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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】カートリッジシステム
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/18 20060101AFI20241203BHJP
【FI】
G03G21/18 121
G03G21/18 185
G03G21/18 142
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021055263
(22)【出願日】2021-03-29
(65)【公開番号】P2022152477
(43)【公開日】2022-10-12
【審査請求日】2024-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】塔筋 健太
(72)【発明者】
【氏名】板橋 奈緒
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-097293(JP,A)
【文献】特開2020-073959(JP,A)
【文献】特開2021-005112(JP,A)
【文献】特開2013-148858(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1現像カートリッジであって、
トナーを収容可能な第1筐体と、
第1方向に延びる第1現像軸を中心に回転可能な第1現像ローラであって、前記第1筐体の第1方向と直交する第2方向の一端部に位置する第1現像ローラと、
前記第1方向における前記第1筐体の一端部の少なくとも一部を覆う第1カバーと、を備える第1現像カートリッジと、
第1ドラムカートリッジであって、
前記第1方向に延びる第1ドラム軸を中心に回転可能な第1感光ドラムと、
前記第1現像カートリッジが着脱可能な第1ドラムフレームと、を備える第1ドラムカートリッジと、
第2現像カートリッジであって、
トナーを収容可能な第2筐体と、
前記第1方向に延びる第2現像軸を中心に回転可能な第2現像ローラであって、前記第2筐体の第1方向と直交する第2方向の一端部に位置する第2現像ローラと、
前記第1方向における前記第2筐体の一端部の少なくとも一部を覆う第2カバーと、を備える第2現像カートリッジと、
第2ドラムカートリッジであって、
前記第1方向に延びる第2ドラム軸を中心に回転可能な第2感光ドラムと、
前記第2現像カートリッジが着脱可能な第2ドラムフレームと、を備える第2ドラムカートリッジと、を備えるカートリッジシステムであって、
前記第2ドラムフレームは、突起を有し、
前記第2現像カートリッジが前記第2ドラムフレームに装着された状態において、前記第2カバーは、前記突起を受け入れる凹部を有し、
前記第1現像カートリッジが前記第2ドラムフレームへ装着される時に、前記第1カバーは、前記突起と接触し、
前記凹部は穴であることを特徴とするカートリッジシステム。
【請求項2】
前記第1カバーが前記突起と接触し、前記第1現像カートリッジは、前記第2ドラムフレームへ装着されないことを特徴とする請求項1に記載のカートリッジシステム。
【請求項3】
前記第1筐体は、前記第1方向における一端部に第1外表面を有し、
前記第1カバーは、前記第1外表面の少なくとも一部を覆い、
前記第2筐体は、前記第1方向における一端部に第2外表面を有し、
前記第2カバーは、前記第2外表面の少なくとも一部を覆うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカートリッジシステム。
【請求項4】
前記第1ドラムフレームは、前記第1感光ドラムを回転可能に保持し、
前記第2ドラムフレームは、前記第2感光ドラムを回転可能に保持することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカートリッジシステム。
【請求項5】
前記突起は、前記第1方向および第2方向と交差する第3方向に突出することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載のカートリッジシステム。
【請求項6】
第1現像カートリッジであって、
トナーを収容可能な第1筐体と、
第1方向に延びる第1現像軸を中心に回転可能な第1現像ローラであって、前記第1筐体の第1方向と直交する第2方向の一端部に位置する第1現像ローラと、
