(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】ガス化殺菌剤噴霧装置
(51)【国際特許分類】
A61L 2/20 20060101AFI20241203BHJP
B65B 55/10 20060101ALI20241203BHJP
A61L 101/22 20060101ALN20241203BHJP
【FI】
A61L2/20
A61L2/20 106
B65B55/10 A
B65B55/10 F
A61L101:22
(21)【出願番号】P 2020134960
(22)【出願日】2020-08-07
【審査請求日】2023-06-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120237
【氏名又は名称】石橋 良規
(72)【発明者】
【氏名】宮原 美啓
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/137480(WO,A1)
【文献】特表2003-525643(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03118129(EP,A1)
【文献】特開2009-280222(JP,A)
【文献】国際公開第2015/072506(WO,A1)
【文献】特開昭63-055036(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/20
B65B 55/10
A61L 101/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のガス化殺菌剤噴霧装置において、
前記ノズルの殺菌剤ガス吹き出し口を前記包装材料の外面に対向して設けることを特徴とするガス化殺菌剤噴霧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無菌充填機において包装材料の殺菌に使用される、殺菌剤のガスを生成し、生成された殺菌剤のガスを包装材料に吹き付けるガス化殺菌剤噴霧装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ポーションミルク、ブリック型液体紙容器入り飲料、パウチ入りスープ、カップ入り飲料、PETボトル入り飲料等、無菌充填機により様々な容器に、食品や飲料が充填されて流通している。無菌充填機とは、殺菌した容器に殺菌した内容物を無菌雰囲気で充填して密封する装置である。無菌充填機により生産された製品は、流通や保管を常温で行うことができるため、冷蔵、冷凍製品よりもエネルギー消費が少なく、味覚も良いことから増加傾向にある。
【0003】
無菌充填機において、容器となる包装材料は前述の通り様々であり、包装材料によりその殺菌方法も異なる。紫外線や電子線を照射する方法もあるが、殺菌剤により、包装材料の表面を殺菌する方法が主流である。さらに殺菌剤を使用して包装材料を殺菌する場合、ポーションミルクやブリック型紙容器は、包装材料を殺菌剤に浸漬して殺菌するが、殺菌剤を包装材料に噴霧する方法もある。浸漬後の比較的高温の乾燥温度に支障ないフラットな包装材料は、浸漬して殺菌される。カップやボトルのような成形容器や高温乾燥で伸びてしまうフィルムのような包装材料は、殺菌剤の噴霧により殺菌される。
【0004】
噴霧する殺菌剤の液滴が大きいとカップやボトルの側面で垂れたりする。噴霧する殺菌剤の液滴は小さいほど包装材料の表面に均一に塗布され、殺菌効果も高い。そこで、殺菌剤の液滴を細粒化する方法が提案されている(特許文献1)。
【0005】
包装材料の表面に付着する殺菌剤の液滴が小さく、包装材料の表面が殺菌剤の液滴により密に被覆されているほど、殺菌効果は高い。そのため、殺菌剤の液滴を噴霧するのではなく、殺菌剤をガス化させ、ガス化した殺菌剤を包装材料の表面に吹き付けて、殺菌剤を包装材料の表面で凝縮させる方法が提案されている(特許文献2)。ここで、殺菌剤のガス化は、殺菌剤を加熱した発熱体に滴下して行っている。
【0006】
さらに、加熱された管内に殺菌剤を噴霧することにより、多量の殺菌剤のガス化を効率的に行う方法も提案されている(特許文献3)。
【0007】
特許文献3の
図5及び
図6に記載の殺菌剤の気化装置は、加熱された円筒内に殺菌剤を噴霧するものである。また、加熱された円筒内に殺菌液を噴霧し、上流から熱風を吹き込み、円筒の下部にプレートヒータを設ける殺菌液のガス化装置も提案されている(特許文献5)。円筒内にガス媒質を供給しながら、過酸化水素水をインジェクションして加熱装置の面に当てることで過酸化水素水を気化させて排出する装置も提案されている(特許文献6)
