IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブラザー工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-画像形成装置 図1
  • 特許-画像形成装置 図2
  • 特許-画像形成装置 図3
  • 特許-画像形成装置 図4
  • 特許-画像形成装置 図5
  • 特許-画像形成装置 図6
  • 特許-画像形成装置 図7
  • 特許-画像形成装置 図8
  • 特許-画像形成装置 図9
  • 特許-画像形成装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20241203BHJP
【FI】
G03G15/20 515
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021025179
(22)【出願日】2021-02-19
(65)【公開番号】P2022127186
(43)【公開日】2022-08-31
【審査請求日】2024-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】田中 訓史
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-126168(JP,A)
【文献】特開2013-068724(JP,A)
【文献】特開2019-135523(JP,A)
【文献】特開2001-100575(JP,A)
【文献】特開2004-286929(JP,A)
【文献】特開2019-120787(JP,A)
【文献】特開2020-166222(JP,A)
【文献】特開2018-205639(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/20
G03G 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転部材と、
前記回転部材の外周面に接触し、前記回転部材の回転に伴って従動回転する無端ベルトであって、基材がフッ素を含まず、ガラス転移温度が140℃以上の耐熱樹脂からなる無端ベルトと、
前記回転部材と前記無端ベルトとの少なくとも一方を加熱するヒータと、
前記回転部材との間で前記無端ベルトを挟んでニップ部を形成する加圧パッドと、
前記無端ベルトの内周面と前記加圧パッドとの間で挟まれる摺動シートであって、基材がフッ素を含まず、ガラス転移温度が140℃以上の耐熱樹脂からなる摺動シートと、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記回転部材と前記無端ベルトの間で、現像剤像が形成されたシートを挟んで現像剤像を定着する定着動作を実行するとき、
前記無端ベルトの周速をV[mm/sec]、前記ニップ部におけるニップ圧のうち最大ニップ圧をP[MPa]として、
V/P≧200
を満たすように前記ニップ圧と前記無端ベルトの周速を制御し、
前記制御部は、
印字指令を受信した場合に、前記定着動作を実行するときよりも小さいニップ圧で前記回転部材の回転を開始し、
前記無端ベルトの周速が所定の速度になった後に、前記ニップ圧を、前記定着動作を実行するときのニップ圧に変更することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記所定の速度は、定着を実行する場合の速度であることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項3】
回転部材と、
前記回転部材の外周面に接触し、前記回転部材の回転に伴って従動回転する無端ベルトであって、基材がフッ素を含まず、ガラス転移温度が140℃以上の耐熱樹脂からなる無端ベルトと、
前記回転部材と前記無端ベルトとの少なくとも一方を加熱するヒータと、
前記回転部材との間で前記無端ベルトを挟んでニップ部を形成する加圧パッドと、
前記無端ベルトの内周面と前記加圧パッドとの間で挟まれる摺動シートであって、基材がフッ素を含まず、ガラス転移温度が140℃以上の耐熱樹脂からなる摺動シートと、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記回転部材と前記無端ベルトの間で、現像剤像が形成されたシートを挟んで現像剤像を定着する定着動作を実行するとき、
前記無端ベルトの周速をV[mm/sec]、前記ニップ部におけるニップ圧のうち最大ニップ圧をP[MPa]として、
V/P≧200
を満たすように前記ニップ圧と前記無端ベルトの周速を制御し、
前記制御部は、前記定着動作を終了して前記無端ベルトを停止させる場合、
前記無端ベルトの周速を、前記定着動作を実行するときの速度に維持したまま、前記ニップ圧を、前記定着動作を実行するときよりも低い圧力まで下げ、その後、前記回転部材を停止させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
回転部材と、
前記回転部材の外周面に接触し、前記回転部材の回転に伴って従動回転する無端ベルトであって、基材がフッ素を含まず、ガラス転移温度が140℃以上の耐熱樹脂からなる無端ベルトと、
前記回転部材と前記無端ベルトとの少なくとも一方を加熱するヒータと、
前記回転部材との間で前記無端ベルトを挟んでニップ部を形成する加圧パッドと、
前記無端ベルトの内周面と前記加圧パッドとの間で挟まれる摺動シートであって、基材がフッ素を含まず、ガラス転移温度が140℃以上の耐熱樹脂からなる摺動シートと、
制御部と、を備える画像形成装置であって
前記制御部は、前記回転部材と前記無端ベルトの間で、現像剤像が形成されたシートを挟んで現像剤像を定着する定着動作を実行するとき、
前記無端ベルトの周速をV[mm/sec]、前記ニップ部におけるニップ圧のうち最大ニップ圧をP[MPa]として、
V/P≧200
を満たすように前記ニップ圧と前記無端ベルトの周速を制御し、
前記画像形成装置は、
前記定着動作を実行する場合における前記ニップ部の最大ニップ圧を第1ニップ圧P1[MPa]と、第1ニップ圧よりも大きい第2ニップ圧P2[MPa]とに変更可能であり、
前記無端ベルトの周速を第1速度V1[mm/s]と、前記第1速度V1より速い速度である第2速度V2[mm/s]で回転させて画像形成を実行可能であり、
V1,V2,P1,P2は、
V2/P2≧200
V2/P1≧200
V1/P1≧200
V1/P2<200
を満たし、
前記制御部は、
前記無端ベルトの周速を第2速度V2で回転させ、前記第2ニップ圧P2で定着する第1定着処理と、
前記無端ベルトの周速を第2速度V2で回転させ、前記第1ニップ圧P1で定着する第2定着処理と、
前記無端ベルトの周速を第1速度V1で回転させ、前記第1ニップ圧P1で定着する第3定着処理と、を実行可能であり、
前記無端ベルトの周速を第1速度V1で回転させ、前記第2ニップ圧P2で定着する処理は実行しないことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
回転部材と、
前記回転部材の外周面に接触し、前記回転部材の回転に伴って従動回転する無端ベルトであって、基材がフッ素を含まず、ガラス転移温度が140℃以上の耐熱樹脂からなる無端ベルトと、
前記回転部材と前記無端ベルトとの少なくとも一方を加熱するヒータと、
