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特許7596695行動推定装置、行動推定方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】行動推定装置、行動推定方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20241203BHJP
   G01R 21/00 20060101ALI20241203BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20241203BHJP
   G06Q 50/22 20240101ALI20241203BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
G06Q50/06
G01R21/00 P
H02J13/00 301A
G06Q50/22
G08B25/04 K
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020166770
(22)【出願日】2020-10-01
(65)【公開番号】P2022059193
(43)【公開日】2022-04-13
【審査請求日】2023-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000003687
【氏名又は名称】東京電力ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】澤田 耕三
(72)【発明者】
【氏名】飯田 理恵
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 剛
(72)【発明者】
【氏名】柳 達也
(72)【発明者】
【氏名】松嶋 俊和
(72)【発明者】
【氏名】須田 寿和
【審査官】三吉 翔子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-228229(JP,A)
【文献】特開2015-212848(JP,A)
【文献】特開2019-087158(JP,A)
【文献】特開2012-068774(JP,A)
【文献】特開2020-021137(JP,A)
【文献】国際公開第2015/155916(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G01R 21/00
H02J 13/00
G08B 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象となる対象者の居宅に設けられた電力センサーによって測定された電力から得られる機器分離電力と個別回路電力を含む入力情報を入力する情報入力部と、
機械学習結果を用いて、前記情報入力部によって入力された前記入力情報に基づいて、前記対象者の行動を推定する行動推定部と、
前記行動推定部による推定結果に関する情報を出力する情報出力部と、
を備え
前記機器分離電力は、前記電力センサーによって取得された前記居宅の総電力量の情報に基づいて所定の機器分離処理が行われることで取得され、前記居宅で使用される1個以上の機器ごとで使用された電力量を表す情報を含み、
前記個別回路電力に対応する部屋は、前記機器分離電力によって電力が得られる機器が存在しない部屋である、
行動推定装置。
【請求項2】
前記個別回路電力に対応する部屋は、前記居宅のトイレ室または浴室の少なくとも一方である、
請求項に記載の行動推定装置。
【請求項3】
前記対象者は、被介護者である、
請求項1または請求項2に記載の行動推定装置。
【請求項4】
前記入力情報は、前記居宅に設けられた無線機器から発信される信号が前記電力センサーによって受信されたときの受信強度を含む、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の行動推定装置。
【請求項5】
前記入力情報は、前記電力センサーによって測定された前記居宅の総電力量を含む、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の行動推定装置。
【請求項6】
前記機器分離処理は、当該行動推定装置とは別体のサーバー装置によって行われる、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の行動推定装置。
【請求項7】
行動推定装置において行われる行動推定方法であって、
監視対象となる対象者の居宅に設けられた電力センサーによって測定された電力から得られる機器分離電力と個別回路電力を含む入力情報を入力する情報入力ステップと、
機械学習結果を用いて、前記情報入力ステップによって入力された前記入力情報に基づいて、前記対象者の行動を推定する行動推定ステップと、
前記行動推定ステップによる推定結果に関する情報を出力する情報出力ステップと、
を有し、
前記機器分離電力は、前記電力センサーによって取得された前記居宅の総電力量の情報に基づいて所定の機器分離処理が行われることで取得され、前記居宅で使用される1個以上の機器ごとで使用された電力量を表す情報を含み、
前記個別回路電力に対応する部屋は、前記機器分離電力によって電力が得られる機器が存在しない部屋である、
行動推定方法。
【請求項8】
監視対象となる対象者の居宅に設けられた電力センサーによって測定された電力から得られる機器分離電力と個別回路電力を含む入力情報を入力する情報入力機能と、
機械学習結果を用いて、前記情報入力機能によって入力された前記入力情報に基づいて、前記対象者の行動を推定する行動推定機能と、
前記行動推定機能による推定結果に関する情報を出力する情報出力機能と、
