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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】産業用リモートコントローラ
(51)【国際特許分類】
   G05G 9/047 20060101AFI20241203BHJP
   B66C 13/40 20060101ALI20241203BHJP
   B66C 13/56 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
G05G9/047
B66C13/40 D
B66C13/56
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021001753
(22)【出願日】2021-01-07
(65)【公開番号】P2022106622
(43)【公開日】2022-07-20
【審査請求日】2023-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000148759
【氏名又は名称】株式会社タダノ
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渥美 雅士
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 亮輔
【審査官】鷲巣 直哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-105622(JP,A)
【文献】特開平11-338568(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05G 9/047
B66C 13/40
B66C 13/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチに対する操作を指で操作可能なジョイスティックの傾倒方向に応じて制御対象の動作方向が決定され、前記ジョイスティックの傾倒量に応じて制御対象の動作速度を変化させる産業用リモートコントローラであって、
前記ジョイスティックの傾倒及び傾倒量を検知する傾倒検知部と、
前記ジョイスティックの押圧を検知する押圧検知部と、
前記押圧検知部の押圧情報に基づいて、通常の速度で前記制御対象の動作を制御する第1モードと、前記第1モードより低速度で前記制御対象の動作を制御する第2モードと、を切り替えるモード切替部と、を備え、
前記傾倒検知部の傾倒情報と、前記モード切替部の切替情報と、に基づいて、前記制御対象の動作を制御する動作制御部と、を備える
ことを特徴とする、産業用リモートコントローラ。
【請求項2】
前記モード切替部は、前記押圧検知部が前記ジョイスティックの押圧を検知中に、前記傾倒検知部が前記ジョイスティックの傾倒を検知した場合に、前記モード切替部は、運転モードを前記第1モードから前記第2モードに切り替える
ことを特徴とする、請求項1に記載の産業用リモートコントローラ。
【請求項3】
前記モード切替部は、前記押圧検知部が前記ジョイスティックの押圧を検知した後に、前記傾倒検知部が前記ジョイスティックの傾倒を検知した場合に、前記モード切替部は、運転モードを前記第1モードから前記第2モードに切り替える
ことを特徴とする、請求項1に記載の産業用リモートコントローラ。
【請求項4】
前記モード切替部は、前記傾倒検知部が前記ジョイスティックの傾倒を検知中に、前記押圧検知部が前記ジョイスティックの押圧を検知した場合に、前記モード切替部は、運転モードを前記第1モードから前記第2モードに切り替える
ことを特徴とする、請求項1に記載の産業用リモートコントローラ。
【請求項5】
前記押圧検知部を押圧した回数を算出する押圧回数算出部を備え、
前記モード切替部は、前記押圧回数算出部が検知した回数に基づいて、前記第2モードにおける前記制御対象の動作速度を変化させる
ことを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の産業用リモートコントローラ。
【請求項6】
前記第2モードにおいて、前記押圧検知部が押圧の解除を検知し、かつ、前記傾倒検知部が中立姿勢を検知した場合、前記モード切替部は、運転モードを前記第2モードから前記第1モードに切り替える
ことを特徴とする、請求項1~5の何れか一項に記載の産業用リモートコントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチに対する操作を指で操作可能なジョイスティックの傾倒量に応じて、制御対象の動作速度を変化させる産業用リモートコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クレーン、高所作業車等の伸縮・起伏自在の伸縮ブームを備えた作業機を、作業機から離れた位置からオペレータが産業用リモートコントローラを用いて遠隔操作することが行われている。このような産業用リモートコントローラとして、ジョイスティック式のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、任意の方向に傾倒するジョイスティックを備える作業機の操作装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-097607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、産業用リモートコントローラは、クレーン等の大型の産業用機械に使用される。このような産業用リモートコントローラに設けられているジョイスティックの傾倒量に応じて、制御対象である産業用機械の動作速度を変化させる場合がある。このような場合、産業機械の各アクチュエータの速度調整幅に対して、ジョイスティックの可動ストロークが短い(分解能が悪い)ため、制御対象が勢いよく動作してしまう、という問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、ジョイスティックの傾倒量に応じて制御対象の動作速度を変化させても、制御対象が勢いよく動作することを防止し、微動操作を行いやすくすることができる産業用リモートコントローラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
