(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】印刷装置、および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20241203BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20241203BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241203BHJP
G03G 21/14 20060101ALI20241203BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241203BHJP
G06F 3/0483 20130101ALI20241203BHJP
【FI】
H04N1/00 350
B41J29/42 F
B41J29/38 201
G03G21/14
G03G21/00 376
G06F3/0483
(21)【出願番号】P 2020117494
(22)【出願日】2020-07-08
【審査請求日】2023-07-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】市川 修也
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-235486(JP,A)
【文献】特開2012-074939(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
B41J 29/42
G03G 21/00
G03G 21/14
G06F 3/048- 3/04895
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示インタフェースと、コンピュータと、メモリとを備える印刷装置であって、
前記コンピュータを、
印刷開始条件を入力する操作を受け付け、入力された印刷開始条件を示す設定情報を前記メモリに記憶させる設定手段と、
前記設定手段が記憶させた設定情報が前記メモリに記憶されている状態で、前記表示インタフェースに表示可能な複数ページ分の画像データを取得する取得手段と、
前記複数ページ分の画像データのうちの少なくとも1ページ分の画像データに基づく画像を、前記表示インタフェースに表示させる第1表示制御手段と、
前記第1表示制御手段による前記画像の表示態様が、前記メモリに記憶されている、前記設定手段が記憶させた設定情報が示す印刷開始条件を満足した場合に、前記取得手段が取得した画像データに基づく画像の印刷処理を実行する印刷処理実行手段と、
して機能させることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
表示インタフェースと、コンピュータとを備える印刷装置であって、
前記コンピュータを、
前記表示インタフェースに表示可能な複数ページ分の画像データを取得する取得手段と、
して機能させ、
さらに、
プレビュー表示条件が、印刷設定項目に対して予め定められており、
前記コンピュータを、
前記プレビュー表示条件が予め定められている印刷設定項目について、画像データに対して入力されているパラメータが予め定められたプレビュー表示条件を満足している場合に、前記複数ページ分の画像データのうちの少なくとも1ページ分の画像データに基づく画像を、前記表示インタフェースに表示させる第1表示制御手段と、
前記第1表示制御手段による前記画像の表示態様が、予め定められた印刷開始条件を満足した場合に、前記取得手段が取得した画像データに基づく画像の印刷処理を実行する印刷処理実行手段と、
して機能させることを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
前記プレビュー表示条件が、印刷設定項目の一つである印刷色に対して予め定められており、
前記第1表示制御手段は、
画像データに対して入力されている印刷色のパラメータがカラーを示す、という、予め定められたプレビュー表示条件を満足している場合に、前記複数ページ分の画像データのうちの少なくとも1ページ分の画像データに基づく画像を、前記表示インタフェースに表示させることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記プレビュー表示条件が、印刷設定項目の一つである印刷部数に対して予め定められており、
前記第1表示制御手段は、
画像データに対して入力されている印刷部数のパラメータが所定の数を超える部数を示す、という、予め定められたプレビュー表示条件を満足している場合に、前記複数ページ分の画像データのうちの少なくとも1ページ分の画像データに基づく画像を、前記表示インタフェースに表示させることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項5】
表示インタフェースと、コンピュータとを備える印刷装置であって、
前記コンピュータを、
前記表示インタフェースに表示可能な複数ページ分の画像データを取得する取得手段と、
して機能させ、
さらに、
プレビュー表示条件が、印刷枚数に対して予め定められており、
前記コンピュータを、
画像データの印刷枚数が予め定められたプレビュー表示条件を満足している場合に、前記複数ページ分の画像データのうちの少なくとも1ページ分の画像データに基づく画像を、前記表示インタフェースに表示させる第1表示制御手段と、
前記第1表示制御手段による前記画像の表示態様が、予め定められた印刷開始条件を満足した場合に、前記取得手段が取得した画像データに基づく画像の印刷処理を実行する印刷処理実行手段と、
して機能させることを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
表示インタフェースと、コンピュータとを備える印刷装置であって、
前記コンピュータを、
前記表示インタフェースに表示可能な複数ページ分の画像データを取得する取得手段と、
して機能させ、
さらに、
プレビュー表示条件が予め定められており、
前記コンピュータを、
予め定められたプレビュー表示条件を満足している場合に、前記複数ページ分の画像データのうちの少なくとも1ページ分の画像データに基づく画像と、満足したプレビュー条件とを含む画面を、前記表示インタフェースに表示させる第1表示制御手段と、
前記第1表示制御手段による前記画像の表示態様が、予め定められた印刷開始条件を満足した場合に、前記取得手段が取得した画像データに基づく画像の印刷処理を実行する印刷処理実行手段と、
して機能させることを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
表示インタフェースと、コンピュータとを備える印刷装置であって、
前記コンピュータを、
前記表示インタフェースに表示可能な複数ページ分の画像データを取得する取得手段と、
