(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20241202BHJP
H02M 7/12 20060101ALI20241202BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
H02M7/12 Z
(21)【出願番号】P 2024517035
(86)(22)【出願日】2023-11-09
(86)【国際出願番号】 JP2023040386
【審査請求日】2024-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】株式会社TMEIC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 翼
【審査官】武内 大志
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-143272(JP,A)
【文献】特開2000-152662(JP,A)
【文献】特開2003-219661(JP,A)
【文献】特開2002-119069(JP,A)
【文献】登録実用新案第3173512(JP,U)
【文献】特開2016-139702(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0007721(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 7/00-7/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力変換装置であって、
電気的に並列に接続される複数のコンデンサと、
前記複数のコンデンサに電気的に接続される複数の半導体モジュールと、
前記複数の半導体モジュールが実装される第1面と、前記第1面と反対側の第2面とを有する基板とを備え、
前記複数の半導体モジュールは、前記基板の前記第1面上に、前記電力変換装置の鉛直方向に直交する第1の方向に沿って整列して配置され、
前記複数のコンデンサの各々は、筒部と、前記筒部の延在方向における第1端部に配置される第1および第2の電極端子とを有し、
前記複数のコンデンサは、少なくとも1つの第1のコンデンサと、少なくとも1つの第2のコンデンサとを含み、
前記少なくとも1つの第1のコンデンサは、前記基板の前記第2面側に、前記筒部の延在方向が前記鉛直方向および前記第1の方向に直交する第2の方向となるように配置され、
前記少なくとも1つの第2のコンデンサは、前記基板の前記第2面側に、前記筒部の延在方向が前記第2の方向となり、かつ、前記第1および第2の電極端子が、前記少なくとも1つの第1のコンデンサの前記第1および第2の電極端子と前記第2の方向における反対側に位置するように配置され、
前記第1の方向から見た平面視において、前記少なくとも1つの第1のコンデンサと前記少なくとも1つの第2のコンデンサとは、前記鉛直方向および前記第2の方向において、各々の前記筒部の一部分が重なり合うように配置される、電力変換装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの第1のコンデンサは、複数の第1のコンデンサを含み、
前記少なくとも1つの第2のコンデンサは、複数の第2のコンデンサを含み、
前記第2の方向から見た平面視において、前記複数の第1のコンデンサと前記複数の第2のコンデンサとは、前記第1の方向において千鳥状に配列され、
前記第1の方向から見た平面視において、前記第2の方向に隣り合う前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとは、前記鉛直方向および前記第2の方向において、各々の前記筒部の一部分が重なり合うように配置される、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記複数の半導体モジュールの各々は、第1の主電極端子および第2の主電極端子を有し、
第1導電板と、
絶縁板を介して前記第1導電板に積層される第2導電板とをさらに備え、
前記第1導電板は、
前記基板の前記第1面と対向し、前記複数の半導体モジュールの前記第1の主電極端子が接続される第1基部と、
前記第1基部の前記第2の方向における第1の端部から前記鉛直方向に折れ曲がり、前記少なくとも1つの第1のコンデンサの前記第1の電極端子が電気的に接続される第1折れ曲がり部と、
前記第1基部の前記第2の方向における第2の端部から前記鉛直方向に折れ曲がり、前記少なくとも1つの第2のコンデンサの前記第1の電極端子が電気的に接続される第2折れ曲がり部とを含み、
前記第2導電板は、
前記第1基部に重なり合い、前記複数の半導体モジュールの前記第2の主電極端子が接続される第2基部と、
前記第2基部の前記第2の方向における第1の端部から前記鉛直方向に折れ曲がり、前記少なくとも1つの第1のコンデンサの前記第2の電極端子が電気的に接続される第3折れ曲がり部と、