目的を達成するために、本発明の産業用リモートコントローラは、スイッチに対する操作を指で操作可能なジョイスティックの傾倒方向に応じて制御対象の動作方向が決定され、前記ジョイスティックの傾倒量に応じて制御対象の動作速度を変化させる産業用リモートコントローラであって、前記ジョイスティックの傾倒及び傾倒量を検知する傾倒検知部と、前記ジョイスティックの押圧を検知する押圧検知部と、前記押圧検知部の押圧情報に基づいて、通常の速度で前記制御対象の動作を制御する第1モードと、前記第1モードより低速度で前記制御対象の動作を制御する第2モードと、を切り替えるモード切替部と、を備え、前記傾倒検知部の傾倒情報と、前記モード切替部の切替情報と、に基づいて、前記制御対象の動作を制御する動作制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
このように構成された本発明の産業用リモートコントローラは、ジョイスティックの傾倒量に応じて制御対象の動作速度を変化させても、制御対象が勢いよく動作することを防止し、微動操作を行いやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1のクレーンを示す側面図である。
図2】実施例1のリモートコントローラを示す斜視図である。
図3】実施例1のリモートコントローラのジョイスティックの周辺を示す断面図である。
図4】実施例1のリモートコントローラの機能構成を示すブロック図である。
図5】実施例1のリモートコントローラの運転モードと流量の関係を示すグラフである。
図6】実施例1の制御部による処理の流れを示すフローチャートである。
図7】実施例1のジョイスティックの操作方法を説明する図であり、図7(a)は初期状態と押圧した状態を示す断面図であり、図7(b)は押圧した状態と傾倒した状態を示す断面図である。
図8】実施例2の制御部による処理の流れを示すフローチャートである。
図9】実施例2のジョイスティックの操作方法を説明する図であり、図9(a)は初期状態と押圧した状態を示す断面図であり、図9(b)は初期状態と傾倒した状態を示す断面図である。
図10】実施例3の制御部による処理の流れを示すフローチャートである。
図11】実施例3のジョイスティックの操作方法を説明する図であり、図11(a)は初期状態と傾倒した状態を示す断面図であり、図11(b)は傾倒した状態と押圧した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明による産業用リモートコントローラを実現する実施形態を、図面に示す実施例1~実施例3に基づいて説明する。
【実施例1】
【0011】
実施例1における産業用リモートコントローラ(以下、リモートコントローラという。)は、トラッククレーン(以下、クレーンという。)を遠隔操作する産業用リモートコントローラに適用される。
【0012】
[クレーンの構成]
図1は、実施例1のクレーンを示す側面図である。以下、実施例1のクレーンの構成を説明する。なお、クレーンの前後方向を前後方向Dとする。
【0013】
図1に示すように、クレーン10は、前後方向Dに延び、前輪11と後輪12,13を設けたメインフレーム14と、メインフレーム14の上に旋回可能に設けた旋回ポスト15と、旋回ポスト15の上部に起伏可能に設けた伸縮ブーム16と、メインフレーム14の両側であって旋回ポスト15の近傍に設けた一対のアウトリガ装置17と、旋回ポスト15の前側であってメインフレーム14上に設けたキャビン18と、キャビン18の後側に設けた荷台20と、等を備えている。
【0014】
旋回ポスト15は、伸縮ブーム16を起伏可能に保持する相対向した一対の保持部21を有している。伸縮ブーム16は、ベースブーム16aと中間ブーム16b,16cと先端ブーム16dとを有している。
【0015】
ベースブーム16aには、起伏シリンダ23が取り付けられたブラケット22が取り付けられている。起伏シリンダ23が伸縮することで、ベースブーム16aが旋回ポスト15に対して起伏するようになっている。旋回ポスト15が旋回することで、伸縮ブーム16が旋回するようになっている。
【0016】
クレーン10は、クレーン10の各部を駆動する複数のアクチュエータを備えている。アクチュエータとしては、旋回ポスト15を旋回させる油圧モータ(図示せず)、伸縮ブーム16を起伏させる起伏シリンダ23、伸縮ブーム16を伸縮させる伸縮シリンダ(図示せず)、吊荷を吊るワイヤ(図示せず)の巻き上げ及び繰り出しを行うウインチ等が挙げられる。
【0017】