前記回転部材との間で前記無端ベルトを挟んでニップ部を形成する加圧パッドと、
前記無端ベルトの内周面と前記加圧パッドとの間で挟まれる摺動シートであって、基材がフッ素を含まず、ガラス転移温度が140℃以上の耐熱樹脂からなる摺動シートと、
制御部と、を備える画像形成装置であって
前記画像形成装置は、
定着時における前記ニップ部の最大ニップ圧を第1ニップ圧P1と、第1ニップ圧P1よりも大きい第2ニップ圧P2とに変更可能であり、
前記制御部は、前記回転部材と前記無端ベルトの間で、現像剤像が形成されたシートを挟んで現像剤像を定着する定着動作を実行するとき、
前記無端ベルトの周速をV[mm/sec]、前記ニップ部におけるニップ圧のうち最大ニップ圧をP[MPa]として、
V/P≧200
を満たすように前記ニップ圧と前記無端ベルトの周速を制御し、
前記加圧パッドは、
前記回転部材との間で前記無端ベルトを挟む第1加圧パッドと、
前記第1加圧パッドに対してシートの搬送方向の下流側に配置され、前記回転部材との間で前記無端ベルトを挟む第2加圧パッドと、を備え、
最大ニップ圧が前記第1ニップ圧P1の場合には、前記第1加圧パッドと前記回転部材との間で前記無端ベルトを挟み、前記第2加圧パッドと前記回転部材との間では前記無端ベルトを挟まず、
最大ニップ圧が前記第2ニップ圧P2の場合には、前記第1加圧パッドおよび前記第2加圧パッドと前記回転部材との間で前記無端ベルトを挟むこと特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記回転部材の回転を開始するとき、前記ニップ部の最大ニップ圧を前記第1ニップ圧P1にすることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2加圧パッドは、前記第1加圧パッドよりデュロメータ硬さが高く、
最大ニップ圧が前記第2ニップ圧P2の場合に、前記ニップ部における最大ニップ圧となる領域は、前記第2加圧パッドと前記回転部材でニップする範囲に位置することを特徴とする請求項または請求項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記無端ベルトの基材と、前記摺動シートの基材と、の少なくとも一方はポリイミドであることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記無端ベルトの基材と、前記摺動シートの基材と、はともにポリイミドであることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記無端ベルトと摺動シートとの間にはグリースが配置されていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記摺動シートの前記無端ベルトの内周面に対向する対向面は、前記無端ベルトに接触する接触部と、前記接触部から凹み前記無端ベルトに接触しない複数の凹部とを有することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートに現像剤像を定着させる定着装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置に使用され、シートに現像剤像を定着させる定着装置が知られている(特許文献1参照)。定着装置は、回転部材と加圧パッドとの間で無端ベルトを挟んでニップ部を形成する。無端ベルトと加圧パッドの間には、摩擦を軽減するための摺動シートが配置されている。無端ベルトと摺動シートは耐熱樹脂が使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-198655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、無端ベルトと摺動シートにともに耐熱樹脂を用いた場合、樹脂同士が凝着しやすいため、無端ベルトと摺動シートとの間で、スティック(固着)状態と、スリップ(すべり)状態を交互に繰返すスティックスリップが発生する場合がある。スティックスリップが発生すると、異音が発生したり、無端ベルトや摺動シートの摩耗が増える場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、無端ベルトと摺動シートとの間で発生するスティックスリップを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための本発明に係る画像形成装置は、回転部材と、無端ベルトと、ヒータと、加圧パッドと、摺動シートと、制御部と、を備える。無端ベルトは、回転部材の外周面に接触し、回転部材の回転に伴って従動回転する。無端ベルトは、基材がフッ素を含まず、ガラス転移温度が140℃以上の耐熱樹脂からなる。ヒータは、回転部材と無端ベルトとの少なくとも一方を加熱する。加圧パッドは、回転部材との間で無端ベルトを挟んでニップ部を形成する。摺動シートは、無端ベルトの内周面と加圧パッドとの間で挟まれる。摺動シートは、基材がフッ素を含まず、ガラス転移温度が140℃以上の耐熱樹脂からなる。
制御部は、回転部材と無端ベルトの間で、現像剤像が形成されたシートを挟んで現像剤像を定着する定着動作を実行するとき、無端ベルトの周速をV[mm/sec]、ニップ部におけるニップ圧のうち最大ニップ圧をP[MPa]として、V/P≧200を満たすようにニップ圧と無端ベルトの周速を制御する。
【0007】
この構成によれば、制御部がV/P≧200を満たすように制御することで、無端ベルトと摺動シートとの間で発生するスティックスリップを抑制することができる。
【0008】
また、前記した画像形成装置において、制御部は、印字指令を受信した場合に、定着動作を実行するときよりも小さいニップ圧で回転部材の回転を開始し、無端ベルトの周速が所定の速度になった後に、ニップ圧を、定着動作を実行するときのニップ圧に変更する構成としてもよい。
【0009】
これによれば、制御部が定着装置の始動時の回転速度が低い状態ではニップ圧を低くするため、スティックスリップの発生を抑制できる。
【0010】
また、前記した画像形成装置において、所定の速度は、定着を実行する場合の速度である構成としてもよい。
【0011】
また、前記した画像形成装置において、制御部は、定着動作を終了して無端ベルトを停止させる場合、無端ベルトの周速を、定着動作を実行するときの速度に維持したまま、ニップ圧を、定着動作を実行するときよりも低い圧力まで下げ、その後、回転部材を停止させる構成としてもよい。
【0012】
これによれば、ニップ圧を、定着動作を実行するときよりも低い圧力まで下げ、その後、回転部材を停止させることで、スティックスリップの発生を抑制できる。
【0013】
また、前記した画像形成装置において、画像形成装置は、定着動作を実行する場合におけるニップ部の最大ニップ圧を第1ニップ圧P1[MPa]と、第1ニップ圧よりも大きい第2ニップ圧P2[MPa]とに変更可能であり、無端ベルトの周速を第1速度V1[mm/s]と、第1速度V1より速い速度である第2速度V2[mm/s]で回転させて画像形成を実行可能であり、V1,V2,P1,P2は、V2/P2≧200、V2/P1≧200、V1/P1≧200、V1/P2<200を満たし、制御部は、無端ベルトの周速を第2速度V2で回転させ、第2ニップ圧P2で定着する第1定着処理と、無端ベルトの周速を第2速度V2で回転させ、第1ニップ圧P1で定着する第2定着処理と、無端ベルトの周速を第1速度V1で回転させ、第1ニップ圧P1で定着する第3定着処理と、を実行可能であり、無端ベルトの周速を第1速度V1で回転させ、第2ニップ圧P2で定着する処理は実行しない構成としてもよい。
