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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】発光装置およびプロジェクター
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/187 20060101AFI20241203BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20241203BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
H01S5/187
G03B21/14 A
G03B21/00 D
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020158302
(22)【出願日】2020-09-23
(65)【公開番号】P2021093517
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2023-09-14
(31)【優先権主張番号】P 2019216437
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 嘉高
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-134259(JP,A)
【文献】特開2008-060433(JP,A)
【文献】特開2013-239690(JP,A)
【文献】国際公開第2018/181202(WO,A1)
【文献】特表2008-521255(JP,A)
【文献】特開2020-017663(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0219306(US,A1)
【文献】特開2009-194101(JP,A)
【文献】特表2018-511785(JP,A)
【文献】特開2014-236127(JP,A)
【文献】特開2011-154930(JP,A)
【文献】特開2019-054127(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00 - 5/50
G03B 21/00 - 21/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
前記基材の第1面に設けられた複数の共振部と、を備え、
前記複数の共振部の各々は、周期構造を有するフォトニック結晶構造体を含み、
前記フォトニック結晶構造体は、複数の柱状部と、前記複数の柱状部のうち隣り合う柱状部の間に設けられる光伝搬層と、を有し、
前記複数の柱状部の各々は、第1半導体層と、前記第1半導体層とは導電型が異なる第2半導体層と、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられ、量子井戸構造を含む発光層と、を有し、
前記発光層において発生した光は、前記第1半導体層と前記第2半導体層とにより前記基材の面内方向に前記光伝搬層を通って伝搬し、前記フォトニック結晶構造体によるフォトニック結晶の効果により定在波を形成し、前記面内方向に閉じ込められ、
前記閉じ込められた光は、前記フォトニック結晶構造体により前記面内方向に発振してレーザー発振し、共振により生じる+1次回折光および-1次回折光がレーザー光として前記柱状部の積層方向から射出され、
前記複数の共振部は、前記フォトニック結晶構造体によって共振した光を射出する発光領域を構成するとともに、第1共振部と、第2共振部と、を含み、
前記発光領域の中心から前記第2共振部までの距離は、前記発光領域の中心から前記第1共振部までの距離よりも長く、
前記第2共振部の共振長は、前記第1共振部の共振長よりも長い、発光装置。
【請求項2】
前記フォトニック結晶構造体は、前記複数の共振部のうち隣り合う共振部の間に設けられない、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記複数の共振部のうち隣り合う共振部の間に設けられ、光を吸収する光吸収部をさらに有する、請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記複数の共振部のうち隣り合う共振部の間に設けられ、光を反射する光反射部をさらに有する、請求項2に記載の発光装置。
【請求項5】
前記発光領域は、前記中心から同心状に分割された複数の分割領域を有し、
前記複数の分割領域は、第1分割領域と、第2分割領域と、を含み、
複数の前記第1共振部が前記第1分割領域に設けられ、複数の前記第2共振部が前記第2分割領域に設けられ、
前記第1分割領域内の前記複数の第1共振部の共振長は互いに等しく、前記第2分割領域内の前記複数の第2共振部の共振長は互いに等しい、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項6】
前記発光領域から射出される光束の強度分布は、前記発光領域の周縁部において前記発光領域の中央部よりも高い、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項7】
前記複数の共振部は、少なくとも一つの中間基材を介して前記基材の第1面に設けられている、請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項8】
前記少なくとも一つの中間基材は、第1中間基材と、第2中間基材と、を含み、
前記第1共振部は、前記第1中間基材に設けられ、
前記第2共振部は、前記第2中間基材に設けられている、請求項7に記載の発光装置。
【請求項9】
前記複数の共振部は、複数の前記第1共振部と、複数の前記第2共振部と、を含み、
前記複数の第1共振部は、前記第1中間基材に設けられ、
前記複数の第2共振部は、前記第2中間基材に設けられている、請求項8に記載の発光装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の発光装置と、
前記発光装置から射出された光を画像情報に応じて変調し、画像光を生成する光変調装置と、
前記光変調装置から射出された画像光を投射する投射光学装置と、
を備える、プロジェクター。
【請求項11】
前記発光領域の平面形状は、前記光変調装置における画像形成領域の平面形状と相似形である、請求項10に記載のプロジェクター。
【請求項12】
前記発光装置と前記光変調装置との間に設けられたリレー光学系をさらに備える、請求項10または請求項11に記載のプロジェクター。
【請求項13】
前記発光装置と前記光変調装置との間に設けられた導光体をさらに備える、請求項10または請求項11に記載のプロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置およびプロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