前記複数ページ分の画像データのうちの少なくとも1ページ分の画像データに基づく画像を、前記表示インタフェースに表示させる第1表示制御手段と、
して機能させ、
さらに前記コンピュータを、
第1条件が、印刷開始条件として予め定められている場合に、
1ページ目の画像データに基づく画像を前記表示インタフェースに表示させ、他のページの画像データに基づく画像を、まだ前記表示インタフェースに表示させていない状態で、印刷を指示する操作を受け付けた場合に、1ページ目の画像データに基づく画像の印刷処理を実行し、
第2条件が、印刷開始条件として予め定められている場合に、
全てのページ分の画像データに基づく画像を前記表示インタフェースに表示させた状態で、印刷を指示する操作を受け付けた場合に、全てのページ分の画像データに基づく画像の印刷処理を実行し、いずれかのページの画像データに基づく画像を、まだ前記表示インタフェースに表示させていない状態では、画像データに基づく画像の印刷処理を実行しない、
印刷処理実行手段と、
して機能させることを特徴とする印刷装置。
【請求項8】
前記印刷処理実行手段は、
第1条件が、印刷開始条件として予め定められている場合に、
1ページ目の画像データに基づく画像を表示インタフェースに表示させ、他のページの画像データに基づく画像を、まだ表示インタフェースに表示させていない状態で、印刷を指示する操作を受け付けた場合に、1ページ目の画像データに基づく画像、および、まだ表示インタフェースに画像を表示させていない画像データに基づく画像、の印刷処理を実行することを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記印刷処理実行手段は、
前記第1条件が、印刷開始条件として予め定められている場合に、
1ページ目の画像データに基づく画像を表示インタフェースに表示させ、他のページの画像データに基づく画像を、まだ表示インタフェースに表示させていない状態で、印刷を指示する操作を受け付けた場合に、1ページ目の画像データ、および、まだ前記表示インタフェースに画像を表示させていない画像データを含む、全てのページ分の画像データに基づく画像、の印刷処理を実行することを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。
【請求項10】
表示インタフェースと、コンピュータとを備える印刷装置であって、
前記コンピュータを、
前記表示インタフェースに表示可能な複数ページ分の画像データを取得する取得手段と、
して機能させ、
さらに、
プレビュー表示条件が予め定められており、
前記コンピュータを、
予め定められたプレビュー表示条件を満足している場合に、前記複数ページ分の画像データのうちの少なくとも1ページ分の画像データに基づく画像と、満足したプレビュー条件とを含む画面を、前記表示インタフェースに表示させる第1表示制御手段と、
前記第1表示制御手段によって前記表示インタフェースに画像が表示された状態で、画像データに対して入力されているパラメータを変更する操作を受け付けた場合に、画像データに対して入力されているパラメータを変更するパラメータ変更手段と、
前記第1表示制御手段による前記画像の表示態様が、予め定められた印刷開始条件を満足した場合に、前記取得手段が取得した画像データに基づく画像を、画像データに入力されているパラメータに基づいて印刷する印刷処理を実行する印刷処理実行手段と、
して機能させ、
前記パラメータ変更手段は、
予め定められたプレビュー表示条件に関連するパラメータを変更可能であり、予め定められたプレビュー表示条件に関連しないパラメータは変更しないことを特徴とする印刷装置。
【請求項11】
前記パラメータ変更手段は、
プレビュー表示条件が、印刷設定項目の一つである印刷色に対して予め定められている場合に、印刷色のパラメータを変更可能であることを特徴とする請求項10に記載の印刷装置。
【請求項12】
前記パラメータ変更手段は、
プレビュー表示条件が、印刷設定項目の一つである印刷部数に対して予め定められている場合に、印刷部数のパラメータを変更可能であることを特徴とする請求項10に記載の印刷装置。
【請求項13】
前記パラメータ変更手段は、
プレビュー表示条件が、印刷枚数に対して予め定められている場合に、印刷枚数に影響するパラメータを変更可能であることを特徴とする請求項10に記載の印刷装置。
【請求項14】
前記パラメータ変更手段は、
プレビュー表示条件が、印刷枚数に対して予め定められている場合に、両面印刷と片面印刷を選択するパラメータを変更可能であることを特徴とする請求項13に記載の印刷装置。
【請求項15】
表示インタフェースと、コンピュータとを備える印刷装置であって、
前記コンピュータを、
前記表示インタフェースに表示可能な複数ページ分の画像データを取得する取得手段と、
して機能させ、
さらに、
プレビュー表示条件が予め定められており、
前記コンピュータを、
予め定められたプレビュー表示条件を満足している場合に、前記複数ページ分の画像データのうちの少なくとも1ページ分の画像データに基づく画像と、満足したプレビュー条件とを含む画面を、前記表示インタフェースに表示させる第1表示制御手段と、
前記第1表示制御手段によって前記表示インタフェースに画像が表示された状態で、画像データに対して入力されているパラメータを変更する操作を受け付けた場合に、画像データに対して入力されているパラメータを変更するパラメータ変更手段と、
前記第1表示制御手段による前記画像の表示態様が、予め定められた印刷開始条件を満足した場合に、前記取得手段が取得した画像データに基づく画像を、画像データに入力されているパラメータに基づいて印刷する印刷処理を実行する印刷処理実行手段と、
して機能させ、
前記パラメータ変更手段は、
第1条件が、印刷開始条件として予め定められている場合に、パラメータを変更せず、第2条件が、印刷開始条件として予め定められている場合に、パラメータを変更可能であることを特徴とする印刷装置。
【請求項16】
表示インタフェースと、コンピュータとを備える印刷装置であって、
前記コンピュータを、
前記表示インタフェースに表示可能な複数ページ分の画像データを取得する取得手段と、
前記複数ページ分の画像データのうちの少なくとも1ページ分の画像データに基づく画像を、前記表示インタフェースに表示させる第1表示制御手段と、
全てのページ分の画像データに基づく画像は、まだ前記表示インタフェースに表示させていないが、複数ページ分の画像データのうち、所定割合以上のページ分の画像データに基づく画像を前記表示インタフェースに表示済である状態で、印刷を指示する操作を受け付けた場合に、画像を表示インタフェースに表示済であるページ分の画像データに基づく画像の印刷処理を実行し、まだ、前記所定割合未満のページ分の画像データに基づく画像しか前記表示インタフェースに表示させていない状態では、画像データに基づく画像の印刷処理を実行しない印刷処理実行手段と、
して機能させることを特徴とする印刷装置。
【請求項17】
前記印刷処理実行手段は、
