(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】貨幣取扱装置
(51)【国際特許分類】
G07D 11/10 20190101AFI20241203BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
G07D11/10
G07G1/00 331A
(21)【出願番号】P 2021023695
(22)【出願日】2021-02-17
【審査請求日】2023-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 文昭
(72)【発明者】
【氏名】盛林 孝祐
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-160122(JP,A)
【文献】特開2002-049952(JP,A)
【文献】実開昭62-032475(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 11/10
G07G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬貨が投入される投入口と、
前記投入口内に光を照射する発光部と、前記発光部から照射される光を受光する受光部とを有する光学センサと、
前記発光部と前記受光部との何れか一方又は両方を清掃する清掃部材を有する清掃機構と
を含む硬貨処理装置を備え、
前記硬貨処理装置は、
筐体に対して引き出し及び収納可能に設けられ、
前記清掃機構は、前記硬貨処理装置が前記筐体に対して引き出し又は収納される際に、前記発光部と前記受光部との何れか一方又は両方を前記清掃部材により清掃する
ことを特徴とする貨幣取扱装置。
【請求項2】
前記清掃機構は、
前記硬貨処理装置が前記筐体に対して引き出し又は収納される際の前記硬貨処理装置の移動に連動して、前記清掃部材を前記発光部と前記受光部との何れか一方又は両方と接触させながら移動させる清掃部材移動機
構
を備えることを特徴とする請求項1に記載の貨幣取扱装置。
【請求項3】
前記清掃部材移動機構は、
前記硬貨処理装置が前記筐体に収納された状態で該筐体と当接する当接部を含み、該当接部が前記筐体に当接した当接状態と、該筐体に当接しない非当接状態とに遷移することにより、前記清掃部材を、前記受光部と前記発光部との何れか一方又は両方に接触させる接触状態と、前記受光部及び前記発光部に接触しない非接触状態との何れかに遷移させる
ことを特徴とする請求項2に記載の貨幣取扱装置。
【請求項4】
前記清掃部材移動機構は、
前記清掃部材を保持すると共に、該清掃部材を移動させるガイドを有し、
前記ガイドは、
前記当接部が前記当接状態と前記非当接状態とに遷移する際に移動することによって、前記清掃部材を前記接触状態と前記非接触状態とに遷移させる
ことを特徴とする請求項3に記載の貨幣取扱装置。
【請求項5】
前記当接部は、回動可能に設けられたレバーであって、
前記レバーは
、
前記当接状態と前記非当接状態とに遷移する際に回動することにより、前記ガイドに保持された前記清掃部材を前記接触状態と前記非接触状態との何れかに遷移させる
ことを特徴とする請求項4に記載の貨幣取扱装置。
【請求項6】
前記レバーは、
前記当接状態から前記非当接状態へ遷移する際、一方向へ回動することによって、前記ガイドに保持された前記清掃部材を上方向へ移動させる
ことを特徴とする請求項5に記載の貨幣取扱装置。
【請求項7】
前記ガイドは、
前記硬貨処理装置が前記筐体に収納された状態と、前記硬貨処理装置が前記筐体から引き出された状態との何れにおいても、前記受光部と前記発光部との間で前記光を通過させる
ことを特徴とする請求項6に記載の貨幣取扱装置。
【請求項8】
前記ガイドは、
前記投入口に対し上下方向へ移動可能なガイド本体部と、
前記ガイド本体部から下方向へ延び、前記清掃部材が設けられ、該清掃部材の上側において前記光を通過させる光通過部が形成されたガイド突起部と
を備え、
前記レバーの前記当接状態において前記光通過部を前記発光部と前記受光部との何れか一方又は両方に対向させることにより、該光通過部を介して前記光を通過させ、
前記レバーの前記非当接状態において前記ガイド突起部の下端部を前記光学センサの光軸よりも上側に位置させることにより前記光を通過させる
ことを特徴とする請求項7に記載の貨幣取扱装置。
【請求項9】
前記当接部は、スライド移動可能に設けられたカムプレートであって、
前記カムプレートは、
前記硬貨処理装置が前記筐体に対して引き出し又は収納される際の移動方向に対し傾斜する方向に沿って形成された箇所を少なくとも含むカム溝を有し、
前記カム溝は、前記ガイドに形成された係合突起を摺動可能に係合し、前記筐体に対する前記硬貨処理装置の移動に伴って前記係合突起を摺動させることにより、前記ガイドに保持された前記清掃部材を前記接触状態と前記非接触状態との何れかに遷移させる
ことを特徴とする請求項4に記載の貨幣取扱装置。
【請求項10】
前記カムプレートは、
前記硬貨処理装置が前記筐体から引き出される際、前記カム溝に沿って前記係合突起を下方向へ移動させることにより前記ガイドに保持された前記清掃部材を下方向へ移動させ、前記カム溝に沿って前記係合突起を上方向へ移動させることにより前記ガイドに保持された前記清掃部材を上方向へ移動させる
ことを特徴とする請求項9に記載の貨幣取扱装置。
【請求項11】
前記ガイドは、
前記硬貨処理装置が前記筐体に収納された状態と、前記硬貨処理装置が前記筐体から引き出された状態との何れにおいても、前記受光部と前記発光部との間で前記光を通過させる
ことを特徴とする請求項10に記載の貨幣取扱装置。
【請求項12】
前記ガイドは、
前記投入口に対し上下方向へ移動可能なガイド本体部と、
前記ガイド本体部から下方向へ延び、前記清掃部材が設けられたガイド突起部と
を備え、
前記硬貨処理装置が前記筐体に収納された状態において前記ガイド突起部の下端部を前記光学センサの光軸よりも上側に位置させることにより前記光を通過させ、前記硬貨処理装置が前記筐体から引き出されると、前記清掃部材を前記発光部と前記受光部との何れか一方又は両方に対向させてから、前記ガイド突起部の下端部を前記光学センサの光軸よりも上側に位置させることにより前記光を通過させる
ことを特徴とする請求項11に記載の貨幣取扱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は貨幣取扱装置に関し、例えばスーパーマーケットやコンビニエンスストア等のような小売店舗の精算所において使用されるレジ釣銭機に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、レジ釣銭機として、POS(Point Of Sales)システム等に接続されたPOSレジに、紙幣や硬貨の入出金処理を行う釣銭機が組み合わされたものが普及している。この釣銭機のうち硬貨を処理する硬貨処理装置として、例えばレジ係員に硬貨を投入させる投入口、硬貨を搬送する搬送部、投入された硬貨の種類等を認識する認識部、硬貨を金種別に収納すると共に釣銭用の硬貨を繰り出す収納庫、及び収納庫から繰り出された硬貨を貯留してレジ係員に取り出させる出金トレイ等を有したものがある。
【0003】
この硬貨処理装置においては、例えば搬送部に設けられた、硬貨の有無を検知する光学センサを、レジ係員等の手動操作により清掃することにより、光学センサの検知能力を維持するものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、硬貨を処理する硬貨処理装置における投入口において、投入口内の硬貨残留を検知する光学センサが設けられている硬貨処理装置があった(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5810839号
