(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】インタラクティブ投影システム及び投影システムのインタラクティブ表示方法
(51)【国際特許分類】
G03B 21/14 20060101AFI20241203BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
G03B21/14 E
G03B21/00 D
(21)【出願番号】P 2021056412
(22)【出願日】2021-03-30
【審査請求日】2023-08-23
(31)【優先権主張番号】202010248382.5
(32)【優先日】2020-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】500093133
【氏名又は名称】中強光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】蔡 儀蒼
【審査官】西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-212717(JP,A)
【文献】特開2017-102290(JP,A)
【文献】特開2008-145809(JP,A)
【文献】米国特許第02158906(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0284587(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00-21/02
G03B 21/00-21/10
G03B 21/12-21/30
G03B 21/56-21/64
G03B 33/00-33/16
G06F 3/00-3/18
G09B 23/00-29/14
H04N 5/66-5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インタラクティブ投影システムであって、
前記インタラクティブ投影システムは生物形状筐体、第一投影装置、相互作用感知装置
、制御器
及び記憶装置を含み、
前記生物形状筐体が曲面投影領域を含み、前記曲面投影領域が透光性を有し、
前記第一投影装置が前記生物形状筐体の内部に設置され、かつ第一生理画像を前記曲面投影領域に投影し、
前記相互作用感知装置が前記生物形状筐体に設置され、かつ入力信号を取得し、
前記制御器が前記第一投影装置と前記相互作用感知装置に電気接続され、前記制御器が前記入力信号を識別し、かつユーザー命令を取得し、
前記制御器が前記ユーザー命令に基づいて、前記第一投影装置を制御して第二生理画像を前記曲面投影領域に投影し、
前記第一生理画像と前記第二生理画像は、前記曲面投影領域が前記生物形状筐体における位置に対応する生理特徴を表示
し、
前記記憶装置が前記第一生理画像と前記第二生理画像を記憶し、前記記憶装置が前記制御器にカップリングされ、
前記第一生理画像と前記第二生理画像が異なる前記生物形状筐体の外観画像であり、または、前記第一生理画像が前記生物形状筐体の外観画像を表示し、前記第二生理画像が前記生物形状筐体の内部生理特徴を表示し、または、前記第一生理画像と前記第二生理画像がそれぞれ前記生物形状筐体の異なる深さに対応する内部生理特徴を表示し、または、前記第一生理画像と前記第二生理画像が前記生物形状筐体の同一器官を表示するがその表示内容が異なることを特徴とする、インタラクティブ投影システム。
【請求項2】
前記生物形状筐体の外形が人体形状、器官形状または動物形状であることを特徴とする、請求項1に記載のインタラクティブ投影システム。
【請求項3】
前記相互作用感知装置がタッチパネルであり、前記生物形状筐体の前記曲面投影領域の外側に配置され、かつ前記生物形状筐体の輪郭と共形であり、
前記相互作用感知装置がユーザーのタッチ操作を感知し、かつ前記入力信号を生成し、
前記制御器が前記入力信号を識別して前記ユーザー命令を取得することを特徴とする、請求項1に記載のインタラクティブ投影システム。
【請求項4】
前記相互作用感知装置が画像取込み装置であり、前記相互作用感知装置がユーザーの手振りを感知し、かつ前記入力信号を生成し、
前記制御器が前記入力信号を識別して前記ユーザー命令を取得することを特徴とする、請求項1に記載のインタラクティブ投影システム。
【請求項5】
前記相互作用感知装置がマイクロフォンであり、前記相互作用感知装置がユーザーの音声を受けて、かつ前記入力信号を生成し、