前記第2基部の前記第2の方向における第2の端部から前記鉛直方向に折れ曲がり、前記少なくとも1つの第2のコンデンサの前記第2の電極端子が電気的に接続される第4折れ曲がり部とを含む、請求項1または2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記第1基部には、前記第1の方向に沿って複数の貫通孔が形成され、
前記第2基部には、前記第1基部に形成される貫通孔に重なる複数の貫通孔が形成され、
前記第1基部に形成される貫通孔および前記第2基部に形成される貫通孔を貫通してボルトを挿通可能に設けられている、請求項3に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記第1折れ曲がり部には、前記第1の方向に沿って複数の貫通孔が形成され、
前記第3折れ曲がり部には、前記第1折れ曲がり部に形成される貫通孔に重なる複数の貫通孔が形成され、
前記第1折れ曲がり部に形成される貫通孔および前記第3折れ曲がり部に形成される貫通孔を貫通してボルトを挿通可能に設けられている、請求項3に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記第2折れ曲がり部には、前記第1の方向に沿って複数の貫通孔が形成され、
前記第4折れ曲がり部には、前記第2折れ曲がり部に形成される貫通孔に重なる複数の貫通孔が形成され、
前記第2折れ曲がり部に形成される貫通孔および前記第4折れ曲がり部に形成される貫通孔を貫通してボルトを挿通可能に設けられている、請求項3に記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記基板の前記第2面に対して前記鉛直方向に接続されるとともに、前記第1の方向に延在する第1固定板と、
前記基板の前記第2面に対して前記鉛直方向に接続されるとともに、前記第1固定板に平行に設けられる第2固定板とをさらに備え、
前記第1固定板は、前記少なくとも1つの第1のコンデンサの前記筒部の延在方向における第2の端部を固定し、
前記第2固定板は、前記少なくとも1つの第2のコンデンサの前記筒部の延在方向における第2の端部を固定し、
前記第1固定板には、前記少なくとも1つの第2のコンデンサの前記筒部を貫通させるための少なくとも1つの第1貫通孔が形成され、
前記第2固定板には、前記少なくとも1つの第1のコンデンサの前記筒部を貫通させるための少なくとも1つの第2貫通孔が形成される、請求項1または2に記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2016-139702号公報(特許文献1)には、電力変換装置におけるコンデンサの取付構造が開示されている。電力変換装置は、並列接続される複数のコンデンサと、コンデンサの電極が接続される第1導電板および第2導電板と、第1導電板または第2導電板に接続される半導体モジュールとを有する。第1導電板および第2導電板は、絶縁板を介して積層されて積層体を形成する。
【0003】
第1導電板および第2導電板は、半導体モジュールが接続される接続部を有する。複数のコンデンサは、積層体の一方の面と他方の面に交互に備えられる。積層体を隔てて第1導電板側と第2導電板側とに隣り合って備えられるコンデンサは、当該コンデンサが隣り合う方向に一対の電極がそれぞれ向かい合うように配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したコンデンサの取付構造によれば、第1導電板上に設けられたコンデンサと半導体モジュールとの距離と、第2導電板上に設けられたコンデンサと半導体モジュールとの距離との差を小さくすることができる。これにより各コンデンサの電流分担が偏ることを抑制することができる。
【0006】
しかしながら、第1導電板側のコンデンサと第2導電板側のコンデンサとが水平方向に沿って並んで配置されるため、電力変換装置の水平方向における長さが長くなり、電力変換装置の占有面積を増加させることが懸念される。
【0007】
それゆえに、本開示の主たる目的には、電力変換装置の占有面積を増加させることなく、複数のコンデンサ間におけるコンデンサと半導体モジュールとの距離のばらつきを小さくすることができる電力変換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に従う電力変換装置は、複数のコンデンサと、複数の半導体モジュールと、基板とを備える。複数のコンデンサは、電気的に並列に接続される。複数の半導体モジュールは、複数のコンデンサに電気的に接続される。基板は、複数の半導体モジュールが実装される第1面と、第1面と反対側の第2面とを有する。複数の半導体モジュールは、基板の第1面上に、電力変換装置の鉛直方向に直交する第1の方向に沿って整列して配置される。複数のコンデンサの各々は、筒部と、筒部の延在方向における第1端部に配置される第1および第2の電極端子とを有する。複数のコンデンサは、少なくとも1つの第1のコンデンサと、少なくとも1つの第2のコンデンサとを含む。