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特許7596691情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/52 20220101AFI20241203BHJP
   G06F 16/53 20190101ALI20241203BHJP
   G06F 16/587 20190101ALI20241203BHJP
【FI】
H04L67/52
G06F16/53
G06F16/587
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020163458
(22)【出願日】2020-09-29
(65)【公開番号】P2022055812
(43)【公開日】2022-04-08
【審査請求日】2023-08-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】神中 葉月
(72)【発明者】
【氏名】千原 晋平
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-191339(JP,A)
【文献】特開2014-228952(JP,A)
【文献】特開2005-341369(JP,A)
【文献】特開2016-212622(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/52
G06F 16/53
G06F 16/587
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末から取得した撮影画像に映る電柱識別標識に基づいて、前記端末を用いて前記撮影画像を撮影した撮影者の、前記撮影画像を撮影した時点における位置と、前記撮影画像を撮影した時点において前記撮影者が向いている方向と、を特定する特定手段と、
特定された前記位置と前記方向とに基づいて、複数のコンテンツのうち、前記端末に配信するコンテンツを決定するコンテンツ決定手段と、を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記特定手段は、標識情報読み取り手段と、検索手段と、を有し、
前記標識情報読み取り手段は、前記撮影画像の前記電柱識別標識が映る領域から、前記電柱識別標識に記載された標識情報を読み取り、
前記検索手段は、前記標識情報と、位置情報及び方向情報とが関連付けられたデータベースから、読み取られた前記標識情報に対応する位置情報と方向情報とを検索し、検索がヒットした場合、読み取られた前記標識情報に対応する前記位置情報と前記方向情報とに応じて、前記撮影者の前記位置と前記方向とを特定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記標識情報読み取り手段は、前記端末が有する位置情報取得手段によって取得された前記端末の位置情報に基づいて、前記撮影画像の前記電柱識別標識が映る領域のうち、読み取りを行う領域を決定する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記標識情報読み取り手段は、前記端末から取得した音声情報を用いて、前記撮影画像に映る前記標識情報を特定し、
前記検索手段は、当該音声情報を用いて特定された前記標識情報に対応する位置情報と方向情報とを、前記データベースから検索する
請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特定手段が特定した前記位置と、前記端末が有する位置情報取得手段によって取得された前記端末の位置情報とに基づいて、前記撮影者が、前記位置にいるか否かを判定する判定部を備える、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記特定手段は、前記撮影画像に映る前記電柱識別標識の形に基づいて、前記撮影者の年齢を推定する、年齢推定手段を備え、
前記コンテンツ決定手段は、特定された前記位置及び前記方向と、推定された前記年齢とに基づいて、前記端末に配信するコンテンツを決定する、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記電柱識別標識に代わり、道路の案内標識または踏切の識別標識を用いる、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
端末から取得した撮影画像に映る電柱識別標識と、前記端末が有する位置情報取得手段によって取得された前記端末の位置情報と、に基づいて、前記端末を用いて前記撮影画像を撮影した撮影者の、前記撮影画像を撮影した時点における位置を特定する特定手段と、
特定された前記位置に基づいて、複数のコンテンツのうち、前記端末に配信するコンテンツを決定するコンテンツ決定手段と、を備える、
情報処理装置。
【請求項9】
端末から取得した撮影画像に映る電柱識別標識に基づいて、前記端末を用いて前記撮影画像を撮影した撮影者の、前記撮影画像を撮影した時点における位置と、前記撮影画像を撮影した時点において前記撮影者が向いている方向と、を特定し、
特定された前記位置と前記方向とに基づいて、複数のコンテンツのうち、前記端末に配信するコンテンツを決定する、
情報処理方法。
【請求項10】
端末から取得した撮影画像に映る電柱識別標識に基づいて、前記端末を用いて前記撮影画像を撮影した撮影者の、前記撮影画像を撮影した時点における位置と、前記撮影画像を撮影した時点において前記撮影者が向いている方向と、を特定する処理と、
特定された前記位置と前記方向とに基づいて、複数のコンテンツのうち、前記端末に配信するコンテンツを決定する処理と、をコンピュータに実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンテンツを配信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンやタブレット等の携帯端末を活用し、ユーザの位置情報に基づいてサービスを提供する技術が存在する。
【0003】
特許文献1には、携帯端末が有するGPS(Global Positioning System)を用いてユーザの位置情報を取得し、取得した位置情報と、予め設定されたユーザの情報とに基づいて、ユーザにコンテンツを配信する技術が開示されている。
【0004】
また、位置情報の取得に関連する文献として、特許文献2には、ユーザが所持する携帯端末から取得した画像情報を用いて、ユーザの所在地を特定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-241600号公報
【文献】特開2007-011607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術では、GPSのみを用いてユーザの位置情報を取得している。そのため、例えば、ユーザの周囲に高層ビル等の障害物がある場合、ユーザの位置情報を正確に特定できない恐れがある。そうすると、ユーザの位置情報に基づいたコンテンツを配信する場合に、ユーザに適したコンテンツを配信することができない恐れがある。
【0007】
特許文献2に記載の技術は、単にユーザの所在状況を特定するのみであり、所在状況に応じて、複数のコンテンツからユーザに提供するコンテンツを決定することは開示されていない。
【0008】
本開示は、上記課題を鑑みてなされたものであり、精度よくユーザに適したコンテンツを配信することが可能な技術を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様にかかる情報処理装置は、端末から取得した撮影画像に映る電柱識別標識に基づいて、前記端末を用いて前記撮影画像を撮影した撮影者の位置と、前記撮影者が向いている方向と、を特定する特定手段と、特定された前記位置と前記方向とに基づいて、複数のコンテンツのうち、前記端末に配信するコンテンツを決定するコンテンツ決定手段と、を備える。
【0010】
本開示の一態様にかかる情報処理装置は、端末から取得した撮影画像に映る電柱識別標識と、前記端末が有する位置情報取得手段によって取得された前記端末の位置情報と、に基づいて、前記端末を用いて前記撮影画像を撮影した撮影者の位置を特定する特定手段と、特定された前記位置に基づいて、複数のコンテンツのうち、前記端末に配信するコンテンツを決定するコンテンツ決定手段と、を備える。
【0011】
本開示の一態様にかかる情報処理方法は、端末から取得した撮影画像に映る電柱識別標識に基づいて、前記端末を用いて前記撮影画像を撮影した撮影者の位置と、前記撮影者が向いている方向と、を特定し、特定された前記位置と前記方向とに基づいて、複数のコンテンツのうち、前記端末に配信するコンテンツを決定する。
【0012】