クレーン10は、旋回ポスト15の基端部近傍に、上記各アクチュエータの動作を制御するアクチュエータ制御装置71を備えている。アクチュエータ制御装置71は、CPU、メモリ等を備えたコンピュータから構成されている。アクチュエータ制御装置71は、油圧ポンプの流量を調整したり、アクチュエータの手前側にある油圧バルブを調整したりして、各アクチュエータの動作を制御する。
【0018】
クレーン10は、アクチュエータ制御装置71に対して、指(例えば、親指F)で操作指示を与えるリモートコントローラ30を備えている。アクチュエータ制御装置71及びリモートコントローラ30は、公知の無線通信によって、クレーン作業に必要な操作指示やデータを送受信可能となっている。
【0019】
[リモートコントローラの構成]
図2は、実施例1のリモートコントローラ30を示す斜視図である。図3は、実施例1のリモートコントローラ30のジョイスティック40の周辺を示す断面図である。以下、実施例1のリモートコントローラ30の構成を説明する。
【0020】
図2に示すように、リモートコントローラ30は、オペレータが把持する略円柱状の把持部31と、把持部31の一端に設けられた操作部本体32とを備えている。
【0021】
操作部本体32は、略箱型の筐体33を備えている。筐体33内には、図示しない制御部、各種センサ、バッテリ等が収容されている。筐体33の正面には、クレーン10の作業状態等を示す画像等を表示する液晶ディスプレイ等からなる表示部34、電源ボタンやモード切替ボタン等の各種操作ボタン35、アクチュエータの駆動を操作するための2つのジョイスティック40等が設けられている。2つのジョイスティック40は、操作部本体32の正面に、所定間隔を置いて左右に並んで設けられている。2つのジョイスティック40は、オペレータが親指(指の一例)Fで操作可能な大きさで形成されている。
【0022】
ジョイスティック40は、ジョイスティック40が中立姿勢となる中立位置と、中立位置から傾倒した傾倒位置と、中立位置又は傾倒位置から軸方向に押圧された押圧位置の間を移動して、スイッチ45に対する操作を親指Fで操作できるようになっている。
【0023】
図3に示すように、筐体33の内部には、スイッチ45が設けられている。スイッチ45の上部には、レバー45aが上方に突出して設けられている。レバー45aには、ジョイスティック40が取り付けられている。
【0024】
レバー45aは、中立姿勢から全方向に傾倒する傾倒姿勢に移動可能になっている。レバー45aへの傾倒操作力を解除すると、レバー45aは、中立姿勢に復帰するようになっている。レバー45aは、中立姿勢又は傾倒姿勢から、軸方向に押圧された押圧姿勢に移動可能になっている。レバー45aへの押圧操作力を解除すると、レバー45aは、中立姿勢又は傾倒姿勢に復帰するようになっている。
【0025】
スイッチ45は、傾倒検知部51と押圧検知部52とを備えている。傾倒検知部51は、例えば、傾斜センサとすることができる。傾倒検知部51は、レバー45aを介して、ジョイスティック40の傾倒及び傾倒量を検知する。傾倒検知部51は、レバー45aを介して、ジョイスティック40が傾倒していない姿勢を検知することができる。すなわち、傾倒検知部51は、ジョイスティック40の中立姿勢を検知することができる。
【0026】
押圧検知部52は、例えば、荷重センサとすることができる。押圧検知部52は、レバー45aを介して、ジョイスティック40の軸方向への押圧を検知する。
【0027】
このように構成されたリモートコントローラ30は、オペレータがジョイスティック40を操作すると、その傾倒量に応じた信号が制御部へ入力される。この信号を受け付けた制御部は、この信号に基づいて、クレーン10の各アクチュエータの動作速度や動作方向等を決定する。
【0028】
すなわち、ジョイスティック40の傾倒方向に応じて、クレーン10の各アクチュエータの動作方向が決定される。ジョイスティック40の傾倒量に応じて、クレーン10の各アクチュエータの動作速度が決定される。
【0029】
[リモートコントローラの機能構成]
図4は、実施例1のリモートコントローラ30の機能構成を示すブロック図である。以下、実施例1のリモートコントローラ30の機能構成を説明する。
【0030】
図4に示すように、リモートコントローラ30は、傾倒検知部51が検知した傾倒情報と、押圧検知部52が検知した押圧情報と、が制御部60に入力され、制御部60で処理された処理情報が、アクチュエータ制御装置71に出力される。
【0031】
傾倒検知部51は、レバー45aを介して、ジョイスティック40の傾倒を検知する。すなわち、傾倒検知部51は、レバー45aを介して、ジョイスティック40が傾倒していない中立姿勢と、中立姿勢から傾倒した傾倒姿勢と、を検知することができる。また、傾倒検知部51は、レバー45aを介して、ジョイスティック40の傾倒量を検知する。傾倒検知部51が検知した傾倒情報は、制御部60に入力される。
【0032】
押圧検知部52は、レバー45aを介して、ジョイスティック40の軸方向への押圧を検知する。押圧検知部52が検知した押圧情報は、制御部60に入力される。
【0033】
制御部60は、傾倒情報取得部61と、押圧情報取得部62と、押圧回数算出部63と、モード切替部64と、動作制御部65と、を備えている。
【0034】
傾倒情報取得部61は、傾倒検知部51が検知した傾倒情報を取得する。すなわち、傾倒情報取得部61は、ジョイスティック40の傾倒の有無の情報と、ジョイスティック40の傾倒量の情報と、を取得する。
【0035】
押圧情報取得部62は、押圧検知部52が検知した押圧情報を取得する。すなわち、押圧情報取得部62は、ジョイスティック40の軸方向への押圧の情報を取得する。
【0036】