【文献】特開2015-121856号公報(
図13)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のレジ釣銭機においては、光学センサを清掃するためだけの手動操作をレジ係員等が行う必要があったため、手動動作が忘れられてしまい清掃動作が行われない可能性があった。このように光学センサが清掃されずにレジ釣銭機が長期で運用された場合、光学センサに粉塵等が付着されたままとなってしまい、光学センサの検知能力が低下したままの状態で装置が運用されるため、機器異常が発生してしまうことがある。
【0007】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、光学センサの検知能力の低下を抑止し得る貨幣取扱装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するため本発明の貨幣取扱装置においては、硬貨が投入される投入口と、投入口内に光を照射する発光部と、発光部から照射される光を受光する受光部とを有する光学センサと、発光部と受光部との何れか一方又は両方を清掃する清掃部材を有する清掃機構とを含む硬貨処理装置を設け、硬貨処理装置は、筐体に対して引き出し及び収納可能に設けられ、清掃機構は、硬貨処理装置が筐体に対して引き出し又は収納される際に、発光部と受光部との何れか一方又は両方を清掃部材により清掃するようにした。
【0009】
本発明は、光学センサを清掃するためだけの手動操作を不要にでき、光学センサの清掃忘れを防止できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、光学センサの検知能力の低下を抑止し得る貨幣取扱装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】硬貨入出金装置の構成(1)を示す平面図である。
【
図3】硬貨入出金装置の構成(2)を示す正面図である。
【
図4】第1の実施の形態による収納状態における硬貨入出金装置の構成を示す左側面図である。
【
図5】第1の実施の形態による引出状態における硬貨入出金装置の構成を示す左側面図である。
【
図6】第1の実施の形態によるセンサ清掃ガイド下降状態における硬貨投入部の構成を示す斜視図である。
【
図7】第1の実施の形態によるセンサ清掃ガイド上昇状態における硬貨投入部の構成を示す斜視図である。
【
図8】第1の実施の形態によるセンサ清掃ガイドの構成を示す斜視図である。
【
図9】第2の実施の形態による収納状態における硬貨入出金装置の構成を示す左側面図である。
【
図10】第2の実施の形態による引出途中状態における硬貨入出金装置の構成(1)を示す左側面図である。
【
図11】第2の実施の形態による引出途中状態における硬貨入出金装置の構成(2)を示す左側面図である。
【
図12】第2の実施の形態による引出状態における硬貨入出金装置の構成を示す左側面図である。
【
図13】第2の実施の形態による収納状態のセンサ清掃ガイド上昇状態における硬貨投入部の構成を示す斜視図である。
【
図14】第2の実施の形態による引出途中状態のセンサ清掃ガイド下降状態における硬貨投入部の構成を示す斜視図である。
【
図15】第2の実施の形態による引出状態のセンサ清掃ガイド上昇状態における硬貨投入部の構成を示す斜視図である。
【
図16】第2の実施の形態によるセンサ清掃ガイドの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0013】
[1.第1の実施の形態]
[1-1.レジ釣銭機の全体構成]
図1に外観を示すように、レジ釣銭機1は、それぞれ独立した装置である上側のPOSレジ2と下側の釣銭機3とにより構成されている。このレジ釣銭機1は、例えばスーパーマーケットやコンビニエンスストアのような小売店舗の精算所(いわゆるレジ)において、顧客が購入したい商品を精算する際に、レジ係員により操作される。なお以下では、レジ係員等(以下、操作者と呼ぶ)が対峙する側面及びその反対面をそれぞれ前面及び後面とし、さらに該操作者から見て左右及び上下を定義して説明する。
【0014】
[1-1-1.POSレジの構成]
POSレジ2は、レジ制御部11、表示操作部12、レシート処理部13等を有している。またPOSレジ2には、図示しないバーコードリーダが接続されており、商品に付されたバーコードをこのバーコードリーダで読み取ることにより、該商品を認識する。
【0015】
レジ制御部11は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を有しており、該CPUにより該ROM等から読み出した所定のプログラムを実行することにより種々の処理を行い、全体を統括制御する。
【0016】
表示操作部12は、いわゆるタッチパネルであり、認識した商品の名称や金額等を表示し、また操作者による入力操作を受け付けてレジ制御部11へ送信する。これに応じてレジ制御部11は、商品の数量の増減や金額の修正等を行う。レシート処理部13は、認識した商品の名称や金額等をレシートに印字し、これをレシート排出口から排出する。
【0017】
[1-1-2.釣銭機の構成]
一方、釣銭機3は、大きく分けて、紙幣を取り扱う紙幣入出金装置4と、硬貨を取り扱う硬貨入出金装置5と、前側上部の表示操作部6とにより構成されている。因みに硬貨は、一般的な硬貨と同様、ニッケル、銅、アルミニウム等の金属又はこれらの合金やその組み合わせでなり、薄い板状に形成されている。
【0018】
紙幣入出金装置4は、操作者により紙幣入出金部21から投入された紙幣を取り込んで内部の紙幣収納庫22に収納すると共に、レジ制御部11から指示された紙幣を紙幣収納庫22から繰り出し、これを紙幣入出金部21から釣銭として出金する。
【0019】
硬貨入出金装置5は、操作者により硬貨投入部26から投入された硬貨を取り込んで内部の硬貨収納庫34(
図2)に収納すると共に、レジ制御部11から指示された硬貨を硬貨収納庫34から繰り出し、これを硬貨出金トレイ28から釣銭として出金する。
【0020】
表示操作部6は、所定の表示パネル及び所定の操作スイッチの組み合わせにより構成されている。表示操作部6の表示パネルは、紙幣入出金装置4及び硬貨入出金装置5における稼働状況として、例えば硬貨入出金装置5において釣銭用の硬貨が不足していることや、所定のセンサにより異常を検出したこと、及びその箇所等を表示する。また表示操作部6の操作スイッチは、操作者等による押下操作を介して、例えば硬貨の搬送等に関する指示を受け付ける。
【0021】
[1-2.硬貨入出金装置の構成]
図2及び
図4に示すように、硬貨入出金装置5は、装置筐体24の内部に後側の大部分が収納されている。以下ではこの状態を収納状態とも呼ぶ。装置筐体24は、前面に開口部を有する中空の直方体状に構成されている。具体的に装置筐体24は、上側、下側、右側、左側及び後側に、それぞれ板状の筐体天板24U、筐体底板24D、筐体右側板24R、筐体左側板24L及び筐体後側板24Bが形成されており、これら筐体天板24U、筐体底板24D、筐体右側板24R、筐体左側板24L及び筐体後側板24Bによって囲まれた筐体内部空間24Sが形成されている。また装置筐体24は、筐体天板24Uにおける前端部から、筐体天板24Uに対し直交するように鉛直方向に沿って筐体前側立設部24Fが立設している。
【0022】