全てのページ分の画像データに基づく画像は、まだ前記表示インタフェースに表示させていないが、複数ページ分の画像データのうち、前記所定割合以上のページ分の画像データに基づく画像を前記表示インタフェースに表示済である状態で、印刷を指示する操作を受け付けた場合に、画像を前記表示インタフェースに表示済であるページ分の画像データに基づく画像、および、まだ前記表示インタフェースに画像を表示させていない画像データに基づく画像、の印刷処理を実行し、まだ、前記所定割合未満のページ分の画像データに基づく画像しか前記表示インタフェースに表示させていない状態では、画像データに基づく画像の印刷処理を実行しないことを特徴とする請求項16に記載の印刷装置。
【請求項18】
前記印刷処理実行手段は、
全てのページ分の画像データに基づく画像は、まだ前記表示インタフェースに表示させていないが、複数ページ分の画像データのうち、前記所定割合以上のページ分の画像データに基づく画像を前記表示インタフェースに表示済である状態で、印刷を指示する操作を受け付けた場合に、画像を前記表示インタフェースに表示済であるページ分の画像データに基づく画像、および、まだ前記表示インタフェースに画像を表示させていない画像データに基づく画像データを含む、全てのページ分の画像データに基づく画像、の印刷処理を実行し、まだ、所定割合未満のページ分の画像データに基づく画像しか表示インタフェースに表示させていない状態では、画像データに基づく画像の印刷処理を実行しないことを特徴とする請求項16に記載の印刷装置。
【請求項19】
前記所定割合は、5割であることを特徴とする請求項17又は18に記載の印刷装置。
【請求項20】
前記コンピュータを、
前記印刷装置のユーザインタフェースを介して前記印刷開始条件を受け付ける第1受付手段と、
前記第1受付手段により受け付けられた前記印刷開始条件を、前記印刷装置のメモリに記憶させる記憶制御手段と、
して機能させ、
前記印刷処理実行手段は、
前記メモリから前記印刷開始条件を読み出し、前記第1表示制御手段による前記画像の表示態様が当該印刷開始条件を満足した場合に、前記取得手段が取得した画像データに基づく画像の印刷処理を実行することを特徴とする請求項1乃至
15の何れか1項に記載の印刷装置。
【請求項21】
前記印刷処理実行手段は、
前記第1表示制御手段による前記画像の表示態様が、前記複数ページ分の画像データのうちの所定のページの画像データに基づく画像を表示させた、という、前記印刷開始条件を満足した場合に、前記取得手段が取得した画像データに基づく画像の印刷処理を実行することを特徴とする請求項1乃至
15の何れか1項に記載の印刷装置。
【請求項22】
前記コンピュータを、
前記複数ページのうちの任意のページを指定する操作を、前記印刷装置のユーザインタフェースを介して受け付ける第2受付手段として機能させ、
前記印刷処理実行手段は、
前記第1表示制御手段による前記画像の表示態様が、前記第2受付手段により受け付けられた操作に応じて前記所定のページの画像データに基づく画像を表示させた、という、前記印刷開始条件を満足した場合に、前記取得手段が取得した画像データに基づく画像の印刷処理を実行することを特徴とする請求項21に記載の印刷装置。
【請求項23】
前記第1表示制御手段は、
前記取得手段が前記複数ページ分の画像データの1ページ分の画像データを取得する毎に、当該1ページ分の画像データに基づく画像を、前記表示インタフェースに表示させ、
前記印刷処理実行手段は、
前記第1表示制御手段による前記画像の表示態様が、前記複数ページ分の画像データのうちの前記所定のページの画像データに基づく画像を表示させた、という、前記印刷開始条件を満足した場合に、前記取得手段が取得した画像データに基づく画像の印刷処理を実行することを特徴とする請求項21に記載の印刷装置。
【請求項24】
前記コンピュータを、
前記第1表示制御手段が前記所定のページの画像データに基づく画像を表示させた場合
に、印刷処理の指示を示すオブジェクトを前記表示インタフェースに表示させる第2表示制御手段として機能させ、
前記印刷処理実行手段は、
前記第1表示制御手段による前記画像の表示態様が、前記複数ページ分の画像データのうちの所定のページの画像データに基づく画像を表示させた、という、前記印刷開始条件を満足し、更に、前記オブジェクトに対する操作を前記印刷装置のユーザインタフェースを介して受け付けた場合に、前記取得手段が取得した画像データに基づく画像の印刷処理を実行することを特徴とする請求項21乃至23の何れか1項に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の印刷処理を実行する印刷装置、および印刷装置のコンピュータが読み取り可能な制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像データに基づく画像をプレビュー画像として表示させた後に、画像の印刷処理を実行する印刷装置が存在する。下記特許文献には、そのような印刷装置の一例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、プレビュー画像の表示と画像の印刷処理とを好適に実行することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、実施例に開示する印刷装置は、表示インタフェースと、コンピュータとを備える印刷装置であって、前記コンピュータを、前記表示インタフェースに表示可能な複数ページ分の画像データを取得する取得手段と、前記複数ページ分の画像データのうちの少なくとも1ページ分の画像データに基づく画像を、前記表示インタフェースに表示させる第1表示制御手段と、前記第1表示制御手段による前記画像の表示態様が、予め定められた印刷開始条件を満足した場合に、前記取得手段が取得した画像データに基づく画像の印刷処理を実行する印刷処理実行手段と、して機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
実施例に開示する印刷装置及び制御プログラムでは、プレビュー画像の表示態様が印刷開始条件を満足した場合に、画像の印刷処理が実行される。これにより、プレビュー画像の表示と画像の印刷処理とを好適に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】制御プログラム32のフローチャートを示す図である。
【
図3】制御プログラム32のフローチャートを示す図である。
【
図4】制御プログラム32のフローチャートを示す図である。
【
図5】制御プログラム32のフローチャートを示す図である。
【
図6】制御プログラム32のフローチャートを示す図である。
【
図7】制御プログラム32のフローチャートを示す図である。
【
図8】プレビュー表示条件,表示情報,印刷許容条件,再設定情報を示す図である。
【
