(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】カラー印刷装置及びカラー印刷システム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20241203BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241203BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20241203BHJP
B41J 29/46 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
B41J29/38 204
G03G21/00 386
G03G21/00 388
G03G21/00 510
B41J29/42 F
B41J29/46 Z
(21)【出願番号】P 2021029409
(22)【出願日】2021-02-26
【審査請求日】2024-01-12
(31)【優先権主張番号】P 2020165889
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】ビザヤン スシンダラン
(72)【発明者】
【氏名】桜木 雄一郎
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-187123(JP,A)
【文献】特開2008-243018(JP,A)
【文献】特開2013-105097(JP,A)
【文献】特開2018-190155(JP,A)
【文献】特開2011-168031(JP,A)
【文献】特開2003-050882(JP,A)
【文献】特開2002-244506(JP,A)
【文献】特開2016-194904(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0176636(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
G03G 21/00
B41J 29/42
B41J 29/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信インタフェースと、
ユーザインタフェースと、
ディスプレイと、
コントローラと、
を備え、シアン、マゼンタ及びイエローの3色のうち、少なくとも1色の消耗品を用いてカラー印刷し、前記カラー印刷に応じて前記少なくとも1色の消耗品を消費して行くカラー印刷装置であって、
前記コントローラは、
前記3色の消耗品のそれぞれの残量を示す情報を前記ディスプレイに表示する消耗品残量表示処理と、
前記3色の消耗品のいずれかの残量が所定の閾値以下になったときに、警告画面を前記ディスプレイに表示する警告画面表示処理と、
前記3色の消耗品を対象とした発注画面を前記ディスプレイに表示し、前記発注画面から選択された種類の消耗品の発注操作を、前記ユーザインタフェースを介して受け付けたことに応じて、前記通信インタフェースを介して接続された情報処理装置に前記選択された種類の消耗品を発注する発注処理と、
前記発注処理により発注された消耗品の発注履歴を示す履歴情報であって、前記発注された消耗品について直近の発注日に基づいて作成された情報を含む履歴情報を、前記発注処理により発注された消耗品の種類が特定された態様で前記ディスプレイに表示する履歴情報表示処理と、
を実行
し、
前記履歴情報表示処理では、前記ユーザインタフェースから消耗品の発注履歴表示操作を受け付けたことに応じて、前記3色の消耗品について、発注された消耗品の前記履歴情報を表示する第1表示態様で表示し、前記ユーザインタフェースから前記3色の消耗品のうち、発注対象とする消耗品の選択操作を受け付けたことに応じて、前記発注対象として選択された消耗品の1つについて前記履歴情報を表示する第2表示態様で表示する、
カラー印刷装置。
【請求項2】
前記3色の消耗品は、前記3色のトナーであり、
前記カラー印刷装置はさらに、
交換式の感光体
を備え、
静電潜像を形成した前記感光体に前記3色のトナーを供給して、前記感光体上に現像剤像を形成し、前記現像剤像をシート上に転写することによりカラー印刷を行う、電子写真方式のカラー印刷装置であり、
前記コントローラは、
前記感光体の交換時期に関する情報を前記ディスプレイに表示する第1交換時期情報表示処理
を実行し、
前記発注処理では、前記感光体を対象とした発注画面を前記ディスプレイに表示し、前記発注画面から選択された感光体の発注操作を、前記ユーザインタフェースを介して受け付けたことに応じて、前記通信インタフェースを介して接続された情報処理装置に前記選択された感光体を発注する、
請求項1に記載のカラー印刷装置。
【請求項3】
前記カラー印刷装置はさらに、
交換式の転写体
を備え、
前記転写体を用いて前記現像剤像をシート上に転写する、電子写真方式のカラー印刷装置であり、
前記コントローラは、
前記転写体の交換時期に関する情報を前記ディスプレイに表示する第2交換時期情報表示処理
を実行し、
前記発注処理では、前記転写体を対象とした発注画面を前記ディスプレイに表示し、前記発注画面から選択された転写体の発注操作を、前記ユーザインタフェースを介して受け付けたことに応じて、前記通信インタフェースを介して接続された情報処理装置に前記選択された転写体を発注する、
請求項2に記載のカラー印刷装置。
【請求項4】
前記カラー印刷装置はさらに、
交換式の廃トナーボックス
を備え、
前記カラー印刷に応じて前記転写体に付着した付着物を前記廃トナーボックスに収納して行く、電子写真方式のカラー印刷装置であり、
前記コントローラは、
前記廃トナーボックスの交換時期に関する情報を前記ディスプレイに表示する第3交換時期情報表示処理
を実行し、
前記発注処理では、前記廃トナーボックスを対象とした発注画面を前記ディスプレイに表示し、前記発注画面から選択された廃トナーボックスの発注操作を、前記ユーザインタフェースを介して受け付けたことに応じて、前記通信インタフェースを介して接続された情報処理装置に前記選択された廃トナーボックスを発注する、
請求項3に記載のカラー印刷装置。
【請求項5】
前記履歴情報は、前記発注された消耗品について前記直近の発注日及び発注数量に基づいて作成された情報を含む、
請求項1~4のいずれか1項に記載のカラー印刷装置。
【請求項6】
前記発注処理により発注された消耗品の種類が特定された態様とは、前記発注された消耗品の名称を含む態様であり、
前記コントローラは、
前記履歴情報表示処理では、前記履歴情報として、前記発注された消耗品の名称と、前記発注された消耗品について直近の発注日に基づいて作成された情報とを並べて表示する、
請求項1~5のいずれか1項に記載のカラー印刷装置。
【請求項7】
前記発注処理により発注された消耗品の種類が特定された態様とは、前記ユーザインタフェースから前記発注する消耗品の種類の選択操作を受け付けたことを条件に表示されることであり、
前記コントローラは、