少なくとも1つの第1のコンデンサは、基板の第2面側に、筒部の延在方向が鉛直方向および第1の方向に直交する第2の方向となるように配置される。少なくとも1つの第2のコンデンサは、基板の第2面側に、筒部の延在方向が第2の方向となり、かつ、第1および第2の電極端子が、少なくとも1つの第1のコンデンサの第1および第2の電極端子と第2の方向における反対側に位置するように配置される。第1の方向から見た平面視において、少なくとも1つの第1のコンデンサと少なくとも1つの第2のコンデンサとは、鉛直方向および第2の方向において、各々の筒部の一部分が重なり合うように配置される。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、電力変換装置の占有面積を増加させることなく、複数のコンデンサ間におけるコンデンサと半導体モジュールとの距離のばらつきを小さくすることができる電力変換装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態に従う電力変換装置の回路構成を示すブロック図である。
【
図2】電力変換装置およびコンデンサ回路の接続関係を模式的に示す図である。
【
図3】本実施の形態に従う電力変換装置の外観斜視図である。
【
図7】
図6中に示す矢印VII方向から見た電力変換装置の側面図である。
【
図8】
図6中に示す矢印VIII方向から見た電力変換装置の側面図である。
【
図9】比較例に従う電力変換装置の外観斜視図である。
【
図10】比較例に従う電力変換装置の外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では図中の同一または相当部分には同一の符号を付して、その説明は原則的に繰り返さないものとする。
【0012】
<電力変換装置の回路構成>
図1は、本開示の実施の形態に従う電力変換装置の回路構成を示すブロック図である。
図1には、電力変換装置100を用いたコンバータの構成例が示されている。コンバータは、図示しない交流電源からR相ラインRLを介してR相電圧VRを受ける。コンバータは、R相電圧VRを直流電圧に変換し、その直流電圧を直流母線PL1,NL1間に出力するように構成される。
【0013】
図1に示すように、電力変換装置100は、交流端子AC1,AC2、正極直流端子BP1,BP2、および負極直流端子BN1,BN2を備える。
【0014】
交流端子AC1,AC2は交流電力を受ける。コンバータの例では、交流端子AC2はR相ラインに接続され、交流電源からのR相電圧VRを受ける。図示は省略するが、インバータの例では、交流端子AC1はU相ラインに接続され、U相電圧VUを出力する。
【0015】
正極直流端子BP1,BP2は、直流正母線PL1に接続される。負極直流端子BN1,BN2は、直流負母線NL1に接続される。コンバータの例では、正極直流端子BP1は直流正母線PL1に接続され、負極直流端子BN1は直流負母線NL1に接続される。インバータの例では、正極直流端子BP2は直流正母線PL1に接続され、負極直流端子BN2は直流負母線NL1に接続される。
【0016】
電力変換装置100は、直流ライン10,12、交流ライン14、複数の半導体モジュールM1~M6、およびコンデンサ回路16を備える。
【0017】
直流ライン10は、正極直流端子BP1と正極直流端子BP2との間に接続される。直流ライン12は、負極直流端子BN1と負極直流端子BN2との間に接続される。交流ライン14は、交流端子AC1と交流端子AC2との間に接続される。
【0018】
複数の半導体モジュールM1~M6は、直流ライン10と直流ライン12との間に互いに並列に接続される。以下、半導体モジュールM1~M6を総称して半導体モジュールMという場合がある。なお、半導体モジュールMの個数は6個に限定されるものではなく、単数を含む任意の個数に変更可能である。
【0019】
半導体モジュールMは、半導体スイッチング素子Q1,Q2、ダイオードD1,D2、コレクタ端子C1、エミッタ端子E2、コレクタ-エミッタ端子C2E1、および制御端子G1,G2,E1,E2を有する。半導体スイッチング素子Q1,Q2の各々は、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。IGBTQ1のコレクタはコレクタ端子C1に接続され、そのエミッタはIGBTQ2のコレクタ、制御端子E1、およびコレクタ-エミッタ端子C2E1に接続される。IGBTQ1のゲートは制御端子G1に接続される。IGBTQ2のエミッタはエミッタ端子E2および制御端子E2に接続され、そのゲートは制御端子G2に接続される。ダイオードD1,D2は、IGBTQ1,Q2にそれぞれ逆並列に接続される。
【0020】
半導体モジュールMのコレクタ端子C1は直流ライン10に接続され、エミッタ端子E2は直流ライン12に接続される。半導体モジュールMのコレクタ-エミッタ端子C2E1は交流ライン14に接続される。コレクタ端子C1は「第1の主電極端子」の一実施例に対応し、エミッタ端子E2は「第2の主電極端子」の一実施例に対応する。
