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▶ 株式会社三井住友銀行の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】サーバ、方法、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20241202BHJP
【FI】
G06Q30/06
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2024038758
(22)【出願日】2024-03-13
【審査請求日】2024-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】397077955
【氏名又は名称】株式会社三井住友銀行
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久我 知也
【審査官】上田 智志
(56)【参考文献】
【文献】特許第7339406(JP,B1)
【文献】三菱UFJ信託銀行株式会社、SBIトレーサビリティ株式会社,“トレーサビリティ機能を持ったNFT”(「トレーサブルNFT」)の基盤創りと、世界初の「日本酒トークン」発行に向けた共同検討の開始について[online],2023年01月31日,[令和6年9月6日検索], インターネット<URL : https://www.tr.mufg.jp/ippan/release/pdf_mutb/230131_1.pdf>
【文献】SBIトレーサビリティ株式会社,夏季醸造の技術で醸された稀有な日本酒「水端(みづはな)1355」ブロックチェーン技術などを活用したトレーサビリティ・サ ービスを導入[online],2023年11月24日,[令和6年9月6日検索], インターネット<URL : https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000100112.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酒類製品の引渡請求権を関連付けた第1の非代替性トークンと、前記酒類製品に関連した付帯的なデータを関連付けた第2の非代替性トークンとを、ブロックチェーンにおいて発行する非代替性トークン発行部と、
前記第1の非代替性トークンおよび前記第2の非代替性トークンの前記ブロックチェーンにおけるトランザクションを管理するトランザクション管理部と、
前記トランザクションにおいて前記第1の非代替性トークンの削除依頼があった場合に、前記削除依頼の依頼元端末が指定する配送先への前記酒類製品の発送を、前記酒類製品のメーカ端末に指示する発送管理部と、
を備えた、サーバ。
【請求項2】
前記酒類製品は、ウイスキー製品であり、
前記付帯的なデータは、前記ウイスキー製品が完成品として製品化される前の熟成途中の段階の情報を含む、請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記付帯的なデータは、前記ウイスキー製品のラベルを示すデータ、前記ウイスキー製品のメーカの歴史に関するデータ、前記ウイスキー製品の歴史に関するデータ、および、前記ウイスキー製品についてのテイスティングコメントを示すデータのうちの1つまたは複数を含む、請求項2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記発送管理部は、前記依頼元端末に関して予め登録されたユーザの年齢または年代に基づいて、前記ユーザが前記酒類製品の購入を許される年齢または年代であるか否かを確認し、前記ユーザが前記酒類製品の購入を許される年齢または年代であることが確認された場合に、前記酒類製品の前記発送を前記メーカ端末に指示する、請求項1から3の何れか1項に記載のサーバ。
【請求項5】
前記依頼元端末は、前記トランザクションにおいて、前記第1の非代替性トークンおよび前記第2の非代替性トークンの移転を受けた第1の消費者端末、または、前記トランザクションにおいて、前記第1の消費者端末から前記第1の非代替性トークンおよび前記第2の非代替性トークンの移転を受けた第2の消費者端末である、請求項1から3の何れか1項に記載のサーバ。
【請求項6】
サーバによって実行される方法であって、
酒類製品の引渡請求権を関連付けた第1の非代替性トークンと、前記酒類製品に関連した付帯的なデータを関連付けた第2の非代替性トークンとを、ブロックチェーンにおいて発行することと、
前記第1の非代替性トークンおよび前記第2の非代替性トークンの前記ブロックチェーンにおけるトランザクションを管理することと、
前記トランザクションにおいて前記第1の非代替性トークンの削除依頼があった場合に、前記削除依頼の依頼元端末が指定する配送先への前記酒類製品の発送を、前記酒類製品のメーカ端末に指示することと、
を含む、方法。
【請求項7】
サーバに、
酒類製品の引渡請求権を関連付けた第1の非代替性トークンと、前記酒類製品に関連した付帯的なデータを関連付けた第2の非代替性トークンとを、ブロックチェーンにおいて発行することと、
記第1の非代替性トークンおよび前記第2の非代替性トークンの前記ブロックチェーンにおけるトランザクションを管理することと、
前記トランザクションにおいて前記第1の非代替性トークンの削除依頼があった場合に、前記削除依頼の依頼元端末が指定する配送先への前記酒類製品の発送を、前記酒類製品のメーカ端末に指示することと、
を含む処理を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバ、方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ウイスキーやワインといった酒類に関して、酒樽単位の所有権の移転を、ブロックチェーン技術(例えば、非代替性トークン)の活用によって管理する技術がある。非代替性トークン(non-fungible token,NFT)は、ブロックチェーンにおいて取引(トランザクション)が記録されるトークンの一種であり、例えば、NFTに関する標準規格でありERC(Ethereum Request for Comments)721規格に準拠して発行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6829927号公報
【文献】特許第7389527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、NFTを活用した既存の技術においては、例えば、酒類(酒樽)の所有権移転をNFTによって管理できるに留まる。そのため、例えば、酒類に関連した付帯的な情報またはデータを、酒類の所有権を保有する消費者に併せて提示することについて検討の余地がある。
【0005】
本開示の例示的な目的の1つは、酒類製品の引渡請求権を関連付けた非代替性トークンと共に、その酒類製品に関連した付帯的なデータを関連付けた非代替性トークンを消費者に提供できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため、本開示の例示的な一態様に係るサーバは、酒類製品の引渡請求権を関連付けた第1の非代替性トークンと、前記酒類製品に関連した付帯的なデータを関連付けた第2の非代替性トークンとを、ブロックチェーンにおいて発行する非代替性トークン発行部と、前記第1の非代替性トークンおよび前記第2の非代替性トークンの前記ブロックチェーンにおけるトランザクションを管理するトランザクション管理部と、前記トランザクションにおいて前記第1の非代替性トークンの削除依頼があった場合に、前記削除依頼の依頼元端末が指定する配送先への前記酒類製品の発送を、前記酒類製品のメーカ端末に指示する発送管理部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の例示的な一態様によれば、酒類製品の引渡請求権を関連付けた非代替性トークンと共に、その酒類製品に関連した付帯的なデータを関連付けた非代替性トークンを消費者に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係るNFTサービスシステムの構成例を示す図である。
