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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】空気調和システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/11 20180101AFI20241203BHJP
   H04W 8/00 20090101ALI20241203BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20241203BHJP
   F24F 11/56 20180101ALI20241203BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
H04W76/11
H04W8/00 110
H04W84/10 110
F24F11/56
H04Q9/00 301D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020189794
(22)【出願日】2020-11-13
(65)【公開番号】P2022078846
(43)【公開日】2022-05-25
【審査請求日】2023-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】増田 雄介
【審査官】前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/131775(WO,A1)
【文献】特開2009-049590(JP,A)
【文献】特開2015-190676(JP,A)
【文献】特開2013-157896(JP,A)
【文献】特開2019-033423(JP,A)
【文献】特開2001-041545(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
・調査した分野 IPC H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
F24F 11/56
H04Q 9/00
DB名 3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4、6
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内機と、前記室内機と連携する空調補助機器と、前記室内機を操作する操作機器と、前記室内機を操作する補助操作機器とを有し、前記室内機、前記空調補助機器、前記操作機器及び前記補助操作機器を含む複数の機器間を近距離無線通信で接続する空気調和システムであって、
前記操作機器は、
前記機器からの接続要求を検出した場合に、当該接続要求の機器の機器タイプ毎に異なる識別情報を付与する付与部と、
前記付与部にて付与された前記識別情報を当該接続要求の機器に送信すると共に、前記付与部にて付与された前記接続要求の機器を識別する前記識別情報を前記室内機に送信する第2の送信部と、を有し、
前記室内機は、
前記操作機器から得る前記空調補助機器、前記操作機器及び前記補助操作機器の前記識別情報を記憶する第1のテーブルと、
前記機器宛の信号に当該機器を識別する前記識別情報を付加する付加部と、
前記付加部にて前記識別情報が付加された前記機器宛の信号を送信する第1の送信部と
を有し、
前記操作機器、前記空調補助機器又は前記補助操作機器の各機器は、
前記操作機器から得る機器本体を識別する前記識別情報を記憶する第2のテーブルと、
前記室内機から前記機器宛の信号を受信した場合に、受信した前記機器宛の信号に付加された前記識別情報と当該機器本体の前記識別情報とが一致したか否かを判定する判定部と、
前記判定部にて前記識別情報が一致した場合に、前記室内機から受信した信号を受け付けると共に、前記判定部にて前記識別情報が一致しなかった場合に前記室内機から受信した信号を廃棄する処理部と
を有することを特徴とする空気調和システム。
【請求項2】
前記第2の送信部は、
記付与部にて付与された前記接続要求の機器を識別する前記識別情報及び前記接続要求の機器の機器アドレスを含む機器情報を前記室内機に送信するとを特徴とする請求項1に記載の空気調和システム。
【請求項3】
前記室内機は、
前記識別情報及び前記機器情報を受信した場合に、前記機器情報毎に前記識別情報を対応付けて前記第1のテーブルに記憶することを特徴とする請求項2に記載の空気調和システム。
【請求項4】
前記付与部は、
前記機器からの接続要求を検出した場合に、当該接続要求の機器に当該機器の機器タイプに応じた前記識別情報を付与することを特徴とする請求項3に記載の空気調和システム。
【請求項5】
前記機器タイプは、
前記室内機を操作する機器を示す機器タイプと、前記室内機に操作される機器を示す機器タイプとを含むことを特徴とする請求項4に記載の空気調和システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信機能を有する家電機器が増加している。例えば、ホームネットワークに新たな空気調和機を追加する場合に、リモートコントローラ(以下、リモコンと略す)が情報端末から無線設定情報を取得し、リモコンが無線設定情報を空気調和機に送信し、空気調和機とリモコンとの間の無線設定情報を設定することで、空気調和機をホームネットワークに通信接続できる技術がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-156691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、空気調和システムでは、例えば、室内機と、室内機と連携する空調補助機器と、室内機を操作するリモコンとを有し、室内機、空調補助機器及びリモコンをBLE(Bluetooth Low Energy:登録商標)通信で接続するシステムがある。例えば、室内機は、BLE通信で空調補助機器宛の信号を空調補助機器に送信する。そして、空調補助機器は、受信した空調補助機器宛の信号に応じて空調補助の処理動作を実行する。また、リモコンは、BLE通信で室内機宛の信号を室内機に送信する。そして、室内機は、受信した室内機宛の信号に応じて所定の処理動作を実行する。