【0008】
上述の殺菌剤のガス化装置は、比較的大きな加熱された円筒管又は加熱されたハウジングの面に殺菌剤を接触させることで、殺菌剤をガス化させている。このとき、熱風を吹き付けるものもある。殺菌剤のガス化装置によりガス化された殺菌剤は、包装材料に吹き付けられるが、ガス化装置の端部に導管が接続され、導管が容器の周辺に伸び、導管に設けられるノズルにより容器の外面に殺菌剤のガスが吹き付けられるものもある(特許文献7)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開昭60-220067号公報
【文献】特開昭63-11163号公報
【文献】特開平3-224469号公報
【文献】特開平10-218134号公報
【文献】特開2001-276189号公報
【文献】特表2010-534167号公報
【文献】国際公開第2015/137480号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
無菌充填機において包装材料を殺菌するため、ガス化された過酸化水素水が多用されている。過酸化水素水を加熱された発熱体の表面に接触させることにより過酸化水素水をガス化させている。円筒管の内部に噴霧された過酸化水素水は加熱された円筒管の内面に接触することによりガス化する。
【0011】
噴霧された過酸化水素水が完全にガス化することにより、ガス化された過酸化水素が包装材料の表面に存在する菌等に接触すること、及びガス化された過酸化水素水が包装材料の表面で凝縮することにより微細な液滴となり、その後の加熱により凝縮した過酸化水素水が再度ガス化することで殺菌効果は高まる。すなわち、過酸化水素水を完全にガス化すること、及びそのことによりガス中に含まれる過酸化水素の濃度を上げることが殺菌効果を高めることとなる。さらに、ガス化された殺菌剤は、ガス状態のまま包装材料に接触させることにより殺菌効果を極大化することができる。
【0012】
特許文献7に記載されるように、殺菌剤のガス化装置によりガス化された殺菌剤は、包装材料に吹き付けられるが、ガス化装置の端部に導管が接続され、導管が容器の周辺に伸び、導管に設けられるノズルにより容器の外面に殺菌剤のガスが吹き付けられる。ガス化装置は加熱され、加熱されたガス化装置の表面に接触することで殺菌剤はガス化する。しかし、ガス化装置から導管に流れる殺菌剤のガスは導管内で冷却され、液化するものもある。導管は、例えばガス化装置が300℃に設定されていると、ガス化装置の熱が伝導し100℃程度の温度となる。過酸化水素を35質量%含む過酸化水素水の露点は127℃程度と推定されるため、過酸化水素水のガスの一部は導管内で凝縮し液化する。過酸化水素水のガスは先ず過酸化水素から凝縮するため、凝縮しないで、容器に到達する過酸化水素水中の過酸化水素の濃度は初期の過酸化水素水中の過酸化水素の濃度よりも低下し、過酸化水素水のガスの殺菌効果を低下させる。そのため、導管にリボンヒータを巻いて導管を加熱することが提案されているが、危険であり行われていない。
【0013】
上述のように無菌充填機において包装材料を殺菌するために、過酸化水素水のガスを包装材料に吹き付けているが、ガス化された過酸化水素水は包装材料に吹き付けられるまで、ガス状態が保持されることが望まれる。ガス化装置でガス化された過酸化水素水を過酸化水素水のガスがノズルの先端に到達するまでに凝縮しないように、ガス化装置とノズルを接続する導管を過酸化水素水がガス状態を保持するように加熱しなければならない。
【0014】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであって、ガス化装置でガス化された過酸化水素水を包装材料に吹き付けるノズルの先端に到達するまで凝縮しないように、ガス化装置とノズルを接続する導管の外面を加熱気体により加熱し、過酸化水素水をガス状態に保持するガス化殺菌剤噴霧装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本願発明に係るガス化殺菌剤噴霧装置は、殺菌剤をガス化するガス化装置、ガス化された前記殺菌剤を包装材料に吹き付けるノズル、前記ガス化装置の殺菌剤ガス排出パイプ及
び前記ノズルの先端までの前記ノズルの外面に対して加熱気体を流すことができる距離の間隔を保持して設けられる管体、及び前記殺菌剤ガス排出パイプから前記ノズルに至る部分を加熱する前記加熱気体を、前記ガス化装置の前記殺菌剤ガス排出パイプ及び前記ノズルの先端までの前記ノズルの外面と前記管体の間に供給する加熱気体供給装置を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本願発明に係るガス化殺菌剤噴霧装置において、前記加熱気体が加熱された空気、加熱された水蒸気、加熱された過熱水蒸気のいずれか又は2以上の組み合わせであるように構成すると好適である。
