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特許7596764シート搬送装置、画像読取装置、シート搬送方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】シート搬送装置、画像読取装置、シート搬送方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 3/04 20060101AFI20241203BHJP
   B65H 5/02 20060101ALI20241203BHJP
   B65H 7/14 20060101ALI20241203BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241203BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
B65H3/04 320E
B65H5/02 G
B65H7/14
H04N1/00 567M
G03G15/00 107
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020204904
(22)【出願日】2020-12-10
(65)【公開番号】P2022092222
(43)【公開日】2022-06-22
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】村田 卓朗
【審査官】畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-217542(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 3/04
B65H 5/02
B65H 7/14
H04N 1/00
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた搬送方向へ搬送されるシートと接触して当該シートを前記搬送方向の下流側へ搬送する第1搬送部材と、
前記シートと前記第1搬送部材とが接触する第1位置を挟んで前記第1搬送部材と対向して設けられ、前記第1位置へ向けて付勢されており、前記第1位置へ搬送される複数枚のシートのうち前記第1搬送部材と接触する第1シートを前記第1シートとは異なる第2シートから分離する分離部材と、
前記第1位置よりも前記搬送方向の下流側の第2位置で前記シートと接触して当該シートを前記搬送方向の下流側へ搬送する第2搬送部材と、
前記第2位置よりも前記搬送方向の下流側の第3位置で前記シートと接触して当該シートを前記搬送方向の下流側へ搬送する第3搬送部材と、
前記シートの前記搬送方向における長さが前記シートの搬送経路における前記第1位置から前記第3位置までの区間の距離に基づく特定距離以下であるか否かを判断する判断処理部と、
前記判断処理部によって前記長さが前記特定距離以下であると判断された場合は、前記シートの前記搬送方向における先端が前記第2位置に到達した時以後であって前記シートの前記搬送方向における後端が前記第1位置を通過する前に前記第1搬送部材の駆動を停止し、前記長さが前記特定距離を超えると判断された場合は、前記先端が前記第3位置に到達した時以後であって前記後端が前記第1位置を通過する前に前記第1搬送部材の駆動を停止する第1駆動制御部と、
前記第1位置よりも前記搬送方向の下流側であって前記第2位置よりも前記搬送方向の上流側の第4位置で前記先端を検出する検出部と、
を備えるシート搬送装置であって、
前記第1駆動制御部は、前記検出部による前記先端の検出時からの経過時間に基づいて、前記第1搬送部材の駆動の停止タイミングを判断し、
前記第1駆動制御部は、前記長さが前記特定距離以下であると判断された場合は、前記検出部による前記先端の検出時からの経過時間が前記第1搬送部材による前記シートの前記第4位置から前記第2位置までの搬送時間よりも長い第1基準時間を超えた場合に前記第1搬送部材の駆動を停止し、
前記シート搬送装置は、
前記検出部による前記先端の検出時からの経過時間が前記第1基準時間を超えた場合に前記第2搬送部材の駆動を開始する第2駆動制御部を備え、
前記第2駆動制御部は、前記シートの搬送モードが予め定められた特定モードである場合は、前記検出部による前記先端の検出時からの経過時間が前記第1基準時間を超えた場合に前記第2搬送部材の駆動を開始し、前記搬送モードが前記特定モードではない場合は、前記先端が前記第2位置に到達する前に前記第2搬送部材の駆動を開始し、
前記第1駆動制御部は、前記長さが前記特定距離以下であると判断された場合であって、前記搬送モードが前記特定モードではない場合は、前記検出部による前記先端の検出時からの経過時間が前記搬送時間よりも長い第2基準時間を超えた場合に、前記第1搬送部材の駆動を停止するシート搬送装置
【請求項2】
前記シートの厚さを取得する取得処理部と、
前記取得処理部によって取得される前記シートの厚さに基づいて前記第2基準時間を設定する設定処理部と、
を備える請求項に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記第1搬送部材は、ベルト状の部材を含む、
請求項1又は2に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載のシート搬送装置と、
前記シート搬送装置によって搬送される前記シートに含まれる画像を読み取る画像読取部と、
を備える画像読取装置。
【請求項5】
予め定められた搬送方向へ搬送されるシートと接触して当該シートを前記搬送方向の下流側へ搬送する第1搬送部材と、前記シートと前記第1搬送部材とが接触する第1位置を挟んで前記第1搬送部材と対向して設けられ、前記第1位置へ向けて付勢されており、前記第1位置へ搬送される複数枚のシートのうち前記第1搬送部材と接触する第1シートを前記第1シートとは異なる第2シートから分離する分離部材と、前記第1位置よりも前記搬送方向の下流側の第2位置で前記シートと接触して当該シートを前記搬送方向の下流側へ搬送する第2搬送部材と、前記第2位置よりも前記搬送方向の下流側の第3位置で前記シートと接触して当該シートを前記搬送方向の下流側へ搬送する第3搬送部材と、前記第1位置よりも前記搬送方向の下流側であって前記第2位置よりも前記搬送方向の上流側の第4位置で前記シートの前記搬送方向における先端を検出する検出部と、を備えるシート搬送装置で実行されるシート搬送方法であって、
前記シートの前記搬送方向における長さが前記シートの搬送経路における前記第1位置から前記第3位置までの区間の距離に基づく特定距離以下であるか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップによって前記長さが前記特定距離以下であると判断された場合は、前記先端が前記第2位置に到達した時以後であって前記シートの前記搬送方向における後端が前記第1位置を通過する前に前記第1搬送部材の駆動を停止し、前記長さが前記特定距離を超えると判断された場合は、前記先端が前記第3位置に到達した時以後であって前記後端が前記第1位置を通過する前に前記第1搬送部材の駆動を停止する第1駆動制御ステップと、
を含み、
前記第1駆動制御ステップでは、前記検出部による前記先端の検出時からの経過時間に基づいて、前記第1搬送部材の駆動の停止タイミングが判断され、
前記第1駆動制御ステップでは、前記長さが前記特定距離以下であると判断された場合は、前記検出部による前記先端の検出時からの経過時間が前記第1搬送部材による前記シートの前記第4位置から前記第2位置までの搬送時間よりも長い第1基準時間を超えた場合に前記第1搬送部材の駆動が停止され、
前記シート搬送方法は、
前記検出部による前記先端の検出時からの経過時間が前記第1基準時間を超えた場合に前記第2搬送部材の駆動を開始する第2駆動制御ステップを含み、
