(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】物品管理システム
(51)【国際特許分類】
B65G 61/00 20060101AFI20241203BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20241203BHJP
G06K 19/06 20060101ALI20241203BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20241203BHJP
G06K 19/08 20060101ALI20241203BHJP
G09F 3/00 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
B65G61/00 524
B65G1/137 A
G06K19/06 037
G06K19/07 230
G06K19/08 030
G09F3/00 M
(21)【出願番号】P 2021005826
(22)【出願日】2021-01-18
【審査請求日】2023-11-28
(31)【優先権主張番号】P 2020018792
(32)【優先日】2020-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】鹿島 啓二
(72)【発明者】
【氏名】古川 正
(72)【発明者】
【氏名】大川 晃次郎
(72)【発明者】
【氏名】谷口 幸夫
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-222421(JP,A)
【文献】特開2001-026309(JP,A)
【文献】特開2015-134675(JP,A)
【文献】特開平06-056399(JP,A)
【文献】特表2007-529373(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 61/00
B65G 1/00 - 1/20
G06K 19/00 - 19/18
G09F 3/00 - 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品のそれぞれを識別可能な物品識別情報を有する識別媒体と、
前記複数の物品が収容、又は、載置されて前記複数の物品をまとめて移動可能な状態とする収容体と、
前記収容体を識別可能な第1収容体識別情報を記録し、前記収容体に取り付けられた光学的に読み取り可能な収容体識別マーカーと、
前記収容体を識別可能な第2収容体識別情報を記憶し、前記収容体に取り付けられた収容体識別非接触通信タグと、
前記収容体に収容、又は、載置される前記物品の前記物品識別情報を取得し、前記第1収容体識別情報及び前記第2収容体識別情報と関連付けて記憶する記憶部と、
を備え
、
前記収容体識別マーカーは、前記第1収容体識別情報を表示する領域に加えて、前記収容体識別マーカーと観察位置との相対的な傾きの位置関係を検出可能な位置表示領域を備える、物品管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の物品管理システムにおいて、
前記第1収容体識別情報と前記第2収容体識別情報は、同じ情報であること、
を特徴とする物品管理システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の物品管理システムにおいて、
前記記憶部は、前記収容体に収容、又は、載置される前記物品に変更がある都度、記憶内容を更新すること、
を特徴とする物品管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の流通管理や、在庫管理等に利用可能な物品管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
物品の管理には、従来からバーコードや二次元コード等が広く用いられている。これらの光学的なコードは、安価に利用可能であるが、コードが視認可能な状態にないと利用できないという課題があった。
また、近年では、RFID(radio frequency identifier)技術を物品の管理に用いることも行われている。RFID技術では、RFタグが取り付けられた物品が箱等の中に在って視認できない状態であっても利用できる点で、光学的なコードよりも優れている。しかし、RFID技術は、複数のRFIDが重なることによる電波干渉や金属や水等の存在によって通信不良となる場合があるという課題があった。
また、二次元コードとRFID技術とを組み合わせたシステムが特許文献1に開示されている。
【0003】
しかし、特許文献1に開示されているシステムでは、1つのラベルに二次元コードとRFID技術とを合わせて設けているので、全ての物品にこの二次元コードとRFID技術とを合わせ持つラベルを貼り付ける必要があり、無駄が多かった。また、RFIDは、電波の干渉等により読み取り困難な場合が多く、物品がまとめて箱等に収容されている場合には、読み取れない物品を取り出す必要があった。さらに、物品が箱に収容されていたり、パレット上に多数載せられていたりする場合には、その中から情報読み取りのために物品を取り出す作業が煩雑であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、複数の物品の管理をより確実に行うことができる物品管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0007】
