IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 凸版印刷株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-紙容器 図1
  • 特許-紙容器 図2
  • 特許-紙容器 図3
  • 特許-紙容器 図4
  • 特許-紙容器 図5
  • 特許-紙容器 図6
  • 特許-紙容器 図7
  • 特許-紙容器 図8
  • 特許-紙容器 図9
  • 特許-紙容器 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】紙容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/34 20060101AFI20241203BHJP
【FI】
B65D81/34 U
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020147603
(22)【出願日】2020-09-02
(65)【公開番号】P2022042260
(43)【公開日】2022-03-14
【審査請求日】2023-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100169063
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋平
(72)【発明者】
【氏名】浦川 直也
(72)【発明者】
【氏名】矢島 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 実
【審査官】植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-240151(JP,A)
【文献】特開2007-161256(JP,A)
【文献】実開平04-041873(JP,U)
【文献】実開昭63-066703(JP,U)
【文献】特開2002-201598(JP,A)
【文献】特開2019-177928(JP,A)
【文献】特開2013-043683(JP,A)
【文献】特開2007-069525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
坪量が30g/m以上700g/m以下である紙基材とライナー材とからなる積層体を三次元成形してなるトレー型紙容器であって、水平な底部と、底部から立ち上がる側壁部と、側壁部上端から延設された水平なフランジ部とを有し、フランジ部には前記ライナー材を貫通し、紙基材の中間まで達すると共に紙基材を貫通しておらず、前記フランジ部の長手方向に直角に設けられている1以上の切込みが設けられており、フランジ部にイージーピール蓋材を密着することにより開口部が封止されたことを特徴とする紙容器。
【請求項2】
前記紙基材は、引張破断伸びが、MD方向(流れ方向)2%以上12%以下、TD方向(垂直方向)0.5%以上15%以下であり、引張強さが、MD方向50N/15mm以上500N/15mm以下、TD方向30N/15mm以上400N/15mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の紙容器。
【請求項3】
紙基材の坪量が、100g/m以上400g/m以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の紙容器。
【請求項4】
紙基材の引張破断伸びが、MD方向3%以上11%以下、TD方向1%以上14%以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の紙容器。
【請求項5】
紙基材の引張強さが、MD方向で100N/15mm以上400N/15mm以下、TD方向で80N/15mm以上300N/15mm以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の紙容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は紙容器に関し、特に紙基材とライナー材とからなる積層体を三次元成形してなるトレー型紙容器であり、食品を収納して、蓋材を密着した包装体は、そのまま電子レンジで加熱することができる紙容器に関する。
【背景技術】
【0002】