前記制御器が前記入力信号を識別して前記ユーザー命令を取得することを特徴とする、請求項1に記載のインタラクティブ投影システム。
【請求項6】
前記制御器が前記ユーザー命令に基づいて、前記第一生理画像を拡大または縮小させて前記第二生理画像を生成することを特徴とする、請求項1に記載のインタラクティブ投影システム。
【請求項7】
インタラクティブ投影システムであって、
前記インタラクティブ投影システムは生物形状筐体、第一投影装置、第二投影装置、相互作用感知装置及び制御器を含み、
前記生物形状筐体が曲面投影領域を含み、前記曲面投影領域が透光性を有し、
前記第一投影装置が前記生物形状筐体の内部に設置され、かつ第一生理画像を前記曲面投影領域に投影し、
前記第二投影装置が前記生物形状筐体の内部に設置され、前記生物形状筐体が投影開口を含み、
前記相互作用感知装置が前記生物形状筐体に設置され、かつ入力信号を取得し、
前記制御器が前記第一投影装置と前記相互作用感知装置に電気接続され、前記制御器が前記入力信号を識別し、かつユーザー命令を取得して、さらに、前記制御器が前記ユーザー命令に基づいて、前記第一投影装置を制御して第二生理画像を前記曲面投影領域に投影し、
前記制御器が前記ユーザー命令に基づいて、前記第二投影装置を制御して第三生理画像を投影し、
前記第三生理画像が前記投影開口によって前記生物形状筐体の外面の表示面上に投影され
、
前記第一生理画像と前記第二生理画像は、前記曲面投影領域が前記生物形状筐体における位置に対応する生理特徴を表示することを特徴とす
るインタラクティブ投影システム。
【請求項8】
前記制御器が前記相互作用感知装置によってユーザーの目標生理構造を判断し、かつ、前記第一生理画像または前記第二生理画像中に前記目標生理構造を標記することを特徴とする、請求項1に記載のインタラクティブ投影システム。
【請求項9】
投影システムのインタラクティブ表示方法であって、
前記投影システムが生物形状筐体を含み、前記生物形状筐体が透光性を有する曲面投影領域を含み、
前記インタラクティブ表示方法は、
前記生物形状筐体の内部に設置され第一投影装置によって、第一生理画像を前記曲面投影領域に投影するステップと、
相互作用感知装置によって入力信号を取得するステップと、
制御器によって前記入力信号を識別し、かつユーザー命令を取得するステップと、
前記制御器が前記ユーザー命令に基づいて、前記第一投影装置を制御して第二生理画像を前記曲面投影領域に投影するステップとを含み、
前記第一生理画像と前記第二生理画像は前記曲面投影領域が前記生物形状筐体における位置に対応する生理特徴を表示
し、
前記第一生理画像と前記第二生理画像が異なる前記生物形状筐体の外観画像であり、または、前記第一生理画像が前記生物形状筐体の外観画像を表示し、前記第二生理画像が前記生物形状筐体の内部生理特徴を表示し、または、前記第一生理画像と前記第二生理画像がそれぞれ前記生物形状筐体の異なる深さに対応する内部生理特徴を表示し、または、前記第一生理画像と前記第二生理画像が前記生物形状筐体の同一器官を表示するがその表示内容が異なることを特徴とする、インタラクティブ表示方法。
【請求項10】
前記生物形状筐体の外形が人体形状、器官形状または動物形状であることを特徴とする、請求項9に記載のインタラクティブ表示方法。
【請求項11】
前記制御器が前記ユーザー命令に基づいて、前記第一投影装置を制御して前記第二生理画像を前記曲面投影領域に投影するステップは、
前記ユーザー命令に基づいて、前記第一生理画像を拡大または縮小させて前記第二生理画像を生成するステップを含むことを特徴とする、請求項9に記載のインタラクティブ表示方法。
【請求項12】
投影システムのインタラクティブ表示方法であって、
前記投影システムが生物形状筐体を含み、前記生物形状筐体が透光性を有する曲面投影領域を含み、
前記インタラクティブ表示方法は、
前記生物形状筐体の内部に設置され第一投影装置によって、第一生理画像を前記曲面投影領域に投影するステップと、
相互作用感知装置によって入力信号を取得するステップと、
制御器によって前記入力信号を識別し、かつユーザー命令を取得するステップと、
前記制御器が前記ユーザー命令に基づいて、前記第一投影装置を制御して第二生理画像を前記曲面投影領域に投影し、かつ、前記制御器が前記ユーザー命令に基づいて、前記生物形状筐体の内部に設置され第二投影装置を制御して第三生理画像を投影するステップとを含み、
前記第一生理画像と前記第二生理画像は前記曲面投影領域が前記生物形状筐体における位置に対応する生理特徴を表示し、
前記第三生理画像は前記生物形状筐体に設置された投影開口によって前記生物形状筐体の外面の表示面上に投影されることを特徴とす
