542を備え、ボスリブ542は、係止ボス521の強度を補強することにより、係止ボス521を変形しにくくし、操作者が係止ボス521を内側に移動させる難度を高め、係止ボス521と係止溝62との接続をより安定化するのに寄与する。具体的に、ボスリブ542は、突合せ方向100に沿って延設されてもよい。
図2Aに示すように、ボス立板541とボスリブ542とは係止ボス521を構成する。係止板73の係止溝62寄りの端面を当接面とし、係止ボス521におけるボス立板541の一端面を当接面とし、両当接面を当接させて係止する。
【0025】
第2の係止構造80
図3A、
図3B、
図5Aおよび
図5Bに示すように、第2のスリーブ60の側壁には、係止溝62と係止部63とを備える第2の係止構造80が設けられており、係止溝62は係止凹溝81である。係止溝62および係止部63は、いずれも第2のスリーブ60の側壁に設けられており、第2のスリーブ60の側壁は、係止溝62の第2のスリーブ60の端面に近い一側の本体に位置して係止部63を構成している。
【0026】
突起部52は、第1のスリーブ50の外壁に設けられ、第2のスリーブ60は、第1のスリーブ50の外側に嵌合されており、
図2A及び
図2Bに示すように、突起部52は位置決め係止コラム522である。貫通溝とは異なり、突起部52が係止凹溝81に係止され、係止凹溝81の底壁が突起部52を覆う一方、第1のスリーブ50と第2のスリーブ60とを突合せて係合させると、突起部52と係止溝62はいずれも外部から視認できなくなり、操作者は突起部52又は係止溝62の位置を確認することが困難となり、操作しにくくなる。一方、係止溝62は係止凹溝81であり、第2のスリーブ60の外壁は閉鎖されており、係止部63を操作するスペースがなく、操作者は係止部63に外力を施しにくいため、第2のスリーブ60と第1のスリーブ50とが突合せて係合されるとき、係止部63の外側への動きは制限されており、この実施形態において、第1のスリーブ50が位置する側壁は係止部63の内側に位置することにより、係止部63の第1のスリーブ50の側壁から離れる方向への移動が制限されている。
【0027】
一実施形態では、
図3Aと
図3Bに示すように、係止部63は第1の係止突起821である。第2の係止構造80は、第2の係止突起822を備え、第1の係止突起821と第2の係止突起822とは突合せ方向100に沿って順次間隔を隔てて分布され、係止溝62は第1の係止突起821と第2の係止突起822との間に設けられている。突合せ継手の際には、突起部52は突合せ方向100の反対方向に移動し、第1の係止突起821を介して係止溝62に入り込む。第1の係止突起部821と第2の係止突起部822とを設けることにより、突起部52と第2のスリーブ60との接続強度を補強する。また、第1の係止突起821の外側には突起の傾斜面が設けられ、突起部52が突起の傾斜面に従って突合せ方向100の反対方向に沿って移動するようにしている。
【0028】
図3Aに示すように、第2のスリーブ60の側壁には、複数の第2の係止構造80が設けられている。第1のスリーブ50には、第2の係止構造80に係止する突起部52が複数設けられているので、第1のスリーブ50と第2のスリーブ60とが複数箇所で係止され、接続の確実性を向上させている。例えば、
図3Aに示すように、第2のスリーブ60の端面は矩形であり、矩形の対向する2辺にはそれぞれ第2の係止構造80が設けられている。
【0029】
以上で第1の係止構造70及び/又は第2の係止構造80により係止部63の第1のスリーブ50の側壁から離れる方向への移動が制限され、作業者により該ケーブル保護装置を取り外す難度を高めて誤操作を低減することについて説明した。次に、他の実施形態について説明する。
【0030】
第1のスリーブ50は、突合せ方向100の反対方向に沿って第2のスリーブ60の外に嵌合され、突起部52が第1のスリーブ50の内壁に設けられ、係止溝62と係止部63がいずれも第2のスリーブ60の側壁に設けられ、係止溝62は貫通溝であっても、凹溝であってもよく、第2のスリーブ60と第1のスリーブ50が突合せて係合される場合、第1のスリーブ50の側壁が第2のスリーブ60の側壁を囲み、突起部52、係止部63及び係止溝62はいずれも第2のスリーブ60の側壁の内側に位置し、突起部52、係止部63及び係止溝62がいずれも視認不能としている。また、係止部63を操作するスペースがなく、突起部52が内側に延びており、操作者が係止部63に外力を施しにくく、係止部63を内側に移動させて突起部52を係止溝62から離脱させることが難しくなるため、係止部63の内側への動きが制限されており、該実施形態において、第1のスリーブ50が位置する側壁が係止部63の外側に位置することにより、係止部63の第1のスリーブ50の側壁から離れる方向への動きが制限され、突起部52の係止溝62からの離脱がさらに難しくなり、第1のスリーブ50と第2のスリーブ60との接続がより安定化され、作業者はこのケーブル保護装置を取り外すことが困難となる。