前記第2駆動制御ステップでは、前記シートの搬送モードが予め定められた特定モードである場合は、前記検出部による前記先端の検出時からの経過時間が前記第1基準時間を超えた場合に前記第2搬送部材の駆動が開始され、前記搬送モードが前記特定モードではない場合は、前記先端が前記第2位置に到達する前に前記第2搬送部材の駆動が開始され、
前記第1駆動制御ステップでは、前記長さが前記特定距離以下であると判断された場合であって、前記搬送モードが前記特定モードではない場合は、前記検出部による前記先端の検出時からの経過時間が前記搬送時間よりも長い第2基準時間を超えた場合に、前記第1搬送部材の駆動が停止されるシート搬送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート搬送装置、画像読取装置、及びシート搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
読取対象の原稿を搬送するADF(Auto Document Feeder)を備える画像読取装置が知られている。例えば、前記ADFは、給紙ベルトと、分離ローラーと、レジストローラーと、搬送ローラーとを備える。前記給紙ベルトは、前記原稿と接触して当該原稿を搬送方向の下流側へ搬送する。前記分離ローラーは、前記給紙ベルトとの間でニップ部を形成しており、当該ニップ部へ搬送される複数枚の前記原稿のうち、前記給紙ベルトと接触する前記原稿を他の前記原稿から分離する。前記レジストローラーは、前記給紙ベルトよりも前記搬送方向の下流側で前記原稿を搬送する。前記搬送ローラーは、前記レジストローラーよりも前記搬送方向の下流側で前記原稿を画像の読み取り位置へ搬送する。
【0003】
また、先行して搬送される前記原稿の前記搬送方向における長さに応じて、後続の前記原稿の給送制御を変更する画像読取装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-108889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記レジストローラーが前記原稿の表面でスリップして、前記レジストローラーによる前記原稿の搬送に遅延が生じることがある。この遅延の時間が長い場合には、前記レジストローラーの駆動が一旦停止されてその駆動がやり直される給紙リトライが実行される。前記給紙リトライが実行されると、その分前記原稿の搬送が遅延するため、装置の生産性が低下する。これに対し、前記原稿の先端が前記搬送ローラーと接触するまで前記給紙ベルトによる当該原稿の搬送を継続させることにより、前記レジストローラーのスリップに起因する搬送遅延を抑制可能である。
【0006】
しかしながら、前記原稿の前記搬送方向における長さが短い場合には、前記原稿の先端が前記搬送ローラーと接触する前に当該原稿の後端が前記ニップ部を通過する。この場合、前記給紙ベルトの駆動が停止するまで後続の前記原稿が前記ニップ部から前記搬送方向の下流側へ搬送されて、当該後続の原稿が前記給紙ベルトと前記分離ローラーとによって挟まれた状態で停止する。これにより、後続の前記原稿に湾曲状のくせがついて、当該原稿の搬送時にジャム(紙詰まり)が発生しやすくなる。
【0007】
本発明の目的は、生産性の低下を抑制するとともに、ジャムの発生を抑制可能なシート搬送装置、画像読取装置、及びシート搬送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の局面に係るシート搬送装置は、第1搬送部材と、分離部材と、第2搬送部材と、第3搬送部材と、判断処理部と、第1駆動制御部とを備える。前記第1搬送部材は、予め定められた搬送方向へ搬送されるシートと接触して当該シートを前記搬送方向の下流側へ搬送する。前記分離部材は、前記シートと前記第1搬送部材とが接触する第1位置を挟んで前記第1搬送部材と対向して設けられ、前記第1位置へ向けて付勢されており、前記第1位置へ搬送される複数枚のシートのうち前記第1搬送部材と接触する第1シートを前記第1シートとは異なる第2シートから分離する。前記第2搬送部材は、前記第1位置よりも前記搬送方向の下流側の第2位置で前記シートと接触して当該シートを前記搬送方向の下流側へ搬送する。前記第3搬送部材は、前記第2位置よりも前記搬送方向の下流側の第3位置で前記シートと接触して当該シートを前記搬送方向の下流側へ搬送する。前記判断処理部は、前記シートの前記搬送方向における長さが前記シートの搬送経路における前記第1位置から前記第3位置までの区間の距離に基づく特定距離以下であるか否かを判断する。前記第1駆動制御部は、前記判断処理部によって前記長さが前記特定距離以下であると判断された場合は、前記シートの前記搬送方向における先端が前記第2位置に到達した時以後であって前記シートの前記搬送方向における後端が前記第1位置を通過する前に前記第1搬送部材の駆動を停止し、前記長さが前記特定距離を超えると判断された場合は、前記先端が前記第3位置に到達した時以後であって前記後端が前記第1位置を通過する前に前記第1搬送部材の駆動を停止する。
【0009】
本発明の他の局面に係る画像読取装置は、前記シート搬送装置と、画像読取部とを備える。前記画像読取部は、前記シート搬送装置によって搬送される前記シートに含まれる画像を読み取る。
【0010】
本発明の他の局面に係るシート搬送方法は、予め定められた搬送方向へ搬送されるシートと接触して当該シートを前記搬送方向の下流側へ搬送する第1搬送部材と、前記シートと前記第1搬送部材とが接触する第1位置を挟んで前記第1搬送部材と対向して設けられ、前記第1位置へ向けて付勢されており、前記第1位置へ搬送される複数枚のシートのうち前記第1搬送部材と接触する第1シートを前記第1シートとは異なる第2シートから分離する分離部材と、前記第1位置よりも前記搬送方向の下流側の第2位置で前記シートと接触して当該シートを前記搬送方向の下流側へ搬送する第2搬送部材と、前記第2位置よりも前記搬送方向の下流側の第3位置で前記シートと接触して当該シートを前記搬送方向の下流側へ搬送する第3搬送部材と、を備えるシート搬送装置で実行され、以下の判断ステップと、駆動制御ステップとを含む。前記判断ステップでは、前記シートの前記搬送方向における長さが前記シートの搬送経路における前記第1位置から前記第3位置までの区間の距離に基づく特定距離以下であるか否かが判断される。前記駆動制御ステップでは、前記判断ステップによって前記長さが前記特定距離以下であると判断された場合は、前記シートの前記搬送方向における先端が前記第2位置に到達した時以後であって前記シートの前記搬送方向における後端が前記第1位置を通過する前に前記第1搬送部材の駆動が停止され、前記長さが前記特定距離を超えると判断された場合は、前記先端が前記第3位置に到達した時以後であって前記後端が前記第1位置を通過する前に前記第1搬送部材の駆動が停止される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、生産性の低下を抑制するとともに、ジャムの発生を抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のシステム構成を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のADFの構成を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で実行される搬送制御切替処理の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で実行される第1搬送制御処理の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で実行される第2搬送制御処理の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で実行される第3搬送制御処理の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で実行される第4搬送制御処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0014】