【0014】
これによれば、無端ベルトの周速を第1速度V1で回転させ、第1ニップ圧よりも大きい第2ニップ圧P2で定着する処理は実行しないので、スティックスリップの発生を抑制できる。
【0015】
また、前記した画像形成装置において、画像形成装置は、定着時におけるニップ部の最大ニップ圧を第1ニップ圧P1と、第1ニップ圧P1よりも大きい第2ニップ圧P2とに変更可能であり、加圧パッドは、回転部材との間で無端ベルトを挟む第1加圧パッドと、第1加圧パッドに対してシートの搬送方向の下流側に配置され、回転部材との間で無端ベルトを挟む第2加圧パッドと、を備え、最大ニップ圧が第1ニップ圧P1の場合には、第1加圧パッドと回転部材との間で無端ベルトを挟み、第2加圧パッドと回転部材との間では無端ベルトを挟まず、最大ニップ圧が第2ニップ圧P2の場合には、第1加圧パッドおよび第2加圧パッドと回転部材との間で無端ベルトを挟む構成としてもよい。
【0016】
また、前記した画像形成装置において、回転部材の回転を開始するとき、ニップ部の最大ニップ圧を第1ニップ圧P1にする構成としてもよい。
【0017】
これによれば、定着動作の始動時はニップ圧が低いため、スティックスリップの発生を抑制できる。
【0018】
また、前記した画像形成装置において、第2加圧パッドは、第1加圧パッドよりデュロメータ硬さが高く、最大ニップ圧が第2ニップ圧P2の場合に、前記ニップ部における最大ニップ圧となる領域は、第2加圧パッドと回転部材でニップする範囲に位置する構成としてもよい。
【0019】
また、前記した画像形成装置において、無端ベルトの基材と、摺動シートの基材と、の少なくとも一方はポリイミドである構成としてもよい。
【0020】
また、前記した画像形成装置において、無端ベルトの基材と、摺動シートの基材と、はともにポリイミドである構成としてもよい。
【0021】
また、前記した画像形成装置において、無端ベルトと摺動シートとの間にはグリースが配置されている構成としてもよい。
【0022】
これによれば、無端ベルトと摺動シートとの間にはグリースが配置されていることで、スティックスリップの発生を抑制できる。
【0023】
また、前記した画像形成装置において、摺動シートの無端ベルトの内周面に対向する対向面は、無端ベルトに接触する接触部と、接触部から凹み無端ベルトに接触しない複数の凹部とを有する構成としてもよい。
【0024】
これによれば、摺動シートの対向面は、無端ベルトに接触しない複数の凹部を有するので、スティックスリップの発生を抑制できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、無端ベルトと摺動シートとの間で発生するスティックスリップを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態に係るカラープリンタを示す断面図である。
図2】定着装置を示す断面図である。
図3】定着装置における無端ベルトの内側に配置される各部材を示す分解斜視図である。
図4図2における無端ベルトと摺動シートの一部を拡大して示す図(a)と、摺動シートの対向面を拡大して示す斜視図(b)である。
図5】定着装置における圧力変更機構を示す斜視図である。
図6】ニップ圧が第2ニップ圧であるときの、圧力変更機構を示す断面図(a)と、ニップ部周りの構造を示す断面図(b)である。
図7】ニップ圧が第1ニップ圧であるときの、圧力変更機構を示す断面図(a)と、ニップ部周りの構造を示す断面図(b)である。
図8】制御部と、制御部の制御対象との関係を示す図である。
図9】定着前後における制御部の動作の一例を示すタイムチャートである。
図10】ニップ部の最大ニップ圧と無端ベルトの周速を変更した場合におけるV/Pの値と異音の判定結果を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1は、本体筐体2内に、シートSを供給する供給部20と、シートSにトナー像を形成する画像形成部30と、シートSにトナー像を定着させる定着装置80と、画像が形成されたシートSを排出する排出部90と、制御部100とを備えている。
【0028】
本体筐体2の上部には、開口部2Aが形成されており、この開口部2Aは、本体筐体2に回動可能に支持されるアッパーカバー3で開閉される。アッパーカバー3の上面は、本体筐体2から排出されたシートSを蓄積する排出トレイ4となっており、下面にはLEDユニット40を保持する複数のLED取付部材5が設けられている。
【0029】
供給部20は、本体筐体2内の下部に設けられ、本体筐体2に着脱可能な供給トレイ21と、供給トレイ21からシートSを画像形成部30へ搬送する供給機構22とを備えている。供給機構22は、ピックアップローラ23、分離ローラ24、分離パッド25およびレジストレーションローラ26を備えている。
【0030】
供給部20では、供給トレイ21内のシートSがピックアップローラ23によって送り出される。次いで、シートSは、分離ローラ24および分離パッド25によって、一枚ずつに分離される。その後、レジストレーションローラ26は、シートSの先端の位置を揃えた後、画像形成部30に向けてシートSを搬送する。詳しくは、レジストレーションローラ26は、搬送されてきたシートSに対して停止した状態で接触してシートSの先端の位置を揃え、回転を開始することでシートSを送り出す。
【0031】
画像形成部30は、4つのLEDユニット40と、4つのプロセスカートリッジ50と、転写ユニット70と、ベルトクリーナ10とを備えている。
【0032】
LEDユニット40は、LED取付部材5に対して揺動可能に連結されており、本体筐体2に設けられる位置決め部材によって適宜位置決めされて支持されている。
【0033】
プロセスカートリッジ50は、アッパーカバー3と供給部20との間で前後方向に並んで配置されている。プロセスカートリッジ50は、感光体の一例としての感光ドラム51、帯電器52、現像ローラ53、現像剤の一例としてのトナーを収容するトナー収容室54、クリーニングローラ55などを備えて構成されている。
【0034】
プロセスカートリッジ50は、ブラック用、イエロー用、マゼンタ用およびシアン用の各色のトナーが入った50K,50Y,50M,50Cの符号で示すものがシートSの搬送方向上流からこの順で並んで配置されている。なお、本明細書および図面において、トナーの色に対応した感光ドラム51、現像ローラ53、クリーニングローラ55などを特定する場合には、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンのそれぞれに対応させて、K、Y、M、Cの記号を付することとする。
【0035】
感光ドラム51は、トナーを担持可能な部材である。詳しくは、感光ドラム51の表面のうちLEDユニット40で露光された部分が、トナーを担持する。感光ドラム51は、複数のプロセスカートリッジ50のそれぞれに設けられている。感光ドラム51は、シートSの搬送方向に沿って一列に配列されている。
【0036】
現像ローラ53は、トナーを担持するローラである。現像ローラ53は、感光ドラム51に接触して感光ドラム51上の静電潜像にトナーを供給するように構成されている。