図11】第1最終プレビュー画面120を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。例えば、後述する各処理の実行順序は、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜変更できる。
【0009】
図1に、本願に係る実施形態として例示されるMFP(印刷装置の一例)10のブロック図を示す。MFP10は、CPU(コンピュータの一例)12、メモリ(メモリの一例)14、LCD(表示インタフェースの一例)16、入力I/F(ユーザインタフェースの一例)18、読取部20、記録部22、モデム24、電話回線接続部26を主に備えている。これらの構成要素は、バス30を介して互いに通信可能とされている。
【0010】
CPU12は、メモリ14内の制御プログラム(制御プログラムの一例)32に従って処理を実行する。制御プログラム32は、スキャン処理,印刷処理等の画像形成処理を実行するためのプログラムである。以降、制御プログラム32を実行するCPU12のことを、単にプログラム名でも記載する場合がある。例えば、「制御プログラム32が」という記載は、「制御プログラム32を実行するCPU12が」ということを意味する場合がある。
【0011】
また、メモリ14は、データ記憶領域34を備える。データ記憶領域34は、制御プログラム32等の実行に必要なデータなどを記憶する領域である。なお、メモリ14は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、HDD、PC10に着脱されるUSBメモリ等の可搬記憶媒体、CPU12が備えるバッファなどが組み合わされて構成されている。
【0012】
なお、メモリ14は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non-transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
【0013】
LCD16は、MFP10の各種情報を表示する。なお、本願のディスプレイは、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイ等の他の表示方式のディスプレイでも良い。入力I/F18は、例えば、ディスプレイと一体的に構成されているタッチパネルであり、ディスプレイ上に表示されたアイコン,ボタン等へのユーザ操作を受け付ける。また、タッチパネル以外にも、ハードキー等であってもよい。
【0014】
読取部20は、画像を読み取り、スキャンを実行する部位であり、例えば、CCDイメージセンサ、コンタクトイメージセンサ等である。これにより、MFP10では、スキャン処理が実行される。また、記録部22は、印刷機構であり、例えば、インクジェットヘッドが挙げられる。CPU12は、記録部22へ駆動信号を入力し、記録部22がインクジェットヘッドである場合は入力された駆動信号に応じて、ノズルからインクを吐出する。これにより、MFP10では、印刷処理が実行される。
【0015】
モデム24は、ファクシミリ機能によって送信する原稿データを、電話回線網36に伝送可能な信号に変調して電話回線接続部26を介して送信したり、電話回線網36から電話回線接続部26を介して入力された信号を受信し、原稿データを復調するものである。これにより、MFP10では、ファックス処理が実行される。
【0016】
なお、本明細書では、基本的に、プログラムに記述された命令に従ったCPU12の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」、「抽出」、「選択」、「算出」、「決定」、「特定」、「取得」、「受付」、「制御」「設定」等の処理は、CPU12の処理を表している。CPU12による処理は、OSを介したハードウェア制御も含む。なお、「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。すなわち、CPU12が要求することなくデータを受信するという処理も、「CPU12がデータを取得する」という概念に含まれる。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。また、「命令」「応答」「要求」等の処理は、「命令」「応答」「要求」等を示す情報を通信することにより行われる。また、「命令」「応答」「要求」等の文言を、「命令」「応答」「要求」等を示す情報そのものという意味で記載してもよい。また、CPUによる、情報Aは事柄Bであることを示しているか否かを判断する処理を、「情報Aから、事柄Bであるか否かを判断する」のように概念的に記載することがある。CPUによる、情報Aが事柄Bであることを示しているか、事柄Cであるかを示しているかを判断する処理を、「情報Aから、事柄Bであるか事柄Cであるかを判断する」のように概念的に記載することがある。
【0017】
MFP10では、コピー処理,スキャン処理等の複数の画像形成処理を実行することが可能とされている。この際、コピー処理が実行される場合には、例えば、MFP10のADF(Automatic Document Feederの略)に原稿が載置され、その原稿が読取部20により読み取られることで、スキャンデータが作成される。そして、スキャンデータに基づく画像の印刷処理が実行されるが、印刷処理が実行される前にスキャンデータに基づく画像をプレビュー画像として表示するか否かを、MFP10の管理者の権限として任意に設定することが可能とされている。さらに、MFP10では、プレビュー画像として表示された画像の印刷処理を許容するための条件を管理者の権限として、設定することが可能とされており、その条件が成立した場合に、印刷処理が許容される。以下に、その際に実行される制御プログラム32の処理を、
図2乃至
図7に示すフローチャートを用いて、詳しく説明する。
【0018】
具体的には、まず、MFP10において、MFP10の管理者が、印刷処理が実行される前にスキャンデータに基づく画像をプレビュー画像として表示するか否かの条件(以下、「プレビュー表示条件」と記載する),プレビュー画像として表示された画像の印刷処理を許容するための条件(以下、「印刷許容条件」と記載する)(印刷開始条件の一例)等を設定する。この際、MFP10において、ユーザIDが入力I/F18を介して入力される。そして、制御プログラム32は、入力されたユーザIDが管理者として登録されているものであるか否かを判断する。この際、入力されたユーザIDが管理者として登録されているものである場合に、制御プログラム32は、MFP10のユーザが管理者権限を有していると判断する(S100:YES)。
【0019】
次に、MFP10の管理者が、プレビュー表示条件を入力することで、制御プログラム32は、プレビュー表示条件を受け付ける(S102)。プレビュー表示条件には、