化石資源を原料とするプラスチック製の容器が広く用いられているが、廃プラスチックによる海洋汚染問題等、地球環境保護の観点から、再生産可能な資源であり、生分解性を有する木材を原料とする紙を用いた容器が注目されている。特許文献1に記載された紙容器は、予め所定の形状に打ち抜いた紙ベースを真空圧空成形型内に装着し、上からライナーとなるプラスチックシートを被せて真空圧空成形によって一体化した紙容器である。この方法によれば、三次元形状の紙容器が得られるが、生産性が悪いため安価に製造することはできない。また三次元形状とは言っても平面の集合である多面体形状であり、曲面を伴う三次元形状ではない。
【0003】
特許文献2に記載されたスキンパック梱包体は、台紙とこの台紙に載せた物品と、この物品を覆いつつ前記台紙の上面に貼り付けたフィルムと、からなるスキンパック梱包体である。フィルムは物品の形状に応じて、予め必要な形状に真空成形しておく必要があるが、特許文献1に記載された紙容器と同様に、生産性において問題があるばかりでなく、そもそも食品を収納することを前提として考慮されていない。
【0004】
紙に能率良く三次元形状を付与する方法としては、プレス機による型押しがある。あまり深い形状は無理であるが、この方法によれば三次元形状の紙容器を能率良く生産することができる。
【0005】
従来から、パックご飯の容器のように、トレーも蓋材もすべてプラスチックを使用した食品用容器は知られているが、発生する水蒸気を安全に逃がすために、加熱前に予め蓋材を一部開いておく必要があったり、あるいは複雑な通蒸機構を施しておいたりする必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開第2019/177652号
【文献】特開2019-51944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は、三次元形状を有する食品用紙容器であって、能率良く生産することができ、しかも簡単な通蒸機構により、電子レンジでそのまま加熱することができる紙容器を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、坪量が30g/m以上700g/m以下である紙基材とライナー材とからなる積層体を三次元成形してなるトレー型紙容器であって、水平な底部と、底部から立ち上がる側壁部と、側壁部上端から延設された水平なフランジ部とを有し、フランジ部には前記ライナー材を貫通し、紙基材に達する1以上の切込みが設けられており、フランジ部にイージーピール蓋材を密着
することにより開口部が封止されたことを特徴とする紙容器である。
【0009】
本発明に係る紙容器は、適切な紙基材を用いることで三次元成形性を確保すると共に、フランジ部に切込みを設けることにより電子レンジで加熱する際に発生する水蒸気を逃がすことができる。
【0010】
紙基材は、引張破断伸びが、MD方向(流れ方向、抄紙方向)2%以上12%以下、TD方向(垂直方向、幅方向)0.5%以上15%以下であり、引張強さが、MD方向50N/15mm以上500N/15mm以下、TD方向30N/15mm以上400N/15mm以下であっても良い。
【0011】
紙基材の坪量は、100g/m以上400g/m以下とすることがより望ましい。また、紙基材の引張破断伸びについては、MD方向3%以上11%以下、TD方向1%以上14%以下であることがより望ましい。また、紙基材の引張強さについては、MD方向で100N/15mm以上400N/15mm以下、TD方向で80N/15mm以上300N/15mm以下であることがより望ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る紙容器は、成形性の良好な紙基材とライナー材とからなる積層体を三次元成形してなるトレー型紙容器であって、水平な底部と、底部から立ち上がる側壁部と、側壁部上端から延設された水平なフランジ部とを有するトレー形状であるため、プレス機を用いた絞り成形による生産が可能である。このため、生産の能率が良く、従って安価に生産できる。
【0013】
紙基材の坪量、MD方向、TD方向の引張破断伸び、引張強さを適切に選択することにより、より高い成形性を確保することができる。
【0014】