フォトニック結晶を用いた発光装置が従来から知られている。例えば、下記の特許文献1には、2次元フォトニック結晶と1次元フォトニック結晶とを備え、2次元フォトニック結晶の面内方向に伝搬する光を、1次元フォトニック結晶のフォトニックバンドエッジによって反射させる構造を備えた面発光レーザーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-43918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような面光源を用いて、小型のプロジェクターを構成することが検討されている。この場合、面光源を光変調装置の直近に配置することができれば、光変調装置を効率良く照明できる。ところが、光変調装置を冷却するための空間、または例えばレンズ等の各種光学素子を配置するための空間を設けるために、面光源と光変調装置とは、所定の距離を離して配置する必要がある。例えば光変調装置が液晶表示素子で構成される場合、面光源と液晶表示素子との間には偏光素子を配置するための空間が必要である。
【0005】
面光源から射出される光束が平行光束でなく、発散光束であったとすると、光束の径および外形形状は、面光源から離れるにつれて変化する。そのため、光変調装置が面光源から離れた位置に配置されていると、光変調装置に入射する光束の外形形状は、面光源から射出された直後の光束の外形形状とは異なる。光変調装置の画像形成領域の形状は矩形状であることが多く、それに合わせて面光源の発光領域の形状を矩形状にしたとしても、光束の外形形状は、面光源から離れるにつれて円形に近付く方向に変形する。その結果、光束の外形形状が光変調装置の画像形成領域の形状と合わず、画像形成領域を効率良く照明できない、という問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一つの態様の発光装置は、基材と、前記基材の第1面に設けられた複数の共振部と、を備え、前記複数の共振部の各々は、周期構造を有するフォトニック結晶構造体を含み、前記複数の共振部は、前記周期構造によって共振した光を射出する発光領域を構成するとともに、第1共振部と、第2共振部と、を含み、前記発光領域の中心から前記第2共振部までの距離は、前記発光領域の中心から前記第1共振部までの距離よりも長く、前記第2共振部の共振長は、前記第1共振部の共振長よりも長い。
【0007】
本発明の一つの態様の発光装置において、前記発光領域は、前記中心から同心状に分割された複数の分割領域を有し、前記複数の分割領域は、第1分割領域と、第2分割領域と、を含み、複数の前記第1共振部が前記第1分割領域に設けられ、複数の前記第2共振部が前記第2分割領域に設けられ、前記第1分割領域内の前記複数の第1共振部の共振長は互いに等しく、前記第2分割領域内の前記複数の第2共振部の共振長は互いに等しい構成であってもよい。
【0008】
本発明の一つの態様の発光装置において、前記発光領域から射出される光束の強度分布は、前記発光領域の周縁部において前記発光領域の中央部よりも高くなっていてもよい。
【0009】
本発明の一つの態様の発光装置において、前記複数の共振部は、少なくとも一つの中間基材を介して前記基材の第1面に設けられていてもよい。
【0010】
本発明の一つの態様の発光装置において、前記少なくとも一つの中間基材は、第1中間基材と、第2中間基材と、を含み、前記第1共振部は、前記第1中間基材に設けられ、前記第2共振部は、前記第2中間基材に設けられていてもよい。
【0011】
本発明の一つの態様の発光装置において、前記複数の共振部は、複数の前記第1共振部と、複数の前記第2共振部と、を含み、前記複数の第1共振部は、前記第1中間基材に設けられ、前記複数の第2共振部は、前記第2中間基材に設けられていてもよい。
【0012】
本発明の一つの態様のプロジェクターは、本発明の一つの態様の発光装置と、前記発光装置から射出された光を画像情報に応じて変調し、画像光を生成する光変調装置と、前記光変調装置から射出された画像光を投射する投射光学装置と、を備える。
【0013】
本発明の一つの態様のプロジェクターにおいて、前記発光領域の平面形状は、前記光変調装置における画像形成領域の平面形状と相似形であってもよい。
【0014】
本発明の一つの態様のプロジェクターは、前記発光装置と前記光変調装置との間に設けられたリレー光学系をさらに備えていてもよい。
【0015】
本発明の一つの態様のプロジェクターは、前記発光装置と前記光変調装置との間に設けられた導光体をさらに備えていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施形態のプロジェクターの概略構成図である。
図2】第1実施形態の発光素子の平面図である。
図3】共振部の平面図である。
図4図3のIV-IV線に沿う共振部の断面図である。
図5】共振部から射出される光の配光角を示す図である。
図6】発光領域内の位置が互いに異なる複数の共振部から射出される光の配光角を示す図である。
図7】複数の共振部から射出される光が光変調装置の画像形成領域に到達する位置を示す図である。
図8】光束の平面形状と強度分布とを示す図である。
図9】比較例の発光装置における光束の平面形状と強度分布とを示す図である。
図10】第2実施形態の発光素子の平面図である。
図11】発光領域の中心からの距離と共振領域のサイズとの関係を示す図である。
図12】第3実施形態の発光装置の断面図である。
図13】第4実施形態の発光装置の断面図である。
図14】変形例の発光装置の断面図である。
図15】電極の第1構成例を示す発光装置の断面図である。
図16】電極の第2構成例を示す発光装置の断面図である。
図17】第5実施形態のプロジェクターの概略構成図である。
図18】第6実施形態のプロジェクターの概略構成図である。
図19】導光体の第1の例を示す斜視図である。
図20】導光体の第2の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1図9を用いて説明する。
図1は、本実施形態のプロジェクターの概略構成図である。
以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
【0018】
図1に示すように、本実施形態のプロジェクター10は、スクリーン11に画像を投射する投射型画像表示装置である。プロジェクター10は、発光装置12と、光変調装置13と、投射光学装置14と、を備えている。発光装置12の構成については、後で詳しく説明する。
【0019】
以下、発光装置12における発光領域12Rの中心を通る法線に一致する軸であって、発光領域12Rから射出される光束Lの主光線が通る光軸を光軸AX1と称する。以下、XYZ直交座標系を用いて各部の構成を説明するが、光軸AX1の方向から見た平面形状が矩形状の発光領域12Rの長辺に平行な軸をX軸とし、発光領域の短辺に平行な軸をY軸とし、X軸とY軸とに垂直な軸をZ軸とする。Z軸と光軸AX1とは平行である。
【0020】
光変調装置13は、発光装置12から射出された光束Lを画像情報に応じて変調し、画像光を生成する。光変調装置13は、入射側偏光板16と、液晶表示素子17と、射出側偏光板18と、を有する。Z軸方向から見て、液晶表示素子17の画像形成領域17Rの平面形状は、矩形状である。また、上述したように、発光装置12の発光領域12Rの平面形状は矩形状であり、画像形成領域17Rの平面形状と発光領域12Rの平面形状とは、略相似形である。発光領域12Rの面積は、画像形成領域17Rの面積と同じか、または、画像形成領域17Rの面積よりも僅かに大きい。
【0021】
投射光学装置14は、光変調装置13から射出された画像光をスクリーン11等の被投射面上に投射する。投射光学装置14は、一つまたは複数の投射レンズで構成されている。
【0022】
以下、発光装置12について説明する。
図1に示すように、発光装置12は、発光素子20と、ヒートシンク21と、を備えている。発光素子20は、第1面20aと第2面20bとを有し、第1面20aから光束Lを射出する。ヒートシンク21は、発光素子20で生じる熱を放出するため、発光素子20の第2面20bに設けられている。