【0031】
本発明の一実施形態では、第1のスリーブ50は第2のスリーブ60の端面に当接する当接板53が設けられており、第2のスリーブ60が第1のスリーブ50に対して突合せ方向100に沿って移動するストロークを制限して位置決め作用を果たす。
【0032】
図1~
図3Bに示すように、第1のスリーブ50には少なくとも1つの第1のケーブルコンジット91が接続され、第2のスリーブ60には少なくとも1つの第2のケーブルコンジット92が接続されており、第1のケーブルコンジット91、第1の収容室51、第2の収容室61および第2のケーブルコンジット92が連通されている。例えば、ケーブルは第1のケーブルコンジット91を介して第1の収容室51と第2の収容室61に入り込むことができ、1本のケーブルが複数のケーブルに分割された後、複数のケーブルがそれぞれ複数の第2のケーブルコンジット92を貫通することができる。
【0033】
ロック筒
図6、
図7、
図3A及び
図11に示すように、このケーブル保護装置は、ケーブルコンジット11が設けられたスリーブ10と、ロック筒20とを備えている。ロック筒20は、ケーブルチューブ11の外側に嵌合されて構成されている。ケーブルチューブ11の端部には、圧縮アーム13と、圧縮アーム13に隣接する開口溝12とが設けられている。ロック筒20の内壁には、開口溝12内を貫通可能な圧縮突起21が設けられており、
図9及び
図10に示すように、圧縮突起21は、ロック筒20に伴って圧縮アーム13の外側まで回動して圧縮アーム13を押圧して内側へ移動させるように構成されている。
【0034】
このケーブル保護装置を使用する際に、まず、ロック筒20をケーブルコンジット11に嵌合し、ケーブル104の一端がケーブルコンジット11から貫通され、ロック筒20を経由する。ケーブル104を貫通する時には、ロック筒20上の圧縮突起21が開口溝12に貫通されており、
図9に示すように、圧縮アーム13は圧縮突起21によって押圧されず、ケーブルコンジット11の端部の孔の寸法が大きく、ケーブル104の移動時におけるケーブルコンジット11とケーブル104との間の抵抗を減少し、ケーブル104がケーブルコンジット11から貫通しやすくする。ケーブル104の位置調整が完了すると、ロック筒20を回動させて圧縮突起21をリードして圧縮アーム13の外側まで回動させ、圧縮突起21は圧縮アーム13を内側に押し付けて、圧縮アーム13を内側に移動させ、ケーブルコンジット11の端部の孔の寸法を減少させ、圧縮アーム13をケーブル104の外壁に圧縮してケーブルコンジット11の変位を阻止し、ケーブル104の位置を安定化させ、ケーブル104が固定接続位置から外れるリスクを低減し、ケーブル104の故障を低減することができる。
【0035】
スリーブ10は導線を収容して担持する収容室101が設けられている。開口溝12は、開口溝12に貫通され、開口溝12内をケーブルチューブ11の縦方向に沿って移動可能な圧縮突起21を収容することができ、圧縮突起21は開口溝12と嵌合して位置決めの役割を果たし、ロック筒20をケーブルチューブ11に嵌合する過程で、圧縮突起21と開口溝12はロック筒20がケーブルチューブ11のバスラインに沿って移動するように案内する。
図2A及び
図1に示すように、スリーブ10には複数のケーブルコンジット11が設けられており、複数本のケーブル104はそれぞれのケーブルコンジット11から貫通され、各ケーブルコンジット11におけるロック筒20に接続され、各ケーブル104の変位をそれぞれ制限している。
図1に示すように、ケーブル保護装置は、複数のスリーブ10を備えており、複数のスリーブ10は突合せて係合されており、ケーブル104が突合せて係合されたスリーブ10を貫通し、両端に位置するロック筒20がケーブル104の両端の位置をそれぞれロックすることにより、ケーブル104の変位を低減することができ、このケーブル保護装置内のケーブル104を安定化させることができ、複数のケーブル104の接続箇所を当該ケーブル保護装置内に設けることで、複数のケーブル104の離脱を回避し、ケーブル104の接続の確実性を保障するのに寄与する。