[画像形成装置100の構成]
まず、図1及び図2を参照しつつ、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の構成について説明する。ここで、図1は画像形成装置100の構成を示す断面図である。
【0015】
画像形成装置100は、原稿から画像を読み取るスキャン機能、及び画像データに基づいて画像を形成するプリント機能とともに、ファクシミリ機能、及びコピー機能などの複数の機能を有する複合機である。画像形成装置100は、本発明の画像読取装置の一例である。なお、本発明の画像読取装置は、スキャナー、ファクシミリ装置、及びコピー機などであってもよい。
【0016】
図1及び図2に示されるように、画像形成装置100は、ADF(Auto Document Feeder)1、画像読取部2、画像形成部3、給紙部4、制御部5、及び操作表示部6を備える。
【0017】
ADF1は、前記スキャン機能による読取対象の原稿(本発明のシートの一例)を搬送する。
【0018】
画像読取部2は、前記スキャン機能を実現する。例えば、画像読取部2は、原稿台、光源、複数のミラー、光学レンズ、及びCCD(Charge Coupled Device)を備える。画像読取部2は、ADF1によって搬送される原稿に含まれる画像を読み取り、読み取られた画像に対応する画像データを出力する。
【0019】
画像形成部3は、前記プリント機能を実現する。例えば、画像形成部3は、電子写真方式で給紙部4から供給されるシートに画像を形成する。例えば、画像形成部3は、感光体ドラム、帯電ローラー、光走査装置、現像装置、転写ローラー、クリーニング装置、定着装置、及び排紙トレイを備える。
【0020】
給紙部4は、画像形成部3にシートを供給する。例えば、給紙部4は、給紙カセット、手差しトレイ、シート搬送路、及び複数の搬送ローラーを備える。
【0021】
制御部5は、画像形成装置100を統括的に制御する。
【0022】
操作表示部6は、画像形成装置100のユーザーインターフェイスである。例えば、操作表示部6は、制御部5からの制御指示に応じて各種の情報を表示する液晶ディスプレーなどの表示部、及びユーザーの操作に応じて制御部5に各種の情報を入力する操作キー又はタッチパネルなどの操作部を有する。
【0023】
[ADF1の構成]
次に、図2及び図3を参照しつつ、ADF1の構成について説明する。ここで、図3はADF1の構成を示す断面図である。なお、図3には、ADF1によって搬送される原稿の搬送経路R1が矢印付きの一点鎖線によって示されている。
【0024】
図2及び図3に示されるように、ADF1は、原稿載置部11、筐体12、ピックアップローラー13、給紙ベルト14、分離ローラー15、フィードモーター16、フィードセンサー17、レジストローラー18、レジストモーター19、第1搬送ローラー20、タイミングセンサー21、CIS(Contact Image Sensor)22、第2搬送ローラー23、第3搬送ローラー24、排紙ローラー25、及び排紙部26を備える。
【0025】
原稿載置部11には、搬送対象の原稿が載置される。ADF1では、原稿載置部11に載置された原稿が図3に示される搬送方向D1へ搬送される。
【0026】
原稿載置部11には、一対のサイドカーソル11A(図3参照)が設けられている。サイドカーソル11A各々は、原稿載置部11において搬送方向D1に直交する幅方向に移動可能に設けられている。例えば、一対のサイドカーソル11Aは、不図示のラック及びピニオンに接続されており、一方の前記幅方向に沿った第1方向への移動に連動して、他方が前記第1方向とは逆の第2方向へ移動するように設けられている。一対のサイドカーソル11Aは、原稿載置部11に載置された原稿を前記幅方向の両側から挟み込むことによって、当該原稿の前記幅方向における位置を規制する。
【0027】
また、原稿載置部11には、信号出力部11B(図2参照)が設けられている。信号出力部11Bは、一対のサイドカーソル11Aの離間距離に応じた電気信号を出力する。例えば、信号出力部11Bは、前記ピニオンの回転に応じて抵抗値が変化する可変抵抗器を含む電子回路であって、前記可変抵抗器の抵抗値に応じた電気信号を出力する。
【0028】
また、原稿載置部11には、サイズセンサー11C(図2参照)が設けられている。サイズセンサー11Cは、原稿載置部11における予め定められた基準位置における原稿の有無を検出可能なセンサーである。例えば、サイズセンサー11Cは、反射型の光センサーである。例えば、前記基準位置は、原稿載置部11にA4縦サイズの原稿が載置された場合には外部に露出し、B4縦サイズの原稿が載置された場合には当該原稿によって覆われる位置である。信号出力部11B及びサイズセンサー11Cは、原稿載置部11に載置された原稿のサイズの検出に用いられる。
【0029】
また、原稿載置部11には、リフト板11D(図3参照)が設けられている。リフト板11Dは、原稿載置部11に載置された原稿をピックアップローラー13との接触位置まで持ち上げる。
【0030】
筐体12は、原稿の搬送に用いられるローラーなどを収容する。筐体12の内部には、原稿載置部11から排紙部26へ至る原稿の搬送路が形成されている。ADF1では、原稿が原稿載置部11から前記搬送路を通って排紙部26へ至る搬送経路R1(図3参照)に沿って搬送される。
【0031】
図3に示されるように、筐体12の底部には、開口部12Aが設けられている。開口部12Aは、前記搬送路の一部を外部に露出させる。開口部12Aでは、画像読取部2による、ADF1によって搬送される原稿に含まれる画像の読み取りが行われる。
【0032】
ピックアップローラー13は、リフト板11Dによって持ち上げられた原稿の第1面と接触して、当該原稿を搬送方向D1へ搬送する。なお、前記第1面は、原稿載置部11に載置された原稿の上側の面である。
【0033】
給紙ベルト14は、ピックアップローラー13によって搬送方向D1へ搬送される原稿と接触して、当該原稿を搬送方向D1の下流側へ搬送する。図3に示されるように、給紙ベルト14は、搬送経路R1の上側に設けられており、ピックアップローラー13によって搬送される原稿の前記第1面と接触する。給紙ベルト14は、駆動ローラー14A(図3参照)及び従動ローラー14B(図3参照)によって張架される。図3に示されるように、駆動ローラー14A及び従動ローラー14Bは、搬送方向D1に沿って駆動ローラー14A及び従動ローラー14Bの順に並んで設けられる。ピックアップローラー13によって搬送される原稿は、駆動ローラー14Aよりも搬送方向D1の下流側であって、従動ローラー14Bよりも搬送方向D1の上流側で、給紙ベルト14と接触する。給紙ベルト14は、本発明の第1搬送部材の一例である。なお、駆動ローラー14A及び従動ローラー14Bの配置位置は逆であってもよい。また、本発明の第1搬送部材は、ローラー状の部材であってもよい。
【0034】
分離ローラー15は、原稿と給紙ベルト14とが接触する第1位置P1(図3参照)を挟んで給紙ベルト14と対向して設けられる。図3に示されるように、分離ローラー15は、搬送経路R1の下側に設けられる。分離ローラー15は、不図示のコイルばねによって第1位置P1へ向けて付勢されている。第1位置P1では、給紙ベルト14が第1位置P1へ向けて付勢される分離ローラー15によって上方向へ湾曲変形される。給紙ベルト14と分離ローラー15との接触部は、原稿を挟み持つニップ部として機能する。分離ローラー15は、第1位置P1へ搬送される複数枚の原稿のうち、給紙ベルト14と接触する第1原稿(本発明の第1シートの一例)を、前記第1原稿とは異なる第2原稿(本発明の第2シートの一例)から分離する。分離ローラー15は、本発明の分離部材の一例である。
【0035】