硬貨入出金装置5は、装置筐体24に対し前後方向へ往復移動可能に構成されている。硬貨入出金装置5は、レジ係員等により硬貨入出金装置5の内部の保守作業が行われる場合、装置筐体24から前方へ向かって
図5に示すように手前側である引出方向dwへ引き出されると、硬貨入出金装置5の内部の保守作業が可能な状態となる。以下ではこの状態を引出状態とも呼ぶ。この引出状態においては、清掃レバー52(後述する)の後端部である当接部52cが、装置筐体24の筐体前側立設部24Fに対し、引出方向dw側である前側へ離隔した、非当接状態となっている。
【0023】
一方、硬貨入出金装置5は、保守作業が完了しレジ係員等により
図4に示すように後側である収納方向dpへ押し込まれると、硬貨入出金装置5における後側の大部分が、装置筐体24内部に収納された状態となる。この収納状態においては、清掃レバー52(後述する)の後端部である当接部52cが、装置筐体24の筐体前側立設部24Fに当接した、当接状態となっている。
【0024】
図2に示すように、硬貨入出金装置5は、全体を制御する硬貨制御部25を有している。因みに
図2中の矢印は、硬貨の進行経路を表している。硬貨制御部25は、図示しないCPUを中心に構成されており、図示しないROMやフラッシュメモリ等から所定のプログラムを読み出して実行することにより、硬貨入出金装置5を統括制御する。
図2及び
図3に示すように、装置筐体24の前側には、媒体としての硬貨が投入される硬貨投入部26、正常でないと鑑別された(すなわちリジェクトされた)硬貨を排出する硬貨リジェクトトレイ27、及び釣銭としての硬貨を排出する硬貨出金トレイ28が設けられている。
【0025】
硬貨投入部26は、すり鉢状にえぐられたような形状に形成されると共に、その底部に硬貨を1枚ずつ排出する円盤26Cが組み込まれている。また硬貨投入部26には、所定箇所に硬貨の有無を検出する複数個の残留検知センサ36が組み込まれており、その検出結果を硬貨制御部25へ通知する。実際の精算処理において、レジ係員等が顧客から商品の代金として硬貨を預かると、この硬貨は、レジ係員等によりまとめて硬貨投入部26へ投入される。硬貨投入部26は、残留検知センサ36により硬貨が投入されたことを検出すると、硬貨制御部25の制御に基づき、硬貨を1枚ずつ搬送部30に繰り出す。
【0026】
搬送部30は、搬送ベルト30Bをステッピングモータやプーリ等により駆動し、搬送ベルト30Bにより硬貨を搬送し、硬貨鑑別部31に受け渡す。硬貨鑑別部31は、硬貨の金種(例えば1円、5円、10円、50円、100円及び500円の6種類)及び真偽等を鑑別し、硬貨の鑑別結果を硬貨制御部25へ通知する。硬貨制御部25は、取得した鑑別結果に基づき、異常であれば該硬貨をリジェクト切替部32における孔部から落下させて硬貨リジェクトトレイ27へ送出させる一方、正常であれば該硬貨をリジェクト切替部32よりも下流側へ搬送させ、選別切替部33(選別切替部33A、33B、33C、33D、33E及び33F)の何れかにおける孔部から落下させて金種毎の硬貨収納庫34(硬貨収納庫34A、34B、34C、34D、34E及び34F)に搬送させる。
【0027】
硬貨リジェクトトレイ27は、硬貨入出金装置5の前面下部から前方へ突出すると共に上部中央が椀状にえぐられたような形状でなり、搬送部30から落とし込まれた硬貨を受け止めて保持すると共に、前上方から容易に取り出させる。硬貨リジェクトトレイ27内に落とし込まれた硬貨は、硬貨入出金装置5の前方に対峙するレジ係員により取り出されリジェクト硬貨として返却される。
【0028】
硬貨収納庫34A~34Fは、それぞれ硬貨を積層して収納し、また硬貨制御部25の制御に基づき、収納している硬貨を図示しない排出機構により、硬貨出金トレイ28へ向けて搬送部35に1枚ずつ排出する。実際上、硬貨制御部25は、釣銭として顧客に渡すべき金額に応じて硬貨の種類及び枚数を決定した上で、決定した種類及び枚数の硬貨を硬貨収納庫34A~34Fからそれぞれ排出させる。搬送部35は、無端ベルト、ステッピングモータ及びプーリ等(図示せず)により構成されており、硬貨収納庫34A~34Fから排出された硬貨を前方へ搬送し、硬貨出金トレイ28へ落とし込む。
【0029】
硬貨出金トレイ28は、硬貨入出金装置5の前面下部から前方へ突出すると共に上部中央が椀状にえぐられたような形状でなり、搬送部35から落とし込まれた硬貨を受け止めて保持すると共に、前上方から容易に取り出させる。硬貨出金トレイ28内に落とし込まれた硬貨は、硬貨入出金装置5の前方に対峙するレジ係員により取り出され、釣銭として顧客に渡される。
【0030】
このように硬貨入出金装置5は、顧客から商品等の代金として支払われ硬貨投入部26に投入された硬貨を金種毎に分別して硬貨収納庫34A~34Fに収納すると共に、釣銭として渡すべき硬貨を硬貨収納庫34A~34Fから取り出して硬貨出金トレイ28から排出する。
【0031】
[1-3.硬貨投入部の構成]
図6及び
図7に示すように、硬貨投入部26は、上方が開口し全体として中心軸を上下方向に沿わせた円柱状に形成されている。具体的に硬貨投入部26は、円筒形状であり硬貨をガイドする投入口ガイド26Gを有しており、該投入口ガイド26Gの内部に円筒状に窪み硬貨を非整列状態で受け入れる投入空間26Sが形成され、また該投入口ガイド26Gの底部に回転可能であり硬貨を移動させる円盤26Cが組み込まれている。因みに投入口ガイド26Gには、残留検知センサ36(後述する)の検知光を通過させる孔部が穿設されている。
【0032】
さらに硬貨投入部26には、投入空間26S内における硬貨の有無を検知する複数個の残留検知センサ36も組み込まれている。残留検知センサ36は、投入口ガイド26Gの外周側に配された光学センサであり、一対の発光部及び受光部により構成されている。この残留検知センサ36は、発光部における発光面36aから照射された検知光の、受光部における受光面での受光結果を硬貨制御部25に通知する。硬貨制御部25は、この受光結果に基づき、投入空間26S内に硬貨が存在するか(すなわち残留しているか)否かを判断する。具体的に残留検知センサ36は、硬貨が検知光を遮ると、検知光を受光していないことを示す受光結果を硬貨制御部25に通知する。一方、残留検知センサ36は、硬貨が検知光を遮っていない場合、検知光を受光していることを示す受光結果を硬貨制御部25に通知する。硬貨制御部25は、受光結果に基づき、計数動作を開始する際の硬貨投入部26内への硬貨投入の有無や、計数終了前の硬貨投入部26内の硬貨残留を検知する。
【0033】
硬貨投入部26は、投入空間26S内へ硬貨が投入されたことを残留検知センサ36により検知すると、モータ38を回転させて駆動力を駆動ギア39により円盤26Cへ伝達させて円盤26Cを平面視で反時計回りに回転させ、硬貨に遠心力を作用させて円盤26Cの外周側へ搬送し、右後側に配置されたゲート40まで移動させる。ゲート40は、硬貨を1枚ずつ分離し、ゲート40よりも後側に配置された繰り出しローラ41(
図2)まで通過させる。繰り出しローラ41は、モータ38の駆動力が供給され回転することにより、ゲート40により分離された硬貨を繰り出し、搬送部30に受け渡す。
【0034】
[1-4.清掃機構の構成]
さらに硬貨投入部26には、
図8に示す清掃機構44が設けられている。清掃機構44は、センサ清掃ガイド46とガイド上下移動機構50とにより構成されている。なお
図8においては作図の都合上、残留検知センサ36を清掃機構44から左側に離して示している。
【0035】
[1-4-1.センサ清掃ガイドの構成]
図8に示すように、センサ清掃ガイド46は、ガイド本体部46a、ガイド突起部46b及びガイドシャフト保持部46cが形成されている。
【0036】