本開示の一態様にかかるプログラムは、端末から取得した撮影画像に映る電柱識別標識に基づいて、前記端末を用いて前記撮影画像を撮影した撮影者の位置と、前記撮影者が向いている方向と、を特定する処理と、特定された前記位置と前記方向とに基づいて、複数のコンテンツのうち、前記端末に配信するコンテンツを決定する処理と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、精度よくユーザに適したコンテンツを配信することが可能になる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1の実施形態にかかるコンテンツ配信システムの構成の一例を模式的に示す図である。
図2】第1の実施形態にかかる情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態にかかる情報処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図4】第2の実施形態にかかるコンテンツ配信システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図5】第2の実施形態にかかる電柱識別標識の一例を示す図である。
図6】第2の実施形態にかかるコンテンツ配信システムの動作を説明するシーケンス図である。
図7】第2の実施形態にかかる標識の一例を示す図である。
図8】第2の実施形態にかかる標識の他の一例を示す図である。
図9】第3の実施形態にかかるコンテンツ配信システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図10】第4の実施形態にかかるコンテンツ配信システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図11】第5の実施形態にかかるコンテンツ配信システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
図12A】第5の実施形態にかかる撮影画像の一例を示す図である。
図12B】第5の実施形態にかかる撮影画像の一例を示す図である。
図13】第1、第2、第3、第4及び第5の実施形態における情報処理装置を実現するコンピュータ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本開示にかかる実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0016】
<第1の実施形態>
第1の実施形態にかかる情報処理装置について説明する。
【0017】
図1は、第1の実施形態にかかる情報処理装置100を含むコンテンツ配信システム1000の構成の一例を、模式的に示す図である。図1に示すように、コンテンツ配信システム1000は、情報処理装置100、及び配信装置200を含む。情報処理装置100は、配信装置200、及び端末300と、ネットワークを介して通信可能に接続される。
【0018】
端末300は、情報処理装置100及び配信装置200と、ネットワークを介して通信可能に接続される。端末300は、周囲を撮影する機能と、コンテンツを出力する機能とを有する。端末300は、例えば、携帯電話、スマートフォン、またはタブレットであるが、端末300は、この例に限らない。
【0019】
図1に示す状況では、ユーザが、端末300を用いて電柱に取り付けられている電柱識別標識(詳細は後述する)を撮影している。端末300により撮影された画像は、静止画像であってもよいし、動画像であってもよい。本明細書において、端末300により撮影された画像を、撮影画像と称する。また、本明細書において、端末300を用いて撮影を行ったユーザを撮影者とも称する。端末300は、撮影画像を情報処理装置100に送信する。
【0020】
情報処理装置100は、端末300から撮影画像を取得すると、撮影画像に基づいて取得される情報に応じて、端末300に配信するコンテンツを決定する。
【0021】
配信装置200は、情報処理装置100によって決定されたコンテンツを端末300に配信する。
【0022】
このように、第1の実施形態にかかるコンテンツ配信システム1000は、端末300から取得される撮影画像に応じて、端末300にコンテンツを配信するシステムである。
【0023】
なお、図1では、情報処理装置100及び配信装置200は、それぞれ独立した装置として示されているが、これに限定されない。例えば、情報処理装置100及び配信装置200は、一体の装置として実現可能である。また、情報処理装置100及び配信装置200は、それぞれオンプレミス環境で構築されてもよいし、クラウド環境で構築されてもよい。
【0024】
[情報処理装置100の詳細]
次に、情報処理装置100の詳細について説明する。図2は、第1の実施形態にかかる情報処理装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、情報処理装置100は、特定部110と、コンテンツ決定部120とを有する。
【0025】
特定部110は、端末300から取得した撮影画像に基づいて、撮影者の位置と、撮影者が向いている方向とを特定する。例えば、特定部110は、撮影画像に映る電柱識別標識に記載された文字を読み取る。ここで、電柱識別標識とは、電柱を識別するための情報が記載された標識である。また、電柱識別標識は、電柱に取り付けられている。電柱識別標識には、例えば、電柱が設置されている位置の地名を示す文字、及び電柱を識別する番号等が記載されている。本明細書において、このような、標識に記載されている情報を標識情報とも称する。
【0026】
特定部110は、例えば、電柱識別標識から標識情報を読み取り、読み取った標識情報に対応する位置情報と方向情報とを、標識データベースから検索する。標識データベースには、標識情報と、その標識情報に対応する位置情報及び方向情報とが対応付けられたデータが含まれる。ここで、方向情報とは、例えば、標識が面している方向に対して反対の方向である。すなわち、標識情報に対応する方向情報は、例えば、撮影者が、標識情報に対向するときの、撮影者が向いている方向に対応する。なお、標識データベースは、情報処理装置100が有する記憶装置(図示せず)に予め格納されていてもよいし、情報処理装置100と通信可能に接続された外部の記憶装置に格納されていてもよい。また、情報処理装置100は、通信可能に接続された外部のサーバ装置から、標識データベースを取得してもよい。特定部110は、例えば、読み取った標識情報に対応する位置情報と方向情報とを検索し、検索がヒットした場合に、読み取った標識情報に対応する位置情報と方向情報とが示す位置及び方向を、撮影者の位置と撮影者が向いている方向とする。
【0027】
このように、特定部110は、端末から取得した撮影画像に含まれる電柱識別標識に基づいて、端末を用いて撮影画像を撮影した撮影者の位置と、撮影者が向いている方向と、を特定する。特定部110は、特定手段の一例である。
【0028】
コンテンツ決定部120は、特定部110によって特定された位置と方向とに基づいて、複数のコンテンツのうち、端末300に配信するコンテンツを決定する。例えば、コンテンツ決定部120は、コンテンツデータベースから、特定された位置と方向とを示す情報に対応するコンテンツを選択する。ここで、コンテンツデータベースには、コンテンツを識別する情報(以下、コンテンツ識別情報とも称する)と、位置情報及び方向情報とが対応付けられたデータが複数含まれる。なお、コンテンツデータベースは、情報処理装置100が有する記憶装置(図示せず)に予め格納されていてもよいし、情報処理装置100と通信可能に接続された外部の記憶装置に格納されていてもよい。また、情報処理装置100は、通信可能に接続された外部のサーバ装置から、コンテンツデータベースを取得してもよい。そして、コンテンツ決定部120は、選択したコンテンツを端末300に配信するコンテンツとして決定する。
【0029】
次に、コンテンツ決定部120は、例えば、決定したコンテンツのコンテンツ識別情報を配信装置200に送信する。配信装置200は、情報処理装置100から受信した、コンテンツ識別情報に対応するコンテンツを端末300に配信する。配信装置200は、例えば、コンテンツの実データを示すコンテンツデータを端末300に送信することによってコンテンツを配信する。なお、コンテンツを配信する方法はこの例に限らない。例えば、端末300が有する記憶装置(図示せず)にコンテンツデータが格納されている場合、配信装置200は、コンテンツ識別情報を端末300に送信してもよい。そして、端末300は、受信したコンテンツ識別情報に対応するコンテンツを、端末300が有する記憶装置から読み出すことにより、コンテンツを出力してもよい。この場合、配信装置200に代わり、情報処理装置100のコンテンツ決定部120が、端末300にコンテンツ識別情報を送信してもよい。
【0030】