るインタラクティブ表示方法。
【請求項13】
前記インタラクティブ表示方法はさらに、
前記相互作用感知装置によりユーザーの目標生理構造を判断し、かつ前記第一生理画像または前記第二生理画像中に前記目標生理構造を標記するステップを含むことを特徴とする、請求項9に記載のインタラクティブ表示方法。
【請求項14】
前記相互作用感知装置が前記入力信号を取得するステップは、
前記相互作用感知装置によりユーザーのタッチ操作、手振りまたは音声を感知し、かつ前記入力信号を生成するステップを含むことを特徴とする、請求項9に記載のインタラクティブ表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は投影表示技術に関し、特にインタラクティブ投影システム及び投影システムのインタラクティブ表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、講師が受講生に人体器官などの生理情報を説明する場合、通常は解説用教具としてプラスチック生物模型を用いる。しかし、プラスチック生物模型の表面のカラーペイントは固定されたパターンであり、かつ動態効果を示すことができない。一部の生物模型は取り外しが可能な表面層を有し、または部品を重ねて生理解剖構造を示すが、人工的に取り外す必要があり、かつ全体的に提供する拡充内容に限界がある。また、講師が動態表示効果を提供して生徒により直観的に生理知識を理解してもらいたい場合、平面ディスプレイを用いて平面画像を表示するしかないことがよくある。立体感と臨場感が大いに欠けるものである。
【0003】
そのため、業界では授業過程で講師のニーズに応じて展示内容をリアルタイムに変更できる立体生物模型の提供が望まれ、かつ、この生物模型が動態/静態の表示機能も提供でき、または、人の顔の表情変化によってユーザーと面白い相互作用を生み出せる立体生物模型の提供が望まれている。
【0004】
「背景技術」部分は本発明内容に対する理解を促すためのものであり、「背景技術」に開示された内容には当業者が既知の従来技術以外の一部構成が含まれている可能性がある。「背景技術」に開示された内容は、当該内容または本発明の一つ若しくは複数の実施例が解決しようとする課題が本発明の出願前に既に当業者に把握または認識されていたことを意味するものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、生物形状模型がユーザーの操作に従って展示外観を変更可能で、さらに動態画像を提供できるインタラクティブ投影システム及び投影システムのインタラクティブ表示方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のその他の目的と利点について、本発明が開示する技術特徴からさらに理解を深めることができる。
【0007】
前記一つ、一部若しくはすべての目的、またはその他の目的を実現するために、本発明の一実施例はインタラクティブ投影システムを提供する。インタラクティブ投影システムは生物形状筐体、第一投影装置、相互作用感知装置及び制御器を含む。生物形状筐体は曲面投影領域を含み、この曲面投影領域が透光性を有する。第一投影装置が生物形状筐体の内部に設置され、かつ第一生理画像を曲面投影領域に投影する。相互作用感知装置が生物形状筐体上に設置され、入力信号を取得する。制御器は第一投影装置と相互作用感知装置に電気接続される。制御器はこの入力信号を識別し、かつユーザー命令を取得する。制御器はこのユーザー命令に従って第一投影装置を制御し、第二生理画像を曲面投影領域に投影する。第一生理画像と第二生理画像は曲面投影領域が生物形状筐体における位置に対応する生理特徴を表示する。
【0008】
前記一つ、一部若しくはすべての目的、またはその他の目的を実現するために、本発明の一実施例は投影システムのインタラクティブ表示方法を提供し、この投影システムが生物形状筐体を含む。生物形状筐体は透光性を有する曲面投影領域を含む。前記インタラクティブ表示方法は以下のステップを含む。生物形状筐体の内部に設置され第一投影装置によって、第一生理画像を曲面投影領域に投影する。相互作用感知装置によって入力信号を取得する。制御器により入力信号を識別し、かつユーザー命令を取得する。制御器がユーザー命令に従って第一投影装置を制御し、第二生理画像を曲面投影領域に投影する。第一生理画像と第二生理画像は曲面投影領域が生物形状筐体における位置に対応する生理特徴を表示する。
【0009】