【0037】
クリーニングローラ55は、感光ドラム51上のトナーを回収可能な部材である。クリーニングローラ55は、各感光ドラム51に対応するように各感光ドラム51に隣接して1つずつ設けられている。
【0038】
転写ユニット70は、供給部20と各プロセスカートリッジ50との間に設けられ、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、ベルト73と、転写ローラ74とを備えている。
【0039】
駆動ローラ71および従動ローラ72は、前後方向に離間して平行に配置され、その間に無端状のベルト73が張設されている。ベルト73は、シートSを搬送するための部材である。ベルト73の外周面は、感光ドラム51に接触している。ベルト73の内側には、転写ローラ74が、各感光ドラム51に対向して4つ配置されている。
【0040】
転写ローラ74は、感光ドラム51との間でベルト73を挟んでいる。シートSは、ベルト73と感光ドラム51によって搬送される。
【0041】
ベルトクリーナ10は、ベルト73に摺接して、ベルト73上に付着したトナー等を回収する装置であり、ベルト73の下方に配置されている。具体的に、ベルトクリーナ10は、摺接ローラ11と、回収ローラ12と、ブレード13と、廃トナー収容器14とを備えている。
【0042】
摺接ローラ11は、ベルト73の外周面に接触するように配置されている。摺接ローラ11は、バックアップローラ15との間でベルト73を挟んでいる。摺接ローラ11は、ベルト73上の付着物を回収している。
【0043】
回収ローラ12は、摺接ローラ11に摺接するローラであり、摺接ローラ11上に付着した付着物を回収している。そして、回収ローラ12上の付着物は、回収ローラ12に摺接するように配置されたブレード13によって削り取られて、廃トナー収容器14内に入り込むようになっている。
【0044】
定着装置80は、回転部材81と、ベルトユニット82とを備えている。なお、定着装置80の構造については、後で詳述する。
【0045】
このように構成される画像形成部30では、まず、感光ドラム51の表面が、帯電器52により一様に帯電された後、LEDユニット40で露光される。これにより、感光ドラム51上に画像データに基づく静電潜像が形成される。その後、静電潜像に現像ローラ53よりトナーが供給されることで、感光ドラム51上にトナー像が担持される。
【0046】
ベルト73上に供給されたシートSが感光ドラム51とベルト73の内側に配置される転写ローラ74との間を通過することで、感光ドラム51上に形成されたトナー像がシートS上に転写される。そして、シートSが回転部材81とベルトユニット82との間を通過することで、シートS上に転写されたトナー像が熱定着される。
【0047】
排出部90は、排出側搬送経路91と、複数の搬送ローラ92とを備えている。トナー像が熱定着されたシートSは、搬送ローラ92によって排出側搬送経路91を搬送され、本体筐体2の外部に排出されて排出トレイ4に蓄積される。
【0048】
図2に示すように、定着装置80は、ヒータ110と、回転部材81と、ベルトユニット82と、後述する圧力変更機構300(図5参照)とを備えている。ベルトユニット82は、後述する圧力変更機構300によって回転部材81に向けて付勢されている。なお、以下の説明では、ベルトユニット82を回転部材81に付勢する方向を、「所定方向」と称する。本実施形態では、所定方向は、後述する幅方向および移動方向と直交する方向であり、回転部材81とベルトユニット82が向かい合う方向である。
【0049】
回転部材81は、回転可能なローラ120を有する。ベルトユニット82は、回転部材81との間でニップ部NPを形成する部材である。ベルトユニット82は、無端ベルト130と、加圧パッドNと、ホルダ140と、ステイ200と、ベルトガイドGと、摺動シート150とを備えている。なお、以下の説明では、無端ベルト130の幅方向を単に「幅方向」という。幅方向は、ローラ120の回転軸線が延びる方向、つまりローラ120の軸方向である。幅方向は、所定方向に直交している。
【0050】
ヒータ110は、ハロゲンランプであり、通電によって発光するとともに発熱し、輻射熱によってローラ120を加熱する。ヒータ110は、ローラ120の回転軸線に沿ってローラ120の内側を通るように配置されている。本実施形態では、ヒータ110は、回転部材81の内側に位置し、回転部材81を加熱する。
【0051】
ローラ120は、幅方向に長い筒状のローラであり、ヒータ110によって加熱される。ローラ120は、金属などからなる素管121と、素管121の外周面を覆う弾性層122とを有している。弾性層122は、シリコンゴムなどのゴムからなる。ローラ120は、後述するサイドフレーム83(図5参照)に回転可能に支持されており、本体筐体2内に設けられた定着モータM2(図8参照)から駆動力が入力されることで図2の反時計回りに回転駆動する。
【0052】
無端ベルト130は、長尺筒状の部材であり、可撓性を有している。無端ベルト130は、無端ベルト130の本体を構成するフィルム材である基材と、基材の表面に設けられたコート層と、を有する。
【0053】
無端ベルト130の基材は、フッ素を含まず、ガラス転移温度が140℃以上の耐熱樹脂からなる。本実施形態では、無端ベルト130の基材は、ポリイミド(ガラス転移温度220℃)からなる。なお、無端ベルト130の基材は、ポリイミドを主体として、導電性を持たせるためにカーボン等の微粒子を含んでもよい。無端ベルト130のコート層は、フッ素系樹脂(PFA,PTFE等)からなり、ローラ120に接する面に設けられている。
【0054】
無端ベルト130は、回転部材81、詳しくはローラ120との間でニップ部NPを形成している。無端ベルト130は、回転部材81の外周面に接触し、回転部材81の回転に伴って従動回転する。無端ベルト130の内側には、加圧パッドN、ホルダ140、ステイ200、ベルトガイドGおよび摺動シート150が配置されている。
【0055】
つまり、加圧パッドN、ホルダ140、ステイ200、ベルトガイドGおよび摺動シート150は、無端ベルト130に覆われている。
【0056】
図2および図3に示すように、加圧パッドNは、回転部材81との間で無端ベルト130を挟んでニップ部NPを形成する部材である。加圧パッドNは、第1加圧パッドN1と、第2加圧パッドN2とを備えている。
【0057】
第1加圧パッドN1は、第1パッドPD1と、第1固定板B1とを有している。
第1パッドPD1は、直方体状の部材である。第1パッドPD1は、シリコンゴムなどのゴムからなる。第1パッドPD1は、回転部材81との間で無端ベルト130を挟んで第1ニップ部NP1を形成する。
【0058】
なお、以下の説明では、第1ニップ部NP1および後で詳述するニップ部NPにおける無端ベルト130の移動方向を単に「移動方向」という。なお、本実施形態において、移動方向は、ローラ120の外周面に沿った方向であるが、この方向は、おおよそ所定方向と幅方向に直交する方向に沿った方向であるため、所定方向と幅方向に直交する方向として図示することとする。なお、移動方向は、ニップ部NPでのシートSの搬送方向と同じ方向である。
【0059】
第1パッドPD1は、第1固定板B1のローラ120側の面に固定されている。第1固定板B1は、第1パッドPD1よりも硬い部材、例えば金属などからなる。
【0060】