【0036】
圧縮突起21が圧縮アーム13を内側に押圧し、圧縮アーム13が内側に変形するとともに、圧縮アーム13がケーブル104を圧縮し、圧縮突起21と圧縮アーム13との間に摩擦力を発生し、この摩擦力によりロック筒20がケーブルチューブ11内で相対移動するのを阻止することができる。本発明の一実施形態において、ケーブル保護装置は少なくとも1つのロック突起40と少なくとも1つのロック溝30とを備える。少なくとも1つのロック突起40はケーブルコンジット11の外壁に設けられ、少なくとも1つのロック溝30はロック筒20に設けられている。および/または、少なくとも1つのロック突起40はロック筒20の内壁に設けられ、少なくとも1つのロック溝30はケーブルコンジット11に設けられている。ロック突起40はロック溝30内に嵌められて構成され、ロック筒20のケーブルチューブ11上の位置を制限し、ケーブルチューブ11上のロック筒20の位置を安定させるのに寄与し、両者は
図10に示す状態を保持し、圧縮アーム13は圧縮突起21の押圧によって内側にケーブル104に圧縮される。
【0037】
図7、
図8、
図3A、
図11及び
図2Aに示すように、ロック突起40はケーブルチューブ11の外壁に設けられ、ロック溝30はロック筒20に設けられている。ロック突起40を内側に設けるよりも、ロック突起40をケーブルコンジット11の外壁に設ける場合に成形しやすく、このケーブル保護装置の製造難度を低減することができる。ロック溝30とロック突起40を嵌合することでロック筒20のケーブルチューブ11上の位置が制限される。ロック溝30及びロック突起40は、
図7、
図8、
図3A、
図11及び
図2Aに示す形態に限定されるものではなく、他方の実施形態として、ロック突起40がロック筒20の内壁に設けられ、ロック溝30がケーブルチューブ11に設けられている。さらに他方の実施形態として、少なくとも1つのロック突起40がロック筒20の内壁に設けられ、嵌合するロック溝30がケーブルチューブ11に設けられている。また、少なくとも1つのロック突起40がケーブルチューブ11の外壁に設けられ、嵌合するロック溝30はロック筒20に設けられている。
【0038】
ロック突起40はロック溝30内に嵌められて構成され、ロック溝30は貫通溝であっても、凹溝であってもよい。ロック溝30がロック筒20に設けられる場合、
図7に示すように、製造の便宜上、ロック溝30を貫通溝とすることが好ましい。
【0039】
一実施形態では、ロック溝30は周方向溝部31を備え、周方向溝部31はケーブルコンジット11の軸線の平面円周線に沿って延びている。ロック突起40は、周方向溝部31内に回動可能に嵌められている。
図7および
図8に示すように、ロック突起40は周方向溝部31内で回動し、ケーブルチューブ11の軸線回りの平面円周線に沿って回動し、ロック筒20が回動しながら軸方向に変位しないようにし、ロック筒20によって小さい角度を回動することにより、圧縮突起21を圧縮アーム13の外壁に移動させることにより、ケーブル104を圧縮およびロックすることができる。
【0040】
また、ロック溝30は周方向溝部31に連通する軸方向溝部32を有し、軸方向溝部32は、ロック突起40を周方向溝部31内へ案内するように構成されている。ロック筒20をケーブルチューブ11に嵌合する際には、係止突起40はまず軸方向溝部32に入り込み、係止突起40が軸方向溝部32に沿って周方向溝部31内に移動し、円滑且つスムーズにロック筒20を取り付けることができる。
【0041】
さらに、周方向溝部31の端部には係止部33が設けられており、係止部33は側壁が係止突起40を内側に押し付けるように構成されている。
図8に示すように、周方向溝部31の開始段の溝幅に比べて、ロック部33の寸法が縮小し、ロック突起40がロック部33に入り込んだ後、ロック部33の側壁がロック突起40を押し付け、ロック突起40にロック突起40の後退を阻止する抵抗が生じて、ロック突起40をロック部33に制限することができる。好ましくは、ロック突起40は円柱状であり、ロック部33の形状はロック突起40に適合しており、ロック部33は円孔であり、ロック部33の側壁はロック突起40を囲んでおり、ロック部33には、ロック突起40がロック部33に入り込むための開口が設けられており、自然な状態では、この開口がロック突起40よりも小さくなっているため、ロック突起40がロック部33に入り込んだ後、ロック突起40がロック部33から退出するのを阻止する。