以上により、本発明の実施例は少なくとも以下の一つの利点または効果を有する。本発明のインタラクティブ投影システム及び投影システムのインタラクティブ表示方法は、相互作用感知装置によってユーザー命令を取得し、かつ、ユーザー命令に基づいて生物形状筐体の曲面投影領域に投影される画像を変える。これにより、優れた相互作用効果を提供し、生物形状筐体の外観をユーザーのニーズに合わせて変える。
【0010】
本発明の前記特徴と利点をより明確、分かりやすく示すために、以下は実施例を挙げて、かつ図面を参照しながら詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施例に基づくインタラクティブ投影システムのブロック図。
【
図2】
図1のインタラクティブ投影システム100の部品配置の概略図。
【
図3A】本発明の一実施例に基づく第一生理画像の概略図。
【
図3B】本発明の一実施例に基づく第二生理画像の概略図。
【
図3C】本発明の別の実施例に基づく第二生理画像の概略図。
【
図4】本発明の別の実施例に基づくインタラクティブ投影システムの概略図。
【
図5】本発明の一実施例の投影システムのインタラクティブ表示方法を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の前記及びその他の技術内容、特徴と効果は、以下の図面を参照した好ましい実施例の詳細説明において、より明確に示されている。以下の実施例に言及される方向用語、例えば、上、下、左、右、前または後などは図面を参照する方向のみである。従って、使用される方向用語は説明を目的とし、本発明を制限するものではない。
【0013】
図1は本発明の一実施例に基づくインタラクティブ投影システムのブロック図である。
図1を参照すると、インタラクティブ投影システム100は生物形状筐体S、第一投影装置110、相互作用感知装置120、制御器130と記憶装置140を含む。
図2は
図1のインタラクティブ投影システム100の部品配置の概略図である。簡潔の見地から、
図2において制御器130と記憶装置140が示されていない。
図1と
図2を同時に参照すると、生物形状筐体Sの内部の部品を明確に示すために、生物形状筐体Sを破線で示している。本実施例において、生物形状筐体Sの形状が人体形状であり、頭部と身体を含むが、別の実施例において、生物形状筐体Sの外形が部分的な人体形状、器官形状または動物形状であってもよい。本発明は生物形状筐体Sの外形を制限しない。
【0014】
補足説明すると、
図1において、制御器130と記憶装置140が生物形状筐体Sの内部に配置されているが、これは必須ではない。別の実施例において、制御器130と記憶装置140が生物形状筐体Sの底部基台または生物形状筐体Sの外部に配置され、有線または無線方式で第一投影装置110と相互作用感知装置120に接続されてもよい。本発明は第一投影装置110と曲面投影領域PAの数を制限しない。
図2はインタラクティブ投影システム100が2つの第一投影装置110(111、112)を含む例であり、それぞれ曲面投影領域PA1と曲面投影領域PA2に投影を行う。
【0015】
生物形状筐体Sは少なくとも一つの曲面投影領域PAを含む。曲面投影領域PAは透光性を有し、生物形状筐体Sの曲面投影領域PA以外の領域が非透光である。第一投影装置110が生物形状筐体Sの内部に設置され、かつ第一生理画像を曲面投影領域PAに投影する。第一投影装置110は例えば背面投影式の投影装置であり、曲面投影領域PAが例えば立体曲面変化を有する背面投影光学フィルムまたは光学板である。
【0016】
相互作用感知装置120が生物形状筐体Sに設置され、入力信号を取得する。本実施例において、相互作用感知装置120がタッチパネルであり、生物形状筐体Sの曲面投影領域PAの外側に配置され、かつ、生物形状筐体Sの輪郭と共形をなす。相互作用感知装置120はユーザーのタッチ操作を感知し、かつ当該入力信号を生成する。
【0017】
制御器130は第一投影装置110、相互作用感知装置120と記憶装置140に電気接続される。制御器130は相互作用感知装置120からの入力信号を受けて、入力信号を識別することができ、かつユーザー命令を取得する。続いて、制御器130はユーザー命令に基づき、第一投影装置110を制御して第二生理画像を曲面投影領域PAに投影する。第一生理画像と第二生理画像は曲面投影領域PAが生物形状筐体Sにおける位置に対応する生理特徴を表示する。
【0018】