図8に示すように、パラメータ条件と枚数条件とがある。パラメータ条件は、コピー処理時の設定項目のパラメータを示すものであり、カラーコピーと印刷部数との各々をパラメータ条件として設定することが可能とされている。そして、パラメータ条件としてカラーコピーが設定されると、後に詳しく説明するが、コピー処理が実行される際にユーザにより設定される設定項目の印刷色を示すパラメータが、カラーコピーに設定された場合に、スキャンデータに基づく画像がプレビュー画像として表示される。また、パラメータ条件として印刷部数が設定される際には、任意の部数が上限部数として設定される。そして、コピー処理が実行される際にユーザにより設定される設定項目の印刷部数が、パラメータ条件として設定された上限部数を超える場合に、スキャンデータに基づく画像がプレビュー画像として表示される。また、枚数条件は、コピー処理時における印刷枚数の上限を示しており、任意の枚数が上限枚数として設定される。そして、コピー処理が実行される際の印刷枚数が、枚数条件として設定された上限枚数を超える場合に、スキャンデータに基づく画像がプレビュー画像として表示される。なお、プレビュー表示条件として、管理者は、パラメータ条件のカラー設定と、パラメータ条件の印刷部数と、枚数条件とのうちの任意の1以上の条件を設定することが可能である。つまり、管理者は、複数のプレビュー表示条件を設定することが可能である。
【0020】
また、MFP10の管理者が、表示情報を入力することで、制御プログラム32は、表示情報を受け付ける(S104)。表示情報は、プレビュー表示条件の成立時にプレビュー画像が表示される際に、成立したプレビュー表示条件をLCD16に表示するか否かを示す情報である。このため、MFP10の管理者が、プレビュー画像が表示される際に成立したプレビュー表示条件をLCD16に表示させたい場合に、プレビュー表示条件の表示の有効を示す情報を、表示情報として入力する。一方、MFP10の管理者が、プレビュー画像が表示される際に成立したプレビュー表示条件をLCD16に表示させたくない場合に、プレビュー表示条件の表示の無効を示す情報を、表示情報として入力する。これにより、制御プログラム32は、入力された表示情報を受け付ける。
【0021】
また、MFP10の管理者が、印刷許容条件を入力することで、制御プログラム32は、印刷許容条件を受け付ける(S106)。印刷許容条件には、
図8に示すように、各画像印刷許容条件と全画像印刷許容条件とがあり、何れかの条件に設定される。この際、印刷許容条件として各画像印刷許容条件が設定されると、1枚のプレビュー画像がLCD16に表示される毎に、当該1枚のプレビュー画像に応じた画像の印刷処理が許容される。一方、印刷許容条件として全画像印刷許容条件が設定されると、全てのプレビュー画像がLCD16に表示されることで、それら全てのプレビュー画像に応じた画像の印刷処理が許容される。
【0022】
また、MFP10の管理者が、再設定情報を入力することで、制御プログラム32は、再設定情報を受け付ける(S108)。再設定情報は、プレビュー画像に応じた画像の印刷処理が許容された場合に、当該画像の印刷処理が実行される際の設定項目を再設定するための画面(以下、「再設定画面」と記載する)をLCD16に表示するか否かを示す情報である。このため、MFP10の管理者が、再設定画面をLCD16に表示させたい場合に、再設定画面の表示の有効を示す情報を、再設定情報として入力する。一方、MFP10の管理者が、再設定画面をLCD16に表示させたくない場合に、再設定画面の表示の無効を示す情報を、再設定情報として入力する。なお、再設定情報は、印刷許容条件が全画像印刷許容条件に設定されている場合にのみ、設定される。つまり、印刷許容条件が全画像印刷許容条件に設定されている場合にのみ、S108の処理が実行され、印刷許容条件が各画像印刷許容条件に設定されている場合に、S108の処理はスキップされる。また、再設定画面において再設定される設定項目は、プレビュー表示条件に応じた設定項目とされている。つまり、プレビュー表示条件としてパラメータ条件のカラーコピーが設定されている場合には、再設定画面において、印刷色に関する設定項目を変更することが可能とされている。また、プレビュー表示条件としてパラメータ条件の印刷部数が設定されている場合には、再設定画面において、印刷部数に関する設定項目を変更することが可能とされている。また、プレビュー表示条件として枚数条件が設定されている場合には、再設定画面において、印刷枚数に関する設定項目を変更することが可能とされている。
【0023】
このように、MFP10では、管理者権限のあるユーザにより、プレビュー表示条件,表示情報,印刷許容条件,再設定情報が入力され、制御プログラム32が、プレビュー表示条件,表示情報,印刷許容条件,再設定情報を受け付けることで、それらの条件及び情報がデータ記憶領域34に記憶される。そして、管理者権限のあるユーザにより入力されたプレビュー表示条件等を利用して、一般ユーザ、つまり、管理者権限のないユーザによるコピー処理が実行される。以下に、その際の処理について説明する。
【0024】
MFP10では、一般ユーザによりコピー処理が実行される際に、制御プログラム32が、コピー実行画面(図示省略)をLCD16に表示する(S110)。コピー実行画面には、コピー処理時における設定項目のパラメータを入力するための入力欄が表示されており、入力欄へのユーザ操作により任意のパラメータが設定される。そして、制御プログラム32は、入力欄への操作により設定されたパラメータ(以下、「入力パラメータ」と記載する)を受け付ける(S112)。なお、コピー実行画面で入力可能な設定項目としては、印刷色を示す設定項目,印刷部数を示す設定項目等がある。
【0025】
また、コピー実行画面には実行ボタンも表示されており、実行ボタンが操作されることで(S114:YES)、制御プログラム32は、読取部20にスキャン指示を出力する(S116)。これにより、MFP10のADF等にセットされた原稿のスキャン処理が開始する。続いて、制御プログラム32は、入力パラメータがプレビュー表示条件のパラメータ条件に該当するか否かを判断する(S118)。例えば、パラメータ条件としてカラーコピーが設定されており、入力パラメータとして入力された印刷色を示す印刷設定項目がカラーコピーである場合に、入力パラメータがパラメータ条件に該当すると判断される。また、パラメータ条件として印刷部数の上限部数が設定されており、入力パラメータとして入力された印刷部数を示す印刷設定項目が上限部数を超えている場合に、入力パラメータがパラメータ条件に該当すると判断される。
【0026】
そして、入力パラメータがパラメータ条件に該当する場合(S118:YES)に、制御プログラム32は、表示情報がプレビュー表示条件の表示の有効を示す情報であるか否かを判断する(S120)。この際、表示情報がプレビュー表示条件の表示の有効を示す情報である場合(S120:YES)に、制御プログラム32は、
図9に示す条件確認画面100をLCD16に表示する(S122)。条件確認画面100には、プレビュー画像を表示する旨のコメント102と、S118の処理において該当すると判断されたプレビュー表示条件104とが表示される。なお、