前記履歴情報表示処理では、前記ユーザインタフェースから前
記発注対象とする消耗品の選択操作を受け付けたことに応じて、前記
3色の消耗品のうちの前記発注対象として選択された消耗品についての前記履歴情報を表示する、
請求項1~5のいずれか1項に記載のカラー印刷装置。
【請求項8】
前記コントローラは、
前記履歴情報表示処理では、前記発注対象として選択された消耗品についての前記履歴情報を表示した後、前記発注対象として選択された消耗品の発注画面を表示する、
請求項7に記載のカラー印刷装置。
【請求項9】
前記コントローラは、
前記履歴情報表示処理では、前記発注対象として選択された消耗品を過去に発注していない場合には、前記発注対象として選択された消耗品についての前記履歴情報を表示せずに、前記発注対象として選択された消耗品の前記発注画面を表示する、
請求項8に記載のカラー印刷装置。
【請求項10】
前記コントローラは、
前記履歴情報表示処理では、前記発注対象として選択された消耗品についての前記履歴情報を表示した後、前記発注対象として選択された消耗品の発注画面を表示し、さらにその後、前記ユーザインタフェースから前記発注対象として選択された消耗品と同じ種類の消耗品を発注対象として選択する選択操作を再度受け付けた場合には、前記発注対象として選択された消耗品についての前記履歴情報を表示せずに、前記発注対象として選択された消耗品の前記発注画面を表示する、
請求項7に記載のカラー印刷装置。
【請求項11】
前記コントローラはさらに、
前記ユーザインタフェースから前記履歴情報の表示/非表示操作を受け付けたことに応じて、前記履歴情報の表示/非表示を設定する第1設定処理
を実行し、
前記履歴情報表示処理では、前記第1設定処理により前記表示が設定されているときには前記履歴情報を表示し、前記
第1設定処理により前記非表示が設定されているときには前記履歴情報を表示しない、
請求項1~10のいずれか1項に記載のカラー印刷装置。
【請求項12】
前記コントローラはさらに、
前記発注された消耗品についてその発注から納品に至るまでの発注ステータスを決定する決定処理
を実行し、
前記履歴情報表示処理では、前記履歴情報として、前記発注された消耗品について前記決定処理により決定された前記発注ステータスも表示する、
請求項1~11のいずれか1項に記載のカラー印刷装置。
【請求項13】
前記コントローラは、
前記決定処理では、前記発注された消耗品について送受信された電子メールに含まれる情報に基づいて前記発注ステータスを決定する、
請求項12に記載のカラー印刷装置。
【請求項14】
前記コントローラは、
前記履歴情報表示処理では、前記第2表示態様を表示する場合、前記発注対象として選択された消耗品の1つについて前記履歴情報に含まれる項目を、前記第1表示態様よりも多い項目数表示する、
請求項
1~13のいずれか1項に記載のカラー印刷装置。
【請求項15】
前記コントローラは、
前記第2表示態様で表示されているときに
、前記ユーザインタフェースから前記発注操作を受け付けたことに応じて、前記発注処理を実行する、
請求項
1~14のいずれか1項に記載のカラー印刷装置。
【請求項16】
前記コントローラはさらに、
前記第1表示態様において表示可能な全ての
表示項目毎に、前記ユーザインタフェースから前記
表示項目の表示/非表示操作を受け付けたことに応じて前記
表示項目の表示/非表示を設定する第2設定処理
を実行し、
前記履歴情報表示処理では、前記第1表示態様で表示する場合、前記第2設定処理により前記表示が設定された
表示項目について前記履歴情報を表示し、前記第2設定処理により前記非表示が設定された
表示項目について前記履歴情報を表示しない、
請求項
1~
15のいずれか1項に記載のカラー印刷装置。
【請求項17】
カラー印刷装置と、前記カラー印刷装置と接続された情報処理装置とを含むカラー印刷システムであって、
前記カラー印刷装置は、
第1通信インタフェースと、ユーザインタフェースと、ディスプレイと、第1コントローラと、
を備え、シアン、マゼンタ及びイエローの3色のうち、少なくとも1色の消耗品を用いてカラー印刷し、前記カラー印刷に応じて前記少なくとも1色の消耗品を消費して行くカラー印刷装置であって、
前記第1コントローラは、
前記3色の消耗品のそれぞれの残量を示す情報を前記ディスプレイに表示する消耗品残量表示処理と、
前記3色の消耗品のいずれかの残量が所定の閾値以下になったときに、警告画面を前記ディスプレイに表示する警告画面表示処理と、
前記3色の消耗品を対象とした発注画面を前記ディスプレイに表示し、前記発注画面から選択された種類の消耗品の発注操作を、前記ユーザインタフェースを介して受け付けたことに応じて、前記第1通信インタフェースを介して接続された情報処理装置に前記発注操作に係る消耗品を発注する発注処理と、
前記発注処理により発注された消耗品の発注履歴を示す履歴情報であって、前記発注された消耗品について直近の発注日に基づいて作成された情報を含む履歴情報を、前記発注処理により発注された消耗品の種類が特定された態様で前記ディスプレイに表示する履歴情報表示処理と、
を実行し、
前記履歴情報表示処理では、前記ユーザインタフェースから消耗品の発注履歴表示操作を受け付けたことに応じて、前記3色の消耗品について、発注された消耗品の前記履歴情報を表示する第1表示態様で表示し、前記ユーザインタフェースから前記3色の消耗品のうち、発注対象とする消耗品の選択操作を受け付けたことに応じて、前記発注対象として選択された消耗品の1つについて前記履歴情報を表示する第2表示態様で表示し、
前記情報処理装置は、
第2通信インタフェースと、第2コントローラと、
を備え、
前記第2コントローラは、
前記第2通信インタフェースを介して接続された前記カラー印刷装置から前記発注された消耗品の情報を受信する受信処理
を実行する、
カラー印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、カラー印刷装置からその消耗品を発注する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、消耗品を発注する画像形成装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の画像形成装置では、発注した消耗品についての発注状況を知らせることは考慮していないので、ユーザは発注状況を知らずに消耗品を重複発注してしまう虞が生じていた。
【0005】