【0005】
一般的な空気調和システムでは、演算装置やメモリの制約からBLE通信の接続先を区別せず、室内機が空調補助機器宛の信号をBLE通信のブロードキャストで送信することになる。そうすると例えば、リモコンは、室内機から空調補助機器宛の信号を受信した場合に、受信した信号が自分宛の信号ではないため、空調補助機器宛の信号に応じて誤動作を生じる場合も考えられる。
【0006】
本発明ではこのような問題に鑑み、自分の機器宛以外の信号による誤動作を抑制できる空気調和システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の空気調和システムは、室内機と、前記室内機と連携する空調補助機器と、前記室内機を操作する操作機器と、前記室内機を操作する補助操作機器とを有し、前記室内機、前記空調補助機器、前記操作機器及び前記補助操作機器を含む複数の機器間を近距離無線通信で接続する。前記室内機は、前記空調補助機器、前記操作機器及び前記補助操作機器に関わる属性毎に異なる識別情報を記憶する第1のテーブルと、前記機器宛の信号に当該機器に関わる前記識別情報を付加する付加部と、前記付加部にて前記識別情報が付加された前記機器宛の信号を送信する第1の送信部とを有する。前記機器は、機器本体を識別する前記識別情報を記憶する第2のテーブルと、前記室内機から前記機器宛の信号を受信した場合に、受信した前記機器宛の信号に付加された前記識別情報と当該機器本体の前記識別情報とが一致したか否かを判定する判定部と、前記判定部にて前記識別情報が一致した場合に、前記室内機から受信した信号を受け付ける処理部とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の空気調和システムは、自分の機器宛以外の信号による誤動作を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施例の空気調和システムの一例を示す説明図である。
図2図2は、室内機の構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、管理テーブルの一例を示す説明図である。
図4図4は、操作機器の構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、受付管理テーブルの一例を示す説明図である。
図6図6は、補助操作機器の構成の一例を示すブロック図である。
図7図7は、空調補助機器の構成の一例を示すブロック図である。
図8図8は、操作機器と室内機との間のペアリング登録に関わる処理動作の一例を示すシーケンスである。
図9図9は、空調補助機器のペアリング登録に関わる処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図10図10は、補助操作機器のペアリング登録に関わる処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図11図11は、室内機から空調補助機器宛信号を受信した場合の操作機器、補助操作機器及び空調補助機器の処理動作の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて、本願の開示する空気調和システムの実施例を詳細に説明する。尚、本実施例により、開示技術が限定されるものではない。また、以下に示す各実施例は、矛盾を起こさない範囲で適宜変形しても良い。
【実施例
【0011】
図1は、本実施例の空気調和システム1の一例を示す説明図である。図1に示す空気調和システム1は、空気調和機内の室内機2と、空気調和機内の室外機3と、操作機器4と、補助操作機器5と、空調補助機器6とを有する。室内機2と室外機3とは、例えば、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)等で通信する。室内機2は、操作機器4、補助操作機器5及び空調補助機器6と、例えば、BLE通信等の近距離無線通信で双方向に通信する。また、操作機器4は、補助操作機器5との間で、BLE通信で双方向に通信する。
【0012】
室内機2は、例えば、室内に配置され、室内の空気を加熱又は冷却する空気調和機の一部である。尚、室内機2の利用者は、操作機器4や補助操作機器5の操作により室内機2を遠隔操作することが可能である。室外機3は、室内機2と冷媒配管で接続されており、図示しない室外ファンや圧縮機等が備えられている。例えば、室内機2、室外機3、操作機器4及び補助操作機器5で空気調和機が構成される。
【0013】
操作機器4及び補助操作機器5は、室内機2を遠隔操作するリモコンである。操作機器4は、室内機2に対して冷房、暖房、除湿等の運転ON/OFFや温度調整の他に、タイマ設定や風向調整等の詳細な動作を指示できる付属リモコンである。これに対して、補助操作機器5は、例えば、運転ON/OFFや温度調整等のシンプルな動作のみを室内機2に指示できるシンプルリモコンである。尚、説明の便宜上、補助操作機器5は、シンプルリモコンとして例示したが、例えば、BLE通信機能を備えたスマホ端末やタブレット端末等で代用しても良く、適宜変更可能である。