押圧回数算出部63は、押圧情報取得部62が取得した押圧の情報に基づいて、押圧検知部52が押圧された回数を算出する。
【0037】
モード切替部64は、押圧検知部52の押圧情報に基づいて、通常の速度で制御対象としてのクレーン10の動作を制御する運転モードとしての第1モード91と、第1モード91より低速度でクレーン10の動作を制御する運転モードとしての第2モード92と、を切り替える。
【0038】
例えば、モード切替部64は、押圧回数算出部63が検知した押圧回数に基づいて、通常の速度の第1モード91と、第1モード91より低速の第2モード92としての第2Aモード92Aと、第2Aモード92Aより低速の第2モード92としての第2Bモード92Bと、を切り替えることができる。言い換えると、モード切替部64は、押圧回数算出部63が検知した押圧回数に基づいて、第2モード92における制御対象の動作速度を制御することができる。
【0039】
モード切替部64は、第2モード92において、押圧検知部52が押圧の解除を検知し、かつ、傾倒検知部51が中立姿勢を検知した場合、モード切替部64は、運転モードを第2モード92から第1モード91に切り替える。言い換えると、モード切替部64は、第2モード92において、ジョイスティック40を操作していた親指Fをジョイスティック40から離した場合、運転モードを第2モード92から第1モード91に切り替える。
【0040】
動作制御部65は、傾倒検知部51の傾倒情報と、モード切替部64の切替情報と、に基づいて、クレーン10の動作を制御する指示をアクチュエータ制御装置71に出力する。
【0041】
アクチュエータ制御装置71は、動作制御部65の指示にしたがって、各アクチュエータを制御する。
【0042】
[運転モードと流量の関係]
図5は、実施例1のリモートコントローラ30の運転モードと流量の関係を示すグラフである。以下、実施例1のリモートコントローラ30の運転モードと流量の関係を説明する。
【0043】
図5に示すように、押圧検知部52が押圧を検知していない場合(押圧回数が0回の場合)、モード切替部64は、運転モードを第1モード91に設定する。第1モード91では、ジョイスティック40の傾倒量が0[deg]の場合(ジョイスティック40が中立姿勢の場合)、アクチュエータを駆動する油の流量が0.0[L/min]に設定されている。第1モード91では、ジョイスティック40の傾倒量が6[deg]の場合、アクチュエータを駆動する油の流量が22.5[L/min]に設定されている。第1モード91では、ジョイスティック40の傾倒量が11[deg]の場合、アクチュエータを駆動する油の流量が41.3[L/min]に設定されている。第1モード91では、ジョイスティック40の傾倒量が16[deg]の場合(ジョイスティック40が最大ストロークである全操作姿勢の場合)、アクチュエータを駆動する油の流量が60.0[L/min]に設定されている。
【0044】
押圧検知部52が押圧を1回検知している場合(押圧回数が1回の場合)、モード切替部64は、運転モードを第2Aモード92Aに設定する。第2Aモード92Aでは、ジョイスティック40の傾倒量が0[deg]の場合(ジョイスティック40が中立姿勢の場合)、アクチュエータを駆動する油の流量が0.0[L/min]に設定されている。第2Aモード92Aでは、ジョイスティック40の傾倒量が9[deg]の場合、アクチュエータを駆動する油の流量が22.5[L/min]に設定されている。第2Aモード92Aでは、ジョイスティック40の傾倒量が16[deg]の場合(ジョイスティック40が最大ストロークである全操作姿勢の場合)、アクチュエータを駆動する油の流量が40.0[L/min]に設定されている。
【0045】
押圧検知部52が押圧を2回検知している場合(押圧回数が2回の場合)、モード切替部64は、運転モードを第2Bモード92Bに設定する。第2Bモード92Bでは、ジョイスティック40の傾倒量が0[deg]の場合(ジョイスティック40が中立姿勢の場合)、アクチュエータを駆動する油の流量が0.0[L/min]に設定されている。第2Bモード92Bでは、ジョイスティック40の傾倒量が16[deg]の場合(ジョイスティック40が最大ストロークである全操作姿勢の場合)、アクチュエータを駆動する油の流量が23.0[L/min]に設定されている。
【0046】
押圧検知部52が押圧を3回以上検知している場合(押圧回数が3回以上の場合)、モード切替部64は、運転モードを第2Bモード92Bに設定する。なお、運転モードを第1モード91にリセットするリセットボタンを設けてもよい。
【0047】
このように構成することで、ジョイスティック40を1回押圧操作して最大ストロークまで傾倒する傾倒操作をした場合、押圧操作をしないでする2/3程のストロークの傾倒操作と同等の、アクチュエータを駆動する油の流量とすることができる。ジョイスティック40を2回押圧操作して最大ストロークまで傾倒する傾倒操作をした場合、押圧操作をしないでする1/3程のストロークの傾倒操作と同等の、アクチュエータを駆動する油の流量とすることができる。
【0048】
すなわち、ジョイスティック40の押圧回数によって、アクチュエータを駆動する油の流量の上限を調整することができる。そのため、ジョイスティック40の押圧回数によって、ジョイスティック40を傾倒操作した際のアクチュエータの動作速度を変えることができる。
【0049】
[制御部による処理]