前記第1方向における前記第1筐体の一端部の少なくとも一部を覆う第1カバーと、を備える第1現像カートリッジと、
第1ドラムカートリッジであって、
前記第1方向に延びる第1ドラム軸を中心に回転可能な第1感光ドラムと、
前記第1現像カートリッジが着脱可能な第1ドラムフレームと、を備える第1ドラムカートリッジと、
第2現像カートリッジであって、
トナーを収容可能な第2筐体と、
前記第1方向に延びる第2現像軸を中心に回転可能な第2現像ローラであって、前記第2筐体の第1方向と直交する第2方向の一端部に位置する第2現像ローラと、
前記第1方向における前記第2筐体の一端部の少なくとも一部を覆う第2カバーと、を備える第2現像カートリッジと、
第2ドラムカートリッジであって、
前記第1方向に延びる第2ドラム軸を中心に回転可能な第2感光ドラムと、
前記第2現像カートリッジが着脱可能な第2ドラムフレームと、を備える第2ドラムカートリッジと、を備えるカートリッジシステムであって、
前記第2ドラムフレームは、突起を有し、
前記第2現像カートリッジが前記第2ドラムフレームに装着された状態において、前記第2カバーは、前記突起を受け入れる凹部を有し、
前記第1現像カートリッジが前記第2ドラムフレームへ装着される時に、前記第1カバーは、前記突起と接触し、
前記第2ドラムフレームは、
第1側壁と、
前記第1方向において、前記第1側壁から離れて位置する第2側壁と、を有し、
前記突起は、前記第1側壁に位置することを特徴とするカートリッジシステム。
【請求項7】
第1現像カートリッジであって、
トナーを収容可能な第1筐体と、
第1方向に延びる第1現像軸を中心に回転可能な第1現像ローラであって、前記第1筐体の第1方向と直交する第2方向の一端部に位置する第1現像ローラと、
前記第1方向における前記第1筐体の一端部の少なくとも一部を覆う第1カバーと、を備える第1現像カートリッジと、
第1ドラムカートリッジであって、
前記第1方向に延びる第1ドラム軸を中心に回転可能な第1感光ドラムと、
前記第1現像カートリッジが着脱可能な第1ドラムフレームと、を備える第1ドラムカートリッジと、
第2現像カートリッジであって、
トナーを収容可能な第2筐体と、
前記第1方向に延びる第2現像軸を中心に回転可能な第2現像ローラであって、前記第2筐体の第1方向と直交する第2方向の一端部に位置する第2現像ローラと、
前記第1方向における前記第2筐体の一端部の少なくとも一部を覆う第2カバーと、を備える第2現像カートリッジと、
第2ドラムカートリッジであって、
前記第1方向に延びる第2ドラム軸を中心に回転可能な第2感光ドラムと、
前記第2現像カートリッジが着脱可能な第2ドラムフレームと、を備える第2ドラムカートリッジと、を備えるカートリッジシステムであって、
前記第2ドラムフレームは、突起を有し、
前記第2現像カートリッジが前記第2ドラムフレームに装着された状態において、前記第2カバーは、前記突起を受け入れる凹部を有し、
前記第1現像カートリッジが前記第2ドラムフレームへ装着される時に、前記第1カバーは、前記突起と接触し、
前記第1現像カートリッジは、
前記第1現像カートリッジに関する情報を記憶する第1メモリと、
前記第1メモリと電気的に接続された第1電気的接触面と、
前記第1電気的接触面を保持する第1ホルダと、をさらに有し、
前記第1カバーは、前記第1ホルダを保持し、
前記第2現像カートリッジは、
前記第2現像カートリッジに関する情報を記憶する第2メモリと、
前記第2メモリと電気的に接続された第2電気的接触面と、
前記第2電気的接触面を保持する第2ホルダと、をさらに有し、
前記第2カバーは、前記第2ホルダを保持することを特徴とするカートリッジシステム。
【請求項8】
前記第1カバーは、前記第1筐体に対して、前記第1ホルダを移動可能に保持し、
前記第2カバーは、前記第2筐体に対して、前記第2ホルダを移動可能に保持することを特徴とする請求項に記載のカートリッジシステム。
【請求項9】
前記第1ホルダは、前記第1メモリを保持し、
前記第2ホルダは、前記第2メモリを保持することを特徴とする請求項または請求項に記載のカートリッジシステム。
【請求項10】
第1現像カートリッジであって、
トナーを収容可能な第1筐体と、
第1方向に延びる第1現像軸を中心に回転可能な第1現像ローラであって、前記第1筐体の第1方向と直交する第2方向の一端部に位置する第1現像ローラと、
前記第1方向における前記第1筐体の一端部の少なくとも一部を覆う第1カバーと、を備える第1現像カートリッジと、
第1ドラムカートリッジであって、
前記第1方向に延びる第1ドラム軸を中心に回転可能な第1感光ドラムと、