本願は、発注する消耗品の重複発注を防止することが可能となる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本願のカラー印刷装置は、通信インタフェースと、ユーザインタフェースと、ディスプレイと、コントローラと、を備え、シアン、マゼンタ及びイエローの3色のうち、少なくとも1色の消耗品を用いてカラー印刷し、カラー印刷に応じて少なくとも1色の消耗品を消費して行くカラー印刷装置であって、コントローラは、3色の消耗品のそれぞれの残量を示す情報をディスプレイに表示する消耗品残量表示処理と、3色の消耗品のいずれかの残量が所定の閾値以下になったときに、警告画面をディスプレイに表示する警告画面表示処理と、3色の消耗品を対象とした発注画面をディスプレイに表示し、発注画面から選択された種類の消耗品の発注操作を、ユーザインタフェースを介して受け付けたことに応じて、通信インタフェースを介して接続された情報処理装置に選択された種類の消耗品を発注する発注処理と、発注処理により発注された消耗品の発注履歴を示す履歴情報であって、発注された消耗品について直近の発注日に基づいて作成された情報を含む履歴情報を、発注処理により発注された消耗品の種類が特定された態様でディスプレイに表示する履歴情報表示処理と、を実行する。
【発明の効果】
【0007】
本願によれば、発注する消耗品の重複発注を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本願の一実施形態に係る画像処理システムのブロック図である。
【
図2】HOME画面((a))、サービス画面((b))及び消耗品選択画面((c))を示す図である
【
図3】消耗品の履歴情報表示画面((a))、発注確認画面((b))及び発注数量入力画面((c))を示す図である。
【
図4】履歴表示項目カスタマイズ画面((a))及び全発注履歴表示画面((b))を示す図である。
【
図5】消耗品発注処理の手順を示すフローチャートである。
【
図6】履歴表示項目カスタマイズ処理の手順を示すフローチャートである。
【
図7】消耗品履歴表示処理の手順を示すフローチャートである。
【
図8】第1ステータス取得処理の手順を示すフローチャートである。
【
図9】第2ステータス取得処理の手順を示すフローチャートである。
【
図10】印刷処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本願の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本願の一実施形態に係るMFP100(「カラー印刷装置」の一例)を含む画像処理システム1(「カラー印刷システム」の一例)の制御構成を示している。画像処理システム1は、MFP100及びサーバ200(「情報処理装置」の一例)を備えている。なお、MFPは、multifunction peripheral の略語である。
【0010】
MFP100とサーバ200とは、通信ネットワーク300を介して相互に通信可能となっている。通信ネットワーク300の具体例は、特に限定されないが、例えば、インターネット、有線LAN、無線LAN、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。
【0011】
MFP100は、プリンタ130と、スキャナ140と、FAX部150と、ディスプレイ160と、入力IF170と、通信IF180と、CPU110(「コントローラ」の一例)と、メモリ120と、通信バス190とを主に備えている。なお、IFは、interfaceの略語である。MFP100を構成する各構成要素は、通信バス190を通じて相互に接続されている。
【0012】
プリンタ130は、画像データで示される画像をシートに記録するプリント動作を実行する。プリンタ130の記録方式としては、インクジェット方式や電子写真方式などの公知の方式を採用することができる。スキャナ140は、原稿に記録されている画像を読み取って画像データを生成するスキャン動作を実行する。FAX部150は、画像データを外部装置にFAX送信するFAX送信動作と、画像データを外部装置からFAX受信するFAX受信動作とを実行する。なお、MFP100は、プリンタ130、スキャナ140、FAX部150の少なくとも1つを備えていればよい。
【0013】
入力IF170は、ユーザによる入力操作を受け付けるユーザインタフェースである。具体的には、入力IF170はボタンを有しており、押下されたボタンに対応づけられた各種の操作信号をCPU110へ出力する。さらに、入力IF170は、ディスプレイ160の表示面に重畳された膜状のタッチセンサを有していてもよい。ディスプレイ160の表示面に表示されたオブジェクトを指定する操作、文字列あるいは数字列を入力する操作は、ユーザ操作の一例である。「オブジェクト」とは、例えば、ディスプレイ160に表示された文字列、アイコン、ボタン、リンク、プルダウンメニュー等である。
【0014】
タッチセンサとして実現される入力IF170は、ユーザがタッチした表示面上の位置を示す位置情報を出力する。なお、本明細書中における「タッチ」とは、入力媒体を表示面に接触させる操作全般を含む。また、入力媒体が表示面に触れていなくても、表示面との間の距離がごく僅かな位置まで入力媒体を近接させる「ホバー」あるいは「フローティングタッチ」を、上記「タッチ」の概念に含めてもよい。さらに入力媒体とは、ユーザの指であってもよいし、タッチペン等であってもよい。ディスプレイ160に表示されたアイコンの位置をタップするユーザ操作は、そのアイコンを指定する指定操作の一例である。
【0015】
通信IF180は、通信ネットワーク300を通じて外部装置と通信を行うためのものである。すなわち、MFP100は、通信IF180を通じてサーバ200に各種情報を送信し、通信IF180を通じてサーバ200から各種データ又は各種情報を受信する。
【0016】
CPU110は、MFP100の全体動作を制御するものである。CPU110は、入力IF170から出力される各種信号、及び通信IF180を通じて外部装置から取得した各種情報等に基づいて、
図5~
図10を用いて後述する各種プログラムをメモリ120から取得して実行する。
【0017】
メモリ120には、OS121と、制御プログラム122とが記憶される。なお、制御プログラム122は、単一のプログラムであってもよいし、複数のプログラムの集合体であってもよい。また、メモリ120には、制御プログラム122の実行に必要なデータあるいは情報が記憶される。メモリ120は、例えば、RAM、ROM、NVM、EEPROM、HDD、MFP100に着脱されるUSBメモリ等の可搬記憶媒体、CPU110が備えるバッファ等、あるいはそれらの組み合わせによって構成される。なお、NVMは、non-volatile memory の略語である。
【0018】
メモリ120は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバ200などからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non-transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
【0019】