をコンピュータに実現させるためのプログラムであって、
前記機器分離電力は、前記電力センサーによって取得された前記居宅の総電力量の情報に基づいて所定の機器分離処理が行われることで取得され、前記居宅で使用される1個以上の機器ごとで使用された電力量を表す情報を含み、
前記個別回路電力に対応する部屋は、前記機器分離電力によって電力が得られる機器が存在しない部屋である、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、行動推定装置、行動推定方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
対象者が家の中で生活している状況を他者によって確認する場面がある。以下、このような確認をモニタリングとも呼ぶ。
モニタリングの場面の具体例としては、認知症者を対象者として認知症の進行度合いを判定するために対象者の生活状況を確認する場面、あるいは、被介護者を対象者として最適な介護サービスを検討するために対象者の生活状況を確認する場面など、医療および介護の様々な場面がある。なお、対象者が認知症者かつ被介護者である場合があってもよい。
【0003】
特許文献1に記載された電気機器をモニタするための方法では、モードや設定等によって消費電力(電流)が変動する家電(変動負荷家電)のような電気機器の個々の消費電力等を求めることが行われている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-213825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された技術だけでは、人の行動を推定する観点から不十分な点があった。特に、認知症者あるいは被介護者などの生活状況を確認する場面では、当該技術だけではなく、行動を推定するための他の技術の開発が必要であった。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、電力の情報に基づいて対象者の行動を推定することを効果的に行うことができる行動推定装置、行動推定方法およびプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一構成例として、監視対象となる対象者の居宅に設けられた電力センサーによって測定された電力から得られる機器分離電力と個別回路電力を含む入力情報を入力する情報入力部と、機械学習結果を用いて、前記情報入力部によって入力された前記入力情報に基づいて、前記対象者の行動を推定する行動推定部と、前記行動推定部による推定結果に関する情報を出力する情報出力部と、を備え、前記機器分離電力は、前記電力センサーによって取得された前記居宅の総電力量の情報に基づいて所定の機器分離処理が行われることで取得され、前記居宅で使用される1個以上の機器ごとで使用された電力量を表す情報を含み、前記個別回路電力に対応する部屋は、前記機器分離電力によって電力が得られる機器が存在しない部屋である、行動推定装置である。
【0008】
一構成例として、行動推定装置において行われる行動推定方法であって、監視対象となる対象者の居宅に設けられた電力センサーによって測定された電力から得られる機器分離電力と個別回路電力を含む入力情報を入力する情報入力ステップと、機械学習結果を用いて、前記情報入力ステップによって入力された前記入力情報に基づいて、前記対象者の行動を推定する行動推定ステップと、前記行動推定ステップによる推定結果に関する情報を出力する情報出力ステップと、を有し、前記機器分離電力は、前記電力センサーによって取得された前記居宅の総電力量の情報に基づいて所定の機器分離処理が行われることで取得され、前記居宅で使用される1個以上の機器ごとで使用された電力量を表す情報を含み、前記個別回路電力に対応する部屋は、前記機器分離電力によって電力が得られる機器が存在しない部屋である、行動推定方法である。
【0009】
一構成例として、監視対象となる対象者の居宅に設けられた電力センサーによって測定された電力から得られる機器分離電力と個別回路電力を含む入力情報を入力する情報入力機能と、機械学習結果を用いて、前記情報入力機能によって入力された前記入力情報に基づいて、前記対象者の行動を推定する行動推定機能と、前記行動推定機能による推定結果に関する情報を出力する情報出力機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムであって、前記機器分離電力は、前記電力センサーによって取得された前記居宅の総電力量の情報に基づいて所定の機器分離処理が行われることで取得され、前記居宅で使用される1個以上の機器ごとで使用された電力量を表す情報を含み、前記個別回路電力に対応する部屋は、前記機器分離電力によって電力が得られる機器が存在しない部屋である、プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る行動推定装置、行動推定方法およびプログラムによれば、電力の情報に基づいて対象者の行動を推定することを効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る行動推定システムの概略的な構成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る電力センサーを用いた電力関連情報の流れの概略を示す図である。
図3】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る行動推定装置の概略的な構成を示す図である。
図4】本発明の一実施形態(第2実施形態)に係る行動推定装置の概略的な構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0013】