【0023】
図2は、発光素子20の概略構成を示す平面図である。図3は、共振部23の平面図である。図4は、図3のIV-IV線に沿う共振部23の断面図である。なお、図2においては、図面を見やすくするため、発光領域12R内に含まれる全ての共振部23のうちの一部の共振部23のみを図示し、他の共振部23の図示を省略する。
【0024】
図4に示すように、発光素子20は、基板50(基材)と、積層体51と、第1電極52と、第2電極53と、を有している。積層体51は、反射層55と、バッファー層56と、フォトニック結晶構造体57と、第3半導体層58と、を有している。
【0025】
基板50は、例えばシリコン(Si)基板、窒化ガリウム(GaN)基板、サファイア基板などで構成されている。
【0026】
反射層55は、基板50上に設けられている。反射層55は、例えばDBR(distribution Bragg reflector)層で構成されている。反射層55は、例えばAlGaN層とGaN層とを交互に積層させた積層体、AlInN層とGaN層とを交互に積層させた積層体等で構成されている。反射層55は、フォトニック結晶構造体57の後述する発光層66で発生する光を第2電極53側に向けて反射させる。
【0027】
本明細書では、積層体51の積層方向であるZ軸方向において、発光層66を基準とした場合、発光層66から第2半導体層67に向かう方向を「上方」とし、発光層66から第1半導体層65に向かう方向を「下方」として説明する。また、「積層体51の積層方向」は、第1半導体層65と発光層66とが対向する方向であり、以下、単に「積層方向」と称することもある。
【0028】
バッファー層56は、反射層55上に設けられている。バッファー層56は、半導体材料からなり、例えばSiがドープされたn型のGaN層などで構成されている。図4の例では、バッファー層56上には、発光素子20の製造プロセスにおいて、後述する柱状部62を構成する膜を成長させるためのマスク層60が設けられている。マスク層60は、例えば酸化シリコン層、窒化シリコン層などで構成されている。
【0029】
フォトニック結晶構造体57は、バッファー層56上に設けられた柱状の構造体である。フォトニック結晶構造体57は、複数の柱状部62と、複数の光伝搬層63と、を有している。フォトニック結晶構造体57は、フォトニック結晶の効果を発現でき、発光層66が発する光を、基板50の面内方向に閉じ込め、積層方向に射出させる。「基板50の面内方向」とは、積層方向と直交する面に沿う方向である。
【0030】
フォトニック結晶構造体57の平面形状は、多角形、円、楕円などである。本実施形態では、図3に示すように、フォトニック結晶構造体57の平面形状は、正六角形である。フォトニック結晶構造体57の径は、nmオーダーであり、具体的には、例えば10nm以上、500nm以下である。図4に示すように、柱状部62は、フォトニック結晶構造体57を構成するナノ構造体である。フォトニック結晶構造体57の積層方向の寸法、いわゆるフォトニック結晶構造体57の高さHは、例えば0.1μm以上、5μm以下である。
【0031】
なお、「フォトニック結晶構造体57の径」は、フォトニック結晶構造体57の平面形状が円の場合には、円の直径であり、フォトニック結晶構造体57の平面形状が円ではない場合には、最小包含円の直径である。例えばフォトニック結晶構造体57の平面形状が多角形の場合、フォトニック結晶構造体57の径は、多角形を内部に含む最小の円の直径であり、フォトニック結晶構造体57の平面形状が楕円の場合、フォトニック結晶構造体57の径は、楕円を内部に含む最小の円の直径である。
【0032】
「フォトニック結晶構造体57の中心」は、フォトニック結晶構造体57の平面形状が円の場合には、円の中心であり、フォトニック結晶構造体57の平面形状が円ではない形状の場合には、最小包含円の中心である。例えばフォトニック結晶構造体57の平面形状が多角形の場合には、フォトニック結晶構造体57の中心は、多角形を内部に含む最小の円の中心であり、フォトニック結晶構造体57の平面形状が楕円の場合には、フォトニック結晶構造体57の中心は、楕円を内部に含む最小の円の中心である。
【0033】
図3に示すように、複数のフォトニック結晶構造体57は、バッファー層56上に正方格子状に配列されている。隣り合う2つのフォトニック結晶構造体57間のピッチPx,Pyは、例えば1nm以上、500nm以下である。本実施形態の場合、X軸方向のピッチPxとY軸方向のピッチPyとは、互いに等しい。このように、複数のフォトニック結晶構造体57は、互いに直交するX軸方向およびY軸方向に沿って所定のピッチPx,Pyで周期的に配列されている。X軸方向のピッチPxは、X軸方向に隣り合う2つのフォトニック結晶構造体57の中心間の距離である。Y軸方向のピッチPyは、Y軸方向に隣り合う2つのフォトニック結晶構造体57の中心間の距離である。なお、複数のフォトニック結晶構造体57は、必ずしも正方格子状に配列されていなくてもよく、例えば長方形格子状、三角格子状等に配列されていてもよい。
【0034】
図4に示すように、柱状部62は、第1半導体層65と、発光層66と、第2半導体層67と、を有している。
【0035】
第1半導体層65は、バッファー層56上に設けられている。第1半導体層65は、例えばSiがドープされたn型のGaN層で構成されている。
【0036】
発光層66は、第1半導体層65上に設けられている。発光層66は、第1半導体層65と第2半導体層67との間に設けられている。発光層66は、例えばGaN層とInGaN層とから構成された量子井戸構造を有している。発光層66は、第1半導体層65および第2半導体層67を介して電流が注入されることによって光を発する。
【0037】
第2半導体層67は、発光層66上に設けられている。第2半導体層67は、第1半導体層65とは導電型が異なる層である。第2半導体層67は、例えばMgがドープされたp型のGaN層で構成されている。第1半導体層65および第2半導体層67は、発光層66内に光を閉じ込める機能を有するクラッド層として機能する。
【0038】
光伝搬層63は、隣り合う柱状部62の間に設けられている。図4の例では、光伝搬層63は、マスク層60上に設けられている。光伝搬層63の屈折率は、発光層66の屈折率よりも低い。光伝搬層63は、例えば酸化シリコン層、酸化アルミニウム層、酸化チタン層等で構成されている。発光層66で発生した光は、光伝搬層63を伝搬する。
【0039】
図3に示すように、一つの共振部23は、正方格子状に配列された複数のフォトニック結晶構造体57で構成されている。また、図2に示すように、複数の共振部23は、基板50の第1面50a上に、互いに離間して配置されている。すなわち、隣り合う共振部23同士の間に、フォトニック結晶構造体57は設けられていない。複数の共振部23は、フォトニック結晶構造体57の周期構造によって共振した光を射出する発光領域12Rを構成する。
【0040】
隣り合う2つの共振部23において、一方の共振部23内で共振する光は、他方の共振部23には至らない。互いに隣り合う共振部23と共振部23との間の距離Gは、発光層66で発生する光の波長よりも大きい。これにより、互いに隣り合う共振部23において、一方の共振部23において共振する光が、他方の共振部23に至らないように構成することができる。
【0041】