図8に示すように、軸方向溝部32、周方向溝部31および係止部33はこの順に接続されて位置決め溝34を構成している。ロック突起40は位置決めコラム41を構成しており、位置決めコラム41は位置決め溝34内を移動し、ロック筒20の動きの円滑さを保障するとともに、位置決めコラム41がロック部33まで移動する際にロックされることになる。
【0042】
他方の実施形態において、ロック溝30は螺旋溝部を備え、螺旋溝部はケーブルコンジット11の軸線回りの螺旋線に沿って延びており、ロック突起40は螺旋溝部に沿って移動し、ロック突起40はケーブルコンジット11の軸線回りの螺旋線に沿って移動するため、ロック筒20を回動すると、圧縮突起21をドライブして圧縮アーム13の外側まで回動するとともに、ロック突起40と螺旋溝部を螺合させてロック筒20を回動させ、ロック突起40と螺旋溝部との間に摩擦力を発生させ、この摩擦力によりロック筒のケーブルチューブ11上の位置を安定化することができる。
【0043】
また他の実施形態において、
図7、
図8、
図3A、
図11および
図2Aに示すように、ロック溝30は周方向係止溝36であり、ロック突起40は第1のロック係止ブロック42であり、第1のロック係止ブロック42は周方向係止溝36に係止されて構成され、ケーブルコンジット11に対するロック筒20のケーブルコンジット11の軸方向への移動を阻止し、周方向係止溝36内で回動可能に構成されている。周方向係止溝36と第1のロック係止ブロック42によってロック筒20のケーブルチューブ11上の軸方向位置が制限される。同時に、第1のロック係止ブロック42は周方向係止溝36内で回動可能であり、ロック筒20がケーブルチューブ11上で回動することを可能にする。
【0044】
図3A、
図11及び
図2Aに示すように、第1のロック係止ブロック42は、周方向係止溝36の内壁に当接するように構成されて第1のロック係止ブロック42を周方向係止溝36に係止させる係止ブロック立板421を備える。一実施形態において、第1のロック係止ブロック42は係止ブロックリブ422を備え、係止ブロックリブ422は係止ブロック立板421に接続されており、係止ブロックリブ422は第1のロック係止ブロック42の強度を補強させることで、第1のロック係止ブロック42を変形しにくくする。具体的に、係止ブロックリブ422はケーブルチューブ11の縦方向に沿って延設されてもよい。
【0045】
他の実施形態として、ロック溝30は軸方向係止溝であり、ロック突起40は第2のロック係止ブロックであり、軸方向係止溝と第2のロック係止ブロックは、ロック筒20がケーブルチューブ11に対してケーブルチューブ11の軸線回りに回動するのを阻止するように、第2のロック係止ブロックが軸方向係止溝に係止されるように構成されている。ロック筒20をケーブルチューブ11の外側に嵌合し、ロック筒20を回動すると、第2のロック係止ブロックは軸方向係止溝に入り込まれてロック筒20の回動を阻止し、ロック筒20の位置を制限する。好ましくは、ロック筒20は、軸方向係止溝と周方向溝部31とを備えており、軸方向係止溝と軸方向溝部32とが協働することにより、ロック筒20の位置をロックし、正確に位置決めし、確実にロックする利点がある。
【0046】
また、ケーブル保護装置は、ケーブルチューブ11の外壁に設けられた複数のロック突起40と、いずれもロック筒20に設けられた複数のロック溝30とを備えている。
図7、
図8、
図3A、
図11および
図2Aに示すように、少なくとも1つのロック溝30は、ケーブルチューブ11の軸線回りの平面円周線に沿って延びる周方向溝部31を備えている。少なくとも1つのロック突起40は、周方向溝部31内で回動することができる。少なくとも1つのロック溝30は周方向係止溝36であり、少なくとも1つのロック突起40は第1のロック係止ブロック42であり、第1のロック係止ブロック42は周方向係止溝36に係止可能であって、ケーブルチューブ11に対するロック筒20のケーブルチューブ11の軸方向への移動を阻止するとともに、第1のロック係止ブロック42は周方向係止溝36内で回動可能である。周方向係止溝36と周方向溝部31とが協働することにより、ロック筒20の位置がロックされ、正確に位置決めし、確実にロックする利点がある。