【0021】
コンデンサ回路16の正極は直流ライン10に接続され、その負極は直流ライン12に接続される。コンデンサ回路16は、後述するように、並列接続された複数のコンデンサ40を有する。
【0022】
図2は、電力変換装置100およびコンデンサ回路16の接続関係を模式的に示す図である。
図2に示すように、各半導体モジュールMの制御端子G1,G2,E1,E2は、制御装置5に接続される。各半導体モジュールMのコレクタ端子C1は直流ライン10に接続され、エミッタ端子E2は直流ライン12に接続され、コレクタ-エミッタ端子C2E1は交流ライン14に接続される。
【0023】
直流ライン10および直流ライン12の間には、コンデンサ回路16を構成する複数のコンデンサ40が並列に接続される。各コンデンサ40の正極端子は直流ライン10に接続され、負極端子は直流ライン12に接続される。コンデンサ40の個数は任意に変更可能である。
【0024】
正極直流端子BP1,BP2は直流ライン10から電力変換装置100の外部に引き出されている。負極直流端子BN1,BN2は直流ライン12から電力変換装置100の外部に引き出されている。交流端子AC1,AC2は交流ライン14から電力変換装置100の外部に引き出されている。
【0025】
<電力変換装置の実装構造>
次に、本実施の形態に従う電力変換装置の実装構造について説明する。最初に、本実施の形態の比較例となる電力変換装置の実装構造およびその問題点について説明する。
【0026】
(比較例)
図9および
図10は、比較例に従う電力変換装置の外観斜視図である。
図9に示すように、比較例に従う電力変換装置200は、直方体形状を有している。電力変換装置200は、積層体210に複数の半導体モジュールMおよび複数のコンデンサ40が接続されることにより構成される。
【0027】
積層体210は、矩形板状の形状を有する。積層体210は、複数の導電板に対して複数の絶縁板を交互に積層して構成される。具体的には、積層体210は、直流ライン10が形成された第1導電板と、直流ライン12が形成された第2導電板と、交流ライン14が形成された第3導電板と、4枚の絶縁板とを有する。これらは、鉛直方向下方から絶縁板、第2導電板、絶縁板、第1導電板、絶縁板、第3導電板、絶縁板の順で積層されている。
【0028】
積層体210の所定位置には、厚み方向に貫通する複数の貫通孔212が形成されている。複数の貫通孔212には接続用ボルトが挿入されている。この接続用ボルトにより、交流ライン14、直流ライン10および直流ライン12を所定位置で複数の半導体モジュールMおよび複数のコンデンサ40と電気的に接続することができる。
【0029】
図10は、
図9に示した電力変換装置200から積層体210を除いたものである。
図10に示すように、複数の半導体モジュールMおよび複数のコンデンサ40は、直方体形状の筐体215の内部に収容されている。
【0030】
複数のコンデンサ40は、
図1および
図2に示したコンデンサ回路16を構成する。複数のコンデンサ40は、筐体215の底面上に起立するように並べて配置される。例えば、複数のコンデンサ40は千鳥状に配列される。すなわち、複数のコンデンサ40は、基板230の長さ方向に2列に等間隔で配置されるとともに、対向する列間で互い違いに配置される。
【0031】
コンデンサ40は、円筒部44と、円筒部44の延在方向における第1端部に設けられた正極端子42Pおよび負極端子42Nとを有する。正極端子42Pおよび負極端子42Nは、「第1の電極端子」および「第2の電極端子」の一実施例にそれぞれ対応する。正極端子42Pおよび負極端子42Nを接続用ボルトにより積層体210に電気的に接続することにより、コンデンサ40は積層体210に実装される。
【0032】
基板230は、筐体215の上部に、筐体215の底面と平行に取り付けられている。基板230は、矩形平板状の形状を有する。複数の半導体モジュールMは、基板230の表面上に長さ方向に並べて配置されている。半導体モジュールMは、矩形形状に形成された樹脂と、樹脂の表面から互いに並行に突出するように配置されたコレクタ端子C1、エミッタ端子E2およびコレクタ-エミッタ端子C2E1とを有する。コレクタ端子E1、エミッタ端子E2およびコレクタ-エミッタ端子C2E1を接続ボルトにより積層体210に電気的に接続することにより、半導体モジュールMは積層体210に実装される。
【0033】
筐体215の上面から見たときに、複数の半導体モジュールMと複数のコンデンサ40とは水平方向に並べて配置される。また、複数の半導体モジュールMと複数のコンデンサ40とは、半導体モジュールMのコレクタ端子E1、エミッタ端子E2およびコレクタ-エミッタ端子C2E1の筐体215の鉛直方向における位置と、コンデンサ40の正極端子42Pおよび負極端子42Nの鉛直方向における位置とが等しくなるように配置される。これにより、複数の半導体モジュールMと複数のコンデンサ40とを積層体210を介して電気的に接続することができる。