【0017】
また、本願発明に係るガス化殺菌剤噴霧装置において、前記殺菌剤と前記加熱気体を同時に前記包装材料に吹き付けるように構成すると好適である。
【0018】
また、本願発明に係るガス化殺菌剤噴霧装置において、前記ガス化装置は、加熱された面を有する気化管、前記気化管の内面に前記殺菌剤を噴霧する殺菌剤噴霧装置を備えると好適である。
【0019】
また、本願発明に係るガス化殺菌剤噴霧装置において、前記殺菌剤噴霧装置が二流体スプレを備えると好適である。
【0020】
また、本願発明に係るガス化殺菌剤噴霧装置において、前記ノズルの殺菌剤ガス吹き出し口を前記包装材料の外面に対向して設けると好適である。
【発明の効果】
【0021】
本願に係るガス化殺菌剤噴霧装置は、殺菌剤をガス化する殺菌剤のガス化装置及びガス化された殺菌剤を吹き付けるノズルを有するガス化殺菌剤噴霧装置であって、ガス化装置の非加熱部からノズルの先端までの外面を加熱気体により加熱する加熱気体供給装置を備えることで、ガス化装置でガス化された殺菌剤を包装材料に吹き付けるまでガス状態に保持することができる。結果として、ガス化された殺菌剤をガス状態でノズルから包装材料に吹き付けることで、高い殺菌効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明に係る殺菌剤のガス化装置を示す側面図である。
【
図2】本発明に係るガス化殺菌剤噴霧装置の実施の形態1を示す側面図である。
【
図3】本発明に係るガス化殺菌剤噴霧装置の実施の形態2のボトル側面への吹き付けノズルを示す側面図である。
【
図4】本発明に係るガス化殺菌剤噴霧装置の実施の形態2のボトル側面及び底面への吹き付けノズルを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0024】
(実施の形態1)
図1に本発明に係る殺菌剤のガス化装置1を示す。ガス化装置1は殺菌剤が供給され、供給される殺菌剤をガス化する。ガス化された殺菌剤は容器に吹き付けられ、容器は殺菌される。殺菌剤はガス化されるが、ガス化された殺菌剤の一部がミストとなっている可能
性もある。
【0025】
ガス化装置1は、殺菌剤を滴状にして供給する二流体スプレノズルである殺菌剤噴霧装置2と、殺菌剤噴霧装置2から供給される殺菌剤が接触することで、殺菌剤を加熱して殺菌剤をガス化させる加熱面3とを備える。殺菌剤噴霧装置2は、殺菌剤供給路2a及び圧縮空気供給路2bからそれぞれ殺菌剤と圧縮空気を導入して殺菌剤を加熱面3に噴霧する。加熱面3は、外面にヒータ4を備えるパイプ状であり、噴霧された殺菌剤は加熱されたパイプ状の加熱面3に接触することでガス化する。殺菌剤のガスは殺菌剤ガス排出パイプ5からガス化装置1の外に噴出する。ヒータ4に換えて誘導加熱により加熱面3を加熱しても構わない。
【0026】
殺菌剤噴霧装置2の運転条件としては、例えば圧縮空気の圧力は0.05MPa~0.6MPaの範囲で調整される。また、殺菌剤は重力落下であっても圧力を加えられても構わないし、供給量は自由に設定することができ、例えば殺菌剤は殺菌剤供給路2aに、1g/min.~100g/min.の範囲で供給される。また、加熱面3は140℃から500℃に加熱されることで噴霧された殺菌剤がガス化する。
【0027】
殺菌剤は少なくとも過酸化水素を含有することが好ましい。その含有量は0.5質量%~65質量%の範囲が適当である。0.5質量%未満では殺菌力が不足する場合があり、65質量%を超えると安全上、扱いが困難となる。また、さらに好適なのは0.5質量%~40質量%であり、40質量%以下では扱いがより容易であり、低濃度となるために殺菌後の容器7への殺菌剤の残留量を低減できる。
【0028】
過酸化水素35質量%を含む過酸化水素水を殺菌剤として使用する場合、ガス化した過酸化水素水の露点は、127℃近傍であり、殺菌剤ガス排出パイプ5は130℃以上に加熱することが好ましい。
【0029】
殺菌剤を過酸化水素水とした場合、過酸化水素水のガスの吹き付け量は以下の通りとなる。ノズル6から容器7の外面に吹き付けられる過酸化水素水のガスにより、容器7の外面に付着する過酸化水素の量は、過酸化水素を35質量%含む過酸化水素水の量として、5μL/容器~150μL/容器が好ましく、より好ましくは10μL/容器~100μL/容器である。また、容器7に吹き付けられる過酸化水素水のガスの過酸化水素濃度は、2mg/L~20mg/Lが好ましく、より好ましくは5mg/L~10mg/Lである。