図2図1に例示したNFTサーバの構成例を示すブロック図である。
図3図1に例示した顧客データの一例を示す図である。
図4図1に例示したRWA(real world asset)関連データの一例を示す図である。
図5図1に例示したNFT管理データの一例を示す図である。
図6】一実施形態に係るNFTのデータ構造の一例を示す図である。
図7図1に例示したNFTサービスシステムにおいて、消費者が製品を自家消費するケースについての全体的な動作の流れを示す図である。
図8図1に例示したNFTサービスシステムにおいて、消費者が製品を別の消費者に贈答するケースについての全体的な動作の流れを示す図である。
図9図7および図8に例示した動作の流れにおいてNFTサーバに着目した動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら実施形態について詳細に説明する。ただし、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。また、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。
【0010】
例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。さらに、同一または類似の符号は同一または類似の要素を示し、繰り返しの説明を省略する場合がある。以下の説明において数値を記載した場合、その数値はあくまでも例示であり、他の数値が追加的または代替的に用いられてもよい。
【0011】
<システム構成例>
図1は、一実施形態に係るNFTサービスシステム10の構成例を示す図である。図1に例示するNFTサービスシステム10(以下「システム10」と略記することがある)は、例えば、NFTのサービスPF(プラットフォーム)を提供するサーバコンピュータ20、ブロックチェーンシステム40、クライアントコンピュータ60、80A、80Bおよび100を備える。
【0012】
サーバコンピュータ20は、便宜的に、「NFTサーバ20」または「NFTサービスPF20」と表記され得る。「コンピュータ」は、例えば、「装置」、「端末」、「ノード」または「エンティティ」といった他の用語に読み替えられてもよい。NFTサーバ20、クライアント端末60、80A、80Bおよび100のうちの1つまたは複数は、ブロックチェーンシステム40を構成するノードに相当してもよい。
【0013】
NFTサーバ20、ブロックチェーンシステム40、クライアント端末60、80A、80Bおよび100は、ネットワーク(NW)120に接続されて、相互に通信が可能である。ネットワーク120は、有線および無線の何れのネットワークであってもよく、また、有線と無線とが混在するネットワークであってもよい。
【0014】
無線ネットワークは、3G、LTE(Long Term Evolution)、4G、5G、6Gといった3GPP(3rd Generation Partnership Project)(登録商標)が策定する規格に準拠したネットワークでもよいし、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11シリーズ規格に準拠したWi-Fiネットワークであってもよい。ネットワーク120の非限定的な一例は、インターネットを含み得る。
【0015】
ブロックチェーンシステム40(以下「ブロックチェーン40」と略記することがある)は、例えば、P2P(ピアツーピア)によって接続された複数のノード(コンピュータ)を含むコンピュータシステム(またはネットワーク)である。ブロックチェーン40は、例示的に、NFTサービスシステム10の各ユーザに割り当てられるウォレットアドレス間でのNFTに関するトランザクションを分散的に記録するように構成される。
【0016】
NFTに関するトランザクションには、例示的に、NFTの特定のウォレットアドレスへの発行(または、対応付け)、NFTのウォレットアドレス間の移転、および/または、NFTの削除または無効化を意味する「バーン(burn)」が含まれ得る。NFTの発行は「ミント」とも称される。
【0017】
なお、NFTは、ブロックチェーン40において一意に識別される、唯一無二の代替不可能なデジタルデータである。NFTは、例えば、ブロックチェーン40において分散的に記録されることで、偽造不可能な鑑定書および所有証明書付きのデジタルデータとして機能し得る。
【0018】
ウォレットアドレスは、例えば、ブロックチェーン40のリソースに関連付けられたウォレットの所在を示すアドレス情報である。ブロックチェーン40におけるデジタル空間と現実世界との対比において、「ウォレット」(または、「ウォレットアカウント」とも称し得る)は、例えば「銀行口座」に相当し得、「ウォレットアドレス」は、例えば、「口座番号」に相当し得る。
【0019】
「ウォレットアドレス」は、「ウォレット」に対するアクセス権を有するユーザが保有する文字列(例えば、秘密鍵)とペアを成す文字列(例えば、公開鍵)、または当該公開鍵を基に生成された文字列であり得る。この場合、秘密鍵は、「ウォレットアカウント」に対する正当なアクセス権を表象し、例えば、「ウォレットアカウント」へのログインまたはサインインのためのパスワードに相当し得る。
【0020】
ウォレットアドレスの発行および/または管理は、例えば、NFTサーバ20によって行われてもよいし、NW120に接続された、NFTサーバ20とは異なるウォレット管理サーバ(図示省略)によって行われてもよい。
【0021】
なお、NFTサービスシステム10の各ユーザには、例示的に、現実世界の資産(real world asset、RWA)としての製品(または商品)を提供するメーカ、製品の卸売業者、製品の小売店舗、および、製品の消費者が含まれ得る。また、消費者には、自家消費目的で製品を入手する消費者と、他の消費者から例えば贈答品等として製品を入手(転得)する消費者との一方または双方が含まれ得る。製品の非限定的な一例は、ウイスキーまたはワインといった酒類製品である。
【0022】
図1において、例えば、クライアント端末60が、酒類製品のメーカによって操作され得る「メーカ端末60」に相当する。クライアント端末80Aは、例示的に、酒類製品の卸売業者によって操作され得る「卸売業者端末80A」に相当し、クライアント端末80Bは、例示的に、酒類製品の小売店舗によって操作され得る「小売店舗端末80B」に相当する。卸売業者および小売店舗は、何れも酒類製品の販売業者であるため、卸売業者端末80Aおよび小売店舗端末80Bは、「販売業者端末80」と総称されてもよい。
【0023】
クライアント端末100は、例示的に、酒類製品の消費者によって操作され得る「消費者端末100」に相当する。メーカ端末60、卸売業者端末80A、小売店舗端末80B、消費者端末100のそれぞれは、システム10において2台以上設けられてもよい。
【0024】