なお、隣り合う共振部23の間に、光を吸収する光吸収部が設けられていてもよい。光吸収部は、共振部23において共振する光に対応するバンドギャップよりも狭いバンドギャップを有する物質で構成されている。この種の物質としては、例えばInGaN、InNが挙げられる。光吸収部は、例えば隣り合う共振部23の間に設けられた柱状または壁状の結晶体で構成される。これにより、隣り合う共振部23において、一方の共振部23において共振する光が他方の共振部23に至らないようになる。
【0042】
または、隣り合う共振部23の間に、光を反射させる光反射部が設けられていてもよい。例えば、隣り合う共振部23の間に、共振部23を構成するフォトニック結晶構造体57よりもピッチまたは径が小さい柱状構造体を設けることにより、光反射部を形成できる。これにより、隣り合う共振部23において、一方の共振部23において共振する光が他方の共振部23に至らないようになる。
【0043】
発光装置12においては、p型の第2半導体層67、不純物がドーピングされていない発光層66、およびn型の第1半導体層65の積層体により、pinダイオードが構成される。第1半導体層65および第2半導体層67のバンドギャップは、発光層66のバンドギャップよりも大きい。第1電極52と第2電極53との間に、pinダイオードに対する順バイアス電圧を印加して電流を注入すると、発光層66において電子と正孔との再結合が起こり、発光が生じる。
【0044】
発光層66において発生した光は、第1半導体層65および第2半導体層67により基板50の面内方向に光伝搬層63を通って伝搬する。このとき、光は、フォトニック結晶構造体57によるフォトニック結晶の効果により定在波を形成し、基板50の面内方向に閉じ込められる。閉じ込められた光は、発光層66において利得を受けてレーザー発振する。すなわち、発光層66において発生した光は、フォトニック結晶構造体57により基板50の面内方向に共振し、レーザー発振する。具体的には、発光層66において発生した光は、複数のフォトニック結晶構造体57で構成された共振部23において基板50の面内方向に共振し、レーザー発振する。その後、共振により生じる+1次回折光および-1次回折光は、レーザー光として積層方向(Z軸方向)に進行する。
【0045】
積層方向に進行したレーザー光のうち、反射層55側に向かって進んだレーザー光は、反射層55において反射され、第2電極53側に向かって進む。これにより、発光装置12は、第2電極53側から光を射出することができる。
【0046】
第3半導体層58は、フォトニック結晶構造体57上に設けられている。第3半導体層58は、例えば、Mgがドープされたp型のGaN層で構成されている。
【0047】
第1電極52は、フォトニック結晶構造体57の側方において、バッファー層56上に設けられている。第1電極52は、バッファー層56とオーミックコンタクトしていてもよい。図3の例では、第1電極52は、バッファー層56を介して、第1半導体層65と電気的に接続されている。第1電極52は、発光層66に電流を注入するための一方の電極である。第1電極52としては、例えばバッファー層56側から、Ti層、Al層、Au層をこの順序で積層した積層膜などが用いられる。
【0048】
第2電極53は、第3半導体層58上に設けられている。第2電極53は、第3半導体層58とオーミックコンタクトしていてもよい。第2電極53は、第2半導体層67と電気的に接続されている。図4の例では、第2電極53は、第3半導体層58を介して、第2半導体層67と電気的に接続されている。第2電極53は、発光層66に電流を注入するための他方の電極である。第2電極53として、例えばITO(Indium Tin Oxide)が用いられる。隣り合うフォトニック結晶構造体57の一方に設けられた第2電極53と、他方に設けられた第2電極53とは、図示しない配線によって電気的に接続されている。
【0049】
図5は、共振部23から射出される光L0の配光角を示す図である。
図3に示すように、平面視において、共振部23のX軸方向の長さDxと、共振部23のY軸方向の長さDyとは、等しい。このように、共振部23の長さDxと長さDyとが等しい場合、図5に示すように、共振部23から射出された光L0のX軸方向に沿った配光角θxと、Y軸方向に沿った配光角θyとは、等しくなる。逆に言えば、共振部23から射出された光L0のX軸方向に沿った配光角θxとY軸方向に沿った配光角θyとを比較することにより、長さDxと長さDyとが等しいか否かを確認できる。本実施形態のように、共振部23の平面形状が正方形、正六角形等の回転対称形である場合、図5に示すように、共振部23から射出された光L0の配光角は、光軸AX0を中心として回転対称形となる。なお、配光角は、一つの発光点Oから最も外側に広がって射出される光線と発光点Oを通る法線とがなす角度と定義する。
【0050】
図3に示すように、平面視において、共振部23の外形は、1つの共振部23を構成する複数のフォトニック結晶構造体57のうち、最外周に位置するフォトニック結晶構造体57の中心を結ぶ直線によって囲まれた図形に対応する正方形である。発光層66から発せられた光は、共振部23において、複数のフォトニック結晶構造体57が一定のピッチで並ぶX軸方向およびY軸方向のそれぞれで共振する。すなわち、光L0は、2つの共振方向に共振する。
【0051】
したがって、共振部23のX軸方向の共振長は、X軸方向に一列に並ぶ複数のフォトニック結晶構造体57の中心を結ぶ直線の長さDxに対応する。同様に、共振部23のY軸方向の共振長は、Y軸方向に一列に並ぶ複数のフォトニック結晶構造体57の中心を結ぶ直線の長さDyに対応する。本実施形態の場合、共振部23の外形形状が正方形であるため、共振部23のX軸方向の共振長とY軸方向の共振長とは、互いに等しい。以下、共振部23のX軸方向の長さDxおよびY軸方向の長さDyをまとめて、共振部23のサイズと称することもある。
【0052】
図2に示すように、発光領域12Rにおいて、複数の共振部23のサイズDx,Dyは、発光領域12Rの中心部から周辺部に向けて徐々に長くなっている。換言すると、複数の共振部23のX軸方向の共振長およびY軸方向の共振長は、発光領域12Rの中心部から周辺部に向けて徐々に長くなっている。また、各共振部23が有するフォトニック結晶構造体57の径、高さ、ピッチ、および配列等のパラメーターは、全ての共振部23にわたって同一である。
【0053】
発光領域12Rの中心部に近い位置にある任意の共振部23を第1共振部23Aとし、第1共振部23Aよりも発光領域12Rの中心部から遠い位置にある任意の共振部23を第2共振部23Bとする。すなわち、複数の共振部23は、第1共振部23Aと、第2共振部23Bと、を含んでいる。
【0054】
例えば図2において、発光領域12Rの中心に位置する共振部23を第1共振部23Aとし、発光領域12Rの中心から4番目に位置する共振部23を第2共振部23Bとする。このとき、発光領域12Rの中心から第2共振部23Bまでの距離は、発光領域12Rの中心から第1共振部23Aまでの距離よりも長く、第2共振部23Bの共振長は、第1共振部23Aの共振長よりも長い。
【0055】
本実施形態の場合、発光領域12Rの中心から同じ距離に位置する複数の共振部23の共振長は、互いに等しい。図2において、互いに同じ共振長を有する複数の共振部23を結ぶ曲線を2点鎖線の円で示す。このような円は多数存在するが、図2では3つの円のみを示す。
【0056】
本実施形態の場合、このように、互いに同じ共振長を有する複数の共振部23は、発光領域12Rの中心を中心として、同心円状に配置されている。すなわち、共振部23の発光領域12Rの中心からの距離の変化量に対する共振長の変化量の割合は、発光領域12Rの中心から見た全ての方向にわたって一定である。なお、互いに同じ共振長を有する複数の共振部23は、発光領域12Rの中心を中心として、例えば同心矩形状、同心楕円状に配置されていてもよい。すなわち、共振部23の発光領域12Rの中心からの距離の変化量に対する共振長の変化量の割合は、発光領域12Rの中心から見た方向によって異なっていてもよい。