【0030】
また、殺菌剤は水を含んでなるが、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトンなどのケトン類、グリコールエーテル類等の1種又は2種以上を含んでも構わない。
【0031】
さらに、殺菌剤は過酢酸、酢酸等の有機酸、次亜塩素酸ナトリウム等の塩素化合物、オゾン等の殺菌効果を有する化合物、陽イオン界面活性剤、非イオン系界面活性剤、リン酸化合物等の添加剤を含んでも構わない。
【0032】
図2に示すように殺菌剤のガスはノズル6から容器7の外面に吹き付けられ、容器7の外面が殺菌される。殺菌剤のガスの吹き付け量は任意であるが、吹き付け量は、ガス化装置1に供給される殺菌剤の量と吹き付け時間により決まる。ガス化装置1は複数備えても構わない。吹き付け量は容器7の大きさによっても変動する。図において殺菌剤のガスの流れは破線矢印により示す。
【0033】
ノズル6には殺菌剤ガス排出パイプ5が接続され、ガス化装置1でガス化された殺菌剤のガスがノズル6に導入される。ノズル6に導入される殺菌剤のガスはノズル6に設けられた殺菌剤ガス吹き出し口6a、6b、6c、6d及び6eから容器7の外面に吹き付けられる。
【0034】
殺菌剤ガス吹き出し口6a、6b、6c、6d及び6eは、殺菌剤のガスを容器7の外面に向けて吹き付けるもので、容器7の口部8、胴部、底部の各々の近傍に配置される。具体的には、容器7の縦軸を含んだ平面上で容器7の輪郭を囲むように伸びるノズル6が配置され、このノズル6に殺菌剤ガス吹き出し口6a、6b、6c、6d及び6eが設けられ、ノズル6内に導入された殺菌剤のガスが殺菌剤ガス吹き出し口6a、6b、6c、6d及び6eから容器7の外面に向けて吹き付けられる。ここで、容器の縦軸とは、容器7の口部8から底部へと容器7の中心を通って伸びる軸心のことである。
【0035】
容器7はサポートリング9をグリッパ10により把持されて搬送される。搬送するグリッパ10の動きの障害とならないように、ノズル6の外面に遮蔽壁11が設けられる。遮蔽壁11はノズル6を保温し、吹付けられる殺菌剤のガスの散逸を防止することで容器7の外面への殺菌剤のガスの吹き付け量を確保することができる。
【0036】
容器7の口部8の近傍に配置される複数個の殺菌剤ガス吹き出し口6a及び6bのうち、一つの殺菌剤ガス吹き出し口6aはその殺菌剤ガス吹き出し口の軸が口部8の円筒壁の外面に沿って円筒壁の母線に平行方向に伸びる向きに配置され、もう一つの殺菌剤ガス吹き出し口6bは、口部8の円筒壁に直角に交差する向きに配置される。殺菌剤ガス吹き出し口6aの軸は口部8の円筒壁の外面に沿って円筒壁の母線に平行方向に伸びる向きに配置され、殺菌剤ガス吹き出し口6aから吹き付けられる殺菌剤のガスは、口部8の付け根あたりに設けられたサポートリング9や口部8と胴部との間の肩部にも容易に到達することから、サポートリング9等の外面も適正に殺菌される。殺菌剤ガス吹き出し口6bは軸が口部8の円筒壁に直角に交差する向きに配置され、殺菌剤ガス吹き出し口6bから吹き付けられる殺菌剤のガスは、口部8における雄ネジのネジ溝内にも容易に入り込むことから、口部8の外面が適正に殺菌される。
【0037】
容器7の胴部の近傍には、胴部をその両側から挟むように一対の殺菌剤ガス吹き出し口6c,6eが配置される。望ましくはこれらの殺菌剤ガス吹き出し口6c,6eは、各々の殺菌剤ガス吹き出し口の軸が搬送される容器7の縦軸に瞬間的に直角に交差するように配置される。容器7の胴部に殺菌剤を吹き付ける殺菌剤ガス吹き出し口6c,6eは、胴部の上下方向に複数個配置しても構わない。
【0038】
容器7の底部の近傍には、一つの殺菌剤ガス吹き出し口6dが配置される。望ましくはこの殺菌剤ガス吹き出し口6dは殺菌剤ガス吹き出し口の軸が搬送される容器7の底面中心部に瞬間的に直角に交差するように配置される。殺菌剤ガス吹き出し口6dは、搬送される容器7の底面に対向するように、複数設けても構わない。
【0039】
ノズル6は、容器7の口部8の真上あたりから容器7の回りを縦方向に巡ってサポートリング9のやや下あたりまで略C字形に伸びており、その先端は閉じられている。
図2に示すように、ノズル6におけるC字形の途切れた箇所はサポートリング9の箇所に略対応し、この途切れた箇所をサポートリング9のところで、容器7を保持するグリッパ10がノズル6に干渉することなく通過可能である。
【0040】
殺菌剤のガス化装置1の加熱面3を有する部分は加熱されているが、殺菌剤ガス排出パイプ5からノズル6に至る部分が加熱されないとすると、殺菌剤ガス排出パイプ5からノズル6流入する殺菌剤のガスが冷却されて、殺菌剤ガス吹き出し口から殺菌剤のガスが吹き出す前に凝縮して吹き出されないこととなる。