クライアント端末60、80A、80Bおよび100のそれぞれは、通信機能を有するあらゆる種類の装置またはデバイスであってよい。非限定的な一例として、クライアント端末60、80A、80Bおよび100のうちの1つまたは複数は、ラップトップタイプまたはデスクトップタイプのパーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話、スマートフォン、タブレットPC、または、それらのあらゆる組み合わせであり得る。
【0025】
NFTサーバ20は、例えば、メーカが提供する酒類製品に関して行使可能な権利、例えば、酒類製品の引渡請求権(以下「入手権」とも称する)を関連付けた(または表象した)NFTを、酒類製品の購入を希望するユーザがアクセス権を有するウォレットアドレスにミントし得るように構成される。
【0026】
酒類製品を購入するために操作される端末は、卸売業者端末80A、小売店舗端末80B、および、消費者端末100の何れであってもよい。また、酒類製品の仮想的な在庫として複数のNFTが、メーカ端末60がアクセス権を有するウォレットアドレスにまとめてミントされてもよい。
【0027】
入手権が関連付けられたNFTは、第1のNFTの一例であり、便宜的に「入手権NFT」と称されてよい。入手権NFTは、物理的な酒類製品(以下「現品」とも称し得る)の「引換券」として機能すると理解されてもよい。
【0028】
「入手権」は、例えば、酒類製品の購入価格および/または購入可能時期に関して「入手権」よりも優先的な取り扱いを受けることが可能な「優先入手権」(「アローリスト」とも称される)であってもよい。「優先入手権」は「予約引換券」として機能すると理解されてもよい。
【0029】
入手権NFT(優先入手権NFTを含む。以下において同じ)に関連付けられる酒類製品は、NFT発行時に完成品として現実に存在する酒類製品(現品)であってもよいし、NFT発行後に製造予定または完成予定の酒類製品であってもよい。
【0030】
酒類製品の販売業者端末80は、メーカが製造する1つまたは複数の酒類製品の購入を希望する場合、現品に代えて入手権NFTを購入する。同様に、消費者端末100は、メーカ端末60または販売業者端末80から、現品に代えて入手権NFTを購入する。
【0031】
このように、酒類製品の入手権NFTが、現品を伴わずに、メーカから販売業者、販売業者から消費者へ流通する。換言すると、入手権NFTの購入(売買契約または譲渡契約)が成立するごとに、ブロックチェーン40において、ウォレットアドレス間の入手権NFTの移転トランザクションが記録される。
【0032】
酒類製品の消費者は、例えば、消費者端末100を操作して、当該消費者のウォレットアドレスにミントされた入手権NFTをバーンすることで、NFTサーバ20に対して、酒類製品の現品の引渡請求権を行使することを宣言または表明し得る。
【0033】
NFTサーバ20は、引渡請求権の行使の宣言または表明を受けることにより、例えば、メーカ端末60に対して酒類製品の配送を指示する。これにより、消費者は、バーンした入手権NFTが表象する酒類製品の現品を入手する。
【0034】
以上のようなブロックチェーン40上での入手権NFTのトランザクション(例えば、ミント、移転およびバーン)は、ブロックチェーン40において改竄不能な状態で逐次的に記録される。例えば、NFTサーバ20は、ウォレットアドレス間において入手権NFTが移転されるごとに、入手権NFTの所有者(オーナーシップ)情報を新しい所有者情報に更新する。オーナーシップ情報は、所有者(または保有者)IDとも称され、例えば、NFTがミントされたウォレットアドレスによって表され得る。
【0035】
したがって、例えば、NFTサーバ20、または、NFTサーバ20と連携するメーカ端末60は、ブロックチェーン40において記録された入手権NFTのトランザクション履歴を参照することで、入手権NFTの流通ルートを確認できる。
【0036】
よって、メーカ端末60は、例えば、入手権NFTを使用(バーンまたは移転)した顧客の情報を知ることが可能となり、どのような移転トランザクションを経て最終的に誰が酒類製品を消費したのかをトレースすることができる。
【0037】
このように、現品に代えて当該現品の入手権を関連付けたNFTを流通させることで、現品の流通ルートにおいて例えば品質の劣化や偽物の流入を抑止することが可能である。人気のある酒類製品(例えば、ウイスキー)は不正転売によりメーカが企図しない高額転売の対象になりやすい。メーカとしては、不正転売が生じ得る制御困難な商流において、流通途中の酒類製品の品質劣化(例えば、ウイスキーの不正なボトル詰め替え等が含まれ得る)や偽物の流入によって、ブランド価値が毀損され得る。
【0038】
本開示のシステム10によれば、現品に代えて入手権NFTを流通させることで、NFTサーバ20によって制御または管理が可能な、現品を伴わない商流を形成できるので、酒類製品の品質劣化や不正転売を防止して、酒類製品のブランド価値を保護でき、ひいては、メーカおよび消費者を保護できる。
【0039】
また、メーカが製造した真正な酒類製品が正規の流通ルートで消費者に渡ったか否かを示す情報を、NFTサーバ20において確認でき、また、メーカ端末60に提供できる。したがって、例えば、適正な価格で正規の流通ルートを用いて酒類製品を購入した消費者に関する情報をメーカ端末60において可視化することが可能である。そのため、メーカは、例えば、提供された情報を、酒類製品の販売促進、広告、マーケティングといった戦略に役立てることができる。
【0040】
ここで、本実施形態のNFTサーバ20は、入手権NFTによる購入対象の酒類製品に関連する付帯的なデータ(以下「RWA関連データ」とすることがある)を関連付けた(または表象した)NFTを生成して、入手権NFTと共に、ブロックチェーン40に発行するようにも構成され得る。RWA関連データは、消費者にとって収集価値のあるコレクティブルデータを含んでよく、そのようなコレクティブルデータが関連付けられたNFTを便宜的に「コレクティブルNFT」と称することがある。
【0041】
コレクティブルNFTは、第2のNFTの一例であり、例えば、入手権NFTと共に同じウォレットアドレスにミントされ、ブロックチェーン40において上述した現品を伴わない商流を入手権NFTと共に流通し得る。コレクティブルNFTは、例示的に、最終的な消費者に渡るまでは入手権NFTとセットでブロックチェーン40を流通するようNFTサーバ20によって制御または管理されてよい。
【0042】
例えば、コレクティブルNFTは、例えばERC5700規格に記載されるような、他のNFTに紐付け可能なバインダブル(bindable)NFTとして入手権NFTにバインドされた状態でウォレットアドレス間を移転されてよい。なお、バインドは、NFTの所有者によっていつでも解除可能である。
【0043】
消費者は、入手権NFTおよびコレクティブルNFTのうち、入手権NFTを選択的にバーンまたは移転し、コレクティブルNFTはバーンまたは移転せずに保有し続けることが可能である。コレクティブルNFTが入手権NFTにバインドされている場合、消費者は、当該バインドを解除(アンバインド)して入手権NFTをバーンすることが可能である。
【0044】
RWA関連データには、例示的に、酒類製品の製造過程に関するデータ、酒類製品のエチケット(またはラベル)を示すデータ、酒類製品のメーカ(例えば、製造所および/または醸造所が含まれ得る)の歴史に関するデータ、酒類製品の歴史に関するデータ、酒類製品についてのコメント(例えば、醸造家によるテイスティングコメント)を示すデータ、その他の酒類製品に関連したデータが含まれ得る。これらのデータは、画像データであり得る。画像データは、静止画像データでもよいし動画像データでもよい。