【0014】
空調補助機器6は、室内機2と連動して室内機2が配置された室内空間の空調を補助する機器である。空調補助機器6としては、例えば、加湿器、サーキュレーター及び空気清浄機等である。
【0015】
図2は、室内機2の構成の一例を示すブロック図である。図2に示す室内機2は、BLE通信部21と、室外機通信部22と、操作部23と、表示部24と、室内機本体25と、記憶部26と、制御部27とを有する。BLE通信部21は、例えば、操作機器4、補助操作機器5及び空調補助機器6等の各機器とBLE(Blue Tooth Low Energy)を用いて通信する通信インタフェースである。室外機通信部22は、例えば、UARTを用いて室外機3と通信する通信インタフェースである。操作部23は、制御部27にコマンドを入力する入力インタフェースである。表示部24は、各種情報を表示出力する出力インタフェースである。室内機本体25は、例えば、図示しない室内ファン、膨張弁、室内熱交換器、風向板等である。記憶部26は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等を有し、データやプログラム等の各種情報を格納する領域である。制御部27は、室内機2全体を制御する。
【0016】
操作部23は、例えば、リモコン接続ボタン23Aを有する。リモコン接続ボタン23Aは、室内機2と操作機器4との間のBLE通信によるペアリング登録のペアリング準備期間を開始するボタンである。尚、ペアリング準備期間は、リモコン接続ボタン23Aのボタン操作に応じて室内機2から操作機器4に対してペアリング登録の準備を開始する所定期間である。
【0017】
記憶部26は、空調補助機器6、操作機器4及び補助操作機器5等の機器の属性毎に異なる識別番号を管理する第1のテーブルである管理テーブル26Aを記憶する。図3は、管理テーブル26Aの一例を示す説明図である。図3に示す管理テーブル26Aは、識別番号261A毎に、BD(Bluetooth Device)アドレス262Aと、機能タイプ263Aとを対応付けて管理するテーブルである。識別番号261Aは、操作機器4がBLE通信でペアリング登録した機器に初めて付与する識別情報である。BDアドレス262Aは、BLE通信でペアリング登録した機器を識別するために使用される、製造時に付与されるアドレスである。機能タイプ263Aは、BLE通信でペアリング登録した機器の機能等の機器属性を示す情報である。操作機器4は、識別番号として“1”、BDアドレスとして“XXX”、機能タイプとして“リモコン”を管理テーブル26Aに記憶されている。空調補助機器6は、識別番号として“2”、BDアドレスとして“YYY”、機能タイプとして“空調補助機器”を管理テーブル26Aに記憶されている。補助操作機器5は、識別番号として“3”、BDアドレスとして“ZZZ”、機能タイプとして“リモコン”を管理テーブル26Aに記憶されている。
【0018】
制御部27は、例えば、室内機本体25の膨張弁の開度を調整して、利用者が必要とする空調能力を発揮させるために必要となる量の冷媒を室内熱交換器に流し、室内ファンを駆動して室内熱交換器で冷媒と熱交換を行った室内空気を、風向板を制御して風向を偏向させて空調空間に吹き出させる。これにより、空調空間の暖房、冷房、除湿が行われる。
【0019】
また、制御部27は、付加部27Aと、第1の送信部27Bとを有する。付加部27Aは、機器宛の信号に当該機器に関わる識別番号を付加する。第1の送信部27Bは、付加部27Aにて識別番号が付加された機器宛の信号を送信する。
【0020】
図4は、操作機器4の構成の一例を示すブロック図である。図4に示す操作機器4は、BLE通信部41と、操作部42と、表示部43と、記憶部44と、制御部45とを有する。BLE通信部41は、例えば、室内機2、補助操作機器5及び空調補助機器6等の各機器とBLEを用いて通信する通信インタフェースである。操作部42は、制御部45にコマンドを入力する入力インタフェースである。表示部43は、各種情報を表示出力する出力インタフェースである。記憶部44は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等を有し、データやプログラム等の各種情報を格納する領域である。制御部45は、操作機器4全体を制御する。
【0021】
操作部42は、例えば、決定ボタン42Aと、表示部43に表示中の表示画面上の各種ボタンを示すタッチパネル42Bとを有する。記憶部44は、機器本体を識別する識別番号を管理する第2のテーブルである機器保持部44Aと、受付管理テーブル44Bとを有する。機器保持部44Aは、操作機器4を識別するBDアドレス441Aと、操作機器4の機能タイプ442Aと、操作機器4に付与した識別番号443Aとを対応付けて記憶するテーブルである。尚、説明の便宜上、機器保持部44Aは、識別番号として“1”、BDアドレスとして“XXX”、機能タイプとして“リモコン”を記憶しているものとする。
【0022】
図5は、受付管理テーブル44Bの一例を示す説明図である。図5に示す受付管理テーブル44Bは、操作機器4でペアリングを受け付けた機器毎の識別番号441B、BDアドレス442B及び機能タイプ443Bを対応付けて記憶するテーブルである。
【0023】
制御部45は、付与部45Aと、生成部45Bと、第2の送信部45Cと、判定部45Dと、処理部45Eとを有する。付与部45Aは、機器からのペアリング要求等の接続要求を検出した場合に、当該機器に機器毎に異なる識別番号を付与する。生成部45Bは、操作機器4に識別番号を付与した場合、操作機器4の識別番号、BDアドレス及び機能タイプを含む操作機器情報を生成する。また、生成部45Bは、補助操作機器5に識別番号を付与した場合、補助操作機器5の識別番号、BDアドレス及び機能タイプを含む補助操作機器情報を生成する。また、生成部45Bは、空調補助機器6に識別番号を付与した場合、空調補助機器6の識別番号、BDアドレス及び機能タイプを含む空調補助機器情報を生成する。