具体的に言うと、制御器130は、例えば、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)であり、またはその他のプログラム可能な汎用または専用のマイクロプロセッサ(Microprocessor)、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、プログラマブル制御器、専用集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、またはその他の種類の素子若しくは前記素子の組み合わせであるが、本発明はこれらに限定されない。記憶装置140は、例えば、移動可能なランダムアクセスメモリー(Random Access Memory、RAM)、リードオンリーメモリー(Read-Only Memory、ROM)、フラッシュメモリー(flash memory)、または類似する素子若しくは前記素子の組み合わせである。記憶装置140は第一生理画像と第二生理画像、及び、インタラクティブ投影システム100で実行するその他のデータまたはプログラムを記憶する。第一生理画像と第二生理画像が静態画像または動態画像であってもよい。別の実施例において、インタラクティブ投影システム100は、例えば、高精細マルチメディアインターフェース(HDMI(登録商標))、ビデオグラフィックスアレイ(VGA)インターフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB)などのインターフェースまたは無線接続方式によって、生物形状筐体Sの外部から第一生理画像及び第二生理画像の画像データを受信してもよい。
【0019】
より具体的に、生物形状筐体Sのみぞおちに位置する曲面投影領域PA1について言うと、曲面投影領域PA1は人体胸部の起伏曲線を有する。曲面投影領域PA1の外側に貼り付けられた相互作用感知装置120も同じように人体胸部の曲線を有する。生物形状筐体Sの面部に位置する曲面投影領域PA2について言うと、曲面投影領域PA2は顔立ちの立体起伏を有する。曲面投影領域PA2の外側に貼り付けられた相互作用感知装置120の形状も面部顔立ちの輪郭を有する。
【0020】
図3Aは本発明の一実施例に基づく第一生理画像の概略図であり、
図3Bは本発明の一実施例に基づく第二生理画像の概略図である。
図3Aと
図3Bの実施例において、第一生理画像が生物形状筐体Sの外観画像であり、第二生理画像が生物形状筐体Sの内部の生理特徴を表示する。内部生理特徴は、例えば、器官画像、肌肉群画像、血管画像または骨格画像などである。
【0021】
図1、
図2、
図3Aと
図3Bを参照すると、第一投影装置111が投影する第一生理画像は人体皮膚画像であり、第一投影装置112が投影する第一生理画像が面部画像である。ここで、生物形状筐体Sを見ると外観が完全なる人体模型(
図3Aが示すように)である。ユーザーがみぞおちの相互作用感知装置120をクリックした後、制御器130がタッチ操作に応じて、第一投影装置111を制御し、第二生理画像を投影する。この時、曲面投影領域PA1の表示内容が人体外観(
図3A)から器官透視画像(
図3Bが示す通り)に変わり、第二生理画像が器官画像である。また、制御器130が第一投影装置112を制御し、異なる画像を対応して投影してもよい。例えば、
図3Aにおいて、人体模型の目が開いているが、
図3Bにおいて、人体模型の目が閉じている。
【0022】
簡単に言えば、ユーザーはインタラクティブ投影システム100を操作して人体模型の展示外観を簡単に変えることができ、例えば、人体モデルから人体解剖模型に変える。これにより、従来なら人工的に付け外しを行って展示内容を変えること、または外観の異なる多数の実体模型を使用する紛らわしさを回避できる。
【0023】
別の実施例において、第一生理画像と第二生理画像が生物形状筐体Sの異なる外観画像である。制御器130は曲面投影領域PAの面部表情または外形を変えることができる。例を挙げると、第一生理画像と第二生理画像が異なる肌色、年齢、人種の外観画像、または正常な皮膚の画像及びアレルギー皮膚の画像であってもよい。別の実施例において、第一生理画像と第二生理画像がそれぞれ生物形状筐体Sの異なる深さに対応する内部生理特徴を表示する。例えば、第一生理画像が真皮層の画像であり、第二生理画像が皮下組織の画像である。タッチ操作により、インタラクティブ投影システム100が一層毎に人体の生理構造を開示することができる。別の実施例において、第一生理画像と第二生理画像が生物形状筐体Sの同じ器官を表示するが、その表示内容が異なる。例を挙げると、第一生理画像が正常な肺画像であり、第二生理画像が異なる病変程度の肺画像であり、または、第一生理画像が肺の外観を表示し、第二生理画像が肺の断面画像を表示する。別の実施例において、第一投影装置112が投射した第一生理画像と第二生理画像が人の顔の異なる面部表情を表示し、かつ、相互作用感知装置120によって、異なる面部表情を生成し、ユーザーと相互作用を行うことができる。本発明は第一生理画像と第二生理画像の表示内容について制限しない。