なお、本明細書では、基本的に、プログラムに記述された命令に従ったCPU110の処理を示す。つまり、以下の説明における「判断」「抽出」「選択」「算出」「決定」「特定」「取得」「受付」「制御」「設定」等の処理は、CPU110の処理を表している。CPU110による処理は、OSを介したハードウェア制御も含む。なお、「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。つまり、CPU110が要求することなくデータを受信するという処理も、「CPU110がデータを取得する」という概念に含まれる。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。また、「命令」「応答」「要求」等の処理は、「命令」「応答」「要求」等を示す情報を通信することにより行われる。また、「命令」「応答」「要求」等の文言を、「命令」「応答」「要求」等を示す情報そのものという意味で記載してもよい。
【0020】
MFP100の電源スイッチが押下されたことに応じて、メイン処理が開始される。メイン処理では、まずCPU110は、ディスプレイ160上にHOME画面161を表示する。
図2(a)は、HOME画面161の一例を示している。
【0021】
このHOME画面161内の“Service”アイコン161aが操作された場合、CPU110は、ディスプレイ160上にサービス画面162を表示する。
図2(b)は、サービス画面162の一例を示している。サービス画面162には、“Order Supplies”項目162a,“View Order history (all)”項目162b及び“Customize history”項目162cを含む複数の選択項目が表示される。
【0022】
サービス画面162から“Order Supplies”項目162aが選択されると、CPU110は、消耗品発注処理(後述する
図5参照)を実行する。“Customize history”項目162cが選択されると、CPU110は、履歴表示項目カスタマイズ処理(後述する
図6参照)を実行する。“View Order history (all)”項目162bが選択されると、CPU110は、消耗品履歴表示処理(後述する
図7参照)を実行する。その他の項目が選択されると、CPU110は、その他処理を実行する。各処理を実行した後、CPU110は、表示をHOME画面161に戻す。
【0023】
プリンタ130としては、本実施形態では、電子写真方式によりカラー画像をシートに記録可能なカラープリンタを採用する。
図10は、CPU110がプリンタ130を用いて実行する印刷処理の手順を示している。印刷処理は、上記メイン処理に含まれる一処理である。そして、印刷処理は、例えば、ユーザがMFP100に対して、スキャナ140により原稿上のカラー画像を読取り、そのカラー画像をシートに印刷する指示を行ったときに、スキャナ140が原稿上のカラー画像を読み取って生成したカラー画像データを、プリンタ130に送信したことに応じて開始される。また、印刷処理に用いられるカラー画像データは、例えば上記通信IF180を介してMFP100の外部から受信したものであってもよい。なお、以降、各処理の手順の説明において、ステップを「S」と表記する。
【0024】
図10において、まずCPU110は、ディスプレイ160上に印刷中画面(図示せず)を表示する(S1)。次にCPU110は、画像データを取得し(S2)、取得した画像データに基づいてC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)の各色のラスタデータを生成する(S3)。なお、BK(ブラック)のラスタデータを含んで生成するようにしてもよい。
【0025】
そして、CPU110は、生成した各色のラスタデータに応じた各色のトナーを用いて電子写真方式で用紙に印刷する(S4)。電子写真方式での印刷では、具体的には、生成された各色のラスタデータに応じた静電潜像を各色に対応する各感光ドラム(「感光体」の一例)の外周面に形成し、各色のトナーを対応する感光ドラムの外周面に供給することにより、各色の現像剤像を対応する感光ドラムの外周面に担侍する。そして、転写ローラに負極性の転写電流を出力すると、各感光ドラムと搬送ベルト(「転写体」の一例)によってニップされたシートに各感光ドラムの外周面に担持された現像剤像が転写される、つまり印刷される。各感光ドラムの外周面に付着したトナーや紙粉などの付着物の多くは搬送ベルトに移動するため、搬送ベルトに付着した付着物を除去することが、各感光ドラムの外周面の付着物を除去することになる。このため、搬送ベルトに付着した付着物を除去するようにしている。除去した付着物は、廃トナーボックスに回収する。なお、電子写真方式での印刷で例示した具体的な構成は、周知なものであるため、各構成の図示は省略する。
【0026】
次に、CPU110は、メモリ120に記憶されている通算の印刷回数、ドラムユニット利用回数及びベルトユニット利用回数をカウントアップする(S5)。通算の印刷回数は、MFP100の工場出荷時からの通算の印刷回数である。ドラムユニット及びベルトユニットの各利用回数は、各ユニットがMFP100に装着されてからの通算の利用回数であり、各ユニットがMFP100に装着されてからの通算の印刷回数であってもよい。なお、ドラムユニットは、上記感光ドラムを含むユニットであり、例えば、色毎に設けられている。また、ベルトユニットは、上記搬送ベルトを含むユニットである。このようにドラムユニット及びベルトユニットの各利用回数をカウントするのは、ドラムユニット及びベルトユニットの各交換時期に関する情報を特定し、ディスプレイ160に表示させるためである。表示態様としては、例えば、ドラムユニット及びベルトユニットの各装着時を100%として、各利用回数が増えて行くに従って、90%、80%、…と減少する数値を表示して行く態様が考えられる。また、今から何年何ヶ月後に交換目安という態様であってもよい。なお、ドラムユニット及びベルトユニットの各交換時期に関する情報の表示は、例えば、上記サービス画面162(
図2(b))内に「消耗品交換時期情報表示」項目を設け、その項目が選択されると、ドラムユニット及びベルトユニットを含む各消耗品の交換時期に関する情報を、上記表示態様でディスプレイ160上に表示するようにすればよい。
【0027】
次に、CPU110は、いずれかの色のトナー残量が所定の閾値以下であるか否かを判断する(S6)。各色のトナーは、対応するドラムユニットに含まれるトナーカートリッジに収容されている。そして、各トナーカートリッジにそれぞれ収容された各色のトナーの残量は、センサで検知したり、各トナーカートリッジ装着後の印刷回数及びトナー使用量から算出したりしている。S6では、CPU110は、このようにして取得された各色のトナーの残量が所定の閾値以下であるか否かを判断している。また、このようにして取得された各色のトナーの残量は、上記HOME画面161(
図2(a))内のトナー残量表示161bにも使用される。なお、プリンタ130として、インクジェット方式のものを採用した場合には、S6では、CPU110は、いずれかの色のインク残量が所定の閾値以下であるか否かを判断する。
【0028】
上記S6の判断において、いずれかの色のトナー残量が所定の閾値以下である場合(S6:YES)、CPU110は、ディスプレイ160上にワーニング画面160a(「警告画面」の一例)を表示した(S7)後、処理をS8に進める。