第2加圧パッドN2は、第1加圧パッドN1に対して搬送方向の下流側に間隔を空けて配置されている。第2加圧パッドN2は、第2パッドPD2と、第2固定板B2とを有している。
【0061】
第2パッドPD2は、直方体状の部材である。第2パッドPD2は、シリコンゴムなどのゴムからなる。第2パッドPD2は、回転部材81との間で無端ベルト130を挟んで第2ニップ部NP2を形成する。第2パッドPD2は、無端ベルト130の回転方向において、第1パッドPD1から離れている。
【0062】
このため、第1ニップ部NP1と第2ニップ部NP2との間には、ベルトユニット82からの圧力が直接作用しない中間ニップ部NP3が存在する。この中間ニップ部NP3では、無端ベルト130はローラ120に接触するものの、ローラ120との間で無端ベルト130を挟む部材が存在しないため、圧力はほとんど加わらない。従って、シートSは、ローラ120によって加熱されつつ、ほぼ加圧されることなく中間ニップ部NP3を通過する。本実施形態では、第1ニップ部NP1の上流端から第2ニップ部NP2の下流端までの領域、即ち、無端ベルト130の外周面とローラ120とが接触する全ての領域をニップ部NPと称する。つまり、本実施形態では、ニップ部NPは、第1パッドPD1および第2パッドPD2からの押圧力が加わらない部分を含む。
【0063】
第2パッドPD2は、第2固定板B2のローラ120側の面に固定されている。第2固定板B2は、第2パッドPD2よりも硬い部材、例えば金属などからなる。
【0064】
なお、第1パッドPD1のデュロメータ硬さは、ローラ120の弾性層122のデュロメータ硬さよりも高い。また、第2パッドPD2のデュロメータ硬さは、第1パッドPD1のデュロメータ硬さよりも高い。
【0065】
ここで、デュロメータ硬さは、ISO7619-1に規定されている。デュロメータ硬さは、規定した条件下で試験片に規定の押針を押し込んだときの押針の押込み深さから得られる値である。例えば、弾性層122のデュロメータ硬さが5の場合、第1パッドPD1のデュロメータ硬さは6~10、第2パッドPD2のデュロメータ硬さは70~90であることが好ましい。
【0066】
ホルダ140は、加圧パッドNを保持する部材である。ホルダ140は、耐熱性を有する樹脂などからなる。ホルダ140は、ホルダ本体141と、2つの係合部142,143とを有している。
【0067】
ホルダ本体141は、加圧パッドNを保持する部位である。ホルダ本体141の大部分は、幅方向において、無端ベルト130の範囲内に配置されている。ホルダ本体141は、ステイ200で支持されている。
【0068】
各係合部142,143は、ホルダ本体141の幅方向の各端部から延出している。各係合部142,143は、幅方向において、無端ベルト130の範囲外に配置されている。各係合部142,143は、後述する第1ステイ210の幅方向の各端部に係合する。
【0069】
ステイ200は、ホルダ140に対して加圧パッドNと反対側に位置してホルダ140を支持する部材である。ステイ200は、第1ステイ210と、連結部材CMによって第1ステイ210に連結される第2ステイ220とを備えている。
【0070】
第1ステイ210は、ホルダ140のホルダ本体141を支持する部材である。第1ステイ210は、金属などからなる。第1ステイ210は、ベース部211と、ヘミング加工により曲げられたヘミング曲げ部HBとを有している。
【0071】
ベース部211は、ホルダ140側の一端部に、ホルダ140のホルダ本体141に接触する接触面Ftを有している。接触面Ftは、所定方向と垂直な平面である。
【0072】
ベース部211は、幅方向の両端部に、後述する圧力変更機構300(図5参照)から力を受ける荷重入力部211Aをそれぞれ有している。荷重入力部211Aは、所定方向において加圧パッドNとは反対側に開口する凹部であり、所定方向においてベース部211の加圧パッドNとは反対側の端部に形成されている。
【0073】
荷重入力部211Aには、樹脂などからなる緩衝部材BFが取り付けられている。緩衝部材BFは、金属製のベース部211と、後述する金属製のアーム310(図5参照)とが擦れ合うのを抑制するための部材である。
【0074】
ベルトガイドGは、無端ベルト130の内周面131をガイドする部材である。ベルトガイドGは、耐熱性を有する樹脂などからなる。ベルトガイドGは、上流ガイドG1と、下流ガイドG2とを有している。
【0075】
図2に示すように、上流ガイドG1、下流ガイドG2および第1ステイ210は、ネジSCによって共締めされている。
【0076】
摺動シート150は、第1パッドPD1および第2パッドPD2と、無端ベルト130と、の摩擦抵抗を低減するための矩形のシートである。摺動シート150は、ニップ部NPにおいて、無端ベルト130の内周面131と、第1パッドPD1および第2パッドPD2と、の間で挟まれている。摺動シート150は、弾性変形可能な材料からなる。摺動シート150は、基材がフッ素を含まず、ガラス転移温度が140℃以上の耐熱樹脂からなる。本実施形態では、摺動シート150の基材は、ポリイミド(ガラス転移温度220℃)からなる。
なお、摺動シート150は、摺動シート150の本体を構成するフィルム材である基材からなり、表面にコート層が設けられていない。このため、摺動シート150と無端ベルト130は、基材同士が接している。なお、摺動シート150の基材は、ポリイミドを主体として、導電性を持たせるためにカーボン等の微粒子を含んでもよい。
【0077】
図4(a),(b)に示すように、摺動シート150は、無端ベルト130の内周面131に対向する対向面151を有している。対向面151は、複数の多角形の辺が尾根となる凹凸形状に形成されている。本実施形態では、対向面151は、複数の正方形の辺が尾根となる凹凸形状に形成されている。対向面151は、無端ベルト130に接触する接触部152と、無端ベルト130に接触しない複数の凹部153とを有する。
【0078】
所定面積の対向面151における接触部152の面積の割合は、50%以下である。接触部152は、対向面151に形成された正方形の辺に位置する。接触部152は、無端ベルト130の回転方向すなわち移動方向に対して斜めに延びている。接触部152には、接触部152の延びる方向に沿って延びる溝154が形成されている。
【0079】
溝154は、無端ベルト130の移動方向に対して斜めに延びている。溝154の深さは、凹部153の深さの0.1~0.005倍である。溝154は、第1溝154Aと、第2溝154Bと、を有している。
【0080】
凹部153は、接触部152から、無端ベルト130から離れる方向に凹む部分である。凹部153は、接触部152に囲まれている。本実施形態では、接触部152が正方形に形成されているので、凹部153は、底を頂点とする四角錐形状である。
【0081】
無端ベルト130と摺動シート150との間にはグリースGRが配置されている。グリースGRは、無端ベルト130と摺動シート150の間の摩擦を軽減するためのものである。グリースGRは、無端ベルト130の内周面131、摺動シート150の接触部152、凹部153および溝154に位置している。
【0082】
ここで、カラープリンタ1は、圧力変更機構300によって、定着時におけるニップ部NPの最大ニップ圧を第1ニップ圧P1と、第1ニップ圧P1よりも大きい第2ニップ圧P2とに変更可能である。