ガイド本体部46aは、投入口ガイド26Gにおける外周側を囲うように配置されたリング形状の部材であり、上下方向に往復移動可能となっている。
【0037】
ガイド突起部46bは、ガイド本体部46aにおける円周方向に関し残留検知センサ36と同一の位置において、残留検知センサ36と対向するように配された四角柱形状の部材であり、ガイド本体部46aの下面側から下方に向かって突出している。なお、投入口ガイド26Gの外周側における後方に配された残留検知センサ36に対応するガイド突起部46bは、
図6、
図7及び
図8においては図示せず省略する。ガイド突起部46bにおけるガイド本体部46aの外周側の面の下端部に形成されたモヘア貼付け部49には、清掃モヘア47が貼り付けられている。清掃モヘア47は、ガイド突起部46bから残留検知センサ36の発光面36aへ向けて伸びた多数の細かく柔らかい毛により構成されている。この清掃モヘア47は、残留検知センサ36の発光面36aに当接しつつ上下方向に移動することにより、発光面36aを清掃する。以下では、清掃モヘア47が発光面36aに接触した状態を接触状態とも呼び、清掃モヘア47が発光面36aに接触していない状態を非接触状態とも呼ぶ。
【0038】
またガイド突起部46bにおけるモヘア貼付け部49よりも上側には、ガイド本体部46aの外周側の面から内周側の面までを貫通する例えば四角柱形状の検知光通過孔48が穿設されている。この光通過部としての検知光通過孔48は、
図6に示すセンサ清掃ガイド下降状態において、発光面36aと対向することにより、残留検知センサ36の検知光を通過させる。またガイド突起部46bの下端部よりも下側においては、残留検知センサ36と投入口ガイド26Gとの間に、検知光を遮る部材が配置されていない。このようにガイド突起部46bは、モヘア貼付け部49(すなわち清掃モヘア47)の上下両側において検知光を通過可能としている。
【0039】
ガイドシャフト保持部46cは、ガイド本体部46aから外周方向に向かって突出しており保持部水平部46c1と保持部鉛直部46c2とが形成されている。保持部水平部46c1は、水平方向に沿う板状部材であり、ガイド本体部46aから外周方向に向かって突出している。
【0040】
保持部鉛直部46c2は、鉛直方向に沿う板状部材であり、保持部水平部46c1における先端から下方向へ向かって突出している。保持部鉛直部46c2には、上端面から下端面までを貫通する円柱形状のシャフト摺動孔46caが2本穿設されている。シャフト摺動孔46caには、移動しないよう固定され鉛直方向に沿って延設されたシャフト51が摺動可能に挿通している。これによりセンサ清掃ガイド46は、シャフト51により保持されると共に、シャフト51の延設方向に沿って上下方向に移動可能に構成されている。また保持部鉛直部46c2における、清掃レバー52と対向する端面からは、円柱形状の係合突起46cbが清掃レバー52に向かって突出している。この係合突起46cbは清掃レバー52における係合部52bと係合している。
【0041】
[1-4-2.ガイド上下移動機構の構成]
一方、清掃部材移動機構としてのガイド上下移動機構50は、シャフト51、清掃レバー52及びスプリング53により構成されており、硬貨入出金装置5の前後方向の移動に連動してセンサ清掃ガイド46を上下移動させる。
【0042】
シャフト51は、2本配され、円筒形状であり、鉛直方向に沿って延設されており移動しないよう固定されている。このシャフト51は、ガイドシャフト保持部46cにおけるシャフト摺動孔46caに摺動可能に挿通することにより、センサ清掃ガイド46を保持すると共に、該センサ清掃ガイド46をシャフト51に対し上昇方向du又は下降方向ddへ上下移動可能にする。
【0043】
清掃レバー52は、保持部鉛直部46c2に対し投入口ガイド26Gにおける外周側に配置され、全体として英大文字の「L」のような形状であり、センサ清掃ガイド46の上下移動とは連動しないフレーム(図示せず)に支持された回転支点52aを中心に回動可能に設けられている。
【0044】
清掃レバー52における前端部には、後方へ向かって凹む係合部52bが形成されている。係合部52bの内側には、センサ清掃ガイド46のガイドシャフト保持部46cにおける係合突起46cbが嵌まり込んでいる。このため清掃レバー52は、左側面視で回転支点52aを中心に反時計回り方向である引出時回動方向rwへ回動すると、係合部52bが係合突起46cbを上方向へ持ち上げることにより、センサ清掃ガイド46を上昇させる。一方、清掃レバー52は、左側面視で回転支点52aを中心に時計回り方向である収納時回動方向rpへ回動すると、係合部52bが係合突起46cbを下方向へ持ち下げることにより、センサ清掃ガイド46を下降させる。このように清掃レバー52は、回動することにより、センサ清掃ガイド46を上昇又は下降させる。以下では、清掃レバー52が収納時回動方向rpへ回動しきった状態を、
図6に示す収納時回動状態とも呼び、清掃レバー52が引出時回動方向rwへ回動しきった状態を、
図7に示す引出時回動状態とも呼ぶ。収納時回動状態においては、センサ清掃ガイド46の下降に伴って清掃モヘア47は発光面36aよりも下側に位置している。一方、引出時回動状態においては、センサ清掃ガイド46の上昇に伴って清掃モヘア47は発光面36aよりも上側に位置している。
【0045】
一方、清掃レバー52における後端部には、上方向へ向かって屈曲する当接部52cが形成されている。当接部52cは、ガイドシャフト保持部46cにおける後端部よりも後側に位置している。
【0046】
スプリング53は、圧縮ばねであり、下端部が図示しないフレームに当接すると共に、上端部が保持部水平部46c1の下面に当接しており、圧縮された状態となっている。このためスプリング53は、センサ清掃ガイド46を上方向に付勢していると共に、清掃レバー52を引出時回動方向rwへ付勢している。
【0047】
清掃レバー52は、
図4に示す収納状態においては、当接部52cが装置筐体24の筐体前側立設部24Fの前面に当接することにより、スプリング53の引出時回動方向rwへの付勢力に逆らって引出時回動状態から収納時回動方向rpに回動し収納時回動状態となる。このため、収納状態において清掃レバー52は、センサ清掃ガイド46を下降させ、
図6に示すセンサ清掃ガイド下降状態とする。一方、清掃レバー52は、
図5に示す引出状態においては、当接部52cが装置筐体24の筐体前側立設部24Fの前面よりも前側に離隔することにより、スプリング53の付勢力で収納時回動状態から引出時回動方向rwに回動し引出時回動状態となる。このため、引出状態において清掃レバー52は、センサ清掃ガイド46を上昇させ、
図7に示すセンサ清掃ガイド上昇状態とする。
【0048】
[1-5.清掃機構の動作]
かかる構成において、硬貨入出金装置5のメンテナンス(保守作業)等が行われる際に、収納状態(
図4)の硬貨入出金装置5がレジ係員等によって装置筐体24から引出方向dwへ引き出され引出状態(
図5)にされると、収納時回動状態(
図6)において装置筐体24の筐体前側立設部24Fに当接部52cが当接していた清掃レバー52は、装置筐体24から引出方向dw側へ離隔することにより、引出時回動方向rwに回動し、センサ清掃ガイド46を上昇させセンサ清掃ガイド上昇状態(
図7)とする。
【0049】
このように硬貨入出金装置5は、センサ清掃ガイド46を上昇させることにより、清掃モヘア47を発光面36aに接触させつつ発光面36aの下方から上方まで移動させることができる。これにより硬貨入出金装置5は、発光面36aに付着した粉塵等を除去できる。
【0050】