図6は、実施例1の制御部60による処理の流れを示すフローチャートである。図7は、実施例1のジョイスティック40の操作方法を説明する図であり、図7(a)は初期状態と押圧した状態を示す断面図であり、図7(b)は押圧した状態と傾倒した状態を示す断面図である。以下、実施例1の制御部60による処理の流れを説明する。
【0050】
図6に示すように、まず、押圧情報取得部62は、押圧検知部52が検知した、ジョイスティック40の軸方向への押圧情報を取得する(ステップS101)。
【0051】
次いで、傾倒情報取得部61は、傾倒検知部51が検知した、ジョイスティック40の傾倒情報を取得する(ステップS102)。
【0052】
次いで、モード切替部64は、ジョイスティック40の押圧を検知中に、ジョイスティック40の傾倒を検知したか否かを判断する(ステップS103)。
【0053】
具体的には、図7(a)に示すように、ジョイスティック40を親指Fで操作して、ジョイスティック40を、初期位置P1からジョイスティック40を軸方向に押圧した押圧位置P2に移動する。次いで、図7(b)に示すように、ジョイスティック40を、押圧位置P2から傾倒した傾倒位置P3に移動した場合、モード切替部64は、ジョイスティック40の押圧を検知中に、ジョイスティック40の傾倒を検知したと判断する。すなわち、ジョイスティック40を押圧しながら傾倒操作をした場合、モード切替部64は、ジョイスティック40の押圧を検知中に、ジョイスティック40の傾倒を検知したと判断する。
【0054】
ジョイスティック40の押圧を検知中に、ジョイスティック40の傾倒を検知したと判断した場合(ステップS103でYES)、押圧回数算出部63は、押圧検知部52が押圧された回数を算出する(ステップS104)。例えば、3回の押圧回数を検知した場合とは、ジョイスティック40の3回目の押圧中に傾倒操作をした場合である。
【0055】
次いで、押圧回数算出部63は、押圧回数が1回であるか否か判断する(ステップS105)。押圧回数が1回であると判断した場合(ステップS105でYES)、モード切替部64は、運転モードを第2Aモード92Aに切り替えて(ステップS106)、ステップS107に進む。
【0056】
一方、押圧回数が1回でないと判断した場合(ステップS105でNO)、押圧回数算出部63は、押圧回数が2回であるか否か判断する(ステップS112)。押圧回数が2回であると判断した場合(ステップS112でYES)、モード切替部64は、運転モードを第2Bモード92Bに切り替えて(ステップS113)、ステップS107に進む。
【0057】
一方、押圧回数が2回でないと判断した場合(ステップS112でNO)、モード切替部64は、運転モードを第2Bモード92Bに切り替えて(ステップS114)、ステップS115に進む。
【0058】
ステップS107に進むと、動作制御部65は、傾倒検知部51の傾倒情報に基づいて、モード切替部64が切り替えた運転モードでクレーン10の動作を制御する指示をアクチュエータ制御装置71に出力して、アクチュエータの動作を制御する(ステップS107)。
【0059】
次いで、傾倒情報取得部61は、傾倒検知部51が検知した、ジョイスティック40の傾倒情報を取得する(ステップS108)。
【0060】
次いで、傾倒情報取得部61は、ジョイスティック40の中立姿勢を検知した情報を取得したか否かを判断する(ステップS109)。ジョイスティック40の中立姿勢を検知した情報を取得したと判断した場合(ステップS109でYES)、ステップS110に進む。一方、ジョイスティック40の中立姿勢を検知した情報を取得していないと判断した場合(ステップS109でNO)、ステップS107に進む。
【0061】
ステップS110に進むと、モード切替部64は、運転モードをリセットする(ステップS110)。すなわち、モード切替部64は、運転モードを第1モード91に切り替える。
【0062】
次いで、制御部60は、アクチュエータの動作制御を継続するか否かを判断する(ステップS111)。アクチュエータの動作制御を継続すると判断した場合(ステップS111でYES)、ステップS101に戻る。一方、アクチュエータの動作制御を継続しないと判断した場合(ステップS111でNO)、処理を終了する。
【0063】
一方、ステップS115に進むと、動作制御部65は、傾倒検知部51の傾倒情報に基づいて、第1モード91でクレーン10の動作を制御する指示をアクチュエータ制御装置71に出力して、アクチュエータの動作を制御し(ステップS115)、ステップS111に進む。
【0064】
一方、ステップS103において、ジョイスティック40の押圧を検知中に、ジョイスティック40の傾倒を検知していないと判断した場合(ステップS103でNO)、ステップS116に進む。
【0065】
次いで、モード切替部64は、ジョイスティック40の押圧を検知せずに、ジョイスティック40の傾倒を検知したか否かを判断する(ステップS116)。ジョイスティック40の押圧を検知せずに、ジョイスティック40の傾倒を検知した場合(ステップS116でYES)、モード切替部64は、運転モードを第1モード91に切り替える(ステップS117)。
【0066】
次いで、動作制御部65は、傾倒検知部51の傾倒情報に基づいて、第1モード91でクレーン10の動作を制御する指示をアクチュエータ制御装置71に出力して、アクチュエータの動作を制御し(ステップS118)、ステップS111に進む。
【0067】
一方、ジョイスティック40の押圧を検知せずに、ジョイスティック40の傾倒を検知しなかった場合(ステップS116でNO)、動作制御部65は、クレーン10の動作を制御する指示をアクチュエータ制御装置71に出力しないで(ステップS119)、処理を終了する。