【0024】
第2の送信部45Cは、付与部45Aにて付与された識別番号を当該機器に送信すると共に、付与部45Aにて付与された識別番号、BDアドレス及び機能タイプを含む情報を室内機2に送信する。判定部45Dは、室内機2から機器宛の信号を受信した場合に、受信した機器宛の信号に付加された識別番号と、機器保持部44Aに記憶中の当該機器本体である操作機器4の識別番号とが一致したか否かを判定する。処理部45Eは、判定部45Dにて識別番号が一致した場合に、室内機2から受信した信号を受け付ける。処理部45Eは、判定部45Dにて識別番号が一致しなかった場合に、室内機2から受信した信号を廃棄する。
【0025】
図6は、補助操作機器5の構成の一例を示すブロック図である。図6に示す補助操作機器5は、BLE通信部51と、操作部52と、表示部53と、記憶部54と、制御部55とを有する。BLE通信部51は、例えば、室内機2、操作機器4及び空調補助機器6等の各機器とBLEを用いて通信する通信インタフェースである。操作部52は、制御部55にコマンドを入力する入力インタフェースである。表示部53は、各種情報を表示出力する出力インタフェースである。記憶部54は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等を有し、データやプログラム等の各種情報を格納する領域である。制御部55は、補助操作機器5全体を制御する。
【0026】
操作部52は、例えば、エアコン接続ボタン52Aを有する。エアコン接続ボタン52Aは、室内機2と補助操作機器5との間のBLE通信によるペアリング登録のペアリング準備期間を開始するボタンである。尚、ペアリング準備期間は、エアコン接続ボタン52Aのボタン操作に応じて補助操作機器5から室内機2に対してペアリング登録の準備を開始するまでの所定期間である。
【0027】
記憶部54は、機器本体である補助操作機器5を識別する識別番号を管理する第2のテーブルである機器保持部54Aを有する。機器保持部54Aは、補助操作機器5を識別するBDアドレス541Aと、補助操作機器5の機能タイプ542Aと、補助操作機器5に付与された識別番号543Aとを対応付けて記憶するテーブルである。尚、説明の便宜上、機器保持部54Aは、識別番号として“3”、BDアドレスとして“ZZZ”、機能タイプとして“リモコン”を記憶しているものとする。
【0028】
制御部55は、判定部55Aと、処理部55Bとを有する。判定部55Aは、室内機2から機器宛の信号を受信した場合に、受信した機器宛の信号に付加された識別番号と、機器保持部54Aに記憶中の当該機器本体である補助操作機器5の識別番号とが一致したか否かを判定する。処理部55Bは、判定部55Aにて識別番号が一致した場合に、室内機2から受信した信号を受け付ける。処理部55Bは、判定部55Aにて識別番号が一致しなかった場合に、室内機2から受信した信号を廃棄する。
【0029】
図7は、空調補助機器6の構成の一例を示すブロック図である。図7に示す空調補助機器6は、BLE通信部61と、操作部62と、表示部63と、空調本体64と、記憶部65と、制御部66とを有する。BLE通信部61は、例えば、室内機2、操作機器4及び補助操作機器5等の各機器とBLEを用いて通信する通信インタフェースである。操作部62は、制御部66にコマンドを入力する入力インタフェースである。表示部63は、各種情報を表示出力する出力インタフェースである。記憶部65は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等を有し、データやプログラム等の各種情報を格納する領域である。制御部66は、空調補助機器6全体を制御する。
【0030】
操作部62は、例えば、エアコン接続ボタン62Aを有する。エアコン接続ボタン62Aは、室内機2と空調補助機器6との間のBLE通信によるペアリング登録のペアリング準備期間を開始するボタンである。尚、ペアリング準備期間は、エアコン接続ボタン62Aのボタン操作に応じて空調補助機器6から室内機2に対してペアリング登録の準備を開始する所定期間である。
【0031】
記憶部65は、機器本体である空調補助機器6を識別する識別番号を記憶する第2のテーブルである機器保持部65Aを有する。機器保持部65Aは、空調補助機器6を識別するBDアドレス651Aと、空調補助機器6の機能タイプ652Aと、空調補助機器6に付与された識別番号653Aとを対応付けて記憶するテーブルである。尚、説明の便宜上、機器保持部65Aは、識別番号として“2”、BDアドレスとして“YYY”、機能タイプとして“空調補助機器”を記憶しているものとする。
【0032】
空調本体64は、例えば、空調補助機器6が加湿器の場合、加湿器本体に内蔵する図示しない給水タンクに収容される水を加熱して蒸気とし、その蒸気を室内空間に放出することで室内空間を加湿する。加湿器本体は、例えば、図示しない給水タンクやエアフィルタ等を有する。
【0033】
制御部66は、判定部66Aと、処理部66Bとを有する。判定部66Aは、室内機2から機器宛の信号を受信した場合に、受信した機器宛の信号に付加された識別番号と、機器保持部65Aに記憶中の当該機器本体である空調補助機器6の識別番号とが一致したか否かを判定する。処理部66Bは、判定部66Aにて識別番号が一致した場合に、室内機2から受信した信号を受け付ける。処理部66Bは、判定部66Aにて識別番号が一致しなかった場合に、室内機2から受信した信号を廃棄する。