【0024】
一実施例において、制御器130はさらに、ユーザー命令に基づいて第一生理画像を拡大または縮小させて第二生理画像を生成してもよい。
図3Cは本発明の別の実施例に基づく第二生理画像の概略図である。
図1、
図2、
図3Bと
図3Cを参照すると、第一生理画像は
図3Bが示すように、正常な人体胴体の内臓画像である。ユーザーが曲面投影領域PA1のタッチパネル(相互作用感知装置120)において胃部をクリックした後、
図3Cが示すように、制御器130が第一投影装置111を制御し、拡大後の胃部画像を第二生理画像として投影する。
【0025】
本発明の相互作用感知装置120は触控装置を使用するほか、画像取込み装置またはマイクロフォンを含んでもよい。画像取込み装置またはマイクロフォンを生物形状筐体Sの任意の位置、例えば、頭部または喉の位置に配置してもよい。本発明は相互作用感知装置120のタイプ、種類及び配置位置について制限しない。
【0026】
一実施例において、相互作用感知装置120が画像取込み装置であり、例えば、電荷結合素子(Charge coupled device、CCD)、カメラ、TOFセンサー(Time-Of-Flight sensor、飛行時間センサー)または光学センサーである。相互作用感知装置120(例えば、カメラ)はユーザーの手振りを感知し、かつ入力信号を生成する。制御器130は入力信号を識別してユーザー命令を取得する。具体的に言うと、ユーザーが手を右へ振る、上へ振る、または、1若しくは2の数字の手振りをした時に、制御器130は相互作用感知装置120によってユーザーの手振り画像を取り込み(例えば、手振り変化の連続画像を取込む)、かつ、手振り画像に基づいて、ユーザーが第一投影装置110から第二生理画像に変えて投影することを望んでいることを判断する。
【0027】
一実施例において、相互作用感知装置120がマイクロフォンである。相互作用感知装置120はユーザーの音声を受けて、かつ入力信号を生成する。制御器130は入力信号を識別してユーザー命令を取得する。具体的に言うと、ユーザーが「拡大」と言った時に、相互作用感知装置120(マイクロフォン)はユーザーの音声を受けて、かつ入力信号を制御器130まで伝達し、制御器130が音声識別によってユーザー命令(拡大)を取得し、これに応じて表示画像を拡大し、例えば、
図3Bと
図3Cの実施例のようにする。
【0028】
一実施例において、制御器130はさらに、相互作用感知装置120によってユーザーの目標生理構造を判断し、かつ第一生理画像または第二生理画像中に目標生理構造を標記してもよい。例えば、制御器130がユーザー命令に基づいてユーザーの目標生理構造が心臓であると判断した時に、第一投影装置110は心臓の色変化、点滅する心臓画像、または心臓に特殊な記号を付けることによって、目標生理構造を強調し、現在の解説目標が心臓であることをその他の観衆に明示することができる。或いは、第一投影装置110が心臓の鼓動を含む投影に変えて、その他の器官を静態画像のままにする。別の実施例において、第一生理画像が生物の外観を表示し、ユーザーが胴体の肺部が所在する位置を選択した後、第二生理画像において、その他の部位が元の外観表示を維持するが、肺部の位置で肺部器官を透視するようにしてもよい。
【0029】
簡単に言えば、相互作用感知装置120はユーザーのタッチ操作、手振りまたは音声の何れか一つ、またはこれらの組み合わせを感知するによって入力信号を生成することができ、制御器130は入力信号に基づいてユーザー命令を判断し、例えば、ユーザーのタッチ位置、画像拡大または画像縮小、選択しようとする目標生理構造または切り替えようとする表示内容など。相互作用感知装置120及び第一投影装置110によって、ユーザーは授業または講演に合わせて表示内容をリアルタイムに変更し、動態または静態の病理分析若しくは生理特徴を示すことができる。本発明の第一生理画像と第二生理画像が立体的な生物形状筐体Sの表面に投影され、かつ表示内容が投影位置の生理構造を反映できるため、鑑賞者がより直観的に生物の生理構造を理解することができ、教学に有利である。また、ユーザーは優れた相互作用効果を得ることができる。