[電力供給システム]
図1は、本発明の一実施形態に係る行動推定システム1の概略的な構成を示す図である。
本実施形態では、行動推定システム1は、居宅である家屋11の中で生活する対象者511の生活の状況を確認するための処理を行う。
【0014】
対象者511は、任意の者であってもよく、本実施形態では、居宅介護を受ける被介護者である。他の例として、対象者511は、例えば、認知症者、あるいは、居宅介護を受けない独居高齢者などであってもよい。なお、対象者511が認知症者かつ被介護者である場合があってもよい。
【0015】
家屋11は、玄関111と、通路112と、リビング113と、トイレ室114と、浴室115と、寝室116と、を有する。
家屋11は、玄関111に、分電盤231を備える。なお、分電盤231は、任意の場所に備えられてもよい。
玄関111は、扉131を有する。
リビング113は、扉132を有する。
トイレ室114は、扉133を有する。
浴室115は、扉134を有する。
寝室116は、扉135を有する。
なお、本実施形態では、行動推定システム1は家屋11を含まないが、行動推定システム1は家屋11を含むと捉えられてもよい。
【0016】
ここで、図1に示される家屋11の構成は、説明のための一例である。
家屋11の間取りなどの構成としては、任意の構成が用いられてもよい。
例えば、トイレ室114と浴室115とが共通である間取りもある。
【0017】
行動推定システム1は、家屋11に設置される各種のセンサーおよびルーター装置212を備える。ルーター装置212は、無線機器の一例である。
また、行動推定システム1は、行動推定サーバー装置12と、家電分離サーバー装置13と、ネットワーク14と、を備える。
行動推定サーバー装置12は、行動推定装置31を備える。
家電分離サーバー装置13は、家電分離装置51を備える。
【0018】
ここで、 ネットワーク14は、有線のネットワークであってもよく、あるいは、無線のネットワークであってもよい。
ネットワーク14としては、専用のネットワークが用いられてもよく、あるいは、インターネットのように公共のネットワークが用いられてもよい。
なお、ネットワーク14が公共のネットワークである場合、行動推定システム1はネットワーク14を含まないと捉えられてもよい。
【0019】
家屋11に設置される各種のセンサーについて説明する。
行動推定システム1は、分電盤231に、電力センサー211を備える。なお、電力センサー211は、分電盤231から離隔した場所に備えられてもよい。
また、行動推定システム1は、リビング113に、温度センサー311と、湿度センサー312と、を備える。なお、温度センサー311と湿度センサー312は、それぞれ、任意の場所に備えられてもよい。
また、行動推定システム1は、玄関センサー331と、リビングセンサー332と、トイレ室センサー333と、浴室センサー334と、寝室センサー335と、を備える。
また、行動推定システム1は、トイレ室114にあるトイレ(図示せず)のトイレセンサー351と、寝室116にある枕(図示せず)の枕センサー371と、を備える。
【0020】
なお、例えば、トイレ室114と浴室115とが共通である構成では、トイレ室センサー333と浴室センサー334とは、共通のセンサーとなる。
【0021】
ここで、本実施形態に係る電力センサー211以外の各種のセンサーの組み合わせは、説明のための一例である。
電力センサー211以外の各種のセンサーとしては、必ずしも本実施形態と同じセンサーが用いられなくてもよい。例えば、本実施形態に係る電力センサー211以外の各種のセンサーの一部または全部が用いられなくてもよく、あるいは、本実施形態に係る電力センサー211以外の各種のセンサーには含まれない1個以上のセンサーが用いられてもよい。
【0022】
また、各種のセンサーとしては、環境センサーが用いられてもよく、人感センサーが用いられてもよく、あるいは、これらの両方のセンサーが用いられてもよい。
なお、人感センサーでは、人の動きを検出したときに特殊な電力消費をする構成とすることで、当該電力消費を家電分離結果に反映することが可能である。
また、各種のセンサーでは、例えば、IoT(Internet of Things)の技術が利用されてもよい。
【0023】
電力センサー211は、電力に関する所定の情報を検出する。本実施形態では、当該所定の情報として、家屋11で使用される総電力量を把握することが可能な情報と、家屋11にある所定の個別回路で使用される電力量を把握することが可能な情報を含む。
本実施形態では、当該所定の個別回路は、トイレ室114の個別回路と、浴室115の個別回路を含む。
なお、例えば、トイレ室114と浴室115とが共通である構成では、トイレ室114の個別回路と浴室115の個別回路とは、共通の回路となる。
【0024】
ここで、電力センサー211としては、例えば、スマートメーターがが用いられてもよい。
また、電力センサー211は、複数の出力チャネルを有していてもよい。
一例として、電力センサー211が4個の出力チャネルを有しており、2個の出力チャネルを用いて送電力量を把握するための情報を2個に分けて出力し、残りの2個の出力チャネルのそれぞれで2個の個別回路のそれぞれの電力量を把握するための情報を出力してもよい。この場合、2個の出力チャネルを用いて出力される送電力量を把握するための情報を合わせることで、総電力量が把握される。
【0025】
また、本実施形態では、電力センサー211は、ルーター装置212から無線により送信される信号の強度に関する情報を検出する。本実施形態では、当該信号は、ビーコン信号である。