前記第1現像カートリッジが着脱可能な第1ドラムフレームと、を備える第1ドラムカートリッジと、
第2現像カートリッジであって、
トナーを収容可能な第2筐体と、
前記第1方向に延びる第2現像軸を中心に回転可能な第2現像ローラであって、前記第2筐体の第1方向と直交する第2方向の一端部に位置する第2現像ローラと、
前記第1方向における前記第2筐体の一端部の少なくとも一部を覆う第2カバーと、を備える第2現像カートリッジと、
第2ドラムカートリッジであって、
前記第1方向に延びる第2ドラム軸を中心に回転可能な第2感光ドラムと、
前記第2現像カートリッジが着脱可能な第2ドラムフレームと、を備える第2ドラムカートリッジと、を備えるカートリッジシステムであって、
前記第2ドラムフレームは、突起を有し、
前記第2現像カートリッジが前記第2ドラムフレームに装着された状態において、前記第2カバーは、前記突起を受け入れる凹部を有し、
前記第1現像カートリッジが前記第2ドラムフレームへ装着される時に、前記第1カバーは、前記突起と接触し、
前記第2現像カートリッジは、
前記第1方向における前記第2現像ローラの一端部に位置する現像ギヤと、
前記現像ギヤの少なくとも一部を覆うギヤカバーと、をさらに有し、
前記第2カバーは、前記ギヤカバーに取り付けられることを特徴とするカートリッジシステム。
【請求項11】
前記第2現像カートリッジが前記第2ドラムフレームに装着された状態において、前記突起は、前記第1方向において、前記ギヤカバーと前記第2カバーの一部の間に位置することを特徴とする請求項10に記載のカートリッジシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、現像カートリッジと、現像カートリッジが着脱可能なドラムカートリッジとを備えるカートリッジシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カートリッジシステムとして、現像カートリッジと、現像カートリッジが着脱可能なドラムカートリッジとを備えるものが知られている(特許文献1参照)。現像カートリッジは、トナーを収容可能な筐体と、第1方向に延びる現像軸を中心に回転可能な現像ローラとを備える。ドラムカートリッジは、第1方向に延びるドラム軸を中心に回転可能な感光ドラムと、現像カートリッジが着脱可能なドラムフレームとを備える。
【0003】
筐体は、第1方向に直交する第2方向の一端部に突出部を有し、ドラムフレームは、第2方向の一端部に凹部を有する。筐体の突出部が、ドラムフレームの凹部に受け入れられることにより、現像カートリッジが、ドラムカートリッジに装着可能となっている。また、現像カートリッジは、凹部のないドラムカートリッジには装着できないようになっている。すなわち、筐体の突出部とドラムフレームの凹部によって、現像カートリッジとドラムカートリッジの互換および非互換構造が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-72284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
画像形成装置の小型化のために、ドラムカートリッジを小型化することが求められている。例えば、ドラムフレームの凹部をなくすことで、第2方向におけるドラムカートリッジのサイズを小さくすることが考えられる。しかし、ドラムフレームの凹部をなくすと、現像カートリッジとドラムカートリッジの互換および非互換構造がなくなってしまう。
【0006】
そこで、本開示は、ドラムフレームの凹部をなくすことで、第2方向においてドラムカートリッジのサイズを小さくしつつ、現像カートリッジとドラムカートリッジの互換および非互換構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本開示のカートリッジシステムは、第1現像カートリッジと、第1ドラムカートリッジと、第2現像カートリッジと、第2ドラムカートリッジと、を備える。
第1現像カートリッジは、トナーを収容可能な第1筐体と、第1方向に延びる第1現像軸を中心に回転可能な第1現像ローラであって、前記第1筐体の第1方向と直交する第2方向の端部に位置する現像ローラと、前記第1方向における前記第1筐体の一端部の少なくとも一部を覆う第1カバーと、を備える。
第1ドラムカートリッジは、前記第1方向に延びる第1ドラム軸を中心に回転可能な第1感光ドラムと、前記第1現像カートリッジが着脱可能な第1ドラムフレームと、を備える。