図11は、ワーニング画面160aの一例を示している。ワーニング画面160aには、「まもなくトナー切れ」という警告文160a1とともに、各色のトナー残量をそれぞれ示すバー160a2~160a5が表示され、トナー切れとなる色(図示例では、シアン(C))のバー160a3に隣接して警告マーク160a6も表示されている。一方、上記S6の判断において、いずれの色のトナー残量も所定の閾値を超えている場合(S6:NO)、CPU110は、S7をスキップして、処理をS8に進める。
【0029】
S8では、CPU110は、ディスプレイ160上にHOME画面161を表示する。その後、CPU110は、印刷処理を終了する。処理をS7からS8に進める場合、CPU110は、ワーニング画面160aの表示中にユーザによる何らかの確認操作を要求するようにしてもよいし、確認操作を要求せずに所定時間、ワーニング画面160aを表示した後、HOME画面161に遷移するようにしてもよい。また、いずれかの色のトナー残量が上記所定の閾値よりさらに低い閾値以下になった場合、CPU110は、HOME画面161に遷移する前に、エラー画面を表示するようにしてもよい。エラー画面としては、例えば、ワーニング画面160a内の警告文160a1に代えて「トナー切れでカラー印刷できません」という警告文を表示し、他の表示160a2~160aはそのままとする画面が考えられる。
【0030】
また、ドラムユニット及びベルトユニットも、上記交換時期に関する情報が所定の閾値以下になった場合、CPU110は、交換を促すワーニング画面をディスプレイ160上に表示するようにしてもよい。さらに、上記交換時期に関する情報が所定の閾値よりさらに低い閾値以下になった場合、CPU110は、ドラムユニット又はベルトユニットが交換されるまで印刷できないことを示すエラー画面をディスプレイ160上に表示するようにしてもよい。
【0031】
また、上記廃トナーボックスも、回収した付着物でボックス内が一杯になると、交換する必要がある。廃トナーボックスに付着物をあとどれくらい回収できるかは、センサで検知したり、廃トナーボックス装着後の印刷回数及びトナー使用量から算出したりしている。このため、廃トナーボックスについても、ドラムユニット及びベルトユニットと同様に、装着時を100%として、利用回数が増えて行くに従って、90%、80%、…と減少する数値を表示して行く態様や、今から何年何ヶ月後に交換目安という態様で、交換時期に関する情報を表示することができる。そして、廃トナーボックスの交換時期に関する情報も、上記サービス画面162(
図2(b))内に設けた「消耗品交換時期情報表示」項目を選択することに応じて、上記表示態様でディスプレイ160上に表示するようにすればよい。さらに、廃トナーボックスも、ドラムユニット及びベルトユニットと同様に、交換を促すワーニング画面や、廃トナーボックスが交換されるまで印刷が行えないことを示すエラー画面をディスプレイ160上に表示するようにしてもよい。
【0032】
本実施形態では、消耗品発注処理は、上述のように、サービス画面162(
図2(b))から“Order Supplies”項目162aが選択されたことに応じて実行されるが、これに限らず、ワーニング画面あるいはエラー画面がディスプレイ160上に表示されたとき、CPU110は、そのワーニング画面あるいはエラー画面を表示させる原因となった消耗品を発注する消耗品発注処理を実行するようにしてもよい。例えば、ワーニング画面160a(
図11)がディスプレイ160上に表示された場合、CPU110は、消耗品発注処理を実行し、ワーニング画面160aから次に説明する消耗品選択画面163(
図2(c))に遷移させる。これと同様の処理を、他の消耗品、具体的には、ドラムユニット、ベルトユニット及び廃トナーボックスについても行うようにしてもよい。
【0033】
図5は、上記消耗品発注処理の詳細な手順を示している。
図5において、まずCPU110は、ディスプレイ160上に消耗品選択画面163(「発注画面」の一例)を表示する(S10)。
図2(c)は、消耗品選択画面163の一例を示している。消耗品選択画面163には、発注可能な各種消耗品の名称がリスト形式で表示されている。なお、各種消耗品の名称の横に表示されている数値“0”は、これから発注しようとする消耗品の数量を示している。消耗品選択画面163では、各消耗品について“0”が表示されているので、発注しようとする消耗品はない。
【0034】
次にCPU110は、消耗品の種類が選択されると(S12)、選択された消耗品はこれまで発注したことがなく、初めて発注するか否かを判断する(S14)。この判断において、初めて発注する場合(S14:YES)、CPU110は、処理をS28に進める。一方、この判断において、過去に既に発注したことがある場合(S14:NO)、CPU110は、消耗品を選択する操作が最初の選択操作であるか否かを判断する(S16)。この判断において、消耗品を選択する操作が最初の選択操作でない場合(S16:NO)、CPU110は、処理をS28に進める。一方、この判断において、消耗品を選択する操作が最初の選択操作である場合(S16:YES)、CPU110は、ディスプレイ160上に消耗品の履歴情報表示画面164を表示する(S18)。
【0035】
図3(a)は、消耗品の履歴情報表示画面164の一例を示している。この消耗品の履歴情報表示画面164は、ユーザが消耗品選択画面163から消耗品の種類として、消耗品の名称表示“Cyan(C)”163aを選択したときに、色が“Cyan(C)”のトナーの発注を過去に行ったことがあり(S14:NO)、かつ、今回の発注処理において初めて名称表示“Cyan(C)”163aを選択したこと(S16:YES)を条件に、ディスプレイ160上に表示された画面を示している。消耗品の履歴情報表示画面164には、履歴情報表示164aと、“Yes”ボタン164bと、“No”ボタン164cと、が主として表示されている。また、履歴情報表示164aがどの消耗品についての履歴情報であるかをユーザが一目で分かるように、消耗品の名称表示164dが履歴情報表示164aと並んで表示されている。
【0036】
履歴情報表示164aには、例えば、消耗品の発注日(“Date”)、残り消耗品数量(“No. of Units”)、消耗品のステータス(“Status”)、消耗品の配達日(Delivery date)及び消耗品の交換日(“Replaced date”)が含まれている。なお、履歴情報表示164aを表示するための履歴情報は、メモリ120内に消耗品毎に記憶されているので、CPU110は、消耗品の種類が選択されると、選択された消耗品に対応する履歴情報をメモリ120から読み出して、履歴情報表示164aに用いる。
【0037】
図5に戻り、 “Yes”ボタン164bが操作された場合(S20:YES)、CPU110は、発注確認が必要か否かを判断する(S22)。S22では、CPU110は、履歴情報表示164aを表示するための履歴情報に基づいて発注確認が必要か否かを判断する。具体的には、例えば、消耗品の交換日から間がないのに、残り消耗品数量が“1”以上である場合や、消耗品のステータスが消耗品を発注後配達に至るまでの状態である場合などは、CPU110は、発注確認が必要と判断する。なお、残り消耗品数量の取得は、