このように、コンテンツ決定部120は、特定された位置と方向とに基づいて、複数のコンテンツのうち、端末に配信するコンテンツを決定する。コンテンツ決定部120は、コンテンツ決定手段の一例である。
【0031】
[情報処理装置100の動作]
次に、情報処理装置100の動作を、図3を用いて説明する。図3は、情報処理装置100の動作を説明するフローチャートである。以下に説明する動作においては、情報処理装置100は、図1の状況において、端末300から撮影画像を取得しているものとする。なお、本明細書において、フローチャートまたはシーケンス図の各ステップを「S101」のように、それぞれのステップに付した番号を用いて表現する。
【0032】
特定部110は、端末300から取得した撮影画像に含まれる電柱識別標識に基づいて、撮影者の位置と撮影者が向いている方向とを特定する(S101)。
【0033】
コンテンツ決定部120は、特定された位置と方向とに基づいて、端末に配信するコンテンツを決定する(S102)。コンテンツ決定部120は、例えば、決定したコンテンツを示すコンテンツ識別情報を、配信装置200に送信する。
【0034】
そして、配信装置200が、コンテンツ識別情報に対応するコンテンツデータを端末300に送信することにより、端末300にコンテンツが配信される。
【0035】
以上のように、第1の実施形態にかかる情報処理装置100は、端末から取得した撮影画像に映る電柱識別標識に基づいて、端末を用いて撮影画像を撮影した撮影者の位置と、撮影者が向いている方向と、を特定する。そして、情報処理装置100は、特定された位置と方向とに基づいて、複数のコンテンツのうち、端末に配信するコンテンツを決定する。例えば、ユーザの位置に応じて端末から出力される音声が決定され、ユーザの向いている方向によって音量が変わる、といったコンテンツが配信される場合がある。また、例えば、ユーザの位置に応じて端末が出力する画像に含まれる物体が決定され、ユーザの向いている方向によってその物体の見え方が変わる、といったコンテンツが配信される場合がある。第1の実施形態にかかる情報処理装置100は、上記構成を備えることにより、このような、ユーザの位置やユーザの向いている方向といった、ユーザの所在状況に基づいてコンテンツを配信する際に、ユーザの所在状況を正確に特定することができる。そのため、第1の実施形態にかかる情報処理装置100は、精度よくユーザに適したコンテンツを配信することが可能になる、という効果が得られる。
【0036】
なお、本実施形態において、端末300によって電柱識別標識が撮影される例について説明したが、撮影される対象は電柱識別標識に限らない。例えば、電柱識別標識に代わり、道路に設置されている案内標識、または、踏切の識別標識など、設置されている場所が一意に定まる既設の標識を、撮影される対象としてもよい。この場合、情報処理装置100は、撮影画像に映る当該標識に基づいて、ユーザの位置やユーザの向いている方向を特定する。
【0037】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態にかかる情報処理装置を含むコンテンツ配信システムについて説明する。
【0038】
図4は、第2の実施形態にかかるコンテンツ配信システム1001の構成の一例を示すブロック図である。図4に示す通り、コンテンツ配信システム1001は、第1の実施形態における情報処理装置100に代わり、情報処理装置101を備え、それ以外については、第1の実施形態で説明したコンテンツ配信システム1000と同様である。すなわち、コンテンツ配信システム1001は、情報処理装置101と配信装置200とを備える。なお、図4に示すコンテンツ配信システム1001の構成及び動作が、第1の実施形態の説明と重複する内容については、説明を省略する。
【0039】
[情報処理装置101の詳細]
図4に示すように、情報処理装置101は、特定部110と、コンテンツ決定部120と通信部130とを備える。
【0040】
通信部130は、配信装置200及び端末300と、データの送受信を行う。
【0041】
特定部110は、標識情報読み取り部111と検索部112とを有する。標識情報読み取り部111は、通信部130を介して端末300から取得した撮影画像に映る標識の領域から、標識情報を読み取る。標識情報とは、標識に記載された文字列または記号列を示し、標識ごとに一意に定められた情報である。図5は、電柱識別標識の一例を示す図である。電柱識別標識は、本明細書における標識の一例である。図5の例では、標識名として地名である「川崎市」が記載され、電柱番号として「0001」が記載されている。このような標識名と電柱番号の組み合わせは一意に定められる。図5の例では、標識情報は、標識名と電柱番号とを示す。なお、電柱識別標識の記載例は図6の例に限らない。例えば、標識名に数字または記号が用いられたものであってもよいし、電柱番号に数字でない文字または記号が用いられたものであってもよい。また、図5の標識名及び電柱番号のように、文字列が区切られていない所定の文字列が用いられたものであってもよい。
【0042】
標識情報読み取り部111は、例えば、撮影画像から、電柱識別標識の標識名と電柱番号が映る領域を認識し、標識名と電柱番号とを標識情報として読み取る。標識情報読み取り部111は、例えば、OCR(Optical Character Reader)技術を用いて、撮影画像から標識の文字領域を認識し、文字領域から一文字ごとに文字を読み取る。なお、標識情報読み取り部111は、OCR技術に限らず、他の技術を用いて標識情報を読み取ってもよい。例えば、標識情報読み取り部111は、公知の機械学習技術を利用することにより標識情報を読み取ることが可能である。公知の機械学習技術とは、例えば、SVM(Support Vector Machine)、ニューラルネットワーク、ランダムフォレスト等である。さらに、標識情報読み取り部111は、標識情報を読み取る際に、深層学習技術を利用してもよい。
【0043】
なお、標識情報を読み取ることができなかった場合、標識情報読み取り部111は、読み取りにエラーが発生したことをコンテンツ決定部120に通知してもよい。
【0044】
このように、標識情報読み取り部111は、撮影画像の電柱識別標識が映る領域から、電柱識別標識に記載された標識情報を読み取る。標識情報読み取り部111は、標識情報読み取り手段の一例である。
【0045】
検索部112は、標識情報読み取り部111によって読み取られた標識情報に基づいて、ユーザの所在状況を特定する。例えば、検索部112は、読み取られた標識情報に対応する位置情報及び方向情報を、標識データベースから検索する。検索部112は、標識データベースは、標識情報と、標識情報に対応する位置情報及び方向情報とが関連付けられたデータを含む。例えば、図5の例のような電柱識別標識であれば、標識データベースには、標識名と電柱番号との組み合わせに対して、その標識が取り付けられた電柱の位置を示す位置情報と、その標識が面している方向を示す方向情報とが関連付けられている。検索部112は、例えば、読み取られた標識情報をキーとして、標識データベースを検索する。検索がヒットした場合、検索がヒットした標識情報に関連付けられた位置情報と方向情報とに応じて、ユーザの位置とユーザの向いている方向とを特定する。なお、検索がヒットしない場合は、検索部112は、ユーザの位置とユーザの向いている方向とを特定しなくてもよい。
【0046】
このように、検索部112は、標識情報と、位置情報及び方向情報とが関連付けられたデータベースから、読み取られた標識情報に対応する位置情報と方向情報とを検索し、検索がヒットした場合、読み取られた標識情報に対応する前記位置情報と前記方向情報とに応じて、撮影者の位置と方向とを特定する。検索部112は、検索手段の一例である。
【0047】
ここで、標識データベースは、第1の実施形態で説明した標識データベースと同様である。なお、標識名と電柱番号の組み合わせと位置情報とが関連付けられた情報は、例えば、電柱を管理する電力会社または通信会社が提供している。また、電柱において、電柱識別標識が取り付けられる箇所は、例えば、道路に面している箇所など、電力会社または通信会社の従業員が確認しやすい箇所であることが多い。そのため、例えば、電柱の位置を示す位置情報と、地図データから、標識が面している方向は算出されることが可能である。このような、標識が面している方向及びその反対方向の算出、並びに標識データベースの作成は、情報処理装置101によって行われてもよい。標識データベースは、情報処理装置101が有する記憶装置(図示せず)に予め格納されていてもよいし、情報処理装置101と通信可能に接続された外部の記憶装置に格納されていてもよい。また、情報処理装置101は、通信可能に接続された外部のサーバ装置から、標識データベースを取得してもよい。
【0048】