【0057】
フォトニック結晶効果によって、共振部23のサイズ、すなわち、共振長は、当該共振部23から射出される光L0の配光角に影響を与える。具体的には、共振部23のサイズが大きい程、射出される光L0の配光角が小さく、共振部23のサイズが小さい程、射出される光L0の配光角が大きくなる。
【0058】
図6は、発光領域12R内の位置P1,P2,P3,P4が互いに異なる複数の共振部23から射出される光L0の配光角を示す図である。図6では、発光領域12R内に存在する多数の共振部23のうち、X軸方向に沿って並ぶ4つの位置P1,P2,P3,P4にある共振部23から射出される光L0のみを示した。
【0059】
本実施形態の場合、上述したように、共振部23のサイズ、すなわち共振長は、発光領域12Rの中心から周縁に向けて徐々に長くなっている。したがって、図6に示すように、位置P1の共振部23から射出される光L0の配光角をθ1、位置P2の共振部23から射出される光L0の配光角をθ2、位置P3の共振部23から射出される光L0の配光角をθ3、位置P4の共振部23から射出される光L0の配光角をθ4とすると、これらの配光角の大小関係は、θ1>θ2>θ3>θ4となる。すなわち、各共振部23から射出される光L0の配光角は、発光領域12Rの中心から周縁に向けて徐々に小さくなる。
【0060】
図7は、図6の各位置P1,P2,P3,P4から射出される光L0が液晶表示素子17の画像形成領域17Rに到達する位置を示す図である。
図1に示すように、発光装置12から射出された光束Lは、入射側偏光板16を経て、発光装置12から距離Z1だけ離れた位置に配置された液晶表示素子17の画像形成領域17Rに入射する。このとき、各位置P1,P2,P3,P4の共振部23から射出された光L0が画像形成領域17Rに到達した位置をそれぞれ位置Q1,Q2,Q3,Q4とし、画像形成領域17Rの中心O1から各位置Q1,Q2,Q3,Q4までの距離をそれぞれ距離R1,R2,R3,R4とすると、これらの距離の大小関係は、R1<R2<R3<R4であることが望ましい。言い換えると、発光領域12Rの中心に近い共振部23から射出される光L0の到達位置は、当該共振部23よりも発光領域12Rの中心から遠い位置にある共振部23から射出される光L0の到達位置を越えずに、内側に位置することが望ましい。
【0061】
ここで、比較例の発光装置として、発光領域が複数の共振部を有し、複数の共振部のサイズ(共振長)が同一の発光装置を想定する。なお、発光領域の平面形状は、正方形とする。
図9は、比較例の発光装置において、被照明領域における光束L3の主光線に垂直な断面形状と強度分布とを示す図である。図9の上部は光束L3の断面形状を示し、図9の下部は光束の強度分布を示す。また、図9の上部では光束L3の断面形状に加え、強度の等高線(等強度線)も示す。
【0062】
比較例の発光装置においては、図9に示すように、正方形の発光領域から射出された光束L3の断面形状は、正方形から角部が丸まった形状に変化している。また、強度分布は、被照明領域の中心で高く、被照明領域の周縁で低くなっており、被照明領域上の位置によって強度が大きく異なる。
【0063】
これに対し、図8は、本実施形態の発光装置12において、被照明領域における光束Lの主光線に垂直な断面形状と強度分布とを示す図である。図8の上部は光束Lの断面形状を示し、図8の下部は光束Lの強度分布を示す。図8の上部では光束の断面形状に加え、強度の等高線(等強度線)も示す。また、図8の上部および下部における破線は、発光装置12の射出直後における光束Lの断面形状と強度分布とを示す。ここでは、比較例との比較のため、発光領域12Rの平面形状を正方形と想定する。
【0064】
本実施形態の発光装置12においては、図8に示すように、発光領域12Rから射出された光束Lの断面形状は、比較例のように角部があまり丸まっておらず、正方形からそれ程変化していない。また、発光領域12Rの中央部から射出される光は大きく広がり、発光領域12Rの周縁部から射出される光はあまり広がらないため、発光領域12Rから射出される光束Lの強度分布は、発光領域12Rの周縁部において中央部よりも僅かに高くなるが、被照明領域上の位置によらずに強度が略一定の強度分布が得られる。このように、被照明領域上においても、発光装置12の射出直後における光束Lの断面形状と強度分布とが十分に維持される。
【0065】
以上説明したように、本実施形態の発光装置12によれば、複数の共振部23における共振長を異ならせ、発光領域12R上の位置に応じて配光角を変化させたことによって、発光装置12から離れた被照明領域での光束Lの断面形状と強度分布とを制御することができる。特に本実施形態では、発光領域12Rの周縁部に位置する共振部23から射出される光の配光角を、発光領域12Rの中央部に位置する共振部23から射出される光の配光角よりも小さくしているため、発光装置12から離れた液晶表示素子17の画像形成領域17R上においても、発光装置12の射出直後における光束Lの断面形状を十分に維持できる。
【0066】
これにより、本実施形態の発光装置12によれば、射出される光束Lの断面形状を画像形成領域17Rの形状に概ね合わせられるため、光変調装置13を効率良く照明できる。なお、光束Lの断面形状は、発光装置12から射出される光束Lの配光角とその分布、光束Lの強度とその分布、発光装置12からの距離等に依存して変化する。
【0067】
また、本実施形態のプロジェクター10は、上記の効果を奏する発光装置12を備えているため、光利用効率が高く、小型化が可能となる。
【0068】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図10を用いて説明する。
第2実施形態の発光装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、複数の共振部の構成が第1実施形態と異なる。そのため、発光装置の全体の説明は省略する。
図10は、第2実施形態の発光装置の平面図である。
図10において、第1実施形態で用いた図2と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0069】
図10に示すように、本実施形態の発光装置30において、発光領域30Rは、発光領域30Rの中心から、同心状かつ矩形状に分割された複数の分割領域を有している。本実施形態の場合、複数の分割領域は、発光領域30Rの中心から順に第1分割領域30R1、第2分割領域30R2、第3分割領域30R3、第4分割領域30R4、および第5分割領域30R5の5つの分割領域を含んでいる。なお、本発明における「分割領域」は、発光装置30の構成要素が物理的に分割されていることを意味するのではなく、後述するように、発光領域30R内において同一のサイズを有する複数の共振部23が配置された個々の領域を意味している。
【0070】
複数の共振部23は、複数の第1共振部23Aと、複数の第2共振部23Bと、複数の第3共振部23Cと、複数の第4共振部23Dと、複数の第5共振部23Eと、を含んでいる。複数の第1共振部23Aは、第1分割領域30R1に設けられている。複数の第2共振部23Bは、第2分割領域30R2に設けられている。複数の第3共振部23Cは、第3分割領域30R3に設けられている。複数の第4共振部23Dは、第4分割領域30R4に設けられている。複数の第5共振部23Eは、第5分割領域30R5に設けられている。