例えば、分離ローラー15は、不図示のモーターによって図3に示される矢印方向(時計回り方向)に駆動される。また、分離ローラー15は、不図示のトルクリミッターに接続されており、当該トルクリミッターを介して前記モーターから供給される回転駆動力を受ける。前記トルクリミッターは、給紙ベルト14から伝達される回転トルクが所定値を超えた場合に、前記モーターから分離ローラー15への回転駆動力の伝達経路を遮断して、分離ローラー15を給紙ベルト14に従動させる。
【0036】
フィードモーター16は、給紙ベルト14を駆動する。具体的に、フィードモーター16は、不図示の動力伝達経路を介して駆動ローラー14Aに接続されており、駆動ローラー14Aに回転駆動力を供給する。これにより、駆動ローラー14Aが回転して、給紙ベルト14が図3に示される矢印方向(時計回り方向)に駆動される。
【0037】
レジストローラー18は、第1位置P1よりも搬送方向D1の下流側の第2位置P2(図3参照)で原稿と接触して、当該原稿を搬送方向D1の下流側へ搬送する。図3に示されるように、レジストローラー18は、搬送経路R1の上側に設けられており、給紙ベルト14によって搬送される原稿の前記第1面と接触する。レジストローラー18の下側には、搬送経路R1を挟んでレジストローラー18と対向する従動ローラー18Aが設けられている。従動ローラー18Aは、レジストローラー18と接触して設けられる。第2位置P2は、レジストローラー18と従動ローラー18Aとの接触位置である。レジストローラー18は、本発明の第2搬送部材の一例である。
【0038】
レジストモーター19は、レジストローラー18を駆動する。具体的に、レジストモーター19は、不図示の動力伝達経路を介してレジストローラー18に接続されており、レジストローラー18に回転駆動力を供給する。これにより、レジストローラー18は、図3に示される矢印方向(時計回り方向)に駆動される。
【0039】
フィードセンサー17は、第1位置P1よりも搬送方向D1の下流側であって、第2位置P2よりも搬送方向D1の上流側の第4位置P4(図3参照)で原稿の搬送方向D1における先端を検出する。例えば、フィードセンサー17は、反射型の光センサーである。フィードセンサー17は、本発明の検出部の一例である。
【0040】
第1搬送ローラー20は、第2位置P2よりも搬送方向D1の下流側の第3位置P3(図3参照)で原稿と接触して、当該原稿を搬送方向D1の下流側へ搬送する。図3に示されるように、第1搬送ローラー20は、搬送経路R1の上側に設けられており、レジストローラー18によって搬送される原稿の前記第1面と接触する。第1搬送ローラー20の下側には、搬送経路R1を挟んで第1搬送ローラー20と対向する従動ローラー20Aが設けられている。従動ローラー20Aは、第1搬送ローラー20と接触して設けられる。第3位置P3は、第1搬送ローラー20と従動ローラー20Aとの接触位置である。第1搬送ローラー20は、本発明の第3搬送部材の一例である。
【0041】
CIS22は、第3位置P3よりも搬送方向D1の下流側の第6位置P6(図3参照)で、原稿の前記第1面とは反対側の第2面の画像を読み取る。
【0042】
タイミングセンサー21は、第3位置P3よりも搬送方向D1の下流側であって、第6位置P6よりも搬送方向D1の上流側の第5位置P5(図3参照)で、原稿の搬送方向D1における先端を検出する。例えば、タイミングセンサー21は、反射型の光センサーである。タイミングセンサー21は、CIS22の動作制御に用いられる。
【0043】
第2搬送ローラー23は、CIS22によって前記第2面の画像が読み取られた原稿を開口部12Aへ搬送する。開口部12Aでは、画像読取部2によって原稿の前記第1面の画像が読み取られる。第3搬送ローラー24は、開口部12Aを通過した原稿を排紙ローラー25へ搬送する。排紙ローラー25は、第3搬送ローラー24によって搬送される原稿を排紙部26へ排出する。排紙部26には、搬送経路R1に沿って搬送された原稿が排出される。
【0044】
[制御部5の構成]
次に、図2を参照しつつ、制御部5の構成について説明する。
【0045】
図2に示されるように、制御部5は、CPU31、ROM32、及びRAM33を備える。
【0046】
CPU31は、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。ROM32は、CPU31に各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め記憶される不揮発性の記憶装置である。RAM33は、CPU31が実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される揮発性の記憶装置である。
【0047】
制御部5では、CPU31によりROM32に予め記憶された各種の制御プログラムが実行される。これにより、画像形成装置100が制御部5により統括的に制御される。なお、制御部5は、集積回路(ASIC)などの電子回路で構成されたものであってもよい。また、制御部5は、画像形成装置100を統括的に制御するメイン制御部とは別に設けられた制御部であってもよい。
【0048】
ところで、レジストローラー18が原稿の表面でスリップして、レジストローラー18による原稿の搬送に遅延が生じることがある。この遅延の時間が長い場合には、レジストローラー18の駆動が一旦停止されてその駆動がやり直される給紙リトライが実行される。例えば、フィードセンサー17による原稿の先端の検出時から所定時間が経過するまでの間にタイミングセンサー21によって原稿の先端が検出されない場合に、前記給紙リトライが実行される。前記給紙リトライが実行されると、その分原稿の搬送が遅延するため、画像形成装置100の生産性が低下する。これに対し、原稿の先端が第3位置P3に到達するまで給紙ベルト14による当該原稿の搬送を継続させることにより、レジストローラー18のスリップに起因する搬送遅延を抑制可能である。
【0049】
しかしながら、原稿の搬送方向D1における長さが短い場合には、原稿の先端が第3位置P3に到達する前に当該原稿の後端が第1位置P1を通過する。この場合、給紙ベルト14の駆動が停止するまで後続の原稿が第1位置P1から搬送方向D1の下流側へ搬送されて、当該後続の原稿が給紙ベルト14と分離ローラー15とによって挟まれた状態で停止する。これにより、後続の原稿に湾曲状のくせがついて、当該原稿の搬送時にジャム(紙詰まり)が発生しやすくなる。
【0050】
これに対し、本発明の実施形態に係る画像形成装置100では、以下に説明するように、生産性の低下を抑制するとともに、ジャムの発生を抑制することが可能である。
【0051】
図2に示されるように、制御部5は、受付処理部41、検出処理部42、判断処理部43、取得処理部44、第1駆動制御部45、第2駆動制御部46、及び設定処理部47を含む。
【0052】
具体的に、ROM32には、CPU31に後述の搬送制御切替処理(図4参照)を実行させるための搬送制御プログラムが予め格納されている。そして、制御部5は、ROM32に格納された前記搬送制御プログラムを実行することにより、受付処理部41、検出処理部42、判断処理部43、取得処理部44、第1駆動制御部45、第2駆動制御部46、及び設定処理部47として機能する。ここで、ADF1及び制御部5を備える装置が、本発明のシート搬送装置の一例である。
【0053】
受付処理部41は、ADF1による原稿の搬送に関する設定項目を設定する設定操作を受け付ける。
【0054】
例えば、受付処理部41は、操作表示部6における予め定められた呼出操作に応じて、前記設定操作に用いられる設定画面を操作表示部6に表示させる。前記設定画面では、前記設定項目の一つである、原稿の搬送モードを設定可能である。また、前記設定画面では、前記設定項目の一つである、原稿の厚さを設定可能である。
【0055】
ここで、前記設定画面では、前記搬送モードを第1モード及び第2モードのいずれかに設定可能である。前記第1モードでは、レジストローラー18を用いた原稿のスキュー補正が実行される。一方、前記第2モードでは、前記スキュー補正が実行されない。第1モードは、本発明の特定モードの一例である。