【0068】
[リモートコントローラの作用]
以下、実施例1のリモートコントローラ30の作用を説明する。
【0069】
実施例1のリモートコントローラ30は、スイッチ45に対する操作を親指Fで操作可能なジョイスティック40の傾倒量に応じて、制御対象(クレーン10)の動作速度を変化させる。このリモートコントローラ30は、ジョイスティック40の傾倒及び傾倒量を検知する傾倒検知部51と、ジョイスティック40の押圧を検知する押圧検知部52と、押圧検知部52の押圧情報に基づいて、通常の速度で制御対象(クレーン10)の動作を制御する第1モード91と、第1モード91より低速度で制御対象(クレーン10)の動作を制御する第2モード92と、を切り替えるモード切替部64と、を備え、傾倒検知部51の傾倒情報と、モード切替部64の切替情報と、に基づいて、制御対象(クレーン10)の動作を制御する動作制御部65と、を備える(図4)。
【0070】
これにより、第1モード91でジョイスティック40を傾倒操作した場合、制御対象(クレーン10)の動作を通常の速度で制御することができる。一方、第2モード92でジョイスティック40を傾倒操作した場合、制御対象(クレーン10)の動作を通常より低速で制御することができる。そのため、例えば、クレーン10で吊った状態の荷物を数センチ移動したいような場合に、簡単な操作で素早く運転モードを第1モード91から第2モード92に切り替えて、クレーン10が勢いよく動作することを防止し、的確な位置に荷物を移動することができる。その結果、制御対象(クレーン10)を使用する状況に応じて、簡単な操作で運転モードを第1モード91から第2モード92に切り替えて、制御対象(クレーン10)が勢いよく動作することを防止し、微動操作を行いやすくすることができる。
【0071】
また、ジョイスティック40を全ストローク傾倒させた状態でも、第1モード91と第2モード92とによって、動作速度の上限を変えることができる。そのため、動作速度を低下させるために、ジョイスティック40を少ないストローク量に維持する必要がなくなる。その結果、疲労感の少ない操作性のリモートコントローラ30とすることができる。
【0072】
実施例1のリモートコントローラ30において、モード切替部64は、押圧検知部52がジョイスティック40の押圧を検知中に、傾倒検知部51がジョイスティック40の傾倒を検知した場合に、モード切替部64は、運転モードを第1モード91から第2モード92に切り替える(図7)。
【0073】
これにより、ジョイスティック40を押圧しながら、ジョイスティック40を傾倒した場合に、制御対象(クレーン10)を低速で操作することができる。そのため、誤ってジョイスティック40を倒し過ぎて勢いよく制御対象(クレーン10)が動いてしまうことを防止することができる。その結果、制御対象(クレーン10)を使用する状況に応じて、簡単な操作で運転モードを第1モード91から第2モード92に切り替えて、制御対象(クレーン10)が勢いよく動作することを防止し、微動操作を行いやすくことができる。
【0074】
実施例1のリモートコントローラ30において、押圧検知部52を押圧した回数を算出する押圧回数算出部63を備え、モード切替部64は、押圧回数算出部63が検知した回数に基づいて、第2モード92における制御対象(クレーン10)の動作速度を変化させる(図4)。
【0075】
これにより、ジョイスティック40を押圧する回数に応じて、制御対象(クレーン10)の動作速度を変えることができる。そのため、簡単な操作で制御対象(クレーン10)の動作速度を数段階に変化させることができる。その結果、制御対象(クレーン10)を使用する状況に合わせて、簡単な操作で制御対象(クレーン10)を適正な動作速度にすることができる。
【0076】
実施例1のリモートコントローラ30において、第2モード92において、押圧検知部52が押圧の解除を検知し、かつ、傾倒検知部51が中立姿勢を検知した場合、モード切替部64は、運転モードを第2モード92から第1モード91に切り替える。
【0077】
これにより、親指Fによるジョイスティック40の押圧操作が解除され、かつ、親指Fによる傾倒操作が解除された場合に、運転モードを第2モード92から第1モード91に切り替えることができる。すなわち、ジョイスティック40から親指Fが離された場合に、運転モードを第2モード92から第1モード91に切り替えることができる。そのため、例えば、第2モード92で傾倒操作中に、押圧操作が解除されたとしても、第2モード92による操作を維持することができる。その結果、操作中に運転モードが意図せず変わってしまうことを防止することができる。
【実施例2】
【0078】
実施例2のリモートコントローラは、運転モードの切替方法が異なる点で、実施例1のリモートコントローラと相違する。
【0079】
[制御部による処理]
図8は、実施例2の制御部による処理の流れを示すフローチャートである。図9は、実施例2のジョイスティックの操作方法を説明する図であり、図9(a)は初期状態と押圧した状態を示す断面図であり、図9(b)は初期状態と傾倒した状態を示す断面図である。以下、実施例2の制御部による処理の流れを説明する。
【0080】
なお、上記実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一の用語又は同一の符号を用いて説明する。また、実施例2のフローチャートは、ステップS203のみ実施例1のフローチャートと異なり、他のステップは実施例1と同様のステップであるため、ステップS203について説明する。