また、本実施形態では、信号の強度に関する情報として、RSSI(Received Signal Strength Indication)が用いられるが、他の指標の情報が用いられてもよい。
【0026】
ここで、電力センサー211によって検出される当該信号の強度は、電力センサー211とルーター装置212との間に存在する扉(図1の例では、扉132)の開閉状態などによって変化する。通常、当該扉が開いている状態であるときのように、ルーター装置212から無線により送信される信号を遮る要因が少ない方が、電力センサー211によって検出される当該信号の強度は大きくなる。このような当該信号の強度は、対象者511の行動を推定する場合に役立ち得る。
なお、他の構成例として、電力センサー211が、ルーター装置212から無線により送信される信号の強度に関する情報を検出しない構成が用いられてもよい。
【0027】
温度センサー311は、温度を検出する。
湿度センサー312は、湿度を検出する。
なお、温度センサー311と湿度センサー312とは、共通のセンサーであってもよい。
【0028】
玄関センサー331は、玄関111の扉131の開閉の動作を検出する加速度センサーである。
リビングセンサー332は、リビング113の扉132の開閉の動作を検出する加速度センサーである。
トイレ室センサー333は、トイレ室114の扉133の開閉の動作を検出する加速度センサーである。
浴室センサー334は、浴室115の扉134の開閉の動作を検出する加速度センサーである。
寝室センサー335は、寝室116の扉135の開閉の動作を検出する加速度センサーである。
トイレセンサー351は、トイレの便座の開閉の動作を検出する加速度センサーである。なお、トイレには、便座が開けられたときに、当該便座のヒーターが停止させられる機能が備えられていてもよい。
枕センサー371は、枕の動作を検出する加速度センサーである。
【0029】
なお、本実施形態では、対象者511にはセンサーが装着されていないが、他の構成例として、対象者511に任意のセンサーが装着されてもよい。当該センサーは、例えば、対象者511の動きを検出するセンサーであってもよく、対象者511の体温、心拍、脈などを検出するセンサーであってもよく、あるいは、対象者511の視線の先の画像を検出するセンサーであってもよい。
【0030】
電力センサー211および他の各種のセンサー(温度センサー311、湿度センサー312、玄関センサー331、リビングセンサー332、トイレ室センサー333、浴室センサー334、寝室センサー335、トイレセンサー351、枕センサー371)は、それぞれ、ルーター装置212との間で、無線により通信を行う。
電力センサー211および他の各種のセンサーは、それぞれ、検出した情報をルーター装置212に無線により送信する。
【0031】
本実施形態では、ルーター装置212は、所定のビーコン信号を無線により送信する。電力センサー211および他の各種のセンサーは、それぞれ、ルーター装置212から送信されるビーコン信号を受信することでルーター装置212を認識し、ルーター装置212との無線通信を開始する。
【0032】
ルーター装置212は、電力センサー211および他の各種のセンサーのそれぞれから無線により送信された情報を受信し、受信した情報をネットワーク14を介して家電分離サーバー装置13に送信する。
なお、ルーター装置212とネットワーク14との間の通信としては、有線の通信が用いられてもよく、あるいは、無線の通信が用いられてもよい。
【0033】
ここで、本実施形態では、電力センサー211および他の各種のセンサーによって検出された情報が、ルーター装置212によって外部(本実施形態では、ネットワーク14)に送信される構成を示したが、電力センサー211および他の各種のセンサーのうちの1個以上のセンサーが、他の手法により、検出した情報を外部(本実施形態では、ネットワーク14)に送信する構成が用いられてもよい。
【0034】
家電分離サーバー装置13は、ルーター装置212から送信された情報を受信する。
家電分離サーバー装置13では、家電分離装置51は、受信された総電力量の情報に基づいて、家電分離の処理を行い、家電分離の処理の結果の情報を取得する。
そして、家電分離サーバー装置13は、ルーター装置212から送信された情報と、家電分離の処理の結果の情報を行動推定サーバー装置12に送信する。
【0035】
ここで、家電分離の処理の結果は、家屋11で使用される1個以上の電気機器ごとで使用された電力量を表す情報を含む。
このような電気機器としては、例えば、洗濯機、掃除機、エアコン、電子レンジ、炊飯器、冷蔵庫、高熱家電がある。高熱家電は、ドライヤー、および、電気ポットなどを含む。
【0036】
なお、家電分離サーバー装置13とネットワーク14との通信としては、有線の通信が用いられてもよく、あるいは、無線の通信が用いられてもよい。
また、家電分離サーバー装置13と行動推定サーバー装置12との通信としては、有線の通信が用いられてもよく、あるいは、無線の通信が用いられてもよい。
また、家電分離サーバー装置13と行動推定サーバー装置12との通信としては、専用のネットワークを介して行われてもよく、あるいは、インターネットのような公共のネットワークを介して行われてもよい。
【0037】
行動推定サーバー装置12は、家電分離サーバー装置13から送信された情報を受信する。
行動推定サーバー装置12では、行動推定装置31は、受信された情報に基づいて、対象者511の行動に関する情報を推定する。
そして、行動推定サーバー装置12は、例えば、推定された情報を所定のデータベースなどの記憶部に記憶すること、あるいは、推定された情報を所定の装置に送信して提供することなどを行う。
【0038】