【0056】
また、前記設定画面では、原稿の厚さを「厚い」、「普通」、「薄い」の三段階で設定可能である。なお、原稿の厚さは、数値又は紙種によって設定されてもよい。
【0057】
なお、前記設定画面において、原稿のサイズ、又は原稿の搬送方向D1における長さが設定可能であってもよい。この場合、ADF1は、信号出力部11B及びサイズセンサー11Cを備えていなくてもよい。また、前記設定画面において、前記搬送モードが設定不能であってもよい。この場合、ADF1は、常に前記第1モード又は前記第2モードで原稿を搬送すればよい。
【0058】
また、受付処理部41は、前記設定操作を受け付けた後に、原稿載置部11に載置された原稿を順次搬送するとともに、搬送される原稿各々の画像を読み取る原稿読取処理の実行操作を受け付ける。
【0059】
例えば、受付処理部41は、前記設定操作を受け付けた場合に、前記実行操作に用いられる実行操作画面を操作表示部6に表示させる。例えば、前記実行操作画面では、前記設定項目各々の設定内容が表示される。
【0060】
検出処理部42は、原稿載置部11に載置された原稿のサイズを検出する。
【0061】
例えば、検出処理部42は、以下の手順で、原稿載置部11に載置された原稿のサイズを検出する。
【0062】
まず、検出処理部42は、信号出力部11Bから出力される電気信号に基づいて、原稿載置部11に載置された原稿の前記幅方向における長さを検出する。次に、検出処理部42は、予め定められた複数の定型サイズから、前記幅方向におけるサイズが原稿載置部11に載置された原稿と一致する一又は複数の前記定型サイズを抽出する。
【0063】
ここで、検出処理部42は、一つの前記定型サイズが抽出された場合は、当該定型サイズが、原稿載置部11に載置された原稿のサイズであると判断する。また、検出処理部42は、複数の前記定型サイズが抽出された場合は、サイズセンサー11Cによる検出結果に基づいて絞り込まれる一つの前記定型サイズが、原稿載置部11に載置された原稿のサイズであると判断する。
【0064】
判断処理部43は、原稿の搬送方向D1における長さが、搬送経路R1(図3参照)における第1位置P1から第3位置P3までの特定区間の距離に基づく特定距離以下であるか否かを判断する。
【0065】
例えば、前記特定距離は、前記特定区間の距離に、予め定められた第1距離を加算した距離である。
【0066】
例えば、判断処理部43は、検出処理部42により検出された原稿のサイズに基づいて、原稿の搬送方向D1における長さが前記特定距離以下であるか否かを判断する。
【0067】
なお、前記特定距離は、前記特定区間の距離と同じ、又は前記特定区間の距離よりも短い距離であってもよい。また、判断処理部43は、前記設定画面で設定される原稿のサイズ、又は原稿の搬送方向D1における長さに基づいて、原稿の搬送方向D1における長さが前記特定距離以下であるか否かを判断してもよい。この場合、制御部5は、検出処理部42を含んでいなくてもよい。
【0068】
取得処理部44は、原稿の厚さを取得する。
【0069】
例えば、取得処理部44は、前記設定画面で設定される原稿の厚さを、原稿載置部11に載置された原稿の厚さとして取得する。
【0070】
なお、搬送経路R1(図3参照)における第1位置P1と第2位置P2との間に、原稿の厚さを検出する厚さセンサーが設けられていてもよい。例えば、前記厚さセンサーは、光センサー、又は超音波センサーである。この場合、取得処理部44は、前記厚さセンサーを用いて、原稿の厚さを取得してもよい。
【0071】
例えば、取得処理部44は、前記原稿読取処理が実行される場合に、当該原稿読取処理の前処理として、原稿載置部11における最上層の原稿を前記厚さセンサーによる検出位置まで搬送し、前記厚さセンサーを用いて当該原稿の厚さを検出して、当該原稿を第1位置P1まで戻す処理を実行してもよい。
【0072】
第2駆動制御部46は、前記搬送モードが前記第1モードである場合は、フィードセンサー17による原稿の先端の検出時からの経過時間が予め定められた第1基準時間を超えた場合に、レジストローラー18の駆動を開始する。
【0073】
ここで、前記第1基準時間は、給紙ベルト14による原稿の第4位置P4(図3参照)から第2位置P2までの搬送時間よりも長い時間である。また、前記第1基準時間は、給紙ベルト14によって搬送される原稿がレジストローラー18と従動ローラー18Aとの接触部に突き当てられた後に、当該原稿に所定量のたわみを形成することが可能な時間である。前記スキュー補正では、原稿に前記たわみが形成されるまでレジストローラー18の駆動が開始されないことにより、当該原稿の搬送方向D1に対する傾きが補正される。
【0074】
また、第2駆動制御部46は、前記搬送モードが前記第2モードである場合は、原稿の搬送方向D1における先端が第2位置P2(図3参照)に到達する前に、レジストローラー18の駆動を開始する。
【0075】
例えば、第2駆動制御部46は、前記搬送モードが前記第2モードである場合は、フィードセンサー17によって原稿の先端が検出された場合に、レジストローラー18の駆動を開始する。
【0076】
第1駆動制御部45は、判断処理部43によって原稿の搬送方向D1における長さが前記特定距離以下であると判断された場合は、原稿の搬送方向D1における先端が第2位置P2(図3参照)に到達した時以後であって、原稿の搬送方向D1における後端が第1位置P1を通過する前に、給紙ベルト14の駆動を停止する。
【0077】
また、第1駆動制御部45は、判断処理部43によって原稿の搬送方向D1における長さが前記特定距離を超えると判断された場合は、原稿の搬送方向D1における先端が第3位置P3(図3参照)に到達した時以後であって、原稿の搬送方向D1における後端が第1位置P1を通過する前に、給紙ベルト14の駆動を停止する。
【0078】
例えば、第1駆動制御部45は、フィードセンサー17による原稿の先端の検出時からの経過時間に基づいて、給紙ベルト14の駆動の停止タイミングを判断する。
【0079】
例えば、第1駆動制御部45は、判断処理部43によって原稿の搬送方向D1における長さが前記特定距離以下であると判断された場合であって、前記搬送モードが前記第1モードである場合は、フィードセンサー17による原稿の先端の検出時からの経過時間が前記第1基準時間を超えた場合に、給紙ベルト14の駆動を停止する。例えば、第1駆動制御部45は、第2駆動制御部46によってレジストローラー18の駆動が開始されてから所定時間が経過した後に、給紙ベルト14の駆動を停止する。
【0080】
また、第1駆動制御部45は、判断処理部43によって原稿の搬送方向D1における長さが前記特定距離以下であると判断された場合であって、前記搬送モードが前記第2モードである場合は、フィードセンサー17による原稿の先端の検出時からの経過時間が予め定められた第2基準時間を超えた場合に、給紙ベルト14の駆動を停止する。ここで、前記第2基準時間は、給紙ベルト14による原稿の第4位置P4(図3参照)から第2位置P2までの搬送時間よりも長い時間であって、設定処理部47によって設定される時間である。
【0081】
また、第1駆動制御部45は、判断処理部43によって原稿の搬送方向D1における長さが前記特定距離を超えると判断された場合であって、前記搬送モードが前記第1モードである場合は、フィードセンサー17による原稿の先端の検出時からの経過時間が予め定められた第3基準時間を超えた場合に、給紙ベルト14の駆動を停止する。例えば、前記第3基準時間は、前記第1基準時間と、レジストローラー18による原稿の第2位置P2(図3参照)から第3位置P3までの搬送時間との合計よりも長い時間である。
【0082】
また、第1駆動制御部45は、判断処理部43によって原稿の搬送方向D1における長さが前記特定距離を超えると判断された場合であって、前記搬送モードが前記第2モードである場合は、フィードセンサー17による原稿の先端の検出時からの経過時間が予め定められた第4基準時間を超えた場合に、給紙ベルト14の駆動を停止する。例えば、前記第4基準時間は、給紙ベルト14による原稿の第4位置P4(図3参照)から第2位置P2までの搬送時間と、レジストローラー18による原稿の第2位置P2から第3位置P3までの搬送時間との合計よりも長い時間である。