この引出状態においてレジ係員等は、清掃レバー52を引出時回動方向rw及び収納時回動方向rpへ繰り返し回動させるように操作することにより、センサ清掃ガイド46を上下動させ、発光面36aを手動で清掃することができる。またこの引出状態においては、残留検知センサ36の検知光は、
図7右上に示すように光軸OAがガイド突起部46bにおける清掃モヘア47よりも下側の下端部よりも下側に位置する。このため引出状態においては、残留検知センサ36の検知光は、ガイド突起部46bにおける清掃モヘア47よりも下側の下端部よりも下側を通過する。これにより硬貨入出金装置5は、引出状態において、例えばテスト動作を行う際に、硬貨投入部26内部の硬貨残留を確認することができる。
【0051】
その後、硬貨入出金装置5のメンテナンス等が終了し、引出状態(
図5)の硬貨入出金装置5がレジ係員等によって収納方向dpへ押し込まれ装置筐体24に収納され収納状態(
図4)にされると、引出時回動状態(
図7)において装置筐体24から引出方向dw側へ離隔していた清掃レバー52は、装置筐体24の筐体前側立設部24Fに当接することにより、収納時回動方向rpに回動し、センサ清掃ガイド46を下降させセンサ清掃ガイド下降状態(
図6)とする。
【0052】
このように硬貨入出金装置5は、センサ清掃ガイド46を下降させることにより、清掃モヘア47を発光面36aに接触させつつ発光面36aの上方から下方まで移動させることができる。これにより硬貨入出金装置5は、発光面36aに付着した粉塵等を除去できる。
【0053】
この収納状態においては、残留検知センサ36の検知光は、
図6右上に示すように光軸OAがガイド突起部46bの清掃モヘア47よりも上側の検知光通過孔48に位置する。このため収納状態においては、残留検知センサ36の検知光は、ガイド突起部46bの清掃モヘア47よりも上側の検知光通過孔48を通過する。これにより硬貨入出金装置5は、収納状態、すなわち硬貨入出金装置5の運用状態においても、硬貨投入部26内部の硬貨残留を確認することができる。
【0054】
[1-6.効果等]
以上の構成において硬貨入出金装置5は、硬貨入出金装置5が収納状態と引出状態との間を遷移する際の装置筐体24に対する引出方向dw又は収納方向dpへの移動に連動して、清掃機構44における清掃レバー52を、上昇方向du及び下降方向ddが回動軌跡の一部に含まれる方向である引出時回動方向rw及び収納時回動方向rpに回動させ、センサ清掃ガイド46を残留検知センサ36に対し上昇又は下降させるようにした。
【0055】
このため硬貨入出金装置5は、センサ清掃ガイド46に固定された清掃モヘア47を残留検知センサ36の発光面36aに当接させて清掃モヘア47を上下移動させることにより、発光面36aを清掃でき、発光面36aに粉塵等が付着した状態を解消し、硬貨投入部26における残留硬貨の検知性能を保つことができる。
【0056】
これにより硬貨入出金装置5は、清掃レバー52をレジ係員等に意図的に操作させなくとも、ジャム硬貨の除去や日々の手入れ等で行われる操作である、装置筐体24に対する着脱動作中、すなわち装置筐体24に対する引出方向dw又は収納方向dpへの移動中に、発光面36aを清掃できる。
【0057】
かくして硬貨入出金装置5は、レジ係員等が硬貨入出金装置5を装置筐体24から引き出して残留検知センサ36を手動で清掃するという、残留検知センサ36を清掃するためだけの手動操作を不要にでき、残留検知センサ36の清掃忘れによる検知能力の低下を防止できる。
【0058】
また硬貨入出金装置5は、硬貨入出金装置5が装置筐体24に対し引出方向dw又は収納方向dpへ移動しきった、引出状態又は収納状態においては、センサ清掃ガイド46の上下動を停止させるようにした。さらに硬貨入出金装置5は、残留検知センサ36の検知光を、引出状態(
図5)においてはガイド突起部46bの下端部よりも下側を通過させる一方、収納状態(
図4)においては、ガイド突起部46bの清掃モヘア47よりも上側の検知光通過孔48を通過させるようにした。すなわち硬貨入出金装置5は、装置筐体24に対し引出方向dw又は収納方向dpへの移動中は清掃機構44が残留検知センサ36の検知光を遮るものの、引出状態又は収納状態においては、清掃機構44を検知光から退避させ検知光を遮らないようにした。このため硬貨入出金装置5は、引出状態又は収納状態の何れの状態においても、投入空間26S内に検知光を通過させ、硬貨投入部26内部の硬貨残留を確認することができる。
【0059】
以上の構成によれば貨幣取扱装置としての釣銭機3は、硬貨が投入される硬貨投入部26と、硬貨投入部26内に検知光を照射する発光部と、発光部から照射される検知光を受光する受光部とを有する残留検知センサ36と、発光部と受光部との何れか一方又は両方を清掃する清掃部材としての清掃モヘア47を有する清掃機構44とを含む硬貨処理装置としての硬貨入出金装置5を設け、硬貨入出金装置5は、装置筐体24に対して引き出し及び収納可能に設けられ、清掃機構44は、硬貨入出金装置5が装置筐体24に対して引き出し又は収納される際に、発光部と受光部との何れか一方又は両方を清掃モヘア47により清掃するようにした。
【0060】
これにより釣銭機3は、残留検知センサ36を清掃するためだけの手動操作を不要にでき、残留検知センサ36の清掃忘れによる検知能力の低下を防止できる。
【0061】
[2.第2の実施の形態]
[2-1.レジ釣銭機、釣銭機及び硬貨入出金装置の構成]
図1に示すように、第2の実施の形態によるレジ釣銭機101は、第1の実施の形態によるレジ釣銭機1と比較して、釣銭機3に代わる釣銭機103を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。第2の実施の形態による釣銭機103は、第1の実施の形態による釣銭機3と比較して、硬貨入出金装置5に代わる硬貨入出金装置105を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。
図2に示すように、第2の実施の形態による硬貨入出金装置105は、第1の実施の形態による硬貨入出金装置5と比較して、硬貨投入部26に代わる硬貨投入部126を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。
【0062】
[2-2.硬貨投入部の構成]
図4及び
図5と対応する部材に同一符号を付した
図9、
図10、
図11及び
図12と、
図6、
図7及び
図8と対応する部材に同一符号を付した
図13、
図14、
図15及び
図16とに示すように、第2の実施の形態による硬貨投入部126は、第1の実施の形態による硬貨投入部26と比較して、清掃機構44に代わる清掃機構144を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。
【0063】
[2-3.清掃機構の構成]
第2の実施の形態による清掃機構144は、第1の実施の形態による清掃機構44と比較して、センサ清掃ガイド46に代わるセンサ清掃ガイド146と、ガイド上下移動機構50に代わるガイド上下移動機構150とを有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。
【0064】
[2-3-1.センサ清掃ガイドの構成]
図16に示すように、第2の実施の形態によるセンサ清掃ガイド146は、第1の実施の形態によるセンサ清掃ガイド46と比較して、ガイド突起部46bに代わるガイド突起部146bを有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。第2の実施の形態によるガイド突起部146bは、第1の実施の形態によるガイド突起部46bと比較して、検知光通過孔48が形成されていない点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。