第2現像カートリッジは、トナーを収容可能な第2筐体と、前記第1方向に延びる第2現像軸を中心に回転可能な第2現像ローラと、前記第1方向における前記第2筐体の一端部の少なくとも一部を覆う第2カバーと、を備える。
第2ドラムカートリッジは、前記第1方向に延びる第2ドラム軸を中心に回転可能な第2感光ドラムと、前記第2現像カートリッジが着脱可能な第2ドラムフレームと、を備える。
前記第2ドラムフレームは、突起を有し、前記第2現像カートリッジが前記第2ドラムフレームに装着された状態において、前記第2カバーは、前記突起を受け入れる凹部を有する。
前記第1現像カートリッジが前記第2ドラムフレームへ装着される時に、前記第1カバーは、前記突起と接触する。
【0008】
この構成によれば、ドラムフレームの凹部をなくすことで、第2方向においてドラムカートリッジのサイズを小さくしつつ、現像カートリッジとドラムカートリッジの互換および非互換構造を提供することができる。
【0009】
また、前記第1カバーが前記突起と接触し、前記第1現像カートリッジは、前記第2ドラムフレームへ装着されないことが望ましい。
【0010】
また、前記第1筐体は、前記第1方向における一端部に第1外表面を有し、前記第1カバーは、前記第1外表面の少なくとも一部を覆い、前記第2筐体は、前記第1方向における一端部に第2外表面を有し、前記第2カバーは、前記第2外表面の少なくとも一部を覆っていてもよい。
【0011】
また、前記第1ドラムフレームは、前記第1感光ドラムを回転可能に保持し、前記第2ドラムフレームは、前記第2感光ドラムを回転可能に保持していてもよい。
【0012】
また、前記凹部は穴であってもよい。
【0013】
また、前記突起は、前記第1方向および第2方向と直交する第3方向に延びていてもよい。
【0014】
また、前記第2ドラムフレームは、第1側壁と、前記第1方向において、前記第1側壁から離れて位置する第2側壁と、を有し、前記突起は、前記第1側壁に位置してもよい。
【0015】
また、前記第1現像カートリッジは、前記第1現像カートリッジに関する情報を記憶する第1メモリと、前記第1メモリと電気的に接続された第1電気的接触面と、前記第1電気的接触面を保持する第1ホルダと、をさらに有し、前記第1カバーは、前記第1ホルダを保持していてもよい。前記第2現像カートリッジは、前記第2現像カートリッジに関する情報を記憶する第2メモリと、前記第2メモリと電気的に接続された第2電気的接触面と、前記第2電気的接触面を保持する第2ホルダと、をさらに有し、前記第2カバーは、前記第2ホルダを保持していてもよい。
【0016】
また、前記第1カバーは、前記第1筐体に対して、前記第1ホルダを移動可能に保持し、前記第2カバーは、前記第2筐体に対して、前記第2ホルダを移動可能に保持していてもよい。
【0017】
また、前記第1ホルダは、前記第1メモリを保持し、前記第2ホルダは、前記第2メモリを保持していてもよい。
【0018】
また、前記第2現像カートリッジは、前記第1方向における前記第2現像ローラの一端部に位置する現像ギヤと、前記現像ギヤの少なくとも一部を覆うギヤカバーと、をさらに有し、前記第2カバーは、前記ギヤカバーに取り付けられていてもよい。
【0019】
また、前記第2現像カートリッジが前記第2ドラムフレームに装着された状態において、前記突起は、前記第1方向において、前記ギヤカバーと前記第2カバーの一部の間に位置していてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、ドラムフレームの凹部をなくすことで、第2方向においてドラムカートリッジのサイズを小さくしつつ、現像カートリッジとドラムカートリッジの互換および非互換構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1現像カートリッジと第1ドラムカートリッジを示す斜視図である。
図2】第1現像カートリッジの第1方向の一端部の構造を示す斜視図である。
図3】第1現像カートリッジが第1ドラムカートリッジに装着された状態を示す斜視図である。
図4】第1現像カートリッジがロックレバーにより第1ドラムフレームにロックされた状態を示す斜視図である。
図5】第1ホルダを図示しない画像形成装置の本体筐体に装着する際の、第1カバーに対する第1ホルダの動作を示す説明図であり、第1ホルダが本体筐体に装着される前の状態(a)、本体筐体に装着途中の状態(b)、本体筐体に装着された状態(c)を示す説明図である。
図6】第2現像カートリッジと第2ドラムカートリッジを示す斜視図である。
図7】第2現像カートリッジが第2ドラムカートリッジに装着された状態を示す部分拡大図である。