【0034】
次に本実施例の空気調和システム1の動作について説明する。図8は、操作機器4と室内機2との間のペアリング登録に関わる処理動作の一例を示すシーケンス図である。
【0035】
室内機2内の制御部45は、リモコン接続ボタン23Aのボタン操作を検出した場合(ステップS11)、リモコン接続要求をBLE通信で操作機器4に送信する(ステップS12)。操作機器4内の付与部45Aは、リモコン接続要求を検出した場合、機器保持部44Aから自分の操作機器4のBDアドレス及び機能タイプを抽出する(ステップS13)。操作機器4内の付与部45Aは、操作機器4のBDアドレス及び機能タイプに他の機器に付与されていない未付与の識別番号を付与する(ステップS14)。尚、識別番号は、例えば、「1」である。操作機器4内の付与部45Aは、付与された識別番号に対応付けて、操作機器4のBDアドレス及び機能タイプを受付管理テーブル44Bに記憶する(ステップS15)。
【0036】
操作機器4内の生成部45Bは、識別番号、BDアドレス及び機能タイプを含む操作機器情報を生成する(ステップS16)。尚、操作機器情報は、操作機器4に付与された識別番号、操作機器4のBDアドレス及び操作機器4の機能タイプ等を含む情報である。操作機器4内の第2の送信部45Cは、生成した操作機器情報をペアリング要求に格納する(ステップS17)。ペアリング要求は、BLE通信で規格された要求の信号フォーマットであって、ペアリング要求内のペイロードに操作機器情報を格納するものである。更に、操作機器4内の第2の送信部45Cは、操作機器情報を格納したペアリング要求をBLE通信で室内機2に送信する(ステップS18)。
【0037】
室内機2内の制御部27は、ペアリング要求を受信した場合、ペアリング要求から操作機器情報を抽出する(ステップS19)。そして、室内機2内の制御部27は、抽出した操作機器情報内の操作機器4に関わる識別番号、BDアドレス及び機能タイプを管理テーブル26Aに記憶する(ステップS20)。そして、室内機2内の制御部27は、ペアリング完了をBLE通信で操作機器4に送信する(ステップS21)。
【0038】
操作機器4内の制御部45は、ペアリング完了を受信した場合、接続完了を表示部43に表示する(ステップS22)。その結果、操作機器4の利用者は、表示部43に表示中の接続完了を見て、操作機器4と室内機2との間のBLE通信によるペアリング登録が完了したことを認識できる。
【0039】
図8において室内機2は、リモコン接続ボタン23Aのボタン操作に応じて操作機器4から識別番号、BDアドレス及び機能タイプを含む操作機器情報を格納したペアリング要求を受信する。そして、室内機2は、受信したペアリング要求から操作機器情報を抽出して、操作機器情報内の識別番号、BDアドレス及び機能タイプを管理テーブル26Aに記憶し、操作機器4とのBLE通信によるペアリング登録を完了する。その結果、室内機2は、操作機器4とのBLE通信によるペアリングを実現できる。
【0040】
また、操作機器4は、室内機2からのリモコン接続要求を検出した場合、機器保持部44Aから自分のBDアドレス及び機能タイプを抽出し、BDアドレス及び機能タイプに識別番号を付与する。そして、操作機器4は、自分の識別番号、BDアドレス及び機能タイプを含む操作機器情報を生成し、生成した操作機器情報を含むペアリング要求を室内機2に送信する。その結果、操作機器4は、自分の識別番号を含む操作機器情報を室内機2に提供できる。
【0041】
図9は、空調補助機器6のペアリング登録に関わる処理動作の一例を示すシーケンス図である。図9において操作機器4内の制御部45は、例えば、室内機2との間のBLE通信によるペアリング登録が完了した場合、空調補助機器6の接続要求画面を表示部43に表示する(ステップS30)。尚、説明の便宜上、操作機器4は、室内機2との間のペアリングが完了した場合に空調補助機器6の接続要求画面を表示する場合を例示したが、所定操作に応じて空調補助機器6の接続要求画面を表示しても良く、適宜変更可能である。
【0042】
操作機器4内の制御部45は、タッチパネル42Bを通じて空調補助機器6の接続要求画面上の接続要求操作を検出した場合(ステップS31)、空調補助機器6とのペアリング受付要求を室内機2に送信する(ステップS32)。そして、室内機2内の制御部27は、ペアリング受付要求に応じてペアリング受付を開始する(ステップS32A)。尚、室内機2は、ペアリング受付開始に応じて空調補助機器6とのペアリング準備を完了したことになる。
【0043】
また、空調補助機器6内の制御部66は、電源起動を検出し(ステップS33)、更に、エアコン接続ボタン62Aのボタン操作を検出した場合(ステップS34)、操作機器4とのペアリング準備を完了する。尚、説明の便宜上、操作機器4のペアリング準備を完了した後に空調補助機器6のペアリング準備を完了する場合を例示しているが、空調補助機器6のペアリング準備を完了した後に操作機器4のペアリング準備を完了しても良いし、操作機器4及び空調補助機器6のペアリング準備を同時に完了しても良い。
【0044】
空調補助機器6内の制御部66は、機器保持部65Aから自分の空調補助機器6のBDアドレス及び機能タイプを抽出する(ステップS35)。空調補助機器6内の制御部66は、空調補助機器6のBDアドレス及び機能タイプを含む空調補助機器情報を生成する(ステップS36)。空調補助機器6内の制御部66は、空調補助機器情報をペアリング要求に格納する(ステップS37)。ペアリング要求は、BLE通信で規格された要求の信号フォーマットであって、ペアリング要求内のペイロードに空調補助機器情報を格納するものである。更に、空調補助機器6内の制御部66は、空調補助機器情報を格納したペアリング要求をBLE通信で室内機2に送信する(ステップS38)。そして、室内機2内の制御部27は、受信したペアリング要求から空調補助機器情報を抽出し、抽出した空調補助機器情報を操作機器4に送信する(ステップS39)。