図9の条件確認画面100では、プレビュー表示条件104として、パラメータ条件のカラーコピー104aと、パラメータ条件の印刷部数104bと、枚数条件の印刷枚数104cとを例示しているが、実際の条件確認画面100では、S118の処理において該当すると判断されたプレビュー表示条件104のみが表示される。つまり、S118の処理においてパラメータ条件のカラーコピーのみが該当すると判断された場合は、条件確認画面100に、プレビュー表示条件104としてカラーコピー104aのみが表示され、S118の処理においてパラメータ条件のカラーコピー及び印刷部数が該当すると判断された場合は、条件確認画面100に、プレビュー表示条件104としてカラーコピー104a及び印刷部数104bが表示される。これにより、ユーザは、プレビュー画像が表示される理由を認識することができる。そして、条件確認画面100がLCD16に表示されると、S124に進む。一方、S122において、表示情報がプレビュー表示条件の表示の無効を示す情報である場合(S120:NO)に、S122の処理がスキップされ、つまり、条件確認画面100は表示されず、S124に進む。
【0027】
続いて、S124において、制御プログラム32は、印刷許容条件が各画像印刷許容条件であるか否かを判断する(S124)。そして、印刷許容条件が各画像印刷許容条件である場合(S124:YES)に、制御プログラム32は、各画像印刷許容条件に従った印刷処理を実行するためのサブルーチン(以下、「各画像印刷実行サブルーチン」と記載する)を実行する(S126)。
【0028】
各画像印刷実行サブルーチンにおいて、制御プログラム32は、
図10に示すプレビュー画面110をLCD16に表示する(S200)。プレビュー画面110には、プレビュー画像112が表示される。そのプレビュー画像112には、読取部20において読み取りが完了した原稿のうちの1枚目の原稿のスキャンデータに基づく画像が表示される。つまり、例えば、ADFに複数ページ分の原稿がセットされた場合には、1ページ目の原稿のスキャンデータに基づく画像が、プレビュー画像112に表示される。
【0029】
また、プレビュー画面110には、キャンセルボタン114と送りボタン(オブジェクトの一例)116とが表示されている。そして、キャンセルボタン114が操作された場合(S202:YES)に、メインルーチンのS110に戻る。これにより、プレビュー画面110の代わりに、コピー実行画面がLCD16に表示される。つまり、ユーザがプレビュー画像112を確認し、その画像の印刷を望まない場合に、キャンセルボタン114を操作することで、ADFにセットされた原稿のコピー処理がキャンセルされ、新たなコピー処理を実行するために、LCD16にコピー実行画面が表示される。
【0030】
また、プレビュー画面110において送りボタン116が操作された場合(S204:YES)に、制御プログラム32は、印刷指示を記録部22に出力する(S206)。この際、制御プログラム32は、プレビュー画像112に表示されている画像の印刷指示を出力する。これにより、プレビュー画像112に表示されている画像の印刷処理が記録部22において実行される。つまり、各画像印刷許容条件に従った印刷処理では、プレビュー画面110において、プレビュー画像112が確認された後に、送りボタン116が操作されることで、プレビュー画像112に表示されている画像が印刷される。
【0031】
そして、制御プログラム32は、全ての原稿の画像をプレビュー画像112として表示したか否かを判断する(S208)。この際、全ての原稿の画像がプレビュー画像112として表示されていない場合(S208:NO)に、S200~S206の処理が繰り返される。つまり、ADFに複数ページ分の原稿がセットされている場合には、1ページ目の原稿の画像がプレビュー画像112に表示された際に、送りボタン116が操作されると、1ページ目の原稿の画像が印刷される。そして、プレビュー画面110において、2ページ目の原稿の画像がプレビュー画像112として表示される。この際、送りボタン116が操作されると、2ページ目の原稿の画像が印刷され、プレビュー画面110において、3ページ目の原稿の画像がプレビュー画像112として表示される。このように、各画像印刷許容条件に従った印刷処理では、プレビュー画面110において送りボタン116が操作される毎に、プレビュー画像112の印刷処理が実行され、新たな原稿の画像が順次、プレビュー画像112として表示される。そして、全ての原稿の画像がプレビュー画像112として表示されると(S208:YES)、各画像印刷実行サブルーチンが終了し、メインルーチンも終了する。
【0032】
また、S124で印刷許容条件が各画像印刷許容条件でない場合(S124:NO)、つまり、印刷許容条件が全画像印刷許容条件である場合に、制御プログラム32は、全画像印刷許容条件に従った印刷処理を実行するためのサブルーチン(以下、「全画像印刷実行サブルーチン」と記載する)を実行する(S128)。
【0033】
全画像印刷実行サブルーチンにおいて、制御プログラム32は、
図10に示すプレビュー画面110をLCD16に表示する(S300)。つまり、全画像印刷実行サブルーチンにおいても、各画像印刷実行サブルーチンと同様に、プレビュー画面110を表示する。そして、プレビュー画面110においてキャンセルボタン114が操作された場合(S302:YES)に、各画像印刷実行サブルーチンと同様に、メインルーチンのS110に戻る。また、プレビュー画面110において送りボタン116が操作された場合(S304:YES)に、制御プログラム32は、プレビュー画面110のプレビュー画像112として表示されている原稿の次のページの原稿が最終ページの原稿であるか否かを判断する(S306)。この際、プレビュー画像112として表示されている原稿の次のページの原稿が最終ページの原稿でない場合(S306:NO)に、S300~S304の処理が繰り返される。一方、プレビュー画像112として表示されている原稿の次のページの原稿が最終ページの原稿である場合(S306:YES)に、S308に進む。
【0034】
つまり、例えば、ADFに3ページ分の原稿がセットされた場合には、1ページ目の原稿の画像がプレビュー画像112に表示された際に、送りボタン116が操作されると、2ページ目の原稿は最終ページの原稿でないため(S306:NO)、プレビュー画面110において、2ページ目の原稿の画像がプレビュー画像112として表示される。この際、送りボタン116が操作されると、3ページ目の原稿は最終ページの原稿であるため(S306:YES)、S308に進む。
【0035】
S308では、制御プログラム32が、再設定情報が再設定画面の表示の有効を示す情報であるか否かを判断する(S308)。この際、再設定情報が再設定画面の表示の有効を示す情報でない場合(S308:NO)、つまり、再設定情報が再設定画面の表示の無効を示す情報である場合に、制御プログラム32は、