第1の発明は、複数の物品(500)のそれぞれを識別可能な物品識別情報を有する識別媒体(501)と、前記複数の物品(500)が収容、又は、載置されて前記複数の物品(500)をまとめて移動可能な状態とする収容体(20)と、前記収容体(20)を識別可能な第1収容体識別情報を記録し、前記収容体(20)に取り付けられた光学的に読み取り可能な収容体識別マーカー(100)と、前記収容体(20)を識別可能な第2収容体識別情報を記憶し、前記収容体(20)に取り付けられた収容体識別非接触通信タグ(200)と、前記収容体(20)に収容、又は、載置される前記物品(500)の前記物品識別情報を取得し、前記第1収容体識別情報及び前記第2収容体識別情報と関連付けて記憶する記憶部(10)と、を備える物品管理システム(1)である。
【0008】
第2の発明は、第1の発明に記載の物品管理システム(1)において、前記第1収容体識別情報と前記第2収容体識別情報は、同じ情報であること、を特徴とする物品管理システム(1)である。
【0009】
第3の発明は、第1の発明又は第1の発明に記載の物品管理システム(1)において、前記記憶部(10)は、前記収容体(20)に収容、又は、載置される前記物品(500)に変更がある都度、記憶内容を更新すること、を特徴とする物品管理システム(1)である。
【0010】
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかに記載の物品管理システム(1)において、前記収容体識別マーカー(100)は、前記第1収容体識別情報を表示する領域に加えて、前記収容体識別マーカー(100)と観察位置との相対的な傾きの位置関係を検出可能な位置表示領域(102、103、104)を備えること、
を特徴とする物品管理システム(1)である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数の物品の管理をより確実に行うことができる物品管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明による物品管理システム1の実施形態に含まれるパレット20と物品500を示す図である。
【
図3】
図2中の矢印A-Aの位置で収容体識別マーカー100を切断した断面図である。
【
図4】収容体識別マーカー100を斜め方向から見た状態を示す図である。
【
図5】本実施形態の物品管理システム1の構成を説明する図である。
【
図6】パレット20へ複数の物品500を載置する状態を説明する図である。
【
図7】
図6の状態から配送されたり、又は、保管されたりしている状態を示す図である。
【
図8】
図7の状態から、パレット20上に物品500-6が追加された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
【0014】
(実施形態)
図1は、本発明による物品管理システム1の実施形態に含まれるパレット20と物品500を示す図である。
なお、
図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張したり、省略したりして示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
本明細書において、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
また、本発明において透明とは、少なくとも利用する波長の光を透過するものをいう。例えば、仮に可視光を透過しないものであっても、赤外線を透過するものであれば、赤外線用途に用いる場合においては、透明として取り扱うものとする。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において規定する具体的な数値には、一般的な誤差範囲は含むものとして扱うべきものである。すなわち、±10%程度の差異は、実質的には違いがないものであって、本件の数値範囲をわずかに超えた範囲に数値が設定されているものは、実質的には、本件発明の範囲内のものと解釈すべきである。
【0015】
本実施形態では、パレット20上に複数の物品500を載せて物流を行うときに、物品500を管理する物品管理システムを例として説明する。
物品500は、例えば、商品が梱包された段ボール箱であってもよいし、宅配便の梱包箱であってもよいし、商品そのものであってもよい。また、パレット20上に載せることができるものであれば、その形状はどのような形状であってもよい。物品500には、識別媒体501が取り付けられている。
【0016】
識別媒体501は、複数の物品のそれぞれを識別可能な物品識別情報を有している媒体である。ここで、物品識別情報としては、物品ごとに付与された固有の番号、記号、符号等を意味している。識別媒体501としては、例えば、バーコード、二次元コード、非接触通信タグ等を例示することができる。バーコードや二次元コードであれば、コード化された表示によって物品識別情報を提供でき、また、非接触通信タグであれば、RFタグに内蔵された記憶領域に記憶された物品識別情報を提供できる。