コンテンツ決定部120は、特定部110によって特定された位置と方向とに基づいて、端末300に配信するコンテンツを決定する。例えば、コンテンツ決定部120は、コンテンツデータベースから、特定された位置と方向とを示す情報に対応するコンテンツを選択する。これにより、ユーザの位置とユーザの向いている方向とに応じたコンテンツを選択することができる。コンテンツデータベースは、第1の実施形態で説明したコンテンツデータベースと同様である。コンテンツデータベースは、情報処理装置101が有する記憶装置(図示せず)に予め格納されていてもよいし、情報処理装置101と通信可能に接続された外部の記憶装置に格納されていてもよい。また、情報処理装置101は、通信可能に接続された外部のサーバ装置から、コンテンツデータベースを取得してもよい。
【0049】
そして、コンテンツ決定部120は、決定したコンテンツのコンテンツ識別情報を、通信部130を介して配信装置200に送信する。
【0050】
なお、コンテンツ決定部120は、特定部110において、ユーザの位置とユーザの向いている方向とが特定されなかった場合(すなわち、検索部112において検索がヒットしなかった場合)、コンテンツ決定部120は、特定されなかったことを示す情報を、通信部130を介して配信装置200に送信してもよい。また、標識情報読み取り部111から、読み取りにエラーが発生したことを示す通知を受け取った場合、コンテンツ決定部120は、読み取りにエラーが発生したことを示す情報を、通信部130を介して配信装置200に送信してもよい。
【0051】
[配信装置200の詳細]
配信装置200は、通信部210と、配信部220とを備える。
【0052】
通信部210は、情報処理装置101及び端末300と、データの送受信を行う。
【0053】
配信部220は、端末300にコンテンツの配信を行う。例えば、配信部220は、情報処理装置101から、通信部210を介してコンテンツ識別情報を受信する。そして、配信部220は、コンテンツ識別情報に対応するコンテンツデータを端末300に送信する。
【0054】
情報処理装置101から、ユーザの位置とユーザの向いている方向とが特定されなかったことを示す情報、または読み取りにエラーが発生したことを示す情報を受信した場合、それぞれの情報に応じたコンテンツデータを送信してもよい。例えば、ユーザの位置とユーザの向いている方向とが特定されなかった場合、配信部220は、撮影された標識が異なっていることを示すコンテンツのコンテンツデータを端末300に送信してもよい。また、配信部220は、読み取りにエラーが発生したことを示す情報を受信した場合、標識が大きく映るように撮影する指示を示すコンテンツのコンテンツデータを端末300に送信してもよい。
【0055】
[端末300の詳細]
端末300は、通信部310と、撮影部320と、出力部330とを備える。
【0056】
通信部310は、情報処理装置101及び配信装置200と、データの送受信を行う。
【0057】
撮影部320は、所定の範囲を撮影し、撮影画像を生成する。撮影部320は、例えば、ユーザの操作に応じて撮影を行う。撮影画像には、撮影画像が生成された時刻(すなわち、撮影時刻)を示す情報が含まれてもよい。撮影部320は、撮影画像を、通信部310を介して情報処理装置101に送信する。
【0058】
出力部330は、配信装置200から、通信部310を介してコンテンツデータを取得する。そして、出力部330は、取得したコンテンツデータに基づいてコンテンツを出力する。出力部330は、コンテンツが、映像を含むコンテンツの場合、端末が有するディスプレイを用いて映像を出力し、コンテンツが、音声を含むコンテンツの場合、端末が有するスピーカーを用いて音声を出力する。
【0059】
なお、端末300が有する記憶装置(図示せず)にコンテンツデータが格納されている場合、出力部330は、配信装置200または情報処理装置101から、通信部310を介して取得したコンテンツ識別情報に応じてコンテンツを出力してもよい。
【0060】
[コンテンツ配信システム1001の動作]
次に、コンテンツ配信システム1001の動作を、図6を用いて説明する。以下に説明する動作においては、端末300のユーザは、電柱識別標識を撮影するものとする。図6は、コンテンツ配信システム1001の動作を説明するシーケンス図である。
【0061】
端末300の撮影部320は、電柱識別標識を撮影する(S201)。そして、撮影部320は、通信部310を介して、撮影画像を情報処理装置101に送信する。
【0062】
情報処理装置101の標識情報読み取り部111は、端末300から受信した撮影画像に映る電柱識別標識の領域から標識情報を読み取る(S203)。検索部112は、読み取られた標識情報をキーとして、標識データベースに対して検索を行う(S204)。そして、検索部112は、検索がヒットした場合に、読み取られた標識情報に対応する位置情報と方向情報とに基づいて、撮影者の位置と方向とを特定する(S205)。コンテンツ決定部120は、特定された位置と方向とに基づいて、端末300に配信するコンテンツを決定する(S206)。コンテンツ決定部120は、決定したコンテンツを示すコンテンツ識別情報を配信装置200に送信する(S207)。
【0063】
配信装置200の配信部220は、通信部210を介して情報処理装置101から受信したコンテンツ識別情報に応じて、コンテンツを端末300に配信する(S208)。より具体的には、配信部220は、コンテンツ識別情報に対応するコンテンツのコンテンツデータを端末300に送信する。
【0064】
端末300の出力部330は、通信部310を介して取得したコンテンツデータに基づいて、コンテンツを出力する(S209)。
【0065】
以上のように、第2の実施形態にかかる情報処理装置101は、端末から取得した撮影画像に映る電柱識別標識に基づいて、端末を用いて撮影画像を撮影した撮影者の位置と、撮影者が向いている方向と、を特定する。そして、情報処理装置100は、特定された位置と方向とに基づいて、複数のコンテンツのうち、端末に配信するコンテンツを決定する。この構成により、第2の実施形態にかかる情報処理装置101は、第1の実施形態にかかる情報処理装置100と同様に、例えば、ユーザの位置やユーザの向いている方向といった、ユーザの所在状況に基づいてコンテンツを配信する際に、ユーザの所在状況を正確に特定することができる。そのため、第2の実施形態にかかる情報処理装置100は、精度よくユーザに適したコンテンツを配信することが可能になる、という効果が得られる。
【0066】
また、情報処理装置101は、ユーザの位置の特定のために、ユーザが所持する端末が有するGPSから得られる情報を使用する必要はない。そのため、情報処理装置101は、ユーザの周囲に、高層ビル等の障害物がある場合でも、正確にユーザの位置を特定することができる。ここで、GPSによる位置情報の取得ができない場合に対応するために、例えば、位置情報を示すQR(Quick Response)コードのようなマーカーを設置し、ユーザに端末を用いてマーカーを読み取らせることにより、ユーザの位置を特定することが考えられる。しかしながら、このような場合、マーカーを設置するためのコストや、設置したマーカーをメンテナンスするためのコストがかかってしまう。これに対して、第2の実施形態にかかるコンテンツ配信システム1001では、ユーザの位置を特定するために、既設の標識を用いているので、位置情報を示すようなマーカーを改めて設置する必要がない。また、電柱識別標識のような既設の標識は、その標識の管理を行う電力会社や通信会社によってメンテナンスされる。そのため、第2の実施形態にかかるコンテンツ配信システム1001において、標識をメンテナンスするためのコストも抑えることができる。
【0067】
[変形例1]
第2の実施形態において、ユーザの所在状況を特定するために、電柱識別標識を用いることを主に説明したが、電柱識別標識と異なる標識を用いてもよい。例えば、道路に設置されている案内標識が用いられてもよい。図7は、道路の案内標識の一例を示す図である。この場合、例えば、ユーザは、端末300を用いて、案内標識を撮影する。情報処理装置101は、端末から、案内標識が映る撮影画像を取得する。
【0068】
特定部110の標識情報読み取り部111は、案内標識に記載された文字を読み取る。例えば、図7に示す案内標識が撮影画像に映っているとすると、標識情報読み取り部111は、「川崎 12km」、及び「東神奈川 5.3km」という文字を、標識情報として読み取る。検索部112は、読み取られた標識情報をキーとして標識データベースを検索する。このとき、標識データベースには、案内標識に記載された文字を示す標識情報と、位置情報及び方向情報とが関連付けられたデータが含まれる。
【0069】
また、本開示において用いられる標識は、踏切に設置された識別標識であってもよい。図8は、踏切の識別標識の一例を示す図である。この場合、例えば、ユーザは、端末300を用いて、識別標識を撮影する。情報処理装置101は、端末から、識別標識が映る撮影画像を取得する。
【0070】