第1ニップ圧P1は、圧力変更機構300で変更するニップ圧の範囲のうち最小のニップ圧であり、印字を行っていない非印字時、または封筒などを定着する場合に設定されるニップ圧である。
第2ニップ圧P2は、圧力変更機構300で変更するニップ圧の範囲のうち最大のニップ圧であり、通常の印字時、詳しくは普通紙などにトナー像を定着させる際に設定されるニップ圧である。
【0083】
図5に示すように、定着装置80は、フレームFLと、圧力変更機構300とをさらに備えている。フレームFLは、回転部材81およびベルトユニット82を支持するフレームであり、金属などからなる。フレームFLは、回転部材81およびベルトユニット82に対して幅方向の両側に配置されるサイドフレーム83およびブラケット84と、各サイドフレーム83に接続される接続フレーム85とを備えている。
【0084】
サイドフレーム83は、回転部材81およびベルトユニット82を支持するフレームである。サイドフレーム83は、後述する第1バネ320の一端部と係合するバネ係合部83Aを有している。
【0085】
ブラケット84は、ベルトユニット82を所定方向に移動可能に支持する部材であり、サイドフレーム83に固定されている。詳しくは、ブラケット84は、第1ステイ210の端部をホルダ140の係合部143を介して所定方向に移動可能に支持する第1長孔84Aを有している。第1長孔84Aは、所定方向に長い長孔である。
【0086】
圧力変更機構300は、ニップ部NPのニップ圧を変更する機構である。図5および図6(a)に示すように、圧力変更機構300は、アーム310と、第1バネ320と、第2バネ330と、カム340とを備えている。アーム310、第1バネ320、第2バネ330およびカム340は、フレームFLの幅方向の一端側と他端側にそれぞれ設けられている。
【0087】
アーム310は、緩衝部材BFを介して第1ステイ210を押圧するための部材である。アーム310は、ベルトユニット82を支持するとともに、サイドフレーム83に回動可能に支持されている。
【0088】
アーム310は、アーム本体311と、カムフォロア350とを有している。アーム本体311は、金属などからなるL形状の板状部材である。
【0089】
アーム本体311は、サイドフレーム83に回動可能に支持される一端部311Aと、第1バネ320が連結される他端部311Bと、ベルトユニット82を支持する係合穴311Cとを有している。係合穴311Cは、一端部311Aと他端部311Bの間に配置され、緩衝部材BFと係合している。
【0090】
また、アーム本体311は、カム340に向けて延びるガイド突起312をさらに有している。ガイド突起312は、他端部311Bから係合穴311Cに向かう方向において、他端部311Bと係合穴311Cの間に配置されている。
【0091】
カムフォロア350は、アーム本体311のガイド突起312に対して移動可能に取り付けられており、カム340に接触可能となっている。カムフォロア350は、樹脂などからなり、ガイド突起312に嵌合される筒状部351と、筒状部351の一端に設けられる接触部352と、筒状部351の他端に設けられるフランジ部353とを有している。
【0092】
筒状部351は、ガイド突起312によって、当該ガイド突起312の延びる方向に移動可能に支持されている。接触部352は、筒状部351のカム340側の端部の開口を塞ぐ壁であり、カム340とガイド突起312の先端の間に配置されている。フランジ部353は、筒状部351の他端から、カムフォロア350の移動方向に直交する方向に突出している。
【0093】
そして、筒状部351とアーム本体311の間には、第2バネ330が配置されている。これにより、アーム本体311は、第1バネ320によって付勢されるとともに、第2バネ330によって付勢可能となっている。
【0094】
第1バネ320は、ベルトユニット82に対して第1付勢力を付与するバネである。詳しくは、第1バネ320は、アーム本体311を介してベルトユニット82に対して第1付勢力を付与している。
【0095】
より詳しくは、第1バネ320は、アーム本体311、緩衝部材BF、第1ステイ210およびホルダ140を介して、第1パッドPD1および第2パッドPD2をローラ120に向けて付勢している。第1バネ320は、金属などからなる引張コイルバネであり、一端がサイドフレーム83のバネ係合部83Aに連結され、他端がアーム本体311の他端部311Bに連結されている。
【0096】
第2バネ330は、ベルトユニット82に対して第1付勢力とは逆向きの第2付勢力を付与可能なバネである。詳しくは、第2バネ330は、アーム本体311を介してベルトユニット82に対して第2付勢力を付与可能となっている。第2バネ330は、金属などからなる圧縮コイルバネであり、圧縮コイルバネで囲まれる空間内にガイド突起312が挿入された状態で、筒状部351とアーム本体311の間に配置されている。
【0097】
カム340は、アーム本体311を第1姿勢と第2姿勢とに切り替える部材である。カム340は、図6(a)に示す第1カム位置と、図7(a)に示す第2カム位置との間で回動可能となるように、サイドフレーム83に支持されている。
【0098】
カム340は、樹脂などからなり、第1部位341と、第2部位342と、第3部位343とを有している。第1部位341、第2部位342および第3部位343は、カム340の外周面上に位置している。
【0099】
第1部位341は、カム340が第1カム位置に位置するときに、カムフォロア350に最も近い部位である。図6(a)に示すように、カム340が第1カム位置に位置するときに、第1部位341は、カムフォロア350から離れている。
【0100】
第2部位342は、カム340が第1カム位置から図示時計回りに約90度回動した際にカムフォロア350と接触する部位である。第2部位342からカム340の回動中心までの距離は、第1部位341からカム340の回動中心までの距離よりも大きい。
【0101】
第3部位343は、カム340が第2カム位置に位置するときに、カムフォロア350に接触する部位である。より詳しくは、第3部位343は、図7(a)に示すように、カム340が第1カム位置から図示時計回りに約270度回動した際に、カムフォロア350と接触する部位である。第3部位343からカム340の回動中心までの距離は、第2部位342からカム340の回動中心までの距離よりも大きい。
【0102】
カム340が第1カム位置に位置するときには、カム340がカムフォロア350から離れている。このようにカム340カムフォロワ350から離れているときには、アーム本体311は、図6(a)に示す第1姿勢となっている。
【0103】
詳しくは、カム340が第1カム位置に位置するときには、第1バネ320の第1付勢力がアーム本体311を介してベルトユニット82に付与されている。このように第1バネ320によってベルトユニット82に対して第1付勢力が付与されたときには、ニップ圧は、第2ニップ圧P2となる。
【0104】
最大ニップ圧が第2ニップ圧P2の場合には、第1加圧パッドN1および第2加圧パッドN2と回転部材81との間で無端ベルト130を挟む。最大ニップ圧が第2ニップ圧P2の場合に、前記ニップ部における最大ニップ圧となる領域は、第2加圧パッドN2と回転部材81でニップする範囲に位置する。
【0105】
また、第1カム位置は、第2ニップ圧P2になる位置である。また、第2カム位置は、第1ニップ圧P1になる位置である。
【0106】