本実施形態の物品管理システムでは、識別媒体501として、バーコードと、二次元コードと、非接触通信タグとを混在して用いる構成としてもよいし、いずれかのみを取り扱う構成としてもよい。
【0017】
パレット(収容体)20は、後述する自動フォークリフト300によって搬送可能なパレットであるが、自動フォークリフト300を用いずに、通常のフォークリフトによって搬送することもできる。また、パレット20は、樹脂製であってもよいし木製であってもよいが、RFIDの電波障害が生じないようにするために、金属製は、可能であれば採用しないことが望ましい。ただし、後述する収容体識別マーカー100によって光学的に識別が可能であるので、金属製を排除するものではない。
パレット20は、複数の物品500が載置されて、複数の物品500をまとめて移動可能な状態とする。
パレット20には、収容体識別マーカー100と、収容体識別非接触通信タグ200とが取り付けられている。
【0018】
本実施形態の収容体識別マーカー100は、パレット20の4つの側面の全てに貼り付けられている。なお、収容体識別マーカー100は、少なくとも1つがパレット20に設けられていればよいが、4つの側面の全てに設けられている方が、利便性が高い。
【0019】
図2は、収容体識別マーカー100を示す図である。
収容体識別マーカー100は、
図2に示すように後述する保護層170が設けられている表面の法線方向から見たときに、略正方形形状である板状に構成されており、マーク102と、モアレ表示領域103、104と、二次元コード105とを備えている。収容体識別マーカー100に設けられたマーク102と、モアレ表示領域103、104と、二次元コード105とは、いずれも光学的に読み取り可能な表示となっている。
【0020】
本実施形態では、表面側から見た形状が80mm×80mmの正方形形状に形成されている。収容体識別マーカー100は、マーク102がどのように観察されるかによって、撮影位置と収容体識別マーカー100との相対的な位置関係(傾きの角度)を検出(以下、単に位置検出とも呼称する)し、さらに、モアレ表示領域103、104に表示されるモアレがどのように観察されるかによって、より精度の高い位置検出を可能とする。よって、これらマーク102とモアレ表示領域103、104とは、収容体識別マーカー100と観察位置との相対的な傾きの位置関係を検出(表示)可能な位置表示領域である。なお、収容体識別マーカー100は、
図2において示されている面が観察される表側(表面)であり、その反対側が裏側(裏面)であり、後述する
図3では、保護層170が設けられている側が観察される表側(表面)である。
【0021】
マーク102は、
図2における上側の2カ所の隅付近に2カ所と、下側の左右中央付近に1カ所、合計3つのマークが間隔を空けて配置されている。マーク102は、独立した形状のマークとして観察可能に構成されている。なお、独立した形状のマークとは、複数のマークが繋がっておらず、それぞれが個別に認識可能な形態となっていることを指している。
マーク102は、少なくとも3つ配置されていることが望ましい。マーク102の観察結果から、例えば、マーク102の重心位置を3点算出すれば、観察位置(カメラ等)と収容体識別マーカー100との相対的な位置、傾きを正確に検出することができるからである。また、マーク102の数が3つよりも多くなれば、例えば、一部のマーク102が何らかの障害によって不鮮明に観察されるような場合に、残るマーク102の観察結果から、位置検出が可能である。また、複数のマーク102を利用することにより、位置検出の精度を高めることもできる。
また、本実施形態では、マーク102は、円形状に構成したが、円形状に限らず、三角形や四角形等の多角形形状としてもよいし、その他の形状としてもよい。
【0022】
モアレ表示領域103、104は、モアレMを表示する。
図2では、モアレ表示領域103、104の双方とも、モアレMがモアレ表示領域103、104の中央に表示されている状態を示している。このモアレMが表示される位置は、収容体識別マーカー100と観察位置との相対位置(角度)が変化すると移動する。本実施形態では、モアレ表示領域103、104は、いずれも長手方向の長さが40mmとなっており、モアレMは、この長手方向に沿って表示される位置が移動する。モアレ表示領域103とモアレ表示領域104とは、その長手方向が直交して配置されている。表示領域3、4は、配置方向が異なる他は、同様な構成をしているので、以下の説明では、表示領域3について説明を行う。
【0023】
二次元コード105は、収容体であるパレット20を識別可能な第1収容体識別情報を記録している。この第1収容体識別情報は、例えば、倉庫内等で多数用いられるパレット20の個体を識別することができる情報である。簡単な例としては、パレットが100個用いられている場合に、それぞれのパレットに1から100まで番号を設定した場合のバレットの番号を第1収容体識別情報とすることができる。
なお、本実施形態では、収容体識別マーカー100は、この二次元コード105に第1収容体識別情報を記録している形態を例示した。これに限らず、例えば、バーコードに第1収容体識別情報を記録している形態としてもよい。第1収容体識別情報を記録する形態は、このように情報が符号化(エンコード)されて記録されているものであり、光学的に装置が読み取ることが可能であり、かつ情報を復元(デコード)できる形態とすることが望ましい。