特定部110の標識情報読み取り部111は、識別標識に記載された文字を読み取る。例えば、図8に示す識別標識が撮影画像に映っているとすると、標識情報読み取り部111は、「川崎第1踏切」という文字を、標識情報として読み取る。検索部112は、読み取られた標識情報をキーとして標識データベースを検索する。このとき、標識データベースには、識別標識に記載された文字を示す標識情報と、位置情報及び方向情報とが関連付けられたデータが含まれる。
【0071】
なお、上述した標識は一例であり、本開示において用いられる標識は、電柱識別標識、道路の案内標識、及び踏切の識別標識に限られない。
【0072】
[変形例2]
第2の実施形態において、特定部110が、撮影画像に映る標識の領域から、記載されている文字を標識情報として読み取り、読み取った標識情報に基づいてユーザの位置とユーザの向いている方向とを特定する例について説明した。ユーザの位置とユーザの向いている方向とを特定する例は、この例に限らない。
【0073】
例えば、情報処理装置101は、予め、標識の画像の特徴量と、標識を識別する情報とが関連付けられた特徴量データベースを保持しているとする。このとき、特定部110は、撮影画像に対して、標識が映る領域の特徴量を抽出し、その特徴量と合致する標識を、特徴量データベースを用いて特定してもよい。このとき、特定部110は、特定した標識を識別する情報を標識情報として、該標識情報をキーに、標識データベース検索してもよい。この場合、標識データベースには、標識を識別する情報を標識情報として、標識情報と位置情報及び方向情報とが関連付けられているデータが含まれる。
【0074】
なお、変形例2において、特定部110は標識情報読み取り部111を備えていなくてもよい。
【0075】
[変形例3]
さらに、ユーザの位置とユーザの向いている方向とを特定する例は、上述の例に限らない。
【0076】
端末300は、ユーザの音声を取得してもよい。例えば、ユーザが端末300に向かって標識情報を示す言葉を発声すると、端末300は、端末300が有するマイク(図示せず)を介して、ユーザが発声した情報(音声情報とも称する)を取得する。そして、通信部310は、S202の処理時に、音声情報を情報処理装置101に送信する。
【0077】
特定部110は、通信部130を介して、端末300から音声情報を取得する。特定部110は、音声情報を用いて音声認識を行い、音声をテキスト化する。そして、特定部110は、テキスト化された情報を、標識に記載された標識情報として特定する。このような、音声情報を用いて標識に記載された標識情報を特定する処理は、標識情報読み取り部111によって行われてもよい。
【0078】
そして、特定部110は、音声情報に基づいて特定された標識情報をキーに、標識データベース検索することによって、ユーザの位置とユーザの向いている方向とを特定する。なお、音声情報に基づいて特定された標識情報をキーに、標識データベース検索する処理は、検索部112によって行われてもよい。
【0079】
なお、特定部110は、公知の技術を用いて音声認識を行うことができる。例えば、特定部110は、機械学習や深層学習等によって作成された音声認識辞書を用いて、音声情報を解析することにより、音声認識を行うことができる。
【0080】
このように、変形例3にかかる情報処理装置101は、端末300から取得した音声情報に基づいて、標識情報を特定し、特定された当該標識情報に基づいて、ユーザの位置とユーザが向いている方向とを特定する。
【0081】
標識に記載されている文字は、手書きであったり、経年変化により欠損があったりする場合がある。このとき、撮影画像から標識情報を読み取る処理において、文字の読み取りに失敗する場合がある。例えば、標識情報読み取り部111が、S203の処理において、標識情報の読み取りに失敗したとする。これに対して、変形例3にかかる情報処理装置101は、例えば、S203の処理の次に、音声情報を用いて標識に記載された標識情報を特定する。そして、S204及びS205の処理に代わり、情報処理装置101は、音声情報に基づいて特定された標識情報をキーに、標識データベース検索し、ユーザの位置と方向とを特定する。このように、変形例3にかかる情報処理装置101は、音声情報を用いて標識情報を特定することができるので、文字の読み取りに失敗した場合であっても、ユーザの所在状況を特定することができる。
【0082】
[変形例4]
第2の実施形態において、標識データベースに、標識情報と、位置情報および方向情報とが関連付けられたデータを含む例について説明したが、標識データベースには、位置情報及び方向情報のいずれかと、標識情報とが関連付けられているデータが含まれてもよい。この場合、特定部110は、撮影者の位置または撮影者の向いている方向のいずれかを特定する。そしてコンテンツ決定部120は、特定された撮影者の位置または撮影者の向いている方向のいずれかを示す情報に基づいて、端末300に配信するコンテンツを決定する。このとき、コンテンツデータベースには、コンテンツ識別情報と、位置情報及び方向情報のいずれかと、が関連付けられたデータを含んでもよい。
【0083】
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態にかかる情報処理装置を含むコンテンツ配信システムについて説明する。
【0084】
図9は、第3の実施形態にかかるコンテンツ配信システム1002の構成の一例を示すブロック図である。図9に示す通り、コンテンツ配信システム1002は、第2の実施形態における情報処理装置101に代わり、情報処理装置102を備え、それ以外については、第1及び第2の実施形態で説明したコンテンツ配信システム1000、1001と同様である。すなわち、コンテンツ配信システム1002は、情報処理装置102と配信装置200とを備える。また、図9においては、図4における端末300に代わり、端末301が記載されている。なお、図9に示すコンテンツ配信システム1002の構成及び動作が、第1及び第2の実施形態の説明と重複する内容については、説明を省略する。
【0085】
図9に示すように、端末301は、端末300の構成に加え、位置情報取得部340をさらに備える。位置情報取得部340は、端末301の位置を示す位置情報を取得する。例えば、位置情報取得部340は、端末301が搭載する測位信号受信装置によって、位置情報を取得してもよい。具体的には、例えば、GPS衛星等のGNSS(Global Navigation Satellite System)の測位衛星から送信された信号を受信し、受信した信号に基づいて自機の位置を示す位置情報を取得するように構成されていてもよい。位置情報取得部340は、取得した位置情報を、撮影部320が撮影した撮影画像とともに、通信部310を介して情報処理装置102に送信する。位置情報取得部340は、位置情報取得手段の一例である。
【0086】
[情報処理装置102の詳細]
図9に示すように、情報処理装置102は、情報処理装置101の構成における特定部110に代わり、特定部140を備える。特定部140は、標識情報読み取り部141及び検索部142を備える。標識情報読み取り部141、及び、検索部142は、それぞれ、標識情報読み取り部111、及び、検索部112の機能に加え以下の機能を有する。
【0087】
標識情報読み取り部141は、通信部130を介して、端末301から、撮影画像と、位置情報とを取得する。ここで、図5のような電柱識別標識の場合、標識内において、地名を示す標識名と、電柱番号とが記載されている場所は予め定まっている場合が多い。このとき、取得した位置情報に標識名に示される地名の情報が含まれている場合、標識情報読み取り部141は、改めて標識名を読み取る必要はない。このような場合に、標識情報読み取り部141は、例えば、図6に示すシーケンス図の、S203の処理において、標識名が記載されている領域に対しては、文字の読み取りを行わず、電柱番号が記載されている領域のみ文字の読み取りを行うように制御してもよい。また、図5のような電柱番号は、階層構造をもつ場合がある。階層構造とは、例えば、電柱番号が4桁であれば前半2桁が町名に対応し、後半2桁が街区番号に対応する等、文字の位置及び個数に応じて住所が定まっている構造を示す。このような場合、取得した位置情報に町名の情報が含まれているとすると、標識情報読み取り部141は、電柱番号が記載されている領域の一部のみ文字の読み取りを行うように制御してもよい。具体的には、標識情報読み取り部141は、S203の処理において、電柱番号が記載されている領域に対して、前半2桁が記載されている領域の文字の読み取りを行わず、後半2桁が記載されている領域のみ文字の読み取りを行うように制御してもよい。そして、検索部142は、端末301から取得した位置情報と、読み取られた電柱番号とを標識情報とし、当該標識情報をキーとして、標識データベースを検索してもよい。
【0088】