【0047】
図7に示すように、圧縮突起21は、圧縮アーム13に当接するための突起傾斜面211を有し、ロック筒20を回動させると、突起傾斜面211は圧縮突起21を圧縮アーム13の外側まで回動させる。開始時には、圧縮突起21が開口溝12に貫通され、突起傾斜面211が圧縮アーム13の側壁に接触し、ロック筒20を回動させると、突起傾斜面211がガイドの機能をし、圧縮突起21が圧縮アーム13の外側へ移動しやすくなる。操作の便宜上、ロック筒20にはハンドル22が設けられており、ハンドル22の数は取り付け要求に応じて2つに選択されているが、それぞれの仕様によって他の数、例えば3個、5個、6個などに選択されてもよい。ハンドル22は、取り付け要求に応じて全体的に上下に2つずつ配置されており、このレイアウトにより、取り付ける時に受ける力の均一化及び取り外しを阻止する時の強度要求を満たすのに寄与し、それぞれの取り付け要求に応じて他の異なるレイアウトを使用することができる。
【0048】
図6、
図3A、
図11及び
図2Aに示すように、圧縮アーム13の内壁にはアーム突起131が設けられており、圧縮アーム13はアーム突起131を介してケーブル104に当接し、ケーブル104に対する圧縮力をアーム突起131に集中させるのに寄与し、ケーブル104の変位をよりよく阻止し、ケーブル104の位置の安定性を向上させるために、より大きな抵抗を発生させるのに寄与する。
【0049】
本発明の一実施形態において、該ケーブル保護装置は、第1の収容室および第2の収容室内に配置されたシールド構造を備え、シールド構造は、ケーブルがシールド構造から貫通するように構成される。シールド構造は一つの構造に限定されず、例えば、シールド構造は、ケーブルの接続部を包み込むシールドシェルであってよく、複数のケーブルがそれぞれシールドシェルから貫通し、ケーブルの接続部にシールドシェルを嵌合しやすくするために、シールドシェルは別体構造であってよい。
【0050】
さらに、シールド構造の接合箇所にはシールドスリットが設けられ、シールドスリットにはEMIガスケットが設けられており、このシールドスリットは、EMIガスケットの厚さを10%~95%に圧縮してシールド効果を高めるように構成されている。EMIガスケットの厚さ圧縮比とシールド性能との関係は以下の表に示す通りである。具体的には、シールド構造は、第1のハウジングと第2のハウジングとを備え、第1のハウジングと第2のハウジングがシールドシェルにスプライシングされ、ケーブルはシールドシェルから貫通する。第1のハウジングと第2のハウジングとのスプライシング部にシールドスリットが形成され、EMIガスケットは第1のハウジングと第2のハウジングとのスプライシング部に設けられ、EMIガスケットは押し付けて圧縮され、厚さは初期厚さの10%~95%に減少される。
【0051】
【0052】
次に、スリーブ10の構造、形状及び寸法について具体的に説明する。
【0053】
スリーブ10は、収容筒体103と突合せ筒体102とを備え、収容室101は収容筒体103と突合せ筒体102とに設けられ、収容筒体103と突合せ筒体102は導線を担持し、導線を防護して難燃、破損しにくい等の要求を満たす。
【0054】
このケーブル保護装置は、例えば導線や高圧ハーネスなどのケーブルへの保護に適用することができ、他のハーネス製品の保護にも適用できる。
【0055】
図2A及び
図2Bに示すように、第1のスリーブ50は、第1のケーブルコンジット91と突合せ筒体102とを備えている。
図3A及び
図3Bに示すように、第2のスリーブ60は、第2のケーブルコンジット92と、収容筒体103と、突合せ筒体102とを備えている。
【0056】
第1のケーブルコンジット91と第2のケーブルコンジット92は導線を担持し、導線を防護し、難燃、破損しにくいなどの要求を満たしている。第1のケーブルコンジット91と第2のケーブルコンジット92の形状は円形の輪郭であり、導線の外形とマッチングし、楕円形、正方形、長方形、丸みを帯びた長方形、三角形、台形、平行四辺形、菱形、多角形などの輪郭に差し替えてもよい。第1のケーブルコンジット91および第2のケーブルコンジット92の直径の寸法は、導線のそれぞれの仕様に応じて設計され、整数(例えば、直径10mm、直径20mm、直径30mmなど)又は非整数(例えば、直径11.2mm、直径12.2mm、直径13.2mmなど)であってよい。第1のケーブルコンジット91と第2のケーブルコンジット92の抜き勾配は、金型の型出し要求に応じて1°に設計されるか、或いは異なる長さに応じて、例えば1.5°、2°、0.5°などの角度値に変更されてもよい。