【0024】
図3は、
図2中の矢印A-Aの位置で収容体識別マーカー100を切断した断面図である。
収容体識別マーカー100は、基材層110と、第1の層120と、第2の層130と、第3の層140と、反射層150と、粘着層160と、保護層170とを備え、薄い板状に構成されている。これらの層が積層されている順番は、裏面側から、反射層150、第3の層140、基材層110、第1の層120、第2の層130、粘着層160、保護層170の順となっている。
【0025】
基材層110は、ガラス板により構成されている。基材層110をガラス板により構成することにより、温度変化や吸湿によって収容体識別マーカー100が伸縮することを抑えることができる。ガラス板の線膨張係数は、例えば、31.7×10-7/℃程度であり、温度変化による寸法変化が非常に小さい。また、セラミックスの線膨張係数は、例えば、28×10-7/℃程度であり、ガラスと同様に温度変化による寸法変化が非常に小さい。よって、セラミックスを基材層に用いてもよい。温度変化による寸法変化を抑えるために、基材層110は、線膨張係数が35×10-6/℃以下であることが望ましい。
基材層110の層厚は、0.3mm以上、2.3mm以下とすることが望ましい。基材層110の層厚が0.3mm未満では、切断加工時に割れるために追加工できず、2.3mmより厚いと重量が大きすぎて搬送ができないためである。本実施形態の基材層110の層厚は、0.7mmである。
【0026】
第1の層120は、黒色(第1の色)に着色されたレジスト材料により形成されている。本実施形態の第1の層120を構成するレジスト材料は、フォトリソグラフィー工程において用いられる感光性を備えたレジスト材料に現像処理を行った結果、感光性を失った後の状態のレジスト材料である。第1の層120(黒色の場合)に用いるレジスト材料としては、例えば、PMMA、ETA、HETA、HEMA、又は、エポキシとの混合物等を例示することができる。なお、黒色に着色する材料としては、カーボン、黒化チタン、酸化ニッケル等を例示することができる。
本実施形態では、第1の層120をレジスト材料により形成したので、第1の層120の表面を非常に滑らかに形成することができ、後述の第2の層130を形成する下地として望ましい。また、第1の層120をレジスト材料により形成したので、以下に説明する第1パターン123を精度よくかつ簡単に作製することができる。
第1の層120(黒色の場合)の層厚は、1μm以上、5μm以下とすることが、望ましい。第1の層120の層厚が1μm以下では均一形成できず、5μmより厚いと紫外線による樹脂の硬化反応性が不足するためである。
【0027】
第1の層120は、マーク102の黒色に見える部分を構成している。また、第1の層120は、モアレ表示領域103にモアレを表示するための第1パターン123を構成している。第1パターン123は、基材層110の一方の面上(表面上)のモアレ表示領域103となる領域に配置されている。
第1パターン123には、モアレ表示領域103の長手方向において第1表示線121が一定の配列方向に万線状に等間隔で配列されている。隣り合う第1表示線121の間の第1表示線121が設けられていない部位は、第1非表示領域122であり、第1表示線121と第1非表示領域122とが交互に並ぶ構成となっている。第1パターン123は、フォトリソグラフィー処理によって形成される。
【0028】
第2の層130は、白色(第2の色)に着色されたレジスト材料により形成されている。本実施形態の第2の層130を構成するレジスト材料は、フォトリソグラフィー工程において用いられる感光性を備えたレジスト材料に現像処理を行った結果、感光性を失った後の状態のレジスト材料である。第2の層130(白色の場合)に用いるレジスト材料としては、例えば、PMMA、ETA、HETA、HEMA、又は、エポキシとの混合物等を例示することができる。なお、白色に着色する材料としては、酸化チタン、ジルコニア、チタン酸バリウム等を例示することができる。
第2の層130には、マーク102となる位置を開口して第1の層120を可視化する開口部131が3箇所設けられており、また、モアレ表示領域103、104となる位置を開口して第1の層120及び第3の層140を可視化する開口部132が2箇所設けられている。これら開口部131及び開口部132は、フォトリソグラフィー処理によって形成される。
【0029】
第2の層130の層厚は、3μm以上、100μm以下とすることが望ましい。第2の層130の層厚が3μmよりも薄いと、下地の第1の層120が透けて観察されてしまい、コントラストが低下して、マーク102の視認性(自動認識による検出されやすさ)が低下するからである。また、第2の層130の層厚が100μmよりも厚いと、斜め方向からマーク102を観察する場合に、開口部131の周縁部において第2の層130の陰となって第1の層120が見えなくなる領域が増大し、観察されるマーク102の形状の歪みが増大してしまうからである。
【0030】
第3の層140は、黒色(第1の色)に着色されたレジスト材料により形成されている。本実施形態の第3の層140は、第1の層120と同様な材料によって構成されており、好ましい膜厚も、第1の層120と同様である。第3の層140をレジスト材料により形成したので、以下に説明する第2パターン143を精度よくかつ簡単に作製することができる。