【0081】
モード切替部64は、ジョイスティック40の押圧を検知した後に、ジョイスティック40の傾倒を検知したか否かを判断する(ステップS203)。
【0082】
具体的には、図9(a)に示すように、ジョイスティック40を親指Fで操作して、ジョイスティック40を、初期位置P1からジョイスティック40を軸方向に押圧した押圧位置P2に移動し、再び初期位置P1に戻す。次いで、図9(b)に示すように、ジョイスティック40を、初期位置P1から傾倒した傾倒位置P4に移動した場合、モード切替部64は、ジョイスティック40の押圧を検知した後に、ジョイスティック40の傾倒を検知したと判断する。すなわち、ジョイスティック40を押圧した後に傾倒操作をした場合、モード切替部64は、ジョイスティック40の押圧を検知中に、ジョイスティック40の傾倒を検知したと判断する。
【0083】
[リモートコントローラの作用]
以下、実施例2のリモートコントローラ30の作用を説明する。
【0084】
実施例2のリモートコントローラ30において、モード切替部64は、押圧検知部52がジョイスティック40の押圧を検知した後に、傾倒検知部51がジョイスティック40の傾倒を検知した場合に、モード切替部64は、運転モードを第1モード91から第2モード92に切り替える(図9)。
【0085】
これにより、ジョイスティック40を押圧した後に、ジョイスティック40を傾倒した場合に、制御対象(クレーン10)を低速で操作することができる。そのため、誤ってジョイスティック40を倒し過ぎて勢いよく制御対象(クレーン10)が動いてしまうことを防止することができる。その結果、制御対象(クレーン10)を使用する状況に応じて、簡単な操作で第1モード91から第2モード92に切り替えて、制御対象(クレーン10)が勢いよく動作することを防止することができる。
【0086】
なお、他の構成及び作用効果については、上記実施例と略同様であるので説明を省略する。
【実施例3】
【0087】
実施例3のリモートコントローラは、運転モードの切替方法が異なる点で、実施例1のリモートコントローラと相違する。
【0088】
[制御部による処理]
図10は、実施例3の制御部による処理の流れを示すフローチャートである。図11は、実施例3のジョイスティックの操作方法を説明する図であり、図11(a)は初期状態と傾倒した状態を示す断面図であり、図11(b)は傾倒した状態と押圧した状態を示す断面図である。以下、実施例3の制御部による処理の流れを説明する。なお、上記実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一の用語又は同一の符号を用いて説明する。
【0089】
図10に示すように、まず、傾倒情報取得部61は、傾倒検知部51が検知した、ジョイスティック40の傾倒情報を取得する(ステップS301)。
【0090】
次いで、押圧情報取得部62は、押圧検知部52が検知した、ジョイスティック40の軸方向への押圧情報を取得する(ステップS302)。
【0091】
次いで、モード切替部64は、ジョイスティック40の傾倒を検知中に、ジョイスティック40の押圧を検知したか否かを判断する(ステップS303)。
【0092】
具体的には、図11(a)に示すように、ジョイスティック40を親指Fで操作して、ジョイスティック40を、初期位置P1から傾倒した傾倒位置P5に移動する。次いで、図11(b)に示すように、ジョイスティック40を、傾倒位置P5からジョイスティック40を軸方向に押圧した押圧位置P6に移動した場合、モード切替部64は、ジョイスティック40の傾倒を検知中に、ジョイスティック40の押圧を検知したと判断する。すなわち、ジョイスティック40を傾倒しながら押圧操作をした場合、モード切替部64は、ジョイスティック40の傾倒を検知中に、ジョイスティック40の押圧を検知したと判断する。
【0093】
ジョイスティック40の傾倒を検知中に、ジョイスティック40の押圧を検知したと判断した場合(ステップS303でYES)、押圧回数算出部63は、押圧検知部52が押圧された回数を算出する(ステップS304)。例えば、3回の押圧回数を検知した場合とは、ジョイスティック40を傾倒した状態で押圧操作を3回した場合である。
【0094】
次いで、押圧回数算出部63は、押圧回数が1回であるか否か判断する(ステップS305)。押圧回数が1回であると判断した場合(ステップS305でYES)、モード切替部64は、運転モードを第2Aモード92Aに設定し(ステップS306)、ステップS307に進む。
【0095】
一方、押圧回数が1回でないと判断した場合(ステップS305でNO)、押圧回数算出部63は、押圧回数が2回であるか否か判断する(ステップS312)。押圧回数が2回であると判断した場合(ステップS312でYES)、モード切替部64は、運転モードを第2Bモード92Bに切り替えて(ステップS313)、ステップS307に進む。
【0096】
一方、押圧回数が2回でないと判断した場合(ステップS312でNO)、モード切替部64は、運転モードを第2Bモード92Bに切り替えて(ステップS314)、ステップS315に進む。
【0097】
ステップS307に進むと、動作制御部65は、傾倒検知部51の傾倒情報に基づいて、モード切替部64が切り替えた運転モードでクレーン10の動作を制御する指示をアクチュエータ制御装置71に出力して、アクチュエータの動作を制御する(ステップS307)。
【0098】
次いで、傾倒情報取得部61は、傾倒検知部51が検知した、ジョイスティック40の傾倒情報を取得する(ステップS308)。