すなわち、第3の実施形態にかかる情報処理装置102は、端末が有する位置情報取得部によって取得された端末の位置情報に基づいて、撮影画像の電柱識別標識が映る領域のうち、読み取りを行う領域を決定する。これにより、情報処理装置102は、例えば、撮影画像のうち、文字を読み取る領域を少なくすることができるので、文字の読み取りにかかる処理時間を削減することができる。さらに、情報処理装置102は、読み取りを行う範囲を少なくすることができるので、読み取りエラーの発生を抑え、文字を読み取る精度を向上させることができる。
【0089】
また、検索部142は、標識情報を用いて標識データベースを検索する際に、端末301から取得した位置情報に応じて、標識データベースに含まれるデータのうち検索範囲を絞ってもよい。例えば、検索部142は、図6に示すシーケンス図のS204において、端末301から取得した位置情報が示す市町村に存在する標識の標識情報のみを検索範囲としてもよい。
【0090】
すなわち、第3の実施形態にかかる情報処理装置102は、端末が有する位置情報取得部によって取得された端末の位置情報に基づいて、データベースに対する検索を行う範囲を決定することができる。これにより、情報処理装置102は、検索範囲を絞り込むことができるので、検索にかかる処理時間を削減することができる。
【0091】
以上のように、第3の実施形態にかかる情報処理装置102は、端末から取得した撮影画像に映る電柱識別標識と、端末が有する位置情報取得手段によって取得された端末の位置情報と、に基づいて、前記端末を用いて前記撮影画像を撮影した撮影者の位置を特定する。そして、情報処理装置102は、特定された前記位置に基づいて、複数のコンテンツのうち、前記端末に配信するコンテンツを決定する。これにより、第3の実施形態にかかる情報処理装置102は、処理時間の増加を抑制し、精度よくユーザに適したコンテンツを配信することができる。
【0092】
[変形例5]
第3の実施形態において、位置情報取得部340が、端末301の位置情報を、GNSS測位衛星から送信された信号に基づいて取得する例について説明した。位置情報取得部340が、端末301の位置情報を取得する例は、この例に限らない。
【0093】
端末301は、ユーザの音声を取得してもよい。例えば、ユーザが端末301に向かって撮影時の位置を示す言葉を発声すると、端末301は、端末301が有するマイク(図示せず)を介して、ユーザが発声した情報(音声情報)を取得する。そして、通信部310は、S202の処理時に、撮影画像とともに音声情報を情報処理装置102に送信する。
【0094】
特定部140は、通信部130を介して、端末301から、撮影画像と、音声情報とを取得する。特定部140は、音声情報を用いて音声認識を行い、音声をテキスト化する。そして、特定部140は、テキスト化された情報からユーザの位置を特定する。例えば、ユーザが「川崎市」と発声していた場合は、特定部140は、ユーザの位置が川崎市であると特定する。
【0095】
標識情報読み取り部111は、音声情報から特定されたユーザの位置に基づいて、撮影画像のうち、読み取りを行う領域を決定する。例えば、図5のような電柱識別標識の場合、標識情報読み取り部141は、S203の処理において、標識名が記載されている領域に対しては、文字の読み取りを行わず、電柱番号が記載されている領域のみ文字の読み取りを行うように制御してもよい。また、取得した音声情報に町名等の情報が含まれている場合(ユーザが町名等も発声していた場合)、標識情報読み取り部141は、電柱番号が記載されている領域の一部のみ文字の読み取りを行ってもよい。そして、標識情報読み取り部111は、音声情報からテキスト化された情報と、読み取られた文字の情報とに基づいて、撮影画像に映る標識の標識情報を特定する。なお、取得した音声情報に標識情報のすべてが含まれている場合(ユーザが標識に記載されている文字をすべて発声した場合)、標識情報読み取り部141は、文字の読み取りを行わなくてもよい。この場合、音声情報からテキスト化された情報に基づいて、標識情報が特定される。このように、標識情報読み取り部111は、端末301から取得した音声情報を用いて、撮影画像に映る標識の標識情報を特定する。
【0096】
なお、特定部140は、公知の技術を用いて音声認識を行うことができる。例えば、特定部140は、機械学習や深層学習等によって作成された音声認識辞書を用いて、音声情報を解析することにより、音声認識を行うことができる。
【0097】
そして、検索部142は、音声情報を用いて特定された標識情報をキーとして標識データベースを検索する。なお、検索部142は、標識情報を用いて標識データベースを検索する際に、音声情報から特定されたユーザの位置情報に応じて、標識データベースに含まれるデータのうち検索範囲を絞ってもよい。例えば、検索部142は、図6に示すシーケンス図のS204において、端末301から取得した位置情報が示す市町村に存在する標識の標識情報のみを検索範囲としてもよい。
【0098】
このように、変形例5にかかる情報処理装置102は、端末から取得した音声情報を用いて、撮影画像に映る標識情報を特定する。より具体的には、情報処理装置102は、音声情報に基づいて、撮影画像の電柱識別標識が映る領域のうち、読み取りを行う領域を決定し、音声情報と読み取られた文字の情報とから標識情報を特定する。これにより、変形例5にかかる情報処理装置102は、第3の実施形態にかかる情報処理装置102と同様に、処理時間の増加を抑制し、精度よくユーザに適したコンテンツを配信することができる。
【0099】
<第4の実施形態>
次に、第4の実施形態にかかる情報処理装置を含むコンテンツ配信システムについて説明する。
【0100】
図10は、第4の実施形態にかかるコンテンツ配信システム1003の構成の一例を示すブロック図である。図10に示す通り、コンテンツ配信システム1003は、第3の実施形態における情報処理装置102に代わり、情報処理装置103を備え、それ以外については、第3の実施形態で説明したコンテンツ配信システム1002と同様である。すなわち、コンテンツ配信システム1003は、情報処理装置103と配信装置200とを備える。なお、図10に示すコンテンツ配信システム1003の構成及び動作が、第1から第3の実施形態の説明と重複する内容については、説明を省略する。
【0101】
[情報処理装置103の詳細]
図10に示すように、情報処理装置103は、情報処理装置102の構成におけるコンテンツ決定部120に代わり、コンテンツ決定部121を備える。また、情報処理装置103は、さらに判定部150を備える。すなわち、情報処理装置103は、通信部130と、特定部140と、コンテンツ決定部121と、判定部150とを備える。なお、コンテンツ決定部121は、コンテンツ決定部120の機能に加え、以下に説明する機能を有する。
【0102】
判定部150は、撮影画像から特定された位置に、ユーザがいるか否かを判定する。例えば、判定部150は、図6のシーケンス図において、S205の処理の後に、端末から取得された位置情報と、特定部140によって特定された位置情報とを比較する。判定部150は、比較の結果、端末から取得された位置情報と、特定部140によって特定された位置情報と、の距離が所定の閾値以上の場合、ユーザが、撮影画像から特定された位置にいないと判定する。このとき、判定部150は、ユーザが、撮影画像から特定された位置にいないことを示す情報をコンテンツ決定部121に通知する。
【0103】
判定部150は、比較の結果、端末から取得された位置情報と、特定部140によって特定された位置情報と、の距離が所定の閾値未満の場合、ユーザが、撮影画像から特定された位置にいると判定する。このとき、判定部150は、ユーザが、撮影画像から特定された位置にいることを示す情報をコンテンツ決定部121に通知する。
【0104】
このように、判定部150は、特定部が特定した位置と、端末が有する位置情報取得部によって取得された端末の位置情報とに基づいて、撮影者が、当該位置にいるか否かを判定する。判定部150は、判定手段の一例である。
【0105】
コンテンツ決定部121は、ユーザが、撮影画像から特定された位置にいないと判定された場合、図6のシーケンス図におけるS206の処理に代わり、撮影画像から特定された位置に関わらず、特定のコンテンツを、端末301に配信するコンテンツとして決定する。特定のコンテンツとは、例えば、撮影画像から特定された所在状況に対応するコンテンツを配信することができない旨を示すコンテンツである。そして、コンテンツ決定部121は、特定のコンテンツのコンテンツ識別情報を配信装置200に送信する。
【0106】
ユーザが、撮影画像から特定された位置にいると判定された場合、図6のシーケンス図におけるS206の処理を行う。
【0107】
以上のように、第4の実施形態にかかる情報処理装置103は、特定部が特定した位置と、端末が有する位置情報取得部によって取得された端末の位置情報とに基づいて、撮影者が、当該位置にいるか否かを判定する。本開示におけるコンテンツ配信システムにおいて、ユーザが、撮影を行わず、他の手段によって取得した画像を用いてコンテンツを取得しようとする場合がある。第4の実施形態にかかる情報処理装置103は、上記構成を備えるため、このようなユーザの不正を防ぐことができる。