図11に示す第1最終プレビュー画面120をLCD16に表示する(S310)。第1最終プレビュー画面120には、プレビュー画像122が表示されており、そのプレビュー画像122には、最終ページの原稿のスキャンデータに基づく画像が表示される。また、第1最終プレビュー画面120には、キャンセルボタン124と印刷ボタン(オブジェクトの一例)126とが表示されている。そして、キャンセルボタン124が操作された場合(S312:YES)に、メインルーチンのS110に戻る。また、印刷ボタン126が操作された場合(S314:YES)に、全画像印刷実行サブルーチンが終了し、メインルーチンにおいて、制御プログラム32は、印刷指示を記録部22に出力する(S130)。この際、制御プログラム32は、スキャン処理が完了した全ての原稿の画像の印刷指示を出力する。これにより、全ての原稿の画像が印刷される。このように、全画像印刷許容条件に従った印刷処理では、プレビュー画面110のプレビュー画像112及び第1最終プレビュー画面120のプレビュー画像122において、全ての原稿の画像が確認された後に、印刷ボタン126が操作されることで、それら全ての原稿の画像が印刷される。
【0036】
また、S308において、再設定情報が再設定画面の表示の有効を示す情報である場合(S308:YES)に、制御プログラム32は、第2最終プレビュー画面(図示省略)をLCD16に表示する(S316)。第2最終プレビュー画面は、第1最終プレビュー画面120と略同じ画面であるが、プレビュー画像,印刷ボタン及びキャンセルボタンだけでなく、再設定ボタンも表示されている。そして、キャンセルボタン及び印刷ボタンが操作された場合は、第1最終プレビュー画面120でキャンセルボタン124及び印刷ボタン126が操作された場合と同じ処理が実行される。
【0037】
また、第2最終プレビュー画面において再設定ボタンが操作されると(S322:YES)、制御プログラム32は、
図12に示す再設定画面140をLCD16に表示する(S324)。この再設定画面140には、プレビュー表示条件に応じた設定項目を再設定するための設定欄142が表示される。なお、
図12の再設定画面140では、印刷色に関する設定項目を再設定するための設定欄142aと、印刷部数に関する設定項目を再設定するための設定欄142bと、印刷面に関する設定項目を再設定するための設定欄142cとを例示表示しているが、実際の再設定画面140では、S118の処理において該当すると判断されたプレビュー表示条件に応じた設定項目を再設定するための設定欄142が表示される。つまり、S118の処理においてプレビュー表示条件でのパラメータ条件のカラーコピーのみが該当すると判断された場合は、再設定画面140に、印刷色に関する設定項目を再設定するための設定欄142aのみが表示され、S118の処理においてプレビュー表示条件でのパラメータ条件のカラーコピー及び印刷部数が該当すると判断された場合は、再設定画面140に、印刷色に関する設定項目を再設定するための設定欄142a及び、印刷部数に関する設定項目を再設定するための設定欄142bが表示される。
【0038】
そして、任意の設定欄142がユーザにより操作されると(S326:YES)、制御プログラム32は、入力パラメータを、操作された設定欄142に応じたパラメータに変更する(S328)。これにより、再設定情報に応じて再設定画面140が表示され、再設定画面140において設定欄142が操作されることで、プレビュー表示条件に応じた設定項目を変更することができる。なお、設定欄142が操作されない場合(S326:NO)には、S326の処理がスキップされる。
【0039】
また、再設定画面140には、キャンセルボタン144及び印刷ボタン146も表示されている。そして、キャンセルボタン144が操作された場合(S330:YES)に、メインルーチンのS110に戻る。また、印刷ボタン146が操作された場合(S332:YES)に、全画像印刷実行サブルーチンが終了し、メインルーチンにおいて、制御プログラム32は、印刷指示を記録部22に出力する(S130)。この際、制御プログラム32は、スキャン処理が完了した全ての原稿の画像の印刷指示を出力する。これにより、全ての原稿の画像が印刷される。
【0040】
なお、S200,S300,S310,S316の処理は、S116で出力されたスキャン指示によるスキャン処理と並行して実行される場合がある。このため、S200,S300,S310,S316の処理において、プレビュー画面110,第1最終プレビュー画面120,第2最終プレビュー画面が表示される際に、プレビュー画像112,122として表示される原稿のスキャン処理が完了していない場合がある。このため、このような場合には、例えば、プレビュー画像112,122の位置にスキャン中であることを示すコメントが表示され、待機状態となる。そして、プレビュー画像112,122として表示される原稿のスキャン処理が完了した後に、プレビュー画像112,122が表示される。
【0041】
また、S118において、入力パラメータがパラメータ条件に該当しない場合(S118:NO)に、制御プログラム32は、ADF等にセットされた全ての原稿のスキャン処理が完了したか否かを判断する(S132)。そして、全ての原稿のスキャン処理が完了した場合(S132:NO)に、制御プログラム32は、スキャン処理が完了したスキャンデータに基づいて印刷処理が実行される際の印刷枚数(以下、「印刷予定枚数」と記載する)を演算する(S134)。つまり、制御プログラム32は、スキャン処理を実行した原稿の枚数を特定し、その原稿の枚数と、入力パラメータの印刷部数とを乗じることで、印刷予定枚数を演算する。そして、制御プログラム32は、印刷予定枚数が枚数条件に該当するか否かを判断する(S136)。この際、プレビュー表示条件として印刷枚数の上限枚数が設定されており、印刷予定枚数が上限枚数を超えている場合に、印刷予定枚数が枚数条件に該当すると判断される。
【0042】
そして、印刷予定枚数が枚数条件に該当する場合(S136:YES)に、S120以降の処理が実行される。なお、印刷予定枚数が枚数条件に該当する場合(S136:YES)のS120以降の処理は、入力パラメータがパラメータ条件に該当する場合(S118:YES)のS120以降の処理と略同じであるため、異なる箇所のみを説明する。まず、S122の処理では、
図9に示す条件確認画面100がLCD16に表示されるが、印刷予定枚数が枚数条件に該当する場合(S136:YES)の条件確認画面100では、S136の処理において該当すると判断されたプレビュー表示条件104、つまり、枚数条件の印刷枚数104cのみが表示される。
【0043】
また、印刷予定枚数が枚数条件に該当する場合(S136:YES)のS200,S300,S310,S316の処理は、全ての原稿のスキャン処理が完了した後(S132:YES)に実行されるため、上述したような待機状態となることはない。また、S324の処理では、