【0034】
しかしながら、複数の半導体モジュールMと複数のコンデンサ40とが水平方向に並べて配置されるため、コンデンサ40の個数の増加に応じて電力変換装置200の占有面積が増えてしまうことが懸念される。
【0035】
また、複数のコンデンサ40は2列に配列されているため、複数のコンデンサ40間でコンデンサ40と半導体モジュールMとの距離にばらつきが生じてしまう。
図10中の矢印B1は、半導体モジュールMに近い方の列のコンデンサ40と半導体モジュールMとの距離を表している。
図10中の矢印B2は、半導体モジュールMに遠い方の列のコンデンサ40と半導体モジュールMとの距離を表している。矢印B2の長さは矢印B1の長さよりも短い。
【0036】
ここで、コンデンサ40と半導体モジュールMとの距離は、コンデンサ40と半導体モジュールMとの間に形成される電流経路のインダクタンスに比例する。そのため、コンデンサ40と半導体モジュールMとの距離が長くなるに従って、電流経路のインダクタンスが増加する。電流経路のインダクタンスの増加は、電力変換装置に生じる電力損失を増大させる要因となる。
【0037】
このように比較例に従う電力変換装置200では、コンデンサ回路16を構成するコンデンサ40の個数に応じて電力変換装置の占有面積が増えるという問題がある。また、複数のコンデンサ40間でコンデンサ40と半導体モジュールMとの距離がばらつくために、複数のコンデンサ40間で電流経路のインダクタンスにばらつきが生じるという問題がある。この複数のコンデンサ40間のインダクタンスのばらつきは、電力変換装置200の特性に悪影響を及ぼすことが懸念される。本実施の形態は、これらの問題点を解決し得る新規の実装構造を提供する。
【0038】
(本実施の形態に従う電力変換装置の実装構造)
図3は、本実施の形態に従う電力変換装置100の外観斜視図である。
図3に示す斜視図は、電力変換装置100を正面側から見た斜視図である。
【0039】
図3に示すように、電力変換装置100は、直方体形状を有している。以下の説明において、電力変換装置100を正面から見たときの左右方向をX方向とし、前後方向をY方向とし、鉛直方向をZ方向とする。X方向は「第2の方向」に対応し、Y方向は「第1の方向」に対応する。
【0040】
電力変換装置100は、積層体20に複数の半導体モジュールMおよび複数のコンデンサ40が接続されることにより構成される。電力変換装置100は、
図9および
図10に示した比較例に従う電力変換装置200とは、複数のコンデンサ40の配置、および積層体20の形状が異なる。
【0041】
図4は、
図3に示した電力変換装置100の分解斜視図である。
図4に示すように、電力変換装置100は、第1導電板22と、第2導電板24と、基板30と、複数の半導体モジュールM1~M6と、複数のコンデンサ40_1~40_7と、第1固定板50と、第2固定板52と、筐体15とを備える。第1導電板22、第2導電板24、基板30、複数の半導体モジュールM1~M6、複数のコンデンサ40_1~40_7、第1固定板50、および第2固定板52は、筐体15の内部に収容されている。
【0042】
基板30は、筐体15の上部に、筐体15の底面と平行に取り付けられる。基板30は、矩形平板状の形状を有する。基板30は、第1面30aと、第1面30aと反対側の第2面30bとを有する。第2面30bは筐体15の底面に対向する。
【0043】
複数の半導体モジュールM1~M6は、基板30の第1面30aに実装される。複数の半導体モジュールM1~M6は、基板30の第1面30a上にY方向に並べて配置される。
【0044】
複数のコンデンサ40_1~40_7は、コンデンサ回路16を構成する。複数のコンデンサ40_1~40_7は、基板30の第2面30b側に実装される。
【0045】
具体的には、複数のコンデンサ40_1~40_7は、第1のコンデンサ40_1,40_3,40_5,40_7と、第2のコンデンサ40_2,40_4,_6とに分類される。なお、コンデンサ回路16を構成するコンデンサ40の個数が偶数である場合には、第1のコンデンサの個数と第2のコンデンサの個数とを同数とすることが好ましい。コンデンサ回路16を構成するコンデンサ40の個数が奇数である場合には、第1のコンデンサの個数と第2のコンデンサの個数との差を1とすることが好ましい。
【0046】
第1のコンデンサ40_1,40_3,40_5,40_7は、第1固定板50に固定される。第1固定板50は、矩形平板形状を有しており、第1のコンデンサ40の円筒部44の延在方向における第2端部を固定するように構成される。
図4の例では、第1固定板50には、複数の受けジグ60が設けられている。受けジグ60は、円筒形状を有し、内部にコンデンサ40の円筒部44を配置可能である。受けジグ60内に第1のコンデンサ40を配置することによって、第1固定板50に対して第1のコンデンサ40を位置決めすることができる。これにより、第1のコンデンサ40_1,40_3,40_5,40_7は、第1固定板50上に起立するように1列に並んで配置される。