ここで、家電分離装置51を有する家電分離サーバー装置13としては、例えば、公共の装置が用いられてもよい。この場合、行動推定システム1は、家電分離装置51を有する家電分離サーバー装置13を含まないと捉えられてもよい。
家電分離装置51としては、例えば、特許文献1に記載されるような技術(機器分離推定技術)を使用する装置が利用されてもよい。家電分離は機器分離の一例であって、電気機器が家電の機器である。
【0039】
なお、本実施形態では、家電分離サーバー装置13と行動推定サーバー装置12とが別体である構成としたが、他の構成例として、家電分離サーバー装置13と行動推定サーバー装置12とが一体として構成されてもよい。
また、本実施形態では、家電分離装置51と行動推定装置31とが別体である構成としたが、他の構成例として、家電分離装置51と行動推定装置31とが一体として構成されてもよい。
【0040】
<第1実施形態>
図2および図3を参照して、第1実施形態について説明する。
【0041】
図2は、本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る電力センサー211を用いた電力関連情報の流れの概略を示す図である。
なお、図2の例では、電力センサー211以外の各種のセンサーによって検出される情報については、省略してある。
【0042】
電力センサー211は、総電力量情報1011と、個別回路電力情報1012と、無線強度情報1013を検出する。
総電力量情報1011は、家屋11で使用される電力の総量(総電力量)を表す情報である。
個別回路電力情報1012は、それぞれの個別回路で使用される電力量を表す情報である。本実施形態では、個別回路電力情報1012は、トイレ室114の個別回路で使用される電力量を表す情報と、浴室115の個別回路で使用される電力量を表す情報を含む。
無線強度情報1013は、ルーター装置212からの無線信号の強度を表す情報である。
【0043】
家電分離装置51は、家電分離機能1031によって、総電力量情報1011に基づいて、家電分離電力情報1051を取得する。
家電分離電力情報1051は、家屋11で使用される所定の電気機器のそれぞれで使用される電力量を表す情報である。
【0044】
行動推定装置31は、総電力量情報1011と、個別回路電力情報1012と、無線強度情報1013と、家電分離電力情報1051を取得する。
【0045】
[行動推定装置]
図3は、本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る行動推定装置31の概略的な構成を示す図である。
行動推定装置31は、情報入力部711と、行動推定部712と、情報出力部713と、を備える。
情報入力部711は、電力情報入力部731と、無線情報入力部732と、付加情報入力部733と、を備える。なお、本実施形態では、説明の便宜上、電力情報および無線情報以外の入力情報を付加情報と呼んで説明するが、この名称は任意であってもよい。
行動推定部712は、学習部751と、学習結果記憶部752と、を備える。
【0046】
電力情報入力部731は、電力情報を入力し、当該電力情報を行動推定部712に出力する。
本実施形態では、電力情報は、総電力量情報と、個別回路電力情報と、家電分離電力情報と、を含む。
【0047】
無線情報入力部732は、無線情報を入力し、当該無線情報を行動推定部712に出力する。
本実施形態では、無線情報は、無線強度情報を含む。
【0048】
付加情報入力部733は、付加情報を入力し、当該付加情報を行動推定部712に出力する。
本実施形態では、付加情報は、温度情報と、湿度情報と、玄関加速度情報と、トイレ加速度情報と、枕加速度情報と、リビング加速度情報と、トイレ室加速度情報と、浴室加速度情報と、寝室加速度情報を含む。
【0049】
温度情報は、温度センサー311によって検出される温度を表す情報である。
湿度情報は、湿度センサー312によって検出される湿度を表す情報である。
玄関加速度情報は、玄関センサー331によって検出される加速度を表す情報である。
トイレ加速度情報は、トイレセンサー351によって検出される加速度を表す情報である。
枕加速度情報は、枕センサー371によって検出される加速度を表す情報である。
【0050】
リビング加速度情報は、リビングセンサー332によって検出される加速度を表す情報である。
トイレ室加速度情報は、トイレ室センサー333によって検出される加速度を表す情報である。
浴室加速度情報は、浴室センサー334によって検出される加速度を表す情報である。
寝室加速度情報は、寝室センサー335によって検出される加速度を表す情報である。
【0051】
ここで、本実施形態では、説明の便宜上、電力情報入力部731と、無線情報入力部732と、付加情報入力部733とを区別したが、必ずしもこのような構成に限定されず、情報入力部711は、電力情報、無線情報、および、付加情報を入力し、これらの情報を行動推定部712に出力する構成であればよい。
【0052】
なお、本実施形態では、情報入力部711に入力された情報がそのまま行動推定部712に出力されるが、他の構成例として、情報入力部711に入力された情報が情報入力部711において加工された後に、行動推定部712に出力されてもよい。
例えば、情報入力部711は、入力された所定の情報について、所定期間の標準偏差、平均値、最小値、あるいは、最大値などを演算し、その演算結果を行動推定部712に出力してもよい。このような構成では、行動推定部712によって行われる行動推定の精度向上に役立つ場合がある。
【0053】
行動推定部712は、情報入力部711から入力された情報に基づいて、対象者511の行動を推定し、推定の結果である推定情報を情報出力部713に出力する。
情報出力部713は、行動推定部712から出力される推定情報を入力し、当該推定情報を出力する。