【0057】
収容筒体103、突合せ筒体102及び突合せ筒体102は端子を担持して端子を防護し、難燃、破損しにくい等の要求を満たす。収容筒体103、突合せ筒体102及び突合せ筒体102は楕円形であり、分配された導線の外形にマッチングされ、円形、正方形、長方形、丸みを帯びた矩形、三角形、台形、平行四辺形、菱形、多角形などの輪郭に差し替えてもよい。収容筒体103、突合せ筒体102および突合せ筒体102の全体の寸法は、導線のそれぞれの仕様に応じて設計され、整数(例えば、寸法10mm、寸法20mm、寸法30mmなど)又は非整数(例えば、寸法11.2mm、寸法12.2mm、寸法13.2mmなど)であってよい。収容筒体103、突合せ筒体102および突合せ筒体102の抜き勾配は、金型の型出し要求に応じて設計されるが、好ましくは1°に設計され、異なる長さによって他の角度値、例えば1.5°、2°、0.5°などに変更されてもよい。収容筒体103、突合せ筒体102及び突合せ筒体102は、同時に第1の係止構造70、第2の係止構造80、係止ボス521及び位置決め係止コラム522のキャリアとして機能し、クリップが力を受ける際に強度を補強し、取り外しを阻止する要求を満たす。
【0058】
図3Aおよび
図3Bに示すように、第2のケーブルコンジット92と収容筒体103とは垂直に接続され、材料を節約しつつ強度要求を満たすことができる。
図2Aおよび
図2Bに示すように、収容筒体103と突合せ筒体102とは垂直に接続されており、材料を節約しつつ強度要求を満たすことができる。
【0059】
収容筒体103、突合せ筒体102および突合せ筒体102の外側輪郭には、それぞれの組立需要に応じて異なる形状の位置決めリブが設けられており、組立の位置決めポイントとして、位置決めリブの形状は、長方形、三角形、円柱状等であってもよく、位置決めリブの長さや厚さは、それぞれの組立要求に応じて設計され、整数(例えば、寸法10mm、寸法20mm、寸法30mmなど)又は非整数(例えば、寸法11.2mm、寸法12.2mm、寸法13.2mmなど)であってよい。
【0060】
収容筒体103、突合せ筒体102及び突合せ筒体102の内側輪郭には、第2のスリーブ60と第1のスリーブ50との組立位置決めの需要に応じて異なる形状の位置決めリブが設けられており、組立の位置決めポイントとして、位置決めリブの形状は長方形、三角形、円柱状等であってもよく、位置決めリブの長さや厚さは、異なる組立要求に応じて設計され、整数(例えば、寸法10mm、寸法20mm、寸法30mmなど)又は非整数(例えば、寸法11.2mm、寸法12.2mm、寸法13.2mmなど)であってよい。
【0061】
収容筒体103、突合せ筒体102及び突合せ筒体102の外側輪郭は、鋭利な箇所による周辺環境相手材への損傷を回避するため、且つ鋭利な箇所による人員へのダメージを回避するために、面取り処理が施されており、べべリング処理で差し替えてもよく、円角およびベベルのサイズは、それぞれの仕様に応じて選択できるが、整数(例えば、サイズ1mm、サイズ2mm、サイズ3mmなど)又は非整数(例えば、サイズ1.2mm、サイズ2.2mm、サイズ3.2mmなど)であってよい。
【0062】
第2のスリーブ60及び第1のスリーブ50の肉厚は、異なる強度要求やプロセス要求等に応じて選択できるが、整数(例えば、肉厚1mm、肉厚2mm、肉厚3mm等)又は非整数(例えば、肉厚1.1mm、肉厚2.1mm、肉厚3.1mm等)であってよい。
【0063】
第2のスリーブ60と第1のスリーブ50の色はオレンジ色であって、警告の役割を果たすが、例えば赤色、紫色、青色などの他の色であってもよい。第2のスリーブ60と第1のスリーブ50との材料は、異なる強度要求や耐温レベル及び異なる材料特性要求に応じて異なる材料を選択できるが、例えばポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニ-ル、エチレンプロピレンゴム、ナイロン、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリ塩化ビニ-ルのうちの一つ又は複数の組み合わせによって製造されることができ、いずれも難燃性と強度の要求を満たす必要がある。第2のスリーブ60および第1のスリーブ50の表面は、美観的効果を向上させるために、また風合いを向上させるために、フレームパターン処理を採用しており、フレームパターンの仕様は、それぞれの仕様に応じて選択できるが、例えばRa0.16、Ra0.25、Ra0.32などを選択できる。