【0047】
第2のコンデンサ40_2,40_4,40_6は、第2固定板52に固定される。第2固定板52は、矩形平板形状を有しており、第2のコンデンサ40の円筒部44の延在方向における第2端部を固定する。第2固定板52には、第1固定板50と同様に、第2固定板52に対して第2のコンデンサ40を位置決めするための複数の受けジグ60が設けられている。これにより、第2のコンデンサ40_2,40_4,40_6は、第2固定板52上に起立するように1列に並んで配置される。
【0048】
第1固定板50および第2固定板52は、基板30の第2面30bに接続される。具体的には、第1固定板50は、基板30の第2面30bに直交し、かつ、Y方向に延在するように基板30の第2面30bに接続される。これにより、第1のコンデンサ40_1,40_3,40_5,40_7は、円筒部44がX方向に延在するとともに、Y方向に1列に並んで配置される。
【0049】
第2固定板52もまた、基板30の第2面30bに直交し、かつ、Y方向に延在するように基板30の第2面30bに接続される。すなわち、第2固定板52は、第1固定板50に平行に設けられる。これにより、第2のコンデンサ40_2,40_4,40_6は、円筒部44がX方向に延在するとともに、Y方向に1列に並んで配置される。
【0050】
さらに上記構成において、第1固定板50と第2固定板52とは、コンデンサ40を固定する面同士が対向するように配置される。したがって、第2のコンデンサ40_2,40_4,40_6の電極端子42P,42Nは、第1のコンデンサ40_1,40_3,40_5,40_7の電極端子42P,42NとX方向における反対側に位置する。
【0051】
第1固定板50には、第2のコンデンサ40_2,40_4,40_6の円筒部44をそれぞれ貫通させるための複数(例えば3個)の貫通孔500が形成されている。複数の貫通孔500は、Y方向に沿って並べて形成されている。貫通孔500は「第1貫通孔」の一実施例に対応する。
【0052】
第2固定板52には、第1のコンデンサ40_1,40_3,40_5,40_7の円筒部44をそれぞれ貫通させるための複数(例えば4個)の貫通孔520が形成されている。複数の貫通孔520は、Y方向に沿って並べて形成されている。貫通孔520は「第2貫通孔」の一実施例に対応する。
【0053】
第1導電板22は、直流ライン10を構成する。第2導電板24は、直流ライン12を構成する。第1導電板22と第2導電板24とは、図示しない絶縁板を介して積層される。なお、電力変換装置100は、交流ライン14を構成する第3導電板(図示せず)をさらに含み、これら3枚の導電板と4枚の絶縁板とが交互に積層されることにより積層体20が形成される。
【0054】
第1導電板22は、基部220と、折れ曲がり部222,224とを有する。基部220は、矩形平板状の形状を有する、基部220には、厚み方向に貫通する複数の貫通孔221が形成されている。複数の貫通孔221は、3個の貫通孔221を1組として、複数組(例えば6組)の貫通孔221がY方向に沿って並べて形成されている。
【0055】
折れ曲がり部222は、基部220のX方向の第1端部に設けられ、基部220に対して垂直に折れ曲がる。折れ曲がり部224は、基部220のX方向の第2端部に設けられ、基部220に対して垂直に折れ曲がる。折れ曲がり部222,224は、矩形平板の形状を有する。基部220は「第1基部」に対応し、折れ曲がり部222は「第1折れ曲がり部」に対応し、折れ曲がり部224は「第2折れ曲がり部」に対応する。
【0056】
折れ曲がり部222には、折れ曲がり部222を厚み方向に貫通する複数(例えば4個)の貫通孔223が形成されている。複数の貫通孔223はY方向に沿って並べて形成されている。折れ曲がり部224には、折れ曲がり部224を厚み方向に貫通する複数(例えば4個)の貫通孔225が形成されている。複数の貫通孔225はY方向に沿って並べて形成されている。
【0057】
第2導電板24は、基部240と、折れ曲がり部242,246とを有する。基部240は、第1導電板22の基部220と同一の形状を有する。基部240には、厚み方向に貫通する複数の貫通孔241が形成されている。複数の貫通孔241は、3個の貫通孔241を1組として、複数組(例えば6組)の貫通孔241がY方向に沿って並べて形成されている。
【0058】
第1導電板22と第2導電板24とを積層した状態で、第1導電板22の基部220に形成された貫通孔221と、第2導電板24の基部240に形成された貫通孔241とは互いに重なり、それぞれ同心に配置される。複数の貫通孔221,241には接続用ボルトが挿入される。この接続用ボルトにより、直流ライン10を複数の半導体モジュールM1~M6のコレクタ端子C1と電気的に接続することができる。また、直流ライン12を複数の半導体モジュールM1~M6のエミッタ端子E2と電気的に接続することができる。
【0059】