【0031】
第3の層140には、モアレ表示領域103にモアレを表示するための第2パターン143が設けられている。第2パターン143は、基材層110の裏面上のモアレ表示領域103となる領域に第1パターン123と対向して配置されている。なお、本実施形態では、基材層110の一方の面に第1パターン123を設け、他方の面に第2パターン143を設けているが、それぞれを他の基材等に設けた後に、張り合わせて作製される構成としてもよい。
第2パターン143には、モアレ表示領域103の長手方向において第2表示線141が一定の配列方向に万線状に等間隔で配列されている。隣り合う第2表示線141の間の第2表示線141が設けられていない部位は、第2非表示領域142であり、第2表示線141と第2非表示領域142とが交互に並ぶ構成となっている。第2パターン143は、フォトリソグラフィー処理によって形成される。
【0032】
反射層150は、収容体識別マーカー100の表側(観察側)から開口部132を通って到達する光を表側へ反射する層である。反射層150は、例えば、PMMA、ETA、HETA、HEMA、又は、エポキシとの混合物等を用いて構成することができ、第1表示線121及び第2表示線141とのコントラストを高めるために白色であることが望ましい。なお、白色に着色する材料としては、酸化チタン、ジルコニア、チタン酸バリウム等を例示することができる。
【0033】
ここで、反射層150としては、本実施形態のように収容体識別マーカー100と一体となるように密着して積層された構成の他、収容体識別マーカー100の裏面側に別部材の反射部材等を配置する構成としてもよい。しかし、モアレMを格段に見やすくすることができる点で、収容体識別マーカー100と一体となるように密着して反射層150を積層して配置する本実施形態の構成の方が、より望ましい。
【0034】
粘着層160は、保護層170を第2の層130上に貼り付けるための粘着剤の層である。粘着層160は、第1の層120及び第2の層130を観察できるように、透明な粘着剤により構成されている。粘着層160は、例えば、PMMA、ウレタン、シリコーン等を用いて構成することができる。
粘着層160の層厚は、0.5μm以上、50μm以下とすることが、望ましい。粘着層160の層厚が0.5μm未満だと、均一加工が難しい上、下地の凹凸を吸収できないからである。また、粘着層160の層厚が50μmより厚くなると、厚塗り加工時の溶剤除去に手間取る上、コスト高になるからである。
【0035】
保護層170は、第1の層120及び第2の層130を保護する層であり、粘着層160を介して、第2の層130上に貼り付けられている。保護層170は、樹脂基材層171と、表層172とを有している。
【0036】
樹脂基材層171は、一方の面に粘着層160が積層されており、他方の面に表層172が積層されている。樹脂基材層171は、第1の層120及び第2の層130を観察できるように、透明な樹脂により構成されている。
本実施形態では、可視光下で収容体識別マーカー100が利用されることを想定しており、粘着層160及び樹脂基材層171は、白色光に対して透明となるように構成されている。具体的には、粘着層160及び樹脂基材層171は、それぞれ、光の波長が400nm~700nmの領域における、全光線透過率が50%以上とすることが望ましい。より望ましくは、粘着層160及び樹脂基材層171をまとめて測定した状態において、光の波長が400nm~700nmの領域における、全光線透過率が50%以上とすることが望ましい。
樹脂基材層171の層厚は、7μm以上、250μm以下とすることが、望ましい。樹脂基材層171の層厚が7μm未満だと、ラミネーション加工が難しいからである。また、樹脂基材層171の層厚が250μmより厚くなると、嵩や重量が大きくなりすぎる上、コスト高になるからである。
また、樹脂基材層171の屈折率は1.45以上、1.55以下であることが好ましい。
【0037】
表層172は、反射防止機能とハードコート機能とを兼ね備えた層である。表層172は、波長535nmの光に対して正反射率が1.5%以下であることが、収容体識別マーカー100の表面での反射によってマーク102及びモアレ表示領域103、104の視認性が低下を防止するために望ましい。また、表層172のハードコート機能としては、鉛筆硬度で1H以上であることが望ましい。
表層172は、例えば、ゾルゲル・シロキサン・ポリシラザン等を用いて構成することができる。
なお、反射防止機能の具体的な方式としては、アンチリフレクション(AR)と、アンチグレア方式(AG)とが挙げられるが、太陽光など強力な光線が正反射しない条件下では、マーク2の認識のためには、AR方式が好ましい。太陽光など強力な光線が正反射する可能性のある条件下では、マーク2の認識のためには、AG方式が好ましい。AR方式は多層薄膜干渉やモスアイ方式等の公知の方法で作製することができるし、AG方式はフィルムの表面を凹凸にする、光を拡散させる粒子をフィルムに練り込む、フィルムの表面に塗布する等の公知の方法で作製することができる。
【0038】
先に説明した、第1非表示領域122には、粘着層160が充填されて存在しているが、粘着層160及び保護層170が透明であり、また、基材層110もガラス製であり透明であることから、第1非表示領域122を通して第3の層140の第2パターン143を見ることができる。よって、収容体識別マーカー100を表面側から観察すると、第1パターン123と第2パターン143とを重ねて見る状態となり、モアレMを観察することができる。