【0045】
酒類製品の製造過程に関するデータには、例えば、ウイスキーの熟成期間および/または熟成の進み具合(熟成度)を示す情報(以下「熟成度情報」と略記することがある)が含まれ得る。熟成度情報には、例えば、ウイスキーが熟成樽(カスク)から汲み取られて完成品として製品化(例えば、ボトル詰め)された段階の情報に限らず、完成品として製品化される前の熟成途中の段階の情報が含まれ得る。
【0046】
ウイスキーの品質は、カスクでの熟成期間、および/または、ボトル詰めのためにカスクから汲み取られる量によって異なり得るため、ボトル詰めされる前(熟成途中)の段階の熟成度情報をNFT化することで、完成品の入手前に消費者に対してウイスキー製品の熟成度に関する情報を提示できる。
【0047】
そのため、消費者は、例えば、ウイスキーの熟成度に関して好みのタイミングで入手権NFTをバーンすることで、消費者の嗜好に合った熟成度の完成品を入手できる。換言すると、消費者は、熟成の途中段階の熟成度情報を基に、完成品としての酒類製品についての引渡請求権を行使するタイミングを選ぶことで、例えば、ウイスキーが完成品としてボトル詰めされる時期をメーカに対して指示できる。なお、熟成の途中段階の熟成度情報は、カスクでの熟成が所期の熟成度に到達する予定の時期を示す情報として表されてもよい。
【0048】
酒類製品ごとの熟成度情報が関連付けられたコレクティブルNFTを、酒類製品の入手権NFTと共に流通させることで、熟成の進み具合のような目には見えない価値を付帯的価値として可視化して消費者に提示できる。
【0049】
したがって、消費者は、現実世界におけるエチケット収集とは異なる新たな体験価値を享受できる。また、メーカの歴史やウイスキー製品についてのテイスティングコメント等をNFT化して入手権NFTと共に流通させることで、メーカが届けたいメッセージを消費者にダイレクトに伝えることが可能である。
【0050】
<NFTサーバ20の構成例>
以下、上述したようなNFTサービスを提供し得るNFTサーバ20の構成例について説明する。図2は、図1に例示したNFTサーバ(サービスPF)20の構成例を示すブロック図である。
【0051】
図2に示すように、NFTサーバ20は、例示的に、プロセッサ202、メモリ204、記憶装置206、入力装置208、出力装置210、および、通信装置212を備える。これらの構成要素は、例えば、バス214によって相互通信可能に接続される。
【0052】
なお、図2において、「装置」という用語は、回路、デバイス、ユニットといった他の用語に相互に読み替えられてもよい。NFTサーバ20の構成は、図2に例示した各装置を1つまたは複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0053】
NFTサーバ20における各機能は、例えば、プロセッサ202が、記憶装置206からプログラム(またはアプリケーション。以下において同様)268および/またはプログラム268の実行に伴って用いられるデータを、メモリ204を介して読み込んで実行することによって実現され得る。プロセッサ202は、演算能力を備えた演算装置の一例であり、例えば、中央処理装置(CPU)である。
【0054】
プログラム268は、例えば、プロセッサ202が読み込んで実行することによって、プロセッサ202をNFT発行部221、NFT管理部222、トランザクション管理部223、顧客データ管理部224、および、発送管理部225として機能または動作させる命令(例えば、プログラムコード)を含み得る。
【0055】
なお、プログラム268は、例えば、記憶装置206に予め記憶されていてもよいし、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、またはネットワーク120(換言すると、電気通信回線)を通じてNFTサーバ20において受信されてもよい。また、プログラム268は、NFTサーバ20のオペレーティングシステム(OS)の一部として組み込まれてもよい。
【0056】
メモリ204および記憶装置206は、何れもコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の一例である。メモリ204は、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)といった記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてよい。
【0057】
記憶装置206は、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)のような光ディスク、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、フラッシュメモリといった記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてよい。
【0058】
入力装置208は、外部機器からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサ、カメラ等)に相当し得る。出力装置210は、外部機器への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、プリンタ、スピーカ等)に相当し得る。なお、入力装置208および出力装置210は、例えば、タッチパネルのように一体化された構成であってもよい。
【0059】
通信装置212は、ネットワーク120を介して外部機器(例えば、通信相手としてのブロックチェーン40、端末60、80A、80Bまたは100)と通信するためのハードウェアデバイスの一例である。通信装置212は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、または、通信モジュール等と称されてもよい。
【0060】
記憶装置206は、上述したプログラム268の他に、例えば、顧客データ262、RWA関連データ264、および、NFT管理データ266を記憶する。顧客データ262の一例を図3に示し、RWA関連データ264の一例を図4に示し、NFT管理データ266の一例を図5に示す。
【0061】
<顧客データ262の例>
図3に示すように、顧客データ262は、非限定的な一例として、顧客を識別するための識別子(顧客ID#1~#N;Nは1以上の整数)ごとに、顧客種別(消費者、卸売業者、小売店舗など)を示す情報、顧客の年齢または年代を示す情報、顧客がブロックチェーン40において所有する(またはアクセス権を有する)ウォレットを識別するウォレット情報(例えば、ウォレットアドレス)、および、配送先情報(例えば、顧客の氏名または名称、および、顧客が酒類製品の配送先に予め指定した住所情報等)を関連付けたデータを含む。
【0062】
なお、本実施形態において、顧客データ262は、例えば、顧客とメーカとの間、または、顧客とNFTサーバ20の提供者(または管理者。例えば、銀行などの金融機関のシステム)との間において所定の本人確認手続を経たKYC(Know Your Customer)済みのデータであるものとする。また、顧客データ262において、ウォレット情報は、メーカがKYC済みのウォレットとして開設して顧客に提供したウォレット情報であってもよいし、顧客が独自に開設して顧客から提供を受けたウォレット情報であってもよい。
【0063】