【0083】
なお、第1駆動制御部45は、判断処理部43によって原稿の搬送方向D1における長さが前記特定距離を超えると判断された場合に、タイミングセンサー21(図3参照)を用いて、給紙ベルト14の駆動の停止タイミングを判断してもよい。例えば、第1駆動制御部45は、タイミングセンサー21によって原稿の先端が検出された場合に、給紙ベルト14の駆動を停止してもよい。この場合、前記第1距離は、搬送経路R1における第3位置P3から第5位置P5までの区間の距離以上であればよい。
【0084】
また、搬送経路R1(図3参照)における第2位置P2と第3位置P3との間に、原稿の搬送方向D1における先端を検出する原稿センサーが設けられていてもよい。例えば、前記原稿センサーは、反射型の光センサーである。この場合、第1駆動制御部45は、判断処理部43によって原稿の搬送方向D1における長さが前記特定距離以下であると判断された場合に、前記原稿センサーを用いて、給紙ベルト14の駆動の停止タイミングを判断してもよい。例えば、第1駆動制御部45は、前記原稿センサーによって原稿の先端が検出された場合に、給紙ベルト14の駆動を停止してもよい。
【0085】
設定処理部47は、取得処理部44によって取得される原稿の厚さに基づいて、前記第2基準時間を設定する。
【0086】
例えば、画像形成装置100では、原稿の厚さと前記第2基準時間の候補である候補時間との対応関係を示すテーブルデータが予めROM32に格納されている。前記テーブルデータでは、原稿の厚さが厚いほど前記候補時間が長くなるように、原稿の厚さと前記候補時間との対応関係が定められている。これは、原稿の厚さが厚いほど、給紙ベルト14が原稿の表面でスリップしやすくなり、給紙ベルト14による原稿の搬送に遅延が生じやすくなるためである。
【0087】
そして、設定処理部47は、前記テーブルデータを用いて、前記第2基準時間を設定する。具体的に、設定処理部47は、前記テーブルデータにおいて取得処理部44によって取得された原稿の厚さに対応付けられている前記候補時間を、前記第2基準時間として設定する。
【0088】
なお、前記第2基準時間は、予め固定で定められる時間であってもよい。この場合、制御部5は、取得処理部44、及び設定処理部47を含んでいなくてもよい。
【0089】
[搬送制御切替処理]
以下、図4を参照しつつ、画像形成装置100において制御部5により実行される搬送制御切替処理の手順の一例とともに、本発明のシート搬送方法について説明する。ここで、ステップS11、S12・・・は、制御部5により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。
【0090】
例えば、前記搬送制御切替処理は、前記実行操作画面において前記原稿読取処理の前記実行操作が行われた場合に実行される。なお、以下の説明では、前記設定画面において前記搬送モード及び原稿の厚さが設定されているものと仮定する。
【0091】
<ステップS11>
まず、ステップS11において、制御部5は、原稿載置部11に載置された原稿のサイズを検出する。ここで、ステップS11の処理は、制御部5の検出処理部42により実行される。
【0092】
<ステップS12>
ステップS12において、制御部5は、ステップS11で検出された原稿のサイズに基づいて、原稿の搬送方向D1における長さが前記特定距離以下であるか否かを判断する。ここで、ステップS12の処理は、本発明の判断ステップの一例であって、制御部5の判断処理部43により実行される。
【0093】
ここで、制御部5は、原稿の搬送方向D1における長さが前記特定距離以下であると判断すると(S12のYes側)、処理をステップS13に移行させる。また、原稿の搬送方向D1における長さが前記特定距離を超える場合は(S12のNo側)、制御部5は、処理をステップS18に移行させる。
【0094】
<ステップS13>
ステップS13において、制御部5は、前記搬送モードが前記第2モードに設定されているか否かを判断する。
【0095】
ここで、制御部5は、前記搬送モードが前記第2モードに設定されていると判断すると(S13のYes側)、処理をステップS14に移行させる。また、前記搬送モードが前記第2モードに設定されていなければ(S13のNo側)、制御部5は、処理をステップS17に移行させる。
【0096】
<ステップS14>
ステップS14において、制御部5は、原稿の厚さを取得する。ここで、ステップS14の処理は、制御部5の取得処理部44により実行される。
【0097】
具体的に、制御部5は、前記設定画面で設定された原稿の厚さを、原稿載置部11に載置された原稿の厚さとして取得する。
【0098】
<ステップS15>
ステップS15において、制御部5は、ステップS14で取得された原稿の厚さに基づいて、前記第2基準時間を設定する。ここで、ステップS15の処理は、制御部5の設定処理部47により実行される。
【0099】
具体的に、制御部5は、前記テーブルデータにおいてステップS14で取得された原稿の厚さに対応付けられている前記候補時間を、前記第2基準時間として設定する。
【0100】
<ステップS16>
ステップS16において、制御部5は、後段で説明する第1搬送制御処理を実行する。
【0101】
<ステップS17>
ステップS17において、制御部5は、後段で説明する第2搬送制御処理を実行する。
【0102】
<ステップS18>
ステップS18において、制御部5は、前記搬送モードが前記第2モードに設定されているか否かを判断する。
【0103】
ここで、制御部5は、前記搬送モードが前記第2モードに設定されていると判断すると(S18のYes側)、処理をステップS19に移行させる。また、前記搬送モードが前記第2モードに設定されていなければ(S18のNo側)、制御部5は、処理をステップS20に移行させる。
【0104】
<ステップS19>
ステップS19において、制御部5は、後段で説明する第3搬送制御処理を実行する。
【0105】
<ステップS20>
ステップS20において、制御部5は、後段で説明する第4搬送制御処理を実行する。
【0106】
[第1搬送制御処理]
次に、図5を参照しつつ、前記搬送制御切替処理のステップS16で実行される第1搬送制御処理について説明する。前記第1搬送制御処理は、給紙ベルト14及びレジストローラー18の駆動を制御する処理である。なお、制御部5は、前記第1搬送制御処理とともに、第1搬送ローラー20、第2搬送ローラー23、第3搬送ローラー24、及び排紙ローラー25の駆動を制御する第5搬送制御処理を実行する。また、制御部5は、前記第1搬送制御処理とともに、CIS22を用いて原稿の第2面の画像を読み取る第2読取処理、及び画像読取部2を用いて原稿の第1面の画像を読み取る第1読取処理を実行する。
【0107】
<ステップS31>
まず、ステップS31において、制御部5は、原稿の給紙タイミングが到来したか否かを判断する。
【0108】
ここで、制御部5は、前記給紙タイミングが到来したと判断すると(S31のYes側)、処理をステップS32に移行させる。また、前記給紙タイミングが到来していなければ(S31のNo側)、制御部5は、ステップS31で前記給紙タイミングが到来するのを待ち受ける。
【0109】
<ステップS32>
ステップS32において、制御部5は、給紙ベルト14の駆動を開始する。ここで、ステップS32の処理は、制御部5の第1駆動制御部45により実行される。
【0110】
具体的に、制御部5は、フィードモーター16を起動してフィードモーター16を予め定められた速度で駆動させる。これにより、フィードモーター16で生成される回転駆動力が駆動ローラー14Aに供給されて、駆動ローラー14A及び給紙ベルト14の駆動が開始される。
【0111】
<ステップS33>