【0108】
<第5の実施形態>
次に、第5の実施形態にかかる情報処理装置を含むコンテンツ配信システムについて説明する。
【0109】
図11は、第5の実施形態にかかるコンテンツ配信システム1004の構成の一例を示すブロック図である。図11に示す通り、コンテンツ配信システム1004は、第4の実施形態における情報処理装置103に代わり、情報処理装置104を備え、それ以外については、第4の実施形態で説明したコンテンツ配信システム1003と同様である。すなわち、コンテンツ配信システム1004は、情報処理装置104と配信装置200とを備える。なお、図11に示すコンテンツ配信システム1004の構成及び動作が、第1から第4の実施形態の説明と重複する内容については、説明を省略する。
【0110】
なお、図11において、第4の実施形態において説明した判定部150が記載されていないが、情報処理装置104が判定部150を備えるように構成することは可能である。
【0111】
[情報処理装置104の詳細]
図11に示すように、情報処理装置104は、通信部130と、特定部160と、コンテンツ決定部122とを備える。なお、コンテンツ決定部122は、コンテンツ決定部120、121の機能に加え、以下に説明する機能を有する。
【0112】
特定部160は、標識情報読み取り部141、検索部142、及び年齢推定部161を備える。年齢推定部161は、撮影画像に映る標識の領域に基づいて、撮影者の年齢を推定する。ここで、撮影画像から年齢を推定する方法について説明する。
【0113】
図12A及び図12Bは、撮影画像の一例である。図12A及び図12Bは、ともに電柱識別標識が撮影された画像である。図12Aの撮影画像では、電柱識別標識が、長方形に映っている。電柱識別標識が長方形であるとすると、図12Aの撮影画像は、電柱識別標識のほぼ正面から撮影されていることがわかる。一方で、図12Bの撮影画像では、電柱識別標識や電柱が、上底より下底が長い台形に映っている。さらに、図12Bの撮影画像に映る電柱識別標識は、図12Aの撮影画像に映る電柱識別標識よりも小さい。つまり、図12Bの撮影画像では、電柱識別標識の下から撮影が行われていることがわかる。このように、標識を撮影する角度や距離によって、撮影画像に映る標識の形が変わる。すなわち、撮影画像に映る標識の形によって、撮影者が撮影を行った高さを大まかに推測することができ、さらに、撮影者の身長を大まかに推測することが可能となる。年齢推定部161は、このような推測された高さの情報に基づいて、大まかな撮影者の年齢を推定する。例えば、年齢推定部161は、撮影者が大人であるか子供であるか推定する。
【0114】
このように、年齢推定部161は、撮影画像に映る電柱識別標識の形に基づいて、撮影者の年齢を推定する。年齢推定部161は、年齢推定手段の一例である。
【0115】
年齢推定部161は、上述した処理を、例えば、図6のシーケンス図におけるS203乃至S205の処理の間のいずれかのタイミングで行う。
【0116】
コンテンツ決定部122は、例えば、図6のシーケンス図のS206の処理に代わり、撮影画像から特定されたユーザの位置と、ユーザの向いている方向と、推定された年齢とに基づいて、端末301に配信するコンテンツを決定する。このとき、コンテンツデータベースには、コンテンツ識別情報に、位置情報と方向情報と年齢とが関連付けられたデータが格納されている。
【0117】
以上のように、第5の実施形態にかかる情報処理装置104は、撮影画像に映る電柱識別標識の形に基づいて、撮影者の年齢を推定し、特定された位置及び方向と、推定された年齢とに基づいて、端末に配信するコンテンツを決定する。この構成により、第5の実施形態にかかる情報処理装置104は、ユーザの位置やユーザの向いている方向だけでなく、ユーザの年齢にも応じたコンテンツを、撮影画像から得られる情報を用いて、決定することができる。すなわち、第5の実施形態にかかる情報処理装置104は、よりユーザに適したコンテンツを配信することができる。
【0118】
以上、本開示における情報処理装置を、第1、第2、第3、第4及び第5の実施形態で説明したが、上述した第1、第2、第3、第4及び第5の実施形態は、適宜組み合わせて実現可能である。
【0119】
<情報処理装置のハードウェアの構成例>
上述した第1、第2、第3、第4及び第5の実施形態にかかる情報処理装置を構成するハードウェアについて説明する。図13は、各実施形態における情報処理装置を実現するコンピュータ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図13が示す各ブロックは、各実施形態における情報処理装置及び情報処理方法を実現するコンピュータ装置10と、ソフトウェアとの組み合わせにより実現できる。
【0120】
図13に示すように、コンピュータ装置10は、プロセッサ11、RAM(Random Access Memory)12、ROM(Read Only Memory)13、記憶装置14、入出力インタフェース15、バス16、及びドライブ装置17を備える。
【0121】
記憶装置14は、プログラム(コンピュータプログラム)18を格納する。プロセッサ11は、RAM12を用いて本情報処理装置にかかるプログラム18を実行する。具体的には、例えば、プログラム18は、第1から第5の実施形態において説明した情報処理装置の処理をコンピュータに実行させるプログラムを含む。プロセッサ11が、プログラム18を実行することに応じて、本情報処理装置の各構成要素(上述した、特定部110、140、160、コンテンツ決定部120、121、122、及び判定部150等)の機能が実現される。プログラム18は、ROM13に記憶されていてもよい。また、プログラム18は、記憶媒体20に記録され、ドライブ装置17を用いて読み出されてもよいし、図示しない外部装置から図示しないネットワークを介してコンピュータ装置10に送信されてもよい。
【0122】
入出力インタフェース15は、周辺機器(キーボード、マウス、表示装置など)19とデータをやり取りする。入出力インタフェース15は、データを取得または出力する手段として機能する。バス16は、各構成要素を接続する。
【0123】
なお、情報処理装置の実現方法には様々な変形例がある。例えば、情報処理装置は、専用の装置として実現することができる。また、情報処理装置は、複数の装置の組み合わせにより実現することができる。
【0124】
各実施形態の機能における各構成要素を実現するためのプログラムを記憶媒体に記録させ、該記憶媒体に記録されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も各実施形態の範疇に含まれる。すなわち、コンピュータ読取可能な記憶媒体も各実施形態の範囲に含まれる。また、上述のプログラムが記録された記憶媒体、及びそのプログラム自体も各実施形態に含まれる。
【0125】
該記憶媒体は、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD(Compact Disc)-ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、またはROMであるが、この例に限らない。また該記憶媒体に記録されたプログラムは、単体で処理を実行しているプログラムに限らず、他のソフトウェア、拡張ボードの機能と共同して、OS(Operating System)上で動作して処理を実行するプログラムも各実施形態の範疇に含まれる。
【0126】
以上、上述した実施形態を参照して本開示を説明した。しかしながら、本開示は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本開示は、本開示のスコープ内において、種々の上記開示要素の多様な組み合わせ乃至選択等、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【0127】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0128】
<付記>
[付記1]
端末から取得した撮影画像に映る電柱識別標識に基づいて、前記端末を用いて前記撮影画像を撮影した撮影者の位置と、前記撮影者が向いている方向と、を特定する特定手段と、
特定された前記位置と前記方向とに基づいて、複数のコンテンツのうち、前記端末に配信するコンテンツを決定するコンテンツ決定手段と、を備える、
情報処理装置。
【0129】
[付記2]
前記特定手段は、標識情報読み取り手段と、検索手段と、を有し、
前記標識情報読み取り手段は、前記撮影画像の前記電柱識別標識が映る領域から、前記電柱識別標識に記載された標識情報を読み取り、