図8を用いて後述する第1ステータス取得処理のS128又はS134でなされる。また、消耗品のステータスの取得は、同様に第1ステータス取得処理のS128又はS134でなされるとともに、
図9を用いて後述する第2ステータス取得処理でなされる。
【0038】
上記S22の判断において、発注確認が必要である場合(S22:YES)、CPU110は、発注確認画面165を表示する(S24)。
図3(b)は発注確認画面165の一例を示している。発注確認画面165には、確認理由表示165aとともに、“Yes”ボタン165b及び“No”ボタン165cも表示されている。
【0039】
次に、“Yes”ボタン165bが操作された場合(S26:YES)、CPU110は、処理をS28に進める。一方、 “No”ボタン165cが操作された場合(S26:NO)、CPU110は、処理を上記S10に戻す。
【0040】
S28では、CPU110は、ディスプレイ160上に発注数量入力画面166を表示し、入力IF170を介して、発注数量の入力を受け付ける。
図3(c)は、発注数量入力画面166の一例を示している。発注数量入力画面166には、発注数量入力欄166aと、テンキー166bと、OKボタン166cとが設けられている。ユーザは、テンキー166bを操作することにより、発注数量入力欄166aに発注数量を入力することができる。
【0041】
次に、OKボタン166cが操作されると(S30:YES)、CPU110は、ディスプレイ160上に再度消耗品選択画面163を表示する(S32)。
【0042】
次に、“Start”ボタン163bが操作された場合(S34:YES)、CPU110は、入力された発注数量の消耗品をサーバ200に電子メールで発注を行った(S36)後、消耗品発注処理を終了する。このように、CPU110は、消耗品選択画面163におけるいずれかの消耗品に有効な注文数量(“1”以上)が入力された状態で操作されなければ、換言すると、消耗品選択画面163において、いずれかの消耗品に、例えば“1”が表示されている状態でなければ、消耗品の発注を指示しない。
【0043】
一方、消耗品選択画面163において、消耗品の種類が選択された場合(S34:NO)、CPU110は、処理を上記S12に戻す。
【0044】
このように消耗品発注処理では、消耗品選択画面163から消耗品の種類が選択された場合、消耗品選択画面163から直ちに発注数量入力画面166に遷移せずに、消耗品の履歴情報表示画面164及び必要に応じて発注確認画面165経由した後に、発注数量入力画面166に遷移するようにしている。これにより、重複発注を防止することが可能となる。
【0045】
一方、選択された消耗品が初めての発注である場合(S14:YES)には、消耗品の履歴情報表示画面164を経由せずに、消耗品選択画面163から発注数量入力画面166に遷移するようにした。これは、消耗品の履歴情報表示画面164内の履歴情報表示164aを表示するための履歴情報がメモリ120に記憶されていないからである。
【0046】
さらに、消耗品の選択操作が最初の選択操作ではない場合(S16:NO)も、消耗品の履歴情報表示画面164を経由せずに、消耗品選択画面163から発注数量入力画面166に遷移するようにしている。ここで、消耗品の選択操作が最初の選択操作ではない場合とは、例えば、消耗品選択画面163から消耗品の履歴情報表示画面164を経由して発注確認画面165に遷移し、この発注確認画面165で“No”ボタン165cが操作されて、再度消耗品選択画面163に遷移し、この消耗品選択画面163で名称表示“Cyan(C)”163aが再度選択された場合である。この場合に、消耗品の履歴情報表示画面164を再度表示すると、ユーザは、既に消耗品の履歴情報表示画面164を見ているにも拘わらず、再度見ることになり、ユーザの意図と異なる画面遷移となる虞があるからである。
【0047】
なお、本実施形態の消耗品発注処理では、消耗品の履歴情報表示画面164を経由せずに、消耗品選択画面163から発注数量入力画面166に遷移する場合は、上述のように選択された消耗品が初めての発注である場合(S14:YES)と消耗品の選択操作が最初の選択操作ではない場合(S16:NO)であった。しかし、これに限らず、ユーザ設定により、消耗品の履歴情報表示画面164を経由する/しないを切り替えるようにしてもよい。例えば、「消耗品の履歴情報表示画面164を経由しない」が設定されたときには、いずれの場合でも、消耗品選択画面163から直接、発注数量入力画面166に遷移する。
【0048】
図6は、上記履歴表示項目カスタマイズ処理の詳細な手順を示している。
図6において、まずCPU110は、ディスプレイ160上に履歴表示項目カスタマイズ画面168を表示する(S80)。
図4(a)は、履歴表示項目カスタマイズ画面168の一例を示している。履歴表示項目カスタマイズ画面168は、
図4(b)を用いて後述する全発注履歴表示画面169に表示する消耗品の全発注履歴に含まれる各項目について、表示するか否かをカスタマイズするための画面である。履歴表示項目カスタマイズ画面168には、各項目について表示/非表示を切り替えるためのボタン168a~168eと、“SAVE”ボタン168fとが設けられている。各項目は、履歴情報表示164a(
図3(a)参照)に含まれる各項目と同じであるので、その説明は省略する。但し、履歴表示項目カスタマイズ画面168で非表示に切り替えられた項目であっても、履歴情報表示164aでは表示される。つまり、履歴情報表示164aでは、すべての項目が表示される。これは、全発注履歴表示画面169では、過去に発注された消耗品の個数が多い場合には、表示する全発注履歴は多くなるため、表示する全発注履歴を短縮したいというユーザの要望が多いのに対して、履歴情報表示164aでは、ある1つの消耗品についての発注履歴を表示するだけであるので、このようなユーザの要望は少ないと思われるからである。また、“SAVE”ボタン168fは、カスタマイズ後の表示設定をセーブするためのボタンである。なお、履歴情報表示164aも、全発注履歴表示画面169と同様に、履歴表示項目カスタマイズ画面168で非表示に切り替えられた項目を非表示にするようにしてもよい。
【0049】
図6に戻り、CPU110は、カスタマイズ対象項目が選択されると(S82)、選択された項目が“default”表示された項目であるか否かを判断する(S84)。各項目について、表示/非表示の切り替え設定としては、本実施形態では、“default”,“show”及び“hide”の3態様を採ることができる。“default”設定は、「表示」を固定的に示し、「非表示」に切り替えることができない。
【0050】