フランジ部に切込みを設けることにより、イージーピール蓋材を剥がすことなく、そのまま電子レンジで加熱しても、発生した水蒸気がこの切込みを経由して容器外に放出されるので、容器が破裂することがない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明に係る紙容器の一実施態様を示した平面模式図である。
図2図2は、図1のA-A´断面を示した断面模式図である。
図3図3は、本発明に係る紙容器における切込みの状態を示した断面説明図である。
図4図4は、本発明に係る紙容器を電子レンジで加熱した際に水蒸気が抜ける様子を示した断面説明図である。
図5図5は、本発明に係る紙容器における、切込みの配置の他の例を示した平面模式図である。
図6図6は、本発明に係る紙容器における、切込みの配置の他の例を示した平面模式図である。
図7図7は、本発明に係る紙容器における、切込みの配置の他の例を示した平面模式図である。
図8図8は、本発明に係る紙容器における、切込みの配置の他の例を示した平面模式図である。
図9図9は、本発明に係る紙容器における、切込みの配置の他の例を示した平面模式図である。
図10図10は、本発明に係る紙容器における、切込みの配置の他の例を示した平面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下図面を参照しながら、本発明に係る紙容器について詳細に説明する。図1は、本発明に係る紙容器1の一実施態様を示した平面模式図である。図2は、図1のA-A´断面を示した断面模式図である。また図3は、本発明に係る紙容器1における切込み9の状態を示した断面説明図である。また図4は、本発明に係る紙容器1を電子レンジで加熱した際に水蒸気が抜ける様子を示した断面説明図である。
【0017】
本発明に係る紙容器1は、紙基材3とライナー材4とからなる積層体2を三次元成形してなるトレー型紙容器である。水平な底部5と、底部5から立ち上がる側壁部6と、側壁部6の上端から延設された水平なフランジ部7とを有する。
【0018】
フランジ部7にはライナー材4を貫通し、紙基材3に達する1以上の切込み9が設けられており、フランジ部7にイージーピール蓋材8を密着することにより開口部が封止される。本発明の紙容器1に内容物を収納し、開口部をイージーピール蓋材8で密封した包装体を電子レンジで加熱すると、図4に示したように、発生した水蒸気11が切込み9から紙基材3の紙層を通過して容器外に排出される。
【0019】
紙基材3の坪量は、30g/m以上700g/m以下であることが必要であるが、さらに好ましくは、100g/m以上400g/m以下である。30g/m未満であるとライナー材との貼り合わせ加工が困難となり、700g/mを超える場合には、紙が頑丈になり過ぎてトレイ形状に成形するのが困難となる。
【0020】
紙基材の引張破断伸びは、MD方向(流れ方向)2%以上12%以下、TD方向(垂直方向)0.5%以上15%以下であり、引張強さは、MD方向50N/15mm以上500N/15mm以下、TD方向30N/15mm以上400N/15mm以下であることが望ましい。
【0021】
このように、紙基材3の坪量、引張破断伸び、引張強さをそれぞれMD方向(Machine Direction=流れ方向、抄紙方向)とTD方向(Transverse Direction=垂直方向、幅方向)それぞれの値の範囲を規定することにより、三次元成形性が確保される。
【0022】
紙基材3の引張破断伸びは、MD方向(流れ方向)2%以上12%以下、TD方向(垂直方向)0.5%以上15%以下であることが望ましいが、さらに好ましくは、MD方向3%以上11%以下、TD方向1%以上14%以下である。MD方向が2%未満、TD方向が0.5%未満であると成形時に伸びが足りずに破けてしまうことがある。MD方向12%、TD方向15%を超えるような紙は製造するのが困難であり、現実的でない。
【0023】
紙基材3の引張強さについては、MD方向50N/15mm以上500N/15mm以下、TD方向30N/15mm以上400N/15mm以下であることが望ましいが、さらに好ましくは、MD方向で100N/15mm以上400N/15mm以下、TD方向
で80N/15mm以上300N/15mm以下である。MD方向50N/15mm未満、TD方向30N/15mm未満であると、強度が足りず成形時に破れてしまうことがある。また、MD方向500N/15mm、TD方向400N/15mmを超えるような紙は固すぎて成形加工が困難であり、現実的でない。
【0024】