前記検索手段は、前記標識情報と、位置情報及び方向情報とが関連付けられたデータベースから、読み取られた前記標識情報に対応する位置情報と方向情報とを検索し、検索がヒットした場合、読み取られた前記標識情報に対応する前記位置情報と前記方向情報とに応じて、前記撮影者の前記位置と前記方向とを特定する、
付記1に記載の情報処理装置。
【0130】
[付記3]
前記標識情報読み取り手段は、前記端末が有する位置情報取得手段によって取得された前記端末の位置情報に基づいて、前記撮影画像の前記電柱識別標識が映る領域のうち、読み取りを行う領域を決定する、
付記2に記載の情報処理装置。
【0131】
[付記4]
前記標識情報読み取り手段は、前記端末から取得した音声情報を用いて、前記撮影画像に映る前記標識情報を特定し、
前記検索手段は、当該音声情報を用いて特定された前記標識情報に対応する位置情報と方向情報とを、前記データベースから検索する
請求項2または3に記載の情報処理装置。
【0132】
[付記5]
前記特定手段は、前記標識情報読み取り手段が前記標識情報の読み取りに失敗した場合に、前記音声情報に基づいて、前記標識情報を特定する、
付記4に記載の情報処理装置。
【0133】
[付記6]
前記標識情報読み取り手段は、前記音声情報に基づいて、前記撮影画像の前記電柱識別標識が映る領域のうち、読み取りを行う領域を決定する、
付記4に記載の情報処理装置。
【0134】
[付記7]
前記特定手段が特定した前記位置と、前記端末が有する位置情報取得手段によって取得された前記端末の位置情報とに基づいて、前記撮影者が、前記位置にいるか否かを判定する判定部を備える、
付記1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【0135】
[付記8]
前記特定手段は、前記撮影画像に映る前記電柱識別標識の形に基づいて、前記撮影者の年齢を推定する、年齢推定手段を備え、
前記コンテンツ決定手段は、特定された前記位置及び前記方向と、推定された前記年齢とに基づいて、前記端末に配信するコンテンツを決定する、
付記1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【0136】
[付記9]
前記電柱識別標識に代わり、道路の案内標識または踏切の識別標識を用いる、
付記1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【0137】
[付記10]
端末から取得した撮影画像に映る電柱識別標識と、前記端末が有する位置情報取得手段によって取得された前記端末の位置情報と、に基づいて、前記端末を用いて前記撮影画像を撮影した撮影者の位置を特定する特定手段と、
特定された前記位置に基づいて、複数のコンテンツのうち、前記端末に配信するコンテンツを決定するコンテンツ決定手段と、を備える、
情報処理装置。
【0138】
[付記11]
端末から取得した撮影画像に映る電柱識別標識に基づいて、前記端末を用いて前記撮影画像を撮影した撮影者の位置と、前記撮影者が向いている方向と、を特定し、
特定された前記位置と前記方向とに基づいて、複数のコンテンツのうち、前記端末に配信するコンテンツを決定する、
情報処理方法。
【0139】
[付記12]
前記撮影画像の前記電柱識別標識が映る領域から、前記電柱識別標識に記載された標識情報を読み取り、
前記標識情報と、位置情報及び方向情報とが関連付けられたデータベースから、読み取られた前記標識情報に対応する位置情報と方向情報とを検索し、検索がヒットした場合、読み取られた前記標識情報に対応する前記位置情報と前記方向情報とに応じて、前記撮影者の前記位置と前記方向とを特定する、
付記11に記載の情報処理方法。
【0140】
[付記13]
前記端末が有する位置情報取得手段によって取得された前記端末の位置情報に基づいて、前記撮影画像の前記電柱識別標識が映る領域のうち、読み取りを行う領域を決定する、
付記12に記載の情報処理方法。
【0141】
[付記14]
前記端末から取得した音声情報を用いて、前記撮影画像に映る前記標識情報を特定し、
当該音声情報を用いて特定された前記標識情報に対応する位置情報と方向情報とを、前記データベースから検索する
請求項12または13に記載の情報処理方法。
【0142】
[付記15]
前記標識情報の読み取りに失敗した場合に、前記音声情報に基づいて、前記標識情報を特定する、
付記14に記載の情報処理方法。
【0143】
[付記16]
前記音声情報に基づいて、前記撮影画像の前記電柱識別標識が映る領域のうち、読み取りを行う領域を決定する、
付記14に記載の情報処理装置。
【0144】
[付記17]
特定された前記位置と、前記端末が有する位置情報取得手段によって取得された前記端末の位置情報とに基づいて、前記撮影者が、前記位置にいるか否かを判定する判定部を備える、
付記11乃至16のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【0145】
[付記18]
前記撮影画像に映る前記電柱識別標識の形に基づいて、前記撮影者の年齢を推定し、
特定された前記位置及び前記方向と、推定された前記年齢とに基づいて、前記端末に配信するコンテンツを決定する、
付記11乃至17のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【0146】
[付記19]
前記電柱識別標識に代わり、道路の案内標識または踏切の識別標識を用いる、
付記11乃至18のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【0147】
[付記20]
端末から取得した撮影画像に映る電柱識別標識に基づいて、前記端末を用いて前記撮影画像を撮影した撮影者の位置と、前記撮影者が向いている方向と、を特定する処理と、
特定された前記位置と前記方向とに基づいて、複数のコンテンツのうち、前記端末に配信するコンテンツを決定する処理と、をコンピュータに実行させる、
プログラム。
【0148】
[付記21]
前記特定する処理において、
前記撮影画像の前記電柱識別標識が映る領域から、前記電柱識別標識に記載された標識情報を読み取り、
前記標識情報と、位置情報及び方向情報とが関連付けられたデータベースから、読み取られた前記標識情報に対応する位置情報と方向情報とを検索し、検索がヒットした場合、読み取られた前記標識情報に対応する前記位置情報と前記方向情報とに応じて、前記撮影者の前記位置と前記方向とを特定する、
付記20に記載のプログラム。
【0149】
[付記22]
前記特定する処理において、
前記端末が有する位置情報取得手段によって取得された前記端末の位置情報に基づいて、前記撮影画像の前記電柱識別標識が映る領域のうち、読み取りを行う領域を決定する、
付記21に記載のプログラム。
【0150】
[付記23]
前記特定する処理において、
前記端末から取得した音声情報を用いて、前記撮影画像に映る前記標識情報を特定し、
当該音声情報を用いて特定された前記標識情報に対応する位置情報と方向情報とを、前記データベースから検索する、
請求項21または22に記載のプログラム。
【0151】
[付記24]
前記特定する処理において、前記標識情報の読み取りに失敗した場合に、前記音声情報に基づいて、前記標識情報を特定する、
付記23に記載のプログラム。
【0152】
[付記25]
前記特定する処理において、前記音声情報に基づいて、前記撮影画像の前記電柱識別標識が映る領域のうち、読み取りを行う領域を決定する、
付記23に記載のプログラム。
【0153】
[付記26]
特定された前記位置と、前記端末が有する位置情報取得手段によって取得された前記端末の位置情報とに基づいて、前記撮影者が、前記位置にいるか否かを判定する処理を、さらにコンピュータに実行させる、
付記20乃至25のいずれか一項に記載のプログラム。
【0154】
[付記27]
前記特定する処理において、前記撮影画像に映る前記電柱識別標識の形に基づいて、前記撮影者の年齢を推定し、
前記コンテンツを決定する処理において、特定された前記位置及び前記方向と、推定された前記年齢とに基づいて、前記端末に配信するコンテンツを決定する、
付記20乃至26のいずれか一項に記載のプログラム。
【0155】
[付記28]
前記電柱識別標識に代わり、道路の案内標識または踏切の識別標識を用いる、
付記20乃至27のいずれか一項に記載のプログラム。
【符号の説明】
【0156】
10 コンピュータ装置
11 プロセッサ
12 RAM
13 ROM
14 記憶装置
15 入出力インタフェース
16 バス
17 ドライブ装置
18 プログラム
19 周辺機器
20 記憶媒体
100、101、102、103、104 情報処理装置
110、140、160 特定部
111、141 標識情報読み取り部
112、142 検索部
120、121、122 コンテンツ決定部
150 判定部
161 年齢推定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13