ステップS33において、制御部5は、フィードセンサー17によって原稿の先端が検出されたか否かを判断する。
【0112】
ここで、制御部5は、フィードセンサー17によって原稿の先端が検出されたと判断すると(S33のYes側)、処理をステップS34に移行させる。また、原稿の先端が検出されていなければ(S33のNo側)、制御部5は、ステップS33でフィードセンサー17によって原稿の先端が検出されるのを待ち受ける。
【0113】
<ステップS34>
ステップS34において、制御部5は、レジストローラー18の駆動を開始する。ここで、ステップS34の処理は、制御部5の第2駆動制御部46により実行される。
【0114】
具体的に、制御部5は、レジストモーター19を起動してレジストモーター19を予め定められた速度で駆動させる。これにより、レジストモーター19で生成される回転駆動力がレジストローラー18に供給されて、レジストローラー18の駆動が開始される。
【0115】
<ステップS35>
ステップS35において、制御部5は、ステップS33で原稿の先端が検出されたタイミングから前記第2基準時間が経過したか否かを判断する。
【0116】
ここで、制御部5は、ステップS33で原稿の先端が検出されたタイミングから前記第2基準時間が経過したと判断すると(S35のYes側)、処理をステップS36に移行させる。また、前記第2基準時間が経過していなければ(S35のNo側)、制御部5は、ステップS35で前記第2基準時間が経過するのを待ち受ける。
【0117】
<ステップS36>
ステップS36において、制御部5は、給紙ベルト14の駆動を停止する。ここで、ステップS36の処理は、本発明の駆動制御ステップの一例であって、制御部5の第1駆動制御部45により実行される。
【0118】
なお、ステップS36の処理の実行後、制御部5は、予め定められたタイミングでレジストローラー18の駆動を停止し、処理をステップS37に移行させる。
【0119】
<ステップS37>
ステップS37において、制御部5は、原稿の搬送が終了したか否かを判断する。
【0120】
例えば、制御部5は、原稿載置部11に原稿が存在しない場合に、原稿の搬送が終了したと判断する。なお、制御部5は、原稿載置部11に設けられた不図示のセンサーを用いて、原稿載置部11に原稿が存在するか否かを判断可能である。
【0121】
ここで、制御部5は、原稿の搬送が終了したと判断すると(S37のYes側)、前記第1搬送制御処理を終了させる。また、原稿の搬送が終了していなければ(S37のNo側)、制御部5は、処理をステップS31に移行させる。
【0122】
[第2搬送制御処理]
次に、図6を参照しつつ、前記搬送制御切替処理のステップS17で実行される第2搬送制御処理について説明する。前記第2搬送制御処理は、給紙ベルト14及びレジストローラー18の駆動を制御する処理である。なお、制御部5は、前記第2搬送制御処理とともに、前記第5搬送制御処理、前記第2読取処理、及び前記第1読取処理を実行する。
【0123】
<ステップS41>
まず、ステップS41において、制御部5は、原稿の前記給紙タイミングが到来したか否かを判断する。
【0124】
ここで、制御部5は、前記給紙タイミングが到来したと判断すると(S41のYes側)、処理をステップS42に移行させる。また、前記給紙タイミングが到来していなければ(S41のNo側)、制御部5は、ステップS41で前記給紙タイミングが到来するのを待ち受ける。
【0125】
<ステップS42>
ステップS42において、制御部5は、給紙ベルト14の駆動を開始する。ここで、ステップS42の処理は、制御部5の第1駆動制御部45により実行される。
【0126】
<ステップS43>
ステップS43において、制御部5は、フィードセンサー17によって原稿の先端が検出されたか否かを判断する。
【0127】
ここで、制御部5は、フィードセンサー17によって原稿の先端が検出されたと判断すると(S43のYes側)、処理をステップS44に移行させる。また、原稿の先端が検出されていなければ(S43のNo側)、制御部5は、ステップS43でフィードセンサー17によって原稿の先端が検出されるのを待ち受ける。
【0128】
<ステップS44>
ステップS44において、制御部5は、ステップS43で原稿の先端が検出されたタイミングから前記第1基準時間が経過したか否かを判断する。
【0129】
ここで、制御部5は、ステップS43で原稿の先端が検出されたタイミングから前記第1基準時間が経過したと判断すると(S44のYes側)、処理をステップS45に移行させる。また、前記第1基準時間が経過していなければ(S44のNo側)、制御部5は、ステップS44で前記第1基準時間が経過するのを待ち受ける。
【0130】
<ステップS45>
ステップS45において、制御部5は、レジストローラー18の駆動を開始する。ここで、ステップS45の処理は、制御部5の第2駆動制御部46により実行される。
【0131】
<ステップS46>
ステップS46において、制御部5は、給紙ベルト14の駆動を停止する。ここで、ステップS46の処理は、本発明の駆動制御ステップの一例であって、制御部5の第1駆動制御部45により実行される。
【0132】
例えば、制御部5は、ステップS45でレジストローラー18の駆動が開始されてから所定時間が経過した後に、給紙ベルト14の駆動を停止する。
【0133】
なお、ステップS46の処理の実行後、制御部5は、予め定められたタイミングでレジストローラー18の駆動を停止し、処理をステップS47に移行させる。
【0134】
<ステップS47>
ステップS47において、制御部5は、原稿の搬送が終了したか否かを判断する。
【0135】
ここで、制御部5は、原稿の搬送が終了したと判断すると(S47のYes側)、前記第2搬送制御処理を終了させる。また、原稿の搬送が終了していなければ(S47のNo側)、制御部5は、処理をステップS41に移行させる。
【0136】
[第3搬送制御処理]
次に、図7を参照しつつ、前記搬送制御切替処理のステップS19で実行される第3搬送制御処理について説明する。前記第3搬送制御処理は、給紙ベルト14及びレジストローラー18の駆動を制御する処理である。なお、制御部5は、前記第3搬送制御処理とともに、前記第5搬送制御処理、前記第2読取処理、及び前記第1読取処理を実行する。
【0137】
<ステップS51>
まず、ステップS51において、制御部5は、原稿の前記給紙タイミングが到来したか否かを判断する。
【0138】
ここで、制御部5は、前記給紙タイミングが到来したと判断すると(S51のYes側)、処理をステップS52に移行させる。また、前記給紙タイミングが到来していなければ(S51のNo側)、制御部5は、ステップS51で前記給紙タイミングが到来するのを待ち受ける。
【0139】
<ステップS52>
ステップS52において、制御部5は、給紙ベルト14の駆動を開始する。ここで、ステップS52の処理は、制御部5の第1駆動制御部45により実行される。
【0140】
<ステップS53>
ステップS53において、制御部5は、フィードセンサー17によって原稿の先端が検出されたか否かを判断する。
【0141】
ここで、制御部5は、フィードセンサー17によって原稿の先端が検出されたと判断すると(S53のYes側)、処理をステップS54に移行させる。また、原稿の先端が検出されていなければ(S53のNo側)、制御部5は、ステップS53でフィードセンサー17によって原稿の先端が検出されるのを待ち受ける。
【0142】
<ステップS54>
ステップS54において、制御部5は、レジストローラー18の駆動を開始する。ここで、ステップS54の処理は、制御部5の第2駆動制御部46により実行される。
【0143】
<ステップS55>
ステップS55において、制御部5は、ステップS53で原稿の先端が検出されたタイミングから前記第4基準時間が経過したか否かを判断する。
【0144】