カム340は、図6(a)に示す第1カム位置から図7(a)に示す第2カム位置に回動する場合には、カムフォロア350をアーム本体311に対して移動させた後、カムフォロア350を介してアーム本体311を押圧する。これにより、アーム本体311が第1姿勢から当該第1姿勢と異なる第2姿勢に回動する。
【0107】
これにより、アーム本体311が第2姿勢であるときには、ベルトユニット82は、アーム本体311が第1姿勢であるときの位置(図6(b)の位置)よりもローラ120から離れた位置(図7(b)の位置)に配置される。
【0108】
このようにベルトユニット82のローラ120に対する位置が変わることで、カム340が第2カム位置に位置してアーム本体311が第2姿勢であるときには、図7(b)に示すように、ニップ部NPの幅が第1姿勢のときよりも小さくなるとともに、ニップ圧が最小ニップ圧である第1ニップ圧P1となる。
【0109】
最大ニップ圧が第1ニップ圧P1の場合には、第1加圧パッドN1と回転部材81との間で無端ベルト130を挟み、第2加圧パッドN2と回転部材81との間では無端ベルトを挟まない。最大ニップ圧が第1ニップ圧P1の場合に、前記ニップ部における最大ニップ圧となる領域は、第1加圧パッドN1と回転部材81でニップする範囲に位置する。
【0110】
図8に示すように、カラープリンタ1は、現像モータM1と、定着モータM2と、圧力変更クラッチC2と、をさらに備えている。
【0111】
現像モータM1は、主に、各現像ローラ53を回転駆動するためのモータであり、正逆回転可能に構成されている。現像モータM1は、圧力変更クラッチC2と図示せぬギヤを介して圧力変更機構300のカム340に連結されている。
【0112】
定着モータM2は、ローラ120を回転駆動するためのモータである。
【0113】
圧力変更クラッチC2は、例えば電磁クラッチである。圧力変更クラッチC2は、現像モータM1の駆動力が圧力変更機構300のカム340に伝達される第2伝達状態と、現像モータM1の駆動力が圧力変更機構300のカム340に伝達されない第2切断状態とに切替可能となっている。カム340は、第2カム位置に位置し、且つ、現像モータM1が正回転している場合に、圧力変更クラッチC2が第2伝達状態になると、図7(a)に示す第2カム位置から図6(a)に示す第1カム位置に向けて図示反時計回りに回動する。また、カム340は、第1カム位置に位置し、且つ、現像モータM1が逆回転している場合に、圧力変更クラッチC2が第2伝達状態になると、図6(a)に示す第1カム位置から図7(a)に示す第2カム位置に向けて図示時計回りに回動する。
【0114】
図8に示すように、制御部100は、CPU、RAM、ROM、不揮発性メモリ、ASICおよび入出力回路などを備えている。制御部100は、外部のコンピュータから出力されてくる印字指令と、ROM等に記憶されたプログラムやデータに基づいて各種演算処理を行うことによって、各種処理を実行する。
【0115】
次に、制御部100が定着動作を実行するときに行う処理について説明する。
制御部100は、回転部材81の回転を開始するとき、ニップ部NPの最大ニップ圧を第1ニップ圧P1にする。封筒や特殊なシートなどへ印字する場合には、制御部100は、第1ニップ圧P1で定着動作を実行するが、普通紙などを印字する場合には、第2ニップ圧P2で定着動作を実行する。ここでは、普通紙などを印字する場合における制御部の処理を説明する。
【0116】
制御部100は、印字指令を受信した場合に、定着動作を実行するときよりも小さいニップ圧である第1ニップ圧P1で回転部材81の回転を開始し、無端ベルト130の周速が所定の速度になった後に、ニップ圧を、定着動作を実行するときのニップ圧である第2ニップ圧P2に変更する。なお、所定の速度は、定着を実行する場合の速度である。
【0117】
例えば、図9に示すように、制御部100は、印字指令を受信した場合には、ニップ圧を第1ニップ圧P1にした状態で(時刻t0)、現像モータM1の駆動を開始し(時刻t1)、続いて定着モータM2の駆動を開始する(時刻t2)。そして、制御部100は、無端ベルト130の周速が一定になった後(時刻t3)、圧力変更クラッチC2を所定時間駆動させて(時刻t4~t5)、ニップ圧を第1ニップ圧P1から第2ニップ圧P2に変更する。
【0118】
また、制御部100は、定着動作を終了して無端ベルト130を停止させる場合、無端ベルト130の周速を、定着動作を実行するときの速度に維持したまま、ニップ圧を第2ニップ圧P2から定着動作を実行するときよりも低い圧力である第1ニップ圧P1まで下げ、その後、回転部材81を停止させる。
【0119】
例えば、制御部100は、定着が終了した場合には、圧力変更クラッチC2を所定時間駆動させて(時刻t11~t12)、ニップ圧を第2ニップ圧P2から第1ニップ圧P1に変更する。そして、定着モータM2をOFFとし(時刻t13)、無端ベルト130が停止した後(時刻t14)、現像モータM1をOFFにする(時刻t15)。
【0120】
前述したように、カラープリンタ1は、定着動作を実行する場合におけるニップ部NPの最大ニップ圧を第1ニップ圧P1と、第1ニップ圧P1よりも大きい第2ニップ圧P2とに変更可能である。
また、カラープリンタ1は、無端ベルト130の周速を第1速度V1と、第1速度V1より速い速度である第2速度V2で回転させて画像形成を実行可能である。
【0121】
制御部100は、例えば、厚紙、光沢紙、ラベル紙などを印字する場合に第1速度V1で画像形成を実行する。また、制御部100は、例えば、普通紙、うす紙、などを印字する場合に第2速度V2で画像形成を実行する。
【0122】
本実施形態では、第1速度V1[mm/sec]、第2速度V2[mm/sec]、第1ニップ圧P1[MPa]、第2ニップ圧P2[MPa]は、V2/P2≧200、V2/P1≧200、V1/P1≧200、V1/P2<200を満たす。
【0123】
制御部100は、無端ベルト130の周速を第2速度V2で回転させ、第2ニップ圧P2で定着する第1定着処理を実行可能である。
制御部100は、無端ベルト130の周速を第2速度V2で回転させ、第1ニップ圧P1で定着する第2定着処理を実行可能である。
制御部100は、無端ベルト130の周速を第1速度V1で回転させ、第1ニップ圧P1で定着する第3定着処理を実行可能である。
一方、制御部100は、無端ベルト130の周速を第1速度V1で回転させ、第2ニップ圧P2で定着する処理は実行しない。
【0124】
このようにして、制御部100は、回転部材81と無端ベルト130の間で、現像剤像が形成されたシートSを挟んで現像剤像を定着する定着動作を実行するとき、無端ベルト130の周速をV[mm/sec]、ニップ部NPにおけるニップ圧のうち最大ニップ圧をP[MPa]として、V/P≧200を満たすようにニップ圧と無端ベルト130の周速を制御する。
【0125】
次に、図10に、カラープリンタ1において、実際に測定したV/P[mm/(MPa・sec)]の値と異音の判定結果を示す。異音は、無端ベルト130と摺動シート150にスティックスリップが発生したときに聞こえる音である。無端ベルト130の周速は、30,60,79.2,120,240[mm/sec]の5段階に変更した。ニップ部NPの最大ニップ圧は、0.29,0.38,0.43[MPa]の3段階に変更させた。なお、無端ベルト130および摺動シート150は、いずれもポリイミドであり、無端ベルト130と摺動シート150の間にはグリースGRが配置されている。