【0065】
[2-3-2.ガイド上下移動機構の構成]
第2の実施の形態によるガイド上下移動機構150は、第1の実施の形態によるガイド上下移動機構50と比較して、清掃レバー52に代わるカムプレート60を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。カムプレート60は、左右方向に薄く前後方向に延びる長方形状に形成されており、図示しないスプリングにより後方向へ付勢されている。
【0066】
カムプレート60の下側寄りには、摺動溝60bが形成されている。摺動溝60bは、前後方向に沿った直線形状であり、カムプレート60の右側面から左側面まで貫通するように穿設されている。摺動溝60bには、センサ清掃ガイド146の上下移動とカムプレート60の前後移動とは連動しないフレーム(図示せず)に固定されたスタッド等のシャフト(図示せず)が摺動可能に嵌まり込んでいる。このためカムプレート60は、摺動溝60bに嵌まり込んだシャフトにより上下方向への移動が規制されつつ、該シャフトを摺動溝60bの内部で摺動させて前後方向へのみ移動可能となっている。なお
図9、
図10、
図11及び
図12においては、摺動溝60bは図示せず省略する。
【0067】
カムプレート60における、摺動溝60bの前寄りの上側には、カム溝60aが形成されている。カム溝60aは、左側面視で英大文字の「V」のような形状であり、カムプレート60の右側面から左側面まで貫通するように穿設されている。具体的にカム溝60aは、後端部から前方向へ向かって直線状に形成されてから斜め下方向へ直線状に向かい、カム溝60aにおける前後方向の中央部に到達すると、斜め上方向へ直線状に向かい、前方へ向かって前端部まで直線状に形成されている。カム溝60aにおける前端部と後端部との上下方向の高さは同一となっている。このようにカム溝60aは、引出方向dw及び収納方向dpに対し上昇方向du及び下降方向ddへ傾斜する形状となっている。
【0068】
カム溝60aには、センサ清掃ガイド146のガイドシャフト保持部46cにおける係合突起46cbが摺動可能に嵌まり込んでいる。このためカムプレート60は、係合突起46cbがカム溝60a内の後端部に位置した状態から係合突起46cbが前方へ移動すると、カム溝60aが係合突起46cbを下方向へ持ち下げることによりセンサ清掃ガイド146を下降させてから、係合突起46cbを上方向へ押し上げることによりセンサ清掃ガイド146を上昇させる。一方、カムプレート60は、係合突起46cbがカム溝60a内の前端部に位置した状態から係合突起46cbが後方へ移動すると、カム溝60aが係合突起46cbを下方向へ押し下げることによりセンサ清掃ガイド146を下降させてから、係合突起46cbを上方向へ持ち上げることによりセンサ清掃ガイド146を上昇させる。このようにカムプレート60は、硬貨入出金装置105の前後方向の移動に伴いカム溝60a内部で係合突起46cbを移動させることにより、センサ清掃ガイド146を上昇又は下降させる。
【0069】
また、カムプレート60における後端部は、当接部60cとなっている。当接部60cは、ガイドシャフト保持部46cにおける後端部よりも後側に位置している。
【0070】
カムプレート60は、
図9に示す収納状態においては、当接部60cが装置筐体24の筐体前側立設部24Fの前面に当接する。このとき係合突起46cbは、カム溝60aの後端部に位置している。この収納状態においてカムプレート60は、センサ清掃ガイド146を上昇させ、
図13に示すセンサ清掃ガイド上昇状態とする。一方、カムプレート60は、
図12に示す引出状態においては、当接部60cが装置筐体24の筐体前側立設部24Fの前面よりも前側に離隔する。このとき係合突起46cbは、カム溝60aの前端部に位置している。この引出状態においてカムプレート60は、センサ清掃ガイド146を上昇させ、
図15に示すセンサ清掃ガイド上昇状態とする。
【0071】
[2-4.清掃機構の動作]
かかる構成において、硬貨入出金装置105のメンテナンス等が行われる際に、収納状態(
図9)の硬貨入出金装置105がレジ係員等によって装置筐体24から引出方向dwへ引き出されると、硬貨入出金装置105が、
図10に示すように、収納状態と引出状態との間に位置する引出途中状態となる。このとき、カムプレート60が後方向へ付勢されているため、カムプレート60の当接部60cが装置筐体24の筐体前側立設部24Fに当接したまま、カム溝60aの後端部に位置していた係合突起46cbがカム溝60aに沿って前方下側へ移動し、
図10に示すようにカム溝60aにおける前後方向の中央部まで移動する。これによりカムプレート60は、センサ清掃ガイド146を下降させセンサ清掃ガイド下降状態(
図14)とする。
【0072】
このように硬貨入出金装置105は、センサ清掃ガイド146を下降させることにより、清掃モヘア47を発光面36aに接触させつつ発光面36aの上方から発光面36aと対向する上下位置まで移動させることができる。これにより硬貨入出金装置105は、発光面36aに付着した粉塵等を除去できる。
【0073】
硬貨入出金装置105がレジ係員等によって装置筐体24からさらに引出方向dwへ引き出されると、カムプレート60が後方向へ付勢されているため、カムプレート60の当接部60cが装置筐体24の筐体前側立設部24Fに当接したまま、係合突起46cbがカム溝60aに沿って前方上側へ移動し、
図11に示すようにカム溝60aにおける前端部まで移動する。これによりカムプレート60は、センサ清掃ガイド146を上昇させセンサ清掃ガイド上昇状態(
図15)とする。
【0074】
このように硬貨入出金装置105は、センサ清掃ガイド146を上昇させることにより、清掃モヘア47を発光面36aに接触させつつ発光面36aと対向する上下位置から発光面36aの上方まで移動させることができる。これにより硬貨入出金装置105は、発光面36aに付着した粉塵等を除去できる。
【0075】
硬貨入出金装置105がレジ係員等によって装置筐体24からさらに引出方向dwへ引き出されると、係合突起46cbがカム溝60aの前端部に当接することで、図示しないスプリングの付勢力よりも前方へ向かって強い力が加わり、係合突起46cbがカム溝60aの前端部に位置した状態で該係合突起46cbがカムプレート60を引出方向dwへ引っ張ることにより、
図12に示すように、カムプレート60の当接部60cが装置筐体24から引出方向dwへ離隔する。これによりカムプレート60は、硬貨入出金装置105と共に引出方向dwへ移動する。
【0076】
この引出状態においてレジ係員等は、硬貨入出金装置105を前後方向へ繰り返し移動させるように操作することにより、センサ清掃ガイド146を上下動させ、発光面36aを手動で清掃することができる。またこの引出状態においては、残留検知センサ36の検知光は、ガイド突起部146bにおける清掃モヘア47よりも下側の下端部よりも下側を通過する。このため硬貨入出金装置105は、引出状態において、例えばテスト動作を行う際に、硬貨投入部126内部の硬貨残留を確認することができる。
【0077】
このように硬貨入出金装置105は、収納状態から引出状態へ遷移する際、前方へ移動する。このためカムプレート60は、係合突起46cbがカム溝60aの前端部に到達するまでは、硬貨入出金装置105と共に前方へ移動する投入口ガイド26Gに対し、相対的に後方へ移動することとなる。また硬貨入出金装置105は、収納状態から引出状態へ遷移する際、センサ清掃ガイド146を、センサ清掃ガイド上昇状態(
図9及び