【0039】
また、粘着層160と保護層170を合わせた特性として、全光線透過率が85%以上であることが望ましい。この全光線透過率が85%未満だと、十分な光量が確保できないからである。
また、粘着層160と光拡散層170を合わせた特性として、ヘイズ値が30%以上、より好ましくは40%以上、更に好ましくは70%以上であることが望ましい。このヘイズ値が70%より低くなると本発明の効果が低下し始め、40%以下になると更に低下し、30%以下になると著しく低下するからである。一方、ヘイズ値が95%以下であることが望ましい。このヘイズ値が95%より高くなると、観察されるマークの像がぼやけるからである。
【0040】
本実施形態では、第1非表示領域122の幅と第2非表示領域142の幅とが異なっている。具体的には、本実施形態では、第1非表示領域122の幅を0.64mmとし、第2非表示領域142の幅を0.1mmとした。第1非表示領域122は、観察側(表側)に配置されており、第1非表示領域122の幅が第2非表示領域142の幅よりも広いことから、第1パターン123を通して光が多く第2パターン143に到達し、さらに、反射して観察側へ戻る光の多くが第1パターン123を通して観察位置へ到達することができる。よって、モアレMをより明るく観察することができる。
【0041】
また、第1表示線121の幅と第2表示線141の幅とが異なっている。これにより、両者の幅が同じである場合と比べて、モアレMをより鮮明に観察することが可能となる。具体的には、第1表示線121の幅を0.1mmとし、第2表示線の幅を0.4mmとした。このように第1表示線121の幅を第2表示線の幅よりも細くすることにより、第1パターン123を通過する光が多くなり、モアレMをより明るく観察することができる。
【0042】
また、第1表示線121が配列されているピッチである第1ピッチを0.74mmとし、第2表示線141が配列されているピッチである第2ピッチを0.5mmとして、両者が異なるようにしている。これにより、モアレMをより鮮明に観察することが可能となる。また、第1ピッチを第2ピッチよりも広くしているので、結果として第1非表示領域122の幅が第2非表示領域142の幅よりも広くなり、モアレMをより明るく観察することができる。
【0043】
ここで、本実施形態の収容体識別マーカー100に設けられているマーク102及びモアレ表示領域103、104の使用方法の一例を説明する。
図4は、収容体識別マーカー100を斜め方向から見た状態を示す図である。
図4では、
図2の横斜め方向から収容体識別マーカー100を観察した状態を示しており、
図2中の上下方向については傾かずに観察している状態を例示した。
収容体識別マーカー100をその法線方向から傾いた斜め方向から観察すると、例えば、
図4に示すように、モアレ表示領域103のモアレMがモアレ表示領域103の長手方向で移動して観察される。なお、収容体識別マーカー100をその法線方向からモアレ表示領域104の長手方向に傾いた上下の斜め方向から観察すれば、モアレ表示領域104のモアレMがモアレ表示領域104の長手方向で移動して観察される。よって、モアレ表示領域103のモアレMとモアレ表示領域104のモアレMとの双方を観察することにより、収容体識別マーカー100と観察位置との相対的な位置(傾きの角度)を正確に検出することができる。すなわち、収容体識別マーカー100は、撮像部及び制御部と組み合わせて用いることにより、角度センサーの一部を構成することができる。
【0044】
ここで、モアレMは、観察位置が収容体識別マーカー100の法線方向から大きくずれた位置に移動すると、別のモアレが観察されるようになり、モアレが次々に観察される。したがって、観察位置が収容体識別マーカー100の法線方向から大きくずれた位置にある場合には、正しい位置検出ができない場合がある。
しかし、本実施形態の収容体識別マーカー100は、マーク102を備えている。マーク102による位置検出は、観察位置が収容体識別マーカー100の法線方向から大きくずれた位置にあっても位置検出が可能である。一方、モアレ表示領域103、104を用いた位置検出は、マーク102による位置検出よりもさらに高い精度で位置検出が可能である。したがって、マーク102を用いた位置検出と、モアレ表示領域103、104を用いた位置検出とを併用することによって、モアレ表示領域103、104のみを用いる場合よりも、適用範囲を拡大することができる。すなわち、観察位置が収容体識別マーカー100の法線方向から大きくずれた位置にあってもマーク102によって位置検出を行い、その検出結果に応じて観察位置を自動的に移動して、最終的な高精度な位置制御が必要な段階で、モアレ表示領域103、104を用いた位置検出を行うことができる。
【0045】