ここで、制御部5は、ステップS53で原稿の先端が検出されたタイミングから前記第4基準時間が経過したと判断すると(S55のYes側)、処理をステップS56に移行させる。また、前記第4基準時間が経過していなければ(S55のNo側)、制御部5は、ステップS55で前記第4基準時間が経過するのを待ち受ける。
【0145】
<ステップS56>
ステップS56において、制御部5は、給紙ベルト14の駆動を停止する。ここで、ステップS56の処理は、本発明の駆動制御ステップの一例であって、制御部5の第1駆動制御部45により実行される。
【0146】
なお、ステップS56の処理の実行後、制御部5は、予め定められたタイミングでレジストローラー18の駆動を停止し、処理をステップS57に移行させる。
【0147】
<ステップS57>
ステップS57において、制御部5は、原稿の搬送が終了したか否かを判断する。
【0148】
ここで、制御部5は、原稿の搬送が終了したと判断すると(S57のYes側)、前記第3搬送制御処理を終了させる。また、原稿の搬送が終了していなければ(S57のNo側)、制御部5は、処理をステップS51に移行させる。
【0149】
[第4搬送制御処理]
次に、図8を参照しつつ、前記搬送制御切替処理のステップS20で実行される第4搬送制御処理について説明する。前記第4搬送制御処理は、給紙ベルト14及びレジストローラー18の駆動を制御する処理である。なお、制御部5は、前記第4搬送制御処理とともに、前記第5搬送制御処理、前記第2読取処理、及び前記第1読取処理を実行する。
【0150】
<ステップS61>
まず、ステップS61において、制御部5は、原稿の前記給紙タイミングが到来したか否かを判断する。
【0151】
ここで、制御部5は、前記給紙タイミングが到来したと判断すると(S61のYes側)、処理をステップS62に移行させる。また、前記給紙タイミングが到来していなければ(S61のNo側)、制御部5は、ステップS61で前記給紙タイミングが到来するのを待ち受ける。
【0152】
<ステップS62>
ステップS62において、制御部5は、給紙ベルト14の駆動を開始する。ここで、ステップS62の処理は、制御部5の第1駆動制御部45により実行される。
【0153】
<ステップS63>
ステップS63において、制御部5は、フィードセンサー17によって原稿の先端が検出されたか否かを判断する。
【0154】
ここで、制御部5は、フィードセンサー17によって原稿の先端が検出されたと判断すると(S63のYes側)、処理をステップS64に移行させる。また、原稿の先端が検出されていなければ(S63のNo側)、制御部5は、ステップS63でフィードセンサー17によって原稿の先端が検出されるのを待ち受ける。
【0155】
<ステップS64>
ステップS64において、制御部5は、ステップS63で原稿の先端が検出されたタイミングから前記第1基準時間が経過したか否かを判断する。
【0156】
ここで、制御部5は、ステップS63で原稿の先端が検出されたタイミングから前記第1基準時間が経過したと判断すると(S64のYes側)、処理をステップS65に移行させる。また、前記第1基準時間が経過していなければ(S64のNo側)、制御部5は、ステップS64で前記第1基準時間が経過するのを待ち受ける。
【0157】
<ステップS65>
ステップS65において、制御部5は、レジストローラー18の駆動を開始する。ここで、ステップS65の処理は、制御部5の第2駆動制御部46により実行される。
【0158】
<ステップS66>
ステップS66において、制御部5は、ステップS63で原稿の先端が検出されたタイミングから前記第3基準時間が経過したか否かを判断する。
【0159】
ここで、制御部5は、ステップS63で原稿の先端が検出されたタイミングから前記第3基準時間が経過したと判断すると(S66のYes側)、処理をステップS67に移行させる。また、前記第3基準時間が経過していなければ(S66のNo側)、制御部5は、ステップS66で前記第3基準時間が経過するのを待ち受ける。
【0160】
<ステップS67>
ステップS67において、制御部5は、給紙ベルト14の駆動を停止する。ここで、ステップS67の処理は、本発明の駆動制御ステップの一例であって、制御部5の第1駆動制御部45により実行される。
【0161】
なお、ステップS67の処理の実行後、制御部5は、予め定められたタイミングでレジストローラー18の駆動を停止し、処理をステップS68に移行させる。
【0162】
<ステップS68>
ステップS68において、制御部5は、原稿の搬送が終了したか否かを判断する。
【0163】
ここで、制御部5は、原稿の搬送が終了したと判断すると(S68のYes側)、前記第4搬送制御処理を終了させる。また、原稿の搬送が終了していなければ(S68のNo側)、制御部5は、処理をステップS61に移行させる。
【0164】
このように、画像形成装置100では、原稿の搬送方向D1における長さが前記特定距離以下である場合は、原稿の先端が第2位置P2(図3参照)に到達した時以後であって当該原稿の後端が第1位置P1を通過する前に給紙ベルト14の駆動が停止される。これにより、原稿の先端が第1搬送ローラー20と接触する前に当該原稿の後端が第1位置P1を通過する場合に、給紙ベルト14の駆動が停止される前に後続の原稿が第1位置P1から搬送方向D1の下流側へ搬送されることを抑制可能である。
【0165】
また、画像形成装置100では、原稿の搬送方向D1における長さが前記特定距離を超える場合は、原稿の先端が第3位置P3(図3参照)に到達した時以後であって当該原稿の後端が第1位置P1を通過する前に給紙ベルト14の駆動が停止される。これにより、原稿の先端が第1搬送ローラー20と接触した後に当該原稿の後端が第1位置P1を通過する場合に、レジストローラー18のスリップに起因する搬送遅延を抑制可能である。
【0166】
従って、画像形成装置100では、生産性の低下を抑制するとともに、ジャムの発生を抑制することが可能である。
【0167】
また、画像形成装置100では、フィードセンサー17による原稿の先端の検出時からの経過時間に基づいて、給紙ベルト14の駆動の停止タイミングが判断される。これにより、原稿の先端が第2位置P2又は第3位置P3に到達したことを検出するためのセンサーを設ける構成と比較して、センサーの数を減らすことが可能である。また、フィードセンサー17をレジストローラー18の駆動制御にも兼用することで、センサーの数を更に減らすことが可能である。
【0168】
また、画像形成装置100では、原稿の搬送方向D1における長さが前記特定距離以下である場合であって、前記搬送モードが前記第1モードではない場合に、フィードセンサー17による原稿の先端の検出時からの経過時間が給紙ベルト14による原稿の第4位置P4から第2位置P2までの搬送時間よりも長い前記第2基準時間を超えた場合に、給紙ベルト14の駆動が停止される。これにより、前記スキュー補正が実行されない場合に、給紙ベルト14が原稿の表面でスリップすることに起因する前記給紙リトライの実行を抑制可能である。
【0169】
また、画像形成装置100では、前記第2基準時間が原稿の厚さに基づいて設定される。これにより、給紙ベルト14が原稿の表面でスリップすることに起因する前記給紙リトライの実行を抑制しつつ、フィードモーター16の駆動量を低減することが可能である。
【0170】
なお、本発明は、給紙部4に適用されてもよい。この場合、本発明のシートは、給紙部4により画像形成部3に供給されるシートである。
【符号の説明】
【0171】
1 ADF
2 画像読取部
3 画像形成部
4 給紙部
5 制御部
6 操作表示部
14 給紙ベルト
15 分離ローラー
16 フィードモーター
17 フィードセンサー
18 レジストローラー
19 レジストモーター
20 第1搬送ローラー
21 タイミングセンサー
41 受付処理部
42 検出処理部
43 判断処理部
44 取得処理部
45 第1駆動制御部
46 第2駆動制御部
47 設定処理部
100 画像形成装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8