図13)から一旦下降させセンサ清掃ガイド下降状態(
図10及び
図14)としてから、再び上昇させセンサ清掃ガイド上昇状態(
図11、
図12及び
図15)とする。このため硬貨入出金装置105は、収納状態から引出状態へ遷移する際、清掃モヘア47を発光面36aに接触させつつ発光面36aよりも上方から発光面36aと対向する上下位置まで移動させてから、清掃モヘア47を発光面36aに接触させつつ発光面36aよりも上方へ戻るように移動させることができる。これにより硬貨入出金装置105は、発光面36aに付着した粉塵等を除去できる。
【0078】
その後、硬貨入出金装置105のメンテナンス等が終了し、引出状態(
図12)の硬貨入出金装置105がレジ係員等によって収納方向dpへ押し込まれ装置筐体24に収納される。このとき硬貨入出金装置105は、引出状態から収納状態へ遷移する際、カムプレート60及び係合突起46cbが上述した引き出し時の動作とは逆の動作を行うことにより、センサ清掃ガイド146を、センサ清掃ガイド上昇状態(
図11、
図12及び
図15)から一旦下降させセンサ清掃ガイド下降状態(
図10及び
図14)としてから再び上昇させセンサ清掃ガイド上昇状態(
図9及び
図13)とする。
【0079】
このように硬貨入出金装置105は、引出状態から収納状態へ遷移する際、後方へ移動する。このためカムプレート60は、カムプレート60の当接部60cが装置筐体24の筐体前側立設部24Fに当接すると、硬貨入出金装置105と共に後方へ移動する投入口ガイド26Gに対し、相対的に前方へ移動することとなる。また硬貨入出金装置105は、引出状態から収納状態へ遷移する際も、収納状態から引出状態へ遷移する際と同様に、清掃モヘア47を発光面36aに接触させつつ発光面36aよりも上方から発光面36aと対向する上下位置まで移動させてから、清掃モヘア47を発光面36aに接触させつつ発光面36aよりも上方へ戻るように移動させることができる。これにより硬貨入出金装置105は、発光面36aに付着した粉塵等を除去できる。
【0080】
この収納状態においては、残留検知センサ36の検知光は、引出状態と同様に、ガイド突起部146bにおける清掃モヘア47よりも下側の下端部よりも下側を通過する。このため硬貨入出金装置105は、収納状態、すなわち硬貨入出金装置105の運用状態においても、硬貨投入部26内部の硬貨残留を確認することができる。
【0081】
[2-5.効果等]
以上の構成において硬貨入出金装置105は、硬貨入出金装置105が引出状態と収納状態との間を遷移する際の装置筐体24に対する引出方向dw又は収納方向dpへの移動に連動して、係合突起46cbをカムプレート60におけるカム溝60a内において引出方向dw及び収納方向dpに対し上昇方向du及び下降方向ddへ傾斜する方向へ移動させ、センサ清掃ガイド146を残留検知センサ36に対し上昇又は下降させるようにした。
【0082】
このため硬貨入出金装置105は、センサ清掃ガイド146に固定された清掃モヘア47を残留検知センサ36の発光面36aに当接させた状態で清掃モヘア47を上下移動させることにより、発光面36aを清掃でき、発光面36aに粉塵等が付着した状態を解消し、硬貨投入部26における残留硬貨の検知性能を保つことができる。
【0083】
また第1の実施の形態による硬貨入出金装置5は、収納状態(
図4及び
図6)から引出状態(
図5及び
図7)へ遷移する際、収納時回動状態から引出時回動状態へ清掃レバー52を一方向である引出時回動方向rwのみへ回動させ、センサ清掃ガイド46をセンサ清掃ガイド下降状態からセンサ清掃ガイド上昇状態へ一方向である上昇方向duのみへ移動させていた。このため硬貨入出金装置5は、収納状態(
図4及び
図6)においてはセンサ清掃ガイド下降状態であり、引出状態(
図5及び
図7)においてはセンサ清掃ガイド上昇状態であった。よって硬貨入出金装置5は、収納状態(
図4及び
図6)と引出状態(
図5及び
図7)とでセンサ清掃ガイド46の上下方向の位置が異なっていた。このため硬貨入出金装置5は、センサ清掃ガイド下降状態においてセンサ清掃ガイド46が残留検知センサ36の検知光を遮らないようにするために、センサ清掃ガイド46におけるモヘア貼付け部49よりも上側に検知光通過孔48を形成する必要があった。
【0084】
これに対し硬貨入出金装置105は、カムプレート60において英大文字の「V」のような形状のカム溝60aを形成し該カム溝60aの内部でセンサ清掃ガイド146の係合突起46cbを摺動させるようにした。このため硬貨入出金装置105は、収納状態(
図9及び
図13)から引出状態(
図12及び
図15)へ遷移する際、係合突起46cbを一旦下降させてから上昇させることにより、センサ清掃ガイド146を上下方向に往復移動させるようにした。このため硬貨入出金装置105は、収納状態(
図9及び
図13)と引出状態(
図12及び
図15)との両方においてセンサ清掃ガイド上昇状態にできる。よって硬貨入出金装置105は、収納状態(
図9及び
図13)と引出状態(
図12及び
図15)とでセンサ清掃ガイド146の上下方向の位置を同じにできる。このため硬貨入出金装置105は、検知光をモヘア貼付け部49の上側を透過させる必要性がなくなるため、センサ清掃ガイド146の検知光通過孔48を形成する必要をなくすことができる。これにより硬貨入出金装置105は、センサ清掃ガイド46と比較して、センサ清掃ガイド146の形状を簡素化させると共に、センサ清掃ガイド146の強度を増すことができる。
【0085】
さらに硬貨入出金装置105は、収納状態(
図9)及び引出状態(
図12)の何れの状態においても、センサ清掃ガイド下降状態(
図14)では停止しない。このため硬貨入出金装置105は、センサ清掃ガイド下降状態(
図14)において、清掃モヘア47が発光面36aと対向する上下方向の位置までセンサ清掃ガイド146を下降させる(
図14)だけで良くすることができる。これにより硬貨入出金装置105は、硬貨入出金装置5のように、検知光通過孔48が発光面36aと対向するように、すなわち清掃モヘア47よりも上側まで発光面36aが到達する位置までセンサ清掃ガイド46を下降させる(
図6)必要をなくことができる。このため硬貨入出金装置105は、センサ清掃ガイド46と比較して、センサ清掃ガイド上昇状態とセンサ清掃ガイド下降状態とを遷移する際の、センサ清掃ガイド146の上下方向の移動量を少なくできる。これにより硬貨入出金装置105は、硬貨入出金装置5と比較して、高さ方向における装置サイズを縮小させることができる。
【0086】
さらに硬貨入出金装置105は、収納状態(
図9及び
図13)から引出状態(
図12及び
図15)へ遷移する際、センサ清掃ガイド上昇状態、センサ清掃ガイド下降状態及びセンサ清掃ガイド上昇状態と遷移することにより、清掃モヘア47を発光面36aに対し上下方向に往復移動させるようにした。このため硬貨入出金装置105は、収納状態(
図4及び
図6)から引出状態(
図5及び
図7)へ遷移する際にセンサ清掃ガイド下降状態及びセンサ清掃ガイド上昇状態と遷移することにより清掃モヘア47を発光面36aに対し上方向の一方向へのみ移動させる硬貨入出金装置5と比較して、収納状態と引出状態とを遷移する間に効率的に発光面36aを清掃できる。
【0087】
その他の点においても、第2の実施の形態による硬貨入出金装置105は、第1の実施の形態による硬貨入出金装置5と同様の作用効果を奏し得る。
【0088】