上記S84の判断において、選択された項目が“default”表示された項目である場合(S84:YES)、CPU110は、履歴表示項目カスタマイズ処理を終了する。一方、S84の判断において、選択された項目が“default”表示された項目でない(S84:NO)、かつ、選択された項目が“show”表示された項目である場合(S86:YES)、CPU110は、“show”設定を“hide”設定に変更する(S88)とともに、ディスプレイ160上の表示を“show”表示から“hide”表示に変更した(S90)後、処理をS96に進める。
【0051】
一方、S86の判断において、選択された項目が“hide”表示された項目である場合(S86:NO)、CPU110は、“hide”設定を“show”設定に変更する(S92)とともに、ディスプレイ160上の表示を“hide”表示から“show”表示に変更した(S94)後、処理をS96に進める。
【0052】
S96では、“SAVE”ボタン168fが操作された場合(S96:YES)、CPU110は、表示設定を設定変更された表示設定で更新した(S98)後、履歴表示項目カスタマイズ処理を終了する。一方、“SAVE”ボタン168fが操作されず、履歴表示項目カスタマイズ画面168から他の画面へ遷移させる操作がなされた場合(S96:NO)、CPU110は、履歴表示項目カスタマイズ処理を終了する。この場合、上記S88又はS92で設定変更された表示設定は、設定変更前の状態に戻る。
【0053】
なお、本実施形態では、“default”設定は、「表示」を固定的に示すとしたが、これに限らず、「非表示」を固定的に示すとしてもよい。また、“default”設定は、変更不可の設定としたが、これに限らず、“hide”設定又は“show”設定に変更できるようにしてもよい。また、“default”設定をなくし、表示/非表示の切り替え設定として、“show”設定と“hide”設定の2態様を採るようにしてもよい。
【0054】
図7は、上記消耗品履歴表示処理の詳細な手順を示している。
図7において、まずCPU110は、履歴表示する消耗品があるか否かを判断する(S100)。過去に発注された消耗品の履歴情報は、上述のように履歴情報表示164aを表示するためにメモリ120に記憶されているので、S100では、CPU110は、メモリ120内に履歴情報が記憶されているか否かを判断することにより、履歴表示する消耗品があるか否かを判断する。S100の判断において、履歴表示する消耗品がない場合(S100:NO)、CPU110は、消耗品履歴表示処理を終了する。一方、S100の判断において、履歴表示する消耗品がある場合(S100:YES)、CPU110は、最初に履歴表示する消耗品を1つ固定するとともに、その消耗品について履歴情報に含まれる複数の項目のうちの1つを固定し、その項目についての表示設定をメモリ120から取得する(S102)。
【0055】
次に、取得した表示設定が“hide”設定でない場合(S104:NO)、つまり、“default”設定であるか、あるいは“show”設定である場合、CPU110は、その項目の表示内容を取得した(S106)後、処理をS108に進める。一方、取得した表示設定が“hide”設定である場合(S104:YES)、CPU110は、S106をスキップして、処理をS108に進める。
【0056】
図4(b)は、消耗品履歴表示処理によりディスプレイ160上に表示された全発注履歴表示画面169の一例を示している。全発注履歴表示画面169には、全発注履歴表示領域169aと、スクロールバー169bと、“close”ボタン169cとが設けられている。全発注履歴表示領域169aには、過去に発注されたすべての消耗品の履歴情報169a1,169a2,…が、消耗品毎に表示される。スクロールバー169bは、全発注履歴表示領域169a内に表示されていない消耗品の履歴情報をスクロールさせて、全発注履歴表示領域169a内に表示させるためのものである。“close”ボタン169cは、全発注履歴表示画面169を閉じて、他の画面に遷移させるためのボタンである。
【0057】
履歴情報169a1,169a2,…として表示される項目は、上述のように“default”設定及び“show”設定がなされている項目である。つまり、“hide”設定がなされている項目は、表示されない。上記S104では、CPU110は、“hide”設定がなされている項目については表示内容を取得しないための判断を行っている。
【0058】
図7に戻り、S108では、CPU110は、すべての項目について上記S104,S106の処理を終了したか否かを判断する。この判断において、上記S104,S106の処理を行う項目が未だ残っている場合(S108:NO)、CPU110は、次の項目を選択した(S110)後、処理を上記S102に戻す。一方、この判断において、上記S104,S106の処理を行う項目が残っていない場合(S108:YES)、CPU110は、履歴表示するすべての消耗品について上記S102~S110の処理を終了したか否かを判断する(S112)。この判断において、上記S102~S110の処理を行う消耗品が未だ残っている場合(S112:NO)、CPU110は、履歴表示する次の消耗品を選択した(S114)後、処理を上記S102に戻す。
【0059】
一方、S112の判断において、上記S102~S110の処理を行う消耗品が残っていない場合(S112:YES)、CPU110は、履歴表示するすべての消耗品毎に取得した表示内容を表示する(S116)。これにより、上記
図4(b)の全発注履歴表示画面169に示すように、全発注履歴表示領域169a内に履歴情報169a1,169a2,…が表示される。そして、CPU110は、“close”ボタン169cが操作されると、消耗品履歴表示処理を終了する。
【0060】
図8は、第1ステータス取得処理の手順を示している。第1ステータス取得処理は、上記消耗品発注処理(
図5)のS36において発注を行った消耗品に対して、発注後定期的に実行される。
【0061】
図8において、まずCPU110は、(現ステータス = Exchanged or null )&(前ステータス= delivered )であるか否かを判断する(S120)。ここで、ステータスは、本実施形態では、“null”,“Exchanged”,“Sent”,“Received”,“Dispatched”及び“Delivered”の6つの状態のいずれかを取り得るものとする。“null”は、消耗品の交換を行っていない状態を示している。“Exchanged”は、消耗品の交換を行った状態を示している。“Sent”は、サーバ200に対して消耗品の発注メールを送信した状態を示している。“Received”は、サーバ200が発注メールを受け取った状態を示している。“Dispatched”は、消耗品を発送した状態を示している。“Delivered”は、消耗品の配達が完了した状態を示している。そして、現ステータスが“Sent”,“Received”,“Dispatched”及び“Delivered”の4つの状態のいずれかであるかは、
図9を用いて後述する第2ステータス取得処理で取得される。
【0062】