本実施形態では、推定情報は、睡眠情報と、排泄情報と、入浴情報と、外出情報と、食事情報と、掃除情報と、洗濯情報と、を含む。
【0054】
睡眠情報は、対象者511によって行われる睡眠に関する情報である。睡眠情報は、睡眠の回数、あるいは、睡眠時間の情報を含んでもよい。
排泄情報は、対象者511によって行われる排泄に関する情報である。排泄情報は、排泄の回数、あるいは、排泄時間の情報を含んでもよい。
入浴情報は、対象者511によって行われる入浴に関する情報である。入浴情報は、入浴の回数、あるいは、入浴時間の情報を含んでもよい。
外出情報は、対象者511によって行われる外出に関する情報である。外出情報は、外出の回数、あるいは、外出時間の情報を含んでもよい。
食事情報は、対象者511によって行われる食事に関する情報である。食事情報は、食事の回数、あるいは、食事時間の情報を含んでもよい。
掃除情報は、対象者511によって行われる掃除に関する情報である。掃除情報は、掃除の回数、あるいは、掃除時間の情報を含んでもよい。
洗濯情報は、対象者511によって行われる洗濯に関する情報である。洗濯情報は、洗濯の回数、あるいは、洗濯時間の情報を含んでもよい。
【0055】
情報出力部713は、行動推定部712から出力される推定情報を入力し、当該推定情報を所定の態様で出力する。
当該所定の態様は、例えば、行動推定装置31とは別の装置に推定情報を送信する態様、表示部の画面などに推定情報を表示する態様、あるいは、用紙などに推定情報を印刷する態様などであってもよい。
【0056】
なお、行動推定装置31では、情報出力部713によって、所定の条件が満たされた場合に、所定のアラームを表す情報(アラーム情報)を出力してもよい。
具体例として、行動推定装置31では、対象者511が外出したことを推定した場合に、所定のアラーム情報を出力してもよい。
例えば、行動推定装置31では、所定の指標の値があらかじめ定められた閾値を超えた場合(または、あらかじめ定められた閾値未満となった場合)に、所定のアラーム情報を出力してもよい。
具体例として、行動推定装置31では、温度センサー311によって検出された温度が所定の閾値を超えた場合に、所定のアラーム情報を出力してもよい。
アラート情報を出力する態様としては、例えば、行動推定装置31とは別の装置にアラート情報を送信する態様、表示部の画面などにアラート情報を表示する態様、あるいは、アラート情報を音出力する態様などであってもよい。
【0057】
ここで、本実施形態では、行動推定部712は、機械学習の結果を用いて、入力情報から出力情報を演算する。
学習部751は、トレーニング用の入力情報と、真値の情報などを用いて、機械学習を行う機能を有している。なお、機械学習の技術としては、公知の技術が用いられてもよい。
学習部751は、機械学習の結果の情報を学習結果記憶部752に記憶する。
【0058】
行動推定部712は、学習結果記憶部752に記憶された情報を用いて、情報入力部711から入力された入力情報に基づいて出力情報を演算し、演算された出力情報を情報出力部713に出力する。
【0059】
なお、本実施形態では、行動推定部712に、機械学習を行う機能を有する学習部751を備える場合を示したが、他の構成例として、機械学習を行う機能(本実施形態では、学習部751)は、必ずしも行動推定部712に備えられなくてもよく、行動推定装置31とは別の装置で行われた機械学習の結果の情報が学習結果記憶部752に記憶されてもよい。
【0060】
また、本実施形態では、行動推定部712は、機械学習の結果を用いて行動推定を行う構成を示したが、他の構成例として、機械学習以外の技術を用いて行動推定を行う構成が用いられてもよい。
【0061】
ここで、本実施形態における行動推定装置31への入力情報は一例であり、例えば、より少ない入力情報が用いられてもよく、あるいは、より多い入力情報が用いられてもよい。また、個々の入力情報は、例えば、本実施形態と同じ情報であってもよく、あるいは、本実施形態とは異なる情報であってもよい。
一例として、入力情報の組み合わせは、総電力量情報、個別回路電力情報、家電分離電力情報、無線強度情報、温度情報、湿度情報、玄関加速度情報、トイレ加速度情報、枕加速度情報が用いられてもよい。
【0062】
また、本実施形態における行動推定装置31への出力情報は一例であり、例えば、より少ない出力情報が用いられてもよく、あるいは、より多い出力情報が用いられてもよい。また、個々の出力情報は、例えば、本実施形態と同じ情報であってもよく、あるいは、本実施形態とは異なる情報であってもよい。
【0063】
[第1実施形態について]
以上のように、本実施形態に係る行動推定システム1における行動推定装置31は、電力の情報に基づいて対象者511の行動を推定することを効果的に行うことができる。
【0064】
また、本実施形態に係る行動推定装置31では、電力の情報とともに、他のセンサーの情報を利用することで、対象者511の行動を推定する精度を高めることができる。
例えば、一般に、家電分離の技術では、消費電力が高くて特徴のある消費電力パターンが存在する家電製品の推定はできるが、他の機器の推定ができない場合がある。特に、家電分離の技術では、トイレ室にある機器および浴室にある機器が推定の対象に含まれないことが多い。
そこで、本実施形態に係る行動推定装置31では、家電分離の結果の情報とともに、トイレ室および浴室の個別回路の消費電力の情報を用いることで、対象者511の行動を推定する精度を高めることができる。
特に、対象者511が被介護者などである場合には、トイレ室および浴室に関する情報は有用である。
【0065】
本実施形態に係る行動推定装置31では、電力データを活用して人間の行動を推定することで、当該人間の生活状況を推定することができる。