【0045】
操作機器4内の付与部45Aは、室内機2から空調補助機器情報を受信した場合、空調補助機器情報から空調補助機器6のBDアドレス及び機能タイプを抽出する(ステップS40)。操作機器4内の付与部45Aは、空調補助機器情報内のBDアドレス及び機能タイプに他の機器に付与されていない未付与の識別番号を付与する(ステップS41)。尚、識別番号は、例えば、「2」である。操作機器4内の付与部45Aは、識別番号に対応付けて空調補助機器6のBDアドレス及び機能タイプを受付管理テーブル44B内に記憶する(ステップS42)。
【0046】
更に、操作機器4内の生成部45Bは、空調補助機器6の識別番号、BDアドレス及び機能タイプを含む空調補助機器情報を生成する(ステップS43)。操作機器4内の第2の送信部45Cは、空調補助機器情報をペアリング要求に格納する(ステップS44)。そして、操作機器4内の第2の送信部45Cは、空調補助機器情報を格納したペアリング要求をBLE通信で室内機2に送信する(ステップS45)。
【0047】
室内機2内の制御部27は、操作機器4からのペアリング要求を受信した場合、ペアリング要求から空調補助機器情報を抽出し(ステップS46)、抽出した空調補助機器情報内の空調補助機器6に関わる識別番号、BDアドレス及び機能タイプを管理テーブル26Aに記憶する(ステップS47)。そして、室内機2内の制御部27は、ペアリング完了をBLE通信で操作機器4に送信する(ステップS48)。
【0048】
操作機器4内の制御部45は、室内機2からペアリング完了を受信した場合、空調補助機器6の接続完了を表示部43に表示する(ステップS49)。その結果、操作機器4の利用者は、表示部43に表示中の空調補助機器6の接続完了を見て、室内機2と空調補助機器6との間のBLE通信によるペアリング登録が完了したことを認識できる。
【0049】
図9では、室内機2は、操作機器4からの要求に応じてペアリング準備を完了し、空調補助機器6は、エアコン接続ボタン62Aのボタン操作に応じてペアリング準備を完了する。空調補助機器6は、自分のBDアドレス及び機能タイプを含む空調補助機器情報を格納したペアリング要求を室内機2に送信する。室内機2は、空調補助機器情報を操作機器4に送信する。操作機器4は、空調補助機器情報内のBDアドレス及び機能タイプに識別番号を付与し、識別番号を含む空調補助機器情報を室内機2に送信する。そして、室内機2は、空調補助機器情報内の空調補助機器6の識別番号、BDアドレス及び機能タイプを管理テーブル26Aに記憶し、空調補助機器6とのBLE通信によるペアリング登録を完了する。その結果、室内機2は、空調補助機器6とのBLE通信によるペアリング登録を実現できる。
【0050】
また、操作機器4は、室内機2からの空調補助機器情報を検出した場合、空調補助機器情報から空調補助機器6のBDアドレス及び機能タイプを抽出し、BDアドレス及び機能タイプに識別番号を付与する。そして、操作機器4は、空調補助機器6の識別番号、BDアドレス及び機能タイプを含む空調補助機器情報を生成し、生成した空調補助機器情報を含むペアリング要求を室内機2に送信する。その結果、操作機器4は、空調補助機器6に付与した識別番号を含む空調補助機器情報を室内機2に提供できる。
【0051】
図10は、補助操作機器5のペアリング登録に関わる処理動作の一例を示すシーケンスである。図10において操作機器4内の制御部45は、例えば、室内機2と空調補助機器6との間のBLE通信によるペアリングが完了した場合に、補助操作機器5の接続要求画面を表示部43に表示する(ステップS51)。尚、説明の便宜上、操作機器4は、室内機2と空調補助機器6との間のペアリング登録が完了した場合に補助操作機器5の接続要求画面を表示する場合を例示したが、所定操作に応じて補助操作機器5の接続要求画面を表示しても良く、適宜変更可能である。
【0052】
操作機器4内の制御部45は、タッチパネル42Bを通じて補助操作機器5の接続要求操作を検出した場合(ステップS52)、補助操作機器5とのペアリング準備を完了する。また、補助操作機器5内の制御部55は、エアコン接続ボタン52Aのボタン操作を検出した場合、操作機器4とのペアリング準備を完了する。尚、説明の便宜上、操作機器4のペアリング準備を完了した後に補助操作機器5のペアリング準備を完了する場合を例示しているが、補助操作機器5のペアリング準備を完了した後に操作機器4のペアリング準備を完了しても良いし、操作機器4及び補助操作機器5のペアリング準備を同時に完了しても良い。
【0053】
補助操作機器5内の制御部55は、機器保持部54Aから自分の補助操作機器5のBDアドレス及び機能タイプを抽出する(ステップS54)。補助操作機器5内の制御部55は、補助操作機器5のBDアドレス及び機能タイプを含む補助操作機器情報を生成する(ステップS55)。補助操作機器5内の制御部55は、補助操作機器情報をペアリング要求に格納する(ステップS56)。尚、ペアリング要求は、BLE通信で規格された要求の信号フォーマットであって、ペアリング要求内のペイロードに補助操作機器情報を格納するものである。更に、補助操作機器5内の制御部55は、補助操作機器情報を格納したペアリング要求をBLE通信で操作機器4に送信する(ステップS57)。
【0054】