【0041】
そこで、ガス化殺菌剤噴霧装置の、殺菌剤ガス排出パイプ5からノズル6の先端までの外面に対して一定間隔を保持して管体12を設け、ガス化装置1の殺菌剤ガス排出パイプ5からノズル6までの外面と管体12の間に加熱気体を供給し、ヒータ4により加熱されない、殺菌剤ガス排出パイプ5からノズル6に至る部分を加熱する。図において加熱気体の流れは実線矢印により示す。ガス化装置1の非加熱部から前記ノズル6の先端までを加熱することで、ガス化装置1でガス化された殺菌剤は、殺菌剤ガス吹き出し口6a、6b、6c、6d及び6eから吹き出す前に凝縮することが防止される。
【0042】
比較的に長い殺菌剤ガス吹き出し口6a及び6bには管体12を設け、殺菌剤ガス吹き出し口6a及び6bの外面に加熱気体を流し加熱することが好ましい。比較的短い殺菌剤ガス吹き出し口6c、6d及び6eの外面には管体12を設けなくても構わない。
【0043】
図2に示すように、ガス化殺菌剤噴霧装置はガス化装置1の殺菌剤ガス排出パイプ5からノズル6の先端までの外面と管体の間に加熱気体を供給する加熱気体供給装置13を備える。加熱気体供給装置13から供給される加熱気体は、殺菌剤ガス排出パイプ5からノズル6の先端までの外面に対して一定間隔を保持して設けられる管体12と殺菌剤ガス排出パイプ5からノズル6の先端までの外面の間に供給さる。供給される加熱気体は、殺菌剤ガス排出パイプ5からノズル6の先端まで流れ、殺菌剤ガス排出パイプ5からノズル6の先端までを加熱する。ノズル6の先端まで流れた加熱気体は管体12に設けられる排出口14から排出される。排出される加熱気体は加熱気体供給装置13に戻し、再利用しても構わない。
【0044】
加熱気体供給装置13から供給される加熱気体は、
図2に示すように、殺菌剤ガス排出パイプ5のガス化装置1との接続部付近から殺菌剤ガス排出パイプ5の外面に供給され、ノズル6の先端方向に流れる。殺菌剤のガスの流れと同一方向に加熱気体を流すことが好ましい。ノズル6の先端から殺菌剤ガス排出パイプ5に流すとすると、降温した加熱気体が殺菌剤ガス排出パイプ5の外面を加熱することとなり、条件によっては、殺菌剤ガス排出パイプ5において、ガス化された殺菌剤が凝縮するおそれがあるためである。
【0045】
ガス化装置1でガス化された殺菌剤を殺菌剤ガス排出パイプ5からノズル6の先端まで流すとき、殺菌剤ガス排出パイプ5からノズル6の先端までを加熱気体により加熱することで、殺菌剤ガス排出パイプ5からノズル6の先端までを均一に加熱することができ、ノズル6の先端まで殺菌剤をガス化させた状態に維持して吹き付けることができる。
【0046】
加熱気体供給装置13により供給される加熱気体とは、加熱された空気、加熱された水蒸気、加熱された過熱水蒸気のいずれか又は2以上の組み合わせである。加熱気体は殺菌剤ガス排出パイプ5のガス化装置1との接続部付近の殺菌剤ガス排出パイプ5と管体12の間に流される。流される加熱気体は管体12内に均一に流れるようにしなければならない。
【0047】
加熱された空気とはコンプレッサーによる圧縮空気又はブロワにより送出される空気を、ヒータ又はバーナーのような加熱機器により加熱することにより得られる。得られる加熱された空気の温度は140℃~500℃が適当である。140℃未満では殺菌剤のガスのガス化させた状態を維持する能力が不足し、500℃を超える温度では装置の耐熱性を上げなければならない。加熱される前の空気は除菌フィルタを通した無菌化空気であることが好ましい。加熱されることで加熱された空気中の菌等は殺菌されるが、殺菌されない菌が残存するおそれがあるためである。空気を供給する装置、除菌フィルタ及び空気を加熱する加熱機器が加熱気体供給装置13として備えられる。加熱された空気は空気以外の窒素、アルゴン、炭酸ガス等の気体を加熱しても構わない。
【0048】
加熱された水蒸気とは、電気又は燃料により水を加熱する加熱水蒸気供給装置により生成される。使用される水は逆浸透膜を通して精製することもある。水を水蒸気とする缶体には清缶剤や復水処理剤等が使用されるが、食品添加グレードを使用する。また、缶体や搬送配管はステンレス製であることが好ましい。加熱された水蒸気中の異物、イオン、薬剤等を除去するためにフィルタ、活性炭や限外濾過膜を通すこともある。さらに、加熱水蒸気供給装置は、加熱水蒸気を熱源として逆浸透膜を通した水と熱交換して加熱水蒸気を発生されるリボイラーであることが好ましい。加熱された水蒸気の温度は140℃~170℃が適当である。140℃未満では殺菌剤のガス状態を維持する能力が不足し、170℃を超える場合、飽和水蒸気とはならない。加熱された空気に比べ、同一温度では水が含まれることにより、熱量は大きい。水を供給する装置及び加熱水蒸気供給装置が加熱気体供給装置13として備えられる。