本実施形態に係る行動推定装置31では、プライバシーに配慮しながら、客観的な事実を導き出すことで、生活する者の行動全体を把握することが可能である。
例えば、本実施形態では、対象者511にウェアラブルなセンサーを取り付けなくてもよいため、対象者511にウェアラブルなセンサーが取り付けられる場合と比べて、対象者511に快適さを与えることができる。
例えば、本実施形態では、対象者511がスマートフォンを使用しない老人等である場合においても、行動を推定することができる。
例えば、本実施形態では、対象者511は、住み慣れた家等で生活を続けることができ、また、自立維持のモチベーションも与えることができる。
【0066】
本実施形態に係る行動推定装置31では、行動を推定するにあたり、電力のデータを時間ごとに分割して、当該時間ごとに電力のデータを分析してもよく、これにより、人の行動を推定する精度を向上させることが可能となる。
また、本実施形態に係る行動推定装置31では、生活者ごとに異なる習慣を複数の分類に分け、それぞれの分類ごとに機械学習モデルを個別に分ける構成が用いられてもよく、これにより、様々な生活者に対応することができる。
【0067】
例えば、従来では、カメラおよび集音マイクを家屋に取り付けて、家屋の中で対象者がどのような活動をしていたかを検出し、検出された動画および音声を遠方にいる家族等が確認することで当該対象者の安否を確認することが考えられる。しかしながら、このような場合には、対象者のプライバシーの保護が困難であり、カメラおよび集音マイク等の設置が拒否されることも考えられる。また、このような手法では、情報の確度は高いが、動画および音声の確認に時間を要する場合も多い。
これに対して、本実施形態に係る行動推定装置31では、電力の情報を用いることで、このような不具合を抑制することが可能である。
【0068】
例えば、従来では、赤外線センサーおよび環境センサーを家屋に取り付けて、検出されたデータを確認して、家屋の中での対象者の生活状況を推測することが考えられる。例えば、センサーが反応した時間あるいはセンサーの値などに閾値を設けて、これらが閾値を超えた場合に、メール等で家族等に通知して安否確認に活用することが考えられる。しかしながら、このような手法では、例えば睡眠等のような単一の事象については客観的に確認することが可能であるが、対象者の生活行動のすべてを把握する場合には、設置するセンサーの数が膨大となり、コストが非常に大きくなってしまう。また、対象者の習慣は多岐にわたっており、人によっては閾値に該当せず、行動を推定することができない場合もあり得る。
これに対して、本実施形態に係る行動推定装置31では、電力の情報を用いることで、このような不具合を抑制することが可能である。
【0069】
<第2実施形態>
図4を参照して、第2実施形態について説明する。
【0070】
[行動推定装置]
図4は、本発明の一実施形態(第2実施形態)に係る行動推定装置31の概略的な構成を示す図である。
なお、本実施形態に係る行動推定装置31の構成および動作は、第1実施形態に係る図3に示される構成および動作と比べて、入力情報が異なる点で相違し、他の点で同じである。
本実施形態では、説明の便宜上、図3に示されるのと同じ符号を用いて説明する。
【0071】
図4の例では、情報入力部711の無線情報入力部732および付加情報入力部733については図示を省略している。
なお、入力情報として無線情報(本実施形態では、無線強度情報)が用いられない場合には、情報入力部711に無線情報入力部732が備えられなくてもよい。
【0072】
本実施形態では、行動推定装置31の情報入力部711に、個別回路電力情報と、家電分離電力情報と、電力以外に関する情報が入力される。
【0073】
[第2実施形態について]
以上のように、本実施形態に係る行動推定システム1における行動推定装置31は、電力の情報に基づいて対象者の行動を推定することを効果的に行うことができる。
【0074】
<以上の実施形態について>
[構成例]
一構成例として、行動推定装置(図1の例では、行動推定装置31)は、監視対象となる対象者(図1の例では、対象者511)の居宅(図1の例では、家屋11)に設けられた電力センサー(図1の例では、電力センサー211)によって測定された電力から得られる機器分離電力(図2の例では、家電分離電力情報1051)と個別回路電力(図2の例では、個別回路電力情報1012)を含む入力情報を入力する情報入力部(図3の例では、情報入力部711)と、機械学習結果を用いて、情報入力部によって入力された入力情報に基づいて、対象者の行動を推定する行動推定部(図3の例では、行動推定部712)と、行動推定部による推定結果に関する情報を出力する情報出力部(図3の例では、情報出力部713)と、を備える。
【0075】
一構成例として、行動推定装置において、入力情報は、居宅に設けられた無線機器(図1の例では、ルーター装置212)から発信される信号が電力センサーによって受信されたときの受信強度(図2の例では、無線強度情報1013)を含む。
一構成例として、行動推定装置において、入力情報は、電力センサーによって測定された居宅の総電力量(図2の例では、総電力量情報1011)を含む。
【0076】
一構成例として、行動推定装置において、個別回路電力に対応する部屋は、機器分離電力によって電力が得られる機器が存在しない部屋である。
一構成例として、行動推定装置において、個別回路電力に対応する部屋は、居宅のトイレ室(図1の例では、トイレ室114)または浴室(図1の例では、浴室115)の少なくとも一方である。なお、トイレ室と浴室とが共通の部屋であってもよい。
一構成例として、行動推定装置において、対象者は、被介護者である。
【0077】