さらに、顧客データ262において、例えば、顧客の年齢および/または住所情報のような個人情報は、例えば、KYC手続において個人情報の取得に同意した顧客についての個人情報に限定されてよい。個人情報の取得に同意しなかった顧客宛に酒類製品を配送する場合等においては、例えば、ゼロ知識証明(zero-knowledge proof,ZKP)技術を用いて配送先が配送業者に伝達されてよい。
【0064】
ZKP技術を利用する場合、顧客データ262は、暗号化された上で記憶装置206に記憶されてよい。顧客データ262の暗号化および復号化は、例えば、プロセッサ202(例えば、発送管理部225)において実施され得る。換言すれば、プロセッサ202または発送管理部225に、顧客データ262の暗号化を行う暗号化部、および、暗号化された顧客データ262を復号化する復号化部が備えられてよい。
【0065】
<RWA関連データ264の例>
図4に例示したRWA関連データ264は、非限定的な一例として、酒類製品の識別子(製品ID)ごとに、ロット番号、カスク番号、熟成度情報(例えば、熟成度を示す画像データ)、エチケット情報(例えば、酒類製品のラベル画像データ)、酒類製品に関するコメント(例えば、テイスティングコメント等)、および、メーカまたは商品の歴史情報を関連付けたデータを含む。熟成度情報および/またはコメントは、1つの酒類製品に対して1つでもよいし複数でもよい。なお、図4において、m、p、q、M、Kは、何れも1以上の整数である。
【0066】
「製品ID」は、酒類製品を一意に識別する情報であり、例えば、個々の酒類製品に割り当てられるシリアル番号であり得る。「ロット番号(LOT No.)」は、例えば、同時期に製造(例えば、ボトル詰め)された製品を識別する番号である。「カスク番号(Cask No.)」は、例えば、ウイスキーの醸造に使用された樽(カスク)を識別する番号である。
【0067】
ウイスキー製品においては、複数の異なる熟成樽において醸造および熟成されたウイスキーがブレンドされて1つの製品(例えば、ウイスキーボトル)が製造されることもある。例えば図4において、ロット番号#1のウイスキー製品は、カスク番号#1によって識別される1つの樽から汲み取られたウイスキーがボトル詰めされていることを示す。一方、ロット番号#2のウイスキー製品は、カスク番号#1および#2の2つの異なる樽から汲み取られたウイスキーがブレンドされてボトル詰めされていることを示す。
【0068】
なお、顧客データ262およびRWA関連データ264は、例えば、予めメーカ端末60からNFTサーバ20に提供され、NFTサーバ20とメーカ端末60との間において共有(換言すると、連携または同期)されているものとする。
【0069】
<NFT管理データ266の例>
図5に例示したNFT管理データ266は、非限定的な一例として、NFTサーバ20が発行したNFTごとに、NFTの種別(入手権またはコレクティブル)、NFTの現所有者を識別する所有者ID、および、NFTステータス(例えば、有効または無効)を関連付けたデータを含む。所有者IDは、例えば、NFTがミントされたウォレットの情報(例えば、ウォレットアドレス)によって表され得る。
【0070】
例えば図5において、NFT ID#1によって識別される入手権NFTは、NFT ID#2によって識別されるコレクティブルNFTと共に、ユーザ(顧客)のウォレットアドレス#1にミントされており、何れのNFTも「有効」である(換言すると、バーンされていない)。
【0071】
なお、図5のNFT ID#5およびNFT ID#nに例示したように、コレクティブルNFTを伴わない入手権NFTがNFTサーバ20によって発行されてもよい。
【0072】
NFTサーバ20は、以上の顧客データ262、RWA関連データ264、および、NFT管理データ266に基づいて、入手権NFTおよびコレクティブルNFTの発行、移転、または、バーンといったNFTに関するトランザクションをブロックチェーン40と協働して制御または管理する。
【0073】
例えば図2に参照を戻すと、NFT発行部221は、例えば、メーカ端末60からのNFT発行依頼の受信に応答して、顧客データ262およびRWA関連データ264に基づいて、酒類製品の入手権NFTおよびコレクティブルNFTを発行する。発行したNFTは、例えば、顧客データ262のウォレット情報に基づいて、NFT発行依頼において指定されている発行先ウォレットアドレスにミントされる。
【0074】
なお、NFT発行依頼において発行先ウォレットアドレスが指定されていない場合、NFT発行部221は、例えば、顧客データ262のウォレット情報に基づいて、NFT発行依頼元であるメーカ端末60のウォレットアドレスに、NFTセットをメーカが保有する酒類製品の在庫としてミントしてよい。
【0075】
図6に、NFTのデータ構造600の一例を示す。図6に例示したデータ構造600は、入手権NFTおよびコレクティブルNFTに共通であってよい。データ構造600は、例示的に、インデクスデータ602、メタデータ604、および、コンテンツデータ606を含む。
【0076】
インデクスデータ602は、例えば、NFT ID622、所有者ID624、メタデータ604へのリンクを示すURI(Uniform Resource Identifier)626を含み得る。NFT ID621は、NFTを一意に識別するための識別情報であり、所有者ID624は、NFTの現所有者のウォレットアドレス等を含み得る。ブロックチェーン40において、NFTの移転に応じて所有者ID624が更新されることによって、ブロックチェーン40においてNFTの所有権が移転する。
【0077】
メタデータ604には、例えば、NFTの名称642、NFTの説明(description)644、および、コンテンツデータ606の格納先(例えば、インターネットにおけるリソース)へのリンクを示すURL(Uniform Resource Locator)646が含まれ得る。
【0078】
URL646によってメタデータ604にリンクされるコンテンツデータ606には、例えば、入手権NFTの場合、酒類製品の入手権を証明する画像データが含まれ得、コレクティブルNFTの場合、既述のRWA関連データが含まれ得る。
【0079】
NFTがミントされたウォレットアドレスにアクセス権を有する端末60、80A、80Bまたは100は、例えば、URI626が示すメタデータおよびURL646が示すコンテンツデータ606を、ディスプレイに表示したりプリンタによって印刷することが可能である。
【0080】
なお、ブロックチェーン40には、例えば、NFTのインデクスデータ602が記録(オンチェーン)され、メタデータ604およびコンテンツデータ606は、ブロックチェーン40とは異なる記憶媒体、例えば、IPFS(InterPlanetary File System)のような分散型のストレージまたはネットワークにおいて記録(オフチェーン)され得る。
【0081】
図2に参照を戻すと、NFT管理部222は、例えば、NFT発行部221および/またはトランザクション管理部223と協働して、NFTの単位で、ブロックチェーン40におけるNFTに関するトランザクション(NFTの発行、移転またはバーン等)に応じて、NFT管理データ266(図5参照)を記録および更新する。
【0082】
トランザクション管理部223は、例えば、ブロックチェーン40におけるNFTに関するトランザクション(NFTの発行、バーンまたは移転等)を管理する。例えば、トランザクション管理部223は、メーカ端末60からのNFT発行依頼の受信に応じて、NFT発行部221にNFTを発行させる。NFTの発行に応じて、NFT管理部222は、NFT管理データ266を更新する。
【0083】