【0071】
本実施形態においても、第1実施形態と同様、共振部23の平面形状は正方形であるため、共振部23のX軸方向の長さDxとY軸方向の長さDyとは等しい。したがって、ここでは、共振部23のX軸方向の長さDxとY軸方向の長さDyとをまとめて、共振部23のサイズと称する。第1共振部23AのサイズをL1とし、第2共振部23BのサイズをL2とし、第3共振部23CのサイズをL3とし、第4共振部23DのサイズをL4とし、第5共振部23EのサイズをL5とする。
【0072】
複数の共振部23のサイズ、すなわち、共振長は、発光領域30Rの中心から周縁に向けて長くなっている。したがって、各共振部23のサイズの大小関係は、L1<L2<L3<L4<L5となる。また、第1分割領域30R1内の複数の第1共振部23Aのサイズ、すなわち、共振長は互いに等しく、第2分割領域30R2内の複数の第2共振部23Bのサイズ、すなわち、共振長は互いに等しく、第3分割領域30R3内の複数の第3共振部23Cのサイズ、すなわち、共振長は互いに等しく、第4分割領域30R4内の複数の第4共振部23Dのサイズ、すなわち、共振長は互いに等しく、第5分割領域30R5内の複数の第5共振部23Eのサイズ、すなわち、共振長は互いに等しい。
【0073】
第1実施形態の発光装置12においては、発光領域12Rが分割されておらず、複数の共振部23のサイズ、すなわち、共振長が発光領域12Rの中心部から周辺部に向かって連続的に長くなっていた。これに対し、本実施形態の発光装置30においては、発光領域30Rが複数の分割領域30R1,30R2,30R3,30R4,30R5に分割され、発光領域30Rの周辺に近い側の分割領域である程、分割領域内の共振部23のサイズ、すなわち、共振長が長く、かつ、各分割領域内の複数の共振部23のサイズ、すなわち、共振長が互いに等しい。単純に言えば、本実施形態の発光装置30においては、複数の共振部23のサイズ、すなわち、共振長が発光領域30Rの中心部から周辺部に向かって段階的に長くなっている。
発光装置30のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0074】
本実施形態の発光装置30においても、光束の形状を画像形成領域の形状に概ね合わせられるため、光変調装置を効率良く照明できる、といった第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0075】
さらに本実施形態の場合、個々の分割領域30R1,30R2,30R3,30R4,30R5が同じサイズの共振部23で構成されているため、第1実施形態の発光装置12に比べて、発光領域30R内に複数の共振部23を高い密度で配置しやすい。これにより、発光面積あたりの共振部23の充填率を高められ、発光密度を高めることができる。
【0076】
なお、本実施形態では、発光領域30Rを5つの分割領域30R1,30R2,30R3,30R4,30R5に分割したが、発光領域30Rをより多くの分割領域に分割してもよい。分割数を多くする程、共振長を連続的に変化させた第1実施形態と近い特性を有する発光装置が得られる。
【0077】
(変形例)
図11は、発光領域の中心からの距離と共振部のサイズとの関係を示す図である。図11において、横軸は発光領域の中心からの距離を示し、縦軸は共振部のサイズ、すなわち、共振長を示す。
図11において、符号AおよびBのグラフは、第1実施形態の発光装置12に対応しており、発光領域の中心からの距離の変化に応じて共振部のサイズが連続的に変化している。この場合、発光領域の中心からの距離の変化量に対する共振部のサイズの変化量の割合は、符号Aのグラフのように、発光領域の中心からの距離に依らずに一定であってもよいし、符号Bのグラフのように、発光領域の中心からの距離によって変化していてもよい。
【0078】
図11において、符号Cのグラフは、第2実施形態の発光装置30に対応しており、発光領域の中心からの距離の変化に応じて共振部のサイズが段階的に変化している。また、符号Dのグラフのように、局所的には、共振部の位置が中心部から遠ざかるにつれて共振部のサイズが小さくなる個所があってもよい。このように、共振部のサイズは、発光領域の中心からの距離の増加に伴って必ずしも単調に増加していなくてもよく、全体として見たときに発光領域の中心側の共振部に対して周縁側の共振部で増加していればよい。
【0079】
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について、図12を用いて説明する。
第3実施形態の発光装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、基材に関する構成が第1実施形態と異なる。そのため、発光装置の全体の説明は省略する。
図12は、第3実施形態の発光装置40の断面図である。
図12において、第1実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0080】
図12に示すように、本実施形態の発光装置40は、基板50(基材)と、中間基板41(中間基材)と、積層体51と、第1電極(図示略)と、第2電極53と、を有している。積層体51は、反射層55と、バッファー層56と、フォトニック結晶構造体57(柱状構造体)と、第3半導体層58と、を有している。フォトニック結晶構造体57の詳細な構成は、図4に示した第1実施形態のフォトニック結晶構造体57と同様である。なお、図示はしないが、基板50、および中間基板41には、それぞれ配線が形成されており、第2電極53は、中間基板41に形成された配線を介して、基板50の配線に電気的に接続されている。また、第1電極は、例えば、中間基板41に形成された配線を介して、基板50の配線に電気的に接続されている。あるいは、第1電極は、中間基板41の裏面から基板50の配線に電気的に接続されていてもよい。
【0081】
本実施形態の場合、複数の共振部23は、複数の中間基板41を介して基板50の第1面50aに設けられている。すなわち、複数の中間基板41は、基板50の第1面50aに設けられ、複数の共振部23の各々は、複数の中間基板41の各々に設けられている。また、複数の中間基板41は、第1中間基板41A(第1中間基材)と、第2中間基板41B(第2中間基材)と、を含んでいる。
【0082】
第1実施形態と同様、発光領域12Rの中心Oに位置する共振部23を第1共振部23Aとし、発光領域12Rの中心Oから離れた位置にある共振部23を第2共振部23Bとする。発光領域12Rの中心から第2共振部23Bまでの距離は、発光領域12Rの中心から第1共振部23Aまでの距離よりも長く、第2共振部23Bの共振長は、第1共振部23Aの共振長よりも長い。本実施形態の場合、第1実施形態で示した図4と同様、共振部23のサイズ、すなわち共振長は、発光領域12Rの中心から周縁に向けて徐々に長くなっている。
【0083】
本実施形態では、第1共振部23Aは、第1中間基板41Aに設けられ、第2共振部23Bは、第2中間基板41Bに設けられている。すなわち、第1共振部23Aと第2共振部23Bとは、互いに異なる中間基板41A,41Bに設けられている。
【0084】
中間基板41は、例えばシリコン(Si)、窒化ガリウム(GaN)、サファイア等の材料で構成されている。また、基板50は、例えばシリコン(Si)、窒化ガリウム(GaN)、サファイア、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)などの材料で構成されている。