図8】第1現像カートリッジを第2ドラムカートリッジに装着した時に突起が第1カバーに接触した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本開示の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1および図6に示すように、カートリッジシステム10は、第1現像カートリッジ20と、第1ドラムカートリッジ30と、第2現像カートリッジ40と、第2ドラムカートリッジ50と、を備える。
【0023】
第1現像カートリッジ20は、第1ドラムカートリッジ30の後述する第1ドラムフレーム32に着脱可能である。第1現像カートリッジ20は、第1筐体21と、第1現像ローラ22とを備える。第1現像ローラ22は、第1方向に延びる第1現像軸X1を中心に回転可能である。第1現像ローラ22は、第1筐体21の第1方向と交差する第2方向の一端部に位置する。なお、本実施形態では、第2方向は、第1方向と直交する。
【0024】
第1方向および第2方向と交差する方向を第3方向とする。なお、本実施形態では、第3方向は、第1方向および第2方向と直交する。
【0025】
第1筐体21は、トナーを収容可能である。第1筐体21は、第1方向における第1筐体21の一端部に第1外表面F1を有する。
第1現像ローラ22は、後述する第1感光ドラム31にトナーを供給するローラである。
【0026】
図2に示すように、第1現像カートリッジ20は、さらに、第1現像ギヤ23と、第1ギヤカバー24と、第1メモリ(図示省略)と、第1電気的接触面25と、第1ホルダ26と、第1カバー27と、を備える。第1現像ギヤ23は、第1現像ローラ22を駆動するためのギヤである。第1現像ギヤ23は、第1方向における第1現像ローラ22の一端部に位置する。第1ギヤカバー24は、第1現像ギヤ23の少なくとも一部を覆うカバーである。第1ギヤカバー24は、第1筐体21の第1外表面F1に位置する。
【0027】
第1メモリは、第1現像カートリッジ20に関する現像情報を記憶している。現像情報としては、例えば、第1現像カートリッジ20内のトナーの残量や第1現像ローラ22の寿命などが挙げられる。基板25Aは、第1面と、第1面とは反対側の第2面と、を有する。第1電気的接触面25は、基板25Aの第1面に位置する。一例として、第1メモリは、基板25Aの第2面に位置する。第1電気的接触面25は、配線により第1メモリと電気的に接続されている。第1メモリは、配線により基板25Aおよび第1電気的接触面25と電気的に接続されるとともに、基板25Aおよび第1電気的接触面25から離れた位置に位置していてもよい。
【0028】
図2および図5に示すように、第1ホルダ26は、保持部材26Aと、進退部材26Bと、バネ(図示省略)と、を備える。保持部材26Aは、第1電気的接触面25と第1メモリとを保持する部材である。第1メモリは、保持部材26Aに保持されていなくてもよい。バネは、保持部材26Aと進退部材26Bとの間に位置するコイルバネである。バネは、進退部材26Bを第1電気的接触面25から離れる方向に付勢する。
【0029】
図2に示すように、第1カバー27は、第1方向における第1筐体21の第1外表面F1の少なくとも一部を覆っている。第1カバー27は、ホルダ保持部27Aと、取付部27Bとを有する。ホルダ保持部27Aは、第1筐体21に対して第1ホルダ26を第2方向および第3方向に移動可能に保持している。取付部27Bは、ねじ90により第1ギヤカバー24に取り付けられている。
【0030】
図1に戻り、取付部27Bは、底面B1を備える。底面B1は、第3方向に直交する第1面27Cと、第1面27Cよりも第1現像ローラ22から離れた第2面27Dとを有する。第2面27Dは、第1面27Cと異なる方向を向いている。
【0031】
以上のように第1現像カートリッジ20が構成されることで、第1現像カートリッジ20が図示省略の画像形成装置の本体筐体60に装着される間に、第1ホルダ26は、図5(a)から(c)に示すように、第1筐体21に対して移動する。図5(a)に示すように、第1ホルダ26は、第1現像カートリッジ20が本体筐体60に装着される前の状態において、バネによって保持部材26Aと進退部材26Bが最大限離れた状態にある。
【0032】
図5(b)に示すように、第1ホルダ26は、第1現像カートリッジ20が本体筐体60に装着される途中の状態において、保持部材26Aおよび進退部材26Bが本体筐体60の一部に押される。その結果、バネが縮められ、第1電気的接触面25が進退部材26Bに近づく。