また、トランザクション管理部223は、例えば、クライアント端末80A、80Bまたは100からのNFTの移転依頼またはバーン依頼の受信に応答して、ブロックチェーン40における該当NFTの移転またはバーンを行う。
【0084】
NFTの移転に応じて、例えば、NFT管理部222が、移転依頼において指定されたNFT ID622によって識別されるNFTの所有者ID624(例えば、ウォレットアドレス)を移転先の新しい所有者ID624に更新する。また、NFT管理部222は、NFTのバーン依頼において指定されたNFT ID622によって識別されるNFTのステータスを無効に更新する。
【0085】
顧客データ管理部224は、例えば、図2および図3に例示したような顧客データ262(図3参照)を管理する。顧客データ262は、既述のとおり、メーカ端末60が保有する顧客データと連携または同期しており、顧客データ管理部224は、例えば、メーカ端末60からの顧客データの提供に応じて、顧客データ262を更新し得る。
【0086】
発送管理部225は、例えば、NFT管理部222および/またはトランザクション管理部223と協働して、入手権NFTがバーンされた場合に、バーンされた入手権NFTに関連付けられた酒類製品を、当該入手権NFTをバーンした顧客へ発送する処理を実施する。
【0087】
例えば、発送管理部225は、NFT管理データ266においてバーン(無効化)されたNFTの所有者ID624(例えば、ウォレットアドレス)を基に顧客データ262を参照することにより、入手権NFTをバーンした顧客IDを特定し得る。そして、発送管理部225は、顧客データ262において、特定した顧客IDに対応する配送先情報への酒類製品の発送処理を実施する。発送処理には、例えば、メーカ端末60に酒類製品の発送を指示すること、または、メーカが提携する配送業者の端末(図示省略)へ酒類製品の配送を依頼することが含まれ得る。
【0088】
また、発送処理には、例えば、入手権NFTをバーンした顧客の年齢または年代を確認することが含まれてもよい。顧客の年齢または年代の確認によって、酒類の購入が禁止されている年齢または年代の顧客へ酒類製品が発送されることを抑止することが可能である。
【0089】
発送指示には、例えば、顧客データ262において識別される配送先情報が含められてよい。顧客データ262において、配送先情報が登録されていない場合、例えば、個人情報の取得に同意しなかった顧客については、ZKP技術を用いて配送先情報が配送業者に伝達されてよい。
【0090】
なお、NFTサーバ20について上述した構成例において、「~部」という用語は、「~回路」、「~ブロック」、「~モジュール」、「~手段」といった他の用語に相互に置換可能である。また、NFTサーバ20について例示した構成要素または機能の一部または全部は、単一の構成要素または機能に統合されてもよいし、複数の構成要素または機能に分離されてもよい。
【0091】
また、上述したNFT発行部221、NFT管理部222、トランザクション管理部223、顧客データ管理部224、および、発送管理部225の機能の何れか1つまたは複数は、複数のNFTサーバ20に分散配置されて分散的に実行されてもよい。複数のNFTサーバ20は、例えば、仮想化技術によって仮想化されたクラウドサーバ群であってもよい。
【0092】
さらに、NFT発行部221、NFT管理部222、トランザクション管理部223、顧客データ管理部224、および、発送管理部225の何れか1つまたは複数は、例えば、ブロックチェーン40において(例えば、スマートコントラクトとして)実装されてもよい。換言すると、NFTサーバ20は、ブロックチェーン40を構成する複数のコンピュータ(ノード)のうちの何れか1つまたは複数に該当してもよい。
【0093】
また、メーカ端末60、卸売業者端末80A、小売店舗端末80B、および、消費者端末100としての各クライアント端末は、ハードウェア構成例として、NFTサーバ20と同様に、バスによって相互可能に接続された、プロセッサ、メモリ、記憶装置、入力装置、出力装置、および、通信装置を備えてよい。
【0094】
各クライアント端末60、80A、80Bおよび100は、機能的な構成例として、NFT管理部222およびトランザクション管理部223に相当する機能部を備えてよく、記憶装置に、プロセッサが読み込んで実行することにより当該機能部を具現するプログラムが記憶され得る。
【0095】
<動作例>
次に、上述のごとく構成されたシステム10の動作例について、図7図8および図9を参照して説明する。図7は、消費者が酒類製品(例えば、ウイスキー製品)を自家消費するケースについてのシステム10の全体的な動作の流れを示す図であり、図8は、消費者がウイスキー製品を別の消費者に贈答するケースについてのシステム10の全体的な動作の流れを示す図である。図9は、図7および図8に例示した動作の流れにおいてNFTサーバ20に着目した動作例を示すフローチャートである。
【0096】
<自家消費ケース>
図7において、メーカ端末60は、顧客データ262およびRWA関連データ264をNFTサーバ20に提供し、メーカ端末60とNFTサーバ20との間においてデータ連携を行う(S702)。
【0097】
その後、例えば、卸売業者端末80Aからウイスキー製品の購入依頼を受信した場合(S704)、当該ウイスキー製品についてのNFT発行依頼をNFTサーバ20へ送信する(S706)。
【0098】
NFT発行依頼には、例えば、入手権NFTに関連付けられるウイスキー製品の情報(例えば、製品ID、数量等)、コレクティブルNFTに関連付けるRWA関連データ(熟成度、メーカの歴史等)、ミント先ウォレットアドレス等がメーカ端末60によって指定され得る。ミント先ウォレットアドレスは、本例において、NFT発行依頼を送信した卸売業者端末80Aのウォレットアドレスである。
【0099】
NFTサーバ20では、図9に示すように、NFT発行依頼が受信されるかを確認している(S902;NO)。NFT発行依頼が受信された場合(S902;YES)、NFTサーバ20は、例えば、NFT発行部221において、NFT発行依頼において指定された情報、顧客データ262、および、RWA関連データ264に基づいて、入手権NFTおよびコレクティブルNFTを生成する。
【0100】
そして、NFT発行部221は、例えば、NFT発行依頼を送信した卸売業者端末80Aのウォレットアドレスに対し、入手権NFTおよびコレクティブルNFTをセットで発行(ミント)する(図7のS708および図9のS904)。NFTの発行に応じて、NFTサーバ20は、例えば、NFT管理部222によって、NFT管理データ266を更新する(図9のS906)。
【0101】
その後、図7に示すように、例えば、小売店舗端末80Bから卸売業者端末80Aに対してウイスキー製品の購入要求が送信された場合(S710)、卸売業者端末80Aは、ウイスキー製品の現品に代えて、入手権NFTおよびコレクティブルNFTのセットを小売店舗端末80Bに販売する(S712)。
【0102】
例えば、卸売業者端末80Aは、NFTサーバ20に対して、入手権NFTおよびコレクティブルNFTのそれぞれを小売店舗端末80Bに移転することを依頼する。この移転依頼には、例えば、移転対象のNFTのID622および移転先(本例では、小売店舗端末80B)のウォレットアドレスが指定される。
【0103】
NFTサーバ20(例えば、トランザクション管理部223)では、例えば図9に示すように、NFTの移転またはバーンに関する依頼がクライアント端末80A、80Bまたは100受信されるか否かを確認している(S908およびS912においてNO)。