【0099】
次いで、傾倒情報取得部61は、ジョイスティック40の中立姿勢を検知した情報を取得したか否かを判断する(ステップS309)。ジョイスティック40の中立姿勢を検知した情報を取得したと判断した場合(ステップS309でYES)、ステップS310に進む。一方、ジョイスティック40の中立姿勢を検知した情報を取得していないと判断した場合(ステップS309でNO)、ステップS307に進む。
【0100】
ステップS310に進むと、モード切替部64は、運転モードをリセットする(ステップS310)。すなわち、モード切替部64は、運転モードを第1モード91に切り替える。
【0101】
次いで、制御部60は、アクチュエータの動作制御を継続するか否かを判断する(ステップS311)。アクチュエータの動作制御を継続すると判断した場合(ステップS311でYES)、ステップS301に戻る。一方、アクチュエータの動作制御を継続しないと判断した場合(ステップS311でNO)、処理を終了する。
【0102】
一方、ステップS315に進むと、動作制御部65は、傾倒検知部51の傾倒情報に基づいて、第1モード91でクレーン10の動作を制御する指示をアクチュエータ制御装置71に出力して、アクチュエータの動作を制御し(ステップS315)、ステップS311に進む。
【0103】
一方、ステップS303において、ジョイスティック40の傾倒を検知中に、ジョイスティック40の押圧を検知していないと判断した場合(ステップS303でNO)、ステップS316に進む。
【0104】
次いで、モード切替部64は、ジョイスティック40の傾倒を検知したか否かを判断する(ステップS316)。ジョイスティック40の傾倒を検知した場合(ステップS316でYES)、モード切替部64は、運転モードを第1モード91に切り替える(ステップS317)。
【0105】
次いで、動作制御部65は、傾倒検知部51の傾倒情報に基づいて、第1モード91でクレーン10の動作を制御する指示をアクチュエータ制御装置71に出力して、アクチュエータの動作を制御し(ステップS318)、ステップS311に進む。
【0106】
一方、ジョイスティック40の傾倒を検知しなかった場合(ステップS316でNO)、動作制御部65は、クレーン10の動作を制御する指示をアクチュエータ制御装置71に出力しないで(ステップS319)、処理を終了する。
【0107】
[リモートコントローラの作用]
以下、実施例3のリモートコントローラ30の作用を説明する。
【0108】
実施例3のリモートコントローラ30において、モード切替部64は、傾倒検知部51がジョイスティック40の傾倒を検知中に、押圧検知部52がジョイスティック40の押圧を検知した場合に、モード切替部64は、運転モードを第1モード91から第2モード92に切り替える(図11)。
【0109】
これにより、第1モード91で傾倒操作中に、制御対象(クレーン10)の動作速度を下げたい場合に、押圧操作をすることで、運転モードを第1モード91より低速の第2モード92に切り替えることもできる。そのため、第1モード91で傾倒操作中に、制御速度(クレーン10)を通常より低速にしたい場合に、簡単な操作で動作速度を低速にすることができる。
【0110】
なお、他の構成及び作用効果については、上記実施例と略同様であるので説明を省略する。
【0111】
以上、本発明の産業用リモートコントローラを実施例1~実施例3に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や各実施例の組み合わせ等は許容される。
【0112】
実施例1~実施例3では、押圧回数が1回の場合と2回の場合とで、第2モード92におけるクレーン10の動作速度を変化させる例を示した。しかし、第2モード92におけるクレーン10の動作速度は、3回以上の押圧回数によって、3段階以上に変化させてもよい。また、第2モード92におけるクレーン10の動作速度は、変化させなくてもよい。
【0113】
実施例1~実施例3では、ジョイスティック40は、リモートコントローラ30に2つ設けられる例を示した。しかし、ジョイスティックは、リモートコントローラに1つ設けられてもよいし、3つ以上設けられてもよい。
【0114】
実施例1~実施例3では、本発明の産業用リモートコントローラを、アクセルレバーを有しないものに適用する例を示した。しかし、本発明の産業用リモートコントローラは、把持部31の後方に設けられた、各アクチュエータの動作速度を調整するアクセルレバーを有するものに適用することができる。
【0115】
実施例1~実施例3では、本発明を親指Fで操作できるジョイスティック40を有する産業用リモートコントローラに適用する例を示した。しかし、本発明は、親指に限定されず、指で操作できるジョイスティックを有する産業用リモートコントローラに適用することができる。
【0116】
実施例1~実施例3では、本発明を、クレーン10を操作する産業用リモートコントローラに適用する例を示した。しかし、本発明は、高所作業車や油圧ショベル等の建設機械や産業用機械に適用することもできる。
【符号の説明】
【0117】
10 クレーン(制御対象の一例)
30 リモートコントローラ(産業用リモートコントローラ)
40 ジョイスティック
45 スイッチ
51 傾倒検知部
52 押圧検知部
63 押圧回数算出部
64 モード切替部
65 動作制御部
91 第1モード
92 第2モード
F 親指(指の一例)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11