[3.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においては、硬貨入出金装置5の前後方向の移動に連動させて清掃レバー52を回動させることによりセンサ清掃ガイド46を上下移動させ、第2の実施の形態においては、硬貨入出金装置105の前後方向の移動に連動させてカムプレート60のカム溝60a内で係合突起46cbを前後方向に対し上下方向に傾斜した方向へ移動させることによりセンサ清掃ガイド146を上下移動させる場合について述べた。本発明はこれに限らず、他の種々の機構で硬貨入出金装置5又は105の前後方向の移動力をセンサ清掃ガイド46又は146に伝達させることにより該センサ清掃ガイド46又は146を上下移動させても良い。また、例えば前後方向や左右方向へ移動させたり、回動させたりする等、種々の移動方法で清掃モヘア47を移動させ、残留検知センサ36における発光面36aを清掃しても良い。
【0089】
また上述した第2の実施の形態においては、カムプレート60のカム溝60aを左側面視で英大文字の「V」のような形状とする場合について述べた。本発明はこれに限らず、カム溝60aを、例えば英大文字の「U」のような形状等、他の種々の形状としても良い。要は、カム溝60aは、引出方向dw及び収納方向dp(前後方向)に対し前後方向の中央部分である内側が下側へ屈曲するような形状であれば良い。さらに、カム溝60aを「V」のような形状を上下反転させた山型形状としても良い。また、カムプレート60のカム溝60aを左側面視で英大文字の「V」のような形状のうち後半分のみの形状としても良い。その場合、センサ清掃ガイド下降状態においてモヘア貼付け部49が発光面36aよりも下側まで移動するようにカム溝60aを形成すると共に、第1の実施の形態のように、センサ清掃ガイド146のガイド突起部146bにおけるモヘア貼付け部49よりも上側に、センサ清掃ガイド下降状態において残留検知センサ36の検知光を通過させる検知光通過孔48を穿設すれば良い。要は、カム溝60aは、全体としては引出方向dw及び収納方向dpに沿いつつ、引出方向dw及び収納方向dpに対し、上昇方向du及び下降方向ddへ傾斜するように交差する方向に沿って形成された箇所を少なくとも含めば良い。
【0090】
また上述した第2の実施の形態においては、カムプレート60のカム溝60aの前端部と後端部との上下方向の高さを同一とする場合について述べた。本発明はこれに限らず、収納状態と引出状態との何れにおいてもガイド突起部146bにおける下端部を発光面36aよりも上側に配置できれば、カムプレート60のカム溝60aの前端部と後端部との上下方向の高さは同一でなくても良い。
【0091】
さらに上述した第1の実施の形態においては、センサ清掃ガイド46及びガイド上下移動機構50の構成を上下反転させたような構成としても良い。第2の実施の形態においても同様である。
【0092】
さらに上述した第1の実施の形態においては、清掃モヘア47により残留検知センサ36における発光部の発光面36aを清掃する場合について述べた。本発明はこれに限らず、清掃モヘア47により残留検知センサ36における発光部の発光面36a又は受光部の受光面との少なくとも何れか一方を清掃すれば良く、また発光面36aと受光面との両方を清掃するようにしても良い。また、清掃モヘア47の代わりにスポンジを用いても良い。要は、清掃部材として発光面36aと接触することにより、発光面36aに付着した粉塵等を除去し得る部材であれば良い。第2の実施の形態においても同様である。
【0093】
さらに上述した第1の実施の形態においては、引出状態において、レジ係員等が清掃レバー52を回動させるように操作することによりセンサ清掃ガイド46を上下動させ、発光面36aを手動で清掃することが可能である場合について述べた。本発明はこれに限らず、引出状態において、レジ係員等がセンサ清掃ガイド46を持って上下に移動させることにより、発光面36aを手動で清掃することも可能である。第2の実施の形態においても同様である。
【0094】
さらに上述した第1の実施の形態においては、ガイド突起部46bにおいてガイド本体部46aの外周側の面から内周側の面までを貫通する検知光通過孔48を形成し、該検知光通過孔48の内部で残留検知センサ36の検知光を通過させる場合について述べた。本発明はこれに限らず、ガイド突起部46bにおいてガイド本体部46aの円周方向の一方向側の面から他方向側の面に向かって凹み、ガイド本体部46aの外周側の面から内周側の面までを貫通する凹み部を形成し、該凹み部の凹部分で残留検知センサ36の検知光を通過させても良い。または、光を透過する透明部材でガイド突起部46bを形成し、検知光を透過させても良い。
【0095】
さらに上述した実施の形態においては、紙幣入出金装置4と共に釣銭機3を構成する硬貨入出金装置5又は105に本発明を適用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、例えば紙幣入出金装置4を有さず硬貨のみを取り扱う釣銭機3に組み込まれる硬貨入出金装置5又は105に本発明を適用しても良い。
【0096】
さらに本発明は、上述した実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
【0097】
さらに上述した実施の形態においては、投入口としての硬貨投入部26又は126と、光学センサとしての残留検知センサ36と、清掃機構としての清掃機構44とによって、硬貨処理装置としての硬貨入出金装置5又は105を構成し、さらに、該硬貨処理装置と、筐体としての装置筐体24とによって、貨幣取扱装置としての釣銭機3又は103を構成する場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる投入口と、光学センサと、清掃機構とによって、硬貨処理装置を構成し、さらに該硬貨処理装置と、他の種々の構成でなる筐体とによって、貨幣取扱装置を構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明は、例えば使用者との間で硬貨に関する取引処理を行う硬貨入出金装置等で利用できる。
【符号の説明】
【0099】
1、101……レジ釣銭機、2……POSレジ、3、103……釣銭機、4……紙幣入出金装置、5、105……硬貨入出金装置、6……表示操作部、11……レジ制御部、12……表示操作部、13……レシート処理部、21……紙幣入出金部、22……紙幣収納庫、24……装置筐体、24U……筐体天板、24D……筐体底板、24R……筐体右側板、24L……筐体左側板、24B……筐体後側板、24S……筐体内部空間、24F……筐体前側立設部、25……硬貨制御部、26、126……硬貨投入部、26S……投入空間、26G……投入口ガイド、26C……円盤、27……硬貨リジェクトトレイ、28……硬貨出金トレイ、30……搬送部、30B……搬送ベルト、31……硬貨鑑別部、32……リジェクト切替部、33……選別切替部、34……硬貨収納庫、35……搬送部、36……残留検知センサ、36a……発光面、38……モータ、39……駆動ギア、40……ゲート、41……繰り出しローラ、44、144……清掃機構、46、146……センサ清掃ガイド、46a……ガイド本体部、46b、146b……ガイド突起部、47……清掃モヘア、48……検知光通過孔、49……モヘア貼付け部、46c……ガイドシャフト保持部、46c1……保持部水平部、46c2……保持部鉛直部、46ca……シャフト摺動孔、46cb……係合突起、50、150……ガイド上下移動機構、51……シャフト、52……清掃レバー、52a……回転支点、52b……係合部、52c……当接部、53……スプリング、60……カムプレート、60a……カム溝、60b……摺動溝、60c……当接部、dw……引出方向、dp……収納方向、rw……引出時回動方向、rp……収納時回動方向、du……上昇方向、dd……下降方向。