【0104】
卸売業者端末80AからNFTの移転依頼がNFTサーバ20において受信された場合(S908;YES)、トランザクション管理部223は、例えば、ブロックチェーン40において、移転依頼に係る入手権NFTおよびコレクティブルNFTそれぞれの所有者ID624を、小売店舗端末80Bのウォレットアドレスに更新する。
【0105】
これにより、入手権NFTおよびコレクティブルNFTの所有者が卸売業者端末80Aから小売店舗端末80Bに移転する。入手権NFTおよびコレクティブルNFTの移転に応じて、例えば、NFT管理部222が、NFT管理データ266において、該当NFTの所有者IDを更新する(S910)。
【0106】
その後、図7に示すように、例えば、消費者端末100から小売店舗端末80Bに対してウイスキー製品の購入要求が送信された場合(S714)、小売店舗端末80Bは、卸売業者端末80Aと同様に、ウイスキー製品の現品に代えて、入手権NFTおよびコレクティブルNFTのセットを消費者端末100に販売する(S716)。
【0107】
例えば、小売店舗端末80Bは、NFTサーバ20に対して、入手権NFTおよびコレクティブルNFTのそれぞれを消費者端末100に移転することを依頼する。この移転依頼には、例えば、移転対象のNFTのID622および移転先(本例では消費者端末100)のウォレットアドレスが指定される。
【0108】
小売店舗端末80BからNFTの移転依頼がNFTサーバ20において受信された場合(図9のS908;YES)、例えば、トランザクション管理部223は、ブロックチェーン40において、移転依頼に係る入手権NFTおよびコレクティブルNFTそれぞれの所有者IDを、消費者端末100のウォレットアドレスに更新する。
【0109】
これにより、入手権NFTおよびコレクティブルNFTの所有者が小売店舗端末80Bから消費者端末100に移転する。入手権NFTおよびコレクティブルNFTの移転に応じて、例えば、NFT管理部222が、NFT管理データ266において、該当NFTの所有者IDを更新する(図9のS910)。
【0110】
以上の入手権NFTおよびコレクティブルNFTの移転トランザクションにおいて、購入代金の決済方法(換言すると、売買契約または譲渡契約の成立)は、特に限定されないが、例えば、購入代金に応じた仮想通貨のウォレットアドレス間の送金によって行われるものとしてよい。仮想通貨の送金処理は、例えば、ブロックチェーン40上のスマートコントラクトによって実現されてよい。
【0111】
その後、図7においてS718に示すように、消費者端末100は、入手権NFTおよびコレクティブルNFTのうち、入手権NFTのバーンをNFTサーバ20に対して任意のタイミングで依頼することによって、当該入手権NFTに関連付けられた、ウイスキー製品の引渡請求権を行使し得る。入手権NFTのバーン依頼には、例えば、バーン対象のNFTのID622が消費者端末100において指定される。
【0112】
NFTサーバ20では、例えば、トランザクション管理部223において、消費者端末100からの入手権NFTのバーン依頼が受信されるかを確認する(図9のS908においてNOおよびS912においてYES)。
【0113】
バーン依頼がNFTサーバ20において受信された場合、NFTサーバ20は、例えば、発送管理部225において、受信したバーン依頼において指定されたNFT ID622を基にNFT管理データ266を参照して所有者IDを特定する。
【0114】
そして、発送管理部225は、特定した所有者IDを基に図3に例示した顧客データ262を参照して顧客IDを特定し、特定した顧客IDによって識別される消費者端末100のユーザがウイスキー製品の購入者として適正であるかを確認する(図9のS914およびS916)。
【0115】
なお、当該ユーザについて個人情報の取得同意が得られていない場合には、例えばZKP技術等を用いて、年齢または年代の確認がNFTサーバ20と消費者端末100との間において実施されることとしてよい。
【0116】
この年齢または年代の確認の結果、消費者端末100のユーザが酒類の提供が許される年齢または年代のユーザである場合、発送管理部225は、消費者端末100のユーザがウイスキー製品の購入者として適正であると判断する(S916;YES)。
【0117】
購入者が適正であるとの判断に応じて、発送管理部225は、例えば、バーンされたNFTに関連付けられたウイスキー製品の現品を消費者端末100のユーザへ発送することを、メーカ端末60に指示する(図7のS720および図9のS918)。
【0118】
発送指示には、例えば、顧客データ262(図3参照)において識別された配送先情報が含められる。また、発送管理部225は、例えば、バーンされたNFTの無効化をトランザクション管理部223に指示する。
【0119】
発送管理部225からの指示に応じて、トランザクション管理部223は、例えば、ブロックチェーン40において、バーン依頼において指定されたNFT IDの入手権NFTをバーンして無効化する。この入手権NFTの無効化に応じて、例えば、NFT管理部222は、NFT管理データ266において、バーンされた入手権NFTのステータスを無効(burned)に更新する(図9のS920)。
【0120】
メーカ端末60は、NFTサーバ20から発送指示を受信した場合、受信した発送指示において指定された配送先情報が示す配送先へ、バーンされたウイスキー製品を発送する(図7のS722)。なお、ウイスキー製品の配送先への配送は、例えば、メーカの配送業務部門が実施してもよいし、メーカが提携する配送業者が実施してもよい。
【0121】
配送業者端末(図示省略)は、ウイスキー製品の配送が完了した場合、例えばNFTサーバ20に対して配送完了の旨を通知し得る。NFTサーバ20(例えば、発送管理部225)は、配送完了通知を受信した場合、例えば、メーカ端末60に対して配送完了通知を伝達し得る。
【0122】
なお、図9のS916において、消費者端末100のユーザが酒類の提供が許される年齢または年代のユーザではない場合(S916;NO)、発送管理部225は、例えば、ウイスキー製品の発送処理は行わずに、消費者端末100に対して酒類提供が許可されないことを通知するといったNG処理を実施する(図9のS922)。
【0123】
<贈答ケース>
贈答ケースでは、例えば図8に示すように、入手権NFTおよびコレクティブルNFTのセットを入手した第1の消費者端末100が、当該NFTのセットを別の(第2の)消費者端末100Aに例えば贈答目的で移転(譲渡)することをNFTサーバ20に依頼する(S802)。
【0124】
この移転依頼には、例えば、移転対象のNFTのID622および移転先(消費者端末100A)のウォレットアドレスが指定される。なお、第1の消費者端末100が入手権NFTおよびコレクティブルNFTを入手するまでの流れは、図7と同等でよい。
【0125】
NFTサーバ20は、第1の消費者端末100から第2の消費者端末100AへのNFT移転依頼を受信した場合(図9のS908;YES)、例えば、トランザクション管理部223が、移転依頼に係る入手権NFTおよびコレクティブルNFTそれぞれの所有者ID624を、消費者端末100Aのウォレットアドレスに更新する。
【0126】
これにより、入手権NFTおよびコレクティブルNFTの所有者が第1の消費者端末100から第2の消費者端末100Aに移転する(図8のS802)。入手権NFTおよびコレクティブルNFTの移転に応じて、例えば、NFT管理部222が、NFT管理データ266において、NFT IDによって識別される該当NFTの所有者IDを更新する(図9のS910)。