操作機器4内の付与部45Aは、補助操作機器5からペアリング要求を受信した場合、ペアリング要求から補助操作機器情報を抽出する(ステップS58)。操作機器4内の付与部45Aは、補助操作機器情報内のBDアドレス及び機能タイプに他の機器に付与されていない未付与の識別番号を付与する(ステップS59)。操作機器4内の付与部45Aは、識別番号に対応付けて補助操作機器5のBDアドレス及び機能タイプを受付管理テーブル44B内に記憶する(ステップS60)。
【0055】
更に、操作機器4内の生成部45Bは、補助操作機器5の識別番号、BDアドレス及び機能タイプを含む補助操作機器情報を生成する(ステップS61)。操作機器4内の第2の送信部45Cは、補助操作機器情報をペアリング要求に格納する(ステップS62)。そして、操作機器4内の第2の送信部45Cは、補助操作機器情報を格納したペアリング要求をBLE通信で室内機2に送信する(ステップS63)。
【0056】
室内機2内の制御部27は、操作機器4からのペアリング要求を受信した場合、ペアリング要求から空調補助機器情報を抽出する(ステップS64)。室内機2内の制御部27は、抽出した空調補助機器情報内の空調補助機器6に関わる識別番号、BDアドレス及び機能タイプを管理テーブル26Aに記憶する(ステップS65)。そして、室内機2内の制御部27は、ペアリング完了をBLE通信で操作機器4に送信する(ステップS66)。
【0057】
操作機器4内の制御部45は、ペアリング完了を受信した場合、補助操作機器5の接続完了を表示部43に表示する(ステップS67)。その結果、操作機器4の利用者は、表示部43に表示中の補助操作機器5の接続完了を見て、操作機器4と、室内機2と、補助操作機器5とのBLEによるペアリング登録が完了したことを認識できる。
【0058】
図10では、補助操作機器5は、自分のBDアドレス及び機能タイプを含む補助操作機器情報を格納したペアリング要求を操作機器4に送信する。操作機器4は、補助操作機器情報内のBDアドレス及び機能タイプに識別番号を付与し、識別番号を含む補助操作機器情報を室内機2に送信する。そして、室内機2は、補助操作機器情報内の補助操作機器5の識別番号、BDアドレス及び機能タイプを管理テーブル26Aに記憶し、補助操作機器5とのBLE通信によるペアリング登録を完了する。その結果、室内機2は、補助操作機器5とのBLE通信によるペアリング登録を実現できる。
【0059】
また、操作機器4は、室内機2からの補助操作機器情報を検出した場合、補助操作機器情報から補助操作機器5のBDアドレス及び機能タイプを抽出し、BDアドレス及び機能タイプに識別番号を付与する。そして、操作機器4は、補助操作機器5の識別番号、BDアドレス及び機能タイプを含む補助操作機器情報を生成し、生成した補助操作機器情報を含むペアリング要求を室内機2に送信する。その結果、操作機器4は、補助操作機器5に付与した識別番号を含む補助操作機器情報を室内機2に提供できる。
【0060】
図11は、室内機2から空調補助機器宛信号を受信した場合の操作機器4、補助操作機器5及び空調補助機器6の処理動作の一例を示すシーケンスである。図11において室内機2内の付加部27Aは、例えば、空調補助機器6宛のコマンド内容を生成した場合(ステップS71)、空調補助機器6に対応する識別番号及びBDアドレスを管理テーブル26Aから抽出する(ステップS72)。更に、室内機2内の付加部27Aは、空調補助機器6宛のコマンド内容、空調補助機器6の識別番号及びBDアドレスを含む空調補助機器宛信号を生成する(ステップS73)。そして、室内機2内の第1の送信部27Bは、空調補助機器宛信号をBLE通信でブロードキャスト送信する(ステップS74)。
【0061】
操作機器4内の判定部45Dは、室内機2から空調補助機器宛信号を受信した場合、空調補助機器宛信号から識別番号を抽出する(ステップS75A)。操作機器4内の判定部45Dは、抽出した識別番号が機器保持部44A内の自分の識別番号と一致しているか否かを判定する(ステップS76A)。操作機器4内の処理部45Eは、抽出した識別番号が自分の識別番号と不一致であるため、空調補助機器宛信号を廃棄する(ステップS77A)。
【0062】
また、補助操作機器5内の判定部55Aは、室内機2から空調補助機器宛信号を受信した場合、空調補助機器宛信号から識別番号を抽出する(ステップS75B)。補助操作機器5内の判定部55Aは、抽出した識別番号が機器保持部54A内の自分の識別番号と一致しているか否かを判定する(ステップS76B)。補助操作機器5内の処理部55Bは、抽出した識別番号が自分の識別番号と不一致であるため、空調補助機器宛信号を廃棄する(ステップS77B)。
【0063】
また、空調補助機器6内の判定部66Aは、室内機2から空調補助機器宛信号を受信した場合、空調補助機器宛信号から識別番号を抽出する(ステップS75)。空調補助機器6内の判定部66Aは、抽出した識別番号が機器保持部内の自分の識別番号と一致しているか否かを判定する(ステップS76)。空調補助機器6内の処理部66Bは、抽出した識別番号が自分の識別番号と一致しているため、空調補助機器宛信号からコマンド内容を抽出する(ステップS77)。そして、空調補助機器6内の処理部66は、抽出したコマンド内容に基づき、処理動作を実行する(ステップS78)。
【0064】
室内機2は、空調補助機器6宛のコマンド内容を生成した場合、空調補助機器6に対応する識別番号及びBDアドレスを含む空調補助機器宛信号を生成し、空調補助機器宛信号をBLE通信でブロードキャスト送信する。その結果、空調補助機器宛信号を受信した各機器は、識別番号に基づき、自分宛の信号であるか否かを判定できる。
【0065】
操作機器4は、空調補助機器宛信号を受信した場合、空調補助機器宛信号内の識別番号が自分の識別番号であるか否かを判定し、識別番号が不一致であるため、空調補助機器宛信号を廃棄する。その結果、操作機器4は、他の機器宛信号による誤動作を防止できる。