【0049】
加熱された過熱水蒸気とは、水を加熱し水蒸気とし、水蒸気をさらに加熱したものである。過熱水蒸気は過熱蒸気発生装置に供給される水から生成される、200℃~500℃の大気圧よりも高い、0.1MPa~0.3MPaの圧力の蒸気である。過熱蒸気発生装置は通水パイプをヒータや誘導コイルにより加熱し、過熱水蒸気を発生させる。過熱水蒸気は200℃未満に調整するのは困難であり、500℃を超える温度では装置の耐熱性を上げなければならない。加熱された水蒸気と比べ、水を含むため熱量は大きい。また、加熱された水蒸気と比べ、同一量の水を含む場合、温度が高いため熱量は大きい。水を供給する装置及び過熱蒸気発生装置が加熱気体供給装置13として備えられる。
【0050】
殺菌剤ガス排出パイプ5及びノズル6と管体12は一定間隔を保持しており、一定間隔とは加熱気体を流せることができる距離であり、5mm~50mmが適当である。5mm未満では加熱気体による殺菌剤ガス排出パイプ5及びノズル6に加えられる熱量が不十分である。また、50mmを超えると加熱気体の流量が過大となりエネルギーが無駄となる。また、ノズル6が太くなり、ガス化殺菌剤噴霧装置が過大となる。
【0051】
ノズル6の先端まで加熱気体の温度を維持するために、管体12の外周面には断熱材を設けても構わない。断熱材は無機材料又は有機材料からなり、無機材料及び有機材料の複合体であっても構わない。無機材料とは、ガラス繊維、アルミナ繊維、アルミナシリカ系繊維、ケイ酸マグネシウム繊維、ケイ酸カルシウム繊維、チタン酸カリウム繊維等の無機繊維又はこれらの無機物質からなる固形物である。有機材料とは、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリフェニレンサルファイド、芳香族ポリエーテルケトン樹脂、ポリイミド、フッ素樹脂、液晶ポリマー、セルロース等の耐熱性を有するプラスチックの固形物又は繊維である。断熱性が高い繊維が好ましい。
【0052】
殺菌剤ガス排出パイプ5、ノズル6及び管体12は金属体からなり、ステンレス、真鍮、銅、アルミニウム等である。
【0053】
図2に示すように、管体12に供給される加熱気体はノズル6の先端に設けられる排出口14から排出される。しかし、ノズル6の殺菌剤ガス吹き出し口6a、6b、6c、6d及び6eの吹き出し口の周囲に、リング状の加熱気体吹き出し口を管体12に設け、吹き出される殺菌剤のガスの周囲から加熱気体を同時に吹き出して、包装材料に吹き付けても構わない。
【0054】
包装材料には、ガス化された殺菌剤と加熱気体が同時に、加熱気体がガス化された殺菌剤の周辺を囲むように吹き付けられる。ガス化された殺菌剤と加熱気体が同時に包装材料に吹き付けられることで、ノズル6の殺菌剤ガス吹き出し口6a、6b、6c、6d及び6eから吹き出された後のガス化された殺菌剤の降温による液化を防止し、殺菌剤のガスは包装材料の表面に到達するときに液化するため、包装材料の表面での殺菌剤の液滴が小さく、殺菌効果が向上する。殺菌剤のガスと同時に加熱気体を吹き出すことで、吹き出される殺菌剤のガスの降温を防止する。
【0055】
容器7の外面には
図2に示すように、ノズル6により殺菌剤が吹き付けられる。容器7の内面には本願発明のガス化殺菌剤噴霧装置に使用される殺菌剤のガス化装置1とは別に設けられる殺菌剤のガス化装置によりガス化された殺菌剤が、容器7の内面に吹き付けられる。容器7の内面に吹き付けられる殺菌剤のガスは、殺菌剤のガス化装置の殺菌剤ガス排出パイプから直接吹き付けられるため、殺菌剤のガス化装置によりガス化された殺菌剤は、凝縮せずに殺菌剤ガス排出パイプから容器7の内面に吹き付けられる。殺菌剤ガス排出パイプは本願発明に係るガス化殺菌剤噴霧装置のように、加熱気体により加熱されなくても構わない。しかし、殺菌剤ガス排出パイプが長くなる場合、殺菌剤ガス排出パイプは本願発明に係るガス化殺菌剤噴霧装置のように、加熱気体により加熱されることが好ましい。
【0056】
(実施の形態2)
図3及び
図4により本願発明に係るガス化殺菌剤噴霧装置の実施の形態2を説明する。実施の形態1のノズル6は1本であり、1本のノズル6により容器7の外面に殺菌剤のガスを吹き付ける。実施の形態2は、
図3に示す側面吹き付けノズル15及び
図4に示す側面・底面吹き付けノズル16という2本のノズルにより容器7の外面に殺菌剤のガスを吹き付ける。
【0057】
図3及び