以上のような行動推定装置によって行われる行動推定方法が提供されてもよい。
一構成例として、行動推定方法は、行動推定装置において行われる行動推定方法であって、監視対象となる対象者の居宅に設けられた電力センサーによって測定された電力から得られる機器分離電力と個別回路電力を含む入力情報を入力する情報入力ステップと、機械学習結果を用いて、情報入力ステップによって入力された入力情報に基づいて、対象者の行動を推定する行動推定ステップと、行動推定ステップによる推定結果に関する情報を出力する情報出力ステップと、を有する。
【0078】
以上のような行動推定装置によって行われる処理を実行するプログラムが提供されてもよい。
一構成例として、監視対象となる対象者の居宅に設けられた電力センサーによって測定された電力から得られる機器分離電力と個別回路電力を含む入力情報を入力する情報入力機能と、機械学習結果を用いて、情報入力機能によって入力された入力情報に基づいて、対象者の行動を推定する行動推定機能と、行動推定機能による推定結果に関する情報を出力する情報出力機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムである。
【0079】
ここで、以上に示した実施形態に係る行動推定装置31などにおける任意の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録(記憶)して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、処理を行ってもよい。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、オペレーティング・システム(OS:Operating System)あるいは周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えば、非一時的記録媒体である。
【0080】
さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークあるいは電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーあるいはクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)あるいは電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0081】
以上に説明した行動推定装置31などにおける任意の構成部の機能は、プロセッサーにより実現されてもよい。例えば、本実施形態における各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサーと、プログラム等の情報を記憶するコンピュータ読み取り可能な記録媒体により実現されてもよい。ここで、プロセッサーは、例えば、各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよく、あるいは、各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサーはハードウェアを含み、当該ハードウェアは、デジタル信号を処理する回路およびアナログ信号を処理する回路のうちの少なくとも一方を含んでもよい。例えば、プロセッサーは、回路基板に実装された1または複数の回路装置、あるいは、1または複数の回路素子のうちの一方または両方を用いて、構成されてもよい。回路装置としてはIC(Integrated Circuit)などが用いられてもよく、回路素子としては抵抗あるいはキャパシターなどが用いられてもよい。
【0082】
ここで、プロセッサーは、例えば、CPUであってもよい。ただし、プロセッサーは、CPUに限定されるものではなく、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)等のような、各種のプロセッサーが用いられてもよい。また、プロセッサーは、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)によるハードウェア回路であってもよい。また、プロセッサーは、例えば、複数のCPUにより構成されていてもよく、あるいは、複数のASICによるハードウェア回路により構成されていてもよい。また、プロセッサーは、例えば、複数のCPUと、複数のASICによるハードウェア回路と、の組み合わせにより構成されていてもよい。また、プロセッサーは、例えば、アナログ信号を処理するアンプ回路あるいはフィルター回路等のうちの1以上を含んでもよい。
【0083】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0084】
1…行動推定システム、11…家屋、12…行動推定サーバー装置、13…家電分離サーバー装置、14…ネットワーク、31…行動推定装置、51…家電分離装置、111…玄関、112…通路、113…リビング、114…トイレ室、115…浴室、116…寝室、131~135…扉、211…電力センサー、212…ルーター装置、231…分電盤、311…温度センサー、312…湿度センサー、331…玄関センサー、332…リビングセンサー、333…トイレ室センサー、334…浴室センサー、335…寝室センサー、351…トイレセンサー、371…枕センサー、511…対象者、711…情報入力部、712…行動推定部、713…情報出力部、731…電力情報入力部、732…無線情報入力部、733…付加情報入力部、751…学習部、752…学習結果記憶部、1011…総電力量情報、1012…個別回路電力情報、1013…無線強度情報、1031…家電分離機能、1051…家電分離電力情報
図1
図2
図3
図4