折れ曲がり部242は、基部240のX方向の第1端部に設けられ、基部240に対して垂直に折れ曲がる。折れ曲がり部246は、基部240のX方向の第2端部に設けられ、基部240に対して垂直に折れ曲がる。折れ曲がり部242,246は、矩形平板の形状を有する。基部240は「第2基部」に対応し、折れ曲がり部242は「第3折れ曲がり部」に対応し、折れ曲がり部246は「第4折れ曲がり部」に対応する。
【0060】
折れ曲がり部242には、折れ曲がり部242を厚み方向に貫通する複数の貫通孔243,244が形成されている。複数(例えば4個)の貫通孔243はY方向に沿って並べて形成されている。複数(例えば4個)の貫通孔244はY方向に沿って並べて形成されている。各貫通孔243と各貫通孔244とはZ方向に並べて形成されている。
【0061】
第1導電板22と第2導電板24とを積層した状態で、第1導電板22の折れ曲がり部222に形成された貫通孔223と、第2導電板24の折れ曲がり部242に形成された貫通孔243とは互いに重なり、それぞれ同心に配置される。複数の貫通孔223,243には接続用ボルトが挿入される。この接続用ボルトにより、直流ライン10を第1のコンデンサ40_1,40_3,40_5,40_7の正極端子42Pと電気的に接続することができる。複数の貫通孔244には接続用ボルトが挿入される。この接続用ボルトにより、直流ライン12を第1のコンデンサ40_1,40_3,40_5,40_7の負極端子42Nと電気的に接続することができる。
【0062】
折れ曲がり部246には、折れ曲がり部246を厚み方向に貫通する複数の貫通孔247,248が形成されている。複数(例えば3個)の貫通孔247はY方向に沿って並べて形成されている。複数(例えば3個)の貫通孔248はY方向に沿って並べて形成されている。各貫通孔247と各貫通孔248とはZ方向に並べて形成されている。
【0063】
第1導電板22と第2導電板24とを積層した状態で、第1導電板22の折れ曲がり部224に形成された貫通孔225と、第2導電板24の折れ曲がり部246に形成された貫通孔247とは互いに重なり、それぞれ同心に配置される。複数の貫通孔225,247には接続用ボルトが挿入される。この接続用ボルトにより、直流ライン10を第2のコンデンサ40_2,40_4,40_6の正極端子42Pと電気的に接続することができる。複数の貫通孔248には接続用ボルトが挿入される。この接続用ボルトにより、直流ライン12を第2のコンデンサ40_2,40_4,40_6の負極端子42Nと電気的に接続することができる。
【0064】
図5は、電力変換装置100の正面図である。
図6は、電力変換装置100の上面図である。
図7は、
図6中に示す矢印VII方向から見た電力変換装置100の側面図である。
図8は、
図6中に示す矢印VIII方向から見た電力変換装置100の側面図である。
図5では、筐体15の図示が省略されている。
図6では、筐体15および積層体20の図示が省略されている。
【0065】
図5に示すように、電力変換装置100は、第1のコンデンサ40_1,40_3,40_5,40_7を固定する第1固定板50および第2のコンデンサ40_2,40_4,40_6を固定する第2固定板52のZ方向上方に、複数の半導体モジュールMが実装された基板30、第1導電板22および第2導電板24を含む積層体20が積み上げられて構成される。
【0066】
第1固定板50と第2固定板52とはコンデンサ40を固定する面同士が対向するように配置される。
図7に示すように、第1のコンデンサ40_1,40_3,40_5,40_7は、Y方向に一列に並んで配置される。
図8に示すように、第2のコンデンサ40_2,40_4,40_6は、Y方向に一列に並んで配置される。
図5および
図6に示すように、第2のコンデンサ40_2,40_4,40_6の電極端子42P,42Nは、第1のコンデンサ40_1,40_3,_5,40_7の電極端子42P,42NとX方向における反対側に位置する。
【0067】
第1のコンデンサ40の正極端子42Pは、貫通孔223,243(
図4)に挿入された接続用ボルトにより、第1導電板22の折れ曲がり部222に接続される。第1のコンデンサ40の負極端子42Nは、貫通孔244(
図4)に挿入された接続用ボルトにより、第2導電板24の折れ曲がり部242に接続される。
【0068】
第2のコンデンサ40の正極端子42Pは、貫通孔225,247に挿入された接続用ボルトにより、第1導電板22の折れ曲がり部224に接続される。第2のコンデンサ40の負極端子42Nは、貫通孔248に挿入された接続用ボルトにより、第2導電板24の折れ曲がり部246に接続される。
【0069】
半導体モジュールMのコレクタ端子C1は、貫通孔221,241に挿入された接続用ボルトにより、第1導電板22の基部220に接続される。半導体モジュールMのエミッタ端子E2は、貫通孔241に挿入された接続用ボルトにより、第2導電板24の基部240に接続される。
【0070】