【0064】
図2A、
図2B、
図3A及び
図3Bに示すように、第1の係止構造70は突合せ筒体102に設けられ、係止ボス521は突合せ筒体102に設けられており、第1の係止構造70は係止ボス521の位置に一々に対応するとともに、嵌合長さに応じて両者の軸方向の位置寸法を調整することができる。第1の係止構造70と係止ボス521との係止位置は、第2のスリーブ60と第1のスリーブ50との嵌合が最も緊密な箇所であり、その代わりに、第1の係止構造70がケーブルチューブ11に設けられ、係止ボス521が突合せ筒体102に設けられてもよい。
【0065】
第1の係止構造70と係止ボス521の数は、取付要求に応じて4つに選択されているが、異なる仕様に応じて他の数、例えば3個、5個、6個などを選択することができる。好ましくは、第1の係止構造70と係止ボス521は、取付要求に応じて全体的に上下に2個ずつ配置されており、このレイアウトは、取付時に受ける力の均一化に寄与するとともに、取り外し阻止時の強度要求を満たすこともでき、異なる取付要求に応じて他の異なるレイアウトを用いることもできる。例えば、上下に1つずつ、上に1つ且つ下に2つ、上下に3つずつなどに配置することもできる。
【0066】
係止溝62の形状は、取付の要求に応じて丸みを帯びた長方形を為すことが好ましく、円形、正方形、長方形、矩形、三角形、台形、平行四辺形、菱形、多角形等に差し替えてもよい。係止板73と第2のスリーブ60の縦方向との間の夾角は係止板73のベベル角度であり、このベベル角度は取付の要求に応じて10°を形成するのが好ましく、それぞれの仕様に応じて他の角度、例えば15°、20°、25°等に変更してもよい。
【0067】
第1の係止構造70の先端には、第2の係止構造80を組立てた後の配置空間を確保するための空間が設けられており、この配置空間の寸法は、第2の係止構造80の寸法に応じて設計され、整数(例えば、寸法1mm、寸法2mm、寸法3mm等)又は非整数(例えば、寸法1.2mm、寸法2.2mm、寸法3.2mm等)であってもよい。
【0068】
係止ボス521、係止凹溝81の全体的形状は、取付要求に応じて直角三角形に選択され、円形、正方形、長方形、矩形、三角形、台形、平行四辺形、菱形、多角形などに差し替えてもよい。係止ボス521のボスリブ542の上壁、係止凹溝81の側壁は、取付時に主に組立導入の役割を果たす斜面であり、この斜面とスリーブ10の軸線との間の角度は、取付要求に応じて20°に選択され、異なる仕様に応じて他の角度、例えば10°、15°、25°などに変更されてもよい。第2の係止構造80と位置決め係止コラム522の数は、取付要求に応じて2つに選択してもよく、異なる仕様に応じて他の数、例えば3個、4個、5個などに選択してもよい。
【0069】
第2の係止構造80と位置決め係止コラム522とは、取付要求に応じて全体的に左右に1個ずつ配置されており、このレイアウトは取付時に受ける力の均一化に寄与し、取り外し阻止時の強度要求を満たしており、異なる取付要求に応じて、他の異なるレイアウトを使用することができ、例えば上下に1つずつ、左側に1つ且つ右側に2つ、左右に2つずつに配置することができる。第2の係止構造80の全体的形状は、取付の要求に応じて台形に選択し、円形、正方形、長方形、三角形、台形、平行四辺形、菱形、多角形などに差し替えてもよい。位置決め係止コラム522の全体的形状は、取り付けの要求に応じて逆台形に選択し、円形、正方形、長方形、三角形、台形、平行四辺形、菱形、多角形などに差し替えてもよい。第2の係止構造80と位置決め係止コラム522のベベル角度は、取付の要求に応じて20°に選択し、異なる仕様に応じて他の角度、例えば10°、15°、25°などに変更してもよい。
【0070】