図1に戻って、収容体識別非接触通信タグ200は、非接触通信を行うRFタグにより構成されており、パレット20に取り付けられている。本実施形態では、収容体識別非接触通信タグ200は、パレット20の中央部分を一部窪ませて形成した空間に配置されている。収容体識別非接触通信タグ200は、収容体であるパレット20を識別可能な第2収容体識別情報を記憶している。この第2収容体識別情報は、例えば、倉庫内等で多数用いられるパレット20の個体を識別することができる情報である。簡単な例としては、パレットが100個用いられている場合に、それぞれのパレットに1から100まで番号を設定した場合のバレットの番号を第2収容体識別情報とすることができる。したがって、この第2収容体識別情報は、二次元コード105が記録している第1収容体識別情報とすることができる。しかし、第1収容体識別情報と第2収容体識別情報とを同一とすることが必須ではなく、両者にパレット20を識別可能な情報が含まれていれば、その他の情報の部分において両者に差異があってもよい。
【0046】
図5は、本実施形態の物品管理システム1の構成を説明する図である。
本実施形態の物品管理システム1は、上述した物品500とパレット20の他に、記憶部10と、物品情報取得部12と、パレット情報取得部13と、制御部14と、自動フォークリフト300とを備えている。
【0047】
記憶部10は、パレット20に載置する物品500の識別媒体501から物品識別情報を、物品情報取得部12を用いて取得する。また、記憶部10は、パレット20の収容体識別マーカー100から第1収容体識別情報を取得し、パレット20の収容体識別非接触通信タグ200から第2収容体識別情報を取得する。なお、第1収容体識別情報と第2収容体識別情報とが同一の情報である場合には、収容体識別マーカー100と収容体識別非接触通信タグ200のいずれか一方から第1収容体識別情報、又は、第2収容体識別情報を取得する構成としてもよい。
また、記憶部10は、パレット20に載置する物品500の物品識別情報と、第1収容体識別情報及び第2収容体識別情報と関連付けて記憶する。ここで、パレット20に載置する物品500が複数ある場合には、パレット20に載置するすべての物品500の物品識別情報と、第1収容体識別情報及び第2収容体識別情報と関連付けて記憶する。
【0048】
物品情報取得部12は、物品500の識別媒体501から物品識別情報を読み取る読み取り装置である。物品情報取得部12の具体的な形態は、識別媒体501の形態に応じて適切な形態のものを用いる。例えば、識別媒体501がバーコードのみであれば、物品情報取得部12は、バーコードリーダのみでよい。また、物品ごとに識別媒体501がバーコードの場合もあれば、非接触通信タグである場合もあるというような混在環境である場合には、物品情報取得部12は、バーコードリーダと非接触通信リーダーを備えて構成する。二次元コードを含む場合も同様である。
【0049】
パレット情報取得部13は、パレット20の収容体識別マーカー100及び収容体識別非接触通信タグ200から第1収容体識別情報及び第2収容体識別情報を読み取る読み取り装置である。パレット情報取得部13は、収容体識別マーカー100を読み取る撮影部等の光学センサーと、収容体識別非接触通信タグ200と通信を行う非接触通信リーダーとを備えて構成されている。
なお、物品情報取得部12及びパレット情報取得部13は、図ではラインで接続してい示したが、これは有線接続されていることを示すのではなく、無線通信で接続されていてもよい。
【0050】
制御部14は、記憶部10及び自動フォークリフト300を統括して制御を行う。制御部は、例えば、コンピュータにアプリケーションソフトウェアを実行させることにより実現される。
【0051】
自動フォークリフト300は、制御部14に動作を制御されて自動的に動作を行う。自動フォークリフト300には、撮影部301が設けられている。自動フォークリフト300は、撮影部301が収容体識別マーカー100に設けられているマーク102及びモアレ表示領域103、104を撮影し、自動フォークリフト300と収容体識別マーカー100(パレット20)との相対的な傾き角度と相対的な位置を正確に検出し、その検出結果に基づいて自動フォークリフト300の運転を制御部14が自動制御する。
【0052】
次に、商品管理の流れについて説明する。
図6は、パレット20へ複数の物品500を載置する状態を説明する図である。
パレット20へ物品500を載置する時には、記憶部10が、個々の物品500(
図6では、500-1から500-5)の識別媒体501から物品識別情報を取得する。また、記憶部10は、パレット20の収容体識別マーカー100及び収容体識別非接触通信タグ200から第1収容体識別情報及び第2収容体識別情報を取得する。さらに、記憶部10は、パレットに載置された各物品の物品識別情報と第1収容体識別情報及び第2収容体識別情報を関連付けて記憶する。その後、自動フォークリフト300を用いてパレットごと物品500(500-1から500-5)を配送したり、保管したりする。
【0053】
図7は、
図6の状態から配送されたり、又は、保管されたりしている状態を示す図である。
この状態では、物品500を一つ一つ確認しなくても、パレット20の収容体識別マーカー100又は収容体識別非接触通信タグ200から第1収容体識別情報又は第2収容体識別情報を取得すれば、記憶部10に記憶されている情報によって、パレット20にどのような物品500が載置されているか簡単に知ることができる。
【0054】
図8は、
図7の状態から、パレット20上に物品500-6が追加された状態を示す図である。物品500-6が追加された場合には、記憶部10は、物品情報取得部12によって、追加される物品500-6の識別媒体501から物品識別情報を取得する。また、記憶部は、追加される物品500-6の物品識別情報を、第1収容体識別情報及び第2収容体識別情報と関連付けて記憶を更新する。なお、