紙容器の形状については、図1の例に限定されることはなく、円形、楕円形、正方形、長方形、星型など成形できるものであれば任意である。フランジ部、底部、側壁部等にしわが入らない形状であることが必要である。
【0025】
図5図10は、本発明に係る紙容器1における、切込み9の形状や配置の例を示した平面模式図である。図1に示した例では、紙容器1の長辺のフランジ部7の中央部に直線状の切込み9が一つ、フランジ部7の長手方向に平行に設けられている。図5の例では、紙容器1の長辺のフランジ部7の中央部に直線状の切込み9が一つ、フランジ部7の長手方向に直角に設けられている。
【0026】
図6に示した例では、紙容器1の長辺のフランジ部7の中央部に円形の切込み9が一つ、設けられている。図7に示した例では、紙容器1の長辺のフランジ部7に直線状の切込み9が3つ、フランジ部7の長手方向に平行に設けられている。また、図8に示した例では、紙容器1の長辺のフランジ部7に直線状の切込み9が3つ、フランジ部7の長手方向に直角に設けられている。図9に示した例では、紙容器1の長辺のフランジ部7に円形の切込み9が3つ、設けられている。図10に示した例では、紙容器1の長辺のフランジ部7の中央部に直線状の切込み9が一つ、フランジ部7の長手方向に平行に設けられており、さらに短辺のフランジ部7の中央部に直線状の切込み9が一つ、フランジ部7の長手方向に平行に設けられている。
【0027】
このように、切込み9の形状や数、配置については、特段の定めはなく、内容物10の種類や量によって、発生する水蒸気量も異なるので、これに合わせて決定すれば良い。紙容器1の形状に応じて、水蒸気が発生した時に、蓋材に最も力が掛かる部位に設けることが好ましい。
【0028】
切込み9に関して重要な点は、必ずライナー材4を貫通して紙基材3に到達する深さが必要な点であって、ライナー材4の途中で終わっているような切込みでは効果がない。また、切込み9は、紙基材3の中間まで到達していても構わない。
【0029】
積層体2を構成する紙基材3の材質については、特に制約は無く、目的とする形状に対する成形性があれば良い。例を挙げれば、マニラボール、白ボール等の白板紙や、黄・チップボール、色板紙、段ボール原紙、アート紙、コート紙、カード原紙、クラフト紙等である。
【0030】
ライナー材4の材質としては、成形可能な合成樹脂フィルムを単体または複合して用いることができる。一例を挙げれば、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、無延伸ポリプロピレン樹脂(CPP)、ヒートシーラブルポリエチレンテレフタレート樹脂(HS-PET)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリアクリロニトリル樹脂(PAN)、各種生分解性樹脂が使用できる。生分解性樹脂の例としては、ポリブチレンサクシネート樹脂(PBS)、ポリ乳酸樹脂(PLA)、ポリヒドロキシアルカン酸樹脂(PHA)、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)樹脂(PBAT)、ポリカプロラクトン樹脂(PCL)、ポリ(ヒドロキシブチレート/ヒドロキシヘキサノエート)樹脂(PHBH(登録商標))等が挙げられる。
【0031】
ライナー材4として、紙基材/接着樹脂/バリアシーラントのように、最内層にバリア性のあるシーラントを用いても良い。バリアシーラントとしては、ダイヤミロンMF(三菱ケミカル社製)、マルチトロンZEX(タマポリ社製)等が挙げられる。
【0032】
またライナー材4としては、例えばPE/EVOH/PEのように2層以上を共押出して製膜された多層フィルムを用いることもできる。
【0033】
蓋材8の構成としては、凝集剥離、界面剥離あるいは層間剥離できるイージーピールフィルムが好ましい。またトレイ側にもイージーピール層があっても良い。イージーピールフィルムの例としては、CFフィルム(東レ社製)9501A、同9501F、SMX(ジェイフィルム社製)等が挙げられる。以下実施例および比較例に基づいて本発明に係る紙容器1について具体的に説明する。
【実施例
【0034】
<実施例1>
坪量300g/mの紙を紙基材として使用し、ライナー材として厚さ90μmの多層バリアフィルム(タマポリ社製マルチトロンZEX101)を使用した。ライナー材の層構成は、PE/EVOH/PEである。両者を貼り合わせて積層体とした。この積層体を用いて、成形加工を施し、図1のような形状の紙容器(トレイ)を作製した。トレイサイズは、127mm×200mmであり深さは25mmである。フランジ部は平坦であり、側壁部や底部にもシワや折り目は認められなかった。