【0127】
その後、図8においてS804に示すように、第2の消費者端末100Aは、入手権NFTおよびコレクティブルNFTのうち、入手権NFTのバーンを任意のタイミングでNFTサーバ20に依頼することによって、当該入手権NFTに関連付けられた、ウイスキー製品の引渡請求権を行使し得る。入手権NFTのバーン依頼には、例えば、バーン対象のNFTのID622が第2の消費者端末100Aにおいて指定される。
【0128】
NFTサーバ20は、図9に示すように、例えば、トランザクション管理部223において、入手権NFTのバーン依頼が受信されたことを確認する(S908においてNO、かつ、S912においてYES)。以降、図7に例示した「自家消費ケース」の処理における「消費者端末100」を「消費者端末100A」に読み替えた処理が実施される。
【0129】
例えば、NFTサーバ20は、入手権NFTのバーン依頼が受信された場合(図9のS912;YES)、トランザクション管理部223において、自家消費ケースと同様に年齢確認等の処理を実施した上で、メーカ端末60に対して、バーンされた入手権NFTに関連付けられたウイスキー製品の現品を、第2の消費者端末100Aによって指定される配送先へ発送することを指示する(図7のS806および図9のS918)。
【0130】
その後は、「自家消費ケース」(図7)と同様に、発送指示において指定された配送先情報によって識別される配送先へ、バーンされたウイスキー製品の現品の発送が行われる(図8のS808)。
【0131】
なお、入手権NFTの転得者である第2の消費者端末100Aのユーザが、入手権NFTをバーンせずに、さらに別の(第3の)消費者端末へ贈答目的で移転(譲渡)するケースもあり得る。そのようなケースにおいても、入手権NFTの最終的な転得者が入手権NFTをバーンすることによって、上述した動作例と同様にして、最終的な転得者に対するウイスキー製品の配送を実施することが可能である。
【0132】
以上に説明したように、本実施形態のシステム10によれば、入手権NFTを用いて現品を伴わない形での商流を形成し、現品に代えてNFTを流通させることで、ウイスキー製品の品質劣化や不正転売を防止して、メーカおよび消費者を保護することが可能である。
【0133】
また、ウイスキー製品ごとの熟成度情報を関連付けたコレクティブルNFTを、当該ウイスキー製品の入手権NFTと共に流通させることで、熟成の進み具合のような目には見えない価値を付帯的価値として可視化して消費者に提示できる。
【0134】
したがって、消費者は、現実世界におけるエチケット収集とは異なる新たな体験価値を享受できる。また、ボトル詰めされる前の熟成途中の段階の熟成度情報をNFT化することで、完成品の入手前に消費者に対して熟成度に関する情報を提示できる。
【0135】
そのため、消費者は、例えば、熟成途中の段階の熟成度情報を基に、完成品としてのウイスキー製品についての引渡請求権の行使時期を制御できる。よって、消費者は、嗜好に合った熟成度の完成品を好みのタイミングで入手できる。
【0136】
また、メーカの歴史やウイスキー製品についてのコメント等をNFT化して入手権NFTと共に流通させることで、メーカが届けたいメッセージを消費者にダイレクトに伝えることが可能である。
【0137】
<補足事項>
図7図9により上述した動作例においては、卸売業者端末80Aがメーカ端末60に対するウイスキー製品の購入要求元端末であるが、メーカ端末60に対するウイスキー製品の購入要求元端末は、小売店舗端末80Bであってもよいし、消費者端末100であってもよい。
【0138】
換言すると、小売店舗端末80Bが、卸売業者端末80Aを介さずにメーカ端末60に対してウイスキー製品の購入要求を行うケースがあってもよいし、消費者端末100が、販売業者端末80を介さずにメーカ端末60にウイスキー製品の購入要求を行うケースがあってもよい。
【0139】
何れのケースにおいても、メーカ端末60は、例えば、NFTサーバ20に対するNFT発行依頼において、NFTの発行先ウォレットアドレスを製品購入要求元のウォレットアドレスに指定することで、NFTサーバ20から製品購入要求元端末のウォレットアドレスに入手権NFTおよびコレクティブルNFTがミントされる。
【0140】
また、1つまたは複数のセットの入手権NFTおよびコレクティブルNFTが、例えば、ウイスキー製品の仮想的な在庫としてメーカ端末60のウォレットアドレスにミントされるケースも想定され得る。
【0141】
そのようなケースにおいて、メーカ端末60は、ウイスキー製品の購入要求に対し、例えば図7および図8のS706において、購入要求元ウォレットアドレスへのNFT発行依頼に代えて、購入要求元ウォレットアドレスへのNFT移転依頼をNFTサーバ20に送信することとしてもよい。
【0142】
このようなメーカ端末60から購入要求元端末へのNFT移転トランザクションに伴うNFTの所有者IDの更新は、卸売業者端末80Aと小売店舗端末80Bとの間、または、小売店舗端末80Bと消費者端末100との間のNFT移転トランザクションに伴う更新と同様であってよい。
【0143】
上述した実施形態において、ブロックチェーン40は、複数存在していてもよい。例えば、NFTサーバ20(例えば、トランザクション管理部223)は、ILP(InterLedger Protocol)と称される、異なるブロックチェーン40間においてトークンを連携するプロトコルに基づいて、入手権NFTおよび/またはコレクティブルNFTのトランザクションを管理するように構成されてもよい。
【0144】
以上、例示的な実施形態を参照しながら本開示を説明したが、本開示の趣旨を逸脱することなく、構成および細部において変更する様々な実施形態が実現可能である。
【符号の説明】
【0145】
10 NFTサービスシステム
20 NFTサーバ
40 ブロックチェーンシステム
60 クライアント端末(メーカ端末)
80A クライアント端末(卸売業者端末)
80B クライアント端末(小売店舗端末)
100 クライアント端末(消費者端末)
120 ネットワーク(NW)
202 プロセッサ
204 メモリ
206 記憶装置
208 入力装置
210 出力装置
212 通信装置
214 バス
221 NFT発行部
222 NFT管理部
223 トランザクション管理部
224 顧客データ管理部
226 発送管理部
262 顧客データ
264 RWA関連データ
266 NFT管理データ
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【要約】
【課題】酒類製品の引渡請求権を関連付けた非代替性トークンと共に、その酒類製品に関連した付帯的なデータを関連付けた非代替性トークンを消費者に提供できる。
【解決手段】本開示の例示的な一態様に係るサーバ20は、非代替性トークン発行部221と、トランザクション管理部223と、発送管理部225とを備える。非代替性トークン発行部221は、酒類製品の引渡請求権を関連付けた第1の非代替性トークンと、酒類製品に関連した付帯的なデータを関連付けた第2の非代替性トークンとを、ブロックチェーンにおいて発行する。トランザクション管理部223は、第1の非代替性トークンおよび第2の非代替性トークンのブロックチェーンにおけるトランザクションを管理する。発送管理部225は、トランザクションにおいて第1の非代替性トークンの削除依頼があった場合に、削除依頼の依頼元端末が指定する配送先への酒類製品の発送を、酒類製品のメーカ端末に指示する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9