上記S120において、(現ステータス = Exchanged or null )は、処理対象の消耗品のステータスが、交換された状態であるか、あるいは交換されていない状態であるか、いずれかの状態に等しいことを示している。(前ステータス= Delivered )は、処理対象の消耗品の1つ前のステータスが、消耗品の配達が完了した状態であることを示している。そして、S120では、(現ステータス= Exchanged or null )と(前ステータス = Delivered )の双方が「真」であるか否かを判断している。つまり、S120の判断において、「真」である場合(S120:YES)とは、処理対象の消耗品は、配達が完了し、かつ交換が行われた状態あるいは未だ交換が行われていない状態である。この場合、CPU110は、処理をS122に進める。一方、S120の判断において、「偽」である場合(S120:NO)、CPU110は、エラーを報知した(S138)後、第1ステータス取得処理を終了する。
【0063】
S122では、CPU110は、直近の配達日及び発注数量を取得する。直近の配達日は、例えば、処理対象の消耗品について直近に受信した、“Delivered”の記載されたメールを解析することにより取得すればよい。発注数量も通常、このメール内に記載されているので、それを取得すればよい。
【0064】
次にCPU110は、取得した直近の配達日から現在までに処理対象の消耗品を交換した回数を取得する(S124)。消耗品が交換されると、交換日がメモリ120内に記憶されるので、CPU110は、直近の配達日と現在の日付との間に含まれる交換日を数えることにより、処理対象の消耗品を交換した回数を取得することができる。
【0065】
次にCPU110は、処理対象の消耗品の交換回数が発注数量と等しいか否かを判断する(S126)。この判断において、処理対象の消耗品の交換回数が発注数量と等しい場合(S126:YES)、CPU110は、現ステータス= Exchanged とするとともに、残り消耗品数量=0とし(S128)、さらに、処理対象の消耗品の直近の交換日を取得した(S130)後、第1ステータス取得処理を終了する。
【0066】
一方、S126の判断において、処理対象の消耗品の交換回数が発注数量と等しくない場合(S126:NO)、CPU110は、残り消耗品数量を算出して、変数xに代入する(S132)。
【0067】
次にCPU110は、現ステータス = Exchanged とするとともに、残り消耗品数量=xとし(S134)、さらに、処理対象の消耗品の直近の交換日を取得した(S136)後、第1ステータス取得処理を終了する。
【0068】
このようにして第1ステータス取得処理により取得した現ステータス、残り消耗品数量及び直近の交換日は、CPU110により、処理対象の消耗品の履歴情報内の現ステータス、残り消耗品数量及び直近の交換日に上書きされて、更新される。
【0069】
図9は、第2ステータス取得処理の手順を示している。第2ステータス取得処理は、上記消耗品発注処理(
図5)のS36において電子メールで発注を行った消耗品に対して、その発注後、“Delivered”の記載された電子メールを受信するまで、定期的に実行される。
【0070】
図9において、まずCPU110は、処理対象の消耗品に対応する最新の電子メールを取得し(S140)、取得した電子メールの記載内容を解析する(S142)。
【0071】
次にCPU110は、解析した記載内容に文字列“Sent”が含まれているか否かを判断する(S144)。この判断において、解析した記載内容に文字列“Sent”が含まれている場合(S144:YES)、CPU110は、現ステータス = Sent とした(S146)後、第2ステータス取得処理を終了する。
【0072】
一方、S144の判断において、解析した記載内容に文字列“Sent”が含まれていない場合(S144:NO)、CPU110は、解析した記載内容に文字列“Received”が含まれているか否かを判断する(S148)。この判断において、解析した記載内容に文字列“Received”が含まれている場合(S148:YES)、CPU110は、現ステータス = Received とした(S150)後、第2ステータス取得処理を終了する。
【0073】
一方、S148の判断において、解析した記載内容に文字列“Received”が含まれていない場合(S148:NO)、CPU110は、解析した記載内容に文字列“Dispatched”が含まれているか否かを判断する(S152)。この判断において、解析した記載内容に文字列“Dispatched”が含まれている場合(S152:YES)、CPU110は、現ステータス = Dispatched とした(S154)後、第2ステータス取得処理を終了する。
【0074】
一方、S152の判断において、解析した記載内容に文字列“Dispatched”が含まれていない場合(S152:NO)、CPU110は、解析した記載内容に文字列“Delivered”が含まれているか否かを判断する(S156)。この判断において、解析した記載内容に文字列“Delivered”が含まれている場合(S156:YES)、CPU110は、現ステータス = Delivered とした(S158)後、第2ステータス取得処理を終了する。
【0075】
一方、S156の判断において、解析した記載内容に文字列“Delivered”が含まれていない場合(S156:NO)、CPU110は、エラーを報知した(S160)後、第2ステータス取得処理を終了する。
【0076】
このようにして第2ステータス取得処理により取得した現ステータスは、CPU110により、処理対象の消耗品の履歴情報内の現ステータスに上書きされて、更新される。
【0077】
以上説明したように、本実施形態のMFP100では、発注された消耗品について直近の発注日に基づいて作成された情報を含む履歴情報を、発注された消耗品の種類が特定された態様でディスプレイ160に表示するようにしたので、発注する消耗品の重複発注を防止することが可能となる。
【0078】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
(1)上記実施形態では、画像処理装置の一例として、MFP100を例に挙げて説明したが、MFP100に限らず、画像処理装置は、単体のプリンタやスキャナ、コピー機であってもよい。
(2)上記実施形態では、コントローラの一例として、1つのCPU110を用いているが、これに限らず、複数のCPUからなるものを用いてもよいし、複数のコアからなるCPUを含むものでもよい。また、CPUと専用回路とを有していてもよい。専用回路としては、例えば、ASIC及びFPGAなどが挙げられる。
【符号の説明】
【0079】
1…画像処理システム、100…MFP、110…CPU、120…メモリ、121…OS、122…制御プログラム、130…プリンタ、140…スキャナ、150…FAX部、160…ディスプレイ、170…入力IF、180…通信IF、190…通信バス、200…サーバ、300…通信ネットワーク。