発光装置40のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0085】
本実施形態においても、光束の形状を画像形成領域の形状に概ね合わせられるため、光変調装置を効率良く照明できる、といった第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0086】
また、本実施形態の構成によれば、発光装置40の製造工程において、各共振部23を中間基板41上に形成した後、各共振部23を中間基板41とともに基板50上の所定の位置に移載する方法を採用できる。これにより、発光装置40を効率良く、高い歩留まりで製造できる。
【0087】
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態について、図13を用いて説明する。
第4実施形態の発光装置の基本構成は第2実施形態と同様であり、基材に関する構成が第2実施形態と異なる。そのため、発光装置の全体の説明は省略する。
図13は、第4実施形態の発光装置43の断面図である。
図13において、先の実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0088】
図13に示すように、本実施形態の発光装置40においても、第3実施形態と同様、複数の共振部23は、複数の中間基板41を介して基板50の第1面50aに設けられている。すなわち、複数の中間基板41は、基板50の第1面50aに設けられ、複数の共振部23の各々は、複数の中間基板41の各々に設けられている。また、複数の中間基板41は、第1中間基板41A(第1中間基材)と、第2中間基板41B(第2中間基材)と、を含んでいる。本実施形態においても、図示はしないが、基板50、複数の中間基板41の各々には、それぞれ配線が形成されており、複数の共振部23の各々の第2電極53は、複数の中間基板41の各々に形成された配線を介して、基板50の配線に電気的に接続されている。また、第1電極は、例えば、中間基板41に形成された配線を介して、基板50の配線に電気的に接続されている。あるいは、第1電極は、複数の中間基板41の各々の裏面から基板50の配線に電気的に接続されていてもよい。
【0089】
本実施形態の場合、第2実施形態の図10と同様、発光領域30Rは、複数の分割領域30R1,30R2を有している。本実施形態の場合、複数の分割領域は、発光領域30Rの中心Oから順に第1分割領域30R1、および第2分割領域30R2を含んでいる。また、複数の共振部23は、複数の第1共振部23Aと、複数の第2共振部23Bと、を含んでいる。複数の第1共振部23Aは、第1分割領域30R1に設けられている。複数の第2共振部23Bは、第2分割領域30R2に設けられている。複数の共振部23のサイズ、すなわち、共振長が発光領域30Rの中心部から周辺部に向かって段階的に長くなっている。
【0090】
本実施形態では、第1分割領域30R1に設けられた第1中間基板41Aの数は、第1共振部23Aの数と同じである。すなわち、一つの第1共振部23Aは、一つの第1中間基板41A上に設けられている。同様に、第2分割領域30R2に設けられた第2中間基板41Bの数は、第2共振部23Bの数と同じである。一つの第2共振部23Bは、一つの第2中間基板41B上に設けられている。
発光装置40のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0091】
本実施形態においても、光束の形状を画像形成領域の形状に概ね合わせられるため、光変調装置を効率良く照明できる、といった第1実施形態と同様の効果が得られる。また、各共振部23を中間基板41上に形成した後、中間基板41を切り出し、各共振部23を中間基板41とともに基板50上の所定の位置に移載する方法を採用できるため、発光装置43を効率良く、高い歩留まりで製造できる、といった第3実施形態と同様の効果が得られる。
【0092】
なお、本実施形態の発光装置43は、以下に示す変形例の構成を有していてもよい。
図14は、変形例の発光装置45の断面図である。
図14に示すように、変形例の発光装置45において、複数の第1共振部23Aは、一つの第1中間基板41Cに設けられ、複数の第2共振部23Bは、一つの第2中間基板41Dに設けられている。すなわち、変形例の発光装置45において、サイズが等しい複数の共振部23は、一つの中間基板41に設けられている。隣り合う共振部23の間は空隙を設けることにより、共振部23同士を分離している。また、フォトニック結晶構造体57の上部に位置する第2電極53は、隣り合う共振部23間で電気的に接続されている。
【0093】
また、第1電極および第2電極の構成については、以下の2つの構成例を採用してもよい。
図15は、電極の第1構成例を示す発光装置47の断面図である。
図15に示すように、第1構成例の発光装置47において、第2電極53(p電極)は、フォトニック結晶構造体57の上面に第3半導体層58を介して形成されている。また、第1電極71(n電極)は、中間基板41上に反射層55とバッファー層56とを介して形成されている。第1電極71(n電極)は、中間基板41の側方に形成された配線72と電気的に接続されている。また、隣り合う第2電極53同士は、例えばITO層等からなる図示しない配線によって電気的に接続されている。第1電極71と配線72との接続は、例えばリフトオフ法を用いた金属膜のパターニング形成で実現できる。
【0094】
図16は、電極の第2構成例を示す発光装置49の断面図である。
図16に示すように、第2構成例の発光装置49は、第1電極(n電極)の位置が第1構成例とは異なる。第2構成例の場合、中間基板74として、例えばSiがドープされたn型GaN等の導電性材料が用いられる。また、反射層55として、例えばSiがドープされたn型GaN/AlInN等のDBR層からなる導電性を有するn型反射層が用いられる。これにより、中間基板74に第1電極(n電極)の機能を持たせることができる。なお、バッファー層56は、Siがドープされたn型GaN層で構成されている。中間基板74は、基板50上に形成された配線73上に配置される。なお、第2構成例の場合、基板50として、AlN基板、SiC基板等の絶縁性基板を用いる必要がある。
【0095】
第2構成例では、第1構成例と異なり、第1電極に接続する配線72を中間基板41の厚さ方向に沿って形成する必要がない。そのため、基板50上に中間基板74を実装する場合の実装構造や実装作業を簡素化できる。また、発光素子の配置密度を高められ、光束密度が高い発光装置を得られる。
【0096】
[第5実施形態]
以下、第5、第6実施形態では、本発明の発光装置が適用可能なプロジェクターの他の構成例について説明する。
第5、第6実施形態のプロジェクターの基本構成は、第1実施形態のプロジェクターと略同様である。そのため、基本構成の説明は省略し、異なる個所のみを説明する。
図17は、第5実施形態のプロジェクターの概略構成図である。
図17において、第1実施形態で用いた図1と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0097】
図17に示すように、第5実施形態のプロジェクター32は、発光装置12と光変調装置13との間に設けられたリレー光学系33をさらに備えている。リレー光学系33は、入射側レンズ34と、リレーレンズ35と、射出側レンズ36と、を備えている。入射側レンズ34と射出側レンズ36とは、光学的に共役関係となるように構成される。これにより、リレー光学系33は、入射側レンズ34に入射した光束像、すなわち、光束Lの強度分布を同じ大きさ、または拡大、または縮小して射出側レンズ36に伝達し、射出側レンズ36から射出する。図17は、光束像を拡大して伝達するリレー光学系33の例を示している。