図5に示すように、Y方向から見た平面視において、第1のコンデンサ40と第2のコンデンサ40とは、X方向において各々の円筒部44の一部分が重なり合うように配置される。また、第1のコンデンサ40と第2のコンデンサ40とは、Z方向において各々の円筒部44の一部分が重なり合うように配置される。
【0071】
第1のコンデンサ40と第2のコンデンサ40とを円筒部44の第2端部同士が対向するようにX方向に沿って並べて配置した場合には、電力変換装置100のX方向における長さWは、コンデンサ40の円筒部44の長さの約2倍となる。これに対して、本実施の形態では、第1のコンデンサ40および第2のコンデンサ40をX方向において部分的に重なり合うように配置することにより、電力変換装置100のX方向の長さWを短くすることができる。
【0072】
一方で、第1のコンデンサ40と第2のコンデンサ40とをY方向に交互に一列に並べて配置した場合には、電力変換装置100のY方向の長さDがコンデンサ40の円筒部44の直径とコンデンサ40の個数との積に基づいた長さとなる。そのため、コンデンサ回路16を構成するコンデンサ40の個数によっては、電力変換装置100の占有面積の増加を招いてしまう。
【0073】
本実施の形態では、第1のコンデンサ40と第2のコンデンサ40とをZ方向において各々の円筒部44の一部が重なり合うように配置することにより、
図7および
図8に示すように、複数のコンデンサ40は、Y方向に沿って千鳥状に配列される。すなわち、複数のコンデンサ40は、Y方向に2列に等間隔で配置されるとともに、対向する列間で互い違いに配置される。これによると、Y方向に隣り合う第1のコンデンサ40の間隔、およびY方向に隣り合う第2のコンデンサ40の間隔を狭めることができる。したがって、電力変換装置100のX方向の長さWとともにY方向の長さDを短くして、電力変換装置100の占有面積を小さくすることができる。
【0074】
また、第1のコンデンサ40と第2のコンデンサ40とをZ方向において各々の円筒部44の一部が重なり合うように配置することにより、第1のコンデンサ40の電極端子42P,42NのZ方向の位置と、第2のコンデンサ40の電極端子42P,42NのZ方向の位置との差を小さくすることができる。
【0075】
図5中の矢印A1は、第1のコンデンサ40と半導体モジュールMとの距離を表している。
図5中の矢印A2は、第2のコンデンサ40と半導体モジュールMとの距離を表している。第1のコンデンサ40および第2のコンデンサ40のZ方向の位置、および半導体モジュールMのX方向の位置を適切に設定することによって、半導体モジュールMと第1のコンデンサ40との距離と、半導体モジュールMと第2のコンデンサ40との距離とのばらつきをなくすことができる。したがって、本実施の形態によれば、電力変換装置100の占有面積を増加させることなく、複数のコンデンサ40間で電流経路のインダクタンスにばらつきが生じるという問題を解消することができる。
【0076】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0077】
5 制御装置、10,12 直流ライン、14 交流ライン、15,215 筐体、16 コンデンサ回路、20,210 積層体、22 第1導電板、24 第2導電板、30,230 基板、40 コンデンサ、42P 正極端子、42N 負極端子、44 円筒部、50 第1固定板、52 第2固定板、60 受けジグ、100,200 電力変換装置、220,240 基部、222,224,242,246 折れ曲がり部、221,223,225,243,244,247,248,500,520 貫通孔、M,M1~M6 半導体モジュール、C1 コレクタ端子、E2 エミッタ端子、C2E1 コレクタ-エミッタ端子、G1,G2,E1,E2 制御端子、Q1,Q2 半導体スイッチング素子、D1,D2 ダイオード、AC1,AC2 交流端子、BP1,BP2 正極直流端子、BN1,BN2 負極直流端子。
【要約】
複数の半導体モジュール(M)は、基板(30)の第1面上に、電力変換装置の鉛直方向に直交する第1の方向に沿って整列して配置される。各コンデンサ(40)は、筒部(44)と、筒部(44)の延在方向における第1端部に配置される電極端子(42P,42N)とを有する。少なくとも1つの第1のコンデンサ(40_1)は、基板(30)の第2面側に、筒部(44)の延在方向が鉛直方向および第1の方向に直交する第2の方向となるように配置される。少なくとも1つの第2のコンデンサ(40_2)は、基板(30)の第2面側に、筒部(44)の延在方向が第2の方向となり、かつ、電極端子(42P,42N)が、少なくとも1つの第1のコンデンサ(40_1)の電極端子(42P,42N)と第2の方向における反対側に位置するように配置される。第1の方向から見た平面視において、少なくとも1つの第1のコンデンサ(40_1)と少なくとも1つの第2のコンデンサ(40_2)とは、鉛直方向および第2の方向において、各々の筒部(44)の一部分が重なり合うように配置される。