【0035】
フランジ部(長辺)に図1と同様の直線状の切込みを設けた。切込みの深さは、ライナー材を貫通し、紙基材まで侵入する深さである。
【0036】
イージーピール蓋材として厚さ60μmのイージーピールフィルム(三菱ケミカル社製ダイアミロンV441)を用いた。イージーピール蓋材の層構成は、PE/EVOH/NY/PEである。(NYは、ナイロンの略)
【0037】
得られた紙容器について、液漏れ、耐衝撃性、蒸気抜きの評価を行った。なお、液漏れおよび耐衝撃性は、容器としての基本的な要求品質項目である。
<液漏れ>:浸透液を入れて1ヶ月経時保存(温度40℃、湿度75%)し、液漏れが生じなかったものを〇とした。
<耐衝撃性>:JIS Z0200に準拠し、200gの内容物を封入した後、落下、振動試験を実施し、ライナー材と紙基材が分離しなければ〇とした。
<蒸気抜き>:500Wで120秒間電子レンジで加熱し、水蒸気が切込みを通過し、紙層から抜けたものと、ライナー材/紙基材の界面から抜けたものを〇とした。ライナー材/蓋材の界面から水蒸気が抜けたものを△とした。水蒸気が抜けず、容器が破裂したものを×とした。
【0038】
<実施例2>
ライナー材として厚さ50μmのポリエチレンフィルムを用い、切込みの形状を図6に示したような円形とした以外は、実施例1と同様に紙容器を作製し、同様に評価した。
【0039】
<実施例3>
ライナー材として、厚さ100μmのHS-PETを用いた以外は、実施例1と同様に紙容器を作製し、同様に評価した。
【0040】
<実施例4>
ライナー材として厚さ100μmのPBSフィルムを用いた以外は、実施例1と同様に紙容器を作製し、同様に評価した。
【0041】
<実施例5>
切込みの深さをライナー材を貫通し、紙基材に侵入しない深さとした以外は、実施例1と同様に紙容器を作製し、同様に評価した。
【0042】
<実施例6>
切込みの深さをライナー材を貫通し、紙基材に侵入しない深さとした以外は、実施例2と同様に紙容器を作製し、同様に評価した。
【0043】
<実施例7>
切込みの配置を図10のようにフランジ部の短辺と長辺に直線状の切込みを一つづつ配置し、切込みの深さをライナー材を貫通し、紙基材に侵入しない深さとした以外は、実施例1と同様に紙容器を作製し、同様に評価した。
【0044】
<比較例1>
切込みの位置と形状を図6のようにし、切込みの深さをライナー材の途中までにした以外は、実施例1と同様にして紙容器を作製し、同様に評価した。
【0045】
<比較例2>
切込みの深さをライナー材の途中までにした以外は、実施例2と同様にして紙容器を作製し、同様に評価した。
【0046】
<比較例3>
切込みの位置と形状を、図10の短辺側のみとし、切込みの深さをライナー材の途中までにした以外は、実施例2と同様にして紙容器を作製し、同様に評価した。
【0047】
<比較例4>
切込みの位置と形状を、図10と同様にし、切込みの深さをライナー材の途中までにした以外は、実施例1と同様にして紙容器を作製し、同様に評価した。
【0048】
<比較例5>
切込みを設けなかった以外は、実施例1と同様にして紙容器を作製し、同様に評価した。
【0049】
<比較例6>
切込みを設けなかった以外は、実施例2と同様にして紙容器を作製し、同様に評価した。
【0050】
<比較例7>
切込みを設けなかった以外は、実施例4と同様にして紙容器を作製し、同様に評価した。以上実施例1~7、比較例1~7について評価した結果を表1にまとめた。
【0051】
【表1】
【0052】
切込みの深さがライナー材を貫通している実施例1~7では蒸気抜きが安全に行われている。切込みがライナー材を貫通していない比較例1~4か、または切込みが存在しない比較例5~7では、蓋材が破裂したり、本来目標とする位置以外から水蒸気が噴出する傾向が見られる。
【符号の説明】
【0053】
1・・・紙容器
2・・・積層体
3・・・紙基材
4・・・ライナー材
5・・・底部
6・・・側壁部
7・・・フランジ部
8・・・イージーピール蓋材
9・・・切込み
10・・・内容物
11・・・水蒸気
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10