図12に示す再設定画面140がLCD16に表示されるが、印刷予定枚数が枚数条件に該当する場合(S136:YES)の再設定画面140では、S136の処理において該当すると判断されたプレビュー表示条件に応じた設定項目を再設定するための設定欄142が表示される。つまり、印刷枚数を再設定するための設定欄142が表示される。ただし、印刷枚数を直接的に再設定するための設定欄でなく、印刷枚数を間接的に再設定するための設定欄が表示される。具体的には、印刷面に関する設定項目を再設定するための設定欄142cが表示される。これは、例えば、印刷面に関する設定項目が片面印刷に設定されている場合に印刷枚数が10枚であれば、印刷面に関する設定項目が両面印刷に再設定されることで、印刷枚数を10枚から5枚に変更することができるためである。
【0044】
このような処理を除いて、印刷予定枚数が枚数条件に該当する場合(S136:YES)にS120以降の処理が実行されることで、印刷予定枚数が枚数条件に該当する場合(S136:YES)と同様の効果を得ることができる。
【0045】
なお、印刷予定枚数が枚数条件に該当しない場合(S136:NO)には、制御プログラム32は、スキャン処理が完了した全ての原稿の画像の印刷指示を記録部22に出力する(S130)。これにより、全ての原稿の画像が印刷される。つまり、入力パラメータがパラメータ条件にも該当せず(S118:NO)、印刷予定枚数が枚数条件に該当しない場合(S136:NO)には、プレビュー画像は表示されず、条件確認画面100での実行ボタンへの操作により、コピー処理が実行される。
【0046】
なお、S106を実行するCPU12は、第1受付手段の一例である。S132を実行するCPU12は、取得手段の一例である。S130,S206を実行するCPU12は、印刷処理実行手段の一例である。S200,S300,S310,S316を実行するCPU12は、第1表示制御手段及び第2表示制御手段の一例である。S204を実行するCPU12は、第2受付手段の一例である。
【0047】
上記した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0048】
制御プログラム32は、複数ページ分の画像データを取得し、それら複数ページ分の画像データのうちの少なくとも1ページ分の画像データに基づく画像を、プレビュー画像112としてLCD16に表示する。そして、制御プログラム32は、プレビュー画像112として表示された画像の表示態様が印刷許容条件を満足した場合に、プレビュー画像112として表示された画像の印刷指示を記録部22に出力する。これにより、ユーザが確認した画像の印刷処理を印刷許容条件に応じて実行することが可能となる。
【0049】
また、制御プログラム32は、MFP10の管理者が入力した印刷許容条件を受け付け、その印刷許容条件をデータ記憶領域34に記憶する。そして、制御プログラム32は、データ記憶領域34に記憶された印刷許容条件に従って、プレビュー画像112の印刷指示を記録部22に出力する。これにより、MFP10の管理者の意思に応じたプレビュー画像の印刷処理を行うことができる。
【0050】
また、制御プログラム32は、複数ページ分の画像データのうちの所定のページの画像データに基づく画像をプレビュー画像112として表示させるという印刷許容条件を満足した場合に、プレビュー画像112として表示された画像の印刷指示を記録部22に出力する。これにより、好適に印刷処理を実行することが可能となる。
【0051】
また、上記所定のページは、プレビュー画面110での送りボタン116へのユーザ操作により指定される。これにより、ユーザの意思に従って所定のページを指定することができる。
【0052】
また、制御プログラム32は、複数ページ分の画像データのうちの1ページ毎の画像データに基づく画像を、所定のページの画像として表示させるという印刷許容条件を満足した場合に、1ページ毎の画像の印刷指示を記録部22に出力する。これにより、1ページ毎に画像を確認した後に、確認した1ページ毎の画像を印刷することができる。
【0053】
また、制御プログラム32は、複数ページ分の画像データのうちの全てのページの画像データに基づく画像を、所定のページの画像として表示させるという印刷許容条件を満足した場合に、全ての画像の印刷指示を記録部22に出力する。これにより、全ページの画像を確認した後に、確認した全ページの画像を印刷することができる。
【0054】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することが可能である。具体的には、例えば、上記実施形態では、複数ページ分の画像データのうちの全てのページの画像データに基づく画像がプレビュー画像112として表示された場合に、画像の印刷指示が出力されているが、複数ページ分の画像データのうちの所定の割合のページの画像データに基づく画像、例えば、10ページ分の画像のうちの半分の5ページ分の画像がプレビュー画像112として表示された場合に、画像の印刷指示が出力されてもよい。また、複数ページ分の画像のうちのテキストデータを多く含む画像がプレビュー画像112として表示された場合に、画像の印刷指示が出力されてもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、画像の表示態様が印刷許容条件を満足した場合に、プレビュー画像112として表示された画像の印刷指示が出力されているが、プレビュー画像112として表示されていない画像の印刷指示が出力されてもよい。例えば、10ページ分の画像のうちの5ページ分の画像がプレビュー画像112として表示された場合に、10ページ分の画像の印刷指示が出力されてもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、コピー処理時においてスキャンデータに基づく画像の表示態様が印刷許容条件を満足した場合に、印刷指示が出力されているが、印刷処理時においてデータ記憶領域34に記憶されている画像データに基づく画像の表示態様が印刷許容条件を満足した場合に、印刷指示が出力されてもよい。つまり、印刷処理時において、データ記憶領域34に記憶されている画像データから、ユーザ操作により任意の画像データが選択され、その選択された画像データに基づく画像の表示態様が印刷許容条件を満足した場合に、印刷指示が出力されてもよい。また、MFP10と異なるデバイスから取得した画像データに基づく画像の表示態様が印刷許容条件を満足した場合に、印刷指示が出力されてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、CPU12によって
図2乃至
図7に示す処理が実行される例を説明したが、これら処理は、CPU12に限らず、ASICや他の論理集積回路により実行されてもよいし、これら処理が、CPU等やASIC、他の論理集積回路が協働することにより実行されてもよい。
【符号の説明】
【0058】
10:MFP、12:CPU、14:メモリ、16:LCD、18:入力I/F、32:制御プログラム