【0066】
補助操作機器5は、空調補助機器宛信号を受信した場合、空調補助機器宛信号内の識別番号が自分の識別番号であるか否かを判定し、識別番号が不一致であるため、空調補助機器宛信号を廃棄する。その結果、補助操作機器5は、他の機器宛信号による誤動作を防止できる。
【0067】
空調補助機器6は、空調補助機器宛信号を受信した場合、空調補助機器宛信号内の識別番号が自分の識別番号であるか否かを判定し、識別番号が一致しているため、空調補助機器宛信号内のコマンド内容に基づき処理動作を実行する。その結果、空調補助機器6は、室内機2からの自分宛のコマンド内容に応じた処理を実行できる。
【0068】
本実施例の室内機2は、空調補助機器6、操作機器4及び補助操作機器5の機器毎に異なる識別番号を記憶する管理テーブル26Aを参照し、機器宛の信号に当該機器に付与された識別番号を付加し、識別番号が付加された機器宛の信号を送信する。更に、操作機器4、補助操作機器5及び空調補助機器6等の各機器は、機器本体を識別する識別番号を管理する機器保持部44A(54A、65A)を参照し、室内機2から信号を受信した場合に、受信した信号に付加された識別番号と当該機器本体の識別番号とが一致したか否かを判定し、識別番号が一致した場合に、室内機2から受信した当該機器宛の信号を受け付ける。その結果、各機器は、室内機2からの自分宛のコマンド内容に応じた処理を実行できる。
【0069】
各機器は、受信した信号に付加された識別番号と当該機器本体の識別番号とが一致しなかった場合に、室内機2から受信した信号を廃棄する。その結果、各機器は、自分の機器宛以外の信号による誤動作を防止できる。
【0070】
操作機器4は、機器からの接続要求を検出した場合に、当該機器に異なる識別番号を付与し、識別番号を当該機器に送信すると共に、識別番号及び機器のBDアドレスを室内機2に送信する。その結果、室内機2は、機器毎に付与された識別番号、機器は、自分に付与された識別番号を認識できる。
【0071】
室内機2は、機器の識別番号及び機器のBDアドレスを受信した場合に、機器のBDアドレス毎に識別番号を対応付けて管理テーブル26Aに記憶する。その結果、室内機2は、管理テーブル26Aを参照して各機器の識別番号を認識できる。
【0072】
操作機器4は、機器からのペアリング要求等の接続要求を検出した場合に、当該機器に対して、当該機器の機器属性に応じた識別番号を付与する。その結果、操作機器4は、各機器に識別番号を付与できる。
【0073】
機器属性は、室内機2を操作する機器タイプの機器属性と、室内機2に操作される機器タイプの機器属性とを有する。その結果、各機器は、他の機器宛信号による誤動作を防止できる。このように属性ごとにまとめて機器属性を付与し管理することで、全ての機器に対して個別に識別できるようにする場合よりも、記憶部26のコストを小さくすることができる。
【0074】
尚、説明の便宜上、操作機器4は、機器毎に異なる識別番号を付与する場合を例示したが、機器毎ではなく、機器の機能タイプ毎に異なる識別番号を付与してもよく、適宜変更可能である。また、識別番号を付与する場合を例示したが、番号に限定されるものではなく、記号や識別子等の機器を識別する識別情報であればよく、適宜変更可能である。
【0075】
操作機器4は、室内機2とのBLE通信のペアリングが完了した後、空調補助機器6のペアリング準備を開始する旨の記載を例示したが、空調補助機器6の代わりに補助操作機器5のペアリング準備を開始してもよく、適宜変更可能である。
【0076】
また、本実施例では、空調補助機器6と操作機器4との間、空調補助機器6と補助操作機器5との間をBLE通信で接続できない構成としたが、空調補助機器6と操作機器4との間、空調補助機器6と補助操作機器5との間をBLE通信で接続可能にしてもよく、この場合、空調補助機器6は、図9のステップS38に示すように室内機2に対して空調補助機器情報を含むペアリング要求を送信することなく、操作機器4に対して空調補助機器情報を含むペアリング要求を送信しても良く、適宜変更可能である。
【0077】
尚、説明の便宜上、通信端末7は、室内機2からのアラームに応じてアラーム表示を表示する場合を例示したが、例えば、アラームを通信端末7に備えたランプ等で点灯表示、音声等でアラームを音響出力しても良く、適宜変更可能である。
【0078】
また、図示した各部の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0079】
更に、各装置で行われる各種処理機能は、CPU(Central Processing Unit)(又はMPU(Micro Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良い。また、各種処理機能は、CPU(又はMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行するプログラム上、又はワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良いことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0080】
1 空気調和システム
2 室内機
4 操作機器
5 補助操作機器
6 空調補助機器
26A 管理テーブル
27A 付加部
27B 第1の送信部
44A 機器保持部
45A 付与部
45B 生成部
45C 第2の送信部
45D 判定部
45E 処理部
54A 機器保持部
55A 判定部
55B 処理部
65A 機器保持部
66A 判定部
66B 処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11