図4に示すように、ガス化装置1の殺菌剤ガス排出パイプ5から側面吹き付けノズル15又は側面・底面吹き付けノズル16までの外面に対して一定間隔を保持して管体12が設けられ、殺菌剤ガス排出パイプ5から側面吹き付けノズル15又は側面・底面吹き付けノズル16の先端までの外面と管体12の間に加熱気体を供給する。
【0058】
図3に示す側面吹き付けノズル15は、殺菌剤のガス化装置1の殺菌剤ガス排出パイプ5が接続され、ガス化装置1でガス化された殺菌剤のガスが側面吹き付けノズル15に導入される。側面吹き付けノズル15に導入された殺菌剤のガスは、側面吹き付けノズル15に設けられた殺菌剤ガス吹き出し口6b、6f、6g、6h、6i、6j及び6kから容器7の外面に吹き付けられる。殺菌剤のガス化装置1は実施の形態1と同様である。
【0059】
殺菌剤ガス吹き出し口6b、6f、6g、6h、6i、6j及び6kは、殺菌剤のガスを容器7の外側面に向けて吹き付け、容器7の外側面に殺菌剤を吹き付けるもので、容器7の口部8、胴部の各々の近傍に配置される。具体的には、容器7の縦軸を含んだ平面上で容器7の外側面に平行して伸びる側面吹き付けノズル15が配置され、この側面吹き付けノズル15に殺菌剤ガス吹き出し口6b、6f、6g、6h、6i、6j及び6kが容器7の側面に対向して設けられ、側面吹き付けノズル15内に導入された殺菌剤のガスが殺菌剤ガス吹き出し口6b、6f、6g、6h、6i、6j及び6kから容器7の外側面に向けて吹き付けられる。
【0060】
容器7はサポートリング9をグリッパ10により把持されて搬送される。搬送するグリッパ10の動きの障害とならないように、側面吹き付けノズル15の外面に遮蔽壁11が設けられる。遮蔽壁11は側面吹き付けノズル15を保温し、吹付けられる殺菌剤のガス
の散逸を防止することで容器7の外面への殺菌剤のガスの吹き付け量を確保することができる。
【0061】
容器7の口部8の近傍に配置される殺菌剤ガス吹き出し口6bは、殺菌剤ガス吹き出し口が口部8の円筒壁に直角に交差する向きに配置される。殺菌剤ガス吹き出し口の軸が口部8の円筒壁に直角に交差する向きに配置された殺菌剤ガス吹き出し口6bから吹き付けられた殺菌剤のガスは、口部8における雄ネジのネジ溝内にも容易に入り込むことから、口部8の外面が適正に殺菌されることになる。殺菌剤ガス吹き出し口6bは口部8における雄ネジのネジ溝内に殺菌剤のガスを入り込ませるために口部8の近傍まで伸ばされる。
【0062】
容器7の胴部には、殺菌剤ガス吹き出し口6f、6g、6h、6i、6j及び6kが配置される。望ましくはこれらの殺菌剤ガス吹き出し口6f、6g、6h、6i、6j及び6kは、各々の殺菌剤ガス吹き出し口の軸が搬送される容器7の縦軸に瞬間的に直角に交差するように配置される。容器7の胴部側面に殺菌剤を吹き付ける殺菌剤ガス吹き出し口6f、6g、6h、6i、6j及び6kは、胴部の上下方向にこれを超え又はこれ未満の複数個配置しても構わない。殺菌剤ガス吹き出し口6fは、容器7の口部8から容器7の肩部に殺菌剤を吹き付けるため、肩部近傍まで吹き出し口まで伸ばしても構わない。
【0063】
殺菌剤ガス吹き出し口6b、6f、6g、6h、6i、6j及び6kの外面に管体12を設けることが望ましい。特に、比較的に長い殺菌剤ガス吹き出し口6bには管体12を設け、殺菌剤ガス吹き出し口6bの外面に加熱気体を流し加熱することが好ましい。比較的短い殺菌剤ガス吹き出し口6f、6g、6h、6i、6j及び6kの外面には管体12を設けなくても構わない。
【0064】
図3に示すように、ガス化殺菌剤噴霧装置はガス化装置1の殺菌剤ガス排出パイプ5から側面吹き付けノズル15の先端までの外面と管体12の間に加熱気体を供給する加熱気体供給装置13を備える。加熱気体供給装置13から供給される加熱気体は、殺菌剤ガス排出パイプ5から側面吹き付けノズル15の先端までの外面に対して一定間隔を保持して設けられる管体12と殺菌剤ガス排出パイプ5から側面吹き付けノズル15の先端までの外面の間に供給さる。供給される加熱気体は、殺菌剤ガス排出パイプ5から側面吹き付けノズル15の先端まで流れ、殺菌剤ガス排出パイプ5から側面吹き付けノズル15の先端までを加熱する。側面吹き付けノズル15の先端まで流れた加熱気体は管体12に設けられる排出口14から排出される。排出される加熱気体を加熱気体供給装置13に戻し、再利用しても構わない。
【0065】
加熱気体供給装置13から供給される加熱気体は、
図3に示すように、殺菌剤ガス排出パイプ5のガス化装置1との接続部付近から殺菌剤ガス排出パイプ5の外面に供給され、側面吹き付けノズル15の先端方向に流れる。これは実施の形態1と同様である。
【0066】