【0030】
図4は本発明の別の実施例に基づくインタラクティブ投影システムの概略図である。
図1、
図4を参照すると、インタラクティブ投影システム200がインタラクティブ投影システム100に類似するが、インタラクティブ投影システム200はさらに第二投影装置210を含む。インタラクティブ投影システム200は同じように前記実施例を実施することができる。第二投影装置210が生物形状筐体Sの内部に設置されている。制御器130はユーザー命令に基づいて第二投影装置210を制御し、第三生理画像を投影する。
【0031】
生物形状筐体Sはさらに投影開口Oを含み、投影開口が例えば生物形状筐体Sにおける孔であり、画像光束の大きさに対応するものである。第二投影装置210は例えば前面投影の投影機である。第三生理画像が投影開口Oによって生物形状筐体Sの外面の表示面P、例えば投影スクリーンまたは壁に投影される。
図4において、ユーザーがマイクロフォン(相互作用感知装置120)に対し「外投影」と言うと、制御器130が対応して第二投影装置210を制御し、第三生理画像を表示面Pに投影する。第三生理画像は、第一生理画像または第二生理画像の表示内容であっても、その他の補足データであってもよい。ユーザーは第二投影装置210が投影する第三生理画像で補足説明を行うか、またはより明確な画像内容を表示する。本発明は第三生理画像の表示内容を制限しない。
【0032】
特に説明すべきなのは、第一生理画像と第二生理画像は曲面に投影されるものであるが、第三生理画像は平面上に投影可能なものであるため、第一生理画像と第二生理画像は第三生理画像に比べて、事前に変形または屈曲処理を施す必要がある。
【0033】
図5は本発明の一実施例の投影システムのインタラクティブ表示方法を示すフローチャートである。インタラクティブ表示方法300は前記インタラクティブ投影システム100及びインタラクティブ投影システム200に適用することができる。以下、前記実施例の部品符号を組み合わせて、インタラクティブ表示方法300のステップを説明する。
【0034】
ステップS310において、生物形状筐体Sの内部に設置された第一投影装置110によって第一生理画像を曲面投影領域PAに投影する。ステップS320において、相互作用感知装置120によって入力信号を取得する。ステップS330において、制御器130によってステップS320で取得した入力信号を識別し、かつユーザー命令を取得する。最後に、ステップS340において、制御器130がユーザー命令に基づいて第一投影装置110を制御し、第二生理画像を曲面投影領域PAに投影し、第一生理画像と第二生理画像は曲面投影領域PAが生物形状筐体Sにおける位置に対応する生理特徴を表示する。
【0035】
インタラクティブ表示方法300の実施詳細について、
図1ないし
図4が示す実施例から十分な提案、教示または説明が得られるため、ここで省略する。
【0036】
以上を纏めると、本発明の実施例は少なくとも以下の一つの利点または効果を有する。本発明のインタラクティブ投影システム及び投影システムのインタラクティブ表示方法は、相互作用感知装置によってユーザーのタッチ操作、手振りまたは音声を感知して、生物形状筐体の曲面投影領域における表示内容を変えることで、ユーザーが手動変換を行う紛らわしさを回避し、動態展示効果を提供することもできる。また、曲面投影領域に投影された画像が当該位置の生理特徴に対応するため、鑑賞者がより直観的に生物の生理構造を理解できる。
【0037】
以上の内容は本発明の好ましい実施例のみであり、これを以って本発明の実施範囲を制限すべきではない。本発明の請求の範囲及び明細書の内容を基に行った簡単かつ等価な変更と修正はすべて本発明の範囲内に属する。また、本発明の任意の実施例または請求項は、必ずしも本発明のすべての目的または利点または特徴を達成するものとは限らない。また、要約書と発明の名称は特許検索に利用されるものであり、本発明の権利範囲を制限するものではない。また、明細書で言及される「第一」、「第二」等の用語は素子(element)の名称を示しものであり、素子の数の上限または下限を制限するものではない。
【符号の説明】
【0038】
100、200 インタラクティブ投影システム
110、111、112 第一投影装置
120 相互作用感知装置
130 制御器
140 記憶装置
210 第二投影装置
300 インタラクティブ表示方法
S 生物形状筐体
O 投影開口
PA、PA1、PA2 曲面投影領域
P 表示面
S310~S340 インタラクティブ表示方法のステップ