【0033】
図5(c)に示すように、第1ホルダ26は、第1現像カートリッジ20が本体筐体60に装着された状態において、保持部材26Aの端部が、本体筐体60の凹み62に嵌まる。その結果、第1ホルダ26は、本体筐体60に位置決めされ、第1電気的接触面25は、本体筐体60の接点61に接触する。図5(c)の状態のバネは、図5(a)の状態のバネよりも縮む。その結果、バネの弾性力により、第1電気的接触面25が、本体筐体60の接点61に押し付けられる。
【0034】
図1に戻り、第1ドラムカートリッジ30は、第1感光ドラム31と、第1ドラムフレーム32と、を備える。第1感光ドラム31は、第1方向に延びる第1ドラム軸X2を中心に回転可能である。第1感光ドラム31は、第1ドラムフレーム32の第2方向の一端部に位置する。
【0035】
第1ドラムフレーム32は、第1側壁W1と、第2側壁W2と、底壁BW1とを有する。第1ドラムフレーム32は、第1感光ドラム31を回転可能に保持する。第2側壁W2は、第1方向において、第1側壁W1から離れて位置する。底壁BW1は、第1方向に延びる。底壁BW1は、第1側壁W1と第2側壁W2とを連結する。
【0036】
図3に示すように、第1現像カートリッジ20は、第1ドラムカートリッジ30に装着することができる。第1現像カートリッジ20が第1ドラムカートリッジ30に装着された状態において、第1カバー27の底面B1は、第1ドラムフレーム32の第1側壁W1と向かい合う。
【0037】
図4に示すように、第1ドラムカートリッジ30は、ロックレバーL1をさらに備える。ロックレバーL1は、第1方向に延びるロック軸X5について、ロック位置とロック解除位置との間で回動可能となっている。図4に示すようにロックレバーL1がロック位置に位置する状態では、ロックレバーL1の爪N1が、第1現像カートリッジ20の突出部28と接触する。その結果、ロックレバーL1は、第1現像カートリッジ20を第1ドラムフレーム32にロックする。
【0038】
次に、図6図7を参照して、第2現像カートリッジ40と第2ドラムカートリッジ50について説明する。第2ドラムカートリッジ50は、第2ドラムフレーム52が突起52Pを有する以外は、第1ドラムカートリッジ30と同じ構成を有する。また、第2現像カートリッジ40は、第2カバー47が突起52Pを受け入れる凹部47Hを有する以外は、第1現像カートリッジ20と同じ構成を有する。
【0039】
図6に示すように、第2現像カートリッジ40は、第2ドラムカートリッジ50の後述する第2ドラムフレーム52に着脱可能である。第2現像カートリッジ40は、第2筐体41と、第2現像ローラ42とを備える。第2現像ローラ42は、第1方向に延びる第2現像軸X3を中心に回転可能である。第2現像ローラ42は、第2筐体41の第1方向と交差する第2方向の一端部に位置する。
【0040】
第2筐体41は、トナーを収容可能である。第2筐体41は、第1方向における一端部に第2外表面F2を有する。
第2現像ローラ42は、後述する第2感光ドラム51にトナーを供給するローラである。
【0041】
第2現像カートリッジ40は、さらに、現像ギヤとしての第2現像ギヤ(図示省略)と、ギヤカバーとしての第2ギヤカバー44と、第2メモリ(図示省略)と、第2電気的接触面45(図7参照)と、第2ホルダ46と、第2カバー47と、を備える。第2現像ギヤは、第2現像ローラ42を駆動するためのギヤである。第2現像ギヤは、第1現像ギヤ23と同様に第1方向における第2現像ローラ42の一端部に位置する。第2ギヤカバー44は、第2現像ギヤの少なくとも一部を覆うカバーである。第2ギヤカバー44は、第2筐体41の第2外表面F2に位置する。
【0042】
第2メモリは、第2現像カートリッジ40に関する現像情報を記憶している。現像情報としては、例えば、第2現像カートリッジ40内のトナーの残量や第2現像ローラ42の寿命などが挙げられる。第2電気的接触面45は、第2メモリと電気的に接続されている。
【0043】
第2ホルダ46の構成は、第1ホルダ26と同じであるので説明を省略する。
第2カバー47は、第1方向における第2筐体41の第2外表面F2の少なくとも一部を覆っている。第2カバー47は、ホルダ保持部47Aと、取付部47Bとを有する。ホルダ保持部47Aは、第2筐体41に対して第2ホルダ46を第2方向および第3方向に移動可能に保持している。第2ホルダ46の本体筐体60への装着時の動作は、第1ホルダ26と同じであるので説明を省略する。
【0044】