【0098】
したがって、液晶表示素子17の画像形成領域17Rを照明する光束Lの強度分布は、入射側レンズ34に入射する光束Lの強度分布と略等しい。すなわち、液晶表示素子17の画像形成領域17Rに合わせた断面形状を有し、強度分布が略均一な光束で画像形成領域17Rを照明する場合には、画像形成領域17Rに入射する光束とはサイズが異なるが、同じ断面形状と強度分布とを有する光束Lを入射側レンズ34に入射させる必要がある。
【0099】
本実施形態のプロジェクター32においては、上記実施形態の発光装置12が用いられたことにより、発光装置12から離れた位置に配置されたリレー光学系33に対して光束Lを効率良く入射させることができる。
【0100】
プロジェクター32がリレー光学系33を備えることで、発光装置12の発光領域12Rのサイズと液晶表示素子17の画像形成領域17Rのサイズとが大きく異なる場合であっても、画像形成領域17Rのサイズに合った光束を容易に形成することができる。また、光変調装置13を発光装置12から離して配置できるため、発光装置12から発せられる熱が光変調装置13に及ぼす影響を低減できる。
【0101】
一般的に、リレー光学系33等の光学系を通った光は、周辺減光を生じ、光軸AX1の近傍で強度が高く、光軸AX1から離れるに従って強度が低下する。ところが、上記実施形態の発光装置12を用いた場合、図8に示したように、発光領域12Rの周縁部から射出された光の強度が中央部から射出された光の強度よりも高くなるため、リレー光学系33による周辺減光の影響が緩和され、明るさムラの少ない画像を得やすい。
【0102】
[第6実施形態]
図18は、第6実施形態のプロジェクターの概略構成図である。図19は、導光体の第1の例を示す斜視図である。図20は、導光体の第2の例を示す斜視図である。
図18において、第1実施形態で用いた図1と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0103】
図18に示すように、第6実施形態のプロジェクター38は、発光装置12と光変調装置13との間に設けられた導光体39をさらに備えている。
【0104】
導光体39として、図19に示すように、例えばガラス等の透光性媒体からなる中実の棒状体からなる導光体39Aが用いられる。または、図20に示すように、反射面が内側を向くように反射ミラーが管状に配置された中空の管状体からなる導光体39Bが用いられる。また、入射端と射出端とで開口サイズと形状とが同じである導光体が用いられてもよいし、入射端から射出端に向けて開口サイズが大きくなるテーパー形状、あるいは、入射端から射出端に向けて開口サイズが小さくなるテーパー形状の導光体が用いられてもよい。
【0105】
導光体39の入射端39aおよび射出端39bの開口形状は、ともに矩形状であり、発光装置12の発光領域12Rおよび液晶表示素子17の画像形成領域17Rと略相似形に設定される。また、導光体39の入射端39aの開口サイズは、発光領域12Rと同じか、または僅かに大きいことが望ましい。導光体39の射出端39bの開口サイズは、液晶表示素子17の画像形成領域17Rと同じか、または僅かに大きく設定されることが望ましい。
【0106】
本実施形態のプロジェクター38においては、上記実施形態の発光装置12が用いられたことにより、発光装置12から離れた位置に配置された導光体39に光束Lを効率良く入射させることができる。
【0107】
また、導光体39に入射した光束Lは、導光体39の界面または内壁面での複数回の反射により、強度分布が均一化されて射出される。これにより、光束Lの強度分布は一層均一化される可能性があり、略均一の強度を有する光束Lによって液晶表示素子17を効率良く照明できる。また、光変調装置13を発光装置12から離して配置できるため、発光装置12から発せられる熱が光変調装置13に及ぼす影響を低減できる。
【0108】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば上記実施形態において、発光装置は、一様な強度の光束を射出することを前提としたが、発光領域内で発光強度が一様でない発光装置に対しても本発明を適用することが可能である。光束の発光強度を考慮して各共振部から射出される光の配光角を変化させることにより、光束の断面形状を制御することができる。
【0109】
また、上記第3、第4実施形態において、第1共振部が第1中間基材に設けられ、第2共振部が第2中間基材に設けられている例を挙げたが、この構成に代えて、第1共振部と第2共振部とを含む複数の共振部が一つの中間基材上に設けられていてもよい。この場合、例えばAlN基板、SiC基板等の熱伝導性が高い基板を用いることにより、発光素子の放熱が促進されるため、発光効率の向上および発光量の増大を期待できる。
【0110】
なお、上記実施形態では、InGaN系材料からなる発光層について説明したが、発光層として、射出される光の波長に応じて、種々の半導体材料を用いることができる。例えばAlGaN系、AlGaAs系、InGaAs系、InGaAsP系、InP系、GaP系、AlGaP系などの半導体材料を用いることができる。また、射出される光の波長に応じて、フォトニック結晶構造体の径または配列のピッチを適宜変更してもよい。
【0111】
また、上記実施形態では、フォトニック結晶構造体は、基板上に突出した柱状構造体で構成されていたが、フォトニック結晶効果を発現させるために一定のピッチで設けられた複数の孔部を有していてもよい。すなわち、複数の共振部の各々は、柱状の構造体、孔部にかかわらず、周期構造を有するフォトニック結晶構造体を含んでいればよい。
【0112】
その他、発光装置、およびプロジェクターの各構成要素の形状、数、配置、材料等の具体的な記載については、上記実施形態に限らず、適宜変更が可能である。上記実施形態では、本発明による発光装置を、透過型の液晶表示素子を光変調装置として用いたプロジェクターに搭載した例を示したが、これに限られない。本発明による光源装置を、光変調装置として反射型の液晶表示素子、またはデジタルマイクロミラーデバイスを用いたプロジェクターに搭載してもよい。
【0113】
上記実施形態では、本発明による発光装置をプロジェクターに搭載した例を示したが、これに限られない。本発明による発光装置は、照明器具や自動車のヘッドライト等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0114】
10,32,38…プロジェクター、12,30,40,43,45,47,49…発光装置、12R,30R…発光領域、13…光変調装置、17R…画像形成領域、23…共振部、23A…第1共振部、23B…第2共振部、23C…第3共振部、23D…第4共振部、23E…第5共振部、33…リレー光学系、39,39A,39B…導光体、41,74…中間基板(中間基材)、41A,41C…第1中間基板(第1中間基材)、41B,41D…第2中間基板(第2中間基材)、50…基板(基材)、50a…第1面、57…フォトニック結晶構造体、30R1…第1分割領域、30R2…第2分割領域、30R3…第3分割領域、30R4…第4分割領域、30R5…第5分割領域。
図1
図2
図3
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図5
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