このケーブル保護装置の実現原理は以下のとおりである。第1の係止構造70と係止ボス521は、係止ボス521のボスリブ542の上壁によってガイドされ、組み立てる時に徐々に係止板73が固定勾配の軌跡運動を生じるようにガイドする。また、組立要求の当接面に達すると、係止板73が弾性変形して固定要求の数値に達し、係止ボス521のボスリブ542の上壁を超えて当接面を乗り越えると、係止板73が弾性変形し、係止板73と係止ボス521との組立当接面が重なり合い、完全にロックされた後、第1の係止構造70が動きを停止して組立要求に達する。第1の係止構造70の当接面は、組立後に係止ボス521の当接面に遮蔽されるため、組立を完了した後、治具を介して第1の係止構造70の当接面に当接することができず、さらには治具による操作によって第1の係止構造70に新たに弾性変形させることができず、取り外し動作を完了することができず、取り外しを阻止する要求を満たすことができる。
【0071】
第2の係止構造80と位置決め係止コラム522とは、位置決め係止コラム522の斜面案内により、組立時に次第に第2の係止構造80及び突合せ筒体102をガイドして弾性変形を生成させて固定要求の数値に到達させ、位置決め係止コラム522の取付断面を超えて、当接面を乗り越えた後、第2の係止構造80は弾性変形を生じ、第2の係止構造80と位置決め係止コラム522の組立当接面が重なり合い、完全にロックされた後、第2の係止構造80は運動を停止し、組立要求に達する。
【0072】
位置決め係止コラム522の当接面は、組立てた後に突合せ筒体102によって完全に囲まれるとともに、突合せ筒体102が突合せ筒体102のキャビティ内に貫通されるので、位置決め係止コラム522の当接面は隠蔽及び不可視状態になり、治具が第2の係止構造80に接触することができず、さらに治具による操作によって第2の係止構造80を新たに弾性変形させることができず、取り外し動作を完了することができず、取り外しを阻止する要求を満たすことができる。
【0073】
ケーブル保護装置は精密射出成形プロセスを採用し、設備の精度と金型誤差を制御することによりケーブル保護装置の寸法要求を満たし、型締力、射出位置の計量精度、射出速度、射出圧力、金型温度などを通じて射出成形過程を制御することにより、クリップの弾性変形の要求及びクリップ強度の要求を満たすことができる。具体的に、以下のパラメータを利用するのが好ましい。型締力がゼロの時に、射出精度値は0.03mm未満であり、型締力が最大の時に、射出の精度値は0.005mm未満であり、射出の位置精度(保圧終了点)が0.03mm未満であり、射出の速度が300mm/s以上で、射出の圧力は25MPaを超え、金型温度の変化は±1℃以内に制御すべきである。ケーブル保護装置は自動化組立プロセスを採用し、自動化組立プロセスを通じて組立過程を制御することで、取り付け力、取り付け深さ、取り付け位置、クリップ変形ストローク、誤った組立なし、組立漏れなし、逆取り付けなしなどの要求を満たすことができる。
【0074】
自動化組立プロセスの主な構造としては、IPC、シリンダー、ねじ、レール、位置決め構造、ガイド機構、誤り阻止機構などがある。
【0075】
以上は、本発明の例示的な具体的な実施形態に過ぎず、本発明の範囲はこれに限られるものではない。当業者にとって、本発明の構想と原則を離れない前提での同等な変化と修正はいずれも本発明の保護範囲に属すると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0076】
10 スリーブ
11 ケーブルコンジット
12 開口溝
13 圧縮アーム
20 ロック筒
21 圧縮突起
22 ハンドル
30 ロック溝
31 周方向溝部
32 軸方向溝部
33 係止部、ロック部
34 溝
36 周方向係止溝
40 係止突起、ロック突起、
41 コラム
42 第1のロック係止ブロック
50 第1のスリーブ
51 第1の収容室
52 突起部
53 当接板
60 第2のスリーブ
61 第2の収容室
62 係止溝
63 係止部
70 第1の係止構造
71 係止貫通溝
72 案内凹溝
73 係止板
73 通常係止板
73 後係止板
80 第2の係止構造
81 係止凹溝
91 第1のケーブルコンジット
92 第2のケーブルコンジット
100 方向
101 収容室
104 ケーブル
131 アーム突起
211 突起傾斜面
421 係止ブロック立板
422 係止ブロックリブ
521 係止ボス
522 係止コラム
541 ボス立板
542 ボスリブ
721 底面
821 第1の係止突起
822 第2の係止突起