図8では、物品500-6が追加された状態を例示したが、物品500の一部が取り除かれた場合にも、取り除かれた物品500の物品識別情報を取得し、第1収容体識別情報及び第2収容体識別情報と関連付けを解除して記憶を更新する。
【0055】
よって、パレット20上に載置された物品500の情報が常に最新の状態で記憶部10に記憶されている。よって、どの段階であっても、パレット20の収容体識別マーカー100又は収容体識別非接触通信タグ200から第1収容体識別情報又は第2収容体識別情報を取得すれば、記憶部10に記憶されている情報によって、パレット20にどのような物品500が載置されているか簡単に知ることができる。
【0056】
また、パレット20には、光学的に読み取られる収容体識別マーカー100と、無線通信によって読み取られる収容体識別非接触通信タグ200とが設けられている。よって、パレットが多数並べられている状況等により収容体識別マーカー100を直接観察できない場合でも、無線通信によって収容体識別非接触通信タグ200から第2収容体識別情報を取得できる。これとは逆に、金属や水等が間に介在すること等により収容体識別非接触通信タグ200との通信が困難な状況であっても、収容体識別マーカー100を利用して第1収容体識別情報を取得できる。
【0057】
例えば、倉庫の棚に整然とパレットが並べられている様な状態だと収容体識別マーカー100が良く見えるので第1収容体識別情報は、パレット情報取得部13で光学的情報として取得できる。
一方で、パレットを平面方向に複数並べた様な状態だと、外側に配置されたパレットの第1収容体識別情報は、パレット情報取得部13で光学的情報として取得できるが、外側に配置されたパレットより内側に配置されたパレットの第1収容体識別情報は、パレット情報取得部13で光学的情報として取得することが不可能になる。
上記の様な時、第2収容体識別情報をパレット情報取得部13で電波による情報として取得することができる。
【0058】
一方、第2収容体識別情報は、パレットが平面に複数、及び/又は、垂直方向に複数配置(倉庫の棚に重ねられて配置)されている場合は、フォークリフトで目的とするパレットがどの位置にあるのかを正確に把握することができない。
この様な場合には、第1収容体識別情報を、パレット情報取得部13で光学的情報として取得し、フォークリフトの操作をすることができる。
【0059】
フォークリフトでパレットの運搬操作を行う際、第1収容体識別情報が見える状態でないと、パレットにフォークの爪を挿せないので、第2収容体識別情報から、目的とするパレットがある凡その位置が分かっても、第1収容体識別情報が得られなければ、その目的とするパレットは、外側に配置されたパレットの内側にあると判断でき、したがって、フォークリフトの爪を目的とするパレットには挿せないことが分かる。
その場合は、目的とするパレットの外側にあるパレットをどかす操作を行う制御を行うことができる。
【0060】
このように、本実施形態の物品管理システムは、より確実に必要な情報を得ることができ、より簡単に、かつ、より正確に物品の管理を行える。
さらに、本実施形態の物品管理システムは、収容体識別マーカー100にマーク102及びモアレ表示領域103、104を設けたので、自動フォークリフト300と収容体識別マーカー100(パレット20)との相対的な傾き角度と相対的な位置を正確に検出し、その検出結果に基づいて自動フォークリフト300の運転を制御部14が自動制御することができ、より利便性の高いシステムとすることができる。
【0061】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
【0062】
(1)実施形態において、収容体識別マーカー100にマーク102及びモアレ表示領域103、104を設けた例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、マーク102又はモアレ表示領域103、104のいずれかのみを設けてもよいし、どちらも設けない構成としてもよい。
【0063】
(2)実施形態において、パレット20を収容体とする例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、段ボール箱やコンテナ等を収容体として用いてもよい。
【0064】
なお、各実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
【符号の説明】
【0065】
1 物品管理システム
10 記憶部
12 物品情報取得部
13 パレット情報取得部
14 制御部
20 パレット
102 マーク
103 モアレ表示領域
104 モアレ表示領域
105 二次元コード
110 基材層
120 第1の層
121 第1表示線
122 第1非表示領域
123 第1パターン
130 第2の層
131 開口部
132 開口部
140 第3の層
141 第2表示線
142 第2非表示領域
143 第2パターン
150 反射層
160 粘着層
170 保護層
171 樹脂基材層
172 表層
200 収容体識別非接触通信タグ
300 自動フォークリフト
301 撮影部
500 物品
501 識別媒体