取付部47Bは、ねじ90により第2ギヤカバー44に取り付けられている。取付部27Bは、底面B2を備える。底面B2は、凹部47Hを有する。底面B2は、第3方向に直交する第1面47Cと、第1面27Cよりも第2現像ローラ42から離れた第2面47Dとを有する。第2面47Dは、第1面47Cよりもわずかに異なる角度で延びている。凹部47Hは、第1面47Cと第2面47Dに跨って形成されている。本実施形態では、凹部47Hは、第2カバー47に形成された切欠きである。
【0045】
第2ドラムカートリッジ50は、第2感光ドラム51と、第2ドラムフレーム52と、を備える。第2感光ドラム51は、第1方向に延びる第2ドラム軸X4を中心に回転可能である。第2感光ドラム51は、第2ドラムフレーム52の第2方向の一端部に位置する。
【0046】
第2ドラムフレーム52は、第1側壁W3と、第2側壁W4と、底壁BW2と、突起52Pとを有する。第2ドラムフレーム52は、第2感光ドラム51を回転可能に保持する。第2側壁W4は、第1方向において、第1側壁W3から離れて位置する。底壁BW2は、第2方向に延びる。底壁BW2は、第1側壁W3と第2側壁W4とを連結する。
【0047】
突起52Pは、第1側壁W3に位置する。突起52Pは、底壁BW2から離れるように第3方向に突出する。本実施形態では、突起52Pは、第1側壁W3の一部である。詳しくは、突起52Pは、第1側壁W3と一体成型されている。
【0048】
図7に示すように、第2現像カートリッジ40は、第2ドラムフレーム52に装着することができる。第2現像カートリッジ40が第2ドラムフレーム52に装着されると、突起52Pは、第2カバー47の凹部47Hに受け入れられる。このとき、突起52Pは、第1方向において、第2ギヤカバー44と第2カバー47の取付部47Bの間に位置する。
【0049】
図8に示すように、第2ドラムカートリッジ50は、ロックレバーL2をさらに備える。ロックレバーL2は、ロックレバーL1と同じ構成を有するので説明を省略する。第1現像カートリッジ20が第2ドラムフレーム52へ装着される時には、第1カバー27が突起52Pと接触し、第1現像カートリッジ20を第2ドラムフレーム52へ装着することができない。この状態では、ロックレバーL2の爪N2を第1現像カートリッジ20の突出部48と係合させることができず、第1現像カートリッジ20を第2ドラムフレーム52にロックすることができない。
【0050】
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
第2現像カートリッジ40は、第2カバー47に凹部47Hを有する。第2現像カートリッジ40が第2ドラムカートリッジ50に装着されるときに、第2ドラムカートリッジ50の突起52Pは、第2カバー47の凹部47Hに受け入れられる。その結果、第2現像カートリッジ40を第2ドラムカートリッジ50に装着することができる。
【0051】
一方、第1現像カートリッジ20を第2ドラムカートリッジ50に装着しようとしても、第1カバー27が、突起52Pと接触する。そのため、第1現像カートリッジ20を第2ドラムカートリッジ50に装着することができない。これにより、ドラムフレームの凹部をなくすことで、第2方向においてドラムカートリッジのサイズを小さくしつつ、現像カートリッジとドラムカートリッジの互換および非互換構造を提供することができる。
【0052】
なお、本開示は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
前記実施形態では、凹部47Hは、切欠きであるが、凹部47Hは、第2カバー47を貫通する穴または貫通しない穴であってもよい。また、前記実施形態では、取付部47Bが、凹部47Hを第1方向で覆っているが、取付部47Bが、凹部47Hを覆わなくてもよい。
【0053】
前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0054】
10 カートリッジシステム
20 第1現像カートリッジ
21 第1筐体
22 第1現像ローラ
27 第1カバー
30 第1ドラムカートリッジ
31 第1感光ドラム
32 第1ドラムフレーム
40 第2現像カートリッジ
41 第2筐体
42 第2現像ローラ
47 第2カバー
47H 凹部
50 第2ドラムカートリッジ
51 第2感光ドラム
52 第2ドラムフレーム
52P 突起
X1 第1現像軸
X2 第1ドラム軸
X3 第2現像軸
X4 第2ドラム軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8