また、殺菌剤ガス吹き出し口の外面に管体12を設けるか否か、殺菌剤ガスと加熱気体を同時に包装材料に吹き付けるか否かは実施の形態1と同様である。
【0067】
図4に示す側面・底面吹き付けノズル16は、殺菌剤のガス化装置1の殺菌剤ガス排出パイプ5が接続され、ガス化装置1でガス化された殺菌剤のガスが側面・底面吹き付けノズル16に導入される。側面・底面吹き付けノズル16に導入された殺菌剤のガスは、側面・底面吹き付けノズル16に設けられた殺菌剤ガス吹き出し口6l、6m、6n、6o、6p、6q、6r及び6sから容器7の外面に吹き付けられる。殺菌剤のガス化装置1は実施の形態1と同様である。
【0068】
殺菌剤ガス吹き出し口6l、6m、6n、6o、6p、6q、6r及び6sは、殺菌剤のガスを容器7の外面に向けて吹き付けるもので、容器7の口部8、胴部及び底部の各々の近傍に配置される。具体的には、容器7の底面及び縦軸を含んだ平面上で容器7の外面に平行して伸びる側面・底面吹き付けノズル16が配置され、この側面・底面吹き付けノズル16に殺菌剤ガス吹き出し口6l、6m、6n、6o、6p、6q、6r及び6sが側面及び底面に対向して設けられ、側面・底面吹き付けノズル16内に導入された殺菌剤のガスが殺菌剤ガス吹き出し口6l、6m、6n、6o、6p、6q、6r及び6sから容器7の胴部側面及び底面に向けて吹き付けられる。
【0069】
容器7はサポートリング9をグリッパ10により把持されて搬送される。搬送するグリ
ッパ10の動きの障害とならないように、側面・底面吹き付けノズル16の外面に遮蔽壁11が設けられる。遮蔽壁11は側面・底面吹き付けノズル16を保温し、吹付けられる殺菌剤のガスの散逸を防止することで容器7の側面及び底面への殺菌剤のガスの吹き付け量を確保することができる。
【0070】
容器7の胴部に向けて殺菌剤ガスを吹き付けるために、殺菌剤ガス吹き出し口6l、6m、6n、6o及び6pが配置される。望ましくはこれらの殺菌剤ガス吹き出し口6l、6m、6n、6o及び6pは、各々の殺菌剤ガス吹き出し口の軸が搬送される容器7の縦軸に瞬間的に直角に交差するように配置される。容器7の胴部側面に殺菌剤を吹き付ける殺菌剤ガス吹き出し口6l、6m、6n、6o及び6pは、胴部の上下方向にこれを超えて又はこれ未満の複数個配置しても構わない。殺菌剤ガス吹き出し口6lは、容器7の口部8から容器7の肩部に殺菌剤を吹き付けるため、肩部近傍まで吹き出し口まで伸ばしても構わない。
【0071】
容器7の底部の近傍には、殺菌剤ガス吹き出し口6q、6r及び6sが配置される。望ましくはこの殺菌剤ガス吹き出し口6q、6r及び6sの殺菌剤ガス吹き出し口の軸が搬送される容器7の底面に対向するように配置される。底部に対向する殺菌剤ガス吹き出し口6q、6r及び6sは搬送される容器7の底面に対向するように、これ以上の本数又はこれ以下の本数を設けても構わない。
【0072】
図4に示すように、ガス化殺菌剤噴霧装置はガス化装置1の殺菌剤ガス排出パイプ5から側面・底面吹き付けノズル16の先端までの外面と管体の間に加熱気体を供給する加熱気体供給装置13を備える。加熱気体供給装置13から供給される加熱気体は、殺菌剤ガス排出パイプ5から側面・底面吹き付けノズル16の先端までの外面に対して一定間隔を保持して設けられる管体12と殺菌剤ガス排出パイプ5から側面・底面吹き付けノズル16の先端までの外面の間に供給さる。供給される加熱気体は、殺菌剤ガス排出パイプ5から側面・底面吹き付けノズル16の先端まで流れ、殺菌剤ガス排出パイプ5から側面・底面吹き付けノズル16の先端までを加熱する。側面・底面吹き付けノズル16の先端まで流れた加熱気体は管体12に設けられる排出口14から排出される。排出される加熱気体を加熱気体供給装置13に戻し、再利用しても構わない。
【0073】
加熱気体供給装置13から供給される加熱気体は、
図4に示すように、殺菌剤ガス排出パイプ5のガス化装置1との接続部付近から殺菌剤ガス排出パイプ5の外面に供給され、側面・底面吹き付けノズル16の先端方向に流れる。これは実施の形態1と同様である。
【0074】
また殺菌剤ガス吹き出し口の外面に管体12を設けるか否か、殺菌剤ガスと加熱気体を同時に包装材料に吹き付けるか否かは実施の形態1と同様である。
【0075】
本発明は以上説明したように構成されるが、上記実施の形態に限定されるものではなく、容器7の外面に殺菌剤のガスを吹き付けるノズルは実施の形態2では2本であるが、3本以上設けても構わない。本発明の要旨内において種々変更可能である。
【符号の説明】
【0076】
1…ガス化装置
5…殺菌剤ガス排出パイプ
6…ノズル
12…管体
13…加熱気体供給装置
15…側面吹き付けノズル
16…側面・底面吹き付けノズル