【0126】
図10に示すように、V/Pが184以下の場合に、異音が発生し、207以上の場合に異音が発生しなかった。この結果からV/P≧200を満たす場合に異音が発生せず、スティックスリップの発生がないと判断した。一方で、V/P<200を満たす場合に異音が発生し、スティックスリップが発生したと判断した。
【0127】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
カラープリンタ1の制御部100は、回転部材81と無端ベルト130の間で、定着動作を実行するとき、無端ベルト130の周速をV[mm/sec]、ニップ部NPにおけるニップ圧のうち最大ニップ圧をP[MPa]として、V/P≧200を満たすようにニップ圧と無端ベルト130の周速を制御する。このため、無端ベルト130と摺動シート150との間で発生するスティックスリップを抑制することができる。
【0128】
また、制御部100は、印字指令を受信した場合に、定着動作を実行するときよりも小さいニップ圧で回転部材81の回転を開始し、無端ベルト130の周速が定着を実行する場合の速度になった後に、ニップ圧を、定着動作を実行するときのニップ圧に変更する。このため、無端ベルト130の始動時である回転速度が低い状態ではニップ圧を低くして、スティックスリップの発生を抑制できる。この場合において、無端ベルト130の回転開始直後は、V/P≧200を満たさないが、ニップ圧の最大値が印刷時よりも低いため、無端ベルト130と摺動シート150との間で発生するスティックスリップを抑制することができる。
【0129】
また、制御部100は、定着動作を終了して無端ベルト130を停止させる場合、無端ベルト130の周速を、定着動作を実行するときの速度に維持したまま、ニップ圧を、定着動作を実行するときよりも低い圧力まで下げ、その後、回転部材81を停止させる。このため、スティックスリップの発生を抑制できる。
【0130】
制御部100は、無端ベルト130の周速を第2速度V2より遅い第1速度V1で回転させ、第1ニップ圧P1より高い第2ニップ圧P2で定着する処理は実行しない。このため、スティックスリップの発生を抑制できる。
【0131】
また、制御部100は、回転部材81の回転を開始するとき、ニップ部NPの最大ニップ圧を第1ニップ圧P1にする。このため、定着動作の始動時はニップ圧が低いため、スティックスリップの発生を抑制できる。
【0132】
また、無端ベルト130と摺動シート150との間にはグリースGRが配置されていることで、スティックスリップの発生を抑制できる。
【0133】
また、摺動シート150の対向面151は、無端ベルト130に接触しない複数の凹部153を有するので、スティックスリップの発生を抑制できる。
【0134】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
【0135】
前記実施形態では、感光体として感光ドラム51を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、ベルト状の感光体であってもよい。
【0136】
前記実施形態では、圧力変更機構300が、ニップ部NPのニップ圧を、第1ニップ圧P1と、第2ニップ圧P2とに変更するように構成されていたが、本発明はこれに限定されず、ニップ圧を3つ以上の圧力値、または無段階に変更可能に構成されていてもよい。
【0137】
前記実施形態では、カラープリンタ1に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されず、その他の画像形成装置、例えばモノクロのプリンタ、複写機、複合機などに本発明を適用してもよい。
【0138】
前記実施形態では、ヒータとしてハロゲンランプを例示したが、ヒータは、例えばカーボンヒータなどであってもよい。
【0139】
前記実施形態では、ヒータが回転部材の内側に位置する構造を例示したが、本発明はこれに限定されず、ヒータがベルトユニットの内側に位置していてもよい。例えば、ベルトユニットが、無端ベルトと、無端ベルトの内側に配置されるヒータおよびニップ部材とを備え、回転部材が、ニップ部材との間で無端ベルトを挟む加圧ローラであってもよい。また、ヒータを回転部材の外部に配置し、回転部材の外周面を加熱する外部加熱方式や、IH(Induction Heating)方式でもよい。また、回転部材とベルトユニットがそれぞれヒータを内蔵していてもよい。すなわち、ヒータは、回転部材と無端ベルトとの少なくとも一方を加熱する構成であってもよい。
【0140】
また、回転部材は、駆動ローラを内包するベルトであってもよい。つまり、回転部材のベルトとベルトユニットのベルトの間にニップ部が形成される構成であってもよい。
【0141】
前記実施形態では、無端ベルト130の基材と摺動シート150の基材は、共にポリイミドであったが、本発明はこれに限定されず、無端ベルト130の基材と、摺動シート150の基材と、の少なくとも一方がポリイミドである構成としてもよい。
例えば、無端ベルト130の基材がポリイミドからなり、摺動シート150の基材が他のガラス転移温度が140℃以上の耐熱樹脂からなる構成であってもよい。また、無端ベルト130の基材が他のガラス転移温度が140℃以上の耐熱樹脂からなり、摺動シート150の基材がポリイミドからなる構成であってもよい。
【0142】
また、無端ベルト130の基材と摺動シート150の基材が共にポリイミドでない構成としてもよい。例えば、無端ベルト130の基材と摺動シート150の基材は、ポリエーテルエーテルケトン(ガラス転移温度143℃)、ポリエーテルイミド(ガラス転移温度216℃)、ポリアミドイミド(ガラス転移温度275℃)などであってもよい。
【0143】
前記実施形態では、第1速度V1[mm/sec]、第2速度V2[mm/sec]、第1ニップ圧P1[MPa]、第2ニップ圧P2[MPa]は、V2/P2≧200、V2/P1≧200、V1/P1≧200、V1/P2<200を満たす構成であったが、本発明はこの構成に限定されない。
例えば、V1/P2≧200を満たす構成であった場合には、制御部100は、無端ベルト130の周速を第1速度V1で回転させ、第2ニップ圧P2で定着する処理を実行可能としてもよい。
【0144】
前記実施形態では、定着装置80が圧力変更機構300を備える構成としたが、本発明はこれに限定されず、本体筐体が圧力変更装置を備えていてもよいし、圧力変更機構の一部が定着装置に設けられ、他部が本体筐体に設けられていてもよい。
【0145】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0146】
1 カラープリンタ
80 定着装置
81 回転部材
82 ベルトユニット
100 制御部
110 ヒータ
130 無端ベルト
131 内周面
150 摺動シート
151 対向面
152 接触部
153 凹部
300 圧力変更機構
GR グリース
M1 現像モータ
M2 定着モータ
N 加圧パッド
N1 第1加圧パッド
N2 第2加圧パッド
NP ニップ部
P1 第1ニップ圧
P2 第2ニップ圧
PD1 第1パッド
PD2 第2パッド
S シート
V1 第1速度
V2 第2速度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10